説明

層間絶縁膜および配線構造と、それらの製造方法

【課題】 低誘電率で且つCF、SiF等のガスの発生がなく安定な半導体装置の層間絶縁膜とそれを備えた配線構造を提供する。
【解決手段】 下地層上に形成された絶縁膜を備えた層間絶縁膜において、前記層間絶縁膜は、実効誘電率が3以下である。配線構造は、層間絶縁膜と、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、前記コンタクトホール内に充填された金属とを備え、前記絶縁膜は、前記下地層上に形成され、表面が窒化されたフルオロカーボン膜を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子、半導体チップ搭載基板、配線基板等の基板の多層配線構造、特に層間絶縁膜の構造に関し、また当該多層配線構造を有する半導体装置、配線基板、およびそれらを含む電子装置に関する。さらに本発明は当該多層配線構造の製造方法、ならびに当該多層配線構造を有する半導体装置、配線基板、およびそれらを含む電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板上等の多層配線構造における配線層間の絶縁のために層間絶縁膜が形成されている。
【0003】
このような多層配線構造において、配線間の寄生容量および配線抵抗による信号遅延の問題が無視できなくなってきており、低誘電率(Low−k)を持つ層間絶縁膜を用いることが要求されてきている。
【0004】
このような層間絶縁膜用として、フルオロカーボン膜(以下、CF膜と呼ぶ)は極めて低誘電率のため配線間の寄生容量を低くすることができることが注目されている。しかし、CF膜は非常に水に弱く、また、密着性が悪い。従って、CF膜は、SiCN層、Si層またはSiO層等の下地層上に形成されるが、CF膜の底面および表面(すなわち、膜形成の始まりと終わり)に問題があった。
【0005】
従来、CF膜は、例えば、特許文献1に示されているように、フルオロカーボンガス(CFガスと呼ぶ、例えば、Cガス)を用いてプラズマ処理装置を用いて成膜されている。
【0006】
このCFガスは、特許文献2に示されているように、もともとエッチングに用いているものであり、プラズマ処理温度が高いと下地層がエッチングされてフッ化珪素(SiF)ガスが発生してくるという問題があった。
【0007】
また、成膜したCF膜の表面からは、水分、CF、SiF等のガスが離脱して汚染源となるという問題があった。
【0008】
特許文献3には、成膜されたCF膜をN雰囲気中で400℃〜450℃で、アニールすることによって、成膜後の脱ガスが少ないことが示されている。
【0009】
さらに、下地金属として、シリコン半導体上に酸化膜、窒化膜、酸窒化膜等を形成する際の希ガスを用いたプラズマ処理では、単一の希ガスを用い処理を行っていた。単一の希ガスを用いる場合、後処理に対するプラズマのダメージを小さくするため電子との衝突断面積が大きく、プラズマの電子温度が低いクリプトン(Kr)ガスやキセノンガス(Xe)が用いられる(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−220668号公報
【特許文献2】特開2002−16050号公報
【特許文献3】特開平11−162962号公報
【特許文献4】特開2002−261091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の一目的は、低誘電率で且つCF、SiF等のガスの発生がなく安定な半導体装置等の層間絶縁膜を提供することにある。
【0012】
また、本発明のもう一つの目的は、低誘電率で且つCF、SiF等のガスの発生がなく安定な半導体装置等の層間絶縁膜を製造する方法を提供することにある。
【0013】
また、本発明のさらにもう一つの目的は、低誘電率で且つCF、SiF等のガスの発生がなく安定な半導体装置等の層間絶縁膜を備えた配線構造を提供することにある。
【0014】
また、本発明の別の目的は、低誘電率で且つCF、SiF等のガスの発生がなく安定な半導体装置等の層間絶縁膜を備えた配線構造の製造方法のすることにある。
【0015】
また、本発明のさらにもう一つの目的は、前記層間絶縁膜と前記配線構造とを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、下地層上に形成された絶縁膜を備えた層間絶縁膜であって、実効誘電率が3以下であることを特徴とする層間絶縁膜が得られる。
【0017】
ここで、本発明の一態様では、前記層間絶縁膜において、前記絶縁膜は、前記下地層上に形成された第1のフルオロカーボン膜と、前記第1のフルオロカーボン膜上に形成され前記第1のフルオロカーボン膜の誘電率よりも低い誘電率を持つ第2のフルオロカーボン膜とを備えていることが好ましい。
【0018】
また、前記層間絶縁膜において、前記第1のフルオロカーボン膜の厚さは、5〜10nmであり、前記第2のフルオロカーボン膜の厚さは、280〜500nmであることが好ましい。また、前記第1及び第2のフルオロカーボン膜は、夫々低誘電率膜であることが好ましい。特に、前記第2のフルオロカーボン膜の誘電率は、1.5〜2.5であることが好ましい。さらに、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、窒化珪素(Si)層、SiCO層、およびSiO層の内の少なくとも一つを含むことが好ましい。特に、前記第1のフルオロカーボン膜は、前記下地層との反応によって生成するフルオロシランガスの発生を防止するために設けられている。
【0019】
また、前記第1のフルオロカーボン膜は、XeまたはKrガスを用いて発生させたプラズマを用いてCVD形成され、前記第2のフルオロカーボン膜はArガスを用いて発生させたプラズマを用いてCVD形成され得る。
【0020】
また、前記第2のフルオロカーボン膜の表面が窒化されていることが好ましく、前記表面の窒化膜の厚さは1〜5nm、さらに、好ましくは2〜3nmであってよい。
【0021】
さらに、前記絶縁膜上に形成されたSi,SiCN,およびSiCOのうちの少なくとも一つからなる膜を備えていても良い。
【0022】
また、本発明のもう一つの態様によれば、フルオロカーボンガスと2種類以上の異なる希ガスとを用いて下地層上にフルオロカーボン膜を形成する方法において、Arガス以外の希ガスを用いて発生させたプラズマによって、前記下地層上に第1のフルオロカーボン膜を形成する第1の工程と、Arガスを用いて発生させたプラズマによって、前記第1のフルオロカーボン膜上に第2のフルオロカーボン膜を形成する第2の工程とを備えていることを特徴とする成膜方法が得られる。
【0023】
ここで、本発明のもう一つの態様の前記成膜方法において、前記第1のフルオルカーボン膜を5〜10nm成膜し、その上に前記第2のフルオロカーボン膜を280〜500nm成膜することが好ましい。特に、前記第2のフルオロカーボン膜は第1のフルオロカーボン膜よりも低誘電率の膜であることが好ましい。
【0024】
また、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、SiCN層、SiO層、およびSiCO層の内の少なくとも一つを含むことが好ましく、前記第1の工程に用いる希ガスは、Xeガスであることが好ましい。
【0025】
さらに、前記希ガスに窒化性のガスおよび酸化性のガスの内の少なくとも一種を加えて、反応性ガスとしてSiHガスを流して、SiまたはSiCNおよびSiCOの内の少なくとも一種からなる膜を形成することも可能である。
【0026】
