説明

射出延伸吹き込み成形方法

本発明は、ポリエチレン材料から作製される固体プリフォームに関し、このプリフォームが、ネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有し、全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%のポリエチレン材料は、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnが平均分子量であり、Mz/Mnが、Mz値をMn値で除したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
射出延伸吹き込み成形は、ポリエステルから、特にポリエチレンテレフタレートから作製されているボトル製造のために広く実施されている方法である。そのようなボトルは一般に、他の目的の中でも清涼飲料のパッケージに使用されている。
【背景技術】
【0002】
他の材料よりもポリチレン材料を使用して容器を作製する多くの利点がある。1つの利点は、ポリプロピレンなど一部の他の材料とは異なり、ポリエチレン材料は容易に再利用可能であり、かつ既存のリサイクルのインフラと適合性があるということである。更なる利点は、ポリエチレン材料は、高いpHに弱いポリエチレンテレフタレートなど他の材料よりも「pH劣化及び変色」(構造体の亀裂及び損失)する傾向が少ないということである。これはpHのアレイを有する材料の、より幅の広いアレイが完成容器に保存され得ることを意味する。他の利点は、ポリエチレン材料で作製される容器は、容器の更に下流の加工(例えば、広範な変形を必要とする一体化ハンドルの組み込みなど)に、より適しているということである。
【0003】
射出延伸吹き込み成形技法は、ポリエチレン材料の選択的な分子配向を達成し、これは押出吹き込み成形など、容器を製造する従来の方法で達成可能なものを上回る。これは、引張係数(弾性材の「剛性」の基準)など、改善された特性に起因して、より効果的な材料の使用となる。例えば、延伸吹き込み成形で得られるポリエチレンの配向は、それほどの分子配向を付与しない、より従来的な方法と比較して材料の使用を25%減少させる場合がある。したがって、射出延伸吹き込み成形は、容器を作製する、より経済的かつ効率的な方法の可能性を提供する。
【0004】
射出延伸吹き込み成形は、プリフォームをまず射出成形する工程と、それを延伸させる工程と、次いで延伸されたプリフォームの内圧を増加させて最終容器の形状を作る工程と、を含む。プリフォームは圧縮成形又は熱成形によって成形される場合もある。
【0005】
商業的な速度で材料を射出成形する能力は、良好な「ずり減粘特性」を備える材料を必要とする。ずり減粘は、溶解相であるときに、材料に応力が適用されると呈される典型的なレオロジー的な挙動である。換言すれば、溶解状態の材料は流れなければならず、これによってそれは鋳型の輪郭のすべてに沿うことができ、結果として材料の偏った厚さ又は薄い領域にならない。
【0006】
延伸吹き込み成形工程において材料を延伸させる能力は、材料が「歪み硬化」を呈することを必要とし、これは増加する引張変形と共に、延伸に対する耐性の増加として定義される。この特性は、材料の良好な分布を確実にし、よって容器は、穴、又は材料の延伸が薄すぎる領域を伴って形成されない。これは、材料が特定の厚さになると、それは更なる延伸に耐性であり、よって最終的な穴の形成を防ぐということを意味する。
【0007】
高分子量のポリエチレン材料は歪み硬化を呈し、よって延伸吹き込み成形に好適である。したがって、高分子量ポリチレン材料で作製されるプリフォームは、良好な材料分布を有する容器に延伸吹き込み成形することができ、よって穴、又は薄い若しくは厚い材料の領域を有さない。しかしながら、高分子量材料の使用は劣ったずり減粘となる。
【0008】
JP−A−2000/086722号(2000年3月28日公開)によって参照されるように、高分子量ポリエチレン材料が存在し、射出延伸吹き込み成形において使用されている。JP−A−2000/086722号は、射出延伸吹き込み成形に供される高密度ポリエチレン樹脂を開示している。上記の材料は、歪み硬化によって良好に延伸する傾向を有するが、ずり減粘特性の欠如のため、射出成形ではうまく機能しない。
【0009】
