説明

基板把持装置およびそれを備えた基板搬送ロボット、半導体製造装置

【課題】ハンド全体の厚みを薄くし、小型・軽量化した基板把持装置を提供する。
【解決手段】基端側から先端側へ二股に分かれるベースプレート11と、ベースプレート11の上面に設けられる把持プレート12と、ベースプレート11と把持プレート12の間に設けられる把持駆動部7と、前記二股の基端の先端と把持プレート12の先端とから成る把持部10と、前記二股の各先端で基板の一部を案内するガイド部20と、を備え、把持駆動部7が、把持プレート12の基端側にて基端側を常に上側へ付勢する付勢手段15と、付勢手段15の近傍で通電により把持プレート12をベースプレート11側に吸着させる電磁石部14と、先端側にあって把持プレート12がベースプレート11に対して上下に揺動させる軸受部13と、で構成し、ガイド部20が基板の一部の周囲の表面と裏面と側面とに当接することのできる案内溝23を先端に備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体の製造装置や検査装置における基板搬送ロボットに主に使用され、該基板を把持する基板把持装置、それを備えた基盤搬送ロボット及び半導体製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造装置や検査装置(以下、まとめて半導体製造装置と記載する)において、基板(半導体ウェハ)を所望の位置へ搬送するため、従来から基板搬送ロボットが使用されている。この基板搬送ロボットには伸縮自在なアームが備えられ、その先端にハンド、フォーク、或いはエンドエフェクタと呼ばれる基板を搭載する部分が設けられている。そして、基板がこのハンドに搭載されて所望の位置まで搬送される。
一方、半導体製造における歩留まり向上のため、製造過程で微細な粉塵(パーティクル)を基板に付着させることがないよう求められている。
そこで、昨今の基板搬送ロボットのハンドは、基板の周囲のみを把持するタイプのハンドが使用されている(例えば特許文献1)。このハンドはエッジグリップハンドなどと呼ばれている。基板の周囲にしかハンドが物理的に接触しないため、基板に対するハンドの粉塵が付着しにくくなっている。特許文献1によるエッジグリップハンドは、プレート状のハンドの基端側(基板搬送ロボットのアームの先端に取り付けられる側)に基板の周囲と接触する第1の部分があり、一方、基端側から二股に延びた部分のそれぞれの先端に、基板と接触する第2、第3の部分が存在する構成となっている。そして、ハンドの基端側にさらに設けられた把持駆動手段の動作によって第2、第3の接触部分(把持爪)を駆動し、第1〜第3の基板との接触部分によって基板を把持するものである。
【特許文献1】特開2002−170862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1のようなハンドは以下のような問題がある。
まず、ハンド自体の平面寸法及び重量が大きいという問題がある。すなわち、特許文献1のようなハンドは、ハンドの基端側に基板の周囲と接触する第1の部分があり、一方、基端側から二股に延びたプレート部分のそれぞれの先端に、基板と接触する第2、第3の部分が存在するので、ハンドの基端側から二股の先端までの長さは少なくとも基板の大きさ以上が必要となっている。このため、ハンドの平面的寸法が大きくなり、これに伴ってハンドの重量も大きくなっている。また、寸法及び重量が大きいため、基板搬送ロボットのアームに対する負荷及びモーメントが大きく、アームの位置決め精度が低下するという問題もある。
次に、ハンド自体の厚さ寸法が大きくなるという問題がある。すなわち、特許文献1のようなハンドは、ハンドの基端側に基板側面の把持動作を実現する把持駆動手段が設けられる一方、該駆動手段によって動いて把持動作を行う部品が多数設けられている。このため、ハンドの厚さ寸法が大きくなり、搬送の際、基板を通過させる間口寸法もハンドの厚さに応じて広げる必要がある。
次に、ハンドを反転または起立させにくいという問題がある。半導体製造装置では、例えば基板を洗浄したり研磨したりするため、基板搬送ロボットが基板を表裏で反転させる場合がある。或いは、装置のフットプリントを小さくするため、基板搬送ロボットが基板を把持したハンドを起立(鉛直方向に立てること)させて搬送する場合がある。このため基板搬送ロボットのアーム先端部にはハンドを反転させる反転機構やハンドを起立させる起立機構を備えるものがあるが、特許文献1のようなハンドは上記のように寸法及び重量が大きいため、これらの機構が大きくなってしまう。また、平面的寸法の大きなハンドを反転させることになるので、反転または起立時に必要な三次元的寸法が大きくなってしまうと言う問題がある。
