説明

地点情報検索装置、地点情報検索方法及び地点情報検索用プログラム並びに地点情報更新用プログラム

【課題】地図情報としてのPOIデータをデータベース化して記憶する際に必要な記憶容量を最小化することができると共に、当該データベースとしての不要な冗長性を除去することが可能な地点情報検索装置を提供する。
【解決手段】POIデータベース内の階層構造を、POIデータとしての地点の名称情報に一対一に対応する識別子のみにより記述し、これを分類テーブルCTとしてPOIデータベース内に記憶させる。これと共に、当該名称情報と対応する識別子とを含む識別子−名称情報対Pを互いに並列関係として含む名称テーブルNTを、分類テーブルCTとは別個にPOIデータベース内に記憶させる。
地点名称の検索に当たっては、分類テーブルCTと名称テーブルNTとの連携で階層を追って検索すると共に、地点情報の更新に当たっては、名称テーブルNT内の識別子−名称情報対Pのみを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、地点情報検索装置、地点情報検索方法及び地点情報検索用プログラム並びに地点情報更新用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、地図上の地点の内容を示す地点情報を検索するための地点情報検索装置及び地点情報検索方法並びに当該地点情報検索用のプログラム及び当該地点情報の更新用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載され当該車両の移動を案内するカーナビゲーションシステムが広く一般化している。
【0003】
そして、当該カーナビゲーションシステムにおいては、液晶ディスプレイ等の表示装置を車内に設け、この表示装置上に地図を電子的に表示して当該案内を行うのが一般的である。
【0004】
一方、従来のカーナビゲーションシステムにおいて地図を用いて案内するときには、当該地図のみを表示するのではなく、当該地図に含まれる様々な地点を目的地点又は直近の目標地点等として表示する必要があり、このための情報として、当該地図上の地点の内容を示す地点データ(いわゆるPOI(Point Of Interest)データ。その詳細は後ほど詳述する)が、当該地図上に道路や家屋等を図形等として表示するための地図データと共に用いられるのが通常である。
【0005】
このとき、当該POIデータは、各POIデータを検索可能に含むPOIデータベースとして記憶されている必要がある。そして、当該検索の便宜のため、従来では、当該POIデータベースはいわゆる階層構造をもって構築されているのが一般的であった。
【0006】
すなわち、当該POIデータベースは、段階的に検索対象の範囲が狭まっていく複数の階層を含む階層構造を備えており、当該各階層には、検索範囲として相互に同一であり且つ相互に異なる地点が属する複数の検索分類に相当する検索分類情報が含まれている。そして、当該検索分類情報を、上記階層構造における上位の階層から順に下位の階層に向けて絞り込んでいくことにより、最終的に一つの地点情報に到達する構成とされている。
【0007】
より具体的には、例えば図1に示すように、従来のPOIデータベースにおいては、第一段階の分類としての検索分類情報K00は、地点の属性(ジャンル)の大分類としての「交通機関」、「公共施設」、「金融機関」、…、「テーマ」を含んで構成されている。
【0008】
そして、この内の例えば検索分類「金融機関」には、当該検索分類情報K00から見て一段階下の階層に相当する第二段階の分類としての検索分類情報K10が対応付けられており、この検索分類情報K10は、地点の属性の中分類としての「都市銀行」、「地方銀行」、…、「証券会社」を含んで構成されている。また、検索分類情報K00内の例えば検索分類「テーマ」には、上記検索分類情報K10と同等の第二段階の分類としての検索分類情報K11が対応付けられており、この検索分類情報K11は、地点の属性の中分類としての「季節の風物詩」、「季節の味覚を狩る」、「全国巡礼巡り」、「春の味覚を狩る」、「夏の味覚を狩る」、…、「冬の味覚を狩る」を含んで構成されている。
【0009】
最後に、当該検索分類情報K10内の例えば検索分類「都市銀行」には、当該検索分類情報K10から見て一段階下の階層に相当する第三段階の分類としての検索分類情報K20が対応付けられており、この検索分類情報K20は、地点の属性の小分類としての「○○銀行」、「××銀行」、「△△銀行」及び「□□銀行」を含んで構成されている。
【0010】
また同様に、検索分類情報K11内の例えば検索分類「春の味覚を狩る」には、上記検索分類情報K20と同等の第三段階の分類としての検索分類情報K21が対応付けられており、この検索分類情報K21は、地点の属性の小分類としての「いちご狩り」、「たけのこ狩り」及び「潮干狩り」を含んで構成されている。更に、検索分類情報K11内の例えば検索分類「夏の味覚を狩る」には、上記検索分類情報K20又はK21と同等の第三段階の分類としての検索分類情報K22が対応付けられており、この検索分類情報K22は、地点の属性の小分類としての「潮干狩り」、「ジャガイモ掘り」及び「さくらんぼ狩り」を含んで構成されている。
【0011】
そして、実際に地点情報を検索する場合は、図1に例示するPOIデータベースにおいて大分類の上記検索分類情報K00から中分類の検索分類情報K10又はK11を経て小分類の検索分類情報K20乃至K22と辿ることで最終的に一つの地点情報が特定されることとなる。
【0012】
なお、図1に示す如き検索分類を用いたデータベース上の情報の管理(編集又は更新等)についての従来技術としては、例えば下記特許文献1又は2に記載されたものがある。
【特許文献1】特開2004−020303公報
【特許文献2】特開2005−242707公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上述した従来のPOIデータベースにおける階層構造によると、上位の階層内の複数の検索分類に共通的に対応する下位階層の検索分類がある場合、当該下位階層の検索分類としては同一である検索分類が、対応する上位階層内の検索分類夫々に属するものとしてその対応する上位階層内の検索分類の数だけ当該下位階層内に重複して記述されるのが通常であった。そしてこの場合は、当該重複して記述される分だけPOIデータベースとしては不要な冗長性を有してしまうこととなり、またそのために必要な記憶領域も無駄に必要となってしまうと言う問題点があった。
【0014】