また、本発明の更にもう一つの態様によれば、半導体装置等の多層配線構造の製造方法において、層間絶縁膜の少なくとも一部としてフルオロカーボン膜を形成する工程と、このフルオロカーボン膜をアニール処理する工程と、前記フルオロカーボン膜の表面をチッ化する工程とを有することを特徴とする多層配線構造の製造方法が得られる。
【0027】
ここで、本発明において、前記アニール工程は、大気に晒すことなく、不活性ガス中で行われるのが好ましい。また、前記チッ化工程は、ArガスおよびNガスを用いてプラズマ中で行われるかNガスを用いたプラズマ中で行われることが好ましい。ここで、後者の場合は、200℃以上で行われることが好ましく、300〜400℃がより好ましい。
【0028】
さらに、前記アニール工程の前または後に、前記フルオロカーボン膜の表面を希ガスプラズマで照射する工程を設けることが好ましい。
【0029】
また、本発明の別の一つの態様によれば、下地層上に形成された絶縁膜を備えた層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、前記コンタクトホール内に充填された金属とを備えた配線構造において、前記層間絶縁膜は実効誘電率が3以下であることを特徴とする配線構造が得られる。
【0030】
ここで、本発明の別の一つの態様において、前記コンタクトホール内に充填された金属は銅を含み、前記層間絶縁膜と前記銅との間にニッケルのフッ化物層を少なくとも含むバリア層を介在させることが好ましい。前記ニッケルのフッ化物はたとえば2フッ化ニッケルであるが、それに限られない。このニッケルのフッ化物は、MOCVDで形成されるか、またはニッケルをPVD(フィジカル・ベーパー・デポジション)で成膜した後フッ化処理をすることによって形成される。前記層間絶縁膜は、好ましくはフルオロカーボン膜である。
【0031】
また、前記絶縁膜は、前記下地層上に形成された第1のフルオロカーボン膜と、前記第1のフルオロカーボン膜上に形成され前記第1のフルオロカーボン膜の誘電率よりも低い誘電率を持つ第2のフルオロカーボン膜とを備えていることが好ましく、前記第1のフルオロカーボン膜の厚さは、5〜10nmであり、前記第2のフルオロカーボン膜の厚さは、280〜500nmであることがより好ましい。特に、前記第2のフルオロカーボン膜の誘電率は、1.5〜2.5であることが好ましい。また、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、SiCN層、およびSiO層の内の少なくとも一つを含むことが好ましい。ここで、前記第1のフルオロカーボン膜は、前記下地層との反応によって生成するフッ化珪素ガスの発生を防止するために設けられている。
【0032】
更に、前記フルオロカーボン膜上に形成されたSi,SiCN,およびSiCOの内の少なくとも一種を含む膜を備えていることが好ましく、前記第2のフルオロカーボン膜の表面部分にチッ化処理された膜を有することが好ましい。
【0033】
また、本発明の別のもう一つの態様によれば、フルオロカーボンガスとプラズマの電子温度がArよりも低くなる希ガスとを用いて下地層上に第1のフルオロカーボン膜を形成する第1の工程と、Arガスを用いて発生させたプラズマによって、前記第1のフルオロカーボン膜上に第2のフルオロカーボン膜を形成する第2の工程とを備えていることを特徴とする配線構造の製造方法が得られる。
【0034】
ここで、前記第1のフルオロカーボン膜を厚さが5〜10nmとなるように形成され、前記第2のフルオロカーボン膜を厚さが280〜500nmとなるように形成することが好ましい。また、前記第1及び第2のフルオロカーボン膜は低誘電率膜であることが好ましく、特に、前記第2のフルオロカーボン膜の誘電率は、1.5〜2.5となるように調整することが好ましい。
【0035】
また、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、Si層、SiCO層、及びSiO層の内の少なくとも一つを含むことが好ましい。前記第1の工程に用いる希ガスは、Xeガスであることが好ましい。
【0036】
また、前記希ガスに窒化性のガスおよび酸化性のガスの内の少なくとも一方を加えて、反応性ガスとしてSiHガスを流して、Si,SiCN,およびSiCOのうちの少なくとも一つの膜を形成することもできる。また、前記第2のフルオロカーボン膜の表面をチッ化処理することが好ましい。
【0037】
また、本発明の別のもう一つの態様において、前記第1の工程、前記第2の工程に、更に、前記フルオロカーボン膜にコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに金属を充填する工程とを備えていることが好ましい。また、前記コンタクトホールに、充填された金属の拡散を防止するためのバリア層を形成する工程を更に、備えていることが好ましい。
【0038】
さらに本発明の他の態様によれば、減圧したチャンバー内にプラズマを発生させて前記チャンバー内に設置された基板上にフルオロカーボンを成膜した後、前記チャンバー内において水素と酸素の混合ガスでプラズマを発生させ、前記チャンバー内壁のクリーニングを行うことを特徴とするチャンバーのクリーニング方法も得られる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、低誘電率で且つCF、SiF等のガスの発生がなく安定な半導体装置の層間絶縁膜とその製造方法を提供することができる。
【0040】
また、本発明によれば、前記層間絶縁膜を備えた配線構造とそれを製造する方法を提供することができる。
【0041】
さらに、本発明によれば、XeまたはKrガスによるプラズマCVD処理でまずフルオロカーボン膜を形成することによってSiF系ガスの脱ガスを低減させ、かつフルオロカーボン膜の剥がれを防止することができる。そして、Arガスによるプラズマ中のCVD処理によってフルオロカーボン膜の主体部分を形成することによって、フルオロカーボン膜の実効誘電率を低減することができる。
【0042】
また本発明によれば、フルオロカーボン膜の表面を窒化することによって、脱ガスを大幅に低減するとともに、フルオロカーボン膜上に形成される絶縁膜の剥がれを防止できる効果もある。
【0043】
また本発明によれば、ビアホールまたはコンタクトホール内面に2フッ化ニッケルのバリア層を設けることによって、ホール内のCuがバリア層に拡散するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術による半導体装置の層間絶縁膜構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例による配線構造を示す図である。
【図3】図2の配線構造に用いた層間絶縁膜の構造を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施例によるプラズマ処理装置を示す概略断面図である。
【図5】Arプラズマ、Krプラズマ、Xeプラズマのシャワープレートと、電極との間の距離と、電子密度(ev)との関係を示す図である。
【図6】脱ガス測定実験装置の概略構成を示す図である。
【図7】SiF脱ガスの下地依存性を示す図で、(a)はSi下地上に形成されたCF膜(CF/Si),(b)はSiO下地上に形成されたCF膜(CF/SiO),(c)はSi下地上に形成されたCF膜(CF/Si)をそれぞれ示している。
【図8】SiF系ガス量の温度依存性を示す図である。
【図9】SiFスペクトルの経時変化を示す図である。
【図10】SiF系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はArにて成膜、(b)はXeにて成膜した場合の脱ガス量の温度依存性を夫々示している。
