説明

吸引ユニット、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器

【課題】機能液が固着したヘッドキャップ内を洗浄することができる吸引ユニットを提供することを課題とする。
【解決手段】インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31を封止するヘッドキャップ104と、ヘッドキャップ104に連通し、ノズル面31を封止するヘッドキャップ104を介して、機能液滴吐出ヘッド17内の複数のノズルから機能液を吸引するクリーニング動作を行う吸引手段102と、ヘッドキャップ104内に洗浄液を供給する供給手段103とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドから機能液を吸引してクリーニング動作を行う吸引ユニット、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドである機能液滴吐出ヘッドを用いた描画処理により、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成する液滴吐出装置が考えられている。そして、この液滴吐出装置には、吸引ユニット(機能液滴吐出ヘッドの吸引装置)を備えたものが知られている。吸引ユニットは、機能液滴吐出ヘッドのノズル面をヘッドキャップ(キャップ)で封止し、ヘッドキャップに連通した吸引手段(エゼクタ)を駆動することで、給液タンクに貯留された機能液を機能液滴吐出ヘッドに充填する初期充填処理や、機能液滴吐出ヘッドの吐出機能保全のためのクリーニング動作を行うものである。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2004−209461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特に量産装置では、搭載された機能液滴吐出ヘッドは描画処理に長時間使用されるが、その分、クリーニング頻度が少なくなり、ヘッドキャップが放置され、ヘッドキャップ内に残った機能液が乾燥して固着しやすくなる。このため、機能液による詰まりが生じ、結果的にクリーニング不良が発生するおそれがあった。この場合、ヘッドキャップを分解または交換することでしか対応できないという問題があった。
【0004】
本発明は、機能液が固着したヘッドキャップ内を洗浄することができる吸引ユニット、液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の吸引ユニットは、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドのノズル面を封止するヘッドキャップと、ヘッドキャップに連通し、ノズル面を封止したヘッドキャップを介して、機能液滴吐出ヘッド内の複数のノズルから機能液を吸引するクリーニング動作を行う吸引手段と、ヘッドキャップ内に洗浄液を供給する供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドのクリーニング動作後、ヘッドキャップ内に機能液が残存し、この機能液がヘッドキャップ内に固着してしまったとしても、ヘッドキャップ内に洗浄液を供給することで、ヘッドキャップ内に固着した機能液を溶解して取り除くことができる。したがって、適切に吸引でき、クリーニング不良を防ぐことができる。
【0007】
この場合、吸引手段は、ヘッドキャップに連通する吸引流路と、吸引流路の下流端に設けられた回収タンクと、回収タンクに向けて機能液を吸引する吸引アクチュエータと、を有することが好ましい。
【0008】
この構成によれば、吸引手段は、吸引アクチュエータにより機能液を吸引することでクリーニング動作を行い、吸引した機能液を吸引流路から排出できると共に、回収タンクに回収させることができる。
【0009】
これらの場合、供給手段は、ヘッドキャップに連通する供給流路と、供給流路の上流端に設けられた洗浄液タンクと、洗浄液タンク内の洗浄液をヘッドキャップに送液する供給アクチュエータと、を有することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、供給手段は、供給アクチュエータにより洗浄液タンク内の洗浄液を供給流路からヘッドキャップに送液することができる。
【0011】
これらの場合、吸引手段と供給手段とを制御する制御手段を、更に備え、制御手段は、機能液滴吐出ヘッドのノズル面の封止を解いた状態のヘッドキャップに対し、供給手段を制御して、ヘッドキャップ内に洗浄液を供給させると共に、吸引手段を制御して、ヘッドキャップ内の洗浄液を吸引させることで、ヘッドキャップを洗浄する洗浄動作を行うことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、ヘッドキャップ内に供給した洗浄液を吸引することで、ヘッドキャップ内に固着した機能液を溶解した洗浄液を、ヘッドキャップ外に速やかに排出することができる。
【0013】
この場合、吸引手段により吸引される機能液の流量を測定する排液流量手段を、更に備え、制御手段は、クリーニング動作の際に、排液流量手段により測定された流量が所定の閾値未満である場合、洗浄動作を行った上でクリーニング動作を再度行わせることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、クリーニングの際に吸引される機能液の流量を測定することで、クリーニング不良を認識することができる。測定された機能液の流量が所定の閾値未満のときに洗浄動作を行うことで、必要最小限の洗浄動作でヘッドキャップ内の機能液による詰まりを取り除くことができ、クリーニング不良を解消できる。
【0015】
