固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、電子機器
【課題】ランダムノイズの低減が図られた固体撮像装置を提供することを目的とする。また、その固体撮像装置を備えることにより、画質の向上が図られた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】増幅トランジスタTraのドレイン側では、高濃度不純物領域28のみでドレイン領域38を構成し、ソース側では、増幅ゲート電極22側に形成され、ドレイン領域38を構成する高濃度不純物領域28よりも不純物濃度が低い低濃度不純物領域29からなるソース領域32を構成する。ドレイン領域38において、低濃度不純物領域を形成しないことで、実効ゲート長Leffを長くできる。また、増幅ゲート電極22のソース側では、増幅ゲート電極22側に低濃度不純物領域29が形成されるため、基板表面のポテンシャル変動を抑えることができる。
【解決手段】増幅トランジスタTraのドレイン側では、高濃度不純物領域28のみでドレイン領域38を構成し、ソース側では、増幅ゲート電極22側に形成され、ドレイン領域38を構成する高濃度不純物領域28よりも不純物濃度が低い低濃度不純物領域29からなるソース領域32を構成する。ドレイン領域38において、低濃度不純物領域を形成しないことで、実効ゲート長Leffを長くできる。また、増幅ゲート電極22のソース側では、増幅ゲート電極22側に低濃度不純物領域29が形成されるため、基板表面のポテンシャル変動を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、CMOS型の固体撮像装置とその製造方法に関する。また、その固体撮像装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置は、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型固体撮像装置とに大別される。CCD型固体撮像装置とCMOS型固体撮像装置とを比較すると、CCD型固体撮像装置では、信号電荷の転送に高い駆動電圧を必要とするため、CMOS型固体撮像装置に比べて電源電圧が高くならざるを得ない。このように、消費電力の点などから、CMOS型固体撮像装置が、CCD型固体撮像装置に比べて有利とされている。
【0003】
従って、近年、カメラ付き携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル機器に搭載されている固体撮像装置としては、CCD型固体撮像装置よりも有利なCMOS型固体撮像装置が多く用いられている。
【0004】
CMOS型固体撮像装置は、受光に応じて信号電荷を生成するフォトダイオードからなる受光部と、受光部で生成された信号電荷が読み出されるフローティングディフュージョン部と、複数のMOSトランジスタによって構成されている。複数のMOSトランジスタとしては、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、アンプトランジスタ、選択トランジスタが挙げられ、これらのMOSトランジスタは、上層に形成された多層配線層の所望の配線層に接続されている。CMOS型固体撮像装置では、受光部で生成、蓄積された信号電荷が転送トランジスタにより画素毎にフローティングディフュージョン部に読み出される。そして、フローティングディフュージョン部で読み出された信号電荷は、増幅トランジスタにより増幅されて、選択トランジスタにより選択的に多層配線層に形成された垂直信号線に出力される。
【0005】
このようなCMOS型固体撮像装置では、画素を構成するMOSトランジスタにおいて、ゲート長の縮小化に伴う短チャネル効果を改善するため、LDD構造が採用されている(特許文献1)。図23に、従来の固体撮像装置における画素トランジスタの断面構成例を示す。図23では、リセットトランジスタTr1、増幅トランジスタTr2、選択トランジスタTr3を示している。
【0006】
図23に示すように、従来の固体撮像装置では、各画素トランジスタTr1〜Tr3は、基板100の表面にゲート絶縁膜103を介して形成されたゲート電極101と、そのゲート電極101を挟む基板領域に形成されるソース・ドレイン領域で構成されている。ゲート電極101の側面には絶縁膜からなるサイドウォール102が形成されている。また、ソース・ドレイン領域は、ゲート電極101側から順に形成された低濃度不純物領域104と、高濃度不純物領域105で構成されている。
【0007】
低濃度不純物領域104は、ゲート電極101の形成後、基板100を構成する不純物領域とは反対導電型の不純物を低濃度にイオン注入することで形成される。一方、高濃度不純物領域105は、サイドウォール102形成後、基板100を構成する不純物領域とは反対導電型の不純物を、低濃度不純物領域104よりも高濃度にイオン注入することで形成される。
【0008】
一般的に、LDD構造を有するMOSトランジスタでは、ゲート電極101を挟んで形成されるソース領域、ドレイン領域が対称となるように形成されている。すなわち、ソース領域、及びドレイン領域の両方が、ゲート電極101側から順に形成された低濃度不純物領域104、高濃度不純物領域105を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−56516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、CMOS型の固体撮像装置では、高画質の映像を得るため多画素化が進み、さらにコスト削減の要求により小型化が進んでいる。また、画素の縮小化が進んでも、一定の飽和電荷量(Qs)は確保しなければならないという要請があり、フォトダイオードにさく面積を縮小化できない。それ故に、増幅トランジスタやリセットトランジスタ、選択トランジスタ等が形成されるアクティブ領域の縮小化がますます求められてきている。そうすると、増幅トランジスタの面積縮小により1/fノイズの増加と、RTS(Random Telegraph Signal)の増加が引き起こされ、ランダムノイズの増加や、撮像特性の悪化を引き起こす。
【0011】
上述の点に鑑みて、本開示は、ランダムノイズの低減が図られた固体撮像装置を提供することを目的とする。また、その固体撮像装置を備えることにより、画質の向上が図られた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の固体撮像装置は、受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタを備える。画素トランジスタのうち、増幅トランジスタは、基板上に形成された増幅ゲート電極と、その増幅ゲート電極のドレイン側、及びソース側の基板領域に形成された不純物領域で構成される。増幅ゲート電極のドレイン側に形成された不純物領域は、高濃度不純物領域で構成される。また、増幅ゲート電極のソース側に形成された不純物領域は、ドレイン側に形成された高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成された低濃度不純物領域を備えた構成とされる。
【0013】
本開示の固体撮像装置では、増幅トランジスタにおいて、ドレイン側に低濃度不純物領域が形成されないため実効ゲート長を大きくすることができる。さらに、増幅トランジスタのソース側を低濃度不純物領域で構成とすることで、増幅ゲート電極のソース側の基板表面におけるポテンシャル変動を抑えることができる。
【0014】
本開示の固体撮像装置の製造方法は、基板上に、複数の画素トランジスタを構成するゲート電極を形成する工程を有する。また、複数の画素トランジスタのうち、少なくとも、増幅トランジスタを構成する増幅ゲート電極のソース側の基板領域を開口し、ドレイン側の基板領域を被覆するレジストマスクを形成する工程を有する。また、レジストマスクを介して、基板領域に基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域を形成する工程を有する。また、レジストマスクを除去し、ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程を有する。また、複数の画素トランジスタを構成するゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に、基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域よりも高い不純物領域からなる高濃度不純物領域を形成する工程を有する。
【0015】
本開示の固体撮像装置の製造方法では、増幅トランジスタのドレイン側が、高濃度不純物領域のみで形成される。また、増幅トランジスタのソース側では、サイドウォール形成前に低濃度不純物領域が形成される。このため、ドレイン側のサイドウォール下に低濃度不純物領域が形成されないので、実効ゲート長を大きくすることができる。また、ソース側のサイドウォール下には低濃度不純物領域が形成されるため、増幅ゲート電極のソース側の基板表面におけるポテンシャル変動を抑えることができる。
【0016】
本開示の電子機器は、光学レンズと、上述の固体撮像装置であって、光学レンズに集光された光が入射される固体撮像装置と、固体撮像装置から出力される出力信号を処理する信号処理回路を備える。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、増幅トランジスタのゲート電極の面積を変えることなく、1/fノイズやRTSの低減が図られた固体撮像装置が得られる。また、その固体撮像装置を用い、画質の向上が図られた電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本開示の第1の実施形態に係るCMOS型の固体撮像装置の全体を示す概略構成図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置を構成する画素の等価回路図である。
【図3】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図4】図3のA−A線上に沿う断面構成を示す図である。
【図5】A〜D 本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を示す工程図である。
【図6】第1の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図7】増幅トランジスタのソース・ドレイン領域の構成をそれぞれ変えた場合の1/fノイズを比較した実験結果を示す図である。
【図8】変形例に係る固体撮像装置の断面構成図である。
【図9】本開示の第2の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図10】図9のB−B線上に沿う断面構成を示す図である。
【図11】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を示す図である。
【図12】第2の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図13】本開示の第2の実施形態の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示した図である。
【図14】本開示の第3の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図15】図14のC−C線上に沿う断面構成を示す図である。
【図16】本開示の第3の実施形態の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示した図である。
【図17】第3の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図18】本開示の第4の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図19】図18のD−D線上に沿う断面構成を示す図である。
【図20】本開示の第4の実施形態の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示した図である。
【図21】第4の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図22】本開示の第5の実施形態に係る電子機器の概略構成図である。
【図23】従来の固体撮像装置の画素トランジスタにおける断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本開示の実施形態に係る固体撮像装置とその製造方法、及びその固体撮像装置を備えた電子機器の一例を、図を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。
1.第1の実施形態:固体撮像装置
1−1 全体構成
1−2 要部の構成
1−3 製造方法
2.第2の実施形態:固体撮像装置
3.第3の実施形態:固体撮像装置
4.第4の実施形態:固体撮像装置
5.第5の実施形態:電子機器
【0020】
〈1.第1の実施形態:固体撮像装置〉
[1−1 全体構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係るCMOS型の固体撮像装置の全体を示す概略構成図である。
本実施形態例の固体撮像装置1は、シリコンからなる基板11上に配列された複数の画素2から構成される画素領域3と、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8等を有して構成される。
【0021】
画素2は、フォトダイオードからなる光電変換部と、複数の画素トランジスタとから構成され、基板11上に、2次元アレイ状に規則的に複数配列される。画素2を構成する画素トランジスタは、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅ランジスタで構成される4つのMOSトランジスタであってもよく、また、選択トランジスタを除いた3つのトランジスタであってもよい。
【0022】
画素領域3は、2次元アレイ状に規則的に複数配列された画素2から構成される。画素領域3は、実際に光を受光し光電変換によって生成された信号電荷を増幅してカラム信号処理回路5に読み出す有効画素領域と、黒レベルの基準になる光学的黒を出力するための黒基準画素領域(図示せず)とから構成されている。黒基準画素領域は、通常は、有効画素領域の外周部に形成されるものである。
【0023】
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成する。そして、制御回路8で生成されたクロック信号や制御信号などは、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力される。
【0024】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素領域3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査する。そして、各画素2のフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線9を通してカラム信号処理回路5に供給する。
【0025】
カラム信号処理回路5は、例えば、画素2の列毎に配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列毎に黒基準画素領域(図示しないが、有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によって、ノイズ除去や信号増幅等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には、水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10とのあいだに設けられている。
【0026】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0027】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して、順次に供給される信号に対し信号処理を行い出力する。
【0028】
[1−2 要部の構成]
図2は、本実施形態例の固体撮像装置を構成する画素の等価回路図である。本実施形態例の固体撮像装置1における単位画素2は、光電変換素子であるフォトダイオードPDと、転送トランジスタTrtと、リセットトランジスタTrrと、増幅トランジスタTraと、及び選択トランジスタTrsとで構成されている。これらの画素トランジスタとしては、本例ではnチャネルMOSトランジスタを用いている。
