説明

微粒子捕集装置及び真空処理装置

【課題】効率的に微粒子を捕集することが可能な捕集装置を提供する。また、微粒子を効率よく回収することが可能な真空処理装置を提供する。
【解決手段】光源装置と、光源装置に接続され、光源装置で発光した光を伝搬する光ファイバと、該光ファイバで光が照射された観察対象物を撮像する撮像部と、電源装置に接続され、電圧が印加される電極針とを有する微粒子捕集装置である。なお、光ファイバ、撮像部、及び電極針は被覆材に覆われている。また、電極及び微粒子捕集装置の一部を有する処理室と、処理室に接続される電源装置、ガス供給源及び排気装置とを有し、微粒子捕集装置は、光源装置と、光源装置に接続され、光源装置で発光した光を伝搬する光ファイバと、該光ファイバで光が照射された観察対象物を撮像する撮像部と、電源装置に接続され、電圧が印加される電極針とを有する真空処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子を捕集する微粒子捕集装置、及び真空処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路や液晶パネルなどの半導体装置の微細化に伴い、その製造工程における雰囲気中の粉塵、微粒子等のパーティクルの存在は、半導体装置の特性や収率を左右する。このため、半導体装置の製造工程で発生するパーティクルを除去することは重要な課題である。
【0003】
半導体装置の製造工程の雰囲気中に発生するパーティクルの一つとして、CVD装置やエッチング装置でのプラズマ雰囲気中で発生する微粒子がある。プラズマ雰囲気中で発生する微粒子は、プラズマ雰囲気に含まれる電子、中性ラジカル等の活性種の反応により生成される。微粒子は、処理室中を浮遊し、処理室内を汚染すると共に、基板上に形成される薄膜中に取り込まれてしまい、薄膜の質の低下の原因となる。
【0004】
そこで、処理室内部の圧力を減圧すると同時に、処理室内の圧力を上げることなく、処理室へ導入する不活性ガスの流量を増大させて、排気系に掃引される不活性ガス流に、プラズマ雰囲気中で発生した微粒子を掃引させて、処理室内から微粒子を除去する技術が提案されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−84853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、基板の一部は、排気系に掃引される途中の不活性ガス流に曝されるため、不活性ガス流中の微粒子が、基板上に形成される薄膜中に混入してしまう。
【0007】
そこで、本発明の一態様では、効率的に微粒子を捕集することが可能な捕集装置を提供することを課題とする。また、本発明の一態様では、微粒子を効率よく回収することが可能な真空処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態は、光源装置と、光源装置に接続され、光源装置で発光した光を伝搬する光ファイバと、該光ファイバで光が照射された観察対象物を撮像する撮像部と、電源装置に接続され、電圧が印加される電極針とを有する微粒子捕集装置である。なお、光ファイバ、撮像部、及び電極針は被覆材に覆われている。
【0009】
また、本発明の一形態は、一対の電極及び微粒子捕集装置の一部を有する処理室と、処理室に接続される電源装置、ガス供給源及び排気装置とを有し、微粒子捕集装置は、光源装置と、光源装置に接続され、光源装置で発光した光を伝搬する光ファイバと、該光ファイバで光が照射された観察対象物を撮像する撮像部と、電源装置に接続され、電圧が印加される電極針とを有する。また、処理室内に設けられる微粒子捕集装置の一部は、光ファイバ、撮像部及び電極針である。
【0010】
電極針は、柱状または針状のタングステン、白金、金等である。
【0011】
撮像部は、複数のコア及び共通のクラッドからなる光ファイバ、CCDセンサまたはCMOSセンサ等である。なお、被覆材内において、撮像部と共に、レンズを有してもよい。
【0012】
プラズマ雰囲気で発生した微粒子は、負の電荷を帯びる。このため、処理室内に設けられた微粒子捕集装置の電極針に正の電圧を印加することで、負の電荷を帯びる微粒子を電気的に引き寄せ、電極針で捕集することができる。また、撮像部で撮像した微粒子の方向に電極を向けることで、プラズマ中で発生した微粒子を効率よく捕集することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様により、効率的に微粒子を捕集することが可能な捕集装置を提供することができる。また、本発明の一態様により、微粒子を効率よく回収することが可能な真空処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】微粒子捕集装置を説明するための図である。