更に、基板が搬送される側の形態が制限されるという問題がある。すなわち、特許文献1のようなハンドは、基端側から二股に延びる形状となっているため、基板が搬送される側(基板を受け取る側)の形態は、当然、ハンドの二股の形状を避けるように製作されなければならないという制限が発生する。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、主に、ハンド全体の厚みを薄くし、小型・軽量化した基板把持装置およびそれを備えた基盤搬送ロボット、半導体製造装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1記載の基板把持装置の発明は、基板の周囲の一部を表裏から把持する基板把持装置であって、平面で見て基端側から先端側へ二股に分かれる薄板状のベースプレートと、前記ベースプレートの上面に間隔をおいて設けられる把持プレートと、前記ベースプレートと前記把持プレートの間のその間隔に設けられる把持駆動部と、前記ベースプレートの前記二股の基端の先端と前記把持プレートの先端とから成る把持部と、前記薄板状のベースプレートの前記二股の各先端に設けられて前記基板の一部を案内するガイド部と、を備えた基板把持装置において、前記把持駆動部が、前記把持プレートの基端側にて前記基端側を常に上側へ付勢する付勢手段と、前記付勢手段の近傍にあって通電により前記把持プレートを前記ベースプレート側に吸着させる電磁石部と、前記電磁石部および前記付勢手段より先端側にあって前記把持プレートが前記ベースプレートに対して上下に揺動するよう規制する軸受部と、で構成され、かつ、前記ガイド部が、前記基板の一部の周囲の表面と裏面と側面とに当接することのできる案内溝を先端に備えたガイド部を設けたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記ガイド部の案内溝を、上部ガイド板および下部ガイド板の一方又は両方の先端に段差部を形成し前記段差部を内側になるように前記上部ガイド板および下部ガイド板を重ね合わせることで形成したことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記ガイド部を前記薄板状のベースプレートの長さ方向の中心線に対して対称配置したことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記電磁石部が、前記ベースプレート上に固定されたヨークと、前記ヨークにモールドされた巻線と、前記把持プレートに固定された吸着コアと、から構成されたことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の基板把持装置において、前記吸着コアの前記巻線に対向する面が、前記付勢手段側から前記軸受部へ向かって徐々に接近するように傾斜して固定されていることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の基板把持装置において、前記巻線が、前記ヨークに平面的に少なくとも2つ並べてモールドされたことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項4記載の基板把持装置において、前記巻線への通電は、前記巻線と前記吸着コアとが吸着した後、より低い電圧に切り替えられることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記ガイド部が、前記基板の中心より前記ベースプレートの基端側に位置するよう前記ベースプレートが形成されたことを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記ガイド部がフッ素樹脂で形成されたことを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記付勢手段が圧縮バネまたは板バネであることを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記把持部が、PEEK材で形成されたことを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項1記載の基板把持装置において、前記把持駆動部が、前記把持プレートの先端側を常に下側へ付勢する付勢手段と、前記付勢手段の基端側にあって前記把持プレートが前記ベースプレートに対して上下に揺動するよう規制する軸受部と、前記軸受部の基端側に設置された電磁石部と、で構成されたことを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項11記載の基板把持装置において、前記付勢手段が引っ張りバネであることを特徴としている。
請求項14記載の基板搬送ロボットの発明は、請求項1〜13のいずれか1項記載の基板把持装置をアームの先端に備えたことを特徴としている。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の基板搬送ロボットにおいて、前記把持プレートが下側になるように前記基板把持装置を前記アームの先端に固定されたことを特徴としている。
請求項16記載の発明は、請求項14又は15記載の基板搬送ロボットにおいて、前記電磁石部を駆動する電源とロボット本体のサーボ系電源とを共有したことを特徴としている。
請求項17記載の半導体製造装置の発明は、請求項14〜16のいずれか1項記載の基板搬送ロボットを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、次のような効果がある。
請求項1記載の発明によれば、薄板状のプレートと上下で対峙するように把持プレートが設けられ、把持プレートは、軸受部の規制によってプレートに対してわずかな量回転可能に支持されている一方、電磁石部と付勢手段との作用によって把持プレートが上下に揺動して微量回転し、プレートとともに基板を把持するように構成されているので、基板把持装置全体の厚みを薄く構成することができる。