【0029】
転送トランジスタTrtは、そのソースがフォトダイオードPDのカソード側に接続され、ドレインがフローティングディフュージョン部FDに接続されている。また、転送トランジスタTrtのソース・ドレイン間の転送ゲート電極20には転送パルスφTRGを供給する転送配線が接続されている。フォトダイオードPDで光電変換され、ここに蓄積された信号電荷(本実施形態例では電子)は、転送トランジスタTrtの転送ゲート電極20に転送パルスφTRGが印加されることによって、フローティングディフュージョン部FDに転送される。
【0030】
リセットトランジスタTrrは、そのドレインが電源電圧VDDに接続され、ソースがフローティングディフュージョン部FDに接続されている。また、リセットトランジスタTrrのソース・ドレイン間のリセットゲート電極21にはリセットパルスφRSTを供給するリセット配線が接続されている。フォトダイオードPDからフローティングディフュージョン部FDへの信号電荷の転送に先立って、リセットトランジスタTrrのリセットゲート電極21にリセットパルスφRSTを印加する。これにより、フローティングディフュージョン部FDの電位が電源電圧VDDによりVDDレベルにリセットされる。
【0031】
増幅トランジスタTraは、そのドレインが電源電圧VDDに接続され、そのソースが選択トランジスタTrsのドレインに接続されている。そして、増幅トランジスタTraのソース・ドレイン間の増幅ゲート電極22は、フローティングディフュージョン部FDに接続されている。この増幅トランジスタTraは、電源電圧VDDを負荷とするソースフォロア回路を構成しており、フローティングディフュージョン部FDの電位変化に応じた画素信号が出力される。
【0032】
選択トランジスタTrsは、そのドレインが増幅トランジスタTraのソースに接続され、そのソースが垂直信号線9に接続されている。また、選択トランジスタTrsのソース・ドレイン間の選択ゲート電極23には、選択パルスφSELを供給する選択配線が接続されている。画素毎に選択パルスφSELが選択ゲート電極23に供給されることにより増幅トランジスタTraで増幅された画素信号が垂直信号線9に出力される。
【0033】
以上の構成を有する固体撮像装置1では、転送パルスφTRGを転送ゲート電極20に供給することによってフォトダイオードPDに蓄積された信号電荷が、転送トランジスタTrtによりフローティングディフュージョン部FDに読み出される。信号電荷が読み出されることによりフローティングディフュージョン部FDの電位が変位し、その電位変化が増幅ゲート電極22に伝達される。そして、増幅ゲート電極22に供給された電位が増幅トランジスタTraにより増幅され、画素信号として選択トランジスタTrsにより選択的に垂直信号線9に出力される。
【0034】
また、リセットゲート電極21にリセットパルスφRSTを供給することによって、フローティングディフュージョン部FDに読み出された信号電荷はリセットトランジスタTrrにより電源電圧VDD付近の電位と同電位になるようにリセットされる。そして、垂直信号線9に出力された画素信号は、その後、図1に示したカラム信号処理回路5、水平信号線10、出力回路7を介して出力される。
【0035】
図3に、本実施形態例の単位画素の平面レイアウト図を示す。図3では、転送トランジスタTrtの図示を省略している。図3に示すように、各画素2では中央部にフォトダイオードPDが形成されている。そして、そのフォトダイオードPDが形成された領域の一方の側にリセットトランジスタTrr、増幅トランジスタTra、選択トランジスタTrsがこの順に連続して配置されている。また、フォトダイオードPDと、各画素トランジスタのソース・ドレイン領域などが形成されるアクティブ領域(活性領域)39間などは、STI(Shallow Trench Isolation)からなる素子分離部24により電気的に分離されている。
【0036】
図4に、図3のA−A線上に沿う断面構成を示す。図4に示すように、各画素トランジスタTrr,Tra,Trsは、半導体基板41に形成されたソース・ドレイン領域25,27,38,32,33,36と、そのソース・ドレイン間に形成されたゲート電極21,22,23とを有して構成されている。本実施形態例では、半導体基板41において、各画素トランジスタTrr,Tra,Trsが形成される素子形成領域は例えばp型の半導体領域で構成され、各画素トランジスタTrr,Tra,Trsを構成するソース・ドレイン領域25,27,38,32,33,36は、素子形成領域とは反対導電型のn型不純物領域で構成される。
【0037】
リセットトランジスタTrrは、半導体基板41の上部に形成されたリセットゲート電極21と、そのリセットゲート電極21を挟む基板領域に形成されたソース領域25及びドレイン領域27とで構成されている。
リセットゲート電極21は、例えばポリシリコンより構成されており、半導体基板41の表面に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を介して形成されている。また、リセットゲート電極21の側面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜からなるサイドウォール40が形成されている。
【0038】
リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27は、半導体基板41のp型の半導体領域からなる素子形成領域とは反対導電型であるn型の高濃度不純物領域26,28で構成される。この高濃度不純物領域26,28は、後述するLDD(Lightly Doped Drain)構造を構成するための低濃度不純物領域よりも不純物濃度の高い不純物領域とされている。
以下の説明において、この高濃度不純物領域26,28と同等の不純物濃度とされる領域を「高濃度不純物領域」とし、高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成されたn型の不純物領域を「低濃度不純物領域」として説明する。
【0039】
増幅トランジスタTraは、半導体基板41の上部に形成された増幅ゲート電極22と、その増幅ゲート電極22を挟む基板領域に形成されたソース領域32及びドレイン領域38とで構成されている。
増幅ゲート電極22は、例えばポリシリコンより構成されており、半導体基板41の表面に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を介して形成されている。また、増幅ゲート電極22の側面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜からなるサイドウォール40が形成されている。
【0040】
また、増幅トランジスタTraのソース領域32は、増幅ゲート電極22側から順に形成された低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成されている。
一方、増幅トランジスタTraのドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27と共通の高濃度不純物領域28で構成されている。すなわち、増幅トランジスタTraのドレイン領域38は、リセットトランジスタのドレイン領域27を兼ねる。
【0041】
選択トランジスタTrsは、半導体基板41の上部に形成された選択ゲート電極23と、その選択ゲート電極23を挟む基板領域に形成されたソース領域36及びドレイン領域33とで構成されている。
選択ゲート電極23は、例えばポリシリコンより構成されており、半導体基板41の表面に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を介して形成されている。また、選択ゲート電極23の側面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜からなるサイドウォール40が形成されている。
【0042】
選択トランジスタTrsのソース領域36は、選択ゲート電極23側から順に形成された低濃度不純物領域34、高濃度不純物領域35から構成されている。また、選択トランジスタTrsのドレイン領域33は、選択ゲート電極23側から順に形成された低濃度不純物領域31、高濃度不純物領域30から構成され、高濃度不純物領域30は増幅トランジスタTraのソース領域32を構成する高濃度不純物領域30を兼ねる。
【0043】
以上のように、本実施形態例では、リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27、増幅トランジスタTraのドレイン領域38が高濃度不純物領域のみで構成されたシングルドレイン構造とされている。一方、増幅トランジスタTraのソース領域32、選択トランジスタTrsのソース領域36及びドレイン領域33が、高濃度不純物領域と、その高濃度不純物領域とゲート電極との間に形成された低濃度不純物領域で構成されたLDD構造とされている。
【0044】
[1−3 製造方法]
次に、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法について説明する。図5A〜図5Dは、本実施形態例の固体撮像装置1の画素トランジスタが形成される領域の製造方法を示す工程図である。
【0045】
まず、図5Aに示すように、半導体基板41の表面にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を形成し、そのゲート絶縁膜37上部にポリシリコン材料層を形成し、パターニングする。これにより、半導体基板41表面の所望の領域に、ゲート絶縁膜37を介して形成されたリセットゲート電極21、増幅ゲート電極22、選択ゲート電極23が形成される。
【0046】
次に、図5Bに示すように、半導体基板41の表面側に、増幅ゲート電極22のソース側(選択ゲート電極23のドレイン側)と、選択ゲート電極23のソース側を開口する開口部42aが形成されたレジストマスク42を形成する。図6に、半導体基板41上部にレジストマスク42を形成したときの平面構成図を示す。図6に示すように、増幅ゲート電極22のソース側におけるレジストマスク42の開口部42a端部の位置は、増幅ゲート電極22上部とされる。また、選択ゲート電極23のソース側におけるレジストマスク42の開口部42a端部の位置は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲むように形成された素子分離部24上部とされる。
【0047】
次に、レジストマスク42をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入する。これにより、増幅ゲート電極22のソース側、選択ゲート電極23のソース側及びドレイン側に、低濃度不純物領域29,31,34が形成される。ここで、これらの低濃度不純物領域29,31,34は、増幅ゲート電極22のソース側、選択ゲート電極23のドレイン側及びソース側の端部において、各ゲート電極をマスクとしたセルフアラインにより形成される。また、不純物が拡散するため、各低濃度不純物領域29,31,34は各ゲート電極下に少しオーバーフローするように形成される。
【0048】
次に、レジストマスク42を除去し、図5Cに示すように各ゲート電極の側面に絶縁膜からなるサイドウォール40を形成する。このサイドウォール40は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はこれらの積層膜で構成することができる。
【0049】
次に、各画素トランジスタが形成される領域を開口する図示しないレジストマスクを形成した後、図5Dに示すように、n型の不純物を前工程で形成した低濃度不純物領域29,31,34よりも高濃度にイオン注入する。これにより、高濃度不純物領域26,28,30,35を形成する。これらの高濃度不純物領域26,28,30,35は、各ゲート電極のソース側及びドレイン側においてサイドウォール40をマスクとしたセルフアラインにより形成される。また、不純物が拡散するため、各高濃度不純物領域26,28,30,35は、各サイドウォール40下に少しオーバーフローするように形成される。
【0050】
その後、フォトダイオードPD等をイオン注入により形成し、本実施形態例の固体撮像装置1が形成される。また、図示を省略するが、転送トランジスタTrtについても、他の画素トランジスタと同様の工程で形成される。
【0051】
以上のように、LDD構造をなすソース領域及びドレイン領域では、サイドウォール下に形成された低濃度不純物領域と、ゲート電極から、低濃度不純物領域を挟んで離間した領域に形成された高濃度不純物領域が形成される。また、シングルドレイン構造をなすソース領域及びドレイン領域は、サイドウォール形成後のイオン注入によって形成される高濃度不純物領域のみで構成される。
【0052】
ところで、固体撮像装置1では増幅トランジスタTraで発生する周波数に比例した1/fノイズは、ゲート長を長くし、ゲート幅を大きくすることにより低減できる。
本実施形態例では、増幅トランジスタTraにおいて、ドレイン領域38が高濃度不純物領域28のみで構成されたシングルドレイン構造とされ、ソース領域32が、低濃度不純物領域29及び高濃度不純物領域30で構成されたLDD構造とされている。このため、ソース・ドレイン領域の両方がLDD構造とされた従来の増幅トランジスタのゲート長L(図23)に比較すると、増幅ゲート電極面積を同じとしたときに、本実施形態例における増幅トランジスタTraの実効ゲート長Leff(図4)が大きくなる。これにより、増幅ゲート電極22の大きさを変えることなく、ノイズ特性を改善することができる。
【0053】
図7に、増幅トランジスタTraのソース・ドレイン領域の構成をそれぞれ変えた場合の1/fノイズを比較した実験結果を示す。図7のAは、増幅トランジスタのソース・ドレイン領域を、どちらもLDD構造とした従来の構造における固体撮像装置の1/fノイズを調べたものである。また、図7のBは、ドレイン側をシングルドレイン構造とし、ソース側をLDD構造とした本実施形態例の構造における固体撮像装置1の1/fノイズを調べたものである。また、図7のCは、増幅トランジスタのソース・ドレイン領域をどちらもシングルドレイン構造とした場合における固体撮像装置の1/fノイズを調べたものである。
【0054】
従来の増幅トランジスタの1/fノイズを1としたとき、本実施形態例の増幅トランジスタTra(図7のB)では、1/fノイズを0.8に低減できた。一方、本実施形態例の固体撮像装置よりもさらにゲート長を長くするために、ソース領域、ドレイン領域をどちらもシングルドレイン構造とした場合(図7のC)における1/fノイズは、従来の増幅トランジスタよりも2倍以上に悪化した。増幅トランジスタで発生するノイズは、特に、ゲート−ソース間のポテンシャル変動が影響すると考えられる。図7のCでは、増幅トランジスタのソース側のサイドウォール下の界面準位やトラップによるポテンシャル変動に起因してノイズが増加したものと考えられる。したがって、増幅トランジスタTrsのソース側の低濃度不純物領域は必要であることがわかる。
【0055】
このように、本実施形態例では、増幅トランジスタのソース側をLDD構造とすることでソース近傍のポテンシャル変動に起因するランダムノイズが抑制される。さらに、増幅トランジスタのドレイン側をシングルドレイン構造とすることで実効ゲート長を大きくすることができ、1/fノイズ、及びRTS(Random Telegraph Signal)の低減を図ることができる。
【0056】
ところで、増幅トランジスタTraのドレイン領域38のみシングルドレイン構造を有するように形成する場合、低濃度不純物領域29を形成するためのレジストマスクのパターンが微細化する。これに対し、本実施形態例では、増幅ゲート電極22のドレイン側に配置されるリセットトランジスタTrrをシングルドレイン構造とし、増幅ゲート電極22のソース側に配置される選択トランジスタTrsをLDD構造とする構成を採る。したがって、低濃度不純物領域29を形成する際に用いるレジストマスク42は増幅ゲート電極22のドレイン側を被覆すると共にソース側を開口するパターンとすればよい。このため、増幅ゲート電極22のソース側にのみ低濃度不純物領域を形成する場合に比べレジストマスクのパターン形成が容易になり、加工が容易になる。
【0057】
また、本実施形態例の固体撮像装置1では、増幅トランジスタTrrのソース領域32を低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成したが、この高濃度不純物領域30は形成されなくてもよい。
以下に、本実施形態例の変形例として、増幅トランジスタTraのソース領域と選択トランジスタTrsとドレイン領域が低濃度不純物領域のみで形成される場合について説明する。
【0058】