【図2】真空処理装置を説明するための図である。
【図3】真空処理装置及びその電位を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。なお、説明中に図面を参照するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる場合がある。また、同様のものを指す際には同じハッチパターンを使用し、特に符号を付さない場合がある。
【0016】
本実施の形態では、本発明の一態様である微粒子捕集装置、及び該微粒子捕集装置を有する真空処理装置について説明する。
【0017】
微粒子捕集装置の一形態について図1を用いて説明する。
【0018】
図1(A)は、微粒子捕集装置の模式図である。微粒子捕集装置101は、撮像部、微粒子を捕集する電極(以下、電極針と示す。)を有する電極部、及び光源装置で発光した光を伝搬する光ファイバを有する捕集部103、光源装置107、撮像部で撮像された画像を処理する信号処理装置109、並びに電極針に電圧を印加する電源装置111を有する。
【0019】
光源装置107は、レーザ発振器を用いる。レーザ発振器としては、アルゴンイオンレーザ、半導体レーザ、色素レーザ、Nd:YAGレーザ、Ho:YAGレーザ等の可視域から近赤外域までの波長のいずれかを有するレーザ光を発光するレーザ発振器を適宜用いることが好ましい。
【0020】
信号処理装置109は、撮像部で撮影された画像信号を処理し、画像を生成する装置である。信号処理装置109で生成した画像は、内蔵または外付けの表示装置110で表示される。なお、表示装置110としては、アイピース、モニター等がある。
【0021】
電源装置111は、電極部の電極針に任意の直流電圧を印加するための電源であり、直流電源を用いる。
【0022】
なお、微粒子捕集装置101は、捕集部103と、光源装置107、信号処理装置109、及び電源装置111との間に、湾曲部105を有してもよい。湾曲部105は、多数のリングを連ねており、当該リングに湾曲部105を湾曲させるためのワイヤが連結されている。湾曲部105を有することで、捕集部103を任意の向きに変化させることができる。
【0023】
次に、捕集部103の詳細について、図1(B)及び図1(C)を用いて説明する。図1(B)は、捕集部103の長手方向の断面模式図である。
【0024】
図1(B)に示すように、捕集部103は、円筒状の被覆材112内に、撮像部113と、微粒子を捕集するための電極針を有する電極部115と、光源装置で発光した光を伝搬する光ファイバ117とを有する。また、捕集部103には、撮像部113で撮像する像を見やすくするためのレンズ119を有してもよい。ここでは、対物側にレンズ119を設けているが、信号処理装置109(図1(A)参照。)側にレンズ119を設けてもよい。
【0025】
被覆材112は、石英ガラス、アルミナ、フッ素樹脂、ポリイミド等の絶縁性を有し、且つ反応性の低い材料で形成される。また、被覆材112を金属及び絶縁物の積層構造としてもよい。この場合、絶縁物を外層とすることが好ましい。
【0026】
次に、図1(C)を用いて、撮像部113、電極部115、及び光ファイバ117の詳細を説明する。図1(C)は捕集部103の径方向の断面模式図である。
【0027】
撮像部113は、光ファイバ、CCDセンサ、CMOSセンサ等を用いることができる。ここでは、撮像部113として、多数の光ファイバが溶着された光ファイバを用いる。被覆材123内に、充填されたクラッド127と、クラッド127内に形成される複数のコア125で形成される光ファイバを示す。コア125はゲルマニウム、リン等をドープした石英ガラスからなる。クラッド127は、コア125より屈折率の低い石英ガラスを用いることで、コア125及びクラッド127の界面で光を全反射させ、光を伝搬させることができる。クラッド127は、フッ素、ホウ素等がドープされた石英ガラスからなる。
【0028】
コア125は撮像部113により得られる画像の画素となる。このため、コア125は1000〜100000個と、多数のコアを有することで、より鮮明に撮像することができる。また、コア125の径は3〜12μmとし、コア125の間隔はコア125の径の1〜2倍とすることが好ましい。
【0029】
なお、撮像部113がCCDセンサまたはCMOSセンサで構成される場合、CCDセンサまたはCMOSセンサで撮像した画像信号を信号処理装置109(図1(A)参照。)に伝搬する配線が、CCDセンサまたはCMOSセンサに接続される。
【0030】
微粒子捕集装置101に撮像部113を設けることで、微粒子の詳細な位置を特定することができる。また、微粒子の形状や大きさを分析することが可能であり、プラズマ反応に関する情報を得ることができる。
【0031】