この場合、制御手段は、機能液の流量が閾値未満である場合、機能液の流量が閾値以上になるまで、クリーニング動作と洗浄動作とを所定回数を上限とする範囲内で繰り返し行い、所定回数のクリーニング動作と洗浄動作とを行っても、機能液の流量が閾値未満の場合は、その旨を報知する報知手段を、更に備えたことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、所定回数のクリーニング動作を行っても機能液の流量が閾値未満の場合、クリーニング不良の原因がヘッドキャップ内の機能液による詰まり以外にあると考えられる。この時、所定回数を超えるクリーニング動作を行ってもクリーニング効果は期待できず、無駄な動作になる。そこで、クリーニング動作の回数に上限を設け、無駄なクリーニング動作を行わないようにすることで、クリーニング動作における機能液の浪費をなくすことができる。また、上記の状況を報知することにより、ユーザーにヘッドキャップ本体のメンテナンス等の適切な対応を促すことができる。
【0017】
これらの場合、ヘッドキャップ内が洗浄液で満液になることを検知する液量検知手段を、更に備え、制御手段は、供給手段を制御して、液量検知手段によりヘッドキャップ内が満液になることが検知されるまで、ヘッドキャップ内に洗浄液を供給させた後、吸引手段を制御して、ヘッドキャップ内の洗浄液を吸引することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ヘッドキャップ内を洗浄液で満液にしてから吸引することで、ヘッドキャップ内の壁面や隅角に固着した機能液を溶解し、取り除くことができる。
【0019】
これらの場合、洗浄液が、機能液の溶媒であることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、ヘッドキャップ内の洗浄液と共に、機能液を吸引して回収した場合に、回収した機能液を容易に再利用することができる。
【0021】
本発明の液滴吐出装置は、上述した吸引ユニットと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に、ワークに対し、機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画処理を行う描画手段と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、機能液が固着したヘッドキャップ内を洗浄することができる吸引ユニットを備えたことで、ヘッドキャップが詰まった場合でも、ヘッドキャップの分解等を行うことなく容易に詰まりを解消できるため、クリーニング不良が解消できると共に、装置の稼動効率を向上させることができる。
【0023】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の電気光学機器は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0025】
これらの構成によれば、クリーニング不良対策を施し、稼動効率を向上させた液滴吐出装置により製造することで、ワークの生産性を向上させることができる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0026】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0027】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータのほか、各種の電気製品がこれに該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば、特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成(インクジェット法により印刷)するものである。
【0029】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、機台2と、機台2上に載置され、機能液滴吐出ヘッド17を搭載した描画装置3と、機台2上で描画装置3に添設されたメンテナンス装置4と、液滴吐出装置1の各部を制御する制御装置5(図2参照)とを、備えている。制御装置5は、パソコンで構成され、各種データ等を入力するためのキーボード5aと、入力結果や各種情報を表示するモニター5bとを、有している。
【0030】
描画装置3は、X軸方向に延在するX軸テーブル11と、X軸テーブル11に直交するY軸テーブル12と、Y軸テーブル12に移動自在に吊設されたキャリッジ15と、を有している。そして、キャリッジ15には、機能液滴吐出ヘッド17が搭載されている。なお、図1では、機能液滴吐出ヘッド17を単一のものとして示すが、その個数および配列は任意である。
【0031】
X軸テーブル11は、X軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のX軸スライダ13を有し、セットテーブル16を移動自在に搭載して構成されている。セットテーブル16は、吸着テーブルで構成され、描画対象となる基板Wを吸着セットする。同様に、Y軸テーブル12は、Y軸方向の駆動系を構成するモータ駆動のY軸スライダ14を有し、これに上記のキャリッジ15を介して機能液滴吐出ヘッド17を移動自在に搭載して、構成されている。
【0032】
Y軸テーブル12は、機台2上に立設した左右の支柱21、21に支持されており、X軸テーブル11とメンテナンス装置4とを跨ぐように延在している。そして、Y軸テーブル12は、機能液滴吐出ヘッド17をX軸テーブル11の直上部とメンテナンス装置4の各ユニット(後述する)との間で移動させ、また、後述する描画処理において機能液滴吐出ヘッド17を副走査させる。
【0033】
また、キャリッジ15は、搭載した機能液滴吐出ヘッド17をZ軸方向(上下方向)にモータ駆動で微小移動させるヘッドZ軸テーブル(図示省略)を有している。
【0034】
また、機能液滴吐出ヘッド17は、機能液供給チューブ(図示省略)を介して機能液パック(図示省略)から機能液が供給され、ノズル面31に等間隔で2列に並べられた複数のノズル32からインクジェット方式で機能液を吐出するものである。そして、ノズル面31を下方に向けてキャリッジ15に搭載されている。
【0035】
このように構成された描画装置3は、制御装置5による制御を受けながら描画処理を行う。すなわち、基板Wを載置したセットテーブル16がX軸方向に往動するのに同期して、機能液滴吐出ヘッド17を駆動させて基板Wに機能液を吐出して主走査を行う。次にY軸方向に機能液滴吐出ヘッド17が移動しY軸方向の副走査を行う。その後、基板WをX軸方向に復動させ、同期して機能液滴吐出ヘッド17を駆動することで再度主走査を行う。以上の動作を繰り返し行うことで基板Wに所望の描画を行う。
