説明

基板保持回転機構、基板処理装置

【課題】各スピンドルの保持回転部による基板の周縁部を保持する保持力を均等にでき、保持した基板の回転を安定させることができる基板保持回転機構を提供すること。
【解決手段】基板Wの周縁部を保持し回転する複数のスピンドル50を、各々二本ずつのスピンドル50からなるスピンドル群53,54として基板保持位置の対向する両側部に配置し、各スピンドル群53,54が取り付けられたベース部材17,25を基板保持位置の両側部で直線移動させる第1移動機構10と第2移動機構20を備えると共に、第1移動機構10にベース部材17を水平面内で回動自在にする回動機構を設けた。これにより、スピンドル群53,54が基板Wを保持する際に、回動機構によってベース部材17が回動して、その上のスピンドル50,50が基板Wの周縁部を保持する保持力が自動調整されて互いに均等になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスピンドルで基板を保持し回転させる基板保持回転機構、及び該基板保持回転機構を備えた基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、半導体ウエハ等の基板の洗浄処理や研磨処理を行う際に該基板を保持し回転させる基板保持回転機構がある。図1は、この種の基板保持回転機構を上方から見た模式図である。この基板保持回転機構は、図1(a)に示すように、基板Wの両側部に各々複数本(図では各二本)のスピンドル101からなるスピンドル群102,102を備えている。スピンドル群102,102は、板状のベース部材100,100上に設置されている。ベース部材100,100は、該ベース部材100,100を基板Wの保持位置と退避位置との間で移動させる移動機構(図示せず)に搭載されている。この基板保持回転機構は、各スピンドル群102,102を退避位置から保持位置に向かって移動させることで、各スピンドル101に設けた保持回転部(コロ)101aを基板Wの周縁部に当接させて基板Wを保持(クランプ)する。またその状態で保持回転部101aを回転させ、保持した基板Wを回転させるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−180198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この基板保持回転機構は、通常、基板Wを保持した際に、各スピンドル101が上方から見て同一の円周上に配置され、各スピンドル101の保持回転部101aが互いに均等な圧力で基板Wの周縁部に当接するようになっている。しかしながら、ベース部材100の設置位置のずれや、移動機構のガタなどによって、基板Wを保持した際に各スピンドル101の位置が同一円周上からずれて微小な位置の誤差が生じることがある。そうすると、基板Wを保持した際に、図1(b)に示すように一対のスピンドル101,101の片方だけしか基板Wに当接しなかったり、あるいは両方が当接してもその当接力に差が出たりする。このように、各スピンドル101の保持回転部101aが基板Wを保持する保持力が均等でなくなる場合があった。そうすると、保持回転部101aに保持された基板Wの回転が安定せず、基板Wの洗浄等の処理効率が低下するおそれがあった。また、保持力が不均等な状態で多数の基板Wを処理すると、次第に各スピンドル101の保持回転部101aの磨耗度に差が生じてしまう。そのため、保持回転部101aの磨耗が進む前に部品交換を行わなければならず、部品コストが増加したり、メンテナンスの回数が増えて装置の稼働率の低下につながる、という問題があった。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、基板を保持する際に、各スピンドルの保持回転部による基板の周縁部を保持する保持力を均等にでき、基板の回転を安定させることができ、且つ多数のウエハを保持しても各スピンドルの保持回転部の磨耗度に差が生じにくい基板保持回転機構、及び該基板保持回転機構を備えた基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の一態様は、保持回転部を備えた3本以上のスピンドルと、前記3本以上のスピンドルの保持回転部のうち少なくとも1つを回転させる回転機構とを具備し、前記3本以上のスピンドルの保持回転部で基板の周縁部を保持し該基板を回転させる基板保持回転機構において、前記3本以上のスピンドルのうち少なくとも1本を搭載するベース部材と、該ベース部材を回動自在にする回動機構とを備え、該ベース部材が前記回動機構により回動することで、該ベース部材に搭載されたスピンドルの保持回転部による前記基板を保持する保持力が調整されるように構成したことを特徴とする。
【0007】
上述の本発明によれば、各スピンドルの保持回転部による基板の周縁部を保持する保持力が互いに均等になるように調整することができる。すなわち基板を保持する際に、当初、各スピンドルの保持回転部が基板の周縁部に均等な圧力で当接しなくても、ベース部材上に搭載されたスピンドルの保持回転部が基板の周縁部に当接することで、当該スピンドルに掛かる力でベース部材が回動して、各スピンドルの保持回転部が互いに均等な圧力で基板の周縁部に当接するようになる。これにより保持した基板の回転が安定することで、基板の処理が滞りなく行えると共に、基板ごとの処理のばらつきを抑えることができる基板保持回転機構となる。また、多数の基板を保持し続けても各スピンドルの保持回転部の磨耗度に差が生じにくいことで、保持回転部の寿命が長くなる。したがって、部品交換を伴うメンテナンスの回数を抑えることができ、基板洗浄装置等に用いた場合に装置の稼働率を低下させずに済む。
【0008】
本発明の好ましい態様は、前記回動機構は、前記ベース部材に取り付けた軸部を中心として該ベース部材を回動自在にすることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な機構でスピンドルの保持回転部による基板を保持する保持力を調整できる。
【0009】
本発明の好ましい態様は、前記ベース部材上に搭載されたスピンドルが、前記基板を保持する基板保持位置と該基板保持位置から退避した退避位置との間で移動するように前記ベース部材を往復移動させる往復移動機構を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、往復移動機構によって各スピンドルを移動させて基板を保持することができると共に、その際に回動機構によって各スピンドルによる基板の保持力を調整できる。
【0010】
本発明の好ましい態様は、前記ベース部材が複数設置されていると共に、各ベース部材に前記回動機構及び/又は前記往復移動機構が設置されていることを特徴とする。
本発明によれば、基板を保持する保持力の不均衡を是正することができ、より均等な圧力で基板を保持することが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様は、保持回転部を備えた3本以上のスピンドルと、前記3本以上のスピンドルの保持回転部のうち少なくとも1つを回転させる回転機構とを具備し、前記3本以上のスピンドルの保持回転部で基板の周縁部を保持し該基板を回転させる基板保持回転機構において、前記3本以上のスピンドルのうち少なくとも1本を搭載するベース部材と、前記ベース部材上に搭載されたスピンドルが、前記基板を保持する基板保持位置と該基板保持位置から退避した退避位置との間で移動するように前記ベース部材を往復移動させる往復移動機構とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で基板を保持することができると共に、保持した基板を安定した状態で回転させることができる。
【0012】
本発明の好ましい態様は、前記ベース部材を一対設けそれらを前記基板保持位置の両側部に配置し、該一対のベース部材に前記往復移動機構を設置し、該往復移動機構は、前記一対のベース部材上に搭載されたスピンドルを互いに共通の直線に沿う方向に往復移動させるように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、各ベース部材に搭載されたスピンドルが基板を保持する際の動作が簡単な動作になると共に、その動作にガタが生じにくく基板を保持する際の各スピンドルの位置ずれを防止することができ、安定した状態で基板を保持し回転させることができる。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記一対のベース部材のうち少なくとも一方に、該ベース部材を回動自在にする回動機構を備え、該ベース部材が前記回動機構により回動することで、該ベース部材に搭載されたスピンドルの保持回転部による前記基板を保持する保持力が調整されるように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、往復移動機構で基板を保持する際にこの回動機構によって各スピンドルによる基板の保持力を調整できる。
