説明

圧力補償弁を備えた流量制御弁

【課題】
油圧アクチュエータの操作性の向上。
【解決手段】
圧力補償弁5と切換弁2とリリーフバルブ21を備えている。圧力補償弁5は、補償圧管路14が設定圧より小さいときに負荷圧管路13と補償圧管路14との間の可変オリフィスを広げ、補償圧管路14が設定圧より大きいときにその可変オリフィスを絞る。切換弁2は、補償圧管路14の作動油をドレンするメータアウト側動作と、補償圧管路14の作動油をドレンしない中立動作とに外部操作により切り換える。負荷圧管路13は、アクチュエータ4に供給される作動油を導いている。リリーフバルブ21は、補償圧管路14がこのリリーフバルブ21の設定圧より大きいときに補償圧管路14の作動油をドレンし、補償圧管路14がその設定圧より小さいときにその作動油をドレンしない。このような流量制御弁1によれば、補償圧管路14からドレンされる作動油の流量が適正に制御され、アクチュエータ4のメータアウト操作時のフィーリングが悪化することが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御弁に関し、特に、油圧アクチュエータに与える油圧を制御する流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧を用いて荷物を掬うフォークを駆動するフォークリフトが知られている。そのフォークリフトは、荷物を掬うフォークを駆動するリフトシリンダが流量制御弁とともに設けられている。図5は、公知の流量制御弁を示している。その流量制御弁101は、方向切換弁102とチェック弁103とを備えている。流量制御弁101は、さらに、作動油を導いて油圧を伝達する複数の管路を備えている。その複数の管路は、ポンプ圧管路111とポンプ圧管路112と負荷圧管路113とドレン管路115とから形成される。
【0003】
ポンプ圧管路111は、方向切換弁102と図示されていないポンプとを接続し、そのポンプにより供給される作動油を導いている。ポンプ圧管路112は、方向切換弁102とチェック弁103とを接続している。負荷圧管路113は、チェック弁103とリフトシリンダ104と方向切換弁102とを接続している。ドレン管路115は、方向切換弁102とタンク106とを接続し、ドレン管路115の油圧は、概ね0である。
【0004】
チェック弁103は、負荷圧管路113からポンプ圧管路112に作動油が流れることを防止している。すなわち、チェック弁103は、ポンプ圧管路112の油圧が負荷圧管路113の油圧より大きいときにポンプ圧管路112を負荷圧管路113に接続し、負荷圧管路113の油圧がポンプ圧管路112の油圧より大きいときにポンプ圧管路112を負荷圧管路113に接続しない。
【0005】
リフトシリンダ104は、フォークリフトのフォークを昇降させるアクチュエータである。すなわち、リフトシリンダ104は、作動油が負荷圧管路113から供給されるときにフォークリフトのフォークを上昇させ、作動油が負荷圧管路113に排出されるときにフォークリフトのフォークを下降させる。このとき、負荷圧管路113の油圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。
【0006】
方向切換弁102は、中立位置とメータイン側位置とメータアウト側位置とのうちの1つの位置をとることができる。すなわち、方向切換弁102は、ユーザに操作されて、中立位置からメータイン側位置に切り換えられ、中立位置からメータアウト側位置に切り換えられ、メータイン側位置から中立位置に切り換えられ、メータアウト側位置から中立位置に切り換えられる。
【0007】
方向切換弁102は、メータイン側位置のときに、ポンプ圧管路111をポンプ圧管路112に接続し、負荷圧管路113を閉じ、ドレン管路115を閉じる。方向切換弁102は、メータアウト側位置のときに、ポンプ圧管路111を閉じ、ポンプ圧管路112を閉じ、負荷圧管路113をドレン管路115に接続する。方向切換弁102は、中立位置のときに、ポンプ圧管路111を閉じ、ポンプ圧管路112を閉じ、負荷圧管路113を閉じ、ドレン管路115を閉じる。
【0008】
タンク106は、ドレン管路115を流れる作動油を貯留している。タンク106に貯留される作動油は、図示されていないポンプによりポンプ圧管路111に供給される。
【0009】
流量制御弁101の動作は、メータイン動作と中立動作とメータアウト動作とを備えている。メータイン動作は、ユーザの操作により方向切換弁102が中立位置からメータイン位置に切り換えられたときの動作である。中立動作は、ユーザの操作により方向切換弁102がメータイン位置またはメータアウト位置から中立位置に切り換えられたときの動作である。メータアウト動作は、ユーザの操作により方向切換弁102が中立位置からメータアウト位置に切り換えられたときの動作である。
【0010】
メータイン動作では、作動油がポンプ圧管路111から方向切換弁102とポンプ圧管路112とチェック弁103と負荷圧管路113とを介してリフトシリンダ104に供給される。リフトシリンダ104は、作動油が供給されたときに、フォークを上昇させる。
【0011】
中立動作では、切換弁102がポンプ圧管路111とポンプ圧管路112の接続を閉じ、負荷圧管路113とドレン管路115の接続を閉じるので、リフトシリンダ104の作動油は供給も排出もされないのでフォークの昇降は停止する。このとき、負荷圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。
【0012】
