説明

導電性ポリアセタール樹脂組成物、その製造方法および成形体

【課題】
優れた導電性能を保持しつつ耐衝撃性、摺動性、熱安定性に優れるポリアセタール樹脂組成物、特に対金属高速摺動時に安定した摺動性・導電性を持つ材料を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、フタル酸ジブチル吸油量350ml/100g以上の導電性カーボンブラック(B)5〜15質量部、JIS K 7206に基づくビカット軟化点が80℃以上、110℃未満であり、かつJIS K 7210に基づくメルトフローレートが5g/min以上、20g/min以下である低密度ポリエチレン(C)1〜20質量部、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステル(D)0.1〜10質量部を配合してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ポリアセタール樹脂組成物に関する。更に詳しくは、軸受け摺動時の導電性が極めて安定した、摺動性に優れ、かつ耐衝撃性・熱安定性のバランスの取れた導電性ポリアセタール樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアセタール樹脂は、バランスの取れた機械的性質と優れた摺動性を持つエンジニアリング樹脂であり、特に摺動性が優れていることから、歯車をはじめとする各種の精密機構部品やOA機器などに広く使用されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂は他の樹脂と同様に電気絶縁体であるため、摺動の際に発生する静電気の除去性能あるいは導電性に劣り、摺動性と同時に高度な導電性を要求される用途には使われないのが通常であった。
【0003】
また、近年カーボンブラックを添加したポリアセタール樹脂が上記用途に使われだしたが、熱安定性や流動性が不十分である他、その成形体の表面平滑性に劣るため、ポリアセタール樹脂が本来持っている摺動性が発現できず、接触電気抵抗も大きく導電性も十分発揮されないという問題点があった。また、近年のOA機器の高速化・高性能化に伴い、かかる機器に用いられる導電性ポリアセタール樹脂に要求される性能も高まってきているのが現状である。
【0004】
ところで、従来よりカーボンブラックを配合した導電性樹脂組成物は種々知られており、熱可塑性樹脂にフタル酸ジブチル(DBP)吸油量400ml/100g以上で且つ重金属含有量が500ppm以下の導電性樹脂を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。また、特許文献2には熱可塑性樹脂にDBP吸油量200ml/100g以上のカーボンブラックを配合した体積電気抵抗が10Ω・cm以下のメッキ用組成物が開示されている。しかしながら、これらの技術をポリアセタール樹脂に適用してみても、有効な程度の導電性を付与するにはカーボンブラックを比較的多量に添加する必要があり、その成形体は機械的性質や摺動性が極めて乏しくなり、本発明が目的とするようなものは得ることはできない。
【0005】
そこで、ポリアセタール樹脂が本来持つ機械物性・摺動性を維持しつつ、導電性に優れたポリアセタール樹脂組成物を得ようとする試みが行われてきた。
例えば、特許文献3には熱可塑性樹脂にDBP吸油量300ml/100g以上のカーボンブラックとエチレン系共重合体とビニル系共重合体から得られるグラフト共重合体を配合して摩擦磨耗特性を向上させた導電性樹脂組成物を製造する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、ポリアセタール樹脂にDBP吸油量300mL/100g以上のカーボンブラックと、変性ポリオレフィン樹脂と潤滑材を配合して耐衝撃性を維持しつつ安定した導電性を得る方法が開示されている。しかしながら、いずれの技術においても、導電性・摺動性・耐衝撃性・熱安定性のバランスの取れたポリアセタール樹脂組成物を得ることは困難であり、高まるOA機器業界のニーズ、特に対金属高速摺動時に安定した摺動性・導電性を持つ材料を提供するという要求には十分に応えられないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特開昭60−8335号公報
【特許文献2】特公昭60−8712号公報
【特許文献3】特開平8−143748号公報
【特許文献4】特開2006−111679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、優れた導電性能を保持しつつ耐衝撃性、摺動性、熱安定性に優れるポリアセタール樹脂組成物、特に対金属高速摺動時に安定した摺動性・導電性を持つ材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂(A)に対して、ある特定の導電性カーボンブラック、特定の低密度ポリエチレン、特定の脂肪酸エステルを組み合わせることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は下記のとおりである。
【0010】
(1)ポリアセタール樹脂(A)100重量部に対して、フタル酸ジブチル吸油量が350ml/100g以上の導電性カーボンブラック(B)5〜15重量部、JIS K 7206に基づくビカット軟化点が80℃以上、110℃未満であり、かつJIS K 7210に基づくメルトフローレートが5g/min以上、20g/min以下である低密度ポリエチレン(C)1〜20重量部、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステル(D)0.1〜10重量部を配合してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
(2)ポリアセタール樹脂(A)100重量部に対して、さらにエポキシ化合物(E)0.05〜10重量部配合してなることを特徴とする(1)に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(3)導電性カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル吸油量が400ml/100g以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(4)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体または化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤の少なくとも1種を0.01〜10重量部含有してなることを特徴とする前記(1)〜(3)に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(5)ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分をブレンダーにより均一に混合し、前記均一混合物とポリアセタール樹脂(A)を別々のフィーダーから2軸押出機のバレル内に連続的に供給することによって溶融混練させた後、溶融混練された溶融状態の前記組成物に導電性カーボンブラック(B)を連続的に導入してさらに混練させ、押出機のダイより連続的に押出すことによって得られることを特徴とする(1)〜(4)に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(6)前記(1)〜(5)に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる射出成形体。
