説明

地図情報提供システムならびにこれに用いられるサーバおよび移動端末装置

【課題】 通信量を低減することにより通信料を低減できる地図情報提供システムならびにこれに用いられるサーバおよび移動端末装置を提供する。
【解決手段】 サーバ10と移動端末装置30がネットワーク20によって接続されて成り、サーバ10は、最新地図データの利用の許否を管理する管理手段11、12と、管理手段で管理されている最新地図データの利用の許否を示す利用許諾情報を生成して移動端末装置に送信する利用許諾情報生成手段13を備え、移動端末装置30は、地図を描画するための地図データおよび該地図データが更新された最新地図データを記憶した記憶手段33と、サーバから受信した利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、記憶手段に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示する制御手段31、32、36〜39とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地図情報提供システムならびにこれに用いられるサーバおよび移動端末装置に関し、特に最新の地図の表示許否を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動端末装置としてのカーナビゲーション装置に地図情報を提供する地図情報提供システムが知られている。このような地図情報提供システムの1つとして、特許文献1は、地図情報配信システムを開示している。この地図情報配信システムは、地図情報を記憶している地図情報提供サーバを備えており、カーナビゲーション装置から地図情報提供サーバに対して移動速度情報および移動体位置情報を含む移動情報が送信されることにより、地図情報提供サーバからカーナビゲーション装置に対して、通信回線を介して局地的な地図情報が送信され、カーナビゲーション装置は、受信した地図情報を表示装置に表示する。また、地図情報提供サーバは、カーナビゲーション装置から受信した移動情報に基づきリアルタイムで更新される道路交通情報をカーナビゲーション装置に提供する。
【0003】
【特許文献1】特開2004−251945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の地図情報配信システムでは、通信回線を利用して地図データが配信されるために、広帯域の通信回線が必要となり、また、膨大な量の地図データを送受信するために通信回線を長時間接続状態にする必要があり、多大な通信料が必要になるという問題がある。
【0005】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、通信量を低減することにより通信料を低減できる地図情報提供システムならびにこれに用いられるサーバおよび移動端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る地図情報提供システムは、サーバと移動端末装置がネットワークによって接続されて成り、サーバは、最新地図データの利用の許否を管理する管理手段と、管理手段で管理されている最新地図データの利用の許否を示す利用許諾情報を生成して移動端末装置に送信する利用許諾情報生成手段を備え、移動端末装置は、地図を描画するための地図データおよび該地図データが更新された最新地図データを記憶した記憶手段と、サーバから受信した利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、記憶手段に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示する制御手段とを備えている。
【0007】
この発明に係るサーバは、最新地図データの利用の許否を管理する管理手段と、管理手段で管理されている最新地図データの利用の許否を示す利用許諾情報を生成して外部に送信する利用許諾情報生成手段とを備えている。
【0008】
この発明に係る移動端末装置は、地図を描画するための地図データおよび該地図データが更新された最新地図データを記憶した記憶手段と、外部から受信した利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、記憶手段に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示する制御手段とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、移動端末装置においては、最新地図データを記憶手段に記憶しておき、サーバから送信されてくる利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、記憶手段に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示するように構成したので、サーバから移動端末装置へは利用許諾情報のみを送信すればよく、サーバから移動端末装置に最新地図データを送信する必要がない。したがって、サーバと移動端末装置との間で行われる通信量を低減することができるので、通信料を抑制できる。
【0010】