メータアウト動作では、作動油がリフトシリンダ104から負荷圧管路113と方向切換弁102とを介してドレン管路115に排出される。リフトシリンダ104は、作動油が排出されたときに、フォークを下降させる。
【0013】
作動油は、方向切換弁102の操作量が同じでも、負荷圧管路113の油圧が高いほど速く負荷圧管路113からドレン管路115に流れる。すなわち、流量制御弁101が適用されるフォークリフトは、操作量が同じでも、掬われている荷物が重いほどフォークが速く下降する。フォークの操作性がよりよいフォークリフトが望まれている。
【0014】
特開平08−100804号公報には、ピストン等を交換せずにリリーフ弁のセット圧力を変化するのみで良い圧力補償弁が開示されている。その圧力補償弁は、入口ポートと出口ポートを開閉するバルブと、受圧室内の負荷圧力でバルブを閉じ方向に押すピストンと、前記入口ポートに細孔を介して連通してバルブを閉じ方向に押す中間受圧室と、前記中間受圧室内の圧油を細孔を経て出口ポートにリリーフ作動するセット圧力可変式のリリーフ弁より構成としたことを特徴としている。
【0015】
【特許文献1】特開平08−100804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、油圧アクチュエータの操作性の向上を図る流量制御弁を提供することにある。
本発明の他の課題は、油圧アクチュエータの負荷による影響を低減する流量制御弁を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、油圧アクチュエータの動作のハンチングを低減する流量制御弁を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、油圧アクチュエータの動作のショックを低減する流量制御弁を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、フォークの操作性の向上を図るフォークリフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0018】
本発明による流量制御弁(1)(61)(81)は、圧力補償弁(5)(65)(85)と切換弁(2)(62)(82)とを備えている。圧力補償弁(5)(65)(85)は、補償圧管路(14)(74)(94)の圧力が設定圧より小さいときに負荷圧管路(13)(73)(93)と補償圧管路(14)(74)(94)との間の可変オリフィスを広げ、補償圧管路(14)(74)(94)の圧力が設定圧より大きいときにその可変オリフィスを絞る。切換弁(2)(62)(82)は、補償圧管路(14)(74)(94)の作動流体をドレンするメータアウト側動作と、補償圧管路(14)(74)(94)の作動流体をドレンしない中立動作とに外部操作により切り換えられる。負荷圧管路(13)(73)(93)は、アクチュエータ(4)(64)(84)に供給される作動流体を導いている。
【0019】
このとき、負荷圧管路(13)(73)(93)の圧力は、アクチュエータ(4)(64)(84)にかかる負荷に応じて変化し、その負荷が大きいほど大きい。流量制御弁(1)(61)(81)は、補償圧管路(14)(74)(94)の圧力をほぼ一定に制御することができる。このような流量制御弁(1)(61)(81)によれば、補償圧管路(14)(74)(94)からドレンされる作動流体の流量がアクチュエータ(4)(64)(84)にかかる負荷により増減されることが低減され、アクチュエータ(4)(64)(84)の動作速度がアクチュエータ(4)(64)(84)にかかる負荷により増減されることが低減される。
【0020】
本発明による流量制御弁(1)(61)は、リリーフバルブ(21)(68)を更に備えている。リリーフバルブ(21)(68)は、補償圧管路(14)(74)の圧力がこのリリーフバルブ(21)(68)の設定圧より大きいときに補償圧管路(14)(74)の作動流体をドレンし、補償圧管路(14)(74)の圧力がその設定圧より小さいときに補償圧管路(14)(74))の作動流体をドレンしない。圧力補償弁(5)(65)は、負荷圧管路(13)(73)と補償圧管路(14)(74)との接続を閉じているときでも、その意図に反して作動流体を負荷圧管路(13)(73)から補償圧管路(14)(74)に時間と共に徐々にリークしてしまう。このため、補償圧管路(14)(74)の圧力は、時間と共に徐々に昇圧する。リリーフバルブ(21)(68)は、このような昇圧を防止する。このため、このような流量制御弁(1)(61)によれば、切換弁(2)(62)が中立動作からメータアウト側動作に切り換えられるときに、作動流体が補償圧管路(14)(74)からドレン管路に急激に流れることが防止され、アクチュエータ(4)(64)の動作にショックやハンチングが発生することが防止される。
【0021】
切換弁(2)(62)(82)は、アクチュエータ(4)(64)(84)を駆動するためにポンプ圧管路(11)(71)(91)からの作動流体を負荷圧管路(13)(73)(93)に供給するメータイン側動作に更に外部操作により切り換えられる方向切換弁(2)(62)(82)であることが好ましい。
【0022】
リリーフバルブ(21)(68)は、切換弁(2)(62)がメータイン側動作のときに、補償圧管路(14)(74)に接続されない。
【0023】