図8は、変形例に係る固体撮像装置の断面構成図である。図8は、図3に示した平面構成のA−A線上に沿う断面構成に対応した図である。図8において、図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0059】
ここで示す変形例は、画素領域の縮小化により、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23との間隔が狭くなったときの構成例である。固体撮像装置では、増幅トランジスタTraのソース側が選択トランジスタTrsのドレイン側と接続されていればよく、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23間に電極が形成されることがない。したがって、画素領域の縮小化に伴う画素トランジスタ面積の縮小化では、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23との間隔を狭め、増幅トランジスタのゲート長を長くすることでノイズ特性を改善できる。
【0060】
しかしながら、図8に示すように、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23との間隔が狭くなることにより、互いのゲート電極に形成されるサイドウォール40によってゲート電極間が埋められることがある。このような場合、サイドウォール40の形成後にイオン注入によって形成される高濃度不純物領域が、増幅ゲート電極22のソース側と選択ゲート電極23のドレイン側に形成されない。
【0061】
したがって、変形例に係る固体撮像装置では、図8に示すように、増幅トランジスタTraのソース領域58と選択トランジスタTrsのドレイン領域59は、サイドウォール40形成前に形成する低濃度不純物領域60のみで構成されることとなる。
【0062】
このような変形例においても、増幅トランジスタTraのソース側を低濃度不純物領域60で形成することにより、増幅トランジスタTraのソース側のポテンシャル変動に起因するノイズを低減することができる。また、増幅トランジスタTraのドレイン側を高濃度不純物領域28のみで形成することによる実効ゲート長の拡大に起因する1/fノイズの低減が図られる。
【0063】
〈2.第2の実施形態:固体撮像装置〉
次に、本開示の第2の実施形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施形態例の固体撮像装置の全体構成は、図1と同様であるため、重複説明を省略する。また、本実施形態例の固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置1において選択トランジスタTrsが構成されない例である。したがって、画素2を構成する等価回路では、増幅トランジスタTraのソースが垂直信号線9に接続される。
【0064】
図9に、本実施形態例の単位画素の平面レイアウト図を示し、図10に、図9のB−B線上に沿う断面構成を示す。図9及び図10では、転送トランジスタの図示を省略している。図9及び図10において、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0065】
本実施形態例では、図3に示すように、フォトダイオードPDの一方の側にリセットトランジスタTrr、増幅トランジスタTraがこの順に連続して配置されている。
【0066】
本実施形態例においても、増幅トランジスタTraのソース領域32は増幅ゲート電極22側から順に形成された低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成される。また、増幅トランジスタTraのドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27を兼ねる高濃度不純物領域28で構成されている。
【0067】
また、リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27は、それぞれ高濃度不純物領域26,28のみで構成されている。すなわち、本実施形態例では、増幅トランジスタTraのソース領域32のみがLDD構造とされ、増幅トランジスタTraのドレイン領域38と、リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27がシングルドレイン構造とされている。
【0068】
図11は、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。本実施形態例においても、各画素トランジスタのゲート電極を半導体基板41上部に形成した後、各ゲート電極を含む半導体基板41上部に、増幅ゲート電極22のソース側が開口される開口部43aを有するレジストマスク43を形成する。
【0069】
図12に、半導体基板41上にレジストマスク43を形成したこのとき平面構成図を示す。図12に示すように、増幅ゲート電極22のソース側におけるレジストマスク43の開口部43a端部の位置は、増幅ゲート電極22上部とされる。また、その他の開口部43a端部の位置は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲むように形成された素子分離部24上部とされる。
【0070】
そして、このレジストマスク43をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入することにより、増幅ゲート電極22のソース側に低濃度不純物領域29を形成する。このとき、増幅ゲート電極22側では、増幅ゲート電極22をマスクとしたセルフアラインで低濃度不純物領域29が形成される。
その後、図5C,図5Dと同様にして、サイドウォール40、高濃度不純物領域26,28,30を形成することにより、各画素トランジスタが形成される。
【0071】
本実施形態例においても、増幅トランジスタTraにおいて、そのソース領域32が低濃度不純物領域29及び高濃度不純物領域30からなるLDD構造とされ、ドレイン領域38が高濃度不純物領域28のみで構成されたシングルドレイン構造とされる。このため、増幅ゲート電極22の大きさを変えることなく、1/fノイズの低減が図られる。その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
ところで、低濃度不純物領域29を形成する際に用いるレジストマスク43は、開口部43aが微細化すると加工が難しくなる。したがって、レジストマスク43の開口面積が大きく採れる方が好ましい。図13に、本実施形態例の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示す。
【0073】
図13に示すように、水平方向に隣接する2つの画素2において、それぞれの画素トランジスタの配置が対称となるように構成する。このようにすることで、隣接する2つの画素において、増幅トランジスタTraのソース領域32が隣り合う。したがって、図13に示すように、低濃度不純物領域29を形成する際に用いるレジストマスク44の開口部44aを2画素に渡って形成することができる。この結果、図12に示した画素毎に低濃度不純物領域29を形成する場合のレジストマスク43の開口部43aに比較して、レジストのパターン形成が容易になり、加工が容易になる。
【0074】
〈3.第3の実施形態:固体撮像装置〉
次に、本開示の第3の実施形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施形態例の固体撮像装置の全体構成は、図1と同様であるため、重複説明を省略する。また、本実施形態例の固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置において画素毎に、増幅トランジスタが2つずつ構成される例である。したがって、画素を構成する等価回路では、フローティングディフュージョン部FDに増幅トランジスタが2つ接続され、各増幅トランジスタのソースが選択トランジスタのドレインに接続され、各増幅トランジスタのドレインがリセットトランジスタのドレインに接続される。
【0075】
図14に、本実施形態例の単位画素2の平面レイアウト図を示し、図15に、図14のC−C線上に沿う断面構成を示す。図14及び図15では、転送トランジスタの図示を省略している。図14及び図15において、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0076】
図14に示すように、本実施形態例では、フォトダイオードPDの一方の側にリセットトランジスタTrr、第1の増幅トランジスタTra−1、選択トランジスタTrs、第2の増幅トランジスタTra−2がこの順に連続して配置されている。
【0077】
第1の増幅トランジスタTra−1は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第1の増幅ゲート電極22aと、その第1の増幅ゲート電極22aを挟む領域に形成されたソース領域47、ドレイン領域38で構成される。第1の増幅トランジスタTra−1のソース領域47は、第1の増幅ゲート電極22a側から順に形成された低濃度不純物領域45、高濃度不純物領域46で構成される。また、ドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27を兼ねる高濃度不純物領域28で構成されている。
【0078】
第2の増幅トランジスタTra−2は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第2の増幅ゲート電極22bと、その第2の増幅ゲート電極22bを挟む領域に形成されたソース領域32、ドレイン領域48で構成される。第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域32は、第2の増幅ゲート電極22b側から順に形成された低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成される。また、ドレイン領域48は高濃度不純物領域57のみで構成されている。
【0079】
そして、第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域32を構成する高濃度不純物領域30は、選択トランジスタTrsのドレイン領域33を構成する高濃度不純物領域30を兼ねる構成とされる。また、選択トランジスタTrsのソース領域36と第1の増幅トランジスタTra−2のソース領域47との間は、STIからなる素子分離部24により電気的に分離されている。
【0080】
本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース領域47,32、及び選択トランジスタTrsのソース領域36及びドレイン領域33がLDD構造とさる。また、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−bのドレイン領域38,48及びリセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27がシングルドレイン構造とされている。
【0081】
図16は、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。本実施形態例においても、各画素トランジスタのゲート電極を形成するまでの工程は、図5Aと同様であるから、説明を省略する。各ゲート電極を形成した後、図16に示すように、各ゲート電極を含む半導体基板41上部に所望の開口部49aを有するレジストマスク49を形成する。本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース側の領域、及び選択トランジスタTrsのソース側、ドレイン側の領域を開口するように開口部49aを形成する。
【0082】
図17に、半導体基板41上にレジストマスク49を形成した状態の平面構成図を示す。図17に示すように、第1の増幅ゲート電極22aのソース側におけるレジストマスク49の開口部49a端部の位置は、第1の増幅ゲート電極22a上部とされる。同様に、第2の増幅ゲート電極22bのソース側におけるレジストマスク49の開口部49a端部の位置は第2の増幅ゲート電極22b上部とされる。また、その他の開口部49a端部の位置は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲む素子分離部24上部とされる。
【0083】
そして、このレジストマスク49をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入する。これにより、第1の増幅ゲート電極22aのソース側、第2の増幅ゲート電極22bのソース側、及び選択ゲート電極23のソース側及びドレイン側に低濃度不純物領域45,29,34,31を形成する。このとき、それぞれの低濃度不純物領域は、各ゲート電極をマスクとしたセルフアラインで形成される。
その後、図5C,図5Dと同様にして、サイドウォール40、高濃度不純物領域26,28,46,35,30,57を形成することにより、各画素トランジスタが形成される。
【0084】
本実施形態例では、増幅トランジスタが画素毎に2つずつ並列に形成される。このため、増幅ゲート電極のゲート面積をそれほど縮小せずに、相互コンダクタンスgmの向上を図ることができる。また、2つずつ増幅トランジスタを並列に配置する場合、2つの増幅トランジスタのソース側が近接するように配置することで、低濃度不純物領域を形成するためのレジストマスクの開口部を大きく形成でき、加工が容易となる。
その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
〈4.第4の実施形態:固体撮像装置〉
次に、本開示の第4の実施形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施形態例の固体撮像装置の全体構成は、図1と同様であるため、重複説明を省略する。また、本実施形態例の固体撮像装置は、第3の実施形態に係る固体撮像装置において選択トランジスタが構成されない例である。したがって、画素を構成する等価回路では、フローティングディフュージョン部FDに増幅トランジスタが2つ接続され、かつ、各増幅トランジスタのソースが垂直信号線9に接続され、各増幅トランジスタのドレインがリセットトランジスタのドレインに接続される。
【0086】
図18に、本実施形態例の単位画素2の平面レイアウト図を示し、図19に、図18のD−D線上に沿う断面構成を示す。図18及び図19では、転送トランジスタの図示を省略している。図18及び図19において、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0087】
図18に示すように、本実施形態例における各画素2では、フォトダイオードPDの一方の側にリセットトランジスタTrr、第1の増幅トランジスタTra−1、第2の増幅トランジスタTra−2がこの順に連続して配置されている。
【0088】
本実施形態例では、第1の増幅トランジスタTra−1は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第1の増幅ゲート電極22aと、その第1の増幅ゲート電極22aを挟む領域に形成されたソース領域53、ドレイン領域38で構成される。第1の増幅トランジスタTra−1のソース領域53は、第1の増幅ゲート電極22a側から順に形成された低濃度不純物領域50、高濃度不純物領域51で構成される。また、ドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27を兼ねる高濃度不純物領域28で構成されている。
【0089】
第2の増幅トランジスタTra−2は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第2の増幅ゲート電極22bと、その第2の増幅ゲート電極22bを挟む領域に形成されたソース領域54、ドレイン領域55で構成される。第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域54は、第2の増幅ゲート電極22b側から順に形成された低濃度不純物領域52、高濃度不純物領域51で構成され、ドレイン領域55は高濃度不純物領域61のみで構成されている。
そして、第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域54を構成する高濃度不純物領域51は、第1の増幅トランジスタTra−1のソース領域53を構成する高濃度不純物領域51を兼ねる構成とされる。
【0090】