(7)前記(1)〜(5)に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置の感光体ドラムフランジ。
(8)前記(1)〜(5)に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置のプロセスカートリッジ部品。
(9)前記(1)〜(5)に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置の軸受け部材。
(10)前記(1)〜(5)に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる電気・電子機器内における電気接点。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、OA機器業界のニーズに十分応えられるような導電性、摺動性に優れ、かつ耐衝撃性、熱安定性のバランスの取れたポリアセタール樹脂、特に対金属高速摺動時に安定した導電性・摺動性を持つ樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるポリアセタール樹脂(A)としては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを代表例としてあげることができる。
【0013】
また、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。以上のように、本発明においては、ポリアセタールホモポリマー、コポリマーいずれも用いることが可能である。好ましいのはポリアセタールコポリマーである。
【0014】
1,3−ジオキソラン等のコモノマーは、一般的にはトリオキサン1molに対して0.1〜60mol%、好ましくは0.1〜20mol%、更に好ましくは0.13〜10mol%用いられる。本発明において用いられるポリアセタール樹脂の好適な融点は162℃〜173℃であり、好ましくは164℃〜171℃である。
【0015】
ポリアセタールコポリマーの重合における重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。ルイス酸としては、 例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。また、プロトン酸、そのエステルまたは無水物の具体例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は 硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適例として挙げることができる。
【0016】
ポリアセタールコポリマーの重合方法としては、一般には塊状重合で行われ、バッチ式、連続式いずれも可能である。用いられる重合装置としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機が使用され、溶融状態のモノマーが重合機に供給され、重合の進行とともに固体塊状のポリアセタールコポリマーが得られる。
【0017】
以上の重合で得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH−OH基〕が存在するため、そのままでは実用に供することはできない。そこで、不安定な末端部の分解除去処理を実施することが好ましく、次に示す特定の不安定末端部の分解除去処理を行なうことが好適である。特定の不安定末端部の分解除去処理とは、下記一般式(1)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下に、ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理するものである。
[R−n ・・・(1)
(式中、R、R、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
【0018】
本発明に用いる第4級アンモニウム化合物は、上記一般式(1)で表わされるものであれば特に制限はないが、一般式(1)におけるR、R、R、及びRが、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、この内更に、R、R、R、及びRの少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものが特に好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH)、硫酸 (HSO、SO 2−)、炭酸(HCO、CO2−)、ホウ酸(B(OH))、カルボン酸の塩が好ましい。
【0019】
カルボン酸の内、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用しても何ら差し支えない。
第4級アンモニウム化合物の量は、 ポリアセタールコポリマーと第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して0.05〜50質量ppm、好ましくは1〜30質量ppmである。
P×14/Q ・・・(2)
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わす。)
第4級アンモニウム化合物の添加量が0.05質量ppm未満であると不安定末端部の分解除去速度が低下し、50質量ppmを超えると不安定末端部分解除去後のポリアセタールコポリマーの色調が悪化する。
【0020】
