説明

回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造

【課題】COG実装やCOF実装に対して低抵抗の電気接続が得られ、かつ隣接電極間でショート発生のない電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体を提供する。
【解決手段】(1)接着剤組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が、1〜6dyne/cm、(2)表面が有機高分子化合物で被覆された導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物。第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に前記の回路接続用異方導電性接着剤組成物を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及びその接続構造体に関し、特にCHIP ON GLASS実装(以下COG実装と称す)またはCHIP ON FILM(以下COF実装と称す)における回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示用ガラスパネルへの液晶駆動用ICの実装は,液晶駆動用ICを直接ガラスパネル上に回路接続部材で接合するCOG実装方法や、液晶駆動用ICを、金属配線を有するフレキシブルテープに接合しガラスパネルと回路接続部材で接合するCOF実装方法が用いられる。液晶表示の高精細化に伴い、液晶駆動用ICの電極である金バンプは狭ピッチ化,狭面積化している。このため、接合材料中の導電粒子が隣接電極間に流出し、ショートを発生させるといった問題や、バンプ上に捕捉される接合材料中の導電粒子数が減少し、その結果回路間の接続抵抗が上昇し接続不良を起こすといった問題がある。そこで、これらの問題を解決するため、接合材料の少なくとも片面に絶縁性の接着層を形成することで、COG実装及びCOF実装における接合品質の低下を防ぐ方法(例えば、特許文献1)や、導電粒子の表面を電気的絶縁性の皮膜で被覆する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。
【特許文献1】特開平8−279371号公報
【特許文献2】特許第2794009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、片面に絶縁性の接着層を形成する方法では、バンプ面積が3000μm未満となった場合、安定した接続抵抗値を得るために粒子の充填量を増やすと、隣接回路間でのショート発生率が上昇し、絶縁不良が発生するという問題があった。また、導電粒子の表面を電気的絶縁性の皮膜で被覆する方法では、接続抵抗値が上昇し、安定した電気抵抗が得られないという問題があった。本発明は、COG実装やCOF実装に対して低抵抗の電気接続が得られ、かつ隣接電極間でショート発生のない電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加熱加圧し、加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であって、[1](1)接着剤組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が、1〜6dyne/cm、(2)表面が有機高分子化合物で被覆された導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物である。表面張力の極性成分(γsv,p)は、1〜6dyne/cmであるが、1〜4dyne/cmがより好ましい。接着材組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が1未満では、接着剤の、電極と導電粒子との間からの排除性が悪く、良好な電気的接続が得られない場合があり、6を超えるとPET(ポリエチレンテレフタレート)等の塗工基材(セパレータ)から接着剤が剥離せず、生産性が低下してしまい好ましくない。本発明に用いる導電粒子は、表面が、金、銀、白金族の金属から選ばれる少なくとも一種で構成され、さらにその金属表面を有機高分子化合物で被覆されていると好ましい。有機高分子化合物は水溶性であると被覆作業性が良好で好ましい。本発明の接着剤組成物は、導電粒子を含有する層とその他の層とに分離した多層構成とすることができ、この時、導電粒子を含有する接着層の厚みは、導電粒子の粒径の3倍未満であるのが好ましく,2倍未満がより好ましい。導電粒子を含有する接着層の厚みが3倍以上の場合、導電粒子が隣接電極間に流出する量が多くなり、絶縁性が低下するので好ましくない。
【0005】
また、本発明は、[2]回路接続用異方導電性接着剤組成物が、(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、(2)ラジカル重合性物質、(3)フィルム形成材からなる上記[1]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。また、本発明は、[3]フィルム形成材がフェノキシ樹脂である上記[2]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。また、本発明は、[4]フェノキシ樹脂が、分子内に多環芳香族化合物に起因する分子構造を有する上記[3]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。また、本発明は、[5]多環芳香族化合物に起因する分子構造が、フルオレン環である上記[4]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。
【0006】
本発明は、[6]第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上記[1]ないし上記[5]のいずれかに記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法である。また、本発明は、[7]上記[6]に記載の回路端子の接続方法により得られる回路接続構造体であって、回路端子に直流50V印加した際に隣接電極間の絶縁抵抗が10Ω以上である回路接続構造体である。また、本発明は、[8]少なくとも一方の接続端子を有する回路部材が、ICチップである上記[7]に記載の回路接続構造体である。また、本発明は、[9]ICチップの接続端子と、第二の回路部材上との接続端子間の接続抵抗が、1Ω以下である上記[7]または上記[8]に記載の回路接続構造体である。また、本発明は、[10]少なくとも一方の接続端子の表面が金、銀、錫、白金族の金属、インジユウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種で構成される上記[7]ないし上記[9]のいずれかに記載の回路接続構造体である。また、本発明は、[11]少なくとも一方の回路部材表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングまたは付着されている上記[7]ないし上記[10]のいずれかに記載の回路接続構造体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、COG実装やCOF実装において、バンプ間距離の狭い駆動用ICであっても、低抵抗かつ隣接電極間では絶縁性の高い電気接続が得られ、高信頼性の、電気・電子用接着剤組成物の提供が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
