説明

半導体装置

【課題】メモリ素子の信頼性と消費電流の抑制を両立させることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、複数の磁気メモリセルMCと、複数のディジット線DLと、ディジット線ドライブ回路28Bと、ビット線BL[0:95」とを備える。複数のビット線BL[0:95」は、たとえば12本ごとの複数の群に分割される。半導体装置は、複数のビット線の各々を少なくとも2段階の強度で駆動可能に構成されたビット線ドライブ回路22L,22Rとをさらに備える。ビット線ドライブ回路22L,22Rは、書込群に対しては、書込データに対応する極性の電流で2段階のうち強い強度でビット線を駆動し、非書込群に対しては、2段階のうち弱い強度で自分自身のデータに対応する極性のデータ保持電流を流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関し、特に行列状に配列された複数の磁気メモリセルを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
不揮発性半導体記憶装置は、電源電圧が遮断されても記憶データを保持することができ、待機状態時において電源電圧を供給する必要がない。このため、低消費電力であることが要求される携帯機器において広く用いられている。
【0003】
このような不揮発性半導体記憶装置の1つに、磁気抵抗効果を利用してデータを記憶するMRAM(Magnetic Random Access Memory)がある。また、MRAMの1つに、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)を有するトンネル磁気抵抗素子を用いたものがある(たとえば、非特許文献1参照)。
【0004】
トンネル磁気抵抗素子は、トンネル絶縁膜と、その上下に積層された2つの強磁性体膜とを含む。トンネル磁気抵抗素子の抵抗値は、2つの強磁性体膜の磁気モーメントの向きが同じである場合に最小値になり、それらの向きが反対である場合に最大値になる。トンネル磁気抵抗素子の抵抗値が最小値および最小値である場合をそれぞれデータ信号“0”および“1”に対応付けることにより、データ信号“0”および“1”を記憶することができる。トンネル磁気抵抗素子の2つの強磁性体膜の磁気モーメントの向きは、しきい値レベルを超えるレベルの反対向きの磁界が印加されるまで永久に維持される。
【0005】
MRAMは、複数行複数列に配置された複数のトンネル磁気抵抗素子と、行に対応して設けられたディジット線と、列に対応して設けられたビット線とを備え、選択された行のディジット線に磁化電流を流すとともに、選択された列のビット線に書込データ信号に応じた方向の書込電流を流すことにより、行列により選択されたトンネル磁気抵抗素子にデータ信号を書込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−40123号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】辻 高晴、外7名、"A 1.2V 1Mbit Embedded MRAM Core with Folded Bit-Line Array Architecture"、2004 Symposium on VLSI Circuits Digest of Technical Papers、2004年、p.450‐453
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のMRAMでは、行列により選択されたトンネル磁気抵抗素子だけでなく、選択された行のみまたは列のみに対応する他のトンネル磁気抵抗素子も磁界によってディスターブされ、記憶されていたデータ信号の誤反転が発生する可能性があった。データ信号の誤反転の可能性(誤反転確率)は、トンネル磁気抵抗素子が受けているディスターブ磁界の大きさに比例して高くなる。データ信号の誤反転確率が高くなるとメモリデバイスとしての使用時の故障率が高くなり、信頼性が低下する場合があった。
【0009】
このため、特許文献1(特開2010−40123号公報)に示されるように、選択された行のメモリセルが全て書込対象となるように、メモリアレイを構成することも検討されている。しかし、そのようなメモリアレイの構成では、メモリアレイの構成の自由度が減少し、ディジット線ドライバの面積が増加しチップ面積が増加してしまう可能性もある。また、選択行に対するすべてのメモリセルに書込時と同等の電流を流すので、消費電流が増加するという可能性もある。
【0010】
本発明の目的は、メモリ素子の信頼性と消費電流の抑制を両立させることができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、要約すると、半導体装置であって、行列状に配列された複数の磁気メモリセルと、複数の磁気メモリセルの行に対応して設けられる複数のディジット線と、アドレス信号に応じて書込選択行に対応するディジット線を駆動するディジット線ドライブ回路と、複数の磁気メモリセルの列に対応して設けられる複数のビット線とを備える。複数のビット線は、複数の群に分割される。半導体装置は、書込時の制御信号に応じて複数の群の各々を書込群と非書込群のいずれかに設定する書込制御回路と、書込制御回路の制御下で複数のビット線の各々を少なくとも2段階の強度で駆動可能に構成されたビット線ドライブ回路とをさらに備える。ビット線ドライブ回路は、書込群に対しては、書込データに対応する極性の電流で2段階のうち強い強度でビット線を駆動し、非書込群に対しては、2段階のうち弱い強度で自分自身のデータに対応する極性のデータ保持電流を流す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半導体装置に内蔵されるメモリ素子の信頼性と消費電流の抑制を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の半導体装置1の構成を示したブロック図である。
【図2】図1におけるMRAM回路4の構成を示したブロック図である。
【図3】図2におけるMRAMメモリアレイ5の構成を示したブロック図である。
【図4】図3における16個の単位メモリアレイの構成を示す回路図である。
【図5】図3におけるメモリアレイの代表部33を詳細に示した図である。
【図6】図5におけるメモリセルMCの構成を示した回路図である。
【図7】トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化について説明するための図である。
【図8】TMR素子の断面を概略的に示した図である。
【図9】データ書込時における磁化電流Imおよび書込電流Iwの方向と磁界方向との関係を示す図である。
【図10】図4、図5におけるビット線カレントソース/シンク22L,22Rの構成を概念的に示した回路図である。
【図11】メモリアレイの検討例について説明するための回路図である。
【図12】一部のメモリセルにデータを書込む必要がない場合でもすべてのメモリセルにデータを書込む場合と同等の書込電流を流す説明をするための図である。
【図13】実施の形態1のメモリアレイの構成を説明するための図である。
【図14】ビット線ドライバの構成を示す回路図である。
【図15】書込電流について説明するための図である。
【図16】実施の形態1のメモリアレイに制御信号を送るライト制御回路6の構成を示した回路図である。
【図17】図16のビットライトイネーブル制御回路6Dを詳細に示した回路図である。
【図18】図16に示したライト制御回路6の動作について説明するための第1の動作波形図である。
【図19】図16に示したライト制御回路6の動作について説明するための第2の動作波形図である。
【図20】実施の形態2のメモリアレイ100の構成を示した回路図である。
【図21】図20のライトイネーブル制御回路132の構成を示した回路図である。
【図22】実施の形態2における書込サイクルを説明するための動作波形図である。
【図23】図21に示したライトイネーブル制御回路の変形例を示した回路図である。