より具体的に図1を用いて説明すると、検索分類情報K11内の検索分類「春の味覚を狩る」に対応する下位階層としての検索分類情報K21内には、検索分類「潮干狩り」が記述されており、一方、当該検索分類情報K11内の検索分類「夏の味覚を狩る」に対応する下位階層としての検索分類情報K22内にも、検索分類「潮干狩り」が記述されている(図1において夫々ハッチングにて表示する)。そしてこの場合、検索分類情報K21とK22との間においては、検索分類「潮干狩り」が重複して記述されることとなり、この検索分類「潮干狩り」が重複する分だけ、POIデータベースとしては不要な冗長性を有することとなり、またそのための記憶領域も無駄に必要となってしまうのである。
【0015】
更には、当該不要な冗長性は、例えば地図内に含まれる地物の変更(建て替え等)によりある一つの検索分類が変更(更新)される場合は、該当する検索分類を全て更新しなければならないこととなり、検索分類の複雑化(多階層化)が進むほど当該更新処理が複雑化すると共に長時間を有するものとなってしまうと言う問題点に繋がるものである。
【0016】
そこで、本願は上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、地図情報としてのPOIデータをデータベース化して記憶する際に必要な記憶容量を最小化することができると共に、当該データベースとしての不要な冗長性を除去することが可能な地点情報検索装置及び地点情報検索方法並びに当該地点情報検索用のプログラム及び当該地点情報の更新用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地図内の地点の内容を示すPOIデータ等の地点情報であって、当該地図を用いて移動体の案内処理を実行する際に用いられる地点情報を複数地点分蓄積記憶するPOIデータベース等の地点情報記憶手段を備え、当該地点情報記憶手段内において前記地点情報を検索する地点情報検索装置において、各前記地点情報は、前記案内処理実行時において前記地点情報を検索する際に用いられるものとして予め設定されている検索分類を用いて分類される複数の地点情報群に分割されて前記地点情報記憶手段内に蓄積されており、前記検索分類は、段階的に検索範囲が狭まる複数の階層を含む階層構造を備えており、更に当該各階層には、前記検索範囲として相互に同一であり且つ相互に異なる前記地点が属する複数の階層内検索分類が含まれていると共に、当該各階層内検索分類に一対一に夫々対応する複数の分類情報と、当該各分類情報を夫々に識別するための識別子と、を、一対一に夫々対応付けてなる識別子−分類情報対を複数記憶する名称テーブル等の分類情報記憶手段と、前記階層構造に対応して相互に関連付けられた各前記識別子のみを含む識別子群を記憶する分類テーブル等の識別子群記憶手段と、前記地点情報の検索の際、各前記分類情報を前記階層構造に対応して段階的に入力するために用いられる操作部等の入力手段と、前記入力された分類情報に基づき、前記記憶されている識別子群内の各前記識別子と、前記記憶されている識別子−分類情報対と、を、前記階層構造に応じて段階的に対応付けることを各前記階層について繰り返すことにより、最終的に一つの前記階層内検索分類を前記検索分類内から抽出するCPU等の抽出手段と、前記抽出された階層内検索分類に対応する前記地点情報群を前記地点情報群記憶手段内において検索するCPU等の検索手段と、を備える。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、地図内の地点の内容を示し、且つ当該地図を用いて移動体の案内処理を実行する際に用いられる地点情報を複数地点分蓄積記憶するPOIデータベース等の地点情報記憶手段を備え、当該地点情報記憶手段内において前記地点情報を検索する地点情報検索装置であって、各前記地点情報は、前記案内処理実行時において前記地点情報を検索する際に用いられるものとして予め設定されている検索分類を用いて分類される複数の地点情報群に分割されて前記地点情報記憶手段内に蓄積されており、前記検索分類は、段階的に検索範囲が狭まる複数の階層を含む階層構造を備えており、更に当該各階層には、前記検索範囲として相互に同一であり且つ相互に異なる前記地点が属する複数の階層内検索分類が含まれていると共に、当該各階層内検索分類に一対一に夫々対応する複数の分類情報と、当該各分類情報を夫々に識別するための識別子と、を、一対一に夫々対応付けてなる識別子−分類情報対を複数記憶する名称テーブル等の分類情報記憶手段と、前記階層構造に対応して相互に関連付けられた各前記識別子のみを含む識別子群を記憶する分類テーブル等の識別子群記憶手段と、を備える地点情報検索装置を用いて実行される地点情報検索方法であって、前記地点情報の検索の際、各前記分類情報を前記階層構造に対応して段階的に入力する入力工程と、前記入力された分類情報に基づき、前記記憶されている識別子群内の各前記識別子と、前記記憶されている識別子−分類情報対と、を、前記階層構造に応じて段階的に対応付けることを各前記階層について繰り返すことにより、最終的に一つの前記階層内検索分類を前記検索分類内から抽出する抽出工程と、前記抽出された階層内検索分類に対応する前記地点情報群を前記地点情報群記憶手段内において検索する検索工程と、を含んで構成される。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項1から8いずれか一項に記載の地点情報検索装置に含まれるコンピュータを、前記抽出手段及び前記検索手段として夫々機能させる。
【0020】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の地点情報検索装置に含まれるコンピュータを、前記取得手段、及び、前記更新手段、として機能させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本願を実施するための最良の形態について、図2乃至図7に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、移動体としての車両に搭載され、当該車両の移動を地図表示及び音声等により案内するナビゲーションシステムにおける地点情報の検索処理に対して本願を適用した場合の実施の形態である。
【0022】
また、図2は実施形態に係るナビゲーションシステムの概要構成を示すブロック図であり、図3及び図4は当該ナビゲーションシステム内のPOIデータベースにおけるデータ構造を示すブロック図であり、図5及び図6は実施形態に係るPOIデータの検索の流れを例示する図であり、図7は実施形態に係るPOIデータの更新手順を示すフローチャートである。
(I)全体構成