本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース領域53,54がLDD構造とされる。一方、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のドレイン領域38,55及びリセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27がシングルドレイン構造とされている。
【0091】
図20は、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。本実施形態例においても、各画素トランジスタのゲート電極を形成するまでの工程は、図5Aと同様であるから、説明を省略する。各ゲート電極を形成した後、図20に示すように、各ゲート電極を含む半導体基板41上部に所望の開口部56aを有するレジストマスク56を形成する。本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース領域53,54を開口するように開口部56aを形成する。
【0092】
図21に、半導体基板41上にレジストマスク56を形成したときの平面構成図を示す。図21に示すように、第1の増幅ゲート電極22aのソース側におけるレジストマスク56の開口部56a端部の位置は、第1の増幅ゲート電極22a上部とされる。同様に、第2の増幅ゲート電極22bのソース側におけるレジストマスク56の開口部56a端部の位置は第2の増幅ゲート電極22b上部とされる。また、その他の開口部56a端部は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲むように形成された素子分離部24上部に位置するように形成される。
【0093】
そして、このレジストマスク56をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入することにより、第1の増幅ゲート電極22aのソース側、第2の増幅ゲート電極22bのソース側に低濃度不純物領域50,52を形成する。このとき、第1及び第2の増幅ゲート電極22a,22b側では、各増幅ゲート電極をマスクとしたセルフアラインで低濃度不純物領域50,52が形成される。
その後、図5C及び図5Dと同様にして、サイドウォール40、高濃度不純物領域26,28,51,61を形成することにより、各画素トランジスタが形成される。
【0094】
本実施形態例では、増幅トランジスタが画素毎に2つずつ並列に形成される。このため、増幅ゲート電極のゲート面積をそれほど縮小せずに、相互コンダクタンスgmの向上を図ることができる。また、2つずつ増幅トランジスタを並列に配置する場合、2つの増幅トランジスタのソース側が近接するように配置することで、低濃度不純物領域を形成するためのレジストマスクの開口部を大きく形成でき、加工が容易となる。
その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
上述した第1〜第4の実施形態では、画素トランジスタとして、nチャネル型のMOSトランジスタを例に説明したが、pチャネル型のMOSトランジスタを構成する例としてもよい。pチャネル型のMOSトランジスタとする場合には、本開示において、p型不純物領域とn型不純物領域の導電型を入れ替えた構成とすればよい。
【0096】
本開示は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置にも適用可能である。また、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像装置(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
【0097】
さらに、本開示は、画素部の各単位画素を行単位で順に走査して各単位画素から画素信号を読み出す固体撮像装置に限られるものではない。画素単位で任意の画素を選択して、当該選択画素から画素単位で信号を読み出すX−Yアドレス型の固体撮像装置に対しても適用可能である。
なお、固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、画素部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
【0098】
また、本開示は、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、撮像装置にも適用可能である。ここで、撮像装置とは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機などの撮像機能を有する電子機器のことを言う。なお、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ちカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
【0099】
〈5.第5の実施形態:電子機器〉
次に、本開示の第5の実施形態に係る電子機器について説明する。図22は、本開示の第5の実施形態に係る電子機器200の概略構成図である。
【0100】
本実施形態に係る電子機器200は、固体撮像装置1と、光学レンズ210と、シャッタ装置211と、駆動回路212と、信号処理回路213とを有する。本実施形態例の電子機器200は、固体撮像装置1として上述した本開示の第1の実施形態における固体撮像装置1を電子機器(カメラ)に用いた場合の実施形態を示す。
【0101】
光学レンズ210は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置1の撮像面上に結像させる。これにより固体撮像装置1内に一定期間当該信号電荷が蓄積される。
シャッタ装置211は、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御する。
駆動回路212は、固体撮像装置1の転送動作およびシャッタ装置211のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路212から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置1の信号転送を行う。信号処理回路213は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、あるいはモニタに出力される。
【0102】
本実施形態例の電子機器200では、固体撮像装置1においてOB画素領域におけるノイズの低減が図られるため、画質の向上が図られる。
【0103】
固体撮像装置1を適用できる電子機器200としては、カメラに限られるものではなく、携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールなどの撮像装置に適用可能である。また、本実施形態例では、電子機器200を構成する固体撮像装置として、第1の実施形態に係る固体撮像装置1を適用したが、その他、第2〜第4の実施形態に係る固体撮像装置を適用することもできる。
【0104】
以上、本開示の固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、及び電子機器について説明したが、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、種々の組み合わせが可能である。
【0105】
本開示は以下の構成をとることもできる。
(1)
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、
前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、
を備える固体撮像装置。
【0106】
(2)
前記増幅ゲート電極のソース側では、前記低濃度不純物領域に連続する基板領域であって、前記増幅ゲート電極から離間した基板領域に、前記低濃度不純物領域よりも高い不純物濃度で構成された高濃度不純物領域が形成されている
(1)記載の固体撮像装置。
【0107】
(3)
前記画素トランジスタのうち、リセットトランジスタは、基板上に形成されたリセットゲート電極と、前記リセットゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域とで構成される
(1)又は(2)に記載の固体撮像装置。
【0108】
(4)
前記画素トランジスタのうち、選択トランジスタは、基板上に形成された選択ゲート電極と、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側に形成されたそれぞれの高濃度不純物領域と前記選択ゲート電極との間の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される
(1)〜(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【0109】
(5)
前記増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は、前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
(1)〜(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【0110】
(6)
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
(1)〜(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【0111】
(7)
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は他方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
(1)〜(4)に記載の固体撮像装置。
【0112】
(8)
入射した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタからなる複数の画素を備える固体撮像装置の製造方法において、
基板上に、前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極を形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタのうち、少なくとも、増幅トランジスタを構成する増幅ゲート電極のソース側の基板領域を開口し、ドレイン側の基板領域を被覆するレジストマスクを形成する工程と、
前記レジストマスクを介して前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
前記レジストマスクを除去し、前記ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に、前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、前記低濃度不純物拡散領域よりも高い不純物領域からなる高濃度不純物領域を形成する工程と、
を含む
固体撮像装置の製造方法。
【0113】
(9)
前記レジストマスクは、リセットトランジスタのソース側及びドレイン側を被覆するように形成する
(8)に記載の固体撮像装置の製造方法。
【0114】
(10)
前記レジストマスクは、選択トランジスタのソース側及びドレイン側を開口するように形成する
(8)又は(9)に記載の固体撮像装置の製造方法。
【0115】
(11)
光学レンズと、
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、を備える固体撮像装置であって、前記光学レンズに集光された光が入射される固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される出力信号を処理する信号処理回路と、
を含む電子機器。
【符号の説明】
【0116】
1・・・固体撮像装置、2・・・画素、3・・・画素領域、4・・・垂直駆動回路、5・・・カラム信号処理回路、6・・・水平駆動回路、7・・・出力回路、8・・・制御回路、9・・・垂直信号線、10・・・水平信号線、11・・・基板、20・・・転送ゲート電極、21・・・リセットゲート電極、22・・・増幅ゲート電極、22a・・・第1の増幅ゲート電極、22b・・・第2の増幅ゲート電極、23・・・選択ゲート電極、24・・・素子分離部、25,32,36,47,53,54・・・ソース領域、26,28,30,35,46,51,57,61・・・高濃度不純物領域、27,33,48,55,59・・・ドレイン領域、29,31,34,45,50,52,60・・・低濃度不純物領域、37・・・ゲート絶縁膜、39・・・アクティブ領域、40・・・サイドウォール、41・・・半導体基板、200・・・電子機器、210・・・光学レンズ、211・・・シャッタ装置、212・・・駆動回路、213・・・信号処理回路
【技術分野】
【0001】
本開示は、CMOS型の固体撮像装置とその製造方法に関する。また、その固体撮像装置を用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置は、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像装置と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型固体撮像装置とに大別される。CCD型固体撮像装置とCMOS型固体撮像装置とを比較すると、CCD型固体撮像装置では、信号電荷の転送に高い駆動電圧を必要とするため、CMOS型固体撮像装置に比べて電源電圧が高くならざるを得ない。このように、消費電力の点などから、CMOS型固体撮像装置が、CCD型固体撮像装置に比べて有利とされている。
【0003】
従って、近年、カメラ付き携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などのモバイル機器に搭載されている固体撮像装置としては、CCD型固体撮像装置よりも有利なCMOS型固体撮像装置が多く用いられている。
【0004】
CMOS型固体撮像装置は、受光に応じて信号電荷を生成するフォトダイオードからなる受光部と、受光部で生成された信号電荷が読み出されるフローティングディフュージョン部と、複数のMOSトランジスタによって構成されている。複数のMOSトランジスタとしては、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、アンプトランジスタ、選択トランジスタが挙げられ、これらのMOSトランジスタは、上層に形成された多層配線層の所望の配線層に接続されている。CMOS型固体撮像装置では、受光部で生成、蓄積された信号電荷が転送トランジスタにより画素毎にフローティングディフュージョン部に読み出される。そして、フローティングディフュージョン部で読み出された信号電荷は、増幅トランジスタにより増幅されて、選択トランジスタにより選択的に多層配線層に形成された垂直信号線に出力される。
【0005】
このようなCMOS型固体撮像装置では、画素を構成するMOSトランジスタにおいて、ゲート長の縮小化に伴う短チャネル効果を改善するため、LDD構造が採用されている(特許文献1)。図23に、従来の固体撮像装置における画素トランジスタの断面構成例を示す。図23では、リセットトランジスタTr1、増幅トランジスタTr2、選択トランジスタTr3を示している。
【0006】
図23に示すように、従来の固体撮像装置では、各画素トランジスタTr1〜Tr3は、基板100の表面にゲート絶縁膜103を介して形成されたゲート電極101と、そのゲート電極101を挟む基板領域に形成されるソース・ドレイン領域で構成されている。ゲート電極101の側面には絶縁膜からなるサイドウォール102が形成されている。また、ソース・ドレイン領域は、ゲート電極101側から順に形成された低濃度不純物領域104と、高濃度不純物領域105で構成されている。
【0007】
低濃度不純物領域104は、ゲート電極101の形成後、基板100を構成する不純物領域とは反対導電型の不純物を低濃度にイオン注入することで形成される。一方、高濃度不純物領域105は、サイドウォール102形成後、基板100を構成する不純物領域とは反対導電型の不純物を、低濃度不純物領域104よりも高濃度にイオン注入することで形成される。
【0008】