本発明に用いるポリアセタール樹脂の不安定末端部の分解除去処理は、融点以上260℃以下の温度でポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより達成される。用いる装置には特に制限はないが、押出機、ニーダー等を用いて熱処理することが好適である。また、分解で発生したホルムアルデヒドは減圧下で除去される。第4級アンモニウム化合物の添加方法には特に制約はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、重合で生成したポリアセタールコポリマーパウダーに吹きかける方法などがある。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタールコポリマーを熱処理する工程で添加されておれば良く、押出機の中に注入したり、押出機等を用いてフィラーやピグメントの配合を行なう品種であれば,樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端除去操作を実施してもよい。
【0021】
不安定末端除去操作は、重合で得られたポリアセタールコポリマー中の重合触媒を失活させた後に行なうことも可能であるし、また重合触媒を失活させずに行なうことも可能である。重合触媒の失活操作としては、アミン類等の塩基性の水溶液中で重合触媒を中和失活する方法を代表例として挙げることができる。また、重合触媒の失活を行なわずに、融点以下の温度で不活性ガス雰囲気下にて加熱し、重合触媒を揮発低減した後、本不安定末端除去操作を行なうことも有効な方法である。
以上の特定の不安定末端部分解除去処理により、不安定末端部が殆ど存在しない非常に熱安定性に優れたポリアセタールコポリマーを得ることができる。
【0022】
また、本発明で用いるポリアセタール樹脂のメルトフローレート(MFR,JIS−K7210の条件で測定)は、0.5g/minから100g/min、好ましくは1.0g/minから80g/minである。MFRを0.5g/minから100g/minとすることにより、成型加工性と耐久性をともに満足するポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
【0023】
本発明の(B)成分に用いられるカーボンブラックは導電性カーボンブラックであり、粒子径が小さいかまたは表面積が大きく鎖状構造の発達したものである。好ましくは、粒子径が0.05μm以下のものがよい。また、DBP吸油量(ASTM D2415−65T)は350ml/100g以上であることが必要であり、400ml/100g以上のものが好ましい。DBP吸油量が350ml/100g以上であることにより、カーボンブラックの少ない添加量で、良好な導電性を得ることができる。具体的なカーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラックEC〔DBP:350ml/100g〕、EC−300J[DBP:365ml/100g]、EC−600JD〔DBP:480ml/100g〕(ライオンアクゾ社製)、プリンテックスXE2−B〔DBP:420ml/100g〕(デグッサ社製)などがある。また、2種以上のカーボンブラックを併用して用いても良い。
【0024】
カーボンブラックの添加量は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して5〜15質量部であり、好ましくは6〜12質量部である。5質量部以上であることにより十分な導電性を得ることが可能となり、15質量部以下であると、熱安定性、耐衝撃性のバランスの取れたポリアセタール樹脂組成物を得ることが可能となる。
本発明で用いられる低密度ポリエチレン(C)とは、密度が0.91g/cm以上、0.93g/cm未満のポリエチレンを指し、下記一般式(3)で表されるものである。
【0025】
【化1】

【0026】
本発明で用いられる低密度ポリエチレン(C)のJIS−K7206に基づくビカット軟化点は、80℃以上、110℃以下、JIS−K7210に基づくメルトフローレート(MFR)は5g/min以上、20g/min以下であることが必要である。ビカット軟化点が80℃以上もしくはMFRが20g/min以下であると、高速摺動時においても磨耗量を抑えることが可能となり、摺動時にも安定した導電性を得ることができる。好ましくはMFRが20g/min以下、ビカット軟化点が85℃以上である。ビカット軟化点が110℃以下もしくはMFRが5g/min以上であると、対金属摺動時にも金属部品を磨耗させず、金属部品と良好になじみ、安定した導電性を得ることができる。好ましくはMFRが5g/min以上、ビカット軟化点が100℃以下である。
【0027】
低密度ポリエチレン(C)の具体的な例としては、サンテックLD L1850A〔ビカット軟化点87℃、MFR6.7g/10min、密度0.92g/cm〕(旭化成ケミカルズ(株)製)、ペトロセン342〔ビカット軟化点87℃、MFR8.0g/10min、密度0.92g/cm〕(東ソー(株)製)などを挙げることができる。また低密度ポリエチレン(C)の添加量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは3〜15質量部である。添加量が1質量部以上であることにより、組成物の耐衝撃性を保持することが可能となり、20質量部以下であることにより、成形品よりポリエチレン成分が剥離するのを防止することができる。
【0028】
本発明で用いられる(D)成分は摺動性改良剤であり、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステルである。これらの摺動性改良剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
具体的なエステルとしては、下記に示す1価脂肪酸と1価脂肪族アルコールのエステルである。1価脂肪酸としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸が挙げられる。1価脂肪族アルコールの例としては、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和・不飽和アルコールが挙げられる。また、かかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等でもよい。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。また、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。上述の1価脂肪酸、1価脂肪族アルコールの中でもミリスチン酸とセチルアルコールのエステルであるミリスチン酸セチルが特に好ましい。
【0029】
本発明の樹脂組成物には、熱安定性向上のために更にエポキシ化合物(E)を添加することができる。具体的にはモノまたは多官能グリシジル誘導体、或いは不飽和結合をもつ化合物を酸化してエポキシ基を生じさせた化合物であることが好ましい。また、エポキシ化合物の他にエポキシ樹脂硬化性添加剤を添加することができる。エポキシ硬化性添加剤もエポキシ化合物に含まれる。エポキシ硬化性添加剤としては、塩基性窒素化合物及び塩基性リン化合物が通常用いられるが、その他のエポキシ硬化作用(効果促進作用を含む)を持つ化合物もすべて使用できる。