更に、塑性体部分は、それらが引張応力下にあり、酸化剤及び界面活性剤を含む液体と接触するとき、環境的に応力亀裂を起こす。容器において、応力亀裂は、引張変形下にあって液体と接触している領域においてのみ生じる。引張応力は、場合によっては連続的な亀裂となる「局所的なひび割れ」(微小亀裂)の形成となる。ポリエチレンは、不規則性ポリマーのマトリックス中に、規則的に配列された結晶性セグメントの複合材料として存在する。化学的に、2つの相は互いに区別できないが、しかしそれらは別個の分離性相を形成する。タイ分子は様々な晶子を一緒に接続する。ポリエチレン材料は引張荷重下に置かれるので、その晶子は応力下に置かれ、タイ分子が延伸されるにつれて互いに離れ始める。液体中の酸化剤(例えば漂白剤)はタイ分子を開裂し、材料が水又は空気に曝露されたときよりも早く破壊を引き起こす。更に、液体中の界面活性剤は可塑剤として作用し、タイ分子の解きほぐし及び晶子からのそれらの分離を潤滑する(可塑化は材料の流動性を上昇させる方法である)。高分子量材料の存在は、その長鎖がタイ分子に更なる相互作用を提供するため、良好な環境応力亀裂耐性をもたらす。ずり減粘を得るために、より低い分子量材料の量を増加させることは、環境応力亀裂耐性を縮小させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】JP−A−2000/086722号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、ポリエチレン容器を作製するためのプリフォームであって、このプリフォームは、射出成形のためのずり減粘特性、及び射出延伸吹き込み成形方法の延伸吹き込み成形のための歪み硬化特性の両方を呈するポリエチレン材料から作製されるプリフォームを提供する必要がある。良好な環境応力亀裂抵抗を維持する最終容器を作製するためのプリフォームに対する必要性も存在する。ポリエチレン容器を作製するための方法を提供する必要もあり、プリフォームは、ずり減粘特性及び歪み硬化特性の両方を呈し、かつ最終製品の良好な環境応力亀裂耐性も提供するポリエチレン材料から作製される。
【0012】
驚いたことに、特定の分子量特性を有するポリエチレン材料で作製されるプリフォームは上記の技術的問題を解決することが見出された。材料は射出成形のためのずり減粘を呈し、プリフォームは、延伸吹き込み成形工程中に良好な歪み硬化特性を有し、最終容器は良好な環境応力亀裂耐性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、ポリエチレン材料から作製される固体プリフォームであり、このプリフォームがネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有し、全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%のポリエチレン材料は、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnが数平均分子量であり、Mz/Mnが、Mz値をMn値で除したものである。
【0014】
第2の態様は、固体プリフォームを射出成形する方法であって、この固体プリフォームがポリエチレン材料から作製され、プリフォームはネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有し、全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%のポリエチレン材料が、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnは数平均分子量であり、Mz/Mnは、MzをMn値で除した値であり、射出成形方法中のピーク圧が、500バール未満である。
【0015】
本発明の第3の態様は、ポリエチレン容器の吹き込み成形方法であって、
a)ポリエチレン材料から作製される固体プリフォームを提供する工程であって、このプリフォームがネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有する、工程と、
b)任意により、プリフォームを再加熱する工程であって、この再加熱されたプリフォームの側壁及びベース領域の最も熱い領域と最も冷たい領域間の最大温度差が4℃未満となるように、プリフォームを再加熱する工程と、
c)プリフォームを吹き込み成形鋳型のキャビティに移動させる工程と、
d)15バール未満の圧力でプリフォームを延伸させる工程と、
e)延伸されたプリフォームの壁部が吹き込み成形鋳型のキャビティの内側の形状及び寸法まで拡張するように、再加熱されたプリフォーム内の圧力を増加させる工程と、を含み、
全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%のポリエチレン材料が、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnが平均分子量であり、Mz/Mnが、MzをMn値で除した値である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明で使用されるプリフォームの寸法を示す。
【図1B】本発明で使用されるプリフォームの寸法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の方法で使用するためのプリフォームは、ネック領域、側壁、及びベース領域を含み、したがってその閉鎖端付近の点からその開放端付近の点までのその外形寸法上に実質的に対称の管を形成する。プリフォームは、内壁を有する内部と、外壁を有する内部とを有する。好ましくは、ネック領域とベース領域との間のプリフォームの側壁は実質的に直線であり、平行な外壁面を有する。平行かつ直線の外壁を備えるプリフォームの設計は、ポリエチレンの均一な再加熱及び均一な延伸を可能にし、したがって、最終容器の吹き込みを促進することが見出されている。平行で直線の壁のプリフォーム設計のもう1つの利益は、所与のネック設計に充填され得る材料の量を最大限にし、延伸比(材料上の拡張の量)を最小にすることである。これは、いずれか1つの所与の領域における材料が延伸されすぎない、又は延伸不足でないことを意味し、よって最終容器において、より良好な材料分布を可能にする。