一般的に、LDD構造を有するMOSトランジスタでは、ゲート電極101を挟んで形成されるソース領域、ドレイン領域が対称となるように形成されている。すなわち、ソース領域、及びドレイン領域の両方が、ゲート電極101側から順に形成された低濃度不純物領域104、高濃度不純物領域105を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−56516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、CMOS型の固体撮像装置では、高画質の映像を得るため多画素化が進み、さらにコスト削減の要求により小型化が進んでいる。また、画素の縮小化が進んでも、一定の飽和電荷量(Qs)は確保しなければならないという要請があり、フォトダイオードにさく面積を縮小化できない。それ故に、増幅トランジスタやリセットトランジスタ、選択トランジスタ等が形成されるアクティブ領域の縮小化がますます求められてきている。そうすると、増幅トランジスタの面積縮小により1/fノイズの増加と、RTS(Random Telegraph Signal)の増加が引き起こされ、ランダムノイズの増加や、撮像特性の悪化を引き起こす。
【0011】
上述の点に鑑みて、本開示は、ランダムノイズの低減が図られた固体撮像装置を提供することを目的とする。また、その固体撮像装置を備えることにより、画質の向上が図られた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の固体撮像装置は、受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタを備える。画素トランジスタのうち、増幅トランジスタは、基板上に形成された増幅ゲート電極と、その増幅ゲート電極のドレイン側、及びソース側の基板領域に形成された不純物領域で構成される。増幅ゲート電極のドレイン側に形成された不純物領域は、高濃度不純物領域で構成される。また、増幅ゲート電極のソース側に形成された不純物領域は、ドレイン側に形成された高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成された低濃度不純物領域を備えた構成とされる。
【0013】
本開示の固体撮像装置では、増幅トランジスタにおいて、ドレイン側に低濃度不純物領域が形成されないため実効ゲート長を大きくすることができる。さらに、増幅トランジスタのソース側を低濃度不純物領域で構成とすることで、増幅ゲート電極のソース側の基板表面におけるポテンシャル変動を抑えることができる。
【0014】
本開示の固体撮像装置の製造方法は、基板上に、複数の画素トランジスタを構成するゲート電極を形成する工程を有する。また、複数の画素トランジスタのうち、少なくとも、増幅トランジスタを構成する増幅ゲート電極のソース側の基板領域を開口し、ドレイン側の基板領域を被覆するレジストマスクを形成する工程を有する。また、レジストマスクを介して、基板領域に基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域を形成する工程を有する。また、レジストマスクを除去し、ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程を有する。また、複数の画素トランジスタを構成するゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に、基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域よりも高い不純物領域からなる高濃度不純物領域を形成する工程を有する。
【0015】
本開示の固体撮像装置の製造方法では、増幅トランジスタのドレイン側が、高濃度不純物領域のみで形成される。また、増幅トランジスタのソース側では、サイドウォール形成前に低濃度不純物領域が形成される。このため、ドレイン側のサイドウォール下に低濃度不純物領域が形成されないので、実効ゲート長を大きくすることができる。また、ソース側のサイドウォール下には低濃度不純物領域が形成されるため、増幅ゲート電極のソース側の基板表面におけるポテンシャル変動を抑えることができる。
【0016】
本開示の電子機器は、光学レンズと、上述の固体撮像装置であって、光学レンズに集光された光が入射される固体撮像装置と、固体撮像装置から出力される出力信号を処理する信号処理回路を備える。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、増幅トランジスタのゲート電極の面積を変えることなく、1/fノイズやRTSの低減が図られた固体撮像装置が得られる。また、その固体撮像装置を用い、画質の向上が図られた電子機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本開示の第1の実施形態に係るCMOS型の固体撮像装置の全体を示す概略構成図である。
【図2】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置を構成する画素の等価回路図である。
【図3】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図4】図3のA−A線上に沿う断面構成を示す図である。
【図5】A〜D 本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を示す工程図である。
【図6】第1の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図7】増幅トランジスタのソース・ドレイン領域の構成をそれぞれ変えた場合の1/fノイズを比較した実験結果を示す図である。
【図8】変形例に係る固体撮像装置の断面構成図である。
【図9】本開示の第2の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図10】図9のB−B線上に沿う断面構成を示す図である。
【図11】本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置の製造方法を示す図である。
【図12】第2の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図13】本開示の第2の実施形態の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示した図である。
【図14】本開示の第3の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図15】図14のC−C線上に沿う断面構成を示す図である。
【図16】本開示の第3の実施形態の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示した図である。
【図17】第3の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図18】本開示の第4の実施形態に係る固体撮像装置の単位画素の平面レイアウト図である。
【図19】図18のD−D線上に沿う断面構成を示す図である。
【図20】本開示の第4の実施形態の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示した図である。
【図21】第4の実施形態において、半導体基板上部に低濃度不純物領域形成の為のレジストマスクを形成したときの平面構成図である。
【図22】本開示の第5の実施形態に係る電子機器の概略構成図である。
【図23】従来の固体撮像装置の画素トランジスタにおける断面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本開示の実施形態に係る固体撮像装置とその製造方法、及びその固体撮像装置を備えた電子機器の一例を、図を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。
1.第1の実施形態:固体撮像装置
1−1 全体構成
1−2 要部の構成
1−3 製造方法
2.第2の実施形態:固体撮像装置
3.第3の実施形態:固体撮像装置
4.第4の実施形態:固体撮像装置
5.第5の実施形態:電子機器
【0020】
〈1.第1の実施形態:固体撮像装置〉
[1−1 全体構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係るCMOS型の固体撮像装置の全体を示す概略構成図である。
本実施形態例の固体撮像装置1は、シリコンからなる基板11上に配列された複数の画素2から構成される画素領域3と、垂直駆動回路4と、カラム信号処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8等を有して構成される。
【0021】
画素2は、フォトダイオードからなる光電変換部と、複数の画素トランジスタとから構成され、基板11上に、2次元アレイ状に規則的に複数配列される。画素2を構成する画素トランジスタは、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅ランジスタで構成される4つのMOSトランジスタであってもよく、また、選択トランジスタを除いた3つのトランジスタであってもよい。
【0022】
画素領域3は、2次元アレイ状に規則的に複数配列された画素2から構成される。画素領域3は、実際に光を受光し光電変換によって生成された信号電荷を増幅してカラム信号処理回路5に読み出す有効画素領域と、黒レベルの基準になる光学的黒を出力するための黒基準画素領域(図示せず)とから構成されている。黒基準画素領域は、通常は、有効画素領域の外周部に形成されるものである。
【0023】
制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、及び水平駆動回路6等の動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成する。そして、制御回路8で生成されたクロック信号や制御信号などは、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に入力される。
【0024】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素領域3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査する。そして、各画素2のフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線9を通してカラム信号処理回路5に供給する。
【0025】
カラム信号処理回路5は、例えば、画素2の列毎に配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列毎に黒基準画素領域(図示しないが、有効画素領域の周囲に形成される)からの信号によって、ノイズ除去や信号増幅等の信号処理を行う。カラム信号処理回路5の出力段には、水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10とのあいだに設けられている。
【0026】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0027】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線10を通して、順次に供給される信号に対し信号処理を行い出力する。
【0028】
[1−2 要部の構成]
図2は、本実施形態例の固体撮像装置を構成する画素の等価回路図である。本実施形態例の固体撮像装置1における単位画素2は、光電変換素子であるフォトダイオードPDと、転送トランジスタTrtと、リセットトランジスタTrrと、増幅トランジスタTraと、及び選択トランジスタTrsとで構成されている。これらの画素トランジスタとしては、本例ではnチャネルMOSトランジスタを用いている。
【0029】
転送トランジスタTrtは、そのソースがフォトダイオードPDのカソード側に接続され、ドレインがフローティングディフュージョン部FDに接続されている。また、転送トランジスタTrtのソース・ドレイン間の転送ゲート電極20には転送パルスφTRGを供給する転送配線が接続されている。フォトダイオードPDで光電変換され、ここに蓄積された信号電荷(本実施形態例では電子)は、転送トランジスタTrtの転送ゲート電極20に転送パルスφTRGが印加されることによって、フローティングディフュージョン部FDに転送される。
【0030】
リセットトランジスタTrrは、そのドレインが電源電圧VDDに接続され、ソースがフローティングディフュージョン部FDに接続されている。また、リセットトランジスタTrrのソース・ドレイン間のリセットゲート電極21にはリセットパルスφRSTを供給するリセット配線が接続されている。フォトダイオードPDからフローティングディフュージョン部FDへの信号電荷の転送に先立って、リセットトランジスタTrrのリセットゲート電極21にリセットパルスφRSTを印加する。これにより、フローティングディフュージョン部FDの電位が電源電圧VDDによりVDDレベルにリセットされる。
【0031】
増幅トランジスタTraは、そのドレインが電源電圧VDDに接続され、そのソースが選択トランジスタTrsのドレインに接続されている。そして、増幅トランジスタTraのソース・ドレイン間の増幅ゲート電極22は、フローティングディフュージョン部FDに接続されている。この増幅トランジスタTraは、電源電圧VDDを負荷とするソースフォロア回路を構成しており、フローティングディフュージョン部FDの電位変化に応じた画素信号が出力される。
【0032】
選択トランジスタTrsは、そのドレインが増幅トランジスタTraのソースに接続され、そのソースが垂直信号線9に接続されている。また、選択トランジスタTrsのソース・ドレイン間の選択ゲート電極23には、選択パルスφSELを供給する選択配線が接続されている。画素毎に選択パルスφSELが選択ゲート電極23に供給されることにより増幅トランジスタTraで増幅された画素信号が垂直信号線9に出力される。
【0033】
以上の構成を有する固体撮像装置1では、転送パルスφTRGを転送ゲート電極20に供給することによってフォトダイオードPDに蓄積された信号電荷が、転送トランジスタTrtによりフローティングディフュージョン部FDに読み出される。信号電荷が読み出されることによりフローティングディフュージョン部FDの電位が変位し、その電位変化が増幅ゲート電極22に伝達される。そして、増幅ゲート電極22に供給された電位が増幅トランジスタTraにより増幅され、画素信号として選択トランジスタTrsにより選択的に垂直信号線9に出力される。
【0034】
また、リセットゲート電極21にリセットパルスφRSTを供給することによって、フローティングディフュージョン部FDに読み出された信号電荷はリセットトランジスタTrrにより電源電圧VDD付近の電位と同電位になるようにリセットされる。そして、垂直信号線9に出力された画素信号は、その後、図1に示したカラム信号処理回路5、水平信号線10、出力回路7を介して出力される。
【0035】
図3に、本実施形態例の単位画素の平面レイアウト図を示す。図3では、転送トランジスタTrtの図示を省略している。図3に示すように、各画素2では中央部にフォトダイオードPDが形成されている。そして、そのフォトダイオードPDが形成された領域の一方の側にリセットトランジスタTrr、増幅トランジスタTra、選択トランジスタTrsがこの順に連続して配置されている。また、フォトダイオードPDと、各画素トランジスタのソース・ドレイン領域などが形成されるアクティブ領域(活性領域)39間などは、STI(Shallow Trench Isolation)からなる素子分離部24により電気的に分離されている。
【0036】
図4に、図3のA−A線上に沿う断面構成を示す。図4に示すように、各画素トランジスタTrr,Tra,Trsは、半導体基板41に形成されたソース・ドレイン領域25,27,38,32,33,36と、そのソース・ドレイン間に形成されたゲート電極21,22,23とを有して構成されている。本実施形態例では、半導体基板41において、各画素トランジスタTrr,Tra,Trsが形成される素子形成領域は例えばp型の半導体領域で構成され、各画素トランジスタTrr,Tra,Trsを構成するソース・ドレイン領域25,27,38,32,33,36は、素子形成領域とは反対導電型のn型不純物領域で構成される。
【0037】
リセットトランジスタTrrは、半導体基板41の上部に形成されたリセットゲート電極21と、そのリセットゲート電極21を挟む基板領域に形成されたソース領域25及びドレイン領域27とで構成されている。
リセットゲート電極21は、例えばポリシリコンより構成されており、半導体基板41の表面に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を介して形成されている。また、リセットゲート電極21の側面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜からなるサイドウォール40が形成されている。
【0038】
リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27は、半導体基板41のp型の半導体領域からなる素子形成領域とは反対導電型であるn型の高濃度不純物領域26,28で構成される。この高濃度不純物領域26,28は、後述するLDD(Lightly Doped Drain)構造を構成するための低濃度不純物領域よりも不純物濃度の高い不純物領域とされている。
以下の説明において、この高濃度不純物領域26,28と同等の不純物濃度とされる領域を「高濃度不純物領域」とし、高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成されたn型の不純物領域を「低濃度不純物領域」として説明する。
【0039】
増幅トランジスタTraは、半導体基板41の上部に形成された増幅ゲート電極22と、その増幅ゲート電極22を挟む基板領域に形成されたソース領域32及びドレイン領域38とで構成されている。
増幅ゲート電極22は、例えばポリシリコンより構成されており、半導体基板41の表面に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を介して形成されている。また、増幅ゲート電極22の側面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜からなるサイドウォール40が形成されている。
【0040】
また、増幅トランジスタTraのソース領域32は、増幅ゲート電極22側から順に形成された低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成されている。
一方、増幅トランジスタTraのドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27と共通の高濃度不純物領域28で構成されている。すなわち、増幅トランジスタTraのドレイン領域38は、リセットトランジスタのドレイン領域27を兼ねる。
【0041】
選択トランジスタTrsは、半導体基板41の上部に形成された選択ゲート電極23と、その選択ゲート電極23を挟む基板領域に形成されたソース領域36及びドレイン領域33とで構成されている。
選択ゲート電極23は、例えばポリシリコンより構成されており、半導体基板41の表面に、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を介して形成されている。また、選択ゲート電極23の側面には、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などの絶縁膜からなるサイドウォール40が形成されている。
【0042】
選択トランジスタTrsのソース領域36は、選択ゲート電極23側から順に形成された低濃度不純物領域34、高濃度不純物領域35から構成されている。また、選択トランジスタTrsのドレイン領域33は、選択ゲート電極23側から順に形成された低濃度不純物領域31、高濃度不純物領域30から構成され、高濃度不純物領域30は増幅トランジスタTraのソース領域32を構成する高濃度不純物領域30を兼ねる。
【0043】
以上のように、本実施形態例では、リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27、増幅トランジスタTraのドレイン領域38が高濃度不純物領域のみで構成されたシングルドレイン構造とされている。一方、増幅トランジスタTraのソース領域32、選択トランジスタTrsのソース領域36及びドレイン領域33が、高濃度不純物領域と、その高濃度不純物領域とゲート電極との間に形成された低濃度不純物領域で構成されたLDD構造とされている。
【0044】
[1−3 製造方法]
次に、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法について説明する。図5A〜図5Dは、本実施形態例の固体撮像装置1の画素トランジスタが形成される領域の製造方法を示す工程図である。
【0045】
まず、図5Aに示すように、半導体基板41の表面にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜37を形成し、そのゲート絶縁膜37上部にポリシリコン材料層を形成し、パターニングする。これにより、半導体基板41表面の所望の領域に、ゲート絶縁膜37を介して形成されたリセットゲート電極21、増幅ゲート電極22、選択ゲート電極23が形成される。
【0046】
次に、図5Bに示すように、半導体基板41の表面側に、増幅ゲート電極22のソース側(選択ゲート電極23のドレイン側)と、選択ゲート電極23のソース側を開口する開口部42aが形成されたレジストマスク42を形成する。図6に、半導体基板41上部にレジストマスク42を形成したときの平面構成図を示す。図6に示すように、増幅ゲート電極22のソース側におけるレジストマスク42の開口部42a端部の位置は、増幅ゲート電極22上部とされる。また、選択ゲート電極23のソース側におけるレジストマスク42の開口部42a端部の位置は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲むように形成された素子分離部24上部とされる。
【0047】
次に、レジストマスク42をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入する。これにより、増幅ゲート電極22のソース側、選択ゲート電極23のソース側及びドレイン側に、低濃度不純物領域29,31,34が形成される。ここで、これらの低濃度不純物領域29,31,34は、増幅ゲート電極22のソース側、選択ゲート電極23のドレイン側及びソース側の端部において、各ゲート電極をマスクとしたセルフアラインにより形成される。また、不純物が拡散するため、各低濃度不純物領域29,31,34は各ゲート電極下に少しオーバーフローするように形成される。
【0048】
次に、レジストマスク42を除去し、図5Cに示すように各ゲート電極の側面に絶縁膜からなるサイドウォール40を形成する。このサイドウォール40は、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、又はこれらの積層膜で構成することができる。
【0049】
次に、各画素トランジスタが形成される領域を開口する図示しないレジストマスクを形成した後、図5Dに示すように、n型の不純物を前工程で形成した低濃度不純物領域29,31,34よりも高濃度にイオン注入する。これにより、高濃度不純物領域26,28,30,35を形成する。これらの高濃度不純物領域26,28,30,35は、各ゲート電極のソース側及びドレイン側においてサイドウォール40をマスクとしたセルフアラインにより形成される。また、不純物が拡散するため、各高濃度不純物領域26,28,30,35は、各サイドウォール40下に少しオーバーフローするように形成される。
【0050】
その後、フォトダイオードPD等をイオン注入により形成し、本実施形態例の固体撮像装置1が形成される。また、図示を省略するが、転送トランジスタTrtについても、他の画素トランジスタと同様の工程で形成される。
【0051】
以上のように、LDD構造をなすソース領域及びドレイン領域では、サイドウォール下に形成された低濃度不純物領域と、ゲート電極から、低濃度不純物領域を挟んで離間した領域に形成された高濃度不純物領域が形成される。また、シングルドレイン構造をなすソース領域及びドレイン領域は、サイドウォール形成後のイオン注入によって形成される高濃度不純物領域のみで構成される。
【0052】
ところで、固体撮像装置1では増幅トランジスタTraで発生する周波数に比例した1/fノイズは、ゲート長を長くし、ゲート幅を大きくすることにより低減できる。
本実施形態例では、増幅トランジスタTraにおいて、ドレイン領域38が高濃度不純物領域28のみで構成されたシングルドレイン構造とされ、ソース領域32が、低濃度不純物領域29及び高濃度不純物領域30で構成されたLDD構造とされている。このため、ソース・ドレイン領域の両方がLDD構造とされた従来の増幅トランジスタのゲート長L(図23)に比較すると、増幅ゲート電極面積を同じとしたときに、本実施形態例における増幅トランジスタTraの実効ゲート長Leff(図4)が大きくなる。これにより、増幅ゲート電極22の大きさを変えることなく、ノイズ特性を改善することができる。
【0053】
図7に、増幅トランジスタTraのソース・ドレイン領域の構成をそれぞれ変えた場合の1/fノイズを比較した実験結果を示す。図7のAは、増幅トランジスタのソース・ドレイン領域を、どちらもLDD構造とした従来の構造における固体撮像装置の1/fノイズを調べたものである。また、図7のBは、ドレイン側をシングルドレイン構造とし、ソース側をLDD構造とした本実施形態例の構造における固体撮像装置1の1/fノイズを調べたものである。また、図7のCは、増幅トランジスタのソース・ドレイン領域をどちらもシングルドレイン構造とした場合における固体撮像装置の1/fノイズを調べたものである。
【0054】
従来の増幅トランジスタの1/fノイズを1としたとき、本実施形態例の増幅トランジスタTra(図7のB)では、1/fノイズを0.8に低減できた。一方、本実施形態例の固体撮像装置よりもさらにゲート長を長くするために、ソース領域、ドレイン領域をどちらもシングルドレイン構造とした場合(図7のC)における1/fノイズは、従来の増幅トランジスタよりも2倍以上に悪化した。増幅トランジスタで発生するノイズは、特に、ゲート−ソース間のポテンシャル変動が影響すると考えられる。図7のCでは、増幅トランジスタのソース側のサイドウォール下の界面準位やトラップによるポテンシャル変動に起因してノイズが増加したものと考えられる。したがって、増幅トランジスタTrsのソース側の低濃度不純物領域は必要であることがわかる。
【0055】
このように、本実施形態例では、増幅トランジスタのソース側をLDD構造とすることでソース近傍のポテンシャル変動に起因するランダムノイズが抑制される。さらに、増幅トランジスタのドレイン側をシングルドレイン構造とすることで実効ゲート長を大きくすることができ、1/fノイズ、及びRTS(Random Telegraph Signal)の低減を図ることができる。
【0056】
ところで、増幅トランジスタTraのドレイン領域38のみシングルドレイン構造を有するように形成する場合、低濃度不純物領域29を形成するためのレジストマスクのパターンが微細化する。これに対し、本実施形態例では、増幅ゲート電極22のドレイン側に配置されるリセットトランジスタTrrをシングルドレイン構造とし、増幅ゲート電極22のソース側に配置される選択トランジスタTrsをLDD構造とする構成を採る。したがって、低濃度不純物領域29を形成する際に用いるレジストマスク42は増幅ゲート電極22のドレイン側を被覆すると共にソース側を開口するパターンとすればよい。このため、増幅ゲート電極22のソース側にのみ低濃度不純物領域を形成する場合に比べレジストマスクのパターン形成が容易になり、加工が容易になる。
【0057】
また、本実施形態例の固体撮像装置1では、増幅トランジスタTrrのソース領域32を低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成したが、この高濃度不純物領域30は形成されなくてもよい。
以下に、本実施形態例の変形例として、増幅トランジスタTraのソース領域と選択トランジスタTrsとドレイン領域が低濃度不純物領域のみで形成される場合について説明する。
【0058】
図8は、変形例に係る固体撮像装置の断面構成図である。図8は、図3に示した平面構成のA−A線上に沿う断面構成に対応した図である。図8において、図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0059】
ここで示す変形例は、画素領域の縮小化により、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23との間隔が狭くなったときの構成例である。固体撮像装置では、増幅トランジスタTraのソース側が選択トランジスタTrsのドレイン側と接続されていればよく、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23間に電極が形成されることがない。したがって、画素領域の縮小化に伴う画素トランジスタ面積の縮小化では、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23との間隔を狭め、増幅トランジスタのゲート長を長くすることでノイズ特性を改善できる。
【0060】
しかしながら、図8に示すように、増幅ゲート電極22と選択ゲート電極23との間隔が狭くなることにより、互いのゲート電極に形成されるサイドウォール40によってゲート電極間が埋められることがある。このような場合、サイドウォール40の形成後にイオン注入によって形成される高濃度不純物領域が、増幅ゲート電極22のソース側と選択ゲート電極23のドレイン側に形成されない。
【0061】
したがって、変形例に係る固体撮像装置では、図8に示すように、増幅トランジスタTraのソース領域58と選択トランジスタTrsのドレイン領域59は、サイドウォール40形成前に形成する低濃度不純物領域60のみで構成されることとなる。
【0062】
このような変形例においても、増幅トランジスタTraのソース側を低濃度不純物領域60で形成することにより、増幅トランジスタTraのソース側のポテンシャル変動に起因するノイズを低減することができる。また、増幅トランジスタTraのドレイン側を高濃度不純物領域28のみで形成することによる実効ゲート長の拡大に起因する1/fノイズの低減が図られる。
【0063】
〈2.第2の実施形態:固体撮像装置〉
次に、本開示の第2の実施形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施形態例の固体撮像装置の全体構成は、図1と同様であるため、重複説明を省略する。また、本実施形態例の固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置1において選択トランジスタTrsが構成されない例である。したがって、画素2を構成する等価回路では、増幅トランジスタTraのソースが垂直信号線9に接続される。
【0064】
図9に、本実施形態例の単位画素の平面レイアウト図を示し、図10に、図9のB−B線上に沿う断面構成を示す。図9及び図10では、転送トランジスタの図示を省略している。図9及び図10において、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0065】
本実施形態例では、図3に示すように、フォトダイオードPDの一方の側にリセットトランジスタTrr、増幅トランジスタTraがこの順に連続して配置されている。
【0066】
本実施形態例においても、増幅トランジスタTraのソース領域32は増幅ゲート電極22側から順に形成された低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成される。また、増幅トランジスタTraのドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27を兼ねる高濃度不純物領域28で構成されている。
【0067】
また、リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27は、それぞれ高濃度不純物領域26,28のみで構成されている。すなわち、本実施形態例では、増幅トランジスタTraのソース領域32のみがLDD構造とされ、増幅トランジスタTraのドレイン領域38と、リセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27がシングルドレイン構造とされている。
【0068】
図11は、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。本実施形態例においても、各画素トランジスタのゲート電極を半導体基板41上部に形成した後、各ゲート電極を含む半導体基板41上部に、増幅ゲート電極22のソース側が開口される開口部43aを有するレジストマスク43を形成する。
【0069】
図12に、半導体基板41上にレジストマスク43を形成したこのとき平面構成図を示す。図12に示すように、増幅ゲート電極22のソース側におけるレジストマスク43の開口部43a端部の位置は、増幅ゲート電極22上部とされる。また、その他の開口部43a端部の位置は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲むように形成された素子分離部24上部とされる。
【0070】
