説明

情報処理装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 位置を適切に特定できるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 ナビゲーションシステム100のサーバ装置400は、端末装置300から送信された方面看板の画像に関する撮像画像データを取得して、この撮像画像データの方面看板に関する登録画像データを有する登録看板情報を記憶手段から検索する。サーバ装置400は、この検索した登録看板情報が有する基準位置情報の位置を撮像画像データが撮像された撮像位置として特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置を特定する情報処理装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人物や建造物などの目標が存在する位置を、端末装置に表示させる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、例えば撮像機能を有する端末装置で撮像した画像を、その撮像位置に関する位置情報に関連付けて登録する構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載ものは、通信相手側であるユーザの所在している位置(緯度・経度・高度)情報を自機宛てに転送させる。そして、自機内のGPS(Global Positioning System)受信部にて、自分が現在いる位置(緯度・経度・高度)の情報を取得する。さらに、カメラ部が向いている方位(パン角度)の情報および向いている高さ方向の角度(チルト角度)の情報を取得する。この後、通信相手側のユーザの所存する位置情報と、自分自身の位置情報およびその時点でカメラ部が向いている方位情報および角度情報により、カメラ部で撮像する画像中に通信相手側のユーザの所在する位置を表示させる。
【0004】
また、特許文献2に記載のものは、携帯電話にて、画像サーバ装置に画像を登録するために必要な登録フォームを取得するために、画像サーバ装置に登録フォームの送信を要求する。そして、画像サーバ装置は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)ヘッダからゲートウェイ装置で付加された位置情報を抽出して記録する。この後、画像サーバ装置は、登録フォームの特定の場所に位置情報を付加して携帯電話へ電子メールで送信する。また、携帯電話は、登録フォームを受信すると、登録フォームに画像のタイトルなどを記入し画像を添付して画像サーバ装置に画像登録メールを送信する。そして、画像サーバ装置は、画像登録メールを受信して、画像、位置情報、タイトルなどの付加情報を分離し、画像データベースに登録する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−121195号公報(第5頁左欄−第11頁右欄)
【特許文献2】特開2003−169287号公報(第2頁右欄−第3頁左欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような特許文献1のような構成では、端末装置にGPS受信部を設ける必要があるため、端末装置の小型化を図りにくいおそれがあるという問題点が一例として挙げられる。また、特許文献2のような構成では、ゲートウェイ装置が存在する位置に関する位置情報が画像に関連付けられるため、画像に関連付けられた位置および画像の撮像位置が離隔しているおそれがあるという問題点が一例として挙げられる。
【0007】
本発明の目的は、位置を適切に特定可能な情報処理装置、そのシステム、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得する構造物視認情報取得手段と、前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断する対応判断手段と、この対応判断手段で前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定する撮像位置特定手段と、を具備したことを特徴とした情報処理装置である。
【0009】
請求項12に記載の発明は、所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成する立体構造生成手段と、所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得する立体地図情報取得手段と、前記立体構造生成手段で生成した前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する撮像位置特定手段と、を具備したことを特徴とした情報処理装置である。
【0010】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の情報処理装置と、この情報処理装置にネットワークを介して各種情報が送受信可能に接続され、前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得する端末撮像画像データ取得手段、および、前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記情報処理装置へ送信するとともに前記情報処理装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像位置特定手段で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信する送受信手段を備えた端末装置と、を具備し、前記情報処理装置は、前記位置特定情報を生成して前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信する位置特定情報生成手段を備えたことを特徴とした情報処理システムである。
【0011】
請求項18に記載の発明は、端末装置で取得され所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置にて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理システムであって、前記端末装置は、前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得する端末撮像画像データ取得手段と、前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信するとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信する送受信手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得する構造物視認情報取得手段と、前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断する対応判断手段と、この対応判断手段で前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定する撮像位置特定手段と、この撮像位置特定手段で特定された前記位置に関する前記位置特定情報を生成して前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信する位置特定情報生成手段と、を備えたことを特徴とした情報処理システムである。