【0018】
本発明のポリエチレン材料は1つ以上のポリマー種を含む。本発明の各ポリマー種は、エチレンモノマー単位からなるホモポリマーである場合もあれば、又は他のモノマー単位、好ましくはC3からC20のアルファオレフィンと共に共重合されたエチレン単位を含むコポリマーであってもよいが、他のもの、例えば酢酸ビニル、無水マレイン酸等を含む場合もある。したがって、ポリエチレン材料は異なるポリマー種を含み、各ポリマー種は、エチレン、C3からC20のアルファオレイン、及び他のコモノマーのモノマーの単位を含む。ポリマー種の各組み合わせは、異なる物理的特性(その特定のポリエチレン材料特有の)を呈する。本発明のポリエチレン材料はまた、好ましくは中密度又は高密度ポリエチレンである。高密度ポリエチレンは、0.941g/cm〜0.960g/cmの密度を有するとして定義される。中密度ポリエチレンは、0.926g/cm〜0.940g/cmの密度を有するとして定義される。一実施形態では、本発明のポリエチレン材料は、0.926g/cm〜0.960g/cmの密度を有する。他の実施形態では、本発明のポリエチレン材料は、0.926g/cm〜0.940g/cmの密度を有する。更に他の実施形態では、本発明のポリエチレン材料は、0.941g/cm〜0.960g/cmの密度を有する。
【0019】
一実施形態では、ポリエチレン材料は「バイオソースのPE」である。すなわち、それは石油でなく再生可能な資源に由来する。一実施形態では、サトウキビを発酵してアルコールを生成する。このアルコールを脱水してエチレンガスを生成する。次に、重合反応器(石油由来のエチレンガスと共に使用されるような同じタイプの反応器)にこのエチレンガスを通す。バイオソースのポリエチレンは、例えばサトウダイコン、糖蜜、又はセルロースといった他の植物又は他の植物材料から作製され得る。バイオソースのポリエチレンは、それが石油由来のポリエチレンと同じ反応器条件下で重合されたならば、石油系のポリエチレンと同じ物理的特性を有する。
【0020】
驚くべきことに、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのMzの特定の分子量特性と、射出成形に必要なずり減粘特性を呈する、28を超えるMz/Mnを有する少なくとも65%のポリエチレン材料から作製されるプリフォームは、延伸吹き込み成形工程中に良好な歪み硬化特性を有し、最終容器は良好な環境応力亀裂抵抗を有するということが見出された。
【0021】
各ポリエチレン材料内で、様々な個々のポリマー種が広範な重合度及び分子量を有する。換言すれば、長鎖ポリマー種及び短鎖ポリマー種の混合物が存在し、それぞれ異なる分子量を有する。この分布は一連の「平均」分子量方程式によって定量化される。ポリエチレン材料に対して使用される2つの一般的な分子量平均は、
−数平均分子量、M、これは個々のポリマー種の分子量の平均であり;
−Z−平均分子量、M、これは個々のポリマー種の分子量によって乗じた各ポリマー種の重量である。
【0022】
ポリマー種に関して、そのポリエチレン材料中のポリマー種のMzが算出され得る。Mz値は、方程式1を使用して定義される;
【数1】

【0023】
MWは、特定のポリマー種、i.の分子量であり、nは、MWを有するその特定の種の数であり、#はポリエチレン材料中の種の合計数である。上記の計算は1500g/モル未満、又は7,000,000g/モルを超えるMWを備える種を含まない。低分子量の種(1500g/モル未満)は汚染物質を表し、方法の延伸部分にとっては好ましくない。高分子量種(7,000,000g/モルを超える)は、「ゲル」粒子、又は他の溶解不可/非流動性の材料を表し、これは方法の延伸若しくは射出部分の助けにならない。
【0024】
ポリマーに関して、そのポリマー種の数平均分子量は、数平均分子量(Mn)として算出することができる。数平均分子量は式2に定義される;
【数2】

【0025】
MWは、特定のポリマー種、i.の分子量であり、nは、MWを有するその特定の種の数であり、#はポリエチレン材料中の種の合計数である。本質的に、Mnはnポリマー分子量の分子量を測定し、(Σ)重量を合計し、nで除することによって決定される。上記の計算は、上記の理由により1500g/モル未満又は7,000,000g/モルを超えるMWを備える種を含まない。
【0026】
理解を容易にするために、Mz値はポリエチレン材料中の高分子量ポリマー種の量を反映すると考えることができる。この値はしたがって、ポリエチレン材料の歪み硬化特性に対応すると考えられ得る。
【0027】