【0014】
本発明の他の態様は、一対の第1軸部材を中心にそれぞれ回転可能な一対の第1ベース部材と、第2軸部材を中心に回転可能な第2ベース部材と、前記一対の第1ベース部材および前記第2ベース部材に取り付けられた複数のスピンドルと、前記複数のスピンドルにそれぞれ取り付けられ、基板を保持する複数の保持回転部と、前記一対の第1ベース部材を前記一対の第1軸部材を中心に互いに反対方向に回転させる1つの駆動機構と、前記複数の保持回転部のうちの少なくとも1つを回転させる回転機構とを備え、前記一対の第1ベース部材の回転に伴って、前記複数の保持回転部のうちの少なくとも2つは基板に近接および離間する方向に移動することを特徴とする基板保持回転機構である。
【0015】
本発明の好ましい態様は、前記一対の第1ベース部材に設けられた少なくとも1つの基板押し出し部材を更に備え、前記一対の第1ベース部材の回転に伴って前記少なくとも2つの保持回転部が基板から離間する方向に移動するときに、前記基板押し出し部材が基板の周縁部に接触することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記複数の保持回転部に保持された基板の周縁部の近傍に基板ストッパーを配置し、前記基板ストッパーと前記第2ベース部材とは、前記基板の中心に関して略対称に配置されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記一対の第1ベース部材と前記第2軸部材とを連結する一対の連結部材をさらに備え、前記第2軸部材は基板の径方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の他の態様は、基板を保持し回転させる基板保持回転機構と、前記基板に処理液を供給する処理液供給機構と、前記基板の処理を行う基板処理部とを備え、前記基板保持回転機構で基板を保持し回転させながら、前記処理液供給機構で該基板に処理液を供給し、前記基板処理部で該基板の処理を行う基板処理装置において、前記基板保持回転機構として、上述した態様の基板保持回転機構を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、基板を処理する際の該基板の回転を安定させることができ、基板処理部による基板処理を効率良く行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい態様は、前記基板処理部で処理を行う前の基板に前処理を施す基板前処理部を具備し、該基板前処理部で前記基板の前処理を行った後、前記基板処理部で該基板の後処理を行うように構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明の好ましい態様は、前記基板前処理部で行う基板の前処理は該基板の研磨処理であり、前記基板処理部で行う基板の後処理は該基板の洗浄処理であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明によれば、保持回転部による基板の周縁部を保持する保持力を均等にでき、基板の回転を安定させることができる。さらに、多数のウエハを保持しても各スピンドルの保持回転部の磨耗度に差が生じにくい基板保持回転機構を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1実施形態:基板保持回転機構を備えた基板洗浄装置〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる基板洗浄装置が備える基板保持回転機構の構成を示す斜視図である。また図3は、図2のA−A矢視断面図であり、図4は、図2のB−B矢視図であり、図5は、図2(図4)のC矢視図である。また、図7は、基板洗浄装置が備える基板洗浄機構の構成を示す斜視図である。この基板洗浄装置は、図2に示す基板保持回転機構1の上部に、図7に示す基板洗浄機構2が設置されて、これらが一体に構成されているものである。
【0021】
まず、基板保持回転機構1を説明する。図2に示すように、基板保持回転機構1は、中央部に洗浄部材駆動機構30が設置され、該洗浄部材駆動機構30の対向する両側にそれぞれ図7に示す各スピンドル群53,54を移動させる第1移動機構10と第2移動機構20が設置されている。
【0022】
洗浄部材駆動機構30は、図3に示すケース31の内側に設置されたシリンダ32(図3には図示せず)と、該シリンダ32により駆動される棒状の支柱部材33とを備えている。支柱部材33は、シリンダ32の上方に突出していてシリンダ32の駆動により上下動可能になっている。また、支柱部材33の上端には、洗浄部材60の下部洗浄部材62(図7参照)を取り付ける取付部34が設けられている。一方、ケース31の両側部には、該ケース31を挟んで互いに平行に配置された一対の直線状のスライドレール36,36が配設されている。このスライドレール36,36の両端部に、第1移動機構10と第2移動機構20がスライド移動可能に取り付けられている。
【0023】
ここで、第1移動機構10の構成を説明する。図6は、第1移動機構10を示す概略平面図である。図6と図2及び図3に示すように、スライドレール36,36の一端近傍の下面側に断面略コ字状の一対のスライダー12,12がスライド移動自在に係合している。そしてこれらスライダー12,12の下面に、略矩形で平板状の連結部材13が取り付けられている。連結部材13の中央部には上下に貫通する開口部13aが設けられ、該開口部13aの内周にベアリング14が嵌合され、ベアリング14の内輪14a(図3参照)に略円柱状の軸部材15が取り付けられている。軸部材15は、連結部材13に対して開口部13a内でベアリング14により回転自在になっている。また開口部13aの上部には、開口部13a内に設置した軸部材15の上面を覆うカバー16が取り付けられている。
【0024】
一方、連結部材13の下面側には、略矩形で平板状のベース部材17が設置されている。ベース部材17は、その外形が連結部材13よりも大きく、上面中央部が軸部材15の下端面にボルト15a(図4参照)で接合されて固定されている。これにより、ベース部材17は、図6に示すように軸部材15を中心として該軸部材15と一体に水平面内で回動するようになっている。またこのベース部材17の上面には、連結部材13の下面を収納する略矩形状の凹部17aが形成されている。そして凹部17aの内周側面と連結部材13の外周側面との間には、僅かな寸法のクリアランス(隙間)部Dが設けられている(図6参照)。そのため、ベース部材17は連結部材13に対して、クリアランス部Dで連結部材13とベース部材17が接触しない範囲で回動することができる。なおクリアランス部Dの幅寸法は、本実施形態では約2mm程度に形成されている。
【0025】
さらに、図4及び図5に示すように、ベース部材17の外側(スライドレール36,36の延伸方向の外側)には、略L字状でその一端が下方に向かうガイド部材18が取り付けられている。またこのガイド部材18の内側には、下記する仕切部材3にその上端が固定された板状の係止部材19が設置されている。係止部材19の内側にはシリンダ22が取り付けられ、このシリンダ22によって進退駆動されるロッド24の先端が、フローティングジョイント21を介してガイド部材18の内側に連結されている。フローティングジョイント21は、詳細な図示は省略するがそれぞれがロッド24側とガイド部材18側に取り付けられる一対の連結具からなり、一方の連結具が備える球形状の突起部21aが、他方の連結具が備える球面状の凹部21b内に回転自在に係合して構成されている。これにより、ガイド部材18がロッド24に対して略全方向に揺動(回動)自在な状態で連結されているので、シリンダ22の駆動によりベース部材17と連結部材13を一体にスライドレール36,36に沿って往復移動させることができると共に、これらベース部材17及びガイド部材18が、係止部材19やシリンダ22とは独立して水平面内で自在に回動できるようになっている。
【0026】
また、図4に示すように、ガイド部材18の内面には、その先端部が係止部材19の外面に当接し、ベース部材17及び連結部材13の移動を所定位置で規制する突起状のストッパー部材23が取り付けられている。なお、37はシリンダ22に取り付けられたレギュレータである。このように、第1移動機構10は、ベース部材17と連結部材13を一体にスライドレール36,36に沿う直線方向に往復移動させる往復移動機構と、ベース部材17を連結部材13に対して軸部材15を中心に水平面内で回動自在に設置してなる回動機構とを備えている。
【0027】
