説明

導電性ローラの表面判別方法

【目的】 光の漏れ具合をデジタル画像処理することにより導電性ローラDRの表面状態を定量的に把握し、良否判定アルゴリズムを用いることにより導電性ローラDRの良否判定を正確に行うことを可能とし、さらに検査員の画像注視により制限があった検査数量を増加させることが可能な表面判別方法を提供する。
【構成】 検査ローラ18及び導電性ローラDRの転接部に光りを照射し、転接部における光り漏れ具合をCCDカメラ28により撮影する。CCDカメラ28により撮影された光り漏れ部の画像データを信号処理装置30へ送出する。信号処理部30では、画像変換部31で光り漏れ部の画像をデジタル画像情報に変換し、画像処理部32で光り漏れ部の幅および高さを画素数表現で計測し、良否判定処理部33で幅及び高さの画素数データと良否判定アルゴリズムにより、導電性ローラDRの表面状態の判別を行う。これにより、検査員が画像表示装置を注視することなく、導電性ローラDRの表面状態の良否を判定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製造した導電性ローラの表面状態の良否を判別するための導電性ローラの表面判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、電子プリンタ装置や電子ファクシミリ装置等の電子写真装置では、画質向上のためにトナーを感光ドラムの表面上に均質に塗布する必要があり、そのため、現像ローラや感光ドラムの感光面を帯電させる帯電ローラなどの導電性ローラの品質が注目されている。すなわち、これらの導電性ローラの表面に不良個所があると、その不良個所により感光ドラムから転写されたコピーの画質が直接影響を受けるため、かなり厳密に導電性ローラの表面状態の品質確保が要求される。
【0003】
そのため、導電性ローラの製造側では製造した導電性ローラの表面状態を厳密に検査するとともに、納入先の電子写真装置製造側でも、厳密な受け入れ検査が実施されている。
【0004】
導電性ローラの検査では、導電性ローラを目視する外観検査や、測定装置による外径の寸法及びその変動の測定が行われている。しかし目視による外観検査のみでは不十分であり、導電性ローラの表面状態を外周面全域に渡り検査する必要がある。そのために、先端が鋭利な検査プローブを外周面に接触させる接触検査が提案されたが、この場合、良品である導電性ローラが接触検査を受けたゆえに表面が荒れ、結果として不良品となる事態が予測され実用化は困難であった。
【0005】
そのため、表面状態を荒らすことなく表面状態を外周面全域に渡り検査できる導電性ローラの表面検査方法が特許文献1により提案されている。
【0006】
この検査方法は、製造された導電性ローラを、外周面が所定の真円度で仕上げられた検査ローラ上に転接させ、検査ローラの回転により導電性ローラを従動駆動させながら転接部に光を照射させ、転接部からの光の漏れ具合により導電性ローラの表面状態の可否を判断するものであった。
【0007】
すなわち、CCDカメラにより検査ローラ及び導電性ローラの転接部を撮影し、画像表示装置上に表示された画像から、光が漏れ出ていない場合を良品、少しでも光が漏れ出ている場合を不良品と判断していた。
【0008】
【特許文献1】特開2003−149168
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような検査方法では、画像表示装置上で表示された画像を検査員が注視し判断しているため、光の漏れ量による良品、不良品の判断が検査員にまかされるため、その判断基準が曖昧になり正確な良否判定ができなかった。また検査員の疲労などにより長時間の検査は出来ず、検査数量に限りがあった。
【0010】
そのため本発明は、製造された導電性ローラを、外周面が所定の真円度で仕上げられた検査ローラ上に転接させ、検査ローラの回転により導電性ローラを従動駆動させながら、転接部に光を照射させ転接部からの光の漏れ具合により導電性ローラの表面状態の可否を判断する導電性ローラの表面判別方法において、光の漏れ具合をデジタル画像処理することにより定量的に光漏れ量を把握し、この光漏れ量から良否判定することにより導電性ローラの良否判定を正確に行うこと、さらに検査員の画像注視により制限があった検査数量を著しく増加させることが可能な表面判別方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決し目的を達成するため、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項1の記載によれば、製造された導電性ローラを、外周面が所定の真円度に仕上げられた検査ローラ上に転接させる第1の工程と、前記検査ローラを回転させて、これに転接する導電性ローラを従動駆動させる第2の工程と、前記回転中の検査ローラ及び導電性ローラの転接部に、光を照射させる第3の工程と、前記検査ローラ及び導電性ローラの転接部からの光の漏れ部の発生に基づき、前記導電性ローラの表面状態の可否を判断する第4の工程とを具備する導電性ローラの表面判別方法において、前記第4の工程は、前記検査ローラ及び導電性ローラの転接部を、前記光漏れ部を撮影可能に撮影する第1のサブ工程と、この第1のサブ工程で撮影された画像から、前記光の漏れ部の高さ及び幅を測定する第2のサブ工程と、この第2のサブ工程において測定された高さ及び幅情報に基づき、前記導電性ローラの表面状態の可否を判断する第3のサブ工程とを備える事を特徴とする。
