半導体装置
【課題】半導体基板(半導体ウエハ)上に比較的大きな厚さの層間絶縁膜が形成される構成において、半導体基板に反り変形が生じることを抑制できる、半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板2上に形成される層間絶縁膜12は、複数の第1絶縁膜13の積層構造を有している。また、半導体基板2上には、トランスを構成する第1コイル10および第2コイル22が層間絶縁膜12を挟んで対向して設けられている。そして、各第1絶縁膜13には、第1絶縁膜13を貫通するビアホール24が形成され、各ビアホール24には、ビア23が埋設されている。
【解決手段】半導体基板2上に形成される層間絶縁膜12は、複数の第1絶縁膜13の積層構造を有している。また、半導体基板2上には、トランスを構成する第1コイル10および第2コイル22が層間絶縁膜12を挟んで対向して設けられている。そして、各第1絶縁膜13には、第1絶縁膜13を貫通するビアホール24が形成され、各ビアホール24には、ビア23が埋設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、とくにパワー半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パワーエレクトロニクスの分野において、トランスを備えるパワー半導体装置(以下「トランスデバイス」という。)の開発が進められている。
図5は、トランスデバイスの構造を示す模式的な断面図である。
トランスデバイス101は、図示しない半導体基板上に、SiO2(酸化シリコン)からなる第1配線層102を備えている。
【0003】
第1配線層102には、第1配線溝103が形成されている。第1配線溝103には、バリアメタル104を介して、Cu(銅)を主成分とする金属材料(以下「Cu配線材料」という。)からなる第1配線105が埋設されている。また、第1配線層102には、第1配線溝103と間隔を空けて、第1配線溝103と同じ深さを有する平面視渦巻状のコイル溝106が形成されている。コイル溝106には、バリアメタル107を介して、第1コイル108が埋設されている。
【0004】
第1配線層102上には、SiNからなる拡散防止/エッチングストッパ膜109およびSiO2からなる層間絶縁膜110が積層されている。さらに、層間絶縁膜110上には、SiNからなるエッチングストッパ膜111およびSiO2からなる第2配線層112が積層されている。
第2配線層112には、第2配線溝113が形成されている。第2配線溝113は、第2配線層112の上面から層間絶縁膜110の上面まで掘り下がっている。第2配線溝113には、バリアメタル114を介して、Cu配線材料からなる第2配線115が埋設されている。また、第2配線層112には、第2配線溝113と間隔を空けて、第2配線溝113と同じ深さを有する平面視渦巻状のコイル溝116が形成されている。コイル溝116には、バリアメタル117を介して、第1コイル108とともにトランスを構成する第2コイル118が埋設されている。
【0005】
第2配線溝113は、平面視で第1配線105と交差する部分を有するパターンに形成されている。そして、平面視で第1配線105と第2配線溝113(第2配線115)とが交差する部分において、それらの間には、拡散防止/エッチングストッパ膜109および層間絶縁膜110を貫通するビアホール119が形成されている。ビアホール119には、バリアメタル120を介して、ビア121が埋設されている。これにより、第1配線105と第2配線115とは、ビア121を介して電気的に接続されている。
【0006】
第2配線層112上には、拡散防止/エッチングストッパ膜122および層間絶縁膜123が積層されている。
【特許文献1】US2005/0230837A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トランスを構成する第1コイル108および第2コイル118間には、非常に大きな電位差が生じる。そのため、第1コイル108および第2コイル118間に介在される層間絶縁膜110は、その電位差による絶縁破壊を生じない耐圧(たとえば、3500V)を発揮可能な大きな厚さを有していなければならない。たとえば、層間絶縁膜110に3500Vの絶縁耐圧を確保するためには、SiO2の絶縁耐圧が6〜7MV/cm程度であるから、層間絶縁膜110の厚さが5μm程度でなければならない。
【0008】
ところが、SiO2からなる層間絶縁膜110は、圧縮応力を有している。そのため、層間絶縁膜110の厚さが大きいと、半導体基板が層間絶縁膜110側に凸となる大きな反り変形を生じる。半導体基板の母体が直径300mmの半導体ウエハである場合、とくに大きな反り変形を生じ、半導体ウエハのハンドリングが不可能になるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、半導体基板(半導体ウエハ)上に比較的大きな厚さの層間絶縁膜が形成される構成において、半導体基板に反り変形が生じることを抑制できる、半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板側に設けられた第1コイルと、前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向し、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルと、各前記第1絶縁膜を貫通するビアホールにそれぞれ設けられた複数のビアとを含む、半導体装置である。
【0010】
この構成によれば、半導体基板上に形成される層間絶縁膜は、複数の第1絶縁膜の積層構造を有している。また、半導体基板上には、トランスを構成する第1コイルおよび第2コイルが層間絶縁膜を挟んで対向して設けられている。そして、各第1絶縁膜には、第1絶縁膜を貫通するビアホールが形成され、各ビアホールには、ビアが埋設されている。
第1絶縁膜にビアホールを形成するために、第1絶縁膜の選択的なエッチングが行われる。また、ビアホールにビアを埋設するために、第1絶縁膜上に形成されるビアの材料および第1絶縁膜の表面の平坦化(たとえば、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法による平坦化)が行われる。第1絶縁膜が圧縮応力を有する圧縮応力膜であっても、それらの処理(工程)が行われることにより、第1絶縁膜の圧縮応力を低減する。よって、層間絶縁膜が比較的大きな厚さに形成されても、半導体基板に反り変形が生じることを抑制できる。
【0011】
前記半導体装置は、請求項4に記載の製造方法により製造することができる。その製造方法は、半導体基板上に第1コイルを形成する工程と、前記第1コイル上に複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向する位置に、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルを形成する工程とを含む。そして、前記層間絶縁膜を形成する工程では、前記第1絶縁膜を形成する工程と、エッチングにより、前記第1絶縁膜にビアホールを形成する工程と、前記ビアホールにビアを埋設する工程とがこの順に繰り返される。
【0012】