【0012】
請求項20に記載の発明は、端末装置で取得され所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置にて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理システムであって、前記端末装置は、前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得する端末撮像画像データ取得手段と、前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信するとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信する送受信手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成する立体構造生成手段と、所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得する立体地図情報取得手段と、前記立体構造生成手段で生成した前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する撮像位置特定手段と、この撮像位置特定手段で特定された前記位置に関する前記位置特定情報を生成して前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信する位置特定情報生成手段と、を備えたことを特徴とした情報処理システムである。
【0013】
請求項24に記載の発明は、演算手段により、所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、この撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理方法であって、前記演算手段は、前記撮像画像データを取得し、所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得し、前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断し、前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定することを特徴とする情報処理方法である。
【0014】
請求項25に記載の発明は、演算手段により、所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、この撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理方法であって、前記演算手段は、前記撮像画像データを取得し、前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成し、所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得し、前記生成した前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定することを特徴とする情報処理方法である。
【0015】
請求項26に記載の発明は、演算手段により、端末装置で取得され所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置で前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定させる情報処理方法であって、前記演算手段は、前記端末装置に、前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得させ、前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信させるとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信させ、前記サーバ装置に、前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得させ、所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得させ、前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断し、前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定させ、この特定させた前記位置に関する前記位置特定情報を生成させて前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信させることを特徴とする情報処理方法である。
【0016】
請求項27に記載の発明は、演算手段により、端末装置で取得され所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置で前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定させる情報処理方法であって、前記演算手段は、前記端末装置に、前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得させ、前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信させるとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信させ、前記サーバ装置に、前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得させ、前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成させ、所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得させ、前記生成させた前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定させ、この特定させた前記位置に関する前記位置特定情報を生成させて前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信させることを特徴とする情報処理方法である。
【0017】
請求項28に記載の発明は、演算手段を請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の情報処理装置として機能させることを特徴とした情報処理プログラムである。
【0018】
請求項29に記載の発明は、演算手段を請求項17ないし請求項23のいずれかに記載の情報処理システムとして機能させることを特徴とした情報処理プログラムである。
【0019】
請求項30に記載の発明は、請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の情報処理方法を演算手段に実行させることを特徴とした情報処理プログラムである。
【0020】