【0030】
エポキシ化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、ベヘニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エチレンオキシドのユニット;2〜30)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(プロピレンオキシドのユニット;2〜30)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
【0031】
また、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ソルビタンモノエステルジグリシジルエーテル、ソルビタンモノエステルトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの縮合物(エポキシ等量;100〜400、軟化点;20〜150℃)、グリシジルメタクリレート、ヤシ脂肪酸グリシジルエステル、大豆脂肪酸グリシジルエステルなどが挙げられるがこれらに限定されることはない。
【0032】
エポキシ樹脂硬化性添加剤の具体的な化合物としては、イミダゾール及び1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ビニル−2−フェニルイミダゾールなどの置換イミダゾール、及びオクチルメチルアミン、ラウリルメチルアミンなどの脂肪族2級アミン、及びジフェニルアミン、ジトリルアミンなどの芳香族2級アミン、及びトリラウリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルステアリルアミン、トリステアリルアミンなどの脂肪族3級アミン、及びトリトリルアミン、トリフェニルアミンなどの芳香族3級アミン、及びセチルモルホリン、オクチルモルホリン、P−メチルベンジルモルホリンなどのモルホリン化合物、及びジシアンジアミド、メラミン、尿素などへのアルキレンオキシド付加物(付加モル数1〜20モル)、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのリン化合物などがあるがこれだけに限定されない。これらのエポキシ化合物、エポキシ樹脂硬化性添加剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し0.05〜10質量部が好ましく、更に好ましい該配合量は0.5〜5.0質量部である。
【0033】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、用途に応じて適当な添加剤を配合することにより、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。好適な具体的配合例としては、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、(F)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤の少なくとも1種を0.01〜10質量部含有してなるポリアセタール樹脂組成物を挙げることができる。
【0034】
酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えばn−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4− ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0035】
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物の例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にアミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
【0036】
アミド化合物の具体例としては、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、2,4 −ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N, N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン等である。アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンを挙げることができる。アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。
【0037】
尿素誘導体の例としては、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物を挙げることができる。N−置換尿素の具体例としては、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アーリル置換尿素を挙げることができる。尿素縮合体の具体例としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。
【0038】
ウレイド化合物の具体例としては、アラントイン等が挙げられる。ヒドラジン誘導体としてはヒドラジド化合物を挙げることができる。ヒドラジド化合物の具体例としては、ジカルボン酸ジヒドラジドを挙げることができ、更に具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等が挙げることができる。イミド化合物の具体例としてはスクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドを挙げることができる。
これらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む重合体又化合物は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0039】
ギ酸捕捉剤としては、上記のアミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えばメラミン・ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。他のギ酸捕捉剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機 酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩を挙げることができる。
【0040】