この発明によれば、上述した第1の発明に係る地図情報提供システムと同様の作用および効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、この発明の地図情報提供システムを構成する移動端末装置としてカーナビゲーション装置が、サーバとして利用許諾情報管理サーバがそれぞれ使用されるものとする。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る地図情報提供システムの構成を示す図である。この地図情報提供システムは、利用許諾情報管理サーバ10とカーナビゲーション装置30とがネットワーク20によって接続されることにより構成されている。ネットワーク20は、例えば携帯電話回線等といった無線通信網から構成されており、利用許諾情報管理サーバ10とカーナビゲーション装置30との間で通信を行うために使用される。
【0012】
利用許諾情報管理サーバ10は、ユーザが保持する地図に関するライセンスや購入情報を管理し、カーナビゲーション装置30からの問い合わせに応答して、利用許諾情報を発行する。この利用許諾情報管理サーバ10は、ライセンス管理データベース(DB)11、端末ID管理データベース(DB)12、利用許諾情報生成手段13および通信手段14から構成されている。
【0013】
ライセンス管理データベース11は、地図の利用に関して、地図の種類毎に利用可能な期間を表す利用期間および利用可能な地理的範囲を表す利用位置を含む利用許諾情報を格納する。このライセンス管理データベース11に格納されている利用許諾情報は、利用許諾情報生成手段13によって読み出される。
【0014】
端末ID管理データベース12は、カーナビゲーション装置30が正規のライセンスを購入しているかどうかを確認するためのライセンス購入情報を、カーナビゲーション装置30に付与された端末IDに関連付けて格納している。ユーザがライセンスを事前に購入した場合には、この端末ID管理データベース12において、購入されたライセンスが端末ID毎に管理される。
【0015】
利用許諾情報生成手段13は、カーナビゲーション装置30からネットワーク20および通信手段14を介して送られてくる端末IDを伴った利用許諾情報の取得要求に応答して、該端末IDに対応する利用許諾情報をライセンス管理データベース11から読み出し、通信手段14およびネットワーク20を介してカーナビゲーション装置30に送信する。通信手段14は、上述したように、ネットワーク20を介してカーナビゲーション装置30との間で行われる通信を制御する。
【0016】
カーナビゲーション装置30は、その内部に記憶している地図データに基づき地図を描画して表示する。このカーナビゲーション装置30は、端末ID管理手段31、位置情報取得手段32、ハードディスク33、DVDドライブ34、通信手段35、利用許諾情報処理手段36、地図データ更新制御手段37、表示手段38および日時情報取得手段39から構成されている。
【0017】
端末ID管理手段31は、個体を識別するためにカーナビゲーション装置30に付与された端末IDを格納する。この端末ID管理手段31に格納されている端末IDは、利用許諾情報処理手段36によって読み出される。
【0018】
位置情報取得手段32は、何れも図示は省略するが、GPS(Global Positioning System)受信機から得られる現在位置データ、ジャイロセンサから得られる方位データおよび車両の走行速度を検出する車速センサから得られる車速データに基づき自己の現在位置を検出する。この位置情報取得手段32において検出された自己の現在位置を示す位置情報は、利用許諾情報処理手段36に送られる。
【0019】
ハードディスク33は、この発明の記憶手段に対応し、現用の地図データ(以下、「既存地図データ」という)とDVDドライブ34から書き込まれた最新地図データを格納する。このハードディスク33に記憶されている既存地図データおよび最新地図データは、利用許諾情報処理手段36によって読み出される。DVDドライブ34は、DVDやCDといったディスク媒体40に記録されて配布される最新地図データを読み込み、ハードディスク33に送る。
【0020】
通信手段35は、ネットワーク20を介して利用許諾情報管理サーバ10との間で行われる通信を制御する。利用許諾情報処理手段36は、利用許諾情報管理サーバ10からネットワーク20および通信手段35を介して受信した利用許諾情報を解析し、利用期間および利用位置に関する利用許諾条件を取得する。地図データ更新制御手段37は、利用許諾情報処理手段36の指示に応じて、ハードディスク33に格納されている既存地図データを最新地図データに更新する。
【0021】
表示手段38は、地図データ更新制御手段37によって生成された最新地図データに基づき地図を描画して表示する。日時情報取得手段39は、図示しない時計機構から現在の日時を表す日時情報を取得する。この日時情報取得手段39で取得された日時情報は、利用許諾情報処理手段36に送られる。
【0022】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る地図情報提供システムの動作を、図2に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
【0023】