特に、把持の駆動源は電磁石であり、プレートの基端側から付勢手段、電磁石部、軸受部、接触プレート(把持部)、の順で配置されて、常に把持プレートの基端側が上方に付勢されているので、基板を把持する直前のみ電磁石の巻線に通電して把持部の隙間を広げればよいので、巻線の必要な電磁力を必要最小限にすることができ、これにより巻線を薄型にしてプレート上に配置できるため、基板把持装置全体の厚みを薄く形成できる。
また、プレートの上面に、基端側から付勢手段、電磁石部、軸受部、接触プレート(把持部)、の順で配置されているので、電磁石部が通電されない限り、常に把持プレートの基端側が上方に付勢されて、把持部は閉じている。これにより電磁石部への電流がなんらかの理由で遮断されても、把持部に把持されていた基板を落下させることがない。
また、ガイド部が基板の側面に当接してその中心位置を合わせるので、基板が把持部に対して再現性よく位置するようになり、把持部が確実に基板を把持することができる。また、ガイド部の案内作用により、基板の中心合わせができるので、半導体製造装置で基板の中心合わせに使用される、いわゆるアライナ装置の構成を簡素化できる。
また、把持の駆動源が電磁石であるので、圧縮エアなどの流体が必要でなくなる。すなわち、従来のハンドの駆動源としてエアシリンダが頻繁に使用されていて、これには圧縮エアが必要であるが、圧縮エアが不要となる。
また、半導体製造装置においては、チャンバによって減圧環境(真空環境)が形成されて、その中で基板把持装置が使用されることがあるが、本発明の基板把持装置は圧縮エアによる駆動源ではないため、この減圧環境下でも使用することができる。
【0006】
請求項2記載の発明によれば、上部ガイド板又は下部ガイド板の先端に段差部を形成して段差部を内側にして重ね合わせることでガイド部の案内溝を簡単に形成することができる。
請求項3記載の発明によれば、ガイド部を前記薄板状のベースプレートの長さ方向の中心線に対して対称配置したので、ガイド部に基板が接近したとき、基板の中心が若干ずれていたとしても、ガイド部の2つの溝によって、溝が形成する仮想中心と基板の中心とが合致するよう基板が案内される。
請求項4記載の発明によれば、薄型に形成された巻線であってもバックヨークを備えているので電磁力を強化でき、確実に基板を把持できる。
請求項5記載の発明によれば、把持動作の際、把持プレートが微量回転しても巻線の面と吸着コアの面とが密着するので、これらの密着を低電力で維持することができる。
請求項6記載の発明によれば、複数の巻線を平面的に並べた構成によって、1つの巻線で電磁石部を形成するより電磁力を保持しつつ巻線を薄型にでき、これにより基板把持装置の厚みを薄くできる。
請求項7記載の発明によれば、巻線の通電を例えば24Vで行い、巻線と吸着コアとが吸着して接近した後、これを5Vに切り替えれば、節電できるとともに、巻線に流れる電流を抑制して巻線からの発熱を抑えることができる。
請求項8記載の発明によれば、把持部は基板の周囲の一部を表裏から把持するのみであり、一方、把持部の左右から延在するガイド部は基板の中心あわせ案内を行うことができる必要最小限の寸法があればよいので、ガイド部は、基板の中心より基端側の位置にしてもその効果が得られ、このような位置にガイド部を形成することで基板把持装置全体の平面的な寸法も小さくすることができる。すなわち、従来のハンドのように基端部側から二股に分かれた部分が把持部が把持する基板の周囲の一部の反対側の周囲の部分まで延在する必要が無く、平面的寸法が小さくなる。
また、二股に分かれた部分が従来のように大きく延在していないので、基板が搬送される側(基板を受け取る側)の形態は、これと干渉することを考慮する必要がないので、基板が搬送される側の形態の制限がほとんど無くなる。
請求項9記載の発明によれば、基板を案内するガイド部が、摺動性がよく耐摩耗性のある素材であるので基板を滑らせるようにかつ粉塵を抑えつつ案内できる。
請求項10記載の発明によれば、把持プレートの基端を上方に付勢する手段が、圧縮バネあるいは板バネによって簡素に構成できる。
請求項11記載の発明によれば、基板の表裏に接触する把持部に摩擦係数が比較的大きい材質が使用されるので、基板が把持部に対して滑りにくくなり、確実に把持できる。
請求項12記載の発明によれば、付勢手段として把持プレートの先端側を常に下側に付勢する手段を用いる場合であっても、請求項1に記載した構成と同様な効果が得られる。
請求項13記載の発明によれば、把持プレートの先端側を常に下側に付勢する手段が、引っ張りバネによって簡素に構成できる。
【0007】
請求項14記載の発明によれば、基板搬送ロボットのハンド先端に取り付ける基板把持装置を、厚みが薄く、平面的な寸法も小さく形成できるので、基板把持装置全体の軽量化も図れる。これにより、基板搬送ロボットが基板を表裏で反転させる必要があったり、或いは、基板搬送ロボットが基板を把持したハンドを起立させて搬送する必要があっても、反転または起立時に必要な三次元的寸法が小さくなり、これによりロボットが必要なフットプリントが削減できる。また、軽量化と平面的寸法の削減とによって制御性がよくなり、アームの位置決め精度が向上する。
