説明

情報伝送システム、誘導装置、誘導方法、及び、誘導プログラム

【課題】既に備えられている道路設備や普及している撮像装置を用いることにより莫大な費用を発生させることなくさらに混信や干渉にも強い情報伝送システムを提供する。
【解決手段】LED式信号機30、31の送出情報生成部304は、“1”及び“0”でコード化された信号機情報を取り出して符号化し、赤灯300、黄灯301、青灯302にて時系列的な輝度変化パターンを持つ光Pを出力する。車両1に搭載された撮像装置2は、撮影画角内の画像を撮像し、その画像に点灯中の灯具の画像が含まれている場合、その点滅パターンから信号機情報を再生し、その再生情報に従って、たとえば、アイドリングストップ等の車両制御、または、カーナビゲーション制御等に必要な制御情報を生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動規則が設定されたフィールド、例えば交通規則が設定された道路上での利用が可能な情報伝送システム、誘導装置、誘導方法、及び、誘導プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
予め設定された交通規則や道路情報を車両に伝送するシステムとして、ITS(Intelligent Transport Systems)が知られている。このITSとは、最先端の情報通信技術を用いて、人と道路と車両とを情報でネットワークすることにより、交通事故や渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムのことであり、このシステムにより、交通渋滞等によって無駄に費やされていた燃料消費量を大幅に削減することができると期待されている。
【0003】
そこで、上記のITSのような新交通システムにおいては、最寄りの道路インフラ(交通信号機等の)から車両に対して、たとえば、信号機の情報(赤から青に変わる残り時間情報等)を送り、車両側で、その残り時間の長短に応じてアイドリングストップを行うべきか否かを判断させることが考えられている。このようにすると、長時間の停車が見込まれる場合にだけ、アイドリングストップを実行するようにできる。その結果、上記の不都合(燃料消費の悪化、発進のもたつき等)を解消できる。
【0004】
さて、最寄りの道路インフラから車両に対して情報を伝達する方法としては、たとえば、以下のようなものが考えられる。
【0005】
まず、考えられる第一の方法は、無線電波を利用する方法である。すなわち、交通信号機等に送信機と無線アンテナ(ビーコン)を設置し、そのアンテナからの送信電波を車両に搭載された受信器で受信するという無線電波を用いた情報伝達方法である(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−118498号公報(第5―6頁、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この無線通信による方法では、ビーコンを設置するためのインフラの整備を新たに行う必要がある他、このシステムに対応するために車両自体が特別な受信機を備えなければならないこと、また使用する周波数帯の割り当て、混信を避ける上での対処等で普及に至るまでには様々な問題が予想されるという欠点がある。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、既に備えられている道路設備や普及している撮像装置を用いることにより、莫大な費用を発生させることなく、さらに混信や干渉にも強い情報伝送システム、誘導装置、誘導方法、及び、誘導プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、移動規則が設定されたフィールド上に存在する光源と、当該フィールドを移動する移動体とともに移動する撮像装置とからなる情報伝送システムであって、前記光源は、移動規則を取得する取得手段と、この取得手段によって取得された移動規則を、当該光源の輝度を変調するためのデータに符号化する符号化手段と、この符号化手段によって符号化された移動規則に基づいて当該光源の輝度を変調する輝度変調手段を備え、前記撮像装置は、時系列的に連続して撮像した撮像領域より、前記輝度変調手段により輝度変調された輝度領域を検出する検出手段と、この検出手段によって検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号手段と、この復号手段により復号された移動規則に基づいて前記移動体を導く誘導手段とを備えることを特徴とする情報伝送システムである。
請求項2記載の発明は、前記移動規則は時系列を伴って周期的に変化するものであり、前記取得手段は、前記移動規則とともにこの周期的変化を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報伝送システムである。
請求項3記載の発明は、前記撮像装置は、前記検出手段によって検出された輝度領域に基づいて、当該撮像装置と前記光源との距離を演算する距離演算手段を更に備え、前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記距離演算手段によって演算された当該撮像装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体を導くことを特徴とする請求項2に記載の情報伝送システムである。
請求項4記載の発明は、前記撮像装置は、前記検出手段によって検出された輝度領域の面積を取得する輝度領域面積取得手段を更に備え、前記距離演算手段は、前記輝度領域面積取得手段によって取得された輝度領域の面積に基づいて、当該撮像装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項3に記載の情報伝送システムである。
請求項5記載の発明は、前記撮像装置は、前記検出手段によって検出された輝度領域の撮像領域における位置を取得する輝度領域位置取得手段を更に備え、前記距離演算手段は、前記輝度領域位置取得手段によって取得された輝度領域の位置に基づいて、当該撮像装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項3に記載の情報伝送システムである。
請求項6記載の発明は、前記撮像装置は、当該撮像装置を伴って移動する移動体の移動情報を取得する移動情報取得手段と、この移動情報取得手段によって取得された移動情報と前記距離演算手段によって演算された当該撮像装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体と前記光源との将来的距離を予測する予測手段とを更に備え、前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記予測手段によって予測された将来的距離に基づいて前記移動体を誘導することを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の情報伝送システムである。
請求項7記載の発明は、前記撮像装置は、前記誘導手段が移動体を導く情報を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の情報伝送システムである。
請求項8記載の発明は、前記移動体は前記フィールドを移動するための駆動手段を備え、前記誘導手段は、前記駆動手段を制御する駆動制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の情報伝送システムである。
請求項9記載の発明は、前記光源は、フィールド上に設置された信号機、または、他の移動体に設置された警告灯、または指示灯であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の情報伝送システムである。
請求項10記載の発明は、撮像手段と、この撮像手段による撮像領域から、フィールドにおける移動規則を変調して発光する光源の輝度領域を検出する検出手段と、この検出手段によって検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号手段と、この復号手段により復号された移動規則に基づいて、当該フィールドを移動する移動体を導く誘導手段とを備えることを特徴とする誘導装置である。