光源装置で発光された光を伝搬する光ファイバ117は、被覆材133内に、充填されたクラッド137と、クラッド137内に設けられるコア135とを有する。コア135及びクラッド137はそれぞれ、撮像部113に示すコア125及びクラッド127と同様の材料を適宜用いることができる。
【0032】
光ファイバ117は、図1(A)に示す光源装置107と接続しており、光源装置107で発光した光を伝搬させ、観察物に該光を照射することができる。また、微粒子による光の散乱効果を利用し、微粒子の位置を特定することができる。
【0033】
電極部115は、被覆材143内に、電極針145を有する。電極針145は、針状または柱状である。電極針145は、図1(A)に示す電源装置111に接続しており、電源装置111により、電圧が印加される。
【0034】
電極針145は、径が1mm以下の金属を用いることが好ましく、代表的はタングステン、金、白金などで形成される。なお、微粒子をより微粒子捕集装置の内部に引き寄せるために、電極針145の先端は、捕集部103の先端より内側に存在することが好ましい。
【0035】
なお、図示しないが、微粒子捕集装置101には、捕集部103の位置を制御する制御部、光源装置107の起動用スイッチ、電源装置111の起動用スイッチ、撮像部113によって画像を観察及び撮影するスイッチ等を有する操作部を有する。
【0036】
次に、図1に示す微粒子捕集装置を有する真空処理装置について、図2を用いて説明する。
【0037】
図2は真空処理装置の一構成を示す。ここでは、真空処理装置として、プラズマCVD装置を示す。
【0038】
処理室151はアルミニウムまたはステンレスなど剛性のある素材で形成され、内部を真空排気できるように構成されている。本実施の形態で示すプラズマ処理装置は、機械的強度を高めるために処理室の素材をステンレスとし、内面にアルミニウム溶射を施したものである。処理室151には第1の電極153(上部電極とも呼ぶ。)と、第1の電極153と対向する第2の電極155(下部電極とも呼ぶ。)が備えられている。
【0039】
第1の電極153には高周波電源装置157が連結されている。第2の電極155は接地され、基板159を載置できるように構成されている。
【0040】
高周波電源装置157には、整合器及び高周波カットフィルタが接続されている。高周波電源装置157から供給される高周波電力は、第1の電極153に供給される。また、第2の電極155に載置される基板が第7世代以上の大面積基板の場合は、高周波電源装置157として、波長として概ね10m以上の高周波を発振することが好ましい。代表的には、13.56MHz以下、代表的には3MHz以上13.56MHz以下の周波数を発振することが好ましい。高周波電源装置157が、上記範囲の周波数を発振することで、第7世代以上の大面積基板を第2の電極155に載置してグロー放電を行っても、表面定在波の影響を受けることなく大面積基板上で均一なプラズマを発生させることができるため、基板全体に均質で良質な膜を形成することができる。
【0041】
なお、図2では、第1の電極153と第2の電極155を有する容量結合型(平行平板型)の構成を示しているが、これに限定されない。高周波電力を供給して処理室151の内部にグロー放電プラズマを発生させることができるものであれば、誘導結合型など他の構成を適用してもよい。
【0042】
第1の電極153には、ガス供給源161に接続される。ガス供給源161は、ガスが充填されたシリンダ、圧力調整弁、ストップバルブ、マスフローコントローラなどで構成されている。また、第1の電極153は中空構造となっており、第2の電極155と対応する面において複数の孔が形成され、当該孔から原料ガスを処理室151内に導入できる。
【0043】
ヒータコントローラにより温度制御される基板加熱ヒータ163は、第2の電極155に設けられている。基板加熱ヒータ163が第2の電極155内に設けられる場合、熱伝導加熱方式が採用される。基板加熱ヒータ163は、例えばシーズヒータで構成される。
【0044】
処理室151に接続されている排気装置165は真空排気する機能と、反応ガスを流す場合に処理室151内を所定の圧力に保持するように制御する機能とが含まれている。排気装置165の構成としては、バタフライバルブ、ストップバルブ、ターボ分子ポンプ、ドライポンプなどを適宜選択して接続する。
【0045】
第1の電極153と第2の電極155の間隔(ギャップ間隔とも呼ぶ。)は適宜変更できるように構成されている。このギャップ間隔の調節は、第2の電極155に接続されるベローズ(図示しない。)により、処理室151内を真空に保持しつつ、ギャップ間隔の調節を行うことができる。
【0046】
微粒子捕集装置101は、図1に示す微粒子捕集装置101において、少なくとも捕集部及び湾曲部を処理室151内に設ける。なお、微粒子捕集装置101の捕集部の高さ調整は、処理室151に設けられたベローズ167を用いて調節することができる。