請求項31に記載の発明は、請求項28ないし請求項30のいずれかに記載の情報処理プログラムが演算手段にて読取可能に記録されたことを特徴とした情報処理プログラムを記録した記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の情報処理装置を備えたサーバ装置を有するナビゲーションシステムであって、利用者が撮像した画像に基づいて画像の撮像位置を特定して報知する構成を備えたシステムを例示して説明する。ここで、利用者が撮像位置から移動していない状況において報知される撮像位置は、利用者の現在位置に対応する。なお、ナビゲーションシステムとしては、利用者の現在位置を特定する構成に限らず、車両、二輪車、船舶などいずれの移動体の現在位置を特定する構成が対象となる。図1は、ナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。図2は、端末装置の概略構成を示すブロック図である。図3は、端末装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。図4は、サーバ装置の概略構成を示すブロック図である。図5は、地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図6は、地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図7は、登録看板リスト情報の概略構成を示す模式図である。図8は、サーバ装置を構成するCPUの概略構成を示すブロック図である。
【0022】
〔ナビゲーションシステムの構成〕
図1において、100は情報処理システムとしてのナビゲーションシステムである。このナビゲーションシステム100は、利用者が撮像した画像に基づいて撮像位置や現在位置を特定して報知するシステムである。そして、ナビゲーションシステム100は、ネットワーク200と、少なくとも1つの端末装置300と、サーバ装置400と、などを備えている。
【0023】
ネットワーク200には、端末装置300およびサーバ装置400が接続されている。そして、ネットワーク200は、無線媒体により情報が送受信可能な複数の中継手段としての基地局がネットワークを構成する通信回線網や放送網などのネットワークであり、端末装置300とサーバ装置400とを情報の送受信が可能な状態に接続する。このネットワーク200は、端末装置300から後述する撮像関連情報が送信されると、この端末装置300の近傍に配置された基地局にて撮像関連情報を受信する。そして、この撮像関連情報を受信した基地局は、撮像関連情報に基地局を特定する配置位置特定情報としての基地局情報を関連付けてサーバ装置400へ送信する。また、基地局は、サーバ装置400から後述する地図位置報知情報や文字列位置報知情報を取得すると、これらを所定の端末装置300へ送信する。ここで、地図位置報知情報および文字列位置報知情報が本発明の位置特定情報として機能する。なお、ネットワーク200として、例えばTCP/IPなどの汎用のプロトコルに基づくインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、さらには、端末装置300およびサーバ装置400間で情報を直接送受信するための媒体となる無線媒体自体などを適用してもよい。また、無線媒体としては、電波、光、音波、電磁波などのいずれの媒体をも適用できる。
【0024】
端末装置300は、例えばPDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯型パーソナルコンピュータなどである。端末装置300は、サーバ装置400からネットワーク200を介して配信される地図位置報知情報や文字列位置報知情報などを取得し、これらに基づいて撮像位置や現在位置に関する情報の報知などを実施する。そして、端末装置300は、図2に示すように、送受信手段としての送受信器310と、撮像手段320と、センサ部330と、端末入力部340と、報知手段としての表示手段である端末表示部350と、音声出力部360と、メモリ370と、演算手段としての処理部380と、などを備えている。
【0025】
送受信器310は、ネットワーク200を介してサーバ装置400に接続されるとともに、処理部380に接続されている。この送受信器310は、ネットワーク200を介してサーバ装置400から端末信号Stを受信可能で、この端末信号Stの取得によりあらかじめ設定されている入力インターフェース処理を実施し、処理端末信号として処理部380に出力する。また、送受信器310は、処理部380から処理端末信号が入力可能で、この入力される処理端末信号の取得によりあらかじめ設定されている出力インターフェース処理を実施し、端末信号Stとしてネットワーク200を介してサーバ装置400に送信する。
【0026】
撮像手段320は、例えばいわゆるCCD(Charge Coupled Devices)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどである。この撮像手段320は、端末装置300の図示しないケース体の例えば背面に臨んで配設されている。そして、撮像手段320は、処理部380の制御により、例えば道路の上方に配置され、所定の道路を直進した際や交差点で右折や左折あるいは直進した際に到達する場所の地名(以下、方面名称と称す)などを表す長方形の看板(以下、方面看板と称す)や、この方面看板の周辺の風景(以下、周辺風景と称す)などの画像を適宜取得すなわち撮像する。ここで、方面看板が本発明の交通案内を示す構造物に、周辺風景が本発明の地物に、それぞれ対応している。また、周辺風景としては、方面看板の周辺に存在する建造物や植物あるいは信号などが例示できるがこれらに限られず、方面看板の周辺に存在するいずれの物体を対象とすることができる。さらに、方面看板としては、長方形に限らず適宜他の形状の方面看板を対象としてもよい。そして、撮像手段320は、撮像した画像に関する撮像情報を処理部380へ出力する。
【0027】
センサ部330は、撮像手段320にて撮像処理が実施されている際に撮像手段320のレンズが向いている方位、すなわち利用者に対する撮像対象の方位を検出して処理部380に所定の信号として出力する。具体的には、センサ部330は、図示しないいわゆるジャイロセンサを有している。そして、利用者に対して撮像対象が存在する方位を検出し、方位データとして処理部380へ出力する。
【0028】
端末入力部340は、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えば端末装置300の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、撮像手段320で撮像している画像に関する撮像画像データの生成処理の実施、撮像位置を地図または文字列として表示させる旨の設定、情報の検索などが例示できる。そして、端末入力部340は、設定事項の入力操作により、所定の信号を処理部380へ適宜出力して設定させる。なお、この端末入力部340としては、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば端末表示部350に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
【0029】