請求項11記載の発明は、前記移動規則は時系列を伴って周期的に変化するとともに、前記光源は前記移動規則とともに前記周期的変化も変調して発光し、前記検出手段によって検出された輝度領域に基づいて、当該装置と前記光源との距離を演算する距離演算手段を更に備え、前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記距離演算手段によって演算された当該装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体を導くことを特徴とする請求項10に記載の誘導装置である。
請求項12記載の発明は、前記検出手段によって検出された輝度領域の面積を取得する輝度領域面積取得手段を更に備え、前記距離演算手段は、前記輝度領域面積取得手段によって取得された輝度領域の面積に基づいて、当該装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項11に記載の誘導装置である。
請求項13記載の発明は、前記検出手段によって検出された輝度領域の撮像領域における位置を取得する輝度領域位置取得手段を更に備え、前記距離演算手段は、前記輝度領域位置取得手段によって取得された輝度領域の位置に基づいて、当該装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項11に記載の誘導装置である。
請求項14記載の発明は、当該装置は前記フィールドを移動する移動体に設置され、この移動体の移動情報を取得する移動情報取得手段と、この移動情報取得手段によって取得された移動情報と前記距離演算手段によって演算された当該装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体と前記光源との将来的距離を予測する予測手段とを更に備え、前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記予測手段によって予測された将来的距離に基づいて前記移動体を誘導することを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の誘導装置である。
請求項15記載の発明は、前記移動体は前記フィールドを移動するための駆動手段を備え、前記誘導手段は、前記駆動手段を制御する駆動制御手段を含むことを特徴とする請求項14に記載の誘導装置である。
請求項16記載の発明は、前記誘導手段が移動体を導く情報を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項10乃至15の何れかに記載の誘導装置である。
請求項17記載の発明は、撮像ステップと、この撮像ステップによる撮像領域から、フィールドにおける移動規則を変調して発光する光源の輝度領域を検出する検出ステップと、この検出ステップにて検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号ステップと、この復号ステップにより復号された移動規則に基づいて、当該フィールドを移動する移動体を導く誘導ステップとからなることを特徴とする誘導方法である。
請求項18記載の発明は、コンピュータを、撮像手段、この撮像手段による撮像領域から、フィールドにおける移動規則を変調して発光する光源の輝度領域を検出する検出手段、この検出手段によって検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号手段、この復号手段によって復号された移動規則に基づいて、当該フィールドを移動する移動体を導く誘導手段として機能させることを特徴とする誘導プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、移動規則が設定されたフィールド、例えば交通規則が設定された道路上の既存インフラ(交通信号機等)の光源(例えば交通信号機の灯具)の輝度を変調して上記の交通規則の情報を周囲に送信する。一方、その道路上を移動する移動体、たとえば、走行する車両に備えられた撮像装置は、上記の輝度変調された情報を受光して再生する手段を備えており、再生した情報を運転者等へ通知したり、上記の移動規則に基づく誘導案内を行ったり、又は、移動の制御(例えば、制動灯の自動点灯制御や制動制御など)を行ったりする。
したがって、既に備えられている交通信号機等の道路設備を利用でき、且つ、車両側の手段にも、広く普及している撮像装置を利用することができ、その結果、莫大な費用を発生させることなく、さらに混信や干渉にも強い情報伝送システム、誘導装置、誘導方法、及び、誘導プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、最良の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これは説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の利用状態を示す概念図である。この図において、移動規則が定められたフィールドとして、例えば交通規則が設定された道路を走行中の移動体、すなわち、車両1の任意位置(フロントウィンドウ上部など)には、進行方向の画像を撮像可能な撮像装置2が取り付けられている。破線で示す範囲は、撮像装置2の撮像画角である。
【0013】
車両1の進行方向前方には、道路インフラの一つであるLED式信号機30、31が設置されている。なお、灯数は代表例である。車両用交通信号機の多くは三灯式であるが、右左折や直進等の補助灯を含む多灯式(四灯式など)であってもよい。また、灯火の配列方向も横方向に限らず、たとえば、縦に配列されたものであってもよい。本明細書では横配列の三灯式を例にするが、これは説明の便宜である。
【0014】
車両1に近いLED式信号機30の各灯具を赤灯300、黄灯301、青灯302ということにする。同様に、車両1から遠いLED式信号機31の各灯具を赤灯300、黄灯301、青灯302ということにする。なお、図示の例では、車両1に近いLED式信号機30の赤灯300が点灯し、車両1から遠いLED式信号機31の黄灯301が点灯しているものとする。
【0015】
後述するように、これらの点灯中の灯具(赤灯300、黄灯301)は、見た目に分からない程度のスピードで点滅を繰り返しており、その点滅パターンによって、LED式信号機の名前(あるいは位置座標等そのLED式信号機を個別識別できる情報)や現在の点灯色及び点灯残り時間等の信号機情報を送出している。
【0016】
車両1に搭載された撮像装置2は、後でも詳しく説明するように、CCDやCMOSなどの二次元イメージセンサを用いて、撮影画角内の画像を撮像し、その画像に点灯中の灯具(赤灯300、黄灯301)の画像が含まれている場合に、その点滅パターンからLED式信号機30、31の信号機情報を再生し、その再生情報に従って、たとえば、アイドリングストップ等の車両制御、または、カーナビゲーション制御等に必要な制御情報を生成して出力する。
【0017】
図2は、LED式信号機30、31と撮像装置2を含む全体的なシステム構造図である。この図において、LED式信号機30、31は、各々、LED式信号機の名前(あるいは位置座標、交差点名等そのLED式信号機を個別識別できる情報)や現在の点灯色及び点灯残り時間等のLED式信号機固有の点灯情報を記憶するメモリ305と、このメモリ305に記憶された点灯情報を読み出して輝度変化パターンを生成する送出情報生成部304と光源(LED式信号機30及び31の赤灯300、黄灯301、青灯302に相当)300〜302とを備える。
【0018】
メモリ305は、LED式信号機の名前(あるいは位置座標、交差点名等そのLED式信号機を個別識別できる情報)や現在の点灯色及び点灯残り時間等のLED式信号機固有の点灯情報を記憶するが、これらの情報は国土交通省道路局とネットワークを結ぶことにより書き換えるようにしてよい。
【0019】
送出情報生成部304は、まず、1及び0でコード化されたLED式信号機固有の点灯情報のi番目のビットを取り出し、そのビット値を判定し、論理信号1であれば不図示のパターンデータメモリから第1パターン系列(たとえば、“11010”)を取り出し、論理信号0であればパターンデータメモリから第2パターン系列(たとえば、“00101”)を取り出し、これらの第1パターン系列、第2パターン系列を光源に出力する。点灯中の光源は、論理信号1の区間で発光し、論理信号0の区間で消灯するという動作を行い、最終的に時系列的な輝度変化パターンを持つ光Pを出力する。
【0020】
たとえば、送信すべきLED式信号機固有の点灯情報が「01011000・・・・」というビット列でコード化されている場合、
iビット=0
i+1ビット=1
i+2ビット=0
i+3ビット=1