【図24】実施の形態2の変形例の動作を説明するための動作波形図である。
【図25】合計電流の増加について説明するための図である。
【図26】実施の形態3において用いられるライトイネーブル制御回路232の構成を示した回路図である。
【図27】改善された合計電流について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
[実施の形態1の半導体装置の全体構成]
図1は、本発明の半導体装置1の構成を示したブロック図である。図1に示される半導体装置1はMRAMの製品応用例である。
【0016】
図1を参照して、半導体装置1は、CPU2と、MRAM回路4と、基準電位発生回路・電源回路3とを実装したワンチップマイコンである。MRAM回路4は、ここでは、256KbitまたはECC(エラー訂正回路)付の384Kbitの構成が想定されている。
【0017】
CPU2は、MRAM回路4へデータ書込または読出を行なう。CPU2は、MRAM回路へのデータ書込/読出を行なうために、アドレス信号A[14:0]、リードイネーブル信号RE、センスイネーブル信号SEおよびセンスイネーブル信号の逆論理信号SE_N、プリチャージ信号PCG、書込データ信号D[47:0]、ライトイネーブル信号WE、書込モードを指定する制御信号BWL0,BWL1をMRAM回路4へ入力する。またMRAM回路4から読出されたデータはDOUT[47:0]としてCPU2へ出力される。
【0018】
また基準電位発生回路・電源回路3から種々の基準電位・電源電位がMRAM回路4に供給される。また、図示しないMRAM回路4内のデコード回路により、リードイネーブル信号REがイネーブルすなわちH(ハイ)レベルのとき、アドレス信号A[14:2]によって選択される1対のワード線対WL0,WL1とコラム選択線CSLがイネーブルすなわちHレベルとなる。
【0019】
図2は、図1におけるMRAM回路4の構成を示したブロック図である。
図2を参照して、MRAM回路4は、MRAMメモリアレイ5と、ライト制御回路6と、リード回路7とを含む。
【0020】
リード回路7は、クロック信号CLKの立上がりにおいてリードイネーブル信号MREがイネーブルのときに、アドレス信号A[14:2]で選択された48ビットのメモリセルに記憶されたデータを同時にMRAMメモリアレイから読出し、DOUT[47:0]に出力する。なお、アドレス信号A[1:0]は無効となる。また、信号DOUT[47:0]は次のサイクルのクロック信号CLKの立上がりエッジまでに有効となり、次に読出動作が行なわれるまでリード回路7またはライト制御回路6によって保持される。
【0021】
図3は、図2におけるMRAMメモリアレイ5の構成を示したブロック図である。
図3を参照して、24Kbitの記憶容量を有したメモリアレイの構成が示される。MRAMのメモリアレイ構成は種々想定され、16Kbit構成がとられる場合もあるが、以後24Kbitの例を主として説明する。
【0022】
ここでは、MRAMメモリアレイ5は、24Kbitのメモリセルから構成されるメモリアレイ16個と、48個のセンスアンプSAとから構成される。センスアンプSAには、ワード線WLと、図示しないコラム選択線CSLとによって選択されるメモリセルの出力が、ビット線BLとローカルIO線対LIO,LIO_Bとを介して入力される。また、センスアンプSAの出力がMRAMメモリアレイ5から出力される。
【0023】
図4は、図3における16個の単位メモリアレイの構成を示す回路図である。図4において、メモリセルとメモリアレイの構成は、非特許文献1と同様なフォールデッドビット線(Folded BL)構成を用いるとする。このとき、1本のディジット線DLに対してワード線WL0,WL1の2本が対応することになる。
【0024】
図4を参照して、24Kbitの単位メモリアレイは、ビット線カレントソース/シンク(Current Source/Sink)22L,22Rと、コラムプリデコーダ24L,24Rと、ロウプリデコーダ26と、ローカルデコーダ29と、ワード線ドライバ28Aと、ディジット線ドライバ28Bとを含む。
【0025】
図4に示される単位メモリアレイは、さらに、行列状に磁気メモリセルが配置されたメモリアレイ部30を含む。メモリアレイ部30は、正規のメモリアレイ32と、スペアロウ34と、スペアコラム36とを含む。
【0026】
単位メモリアレイからのデータは選択ゲート38を介してローカルIO線対に読出されセンスアンプ40,42によって信号DOUT1,DOUT0として出力される。このメモリアレイ部30のアレイの構成は、非特許文献1と同じフォールデッドビット線構成が用いられる。このとき、1本のディジット線DLに対してワード線WL0,WL1の2本が対応することになる。
【0027】
また、ビット線カレントソース/シンク22Lと、ビット線カレントソース/シンク22Rは、データの書込動作時に、選択されたビット線BLに書込データに応じた双方向の電流を印加するビット線ドライバである。
【0028】
図5は、図3におけるメモリアレイの代表部33を詳細に示した図である。図5を参照して、ディジット線DL0に対してワード線WL0,WL1が対応する。メモリアレイの代表部33は、ノーマルセルエリアとリファレンスセルエリアとを含む。ノーマルセルエリアにはノーマルメモリセルMCが配置される。リファレンスセルエリアにはリファレンスメモリセルMCRが配置され、ノーマルメモリセルMCからのデータ読出し時のデータ判定の比較対象となる基準値生成に用いられる。リファレンスメモリセルMCRはダミーワード線DW0,DW1の活性化に応じて選択される。図5では、代表的に1本のダミーディジット線DDLに対応してリファレンスメモリセルMCを設けている例を記載しているが、リファレンスメモリセルMCの数や配置は、これに限定される訳ではない。例えば、図4に示されるように、リファレンスロウ0と離間した領域にリファレンスロウ1を設設けることも可能である。
【0029】
図6は、図5におけるメモリセルMCの構成を示した回路図である。なおリファレンスメモリセルMCRの構成も同様であるので説明は繰返さない。
【0030】
図6を参照して、各メモリセルMCは、トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタ(NチャネルMOSトランジスタ)ATRを含む。トンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRは対応のビット線BLと接地電圧VSSのラインとの間に直列接続され、アクセストランジスタATRのゲートは対応のワード線WLに接続される。
【0031】
図7は、トンネル磁気抵抗素子TMR(MTJ素子ともいう)の磁化について説明するための図である。
【0032】
図7を参照して、トンネル磁気抵抗素子TMRは、対応のディジット線DLと対応のビット線BLとの平面状の交点に、ディジット線DLとビット線BLに上下に挟まれるように配置されている。トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化容易軸はディジット線DLの延在方向に向けられ、その磁化困難軸はビット線BLの延在方向に向けられている。
【0033】
ディジット線DLに磁化電流Imを流すとともにビット線BLに書込データ信号の論理に応じた方向の書込電流Iwを流すと、図7に示すように、トンネル磁気抵抗素子TMRの磁化方向は、書込電流Iwの方向に応じて、磁化容易軸の正方向または負方向に向く。トンネル磁気抵抗素子TMRは、その磁化方向に応じて高抵抗状態または低抵抗状態になる。
【0034】
図8は、TMR素子の断面を概略的に示した図である。