【図11】下地をSiとしたときのSiFガス量の温度依存性を示す図である。
【図12】SiF系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はC/Xe26.6Pa(200mTorr)、5秒と、C/Ar26.6Pa(200mTorr)の処理後、アニール後、Ar26.6Pa(200mTorr)で5秒、(b)はXeプラズマONし、Cを導入するプロセス(5秒)、Cの導入をオフし、Xeプラズマをオフした後、Ar/Cプロセス3分、Ar+N処理5秒したCF膜からの脱ガス量を示している。
【図13】下地SiとしたときのSiF脱ガス量の温度依存性を示している。
【図14】Si下地上に120nmのCF膜を形成しそのTDS遊離ガススペクトルを示す図である。
【図15】SiO下地層上に形成したCF膜のアニール後のCF脱ガス量の温度依存性を示す図である。
【図16】同じくSiO下地層上に形成したCF膜のCF膜アニール後の脱水分量の温度依存性を示す図である。
【図17】図5の装置を用いたAr/Nプラズマ処理後のフルオロカーボン脱ガス特性と、昇温脱離ガス分光分析(TDS)測定結果を示す図である。
【図18】CをArプラズマ処理中に導入し、プラズマ処理中に導入を停止し、Arプラズマ処理を停止したときのCF系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はCF脱ガスの相対強度と時間との関係、(b)は脱水分についてHO濃度(ppb/cm)と時間との関係を示している。
【図19】CF膜の脱ガス量のアニール温度依存性を示す図で、(a)はCF系ガスの脱ガス量、(b)はHOガスの脱ガス量である。
【図20】CF膜の放置時間の相違による種々の遊離ガスのスペクトルをそれぞれ示す図で、(a)は400℃アニール後、大気放置12時間後測定、(b)は、アニールなしで大気放置48時間後測定結果を示している。
【図21】Si系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はCF脱ガス、(b)は脱水分の温度依存性を夫々示している。
【図22】表面窒化効果を示す図であって、アニール後、Ar/Nプラズマを5秒間したときの(a)はCF脱ガス効果、(b)は脱水分効果を夫々示す図である。
【図23】図17と同様にCF膜を形成した試料をアニール後、Ar/Nプラズマを照射した試料のX線光電子分光分析装置(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)による測定結果を示している。
【図24】CF膜脱ガス量の成膜条件依存性を示す図であり、(a)はCF系脱ガス、(b)はHO系脱ガスを示している。
【図25】CF膜を400nm成膜してアニール後のAr/Nプラズマ処理での脱ガス結果を示す図で、(a)は通常の条件である窒化なし、(b)は窒化ありのものをそれぞれ示している。Ar/Nの窒化処理により脱ガスが少ないことがわかる。
【図26】Si下地上に形成したCF膜上にIn−Situで形成したSiCN膜(SiCN/CF)の遊離ガスTDSスペクトルを示す図である。
【図27】200℃で成膜したCF膜を350℃でアニールした場合のCF系の脱ガス量の温度依存性を示す図である。
【図28】200℃で成膜後、350℃でアニールした後、さらに、200℃でAr/Nプラズマによって表面をチッ化処理した場合の脱ガス量の温度依存性を示す図である。
【図29】350℃でSi基板上にCF膜を形成し、アニールしない場合の脱ガス量を示す図である。
【図30】350℃でSi基板上にCF膜を形成し、350℃でアニールした後、200℃でAr/Nプラズマによって表面窒化処理した場合の脱ガス量を示す図である。
【図31】400℃でSi基板上にCF膜を形成し、アニールしない場合の脱ガス量を示す図である。
【図32】400℃でSi基板上にCF膜を形成し、アニールしないで、400℃でAr/Nプラズマによって表面窒化処理した場合の脱ガス量を示す図である。
【図33】(a)及び(b)は、NiF膜の形成方法および対比の為のNi膜の形成方法を夫々示す図である。
【図34】(a)及び(b)は、Ni膜およびNiF膜の組成を夫々示すグラフである。
【図35】(a)及び(b)は、バリアメタル層としてNiを50nm成膜し、その上にCuを成膜した場合のアニール前後の状況を示す図である。
【図36】(a)及び(b)は、バリア(メタル)層としてNiF膜を50nm成膜した場合のアニール前後でのCu及びNi等の拡散を示す図である。
【図37】NiF成膜後の深さ方向の元素分析結果を示す図である。
【図38】NiF層の上にCu層を形成した金属組織構造を示す断面SEM写真で、右の写真は、左の写真に部分を拡大したものである。
【図39】(a)及び(b)はバリア層としてNiF膜を10nm成膜したサンプルの相互拡散評価結果を示すグラフで、(a)は相互拡散試験前(350℃アニール前)及び(b)相互拡散試験後(350℃アニール後)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の実施例を説明する前に、本発明の理解を容易にするために、従来技術による半導体装置の層間絶縁膜構造について図1を参照しながら説明する。
【0046】
図1を参照すると、従来技術による半導体装置において、多数の半導体素子を形成した半導体基板(図示せず)上に設けられた層間絶縁膜構造(配線層間の接続部分1箇所のみを示す)100は、炭化珪素(SiC)等からなるバリアーキャップ層71、バリアーキャップ層71の上に形成された炭素含有シリコンオキサイド(SiOC)膜72、このSiOC膜72に設けられたビア(VIA)ホール8、PAR(低誘電率シリコン(Si)層73)に設けられた溝9、それらを覆うシリコンオキサイド(SiO)からなるハードマスク74を備えている。ヴィアホール8には、Cu等の金属が埋め込まれ、電極または配線8を形成し、またこれの上端に溝9内にCu等が埋め込まれて、配線11を形成している。
【0047】
それでは、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図2に示すように、本発明の実施例による半導体装置において、多数の半導体素子を形成した半導体基板(図示せず)上に設けられた多層配線構造(配線層間の接続部分1箇所のみを示す)10は、炭窒化珪素(SiCN)からなるバリアーキャップ層1の上に、フルオロカーボン膜(以下、CF膜と呼ぶ)からなる第1の層間絶縁膜2が形成されている。
【0049】
第1の層間絶縁膜2とバリアーキャップ層1とを貫通してビアホール7が設けられている。このビアホール7には、Cuからなる電極または配線8が形成されている。さらに、第1の層間絶縁膜2の上にSiCNからなる第1の接着層3を介してフルオロカーボン膜からなる第2の層間絶縁膜4が形成されている。さらに第2の層間絶縁膜4の上にSiCNからなる第2の接着層5を介して、シリコンオキサイド(SiO)からなる硬質マスク6が設けられている。
【0050】
また、硬質マスク6から層間絶縁膜2まで溝9が設けられ、Cuからなる配線導体11がこの溝に埋め込まれている。
【0051】
ここで、バリアーキャップ層1、及び第1及び第2の接着層3,5は、誘電率が約4.0であるが、バリアーキャップ層1として、kが2.5より小さい炭化水素や、接着層として、更に薄いk=3.0のSiCO膜を用いることも可能である。
【0052】
また、層間絶縁膜2,4は、k=2.0のフルオロカーボン(CF)膜からなるが、さらに、k=1.7程度のフルオロカーボン膜も形成することもできる。
【0053】
また、硬質マスク層6としてk=4.0のSiO膜を用いたが、kが3.0よりも小さいSiCO膜を用いることもできる。