日本接着学会誌(26巻、No.1(1990)p39〜48、井本稔)「表面張力を成分に分けることについて」によれば、数(1)、(2)で示すYoung−Dupre式がある。
【0009】
【数1】

【0010】
数(1)のγsvを数(2)に入れて整理すると数(3)が得られる。Fowkesに従えば、極性基を有する材料に対して数(4)があり、これを数(2)に代入すると数(5)が得られる。数(5)と数(3)より数(6)が得られる。ここで、例えば,水(HO)、ジメチルヨードメタン等の液体を2種類用意し、それぞれの表面張力γLVと分散成分(γLV,d)と極性成分(γLV,p)(数(7)、(8))を数(6)に代入し、数(9)と数(10)を得て、これの連立方程式を解き、固体(フィルム)の極性成分(γsv,p)を算出する。本発明では、この表面張力の極性成分(γsv,p)を、1〜6dyne/cmとし、好ましくは1〜4dyne/cmとする。上記したように、接着材組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が1未満では、接着剤の、電極と導電粒子との間からの排除性が悪く、良好な電気的接続が得られない場合があり、6を超えるとPET(ポリエチレンテレフタレート)等の塗工基材(セパレータ)から接着剤が剥離せず、生産性が低下してしまい好ましくない。
【0011】
本発明で使用するフィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が拳げられる。フィルム形成材は、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取り扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、ベたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取り扱いができるものである。フィルム形成材の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。フェノキシ樹脂は2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015とをアルカリ金属水酸化物の存在下で非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合等量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1としアルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で反応固形分が50重量部以下で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などがある。2官能フェノール類は2個のフェノール性水酸基を持つもので、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類などが挙げられる。フェノキシ樹脂はラジカル重合性の官能基により変性されていてもよい。本発明で使用するフェノキシ樹脂は、その分子内に多環芳香族化合物に起因する分子構造を有することが好ましい。例えばナフタレン、ビフェニル、アセナフテン、フルオレン、ジベンゾフラン、アントラセン、フェナンスレン等のジヒドロキシ化合物であり、特に好ましくは9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンである。このフェノキシ樹脂もラジカル重合性の官能基により変性されていてもよく、フェノキシ樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0012】
本発明で使用する加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物などの加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものであり、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定されるが、高反応性とポットライフの点から、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。接続時間を10秒以下とした場合、硬化剤の配合量は十分な反応率を得るためにラジカル重合性物質とフィルム形成材の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部とするのが好ましく1〜20重量部がより好ましい。硬化剤の配合量が0.1重量部未満では、十分な反応率を得ることができず良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。配合量が30重量部を超えると、接着剤組成物の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤組成物のポットライフが短くなる傾向にある。
【0013】
硬化剤は、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドなどから選定できる。また、回路部材の接続端子の腐食を押さえるために、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。具体的には、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドから選定され、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定されることがより好ましい。上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
【0014】
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノデート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
【0015】
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
【0016】
ハイドロパーオキサイドとしては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0017】