またベース部材17は、図3及び図6に示すように、その両側が各スライドレール36,36の両外側(スライドレール36,36の延伸方向に直交する両外側)に突出しており、この突出した部分の上面にスピンドル50,50が立設されている。そして、図3に示すように各スピンドル50の中空円柱状の本体部51内に回転自在に設置されたシャフト26が、ベース部材17を貫通してその下面側に突出している。またベース部材17の一方のスピンドル50を取り付けた位置の下面側には、断面形状が略コ字状の板状の取付部材27を介してモータ28が取り付けられ、該モータ28の回転軸28aがシャフト26の下端に連結されている。また図3に示すように一方のスピンドル50内のシャフト26と他方のスピンドル50内のシャフト26との間には、一方のシャフト26の回転を他方のシャフト26に伝達する伝達ベルト29が掛け渡されている。また、図2に示すように各スピンドル50の本体部51の上端部には、保持回転部(コロ)52(図7参照)を取り付ける取付部51aが設けられ、この取付部51aから突出するシャフト26の上端部26aが、保持回転部52に接続されていて、シャフト26の回転が保持回転部52に伝達されるようになっている。なお図2では、各保持回転部52を取り外した状態を示している。
【0028】
図7に示すように、各スピンドル50に取り付けられた保持回転部52は、その外周側面に基板Wの周縁部に当接する保持溝52aが形成されていて、保持溝52aで基板Wの周縁部を保持し回転させるようになっている。そして図7に示すように、各スピンドル50は、各二本のスピンドル50からなる一対のスピンドル群53,54としてウエハ保持位置の対向する両側部に設置され、これら各スピンドル群53,54がそれぞれ第1移動機構10と第2移動機構20に搭載されている。
【0029】
第2移動機構20は、上記で説明した第1移動機構10が備えるベース部材17に代えて、ベース部材17と連結部材13を一体に構成したものに相当する一枚のベース部材25を備えたもので、その部分のみ第1移動機構10と異なり、他の部分の構成は第1移動機構10と共通である。したがって第2移動機構20の図示及びその説明では、第1移動機構と共通する部分には同一の符号を付しその詳細な説明は省略する。即ち、図2に示すように第2移動機構20では、連結部材13及び軸部材15に相当する部材を設けずに、スライダー12,12の下面をベース部材25の上面に直接取り付けており、ベース部材25をスライドレール36,36に沿う直線方向に往復移動させる往復移動機構のみを備えている。したがってベース部材25に取り付けられた二本のスピンドル50,50は、当該直線方向に往復移動する動作のみが可能である。
【0030】
次に、基板洗浄機構2を説明する。図7に示す基板洗浄機構2は、基板Wの上面と下面を洗浄する上部洗浄部材61と下部洗浄部材62とからなる一対の洗浄部材60と、基板Wの上面と下面に向けて洗浄液を供給する上部ノズル71と下部ノズル72とからなる洗浄液供給機構70を備えている。また、図8に示すような、基板洗浄装置の外部で基板Wを受け渡しして該基板Wをウエハ保持位置へ搬入出するウエハ搬送機構40が設置されている。
【0031】
洗浄部材61,62は、基板Wの上面と下面に摺接する円柱状のロールスポンジ63,64と、該ロールスポンジ63,64を回転可能に取り付けているロールスポンジ取付部材65,66とを備えている。これら洗浄部材61,62は、その長手方向が各スピンドル群53,54の間に延伸して設置されている。また、各ロールスポンジ63,64は、基板Wの上下面の全面に摺接可能なようにその長さが基板Wの径と略同一の寸法に形成されている。また、上部洗浄部材61は、ロールスポンジ63を上下動させ且つ回転させる図示しない駆動機構に取り付けられている。一方、下部洗浄部材62は、詳細な図示は省略するが、支柱部材33の取付部34に取り付けられている。一方、上部ノズル71と下部ノズル72は、図示しない洗浄液供給源に連通接続されていて、基板Wの上面及び下面に向けて超純水やアンモニア水あるいはフッ化水素酸(フッ酸)などの洗浄液を噴射供給するようになっている。
【0032】
図8に示すウエハ搬送機構40は、基板Wを載置する平板状の支持部41と、基板Wの周縁部に係合する支持部41から上方に突出したガイド部42,42とを有するロボットハンド43と、該ロボットハンド43の後端に接続された図示しないロボット本体とを備えて構成されている。ロボットハンド43は、両スピンドル群53,54の間からウエハ保持位置へ侵入・退避できるようになっている。
【0033】
この基板洗浄装置は、図示は省略するが全体が箱型のケーシング内に収納配置されていて、図3及び図4に示すように、スライドレール36,36の上面とケース31の上面が、ケーシング内に設置された板状の仕切部材3の下面側に固定されている。この仕切部材3によって、ケーシング内が基板保持回転機構1を配置した下部空間と基板洗浄機構2を配置した上部空間に仕切られており、基板洗浄機構2で基板を洗浄する際の洗浄液等が下部空間内の基板保持回転機構1に達しないようになっている。なお、各スピンドル50や支柱部材33は、仕切部材3に設けた開口部3a等からその上面側に突出している。
【0034】
次に、図9(a)乃至図9(c)を用いて基板保持回転機構1の動作を説明する。図9(a)乃至図9(c)は、基板保持回転機構1を上方から見た模式図である。基板保持回転機構1では、図9(a)に示すようにウエハ保持位置の対向する両側部に配置されたスピンドル群53,54を、第1移動機構10と第2移動機構20が備える往復移動機構により、ウエハ保持位置に向けて共通の直線L,Lに沿う方向に移動させ、各スピンドル50の保持回転部52(図7参照)を基板Wの周縁部に当接させて、基板Wを保持する。
【0035】
このようにして基板Wを保持する際に、第1移動機構10上のスピンドル50,50の保持回転部52,52が基板Wの周縁部に互いに均等な圧力で当接しない場合でも、図9(b)に示すように、一方の保持回転部52が基板Wの周縁部に当接することでこのスピンドル50に掛かる力で軸部材15を中心にベース部材17が回動する。これにより、スピンドル50,50が基板Wを保持する保持力の不均衡が是正され、図9(c)に示すようにスピンドル50,50の保持回転部52,52が、互いに均等な圧力で基板Wの周縁部に当接した状態で基板Wが保持される。
【0036】
このように、基板保持回転機構1によれば、ベース部材17上のスピンドル50,50が水平面内で回動自在なので、基板Wを保持する際にこれらスピンドル50,50が基板Wの周縁部を保持する保持力が自動調整されて、互いに均等な保持力になる。したがって保持した基板Wの回転を安定させることが可能となる。また、多数の基板Wを保持しても、各スピンドル50の保持回転部52の摩耗度に差が生じにくいので、保持回転部52の頻繁な部品交換が必要にならずに済む。また、部品交換を伴うメンテナンスの回数を少なく抑えることができるので、基板洗浄装置の稼働率を低下させずに済む。またこの回動機構は、二本のスピンドル50,50の中間部に設置した軸部材15を中心としてベース部材17を回動自在にしているので、簡単な機構で各スピンドル50,50の保持回転部52,52が基板Wを保持する保持力を互いに均等にすることを可能としている。
【0037】
次に、基板洗浄装置による基板Wの洗浄工程を説明する。まず、スピンドル群53,54をウエハ保持位置の両外側の退避位置に退避させておく。その状態で、基板Wが載置されたロボットハンド43を移動させて、基板Wを洗浄部材61,62の長手方向と平行にウエハ保持位置まで搬送する。そこから第1移動機構10と第2移動機構20を駆動して、スピンドル群53,54をウエハ保持位置に向かって直線移動させ、基板Wの周縁部に各スピンドル50の保持回転部52を当接させて基板Wを保持する。ここで、基板Wを保持する際に、上記で説明したように第1移動機構10の回動機構でベース部材17上のスピンドル50,50が基板Wを保持する保持力が自動的に調整され、これらスピンドル50,50の保持回転部52,52が基板Wの周縁部に均等な圧力で当接する。
【0038】
基板Wが各スピンドル50の保持回転部52で保持されたら、ロボットハンド43が下降して基板Wの下面から離間し、その後、ウエハ保持位置から退避する。なお上述の各動作の間、上部洗浄部材61と下部洗浄部材62は、ウエハ保持位置の上方及び下方にそれぞれ退避している。
【0039】
次に、モータ28を駆動して各スピンドル50の保持回転部52を回転させ、基板Wを所定の回転速度で回転させる。また、洗浄液供給機構70の上部ノズル71及び下部ノズル72から基板Wの上面及び下面に洗浄液を噴射供給する。そしてロールスポンジ63,64を回転させながら洗浄部材61,62を上下動させ、ロールスポンジ63,64を基板Wの上面及び下面に摺接させて基板Wの上面及び下面をスクラブ洗浄する。この洗浄工程を行っている間も、第1移動機構10上のスピンドル50,50は回動自在なので、これらスピンドル50,50の保持回転部52,52が基板Wの周縁部を保持する保持力が常に均等になるように自動調整される。したがって、洗浄処理中の基板Wの回転が安定し、効率良く洗浄処理を行うことができる。
【0040】