切換弁(2)は、第1スプール室(31)と第1スプール室(31)に摺動可能に挿入される第1スプール(32)とから形成され、リリーフバルブ(21)は、第1スプール(32)に形成される第2スプール室(41)と第2スプール室(41)に摺動可能に挿入される第2スプール(42)とから形成される。このような切換弁(2)とリリーフバルブ(21)とは、構造が簡単であり、省スペースな点で好ましい。
【0024】
本発明による流量制御弁(61)は、他の切換弁(67)を更に備えている。その切換弁(67)は、切換弁(62)が中立動作およびメータアウト側動作のときに補償圧管路(74)をリリーフバルブ(68)に接続し、切換弁(62)がメータイン側動作のときに補償圧管路(74)をリリーフバルブ(68)に接続しない。
【0025】
本発明によるフォークリフトは、本発明による流量制御弁(1)(61)(81)と、荷物を掬うフォークとを備えていることが好ましい。そのフォークは、アクチュエータ(4)(64)(84)により駆動する。
【発明の効果】
【0026】
本発明による流量制御弁は、油圧アクチュエータの操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図面を参照して、本発明によるフォークリフトの実施の形態を記載する。そのフォークリフトは、荷物を掬うフォークを駆動するリフトシリンダが流量制御弁とともに設けられている。その流量制御弁1は、図1に示されているように、方向切換弁2とチェック弁3と圧力補償弁5とを備えている。流量制御弁1は、さらに、作動油を導いて油圧を伝達する複数の管路を備えている。その複数の管路は、ポンプ圧管路11とポンプ圧管路12と負荷圧管路13と補償圧管路14とドレン管路15とから形成される。
【0028】
ポンプ圧管路11は、方向切換弁2と図示されていないポンプとを接続し、そのポンプにより供給される作動油を導いている。ポンプ圧管路12は、方向切換弁2とチェック弁3とを接続している。負荷圧管路13は、チェック弁3とリフトシリンダ4と圧力補償弁5とを接続している。補償圧管路14は、圧力補償弁5と方向切換弁2とを接続している。ドレン管路15は、方向切換弁2とタンク6とを接続し、ドレン管路15の油圧は、概ね0である。
【0029】
チェック弁3は、負荷圧管路13からポンプ圧管路12に作動油が流れることを防止している。すなわち、チェック弁3は、ポンプ圧管路12の油圧が負荷圧管路13の油圧より大きいときにポンプ圧管路12を負荷圧管路13に接続し、負荷圧管路13の油圧がポンプ圧管路12の油圧より大きいときにポンプ圧管路12を負荷圧管路13に接続しない。なお、チェック弁3は、流量制御弁1から省略することもできる。
【0030】
リフトシリンダ4は、本発明によるフォークリフトのフォークを昇降させるアクチュエータである。すなわち、リフトシリンダ4は、作動油が負荷圧管路13から供給されるときにフォークリフトのフォークを上昇させ、作動油が負荷圧管路13に排出されるときにフォークリフトのフォークを下降させる。このとき、負荷圧管路13の油圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。
【0031】
圧力補償弁5は、設定圧が設定され、補償圧管路14の油圧をその設定圧になるように制御している。すなわち、圧力補償弁5は、補償圧管路14の油圧がその設定圧より小さいときに負荷圧管路13と補償圧管路14の間の可変オリフィスの開口面積を広げ、補償圧管路14の油圧がその設定圧より大きいときにその可変オリフィスの開口面積を絞る。
【0032】
方向切換弁2は、リリーフバルブ21と入口側管路22と出口側管路23とを備えている。リリーフバルブ21は、設定圧が設定され、管路22の油圧がその設定圧より大きくならないように制御している。リリーフバルブ21の設定圧は、圧力補償弁5の設定圧より大きい。すなわち、リリーフバルブ21は、入口側管路22の油圧がその設定圧より大きいときに管路22を出口側管路23に接続し、入口側管路22の油圧がその設定圧より小さいときに管路22を出口側管路23に接続しない。
【0033】
方向切換弁2は、中立位置とメータイン側位置とメータアウト側位置とのうちの1つの位置をとることができる。すなわち、方向切換弁2は、ユーザに操作されて、中立位置からメータイン側位置に切り換えられ、中立位置からメータアウト側位置に切り換えられ、メータイン側位置から中立位置に切り換えられ、メータアウト側位置から中立位置に切り換えられる。
【0034】
方向切換弁2は、メータイン側位置のときに、ポンプ圧管路11をポンプ圧管路12に接続し、補償圧管路14を閉じ、ドレン管路15を閉じる。方向切換弁2は、メータアウト側位置のときに、ポンプ圧管路11を閉じ、ポンプ圧管路12を閉じ、補償圧管路14をドレン管路15に接続する。
【0035】
方向切換弁2は、中立位置のときに、ポンプ圧管路11を閉じ、ポンプ圧管路12を閉じ、補償圧管路14を入口側管路22に接続し、管路23をドレン管路15に接続する。すなわち、方向切換弁2は、中立位置のときに、補償圧管路14の油圧をリリーフバルブ21に設定される設定圧より大きくならないように制御している。
【0036】
なお、方向切換弁2は、メータアウト側位置のときに、補償圧管路14を入口側管路22に接続し、管路23をドレン管路15に接続することもできる。すなわち、方向切換弁2は、メータアウト側位置のときに、補償圧管路14の油圧をリリーフバルブ21に設定される設定圧より大きくならないように制御することもできる。
【0037】
タンク6は、ドレン管路15を流れる作動油を貯留している。タンク6に貯留される作動油は、図示されていないポンプによりポンプ圧管路11に供給される。
【0038】