図8を参照して詳しく説明すると、トンネル磁気抵抗素子TMRは、電極ELとビット線BLの間に積層された固定磁化膜FLと、トンネル絶縁膜TBと、自由磁化膜VLとを含む。固定磁化膜FLおよび自由磁化膜VLの各々は、強磁性体膜で構成されている。固定磁化膜FLの磁化方向は一方方向に固定されている。自由磁化膜VLの磁化方向は、一方方向および他方方向のうちのいずれかの方向に書込まれる。固定磁化膜FLおよび自由磁化膜VLの磁化方向が同一である場合は、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値は比較的小さな値になり、両者の磁化方向が逆である場合は、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気抵抗値は比較的大きな値になる。トンネル磁気抵抗素子TMRの2段階の抵抗値は、たとえばデータ信号0,1にそれぞれ対応付けられる。
【0035】
データ書込時は、図8に示すように、ワード線WLが非選択レベルの「L」レベルにされてアクセストランジスタATRが非導通状態にされ、ディジット線DLに磁化電流Imが流されるとともに、ビット線BLに書込電流Iwが流される。自由磁化膜VLの磁化方
向は、磁化電流Imおよび書込電流Iwの方向の組合せによって決定される。
【0036】
図9は、データ書込時における磁化電流Imおよび書込電流Iwの方向と磁界方向との関係を示す図である。
【0037】
図9を参照して、横軸で示される磁界Hxは、ディジット線DLを流れる磁化電流Imによって生じる磁界H(DL)を示している。一方、縦軸に示される磁界Hyは、ビット線BLを流れる書込電流Iwによって生じる磁界H(BL)を示している。
【0038】
自由磁化膜VLに記憶される磁界方向は、磁界H(DL)とH(BL)の和が図中に示されるアステロイド特性線の外側の領域に達する場合においてのみ、新たに書込まれる。すなわち、アステロイド特性線の内側の領域に相当する磁界が印加された場合においては、自由磁化膜VLに記憶される磁界方向は更新されない。したがって、トンネル磁気抵抗素子TMRの記憶データを書込動作によって更新するためには、ディジット線DLとビット線BLとの両方に電流を流す必要がある。
【0039】
ここでは、ディジット線DLには一方方向の磁化電流Imを流し、ビット線BLにはデータ信号の論理(0または1)に応じた方向の書込電流Iwを流すものとする。トンネル磁気抵抗素子TMRに一旦記憶された磁界方向すなわち記憶データは、新たなデータ書込が実行されるまでの間不揮発的に保持される。
【0040】
データ読出時は、ワード線WLが選択レベルの「H」レベルにされてアクセストランジスタATRが導通し、ビット線BLからトンネル磁気抵抗素子TMRおよびアクセストランジスタATRを介して接地電圧VSSのラインに電流Isが流れる。この電流Isの値は、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値に応じて変化する。したがって、この電流Isの値を検知することにより、トンネル磁気抵抗素子TMRの記憶データを読出すことができる。
【0041】
図10は、図4、図5におけるビット線カレントソース/シンク22L,22Rの構成を概念的に示した回路図である。
【0042】
図10を参照して、ビット線カレントソース/シンク22Lは、データ信号D[95:0]を受けるバッファ52と、電源ノードと接地ノードとの間に電流源と直列に接続されたPチャネルMOSトランジスタ54およびNチャネルMOSトランジスタ56を含むドライバとを含む。PチャネルMOSトランジスタ54およびNチャネルMOSトランジスタ56のゲートには、ともに、バッファ52の出力が与えられる。
【0043】
ビット線カレントソース/シンク22Rは、信号D[95:0]を受けるインバータ62と、電源ノードと接地ノードとの間に電流源と直列に接続されたPチャネルMOSトランジスタ64およびNチャネルMOSトランジスタ66を含むドライバとを含む。
【0044】
NチャネルMOSトランジスタ54のドレインおよびPチャネルMOSトランジスタ64のドレインはそれぞれビット線BLの一方端と他方端とに接続されている。これにより信号D[95:0]がHレベルであれば、PチャネルMOSトランジスタ64およびNチャネルMOSトランジスタ56が導通しこの経路でビット線BLに電流が流れる。この場合、ビット線カレントソース/シンクの22Rがカレントソースとなり、22Lがカレントシンクとなる。
【0045】
信号D[95:0]がLレベルであれば、逆に、PチャネルMOSトランジスタ54およびNチャネルMOSトランジスタ66が導通しこの経路でビット線BLに電流が逆向きに流れる。ビット線カレントソース/シンクの22Lがカレントソースとなり、22Rがカレントシンクとなる。
【0046】
[メモリアレイの検討例]
図11は、メモリアレイの検討例について説明するための回路図である。
【0047】
図11には、特許文献1に示されるような、MRAMアレイの構成が簡略的に示されている。このMRAMアレイでは、書込動作時に1本のディジット線DLによって書込電流磁場が印加されるすべてのメモリセルMC(n,95)〜(n,0)に同時にデータの書込が行なわれる。各ビット線ドライバの構成および動作については、非特許文献1の図9と同等のものを想定している。なお、非特許文献1の図9のコラム選択線CSLに代えて図11ではライトイネーブル信号WEと記載されている。
【0048】
一般に、1行1列により選択された1交点に配置されるメモリセルにのみ選択してデータの書込を実施するよう構成されたMRAMにおいては、対応のディジット線に電流が流れるが、書込を行なわれないメモリセルが存在する。このような半選択状態の場合、書込を行なわないはずのメモリセルに誤書込が起こる可能性が高くなる。すなわち、ディジット線に電流が流れると、図9に示したアステロイド特性線の外側の領域に近くなり、たとえばビット線に正規の書込時の電流が流れなくても、ノイズが載った場合に誤書込が発生しやすくなる。
【0049】
これに対し、図11に示された構成の場合には、1本のディジット線DL[n]に書込電流を流す場合に、1本のディジット線DLに対応する96個のメモリセルMC(n,95)〜MC(n,0)に同時にデータの書込を行なう。このため、書込データを信号D[95:0]として入力し、96本のビット線BL[95:0]に同時に電流を流す。
【0050】
書込電流が流されるディジット線DL[n]に対応するメモリセルには、すべて書込データが送られデータの書込が同様に行なわれるため、誤書込が起こる可能性が高くなるメモリセル(メモリセル中の磁気抵抗素子)が存在しない。つまりディジット線に電流が流れるが、書込が行なわれないメモリセルが存在しないことになる。
【0051】
しかし、このような構成では、メモリセルMC(n,95)〜(n,48)にのみデータの書込を行ない、メモリセルMC(n,47)〜MC(n,0)にはデータの書込を行なう必要がない場合または書込を行ないたくない場合においても、同様にデータの書込を行なわなければならない。すなわち、ビット線にデータ書込み用の書込電流を流さなくてはいけない。このような場合については、後に図13で説明する。
【0052】
このような場合には、書込動作前に、メモリセルMC(n,47)〜MC(n,0)のデータを予め読出しておき(プリリードして)、読出したデータと同じデータをメモリセルMC(n,95)〜MC(n,48)の書込と同時にメモリセルMC(n,47)〜MC(n,0)に書込む必要がある。
【0053】
図12は、一部のメモリセルにデータを書込む必要がない場合でもすべてのメモリセルにデータを書込む場合と同等の書込電流を流す説明をするための図である。
【0054】
図12に示されるように、書込対象とするメモリセルMC(n,95)〜MC(n,48)には電流iBL[95:48]が流される。これと同じ大きさの電流iBL[47:0]がメモリセルMC(n,47)〜MC(n,0)に流される。このため流す電流iBL[47:0]は無駄に消費されているという問題が生じる。なお、図12では、電流値の絶対値を波形の波高で示しているが、実際にはデータの極性によっては電流の方向が逆向きとなる。
【0055】
[実施の形態1のメモリアレイの構成]
図13は、実施の形態1のメモリアレイの構成を説明するための図である。
【0056】