理解を容易にするために、Mz/Mn値は、ポリエチレン材料中の高分子量ポリマー種及び低分子量ポリマー種の比率を反映すると考えることができる。したがって、この値は、ポリエチレン材料のずり減粘特性に対応すると考えられ得る。
【0028】
全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%のポリエチレン材料は、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのMz及び28を超えるMz/Mnを有する。他の実施形態では、全ポリエチレン材料の少なくとも80重量%のポリエチレン材料は、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのMz、及び28を超えるMz/Mnを有する。更に他の実施形態では、全ポリエチレン材料の少なくとも90重量%のポリエチレン材料は、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのMz、及び28を超えるMz/Mnを有する。
【0029】
300,000g/モル未満のMzを有する材料の少なくとも65%を含むプリフォームは、延伸吹き込み成形されたときに、歪み硬化の欠如のため穴を備える容器を作り出した。6,000,000g/モルを超える分子量を有する材料は、超高分子量ポリエチレンである。それらの非常に高い分子量のために、それらは脆性の容器を作り出す。したがって、6,000,000g/モルを超えるMzを有する、少なくとも65%の材料を含むプリフォームは適していない。
【0030】
驚くべきことに、材料が、穴を有さない(歪み硬化)プリフォームから作製されるが、射出成形のために必要なずり減粘特性を有する容器を作るには、ポリエチレン材料はまた、28を超えるMz/Mnを必要とした。300,000g/モル〜6,000,000g/モルのMzであるが、28未満のMz/Mnを有することは、射出工程において非常に高い圧力を必要とした。これは、それらのずり減粘特性は劣っており、よって材料を分配し、鋳型を充填するために高圧を必要とするか、そうでなければ、それらは鋳型を充填しないということを意味する。
【0031】
これらの特性を有する材料を含むプリフォームから作製される最終容器はまた、良好な環境応力亀裂抵抗を示した。
【0032】
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)とも呼ばれる、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)が使用されて、ポリエチレン材料のM、M及びM値を分離し、これらを測定した。使用されるSEC機器は、3つのPolymer Laboratoriesの300×7.5mmのPL−Gel混合B架橋化ポリスチレンカラム、異なる示差屈折率検出器、及びインラインのWyatt DAWN EOS 18−角度の多角度レーザー光線散乱検出器を備えたPolymer LaboratoriesのPL−GPC 220高温液体クロマトグラフィーであった。クロマトグラフィー溶離剤は、0.125g/Lブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を用いて安定化された、液体クロマトグラフィグレード、1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)から構成された。溶離剤は、Polymer LaboratoriesのPL−DG 802インライン脱気装置を使用して脱気され、1.0mL/分で液体クロマトグラフィシステムを通じて測定された。ポリエチレン材料のサンプル溶液は、約10〜20mgのポリエチレン材料を5〜20mLのTCBに150℃で約24時間溶解することによって調製された。溶解後、サンプルは、平均孔径10μmを有する、事前に温められたアルミニウムフリット(aluminum frits)を通じてろ過された。サンプル溶液は、150℃で維持され、次いで解析のためにPG−GPC 220システムの自動サンプルラーに搭載された。SECシステムはマルチアングルレーザー光分散検出器を備えるため、既知の規格を用いた較正は必要としなかった。しかしながら、システムの精度及び再現性は、既知の分子量の単分散及び多分散ポリエチレン基準を運用することによって確認された。機器のソフトウェア、ASTRA(登録商標)は次いで各ポリエチレン材料における異なるポリマー種に関する分子量のピークを変換し、式1及び2に基づいてMz及びMz/Mnの値の両方を計算する。
【0033】