上記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩の具体的な例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウムである。
これらのギ酸捕捉剤は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0041】
本発明で言う耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の中から選ばれる1種もしくは2種以上が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ− 3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス (α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ− 3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。蓚酸アリニド系紫外線吸収剤の例としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。好ましくは2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0042】
ヒンダードアミン系光安定剤の例としては、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3―テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6,テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、デカン2酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物などが挙げられる。好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。これらヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0043】
さらに本発明のポリアセタール樹脂組成物は所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリアセタール樹脂で用いられる各種の添加剤、無機充填材、結晶核剤、導電剤、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマーを配合することができる。
無機充填剤は繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維があげられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。なお、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状物質も使用する事ができる。
【0044】
粉粒子状充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属硫酸塩、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等があげられる。
【0045】
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種金属箔があげられる。中空状充填剤としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等があげられる。これらの充填剤は1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。これらの充填剤は表面処理されたもの、未表面処理のもの、何れも使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施されたものの使用のほうが好ましい場合がある。表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が使用できる。具体的にはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。
【0046】
導電剤としては、金属粉末又は繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂が挙げられる。また、これらの変性物も含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、 ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
【0047】
顔料としては、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているものを言い、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、焼成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等を言う。有機系顔料とは縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である等の顔料である。顔料の添加割合は色調により大幅に変わるため明確にする事は難しいが一般的には、ポリアセタール樹脂と100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で用いられる。
【0048】
本発明の組成物の製造方法は一般的に使用されている溶融混練機を用いる事が出来る。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等を挙げることができる。このときの加工温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
【0049】
本発明におけるポリアセタール樹脂組成物を得る方法は、全ての成分を予めブレンドし、押出機で溶融混練することもできるし、その一部、例えば導電性カーボンブラック(B)以外の成分を最初に溶融混練し、サイドから導電性カーボンブラック(B)をフィードすることもできる。ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分を、タンブラーミキサー、ドラムミキサー、ヘンシェルミキサーなどのブレンダーによって均一に混合した後、ポリアセタール樹脂(A)を押出機トップより、これとは別のフィーダーで前記均一混合物を同じく押出機トップよりフィードし、押出機のバレル内に連続的に供給することによって溶融混練させた後、溶融混練された溶融状態の前記組成物に導電性カーボンブラック(B)を押出機サイドより連続的に導入してさらに混練させ、押出機のダイより連続的に押出す形態が最も好ましい。さらにより好ましくは、添加剤の分散をより高めるため、ポリアセタール樹脂(A)を押出機トップとサイドより分割してフィードすることもできる。