初めに、実施形態に係るナビゲーションシステムの概要構成について説明する。
【0023】
図2に示すように、実施形態に係るナビゲーションシステムSは、一台の車両に一台ずつ夫々車載されているナビゲーション装置1が、インターネット又は専用回線等のネットワーク2を介して複数車両分配信サーバ3に接続された構成を備えており、当該配信サーバ3には、マスタ地図データベース40が内蔵されている地図データサーバ4と、マスタPOIデータベース50が内蔵されているPOIデータサーバ5と、が接続されている。
【0024】
この構成において、マスタ地図データベース40には、各ナビゲーション装置1内の後述する表示部12上に地図を表示するために必要な、例えばいわゆる道路データや行政区画の境界を示す境界データ、或いは、河川や山岳又は建物の平面図等の形状を示す形状データが、従来と同様のデータ構造に拠り地図データとして蓄積されている。
【0025】
そして、配信サーバ3は、後述するタイミングにおいて上記地図データを地図データ情報Smapとして読出し、ネットワーク2を介していずれかのナビゲーション装置1に配信する。
【0026】
一方、マスタPOIデータベース50には、上記表示部12上に地図を表示して車両の移動を案内する際に用いられる地図上の地点の内容を示す地点情報としての上記POIデータが、後述する実施形態に係るデータ構造に拠り、上記マスタ地図データベース40内に蓄積されている地図データを用いて表示される地図内に含まれる全ての地点分だけ含まれている。
【0027】
ここで、上記POIデータに含まれる項目として一般的且つ具体的には、例えば、そのPOIデータが対応する地点の、地点データとしての番号(POI番号)、その地点の名称、当該名称の読み、その地点の座標(緯度及び経度(又は高度)で示されるその地点の座標)、その地点にある施設の電話番号、当該施設の郵便番号及びその地点に相当する住所等が、例えばテキストデータ等として含まれている。
【0028】
そして、配信サーバ3は、後述するタイミングにおいて上記POIデータをPOIデータ情報SpoiとしてマスタPOIデータベース50から読出し、ネットワーク2を介していずれかのナビゲーション装置1に配信する。
【0029】
なお、上記マスタ地図データベース40及びマスタPOIデータベース50夫々の内容は、当該各データベースを管理する管理者により、常に最新のものに更新されつつ蓄積されている。そして、各ナビゲーション装置1内の後述する地図データベース16内の地図データ及びPOIデータベース17内のPOIデータの更新用等として用いられる。
【0030】
他方、当該配信サーバ3から上記地図データ情報Smap及びPOIデータ情報Spoiの配信を受ける各ナビゲーション装置1は、相互に同一の構成を備えており、具体的には図1に示すように、取得手段としてのインターフェース10と、スピーカ等を含む音声出力部11と、液晶ディスプレイ等からなる分類情報告知手段としての表示部12と、図示しないGPS(Global Positioning System)受信部、速度センサ、距離センサ、加速度センサ及び現在位置演算部等を含むナビゲーション処理部13と、光ディスクDKを装填可能に構成されているディスクドライブ14と、操作ボタン又はリモートコントロール装置等からなる入力手段及び選択手段としての操作部15と、マスタ地図データベース16から配信されてきた地図データ情報Smapを蓄積する地図データベース16と、マスタPOIデータベース17から配信されてきたPOIデータ情報Spoiを蓄積する地点情報記憶手段、分類情報記憶手段及び識別子群記憶手段POIデータベース17と、抽出手段、検索手段及び更新手段としてのCPU19と、により構成されている。そして、上記インターフェース10、音声出力部11、表示部12、ナビゲーション処理部13、ディスクドライブ14、操作部15、地図データベース16、POIデータベース17及びCPU19は、バス18により相互にデータの授受が可能に構成されている。
【0031】
この構成において、上記配信サーバ3を介して配信されてくる地図データ情報Smap及びPOIデータ情報Spoiは、夫々インターフェース10及びバス18を介して地図データベース16及びPOIデータベース17に蓄積され、当該地図データベース16内の地図データ及びPOIデータベース内のPOIデータの更新等に夫々用いられる。
【0032】
そして、ナビゲーション処理部13は、操作部15において使用者により実行された操作に対応する案内動作をナビゲーション装置1に実行させるべく、上記GPS受信部及び各センサから得られた情報を用いて上記現在位置演算部によりナビゲーション装置1が搭載されている車両の現在位置を演算し、実際の案内動作を実行するための処理をその演算結果を用いて行う。この処理結果は、音声データ及び地図を含む画像データとして夫々音声出力部11及び表示部12に出力される。
【0033】
このとき、上記案内動作に必要な地図検索処理や地点検索処理、或いは表示用の地図生成処理等は、上記地図データベース16内に蓄積されている上記地図データ情報Smap又は上記POIデータベース17内に蓄積されているPOIデータ情報Spoiのいずれか一方又は両方を読み出して活用することにより、主としてCPU19において実行される。このとき、特に上記POIデータ情報Spoiの実施形態に係る活用態様については、後ほど詳述する。
【0034】
これにより、上記音声出力部11は、上記音声データを用いて上記案内動作に必要な音声(いわゆる案内音声)を合成し、例えば車両の移動に併せて更新しつつ図示しないスピーカから放音させる。また、上記表示部12は、上記画像データに対応する地図や地点のシンボル等を、例えば車両の移動に併せて更新しつつ表示する。
【0035】
これらの処理と並行して、CPU19は、上述した地図検索処理や地点検索処理、或いは表示用の地図生成処理等を含む実際の案内動作全体を統括制御する。
【0036】
なお、ナビゲーション処理部13における処理に必要な上記地図データ情報Smap及びPOIデータ情報Spoi等は、光ディスクDKに予め記録されている当該地図データ情報Smap及びPOIデータ情報Spoi等をそのままディスクドライブ14により読み出して当該処理に供させてもよい。
(II)POIデータベースの構成の実施形態
次に、上記マスタPOIデータベース50及びPOIデータベース17に蓄積されているPOIデータ情報Spoiの、当該各データベース内におけるデータ構造について、具体的に図3を用いて説明する。なお、上述したように、マスタPOIデータベース50とPOIデータベース17とは、夫々同様のデータ構造を備えているので、図3では、これらを代表してPOIデータベース17内のデータ構造について、具体的に説明する。