また、基板搬送ロボットのアームなどの各部の駆動源は、通常サーボモータであり、これに使用される位置検出器に供給される電圧と同等の電源によって電磁石部は駆動できるので、電源を共有でき、基板搬送ロボット全体の電源構成の簡素化が図れる。
請求項15記載の発明によれば、プレートの下側に把持プレートが位置するようになるので、基板に把持駆動部からの粉塵がさらに付着しにくくなる。
請求項16記載の発明によれば、電源がロボット側と共通化できるので回路が簡略化できて、小型化、コスト低減が図れる。
請求項17記載の発明によれば、基板の搬送時に基板に粉塵が付着しにくくなって半導体製造の歩留まりが向上すると共に、基板搬送ロボットによるフットプリントが小さくなるので、半導体製造装置全体の小型化が図れ、各種のロボットに適用可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態の一例について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の実施例1に係る基板把持装置を示す斜視図である。
図2は図1に示す基板把持装置が基板搬送ロボットのアームの先端に取り付けられている状態を示した斜視図である。
図1において、基板把持装置1は概ね、薄板状のベースプレート11の中央先端に設けられた把持部10と、把持部10の両端に延在する2つのガイド部20と、把持部10を駆動する把持駆動部7と、から構成されている。
ベースプレート11はステンレス、アルミニウム、CFRPといった材料で製作されている。ベースプレート11の基端側(図で右側)は、図2のように基板搬送ロボット2のアーム3の先端に取り付けられるようネジ止め穴11aなどが設けられている。ベースプレート11の他端側(図で左側)は、基板W(図2)の外周に沿うように二股11R、11Lに分かれて延在していて、その二股11R、11Lの先端それぞれにガイド部20、20が設けられている。これら2つのガイド部20、20の間であって、ベースプレート11の二股の基端部分の先端部分11Cには把持部10が設けられている。ベースプレート11の基端部分の上部にはこれを覆うように把持プレート12が設けられている。把持プレート12は把持駆動部7(後述)を覆っており(図5(b)参照)、把持プレート12の先端12Cとベースプレート11の二股の基端部分の先端11Cとで把持部10が構成され、ここで図3のように基板Wを表裏で把持する。
図3は図1に示す基板把持装置が基板を把持した状態を示す斜視図である。図3において、把持プレート12は把持駆動部7によって駆動され、ベースプレート11に対して上下に揺動動作を行うことで把持部10で基板Wを把持する。
把持部10は基板Wの周囲の一部分の表裏を挟む。また、ガイド部20は基板Wが把持部10で把持できるよう基板Wをずらさないために案内する部分である。
また、把持駆動部7は把持部10の駆動機構であって、把持部10の基端側に存在する。
そして、基板搬送ロボット2のアーム3によって基板把持装置1が基板Wに接近したとき、2つのガイド部20によって基板Wが把持部10で安全に把持できるよう案内されつつ、把持駆動部7によって駆動された把持部10で基板Wの周囲の一部の表裏が把持され、その後、基板搬送ロボット2によって目的の位置まで搬送される。
以下、基板把持装置1の各部の詳細を説明する。
【0010】
まず、ガイド部20について図4を用いて説明する。
図4(a)は基板把持装置1の外観平面図、図4(b)は(a)におけるX−X断面の拡大図を示している。
2つのガイド部20は同一構成であって、基板把持装置1の中心線Cに対して対称であるだけなので一方のガイド部についてのみ説明する。ガイド部20は、下部ガイド板21と上部ガイド板22によって構成されている。下部ガイド板21はベースプレート11の二股の先端部分に載置されるように固定されている。上部ガイド板22は下部ガイド板21に載置されるように固定されている。下部ガイド板21と上部ガイド板22の先端側の間には基板Wの外周に沿うような溝23が形成されている。溝23は基板Wの一部の周囲の表裏の面と、その部分の側面とに当接して、基板Wの中心位置が把持部10に対してずれないよう規制する。また、2つのガイド部20は中心線Cで対称なので、この溝23に基板Wが基板把持装置1の先端側から接近したとき、例えば中心線Cに対して基板Wの中心が若干ずれていたとしても、2つの溝23によって、溝23が形成する仮想中心と基板Wの中心とが合致するよう基板Wが案内される。溝23が形成する仮想中心は、把持部10が基板Wを確実に把持できる位置に設定される。
また、例えば図4のように基板Wが直径300mmウェハである場合、下部ガイド板21と上部ガイド板22とがなす基板把持装置1の幅は200mm程度であり、各ガイド板の基端側からの突出位置は把持部10の先端部から35mm程度に形成されている。これらの寸法は、基板Wを把持部10で確実に把持できるよう基板Wを案内できる必要十分な長さであって、かつ基板把持装置1の基端側からガイド部20が突出しすぎないように制限された寸法である。つまり、ガイド部20は、基板把持装置1が基板Wを把持しても、基板Wの中心より基端側になる位置になるよう制限されている。このように、本発明の基板把持装置1は従来のハンドのようにハンドの基端側からみて基板の反対側の周囲にまで二股の部分が到達する形状になっていない。