請求項2に記載ように、前記層間絶縁膜は、第1絶縁膜間に前記第1絶縁膜の材料とは異なる材料からなる第2絶縁膜を備えていてもよい。この場合、前記第1絶縁膜は、圧縮応力膜であり、前記第2絶縁膜は、引張応力膜であることが好ましい。すなわち、層間絶縁膜は、複数の圧縮応力膜と引張応力膜との積層構造を有していることが好ましい。この構成によれば、半導体基板上において、圧縮応力膜の圧縮応力と引張応力膜の引張応力とが相互に打ち消し合う。したがって、層間絶縁膜が比較的大きな厚さに形成されても、半導体基板に反り変形が生じることを一層抑制できる。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記ビアは、シングルダマシン法により形成されていることが好ましい。シングルダマシン法では、第1絶縁膜にビアを形成する工程が第1絶縁膜ごとに別工程で行われ、その各工程において、第1絶縁膜の選択的なエッチングおよび平坦化が行われる。したがって、各第1絶縁膜の圧縮応力を低減させることができる。その結果、半導体基板に反り変形が生じることを効果的に抑制できる。
【0014】
なお、ビアは、半導体基板上に形成される配線と電気的に接続されるものであってもよいし、その配線との電気的な接続に寄与しないダミービアであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。
半導体装置1は、トランスデバイスであり、半導体基板2を備えている。半導体基板2としては、Si(シリコン)基板、SiC(炭化珪素)基板などを例示することができる。
【0016】
半導体基板2上には、エッチングストッパ膜3が積層されている。エッチングストッパ膜3は、SiNからなり、引張応力を有している。エッチングストッパ膜3の厚さは、たとえば、0.3μm(=300nm)である。
エッチングストッパ膜3上には、第1配線層4が積層されている。第1配線層4は、SiO2からなり、圧縮応力を有している。第1配線層4の厚さは、たとえば、2.1μmである。
【0017】
第1配線層4には、第1配線溝5が形成されている。第1配線溝5は、第1配線層4の上面から掘り下がった凹状をなし、第1配線層4およびその下方のエッチングストッパ膜3を貫通している。
第1配線溝5の内面(側面および底面)上には、バリアメタル6が形成されている。バリアメタル6は、半導体基板2側からTa(タンタル)膜、TaN(窒化タンタル)膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第1配線溝5には、バリアメタル6を介して、Cu配線材料(Cuを主成分とする金属材料)からなる第1配線7が埋設されている。第1配線7は、その表面が第1配線層4の表面と面一をなしている。バリアメタル6により、第1配線7に含まれるCuが第1配線層4中に拡散することが防止されている。
【0018】
また、第1配線層4には、第1配線溝5と間隔を空けて、平面視渦巻状の第1コイル溝8が形成されている。第1コイル溝8は、第1配線溝5と同じ深さを有しており、第1配線層4およびその下方のエッチングストッパ膜3を貫通している。
第1コイル溝8の内面(側面および底面)上には、バリアメタル9が形成されている。バリアメタル9は、第1配線溝5の内面上に形成されているバリアメタル6と同じ積層構造を有している。すなわち、バリアメタル9は、半導体基板側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第1コイル溝8には、バリアメタル9を介して、第1配線7の材料と同じ材料であるCu配線材料からなる第1コイル10が埋設されている。第1コイル10は、その表面が第1配線層4の表面と面一をなしている。バリアメタル6により、第1コイル10に含まれるCuが第1配線層4中に拡散することが防止されている。
【0019】
第1配線層4上には、拡散防止/エッチングストッパ膜11が積層されている。拡散防止/エッチングストッパ膜11は、SiNからなり、引張応力を有している。拡散防止/エッチングストッパ膜11の厚さは、たとえば、0.3μmである。拡散防止/エッチングストッパ膜11により、第1配線7および第1コイル10に含まれるCuが次に述べる第1絶縁膜13中に拡散することが防止されている。
【0020】
拡散防止/エッチングストッパ膜11上には、層間絶縁膜12が積層されている。層間絶縁膜12は、第1絶縁膜13および第2絶縁膜14が半導体基板2側から交互に積層された複数層構造を有している。具体的には、層間絶縁膜12は、2つの第1絶縁膜13間に第2絶縁膜14を介在させた3層構造を有している。層間絶縁膜12は、比較的大きな厚さ、たとえば、4.5μmの厚さを有している。
【0021】
第1絶縁膜13は、SiO2からなり、圧縮応力を有している。第1絶縁膜13の厚さは、たとえば、2.1μmである。
第2絶縁膜14は、SiNからなり、引張応力を有している。第2絶縁膜14の厚さは、たとえば、0.3μmである。
層間絶縁膜12上には、エッチングストッパ膜15が積層されている。エッチングストッパ膜15は、SiNからなり、引張応力を有している。エッチングストッパ膜15の厚さは、たとえば、0.3μm(=300nm)である。
【0022】
エッチングストッパ膜15上には、第2配線層16が積層されている。第2配線層16は、SiO2からなり、圧縮応力を有している。第2配線層16の厚さは、たとえば、2.1μmである。
第2配線層16には、第2配線溝17が形成されている。第2配線溝17は、第2配線層16の上面から掘り下がった凹状をなし、第2配線層16およびその下方のエッチングストッパ膜15を貫通している。
【0023】
第2配線溝17の内面(側面および底面)上には、バリアメタル18が形成されている。バリアメタル18は、半導体基板2側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第2配線溝17には、バリアメタル18を介して、Cu配線材料(Cuを主成分とする金属材料)からなる第2配線19が埋設されている。第2配線19は、その表面が第2配線層16の表面と面一をなしている。バリアメタル18により、第2配線19に含まれるCuが第1絶縁膜13(層間絶縁膜12)および第2配線層16中に拡散することが防止されている。
【0024】
また、第2配線層16には、第2配線溝17と間隔を空けて、平面視渦巻状の第2コイル溝20が形成されている。第2コイル溝20は、第2配線溝17と同じ深さを有しており、第2配線層16およびその下方のエッチングストッパ膜15を貫通している。
第2コイル溝20の内面(側面および底面)上には、バリアメタル21が形成されている。バリアメタル21は、第2配線溝17の内面上に形成されているバリアメタル18と同じ積層構造を有している。すなわち、バリアメタル21は、半導体基板2側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第2コイル溝20には、バリアメタル21を介して、第2配線19の材料と同じ材料であるCu配線材料からなる第2コイル22が埋設されている。第2コイル22は、その表面が第2配線層16の表面と面一をなしている。バリアメタル21により、第2コイル22に含まれるCuが第2配線層16中に拡散することが防止されている。
【0025】
また、第2配線溝17は、平面視で第1配線7と交差する部分を有するパターンに形成されている。そして、平面視で第1配線7と第2配線溝17とが交差する部分において、それらの間には、複数のビア23が直列に設けられている。
具体的には、層間絶縁膜12の各第1絶縁膜13には、ビアホール24が形成されている。上層側の第1絶縁膜13に形成されているビアホール24は、その第1絶縁膜13を貫通し、さらに第1絶縁膜13の下方の第2絶縁膜14を貫通している。下層側の第1絶縁膜13に形成されているビアホール24は、その第1絶縁膜13を貫通し、さらに第1絶縁膜13の下方の拡散防止/エッチングストッパ膜11を貫通している。各ビアホール24の内面には、バリアメタル25が形成されている。バリアメタル25は、半導体基板2側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、各ビアホール24には、バリアメタル25を介して、Cu配線材料からなるビア23が埋設されている。バリアメタル25により、ビア23に含まれるCuが第1絶縁膜13中に拡散することが防止されている。第1配線7と第2配線19とは、ビア23およびバリアメタル25を介して電気的に接続されている。