【0050】
本発明の成形体の具体的な用途としては、メンブレンスイッチ、キースイッチ、複写機ドラムフランジ、複写機ドラムギア、複写機チャージャー、電子ライター着火部材等、摺動時に安定した低い接触電気抵抗の要求される電気接点部材、特に優れた導電性・摺動性が要求される画像形成装置内の感光体フランジやプロセスカートリッジ部品、軸受け部材等である。
【実施例】
【0051】
以下、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。はじめに、実施例および比較例で使用した成分の種類と評価方法を以下に示す。
【0052】
<使用成分の種類>
(A)ポリアセタール樹脂
(ポリアセタール樹脂の製造方法)
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して0.25×10−3molを連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molで連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。
【0053】
(B)導電性カーボン
(b−1)プリンテックスXE2−B〔DBP:420ml/100g〕(エボニック デグサ ジャパン (株)製)
(b−2)ケッチェンブラック EC−600JD〔DBP:480ml/100g〕(ライオン(株)製)
(b−3)プリンテックスXE2〔DBP:370ml/100g〕(エボニック デグサ ジャパン (株)製)
(b−4)エンサコ350G〔DBP:320ml/100g〕(ティミカル製)
(C)低密度ポリエチレン
(c−1)サンテックLD L−1850A[ビカット軟化点87℃、MFR6.7g/10min、密度0.92g/cm](旭化成ケミカルズ(株)製)
(c−2)ペトロセン342[ビカット軟化点87℃、MFR8.0g/10min、密度0.92g/cm](東ソー(株)製)
(c−3)ペトロセン249[ビカット軟化点78℃、MFR70g/10min、密度0.92g/cm](東ソー(株)製)
【0054】
(D)摺動性改良剤
ミリスチン酸セチル(北広ケミカル(株)製)
(E)エポキシ化合物、エポキシ樹脂硬化性添加剤
エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラックとエピクロロヒドリンとの縮合物(エポキシ当量=350、軟化点=80℃)を用い、エポキシ樹脂硬化性添加剤としては、トリフェニルホスフィンを用いた。
【0055】
<評価方法>
[摺動性の評価方法]
住友重機工業(株)製SH−75射出成形機を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度を70℃に設定し、射出圧力70MPa、射出時間25秒、冷却15秒の射出条件で評価用ASTMダンベルを得た。この試験片を往復動摩擦摩耗試験機(東洋精密(株)製 AFT−15MS型)を用いて荷重2kg、線速度30mm/sec、往復距離10mmの条件で環境温度60℃で50000回の往復試験を行い、50000回目の摩擦係数および試験片の磨耗量を測定した。相手材料としては、SUS球(SUS304、R=2.5mm)を用いた。
【0056】
[耐衝撃性の評価方法]
住友重機工業(株)製SH−75射出成形機を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度を70℃に設定し、射出圧力70MPa、射出時間25秒、冷却15秒の射出条件で評価用ASTMダンベルを得て、ASTM D256に準じてノッチ付きアイゾット衝撃試験を行った。
【0057】
[熱安定性の測定方法]
シリンダー温度230℃に設定したウエスターン・トレーディング(株)製Arburg Allrounder 100に樹脂組成物を滞留させて12×3×120mmの成形片を成形した際に、成形片の表面の2/3にシルバーストリークが発生する限界滞留時間(分)を測定した。
【0058】
[軸受け導電性の測定方法]
ファナック(株)製α―50iA射出成形機を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃に設定し、射出圧力88MPa、射出時間10秒、冷却時間15秒の射出条件で、図1に示すようなサイズのU字型樹脂製軸受けを作成した。この部材をφ=8mmのカニゼンメッキされた金属製シャフトの軸受けとし、ヤマテコーポレーション製の軸受け導電性測定機にセットして軸受け下面より1kgの荷重をかけた。この状態でモーターにより金属シャフトを239rpm(周速度0.1m/s)の速度で回転させ、120時間連続稼動させた。この間、シャフトと軸受け部材を含む部分の抵抗値をテスター(日置電機製DMM3238)で直流6Vの電圧をかけて測定した。なお、測定端子部以外の電線等は漏電しないようにベークライトで被覆した。この連続電気抵抗測定において、測定開始直後、30時間後、90時間後、120時間後の電気抵抗値を読み取った。
【0059】
まず、実施例及び比較例で用いた押出機及び押出機のフィード方法について述べる。
[押出機(図2)の説明]
本実施例では、2軸押出機(東芝機械(株)製TEM−26SS押出機(L/D=48、ベント付き)を用いて樹脂組成物を製造した。本押出機の概略図を図2に示す。1〜12:押出機のバレルゾーン(個々に独立している)、13:ダイヘッド、14:押出機モーター、15:定量フィーダー(トップ大)(クボタ(株)製 CE−W−1)、16:定量フィーター(トップ小)(クボタ(株)製、CE−W−0)、17,18:定量フィーダー(サイド)(クボタ(株)製、CE−W−0)、19:脱気ベント
【0060】
[原料の押出機へのフィード方法]
I.ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分をブレンダーで均一に混合した後、ポリアセタール樹脂(A)は定量フィーダー15より、前記均一混合物は定量フィーダー16よりトップフィードし、導電性カーボンブラック(B)は定量フィーター17よりサイドフィードする方法。
II.ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分をブレンダーで均一に混合した後、ポリアセタール樹脂(A)の60質量%を定量フィーダー15より、前記均一混合物は定量フィーダー16よりトップフィードし、ポリアセタール樹脂(A)の40質量%は定量フィーダー17より、導電性カーボンブラック(B)は定量フィーター18よりサイドフィードする方法。