【0012】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項2の記載によれば、前記第4の工程において、前記光漏れの発生の無いものを、前記導電性ローラの表面状態を良好として判別すると共に、前記光漏れが発生したとしても、前記第3のサブ工程において可と判断されたものも、前記導電性ローラの表面状態を良好として判別する事を特徴とする。
【0013】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項3の記載によれば、前記第1のサブ工程において、前記撮影により前記転接部のデジタル画像情報を得ることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項4の記載によれば、前記第2のサブ工程において、前記デジタル画像情報における高さ及び幅に対応する画素数から、高さ及び幅情報を夫々規定することを特徴とする。
【0015】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項5の記載によれば、前記第3のサブ工程は、前記光漏れ部の幅と光漏れ部の高さの積が第1の所定値以下であるものを、可と判断し、可以外を不可と判断する第1の判断プロセスと、 前記光漏れ部の幅が第2の所定値以上であり、且つ、光漏れ部の高さが第3の所定値以下であるものを、可と判断し、可以外を不可と判断する第2の判断プロセスと、この第2の判断プロセスで不可と判断されたものの中から、前記幅が前記第2の所定値以下であり、且つ、前記高さが前記第3の所定よりも小さい第4の所定値以下であるものを、更に可と判断する第3の判断プロセスと、この第3の判断プロセスで可と判断されたものの中から、前記高さの幅に対する比の値が第5の所定値以上であるものを、不可と判断する第4の判断プロセスとを備えることを特徴とする。
【0016】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項6の記載によれば、前記第1の判断プロセスにおいて、前記第1の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約0.6に対応する値であり、前記第2の判断プロセスにおいて、前記第2の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約30mmに対応する値であり、前記第3の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約1.6mmに対応する値であり、前記第3の判断プロセスにおいて、前記第4の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として1mmに対応する値であり、前記第5の所定値は好適には約0.2であることを特徴とする請求項4に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【0017】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項7の記載によれば、前記導電性ローラと検査ローラとを、両者の転接部における進行方向が前記光の撮影部に向かうように、回転させることを特徴とする。
【0018】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項8の記載によれば、前記導電性ローラは、電子写真装置において感光部材を帯電するための帯電ローラであることを特徴とする。
【0019】
また、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法は、請求項9の記載によれば、前記導電性ローラは、電子写真装置において感光部材の感光面に現像剤を供給するための現像ローラであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明の導電性ローラの表面判別方法により、光りの漏れ具合をデジタル画像処理することにより定量的に光漏れ量を把握し、良否判定処理をすることにより導電性ローラの良否判定を正確に行うことを可能とし、さらに検査員の画像注視により制限があった検査数量をほぼ無制限とすることが可能な表面判別方法が提供されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、この発明に係わる導電性ローラの表面判別方法の一実施例における手順を添付図面を参照して以下に説明する。
【0022】
図1は本発明になる導電性ローラの表面判別方法を実現するための判別装置を概略的に示す正面図である。判別装置は、基台12と、この基台12上に所定間隔を置いて起立した状態で取り付けられた両側板14,16と、両側板14,16に回転自在に掛け渡された検査ローラ18とを備えている。ここで、検査ローラ18の外周面の真円度・真直度は、共に所定の範囲内例えば5μm〜10μmの範囲内に設定されている。
【0023】