【0026】
第2配線層16上には、拡散防止/エッチングストッパ膜26および層間絶縁膜27などが積層されている。拡散防止/エッチングストッパ膜26は、SiNからなり、引張応力を有している。拡散防止/エッチングストッパ膜26の厚さは、たとえば、0.3μmである。拡散防止/エッチングストッパ膜26により、第2配線19および第2コイル22に含まれるCuが層間絶縁膜27中に拡散することが防止されている。層間絶縁膜27は、層間絶縁膜12と同様の積層構造を有していてもよいし、SiO2の単層構造であってもよい。
【0027】
なお、半導体基板2とエッチングストッパ膜3との間に1または複数の層間絶縁膜が介在されていてもよい。この場合、各層間絶縁膜は、層間絶縁膜12と同様の積層構造を有していてもよいし、SiO2の単層構造であってもよい。また、第1配線7の下方に別の配線が形成されていてもよい。この場合、図1に示すように、第1配線7は、第1配線7の下層の配線とビア28を介して電気的に接続される。むろん、第1配線層4が半導体基板2に接して形成され、第1配線7が最下層の配線であってもよい。
【0028】
図2A〜2Nは、図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図2Aに示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により、半導体基板2上に、エッチングストッパ膜3および第1配線層4が積層される。
次に、図2Bに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、第1配線溝5および第1コイル溝8が形成される。このとき、エッチングストッパ膜3が第1配線層4のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0029】
その後、図2Cに示すように、スパッタ法により、第1配線層4の上面ならびに第1配線溝5および第1コイル溝8の内面に、バリアメタル6,9の材料からなる積層膜(Ta膜、TaN膜およびTa膜)31が形成される。つづいて、めっき法により、積層膜31上に、Cu配線材料からなるめっき層32が形成される。第1配線溝5および第1コイル溝8は、めっき層32により埋め尽くされる。
【0030】
次いで、図2Dに示すように、CMP法により、めっき層32および積層膜31が連続して研磨される。この研磨は、めっき層32および積層膜31における第1配線溝5および第1コイル溝8外に形成されている不要部分がすべて除去されて、第1配線溝5および第1コイル溝8内に埋まっているめっき層32の表面が第1配線層4の表面(上面)と面一になるまで続けられる。これにより、第1配線溝5にバリアメタル6を介して埋設された第1配線7および第1コイル溝8にバリアメタル9を介して埋設された第1コイル10が得られる。なお、このとき、第1配線層4の表面も少し研磨される。
【0031】
その後、図2Eに示すように、CVD法により、拡散防止/エッチングストッパ膜11および第1絶縁膜13が順に積層される。
そして、シングルダマシン法により、ビア23が形成される。
具体的には、図2Fに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ビアホール24が形成される。このとき、拡散防止/エッチングストッパ膜11が第1絶縁膜13のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0032】
その後、図2Gに示すように、スパッタ法により、第1絶縁膜13の上面ならびにビアホール24の内面に、バリアメタル25の材料からなる積層膜(Ta膜、TaN膜およびTa膜)33が形成される。つづいて、めっき法により、積層膜33上に、Cu配線材料からなるめっき層34が形成される。ビアホール24は、めっき層34により埋め尽くされる。
【0033】
次いで、図2Hに示すように、CMP法により、めっき層34および積層膜33が連続して研磨される。この研磨は、めっき層34および積層膜33におけるビアホール24外に形成されている不要部分がすべて除去されて、ビアホール24内に埋まっているめっき層34の表面が第1絶縁膜13の表面(上面)と面一になるまで続けられる。これにより、ビアホール24にバリアメタル25を介して埋設されたビア23が得られる。なお、このとき、第1絶縁膜13の表面も少し研磨される。
【0034】
ビア23の形成後、図2Iに示すように、CVD法により、第2絶縁膜14および第1絶縁膜13が順に積層される。
そして、図2F〜2Hに示す工程と同様の工程を経て、図2Jに示すように、上層側の第1絶縁膜13にビアホール24が形成され、このビアホール24にバリアメタル25を介してビア23が埋設される。このとき、第2絶縁膜14が第1絶縁膜13のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0035】
ビア23の形成後、図2Kに示すように、CVD法により、第1絶縁膜13(層間絶縁膜12)上に、エッチングストッパ膜15および第2配線層16が積層される。
次に、図2Lに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、第2配線溝17および第2コイル溝20が形成される。エッチングストッパ膜15が第2配線層16のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0036】
その後、図2Mに示すように、スパッタ法により、第2配線層16の上面ならびに第2配線溝17および第2コイル溝20の内面に、バリアメタル18,21の材料からなる積層膜(Ta膜、TaN膜およびTa膜)35が形成される。つづいて、めっき法により、積層膜35上に、Cu配線材料からなるめっき層36が形成される。第2配線溝17および第2コイル溝20は、めっき層36により埋め尽くされる。
【0037】
次いで、図2Nに示すように、CMP法により、めっき層36および積層膜35が連続して研磨される。この研磨は、めっき層36および積層膜35における第2配線溝17および第2コイル溝20外に形成されている不要部分がすべて除去されて、第2配線溝17および第2コイル溝20内に埋まっているめっき層36の表面が第2配線層16の表面(上面)と面一になるまで続けられる。これにより、第2配線溝17にバリアメタル18を介して埋設された第2配線19および第2コイル溝20にバリアメタル21を介して埋設された第2コイル22が得られる。なお、このとき、第2配線層16の表面も少し研磨される。
【0038】
その後、CVD法により、第2配線層16上には、拡散防止/エッチングストッパ膜26および層間絶縁膜27などが積層され、図1に示す半導体装置1が得られる。
以上のように、半導体基板2上に形成される層間絶縁膜12は、複数の第1絶縁膜13の積層構造を有している。また、半導体基板2上には、トランスを構成する第1コイル10および第2コイル22が層間絶縁膜12を挟んで対向して設けられている。そして、各第1絶縁膜13には、第1絶縁膜13を貫通するビアホール24が形成され、各ビアホール24には、ビア23が埋設されている。
【0039】
ビア23を形成するために、第1絶縁膜13の選択的なエッチングが行われる(図2F参照)。また、ビアホール24にビア23を埋設するために、第1絶縁膜13上に形成されるビアの材料からなるめっき層34の研磨(平坦化)が行われ、このとき第1絶縁膜13も少し研磨(平坦化)される。これらの処理(工程)が行われることにより、第1絶縁膜13の圧縮応力が低減する。したがって、層間絶縁膜12が比較的大きな厚さに形成されても、第1絶縁膜13にビア23が埋設されることにより、半導体基板2に反り変形が生じることを抑制できる。