端末表示部350は、処理部380にて制御され処理部380からの画像データの信号を画面表示させる。この端末表示部350としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。また、端末表示部350に表示させる画像データとしては、撮像手段320で撮像中の画像、この撮像中の画像における方面看板の位置を特定の位置、例えば画像における左上部分に設定する旨を促す位置特定フレーム、地図情報、テキストデータなどの画像データ、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、メモリ370からの画像データなどが例示できる。
【0030】
音声出力部360は、例えば図示しないスピーカなどの発音手段を有する。この音声出力部360は、処理部380にて制御され、処理部380からの音声データなどの各種信号を発音手段から音声により出力する。音声により出力する情報としては、例えば各種事項の設定案内や、利用者の現在位置などが例示できる。なお、発音手段は、例えばTV受信機で受信したTV音声データや記録媒体さらにはメモリ370などに記録された音声データなどをも適宜出力可能である。
【0031】
メモリ370は、ネットワーク200を介して取得した各種情報や、端末入力部340で入力操作される設定事項、あるいは音楽データや画像データなどを適宜記憶する。なお、格納する情報として例えば端末入力部340の入力操作により入力された情報をも記憶可能で、入力操作により格納された情報の内容が適宜更新可能となっている。また、メモリ370には、端末装置300全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどをも情報として記憶している。このメモリ370としては、HD(Hard Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0032】
処理部380は、図示しない各種入出力ポート、例えば送受信器310が接続される通信ポート、撮像手段320が接続される撮像ポート、センサ部330が接続されるセンサポート、端末入力部340が接続されるキー入力ポート、端末表示部350が接続される表示制御ポート、音声出力部360が接続される音声出力ポート、メモリ370が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部380は、各種プログラムとして、図3に示すように、撮像画像データ生成手段としての撮像制御手段381と、撮像方位認識手段382と、報知形態設定手段383と、端末撮像画像データ取得手段としての撮像関連情報生成手段384と、報知制御手段385と、などを備えている。
【0033】
撮像制御手段381は、撮像手段320からの撮像情報に基づいて、利用者により撮像された方面看板および周辺風景の画像(以下、撮像看板画像と称す)に関する撮像画像データを生成する。具体的には、撮像制御手段381は、撮像関連情報生成手段384からの撮像看板画像の撮像画像データの生成する旨の要求を認識すると、撮像手段320に画像の撮像を開始させる。そして、撮像手段320から撮像情報を取得して、この撮像情報の画像を端末表示部350に表示させる。さらに、この撮像情報の画像に位置特定フレームを重畳させて表示させる。ここで、位置特定フレームを表示させずに、音声出力部360に例えば「方面看板を左上に位置させてください」などの音声を出力させる構成としてもよい。また、撮像制御手段381は、利用者の入力操作に基づく端末入力部340からの撮像画像データの生成を要求する旨の操作信号を取得すると、この要求を認識した時点で撮像されている方面看板や周辺風景などの撮像画像データを生成してメモリ370に記憶させる。ここで、利用者が位置特定フレーム内に方面看板が位置する状態で撮像画像データを生成する旨の入力操作を実施した場合、方面看板は、撮像画像データにおける特定の位置に位置することとなる。また、撮像制御手段381は、撮像関連情報生成手段384から撮像画像データの生成要求を認識していない状況であっても、端末入力部340からの撮像画像データの生成を要求する旨の操作信号に基づいて、例えば人物や著名な建造物などの撮像看板画像以外の撮像画像データを適宜生成する。
【0034】
撮像方位認識手段382は、センサ部330からの方位データに基づいて、撮像画像データが生成された際の利用者に対する撮像対象の方位に関する撮像方位情報としてのコンパス情報を生成する。具体的には、撮像方位認識手段382は、撮像制御手段381の制御により撮像画像データが生成されたことを認識すると、この生成されたときの方位データをセンサ部330から取得する。そして、この方位データで示される利用者に対する撮像対象の方位に関するコンパス情報を生成してメモリ370に記憶させる。ここで、撮像看板画像の撮像画像データが生成された場合、コンパス情報は、利用者に対する方面看板の方位となる。
【0035】
報知形態設定手段383は、撮像関連情報生成手段384により制御され、撮像位置の報知形態に関する報知形態情報を生成する。具体的には、報知形態設定手段383は、撮像関連情報生成手段384からの報知形態情報を生成する旨の要求を認識すると、撮像位置を地図上に表示して報知する形態、および、撮像位置を「T市K町6丁目8番地」などの文字列で表示して報知する形態のうちのいずれか一方を選択する旨を、例えば端末表示部350に表示させる。ここで、いずれか一方の形態を選択する旨を音声出力部360から音声により出力させる構成としてもよい。そして、端末入力部340からのいずれか一方の形態を選択する旨の操作信号を取得すると、この選択された形態を記載した報知形態情報を生成してメモリ370に記憶させる。
【0036】
撮像関連情報生成手段384は、サーバ装置400で撮像位置を特定する際に利用される撮像関連情報を生成する。具体的には、撮像関連情報生成手段384は、例えば端末入力部340からの撮像位置の報知処理を開始する旨の操作信号を取得すると、撮像制御手段381に撮像看板画像の撮像画像データの生成を要求する。また、報知形態設定手段383に報知形態情報を生成する旨を要求する。そして、撮像関連情報生成手段384は、撮像看板画像の撮像画像データ、コンパス情報、および、報知形態情報をメモリ370から取得して、これらを1つのデータ構造として関連付けた撮像関連情報を生成する。さらに、この撮像関連情報を処理端末信号として適宜変換し、送受信器310およびネットワーク200を介してサーバ装置400へ出力する。
【0037】
報知制御手段385は、サーバ装置400からの地図位置報知情報や文字列位置報知情報などに基づいて、撮像位置を端末表示部350で報知させる。具体的には、報知制御手段385は、入力された処理端末信号に基づいて、この処理端末信号として配信された地図位置報知情報または文字列位置報知情報を取得してメモリ370に記憶させる。そして、地図位置報知情報を取得した場合、この地図位置報知情報に基づいて、地図に撮像位置を示す例えば丸や三角形などの形状を有するアイコンを重畳させた画像を端末表示部350に表示させて、撮像位置あるいは利用者の現在位置を報知させる。また、文字列位置報知情報を取得した場合、この文字列位置報知情報に基づいて、撮像位置を表す文字列の画像を端末表示部350に表示させて、撮像位置などを報知させる。
【0038】