〔第2実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる基板保持回転機構を説明する。本実施形態の説明及び図面においては、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。以下の他の実施形態においても同様とする。図10は、本実施形態の基板保持回転機構1−2を上方から見た模式図である。この基板保持回転機構1−2が第1実施形態の基板保持回転機構1と異なるのは、ウエハ保持位置の両側に、上記で説明した回動機構を備えた第1移動機構10,10を配置し、それら第1移動機構10,10にそれぞれスピンドル群53,54を搭載したものである。この基板保持回転機構1−2では、各スピンドル50で基板Wを保持する際に、第1移動機構10,10の回動機構が共に働くことで、両方のスピンドル群53,54の保持力の不均衡を是正することができるため、第1実施形態の基板保持回転機構1よりもさらに均等な圧力で基板Wを保持することが可能となる。なお、図10では、第1移動機構10を簡略化して示している。以下の各図でも同様とする。
【0041】
〔第3実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる基板保持回転機構を説明する。図11は、本実施形態の基板保持回転機構1−3を上方から見た模式図である。この基板保持回転機構1−3が第1実施形態の基板保持回転機構1と異なるのは、第1移動機構10に対向するウエハ保持位置の他方の側部に、一本のスピンドル50のみを設置した点である。このスピンドル50は、設置位置で固定されていて移動しない。その一方で、第1移動機構10に搭載されたスピンドル50,50が上記の往復移動機構によりウエハ保持位置に向かって移動することで、基板Wが保持される。
【0042】
すなわちこの基板保持回転機構1−3は、合計3本のスピンドル50で基板Wを保持するようになっている。この基板保持回転機構1−3でも、各スピンドル50で基板Wを保持する際に第1移動機構10の回動機構が働くことで、基板Wを保持する保持力の不均衡を是正できる。このように構成することで基板保持回転機構をより簡略化することができる。
【0043】
なお、3本のスピンドル50で基板Wを保持する基板保持回転機構において、特に本実施形態のように1本のスピンドル50が不動で他の2本のスピンドル50が動いて基板Wを保持する場合は、保持された基板Wの中心位置が各スピンドル50の位置に追従して決まるため、毎回保持される基板Wの中心位置が一点に定まらないことが起こり得るが、その場合は基板搬送機構40に、搬送する基板Wの中心位置が毎回若干異なっていても搬送を可能とする機構を別途設けるなどすれば良い。
【0044】
この第3実施形態の一部変形構成例を図12に示す。同図に示す基板保持回転機構1−3´は、図11の基板保持回転機構1−3が備える固定された一本のスピンドル50にかえて、一本のスピンドル50´を搭載したベース部材17´と、該ベース部材17´を往復移動させる往復移動機構(図示せず)を設置したものである。この往復移動機構は、ベース部材17´に搭載されたスピンドル50´を、第1移動機構10のスピンドル50,50が往復移動する直線L,Lに沿う方向(直線L,Lと平行する直線L´の方向)に往復移動させることができる。
【0045】
〔第4実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第4実施形態にかかる基板保持回転機構を説明する。図13は、本実施形態の基板保持回転機構1−4を上方から見た模式図である。この基板保持回転機構1−4が第1実施形態の基板保持回転機構1と異なるのは、ウエハ保持位置の両側部に設置した第1移動機構10と第2移動機構20の上に、いずれも3本のスピンドル50を搭載した点である。即ち、各ベース部材17,25上に、上方から見て同一円周上に配置されるように各3本ずつのスピンドル50を搭載している。これにより、合計6本のスピンドル50で基板Wを保持することになるので、より安定した状態で基板Wを保持することが可能となる。なおこの場合も、各スピンドル50で基板Wを保持する際に、第1移動機構10の回動機構が働くことでその上に搭載されたスピンドル50による保持力の不均衡を是正することができる。
【0046】
〔第5実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第5実施形態にかかる基板保持回転機構を説明する。図14は、本実施形態の基板保持回転機構1−5を上方から見た模式図である。この基板保持回転機構1−5が第4実施形態の基板保持回転機構1−4と異なるのは、ウエハ保持位置の両側に配置した各3本のスピンドル50を第1移動機構10,10に搭載した点である。この基板保持回転機構1−5では、各スピンドル50で基板Wを保持する際に、両方の第1移動機構10,10の回動機構が働くことで、基板Wを保持する保持力の不均衡を是正することができるため、第4実施形態の基板保持回転機構1−4よりもさらに均等な圧力で基板Wを保持することが可能となる。
【0047】
〔第6実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第6実施形態にかかる基板保持回転機構を説明する。図15は、本実施形態の基板保持回転機構1−6を上方から見た模式図である。この基板保持回転機構1−6は、ウエハ保持位置の周囲の等間隔を隔てた3箇所の位置に第1移動機構10を設置し、それらに各2本ずつのスピンドル50を搭載したものである。したがってこの基板保持回転機構1−6では、合計6本のスピンドル50で基板Wを保持するようになっている。各第1移動機構10上のスピンドル50は、いずれもウエハ保持位置(ウエハ保持位置で保持される基板Wの中心)に向かう直線に沿う方向に往復移動可能になっている。この基板保持回転機構1−6では、各スピンドル50で基板Wを保持する際に、3台の第1移動機構10の回動機構が働くことで、基板Wを保持する保持力の不均衡を是正することができるため、上記各実施形態の基板保持回転機構よりもさらに均等な圧力で基板Wを保持することが可能となる。図中の符号55は、ベース部材17を往復移動させるためのシリンダである。このように往復移動機構を簡略化することもできる。なお、本実施形態では、ウエハ保持位置の周囲の3箇所のいずれにも第1移動機構10を設置したが、これ以外にも、いずれかの第1移動機構10を第2移動機構20に置き換えて、その上に搭載されたスピンドル50が往復移動のみ可能となるように構成してもよい。
【0048】
〔第7実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第7実施形態にかかる基板保持回転機構を説明する。図16は、本実施形態の基板保持回転機構1−7を上方から見た模式図である。
【0049】
図16に示すように、基板保持回転機構1−7は、一対の軸部材(第1軸部材)80,80を中心にそれぞれ回転可能な一対のベース部材(第1ベース部材)81,81と、軸部材(第2軸部材)82を中心に回転可能なベース部材(第2ベース部材)83とを備えている。ベース部材81,81には、それぞれ保持回転部(クランプローラ)85,85がスピンドル50,50(図7参照)を介して連結されている。また、ベース部材83には2つの保持回転部86,86がスピンドル50,50を介して連結されている。なお、図16には、スピンドル50は図示されていないが、保持回転部85,85,86,86の下にスピンドル50がそれぞれ配置されている。
【0050】
保持回転部85,85,86,86は、いずれもその軸心周りに回転可能に構成されている。保持回転部86,86は軸部材82に関して対称的に配置されている。ベース部材81,81は連結部材88によって互いに連結されており、この連結部材88はエアシリンダ(駆動機構)84に連結されている。連結部材88はエアシリンダ84により矢印で示す方向(ウエハ保持位置にある基板Wの径方向)に移動する。
【0051】
図17は図16に示す連結部材88とベース部材81との連結部の構成例を示す拡大図であり、図18は連結部材88の端部を示す側面図である。図17に示すように、ベース部材81には連結部材88の移動方向(矢印で示す)に対して斜めに延びる長孔81aが形成されている。図18に示すように、連結部材88の端部には垂直に延びる屈曲部が形成されている。連結部材88は2つの円形の摺動部材89を具備しており(図17および図18には1つの摺動部材89のみを示す)、連結部材88の先端(すなわち屈曲部の先端)に摺動部材89がそれぞれ固定されている。この摺動部材89は、ベース部材81の長孔81aに緩やかに嵌合されており、摺動部材89は長孔81a内を移動可能となっている。
【0052】
このような構成により、エアシリンダ84により連結部材88を移動させると、ベース部材81,81がそれぞれ軸部材80,80を中心に互いに反対方向に回転する。なお、摺動部材89,89に代えて、その軸心周りに回転可能なローラを用いてもよい。