【0054】
図3を参照すると、SiCN層からなる下地層1上に薄いCF膜2aをCガスのXeプラズマによる分解によってCVD形成し、その上に厚いCF膜2bをCガスをアルゴン(Ar)プラズマによって分解してCVD形成している。
【0055】
さらに、CF膜2bの成膜後又はアニール後,ArガスによるプラズマにNガスを導入して生成した窒素ラジカルによってCF膜2bの表面をチッ化して、CF膜からの脱ガスを低減している。これによって、膜剥がれをなくし、誘電率を1.7〜2.2の範囲で制御可能としている。
【0056】
図4を参照すると、マイクロ波は、プラズマ処理装置102の上部に絶縁体板を介して設置されたラジアルラインスロットアンテナ(RLSA)21からその下の絶縁体板とシャワープレート23とを透過して、プラズマ発生領域に放射される。XeガスまたはArガスをガス導入管13を介して上段シャワープレート23からプラズマ発生領域に均一に吹き出させ、そこに放射されるマイクロ波によってプラズマが励起される。
【0057】
マイクロ波励起プラズマ処理装置の拡散プラズマ領域に下段シャワープレート22が設置されている。
【0058】
ここで、上段シャワープレート23に導入管13を介してXe、Kr又はArガスを、下段シャワープレート22に導入管26からSiHガスを流せば、基板たとえばシリコンウェハ14の表面でシリコン(SiO)膜の形成ができる。
【0059】
また、上段シャワープレート23からKr、Xe、またはArガスを、下段シャワープレート22からCFy(C,C等)ガスを流せば、フルオロカーボン膜の形成ができる。
【0060】
酸化または窒化処理のためには、酸素ガスまたはN/HまたはNHガスを、酸窒化プロセスの場合はO/NHまたはO/NO、O/NOガス等の酸化性ガスと窒化性ガスの混合ガスを上段シャワープレート23から流せばよい。
【0061】
被処理物の基板(たとえばシリコンウエハ)14は処理室24内でプラズマが拡散されて直接照射する場所に設置され、プラズマにより励起された酸素ラジカル等により酸化される。このとき被処理物は、処理室24内でもプラズマが励起される空間ではなくプラズマが拡散されている空間に設置されることが望ましい。
【0062】
また、処理室31内の排ガスは、図示しない排気ポートを介して、排気ダクト内を通り、小型ポンプへのいずれかの流入口から、小型ポンプへと夫々導かれる。
【0063】
図5に示すように、シャワープレートと電極間の距離が30mm以上になると電子温度は略一定となり、Ar,Kr,Xeの順で電子温度が低くなる。
【0064】
以上、いずれの場合も、Arに比べKr、Xeガスは電子温度が低いところで電子との衝突断面積か小さくイオン化エネルギーも小さいため、Xe(またはKr)ガスにマイクロ波が照射されるとプラズマの電子温度が低くなり、成膜中での形成された各種膜へのダメージを抑制できるし、Cガスのエッチング作用を抑制することができる。
【0065】
図6を参照すると、脱ガス測定システム103は、脱ガス測定装置30と、光イオン測定装置とを備えている。
【0066】
光イオン測定装置の加熱炉40の内部にサンプル46が配置されている。加熱炉40には、キャリアーガスとしてArが矢印45に示すように、マスフローコントローラ44によって100sccmの流量に調整されて導入配管47を介して、加熱炉40に導入される。
【0067】
加熱炉40には、加熱用ヒータ41と、光イオン検出器42が設けられている。試料46から遊離したガスは、バルブ53が設けられた配管48を介して脱ガス測定装置30の内部に導入される。なお、配管48には、排気のためにバルブ51を設けた排気管52が分岐している。
【0068】
脱ガス測定装置30には、放電電極32に設けられている。また、脱ガス測定装置30内部のガスは、真空ポンプ37a,37bが夫々設けられた配管36a,36bに接続されており、この配管36a,36bは合流して排気管38となり、矢印39に示されるように、排気される。一方、脱ガス測定装置30内部及びこれに隣接した放電電極32が設けられた部分には、それぞれ配管34及び35が設けられ、配管34は、可変容量制御弁61及びマスフローメータ63を介して,矢印63に示すように、流量600sccmで排気されている。一方、配管35はマスフローメータ62bを介して、矢印64に示すように流量550sccmで排気され、2つの配管34,35は合流して配管65となり、矢印66に示すように、排気される。
【0069】
脱ガス測定装置30の配管34とは長さ方向に同じ部位の異なる外周の位置にArガスを矢印59で示すように、1SLMで導入するためのマスフローコントローラ58が設けられた配管33が接続されている。また、配管48の排気用配管52よりもさらに下流側にバルブ53が設けられ、さらに下流側に希釈のためのArガスを500sccmで導入するためにマスフローコントローラ57が設けられた配管56がバルブ54を介して接続されている。配管48は、脱ガス測定装置30の排気用の配管35が設けられた部位と長さ方向の同じ位置で、外周方向の異なる位置に接続されている。
【0070】
次に、本発明の実施の形態によるCF成膜プロセスについて詳細に説明する。
【0071】
図3を参照すると、本発明の実施の形態によるCF成膜プロセスでは、図4に示す装置を用いて、まず、下地層として、SiCN又はSiCOをSiH/C/N又はO等を用いたプラズマ処理によって形成する。なお、シランガス(SiH)/エチレン(C)の代わりに、有機シランを用いても良いことは勿論である。
【0072】
次に、この下地層1上に、反応ガスとしてフルオロカーボンガスを用いて、Xeプラズマによって薄い5〜10nmの第1のCF膜2aを成膜する。
【0073】
ここで、反応ガスのフルオロカーボンガスとしては、一般式C2n(但し、nは2〜8の整数)もしくは、C2n−2(nは2〜8の整数)で示される不飽和脂肪族フッ化物を用いることができるが、オクタフルオロペンチン、オクタフルオロベンタジエン、オクタフルオロシクロペンテン、オクタフルオロメチルブタジエン、オクタフルオロメチルブチン、フルオロシクロプロペンもしくはフルオロシクロプロパンを含むフッ化炭素、フルオロシクロブテンもしくはフルオロシクロブタンを含むフッ化炭素等の一般式Cで示されるフルオロカーボンが好ましい。
【0074】
さらにその上に、XeガスをArガスに切り替え、反応性ガスとしてCガスを用いたArプラズマによって、厚さ380〜500nmの第2のCF膜2bを成膜する。Arガスのプラズマによって成膜するとCF膜の誘電率が低くなるので、これによって、CF膜2の誘電率を1.7〜2.2という低さにすることを可能にしている。
【0075】
基板上にフルオロカーボンを成膜した後、チャンバー内において水素と酸素の混合ガスでプラズマを発生させ、記チャンバー内壁のクリーニングを行うことができる。
【0076】
さらに、成膜後あるいはアニール後に、Ar/Nプラズマ、またはNプラズマによって、CF膜の表面窒化を行う。これによって、CF膜からの脱ガスを低減可能である。
【0077】
好ましくは、成膜後表面チッカ前にアニールを行う。本明細書において、アニールは基板を大気に晒すことなく、そのままプラズマチャンバー内でおこなってもよく、別のアニール処理装置で行っても良い。いずれの場合も、雰囲気は不活性ガス雰囲気とし、圧力は大気圧でもよいが、好ましくは1Torr程度の減圧下で行う。また、後に述べるように、アニールの前または後で、フルオロカーボン膜をArプラズマで照射するのがよい。
【0078】