サーバ装置400は、ネットワーク200を介して端末装置300と情報の送受信が可能となっている。そして、サーバ装置400は、図4に示すように、インターフェース410と、入力部420と、表示部430と、記憶手段440と、情報処理装置および演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)450と、などを備えている。
【0039】
インターフェース410は、ネットワーク200を介して端末装置300に接続されるとともに、CPU450に接続されている。このインターフェース410は、ネットワーク200を介して入力されるサーバ信号Ssに対してあらかじめ設定されている入力インターフェース処理を実行し、処理サーバ信号としてCPU450へ出力する。また、インターフェース410は、CPU450から端末装置300に対して送信すべき処理サーバ信号が入力されると、入力された処理サーバ信号に対してあらかじめ設定されている出力インターフェース処理を実行し、サーバ信号Ssとしてネットワーク200を介して所定の端末装置300へ出力する。
【0040】
入力部420は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。これら操作ボタンや操作つまみなどの入力操作は、サーバ装置400の動作内容の設定や、記憶手段440に記憶する情報の設定入力、記憶手段440に記憶された情報の更新、などの設定事項の設定入力である。そして、入力部420は、設定事項の入力操作により、設定事項に対応する信号をCPU450へ適宜出力して設定入力させる。なお、入力操作としては、操作ボタンや操作つまみなどの操作に限らず、例えば表示部430に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作などにより、各種設定事項を設定入力する構成としてもできる。
【0041】
表示部430は、CPU450にて制御されCPU450からの画像データの信号を画面表示させる。この表示部430としては、端末装置300の端末表示部350と同様に、例えば液晶パネル、有機ELパネル、PDP、CRT、FED、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。また、この表示部430に表示させる画像データとしては、記憶手段440からの画像データやネットワーク200を介して外部のサーバから取得した画像データなどが例示できる。
【0042】
記憶手段440は、端末装置300あるいは外部のサーバなどから受信した各種情報、例えば図5および図6に示すような地図情報を適宜に読み出し可能に記憶する図示しない地図記憶領域と、図7に示すような登録看板リスト情報600を適宜読み出し可能に記憶する図示しない登録看板リスト記憶領域と、などを備えている。この記憶手段440としては、HD、DVD、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどが例示できる。なお、格納する情報として例えば入力部420の入力操作により入力された情報をも記憶可能で、入力操作により格納された情報の内容が適宜更新可能となっている。また、記憶手段440には、サーバ装置400全体およびナビゲーションシステム100全体を動作制御するOS上に展開される各種プログラムなどをも情報として記憶している。
【0043】
ここで、地図情報は、例えば図5に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図6に示すようなマッチングデータMMと、などを備えている。
【0044】
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。各表示用メッシュ情報VMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。
【0045】
そして、表示用メッシュ情報VMxは、例えば交差点の名称などの名称情報VMxAと、道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである道路を絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標ZPとの位置関係で所定の位置に配置表示されるデータのテーブル構造に構成されている。
【0046】
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。各マッチングメッシュ情報MMxは、設定された一辺の長さ、すなわち実際の地形上の長さを地図の縮尺に応じて短縮した長さで矩形形状に分割され、所定の角部分に地図情報の全体、例えば地球の地図における絶対座標ZPの情報を有している。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。ここで、縮尺が同一であれば固有の番号の情報を用いてデータを関連付けておけばよく、また縮尺が異なる場合であれば例えば絶対座標を用いてデータを関連付けるなどすればよい。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
【0047】
リンク列ブロック情報は、図6に示すように、道路を構成し地点を表す地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクLに付加された固有の番号である線分固有情報と、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。
【0048】
一方、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。なお、ノードNには、単に道路の形状を表すためにフラグ情報を有しない地点固有情報および座標情報のみを有したものや、トンネルや道路の幅員などの道路の構成を表す情報である属性情報をさらに有したものもある。
【0049】
登録看板リスト情報600は、端末装置300からの撮像関連情報などに基づく撮像位置の特定処理に利用される。そして、登録看板リスト情報600は、少なくとも1つの構造物視認情報としての登録看板情報610が1つのデータ構造として関連付けられて構成されている。
【0050】
登録看板情報610は、従前にサーバ装置400に登録された方面看板に関する情報である。そして、登録看板情報610は、視認データとしての登録画像データ611と、中継位置特定情報としての対応基地局情報612と、視認方位情報としての登録方位情報613と、視認位置情報としての基準位置情報614と、などが1つのデータ構造として関連付けられて構成されている。
【0051】
登録画像データ611は、基準位置情報614で示される位置から撮像されて生成された方面看板および周辺風景の画像(以下、登録看板画像と称す)に関する画像データである。また、登録画像データ611は、例えば方面看板が位置特定フレームで特定される位置に位置する状態で撮像された画像のデータである。ここで、登録画像データ611は、図示しない撮像手段による撮像中に登録画像データの生成を要求する旨を認識することにより生成されたものであってもよいし、例えば複数の画像データを有するいわゆる映像データから特定の画像データを抽出して生成したものであってもよい。
【0052】