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4―ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0018】
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
【0019】
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1―(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
【0020】
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。これらの加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤は、単独又は混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
【0021】
本発明で使用するラジカル重合性物質としては、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であり、アクリレート、メタクリレート、マレイミド化合物等が挙げられる。ラジカル重合性物質はモノマー、オリゴマーいずれの状態で用いることが可能であり、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。アクリレート(メタクリレート)の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。これらは単独又は併用して用いることができ、必要によってはハドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンテニル基及び/又はトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
【0022】
マレイミド化合物としては、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するもので、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチル−ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−4,8−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらは単独でもまた組み合わせても使用できる。また、上記のラジカル重合性物質に式1で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を併用すると金属等の無機物表面での接着強度が向上するので好ましい。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの反応物として得られる。具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等がある。これらは単独でもまた組み合わせても使用できる。
【0023】
【化1】

【0024】
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質の配合量は、フィルム形成材とラジカル重合性物質の合計100重量部に対し、0.01〜50重量部用いるのが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満では、金属等の無機物表面との接着強度の向上が得られにくく、50重量部を超えると期待される硬化特性が得られなくなる。本発明の接着剤組成物には、アリル(メタ)アクリレートが添加できる。その配合量は、フィルム形成材とラジカル重合性物質の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部用いるのが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1重量部未満であると接着強度の劣るようになり、10重量部を超えるとラジカル重合反応性が低いために反応不足が生じ、良好な接着強度が得られにくくなる。
【0025】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物には、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を使用することができ、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用した場合、応力緩和に優れるので好ましい。これらアクリルゴムの分子量(重量平均)は接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
【0026】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物には、さらに、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。充填剤を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填剤の最大径が導電粒子の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積部(接着剤樹脂成分100体積部に対して)の範囲が好ましい。60体積部を超えると信頼性向上の効果が飽和することがあり、5体積部未満では添加の効果が少ない。カップリング剤としてはケチミン、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。具体的には、アミノ基を有するシランカップリング剤として、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。ケチミンを有するシランカップリング剤として、上記のアミノ基を有するシランカップリング剤に、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物を反応させて得られたものが挙げられる。