【0040】
また、層間絶縁膜12は、SiO2からなる第1絶縁膜13間に、SiNからなる第2絶縁膜14を備えている。SiO2からなる第1絶縁膜13は、圧縮応力膜である。一方、SiNからなる第2絶縁膜14は、引張応力膜である。すなわち、層間絶縁膜12は、圧縮応力膜と引張応力膜との積層構造を有している。そのため、半導体基板2上において、圧縮応力膜の圧縮応力と引張応力膜の引張応力とが相互に打ち消し合う。したがって、半導体基板2に反り変形が生じることを一層抑制できる。
【0041】
また、ビア23は、シングルダマシン法により形成される。シングルダマシン法では、第1絶縁膜13にビア23を形成する工程が第1絶縁膜13ごとに別工程で行われ、その各工程において、第1絶縁膜13の選択的なエッチングおよび平坦化が行われる。したがって、各第1絶縁膜13の圧縮応力を低減させることができる。その結果、半導体基板2に反り変形が生じることを効果的に抑制できる。
【0042】
図3は、圧縮応力膜をエッチングする工程の前後における半導体ウエハの反り量の変化を示すグラフである。
半導体基板2の母体である直径300mmの半導体ウエハ(ベアシリコンウエハ)を3枚用意し、その3枚の半導体ウエハの表面上に、それぞれ厚さ約8μm、約11μmおよび約13μmのSiO2からなる圧縮応力膜を成膜し、各圧縮応力膜に貫通孔を形成するためのエッチング工程の前後で、各半導体ウエハの反り量(平面に対する高さ)を測定した。図3に、エッチング工程前の反り量を黒丸で示し、エッチング工程後の反り量を白丸で示す。
【0043】
この図3に示す結果から、いずれの厚さの圧縮応力膜が形成された場合であっても、エッチング工程後の半導体ウエハの反り量がエッチング工程前の半導体ウエハの反り量よりも小さくなることが理解される。
また、約13μmの圧縮応力膜上のエッチング工程後、その圧縮応力膜上に0.3μmのSiNからなる引張応力膜を形成し、半導体ウエハの反り量を測定した。このときの反り量は、半導体ウエハの表面が凸となる側に約300μmであり、引張応力膜の形成前の反り量である約460μmよりもはるかに小さくなることが理解される。
【0044】
図4は、圧縮応力膜の膜厚と半導体ウエハの反り量との関係を示すグラフである。
半導体基板2の母体である直径300mmの半導体ウエハ(ベアシリコンウエハ)を用意し、その半導体ウエハの表面上にSiO2からなる圧縮応力膜を成膜する過程で、圧縮応力膜の厚さが1.2μmだけ大きくなる度に、半導体ウエハの反り量(平面に対する高さ)を測定した。図4に、その測定結果を白丸で示す。
【0045】
一方、0.3μmの自然酸化膜が形成された別の半導体ウエハの表面上に、SiNからなる厚さが0.3μmの引張応力膜を形成し、引張応力膜の形成後の半導体ウエハの反り量を測定した。このときの反り量は、半導体ウエハの表面が凹となる側に約150μmである。その後、引張応力膜上にSiO2からなる圧縮応力膜を成膜する過程で、圧縮応力膜の厚さが1.2μmだけ大きくなる度に、半導体ウエハの反り量を測定した。図4に、その測定結果を黒丸で示す。
【0046】
たとえば、半導体ウエハの表面上に圧縮応力膜のみが形成される場合、圧縮応力膜が厚さ2.4μmまで成膜された時点で、半導体ウエハに200μm以上の反り変形が生じる。これに対し、半導体ウエハの表面上に引張応力膜が形成される場合、圧縮応力膜が厚さ2.4μmまで成膜された時点で、半導体ウエハに反り変形がほとんど生じない。この結果から、圧縮応力膜と引張応力膜との積層構造により、半導体基板2に反り変形が生じることを抑制できることが理解される。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。
【図2A】図2Aは、図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2C】図2Cは、図2Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2D】図2Dは、図2Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2E】図2Eは、図2Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2F】図2Fは、図2Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2G】図2Gは、図2Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2H】図2Hは、図2Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2I】図2Iは、図2Hの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2J】図2Jは、図2Iの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2K】図2Kは、図2Jの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2L】図2Lは、図2Kの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2M】図2Mは、図2Lの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2N】図2Nは、図2Mの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3】図3は、圧縮応力膜をエッチングする工程の前後における半導体ウエハの反り量の変化を示すグラフである。
【図4】図4は、圧縮応力膜の膜厚と半導体ウエハの反り量との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、従来のトランスデバイスの構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 半導体装置
2 半導体基板
10 第1コイル
12 層間絶縁膜
13 第1絶縁膜(圧縮応力膜)
14 第2絶縁膜(引張応力膜)
22 第2コイル
23 ビア
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、とくにパワー半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パワーエレクトロニクスの分野において、トランスを備えるパワー半導体装置(以下「トランスデバイス」という。)の開発が進められている。
図5は、トランスデバイスの構造を示す模式的な断面図である。
トランスデバイス101は、図示しない半導体基板上に、SiO2(酸化シリコン)からなる第1配線層102を備えている。
【0003】
第1配線層102には、第1配線溝103が形成されている。第1配線溝103には、バリアメタル104を介して、Cu(銅)を主成分とする金属材料(以下「Cu配線材料」という。)からなる第1配線105が埋設されている。また、第1配線層102には、第1配線溝103と間隔を空けて、第1配線溝103と同じ深さを有する平面視渦巻状のコイル溝106が形成されている。コイル溝106には、バリアメタル107を介して、第1コイル108が埋設されている。
【0004】
第1配線層102上には、SiNからなる拡散防止/エッチングストッパ膜109およびSiO2からなる層間絶縁膜110が積層されている。さらに、層間絶縁膜110上には、SiNからなるエッチングストッパ膜111およびSiO2からなる第2配線層112が積層されている。