図2は、流量制御弁1を備える流量制御弁本体を示している。その流量制御弁本体30は、方向切換弁2を形成するスプール室31とスプール32とを備えている。すなわち、スプール室31は、円筒形の滑り面を形成している。スプール32は、スプール室31の滑り面に内接するように配置され、方向Aと平行な方向に滑り運動可能に挿入されている。流量制御弁本体30は、スプール室31に、ポンプ圧室33と負荷圧室34と補償圧室35とドレン室36とが形成されている。ポンプ圧室33は、ポンプ圧管路11に接続されている。ドレン室36は、ドレン管路15に接続されている。
【0039】
スプール32は、方向Aと平行な方向に滑り運動することにより、中立位置とメータイン位置とメータアウト位置とのうちのいずれかに配置される。すなわち、スプール32は、中立位置から方向Aに移動することによりメータイン位置に配置され、中立位置から方向Aの反対方向に移動することによりメータアウト位置に配置される。スプール32は、作業者により操作されるレバーにリンク機構などを介して機械的に接合され、そのレバーの操作量に比例して方向Aと平行な方向に移動する。
なお、スプール32は、他の移動機構により移動する他のスプールに置換されることもできる。そのスプールの移動機構としては、電気油圧パイロット式機構が例示される。その電気油圧パイロット式機構は、ポテンショとソレノイドバルブとをさらに備えている。そのポテンショは、作業者が操作するレバーの操作量を検知して、その操作量に応じた電流を直接そのソレノイドバルブに出力し、または、その電流を図示されていない制御装置を介してそのソレノイドバルブに出力する。そのソレノイドバルブは、その電流に応じたパイロット圧の作動油を発生させる。方向切換弁2のスプール32は、そのパイロット圧の作動油により押されて直接操作される。
【0040】
スプール室31とスプール32とは、可変オリフィス37と可変オリフィス38とが形成されている。可変オリフィス37は、スプール32が中立位置またはメータアウト位置に配置されるときに、ポンプ圧室33と負荷圧室34との接続を閉じ、スプール32がメータイン位置に配置されるときにポンプ圧室33を負荷圧室34に接続する。可変オリフィス37のオリフィス面積は、スプール32がメータイン位置に配置されるときに、スプール32が方向Aに移動するほど大きくなる。
【0041】
可変オリフィス38は、スプール32が中立位置またはメータイン位置に配置されるときに補償圧室35とドレン室36との接続を閉じ、スプール32がメータアウト位置に配置されるときに、補償圧室35をドレン室36に接続する。可変オリフィス38のオリフィス面積は、スプール32がメータアウト位置に配置されるときに、スプール32が方向Aの反対方向に移動するほど大きくなる。
【0042】
スプール32は、リリーフバルブ21を形成するスプール室41とスプール42とスプリング43とを備えている。スプール室41は、円筒形の滑り面を形成している。スプール42は、スプール室41の滑り面に内接するように配置され、方向Aと平行な方向に滑り運動可能に挿入されている。スプリング43は、スプール42を方向Aの反対方向に押している。スプール32は、スプール42とスプール室41との間に圧力室44が形成されている。
圧力室44の作動油は、その油圧でスプール42を方向Aに押している。すなわち、スプール42は、圧力室44の油圧がスプリング43により設定される設定圧より大きいときに、方向Aに移動する。
【0043】
スプール32は、さらに、穴45と穴46とが形成されている。穴45は、圧力室44に接続されている。穴45は、さらに、スプール32がメータイン位置に配置されるときに補償圧室35に接続されないで、スプール32が中立位置またはメータアウト位置に配置されるときに、補償圧室35に接続される。
【0044】
穴46は、ドレン室36に接続されている。穴46は、さらに、スプール42が方向Aに移動するときに、すなわち、圧力室44の油圧が設定圧より大きいときに圧力室44に接続され、スプール42が移動しないときに、すなわち、圧力室44の油圧が設定圧より小さいときに圧力室44に接続されない。
【0045】
流量制御弁本体30は、さらに、圧力補償弁5を形成するスプール室52とスプール51とスプリング53とを備えている。すなわち、スプール室52は、円筒形の滑り面を形成している。スプール51は、スプール室52の滑り面に内接するように配置され、方向Aと平行な方向に滑り運動可能に挿入されている。スプリング53は、スプール52を方向Aの反対方向に押している。
【0046】
流量制御弁本体30は、スプール室52に負荷圧室54と補償圧室55と圧力室56とが形成されている。負荷圧室54は、負荷圧管路13に接続されている。補償圧室55は、補償圧室35に接続されている。スプール51は、穴57が形成されている。穴57は、補償圧室55と圧力室56とを接続している。圧力室56の作動油は、その油圧でスプール52を方向Aに押している。
【0047】
スプール室52とスプール51とは、可変オリフィス58が形成されている。可変オリフィス58は、スプール52が方向Aに移動したときに負荷圧室54と補償圧室55との間の開口面積を絞るかもしくは閉じ、スプール52が方向Aの反対方向に移動したときにその開口面積を広げる。
【0048】
流量制御弁1の動作は、メータイン動作と中立動作とメータアウト動作とを備えている。メータイン動作は、ユーザの操作により方向切換弁2が中立位置からメータイン位置に切り換えられたときの動作である。中立動作は、ユーザの操作により方向切換弁2がメータイン位置またはメータアウト位置から中立位置に切り換えられたときの動作である。メータアウト動作は、ユーザの操作により方向切換弁2が中立位置からメータアウト位置に切り換えられたときの動作である。