まず、利用許諾情報管理サーバ10において、ライセンス管理データベース11には、各カーナビゲーション装置30に保持されている地図データの種類やバージョンに応じて、利用期間や利用位置を制限するライセンス情報が予め登録される(ステップST11)。また、端末ID管理データベース12には、ユーザが事前にWEBサイト等で地図データを購入した場合は、購入者が使用しているカーナビゲーション装置30の正規の端末IDおよびライセンス購入情報が登録される(ステップST12)。
【0024】
一方、カーナビゲーション装置30においては、ハードディスク33には最初は既存地図データのみが格納されているが、その既存地図データの更新が必要になると、最新地図データが格納されたディスク媒体40が入手され、このディスク媒体40に記録された最新地図データがDVDドライブ34を介してハードディスク33にコピーされる(ステップST21)。これにより、ハードディスク33には、既存地図データと最新地図データとが格納された状態になる(ステップST22)。また、最新地図データがハードディスク33にコピーされると、その旨が利用許諾情報処理手段36に通知される。
【0025】
利用許諾情報処理手段36は、上記通知によって最新地図データがコピーされた旨を認識する(ステップST23)と、次いで、日時情報および現在位置を取得する(ステップST24)。すなわち、利用許諾情報処理手段36は、位置情報取得手段32に対して現在位置の取得を要求し、位置情報取得手段32は、この要求に応答して現在位置を表す位置情報を利用許諾情報処理手段36に返送する(ステップST25)。また、図2では図示を省略しているが、日時情報取得手段39は、図示しない時計機構から日時情報を取得し、利用許諾情報処理手段36に送る。
【0026】
次いで、利用許諾情報処理手段36は、ハードディスク33にコピーされた最新地図データの利用許諾範囲内であるかどうか、具体的には、日時情報によって示される現在の日時が利用期間の範囲内であって、且つ位置情報によって示される現在位置が利用位置の範囲内であるかどうかを調べる。そして、利用許諾範囲以外であることを判断すると、端末ID管理手段31から読み出した端末IDを、通信手段35およびネットワーク20を介して利用許諾情報管理サーバ10に送信し、最新地図データを利用するための利用許諾情報の取得を要求する(ステップST26)。
【0027】
利用許諾情報管理サーバ10においては、この端末IDを伴った利用許諾情報の取得要求を受信した利用許諾情報生成手段13は、受信した端末IDが付されたカーナビゲーション装置30がライセンスを事前に購入しているかどうかを確認し、ライセンスが購入されていることが確認されると利用許諾情報を発行する(ステップST13)。具体的には、利用許諾情報生成手段13は、端末ID管理データベース12に対し、ライセンスが事前に購入されているかどうかの確認を要求する。端末ID管理データベース12は、この要求に応答して、その端末IDに対するライセンス購入情報を確認し、この確認結果を利用許諾情報生成手段13に送る。また、利用許諾情報生成手段13は、ライセンスが事前に購入されていることを判断すると、ライセンス管理データベース11に対し、ライセンスの発行を要求する。ライセンス管理データベース11は、この要求に応答して、その端末IDに対するライセンス情報を利用許諾情報生成手段13に送る。これにより、利用許諾情報生成手段13は、利用期間および利用位置を含む利用許諾情報を通信手段14およびネットワーク20を介してカーナビゲーション装置30に返信する。
【0028】
カーナビゲーション装置30においては、利用許諾情報管理サーバ10からネットワーク20および通信手段35を介して送られてくる利用許諾情報を受信し、利用許諾情報処理手段36に送る。利用許諾情報処理手段36は、現在日時および現在位置を確認する(ステップST27、ST28)。この具体的な動作は、上述したステップST24およびST25の動作と同じである。
【0029】
次いで、利用許諾情報処理手段36は、利用許諾情報管理サーバ10から受信した利用許諾情報を解析し、この解析により得られた利用期間および利用位置と現在日時および現在位置を比較することにより利用許諾範囲内であることを判断すると、地図データ更新制御手段37に最新地図データの更新許可を与える(ステップST29)。これらステップST27〜ST29の処理は繰り返される。地図データ更新制御手段37は、利用許諾情報処理手段36から更新の許可を受けると、ハードディスク33から既存地図データ最新地図データとを読み込んで既存地図データを最新に更新し、表示手段38に表示する(ステップST30)。
【0030】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る地図データ更新システムによれば、カーナビゲーション装置30においては、最新地図データをハードディスク33に記憶しておき、利用許諾情報管理サーバ10から送信されてくる利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、ハードディスク33に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示するように構成したので、利用許諾情報管理サーバ10からカーナビゲーション装置30へは利用許諾情報のみが送信され、最新地図データは送信されない。したがって、利用許諾情報管理サーバ10とカーナビゲーション装置30との間で行われる通信量を低減することができるので、通信料を抑制できる。
【0031】
実施の形態2.