図13に示したメモリアレイにおいてビット線ドライバ回路22Lおよび22Rは、図10、図11に示した構成と異なり、強弱2つのビット線電流を流すことができるようにドライバ部が分割されている。尚、図4、5におけるビット線カレントソース/シンクの22R、22Lの中で、具体的にビット線に書込電流を供給する部分のみのビット線ドライバの集合をビット線ドライバ回路22R、22Lとしている。
【0057】
すなわちビット線ドライバ回路22Lは、ビット線ドライバBLDKL[95:0]と、ビット線ドライバBLDWL[95:0]とを含む。ビット線ドライバBLDKL[95:0]は、図11の検討例と同様ライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0058】
図14は、ビット線ドライバの構成を示す回路図である。図14に示したビット線ドライバは、図13のビット線ドライバBLDKL[95:0],BLDWL[95:0],BLDKR[95:0],BLDWR[95:0]として用いられる。なお、駆動段のクロックドインバータのトランジスタサイズは、全て同じでなくてもよく適宜調整しても良い。
【0059】
図14を参照して、ビット線ドライバは、制御信号MWEやBE0〜BR7などである制御信号ENを受けて反転するインバータと、そのインバータの出力および制御信号ENによって活性化され入力INを反転し、信号OUTによってビット線を駆動するクロックドインバータとを含む。
【0060】
再び図13を参照して、データMD[11:0]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[11:0]は、ライトイネーブル信号BE0およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[23:12]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[23:12]は、ライトイネーブル信号BE1およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0061】
図示しないが、データMD[35:24]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[35:24]は、ライトイネーブル信号BE2およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[47:36]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[47:36]は、ライトイネーブル信号BE3およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[59:48]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[59:48]は、ライトイネーブル信号BE4およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[71:60]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[71:60]は、ライトイネーブル信号BE5およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[83:72]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[83:72]は、ライトイネーブル信号BE6およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0062】
またデータMD[95:84]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWL[95:84]はライトイネーブル信号BE7およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0063】
また、ビット線ドライバ回路22Rは、ビット線ドライバBLDKR[95:0]と、ビット線ドライバBLDWR[95:0]とを含む。ビット線ドライバBLDKR[95:0]は、図11の検討例と同様ライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0064】
データMD[11:0]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[11:0]は、ライトイネーブル信号BE0およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[23:12]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[23:12]は、ライトイネーブル信号BE1およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0065】
図示しないが、データMD[35:24]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[35:24]は、ライトイネーブル信号BE2およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[47:36]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[47:36]は、ライトイネーブル信号BE3およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[59:48]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[59:48]は、ライトイネーブル信号BE4およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[71:60]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[71:60]は、ライトイネーブル信号BE5およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。データMD[83:72]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[83:72]は、ライトイネーブル信号BE6およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0066】
またデータMD[95:84]を入力に受ける12ビット幅のビット線ドライバBLDWR[95:84]はライトイネーブル信号BE7およびライトイネーブル信号MWEに応じて活性化される。
【0067】
以上の構成により、12ビット幅のビット線群ごとにライトイネーブル信号BE0〜BE7を用いて、ビット線ドライバBLDKR,BLDWRの両方で駆動される強駆動状態(書込電流に相当)と、ビット線ドライバBLDKRのみで駆動される弱駆動状態(保持電流に相当)とを選択することができる。また、書込電流を供給しない時は、非駆動状態とする。
【0068】
図15は、書込電流について説明するための図である。
図13、図15を参照して、メモリセルMC(n,95)〜MC(n,48)にのみデータの書込を行ない、メモリセルMC(n,47)〜MC(n,0)にはデータの書込を行なわない場合の動作を考える。たとえばこれはアドレス信号A[2]=“1"の場合が相当する。これは図18、図19ではロングワードライトサイクルに相当する。このとき信号MD[95:48]には新規の書込データが入力され、信号MD[47:0]にはメモリセルMC(n,23)〜MC(n,0)からプリリードされたデータDOUTが入力される。
【0069】
このときビット線ドライバBLDWL[95:24]およびBLDWR[95:24]はイネーブル(enable)となり、ビット線ドライバBLDWL[23:0]およびBLDWR[23:0]はディスエーブル(disable)となる。またビット線ドライバBLDKL[95:0]およびBLDKR[95:0]はイネーブルとなる。
【0070】