【0061】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1〜14]
シリンダー温度が200℃に設定されたTEM−26SS2軸押出機を用い、フィード方法Iによって表1に記載の割合で押出機に原料をフィードして、19の脱気ベントより真空ポンプで脱気し、バレルゾーン5はガス抜きとして大気中に開放してスクリュー回転数150rpm、押出量10kg/hrで溶融混練を行った。なお、ポリアセタール樹脂(A)には酸化防止剤として、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部、熱安定剤としてナイロン6−6 0.05質量部およびメラミン0.1質量部を含むものを用いた。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて上述の方法により往復摺動特性、耐衝撃性測定、熱安定性、軸受け導電性測定を行い、結果を表1に示した。なお、配合部数は質量部である。
[実施例15〜17]
フィード方法をIIとした以外は実施例1〜3と同様にして押出混練を行って同様の測定を行い、結果を表1に示した。
【0062】
[比較例1、2]
導電性カーボンブラック(B)の種類を(b−4)として、その他は実施例1、2と同様にしてフィード方法Iにより押出混練を行って同様の測定を行い、結果を表2に示した。
[比較例3、4]
低密度ポリエチレン(C)の種類を(c−3)として、その他は実施例1、2と同様にしてフィード方法Iにより押出混練を行って同様の測定を行い、結果を表2示した。
【0063】
[比較例5、6]
(C)成分の代わりに熱可塑性エラストマー(三井化学(株)製タフマーA4085)として、その他は実施例1、2と同様にしてフィード方法Iにより押出混練を行って同様の測定を行い、結果を表2に示した。
[比較例7、8]
(C)成分の代わりに熱可塑性エラストマー(三井化学(株)製タフマーA70090)として、その他は実施例1、2と同様にしてフィード方法Iにより押出混練を行って同様の測定を行い、結果を表2に示した。
[比較例9、10]
(C)成分の代わりに熱可塑性エラストマー(サンアロマー(株)製ポリブチレンDP8510)を用いて、その他は実施例1、2と同様にしてフィード方法Iにより押出混練を行って同様の測定を行い、結果を表2に示した。
【0064】
【表1】

【0065】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、導電性、摺動性に優れ、かつ耐衝撃性、熱安定性のバランスが取れており、特に対金属高速摺動時に安定した導電性・摺動性を有するので、歯車を始めとする各種の精密機構部品やOA機器などの材料として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】評価試験に用いたU字型樹脂製軸受けの形状・寸法を示す図である。
【図2】実施例で用いた2軸押出機の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0068】
1〜12 押出機のバレルゾーン
13 ダイヘッド
14 押出機モーター
15 定量フィーダー(トップ大)
16 定量フィーダー(トップ小)
17 定量フィーダー(サイド)
18 定量フィーダー(サイド)
19 脱気ベント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、フタル酸ジブチル吸油量350ml/100g以上の導電性カーボンブラック(B)5〜15質量部、JIS K 7206に基づくビカット軟化点が80℃以上、110℃未満であり、かつJIS K 7210に基づくメルトフローレートが5g/min以上、20g/min以下である低密度ポリエチレン(C)1〜20質量部、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステル(D)0.1〜10質量部を配合してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
【請求項2】
ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、さらにエポキシ化合物(E)0.05〜10質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項3】
導電性カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル吸油量が400ml/100g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項4】
酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体または化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤の少なくとも1種を0.01〜10質量部含有してなることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項5】
ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分をブレンダーにより均一に混合し、前記均一混合物とポリアセタール樹脂(A)を別々のフィーダーから押出機のバレル内に連続的に供給することによって溶融混練させた後、溶融混練された溶融状態の前記組成物に導電性カーボンブラック(B)を連続的に導入してさらに混練させ、押出機のダイより連続的に押出すことによって得られることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる射出成形体。
【請求項7】
請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置の感光体ドラムフランジ。
【請求項8】
請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置のプロセスカートリッジ部品。
【請求項9】
請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置の軸受け部材。
【請求項10】
請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる電気・電子機器内における電気接点部材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−155480(P2009−155480A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335476(P2007−335476)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】