上述した実施の形態1に係る地図データ更新システムにおいては、事前に購入したライセンスに関して利用許諾を与えるように構成したが、この実施の形態2に係る地図データ更新システムでは、走行によって必要となった時に事後的にライセンスを購入し、利用許諾情報を動的に取得するようにしたものである。
【0032】
この実施の形態2に係る地図データ更新システムの構成は、図1に示した実施の形態1に係る地図データ更新システムの構成と同じである。
【0033】
次に、この発明の実施の形態2に係る地図情報提供システムの動作を、図3に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、上述した実施の形態1に係る地図情報提供システムと同一の処理ステップには実施の形態1と同じ符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0034】
まず、利用許諾情報管理サーバ10において、ライセンス管理データベース11には、各カーナビゲーション装置30に保持されている地図データの種類やバージョンに応じて、利用期間や利用位置を制限するライセンス情報が予め登録される(ステップST11)。また、端末ID管理データベース12には、ユーザが事前にWEBサイト等で地図データを購入した場合は、購入者が使用しているカーナビゲーション装置30の正規の端末IDが登録される(ステップST31)。
【0035】
一方、カーナビゲーション装置30においては、既存地図データの更新が必要になると、最新地図データが格納されたディスク媒体40が入手され、このディスク媒体40に記録された最新地図データがDVDドライブ34を介してハードディスク33にコピーされる(ステップST21)。これにより、ハードディスク33には、既存地図データと最新地図データとが格納された状態になる(ステップST22)。また、最新地図データがハードディスク33にコピーされると、その旨が利用許諾情報処理手段36に通知される。
【0036】
利用許諾情報処理手段36は、上記通知によって最新地図データがコピーされた旨を認識する(ステップST23)と、次いで、日時情報および現在位置を取得する(ステップST24、ST25)。次いで、利用許諾情報処理手段36は、ステップST24、ST25で取得された日時情報および現在位置を表す情報に基づいてハードディスク33にコピーされた最新地図データの利用許諾範囲内であるかどうかを調べ、利用許諾範囲以外であることを判断すると、端末ID管理手段31から読み出した端末ID、現在日時を表す日時情報および現在位置を表す位置情報を、通信手段35およびネットワーク20を介して利用許諾情報管理サーバ10に送信し、最新地図データを利用するための利用許諾情報の取得を要求する(ステップST41)。
【0037】
利用許諾情報管理サーバ10においては、この端末ID、日時情報および位置情報を伴った利用許諾情報の取得要求を受信した利用許諾情報生成手段13は、ライセンス管理データベース11から、受信した端末IDが付されたカーナビゲーション装置30に対するライセンスであって、現在日時および現在位置に合ったライセンスの発行を受け、ライセンスを事後に購入した旨を端末ID管理データベース12に記録し、さらに、発行されたライセンスに応じた利用許諾情報を発行する(ステップST32)。
【0038】
具体的には、利用許諾情報生成手段13は、端末ID管理データベース12に対し、端末IDが登録されているかどうかの確認を要求する。端末ID管理データベース12は、この要求に応答して登録の有無を利用許諾情報生成手段13に返す(ステップST33)。利用許諾情報生成手段13は、端末IDが登録されていることを確認すると、ライセンス管理データベース11に対し、現在日時および現在位置に合ったライセンス情報の取得を要求する。ライセンス管理データベース11は、この要求に応答して、現在日時および現在位置に合ったライセンス情報を発行し、利用許諾情報生成手段13に送る(ステップST34)。利用許諾情報生成手段13は、取得したライセンス情報とライセンスを受けた端末IDとを端末ID管理データベース12に通知する。端末ID管理データベース12は、利用許諾情報生成手段13から受け取った、購入されたライセンスを端末ID毎に記録する(ステップST35)。その後、利用許諾情報生成手段13は、購入されたライセンスに応じた利用期間および利用位置を含む利用許諾情報を通信手段14およびネットワーク20を介してカーナビゲーション装置30に返信する。
【0039】
カーナビゲーション装置30においては、利用許諾情報管理サーバ10からネットワーク20および通信手段35を介して送られてくる利用許諾情報を受信し、利用許諾情報処理手段36に送る。利用許諾情報処理手段36は、現在日時および現在位置を確認する(ステップST27、ST28)。この具体的な動作は、上述したステップST24およびST25の動作と同じである。
【0040】
次いで、利用許諾情報処理手段36は、利用許諾情報管理サーバ10から受信した利用許諾情報が利用許諾範囲内であることを判断すると、地図データ更新制御手段37に最新地図データの更新許可を与える(ステップST29)。これらステップST27〜ST29の処理は繰り返される。地図データ更新制御手段37は、利用許諾情報処理手段36から更新の許可を受けると、ハードディスク33から既存地図データ最新地図データとを読み込んで既存地図データを最新に更新し、表示手段38に表示する(ステップST30)。