【0053】
図19は図16に示す連結部材88とベース部材81,81との連結部の他の構成例を示す拡大図である。図19に示すように、この例では、連結部材88は、2本の連結バー88a,88aと、これらの連結バー88a,88aがスライド自在に挿入される孔88c,88cを有する収容部材88bとを有している。孔88c,88cは収容部材88bの両側部に形成されており、これらの孔88c,88cは同一線上に配列されている。孔88c,88cの内部にはばね88d,88dがそれぞれ配置されている。なお、ばね88d,88dは省略することができる。
【0054】
収容部材88bはエアシリンダ84(図16参照)に固定されており、エアシリンダ84によって収容部材88bが連結バー88a,88aと共に図16および図19に示す矢印の方向に移動する。連結バー88a,88aの端部はベース部材81,81に回転自在に連結されている。なお、この例では、ベース部材81,81には長孔は形成されていない。このような構成によれば、上述の例と同様に、エアシリンダ84により連結部材88を移動させると、ベース部材81,81がそれぞれ軸部材80,80を中心に互いに反対方向に回転する。
【0055】
図16に示すように、エアシリンダ84は第1ガス供給ライン101および第2ガス供給ライン102に接続されており、図示しないガス供給源からエアシリンダ84に第1ガス供給ライン101および第2ガス供給ライン102を通じて交互に加圧気体(例えば、加圧空気や加圧不活性ガス)が供給されるようになっている。より詳しくは、第1ガス供給ライン101を通じて加圧気体がエアシリンダ84に供給されると、ベース部材81,81は保持回転部85,85を基板Wに近づける方向に回転し、これにより基板Wは保持回転部85,85,86,86により保持される。一方、第2ガス供給ライン102を通じてエアシリンダ84に加圧気体が供給されると、ベース部材81,81は保持回転部85,85を基板Wから離間させる方向に回転し、これにより基板Wは保持回転部85,85,86,86から解放される。
【0056】
第1ガス供給ライン101にはエアシリンダ84に供給される加圧気体の圧力を調整する電空レギュレータ(圧力調整機構)103が配置されている。この電空レギュレータ103は、図示しない圧力センサからの信号に基づき、エアシリンダ84に供給される加圧気体が所定の圧力となるようにフィードバック制御する。ここで、基板Wに作用する保持回転部85,85,86,86の保持力は、第1ガス供給ライン101を通じてエアシリンダ84に供給される加圧気体の圧力に依存する。したがって、電空レギュレータ103は保持力調整機構としても機能する。
【0057】
以下、本実施形態の動作について詳細に説明する。ウエハ搬送機構40(図8参照)により基板Wが搬入されると、第1ガス供給ライン101を通じて加圧気体がエアシリンダ84に供給される。ベース部材81,81はエアシリンダ84によって軸部材80,80を中心に互いに反対方向に回転し、これにより保持回転部85,85が基板Wの周縁部に接触する。保持回転部85,85が基板Wに接触すると同時またはその直後に基板Wの周縁部が保持回転部86,86に接触する。このようにして、基板Wは4つの保持回転部85,85,86,86により保持される。図16は基板Wが保持回転部85,85,86,86により保持されている状態を示している。
【0058】
保持回転部85,85,86,86のうちの少なくとも1つは図示しないモータ(回転機構)により回転し、これにより基板Wが保持回転部85,85,86,86に保持された状態で回転する。保持回転部86,86は、軸部材82を中心に旋回自在に設置されているのみであるので、保持回転部85,85,86,86に保持された基板Wの位置はほぼ一定に維持される。基板Wが保持されている間は、エアシリンダ84に供給される加圧気体の圧力は電空レギュレータ103によって一定に維持される。
【0059】
〔第8実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第8実施形態にかかる基板保持回転機構について説明する。本実施形態の基本的構成は第7実施形態と同様であるが、保持回転部の摩耗量を検出するセンサが設けられている点で第7実施形態と異なる。
【0060】
図20は本発明の第8実施形態にかかる基板保持回転機構1−8を示す模式図である。図20に示すように、連結部材88の近傍にはセンサ110が配置されており、基板保持時における連結部材88の位置がセンサ110によって検出されるようになっている。連結部材88の位置は保持回転部85,85,86,86の摩耗量に応じて変化するため、連結部材88の位置の変化から、保持回転部85,85,86,86の摩耗量を検出することができる。なお、センサ110としては接触型または非接触型の公知の変位センサを用いることができる。
【0061】
〔第9実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第9実施形態にかかる基板保持回転機構について説明する。本実施形態の基本的構成は第7実施形態と同様であるが、基板Wが保持回転部から解放されるときに基板Wを押し出す基板押し出し部材が設けられている点で第7実施形態と異なる。
【0062】
図21は本発明の第9実施形態にかかる基板保持回転機構1−9を示す模式図であり、基板Wが保持回転部により保持されている状態を示している。基板押し出し部材111,111はベース部材81,81にそれぞれ設けられている。図22は基板押し出し部材を示す側面図である。図22に示すように、基板押し出し部材111の一端はベース部材81に固定され、他端は垂直に延びている。この垂直に延びる端部が基板Wに接触する接触部111aとなっている。
【0063】
接触部111aは、軸部材80に関して保持回転部85とは反対側に位置している。このような配置により、保持回転部85が基板Wから離間する方向に移動するとき、接触部111aは基板Wに向かって移動する。なお、接触部111aに基板Wと接触するコロを設けてもよい。基板Wの周縁部との接触面積が最小となるように、接触部111aは円形の断面形状を有している。図21に示すように、基板Wが保持回転部85,85,86,86により保持されているときは、基板押し出し部材111,111と基板Wとは離間している。
【0064】
保持回転部85,85が基板Wから離間する方向にベース部材81,81が軸部材80,80を中心に回転すると、基板押し出し部材111,111の接触部111a,111aは基板Wの周縁部に接触し、基板Wを水平方向に移動させる。これにより基板Wの周縁部が保持回転部86,86の保持溝(図7の符号52a参照)から外れ、ウエハ搬送機構40(図8参照)により基板Wをそのまま上方に持ち上げて、搬出することができる。このように、本実施形態によれば、保持回転部85,85が基板Wから離間すると同時に基板Wの周縁部が保持回転部86,86の保持溝から外れるので、基板Wを速やかに搬出することができる。なお、基板押し出し部材は1つでもよい。この場合は、ベース部材81,81のいずれか一方にのみ基板押し出し部材が設けられる。
【0065】
〔第10実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第10実施形態にかかる基板保持回転機構について説明する。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した第7実施形態と同一であるので、その重複する説明を省略する。
【0066】
図23は本発明の第10実施形態にかかる基板保持回転機構1−10を示す模式図である。図24は図23に示す基板保持回転機構の一部を模式的に示す側面図である。図23に示すように、保持回転部85,85,86,86によって保持された基板Wの周縁部の近傍には、基板ストッパー112が設けられている。この基板ストッパー112は上下に延びる部材であり、その上端は基板Wよりも上方に位置している。基板ストッパー112の位置は固定されている。基板ストッパー112は保持回転部85,85の中間に配置され、基板ストッパー112とベース部材83とは、基板Wの中心に関して略対称に配置されている。
【0067】
図24に示すように、基板Wはその周縁部が保持回転部85,85,86,86の外周面に形成された保持溝(図24には保持回転部85および保持溝85aのみを示す)に嵌合された状態でこれら保持回転部85,85,86,86に保持される。このため、ベース部材81,81を回転させて保持回転部85,85を基板Wから離間する方向に移動させたときに、基板Wが保持回転部85,85の保持溝85a,85aに引きずられて保持回転部85,85とともに水平方向に移動することがある。本実施形態によれば、基板Wの周縁部の近傍に基板ストッパー112が配置されているので、基板Wの水平移動を止めることができ、その結果として基板Wを保持溝85a,85aから外すことができる。