第2配線層112には、第2配線溝113が形成されている。第2配線溝113は、第2配線層112の上面から層間絶縁膜110の上面まで掘り下がっている。第2配線溝113には、バリアメタル114を介して、Cu配線材料からなる第2配線115が埋設されている。また、第2配線層112には、第2配線溝113と間隔を空けて、第2配線溝113と同じ深さを有する平面視渦巻状のコイル溝116が形成されている。コイル溝116には、バリアメタル117を介して、第1コイル108とともにトランスを構成する第2コイル118が埋設されている。
【0005】
第2配線溝113は、平面視で第1配線105と交差する部分を有するパターンに形成されている。そして、平面視で第1配線105と第2配線溝113(第2配線115)とが交差する部分において、それらの間には、拡散防止/エッチングストッパ膜109および層間絶縁膜110を貫通するビアホール119が形成されている。ビアホール119には、バリアメタル120を介して、ビア121が埋設されている。これにより、第1配線105と第2配線115とは、ビア121を介して電気的に接続されている。
【0006】
第2配線層112上には、拡散防止/エッチングストッパ膜122および層間絶縁膜123が積層されている。
【特許文献1】US2005/0230837A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トランスを構成する第1コイル108および第2コイル118間には、非常に大きな電位差が生じる。そのため、第1コイル108および第2コイル118間に介在される層間絶縁膜110は、その電位差による絶縁破壊を生じない耐圧(たとえば、3500V)を発揮可能な大きな厚さを有していなければならない。たとえば、層間絶縁膜110に3500Vの絶縁耐圧を確保するためには、SiO2の絶縁耐圧が6〜7MV/cm程度であるから、層間絶縁膜110の厚さが5μm程度でなければならない。
【0008】
ところが、SiO2からなる層間絶縁膜110は、圧縮応力を有している。そのため、層間絶縁膜110の厚さが大きいと、半導体基板が層間絶縁膜110側に凸となる大きな反り変形を生じる。半導体基板の母体が直径300mmの半導体ウエハである場合、とくに大きな反り変形を生じ、半導体ウエハのハンドリングが不可能になるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、半導体基板(半導体ウエハ)上に比較的大きな厚さの層間絶縁膜が形成される構成において、半導体基板に反り変形が生じることを抑制できる、半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板側に設けられた第1コイルと、前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向し、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルと、各前記第1絶縁膜を貫通するビアホールにそれぞれ設けられた複数のビアとを含む、半導体装置である。
【0010】
この構成によれば、半導体基板上に形成される層間絶縁膜は、複数の第1絶縁膜の積層構造を有している。また、半導体基板上には、トランスを構成する第1コイルおよび第2コイルが層間絶縁膜を挟んで対向して設けられている。そして、各第1絶縁膜には、第1絶縁膜を貫通するビアホールが形成され、各ビアホールには、ビアが埋設されている。
第1絶縁膜にビアホールを形成するために、第1絶縁膜の選択的なエッチングが行われる。また、ビアホールにビアを埋設するために、第1絶縁膜上に形成されるビアの材料および第1絶縁膜の表面の平坦化(たとえば、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法による平坦化)が行われる。第1絶縁膜が圧縮応力を有する圧縮応力膜であっても、それらの処理(工程)が行われることにより、第1絶縁膜の圧縮応力を低減する。よって、層間絶縁膜が比較的大きな厚さに形成されても、半導体基板に反り変形が生じることを抑制できる。
【0011】
前記半導体装置は、請求項4に記載の製造方法により製造することができる。その製造方法は、半導体基板上に第1コイルを形成する工程と、前記第1コイル上に複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向する位置に、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルを形成する工程とを含む。そして、前記層間絶縁膜を形成する工程では、前記第1絶縁膜を形成する工程と、エッチングにより、前記第1絶縁膜にビアホールを形成する工程と、前記ビアホールにビアを埋設する工程とがこの順に繰り返される。
【0012】
請求項2に記載ように、前記層間絶縁膜は、第1絶縁膜間に前記第1絶縁膜の材料とは異なる材料からなる第2絶縁膜を備えていてもよい。この場合、前記第1絶縁膜は、圧縮応力膜であり、前記第2絶縁膜は、引張応力膜であることが好ましい。すなわち、層間絶縁膜は、複数の圧縮応力膜と引張応力膜との積層構造を有していることが好ましい。この構成によれば、半導体基板上において、圧縮応力膜の圧縮応力と引張応力膜の引張応力とが相互に打ち消し合う。したがって、層間絶縁膜が比較的大きな厚さに形成されても、半導体基板に反り変形が生じることを一層抑制できる。
【0013】
また、請求項3に記載のように、前記ビアは、シングルダマシン法により形成されていることが好ましい。シングルダマシン法では、第1絶縁膜にビアを形成する工程が第1絶縁膜ごとに別工程で行われ、その各工程において、第1絶縁膜の選択的なエッチングおよび平坦化が行われる。したがって、各第1絶縁膜の圧縮応力を低減させることができる。その結果、半導体基板に反り変形が生じることを効果的に抑制できる。
【0014】
なお、ビアは、半導体基板上に形成される配線と電気的に接続されるものであってもよいし、その配線との電気的な接続に寄与しないダミービアであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。
半導体装置1は、トランスデバイスであり、半導体基板2を備えている。半導体基板2としては、Si(シリコン)基板、SiC(炭化珪素)基板などを例示することができる。
【0016】
半導体基板2上には、エッチングストッパ膜3が積層されている。エッチングストッパ膜3は、SiNからなり、引張応力を有している。エッチングストッパ膜3の厚さは、たとえば、0.3μm(=300nm)である。
エッチングストッパ膜3上には、第1配線層4が積層されている。第1配線層4は、SiO2からなり、圧縮応力を有している。第1配線層4の厚さは、たとえば、2.1μmである。
【0017】
第1配線層4には、第1配線溝5が形成されている。第1配線溝5は、第1配線層4の上面から掘り下がった凹状をなし、第1配線層4およびその下方のエッチングストッパ膜3を貫通している。
第1配線溝5の内面(側面および底面)上には、バリアメタル6が形成されている。バリアメタル6は、半導体基板2側からTa(タンタル)膜、TaN(窒化タンタル)膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第1配線溝5には、バリアメタル6を介して、Cu配線材料(Cuを主成分とする金属材料)からなる第1配線7が埋設されている。第1配線7は、その表面が第1配線層4の表面と面一をなしている。バリアメタル6により、第1配線7に含まれるCuが第1配線層4中に拡散することが防止されている。
【0018】
また、第1配線層4には、第1配線溝5と間隔を空けて、平面視渦巻状の第1コイル溝8が形成されている。第1コイル溝8は、第1配線溝5と同じ深さを有しており、第1配線層4およびその下方のエッチングストッパ膜3を貫通している。