本発明の一実施形態では、本発明のポリエチレン材料は、添加剤を含むポリエチレン材料を含む。添加剤は好ましくは、顔料、UVフィルター、乳白剤、酸化防止剤、表面改質剤、加工助剤、又はこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、添加剤は顔料である。表面改質剤は好ましくは、スリップ剤、粘着防止剤、粘着付与剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される。酸化防止剤は好ましくは、第一級若しくは第二級の酸化防止剤、又はこれらの混合物を含む群から選択される。一実施形態では、添加剤は好ましくは、TiO又は乳白剤(pacifier)又はその混合物を含む群から選択される。加工助剤は好ましくは、ワックス、オイル、フルオロエラストマー、又はこれらの混合物を含む群から選択される。他の実施形態では、難燃剤、帯電防止剤、捕捉剤、吸収剤、臭気促進剤、及び劣化剤(degredation agents)、又はこれらの混合物を含む群から選択される。
【0034】
本発明の一実施形態では、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28のMz/Mn値を有するポリエチレン材料は、使用済のリサイクルされた高密度ポリエチレンを含む。「使用済のリサイクルされた」、は廃棄された消費者製品からリサイクルされたポリエチレン材料を意味する。これらの材料を、これがより環境に優しいため使用することが好ましい。しかしながら、使用済のリサイクルされた高密度ポリエチレンはしばしば、それらにとって有する必要がある上記に詳述されるような望ましい特性(歪み硬化及びずり減粘特性)を呈しない。ポリエチレンワックスの添加は、使用済の再生された高密度ポリエチレンに、本発明の望ましい分子量特性(Mz & Mz/Mn)値を付与した。
【0035】
ポリエチレンワックスは超低分子量ポリエチレンである。それらは典型的に、60,000未満のMz及び12未満のMz/Mnを有する。使用済のリサイクルされた材料は典型的に、>500,000のMz及び20未満のMz/Mnを有する。
【0036】
好ましくは、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有するポリエチレン材料の1〜40%、より好ましくは15〜25%はポリエチレンワックスを含む。好ましくは、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有するポリエチレン材料の40〜60%、より好ましくは20〜80%、最も好ましくは10〜90%は使用済の高密度ポリエチレン材料を含む。
【0037】
射出延伸吹き込み成形は、
−プリフォームを射出成形する工程と、
−それを延伸させる工程と、次いで、
−延伸されたプリフォームの内圧を増加させて、最終容器の形状を作る工程と、を含む。
【0038】
ポリエチレンのプリフォームは第1の方法工程で提供される。高いキャビテーション射出成形は、プリフォームを作るために現在広く使用されている方法ではあるが、しかしながら任意の好適な方法が使用されてもよい。ポリエチレンの射出圧力は、ほぼ500〜800バールにおけるピーク圧である。材料が溶融相にあるとき、より高い温度で射出が行われる。一実施形態では、液体着色料は、溶融したポリエチレン材料に添加されてもよい。好ましくは、ポリエチレン材料のピーク射出圧力は500バール圧未満である。
【0039】
更なる方法工程では、プリフォームは、任意に、好ましくは赤外線オーブンで再加熱される。少なくとも1つの実施形態として再加熱は任意であり、プリフォームは、それが再加熱を必要とするため、製造方法後に十分には冷却しない。典型的に、プリフォーム自体は、約120℃〜140℃の温度まで再加熱される。再加熱されるプリフォームの側壁とベース領域の最も熱い領域と最も冷たい領域間の最大温度差は、好ましくは4℃未満であり、より好ましくは2℃未満である。他の実施形態では、側壁と、プリフォームのベース領域との間の温度差は、オーブンを出る前では±1℃だった。
【0040】
再加熱されたプリフォームは移送されて、吹き込み成形され、まず延伸され、次いで吹き込み成形される。好ましくは、このプリフォームは延伸ロッドで延伸される。好ましくは、プリフォームは1m/秒を超える速度で延伸される。延伸されたプリフォームの壁部を、吹き込み鋳型内部の形状及び寸法まで拡げるように、延伸されたプリフォーム内の圧力は次いで、周囲気圧よりも高いが、15バール未満に、好ましくは10バール未満に、より好ましくは5バール未満に、最も好ましくは2バール未満に上昇される。
【0041】
延伸吹き込み成形方法の終わりに、完成した容器が吹き込み成形鋳型のキャビティから取り出される。
【0042】
好ましくは、本発明に従って作製された容器は、容器の最小壁厚が200マイクロメートルであり、空容器の重量対体積比が50グラム/L未満、好ましくは40グラム/L未満、より好ましくは30グラム/L未満である。
【0043】
上部負荷抵抗は、例えば倉庫貯蔵中に見られるように、容器が圧縮性の「上部」に適用された負荷に耐える能力である。2つの異なるタイプの上部負荷抵抗が測定され得る。第1は、ある種のボトルの変位(例えば膨らんだ側面)を生じさせるのに必要とされる上部負荷を測定する。第2は、容器を破壊させる(例えば、「ネック」領域が崩壊する、又は容器の角部が圧壊される)のに必要とされる負荷を測定する。これは通常、容器の材料を破壊させる(例えばプラスチックの亀裂又は分離など)。試験方法及びデータは実施例の項で示される。射出延伸吹き込み成形方法に続いて、連続した分子再配向により、容器がその最大上部負荷に耐えることができる前に時間がかかる。本発明に従って生産されたポリエチレン容器は、上部負荷/圧壊に対する容器の抵抗が、他の材料(例えば)ポリプロピレン製よりも早く発達するという属性を有する。結果的に、本発明によって作製されたポリエチレン容器は、吹き込み工程後の慎重な取り扱いを必要とせず、かつ、高速で、1つの鋳型につき毎時600個以上が生産され得る。