よってビット線BL[95:24]にはビット線ドライバBLDWL[95:24]およびBLDKL[95:24]の合計で定まる書込電流iBLが流れる。一方ビット線BL[23:0]には、ビット線ドライバBLDKL[23:0]のみによる小さい保持電流iBLXが流れる。この保持電流iBLXは、書込電流iBLに比べて小さい電流であり、たとえば2分の1または3分の1の程度の電流値に調整すればよい。
【0071】
これにより一部のビット線に接続されるメモリセルのみを書換える場合(たとえば、コマンド等の制御信号で指定された書き換え単位がメモリアレイのビット線幅に満たなかった場合)の書換電流の合計値を小さくすることができる。
【0072】
図16は、実施の形態1のメモリアレイに制御信号を送るライト制御回路6の構成を示した回路図である。
【0073】
図16を参照して、ライト制御回路6は、アドレスおよびイネーブル信号発生部6Aと、データ選択部6Bと、モードデコード回路6Cと、ビットライトイネーブル制御回路6Dとを含む。
【0074】
データ選択部6Bは、プリリードされたメモリアレイからのデータDOUT[47:0]を保持する保持部6BAと、プリリードされたデータとCPUから入力されたデータD[47:0]のいずれか一方を、アドレス信号A[2]とビットライトイネーブル信号BE7〜BE0とに基づいて、メモリアレイへの出力データMD[95:0]に出力するセレクタ6BBとを含む。
【0075】
モードデコード回路6Cは、CPU2から与えられる制御信号BWL0,BWL1をデコードしてバイト書込モードを示す信号BYTEWE、ワード書込モードを示す信号WORDWEおよびロングワード書込モードを示す信号LONGWORDWEを出力する。
【0076】
ビットライトイネーブル制御回路6Dは、信号BYTEWE,WORDWE,LONGWORDWEと、アドレスA[2:0]に基づいて、ビットライトイネーブル信号BE7〜BE0をセレクタ6BBと図13のビット線ドライバBLDWL[95:0],BLDWR[95:0]とに出力して、各書込モードに対応する必要ビット幅のビット線ドライバを強駆動状態に設定する。なお、ビットライトイネーブル制御回路6Dは、図16では簡易的に記載されている。
【0077】
図17は図16のビットライトイネーブル制御回路6Dを詳細に示した回路図である。
図17を参照して、ビットライトイネーブル制御回路6Dは、それぞれビットライトイネーブル信号BE7〜BE0を出力する複合ゲート回路6D7〜6D0を含む。
【0078】
複合ゲート回路6D0は、信号LONGWORDWEとA_N[2]とを受ける2AND回路と、信号WORDWEとA_N[2]とA_N[1]とを受ける3AND回路と、信号BYTEWEとA_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とを受ける4AND回路と、2AND回路、3AND回路および4AND回路の各出力を受ける3NOR回路とを含む。3NOR回路は、ビットライトイネーブル信号BE0を出力する。
【0079】
複合ゲート回路6D7〜6D1の各々は、複合ゲート回路6D0と同様な構成を有するが入力信号が複合ゲート回路6D0とは異なる。
【0080】
すなわち、複合ゲート回路6D1には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A_N[2]とA_N[1]とA[0]とが入力される。複合ゲート回路6D2には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A_N[2]とA[1]とA_N[0]とが入力される。
【0081】
また、複合ゲート回路6D3には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A_N[2]とA[1]とA[0]とが入力される。複合ゲート回路6D4には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される。
【0082】
また、複合ゲート回路6D5には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A[2]とA_N[1]とA[0]とが入力される。複合ゲート回路6D6には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A[2]とA[1]とA_N[0]とが入力される。複合ゲート回路6D7には、A_N[2]とA_N[1]とA_N[0]とが入力される代わりに、A[2]とA[1]とA[0]とが入力される。
【0083】
再び、図16を参照して、図1のCPU2から書込データ信号D[47:0]と、書込モードがバイト書込モード、ワード書込モードまたはロングワード書込モードかを指定する制御信号BWL1,BWL0が入力される。書込モードがバイト書込モードであるとは、たとえば12bit(データ8bit、パリティ4bit)を1単位として入力される場合を示し、ワード書込モードであるとは、たとえば24bitを1単位として入力されることを示し、ロングワード書込モードとは、たとえば48bitを1単位として入力することを示す。このように各書込モードは、所謂書込データのビット幅・単位を規定している。
【0084】
書込データがバイト単位のときは、(BWL1,BWL0)=(0,1)、に設定される。書込データがワード単位のときは、(BWL1,BWL0)=(1,0)に設定される。書込データがロングワード単位のときは、(BWL1,BWL0)=(1,1)に設定される。なお、信号(BWL1,BWL0)=(0,0)のときは、読出またはノンオペレーション(NOP)動作とする。
【0085】
書込データがバイト単位のときは、アドレス信号A[1:0]で選択されるデータ信号D[35:24]のデータのみの書込が行なわれる。書込データがワード単位のときは、アドレス信号A[1]で選択されるデータのみの書込が行なわれる。たとえば、(BWL1,BWL0)=(0,1)かつA[1:0]=2ならば、データ信号D[35:24]のデータが書込まれる。またライト制御回路6は、信号BUSYを出力し、信号BUSYを受けたCPU2は現在のサイクルを延長する。この場合アドレス信号A[14:0],データ信号D[47:0]などのCPU2の出力が維持される。
【0086】
図18、図19は、図16に示したライト制御回路6の動作について説明するための動作波形図である。図18、図19において、図11,図12で検討した検討例に比べて制御信号BE0〜BE7が加わっている点が特に異なる。
【0087】
図18、図19では、時刻t1〜t4において書込データがワード単位の場合の書込動作(ワードライトサイクル)が示される。さらに引続いて時刻t4〜t7において書込データがロングワードの場合の書込動作(ロングワードライトサイクル)が示される。
【0088】
なお、書込データがバイト単位の場合は、データ信号D[47:0]の書込が行なわれるデータがバイト単位(12bit)になる以外は、書込データがワード単位の場合と動作は同じである。
【0089】
時刻t1〜t2の間においてまず波形E1に示すように(BWL1,BWL0)=(1,0)なので、書込データがワード単位の書込が行なわれる。波形E2に示すようにワードライトイネーブルWORDWEがイネーブル、すなわちHレベルに変化する。書込データがバイト単位またはワード単位のとき、波形E3に示すように信号BUSY1がイネーブルとなる。波形E1と、波形E4のA[1:0]=010(2進数)とから、波形E5でビットライトイネーブル信号BE3,BE2がイネーブルに変化する。そして波形E6でデータ信号D[47:24]がMRAMアレイへの書込データMD[47:24]として出力される。
【0090】
またこのとき書込データMD[23:0]としては、フリップフロップFF[23:0]の保持データが出力され、書込データMD[95:48]としては、MRAMからの読出データDOUT[47:0]が出力される。しかし、この時点では、対応するイネーブル信号BEがイネーブルでないので、データは無効として扱われる。すなわちこれらのデータは、CPUからの書込データMDを書込まないメモリセルへのデータである。