【0036】
メンテナンス装置4は、X軸テーブル11に遠い方から順に、吸引ユニット51と、ワイピングユニット52と、を備えている。吸引ユニット51とワイピングユニット52とは、Y軸テーブル12による機能液滴吐出ヘッド17の移動軌跡上に設けられており、Y軸テーブル12により、各ユニットの直上部に機能液滴吐出ヘッド17を臨ませることができるようになっている。吸引ユニット51は、機能液滴吐出ヘッド17から機能液を吸引することで、機能液の初期充填やクリーニング動作を行い(詳細は後述する)、ワイピングユニット52は、吸引ユニット51のクリーニング動作等の後、ワイピングシート61により機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31を払拭する。
【0037】
次に、図2および図3を参照し、吸引ユニット51について説明する。吸引ユニット51は、クリーニング動作等の後、ヘッドキャップ104内に残った機能液が乾燥して固着することで、ヘッドキャップ104内に機能液の詰まりが生じるおそれがあるため、ヘッドキャップ104内を洗浄するようにしたものである。
【0038】
吸引ユニット51は、ヘッドキャップ104を有するキャップユニット101と、ヘッドキャップ104を介して機能液滴吐出ヘッド17のクリーニング動作等を行う吸引手段102と、洗浄液をヘッドキャップ104に供給する供給手段103と、で構成されている。
【0039】
キャップユニット101は、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31を封止するヘッドキャップ104と、機能液滴吐出ヘッド17を封止するためにヘッドキャップ104を昇降させる昇降機構105と、を備えている。
【0040】
ヘッドキャップ104は、キャップ本体111と、キャップ本体111を保持するキャップホルダ112と、キャップ本体111とキャップホルダ112との間に介設された一対のキャップばね113,113と、キャップ本体111の上面に形成した凹部114に敷設された機能液吸収材115と、凹部114の周縁部に取り付けられた環状のシールパッキン116とを有している。また、図示省略したが、ヘッドキャップ104には、凹部114をその底面側で大気開放する大気開放弁が設けられている。
【0041】
キャップ本体111には、凹部114の底面に開口し、吸引手段102に連通するキャップ内吸引流路117と、凹部114の底面に開口し、供給手段103に連通するキャップ内供給流路118とが形成されている。なお、機能液が最も固着しやすいのは、キャップ内吸引流路117であるが、機能液吸収材115(目詰まり)やシールパッキン116内壁面にも、固着するおそれがある。
【0042】
キャップホルダ112は、ベース部119と、ベース部119に立設されたボルダ部120とで構成されており、ベース部119に形成された一対のガイド孔には、後述する一対の昇降ガイド121、121が挿入されている。一対のキャップばね113,113は、キャップ本体111を上方に付勢している。これにより、キャップ本体111が、僅かに上下動可能な状態でキャップホルダ112に保持される。
【0043】
そして、シールパッキン116が、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31に押し付けられると、2列のノズル32(図1参照)すべてを包含するようにして、ノズル面31を封止する。なお、供給手段103により供給される洗浄液は、ヘッドキャップ104内が満液になるまで、すなわち、シールパッキン116の上端から溢れるまで、供給可能である。
【0044】
昇降機構105は、キャップホルダ112の下面に連結されたエアーシリンダ122と、ヘッドキャップ104の上下動を案内する左右一対の昇降ガイド121,121と、を有している。そして、シールパッキン116の上面と機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31とが当接するノズル面31を封止する位置と、シールパッキン116と機能液滴吐出ヘッド17との間に隙間が生ずるノズル面31の封止を解除する位置とで、キャップホルダ112を介してキャップ本体111を昇降させる。また、キャップホルダ112の左右両端には、キャップホルダ112(ヘッドキャップ104)の上昇位置を度当たりで規制する規制部材123が設けられている。
【0045】
吸引手段102は、キャップ内吸引流路117に上流端が接続された吸引チューブ131と、吸引チューブ131の下流端に設けられた回収タンク133と、回収タンク133に向けて機能液を吸引するエゼクタ134(吸引アクチュエータ)と、回収タンク133とエゼクタ134とを接続する真空チューブ132とで構成されている。吸引手段102は、エゼクタ134により機能液滴吐出ヘッド17から機能液を吸引することで、機能液の初期充填やクリーニング動作を行う。また、吸引した機能液を吸引チューブ131から排出し、回収タンク133に回収させる。
【0046】
吸引チューブ131には、排液流量センサ135が介設されている。排液流量センサ135は、クリーニング動作の際に吸引チューブ131を流れる機能液の流量を測定し、この測定結果を制御装置5に出力している。なお、排液流量センサ135は、機能液供給チューブに介設されていてもよい。また、吸引チューブ131には、吸引流路開閉バルブ136が介設されている。なお、本実施形態では、流量の測定は、時間当たりの量で行われているが、総流量で行ってもよい。
【0047】
供給手段103は、キャップ内供給流路118に下流端が接続された供給チューブ141と、供給チューブ141の上流端に設けられた洗浄液タンク142と、洗浄液タンク142内の洗浄液をヘッドキャップ104に送液する送液ポンプ143(供給アクチュエータ)とで構成されている。供給手段103は、送液ポンプ143により洗浄液タンク142内の洗浄液を供給チューブ141からヘッドキャップ104に送液する。なお、洗浄液は、機能液滴吐出ヘッド17に導入される機能液を溶解するものであればよい。もっとも、洗浄液は機能液の溶媒であることが好ましい。これにより、後述する洗浄動作によって洗浄液に溶解され、回収タンク133に回収された機能液を、容易に再利用することができる。