【0037】
図3に示すように、実施形態に係るPOIデータベース17は、上記各地点に夫々一対一に対応付けられている上記POIデータPDをその地点の数分含むPOIファイル群PFGと、当該各POIデータPDを検索する際に用いられる分類テーブルCT及び名称テーブルNT並びにエリア索引ファイルAFを含む索引ファイル群JAIGと、により構成されている。
【0038】
そして、POIファイル群PFGは、地図上の領域(以下、当該領域を単に「エリア」と称する)及び各地点が有する属性(以下、当該属性を「ジャンル」と称する)を共に指標として各POIデータPDを分割して得られ、且つ相互に独立している地点情報群としてのPOIファイルPFを複数個含んで構成されている。
【0039】
このとき、当該POIファイルPFの分割方法として具体的には、例えば図2に例示するPOIファイルPF−1Aはエリアとしての「北海道」内にあり、ジャンルとしての「交通機関」に属する地点に一対一に対応するPOIデータPDのみを含むPOIファイルである。
【0040】
また、同じくPOIファイルPF−1BはPOIファイルPF−1Aと同じエリアとしての「北海道」内にあり、ジャンルとしての「公共施設」に属する地点に一対一に対応するPOIデータPDのみを含むPOIファイルである。
【0041】
更に、同じくPOIファイルPF−2Aはエリアとしての「青森県」内にあり、POIファイルPF−1Aと同じジャンルとしての「交通機関」に属する地点に一対一に対応するPOIデータPDのみを含むPOIファイルである。
【0042】
更にまた、同じくPOIファイルPF−2BはPOIファイルPF−2Aと同じエリアとしての「青森県」内にあり、POIファイルPF−1Bと同じジャンルとしての「公共施設」に属する地点に一対一に対応するPOIデータPDのみを含むPOIファイルである。
【0043】
以下同様に、POIファイルPFは、エリアとジャンルの双方を指標として分割されたものであり、上記した以外のエリアとしては、都道府県の他、例えば市町村等のいわゆる行政区分の夫々が一つのエリアに相当するものとしてPOIファイルPFが分割されている。また、同様に上記した以外のジャンルとしては、例えば、「金融機関」、「宿泊施設」、「グルメスポット」、「プレイスポット」、「スポーツスポット」、「文化スポット」、「自動車関連施設」、「小売店」、「病院」、「教育施設」、「その他」、「季節の風物詩」、「全国巡礼めぐり」、「春の味覚を探る」、「夏の味覚を探る」、「秋の味覚を探る」、「冬の味覚を探る」等の夫々が、一つのジャンルに相当するものとしてPOIファイルPFが分割されている。
【0044】
また、各POIファイルPF夫々の構成として具体的には、各POIファイルPFは、そのPOIファイルPFの分割指標であるエリア及びジャンルに該当する全ての地点に一対一に対応する全てのPOIデータPDと、当該POIデータPD自体の属性情報(すなわち、そのPOIデータPDの更新履歴(ヴァージョン情報)等の情報)を含む管理データGDと、を夫々に含んでいる。
【0045】
一方、索引ファイル群JAIGは、上記POIファイルPF夫々の分割指標の一つであるジャンルを指定して対応するPOIデータPDを検索する際に用いられる上記分類テーブルCT及び名称テーブルNTと、当該分割指標の他の一つであるエリアを指定して対応するPOIデータPDを検索する際に用いられるエリア索引ファイルAFを含んで構成されている。
【0046】
より具体的には、図3に例示するように、索引ファイル群JAIGは、上記各ジャンルに夫々相当する検索分類の名称を示す名称情報と、当該検索分類を他の検索分類から識別するために当該各検索分類に一対一に対応付けられている識別子と、の組み合わせである識別子−名称情報対を当該検索分類の数だけ含む名称テーブルNTと、各検索分類の階層構造を上記識別子のみを用いて記述する(換言すれば、上記名称情報を含まない)分類テーブルCTと、エリア索引ファイルAFと、により構成されている。そして、分類テーブルCTと名称テーブルNTとの間の関連輔を示す関連付情報JTに基づき、最終的に一つのジャンルが検索される。
【0047】
一方、エリア索引ファイルAFは、「北海道」、「青森」、「岩手」、…、等の(エリアの小区分としての)行政区画を示す情報が複数記述されて構成されている。そして、上記分類テーブルCTと名称テーブルNTとにより検索されたジャンルとと、エリア索引ファイルAF内の各情報との関連付けは、当該ジャンルとエリア索引ファイルAFとの間の関連付け情報JLとしてPOIデータベース17内に記憶されている。
【0048】
これらにより、段階的に決定された一つのジャンル及びエリアに対応するPOIデータPDを含むPOIファイルPFを示す複数の検索リンク情報JALが、対応するエリア索引ファイルAFから当該POIファイルPFまで到達するように構成されてPOIデータベース17内に記憶されている。
【0049】
次に、本願に係る上記分類テーブルCT及び名称テーブルNTについて、より具体的に図4を用いて説明する。
【0050】
先ず、名称テーブルNTには、図4右に示すように、上述した識別子−名称情報対Pが、POIデータベース17内のジャンルによる検索分類の数だけ含まれている。このとき、当該名称テーブルNT内においては、各識別子−名称情報対Pは、当該識別子に含まれている数字又はアルファベットの順に互いに並列の関係として(換言すれば、階層構造には関係なく)並べられており、且つ、一つの識別子に相当する検索分類の下位階層に属する検索分類に夫々相当する識別子−名称情報対Pは、相互に一纏まりとして名称テーブルNT内に記述されている。
【0051】
これに対し、分類テーブルCTには、図4左に示すように、一つの識別子に対して、その直近下位の階層に属する検索分類を夫々示す識別子が対応付けられて記述されている。
【0052】
すなわち、図4左の例では、識別子0001に相当する検索分類(図4の場合ジャンルで探す))の直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「交通機関」、「公共施設」、「金融機関」、「宿泊施設」、「教育施設」、「その他」及び「テーマ」の七つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子0002乃至0005及び0013乃至0015が、当該識別子0001に属するものとして記述されている。
【0053】