【0049】
メータイン動作では、作動油がポンプ圧管路11から方向切換弁2とポンプ圧管路12とチェック弁3と負荷圧管路13とを介してリフトシリンダ4に供給される。リフトシリンダ4は、作動油が供給されたときに、フォークを上昇させる。
【0050】
中立動作では、リフトシリンダ4への作動油が供給されることも排出されることもないので、フォークの昇降が停止する。その負荷圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。負荷圧管路13の作動油は、圧力補償弁5を介して補償圧管路14に供給される。圧力補償弁5は、補償圧管路14の油圧が圧力補償弁5の設定圧まで昇圧されたときに、負荷圧管路13と補償圧管路14との接続を閉じて補償圧管路14の油圧を設定圧以上になることを防止する。
【0051】
圧力補償弁5は、その負荷圧がその設定圧より大きいときに、負荷圧管路13と補償圧管路14との接続を閉じているときでもスプール室52とスプール51の隙間から作動油を負荷圧管路13から補償圧管路14に時間と共に徐々にリークしてしまい、補償圧管路14の油圧を昇圧する。リリーフバルブ22は、補償圧管路14の油圧がリリーフバルブ22の設定圧まで昇圧されたときに、補償圧管路14をドレン管路15に接続して補償圧管路14の作動油をドレン管路15に流して、補償圧管路14の油圧をその設定圧まで低下させる。
【0052】
メータアウト動作では、作動油がリフトシリンダ4から負荷圧管路13と圧力補償弁5と方向切換弁2とを介してドレン管路15に排出される。リフトシリンダ4は、作動油が排出されたときに、フォークを下降させる。このとき、補償圧管路14の油圧は、フォークが掬う荷物の重量に関わらず、圧力補償弁5により設定圧に制御される。このため、流量制御弁1は、メータアウト動作で、フォークが掬う荷物の重量に関わらず、リフトシリンダ4からドレン管路15に排出される作動油の流量を方向切換弁2の操作量に1対1に対応させることができる。すなわち、本発明によるフォークリフトは、そのフォークの下降速度を方向切換弁2の操作量に1対1に対応させることができ、そのフォークの操作性を向上させることができる。
【0053】
作動油は、補償圧管路14の圧力が設定圧に比べて高すぎるときに、補償圧管路14をドレン管路15に接続すると、補償圧管路14からドレン管路15に急激に流れる。その急激な流れは、リフトシリンダ4の動作にショックやハンチングを発生させる。流量制御弁1は、中立動作時の補償圧管路14の油圧をリリーフバルブ21の設定圧より高くならないように制御している。このため、流量制御弁1は、方向切換弁2が中立位置からメータアウト位置に切り換えられたときに、作動油が補償圧管路14からドレン管路15に急激に流れることを防止することができ、リフトシリンダ4の動作にショックやハンチングが発生することを防止することができる。すなわち、本発明によるフォークリフトは、そのフォークを下げるときに、そのフォークにショックやハンチングが発生することを防止することができる。
【0054】
図3は、本発明による流量制御弁の実施の他の形態を示している。その流量制御弁61は、方向切換弁62とチェック弁63と圧力補償弁65と方向切換弁67とリリーフバルブ68とを備えている。流量制御弁61は、さらに、作動油を導いて油圧を伝達する複数の管路を備えている。その複数の管路は、ポンプ圧管路71とポンプ圧管路72と負荷圧管路73と補償圧管路74とドレン管路75と補償圧管路77とドレン管路78とから形成される。
【0055】
ポンプ圧管路71は、方向切換弁62と図示されていないポンプとを接続し、そのポンプにより供給される作動油を導いている。ポンプ圧管路72は、方向切換弁62とチェック弁63とを接続している。負荷圧管路73は、チェック弁63とリフトシリンダ64と圧力補償弁65とを接続している。補償圧管路74は、圧力補償弁65と方向切換弁62と方向切換弁67とを接続している。補償圧管路77は、方向切換弁67とリリーフバルブ68とを接続している。ドレン管路75は、方向切換弁62とタンク66とを接続している。ドレン管路75の油圧は、概ね0である。ドレン管路78は、リリーフバルブ68とタンク66とを接続している。ドレン管路78の油圧は、概ね0である。
【0056】
チェック弁63は、負荷圧管路73からポンプ圧管路72に作動油が流れることを防止している。すなわち、チェック弁63は、ポンプ圧管路72の油圧が負荷圧管路73の油圧より大きいときにポンプ圧管路72を負荷圧管路73に接続し、負荷圧管路73の油圧がポンプ圧管路72の油圧より大きいときにポンプ圧管路72を負荷圧管路73に接続しない。
【0057】
リフトシリンダ64は、本発明によるフォークリフトのフォークを昇降させるアクチュエータである。すなわち、リフトシリンダ64は、作動油が負荷圧管路73から供給されるときにフォークリフトのフォークを上昇させ、作動油が負荷圧管路73に排出されるときにフォークリフトのフォークを下降させる。このとき、負荷圧管路73の油圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。
【0058】
圧力補償弁65は、設定圧が設定され、補償圧管路74の油圧をその設定圧になるように制御している。すなわち、圧力補償弁65は、補償圧管路74の油圧がその設定圧より小さいときに負荷圧管路73と補償圧管路74の間の可変オリフィスの開口面積を広げ、補償圧管路74の油圧がその設定圧より大きいときにその可変オリフィスの開口面積を絞る。