i+4ビット=1
i+5ビット=0
i+6ビット=0
i+7ビット=0
となるので、
iビット=第1パターン系列
i+1ビット=第2パターン系列
i+2ビット=第1パターン系列
i+3ビット=第2パターン系列
i+4ビット=第2パターン系列
i+5ビット=第1パターン系列
i+6ビット=第1パターン系列
i+7ビット=第1パターン系列
というように第1パターン系列、第2パターン系列を順次出力する。
【0021】
したがって、LED式信号機固有の点灯情報は、時系列的な輝度変化パターンを持つ光Pとして光源301〜302より出力されることになる。
【0022】
車両1に搭載された撮像装置2は、全体を制御するCPU20、CCDやCMOSなどからなる二次元イメージセンサーを含む撮像処理部21、信号検出/復号処理部22、応用処理部23及び運転・走行関連装置24などを備える。
【0023】
図3は、LED式信号機30、31の光源から送出されるデータフォーマットの一例図である。このデータ4は、現点灯データブロック41、次点灯ブロック42、次々点灯データブロック43を時系列に沿って順次出力される構成となっている。各ブロックは、次点灯ブロック42を代表例として説明すると、検出用プリアンブル部410、順序部411、点灯色部412、点灯時間部413、フラグ部414、輝度補正用情報部415の六つのサブブロックから構成されている。
【0024】
図4(a)〜(c)は、順序部411、点灯色部412及び点灯時間部413のデータテーブル図である。このテーブルに示すように、順序部411に設定されるデータが“00”のときは、そのデータブロックが現点灯データブロック41であることを示し、“01”のときは、次点灯データブロック42であることを示し、“10”または“11”のときは、未使用であることを示している。また、点灯色部412に設定されるデータについては “000”のときは赤色点灯、“001”のときは赤色点滅、“010”のときは黄色点灯、“011”のときは黄色点滅、“100”のときは青色点灯、“101”のときは青色点滅、“110”または“111”のときは、そのデータブロックが未使用ブロックであることが設定されている。また、点灯時間部413は、現点灯の残り時間(たとえば、0x7fであれば残り点灯時間127秒または7fであれば127秒以上)を示している。
【0025】
ちなみに、「現点灯」、「次点灯」及び「次々点灯」の3つが組みになっているのは、「現在が青色点灯の時に、次の赤色点灯で何秒待つか」まで予測できるようにするためである。また、プリアンブルは、2次元イメージデータの時系列から、目的信号領域を捕捉するためのビットパターンであり、擬似乱数として良好な特性を持つような符号が選択される。本実施形態では、一例として“1110100”の7ビットとしているがこれに限定されない。パターンを長くすれば(7ビット以上にすれば)、微弱信号に対する耐性を強くすることができるが、パターン検出のオーバヘッドが増えるので、微弱信号耐性とオーバヘッドの双方を勘案して適切なパターン長を設定すればよい。
【0026】
フラグ部414は、順序部411〜フラグ部414の並びの中にプリアンブル部410のデータと一致することがあり得るため、これを排除するために設けられている。プリアンブル部410のデータと、順序部411〜フラグ部414のデータとが一致してしまった場合、フラグ部414に“1”を立てることにより、プリアンブルパターンと一致しないようにしている。
【0027】
また、最後の輝度補正用情報部415は、上記のデータフォーマットにより輝度変調され、点滅する場合において、積分輝度のちらつきなどを排除することを目的とした1/0バランス(On/Offバランス)のために付加されるビットである。これにより、データブロックごとの輝度積分値を一定に制御する。
【0028】
この輝度補正パターンは、「1の個数並び」、「0の個数並び」という1/0境界位置が変化するだけの単純なパターンである。
【0029】
この輝度補正ビットにより、LED式信号機の出力は1/2Dutyのパルス駆動になったときに、通常の輝度レベルを満たせばよいように調整される。
【0030】
図5は、車両1に設けられた撮像装置2の構成図である。この図において、撮像装置2の撮像部211は、たとえば、CCDやCMOSなどのイメージセンサーで構成されており、光学レンズ部212を介して取り込まれた被写体の像を電気的なフレーム画像信号に変換し、キャプチャ画像クロック信号PCKに同期した周期でキャプチャ画像バッファ213に出力する。CPU20は、計時部201を備えており、撮像装置2の全体動作を制御するものである。その制御内容の詳細としては、キャプチャ画像バッファ213に取り込まれたフレーム画像をそのまま表示バッファ214に送り、液晶ディスプレイ215等の表示部に表示させる処理や、表示バッファ214に取り込まれた画像を不図示の画像メモリにキャプチャする処理などを行う。また、特に以下の処理を行う点に特徴がある。
【0031】
すなわち、CPU20は、タイミングジェネレータ210からのキャプチャクロック信号PCKに同期してキャプチャ画像バッファ213に取り込まれたフレーム画像を、そのフレーム画像ごとに、フレーム時系列バッファ220の各プレーンに順次に格納する。ここで、フレーム時系列バッファ220は、いずれも1枚のフレーム画像のサイズに相当する記憶容量を持つ第1プレーンから第nプレーンまでを備えており、プレーン数nは少なくとも、LED式信号機30、31におけるパターン系列のビット数Nに対応する。たとえば、前記の例示では第1及び第2のパターン系列のビット数が5ビット(N=5)であるため、フレーム時系列バッファ220のプレーン数nは少なくとも第1プレーンから第5プレーンまでの5プレーンとなる。以下、説明の便宜上、各パターン系列のビット数Nを5ビットにするとともにプレーン数nも5とすることにする。
【0032】
第1プレーンから第5プレーンへのフレーム画像の書き込み順は以下の通りである。
1番目のフレーム画像=第1プレーン
2番目のフレーム画像=第2プレーン
3番目のフレーム画像=第3プレーン
4番目のフレーム画像=第4プレーン
5番目のフレーム画像=第5プレーン
6番目のフレーム画像=第1プレーン
7番目のフレーム画像=第2プレーン
8番目のフレーム画像=第3プレーン
9番目のフレーム画像=第4プレーン
10番目のフレーム画像=第5プレーン
【0033】
このように順次第1プレーンから第5プレーンまでの書き込み動作をサイクリックに行う。
【0034】
CPU20は、各プレーンへの書き込み順を制御(実際はバッファポインタnの値を制御)するとともに、並行して、各プレーンに書き込まれたフレーム画像の中から時系列的な輝度変化パターンを持つ画素領域を抽出し、その輝度変化パターンを二値化等作業用バッファ222で二値化したり、相関度評価画像バッファ221で相関度評価したりする処理、及び、その二値化されたデータと、パターンデータメモリ223に保持されている基準パターン系列とを比較し、上記第1のパターン系列と一致した場合には論理信号1を発生し、一方、上記第2のパターン系列と一致した場合には論理信号0を発生して、それらの論理信号を、更新要求リスト2240、リストエントリ2241及びビットバッファ2242からなるデータリストメモリ224に格納するという処理を実行する。また、撮像装置2の液晶ディスプレイ215は、LED式信号機30、31による発光領域(光源)を含めた被写体像を表示し、さらに、必要であれば、その表示領域の特定部分にこの発光領域に関する情報を吹き出しなどの図形を模してオーバラップ表示する。なお、基準画像バッファ225は、車両1の走行振動に伴う撮影ブレ補正のためのものである。すなわち、フレーム時系列バッファ220に格納されている各フレーム画像と基準画像バッファ225に保存されている基準フレーム画像との間の動き量をなくす方向に各フレーム画像を水平移動することにより、車両1の走行振動に伴う撮影ブレを補正するためのものである。
【0035】
以上の各部は、図2の構成における撮像処理部21及び信号検出/復号処理部22に相当する。本実施形態では、これらの各部に加えて、さらに、動き系列ベクトルバッファ226、応用処理部23及び運転・走行関連装置24を含む。
【0036】
応用処理部23は、撮像処理部21及び信号検出/復号処理部22によって再生された情報、すなわち、LED式信号機30、31の信号機情報(現在の点灯色や点灯残り時間等の情報並びに必要であれば信号機を個別識別するための情報)に従って、たとえば、アイドリングストップ等の車両制御、または、カーナビゲーション制御等に必要な制御情報を生成して、運転・走行関連装置24に出力する。