【0048】
供給チューブ141には、給液流量センサ144が介設されている。給液流量センサ144は、洗浄液の供給量を測定し、この測定結果を制御装置5に出力している。また、供給チューブ141には、供給流路開閉バルブ145が介設されている。
【0049】
吸引ユニット51は、上記の制御装置5による制御を受けている。すなわち、制御装置5は、排液流量センサ135の測定結果を参照しつつ、吸引手段102のエゼクタ134および吸引流路開閉バルブ136を制御して、吸引動作を制御している。吸引動作を開始する場合は、制御装置5により吸引流路開閉バルブ136を開弁すると共に、エゼクタ134を駆動する。これにより、吸引チューブ131およびヘッドキャップ104を介して機能液滴吐出ヘッド17のノズル32から機能液が吸引される。また、吸引動作を終了する場合は、制御装置5によりエゼクタ134を停止させると共に、吸引流路開閉バルブ136を閉弁する。また、制御装置5は、吸引チューブ131を流れる機能液の流量について、所定の閾値を記憶している。この閾値は、クリーニング動作時に吸引されるべき機能液の量が設定されている。
【0050】
また、制御装置5は、給液流量センサ144の測定結果を参照しつつ、供給手段103の送液ポンプ143および供給流路開閉バルブ145を制御している。供給動作を開始する場合は、制御装置5により供給流路開閉バルブ145を開弁すると共に、送液ポンプ143を駆動する。これにより、ヘッドキャップ104内に洗浄液が供給される。また、供給動作を終了する場合は、制御装置5により送液ポンプ143を停止すると共に、供給流路開閉バルブ145を閉弁する。さらに、制御装置5により、給液流量センサ144の測定結果に基づいて、洗浄液を所定の液量(例えば、ヘッドキャップ104内が満液になる液量)供給することが可能となる。また、制御装置5に組み込まれたタイマー等で供給時間を計ることにより、洗浄液を所定の流量供給することも可能である。つまり、洗浄液の供給液量の管理(ヘッドキャップ104内が満液になったか否かの検知)を、測定結果に基づいて行ってもよいし、供給時間に基づいて行ってもよい。
【0051】
さらに、制御装置5は、クリーニング動作を繰り返し行う場合の所定回数(繰り返しの回数)を記憶している。この回数としては、どんなにヘッドキャップ104内が機能液で詰まっていても、その詰まりを解消することができるクリーニング動作の回数を、予め実験等で求めたものが設定されている。
【0052】
次に、図2の概念図と図4に示すフローチャートを参照して、制御装置5による吸引手段102および供給手段103の制御方法について述べる。まず、制御装置5が、キャップユニット101の昇降機構105によりヘッドキャップ104を上昇させて機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31を封止する(S1)。
【0053】
次に、制御装置5が吸引手段102の吸引動作を開始させ(S2)、クリーニング動作を行う。クリーニング動作中には、排液流量センサ135により吸引チューブ131内の機能液の流量が測定され(S3)、制御装置5により機能液の流量が所定の閾値以上であるか否かが判定される(S4)。
【0054】
ここで、制御装置5により、機能液の流量が所定の閾値以上と判定(S4;YES)された場合、クリーニング動作は正常に行われていることとなり、所定時間吸引した後、吸引動作を終了させ(S5)、クリーニング動作を終了する。
【0055】
一方、制御装置5により、機能液の流量が所定の閾値未満と判定(S4;NO)された場合、結果としてクリーニング不良が発生している。この場合、制御装置5によりクリーニング動作の回数判定を行い、現在のクリーニング動作の回数が所定回数未満か否かを判定する(S6)。
【0056】
ここで、制御装置5により、クリーニング動作が所定回数未満だと判定(S6;YES)された場合、このヘッドキャップ104内に固着した機能液を取り除くために、機能液滴吐出ヘッド17のノズル面31の封止を解除した上で(S7)、ヘッドキャップ104内の洗浄動作(S8)(詳細は後述)を行う。洗浄動作が完了した後、ノズル面31を封止し(S1)、吸引を開始する(S2)。洗浄動作で詰まりがとれていれば、再度のクリーニング動作が正常に行われ(S4;YES)、クリーニング動作を終了する。
【0057】
一方、制御装置5により、クリーニング動作が所定回数に達していると判定(S6;NO)された場合、クリーニング不良の原因がヘッドキャップ104内の機能液による詰まり以外にあると考えられる。この場合、所定回数を超えるクリーニング動作を行ってもクリーニング効果は期待できず、無駄な動作になる。この時、ヘッドキャップ104内の洗浄動作では対処できない原因でクリーニング不良が発生している旨を、制御装置5がモニター5bを通して報知する(S9)。これにより、ユーザーにヘッドキャップ本体のメンテナンス等の適切な対応を促すことができる。
【0058】
続いて、図2の概念図と図5に示すフローチャートを参照して、洗浄動作の説明をする。まず、制御装置5が、前述した洗浄液の供給動作を開始し、ヘッドキャップ104内に洗浄液を供給(S11)する。また、供給チューブ141に介設された給液流量センサ144により、ヘッドキャップ104内の洗浄液が所定の液量になることが検知(S12)されるまで、制御装置5によりヘッドキャップ104内に洗浄液が供給される。
【0059】
ヘッドキャップ104内に洗浄液が流入すると、その洗浄液にヘッドキャップ104内に固着した機能液が溶解される。制御装置5は、洗浄液が所定の液量に達した時点(S13)で洗浄液の供給を停止し、供給動作を終了する。洗浄液を供給しながら、あるいは供給終了後、制御装置5は、吸引動作を開始し、ヘッドキャップ104内の洗浄液と、これに溶解した機能液を吸引し(S14)、吸引動作を終了する。ヘッドキャップ104内に供給した洗浄液を吸引することで、ヘッドキャップ104内に固着した機能液を溶解した洗浄液を、ヘッドキャップ104外に速やかに排出することができる。
【0060】