【0059】
方向切換弁62のスプールは、中立位置とメータイン側位置とメータアウト側位置とのうちの1つの位置をとることができる。すなわち、方向切換弁62は、図示されていないポテンショとソレノイドバルブとを備えている。そのポテンショは、作業者が操作するレバーの操作量を検知して、その操作量に応じた電流を直接そのソレノイドバルブに出力し、または、その電流を図示されていない制御装置を介してそのソレノイドバルブに出力する。そのソレノイドバルブは、その電流に応じたパイロット圧の作動油を発生させる。その作動油は、方向切換弁62のスプールを右から左へ押す作動油と方向切換弁62のスプールを左から右へ押す作動油との2つの作動油から形成されている。方向切換弁62のスプールは、そのパイロット圧の作動油に押されて移動し、中立位置からメータイン側位置に切り換えられ、中立位置からメータアウト側位置に切り換えられる。
【0060】
方向切換弁62は、メータイン側位置のときに、ポンプ圧管路71をポンプ圧管路72に接続し、補償圧管路74を閉じ、ドレン管路75を閉じる。方向切換弁62は、メータアウト側位置のときに、ポンプ圧管路71を閉じ、ポンプ圧管路72を閉じ、補償圧管路74をドレン管路75に接続する。方向切換弁62は、中立位置のときに、ポンプ圧管路71を閉じ、ポンプ圧管路72を閉じ、補償圧管路74を閉じ、ドレン管路75を閉じる。
【0061】
流量制御弁61は、さらに、パイロット圧管路79とをさらに備えている。パイロット圧管路79は、方向切換弁67のスプールを左から右へ押して中立位置からメータイン側位置に移動するための作動油のパイロット圧を方向切換弁67に伝達している。そのパイロット圧は、方向切換弁67のスプールを中立位置からメータイン側位置に移動させるときに昇圧され、方向切換弁67のスプールを中立位置またはメータアウト側位置に移動させるときに昇圧されない。
【0062】
方向切換弁67は、そのパイロット圧が昇圧するときに、そのパイロット圧より方向切換弁67のスプールが押されて補償圧管路74と補償圧管路77との接続を閉じる。方向切換弁67は、そのパイロット圧が昇圧しないときに、そのパイロット圧より方向切換弁67のスプールが押されて補償圧管路74と補償圧管路77とを接続する。すなわち、方向切換弁67は、方向切換弁67のスプールがメータイン側位置にあるときに補償圧管路74と補償圧管路77との接続を閉じ、方向切換弁67のスプールが中立位置またはメータアウト側位置にあるときに補償圧管路74と補償圧管路77とを接続する。
【0063】
リリーフバルブ68は、設定圧が設定され、補償圧管路77の油圧がその設定圧より大きくならないように制御している。リリーフバルブ68の設定圧は、圧力補償弁65の設定圧より大きい。すなわち、リリーフバルブ68は、補償圧管路77の油圧がその設定圧より大きいときに補償圧管路77をドレン管路78に接続し、補償圧管路77の油圧がその設定圧より小さいときに補償圧管路77をドレン管路78に接続しない。
【0064】
タンク66は、ドレン管路75とドレン管路78とを流れる作動油を貯留している。タンク66に貯留される作動油は、図示されていないポンプによりポンプ圧管路71に供給される。
【0065】
流量制御弁61の動作は、メータイン動作と中立動作とメータアウト動作とを備えている。メータイン動作は、ユーザの操作により方向切換弁62が中立位置からメータイン位置に切り換えられたときの動作である。中立動作は、ユーザの操作により方向切換弁62がメータイン位置またはメータアウト位置から中立位置に切り換えられたときの動作である。メータアウト動作は、ユーザの操作により方向切換弁62が中立位置からメータアウト位置に切り換えられたときの動作である。
【0066】
メータイン動作では、ポンプから供給される作動油がポンプ圧管路71から方向切換弁62とポンプ圧管路72とチェック弁63と負荷圧管路73とを介してリフトシリンダ64に供給される。リフトシリンダ64は、作動油が供給されたときに、フォークを上昇させる。
【0067】
中立動作では、リフトシリンダ64と負荷圧管路73の間で作動油が供給も排出もされないのでフォークの昇降が停止する。その負荷圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。負荷圧管路73の作動油は、圧力補償弁65を介して補償圧管路74に供給される。圧力補償弁65は、補償圧管路74の油圧が圧力補償弁65の設定圧まで昇圧されたときに、負荷圧管路73と補償圧管路74との接続を閉じて補償圧管路74の油圧を設定圧以上になることを防止する。方向切換弁67は、補償圧管路74と補償圧管路77とを接続する。
【0068】
圧力補償弁65は、その負荷圧がその設定圧より大きいときに、負荷圧管路73と補償圧管路74との接続を閉じているときでも作動油をそのスプール室とスプールの隙間を通して負荷圧管路73から補償圧管路74に時間と共に徐々にリークしてしまい、補償圧管路74の油圧を昇圧する。リリーフバルブ68は、補償圧管路77の油圧がリリーフバルブ68の設定圧まで昇圧されたときに、補償圧管路77をドレン管路78に接続して補償圧管路77の作動油をドレン管路78に流して、補償圧管路77の油圧をその設定圧まで低下させる。
【0069】