【0037】
運転・走行関連装置24は、たとえば、エンジン等の駆動系制御装置240、ブレーキ等の制動系制御装置241、車速度や操舵情報の検出装置242、及び、表示や発音等による運転者への報知装置243などを含み、これら各装置からの所要の信号を応用処理部23に出力しつつ、応用処理部23からの情報を取り込み、その情報に従って、たとえば、アイドリングストップ等の車両制御、または、カーナビゲーション制御等を実行する。
【0038】
図6は、車両1の運転席から見た進行方向視界図である。この図において、フロントウィンドウ11を透して進行方向の視界が開けており、この視界内には、進行方向前方直近の交差点50と遠方の交差点51及びそれらの交差点に設置された二つの信号機30、31が入っている。破線で示す矩形110は、この車両に設けられている撮像装置2の撮影範囲を表しており、この撮影範囲には、少なくとも、二つのLED式信号機30、31の各光源(LED式信号機30及び31の赤灯300、黄灯301、青灯302)が含まれている。
【0039】
冒頭の従来技術で説明したフォトダイオードベースの受信器による変調信号の検出限界は高々10m〜20m程度であったが、本実施形態の撮像装置2では、それよりも遠距離(100m程度)の検出性能を得ることができる。このことについて説明する。
【0040】
今、撮像装置2の撮影仰角(図1において破線で記された範囲)を22度とする。この仰角では、例えば10m幅道路の停止線で停止中に、その道路の対面側に位置する高さ5mのLED式信号機を捉えられることができる角度に相当する。撮像装置2の検出範囲110が検出角度で22度×22度となるように光学系を調整する。また、センサS/N比とこの画角にあわせて、適切なレンズの明るさ(Fナンバー)を考慮する。
【0041】
次に、センサ(撮像部211のCCDやCMOS)の解像度であるが、高速通信のためには、本方式のビットレートを上げることが望ましく、それには、CCDやCMOSの全画素読み出しの周期を早くすることが効果的である。なおかつ、二次元センサが捉えた画像を人に見せる必要がなく、画像の質は問われない。そこで、実用的な改造を満たしながらもフレームレートを十分早くできるように、比較的低画素が望ましい。
【0042】
たとえば、現在一般的なVGA(640×480ドット)のセンサでは、読み出し速度30fps(フレーム/秒)は一般的に達成されている。これらの限界は主にカメラからのデータ転送の帯域幅にあるあるため、ほぼこの読み出し帯域幅を現在でも達成容易な速度であるとして、640×480×30=9216000ドット/秒となる。
【0043】
このドットデータ読み出しの帯域幅を、60×60ドットのセンサに対して利用すれば、9216000/(60×60)≒2560fpsまでのデータが読み出せるということになる。本実施の形態においてはフレームレートを2500fps、シャッタ速度を0.4ミリ秒として動作するものとする。
【0044】
図7は、撮像部211と赤灯300、黄灯301、青灯302との距離がそれぞれA、B、Cであったときの撮像部211にて撮像される赤灯300、黄灯301、青灯302の輝度変調領域を示すものである。同図において、距離Aを11m、撮像部211からみた赤灯300、黄灯301、青灯302の水平からの仰角αが1.56°とした場合、そのときに撮像される赤灯300、黄灯301、青灯302は、直径a(約4.2ドット)の範囲2110で取得することができる。距離Bを50m、撮像部211からみた赤灯300、黄灯301、青灯302の水平からの仰角βが0.34°とした場合、そのときに撮像される赤灯300、黄灯301、青灯302は、直径b(約0.9ドット)の範囲2111で取得することができる。また、距離Cを100m、撮像部211からみた赤灯300、黄灯301、青灯302の水平からの仰角γが0.17°とした場合、そのときに撮像される赤灯300、黄灯301、青灯302は、直径c(約0.5ドット)の範囲2112で取得することができる。
【0045】
すなわち、この結果によれば、車両1とLED式信号機30,31との距離を大まかに把握することもできるので、例えば、LED式信号機30,31から、そのLED式信号機の進行方向にある車両停止線上における、輝度変調領域が撮像領域に占める割合や位置に関する情報を変調して赤灯300、黄灯301、青灯302を発光させるようにすると、車両1とLED式信号機30,31との将来的な位置関係を車両1側で予測することも可能である。
【0046】
図8は、図1のLED式信号機30、31における赤灯300、黄灯301、青灯302の発光制御フローを示す図である。このフローにおいては、まず、データブロック4(図3における現点灯データブロック41、次点灯データブロック42、次々点灯データブロック43)に対応する情報をメモリ305から取り出し(ステップS1)、図3の順序部411、点灯色部412、点灯時間部413の各サブブロックデータを生成する(ステップS2)。
【0047】
次いで、これらのサブブロックのビットパターン列が、検出用プリアンブル部410のビットパターン列のプリアンブルパターンと同一のビットパターンを含むか否かを判定し(ステップS3)、含んでいる場合は、検出用プリアンブル部410のビットパターン列のプリアンブルパターンを“1110100”から“1010101”に変更し(ステップS4)、含んでいない場合は、フラグ部414のビットデータを0にする(ステップS5)。
【0048】
次いで、このプリアンブルパターンをサブブロックの先頭に付加し(ステップS6)、順序部411、点灯色部412、点灯時間部413、及び、フラグ部414からなるビットパターン列の“1”、“0”のバランスを計算して、輝度補正用情報部415に設定されるビットパターンを生成する(ステップS7)。
【0049】
次いで、出力キューの空きを判定し(ステップS8)、空きでなければ空きになるまで待機すると共に、空きがあれば、現点灯の発光駆動キューへ出力(ステップS8)した後、再びステップS1以降を繰り返す。
【0050】
これにより、LED式信号機30、31の赤灯300、黄灯301、青灯302から送信されるデータフォーマット(図3参照)の1に“点灯”を、ビット0に“消灯”を対応させた光Pが送出される。
【0051】
図9は、アイドリングストップ処理のフローチャートを示す図である。このフローチャートは、車速0(つまり、車両1においてエンジンは駆動していて停車状態)を、図5の運転・走行関連装置24のエンジン等駆動系装置240、車速度・操舵情報242からの情報が入力されることにより検知してフローチャートを開始する。まず、撮像部211にて撮像されたイメージを時系列的に連続して読み出し、もっとも距離の近いLED式信号機の光源(赤灯300、黄灯301、青灯302)に対応する輝度変調領域を取り出す(ステップS10)。
【0052】
図10は、輝度変調領域の取り出し概念図である。この図において、(a)に示すように、撮影画像2113にいくつかのLED式信号機画像30〜32が含まれている場合、路面が平坦かつ直線で、且つ、各LED式信号機の高さが同じであることを、図5の運転・走行関連装置24のエンジン等駆動系装置240、車速度・操舵情報242からの情報から入手する(例えば、エンジンへの負担と車速度・操舵履歴とから判断する)。この条件においては、最も近い位置のLED式信号機は、撮影画像2113の一番上に位置するLED式信号機30となる。したがって、(b)に示すような輝度変調領域を抽出した画像2114においては、LED式信号機画像30の光源に対応する輝度変調領域が2115、LED式信号機画像31の光源に対応する輝度変調領域が2116となり、結果として、LED式信号機画像30が、取り出すべき輝度変調領域となる。
【0053】
次いで、この輝度変調領域から受信される輝度変化を連続撮像することにより、図3のデータフォーマットに対応するビットパターン列を取得、対応するデータフォーマットに復号し、この復号されたデータフォーマットに含まれる点灯色部412に設定されているビットパターンより、当該光源が赤灯300かどうか判定する(ステップS11)。赤灯300でなければ、エンジンを定常処理(エンジンを駆動させた状態)に進み(ステップS19)、赤灯300であれば、点灯時間部413に設定されたビットパターンを読み込むことにより、赤灯300の点灯残り時間が第1の所定時間(たとえば、30秒)以上であるか否かを判定する。赤灯300の点灯残り時間が第1の所定時間を越えない場合は、定常処理(ステップS19)に進み、一方、赤灯300の点灯残り時間が第1の所定時間を越える場合は、アイドリングストップを行うために以下の処理を実行する。