また、ヘッドキャップ104内を洗浄液で満液にしてから吸引することが好ましく、これによれば、ヘッドキャップ104内、特にシールパッキン116の内壁面や隅角に固着した機能液を溶解して取り除くことができる。
【0061】
上記洗浄動作は、以上のように、クリーニング動作で不良が生じた場合に行うようにしているが、描画動作中に断続的に洗浄動作を行っても良く、この場合、クリーニング不良を未然に防ぐことができる。もっとも、本実施形態によれば、測定された機能液の流量が、所定の閾値未満の時に洗浄動作を行うことで、必要最小限の洗浄動作でヘッドキャップ104内の機能液による詰まりを取り除くことができ、クリーニング不良を解消できる。
【0062】
以上のように、本実施形態の吸引ユニット51によれば、洗浄液をヘッドキャップ104内に供給する供給手段103を備えることで、機能液が固着したヘッドキャップ104内を洗浄することができ、ヘッドキャップ104が詰まった場合でも、ヘッドキャップ104の分解や交換等を行うことなく容易に詰まりを取り除くことができるため、クリーニング不良が解消できると共に、装置の稼動効率を向上させることができる。
【0063】
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
【0064】
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図6は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図7は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図7(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0065】
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図7(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図7(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0066】
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
【0067】
次に、着色層形成工程(S103)では、図7(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0068】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図7(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
【0069】
図8は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図7に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0071】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図8において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
【0072】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0073】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0074】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
【0075】
図9は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0076】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0077】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0078】
図10は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0079】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0080】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0081】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0082】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0083】
次に、図11は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0084】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0085】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0086】
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0087】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0088】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0089】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0090】
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0091】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