また、下部ガイド板21と上部ガイド板22は基板Wを滑らせるように案内する部材であるため、PTFEなどのフッ素樹脂といった摺動性がよく耐摩耗性のある素材が使用されている。
【0011】
次に、把持部10及び把持駆動部7について図5を用いて説明する。
図5は基板把持装置1を説明する図で、(a)は基板把持装置1の平面図であって、把持プレート12と吸着コアとを透視した図であり、(b)は(a)におけるY−Yの断面図を示している。ただし、(b)は把持プレート12と吸着コアを透視していない断面である。
把持駆動部7は、軸受部13と、電磁石部14と、付勢手段15と、から構成されている。
把持部10は、ベースプレート11の二股の基端部の先端と把持プレート12先端の上下2枚の接触プレート16(下側接触プレート16aと上側接触プレート16b)から構成されている。
【0012】
把持プレート12は、図1および図4が示すように略矩形の薄板状の部材である。把持プレート12はベースプレート11の上側にあって、軸受部13や電磁石部14といった把持駆動部7をベースプレート11と狭持するように設けられている。把持プレート12は、軸受部13(図5)の把持プレート側シャフト受13c(図5(a))と連結されてこれにより支持されている。
【0013】
図5において、ベースプレート11及び把持プレート12の基端側(図5で右側)に付勢手段15が設けられている。付勢手段15はそれぞれ複数の芯材15a(図5(a))と各芯材15aをそれぞれに配備される同数の圧縮バネ15b(図5(b))とから構成されている。すなわち、図5(b)から判るように、芯材15aはベースプレート11から垂直に起立して設置され、その外周に圧縮バネ15bを保持している。この圧縮バネ15bにより把持プレート12の基端側が図5(b)において常に上方に付勢されている。
なお、付勢手段15は把持プレート12の基端側を常に上方に付勢するものであれば、圧縮バネに代えて、例えば、板ばねなどで構成しても構わない。
【0014】
付勢手段15の先端側(図5で左側)には電磁石部14が設けられている。電磁石部14はヨーク14aと、巻線14bと、吸着コア14cと、から構成されている。ヨーク14aは図5(a)のようにベースプレート11の幅とほぼ同一の幅を有している薄板状の部材である。ヨーク14aは3%珪素鋼板で製作されていて、巻線14bの電磁力を高める役割を担う。巻線14bは、図5(a)のように本実施例では2つの薄型の巻線がヨーク14aに対して平面的に並べて配置されている巻線である。そしてこれら2つの巻線14bがヨーク14aに対して一体的に固定されるよう、樹脂製の硬化剤でモールドされている。巻線14bは、図示しないリード線を介してこれに電流が供給される。一方、モールドされた巻線14bに対して微小な空隙を介すように、把持プレート12に吸着コア14cが固定されている。吸着コア14cは矩形の薄板状の部材であって、図5(a)におけるヨーク14aとほぼ同一の面積を有している。吸着コア14cも3%珪素鋼板で製作されている。従って、巻線14bに所定の電流が供給されると、巻線14bと吸着コア14cが吸着するように作用する。
なお、これらが吸着したときに、巻線14bの上面と吸着コア14cの下面とが密着するように、吸着コア14cの巻線14bに対向する面は、巻線14bの上面に対して、付勢手段15側から軸受部13へ向かって徐々に接近するように傾斜して把持プレートに固定されている。吸着コア14c自身は上下の面が平行な薄板であるので、付勢手段15側が把持プレート12に埋設するように傾斜して取り付けられている。これは軸受部13を支点として、把持プレート12とともに吸着コア14cが微量回転するため、回転したときにこれらの面の間に隙間が発生せずに密着できるようにするためである。
【0015】
図5において、電磁石部14のさらに先端側(図で左側)には軸受部13が設けられている。軸受部13は、シャフト13aと、プレート側シャフト受13bと、把持プレート側シャフト受13cと、から構成されている。シャフト13aは棒状の部材である。プレート側シャフト受13b及び把持プレート側シャフト受13cはブロック形状の部材であって、それぞれ2個ずつ、計4個設けられている。シャフトベースプレート11の上面に2個のプレート側シャフト受13bが固定されている。そして、把持プレート12側に2個の把持プレート側シャフト受13cが固定されている。2個のプレート側シャフト受13bは、互いに図4(a)における中心軸Cをはさんで対峙するように設けられている。2個の把持プレート側シャフト受13cも同様に設けられている。これら4個のシャフト受にはそれぞれ貫通穴が形成されていて、この貫通穴にシャフト13aを挿通させ、摺動させながら回転可能にシャフト13aを保持している。これにより、シャフト13aは中心軸Cと垂直をなすように配置されている。
このような軸受部13により、把持プレート12は把持プレート側シャフト受13cに支持されているので、把持プレート12は、圧縮バネ15bによって基端側を常に上方に付勢されつつ、シャフト13aを中心に上下に微量に揺動可能である。
なお、シャフト受の貫通穴にベアリングを保持させ、これを介してシャフト13aを回転可能に保持してもよい。
【0016】