【0054】
すなわち、音や表示によって運転者へアイドリングストップを開始する旨の警告を発し(ステップS13)、アイドリングストップを実行する(ステップS14)。なお、このとき、必要に応じてギヤ位置をニュートラルや発進用ギヤ位置に入れたり、また、サイドブレーキを効かせたりしてもよい。
【0055】
次に、赤灯300の点灯残り時間が第2の所定時間(たとえば5秒)になったか否かの判定(ステップS15)を行い、この残り時間が第2の所定時間を下回ったときには、運転者への告知を行うと共に、エンジンを再始動(ステップS16)してから定常処理(ステップS19)に進む。
【0056】
以上の説明では、アイドリングストップへの適用を例にしたが、これに限定されない。たとえば、カーナビゲーションに適用してもよい。
【0057】
図11は、カーナビゲーションシステムへの適用例を示す図である。この図において、車両1のダッシュボードには図5の液晶ディスプレイ215として、カーナビゲーションのディスプレイを対応させており、そのディスプレイには、撮像装置2で撮影された車両1の進行方向前方画像216と共に、同画像に含まれるLED式信号機30の光源(青灯302)に対応する輝度変調領域からの情報が所定のエリア217に文字(たとえば“残り4秒”)で表示されている。
【0058】
このように、アイドリングストップのみならず、カーナビゲーションのディスプレイ装置35を利用して、LED式信号機からの情報を視覚化して表示することにより、運転者に対して早期の発進準備態勢をとらせるようにでき、もたつきのないスムーズな発進を促して、交通の円滑な流れを促進することができる。
【0059】
以上のとおりであるから、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)最寄りのLED式信号機からの情報に従って、車両が停止すべき時間を正確に把握し、アイドリングストップを自動的または半自動的に行うことができるようになる。このため、機械的な条件(サイドブレーキを引いて停止した等)でアイドリングストップを行った場合のような、不適切なアイドリングストップ(とそれに伴う再始動)による環境への負担(CO2排出など)軽減並びにバッテリ等の車両への負担を低減することができる。
【0060】
(2)半自動または自動でアイドリングストップを行わない場合でも、運転者に的確にアイドリングストップの判断情報を提示することができる。
【0061】
(3)半自動や自動で再始動を行わない場合でも、的確にユーザにエンジン再始動の情報を提示できる。
【0062】
(4)LED式信号機からの情報の送信を信号灯光源の輝度変化を伴う発光、この情報の受信を撮像デバイスによる撮像で実現しているので、電波による送受信において指摘される混信や干渉の心配が無く、複数のLED式信号機からの情報をも混信なく捕捉・弁別することができる。
【0063】
なお、以上の実施形態に限定されることなく、その技術思想の範囲内において様々な発展例や変形例を含むことはもちろんであり、たとえば、以下のようにしてもよい。
【0064】
(第2の実施形態:検出範囲の異なるセンサの組み合わせ)
図12は、第2の実施形態の概念図である。この第2の実施形態では、上下に配置された二つの撮像部61、62を備え、これら二つの撮像部61、62の合成水平・垂直画角を上記の実施形態と同様の22度×22度としている。上に位置する撮像部61の水平・垂直画角は20度×12度(60ドット×20ドットに相当)であり、下に位置する撮像部62の水平・垂直画角は10度×10度(50ドット×50ドットに相当)である。上に位置する撮像部61の検出範囲610にLED式信号機30が入り、下に位置する撮像部62の検出範囲620にLED式信号機31が入るようになっている。この構成の場合、特に中央部(下に位置するセンサ62の検出範囲620)は10度×10度で前記の実施形態と同じ精細度なら、およそ、30×30ドットになるところを、50ドット×50ドットのように細かくしている。これで、中央部のドット被覆の角度は、およそ1.7倍、つまり、被覆面積の細かさとしては2.7倍になり、その分限界距離が伸びることになる。なおかつ、処理すべきドット数としてみると、60×20+50×50=3,700であり、60×60=3,600とほとんど同じである。
【0065】
なお、個々の検出画像の一座標は、両者の撮像部のドット位置を算出後、全体の統一の二次元座標系に変換する手段を持ち、統一的な位置関係に直される。
【0066】
(第3の実施形態:撮像センサのステレオ化による距離情報の併用)
また、距離について、前記の実施形態では、検出領域の上側=より近いLED式信号機という処理で行っていたが、道路の起伏によっては誤検出もありうる。また、LED式信号機の運行情報をもとにした最適条件は、距離が正確にわかれば、より最適な運転支援が可能になる。
【0067】
図13は、第3の実施形態の概念図である。この第3の実施形態では、演算装置70、第1撮像部71、及び、第2撮像部72用いてステレオ視処理を行うことで、LED式信号機30、31までの正確な距離を算出できるようにしている。これにより、停止時のアイドリングストップだけでなく、LED式信号機30、31までの距離と点灯タイミングを考慮した最適な運転制御、または運転参考情報の提示が可能になる。
【0068】
図14は、第3の実施の形態の車両1に設けられた演算装置70、第1撮像部71、及び、第2撮像部72の接続及び回路構成図である。上記1の実施の形態と同じ処理を行う回路部については同じ番号を付しその説明は省略するが、同図において、第1撮像部71の撮像部711は、たとえば、CCDやCMOSなどのイメージセンサーで構成されており、光学レンズ部712を介して取り込まれた被写体の像を電気的なフレーム画像信号に変換し、キャプチャ画像クロック信号PCK1に同期した周期でキャプチャ画像バッファ713に出力する。また、タイミングジェネレータ210からのキャプチャクロック信号PCK1に同期したCPU200からの制御に基づいて、キャプチャ画像バッファ713に取り込まれたフレーム画像を、そのフレーム画像ごとに、フレーム時系列バッファ715の各プレーンに順次に格納する。
【0069】
更にCPU200は、各プレーンに書き込まれたフレーム画像の中から時系列的な輝度変化パターンを持つ画素領域を抽出し、その輝度変化パターンを二値化等作業用バッファ717で二値化したり、相関度評価画像バッファ716で相関度評価したりする処理、及び、その二値化されたデータと、パターンデータメモリ223に保持されている基準パターン系列とを比較し、上記第1のパターン系列と一致した場合には論理信号1を発生し、一方、上記第2のパターン系列と一致した場合には論理信号0を発生して、それらの論理信号を、更新要求リスト7181、リストエントリ7182及びビットバッファ7183からなるデータリストメモリ718に格納するという処理を実行する。
【0070】
第2の撮像部72の撮像部712についても動作は上記第1の撮像部71と同様である。ただし処理については、タイミングジェネレータ210からのキャプチャクロック信号PCK2に同期し、上記第1の撮像部71と独立して行われる。
【0071】
距離演算部202は上記キャプチャ画像バッファ713と813、または、フレーム画像バッファ715と815、または、二値化作業バッファ716と816、もしくは、動きベクトル系バッファ719と819に一時記憶された画像(プレーン)を合成するバッファを内蔵し、光源(青灯302〜赤灯300における点灯している光源)を捕らえた輝度変調領域の互いの中心位置から、車両1とLED式信号機30、31までの距離を演算する回路部である。
【0072】
図15は距離演算部202の処理内容を説明するものであり、(a)は、光源までの距離がかなりあるケース、(b)は、光源までの距離があまりないケースを例示するものである。(a)において、それぞれの撮像部711、811で捕らえた光源300〜302は同じ光源であることが送信されたデータフォーマットから判別される。その際、同時にこれらの光源がキャプチャされた画像全体において中心に近い位置にあることが、合成された画像202において互いの中心位置間の距離、すなわち視差L1から判定される。
【0073】
一方(b)においては、光源300〜302はキャプチャされた画像全体において中心から遠く、合成された画像202において互いの中心位置間の距離、すなわち視差L2が上記L1よりも距離があることから判定される。