また、これに続けて、識別子0001の直近下位の階層に属する識別子の一つである識別子0004(対応する検索分類は「金融機関」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「都市銀行」、「地方銀行」、「第2地方銀行」、「その他の金融機関」及び「証券会社」の五つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子A180、A200、A280、A300及びA400が、当該識別子0004に属するものとして記述されている。
【0054】
更に、これに続けて同様に、識別子0001の直近下位の階層に属する識別子の他の一つである識別子0015(対応する検索分類は「テーマ」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「アウトドアレジャー」、「雨の日のレジャー」、「海辺の風景を楽しむ」、「お勧めグルメ」、「季節の風物詩」、「異説の味覚を狩る」及び「全国巡礼巡り」の七つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子E080、E100、E180、E200及び0016乃至0018が、当該識別子0015に属するものとして記述されている。
【0055】
更にまた、これに続けて同様に、識別子0015の直近下位の階層に属する識別子の一つである識別子0017(対応する検索分類は「季節の味覚を狩る」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「春の味覚を狩る」、「夏の味覚を狩る」、「秋の味覚を狩る」及び「冬の味覚を狩る」の四つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子0019乃至0022が、当該識別子0017に属するものとして記述されている。
【0056】
また、これに続けて同様に、識別子0017の直近下位の階層に属する識別子の一つである識別子0019(対応する検索分類は「春の味覚を狩る」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「いちご狩り」、「たけのこ狩り」及び「潮干狩り」の三つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子E381乃至E383が、当該識別子0019に属するものとして記述されている。
【0057】
更に、これに続けて同様に、識別子0017の直近下位の階層に属する識別子の他の一つである識別子0020(対応する検索分類は「夏の味覚を狩る」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「潮干狩り」、「ジャガイモ掘り」及び「さくらんぼ狩り」の三つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子E383、E384及びE401が、当該識別子0020に属するものとして記述されている。
【0058】
更にまた、これに続けて同様に、識別子0004の直近下位の階層に属する識別子の一つである識別子A180(対応する検索分類は「都市銀行」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「○○銀行」、「××銀行」、「△△銀行」及び「□□銀行」の四つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子F001乃至F004が、当該識別子A180に属するものとして記述されている。
【0059】
そして最後に、これに続けて同様に、識別子0004の直近下位の階層に属する識別子の他の一つである識別子A200(対応する検索分類は「地方銀行」(名称テーブルNT参照))の更に直近下位の階層に属する検索分類(図4の場合は、「**銀行」、「●●銀行」及び「▲▲銀行」の三つ(名称テーブルNT参照))を夫々示す識別子F101乃至F103が、当該識別子A200に属するものとして記述されている。
【0060】
このように、分類テーブルCTには、POIデータベース17内のジャンルとしての検索分類の階層構造が、識別子のみを用いて記述されている。そして、図4において中矢印つき直線にて示すように、分類テーブルCTにおいて同一の識別子は、その識別子を手掛かりとして名称テーブルNT内の一つの識別子−名称情報対P内の名称情報を参照することが可能となる。
(III)検索処理の実施形態
次に、上記索引ファイル群JAIG内の分類テーブルCT等を用いてジャンル及びエリアから一つのPOIデータPDを検索する処理の流れを、具体的に図5及び図6を用いて説明する。なお、図5及び図6においては、索引ファイル群JAIG内の分類テーブルCT等において使用者により指定される情報をハッチング表示している。
【0061】
先ず、POIデータベース17において、使用者の操作により検索分類としての一つのジャンルが検索されるまでの流れを、図5を用いて説明する。なお、図5において、図4に示す分類テーブルCT等と同様のものは同様の部材版棒を付して細部の説明は省略する。
【0062】
本願に係るPOIデータPDの検索処理においては、初期画面として、先ず表示部12において画面G−1が表示される。この画面G−1には検索方法として「ジャンルで探す」、「住所で探す」、…、が一覧表示され、ジャンルを用いてPOIデータPDの検索を行う場合は、このうちの「ジャンルで探す」が操作部15を用いて指定されることとなる。
【0063】
このようにして当該操作部15及び画面G−1を用いて「ジャンル」によりジャンル及びエリアを用いたPOIデータPDの検索が選択されると、次に、当該選択操作により名称テーブルNT内の識別子0001及び名称情報「ジャンルで探す」を含む識別子−名称情報対Pが指定されることとなり、これにより名称テーブルNTから関連付け情報JTを辿って分類テーブルCT内の識別子0001が特定され、更にそれに属する識別子0002乃至0005及び0013乃至0015が特定される。このとき、分類テーブルCTにおいて、識別子0001に属する上記識別子0002乃至0005及び0013乃至0015が特定された時点で、対応する関連付け情報JTを辿って当該特定された各識別子に相当する名称テーブルNTから名称情報「交通機関」、「公共施設」、「金融機関」、「宿泊施設」、「教育施設」、「その他」及び「テーマ」が特定され、それらを一覧表として含む画面G−2が表示部12に表示される。
【0064】