軸受部13のさらに先端側には把持部10を構成する接触プレート16が設けられている。接触プレート16は、ベースプレート11の二股に分かれる基端部の先端に固定された下側接触プレート16aと把持プレート12の先端に固定された上側接触プレート16bとから構成されている。また、上下の接触プレート16それぞれの先端側には、基板Wの外周に沿ってその外周よりもやや大きい形状を有する段差が対向するように設けられている。これら2つ段差は上下で対峙していて、ここに基板Wが挿入される隙間4が形成される。隙間4を形成する下側接触プレート16aと上側接触プレート16bのそれぞれの端部には、傾斜4aが形成されていて、基板Wが隙間4に侵入しやすいようになっている。下側接触プレート16aと上側接触プレート16bには、例えばPEEK(ポリエーテルケトン)材のように摩擦係数が比較的大きい材質を利用している。
【0017】
次に、以上で構成された基板把持装置1の動作を図6を用いて説明する。
図6は基板把持装置1が基板Wを把持する際の動作を説明する模式的な側面図である。
(1)まず、基板搬送ロボット2(図2)のアーム3(図2)の先端に取り付けられた基板把持装置1が、アーム3の動作によって、図6(a)のように基板Wに近接する。このとき、電磁石部14の巻線14bに電流が供給され、電磁石部14の巻線14bと吸着コア14cとが付勢手段15の圧縮バネ15bの作用に打ち勝って吸着する。これにより、把持プレート12は軸受部13のシャフト13aを中心として、把持プレート12の基端(図で右)側がベースプレート11に対して下がり、先端(図で左)側がベースプレート11に対して上がる。よって、接触プレート14の隙間4が基板Wの厚みよりもやや大きく広がる。
巻線14bへの通電は、巻線14bと吸着コア14cとが吸着した後は、もはや吸引のための大きな電流は不要となるので、吸引維持に必要な低い電圧に切り替えることが省エネの点から望ましい。
(2)さらに、基板把持装置1が基板Wに近接すると、基板Wの側面がガイド部20の溝23(図4(b))に当接し、溝23が形成する仮想中心と基板Wの中心とが一致するよう基板が微小な量案内される。このとき、基板Wは隙間4の間に位置する。勿論、アーム3の動作が正確であって基板Wが目的の位置からずれることなく存在していれば、ガイド部20によるこの微小な量の案内は無い。
(3)次に、図6(b)のように、電磁石部14の巻線14bの電流供給を遮断すると、巻線14bと吸着コア14cとの吸着力が無くなり、付勢手段15の圧縮バネ15bの作用により、再び把持プレート12は軸受部13のシャフト13aを中心として、把持プレート12の基端側がベースプレート11に対して上がり、先端側がベースプレート11に対して下がる。よって、接触プレート16の把持部10の隙間4が狭くなり、上下の接触プレート16によって基板Wが上下で把持される。この後、基板把持装置1によって把持された基板Wはアーム3の動作によって目的の位置まで搬送される。
(4)次に、目的の位置まで搬送された後、図6(c)のように再び電磁石部14の巻線14bに電流が供給され、把持部10の隙間4を広げて基板Wの把持を開放する。
(5)また、図6(d)のように基板把持装置1が基板Wを把持する必要が無い場合は、巻線14bには電流が遮断されたままで、隙間4は閉じたままである。
【0018】
以上説明した本発明の基板把持装置によれば、薄板状のベースプレート11と上下で対峙するように把持プレート12が設けられ、把持プレート12は、軸受部13のシャフト13aを中心としてベースプレート11に対してわずかな量回転可能に支持されている一方、電磁石部14の作用によって把持プレート12が回転して基板を把持するように構成されているので、基板把持装置1全体の厚みを薄く構成することができる。
特に、把持の駆動源は電磁石部14であり、ベースプレート11の基端側から付勢手段15、電磁石部14、軸受部13、接触プレート16、の順で配置されて、常に把持プレート12の基端側が上方に付勢されているので、基板Wを把持する直前のみ巻線14bに通電して接触プレート16の隙間4を広げればよいので、巻線14bの必要な電磁力を必要最小限にすることができ、これにより巻線14bを薄型にしてベースプレート11上に配置できるため、基板把持装置全体の厚みを薄く形成できる。
また、把持の駆動源が電磁石部14であるので、巻線14bの通電を例えば24Vで行い、巻線14bと吸着コア14cとが吸着して接近した後、これを5Vに切り替えて節電するとともに、巻線14bに流れる電流を抑制して巻線からの発熱を抑える事ができる。すなわち、隙間4を広げる際に巻線14bの通電を行うが、巻線14bと吸着コア14cとが吸着して接近した後は、これらの吸着状態を保持するための必要電流が下がるため、24Vなど駆動時の電圧から5Vなど低常時の低電圧へと切り替えても電磁力を保持することができる。
また、把持部10は基板Wの周囲の一部を表裏から把持するのみであり、一方、把持部10の左右から延在するガイド部は基板Wの中心あわせ案内を行うことができる必要最小限の寸法があればよいので、基板把持装置1全体の平面的な寸法も小さくすることができる。すなわち、従来のハンドのように基端部側から二股に分かれた部分が把持部10が把持する基板Wの周囲の一部の反対側の周囲の部分まで延在する必要が無く、平面的寸法が小さくなる。