【0044】
結果的に得られる、本発明に記載されている方法によって生産されたポリエチレン容器は、従来の押出吹き込み成形方法によって生産されたポリエチレン容器に比べ、更に強化された機械的特性を呈する。これは、本発明の方法を使用して作製された容器が、例えば容器が倉庫で積み重ねられるときに見られるような、上部に適用された力に対して、より耐性であるということを意味する。
【実施例】
【0045】
表1のポリエチレン材料が調製された。材料1〜2は、本発明に係るものであり(100%ポリエチレン材料、添加剤なし)、一方で材料A〜Dは比較例である(100%ポリエチレン材料、添加剤なし)。
【表1】

【0046】
本発明に好適なプリフォーム(performs)の一般的な形状は、この応用で先に述べられている。図1A及び図1Bを参照して、本発明を支持するためのデータを収集するのに使用されるとき、特定のプリフォーム1の寸法は以下のとおり;長さ2は120.87mmであり、長さ3は118mmであり、直径4は35mmであり、長さ5は19.48mmであり、幅6は2.7mmであり、幅7は2.6mmである。
【0047】
以下の態様が評価された;
1.表1のポリエチレン材料のずり減粘特性。これは、表1のポリエチレン材料を使用してプリフォームを射出成形することによって評価された。ピーク射出圧力(射出成形方法に必要とされる最大圧力)は、ずり減粘特性の指標として使用された。より高いピーク圧が必要とされると、鋳型内の材料分布を確実にするために、より高い圧力が必要とされるとき、ずり減粘特性は更に悪くなる。
【0048】
2.表1のポリエチレン材料から作製されたプリフォームの歪み硬化。これは、表1のポリエチレン材料から作製された延伸吹き込み成形プリフォームによって評価された。この性能は、穴の存在、及び壁部厚さの変動に関して最終容器を確認することによって評価された。穴及び悪い材料分布の存在は、材料が歪みに対して耐性能力を有さないため、悪い歪み硬化を表す。
【0049】
3.表1における材料を含むプリフォームから作製された最終容器の環境応力亀裂耐性。これは洗剤で充填され、負荷が上部に配置された状態の容器に、それらが漏れ出す前に必要とされる時間の長さを測定することによって評価された。
【0050】
4.表1における材料を含むプリフォームから作製された最終容器の機械的特性。これは12.7mm/分の一定速度の圧力を使用して、標準方法ASTM International、D2659−95を使用して評価された。この方法は、ボトルの構造的な破壊を生じさせるのに必要な、上部に適用された力の量を評価する。本発明の方法を使用して作製される容器は、他の容器作製方法(押出吹き込み成形)を使用して作製された容器と比較された。
【0051】
射出成形
表1で詳述された材料から作製された射出成形プリフォームの性能は、Arburg 370Cモノキャビティ射出装置を使用して、図1A及び図1Bで詳述されている所与の寸法のプリフォームを成形することによって評価される。Arburg 370Cのモノキャビティ射出装置を操作するのに必要な所定の工程は、当業者に既知である。全材料に使用された方法パラメータは、表2に示される。当業者は、以下のパラメータをArburg 370Cモノキャビティ射出装置に入力する方法を知っている。
【表2】

【0052】
「速度」は、4つ異なる「速度」が制御された段階に対して、スクリューの線状の射出速度である場合には、「最終ステップ」は、適切な段階における所与の射出速度に対するスクリューの変位であり、「保持圧力」は、様々な圧力が制御された段階中にもたらされた水圧の量であり、「保持時間」は、様々な圧力保持段階において「保持圧力」が実行された時間の量であり、「容量」は、射出された材料の量、すなわちショットサイズであり、「背圧」は、射出後、スクリューが補給されたときに、スクリューに対してもたらされた圧力の量であり、「減圧流量」は、いったん材料の射出が行われるとスクリューが後退する線状速度であり、「減圧容積」は、材料の射出がいったん行われると、スクリュー内の減圧された容積の量であり、「サイクル時間」は、材料を射出し、材料を冷却し、材料を排出し、スクリューを補給し、鋳型を閉鎖するのに必要な合計サイクル時間であり、「温度」は、様々な押出成形機のセクション、ホットランナー及びホットチップに関する設定点の温度であり、「ピーク射出圧力」は、前述のサイクル中に経験するピーク水圧である。
【0053】