【0068】
〔第11実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第11実施形態にかかる基板保持回転機構について説明する。なお、特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した第7実施形態と同一であるので、その重複する説明を省略する。
【0069】
図25は本発明の第11実施形態にかかる基板保持回転機構1−11を示す模式図である。図25に示すように、ベース部材81,81は第1連結部材114により互いに連結されている。エアシリンダ84は第1連結部材114の一部を構成しており、エアシリンダ84を駆動することにより第1連結部材114が伸縮するように構成されている。第1連結部材114の両端部はベース部材81,81にそれぞれ回転可能に連結されている。
【0070】
ベース部材81,81は、さらに軸部材(第2軸部材)82に第2連結部材115,115を介して連結されている。各第2連結部材115の両端は、ベース部材81および軸部材82に回転自在に連結されている。第2連結部材115,115は互いに同一の長さを有している。したがって、第1連結部材114と第2連結部材115,115は全体として二等辺三角形を形成している。軸部材82は図示しないガイドレール上に設けられており、基板Wの径方向(すなわち基板Wに近接および離間する方向)に移動可能となっている。
【0071】
図26はベース部材81と第1連結部材114と第2連結部材115との連結部の構成例を示す模式断面図である。図26に示すように、ベース部材81、第1連結部材114、および第2連結部材115を貫通する孔にはヒンジピン117が挿入されている。ベース部材81、第1連結部材114、および第2連結部材115は、いずれもヒンジピン117を中心に回転自在となっている。
【0072】
このような構成において、エアシリンダ84を作動させると、第1連結部材114の伸縮動作に伴ってベース部材81,81が互いに反対方向に回転する。さらに、ベース部材83は第1連結部材114の伸縮動作に追随して移動する。すなわち、保持回転部85,85が基板Wに近接する方向にベース部材81,81が回転すると、ベース部材83が基板Wに向かって移動する。一方、保持回転部85,85が基板Wから離間する方向にベース部材81,81が回転すると、ベース部材83も基板Wから離間する方向に移動する。このように、4つの保持回転部85,85,86,86は基板Wに近接および離間する方向に同時に移動する。
【0073】
〔第12実施形態:他の基板保持回転機構〕
次に、本発明の第12実施形態にかかる基板保持回転機構について説明する。本実施形態の基本的構成は第11実施形態と同様であるが、保持回転部の摩耗量を検出するセンサが設けられている点で第11実施形態と異なる。
【0074】
図27は本発明の第12実施形態にかかる基板保持回転機構1−12を示す模式図である。図27に示すように、第1連結部材114にはターゲット部材120が固定されている。このターゲット部材120の近傍にはセンサ110が配置されており、基板保持時におけるターゲット部材120の位置がセンサ110によって検出されるようになっている。ターゲット部材120の位置は保持回転部85,85,86,86の摩耗量に応じて変化するため、ターゲット部材120の位置の変化から、保持回転部85,85,86,86の摩耗量を検出することができる。なお、第8実施形態と同様に、センサ110としては接触型または非接触型の公知の変位センサを用いることができる。
【0075】
〔第13実施形態:基板処理装置〕
次に、上記構成の基板洗浄装置を備えた基板処理装置について説明する。図28は基板処理装置の構成を示す概略平面図である。同図に示す基板処理装置200は、略矩形状のハウジング201を備えており、ハウジング201の内部が隔壁201a,201b,201cによって、ロード/アンロード部202と研磨部203(203a,203b)と洗浄部204とに区画されている。
【0076】
ロード/アンロード部202は、多数のウエハをストックするウエハカセットを載置する2個以上(本実施形態では3つ)のフロントロード部220を備えている。これらのフロントロード部220は、基板処理装置200の幅方向(長手方向と垂直な方向)に隣接して配列されている。フロントロード部220には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、又はFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIFポッド、FOUPは、隔壁で覆われた内部にウエハカセットを収納することで、外部空間とは独立した環境でウエハカセットを保持することができる密閉容器である。
【0077】
またロード/アンロード部202には、フロントロード部220の並びに沿って走行機構221が敷設されており、この走行機構221上を移動可能な第1搬送ロボット222が設置されている。第1搬送ロボット222は、走行機構221上を移動することによってフロントロード部220に搭載されたウエハカセットにアクセスできるようになっている。この第1搬送ロボット222は、詳細な図示は省略するが上下に2つのハンドを備えており、例えば、上側のハンドをウエハカセットにウエハを戻すときに使用し、下側のハンドを研磨前のウエハを搬送するときに使用して、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。
【0078】
研磨部203は、ウエハの前処理としての研磨処理が行われる領域であり、第1研磨ユニット230Aと第2研磨ユニット230Bとを有する第1研磨部203aと、第3研磨ユニット230Cと第4研磨ユニット230Dとを有する第2研磨部203bを備えている。第1研磨ユニット230Aは、研磨面を有する研磨テーブル300Aと、ウエハを保持し且つ研磨テーブル300Aに対して押圧しながら研磨するトップリング301Aと、研磨テーブル300Aに研磨液やドレッシング液(例えば、水)を供給する研磨液供給ノズル302Aと、研磨テーブル300Aのドレッシングを行うドレッサ303Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体を霧状にして1又は複数のノズルから研磨面に噴射するアトマイザ304Aとを備えている。この第1研磨ユニット230Aでウエハを研磨するには、研磨テーブル300Aを回転させる一方、下端面にウエハを保持したトップリング301Aを研磨テーブル300A上の研磨位置まで移動させて回転させる。そして研磨液供給ノズル302Aから研磨面テーブル300Aの上面(研磨面)にスラリーを供給しながら、トップリング301Aに保持されたウエハの被研磨面を研磨テーブル300Aの研磨面に押圧接触させて、被研磨面と研磨面の相対運動によってウエハの被研磨面を研磨する。
【0079】
第2研磨ユニット230Bは、研磨テーブル300Bと、トップリング301Bと、研磨液供給ノズル302Bと、ドレッサ303Bと、アトマイザ304Bとを備えており、第3研磨ユニット230Cは、研磨テーブル300Cと、トップリング301Cと、研磨液供給ノズル302Cと、ドレッサ303Cと、アトマイザ304Cとを備えており、第4研磨ユニット230Dは、研磨テーブル300Dと、トップリング301Dと、研磨液供給ノズル302Dと、ドレッサ303Dと、アトマイザ304Dとを備えている。これら第2研磨ユニット230B、第3研磨ユニット230C、第4研磨ユニット230Dによる研磨も上記の第1研磨ユニット230Aによる研磨と同様の手順で行われる。
【0080】
第1研磨部203aと洗浄部204との間には、基板処理装置200の長手方向に沿って配置された4つの搬送位置(ロード/アンロード部202に近い側から順に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4とする)の間でウエハを搬送する第1リニアトランスポータ205が配置されている。この第1リニアトランスポータ205の第1搬送位置TP1の上方には、ロード/アンロード部202の第1搬送ロボット222から受け取ったウエハを反転する反転機231が配置されており、その下方には上下に昇降可能なリフタ232が配置されている。また、第2搬送位置TP2の下方には上下に昇降可能なプッシャ233が、第3搬送位置TP3の下方には上下に昇降可能なプッシャ234が、第4搬送位置TP4の下方には上下に昇降可能なリフタ235がそれぞれ配置されている。
【0081】
また、第2研磨部203bには、第1リニアトランスポータ205に隣接して、基板処理装置200の長手方向に沿った3つの搬送位置(ロード/アンロード部202に近い側から順番に第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7とする)の間でウエハを搬送する第2リニアトランスポータ206が配置されている。この第2リニアトランスポータ206の第5搬送位置TP5の下方には上下に昇降可能なリフタ236が、第6搬送位置TP6の下方にはプッシャ237が、第7搬送位置TP7の下方にはプッシャ238がそれぞれ配置されている。