次に、当該画面G−2において、図5に示すように例えば「金融機関」が選択されると、当該選択操作により名称テーブルNT内の識別子0004及び名称情報「金融機関」を含む識別子−名称情報対Pが指定されることとなり、これにより名称テーブルNTから関連付け情報JTを辿って分類テーブルCT内の識別子0004が特定され、更にそれに属する識別子A180、A200、A280、A300及びA400が特定される。このとき、分類テーブルCTにおいて、識別子0004に属する上記識別子A180、A200、A280、A300及びA400が特定された時点で、対応する関連付け情報JTを辿って当該特定された各識別子に相当する名称テーブルNTから名称情報「都市銀行」、「地方銀行」、「第2地方銀行」、「その他金融機関」及び「証券会社」が特定され、それらを一覧表として含む画面G−3が表示部12に表示される。
【0065】
そして、当該画面G−3において、図5に示すように例えば「都市銀行」が選択されると、当該選択操作により名称テーブルNT内の識別子A180及び名称情報「都市銀行」を含む識別子−名称情報対Pが指定されることとなり、これにより名称テーブルNTから関連付け情報JTを辿って分類テーブルCT内の識別子A180が特定され、更にそれに属する識別子F001乃至F004が特定される。このとき、分類テーブルCTにおいて、識別子A180に属する上記識別子F001乃至F004が特定された時点で、対応する関連付け情報JTを辿って当該特定された各識別子に相当する名称テーブルNTから名称情報「○○銀行」、「××銀行」、「△△銀行」及び「□□銀行」が特定され、それらを一覧表として含む画面G−4が表示部12に表示される。
【0066】
そして最後に、当該画面G−4において、図5に示すように例えば「△△銀行」が選択されると、当該選択操作により名称テーブルNT内の識別子F003及び名称情報「△△銀行」を含む識別子−名称情報対Pが指定されることとなり、これにより、ジャンルによるPOIデータPDの検索処理が終了する。
【0067】
次に、当該ジャンルが特定された後のエリア検索ファイルAFを用いた更なる検索処理について、図6を用いて説明する。
【0068】
図6に示すように、上記画面G−1乃至G−4を段階的に用いることで最終的なジャンルとしての「△△銀行」が特定されると、この時点で検索されるべきジャンルが確定される(ジャンルの絞込みが完了する)こととなるので、次に、上記エリア索引ファイルAF内に記述されている情報に相当する表示が表示部12において実行される。
【0069】
これにより、当該エリア索引ファイルAF内に記述されている情報の表示中において例えば「北海道」が指定されると(図6右から二列目参照)、この時点で検索されるべきエリアが確定される。
【0070】
そして、上述して来た一連の処理により「北海道」内の「△△銀行」が最終的に指定されたこととなるので、当該北海道内の△△銀行に相当する上記POIファイルPFが検索され、当該検索されたPOIファイルPF内に記述されている情報に相当する表示が表示部12において実行される。
【0071】
そして、当該POIファイルPF内に記述されている情報の表示中において例えば「札幌駅前支店」が指定されると(図6右から一列目参照)、最終的に当該「札幌駅前支店」がPOIデータベース17内において検索されたこととなり、当該「札幌駅前支店」に相当する地点表示が表示部12上において実行されることとなる。
(IV)更新処理の実施形態
最後に、実施形態に係るPOIデータベース17内に蓄積されている名称テーブルNT内の識別子−名称情報対P単位の更新処理について、図7を用いて説明する。
【0072】
図7に示すように、実施形態に係る識別子−名称情報対P単位の更新処理では、POIデータサーバ5と各ナビゲーション装置1との間で、当該各ナビゲーション装置1内のPOIデータベース17内の名称テーブルNTの更新状態を示す情報(具体的には、例えば名称テーブルNTのヴァージョン情報や直近前の更新日付情報等)の授受を、配信サーバ3を介して各ナビゲーション装置1毎に行い、当該名称テーブルNTにおける現在の更新状態を各ナビゲーション装置1内のPOIデータベース17に含まれる当該名称テーブルNT毎に確認する(ステップS1、S10)。この確認処理については、例えば予め設定されている一定期間毎、又はナビゲーション装置1側からの要請により開始されることが好ましい。
【0073】
そして、ステップS1及びS10の処理で取得した更新状態を示す情報に基づき、名称テーブルNTを更新することが可能な更新情報D(図5符号D参照)がマスタPOIデータベース50内に存在するか否かを確認する(ステップS2、S3)。
【0074】
これにより、その時に対象となっている名称テーブルNTを更新するための更新情報Dが存在しないときは(ステップS3;NO)、そのまま後述するステップS6に移行し、一方、当該更新情報Dが存在しているときは(ステップS3;YES)、次に、例えば必要に応じて当該更新情報Dのうち実際に当該名称テーブルNTの更新に用いる更新情報Dを選別し(ステップS4)、当該選別された更新情報Dを上記POIデータ情報Spoiとして更新される名称テーブルNTを含むPOIデータベース17を備えるナビゲーション装置1に送信し(ステップS5)、次に、他に更新すべき名称テーブルNTを蓄積しているナビゲーション装置1があるか否かを確認する(ステップS6)。
【0075】
そして、全ての更新すべき名称テーブルNTについて上記更新情報Dの送信が完了しているときは(ステップS6;NO)、実施形態に係るPOIデータサーバ5としての更新処理を終了し、一方、他に更新すべき名称テーブルNTを蓄積しているナビゲーション装置1があるときは(ステップS6;YES)、上記ステップS2に戻り、当該他の更新すべき名称テーブルNTを蓄積しているナビゲーション装置1について上記ステップS2乃至S5の処理を繰り返す。
【0076】
他方、上記ステップS5の処理によりPOIデータサーバ5から更新情報Dを取得したナビゲーション装置1では(ステップS11)、その取得した更新情報Dを用いて自己に備えられているPOIデータベース17内の名称テーブルNTの更新を行い(ステップS12)、実施形態に係るナビゲーション装置1としての更新処理を終了する。なお、図5右下において、識別子F003及び名称情報「△△銀行」を含む識別子−名称情報対P内の当該名称情報を、更新情報D(識別子F003及び名称情報「△▲銀行」を含む)を用いて新たな名称情報「△▲銀行」に更新する場合について例示している。
【0077】