【0091】
次に、波形E7で、信号BUSY1,BUSY0を受けてMRAMのリードイネーブル信号MREがイネーブルとなり、読出動作が行なわれる。そして波形E8で、アドレス信号A[14:3],A[2]=0のデータR0[47:0]がDOUT[47:0]として読出される。この信号は波形E9で図16のフリップフロップFF[47:0]にラッチされる。
【0092】
このときに波形E10に示されるように、データ信号MD[47:0]のすべてが有効となる。これによって、アドレスA[14:2]のデータを書込まないバイト分のデータが用意される。
【0093】
そして時刻t3の波形E11で、信号BUSY1がディスエーブル、信号BUSY0がイネーブルとなり、リードイネーブル信号MREがイネーブルとなり、読出サイクルが行なわれる。
【0094】
波形E12に示すようにアドレスA[2]の反転(MA[2]=1)部分のデータR1[47:0]が信号DOUT[47:0]として読出され、信号MD[95:48]に出力される。(波形E13)。この時点で、ディジット線DL[n]の1本分すべてのデータが信号MD[95:0]として揃う。時刻t4の波形E14に示すようにライトイネーブル信号MWEがイネーブルとなり、波形E15で書込電流iBLが印加される。
【0095】
これによって、時刻t4〜t5の間には、データと書込みモードとに基づいてiBL[95:0]の対応する部分に強い電流、弱い電流のいずれかが流れる。
【0096】
時刻t4以降のロングワードライトサイクルでは、波形F1で(BWL1,BWL0)=(1,1)であるので、時刻t1〜t4で示されたようなワード(またはバイト)ライトサイクル時の波形E3,E7〜E10に相当する動作は実行されない。基準となるクロック信号CLKや制御信号(BWL1,BWL0)をMRAM回路4の外部から見た場合には、時刻t4以降がロングワードライトサイクルとなるが、MRAM回路内で考えると、時刻t4〜t5の間に実際のメモリセルMCへの書込動作(ビット線への電流供給)が行われている。
【0097】
そして波形E11以降の処理と同様の処理が波形F11以降で行なわれる。ここではA[2]=1なので、波形F6において信号MD[95:48]として信号D[47:0]が出力され、信号MD[47:0]としては信号DOUT[47:0]が出力される。続いて波形F13において信号MD[47:0]には、A[2]の反転(MA[2]=0)の読出データR2[47:0]が出力され、波形F15においてデータが書込まれる。
【0098】
このように、実施の形態1においては、データ書込を行なう必要のないメモリセルには、データ書込電流よりも小さいデータ保持電流が流れるように制御が行なわれる。このデータ保持電流は、メモリセルに書込まれたデータと同じデータ(プリリードしたデータ)を書込む方向(書き込む極性)の電流である。
【0099】
このようにするので、実施の形態1の半導体装置は、無駄な消費電流を抑えることができ、消費電流を低減させることができる。かつ、特許文献1の場合と同様に、ディジット線に流れる電流による誤書込を防止できる。
【0100】
[実施の形態2]
特許文献1に示されるようなMRAMは、書込動作時に活性化される1本のディジット線によって書込電流磁場が印加されることになるすべてのメモリセルに同時にデータの書込を行なう。たとえば図11で説明したように、メモリセルMC(n,95)〜MC(n,0)のビット線に同時に電流iBLが流れる。
【0101】
そのため、平均電流にくらべて大きなピーク電流が流れる。これは、ビット線当たりのピーク電流iBLwのデータ書込電流パルス幅tWが、ライトサイクル期間tCに比べて短いからである。すなわちライトサイクル期間の一部分においてデータ書込電流が集中して流れる場合には、平均電流((iBLw×96×tW)÷tC)<ピーク電流(iBLw×96)となる。
【0102】
このピーク電流を考慮して電源配線を強化して(太くして)半導体装置を設計する必要がある。電源配線を強化は、必然的にレイアウト面積の増加という問題を引起す。
【0103】
実施の形態2においては、このピーク電流を低減させた例を説明する。
図20は、実施の形態2のメモリアレイ100の構成を示した回路図である。
【0104】
メモリアレイ100は、ビット線ドライブ回路122L,122Rと、メモリアレイ部130に加えて、ライトイネーブル制御回路132を含む。ビット線ドライブ回路122Lは、ビット線ドライバBLDW[95:0]と、ビット線ドライバBLDKL[95:0]とを含む。ビット線ドライブ回路122Rは、ビット線ドライバBLDKR[95:0]と、ビット線ドライバBLDWR[95:0]とを含む。
【0105】
実施の形態1では、ライト制御回路6によって、12ビットごとのビットライトイネーブル信号BE7〜BE0がメモリアレイのビット線ドライバに送信された。これに対し、実施の形態2では、ライトイネーブル制御回路132によって、各ビットに別々のライトイネーブル信号WEW[95:0]が送信される。
【0106】
ライトイネーブル制御回路132は、ライトイネーブル信号WEW[95:0],WEK[95:0]を出力する。ビット線ドライバBLDW[95:0]はライトイネーブル信号WEW[95:0]によって活性化され、ビット線ドライバBLDKL[95:0]は、信号WEK[95:0]によって活性化される。
【0107】
ビット線ドライバBLDWR[95:0]は同じくイネーブル信号WEW[95:0]で活性化され、ビット線ドライバBLDKR[95:0]は同様にイネーブル信号WEK[95:0]によって活性化される。
【0108】
ビット線ドライブ回路は、強/弱2種類の電流を流せるように分割されている点は実施の形態1の場合と同様である。
【0109】
図21は、図20のライトイネーブル制御回路132の構成を示した回路図である。
図21を参照して、ライトイネーブル信号MWEは、実施の形態1の場合と同様な信号である。クロック信号CLK1は、ライトサイクル中に96サイクル入力されるクロック信号であり、実施の形態1のような基準CLKを利用しても良いし、専用に基準CLKのN倍の周波数のクロックを生成して利用することも可能である。リセット信号RST_Nは電源立上がりのときに、LレベルからHレベルに変化する信号である。
【0110】
ライトイネーブル制御回路132は、DフリップフロップDFF0〜DFF95と、ゲートG1〜G95と、AND回路A1〜A95とを含む。ライトイネーブル信号MWEは、DFF95からDFF0に向けて順次伝達される。ゲートG1〜G95は、対応するフリップフロップとその次段のフリップフロップの出力を受けて1クロック幅の書込みパルス幅のライトイネーブル信号を発生する。AND回路A1〜A95は、ライトイネーブル信号MWEの立下りと同時にWEK[1]〜WEK[95]をマスクする。
【0111】
図22は、実施の形態2における書込サイクルを説明するための動作波形図である。図22の波形図は、図17におけるイネーブル信号MWEがイネーブルすなわちHレベルである波形E14,F14を複数サイクルにしたものに相当する。
【0112】
図21、図22を参照して、図示しない回路によって必要に応じてイネーブル信号MWEが生成され、CPU2にサイクルの継続を要求する信号BUSYが生成される。イネーブル信号MWEがイネーブル(Hレベル)となると、書込サイクルが開始される。
【0113】
図22において、たとえばクロック信号CLK1のnサイクルでは、イネーブル信号WEW[n],WEK[n]がイネーブル(Hレベル)となる。イネーブル信号WEW[n]はnサイクルの終わりでディスエーブルとなるが、イネーブル信号WEK[n]はライトサイクルの最後までイネーブルを維持する。
【0114】
したがって、ビット線BL[n]には、クロック信号CLK1のnサイクル目では、ビット線ドライバBLDWL,BLDKLおよびビット線ドライバBLDWR,BLDKRによって電流iBL=(iBLw+iBLk)が流される。そしてnサイクル目以降では、ビット線ドライバBLDKL,BLDKRによるデータ保持電流iBLkのみがビット線BL[n]に流されることになる。