また、両側板14,16の上端縁には、導電性ローラDRの両端に設けられた軸部SH1,SH2を夫々受けるための凹み20,22が形成されている。ここで、導電性ローラDRは表面状態の検査を受ける製造されたローラである。各凹み20,22は、対応する軸部SH1,SH2の直径よりも僅かに広い直径を有し、対応する軸部SH1,SH2が遊嵌された状態で、導電性ローラDRの外周面が、検査ローラ18の外周面に上方から転接するに充分な深さを有するように形成されている。
【0024】
この判別装置では検査ローラ18上に導電性ローラDRが転接しているため、検査ローラ18の回転駆動により転接する導電性ローラDRも従動回転する。この状態で導電性ローラDRの外周面に微細な凹みや傷や突起が存在すると、検査ローラ18と導電性ローラDRの転接部19に隙間が生じることになる。
【0025】
図2は本発明になる導電性ローラの表面判別方法を実現するための判別装置を概略的に示す側面図である。判別装置は、検査ローラ18と導電性ローラDRの転接部19に光を照射するための発光装置24を備え、この発光装置24からの照射光が導電性ローラDRと検査ローラ18の転接部19を照射するように設定されている。
【0026】
検査ローラ18の回転方向25は、発光装置24から転接部19に照射されCCDカメラ28に至る光の方向と、転接部19で同一の方向となるように駆動される。また、導電性ローラDRの回転方向26は、発光装置24から転接部19に照射されCCDカメラ28に至る光の方向と、転接部19で同一の方向となるように駆動される。
【0027】
導電性ローラDRの外周面の微細な凹みや傷や突起により発生する転接部19からの光の漏れを撮影するために、発光装置24の反対側に撮影用のCCDカメラ28が配設されている。さらに、CCDカメラ28からの画像情報は、信号処理装置30に送出される。
【0028】
以上のように構成される判別装置を用いて、この発明の特徴となる判別方法を説明する。先ず検査装置の両側板14,16の上端縁に夫々形成された凹み20,22に、製造された導電性ローラDRの軸部SH1,SH2を夫々遊嵌し、この導電性ローラDRを検査ローラ18上に上方から転接させる(第1の工程)。これにより、検査ローラ18と導電性ローラDRとの夫々の外周面は互いに転接し、検査ローラ18の回転に応じて、導電性ローラDRは従動回転される状態となる。
【0029】
この後、検査ローラ18を回転させて、これに転接する導電性ローラDRを少なくとも1回転するように従動回転させる(第2の工程)。この従動回転により、製造された導電性ローラDRの外周面全面が検査ローラ18と転接されることになる。
【0030】
一方、回転中の検査ローラ18と導電性ローラDRとの転接部19に、発光装置24からの光を連続的に照射させる(第3の工程)。
【0031】
発光装置24から照射された光が転接部19から漏れる状態をCCDカメラ28で撮影する。得られた画像情報は信号処理装置30に送出される。信号処理装置30はこの画像情報に基づき導電性ローラDRの表面状態の可否を判定する(第4の工程)。
【0032】
具体的には信号処理装置30は図3に示すように、CCDカメラからの画像情報をデジタル画像情報に変換する画像変換部31、デジタル画像情報から転接部19の光の漏れ具合を定量的に計測する画像処理部32、定量的に計測されたデータから導電性ローラDRの表面状態の良否判定を行う良否判定処理部33から構成される。
【0033】
画像変換部31では、CCDカメラ28により撮影された、検査ローラ18と導電性ローラDRとの転接部19からの光の漏れ具合の画像情報をデジタル画像情報に変換する(第1のサブ工程)。
【0034】
画像処理部32では、デジタル画像情報として取得された転接部19における光漏れ部の幅及び高さを、画素数として計測する(第2のサブ工程)。
【0035】
良否判定処理部33は、画像処理部32で得られた転接部19における光漏れ部の幅及び高さに関する画素数データから、良否判定アルゴリズムにより、導電性ローラDRの表面状態の良否を判定する(第3のサブ工程)。
【0036】
図4は、良否判定アルゴリズムを示すステップチャートである。以下にこのステップチャートの詳細を示す。
【0037】
まず、画像処理部32で得られた画素数表現の光漏れ部の幅(W)と高さの積(H)の積が15以下であれば、導電性ローラDRは良品と判定する(第1の判断プロセス:S10)。
【0038】
さらに、光漏れ部の幅(W)と高さの積(H)の積が16以上で不良品と判定されたもののなかで、幅(W)が150以上でかつ高さ(H)が8以下であれば導電性ローラDRは良品と判定する(第2の判断プロセス:S12)。
【0039】
上述の第2の判断プロセスで不良品と判定されたもの中から、幅(W)が149以下で、高さ(H)が5以下であればあれば導電性ローラDRは良品と判定し、それ以外を不良品と判定する(第3の判断プロセス:S14)。
【0040】
さらに、前述の第3の判断プロセスで、幅(W)が149以下で、高さ(H)が5以下で導電性ローラDRは良品と判定されたものの中から、高さ(H)に対する幅(W)の比、すなわちW/Hが0.2以上であれば導電性ローラは不良品と判定する(第4の判断プロセス:S16)。
【0041】