【0082】
次に、洗浄部204は、ウエハの後処理として研磨後のウエハを洗浄する領域であり、第2搬送ロボット240と、第2搬送ロボット240から受け取ったウエハを反転する反転機241と、研磨後のウエハを洗浄する4つの洗浄装置242〜245と、反転機241及び洗浄装置242〜245の間でウエハを搬送する搬送ユニット246とを備えている。これら第2搬送ロボット240、反転機241、及び洗浄装置242〜245は、基板処理装置200の長手方向に沿って直列に配置されている。
【0083】
洗浄部204の洗浄装置242〜245について説明する。1次洗浄装置242及び2次洗浄装置243としては、上記の第1実施形態で説明した基板洗浄装置(ロールタイプの洗浄装置)を用いることができる。また、3次洗浄装置244としては、例えば、半球状のスポンジを回転させながらウエハに押し付けて洗浄するいわゆるペンシルタイプの洗浄装置を用いることができる。4次洗浄装置245としては、例えば、ウエハの裏面はリンス洗浄することができ、ウエハの表面は半球状のスポンジを回転させながら押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄装置を用いることができる。この4次洗浄装置245は、詳細な図示は省略するが、チャックしたウエハを高速回転させるステージを備えており、ウエハを高速回転させることで洗浄後のウエハを乾燥させる機能(スピンドライ機能)を有している。なお、各洗浄装置242〜245において、上述したロールタイプの洗浄装置やペンシルタイプの洗浄装置に加えて、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプの洗浄装置を付加的に設けてもよい。
【0084】
次に、上記構成の基板処理装置200によるウエハの研磨及び洗浄処理工程について説明する。以下では、ウエハをシリーズ処理する場合を例に説明する。まず、ウエハは、フロントロード部220のウエハカセットから、第1搬送ロボット222、反転機231、リフタ232、第1リニアトランスポータ205の搬送ステージ(図示せず)、プッシャ233を順に経由して、トップリング301Aに渡されて研磨テーブル300Aで研磨される。その後、プッシャ233、第1リニアトランスポータ205の搬送ステージ、プッシャ234を順に経由して、トップリング301Bに渡されて研磨テーブル300Bで研磨される。さらにその後、プッシャ234、第1リニアトランスポータ205の搬送ステージ、リフタ235、第2搬送ロボット240、リフタ236、第2リニアトランスポータ206の搬送ステージ(図示せず)、プッシャ237を順に経由して、トップリング301Cに渡されて研磨テーブル300Cで研磨される。さらにその後、プッシャ237、第2リニアトランスポータ206の搬送ステージ、プッシャ238を順に経由して、トップリング301Dに渡されて研磨テーブル300Dで研磨される。そして、プッシャ238、第2リニアトランスポータ206の搬送ステージ、リフタ236、第2搬送ロボット240、反転機241、搬送ユニット246のチャッキングユニット(図示せず)を順に経由して、1次洗浄装置242に搬入されて1次洗浄処理がされる。この1次洗浄処理の手順は、上記第1実施形態で説明した基板洗浄装置における洗浄手順のとおりである。その後、搬送ユニット246のチャッキングユニットを経由して、2次洗浄装置243に搬入され、2次洗浄処理がされる。さらにその後、搬送ユニット246のチャッキングユニットを経由して、3次洗浄装置244に搬入され3次洗浄がされる。さらにその後、搬送ユニット246のチャッキングユニットを経由して、4次洗浄装置245に搬入され4次洗浄がされる。その後、第1搬送ロボット222を経由して、フロントロード部220のウエハカセットに戻される。
【0085】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0086】
例えば、第1移動機構10が備える回動機構の具体的な構成は上記実施形態に示すものには限定されず、それ以外にも、ベース部材17を回動自在にすることで、該ベース部材17上に搭載されたスピンドル50の保持回転部52による基板Wを保持する保持力を調整できるものであれば、他の構成でもよい。また、スピンドル50の保持回転部52を回転させる回転機構は、上記実施形態に示す以外にも、いずれかのスピンドル50の保持回転部52のみを主動部としてモータ28によって回転駆動し、他のスピンドル50の保持回転部52を従動部として基板Wの回転によって回転するようにしても良い。
【0087】
また、各スピンドル群53,54が備えるスピンドル50は上記実施形態で示した本数には限定されず、スピンドル群53,54がそれ以外の本数(例えば4本以上)のスピンドル50を備えていてもよい。また、基板洗浄装置の構成は、上記の実施形態には限定されず、これ以外にも、例えば上部洗浄部材61と下部洗浄部材62のいずれか一方のみを設置した基板洗浄装置としてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、基板保持回転機構1を備えた基板処理装置として基板洗浄装置を例に説明したが、本発明にかかる基板保持回転機構1は、基板の洗浄処理を行う基板洗浄装置以外にも、基板を保持し回転させながら処理を行う基板処理装置であれば他の種類の処理を行う装置にも広く適用が可能であり、例えば、基板の研磨を行う基板研磨装置や、基板のエッチングを行う基板エッチング装置や、基板のベベル部(周縁部)の研磨を行うベベル研磨装置や、基板のベベル部のエッチングを行うベベルエッチング装置などの各種の基板処理装置にも適用することができる。
【0089】
また、第13実施形態の基板処理装置200では、研磨部203でウエハの前処理としての研磨処理を行うと共に、本発明の基板保持回転機構を設置した1次、2次洗浄装置242,243でウエハの後処理としての洗浄処理を行う場合を説明したが、本発明の基板処理装置で行う前処理や後処理はこれらには限定されず、それ以外にも例えば前処理がウエハのエッチング処理等であっても良いし、後処理がウエハの乾燥処理等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】従来の基板保持回転機構の構成及び動作を説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる基板洗浄装置が備える基板保持回転機構を示す斜視図である。
【図3】基板保持回転機構を示す図で、図2のA−A矢視断面図である。
【図4】基板保持回転機構を示す図で、図2のB−B矢視図である。
【図5】基板保持回転機構を示す図で、図2のC矢視図である。
【図6】基板保持回転機構を示す図で、第1移動機構の平面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる基板洗浄装置が備える基板洗浄機構を示す斜視図である。
【図8】基板洗浄機構が備える搬送機構を示す図である。
【図9】図9(a)乃至図9(c)は、基板保持回転機構の動作を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図12】本発明の第3実施形態の変形構成例にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図13】本発明の第4実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図14】本発明の第5実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図15】本発明の第6実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図16】本発明の第7実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図17】図16に示す連結部材とベース部材との連結部の構成例を示す拡大図である。
【図18】連結部材の端部を示す側面図である。
【図19】図16に示す連結部材とベース部材との連結部の他の構成例を示す拡大図である。
【図20】本発明の第8実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図21】本発明の第9実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図22】基板押し出し部材を示す側面図である。
【図23】本発明の第10実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図24】図23に示す基板保持回転機構の一部を模式的に示す側面図である。