対応基地局情報612は、登録画像データ611の登録看板画像に含まれる方面看板の近傍に存在するネットワーク200の基地局を示す情報である。なお、対応基地局情報612は、1つの基地局を示す構成としてもよいし、複数の基地局を示す構成としてもよい。
【0053】
登録方位情報613は、基準位置情報614で示される位置に対する登録画像データ611の登録看板画像に含まれる方面看板の方位を示す情報である。
【0054】
基準位置情報614は、登録画像データ611の登録看板画像を撮像した位置に関する情報である。この基準位置情報614は、例えば撮像位置を地図情報に対応する座標で示す座標情報である。なお、基準位置情報614としては、撮像位置の住所を表す文字列を示す文字列情報を適用してもよい。
【0055】
さらに、記憶手段440には、例えば端末装置300を用いてナビゲーションシステム100を利用する利用者に関する情報である個人情報が記憶されている。個人情報としては、氏名、住所、利用者毎に付与されるIDナンバやパスワードなどの他、ナビゲーションシステム100を利用する端末装置300の形態、端末装置300と情報を送受信するためのアドレス番号、などである。その他、記憶手段440には、撮像位置の報知処理の実行に利用される各種情報を、CPU450にて適宜読み取り可能に記憶する。
【0056】
CPU450は、記憶手段440に記憶された各種プログラムとして、図8に示すように、撮像画像データ取得手段および構造物視認情報取得手段としても機能する対応判断手段としての登録看板情報検索手段451と、位置関係認識手段としての差異認識手段452と、撮像位置特定手段453と、位置特定情報生成手段としての位置報知情報生成手段454と、などを備えている。なお、本発明の情報処理装置としては、差異認識手段452および位置報知情報生成手段454のうち少なくともいずれか一方を備えない構成としてもよい。
【0057】
登録看板情報検索手段451は、端末装置300から送信された撮像関連情報および基地局情報に対応する登録看板情報610を登録看板リスト情報600から検索する。そして、登録看板情報検索手段451は、基地対応情報検索手段451Aと、方位対応情報検索手段451Bと、方面対応情報検索手段451Cと、風景対応情報検索手段451Dと、などを備えている。
【0058】
基地対応情報検索手段451Aは、基地局情報に対応する登録看板情報610を検索する。具体的には、基地対応情報検索手段451Aは、入力された処理サーバ信号に基づいて、この処理サーバ信号として送信された撮像関連情報および基地局情報を取得すると、これらを記憶手段440に記憶させる。また、基地局情報に記載された基地局を認識する。そして、この基地局が記載された対応基地局情報612を有する登録看板情報610を登録看板リスト情報600から検索する。
【0059】
方位対応情報検索手段451Bは、基地対応情報検索手段451Aで検索された登録看板情報610から、コンパス情報に対応する登録看板情報610を検索する。具体的には、方位対応情報検索手段451Bは、記憶手段440から撮像関連情報のコンパス情報を取得して、このコンパス情報に記載された方位を認識する。そして、この方位が記載された登録方位情報613を有する登録看板情報610を、基地対応情報検索手段451Aで検索された登録看板情報610から検索する。
【0060】
方面対応情報検索手段451Cは、方位対応情報検索手段451Bで検索された登録看板情報610から、撮像画像データの撮像看板画像の方面看板に記載された方面名称に対応する登録看板情報610を検索する。具体的には、方面対応情報検索手段451Cは、記憶手段440から撮像関連情報の撮像画像データを取得して、この撮像画像データの撮像看板画像における位置特定フレームに対応する位置に表される方面看板の方面名称を認識する。そして、この方面名称が方面看板に記載された登録看板画像の登録画像データ611を有する登録看板情報610を、方位対応情報検索手段451Bで検索された登録看板情報610から検索する。ここで、方面対応情報検索手段451Cとしては、撮像看板画像および登録看板画像から文字列の画像を走査して文字列を特定する、いわゆるOCR(Optical Character Reader)アプリケーションなどを利用した構成が例示できる。さらに、方面対応情報検索手段451Cは、方面名称に基づいて検索した登録看板情報610が1つだけであることを認識すると、登録看板情報610の検索が終了した旨の検索終了信号を差異認識手段452へ出力し、複数存在することを認識すると、その旨の検索継続信号を風景対応情報検索手段451Dへ出力する。
【0061】
風景対応情報検索手段451Dは、方面対応情報検索手段451Cで検索された登録看板情報610から、撮像看板画像の周辺風景に対応する登録看板情報610を検索する。具体的には、風景対応情報検索手段451Dは、方面対応情報検索手段451Cから検索継続信号を取得すると、撮像画像データを取得して、この撮像画像データの撮像看板画像における位置特定フレームに対応しない位置に表される周辺風景の形、色、方面看板に対する位置などを認識する。そして、この認識した形、色、方面看板に対する位置などに対応する周辺風景の登録看板画像の登録画像データ611を有する登録看板情報610を、方面対応情報検索手段451Cで検索された登録看板情報610から検索する。さらに、風景対応情報検索手段451Dは、登録看板情報610の検索が終了した旨の検索終了信号を差異認識手段452へ出力する。
【0062】
差異認識手段452は、登録看板情報検索手段451で検索された登録看板情報610の登録看板画像および撮像関連情報の撮像看板画像の撮像位置の差異を認識する。具体的には、差異認識手段452は、登録看板情報検索手段451から検索終了信号を取得すると、登録看板情報検索手段451で検索された登録看板情報610の登録画像データ611および撮像関連情報の撮像画像データを取得する。そして、例えば登録看板画像および撮像看板画像のそれぞれに含まれる方面看板の上辺および下辺の位置関係を認識する。ここで、方面看板の面状部としての正面から撮像された画像の場合、上辺および下辺の左端の間隔(以下、左端間隔と称す)を上辺および下辺の右端の間隔(以下、右端間隔と称す)で除した値(以下、撮像方向値と称す)は1となる。すなわち、上辺および下辺は略平行となる。また、方面看板の正面に対して右方から撮像された画像の場合、左端間隔が右端間隔よりも短くなるので、撮像方向値は1未満の値となる。
【0063】
そして、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像の撮像方向値が略一致していないことを認識すると、この撮像方向値の差異に基づいて、登録看板画像および撮像看板画像のそれぞれにおける方面看板の正面に対する撮像位置の方向(以下、撮像方向と称す)の差異を認識する。例えば、差異認識手段452は、撮像看板画像の撮像方向値が登録看板画像の撮像方向値よりも小さい場合、撮像看板画像の撮像方向が登録看板画像の撮像方向よりも右側であると認識する。さらに、撮像看板画像および登録看板画像の撮像方向値の比に基づいて、撮像看板画像および登録看板画像の撮像方向のなす角度を認識する。そして、撮像看板画像および登録看板画像の撮像方向の相対位置関係およびなす角度が記載された方向差異情報を生成して記憶手段440に記憶させる。また、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像の撮像方向値が略一致していることを認識すると、登録看板画像および撮像看板画像の撮像方向が略一致していると判断して、その旨の方向差異情報を記憶手段440に記憶させる。なお、撮像方向の差異を認識する方法としては、上述した方法に限らず撮像方向の差異を認識可能ないずれの方法を適用してもよい。