【0074】
なお、車両1とLED式信号機30、31までの距離を演算するケースにおいては、この他
(ア)運転・走行関連装置24から取得した情報(移動しているか、あるいは、停止しているか)と光源とが連動して動くか否かで、道路上に設置された指標(LED式信号機30、31)の光源か、もしくは、前方車両のブレーキランプ、ハザードランプかを判断する。
(イ)信号機の光源の直径は規格上、サイズが統一されているので、上記の図第1の実施の形態(図7)の処理内容を応用し、デフォルトでCPU200に記憶された正規の信号機光源の直径と、撮像部711、712で捕らえた光源直径とを比較する。
等、様々な要因を考慮させることで演算することができるので、これらの情報を総合的に勘案して車両1とLED式信号機30、31までの距離を演算する。
【0075】
図16は、第3の実施形態の処理フローを示す図である。このフローでは、まず、撮像部71、72がLED式信号機の光源に対応する輝度変調領域を検出することでスタートする。そして、上記図14、図15を用いて詳述した手法で、距離演算部202にて2つの撮像部71、72の視差より、LED式信号機との距離算出、運転・走行関連装置24から取得した現走行速度からLED式信号機への到達時間予測を行う(ステップS20)。次いで、到達予測時間に所定のマージンを加えた時間と、本青灯の残り時間とを比較し、本青灯の残り時間が第3の所定時間以上であればフローを終了する一方、本青灯の残り時間が第3の所定時間以下であれば、停止が近いことを運転者へ告知し(ステップS22)、運転者の操作の有無判定(ステップS23)を経て、運転者の操作が無い場合は、運転・走行関連装置24のエンジン等駆動系装置240、制御系装242へ制御(ステップS24)を行った後、フローを終了する。
【0076】
このようにすると、前方のLED式信号機について赤灯点灯までの時間を予測することができ、自動的なクルーズコントロールができるようになる。
【0077】
(第4の実施形態:ナビゲーションルートの動的変更への適用)
また、ナビゲーション経路中のかなり先の信号機で長い停止が予想される場合には、その信号への到達距離(到達時間)を勘案して、選択可能な別の経路があれば、その経路へ動的にルート変更するようにしてもよい。
【0078】
図17は、第4の実施形態を示す図である。なお、第4の実施の形態においては、車両1は、上記第3の実施の形態にて説明したシステム(演算装置70、撮像部71、及び、72)を搭載しているものとする。同図において、車両1の本来の進行ルート53には、二つのLED式信号機30、31が設置されており、LED式信号機30を車両1の撮像部71、72がこのLED式信号機30が撮像すると、そのデータフォーマット(点灯色部412、点灯時間部413)から「青灯302点灯、残り時間10秒・・・・」という情報が同時に検出され、同時に、LED式信号機31についても、そのデータフォーマット(点灯色部412、点灯時間部413)から「青灯302点灯、残り時間5秒・・・・」という情報が同時に検出されたとする。この場合、車両1に搭載された撮像装置71、72は、検出結果から「LED式信号機31への到達が11秒後で且つ同信号機での待ち時間が29秒である」ことを予測でき、この場合、車両1の本来の進行ルート47の迂回ルート50が存在するときには、この迂回ルート50への変更を案内することができる。
【0079】
図18は、第4の実施形態の具体的な動作を示すフローチャートである。このフローチャートにおいては、車両1に搭載された演算装置70の応用処理部23はナビゲーションシステムを内蔵し、当初のルートとして、上記図17におけるルート53が設定されているものとする。まず、上記図17において、LED式信号機31の光源を車両1の撮像部71、72が捕捉すると、演算装置70の距離演算部202は、撮像部71、72で捕らえた画像における視差より、その捕捉した時点でのLED式信号機31までの距離を演算する(ステップS30)。
【0080】
次にCPU200は、運転・走行関連装置24から情報を取得することにより、その捕捉した時点での、LED式信号機31に到達する到達時間T1を予測し(ステップS31)、一方、LED式信号機31の光源(輝度変調領域)であるところの青灯302〜赤灯300に含まれている点灯色部412、点灯時間部413のデータから、その点灯色で点灯維持される点灯残り時間T2を取得する(ステップS32)。そして、この捕捉した光源が青灯302か否か判断する(ステップS33)。青灯302の点灯であると判断した場合、この青灯302の点灯残り時間T2と到達時間T1とを比較し(ステップS34)、点灯残り時間T2が到達時間T1よりも短い場合は、車両1がLED式信号機31に到達する頃には黄灯301、もしくは赤灯300が点灯することになるので、次のステップS36に移行するが、点灯残り時間T2が到達時間T1よりも長い場合は、到達当初のルートでナビゲート出力する(ステップS46)。
【0081】
一方、ステップS33において、青灯302の点灯でないと判断した場合は、黄灯301、赤灯300であるため、点灯残り時間T2と到達時間T1とを比較し(ステップS35)、点灯残り時間T2が到達時間T1よりも十分短い場合は、車両1がLED式信号機31に到達する頃には青灯302が点灯することになるので、次のステップS36に移行するが、点灯残り時間T2が到達時間T1よりも十分長い場合は、到達当初のルートでナビゲート出力する(ステップS46)。
【0082】
ステップS36は、車両1がLED式信号機31に到達する時点で車両1が「信号待ち状態」となることが予測される場合の処理を示すものである。この場合、演算装置70は、LED式信号機31の光源よりも更に大きい(面積の広い)変調領域、すなわち信号機光源を捕捉したか否かを判断する。すなわちこの判断は、図17を用いて説明すると、LED式信号機31の前のLED式信号機30を捕捉したか否かを示すものである。
【0083】
ステップS30〜S35の処理によるLED式信号機の光源捕捉の後(もしくはほぼ同時)に更に大きい(面積の広い)光源捕捉した場合は、すなわち、上記図17において、LED式信号機30の光源を車両1の撮像部71、72が捕捉すると、演算装置70の距離演算部202は、撮像部71、72で捕らえた画像における視差より、その捕捉した時点でのLED式信号機30までの距離を演算する(ステップS37)。
【0084】
次にCPU200は、運転・走行関連装置24から情報を取得することにより、その捕捉した時点での、LED式信号機30に到達する到達時間T3を予測し(ステップS38)、一方、LED式信号機30の光源(輝度変調領域)であるところの青灯302〜赤灯300に含まれている点灯色部412、点灯時間部413のデータから、その点灯色で点灯維持される点灯残り時間T4を取得する(ステップS39)。そして、この捕捉した光源が青灯302か否か判断する(ステップS40)。青灯302の点灯であると判断した場合、この青灯302の点灯残り時間T4と到達時間T3とを比較し(ステップS41)、点灯残り時間T4が到達時間T3よりも短い場合は、車両1がLED式信号機30に到達する頃には黄灯301、もしくは赤灯300が点灯することになるので、迂回ルートは無いものと判断し、到達当初のルートでナビゲート出力する(ステップS46)。逆に点灯残り時間T4が到達時間T3よりも長い場合は、LED式信号機30に到達した場合であっても、当初のルートで直進せずに、迂回ルートを走行できる可能性があることから、ナビゲーションシステムに問い合わせ、道路情報の取得処理を行う(ステップS43)。
【0085】
一方、ステップS40において、青灯302の点灯でないと判断した場合は、黄灯301、もしくは、赤灯300であるため、点灯残り時間T4と到達時間T3とを比較し(ステップS42)、点灯残り時間T4が到達時間T3よりも十分長い場合は、車両1がLED式信号機30に到達しても赤灯300が点灯することになるので、迂回ルートは無いものと判断し、到達当初のルートでナビゲート出力する(ステップS46)。逆に、点灯残り時間T4が到達時間T3よりも短い場合は、車両1がLED式信号機30に到達した時点で青灯302が点灯することになるので、当初のルートで直進せずに、迂回ルートを走行できる可能性があることから、ナビゲーションシステムに問い合わせ、道路情報の取得処理を行う(ステップS43)。
【0086】
ステップS43にて道路情報の取得処理を行い、迂回ルートが存在する場合、すなわち図17においてルート54が存在する場合は、例えば、液晶ディスプレイ215に出力する等により迂回ルートがあることをドライバーに知らせる(ステップS45)。