【0047】
また、微粒子捕集装置101は、光源装置107、撮像部で撮像された画像を処理する信号処理装置109、並びに電極針に電圧を印加する電源装置111に接続される。また、信号処理装置109で生成した画像は、内蔵または外付けの表示装置110で表示される。
【0048】
なお、ここでは、微粒子捕集装置101を真空処理装置に1つ設けたが、複数設けてもよい。さらには、基板159を介して対向するように、一対または複数対の微粒子捕集装置を設けてもよい。一対または複数対の微粒子捕集装置を設けることで、微粒子を効率よく捕集することができる。
【0049】
ここで、第1の電極153及び第2の電極155の間でプラズマを発生させたときに、発生する微粒子の浮遊位置について、図3を用いて説明する。
【0050】
図3(A)は、図2に示す第1の電極153及び第2の電極155の間にプラズマを発生させたときの、プラズマ及び第2の電極の近傍の拡大模式図である。なお、図3(A)においては、図2に示す真空処理装置を右に90度回転している。破線で示す第2の電極155上に設けられた、破線で示す基板159とプラズマ171の間にシース173が形成される。
【0051】
第2の電極155はGNDに接続されている。また、プラズマ171中では、イオン、電子及びラジカルが存在するが、電子は質量が軽く、イオン及びラジカルより速く拡散するため、プラズマ171及び第2の電極155の間に、シース173が形成される。このとき、シース173に存在する微粒子に電子が衝突するため、微粒子は負に帯電する。
【0052】
ここで、シースにおける電位について、図3(B)を用いて説明する。図3(B)において、縦軸は電位φを表し、横軸は基板159表面からの距離xを示す。
【0053】
φをプラズマの電位、φを第2の電極の電位とすると、(φ−φ)がシースの電位(φ)となり、曲線175で示される。また、シースの電位を示す曲線175の接線の傾きがシース173の電場となる。図3(B)の矢印177と矢印179で示すように、シースの位置によって電場が異なる。即ち、プラズマ171側では、矢印177に示すように傾きが小さく、電場が弱い。一方、第2の電極155側では、矢印179に示すように傾きが大きく、電場が強い。
【0054】
シースにおいて微粒子が帯びる静電気Fは数式1で示される。
=Q×E (数式1)
式中、Qは微粒子の電荷量であり、Eはシースの電場である。
【0055】
また、シースにおいて微粒子にかかる重力Fは数式2で示される。
=m×g (数式2)
式中、mは微粒子の質量、gは重力加速度(9.8m/s)である。
【0056】
矢印177で示す領域の電場E177は、電場が弱いため、微粒子が帯びる静電気より重力の方が大きくなり、微粒子は第2の電極155側へ引き寄せられる。一方、矢印179で示す領域の電場E179は、電場が強いため、微粒子にかかる重力より静電気の方が大きくなり、微粒子はプラズマ171側へ引き寄せられる。このような静電気及び重力の関係から、微粒子はシース173内を浮遊する。
【0057】
なお、微粒子は質量及び半径が大きいため、プラズマ171中では浮遊しない。
【0058】
次に、図2に示す真空処理装置を用いて、基板上に微結晶シリコン膜を成膜する方法、及び当該工程において、微粒子を捕集する方法について説明する。
【0059】
図2において、第2の電極155上に基板159を設置した後、微粒子捕集装置101を基板159近傍に配置する。このとき、微粒子捕集装置101は基板159に重ならないようにすることで、基板159上に均一に膜を成膜することができる。
【0060】
次に、排気装置165を制御して、処理室151内を所定の圧力とする。
【0061】
次に、ガス供給源161から処理室151内に原料ガスを導入する。ここでは、原料ガスとして、シラン及び水素を用いる。なお、原料ガスにシラン及び水素の他に、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガスを用いてもよい。
【0062】
次に、高周波電源装置157から第1の電極153に電力を供給し、第1の電極153及び第2の電極155の間にグロー放電させ、プラズマを生じさせる。プラズマ中において、高エネルギーの電子がシラン及び水素に衝突し、SiHラジカル、SiHラジカル、SiHラジカル、Siラジカル、Hラジカル等のラジカルや、イオン種が発生する。
【0063】
SiHラジカル及びSiHラジカルは反応性が高いため、反応して、高次シランが発生する。高次シランは微粒子となって、基板159近傍のシースを浮遊する。
【0064】
次に、光源装置107で光を発光させ、当該光を微粒子捕集装置101から基板159近傍、即ちシースに照射する。シース中を浮遊する微粒子により該レーザ光は散乱され、微粒子の位置が把握できる。
【0065】