【0064】
また、差異認識手段452は、例えば登録看板画像および撮像看板画像のそれぞれに含まれる方面看板の面積を特定の周辺風景における窓などの特定の部分の面積で除した値(以下、面積割合値と称す)を演算する。そして、この面積割合値が略一致していないことを認識すると、この面積割合値の差異に基づいて、登録看板画像および撮像看板画像のそれぞれにおける方面看板から撮像位置までの距離(以下、撮像距離と称す)の差異を認識する。例えば、差異認識手段452は、撮像看板画像の面積割合値が登録看板画像の面積割合値よりも小さい場合、撮像看板画像の撮像距離が登録看板画像の撮像距離よりも長いと認識する。さらに、撮像看板画像および登録看板画像の面積割合値の比に基づいて、撮像看板画像および登録看板画像の撮像距離の差を認識する。そして、撮像距離が長い画像が撮像看板画像または登録看板画像である旨、および、撮像看板画像および登録看板画像の撮像距離の差が記載された距離差異情報を生成して記憶手段440に記憶させる。また、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像の面積割合値が略一致していることを認識すると、登録看板画像および撮像看板画像の撮像距離が略一致していると判断して、その旨の距離差異情報を記憶手段440に記憶させる。なお、撮像距離の差異を認識する方法としては、上述した方法に限らず撮像距離の差異を認識可能ないずれの方法を適用してもよい。
【0065】
撮像位置特定手段453は、登録看板情報検索手段451で検索された登録看板情報610の基準位置情報614と、差異認識手段452で生成された方向差異情報および距離差異情報と、に基づいて、撮像看板画像の撮像位置を特定する。具体的には、撮像位置特定手段453は、方向差異情報に撮像方向が略一致している旨および距離差異情報に撮像距離が略一致している旨が記載されていることを認識すると、登録看板情報610の基準位置情報614の位置を撮像看板画像の撮像位置として特定する。また、方向差異情報に撮像方向が一致していない旨が記載されていることを認識すると、基準位置情報614の位置から撮像方向の差異だけ移動した位置を撮像看板画像の仮の撮像位置(以下、仮撮像位置と称す)として設定する。さらに、距離差異情報に撮像距離が一致していない旨が記載されていることを認識すると、基準位置情報614の位置または撮像方向の差異に基づく仮撮像位置から撮像距離の差異だけ移動した位置を仮撮像位置として設定する。そして、撮像位置特定手段453は、撮像方向の差異および撮像距離の差異のうち少なくともいずれか一方に基づいて設定した仮撮像位置を撮像位置として特定する。
【0066】
位置報知情報生成手段454は、端末装置300からの撮像関連情報および撮像位置特定手段453で特定された撮像位置に基づいて、端末装置300で撮像位置を報知させるための地図位置報知情報や文字列位置報知情報を適宜生成する。具体的には、位置報知情報生成手段454は、撮像関連情報の報知形態情報を記憶手段440から取得する。そして、この報知形態情報に基づいて撮像位置を地図で報知する形態が選択されている旨を認識すると、撮像位置特定手段453で特定された撮像位置を含む所定範囲の地図に関する地図情報を記憶手段440から検索して取得する。さらに、この地図情報の地図上における撮像位置に対応する位置に撮像位置である旨を示すアイコンを重畳させた地図位置報知情報を生成する。また、報知形態情報に基づいて撮像位置を文字列で報知する形態が選択されている旨を認識すると、例えば地図情報に基づいて撮像位置特定手段453で特定された撮像位置の町名や番地などを表す文字列を認識する。さらに、この認識した文字列を表示させるための文字列位置報知情報を生成する。そして、位置報知情報生成手段454は、地図位置報知情報や文字列位置報知情報を処理サーバ信号として適宜変換し、インターフェース410およびネットワーク200を介して端末装置300へ出力する。
【0067】
〔ナビゲーションシステムの動作〕
次に、ナビゲーションシステム100の動作として、撮像位置の報知処理について図面に基づいて説明する。図9は、撮像位置の報知処理を示すフローチャートである。図10は、撮像位置の特定処理を示すフローチャートである。
【0068】
まず、端末装置300の処理部380は、図9に示すように、撮像関連情報生成手段384にて、利用者による撮像位置の報知処理を開始する旨の設定入力を認識すると(ステップS101)、撮像制御手段381を制御して、撮像手段320で撮像されている画像を端末表示部350に表示させる。さらに、撮像制御手段381は、位置特定フレームを撮像中の画像に重畳させて表示させる(ステップS102)。この後、利用者は、位置特定フレーム内に方面看板が位置する状態にすなわち撮像看板画像が撮像される状態に端末装置300あるいは撮像手段320を移動させ、撮像画像データを生成する旨の設定入力を実施する。そして、撮像制御手段381は、撮像画像データを生成する旨の設定入力を認識すると(ステップS103)、この入力操作を認識した際に撮像されていた撮像看板画像の撮像画像データを生成する(ステップS104)。また、処理部380は、撮像方位認識手段382にて、撮像画像データを生成した際の利用者に対する方面看板の方向のコンパス情報を生成する(ステップS105)。さらに、処理部380は、報知形態設定手段383にて、撮像位置の報知形態の選択を促す旨を端末表示部350に表示させ、利用者により撮像位置を地図で報知する形態が選択されたか否かすなわち要求されたか否かを判断する(ステップS106)。
【0069】
このステップS106において、地図で報知する旨が要求されたことを認識すると、その旨の報知形態情報を生成する(ステップS107)。一方、ステップS106において、地図ではなく文字列で報知する旨が要求されたことを認識すると、その旨の報知形態情報を生成する(ステップS108)。そして、撮像関連情報生成手段384は、ステップS107またはステップS108において報知形態情報が生成されると、撮像画像データ、コンパス情報、報知形態情報に基づいて撮像関連情報を生成して(ステップS109)、この撮像関連情報を送受信器310を介してネットワーク200へ送信する(ステップS110)。
【0070】
ネットワーク200は、端末装置300の近傍に位置する基地局にて、撮像関連情報を受信する(ステップS111)。そして、基地局は、この基地局に関する基地局情報を撮像関連情報に関連付けて(ステップS112)、サーバ装置400へ送信する(ステップS113)。
【0071】
サーバ装置400のCPU450は、登録看板情報検索手段451にて、インターフェース410を介して撮像関連情報および基地局情報を受信して(ステップS114)、記憶手段440に記憶させる。そして、CPU450は、撮像位置の特定処理を実施する(ステップS115)。
【0072】