メータアウト動作では、作動油がリフトシリンダ64から負荷圧管路73と圧力補償弁65と方向切換弁62とを介してドレン管路15に排出される。リフトシリンダ64は、作動油が排出されたときに、フォークを下降させる。このとき、補償圧管路74の油圧は、フォークが掬う荷物の重量に関わらず、圧力補償弁65により設定圧に制御される。このため、流量制御弁61は、メータアウト動作で、フォークが掬う荷物の重量に関わらず、リフトシリンダ64からドレン管路75に排出される作動油の流量を方向切換弁62の操作量に1対1に対応させることができる。すなわち、本発明によるフォークリフトは、そのフォークの下降速度を方向切換弁62の操作量に1対1に対応させることができ、そのフォークの操作性を向上させることができる。
【0070】
流量制御弁61は、既述の実施の形態における流量制御弁1と同様にして、中立動作時の補償圧管路74の油圧をリリーフバルブ68の設定圧より小さい油圧に制御している。流量制御弁61は、既述の実施の形態における流量制御弁1より方向切換弁67を設置する分だけ構造が複雑になるが、既述の実施の形態における流量制御弁1と同様にして、リフトシリンダ64の動作にショックやハンチングが発生することを防止することができる。すなわち、中立動作時の補償圧管路74の油圧を設定圧以上にならないように制御するリリーフバルブは、作業者に操作される方向切換弁の内側または外側に設置されることができ、設置される位置が頓着されない。
【0071】
図4は、本発明による流量制御弁の実施のさらに他の形態を示している。その流量制御弁81は、方向切換弁82とチェック弁83と圧力補償弁85とを備えている。流量制御弁81は、さらに、作動油を導いて油圧を伝達する複数の管路を備えている。その複数の管路は、ポンプ圧管路91とポンプ圧管路92と負荷圧管路93と補償圧管路94とドレン管路95とから形成される。
【0072】
ポンプ圧管路91は、方向切換弁82と図示されていないポンプとを接続し、そのポンプにより供給される作動油を導いている。ポンプ圧管路92は、方向切換弁82とチェック弁83とを接続している。負荷圧管路93は、チェック弁83とリフトシリンダ84と圧力補償弁85とを接続している。補償圧管路94は、圧力補償弁85と方向切換弁82とを接続している。ドレン管路95は、方向切換弁82とタンク86とを接続し、ドレン管路95の油圧は、概ね0である。
【0073】
チェック弁83は、負荷圧管路93からポンプ圧管路92に作動油が流れることを防止している。すなわち、チェック弁83は、ポンプ圧管路92の油圧が負荷圧管路93の油圧より大きいときにポンプ圧管路92を負荷圧管路93に接続し、負荷圧管路93の油圧がポンプ圧管路92の油圧より大きいときにポンプ圧管路92を負荷圧管路93に接続しない。
【0074】
リフトシリンダ84は、本発明によるフォークリフトのフォークを昇降させるアクチュエータである。すなわち、リフトシリンダ84は、作動油が負荷圧管路93から供給されるときにフォークリフトのフォークを上昇させ、作動油が負荷圧管路93に排出されるときにフォークリフトのフォークを下降させる。このとき、負荷圧管路93の油圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。
【0075】
圧力補償弁85は、設定圧が設定され、補償圧管路94の油圧をその設定圧になるように制御している。すなわち、圧力補償弁85は、補償圧管路94の油圧がその設定圧より小さいときに負荷圧管路93と補償圧管路94との間の可変オリフィスの開口面積を広げ、補償圧管路94の油圧がその設定圧より大きいときにその可変オリフィスの開口面積を絞る。
【0076】
方向切換弁82は、中立位置とメータイン側位置とメータアウト側位置とのうちの1つの位置をとることができる。すなわち、方向切換弁82は、ユーザに操作されて、中立位置からメータイン側位置に切り換えられ、中立位置からメータアウト側位置に切り換えられ、メータイン側位置から中立位置に切り換えられ、メータアウト側位置から中立位置に切り換えられる。
【0077】
方向切換弁82は、メータイン側位置のときに、ポンプ圧管路91をポンプ圧管路92に接続し、補償圧管路94を閉じ、ドレン管路95を閉じる。方向切換弁82は、メータアウト側位置のときに、ポンプ圧管路91を閉じ、ポンプ圧管路92を閉じ、補償圧管路94をドレン管路95に接続する。方向切換弁82は、中立位置のときに、ポンプ圧管路91を閉じ、ポンプ圧管路92を閉じ、補償圧管路94を閉じ、ドレン管路95を閉じる。
【0078】
タンク86は、ドレン管路95を流れる作動油を貯留している。タンク86に貯留される作動油は、図示されていないポンプによりポンプ圧管路91に供給される。
【0079】
流量制御弁81の動作は、メータイン動作と中立動作とメータアウト動作とを備えている。メータイン動作は、ユーザの操作により方向切換弁82が中立位置からメータイン位置に切り換えられたときの動作である。中立動作は、ユーザの操作により方向切換弁82がメータイン位置またはメータアウト位置から中立位置に切り換えられたときの動作である。メータアウト動作は、ユーザの操作により方向切換弁82が中立位置からメータアウト位置に切り換えられたときの動作である。
【0080】
メータイン動作では、作動油がポンプ圧管路91から方向切換弁82とポンプ圧管路92とチェック弁83と負荷圧管路93とを介してリフトシリンダ84に供給される。リフトシリンダ84は、作動油が供給されたときに、フォークを上昇させる。
【0081】
中立動作では、リフトシリンダ84と負荷圧管路93との間で作動油の供給や排出を止めてフォークの昇降を停止する。負荷圧管路93の作動油の負荷圧は、フォークリフトのフォークに掬われている荷物の重量に応じて変化し、その荷物が重いほど大きい。負荷圧管路93の作動油は、圧力補償弁85を介して補償圧管路94に供給される。圧力補償弁85は、補償圧管路94の油圧が圧力補償弁85の設定圧まで昇圧されたときに、負荷圧管路93と補償圧管路94との接続を閉じて補償圧管路94の油圧を設定圧以上になることを防止する。