図2の配線構造の製造方法について説明する。図2に示すように、バリアーキャップ層1を下地層として、図3で示す第1の層間絶縁膜2を形成する。この第1の層間絶縁膜2にエッチングによって、ヴィアホール7を形成する。次に、このビアホール7の内壁に、電極金属の層間絶縁膜への拡散を防止するバリアー層として、ニッケルのフッ化物、好ましくは2フッ化ニッケル(NiFで示す)膜を、PVDでニッケルを成膜しそれをフッ化処理することにより、またはMOCVDによって直接、形成する。
【0079】
次に同様に、接着層からなる下地層3としてSiCN層又は炭素含有シリコンオキサイド(SiCO)層を形成し、その上に、図3に示すと同様に第1および第2のCF膜からなる層間絶縁膜4を形成する。この層間絶縁層4上に、更に接着用の下地層3として、SiCN層又はSiCO層を形成し、その下地層3の上に、硬質マスク層6として、SiO又はSiCO層を形成する。
【0080】
ここで、SiO層は、図4に示されるプラズマ処理装置102の上段シャワープレート23からArとOの混合ガスを導入し、下段シャワープレート22に、SiHガスを導入すればよい。また、SiCO層は前述したものと同様である。
【0081】
次に、エッチングによって、溝9を形成し、溝9の内壁面に、図示しないNiF2バリアー層を形成し、この溝9に金属としてCuを充填して、配線導体11が形成されて配線構造10が完成する。
【0082】
ここで、下地層1を珪素化合物として、その上にCF膜を形成したときの、SiFガスの脱離について説明する。
【0083】
SiFガスは、Si,SiO、Siなどの層とCF膜との界面において、反応によって生成する。
【0084】
下記表1は脱離ガスのイオン化ポテンシャルを示している。表1に示すように、SiFのイオン化ポテンシャルは、SiF,SiF,SiF,SiFの順で高くなっていることがわかる。
【0085】
【表1】

【0086】
このSiFガスの脱離は初期成膜時の下地に依存する。
【0087】
図7はSiF脱ガスの温度依存性を異なる下地ごとに示す図で、(a)はSi下地上に形成されたCF膜(CF/Si),(b)はSiO下地上に形成されたCF膜(CF/SiO),(c)はSi下地上に形成されたCF膜(CF/Si)に時間経過とともに右目盛のような温度を加えたときの脱ガス量を左目盛がそれぞれ示している。図7(a),(b),(c)に示すように、下地を変更することによって、SiFの脱ガスが変化することがわかる。CF/下地の界面にて反応は、Si,SiO,Siの順で脱ガスが少ないことが判明した。
【0088】
図8は、SiF系脱ガス量の温度依存性を示す図である。図8に示すように、SiOとCFの界面にて反応し、SiF脱ガスが発生することがわかる。したがって、界面反応の抑制が必須であることが理解できる。さらに、具体的に、SiFについて調査した。
【0089】
図9はSiFスペクトルの経時変化を示す図である。図9を参照すると、標準CF膜での脱ガス測定においては、CF/SiOにて昇温するとSiFが発生し、16時間出続けることがわかる。したがって、CF膜/SiO界面での反応の抑制が必須であることがわかる。
【0090】
次に、このような下地層上に形成されたCF膜のSiF系の脱ガス量の温度依存性について調べた。
【0091】
図10は、SiF系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はArにて成膜、(b)はXeにて成膜した場合の脱ガス量の温度依存性を夫々示している。条件は、圧力4Pa(30mTorr),900W,X線回折装置(SSY−1)/Ar(Xe)=10/240(210)sccmで行われている。
【0092】
図10(a)、図10(b)から、希釈ガスとしてArを用いて成膜した場合よりも、Xe希釈ガスにて成膜した方が、SiF系の脱ガスを低減できることが判明した。即ち、低電子温度にすることが脱ガスを低減するのに必須であることが判明した。
【0093】
次に、Si下地上に初期成膜の際に、Xeを使用し、その後Arに切り替えてSiF脱ガス量の温度依存性を調べた。
【0094】
図11は下地をSiとしたときのSiFガス量の温度依存性を示す図である。条件は、Cを反応ガスとして、Xeを用いて26.6Pa(200mTorr)で5秒プラズマ処理で成膜し、次にArを用いて26.6Pa(200mTorr)でプラズマ処理して成膜し、アニール後、Arを用いて26.6Pa(200mTorr)で、5秒処理した。図11に示すように、初期成膜時にXeを使用することによってSiFガスを減少させることができることが判明した。
【0095】
図12はSiF系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はC/Xe26.6Pa(200mTorr)、5秒と、C/Ar26.6Pa(200mTorr)の処理後、アニール後、Ar26.6Pa(200mTorr)で5秒、(b)はXeプラズマONし、Cを導入するプロセス(5秒)、Cの導入をオフし、Xeプラズマをオフした後、Ar/Cプロセス3分、Ar+N処理5秒したCF膜からの脱ガス量を示している。
【0096】
図12(a)及び図12(b)から初期成膜時に、Xeを使用し、界面制御することで、SiFガスが減少していることがわかる。
【0097】
次に、条件を変えてSi下地層上に同様にCF膜を形成し、そのSiF4脱ガス量の温度依存性について調べた。
【0098】
図13は下地SiとしたときのSiF脱ガス量の温度依存性を示している。そのプロセスは、Xeプラズマオンし、Cガスを導入し、5秒間処理し、C5F8ガスをオフし、Xeプラズマをオフし、Ar/Cプロセスを3分間行い、続いてAr+N表面窒化処理を5秒間行った。図13から、シーケンスを変更することによって、SiFの脱ガス量が減少することがわかる。
【0099】
また、Arプラズマによって生成したCF膜のTDS脱ガススペクトルについて調べた。
【0100】
図14はSi下地上に120nmのCF膜を形成しそのTDS遊離ガススペクトルを示す図である。図14に示すように、室温から400℃まで、60℃/minの昇温速度で昇温すると、CF系などの脱ガスが発生することがわかる。
【0101】
図15はSiO下地層上に形成したCF膜のアニール後のCF脱ガス量の温度依存性を示す図である。図15に示すように、結合に不十分な成分をアニールによって除去することにより、その後の分解反応は起こらないことが判明し、アニールは必要であることを確認した。
【0102】
図16は同じくSiO下地層上に形成したCF膜のCF膜アニール後の脱水分量の温度依存性を示す図である。図16に示すように、一度昇温すると、In−Situプロセスでは水分の発生がないことが判明し、In−Situプロセスは必須であることがわかる。
【0103】
図17は図5の装置を用いたAr/Nプラズマ処理後のフルオロカーボン脱ガス特性と、昇温脱離ガス分光分析(TDS)測定結果を示す図である。なお、昇温レートは、0.17℃/秒である。図5に示す試料は、図4に示す反応ガスとして直鎖Cを用いて,220℃で成膜し、330℃,In−SituでアニールしたCF膜の脱ガス特性を示している。
【0104】
図17に示すように、昇温開始40秒後、昇温を停止し、400℃の一定温度に保持した。350℃付近で、離脱が著しく増加し、400℃より幾分低い温度で最大となっていることが分かる。
【0105】
次に、CF膜の脱ガス量の温度依存性をArプラズマ処理中にCを導入して調べた。
【0106】
図18はCをArプラズマ処理中に導入し、プラズマ処理中に導入を停止し、Arプラズマ処理を停止したときのCF系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はCF脱ガスの相対強度と時間との関係、(b)は脱水分についてHO濃度(ppb/cm)と時間との関係を示している。図18(a)及び図18(b)に示すように、原料ガスをプラズマ処理中に流すことによって、未結合な成分が減少していることがわかる。また、脱水分も減少し、実効表面積が減少していることがわかる。