【0115】
以上説明したように、実施の形態2においては、データ書込の電流パルスは各クロックサイクルでビット線1つ分である。データ書込の電流パルスによるトータルのピーク電流は、図20に示されるように電流iBLwとなる。これにより、実施の形態1においてはiBLw×96であったピーク電流が分散され削減される。
【0116】
また、データ書込電流パルスの印加後に、データ書込を行なう電流iBLより小さいデータ保持電流iBLkを流すので、ディジット線電流による誤書込を防止できる。
【0117】
[実施の形態2の変形例]
実施の形態2では、クロックの1サイクルにデータ書込パルス電流を1つとしたが、複数を同時に印加するようにしてもよい。たとえば、図21に示した回路を変更し、48本のビット線の電流パルスを同時に印加するようにしてもよい。
【0118】
図23は、図21に示したライトイネーブル制御回路の変形例を示した回路図である。
図23に示すライトイネーブル制御回路は、フリップフロップDFFA,DFFBとゲート回路GAとAND回路AAとを含む。ライトイネーブル信号WEは、図21の信号MWEに相当する信号である。リセット信号RST_NはフリップフロップDFFA,DFFBをロウレベルでリセットする信号である。クロック信号CLK2は、ライトサイクル中に2サイクル入力されるクロック信号であり、実施の形態1のような基準CLKを利用しても良いし、専用に基準CLKのN倍の周波数のクロックを生成して利用することも可能である。
【0119】
図24は、実施の形態2の変形例の動作を説明するための動作波形図である。
図24に示すように、書込サイクルの前半WCAにおいては、メモリセルMC(n,95)〜MC(n,48)に書込が実行され、後半の書込サイクルではこれらのメモリセルには保持電流iBLXが流される。そして書込サイクルの後半WCBではメモリセルMC(n,47)〜MC(n,0)に対して書込電流iBLが流される。したがって、図23において、WEW[47:0]とWEK[47:0]は同じ信号になっている。
【0120】
実施の形態2の変形例にしても、ピーク電流をiBL×96からiBL×48+保持電流に減らすことができる。図21ではビット線の分割数が96、図23では分割数が2であったが、分割数を適宜中間値に変更してもよい。
【0121】
[実施の形態3]
図25は、合計電流の増加について説明するための図である。
【0122】
たとえば、12bit単位で書込を行なうようにすると、常に12bit分の書込電流が流れ、これに累積的に保持電流が加算されていく。
【0123】
この場合、書込サイクルの最後の時点において合計電流はピークとなる。
しかしこのピーク値を平均化することで、電源ノイズの低減化や電源配線の面積低減に繋げることが可能となる。
【0124】
図26は、実施の形態3において用いられるライトイネーブル制御回路232の構成を示した回路図である。
【0125】
図27は、改善された合計電流について説明するための図である。
図26、図27を参照して、ライトイネーブル制御回路232は、ライトイネーブル信号が入力されると、まず16bitに対して1クロックサイクル分の書込パルスを出力し、続いて14bitに対して1クロックサイクル分の書込パルスを出力する。
【0126】
続いて書込パルスを12bitに対して3クロックサイクルにわたって順次出力し、最後に書込パルスを8bitに対して3クロックサイクルにわたって順次出力する。なお、クロック信号CLK3は、ライトサイクル中に8サイクル入力されるクロック信号であり、実施の形態1のような基準CLKを利用しても良いし、専用に基準CLKのN倍の周波数のクロックを生成して利用することも可能である。
【0127】
このようにすれば、図25の波形iTに示すように、合計電流値は、書込サイクル全体において平均化されることになる。
【0128】
すなわち、同時に書込むビット数を初めは16bitと多くし、続いて14bit,12bit、8bitと徐々に減らすようにして、合計電流を平均化することができる。
【0129】
最後に、実施の形態1〜3について再び図面を参照して総括する。図1、図13に示すように、半導体装置1は、行列状に配列された複数の磁気メモリセルMCと、複数の磁気メモリセルMCの行に対応して設けられる複数のディジット線DLと、アドレス信号に応じて書込選択行に対応するディジット線DLを駆動するディジット線ドライバ28Bと、複数の磁気メモリセルの列に対応して設けられる複数のビット線BL[0:95」とを備える。複数のビット線BL[0:95」は、たとえば12本ごとの複数の群に分割される。半導体装置1は、書込時の制御信号に応じて複数の群の各々を書込群と保持群(非書込群)のいずれかに設定するライト制御回路6と、ライト制御回路6の制御下で(信号BE0〜BE7に基づいて)複数のビット線の各々を少なくとも2段階の強度で駆動可能に構成されたビット線ドライブ回路22L,22Rとをさらに備える。ビット線ドライブ回路22L,22Rは、書込群に対しては、書込データに対応する極性の電流で2段階のうち強い強度でビット線を駆動し、保持群(非書込群)に対しては、2段階のうち弱い強度で自分自身のデータに対応する極性のデータ保持電流を流す。
【0130】
このようにすることで、誤書込を防止しつつ、消費電流の増加を抑制することができる。
【0131】
半導体装置1は、図2に示すように、書込選択行のデータを読み出すリード回路7をさらに備える。図16に示すように、ライト制御回路6は、書込データD[47:0]および読出回路が読み出した保持データDOUT[47:0]を受け、制御信号BE0〜BE7およびアドレスA[2]に応じて、書込群には書込データD[47:0]を与え、保持群(非書込群)には保持データDOUT[47:0]を与える。
【0132】
図16に示すように、ライト制御回路6は、書込データD[47:0]および読出回路が読み出した保持データDOUT[47:0]を受け、制御信号BE0〜BE7およびアドレスA[2]に応じて、書込群には書込データD[47:0]を与え、保持群(非書込群)には保持データDOUT[47:0]を与えるデータ選択部6Bと、制御信号BWL0,BWL1に応じて、ビット線ドライブ回路に対してビット線BLの複数の群の各々に対して駆動強度を設定する制御信号BE0〜BE7を出力する信号発生部(ビットライトイネーブル制御回路6D)とを含む。
【0133】
実施の形態2においては、図20〜図22に示すように、ライトイネーブル制御回路132は、ビット線ドライブ回路122L,122Rの書込群に対応する部分を複数に分割して、複数の分割した部分を1つの書込サイクル内でずらして2段階のうち強い強度で駆動するように制御する。
【0134】
図22に示すように、書込群のうちの第1の群BL[95]は、書込サイクル内の第1の期間(CLKサイクル0)に2段階のうち強い強度iBLで駆動され、書込サイクル内において、書込群のうちの第2の群BL[94]は、第1の期間より後の第2の期間(CLKサイクル1)に2段階のうち強い強度iBLで駆動され、第2の期間では、第1の群は、2段階のうち弱い強度iBLkで駆動される。
【0135】
このようにすることで、誤書込を防止しつつ、消費電流のピーク値を減らすことができる。
【0136】
同様に、図24に示すように、書込群のうちの第1の群BL[95:48]は、書込サイクル内の第1の期間(WCA)に2段階のうち強い強度iBLで駆動され、書込サイクル内において、書込群のうちの第2の群BL[47:0]は、第1の期間より後の第2の期間(WCB)に2段階のうち強い強度iBLで駆動され、第2の期間では、第1の群は、2段階のうち弱い強度iBLXで駆動される。
【0137】
このようにすることで、書込電流を分散させることができ、書込電流のピークを減らせるので、電源配線がその分細くてすむ。
【0138】
また、図26、図27で説明した例では、第1の期間では、第2の群は、駆動されず、第1の群に属するビット線の数(16bit)は、第2の群に属するビット線の数(14bit)よりも多い。
【0139】
このようにすることで、電流の合計値を平均化することができ、電源配線がその分細くてすむ。すなわち、ビット線ドライバに電源を供給する配線のピーク電流対策を緩和できる。