【図25】本発明の第11実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図26】ベース部材と第1連結部材と第2連結部材との連結部の構成例を示す模式断面図である。
【図27】本発明の第12実施形態にかかる基板保持回転機構を示す模式図である。
【図28】本発明の第13実施形態にかかる基板処理装置の構成を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0091】
1〜1−12 基板保持回転機構
2 基板洗浄機構
3 仕切部材
10 第1移動機構
12 スライダー
13 連結部材
13a 開口部
14 ベアリング
15 軸部材
15a ボルト
17 ベース部材
17a 凹部
18 ガイド部材
19 係止部材
20 第2移動機構
22 シリンダ
23 ストッパー部材
25 ベース部材
26 シャフト
28 モータ
28a 回転軸
29 伝達ベルト
30 洗浄部材駆動機構
36 スライドレール
40 ウエハ搬送機構
50 スピンドル
51 本体部
51a 取付部
52 保持回転部
52a 保持溝
53 スピンドル群
54 スピンドル群
60 洗浄部材
61 上部洗浄部材
62 下部洗浄部材
70 洗浄液供給機構
71 上部ノズル
72 下部ノズル
80 第1軸部材
81 第1ベース部材
82 第2軸部材
83 第2ベース部材
84 エアシリンダ(駆動機構
85,86 保持回転部
88 連結部材
89 摺動部材
101 第1ガス供給ライン
102 第2ガス供給ライン
103 空電レギュレータ(圧力調整機構)
110 摩耗量検出センサ
111 基板押し出し部材
112 基板ストッパー
114 第1連結部材
115 第2連結部材
117 ヒンジピン
120 ターゲット部材
200 基板処理装置
202 ロード/アンロード部
203(203a,203b) 研磨部
204 洗浄部
242 1次洗浄装置
243 2次洗浄装置
244 3次洗浄装置
245 4次洗浄装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持回転部を備えた3本以上のスピンドルと、前記3本以上のスピンドルの保持回転部のうち少なくとも1つを回転させる回転機構とを具備し、前記3本以上のスピンドルの保持回転部で基板の周縁部を保持し該基板を回転させる基板保持回転機構において、
前記3本以上のスピンドルのうち少なくとも1本を搭載するベース部材と、該ベース部材を回動自在にする回動機構とを備え、該ベース部材が前記回動機構により回動することで、該ベース部材に搭載されたスピンドルの保持回転部による前記基板を保持する保持力が調整されるように構成したことを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項2】
請求項1に記載の基板保持回転機構において、
前記回動機構は、前記ベース部材に取り付けた軸部を中心として該ベース部材を回動自在にすることを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板保持回転機構において、
前記ベース部材上に搭載されたスピンドルが、前記基板を保持する基板保持位置と該基板保持位置から退避した退避位置との間で移動するように前記ベース部材を往復移動させる往復移動機構を備えたことを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項4】
請求項3に記載の基板保持回転機構において、
前記ベース部材が複数設置されていると共に、各ベース部材に前記回動機構及び/又は前記往復移動機構が設置されていることを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項5】
保持回転部を備えた3本以上のスピンドルと、前記3本以上のスピンドルの保持回転部のうち少なくとも1つを回転させる回転機構とを具備し、前記3本以上のスピンドルの保持回転部で基板の周縁部を保持し該基板を回転させる基板保持回転機構において、
前記3本以上のスピンドルのうち少なくとも1本を搭載するベース部材と、前記ベース部材上に搭載されたスピンドルが、前記基板を保持する基板保持位置と該基板保持位置から退避した退避位置との間で移動するように前記ベース部材を往復移動させる往復移動機構とを備えたことを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項6】
請求項5に記載の基板保持回転機構において、
前記ベース部材を一対設けそれらを前記基板保持位置の両側部に配置し、該一対のベース部材に前記往復移動機構を設置し、該往復移動機構は、前記一対のベース部材上に搭載されたスピンドルを互いに共通の直線に沿う方向に往復移動させるように構成したことを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項7】
請求項6に記載の基板保持回転機構において、
前記一対のベース部材のうち少なくとも一方に、該ベース部材を回動自在にする回動機構を備え、該ベース部材が前記回動機構により回動することで、該ベース部材に搭載されたスピンドルの保持回転部による前記基板を保持する保持力が調整されるように構成したことを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項8】
一対の第1軸部材を中心にそれぞれ回転可能な一対の第1ベース部材と、
第2軸部材を中心に回転可能な第2ベース部材と、
前記一対の第1ベース部材および前記第2ベース部材に取り付けられた複数のスピンドルと、
前記複数のスピンドルにそれぞれ取り付けられ、基板を保持する複数の保持回転部と、
前記一対の第1ベース部材を前記一対の第1軸部材を中心に互いに反対方向に回転させる1つの駆動機構と、
前記複数の保持回転部のうちの少なくとも1つを回転させる回転機構とを備え、
前記一対の第1ベース部材の回転に伴って、前記複数の保持回転部のうちの少なくとも2つは基板に近接および離間する方向に移動することを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項9】
請求項8に記載の基板保持回転機構において、
前記一対の第1ベース部材に設けられた少なくとも1つの基板押し出し部材を更に備え、
前記一対の第1ベース部材の回転に伴って前記少なくとも2つの保持回転部が基板から離間する方向に移動するときに、前記基板押し出し部材が基板の周縁部に接触することを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項10】
請求項8に記載の基板保持回転機構において、
前記複数の保持回転部に保持された基板の周縁部の近傍に基板ストッパーを配置し、
前記基板ストッパーと前記第2ベース部材とは、前記基板の中心に関して略対称に配置されることを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項11】
請求項8に記載の基板保持回転機構において、
前記一対の第1ベース部材と前記第2軸部材とを連結する一対の連結部材をさらに備え、
前記第2軸部材は基板の径方向に移動可能に構成されていることを特徴とする基板保持回転機構。
【請求項12】
基板を保持し回転させる基板保持回転機構と、前記基板に処理液を供給する処理液供給機構と、前記基板の処理を行う基板処理部とを備え、前記基板保持回転機構で基板を保持し回転させながら、前記処理液供給機構で該基板に処理液を供給し、前記基板処理部で該基板の処理を行う基板処理装置において、
前記基板保持回転機構として、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の基板保持回転機構を用いたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の基板処理装置において、
前記基板処理部で処理を行う前の基板に前処理を施す基板前処理部を具備し、該基板前処理部で前記基板の前処理を行った後、前記基板処理部で該基板の後処理を行うように構成したことを特徴とする基板処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の基板処理装置において、
前記基板前処理部で行う基板の前処理は該基板の研磨処理であり、前記基板処理部で行う基板の後処理は該基板の洗浄処理であることを特徴とする基板処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2007−294920(P2007−294920A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79171(P2007−79171)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】