【0027】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、有機高分子化合物で被覆された導電粒子を必須として用い、接続時に相対向する回路電極を導電粒子を介して電気的に接続することにより安定した接続が得られる。有機高分子化合物で被覆する前の導電粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等であり、十分なポットライフを得るためには、表層はNi、Cu等の遷移金属類ではなくAu、Ag、白金属の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Ni等の遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層を貴金属類とした場合や熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので電極の高さばらつきを吸収し、接続時に電極との接触面積が増加して信頼性が向上するので好ましい。貴金属類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100オングストローム以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層をもうける場合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し保存性低下を引き起こすため、300オングストローム以上が好ましい。そして、厚くなるとそれらの効果が飽和してくるので最大1μmにするのが望ましいが制限するものではない。これらの導電粒子の表面を有機高分子化合物で被覆する。有機高分子化合物は水溶性であると被覆作業性が良好で好ましい。水溶性高分子として、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系モノマー等が挙げられるこれらは単一の化合物を用いてもよく、二以上の化合物を併用してもよい。被覆の厚みは、1μm以下が好ましく、この被覆を排除して導電粒子が接続端子と接続端子を電気的に接続するので、加熱、加圧時には接続端子と接触する部分の被覆が排除されることが必要である。導電性粒子は、接着剤樹脂成分100体積部に対して0.1〜30体積部の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには0.1〜10体積部とするのがより好ましい。
【0028】
本発明の接着剤組成物をフィルムに成形し、接着剤組成物を2層以上に分割し、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤を含有する層と導電粒子を含有する層に分割した場合、ポットライフの向上が得られる。本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、ICチップとチップ搭載基板との接着や電気回路相互の接着用のフィルム状接着剤として使用することもできる。すなわち、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物(フィルム状接着剤)を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させることができる。このような回路部材としては半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板等が用いられる。これらの回路部材には接続端子が通常は多数(場合によっては単数でもよい)設けられており、前記回路部材の少なくとも1組をそれらの回路部材に設けられた接続端子の少なくとも一部を対向配置し、対向配置した接続端子間に本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物を介在させ、加熱加圧して対向配置した接続端子同士を電気的に接続して回路接続体とする。回路部材の少なくとも1組を加熱加圧することにより、対向配置した接続端子同士は、接着剤組成物中の導電粒子を介して電気的に接続することができる。本発明の接着剤組成物は、COG実装やCOF実装における、フレキシブルテープやガラス基板とICチップとの接着用のフィルム状接着剤として使用することができる。第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物(フィルム状接着剤)を介在させ、加熱、加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させることができる。本発明の回路端子の接続方法は、ラジカル重合による硬化性を有する接着剤組成物を接続端子の表面が、金、銀、錫、白金族の金属、インジュウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種から構成される接続端子(電極回路)に形成した後、もう一方の接続端子(回路電極)を位置合わせし加熱、加圧して接続することができる。
【0029】
本発明においては、接続端子を支持する基板がポリイミド樹脂等の有機絶縁物質、ガラスから選ばれる少なくとも一種からなる回路部材及び表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着した回路部材に対して特に良好な接着強度が得られる電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物の提供が可能となる。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンからガラス転移温度が80℃のフェノキシ樹脂を合成した。この樹脂50gを重量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40重量%の溶液とした。固形重量比でフェノキシ樹脂60g、ジシクロペンテニルジアルコールジアクリレート39g、リン酸エステル型アクリレート1g、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gとなるように配合し、表面を有機高分子化合物(ポリビニルアルコールを使用)で0.01〜0.2μmとなるように被覆した導電粒子(ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設け、平均粒径5μmの導電粒子を使用)を5体積%配合分散させ、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが10μmのフィルム状接着剤組成物を得た。また、固形重量比でフェノキシ樹脂60g、ジシクロペンテニルジアルコールジアクリレート39g、リン酸エステル型アクリレート1g、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート5gとなるように配合し、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが10μmのフィルム状接着剤組成物を得た。これらの接着剤組成物をラミネーターを用い貼り合わせ、二層構成のフィルム状接着剤組成物を得た。
【0031】
(実施例2)
固形重量比でフェノキシ樹脂50g、ジシクロペンテニルジアルコールジアクリレート49gとなるように配合した他は実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0032】
(比較例1)
導電粒子に、表面を有機高分子化合物で被覆しない導電粒子を用いた他は実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0033】
(比較例2)
固形重量比でフェノキシ樹脂40g、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185)60gとなるように配合した他は実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0034】