ポリエチレン材料すべてのピーク射出圧力を比較することによって、特定のポリエチレン材料射出成形がどれくらい良いか決定される。ピーク射出圧力は、鋳型の急速な充填において制限的な要因である。所与の射出速度及び温度に関して、より高いピーク射出圧力を備える材料は、同様のマルチキャビティ装置上で加工するのに、より難しいであろう(すなわち、悪いずり減粘特性を有する)。材料Dは、様々な用途の商業的規模において、マルチキャビティ射出装置においてうまく利用されてきた標準的な射出成形材料である。よって、この材料に関するピーク射出圧力、すなわち340バールは、同様のプリフォーム形状を備えるマルチキャビティ装置における商業的な成形条件の標準として使用される。340バールの40%内(476バール)のピーク射出圧力を備える材料は、「良好」なずり減粘特性を有するとしてラベル付けされる。これは、それらが射出成形に適しているということを意味する。結果を表3にまとめる。
【表3】

【0054】
延伸吹き込み成形
プリフォームを延伸する能力は、Sidel SBO装置を使用して、表1に記載されているポリエチレン材料で作製された、図1A及び1Bのプリフォームを延伸することによって評価された。各ポリエチレン材料の延伸パラメータの所定の最適化は、最良のボトルを作るために実行された。この最適化は、いずれのポリエチレン材料に対しても実施される所定の工程である。当業者は、本発明のいずれかの活動を用いずに、この所与の最適化を実施することができる。最適化のためのパラメータは、再加熱温度プロファイル及び吹き込み圧力を含む。各材料に関して、いったん最適化条件が達成されると、プリフォームから少なくとも200のボトルが作られた。材料は、それらが必要条件を満たす場合、「良好」として分類される。第1に、材料は、壁部、ネック、又はベースにおいていずれの穴も有さずにボトルを作らなければならなかった。第2に、材料は、ボトルの全領域において最小厚さを備えたボトルを作らなければならなかった。さもなければ、材料は、「悪い」歪み硬化を有するとして標識された。
【0055】
最終容器の壁部、ネック、又はベースにおける穴の存在は、視覚的に評価された。
【0056】
厚さの変動性は、Magna Mikeを使用して測定された。この標準的な試験方法は、容器と共に直径3.2mmの磁気ボールを使用する。Magna Mike装置は次いで、容器の内部上の磁気ボールを引き付ける磁石も含む。ユーザーは次いで、容器の周囲にMagna Mike装置を移動させることができ、それは、ボールとセンサとの間の磁気吸引における差によって、壁部の厚さを測定する。容器が全体重量24gを有するとき、容器のいずれかの部分に関して、最小厚さ0.2mmを達成することが好ましい。これは構造的一体性を確実にする。0.2mmの最小厚さを達成しないいずれかの容器は、悪い材料分布を有するとして標識された。結果は表4で見ることができる。
【表4】

【0057】
環境応力亀裂抵抗
環境応力亀裂抵抗は、49℃(120°F)において、液体洗剤で充填された、射出延伸吹き込み成形されたボトル上で、4.5kgf(10lb)の上部に適用された負荷を用いて試験された。ボトルは3週間にわたって漏れを観察した。4週間の後にボトルが漏れなかった場合、環境応力亀裂抵抗に対して、材料は「良好である」と言える(そうでなければ「悪い」)。結果は表5で見ることができる。
【表5】

【0058】
機械的特性
本発明によるプリフォームからの射出延伸吹き込み成形を使用して作製した容器は、標準的な押出吹き込み成形材料からの、押出吹き込み成形を使用して作製した容器と比較したとき、改善された上部の負荷抵抗を呈した。ASTM International、D2659−95に従って、12.7mm/分の一定速度の圧力を使用して、上部の負荷抵抗試験を実施した。上部の負荷は、容器の任意の部分において4mmの変位を生じさせることが要求され、上部の最大負荷(破壊における破砕負荷)が試験された。結果は表6において見ることができる。表6から分かるように、本発明より作製された容器は、押出吹き込み成形により作製された参照容器に対して、増加した上部の負荷抵抗を有した。
【表6】

【0059】
ポリエチレンの射出延伸吹き込み成形は分子配向を通じて、より良好な機械的特性を達成するという利点を有する。ポリエチレンは典型的に、大型の三次元の容器を作製する押出吹き込み成形方法において使用される。これらの押出吹き込み成形されたポリエチレンの容器は、それらが材料の融点を優に上回っているという事実により、有意な分子配向を有さない。より低い温度において射出延伸吹き込み成形が生じるため、分子配向は固定され、固体の状態に維持され得る。最良のシナリオでは、射出延伸吹き込み成形方法は、材料の使用において25%の低減と共に、押出吹き込み成形と同様なボトルを作ることができる。したがって、射出延伸吹き込み成形は、三次元の容器を作製する、より経済的かつ効果的な方法を提供する。
【0060】
要約
表7は、上記のデータを要約している。示されるように、本発明の材料だけが、良好なずり減粘特性を有し、良好な歪み硬化特性を有するプリフォームを製造し、かつ、良好な環境応力亀裂抵抗を備える最終容器を製造する。射出成形、延伸吹き込み成形、又は環境応力亀裂抵抗の少なくとも1つに関して、他のすべてのプリフォームは「悪い」である。