【0107】
このCF膜の脱ガス特性を、CF膜形成後アニールすることによって調査した。
【0108】
図19はCF膜の脱ガス量のアニール温度依存性を示す図で、(a)はCF系ガスの脱ガス量、(b)はHOガスの脱ガス量である。図19(a)及び(b)から、結合不十分な成分を400℃でアニール除去することによって、その後の分解反応プロセスがおこらないことがわかる。また、一度昇温すると、In−Situプロセスでは、水分の発生がないことがわかり、アニールには,In−Situプロセスは必須であることがわかる。
【0109】
図20はCF膜の放置時間の相違による種々の遊離ガスのスペクトルをそれぞれ示す図で、(a)は400℃アニール後、大気放置12時間後測定、(b)は、アニールなしで大気放置48時間後測定結果を示している。図20(a)、(b)の比較から、大気放置によりHF遊離ガスが増加している。これは大気中の水分と、CF膜が反応したことを示している。
【0110】
図21はSi系脱ガス量の温度依存性を示す図で、(a)はCF脱ガス、(b)は脱水分の温度依存性を夫々示している。図21(a)及び図21(b)を参照すると、プロセス後に、Arプラズマを5秒間照射し、その後アニールした。アニール前にArプラズマ照射によって、CF脱ガスが2/3まで減少し、結合不十分なCFが減少している。また、図21(b)に示すように、脱水も1/2に減少し、実効表面積が減少している。
【0111】
さらに、CF膜を400℃でアニールした後、Ar/Nプラズマを5秒間照射して、表面を窒化した。
【0112】
図22は表面窒化効果を示す図であって、アニール後、Ar/Nプラズマを5秒間照射したときの(a)はCF脱ガス効果、(b)は脱水分効果を夫々示す図である。図22(a)及び図22(b)を参照すると、アニール後のAr/Nプラズマ照射によって、CFガスが減少していることが分かり、標準条件の1/3となることが分かる。また、脱水分も1/3に減少し、実効表面積が減少していることがわかる。
【0113】
図23は図17と同様にCF膜を形成した試料をアニール後、Ar/Nプラズマを照射した試料のX線光電子分光分析装置(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)による測定結果を示している。図23の結果から、表面数nmのみにN原子が検出され、アニールによる表面改質によって、脱ガスが減少したことが判明した。なお、CF膜の誘電率は、脱ガス前は2.04であったが、脱ガス後は2.08で、大きな変化は見られなかった。
【0114】
図24は、CF膜脱ガス量の成膜条件依存性を示す図であり、(a)はCF系脱ガス、(b)はHO系脱ガスを示している。図24に示すように、400℃でアニール後、Ar/Nプラズマを5秒間照射することで、表面をAr/N処理(表面窒素化)することにより、CF脱ガスは減少していることがわかる。これは、アニール処理なしの1/3まで低減していることがわかる。
【0115】
図25は、CF膜を400nm成膜してアニール後のAr/Nプラズマ処理での脱ガス結果を示す図で、(a)は通常の条件である窒化なし、(b)は窒化ありのものをそれぞれ示している。Ar/Nの窒化処理により脱ガスが少ないことがわかる。
【0116】
図26は、Si下地上に形成したCF膜上にIn−Situで形成したSiCN膜(SiCN/CF)の遊離ガスTDSスペクトルを示す図である。図26に示すように、CF膜の上のCap層としてSiCN膜を成膜することによって、遊離ガスが減少することがわかる。
【0117】
次に、アニールおよびその後のチッ化処理による表面改質について、図27乃至31を用いて説明する。
【0118】
図27は、200℃でSiO上にCF膜を成膜し、Ar中で30分間350℃でアニールした場合のCF系の脱ガス量の温度依存性を示している。図27を参照すると、結合不十分な成分をアニールにより除去することにより、その後400℃に昇温しても分解反応は起こらず、CF系ガスの脱ガス量が減少することが見受けられる。
【0119】
図28は、200℃で成膜後、350℃でアニールした後、200℃でAr/Nプラズマによってチッ化処理した場合の脱ガス量の温度依存性を示す図である。図28に示すように、SiO上にCF膜を形成し、次いで350℃でアニール後、200℃でAr/Nプラズマ照射した場合、脱ガスが著しく減少し、膜表面改質効果が大きいことが判明した。
【0120】
図29は、350℃でSi基板上にCF膜を形成し、アニールしない場合の脱ガス量を示す図である。
【0121】
図30は、350℃でSi基板上にCF膜を形成し、350℃でアニールした後、200℃でのAr/Nプラズマにより表面窒化した場合の脱ガス量を示す図である。図30を図29と比較すると、アニールして表面を窒化することによって、脱ガス抑制および表面改質がなされることが判明した。
【0122】
図31は、400℃でSi基板上にCF膜を形成し、アニールしない場合の脱ガス量を示す図である。脱ガスが見受けられる。
【0123】
図32は、400℃でSi基板上にCF膜を形成し、アニールなしでAr/Nプラズマ照射した場合の脱ガス量を示す図である。図32に示すように、400℃でAr/Nプラズマで窒化処理すると、脱ガスが増加することが分かる。
【0124】
したがって、図27から図32の結果から、アニールの効果が大きいこと、および200℃程度のAr/Nプラズマによる表面チッ化によって、脱ガスが減少し、表面が改質されることがわかる。さらに、密着力が増加することが確認された。さらに、別の実験結果から、200℃を超える高温の(好ましくは300℃〜400℃)チッ化であると密着力が大きくなること、さらに、Arガスを用いないで、Nのみを用いたプラズマ処理場合、密着力が向上するとともに、表面の荒れが少なく、脱ガス量が減少することが判明した。
【0125】
次に図33乃至図39を参照して、バリア層にNiF膜を使用する構造および効果について説明する。
【0126】
図33(a)及び(b)は、NiF膜の形成方法および対比の為のNi膜の形成方法を夫々示す図である。図34(a)及び(b)は、Ni膜およびNiF膜の組成を夫々示すグラフである。図34(a)及び(b)に示すように、SiO上にそれぞれNi膜(350℃アニール後)及びNiF膜が形成されていることを夫々示している。
【0127】
図35(a)及び(b)は、バリアメタル層としてNiを50nm成膜し、その上にCuを成膜した場合のアニール前後の状況を示し、Cu膜内にNiが、Ni内にCuがそれぞれ拡散してしまっていることを示している。
【0128】
図36(a)及び(b)は、バリア(メタル)層としてNiF膜を50nm成膜した場合にはアニール前後でCuの拡散もNiの拡散もないことを示し、NiF膜をバリア層として使用した場合、Cuに対するバリアとして完全に機能することを示している。
【0129】
図37はNiF成膜後の深さ方向の元素分析結果を示す図で、図38はNiF層の上にCu層を形成した金属組織構造を示す断面SEM写真で、右の写真は、左の写真の部分を拡大したものである。
【0130】
図39(a)及び図39(b)はバリア層としてNiF膜を10nm成膜したサンプルの相互拡散評価結果を示すグラフで、(a)は相互拡散試験前(350℃アニール前)及び(b)相互拡散試験後(350℃アニール後)を示す図である。図39(a)及び(b)に示すように、アニール後の場合でも、Cuの拡散もNiの拡散もないことを示し、Cuに対するバリアとして完全に機能することを示している。
【産業上の利用可能性】
【0131】