上述の各判断プロセスからなる良否判定アルゴリズムを用いて、判別装置の判定性能の評価を行った。判定性能の評価は、対象となる導電性ローラを47本用意し、判別装置により良否判定を行う機械判定の結果と、対象の導電性ローラDRをプリンタに組み込んで黒べた画像を作成し、その画像の良否から判定する画像判定の結果を比較する方法で実施した。
【0042】
図5に比較結果を示す。図5(a)は、導電性ローラ47本中、機械判定が良品と判定した25本の中で、画像判定が良品と判定したものが25本、画像判定が不良品と判定したものが0本、機械判定が不良品と判定した22本の中で、画像判定が良品と判定したものが2本、画像判定が不良品と判定したものが20本であることを示している。図5(b)は図5(a)の結果を、47本を100%とした百分率で示したものである。
【0043】
この結果、判別装置が良品と判別した中に不良品が混じると、良否判定の信頼度を著しく損なうことになるが、本実験では画像判定による不良品は0%であり全く問題はなかった。また機械判定が不良品と判断した中に良品が混じると、良品を不良品として扱い廃棄するため経済的な無駄が生じることになり、極力減少させる。今回は機械判定が不良品と判定した中に、画像判定で良品となったものが4%程度ときわめて低い値となった。
【0044】
本実施例によれば、製造された導電性ローラを、外周面が所定の真円度に仕上げられた検査ローラ上に転接させ、検査ローラの回転により導電性ローラを従動駆動させながら、転接部に光を照射させ転接部からの光の漏れ具合により導電性ローラの表面状態の可否を判断する導電性ローラの表面判別方法において、光の漏れ具合をデジタル的に画像処理することにより定量的に把握でき、さらに良否判定アルゴリズムを搭載した良否判定処理部33により導電性ローラの正確な良否判定を可能とし、さらに検査数量の制限なく表面状態の判別を行うことを可能とする。
【0045】
この発明は、上述した一実施例の手順に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形可能であることは、言うまでもない。
【0046】
例えば、上述した実施例においては、導電性ローラとして現像ローラ、帯電ローラに適用した場合につき説明したが、この発明は外周面に弾性体を有するローラであれば、適用可能であることは言うまでもない。
【0047】
また、上述した実施例においては、CCDカメラ28からの画像情報をデータ変換部31でデジタル画像情報に変換する場合につき説明したが、CCDカメラ28から直接デジタル画像情報を取得する場合にも適用可能であることは言うまでもない。
【0048】
また、この発明の判別装置では、検査ローラの上部に導電性ローラが自重で接するように転接させ、発光装置からの照射光がほぼ水平に転接部に照射されるような構成になっているが、検査ロールの横に導電性ローラを近接させ、スプリング等の圧力で転接させ、発光装置からの照射光がほぼ下方から垂直に転接部に照射される構成であっても適用可能であることは言うまでもない。
【0049】
また、信号処理装置30にて、不良品と判定した場合には、図示しないNGランプを点灯して検査員に、検査中の導電性ローラDRの表面状態が不良である旨を報知し、これと並行して、図示しないリジェクト機構を動作させて、不良と判断された導電性ローラDRを図示しない不良品箱に排出し、一方で、良品と判定した場合には、図示しないOKランプを点灯して検査員に、検査中の導電性ローラDRの表面状態が良好である旨を報知し、これと並行して、図示しない搬送機構を動作させ、良好と判断された導電性ローラDRを図示しない良品箱に排出するように構成してもよいものである。
【0050】
尚、上述した変形例において、ランプを点灯せずに、直接に、不良品と判断された導電性ローラDRを不良品箱に、また、良品と判断された導電性ローラDRを良品箱に、夫々自動的に排出するようにしてもよいし、また、不良品と判断された場合には、NGランプを点灯し、良品と判断された場合には、OKランプを点灯して、検査員に検査結果を報知するのみで、この報知結果に基づき、検査員が自らの手で、検査済みの導電性ローラDRを良品箱又は不良品箱に入れるようにしてもよいものである。
【0051】
また、上述した実施例においては、検査ローラ18と導電性ローラDRとの転接部を、CCDカメラ28を介して撮影するように説明したが、この発明はこのような手順に限定されることなく、転接部を画像として取り込めるものであれば何でもよく、その構成に何ら限定されるものでないことは言うまでもない。
【0052】
また、上述した実施例においては、検査ローラ18を回転させる説明をしたが、この発明は、図示しない駆動機構により検査ローラ18を回転駆動するように構成してもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】導電性ローラの表面判別方法を実施するための判別装置の構成を概略的に示す正面図である。
【図2】導電性ローラの表面判別方法を実施するための判別装置の構成を概略的に示す側面図である。
【図3】信号処理装置の機能を示す系統図である。
【図4】良否判定処理部に搭載されている良否判別アルゴリズムを示すステップチャートである。
【図5】導電性ローラの判別装置性能を評価するための実験評価結果である。
【符号の説明】
【0054】
12 基台
14、16 側板
18 検査ローラ
19 転接部
20、22 凹み
24 発光装置