【0041】
車両の走行に伴って、利用許諾情報管理サーバ10から受信した利用許諾情報が利用許諾範囲外になったことが判断されると、利用許諾情報処理手段36は、利用許諾情報管理サーバ10に対して、新たに利用可能なライセンスを再要求する(ステップST42)。すなわち、ステップST41の処理に戻って上述した処理が繰り返される。
【0042】
この実施の形態2に係る地図情報提供システムでは、利用許諾情報管理サーバ10の端末ID管理データベース12に格納されたライセンス購入記録に基づいて、最新地図データの利用後に、その利用量に応じて課金がなされることになる。
【0043】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係る地図データ更新システムによれば、走行によって必要となった時に事後的にライセンスを購入し、利用許諾情報を動的に取得するように構成したので、地図データの限定的な使用が可能になり、必要最小限のコストで、必要な地図データだけ最新に更新することができる。具体的には、従来の地図データ更新の場合は、全国の地図データを更新すれば多額のライセンス購入料が必要になるが、例えば自分がよく使用する首都圏のみの地図データを更新すれば、安価なライセンス購入料で済むという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】この発明の実施の形態1に係るカーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るカーナビゲーション装置の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係るカーナビゲーション装置の動作を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0045】
10 利用許諾情報管理サーバ(サーバ)、11 ライセンス管理データベース(管理手段)、12 端末ID管理データベース(管理手段)、13 利用許諾情報生成手段、14 通信手段、20 ネットワーク、30 カーナビゲーション装置(移動端末装置)、31 端末ID管理手段(制御手段)、32 位置情報取得手段、33 ハードディスク(記憶手段)、34 DVDドライブ、35 通信手段、36 利用許諾情報処理手段(制御手段)、37 地図データ更新制御手段(制御手段)、38 表示手段(制御手段)、39 日時情報所得手段(制御手段)、40 ディスク媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を描画するための地図データおよび該地図データが更新された最新地図データを記憶した記憶手段と、
外部から受信した利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、前記記憶手段に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示する制御手段
とを備えた移動端末装置。
【請求項2】
制御手段は、
自己の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段で取得された位置情報によって示される自己の現在位置が、前記記憶手段に記憶されている最新地図データの利用許諾の範囲外であれば、自己の端末IDを外部に送信して利用許諾情報の取得を要求し、該要求に応答して外部から送信されてくる、事前に購入された前記端末IDのライセンス情報に基づき作成された利用許諾情報に含まれる利用位置で示される範囲内に自己の現在位置があれば、前記記憶手段に記憶されている地図データの最新地図データへの更新を許可する利用許諾情報処理手段と、
前記利用許諾処理手段によって更新が許可された場合に、前記記憶手段に記憶されている地図データを最新地図データに更新する地図データ更新制御手段と、
前記地図データ更新制御手段により更新された最新地図データに基づき地図を表示する表示手段
とを備えたことを特徴とする請求項1記載の移動端末装置。
【請求項3】
現在の日時を示す日時情報を取得する日時情報取得手段を備え、
前記利用許諾情報処理手段は、位置情報取得手段で取得された位置情報によって示される自己の現在位置が、記憶手段に記憶されている最新地図データの利用許諾の範囲外であれば、自己の端末IDを外部に送信して利用許諾情報の取得を要求し、該要求に応答して外部から送信されてくる、事前に購入された前記端末IDのライセンス情報に基づき作成された利用許諾情報に含まれる利用位置で示される範囲内に自己の現在位置があり、且つ前記日時情報取得手段で取得された日時情報によって示される現在の日時が、前記利用許諾情報に含まれる利用期間で示される範囲内にあれば、前記記憶手段に記憶されている地図データの最新地図データへの更新を許可する
ことを特徴とする請求項2記載の移動端末装置。
【請求項4】
制御手段は、
自己の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段で取得された位置情報によって示される自己の現在位置が、前記記憶手段に記憶されている最新地図データの利用許諾の範囲外であれば、自己の端末IDおよび前記位置情報取得手段で取得された位置情報を外部に送信して利用許諾情報の取得を要求し、該要求に応答して外部から送られてくる、前記位置情報に基づいて事後に購入された前記端末IDのライセンス情報に基づき作成された利用許諾情報に含まれる利用位置で示される範囲内に自己の現在位置があれば、前記記憶手段に記憶されている地図データの最新地図データへの更新を許可する利用許諾情報処理手段と、