【0019】
また、上記のように二股に分かれた部分が大きく延在していないので、基板が搬送される側(基板を受け取る側)の形態は、これと干渉することを考慮する必要がないので、基板が搬送される側の形態の制限がほとんど無くなる。
また、以上のように厚みが薄く、平面的な寸法も小さく形成できるので、基板把持装置全体の軽量化も図れる。これにより、基板搬送ロボットが基板を表裏で反転させる必要があったり、或いは、基板搬送ロボットが基板を把持したハンドを起立させて搬送する必要があっても、反転または起立時に必要な三次元的寸法が小さくなり、これにより半導体製造装置のフットプリントが削減できる。
また、ベースプレート11の上面に、基端側から付勢手段15、電磁石部14、軸受部13、接触プレート16、の順で配置されているので、電磁石部14の巻線14bが通電されない限り、常に把持プレート12の基端側が上方に付勢されて、接触プレート16の隙間4は閉じている。これにより巻線14bの電流がなんらかの理由で遮断されても、隙間4に把持されていた基板Wを落下させることがないように作用する。
また、ガイド部20が基板Wの側面に当接してその中心位置を合わせるので、基板Wが把持部10に対して再現性よく位置するようになり、把持部10が確実に基板Wを把持することができる。また、ガイド部20の案内作用により、基板Wの中心合わせができるので、半導体製造装置で基板の中心合わせに使用される、いわゆるアライナ装置の構成を簡素化できる。
また、把持の駆動源が電磁石部14であるので、圧縮エアなどの流体が必要でなくなる。すなわち、従来のハンドの駆動源としてエアシリンダが頻繁に使用されていて、これには圧縮エアが必要であるが、圧縮エアが不要となる。
また、半導体製造装置においては、チャンバによって減圧環境(真空環境)が形成されて、その中で基板搬送ロボットが使用されることがあるが、本発明の基板把持装置は圧縮エアによる駆動源ではないため、この減圧環境下でも使用することができる。
また、基板搬送ロボット2のアーム3などの各部の駆動源は、通常サーボモータであり、これに使用される位置検出器に供給される電圧と同等の電源によって電磁石部14は駆動できるので、電源を共有させるのがよい。
【0020】
なお、以上で説明した基板把持装置1は、ベースプレート11の上面に、基端側から付勢手段15、電磁石部14、軸受部13、接触プレート16、の順で配置されている構成を説明した。しかし、付勢手段15の圧縮バネ15bを引っ張りバネに換え、ベースプレート11の上面に、基端側から電磁石部14、軸受部13、付勢手段15、接触プレート16、の順で配置される構成であっても同様な効果が得られる。
また、本発明の基板把持装置1を基板搬送ロボット2のアーム3先端に対して表裏反対にして取り付ける形態としても構わない。すなわち、以上で説明した基板把持装置1はベースプレート11の基端側がアーム3の先端に取り付けられ、ベースプレート11の上側で把持プレート12が稼動する構成だが、把持プレート12がベースプレート11の下側になるように取り付け、把持プレート12がベースプレート11の下側で稼動する構成としてもよい。
また、図2に示した基板搬送ロボット2は、筒状のボディ5がベース6に対して昇降し、ボディ5の上部に搭載された1組のアーム3がボディ5に対して伸縮、旋回を行うものであるが、基板搬送ロボットの形態はこれに限らない。例えば、ベース6の下部に走行装置が付加されて図2に示す基板搬送ロボット2全体が走行するものであったり、アーム3を2組有する双腕タイプのものであったり、ボディ5の形状が箱体状のものであったりするものも、本発明の基板把持装置が適用できる基板搬送ロボットである。さらに、本発明の基板把持装置1をアーム3の先端に上下多段に複数備えるものであったり、アーム3が図2のように複数の関節体からなるものではなく、スライドする直動タイプのものであるロボットも、本発明の基板把持装置が適用できる基板搬送ロボットである。
また、図2に示した基板搬送ロボット2は、ロボットの本体のみを図示しているが、基板搬送ロボットは、いうまでもなくロボットの動作を制御する図示しないコントローラを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1に係る基板把持装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す基板把持装置が基板搬送ロボットのアーム先端に取り付けられている状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す基板把持装置が基板を把持した状態を示す斜視図である。
【図4】図1に示す基板把持装置の外観平面図(a)および側面図(b)である。
【図5】図1に示す基板把持装置の把持プレートと吸着コアとを透視した平面図(a)および側面図(b)である。
【図6】図1に示す基板把持装置が基板を把持する際の動作を説明する模式的な側面図である。
【符号の説明】
【0022】
W 基板
1 基板把持装置
2 基板搬送ロボット
3 アーム
4 隙間
5 ボディ
6 ベース
7 把持駆動部
10 把持部
11 プレート
11a ネジ止め穴
11C 二股基端部分の先端部分
11R、11L 二股
12 把持プレート
13 軸受部
13a シャフト
13b プレート側シャフト受