次に、微粒子捕集装置101の撮像部で得られた映像をモニターで確認することで、微粒子の位置をより明確にする。また、モニターに映し出された微粒子の方向に、微粒子捕集装置101の先端を向ける。
【0066】
次に、電源装置111の電圧を所定の電圧とし、微粒子捕集装置101の電極針に正の電圧を印加する。シースを浮遊する微粒子は負に帯電しているため、微粒子捕集装置101の電極針に微粒子が引き寄せられる。この結果、微粒子捕集装置101で微粒子を捕集することができる。
【0067】
本実施の形態に示す微粒子捕集装置101は、撮像部で撮像した画像から、微粒子の位置にあわせて微粒子捕集装置101の位置や方向を変化させることができるため、効率よく微粒子を捕集することができる。また、局所的にまた選択的に微粒子の回収が可能であり、位置による微粒子の形状や大きさ、成分の違いなどを調査することが可能となる。
【0068】
また、SiHラジカルやHラジカルが基板159上で反応しつつ堆積して、基板159上に微結晶シリコン膜が形成される。当該工程において、高次シランである微粒子は、基板159近傍に設けられた微粒子捕集装置101に捕集されるため、基板159上に膜質の良好な微結晶シリコン膜を形成することができる。
【0069】
当該微結晶シリコン膜を用いて薄膜トランジスタや太陽電池を作製することで、電気特性の良好な薄膜トランジスタや太陽電池を作製することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、プラズマCVD装置に微粒子捕集装置を設けたが、エッチング装置に微粒子捕集装置を設けてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源装置と、
光源装置で発光する光を伝搬する光ファイバと、
撮像部と、
電極針と、
前記電極針に電力を供給する電源装置と、
前記光ファイバ、前記撮像部及び前記電極針を覆う被覆材と、
を有することを特徴とする微粒子捕集装置。
【請求項2】
請求項1において、前記電極針は、柱状または針状で有ることを特徴とする微粒子捕集装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記撮像部は、複数のコア及び共通のクラッドからなる光ファイバであることを特徴とする微粒子捕集装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記撮像部は、CCDセンサまたはCMOSセンサであることを特徴とする微粒子捕集装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、前記被覆材内においてレンズを有することを特徴とする微粒子捕集装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、前記撮像部で撮像した画像を処理する信号処理装置を有することを特徴とする微粒子捕集装置。
【請求項7】
電極と、
微粒子捕集装置の一部とを有する処理室と、
前記電極に接続される電源装置と、
前記処理室に接続されたガス供給源及び排気装置と、
を有し、
前記微粒子捕集装置は、
光源装置と、
光源装置で発光する光を伝搬する光ファイバと、
撮像部と、
電極針と、
前記電極針に電力を供給する電源装置と、
前記光ファイバ、前記撮像部及び前記電極針を覆う被覆材と、を有し、
前記処理室に設けられた微粒子捕集装置の一部は、前記光ファイバ、前記撮像部、前記電極針、及び被覆材であることを特徴とする真空処理装置。
【請求項8】
請求項7において、前記電極針は、柱状または針状で有ることを特徴とする真空処理装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8において、前記撮像部は、複数のコア及び共通のクラッドからなる光ファイバであることを特徴とする真空処理装置。
【請求項10】
請求項7または請求項8において、前記撮像部は、CCDセンサまたはCMOSセンサであることを特徴とする真空処理装置。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10のいずれか一項において、前記被覆材内においてレンズを有することを特徴とする真空処理装置。
【請求項12】
請求項7乃至請求項11のいずれか一項において、前記撮像部で撮像した画像を処理する信号処理装置を有することを特徴とする真空処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−64935(P2012−64935A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178849(P2011−178849)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】