前記利用許諾処理手段によって更新が許可された場合に、前記記憶手段に記憶されている地図データを最新地図データに更新する地図データ更新制御手段と、
前記地図データ更新制御手段により更新された最新地図データに基づき地図を表示する表示手段
とを備えたことを特徴とする請求項1記載の移動端末装置。
【請求項5】
現在の日時を示す日時情報を取得する日時情報取得手段を備え、
前記利用許諾情報処理手段は、位置情報取得手段で取得された位置情報によって示される自己の現在位置が、記憶手段に記憶されている最新地図データの利用許諾の範囲外であれば、自己の端末ID、前記位置情報取得手段で取得された位置情報および前記日時取得手段で取得された日時情報を外部に送信して利用許諾情報の取得を要求し、該要求に応答して外部から送られてくる、前記位置情報および日時情報に基づいて事後に購入された前記端末IDのライセンス情報に基づき作成された利用許諾情報に含まれる利用位置で示される範囲内に自己の現在位置があり、且つ前記日時情報取得手段で取得された日時情報によって示される現在の日時が、前記利用許諾情報に含まれる利用期間で示される範囲内にあれば、前記記憶手段に記憶されている地図データの最新地図データへの更新を許可する
ことを特徴とする請求項4記載の移動端末装置。
【請求項6】
最新地図データの利用の許否を管理する管理手段と、
前記管理手段で管理されている最新地図データの利用の許否を示す利用許諾情報を生成して外部に送信する利用許諾情報生成手段
とを備えたサーバ。
【請求項7】
前記管理手段は、
移動端末装置に付与された端末ID毎に購入されたライセンス情報を格納する端末ID管理データベースと、
利用を許諾する地理的範囲を表す利用位置を含むライセンス情報を前記端末IDに関連付けて格納するライセンス管理データベースとを備え、
前記利用許諾情報生成手段は、
外部から端末IDを伴った利用許諾情報の取得要求を受信した場合に、該要求に応答して、該端末IDのライセンス情報が事前に購入されていることが前記端末ID管理データベースによって示されていれば、前記ライセンス管理データベースに格納されているライセンス情報に基づき利用許諾情報を生成して外部に送信する
ことを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
ライセンス管理データベースに格納される利用許諾情報は、さらに、利用可能な期間を表す利用期間を含む
ことを特徴とする請求項7記載のサーバ。
【請求項9】
前記管理手段は、
移動端末装置に付与された端末ID毎に購入されたライセンス情報を格納する端末ID管理データベースと、
利用を許諾する地理的範囲を表す利用位置を含むライセンス情報を前記端末IDに関連付けて格納するライセンス管理データベースとを備え、
前記利用許諾情報生成手段は、
外部から端末IDおよび利用位置を伴った利用許諾情報の取得要求を受信した場合に、該要求に応答して、該端末IDおよび利用位置に対応するライセンスが事後に購入されたことを表すライセンス購入情報を前記端末ID管理データベースに格納し、前記ライセンス管理データベースに格納されているライセンス情報に基づき利用許諾情報を生成して外部に送信する
ことを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項10】
ライセンス管理データベースに格納される利用許諾情報は、さらに、利用可能な期間を表す利用期間を含み、
前記利用許諾情報生成手段は、
外部から端末IDおよび利用位置を伴った利用許諾情報の取得要求を受信した場合に、該要求に応答して、該端末ID、利用位置および利用期間に対応するライセンスが事後に購入されたことを表すライセンス購入情報を前記端末ID管理データベースに格納し、前記ライセンス管理データベースに格納されているライセンス情報に基づき利用許諾情報を生成して外部に送信する
ことを特徴とする請求項9記載のサーバ。
【請求項11】
サーバと移動端末装置がネットワークによって接続された地図情報提供システムであって、
前記サーバは、
最新地図データの利用の許否を管理する管理手段と、
前記管理手段で管理されている最新地図データの利用の許否を示す利用許諾情報を生成して前記移動端末装置に送信する利用許諾情報生成手段
とを備え、
前記移動端末装置は、
地図を描画するための地図データおよび該地図データが更新された最新地図データを記憶した記憶手段と、
地図を描画するための地図データおよび該地図データが更新された最新地図データを記憶した記憶手段と、
前記サーバから受信した利用許諾情報によって最新地図データの利用が許諾されていれば、前記記憶手段に記憶されている最新地図データに基づいて地図を表示する制御手段
とを備えた地図情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−4057(P2007−4057A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−186910(P2005−186910)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】