そして、このレジストマスク43をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入することにより、増幅ゲート電極22のソース側に低濃度不純物領域29を形成する。このとき、増幅ゲート電極22側では、増幅ゲート電極22をマスクとしたセルフアラインで低濃度不純物領域29が形成される。
その後、図5C,図5Dと同様にして、サイドウォール40、高濃度不純物領域26,28,30を形成することにより、各画素トランジスタが形成される。
【0071】
本実施形態例においても、増幅トランジスタTraにおいて、そのソース領域32が低濃度不純物領域29及び高濃度不純物領域30からなるLDD構造とされ、ドレイン領域38が高濃度不純物領域28のみで構成されたシングルドレイン構造とされる。このため、増幅ゲート電極22の大きさを変えることなく、1/fノイズの低減が図られる。その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
ところで、低濃度不純物領域29を形成する際に用いるレジストマスク43は、開口部43aが微細化すると加工が難しくなる。したがって、レジストマスク43の開口面積が大きく採れる方が好ましい。図13に、本実施形態例の固体撮像装置において、レジストマスクの開口部の開口面積を拡大するためのレイアウトの一例を示す。
【0073】
図13に示すように、水平方向に隣接する2つの画素2において、それぞれの画素トランジスタの配置が対称となるように構成する。このようにすることで、隣接する2つの画素において、増幅トランジスタTraのソース領域32が隣り合う。したがって、図13に示すように、低濃度不純物領域29を形成する際に用いるレジストマスク44の開口部44aを2画素に渡って形成することができる。この結果、図12に示した画素毎に低濃度不純物領域29を形成する場合のレジストマスク43の開口部43aに比較して、レジストのパターン形成が容易になり、加工が容易になる。
【0074】
〈3.第3の実施形態:固体撮像装置〉
次に、本開示の第3の実施形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施形態例の固体撮像装置の全体構成は、図1と同様であるため、重複説明を省略する。また、本実施形態例の固体撮像装置は、第1の実施形態に係る固体撮像装置において画素毎に、増幅トランジスタが2つずつ構成される例である。したがって、画素を構成する等価回路では、フローティングディフュージョン部FDに増幅トランジスタが2つ接続され、各増幅トランジスタのソースが選択トランジスタのドレインに接続され、各増幅トランジスタのドレインがリセットトランジスタのドレインに接続される。
【0075】
図14に、本実施形態例の単位画素2の平面レイアウト図を示し、図15に、図14のC−C線上に沿う断面構成を示す。図14及び図15では、転送トランジスタの図示を省略している。図14及び図15において、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0076】
図14に示すように、本実施形態例では、フォトダイオードPDの一方の側にリセットトランジスタTrr、第1の増幅トランジスタTra−1、選択トランジスタTrs、第2の増幅トランジスタTra−2がこの順に連続して配置されている。
【0077】
第1の増幅トランジスタTra−1は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第1の増幅ゲート電極22aと、その第1の増幅ゲート電極22aを挟む領域に形成されたソース領域47、ドレイン領域38で構成される。第1の増幅トランジスタTra−1のソース領域47は、第1の増幅ゲート電極22a側から順に形成された低濃度不純物領域45、高濃度不純物領域46で構成される。また、ドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27を兼ねる高濃度不純物領域28で構成されている。
【0078】
第2の増幅トランジスタTra−2は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第2の増幅ゲート電極22bと、その第2の増幅ゲート電極22bを挟む領域に形成されたソース領域32、ドレイン領域48で構成される。第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域32は、第2の増幅ゲート電極22b側から順に形成された低濃度不純物領域29、高濃度不純物領域30で構成される。また、ドレイン領域48は高濃度不純物領域57のみで構成されている。
【0079】
そして、第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域32を構成する高濃度不純物領域30は、選択トランジスタTrsのドレイン領域33を構成する高濃度不純物領域30を兼ねる構成とされる。また、選択トランジスタTrsのソース領域36と第1の増幅トランジスタTra−2のソース領域47との間は、STIからなる素子分離部24により電気的に分離されている。
【0080】
本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース領域47,32、及び選択トランジスタTrsのソース領域36及びドレイン領域33がLDD構造とさる。また、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−bのドレイン領域38,48及びリセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27がシングルドレイン構造とされている。
【0081】
図16は、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。本実施形態例においても、各画素トランジスタのゲート電極を形成するまでの工程は、図5Aと同様であるから、説明を省略する。各ゲート電極を形成した後、図16に示すように、各ゲート電極を含む半導体基板41上部に所望の開口部49aを有するレジストマスク49を形成する。本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース側の領域、及び選択トランジスタTrsのソース側、ドレイン側の領域を開口するように開口部49aを形成する。
【0082】
図17に、半導体基板41上にレジストマスク49を形成した状態の平面構成図を示す。図17に示すように、第1の増幅ゲート電極22aのソース側におけるレジストマスク49の開口部49a端部の位置は、第1の増幅ゲート電極22a上部とされる。同様に、第2の増幅ゲート電極22bのソース側におけるレジストマスク49の開口部49a端部の位置は第2の増幅ゲート電極22b上部とされる。また、その他の開口部49a端部の位置は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲む素子分離部24上部とされる。
【0083】
そして、このレジストマスク49をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入する。これにより、第1の増幅ゲート電極22aのソース側、第2の増幅ゲート電極22bのソース側、及び選択ゲート電極23のソース側及びドレイン側に低濃度不純物領域45,29,34,31を形成する。このとき、それぞれの低濃度不純物領域は、各ゲート電極をマスクとしたセルフアラインで形成される。
その後、図5C,図5Dと同様にして、サイドウォール40、高濃度不純物領域26,28,46,35,30,57を形成することにより、各画素トランジスタが形成される。
【0084】
本実施形態例では、増幅トランジスタが画素毎に2つずつ並列に形成される。このため、増幅ゲート電極のゲート面積をそれほど縮小せずに、相互コンダクタンスgmの向上を図ることができる。また、2つずつ増幅トランジスタを並列に配置する場合、2つの増幅トランジスタのソース側が近接するように配置することで、低濃度不純物領域を形成するためのレジストマスクの開口部を大きく形成でき、加工が容易となる。
その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
〈4.第4の実施形態:固体撮像装置〉
次に、本開示の第4の実施形態に係る固体撮像装置について説明する。本実施形態例の固体撮像装置の全体構成は、図1と同様であるため、重複説明を省略する。また、本実施形態例の固体撮像装置は、第3の実施形態に係る固体撮像装置において選択トランジスタが構成されない例である。したがって、画素を構成する等価回路では、フローティングディフュージョン部FDに増幅トランジスタが2つ接続され、かつ、各増幅トランジスタのソースが垂直信号線9に接続され、各増幅トランジスタのドレインがリセットトランジスタのドレインに接続される。
【0086】
図18に、本実施形態例の単位画素2の平面レイアウト図を示し、図19に、図18のD−D線上に沿う断面構成を示す。図18及び図19では、転送トランジスタの図示を省略している。図18及び図19において、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0087】
図18に示すように、本実施形態例における各画素2では、フォトダイオードPDの一方の側にリセットトランジスタTrr、第1の増幅トランジスタTra−1、第2の増幅トランジスタTra−2がこの順に連続して配置されている。
【0088】
本実施形態例では、第1の増幅トランジスタTra−1は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第1の増幅ゲート電極22aと、その第1の増幅ゲート電極22aを挟む領域に形成されたソース領域53、ドレイン領域38で構成される。第1の増幅トランジスタTra−1のソース領域53は、第1の増幅ゲート電極22a側から順に形成された低濃度不純物領域50、高濃度不純物領域51で構成される。また、ドレイン領域38は、リセットトランジスタTrrのドレイン領域27を兼ねる高濃度不純物領域28で構成されている。
【0089】
第2の増幅トランジスタTra−2は、半導体基板41上部にゲート絶縁膜37を介して形成された第2の増幅ゲート電極22bと、その第2の増幅ゲート電極22bを挟む領域に形成されたソース領域54、ドレイン領域55で構成される。第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域54は、第2の増幅ゲート電極22b側から順に形成された低濃度不純物領域52、高濃度不純物領域51で構成され、ドレイン領域55は高濃度不純物領域61のみで構成されている。
そして、第2の増幅トランジスタTra−2のソース領域54を構成する高濃度不純物領域51は、第1の増幅トランジスタTra−1のソース領域53を構成する高濃度不純物領域51を兼ねる構成とされる。
【0090】
本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース領域53,54がLDD構造とされる。一方、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のドレイン領域38,55及びリセットトランジスタTrrのソース領域25及びドレイン領域27がシングルドレイン構造とされている。
【0091】
図20は、本実施形態例の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。本実施形態例においても、各画素トランジスタのゲート電極を形成するまでの工程は、図5Aと同様であるから、説明を省略する。各ゲート電極を形成した後、図20に示すように、各ゲート電極を含む半導体基板41上部に所望の開口部56aを有するレジストマスク56を形成する。本実施形態例では、第1及び第2の増幅トランジスタTra−1,Tra−2のソース領域53,54を開口するように開口部56aを形成する。
【0092】
図21に、半導体基板41上にレジストマスク56を形成したときの平面構成図を示す。図21に示すように、第1の増幅ゲート電極22aのソース側におけるレジストマスク56の開口部56a端部の位置は、第1の増幅ゲート電極22a上部とされる。同様に、第2の増幅ゲート電極22bのソース側におけるレジストマスク56の開口部56a端部の位置は第2の増幅ゲート電極22b上部とされる。また、その他の開口部56a端部は、画素トランジスタのアクティブ領域39を囲むように形成された素子分離部24上部に位置するように形成される。
【0093】
そして、このレジストマスク56をマスクとしてn型の不純物を低濃度にイオン注入することにより、第1の増幅ゲート電極22aのソース側、第2の増幅ゲート電極22bのソース側に低濃度不純物領域50,52を形成する。このとき、第1及び第2の増幅ゲート電極22a,22b側では、各増幅ゲート電極をマスクとしたセルフアラインで低濃度不純物領域50,52が形成される。
その後、図5C及び図5Dと同様にして、サイドウォール40、高濃度不純物領域26,28,51,61を形成することにより、各画素トランジスタが形成される。
【0094】
本実施形態例では、増幅トランジスタが画素毎に2つずつ並列に形成される。このため、増幅ゲート電極のゲート面積をそれほど縮小せずに、相互コンダクタンスgmの向上を図ることができる。また、2つずつ増幅トランジスタを並列に配置する場合、2つの増幅トランジスタのソース側が近接するように配置することで、低濃度不純物領域を形成するためのレジストマスクの開口部を大きく形成でき、加工が容易となる。
その他、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
上述した第1〜第4の実施形態では、画素トランジスタとして、nチャネル型のMOSトランジスタを例に説明したが、pチャネル型のMOSトランジスタを構成する例としてもよい。pチャネル型のMOSトランジスタとする場合には、本開示において、p型不純物領域とn型不純物領域の導電型を入れ替えた構成とすればよい。
【0096】
本開示は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置にも適用可能である。また、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像装置(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
【0097】
さらに、本開示は、画素部の各単位画素を行単位で順に走査して各単位画素から画素信号を読み出す固体撮像装置に限られるものではない。画素単位で任意の画素を選択して、当該選択画素から画素単位で信号を読み出すX−Yアドレス型の固体撮像装置に対しても適用可能である。
なお、固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、画素部と、信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
【0098】
また、本開示は、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、撮像装置にも適用可能である。ここで、撮像装置とは、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のカメラシステムや、携帯電話機などの撮像機能を有する電子機器のことを言う。なお、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ちカメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
【0099】
〈5.第5の実施形態:電子機器〉
次に、本開示の第5の実施形態に係る電子機器について説明する。図22は、本開示の第5の実施形態に係る電子機器200の概略構成図である。
【0100】
本実施形態に係る電子機器200は、固体撮像装置1と、光学レンズ210と、シャッタ装置211と、駆動回路212と、信号処理回路213とを有する。本実施形態例の電子機器200は、固体撮像装置1として上述した本開示の第1の実施形態における固体撮像装置1を電子機器(カメラ)に用いた場合の実施形態を示す。
【0101】
光学レンズ210は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置1の撮像面上に結像させる。これにより固体撮像装置1内に一定期間当該信号電荷が蓄積される。
シャッタ装置211は、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御する。