以上説明したように、本発明に係るCF膜からなる層間絶縁膜およびその製造方法と、配線構造及びその製造方法は、低誘電率の層間絶縁膜および配線構造を備えた半導体装置、配線基板、またはそれらを含む電子装置に最適である。
【符号の説明】
【0132】
1 バリアーキャップ層
2 第1の層間絶縁膜
2a CF
2b CF
3 第1の接着層
4 第2の層間絶縁膜
5 第2の接着層
6 硬質マスク
7 ビアホール
8 電極
9 溝
10 配線構造
11 配線導体(Cu)
12 アンテナ
13 ガス導入管
14 シリコンウエハ
21 絶縁体板
22 下段シャワープレート
23 上段シャワープレート
24 処理室
26 導入管
30 脱ガス測定装置
31 処理室
32 放電電極
33 配管
34,35 配管
36a,36b 配管
37a,37b 真空ポンプ
38 排気管
39 矢印
40 加熱炉
41 加熱用ヒータ
42 光イオン検出器
44 マスフローコントローラ
45 矢印
46 試料
47 導入配管
48 配管
51 バルブ
52 排気管
53 バルブ
54 バルブ
56 配管
57 マスフローコントローラ
58 マスフローコントローラ
59 矢印
61 可変容量制御弁
62a,62b マスフローメータ
63 矢印
64 矢印
65 配管
66 矢印
71 バリアーキャップ層
72 SiOC膜
73 PAR(低誘電率Si層)
74 硬質マスク
100 配線構造
102 プラズマ処理装置
103 脱ガス測定システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地層上に形成された絶縁膜を備えた層間絶縁膜であって、表面がチッ化されたフルオロカーボン膜を有し、実効誘電率が3以下であることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項2】
請求項1に記載の層間絶縁膜において、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、SiCN層、SiCO層、およびSiO層の内の少なくとも1つからなることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の層間絶縁膜において、さらに、前記絶縁膜上に形成されたSi,SiCN,およびSiCOの内の少なくとも1つからなる膜を備えていることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項4】
請求項1乃至3の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記フルオロカーボン膜は、希ガスを用いて発生させたプラズマを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項5】
請求項1乃至4の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記表面が窒化された部分の厚さは1〜5nmであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項6】
請求項1乃至5の内のいずれか一つに記載の層間絶縁膜において、前記表面がチッ化された部分の厚さは2〜3nmであることを特徴とする層間絶縁膜。
【請求項7】
フルオロカーボンガスと希ガスとを用いて下地層上にフルオロカーボン膜を形成する方法において、希ガスを用いて発生させたプラズマによって、前記下地層上にフルオロカーボン膜を形成する工程と、前記フルオロカーボン膜の表面をチッ化する工程とを備えていることを特徴とする成膜方法。
【請求項8】
請求項7に記載の成膜方法において、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、SiCN層、SiO層、およびSiCO層の内の少なくとも一つを含む層であることを特徴とする成膜方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の成膜方法において、前記希ガスに窒化性のガスおよび酸化性の少なくとも一方のガスを加え、かつ反応性ガスとしてSiHガスを流して、Si,SiCN,およびSiCOの内の少なくとも一種の膜を形成することを特徴とする成膜方法。
【請求項10】
請求項7乃至9の内のいずれか一つに記載の成膜方法において、前記フルオロカーボン膜をアニール処理後、表面をチッ化することを特徴とする成膜方法。
【請求項11】
多層配線構造の製造方法において、層間絶縁膜の少なくとも一部としてフルオロカーボン膜を形成する工程と、前記フルオロカーボン膜の表面をチッ化する工程とを有することを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の多層配線構造の製造方法において、前記チッ化工程は、Arガスを用いて発生したプラズマ中でNガスを用いて行うことを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の多層配線構造の製造方法において、前記チッ化工程は、Nガスを用いて発生したプラズマ中で行うことを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の多層配線構造の製造方法において、前記チッ化工程は、200℃以上の温度で行うことを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項15】
請求項11乃至14の内の一つに記載の多層配線構造の製造方法において、前記フルオロカーボン膜の表面を希ガスプラズマで照射する工程を有することを特徴とする多層配線構造の製造方法。
【請求項16】
下地層上に形成された絶縁膜を備えた層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、前記コンタクトホール内に充填された導電性配線材料とを備えた配線構造において、前記層間絶縁膜は、実効誘電率が3以下であり、かつ、表面がチッ化処理されたフルオロカーボン膜を有することを特徴とする配線構造。
【請求項17】
請求項16に記載の配線構造において、前記導電性配線材料は銅を含み、前記配線材料と前記層間絶縁膜との間にニッケルのフッ化物からなる層を少なくとも含むバリア層を介在させたことを特徴とする配線構造。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の配線構造において、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、SiCN層、およびSiO層の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする配線構造。
【請求項19】
請求項16乃至18の内のいずれか1つに記載の配線構造において、さらに、前記フルオロカーボン膜上に形成されたSi,SiCN,およびSiCOのうちの少なくとも1つを含む膜を備えていることを特徴とする配線構造。
【請求項20】
フルオロカーボンガスと希ガスとを用いて下地層上にフルオロカーボン膜を形成する工程と、前記フルオロカーボン膜の表面をチッ化する工程とを備えていることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項21】
請求項20に記載の配線構造の製造方法において、前記下地層は、基体上に形成されたSiCN層、Si層、SiCO層、およびSiO層の内の少なくとも一つを含むことを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の配線構造の製造方法において、前記希ガスに窒化性のガスおよび酸化性のガスの内の少なくとも一方を加えて、反応性ガスとしてSiHガスを流して、SiまたはSiCN,およびSiCOの少なくとも一方の膜を形成することを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項23】