13c 把持プレート側シャフト受
14 電磁石部
14a ヨーク
14b 巻線
14c 吸着コア
15 付勢手段
15a 芯材
15b 圧縮バネ
16 接触プレート
16a 下側接触プレート
16b 上側接触プレート
20 ガイド部
21 下部ガイド板
22 上部ガイド板
23 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の周囲の一部を表裏から把持する基板把持装置であって、
平面で見て基端側から先端側へ二股に分かれる薄板状のベースプレートと、前記ベースプレートの上面に間隔をおいて設けられる把持プレートと、前記ベースプレートと前記把持プレートの間のその間隔に設けられる把持駆動部と、前記ベースプレートの前記二股の基端の先端と前記把持プレートの先端とから成る把持部と、前記薄板状のベースプレートの前記二股の各先端に設けられて前記基板の一部を案内するガイド部と、を備えた基板把持装置において、
前記把持駆動部が、前記把持プレートの基端側にて前記基端側を常に上側へ付勢する付勢手段と、前記付勢手段の近傍にあって通電により前記把持プレートを前記ベースプレート側に吸着させる電磁石部と、前記電磁石部および前記付勢手段より先端側にあって前記把持プレートが前記ベースプレートに対して上下に揺動するよう規制する軸受部と、で構成され、
かつ、前記ガイド部が、前記基板の一部の周囲の表面と裏面と側面とに当接することのできる案内溝を先端に備えたガイド部を設けたことを特徴とする基板把持装置。
【請求項2】
前記ガイド部の案内溝を、上部ガイド板および下部ガイド板の一方又は両方の先端に段差部を形成し前記段差部を内側になるように前記上部ガイド板および下部ガイド板を重ね合わせることで形成したことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項3】
前記ガイド部を前記薄板状のベースプレートの長さ方向の中心線に対して対称配置したことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項4】
前記電磁石部が、前記ベースプレート上に固定されたヨークと、前記ヨークにモールドされた巻線と、前記把持プレートに固定された吸着コアと、から構成されたことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項5】
前記吸着コアの前記巻線に対向する面が、前記付勢手段側から前記軸受部へ向かって徐々に接近するように傾斜して固定されていることを特徴とする請求項4記載の基板把持装置。
【請求項6】
前記巻線が、前記ヨークに平面的に少なくとも2つ並べてモールドされたことを特徴とする請求項4記載の基板把持装置。
【請求項7】
前記巻線への通電は、前記巻線と前記吸着コアとが吸着した後、より低い電圧に切り替えられることを特徴とする請求項4記載の基板把持装置。
【請求項8】
前記ガイド部が、前記基板の中心より前記ベースプレートの基端側に位置するよう前記ベースプレートが形成されたことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項9】
前記ガイド部がフッ素樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項10】
前記付勢手段が圧縮バネまたは板バネであることを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項11】
前記把持部が、PEEK材で形成されたことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項12】
前記把持駆動部が、前記把持プレートの先端側を常に下側へ付勢する付勢手段と、前記付勢手段の基端側にあって前記把持プレートが前記ベースプレートに対して上下に揺動するよう規制する軸受部と、前記軸受部の基端側に設置された電磁石部と、で構成されたことを特徴とする請求項1記載の基板把持装置。
【請求項13】
前記付勢手段が引っ張りバネであることを特徴とする請求項11記載の基板把持装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項記載の基板把持装置をロボットアームの先端に備えたことを特徴とする基板搬送ロボット。
【請求項15】
前記把持プレートが下側になるように前記基板把持装置を前記アームの先端に固定されたことを特徴とする請求項14記載の基板搬送ロボット。
【請求項16】
前記電磁石部を駆動する電源とロボット本体のサーボ系電源とを共有したことを特徴とする請求項14又は15記載の基板搬送ロボット。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか1項記載の基板搬送ロボットを備えたことを特徴とする半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−176939(P2009−176939A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13854(P2008−13854)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】