駆動回路212は、固体撮像装置1の転送動作およびシャッタ装置211のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路212から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置1の信号転送を行う。信号処理回路213は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリなどの記憶媒体に記憶され、あるいはモニタに出力される。
【0102】
本実施形態例の電子機器200では、固体撮像装置1においてOB画素領域におけるノイズの低減が図られるため、画質の向上が図られる。
【0103】
固体撮像装置1を適用できる電子機器200としては、カメラに限られるものではなく、携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールなどの撮像装置に適用可能である。また、本実施形態例では、電子機器200を構成する固体撮像装置として、第1の実施形態に係る固体撮像装置1を適用したが、その他、第2〜第4の実施形態に係る固体撮像装置を適用することもできる。
【0104】
以上、本開示の固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法、及び電子機器について説明したが、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、種々の組み合わせが可能である。
【0105】
本開示は以下の構成をとることもできる。
(1)
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、
前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、
を備える固体撮像装置。
【0106】
(2)
前記増幅ゲート電極のソース側では、前記低濃度不純物領域に連続する基板領域であって、前記増幅ゲート電極から離間した基板領域に、前記低濃度不純物領域よりも高い不純物濃度で構成された高濃度不純物領域が形成されている
(1)記載の固体撮像装置。
【0107】
(3)
前記画素トランジスタのうち、リセットトランジスタは、基板上に形成されたリセットゲート電極と、前記リセットゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域とで構成される
(1)又は(2)に記載の固体撮像装置。
【0108】
(4)
前記画素トランジスタのうち、選択トランジスタは、基板上に形成された選択ゲート電極と、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側に形成されたそれぞれの高濃度不純物領域と前記選択ゲート電極との間の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される
(1)〜(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【0109】
(5)
前記増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は、前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
(1)〜(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【0110】
(6)
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
(1)〜(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
【0111】
(7)
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は他方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
(1)〜(4)に記載の固体撮像装置。
【0112】
(8)
入射した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタからなる複数の画素を備える固体撮像装置の製造方法において、
基板上に、前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極を形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタのうち、少なくとも、増幅トランジスタを構成する増幅ゲート電極のソース側の基板領域を開口し、ドレイン側の基板領域を被覆するレジストマスクを形成する工程と、
前記レジストマスクを介して前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
前記レジストマスクを除去し、前記ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に、前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、前記低濃度不純物拡散領域よりも高い不純物領域からなる高濃度不純物領域を形成する工程と、
を含む
固体撮像装置の製造方法。
【0113】
(9)
前記レジストマスクは、リセットトランジスタのソース側及びドレイン側を被覆するように形成する
(8)に記載の固体撮像装置の製造方法。
【0114】
(10)
前記レジストマスクは、選択トランジスタのソース側及びドレイン側を開口するように形成する
(8)又は(9)に記載の固体撮像装置の製造方法。
【0115】
(11)
光学レンズと、
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、を備える固体撮像装置であって、前記光学レンズに集光された光が入射される固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される出力信号を処理する信号処理回路と、
を含む電子機器。
【符号の説明】
【0116】
1・・・固体撮像装置、2・・・画素、3・・・画素領域、4・・・垂直駆動回路、5・・・カラム信号処理回路、6・・・水平駆動回路、7・・・出力回路、8・・・制御回路、9・・・垂直信号線、10・・・水平信号線、11・・・基板、20・・・転送ゲート電極、21・・・リセットゲート電極、22・・・増幅ゲート電極、22a・・・第1の増幅ゲート電極、22b・・・第2の増幅ゲート電極、23・・・選択ゲート電極、24・・・素子分離部、25,32,36,47,53,54・・・ソース領域、26,28,30,35,46,51,57,61・・・高濃度不純物領域、27,33,48,55,59・・・ドレイン領域、29,31,34,45,50,52,60・・・低濃度不純物領域、37・・・ゲート絶縁膜、39・・・アクティブ領域、40・・・サイドウォール、41・・・半導体基板、200・・・電子機器、210・・・光学レンズ、211・・・シャッタ装置、212・・・駆動回路、213・・・信号処理回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、
前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、
を備える固体撮像装置。
【請求項2】
前記増幅ゲート電極のソース側では、前記低濃度不純物領域に連続する基板領域であって、前記増幅ゲート電極から離間した基板領域に、前記低濃度不純物領域よりも高い不純物濃度で構成された高濃度不純物領域が形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記画素トランジスタのうち、リセットトランジスタは、基板上に形成されたリセットゲート電極と、前記リセットゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域とで構成される
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素トランジスタのうち、選択トランジスタは、基板上に形成された選択ゲート電極と、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側に形成されたそれぞれの高濃度不純物領域と前記選択ゲート電極との間の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される
請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は、前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
請求項5に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は他方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
入射した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタからなる複数の画素を備える固体撮像装置の製造方法において、
基板上に、前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極を形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタのうち、少なくとも、増幅トランジスタを構成する増幅ゲート電極のソース側の基板領域を開口し、ドレイン側の基板領域を被覆するレジストマスクを形成する工程と、
前記レジストマスクを介して前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
前記レジストマスクを除去し、前記ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に、前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、前記低濃度不純物拡散領域よりも高い不純物領域からなる高濃度不純物領域を形成する工程と、
を含む
固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記レジストマスクは、リセットトランジスタのソース側及びドレイン側を被覆するように形成する
請求項8に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記レジストマスクは、選択トランジスタのソース側及びドレイン側を開口するように形成する
請求項9に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
光学レンズと、
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、を備える固体撮像装置であって、前記光学レンズに集光された光が入射される固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される出力信号を処理する信号処理回路と、
を含む電子機器。
【請求項1】
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、
前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、
を備える固体撮像装置。
【請求項2】
前記増幅ゲート電極のソース側では、前記低濃度不純物領域に連続する基板領域であって、前記増幅ゲート電極から離間した基板領域に、前記低濃度不純物領域よりも高い不純物濃度で構成された高濃度不純物領域が形成されている
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記画素トランジスタのうち、リセットトランジスタは、基板上に形成されたリセットゲート電極と、前記リセットゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域とで構成される
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素トランジスタのうち、選択トランジスタは、基板上に形成された選択ゲート電極と、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記選択ゲート電極のソース側及びドレイン側に形成されたそれぞれの高濃度不純物領域と前記選択ゲート電極との間の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される
請求項3に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は、前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は前記選択トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
請求項5に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記増幅トランジスタは、画素毎に2つずつ設けられ、2つの増幅トランジスタのうち、一方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域は他方の増幅トランジスタのソース側の高濃度不純物領域を兼ね、他方の増幅トランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域は、前記リセットトランジスタのドレイン側の高濃度不純物領域を兼ねる
請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
入射した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタからなる複数の画素を備える固体撮像装置の製造方法において、
基板上に、前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極を形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタのうち、少なくとも、増幅トランジスタを構成する増幅ゲート電極のソース側の基板領域を開口し、ドレイン側の基板領域を被覆するレジストマスクを形成する工程と、
前記レジストマスクを介して前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、低濃度不純物拡散領域を形成する工程と、
前記レジストマスクを除去し、前記ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程と、
前記複数の画素トランジスタを構成するゲート電極のソース側及びドレイン側の基板領域に、前記基板と逆導電型の不純物をイオン注入し、前記低濃度不純物拡散領域よりも高い不純物領域からなる高濃度不純物領域を形成する工程と、
を含む
固体撮像装置の製造方法。
【請求項9】
前記レジストマスクは、リセットトランジスタのソース側及びドレイン側を被覆するように形成する
請求項8に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項10】
前記レジストマスクは、選択トランジスタのソース側及びドレイン側を開口するように形成する
請求項9に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
光学レンズと、
受光した光の光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部と、前記光電変換部で生成された信号電荷を読み出す複数の画素トランジスタであって、基板上に形成された増幅ゲート電極と、前記増幅ゲート電極のドレイン側の基板領域に形成された高濃度不純物領域と、該高濃度不純物領域よりも低い不純物濃度で構成され、前記増幅ゲート電極のソース側の基板領域に形成された低濃度不純物領域とで構成される増幅トランジスタを含む画素トランジスタと、を備える固体撮像装置であって、前記光学レンズに集光された光が入射される固体撮像装置と、
前記固体撮像装置から出力される出力信号を処理する信号処理回路と、
を含む電子機器。
【図1】
【図4】
【図5】
【図23】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図4】
【図5】
【図23】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−45878(P2013−45878A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182429(P2011−182429)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]