また、上記ステップS4における更新情報Dの選別処理は、配信サーバ3からナビゲーション装置1へ伝送されるPOIデータ情報Spoi自体のデータ量を削減して当該伝送処理を高速化するため、例えば、更新される名称テーブルNTが蓄積されているPOIデータベース17を備えるナビゲーション装置1を使用する使用者が実際に検索処理に頻繁に使用するジャンル等の情報を上記ステップS10の処理においてPOIデータサーバ5に上記更新状態を示す情報と共に送信することにより、上記ステップS4の処理として、その送信されて来たジャンルに相当する名称テーブルNTを更新するための更新情報Dのみをそのナビゲーション装置1に送信するための選別処理である。
【0078】
更に、図7に示す更新処理においては、POIデータPD自体の内容が例えば建て替え等により変更されたとしても、検索分類としての階層構造が変更されない限り、分類テーブルCTの内容が更新されることはない。
【0079】
以上説明したように、実施形態に係るナビゲーションシステムSにおける検索動作によれば、各階層内の検索分類に一対一に対応する名称情報を含む識別子−名称情報対Pと、当該名称情報を介して階層内の各検索分類に一対一に夫々対応する識別子を含む分類テーブルCTと、が別個独立に記憶されており、更に分類テーブルCT内において当該識別子のみを用いて検索分類内の階層構造が記述されているので、当該階層構造の記述に当たって名称情報自体が二以上重複して記述されることがない。
【0080】
従って、POIデータPD検索用のPOIデータベース17又はマスタPOIデータベース50として必要な容量を最小化すると共に当該POIデータベース17等における不要な冗長性を除去することができる。
【0081】
また、各識別子−名称情報対Pが、それらが対応する階層内検索分類に夫々対応した識別子−名称情報対P群を形成して纏まって名称テーブルNT内に記述されており、且つ、各識別子−名称分類情報対P群が相互に並列の関係をもって名称テーブルNTが形成されているので、階層構造を辿ってPOIデータPDを検索する処理を単純化して高速化することができる。
【0082】
更に、いずれかの識別子−名称情報対Pが階層構造に対応して段階的に選択されるので、迅速且つ簡易な処理で所望のPOIデータPDを検索することができる。
【0083】
更にまた、検索分類がジャンルを示す分類であり、最終的に抽出された階層内の検索分類に相当するジャンルに対応するPOIファイルPFを検索するので、地図上の地点に適した検索項目を用いて迅速にPOIファイルPFを検索することができる。
【0084】
また、地点属性としてのジャンルが当該地点にある施設の属性であるので、地図上の地点に更に適した検索項目を用いてより迅速にPOIファイルPFを検索することができる。
【0085】
更に、検索分類が地図上のエリアを示す分類であり、最終的に抽出された階層内の検索分類に相当するエリアに対応するPOIファイルPFを検索するので、地図に適した検索項目を用いて迅速にPOIファイルPFを検索することができる。
【0086】
更にまた、そのエリアが行政区画であるので、地図上の地点に更に適した検索項目を用いてより迅速にPOIファイルPFを検索することができる。
【0087】
また、識別子−名称情報対Pと、分類テーブルCTと、が別個独立に記憶されているので、地図又はPOIデータPDの変更に伴って階層内の検索分類が変更される場合でも、当該変更される検索分類に対応する名称情報を含む識別子−名称情報対Pを当該変更に対応させて更新するのみで当該変更後のPOIデータPDの検索が可能となることとなり、地図又はPOIデータPDの更新に対応して簡易な処理でPOIデータベース17等を更新することができる。
【0088】
また、識別子−名称情報対P毎に更新情報Dを取得し、その取得した更新情報Dを用いて識別子−名称情報対P毎にこれらを更新するので、当該識別子−名称情報対P毎の更新を可能とすることにより、更新に用いられる更新情報Dを最小化して高速に当該更新処理を実行させることができる。
【0089】
なお、上述した実施形態では、検索項目としてのジャンルが階層構造をもってPOIデータベース17等に記憶されている場合について説明したが、これ以外に、検索項目としてのエリアが、例えば、
都道府県→区又は群→市、町又は村→番地
のように階層構造を持ってPOIデータベース17等に記憶されている場合における当該エリアとしての地点の検索に対して本願を適用することも可能である。
【0090】
また、図5乃至図7に示す検索処理及び更新処理に対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係るCPU19として活用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】従来のPOIデータベースの構成を例示する図である。
【図2】実施形態に係るナビゲーションシステムの概要構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係るナビゲーションシステム内のPOIデータベースにおけるデータ構造を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係るナビゲーションシステム内のPOIデータベースにおけるデータ構造の細部を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係るPOIデータの検索の流れを例示する図(I)である。
【図6】実施形態に係るPOIデータの検索の流れを例示する図(II)である。
【図7】実施形態に係るPOIデータの更新手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 ナビゲーション装置
2 ネットワーク
3 配信サーバ
4 地図データサーバ
5 POIデータサーバ
10 インターフェース
11 音声出力部
12 表示部
13 ナビゲーション処理部
14 ディスクドライブ
15 操作部
16 地図データベース
17 POIデータベース
18 バス
19 CPU
40 マスタ地図データベース
50 マスタPOIデータベース
S ナビゲーションシステム
P 識別子−名称情報対
DK 光ディスク
PF POIファイル
PD POIデータ
CT 分類テーブル
NT 名称テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図内の地点の内容を示す地点情報であって、当該地図を用いて移動体の案内処理を実行する際に用いられる地点情報を複数地点分蓄積記憶する地点情報記憶手段を備え、当該地点情報記憶手段内において前記地点情報を検索する地点情報検索装置において、
各前記地点情報は、前記案内処理実行時において前記地点情報を検索する際に用いられるものとして予め設定されている検索分類を用いて分類される複数の地点情報群に分割されて前記地点情報記憶手段内に蓄積されており、