【0140】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0141】
1 半導体装置、3 基準電位発生回路・電源回路、4 MRAM回路、5 MRAMメモリアレイ、6 ライト制御回路、6A イネーブル信号発生部、6B データ選択部、6BA 保持部、6BB セレクタ、6C デコード回路、6D7〜6D0 複合ゲート回路、6D ビットライトイネーブル制御回路、7 リード回路、100 メモリアレイ、22L,22R,122L,122R ビット線ドライブ回路、24L,24R コラムプリデコーダ、26 ロウプリデコーダ、28A ワード線ドライバ、28B ディジット線ドライバ、29 ローカルデコーダ、30,130 メモリアレイ部、34 スペアロウ、36 スペアコラム、38 選択ゲート、40,42,SA センスアンプ、52 バッファ、54,56,64,66 トランジスタ、62 インバータ、132,232 ライトイネーブル制御回路、A1〜A95,AA AND回路、ATR アクセストランジスタ、BL ビット線、BLDKL,BLDKR,BLDWR,BLDWL ビット線ドライバ、CSL コラム選択線、DFF0〜DFF95,DFFA,DFFB,FF フリップフロップ、DL,DL0 ディジット線、DW0,DW1 ダミーワード線、G1〜G95,GA ゲート回路、MC,MCR メモリセル、TMR トンネル磁気抵抗素子、VL 自由磁化膜、WL,WL0,WL1 ワード線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配列された複数の磁気メモリセルと、
前記複数の磁気メモリセルの行に対応して設けられる複数のディジット線と、
アドレス信号に応じて書込選択行に対応するディジット線を駆動するディジット線ドライブ回路と、
前記複数の磁気メモリセルの列に対応して設けられる複数のビット線とを備え、
前記複数のビット線は、複数の群に分割され、
書込時の制御信号に応じて前記複数の群の各々を書込群と非書込群のいずれかに設定する書込制御回路と、
前記書込制御回路の制御下で前記複数のビット線の各々を少なくとも2段階の強度で駆動可能に構成されたビット線ドライブ回路とをさらに備え、
前記ビット線ドライブ回路は、前記書込群に対しては、書込データに対応する極性の電流で前記2段階のうち強い強度でビット線を駆動し、前記非書込群に対しては、前記2段階のうち弱い強度で自分自身のデータに対応する極性のデータ保持電流を流す、半導体装置。
【請求項2】
前記書込選択行のデータを読み出す読出回路をさらに備え、
前記書込制御回路は、前記書込データおよび前記読出回路が読み出した保持データを受け、前記制御信号に応じて、前記書込群には前記書込データを与え、前記非書込群には前記保持データを与える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記書込制御回路は、
前記書込データおよび前記読出回路が読み出した保持データを受け、前記制御信号に応じて、前記書込群には前記書込データを与え、前記非書込群には前記保持データを与えるデータ選択部と、
前記制御信号に応じて、前記ビット線ドライブ回路に対してビット線の前記複数の群の各々に対して駆動強度を設定する信号を出力する信号発生部とを含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記書込制御回路は、前記ビット線ドライブ回路の前記書込群に対応する部分を複数に分割して1つの書込サイクル内でずらして前記2段階のうち強い強度で駆動するように制御する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記書込群のうちの第1の群は、前記書込サイクル内の第1の期間に前記2段階のうち強い強度で駆動され、
前記書込サイクル内において、前記書込群のうちの第2の群は、前記第1の期間より後の第2の期間に前記2段階のうち強い強度で駆動され、
前記第2の期間では、前記第1の群は、前記2段階のうち弱い強度で駆動される、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の期間では、前記第2の群は、駆動されず、
前記第1の群に属するビット線の数は、前記第2の群に属するビット線の数よりも多い、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
各々が、第1の書込電流と前記第1の書込電流と交差する方向に流れる第2の書込電流による誘起磁場によりデータの書込が行われる磁気抵抗素子を有し、行列状に配置された複数の磁気メモリセルと、
前記複数の磁気メモリセルの行に対応して設けられ、前記第1の書込電流を流す複数のディジット線と、
前記複数のディジット線に対応して設けられ、対応のディジット線に前記第1の書込電流を供給する複数のディジット線ドライバと
前記複数のディジット線の中からアドレス信号により選択された第1のディジット線への電流供給により半選択状態となるN個の磁気メモリセルに対応して配置され、前記第2の書込電流を流すN本のビット線と、
前記N本のビット線に対応して設けられ、対応のビット線に書込データに応じた極性の前記第2の書込電流を供給するN個のビット線ドライバと、
前記N個のビット線ドライバの各々は、第1の電流駆動能力と前記第1の電流駆動能力より小さい第2の電流駆動能力を有し、
前記N本のビット線と各対応の前記Nビット線ドライバは、M個(M≦N)のグループに分割され、
書込動作時に、分割されたグループ毎にデータ書込対象とデータ保持対象にグループ分けして、前記データ書込対象のグループのビット線ドライバは第1の電流駆動能力を選択し、前記データ保持対象のグループのビット線ドライバは前記第2の電流駆動能力を選択し、前記N個の磁気メモリセルに一括して前記第2の書込電流を供給する、書込制御回路を含む、半導体装置。
【請求項8】
各々が、第1の書込電流と前記第1の書込電流と交差する方向に流れる第2の書込電流による誘起磁場によりデータの書込が行われる磁気抵抗素子を有し、行列状に配置された複数の磁気メモリセルと、
前記複数の磁気メモリセルの行に対応して設けられ、前記第1の書込電流を流す複数のディジット線と、
前記複数のディジット線に対応して設けられ、対応のディジット線に前記第1の書込電流を供給する複数のディジット線ドライバと
前記複数のディジット線の中からアドレス信号により選択された第1のディジット線への電流供給により半選択状態となるN個の磁気メモリセルに対応して配置され、前記第2の書込電流を流すN本のビット線と、
前記N本のビット線に対応して設けられ、対応のビット線に書込データに応じた極性の前記第2の書込電流を供給するN個のビット線ドライバと、
前記N個のビット線ドライバの各々は、第1の電流駆動能力と前記第1の電流駆動能力より小さい第2の電流駆動能力を有し、
前記N本のビット線と各対応の前記Nビット線ドライバは、M個(M≦N)のグループに分割され、
前記第1のディジット線の選択中、M個のグループを時系列的に順次選択し前記N個のメモリセルにデータを書込む書込制御回路を含み、
前記書込制御回路は、書込動作時に、前記M個のグループの内第1のグループは、初めに第1の電流駆動力で前記第2の書込電流を流し、続いて実施される前記M個のグループの内の前記第1のグループと異なる第2のグループの選択に応じて、前記第1のグループへの書込電流供給を前記第1の電流駆動能力から前記第2の電流駆動能力に切り替え保持電流を流し、かつ前記第2のグループへの書込電流供給を前記第1の電流駆動能力に設定して前記第2の書込電流をも流す、半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−94201(P2012−94201A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238485(P2010−238485)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】