【表7】

【0061】
本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0062】
相互参照されるか又は関連するすべての特許又は特許出願を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のすべての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0063】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。
【図1A)】

【図1B)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレン材料から作製される固体プリフォームであって、前記プリフォームが、ネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有し、全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%の前記ポリエチレン材料は、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnが数平均分子量であり、Mz/Mnが、Mn値で除したMz値である、固体プリフォーム。
【請求項2】
前記ポリエチレン材料が、0.926〜0.960g/cmの密度を有する、請求項1に記載の固体プリフォーム。
【請求項3】
前記ポリエチレン材料が、添加剤を含むポリエチレン材料を含み、前記添加剤が、着色料、UVフィルター、乳白剤、酸化防止剤、加工助剤、又はこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1又は2に記載の固体プリフォーム。
【請求項4】
固体プリフォームを射出成形する方法であって、前記固体プリフォームが、ポリエチレン材料から作製され、前記プリフォームはネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有し、全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%の前記ポリエチレン材料が、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnは数平均分子量であり、Mz/Mnは、Mzを前記Mn値で除した値であり、前記射出成形方法中のピーク圧が、500バール未満である、方法。
【請求項5】
ポリエチレン容器の吹き込み成形方法であって、
a)ポリエチレン材料から作製される固体プリフォームを提供する工程であって、前記プリフォームが、ネック領域、側壁、及びベース領域を含み、かつ内壁を有する内部と、外壁を有する外部とを有する、工程と、
b)任意により、前記プリフォームを再加熱する工程であって、前記再加熱されたプリフォームの前記側壁及び前記ベース領域の最も熱い領域と最も冷たい領域間の最大温度差が4℃未満となるように、前記プリフォームを再加熱する工程と、
c)前記プリフォームを吹き込み成形鋳型のキャビティに移動させる工程と、
d)15バール未満の圧力で前記プリフォームを延伸させる工程と、
e)前記延伸されたプリフォームの壁部が前記吹き込み成形鋳型のキャビティの内側の形状及び寸法まで拡張するように、前記再加熱されたプリフォーム内の圧力を増加させる工程と、
を含み、全ポリエチレン材料の少なくとも65重量%の前記ポリエチレン材料が、300,000g/モル〜6,000,000g/モルのZ−平均分子量(Mz)、及び28を超えるMz/Mn値を有し、Mnが数平均分子量であり、Mz/Mnが、Mzを前記Mn値で除した値である、方法。
【請求項6】
前記プリフォームが、1m/秒を超える速度で、延伸ロッドによって延伸される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プリフォームが、射出成形、押出し吹き込み成形、及び圧縮成形から選択される処理によって工程a)で形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記プリフォームが工程b)で再加熱され、前記再加熱されたプリフォームの前記側壁及び前記ベース領域の最も熱い領域と最も冷たい領域間の最大温度差が2℃未満である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により製造される、ポリエチレン容器。

【公表番号】特表2013−520334(P2013−520334A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554108(P2012−554108)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/025980
【国際公開番号】WO2011/106471
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】