第1コイル溝8の内面(側面および底面)上には、バリアメタル9が形成されている。バリアメタル9は、第1配線溝5の内面上に形成されているバリアメタル6と同じ積層構造を有している。すなわち、バリアメタル9は、半導体基板側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第1コイル溝8には、バリアメタル9を介して、第1配線7の材料と同じ材料であるCu配線材料からなる第1コイル10が埋設されている。第1コイル10は、その表面が第1配線層4の表面と面一をなしている。バリアメタル6により、第1コイル10に含まれるCuが第1配線層4中に拡散することが防止されている。
【0019】
第1配線層4上には、拡散防止/エッチングストッパ膜11が積層されている。拡散防止/エッチングストッパ膜11は、SiNからなり、引張応力を有している。拡散防止/エッチングストッパ膜11の厚さは、たとえば、0.3μmである。拡散防止/エッチングストッパ膜11により、第1配線7および第1コイル10に含まれるCuが次に述べる第1絶縁膜13中に拡散することが防止されている。
【0020】
拡散防止/エッチングストッパ膜11上には、層間絶縁膜12が積層されている。層間絶縁膜12は、第1絶縁膜13および第2絶縁膜14が半導体基板2側から交互に積層された複数層構造を有している。具体的には、層間絶縁膜12は、2つの第1絶縁膜13間に第2絶縁膜14を介在させた3層構造を有している。層間絶縁膜12は、比較的大きな厚さ、たとえば、4.5μmの厚さを有している。
【0021】
第1絶縁膜13は、SiO2からなり、圧縮応力を有している。第1絶縁膜13の厚さは、たとえば、2.1μmである。
第2絶縁膜14は、SiNからなり、引張応力を有している。第2絶縁膜14の厚さは、たとえば、0.3μmである。
層間絶縁膜12上には、エッチングストッパ膜15が積層されている。エッチングストッパ膜15は、SiNからなり、引張応力を有している。エッチングストッパ膜15の厚さは、たとえば、0.3μm(=300nm)である。
【0022】
エッチングストッパ膜15上には、第2配線層16が積層されている。第2配線層16は、SiO2からなり、圧縮応力を有している。第2配線層16の厚さは、たとえば、2.1μmである。
第2配線層16には、第2配線溝17が形成されている。第2配線溝17は、第2配線層16の上面から掘り下がった凹状をなし、第2配線層16およびその下方のエッチングストッパ膜15を貫通している。
【0023】
第2配線溝17の内面(側面および底面)上には、バリアメタル18が形成されている。バリアメタル18は、半導体基板2側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第2配線溝17には、バリアメタル18を介して、Cu配線材料(Cuを主成分とする金属材料)からなる第2配線19が埋設されている。第2配線19は、その表面が第2配線層16の表面と面一をなしている。バリアメタル18により、第2配線19に含まれるCuが第1絶縁膜13(層間絶縁膜12)および第2配線層16中に拡散することが防止されている。
【0024】
また、第2配線層16には、第2配線溝17と間隔を空けて、平面視渦巻状の第2コイル溝20が形成されている。第2コイル溝20は、第2配線溝17と同じ深さを有しており、第2配線層16およびその下方のエッチングストッパ膜15を貫通している。
第2コイル溝20の内面(側面および底面)上には、バリアメタル21が形成されている。バリアメタル21は、第2配線溝17の内面上に形成されているバリアメタル18と同じ積層構造を有している。すなわち、バリアメタル21は、半導体基板2側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、第2コイル溝20には、バリアメタル21を介して、第2配線19の材料と同じ材料であるCu配線材料からなる第2コイル22が埋設されている。第2コイル22は、その表面が第2配線層16の表面と面一をなしている。バリアメタル21により、第2コイル22に含まれるCuが第2配線層16中に拡散することが防止されている。
【0025】
また、第2配線溝17は、平面視で第1配線7と交差する部分を有するパターンに形成されている。そして、平面視で第1配線7と第2配線溝17とが交差する部分において、それらの間には、複数のビア23が直列に設けられている。
具体的には、層間絶縁膜12の各第1絶縁膜13には、ビアホール24が形成されている。上層側の第1絶縁膜13に形成されているビアホール24は、その第1絶縁膜13を貫通し、さらに第1絶縁膜13の下方の第2絶縁膜14を貫通している。下層側の第1絶縁膜13に形成されているビアホール24は、その第1絶縁膜13を貫通し、さらに第1絶縁膜13の下方の拡散防止/エッチングストッパ膜11を貫通している。各ビアホール24の内面には、バリアメタル25が形成されている。バリアメタル25は、半導体基板2側からTa膜、TaN膜およびTa膜をこの順に積層した構造を有している。そして、各ビアホール24には、バリアメタル25を介して、Cu配線材料からなるビア23が埋設されている。バリアメタル25により、ビア23に含まれるCuが第1絶縁膜13中に拡散することが防止されている。第1配線7と第2配線19とは、ビア23およびバリアメタル25を介して電気的に接続されている。
【0026】
第2配線層16上には、拡散防止/エッチングストッパ膜26および層間絶縁膜27などが積層されている。拡散防止/エッチングストッパ膜26は、SiNからなり、引張応力を有している。拡散防止/エッチングストッパ膜26の厚さは、たとえば、0.3μmである。拡散防止/エッチングストッパ膜26により、第2配線19および第2コイル22に含まれるCuが層間絶縁膜27中に拡散することが防止されている。層間絶縁膜27は、層間絶縁膜12と同様の積層構造を有していてもよいし、SiO2の単層構造であってもよい。
【0027】
なお、半導体基板2とエッチングストッパ膜3との間に1または複数の層間絶縁膜が介在されていてもよい。この場合、各層間絶縁膜は、層間絶縁膜12と同様の積層構造を有していてもよいし、SiO2の単層構造であってもよい。また、第1配線7の下方に別の配線が形成されていてもよい。この場合、図1に示すように、第1配線7は、第1配線7の下層の配線とビア28を介して電気的に接続される。むろん、第1配線層4が半導体基板2に接して形成され、第1配線7が最下層の配線であってもよい。
【0028】
図2A〜2Nは、図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
図2Aに示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により、半導体基板2上に、エッチングストッパ膜3および第1配線層4が積層される。
次に、図2Bに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、第1配線溝5および第1コイル溝8が形成される。このとき、エッチングストッパ膜3が第1配線層4のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0029】
その後、図2Cに示すように、スパッタ法により、第1配線層4の上面ならびに第1配線溝5および第1コイル溝8の内面に、バリアメタル6,9の材料からなる積層膜(Ta膜、TaN膜およびTa膜)31が形成される。つづいて、めっき法により、積層膜31上に、Cu配線材料からなるめっき層32が形成される。第1配線溝5および第1コイル溝8は、めっき層32により埋め尽くされる。
【0030】