(回路の接続)
バンプ面積50μm×50μm、ピッチ100μm、高さ20μmの金バンプを配置したICチップと厚み1.1mmのガラス上にインジユウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗<20Ω/□)とを、上記接着剤組成物を用い、石英ガラスと加圧ヘッドで挟み、200℃、100MPa(金バンプ面積換算)で10秒間加熱加圧して接続した。このとき、フィルム状接着剤組成物はあらかじめITO基板上に、接着剤組成物の導電粒子がある接着面を70℃、0.5MPaで5秒間加熱加圧して貼り付け,その後、PETフィルムを剥離してICチップと接続した。
【0035】
(表面張力の極性成分(γsv,p)の測定)
5mm×5mmの回路接続用樹脂組成物からなる回路接続用異方導電性接着剤組成物の表面に、水及びジヨードメタンを滴下し(23℃)、接触角を測定することで接着剤組成物における表面張力の極性成分の植を求めた。
【0036】
(接触抵抗の測定)
回路の接続後上記接続部の電気抵抗値を、初期と、−40℃/30minと100/30minの温度サイクル槽中に500サイクル保持した後に2端子測定法を用いマルチメータで測定した。
【0037】
(隣接電極間の絶縁抵抗測定)
回路の接続後上記接続部に、直流(DC)50Vの電圧を1分間印加し、印加後の絶縁抵抗を、2端子測定法を用いマルチメータで測定した。それらの結果を纏めて表1に示した。
【0038】
【表1】

【0039】
表1に示したように、本発明の実施例1、2で示す接着剤組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が、1〜6dyne/cmであり、導電粒子の表面が有機高分子化合物で被覆された導電粒子を含有する接着剤組成物を用いることで、COG接続の接続直後の接続抵抗や温度サイクル後の接続抵抗が小さく良好となる。また、隣接電極間の絶縁抵抗が高く、良好な接続性を示す。これに対し比較例1のように、接着剤組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が、1〜6dyne/cmであっても、導電粒子の表面が有機高分子化合物で被覆されていない導電粒子を含有した接着剤組成物を用いると、接続抵抗は小さく良好であるが、隣接電極間の絶縁抵抗があまりにも小さくなり良好な接続性を示さなくなる。また、比較例2のように、接着剤組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が、1〜6dyne/cmの範囲外であり、導電粒子の表面が有機高分子化合物で被覆された導電粒子を含有する接着剤組成物を用いると、隣接電極間の絶縁抵抗は高く良好であるが、温度サイクル後の接続抵抗が非常に高くなり良好な接続性を示さなくなる。導電粒子の表面を有機高分子化合物で被覆することにより、接着剤の面方向(厚み方向に直角)で隣接する導電粒子間での接触による導通を絶縁し絶縁抵抗を高くし、また、接着剤組成物の表面張力の極性成分を適正な範囲とすることにより、加熱加圧時に接着剤の厚みが徐々に薄くなり電気的に接続する電極と電極の間に存在する導電粒子の間隔から、さらに導電粒子が圧力により変形していく過程の中で電極と導電粒子の隙間から接着剤が排除される際の排除性が良好である結果、接続抵抗が小さく良好な接続性を示すものと思われる。これに対し、排除性が悪いと比較例2のように、接続直後は電極間の接触が保たれ小さな接続抵抗であるが、温度サイクルにより、接着剤中に加わる応力により接着剤が緩和される際の変形につられて導電粒子が微小に動き接触が保てなくなったためと推定される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)接着剤組成物表面の表面張力の極性成分(γsv,p)が、1〜6dyne/cm、(2)表面が有機高分子化合物で被覆された導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物。
【請求項2】
回路接続用異方導電性接着剤組成物が、(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、(2)ラジカル重合性物質、(3)フィルム形成材からなる請求項1に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
【請求項3】
フィルム形成材がフェノキシ樹脂である請求項2に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
【請求項4】
フェノキシ樹脂が、分子内に多環芳香族化合物に起因する分子構造を有する請求項3に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
【請求項5】
多環芳香族化合物に起因する分子構造が、フルオレン環である請求項4に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
【請求項6】
第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法。
【請求項7】
請求項6に記載の回路端子の接続方法により得られる回路接続構造体であって、回路端子に直流50V印加した際に隣接電極間の絶縁抵抗が10Ω以上である回路接続構造体。
【請求項8】
少なくとも一方の接続端子を有する回路部材が、ICチップである請求項7に記載の回路接続構造体。
【請求項9】
ICチップの接続端子と、第二の回路部材上との接続端子間の接続抵抗が、1Ω以下である請求項7または請求項8に記載の回路接続構造体。
【請求項10】
少なくとも一方の接続端子の表面が金、銀、錫、白金族の金属、インジユウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種で構成される請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の回路接続構造体。
【請求項11】
少なくとも一方の回路部材表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングまたは付着されている請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の回路接続構造体。

【公開番号】特開2008−311667(P2008−311667A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163711(P2008−163711)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【分割の表示】特願2002−52931(P2002−52931)の分割
【原出願日】平成14年2月28日(2002.2.28)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】