【0087】
このように、第4の実施の形態によれば、ナビゲーション経路中のかなり先の信号機で長い停止が予想されるときに、その信号への到達距離(到達時間)を勘案し、選択可能な別の経路(迂回ルート)があれば、その経路へのルート変更を通知することができる。
【0088】
(第5の実施形態)
また、以上の各実施形態では、LED式信号機の光源の輝度変化を車両1の撮像装置2、71、72に伝達するように構成しているが、これに限らず、たとえば、車両間での通信に適用して安全走行のための情報取得や車両の制御を行うようにしてもよい。本第5の実施形態では、例えば、自己の車両の前方の車両が制動をかけ、これによりブレーキランプが点灯した場合、その点灯されたブレーキランプの輝度変調領域を検出することにより、自己の車両における報知内容に反映させる例を挙げる。
【0089】
図19は、第5の実施形態の概念図である。この図において、今、自己の車両1の前方に遠近2台の車両7、8が走行しており、自車の近くに位置する車両7は隣接車線55を走行中で、自車の遠方に位置する車両8は自車の走行車線56を走行中であるものとする。
【0090】
このとき、これら二台の車両7、8のブレーキランプ701、801が点灯したとすると、車両1を運転するドライバーは、ブレーキランプ701、801の点灯を目視しただけでは、それが緊急制動によるものか、減速によるものかが区別できないが、二台の車両7、8のブレーキランプ701、801にLED光源を用いると共に、それら二台のドライバーによる車両7、8のブレーキの踏み込み速度や強さをデータに変換しブレーキランプ701、801の点灯を輝度変調させ、一方、車両1では撮像装置71、72でブレーキランプ701、801を撮像することによりそのブレーキの踏み込み速度や強さを取得し、報知する場合を以下に詳述する。
【0091】
図20は、第5の実施形態における車両7、8で処理されるブレーキランプ701、801の点灯処理のフローチャートを示す図である。
図21は、車両1で処理される制御フローチャートを示す図である。
まず、図20のブレーキランプ701、801の点灯処理のフローチャートにおいては、車両7、または8のドライバーのブレーキ操作を検出することにより処理がスタートする。この時、ブレーキ踏圧を符号化し、変調データとする(ステップS50)、そして、この変調されたデータでブレーキランプを点灯するよう制御し(ステップ51)、通常処理に復帰する。
【0092】
一方、図21にて示すように車両1の制御フローチャートは、車両7、もしくは8のブレーキランプ701、または801が点灯し、この点灯した光源を撮像部71、72にて捕捉して変調データを取得することによりスタートする。このとき、車両1とブレーキランプ701、または、801と車両1との距離を第4の実施の形態で詳述したように視差に基づいて演算し(ステップS60)、同時に、図2にて送信されたブレーキ踏圧や、運転・走行関連装置24から取得した情報に基づいて、光源捕捉した時点で車両7、もしくは8と車両1とが接触するか否か、また接触する場合にはその時間を予測し(ステップS61)、その予測結果を出力して(ステップS62)、通常処理に復帰する。
【0093】
なお、ステップS62において出力される予測結果とは、例えば、
(カ)長距離での急ブレーキの場合には、単に運転者への告知にとどめる。
(キ)中距離で中程度のブレーキまたは隣接車線での急ブレーキの場合には、ドライバーへの告知に加えて、運転・走行関連装置24への加速の抑制を行う。
(ク)弱いブレーキ踏圧であるが車間距離が短い、または、強いブレーキ踏圧だが、車間距離が比較的開いている場合、ドライバーへの告知と共に運転・走行関連装置24に対し強制制動を行う。
等が考えられるが、これらは道路の状況や走行状態により様々なケースが考えられるので、本実施の形態では省略する。
【0094】
なお、具体的な出力の方法を例示するとすれば、図19に示すように、フロントウィンドウ枠に設けられた警告灯12〜14を点灯したり、警告音を発したりして、いち早く運転者に報知するケースが考えられる。これにより、前方車両のブレーキ操作に応じて、また、前方車両との距離に応じて、ドライバーが操作する車両に適切な対応をとらせることができる。
【0095】
なお、本実施形態においては、各車両が独立して光源を点灯することになるが、この場合、光源を捕捉する撮像部の処理は、捕捉した光源に含まれる変調データについて、常に変調位相PLL処理を行い、周期的に位相を変更して個別に取得することで対応させるようにする。
【0096】
図22は、位相調整の概念図である。この図において、2500フレーム/秒で捕捉した光源から変調データの読み出しを行うとき、プリアンブルパターン分の枚数のフレームについて、(a)のように位相を調整する。具体的な処理としては(b)のフローチャートに示すよう7ビット分フレームキャプチャして格納し(ステップS70)、相関度評価を行い(ステップS71)、その評価結果に従って信号が検出されたか否かを判定する(ステップS72)。そして、信号が検出された場合は、ビット数分フレームキャプチャして変調データをデコードし(ステップS73)、その後、位相を2π/3だけ進める(ステップS74)。一方、検出されない場合でも、位相を2π/3だけ進める(ステップS74)。
【0097】
このようにすれば、時分割的に光源捕捉、及び、デコード処理を可能にすることができる。なお、本実施の形態では、LED式信号機に設置された光源と、車両に設置された撮像装置を例に説明したが、これに限らず光源を街灯や広告灯、道路案内等の指標に設置してもよく、撮像装置は、歩行者が携帯する電子機器に設置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1の実施形態の利用状態を示す概念図である。
【図2】LED式信号機30、31と撮像装置2を含む全体的なシステム構造図である。
【図3】LED式信号機30、31の光源から送出されるデータフォーマットの一例図である。
【図4】LED式信号機の光源から送出されるデータフォーマットにおけるデータテーブルの図であり、(a)は順序部、(b)は点灯色部、(c)は点灯時間部のデータテーブルを示す。
【図5】車両に設けられた撮像装置2の構成図である。
【図6】車両の運転席から見た進行方向視界図である。
【図7】各距離における光源の検出画素サイズを示す図である。
【図8】LED式信号機の発光制御フローチャートを示すである。
【図9】アイドリングストップ処理のフローチャートを示す図である。
【図10】信号機光源の取り出し概念図であり、(a)は撮像された画像データ、(b)は輝度変調領域が抽出された画像データである。
【図11】カーナビゲーションシステムへの適用例を示す図である。
【図12】第2の実施形態の概念図であり、(a)は利用状態、(b)は車両の運転席から見た進行方向視界図である。
【図13】第3の実施形態の概念図である。
【図14】第3の実施形態における車両に設けられた撮像装置、演算装置の接続及び回路構成である。
【図15】距離演算部の処理内容を説明する図であり、(a)は信号機との距離が遠い場合、(b)は信号機との距離が近い場合を示す図である。
【図16】第3の実施形態の処理フローチャートを示す図である。
【図17】第4の実施形態を示す図である。
【図18】第4の実施形態の動作フローチャートを示す図である。
【図19】第5の実施形態の概念図である。
【図20】第5の実施形態におけるブレーキランプ点灯処理のフローチャートを示す図である。
【図21】第5の実施形態における自車側の制御フローチャートを示す図である。
【図22】位相調整の概念図である。
【符号の説明】
【0099】
1 車両
2、61、62、71、72 撮像部
12、13、14 警告灯
20 CPU
21 撮像処理部
22 信号検出/復号処理部
23 応用処理部
24 運転・走行関連装置
30、31 LED式信号機
41 現点灯データブロック
42 次点灯データブロック
43 次々点灯データブロック
50、51、55、56 道路
70 演算装置
110 撮影範囲
202 距離演算部
211 撮像部
215 液晶ディスプレイ
240 エンジン等駆動系装置
241 制御系装
242 車速度、操舵情報
243 運転手への表示・発音装置
300 青灯
301 黄灯
302 赤灯
303 メモリ
304 送出情報生成部
410 検出用プリアンブル部
411 順序部
412 点灯色部
413 点灯時間部
414 フラグ部
415 輝度補正用情報部
701、801 ブレーキランプ