【0082】
メータアウト動作では、作動油がリフトシリンダ84から負荷圧管路93と圧力補償弁85と方向切換弁82とを介してドレン管路95に排出される。リフトシリンダ84は、作動油が排出されたときに、フォークを下降させる。このとき、補償圧管路94の油圧は、フォークが掬う荷物の重量に関わらず、圧力補償弁85により設定圧に制御される。このとき、流量制御弁81は、メータアウト動作で、フォークが掬う荷物の重量に関わらず、リフトシリンダ84からドレン管路95に排出される作動油の流量を方向切換弁82の操作量に1対1に対応させることができる。すなわち、本発明によるフォークリフトは、そのフォークの下降速度を方向切換弁82の操作量に1対1に対応させることができ、そのフォークの操作性を向上させることができる。
【0083】
作動油は、補償圧管路94の圧力が高いときに、補償圧管路94をドレン管路95に接続すると、補償圧管路94からドレン管路95に急激に流れる。その急激な流れは、リフトシリンダ84の動作にショックやハンチングを発生させる。流量制御弁81は、中立動作時の補償圧管路94の油圧を制御していないで、方向切換弁82が中立位置からメータアウト位置に切り換えられたときに、作動油が補償圧管路94からドレン管路95に急激に流れることを防止することができない。流量制御弁81が適用されたフォークリフトは、そのフォークを下げるときに、そのフォークにショックやハンチングが発生することを防止することができないが、そのフォークの下降速度を方向切換弁82の操作量に1対1に対応させることができないよりましである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明による流量制御弁の実施の形態を示す油圧回路図である。
【図2】図2は、本発明による流量制御弁を備える流量制御弁本体を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明による流量制御弁の実施の他の形態を示す油圧回路図である。
【図4】図4は、本発明による流量制御弁の実施のさらに他の形態を示す油圧回路図である。
【図5】図5は、公知の流量制御弁を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
【0085】
1 :流量制御弁
2 :方向切換弁
3 :チェック弁
4 :リフトシリンダ
5 :圧力補償弁
6 :タンク
11:ポンプ圧管路
12:ポンプ圧管路12
13:負荷圧管路
14:補償圧管路14
15:ドレン管路
21:リリーフバルブ
22:入口側管路22
23:出口側管路23

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償圧管路の圧力が設定圧より小さいときに負荷圧管路と前記補償圧管路とをつなぐ可変オリフィスの開口面積を広げ、前記補償圧管路の圧力が前記設定圧より大きいときに前記可変オリフィスの開口面積を絞る圧力補償弁と、
前記補償圧管路の作動流体をドレンするメータアウト側動作と、前記補償圧管路の作動流体をドレンしない中立動作とに外部操作により切り換えられる切換弁とを具備し、
前記負荷圧管路は、アクチュエータに供給される作動流体を導く
流量制御弁。
【請求項2】
請求項1において、
前記補償圧管路の圧力が他の設定圧より大きいときに前記補償圧管路の作動流体をドレンし、前記補償圧管路の圧力が前記他の設定圧より小さいときに前記補償圧管路の作動流体をドレンしないリリーフバルブ
を更に具備する流量制御弁。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかにおいて、
前記切換弁は、前記アクチュエータを駆動するために作動流体を前記負荷圧管路に供給するメータイン側動作に更に前記外部操作により切り換えられる
流量制御弁。
【請求項4】
請求項3において、
前記リリーフバルブは、前記切換弁が前記メータイン側動作のときに、前記補償圧管路に接続されない
流量制御弁。
【請求項5】
請求項4において、
前記切換弁は、第1スプール室と前記第1スプール室に摺動可能に挿入される第1スプールとから形成され、
前記リリーフバルブは、前記第1スプールに形成される第2スプール室と前記第2スプール室に摺動可能に挿入される第2スプールとから形成される
流量制御弁。
【請求項6】
請求項4において、
前記切換弁が前記中立動作および前記メータアウト側動作のときに前記補償圧管路を前記リリーフバルブに接続し、前記切換弁が前記メータイン側動作のときに前記補償圧管路を前記リリーフバルブに接続しない他の切換弁
を更に具備する流量制御弁。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の流量制御弁と、
荷物を掬うフォークとを具備し、
前記フォークは、前記アクチュエータにより駆動する
フォークリフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−234144(P2006−234144A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53733(P2005−53733)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】