請求項20乃至22の内のいずれか一つに記載の配線構造の製造方法において、更に、前記フルオロカーボン膜にコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに金属を充填する工程とを備えていることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項24】
請求項20乃至23の内のいずれか一つに記載の配線構造の製造方法において、前記コンタクトホールに、少なくとも銅を充填する工程と、前記銅の拡散を防止するためのバリア層として少なくともニッケルのフッ化物層を前記コンタクトホール側面に形成する工程とを備えていることを特徴とする配線構造の製造方法。
【請求項25】
多層配線構造を有する電子装置において、前記多層配線構造の層間絶縁膜として、下地層上に形成され、表面がチッ化されたフルオロカーボン膜を少なくとも備えていることを特徴とする電子装置。
【請求項26】
請求項25に記載の電子装置において、前記下地層はSiCN層、SiCN層、SiCO層およびSiO層の少なくとも一つを含むことを特徴とする電子装置。
【請求項27】
請求項25又は26に記載の電子装置において、さらに、前記フルオロカーボン膜上に形成されたSi層、SiCN層およびSiCO層の少なくとも一つを備えていることを特徴とする電子装置。
【請求項28】
請求項25乃至27の内のいずれか一つに記載の電子装置において、前記フルオロカーボン膜は、希ガスを用いて発生させたプラズマを用いてCVD形成されたものであることを特徴とする電子装置。
【請求項29】
請求項25乃至28の内のいずれか一つに記載の電子装置において、前記表面が窒化されている部分の厚さは1〜5nmであることを特徴とする電子装置。
【請求項30】
請求項25乃至28の内のいずれか一つに記載の電子装置において、前記表面が窒化されている部分の厚さは2〜3nmであることを特徴とする電子装置。
【請求項31】
請求項25乃至30の内のいずれか一つに記載の電子装置において、前記層間絶縁膜にはコンタクトホールを有し、前記コンタクトホール内に少なくとも銅を含む金属が充填され、前記コンタクトホール側面において前記フルオロカーボン膜と前記金属との間にバリア層を介在させたことを特徴とする電子装置。
【請求項32】
多層配線構造を有する電子装置において、前記多層配線構造の層間絶縁膜は、表面がチッ化されたフルオロカーボン膜と、コンタクトホールを有し、前記コンタクトホール内に少なくとも銅を含む金属が充填され、前記金属と前記層間絶縁膜との間にニッケルのフッ化物層を少なくとも含むバリア層を設けたことを特徴とする電子装置。
【請求項33】
請求項32に記載の電子装置において、前記ニッケルのフッ化物は2フッ化ニッケルであることを特徴とする電子装置。
【請求項34】
請求項32又は33に記載の電子装置において、前記バリア層はMOCVDで形成されたニッケルのフッ化物を含むことを特徴とする電子装置。
【請求項35】
請求項32乃至34の内のいずれか一つに記載の電子装置において、前記バリア層はニッケルをPVDで成膜した後フッ化処理をされた層を含むことを特徴とする電子装置。
【請求項36】
多層配線構造を有する電子装置の製造方法において、フルオロカーボンガスと希ガスとを用いて下地層上にフルオロカーボン膜を形成する工程と、前記フルオロカーボン膜の表面を窒化する工程を備えていることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項37】
請求項36に記載の電子装置の製造方法において、前記下地層は、SiCN層、SiCN層、SiO層、およびSiCO層の少なくとも一つを含むことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項38】
請求項36又は37に記載の電子装置の製造方法において、前記フルオロカーボン膜を形成する工程の後に、チャンバー内において水素と酸素の混合ガスでプラズマを発生させ、前記チャンバー内壁のクリーニングを行う工程を有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項39】
減圧したチャンバー内にプラズマを発生させて前記チャンバー内に設置された基板上にフルオロカーボンを成膜し、表面をチッ化した後、前記チャンバー内において水素と酸素の混合ガスでプラズマを発生させ、前記チャンバー内壁のクリーニングを行うことを特徴とするチャンバーのクリーニング方法。
【請求項40】
多層配線構造を有する電子装置の製造方法において、層間絶縁膜の少なくとも一部としてフルオロカーボン膜を形成する工程と、前記フルオロカーボン膜の表面をチッ化する工程とを有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項41】
請求項40に記載の電子装置の製造方法において、前記チッ化工程は、Nガスを含むプラズマ中で行うことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項42】
請求項40又は41に記載の電子装置の製造方法において、前記フルオロカーボン膜の表面を希ガスプラズマで照射する工程を有することを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項43】
請求項40乃至42の内のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、前記フルオロカーボン膜にコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに金属を充填する工程とを備えていることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項44】
請求項40乃至43の内のいずれか一つに記載の電子装置の製造方法において、前記コンタクトホールに、少なくとも銅を含む導電材料を充填する工程と、前記銅の拡散を防止するためのバリア層を前記コンタクトホール側面に形成する工程とを備えていることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項45】
請求項44に記載の電子装置の製造方法において、前記バリア層は、ニッケルのフッ化物を含むことを特徴とする電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図39】
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【図38】
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【公開番号】特開2011−14933(P2011−14933A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227327(P2010−227327)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【分割の表示】特願2007−522286(P2007−522286)の分割
【原出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000173658)財団法人国際科学振興財団 (31)
【Fターム(参考)】