【0092】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0093】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0094】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0095】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図12〜図20を参照して説明する。
この表示装置600は、図12に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0096】
まず、バンク部形成工程(S111)では、図13に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図14に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0097】
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0098】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1のセットテーブル16に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
【0099】
図15に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図16に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0100】
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0101】
そして次に、図17に示すように、各色のうちのいずれか(図17の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0102】
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図18に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0103】
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図19に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0104】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
【0105】
対向電極形成工程(S115)では、図20に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0106】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0107】
次に、図21は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0108】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0109】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0110】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0111】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル16に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0112】
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0113】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0114】
次に、図22は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0115】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0116】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0117】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0118】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0119】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図23(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図23(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0120】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置の平面模式図である。
【図2】吸引ユニットの概念図である。
【図3】ヘッドキャップの斜視図である。
【図4】クリーニング動作を説明するフローチャートである。
【図5】洗浄動作を説明するフローチャートである。
【図6】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図7】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図8】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図9】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図10】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図11】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図12】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図13】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図14】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図15】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図16】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図17】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図18】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図19】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図20】陰極の形成を説明する工程図である。
【図21】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図22】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図23】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
【0122】
1…液滴吐出装置 3…描画装置 5…制御装置 17…機能液滴吐出ヘッド 31…ノズル面 32…ノズル 51…吸引ユニット 102…吸引手段 103…供給手段 104…ヘッドキャップ 131…吸引チューブ 133…回収タンク 134…エゼクタ 135…排液流量センサ 141…供給チューブ 142…洗浄液タンク 143…送液ポンプ 144…給液流量センサ W(ワーク)…基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドのノズル面を封止するヘッドキャップと、
前記ヘッドキャップに連通し、前記ノズル面を封止した前記ヘッドキャップを介して、前記機能液滴吐出ヘッド内の複数のノズルから機能液を吸引するクリーニング動作を行う吸引手段と、
前記ヘッドキャップ内に洗浄液を供給する供給手段と、
を備えたことを特徴とする吸引ユニット。
【請求項2】
前記吸引手段は、
前記ヘッドキャップに連通する吸引流路と、
前記吸引流路の下流端に設けられた回収タンクと、
前記回収タンクに向けて前記機能液を吸引する吸引アクチュエータと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の吸引ユニット。
【請求項3】
前記供給手段は、
前記ヘッドキャップに連通する供給流路と、
前記供給流路の上流端に設けられた洗浄液タンクと、
前記洗浄液タンク内の洗浄液を前記ヘッドキャップに送液する供給アクチュエータと、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の吸引ユニット。
【請求項4】
前記吸引手段と前記供給手段とを制御する制御手段を、更に備え、
前記制御手段は、前記機能液滴吐出ヘッドのノズル面の封止を解いた状態の前記ヘッドキャップに対し、前記供給手段を制御して、前記ヘッドキャップ内に前記洗浄液を供給させると共に、前記吸引手段を制御して、前記ヘッドキャップ内の洗浄液を吸引させることで、前記ヘッドキャップを洗浄する洗浄動作を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の吸引ユニット。
【請求項5】
前記吸引手段により吸引される前記機能液の流量を測定する排液流量手段を、更に備え、
前記制御手段は、前記クリーニング動作の際に、前記排液流量手段により測定された流量が所定の閾値未満である場合、前記洗浄動作を行った上で前記クリーニング動作を再度行わせることを特徴とする請求項4に記載の吸引ユニット。
【請求項6】
前記制御手段は、前記機能液の流量が前記閾値未満である場合、前記機能液の流量が前記閾値以上になるまで、前記クリーニング動作と前記洗浄動作とを所定回数を上限とする範囲内で繰り返し行い、
前記所定回数の前記クリーニング動作と前記洗浄動作とを行っても、前記機能液の流量が閾値未満の場合は、その旨を報知する報知手段を、更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の吸引ユニット。
【請求項7】
前記ヘッドキャップ内が前記洗浄液で満液になることを検知する液量検知手段を、更に備え、
前記制御手段は、前記供給手段を制御して、前記液量検知手段により前記ヘッドキャップ内が満液になることが検知されるまで、前記ヘッドキャップ内に洗浄液を供給させた後、前記吸引手段を制御して、前記ヘッドキャップ内の洗浄液を吸引することを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の吸引ユニット。
【請求項8】
前記洗浄液が、前記機能液の溶媒であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の吸引ユニット。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の吸引ユニットと、
前記機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に、ワークに対し、前記機能液滴吐出ヘッドから前記機能液を吐出して描画処理を行う描画手段と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項10】
請求項9に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項10に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項11に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−80209(P2008−80209A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261194(P2006−261194)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】