次いで、図2Dに示すように、CMP法により、めっき層32および積層膜31が連続して研磨される。この研磨は、めっき層32および積層膜31における第1配線溝5および第1コイル溝8外に形成されている不要部分がすべて除去されて、第1配線溝5および第1コイル溝8内に埋まっているめっき層32の表面が第1配線層4の表面(上面)と面一になるまで続けられる。これにより、第1配線溝5にバリアメタル6を介して埋設された第1配線7および第1コイル溝8にバリアメタル9を介して埋設された第1コイル10が得られる。なお、このとき、第1配線層4の表面も少し研磨される。
【0031】
その後、図2Eに示すように、CVD法により、拡散防止/エッチングストッパ膜11および第1絶縁膜13が順に積層される。
そして、シングルダマシン法により、ビア23が形成される。
具体的には、図2Fに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ビアホール24が形成される。このとき、拡散防止/エッチングストッパ膜11が第1絶縁膜13のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0032】
その後、図2Gに示すように、スパッタ法により、第1絶縁膜13の上面ならびにビアホール24の内面に、バリアメタル25の材料からなる積層膜(Ta膜、TaN膜およびTa膜)33が形成される。つづいて、めっき法により、積層膜33上に、Cu配線材料からなるめっき層34が形成される。ビアホール24は、めっき層34により埋め尽くされる。
【0033】
次いで、図2Hに示すように、CMP法により、めっき層34および積層膜33が連続して研磨される。この研磨は、めっき層34および積層膜33におけるビアホール24外に形成されている不要部分がすべて除去されて、ビアホール24内に埋まっているめっき層34の表面が第1絶縁膜13の表面(上面)と面一になるまで続けられる。これにより、ビアホール24にバリアメタル25を介して埋設されたビア23が得られる。なお、このとき、第1絶縁膜13の表面も少し研磨される。
【0034】
ビア23の形成後、図2Iに示すように、CVD法により、第2絶縁膜14および第1絶縁膜13が順に積層される。
そして、図2F〜2Hに示す工程と同様の工程を経て、図2Jに示すように、上層側の第1絶縁膜13にビアホール24が形成され、このビアホール24にバリアメタル25を介してビア23が埋設される。このとき、第2絶縁膜14が第1絶縁膜13のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0035】
ビア23の形成後、図2Kに示すように、CVD法により、第1絶縁膜13(層間絶縁膜12)上に、エッチングストッパ膜15および第2配線層16が積層される。
次に、図2Lに示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、第2配線溝17および第2コイル溝20が形成される。エッチングストッパ膜15が第2配線層16のエッチングに対するエッチングストッパとして利用される。
【0036】
その後、図2Mに示すように、スパッタ法により、第2配線層16の上面ならびに第2配線溝17および第2コイル溝20の内面に、バリアメタル18,21の材料からなる積層膜(Ta膜、TaN膜およびTa膜)35が形成される。つづいて、めっき法により、積層膜35上に、Cu配線材料からなるめっき層36が形成される。第2配線溝17および第2コイル溝20は、めっき層36により埋め尽くされる。
【0037】
次いで、図2Nに示すように、CMP法により、めっき層36および積層膜35が連続して研磨される。この研磨は、めっき層36および積層膜35における第2配線溝17および第2コイル溝20外に形成されている不要部分がすべて除去されて、第2配線溝17および第2コイル溝20内に埋まっているめっき層36の表面が第2配線層16の表面(上面)と面一になるまで続けられる。これにより、第2配線溝17にバリアメタル18を介して埋設された第2配線19および第2コイル溝20にバリアメタル21を介して埋設された第2コイル22が得られる。なお、このとき、第2配線層16の表面も少し研磨される。
【0038】
その後、CVD法により、第2配線層16上には、拡散防止/エッチングストッパ膜26および層間絶縁膜27などが積層され、図1に示す半導体装置1が得られる。
以上のように、半導体基板2上に形成される層間絶縁膜12は、複数の第1絶縁膜13の積層構造を有している。また、半導体基板2上には、トランスを構成する第1コイル10および第2コイル22が層間絶縁膜12を挟んで対向して設けられている。そして、各第1絶縁膜13には、第1絶縁膜13を貫通するビアホール24が形成され、各ビアホール24には、ビア23が埋設されている。
【0039】
ビア23を形成するために、第1絶縁膜13の選択的なエッチングが行われる(図2F参照)。また、ビアホール24にビア23を埋設するために、第1絶縁膜13上に形成されるビアの材料からなるめっき層34の研磨(平坦化)が行われ、このとき第1絶縁膜13も少し研磨(平坦化)される。これらの処理(工程)が行われることにより、第1絶縁膜13の圧縮応力が低減する。したがって、層間絶縁膜12が比較的大きな厚さに形成されても、第1絶縁膜13にビア23が埋設されることにより、半導体基板2に反り変形が生じることを抑制できる。
【0040】
また、層間絶縁膜12は、SiO2からなる第1絶縁膜13間に、SiNからなる第2絶縁膜14を備えている。SiO2からなる第1絶縁膜13は、圧縮応力膜である。一方、SiNからなる第2絶縁膜14は、引張応力膜である。すなわち、層間絶縁膜12は、圧縮応力膜と引張応力膜との積層構造を有している。そのため、半導体基板2上において、圧縮応力膜の圧縮応力と引張応力膜の引張応力とが相互に打ち消し合う。したがって、半導体基板2に反り変形が生じることを一層抑制できる。
【0041】
また、ビア23は、シングルダマシン法により形成される。シングルダマシン法では、第1絶縁膜13にビア23を形成する工程が第1絶縁膜13ごとに別工程で行われ、その各工程において、第1絶縁膜13の選択的なエッチングおよび平坦化が行われる。したがって、各第1絶縁膜13の圧縮応力を低減させることができる。その結果、半導体基板2に反り変形が生じることを効果的に抑制できる。
【0042】
図3は、圧縮応力膜をエッチングする工程の前後における半導体ウエハの反り量の変化を示すグラフである。
半導体基板2の母体である直径300mmの半導体ウエハ(ベアシリコンウエハ)を3枚用意し、その3枚の半導体ウエハの表面上に、それぞれ厚さ約8μm、約11μmおよび約13μmのSiO2からなる圧縮応力膜を成膜し、各圧縮応力膜に貫通孔を形成するためのエッチング工程の前後で、各半導体ウエハの反り量(平面に対する高さ)を測定した。図3に、エッチング工程前の反り量を黒丸で示し、エッチング工程後の反り量を白丸で示す。
【0043】
この図3に示す結果から、いずれの厚さの圧縮応力膜が形成された場合であっても、エッチング工程後の半導体ウエハの反り量がエッチング工程前の半導体ウエハの反り量よりも小さくなることが理解される。
また、約13μmの圧縮応力膜上のエッチング工程後、その圧縮応力膜上に0.3μmのSiNからなる引張応力膜を形成し、半導体ウエハの反り量を測定した。このときの反り量は、半導体ウエハの表面が凸となる側に約300μmであり、引張応力膜の形成前の反り量である約460μmよりもはるかに小さくなることが理解される。
【0044】
図4は、圧縮応力膜の膜厚と半導体ウエハの反り量との関係を示すグラフである。
半導体基板2の母体である直径300mmの半導体ウエハ(ベアシリコンウエハ)を用意し、その半導体ウエハの表面上にSiO2からなる圧縮応力膜を成膜する過程で、圧縮応力膜の厚さが1.2μmだけ大きくなる度に、半導体ウエハの反り量(平面に対する高さ)を測定した。図4に、その測定結果を白丸で示す。