前記検索分類は、段階的に検索範囲が狭まる複数の階層を含む階層構造を備えており、
更に当該各階層には、前記検索範囲として相互に同一であり且つ相互に異なる前記地点が属する複数の階層内検索分類が含まれていると共に、
当該各階層内検索分類に一対一に夫々対応する複数の分類情報と、当該各分類情報を夫々に識別するための識別子と、を、一対一に夫々対応付けてなる識別子−分類情報対を複数記憶する分類情報記憶手段と、
前記階層構造に対応して相互に関連付けられた各前記識別子のみを含む識別子群を記憶する識別子群記憶手段と、
前記地点情報の検索の際、各前記分類情報を前記階層構造に対応して段階的に入力するために用いられる入力手段と、
前記入力された分類情報に基づき、前記記憶されている識別子群内の各前記識別子と、前記記憶されている識別子−分類情報対と、を、前記階層構造に応じて段階的に対応付けることを各前記階層について繰り返すことにより、最終的に一つの前記階層内検索分類を前記検索分類内から抽出する抽出手段と、
前記抽出された階層内検索分類に対応する前記地点情報群を前記地点情報群記憶手段内において検索する検索手段と、
を備えることを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地点情報検索装置において、
前記分類情報記憶手段においては、
一の前記階層内検索分類に対応する複数の前記識別子−分類情報対を一纏まりとして含む識別子−分類情報対群が複数形成されて各前記識別子−分類情報対が記憶されており、
且つ、各前記識別子−分類情報対群が相互に並列の関係をもって記憶されていることを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の地点情報検索装置において、
各前記階層に属する前記階層内検索分類夫々に対応する前記分類情報を、各前記階層毎に告知する分類情報告知手段と、
一つの前記階層毎に、前記告知されている分類情報を選択するために用いられる選択手段と、
を更に備え、
前記抽出手段は、前記選択された分類情報を含む前記識別子−分類情報対と、各前記識別子と、を、前記階層構造に応じて段階的に対応付けることを繰り返して一つの前記階層内検索分類を前記検索分類内から抽出することを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項4】
請求項1から3に記載の地点情報検索装置において、
前記検索分類は、前記地点の属性を示す属性検索分類であり、
前記検索手段は、前記抽出された階層内検索分類に相当する前記属性検索分類に対応する前記地点情報群を、前記地点情報群記憶手段内において検索することを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項5】
請求項4に記載の地点情報検索装置において、
前記属性は施設としての前記地点の属性であることを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項6】
請求項1から3に記載の地点情報検索装置において、
前記検索分類は、前記地図上の領域を示す領域検索分類であり、
前記検索手段は、前記抽出された階層内検索分類に相当する前記領域検索分類に対応する前記地点情報群を、前記地点情報群記憶手段内において検索することを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項7】
請求項6に記載の地点検索装置において、
前記領域は行政区画に対応した領域であることを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の地点情報検索装置において、
各前記分類情報を更新するための更新情報を、当該分類情報単位で外部から取得する取得手段と、
前記取得された更新情報を用いて、当該更新情報に対応する前記分類情報を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする地点情報検索装置。
【請求項9】
地図内の地点の内容を示し、且つ当該地図を用いて移動体の案内処理を実行する際に用いられる地点情報を複数地点分蓄積記憶する地点情報記憶手段を備え、当該地点情報記憶手段内において前記地点情報を検索する地点情報検索装置であって、各前記地点情報は、前記案内処理実行時において前記地点情報を検索する際に用いられるものとして予め設定されている検索分類を用いて分類される複数の地点情報群に分割されて前記地点情報記憶手段内に蓄積されており、前記検索分類は、段階的に検索範囲が狭まる複数の階層を含む階層構造を備えており、更に当該各階層には、前記検索範囲として相互に同一であり且つ相互に異なる前記地点が属する複数の階層内検索分類が含まれていると共に、当該各階層内検索分類に一対一に夫々対応する複数の分類情報と、当該各分類情報を夫々に識別するための識別子と、を、一対一に夫々対応付けてなる識別子−分類情報対を複数記憶する分類情報記憶手段と、前記階層構造に対応して相互に関連付けられた各前記識別子のみを含む識別子群を記憶する識別子群記憶手段と、を備える地点情報検索装置を用いて実行される地点情報検索方法であって、
前記地点情報の検索の際、各前記分類情報を前記階層構造に対応して段階的に入力する入力工程と、
前記入力された分類情報に基づき、前記記憶されている識別子群内の各前記識別子と、前記記憶されている識別子−分類情報対と、を、前記階層構造に応じて段階的に対応付けることを各前記階層について繰り返すことにより、最終的に一つの前記階層内検索分類を前記検索分類内から抽出する抽出工程と、
前記抽出された階層内検索分類に対応する前記地点情報群を前記地点情報群記憶手段内において検索する検索工程と、
を含むことを特徴とする地点情報検索方法。
【請求項10】
請求項1から8いずれか一項に記載の地点情報検索装置に含まれるコンピュータを、前記抽出手段及び前記検索手段として夫々機能させることを特徴とする地点情報検索用プログラム。
【請求項11】
請求項8に記載の地点情報検索装置に含まれるコンピュータを、
前記取得手段、及び、
前記更新手段、
として機能させることを特徴とする地点情報更新用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−219754(P2007−219754A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−38532(P2006−38532)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】