2110、2111、2112 輝度変調領域
2113 撮影画像
2114 輝度変調領域を抽出した画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動規則が設定されたフィールド上に存在する光源と、当該フィールドを移動する移動体とともに移動する撮像装置とからなる情報伝送システムであって、
前記光源は、
移動規則を取得する取得手段と、
この取得手段によって取得された移動規則を、当該光源の輝度を変調するためのデータに符号化する符号化手段と、
この符号化手段によって符号化された移動規則に基づいて当該光源の輝度を変調する輝度変調手段を備え、
前記撮像装置は、
時系列的に連続して撮像した撮像領域より、前記輝度変調手段により輝度変調された輝度領域を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号手段と、
この復号手段により復号された移動規則に基づいて前記移動体を導く誘導手段と
を備えることを特徴とする情報伝送システム。
【請求項2】
前記移動規則は時系列を伴って周期的に変化するものであり、
前記取得手段は、前記移動規則とともにこの周期的変化を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報伝送システム。
【請求項3】
前記撮像装置は、
前記検出手段によって検出された輝度領域に基づいて、当該撮像装置と前記光源との距離を演算する距離演算手段を更に備え、
前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記距離演算手段によって演算された当該撮像装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体を導くことを特徴とする請求項2に記載の情報伝送システム。
【請求項4】
前記撮像装置は、
前記検出手段によって検出された輝度領域の面積を取得する輝度領域面積取得手段を更に備え、
前記距離演算手段は、前記輝度領域面積取得手段によって取得された輝度領域の面積に基づいて、当該撮像装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項3に記載の情報伝送システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、
前記検出手段によって検出された輝度領域の撮像領域における位置を取得する輝度領域位置取得手段を更に備え、
前記距離演算手段は、前記輝度領域位置取得手段によって取得された輝度領域の位置に基づいて、当該撮像装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項3に記載の情報伝送システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、当該撮像装置を伴って移動する移動体の移動情報を取得する移動情報取得手段と、
この移動情報取得手段によって取得された移動情報と前記距離演算手段によって演算された当該撮像装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体と前記光源との将来的距離を予測する予測手段とを更に備え、
前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記予測手段によって予測された将来的距離に基づいて前記移動体を誘導することを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の情報伝送システム。
【請求項7】
前記撮像装置は、
前記誘導手段が移動体を導く情報を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の情報伝送システム。
【請求項8】
前記移動体は前記フィールドを移動するための駆動手段を備え、
前記誘導手段は、前記駆動手段を制御する駆動制御手段を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の情報伝送システム。
【請求項9】
前記光源は、フィールド上に設置された信号機、または、他の移動体に設置された警告灯、または指示灯であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の情報伝送システム。
【請求項10】
撮像手段と、
この撮像手段による撮像領域から、フィールドにおける移動規則を変調して発光する光源の輝度領域を検出する検出手段と、
この検出手段によって検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号手段と、
この復号手段により復号された移動規則に基づいて、当該フィールドを移動する移動体を導く誘導手段と
を備えることを特徴とする誘導装置。
【請求項11】
前記移動規則は時系列を伴って周期的に変化するとともに、前記光源は前記移動規則とともに前記周期的変化も変調して発光し、
前記検出手段によって検出された輝度領域に基づいて、当該装置と前記光源との距離を演算する距離演算手段を更に備え、
前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記距離演算手段によって演算された当該装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体を導くことを特徴とする請求項10に記載の誘導装置。
【請求項12】
前記検出手段によって検出された輝度領域の面積を取得する輝度領域面積取得手段を更に備え、
前記距離演算手段は、前記輝度領域面積取得手段によって取得された輝度領域の面積に基づいて、当該装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項11に記載の誘導装置。
【請求項13】
前記検出手段によって検出された輝度領域の撮像領域における位置を取得する輝度領域位置取得手段を更に備え、
前記距離演算手段は、前記輝度領域位置取得手段によって取得された輝度領域の位置に基づいて、当該装置と前記光源との距離を演算することを特徴とする請求項11に記載の誘導装置。
【請求項14】
当該装置は前記フィールドを移動する移動体に設置され、この移動体の移動情報を取得する移動情報取得手段と、
この移動情報取得手段によって取得された移動情報と前記距離演算手段によって演算された当該装置と前記光源との距離とに基づいて、前記移動体と前記光源との将来的距離を予測する予測手段とを更に備え、
前記誘導手段は、前記復号手段により復号された移動規則と、前記予測手段によって予測された将来的距離に基づいて前記移動体を誘導することを特徴とする請求項11乃至13の何れかに記載の誘導装置。
【請求項15】
前記移動体は前記フィールドを移動するための駆動手段を備え、
前記誘導手段は、前記駆動手段を制御する駆動制御手段を含むことを特徴とする請求項14に記載の誘導装置。
【請求項16】
前記誘導手段が移動体を導く情報を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項10乃至15の何れかに記載の誘導装置。
【請求項17】
撮像ステップと、
この撮像ステップによる撮像領域から、フィールドにおける移動規則を変調して発光する光源の輝度領域を検出する検出ステップと、
この検出ステップにて検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号ステップと、
この復号ステップにより復号された移動規則に基づいて、当該フィールドを移動する移動体を導く誘導ステップと
からなることを特徴とする誘導方法。
【請求項18】
コンピュータを、
撮像手段、
この撮像手段による撮像領域から、フィールドにおける移動規則を変調して発光する光源の輝度領域を検出する検出手段、
この検出手段によって検出された輝度領域から前記移動規則へ復号する復号手段、
この復号手段によって復号された移動規則に基づいて、当該フィールドを移動する移動体を導く誘導手段
として機能させることを特徴とする誘導プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−264905(P2007−264905A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87371(P2006−87371)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】