【0045】
一方、0.3μmの自然酸化膜が形成された別の半導体ウエハの表面上に、SiNからなる厚さが0.3μmの引張応力膜を形成し、引張応力膜の形成後の半導体ウエハの反り量を測定した。このときの反り量は、半導体ウエハの表面が凹となる側に約150μmである。その後、引張応力膜上にSiO2からなる圧縮応力膜を成膜する過程で、圧縮応力膜の厚さが1.2μmだけ大きくなる度に、半導体ウエハの反り量を測定した。図4に、その測定結果を黒丸で示す。
【0046】
たとえば、半導体ウエハの表面上に圧縮応力膜のみが形成される場合、圧縮応力膜が厚さ2.4μmまで成膜された時点で、半導体ウエハに200μm以上の反り変形が生じる。これに対し、半導体ウエハの表面上に引張応力膜が形成される場合、圧縮応力膜が厚さ2.4μmまで成膜された時点で、半導体ウエハに反り変形がほとんど生じない。この結果から、圧縮応力膜と引張応力膜との積層構造により、半導体基板2に反り変形が生じることを抑制できることが理解される。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。
【図2A】図2Aは、図1に示す半導体装置の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2C】図2Cは、図2Bの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2D】図2Dは、図2Cの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2E】図2Eは、図2Dの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2F】図2Fは、図2Eの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2G】図2Gは、図2Fの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2H】図2Hは、図2Gの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2I】図2Iは、図2Hの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2J】図2Jは、図2Iの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2K】図2Kは、図2Jの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2L】図2Lは、図2Kの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2M】図2Mは、図2Lの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図2N】図2Nは、図2Mの次の工程を示す模式的な断面図である。
【図3】図3は、圧縮応力膜をエッチングする工程の前後における半導体ウエハの反り量の変化を示すグラフである。
【図4】図4は、圧縮応力膜の膜厚と半導体ウエハの反り量との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、従来のトランスデバイスの構造を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 半導体装置
2 半導体基板
10 第1コイル
12 層間絶縁膜
13 第1絶縁膜(圧縮応力膜)
14 第2絶縁膜(引張応力膜)
22 第2コイル
23 ビア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板側に設けられた第1コイルと、
前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向し、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルと、
各前記第1絶縁膜を貫通するビアホールにそれぞれ設けられた複数のビアとを含む、半導体装置。
【請求項2】
前記層間絶縁膜は、第1絶縁膜間に前記第1絶縁膜の材料とは異なる材料からなる第2絶縁膜を備えており、
前記第1絶縁膜は、圧縮応力膜であり、
前記第2絶縁膜は、引張応力膜である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ビアは、シングルダマシン法により形成されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上に第1コイルを形成する工程と、
前記第1コイル上に複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向する位置に、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルを形成する工程とを含み、
前記層間絶縁膜を形成する工程では、前記第1絶縁膜を形成する工程と、エッチングにより、前記第1絶縁膜にビアホールを形成する工程と、前記ビアホールにビアを埋設する工程とがこの順に繰り返される、半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に対して前記半導体基板側に設けられた第1コイルと、
前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向し、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルと、
各前記第1絶縁膜を貫通するビアホールにそれぞれ設けられた複数のビアとを含む、半導体装置。
【請求項2】
前記層間絶縁膜は、第1絶縁膜間に前記第1絶縁膜の材料とは異なる材料からなる第2絶縁膜を備えており、
前記第1絶縁膜は、圧縮応力膜であり、
前記第2絶縁膜は、引張応力膜である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ビアは、シングルダマシン法により形成されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
半導体基板上に第1コイルを形成する工程と、
前記第1コイル上に複数の第1絶縁膜の積層構造を有する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1コイルと前記層間絶縁膜を挟んで対向する位置に、前記第1コイルとともにトランスを構成するための第2コイルを形成する工程とを含み、
前記層間絶縁膜を形成する工程では、前記第1絶縁膜を形成する工程と、エッチングにより、前記第1絶縁膜にビアホールを形成する工程と、前記ビアホールにビアを埋設する工程とがこの順に繰り返される、半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図2M】
【図2N】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図2J】
【図2K】
【図2L】
【図2M】
【図2N】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2010−80774(P2010−80774A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248904(P2008−248904)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】
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