25 検査ローラの回転方向
26 導電性ローラの回転方向
28 CCDカメラ
30 信号処理装置
31 画像変換部
32 画像処理部
33 良否判別処理部
DR 導電性ローラ
SH1、SH2 導電性ローラの軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造された導電性ローラを、外周面が所定の真円度に仕上げられた検査ローラ上に転接させる第1の工程と、前記検査ローラを回転させて、これに転接する導電性ローラを従動駆動させる第2の工程と、前記回転中の検査ローラ及び導電性ローラの転接部に、光を照射させる第3の工程と、前記検査ローラ及び導電性ローラの転接部からの光の漏れ部の発生に基づき、前記導電性ローラの表面状態の可否を判断する第4の工程とを具備する導電性ローラの表面判別方法において、
前記第4の工程は、
前記検査ローラ及び導電性ローラの転接部を、前記光漏れ部を撮影可能に撮影する第1のサブ工程と、
この第1のサブ工程で撮影された画像から、前記光の漏れ部の高さ及び幅を測定する第2のサブ工程と、
この第2のサブ工程において測定された高さ及び幅情報に基づき、前記導電性ローラの表面状態の可否を判断する第3のサブ工程とを備える事を特徴とする導電性ローラの表面判別方法。
【請求項2】
前記第4の工程において、前記光漏れの発生の無いものを、前記導電性ローラの表面状態を良好として判別すると共に、前記光漏れが発生したとしても、前記第3のサブ工程において可と判断されたものも、前記導電性ローラの表面状態を良好として判別する事を特徴とする請求項1に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項3】
前記第1のサブ工程において、前記撮影により前記転接部のデジタル画像情報を得ることを特徴とする請求項2に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項4】
前記第2のサブ工程において、前記デジタル画像情報における高さ及び幅に対応する画素数から、高さ及び幅情報を夫々規定することを特徴とする請求項3に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項5】
前記第3のサブ工程は、
前記光漏れ部の幅と光漏れ部の高さの積が第1の所定値以下であるものを、可と判断し、可以外を不可と判断する第1の判断プロセスと、
前記光漏れ部の幅が第2の所定値以上であり、且つ、光漏れ部の高さが第3の所定値以下であるものを、可と判断し、可以外を不可と判断する第2の判断プロセスと、
この第2の判断プロセスで不可と判断されたものの中から、前記幅が前記第2の所定値以下であり、且つ、前記高さが前記第3の所定よりも小さい第4の所定値以下であるものを、更に可と判断する第3の判断プロセスと、
この第3の判断プロセスで可と判断されたものの中から、前記高さの幅に対する比の値が第5の所定値以上であるものを、不可と判断する第4の判断プロセスとを備えることを特徴とする請求項2に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項6】
前記第1の判断プロセスにおいて、前記第1の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約15に対応する値であり、
前記第2の判断プロセスにおいて、前記第1の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約150に対応する値であり、
前記第2の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約8に対応する値であり、
前記第3の判断プロセスにおいて、前記第4の所定値は好適には前記光漏れ部の実測値として約5に対応する値であり、
前記第4の判断プロセスにおいて、前記第5の所定値は好適には約0.2であることを特徴とする請求項5に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項7】
前記導電性ローラと検査ローラとを、両者の転接部における進行方向が前記光の撮影部に向かうように、回転させることを特徴とする請求項1に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項8】
前記導電性ローラは、電子写真装置において感光部材を帯電するための帯電ローラであることを特徴とする請求項前記何れか1項に記載の導電性ローラの表面判別方法。
【請求項9】
前記導電性ローラは、電子写真装置において感光部材の感光面に現像剤を供給するための現像ローラであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の導電性ローラの表面判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2005−55337(P2005−55337A)
【公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−287481(P2003−287481)
【出願日】平成15年8月6日(2003.8.6)
【出願人】(000227412)日東工業株式会社 (99)
【Fターム(参考)】