このステップS115における撮像位置の特定処理を実施した後、CPU450は、位置報知情報生成手段454にて、撮像関連情報の報知形態情報に基づいて、撮像位置を地図で報知する旨が要求されているか否かを判断する(ステップS116)。そして、ステップS116において、地図で報知する旨が要求されていると判断した場合、特定された撮像位置に関する地図位置報知情報を生成する(ステップS117)。一方、ステップS116において、地図ではなく文字列で報知する旨が要求されていると判断した場合、特定された位置に関する文字列位置報知情報を生成する(ステップS118)。そして、位置報知情報生成手段454は、ステップS117またはステップS118の処理を実施すると、この生成した情報をインターフェース410を介してネットワーク200へ送信する(ステップS119)。
【0073】
ネットワーク200は、例えば端末装置300の近傍に位置する基地局にて、地図位置報知情報または文字列位置報知情報を受信する(ステップS120)。そして、基地局は、この受信した情報を端末装置300へ送信する(ステップS121)。
【0074】
端末装置300の処理部380は、報知制御手段385にて、送受信器310を介して地図位置報知情報または文字列位置報知情報を受信する(ステップS122)。そして、報知制御手段385は、この受信した地図位置報知情報の地図または文字列位置報知情報の文字列により撮像位置を端末表示部350に表示させて報知し(ステップS123)、処理を終了する。
【0075】
一方、撮像位置の特定処理では、CPU450の登録看板情報検索手段451は、図10に示すように、基地対応情報検索手段451Aにて、基地局情報に対応する対応基地局情報612を有する登録看板情報610を検索する(ステップS201)。また、登録看板情報検索手段451は、方位対応情報検索手段451Bにて、この検索された登録看板情報610から、コンパス情報に対応する登録方位情報613を有する登録看板情報610を検索する(ステップS202)。そして、登録看板情報検索手段451は、方面対応情報検索手段451Cにて、撮像画像データの撮像看板画像における方面看板の方面名称を認識する(ステップS203)。この後、方面対応情報検索手段451Cは、この方面名称に対応する登録画像データ611を備えた登録看板情報610を、コンパス情報に基づき検索された登録看板情報610から検索する(ステップS204)。そして、方面対応情報検索手段451Cは、方面名称に基づき検索した登録看板情報610が複数存在するか否かを判断する(ステップS205)。
【0076】
このステップS205において、複数存在しないすなわち1つであると判断した場合、検索終了信号を差異認識手段452へ出力する。そして、差異認識手段452は、登録看板情報610の登録看板画像および撮像関連情報の撮像看板画像における撮像方向の差異を認識して(ステップS206)、方向差異情報を生成する。さらに、登録看板画像および撮像看板画像における撮像距離の差異を認識して(ステップS207)、距離差異情報を生成する。
【0077】
一方、ステップS205において、複数存在すると判断した場合、検索継続信号を風景対応情報検索手段451Dへ出力する。そして、風景対応情報検索手段451Dは、撮像看板画像の周辺風景を認識する(ステップS208)。この後、この周辺風景に対応する登録画像データ611を備えた登録看板情報610を、方面名称に基づき検索された登録看板情報610から検索して(ステップS209)、検索終了信号を差異認識手段452へ出力する。そして、差異認識手段452は、この検索された登録看板情報610に対するステップS206の処理を実施する。さらに、CPU450は、ステップS207の処理が実施されると、撮像位置特定手段453にて、方向差異情報および距離差異情報に基づいて、登録看板画像および撮像看板画像における撮像方向および撮像距離が略一致しているか否かを判断する(ステップS210)。
【0078】
このステップS210において、撮像方向および撮像距離が略一致していると判断した場合、登録看板情報検索手段451で検索された登録看板情報610が有する基準位置情報614の位置を撮像位置として特定して(ステップS211)、処理を終了する。一方、ステップS210において、撮像方向および撮像距離のうち少なくともいずれか一方が略一致していないと判断した場合、撮像方向が略一致しているか否かを判断する(ステップS212)。このステップS212において、略一致していないと判断した場合、撮像方向の差異に基づいて登録看板情報610が有する基準位置情報614の位置を補正した仮撮像位置を設定する(ステップS213)。さらに、撮像位置特定手段453は、ステップS212において撮像方向が略一致していると判断した場合、または、ステップS213の処理を実施した場合、撮像距離が略一致しているか否かを判断する(ステップS214)。
【0079】
そして、ステップS214において、撮像距離が略一致していないと判断した場合、撮像距離の差異に基づいて仮撮像位置を設定する(ステップS215)。ここで、ステップS213の処理すなわち撮像方向の差異に基づく仮撮像位置の設定処理を実施している場合、この仮撮像位置を撮像距離の差異に基づいて補正した仮撮像位置を設定する。また、ステップS213の処理を実施していない場合、登録看板情報610が有する基準位置情報614の位置を撮像距離の差異に基づいて補正した仮撮像位置を設定する。そして、撮像位置特定手段453は、ステップS214において撮像距離が略一致していると判断した場合、または、ステップS215の処理を実施した場合、仮撮像位置を撮像位置として特定して(ステップS216)、処理を終了する。
【0080】
〔ナビゲーションシステムの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ナビゲーションシステム100のサーバ装置400は、CPU450の登録看板情報検索手段451にて、端末装置300から送信された方面看板の画像に関する撮像画像データを取得する。そして、登録看板情報検索手段451は、この撮像画像データの方面看板に関する登録画像データ611を有する登録看板情報610を記憶手段440から検索する。この後、CPU450は、撮像位置特定手段453にて、登録看板情報検索手段451で検索した登録看板情報610が有する基準位置情報614の位置を、撮像画像データが撮像された撮像位置として特定する。このため、サーバ装置400にて端末装置300からの撮像画像データに対応する登録看板情報610を検索して撮像位置を特定する構成としているので、端末装置300は、GPS受信部を備えることなく撮像画像データの撮像位置を認識できる。また、基準位置情報614に登録画像データ611の画像を撮像した位置を記載しているので、サーバ装置400は、ゲートウェイ装置で付加された位置情報に基づいて位置を特定する従来の構成と比べて、実際に撮像画像データの画像を撮像した位置の近傍を撮像位置として特定できる。さらに、サーバ装置400は、一般的に道路に沿った位置に配置されている交通案内を示す構造物に基づいて撮像位置を特定するため、利用者に撮像位置を特定するための撮像対象を容易に見つけさせることができる。したがって、サーバ装置400は、適切に位置を特定できる。
【0081】
また、登録看板情報検索手段451は、方面対応情報検索手段451Cにて、撮像看板画像の方面看板に記載された方面名称を認識する。さらに、この方面名称が方面看板に記載された登録看板画像の登録画像データ611を有する登録看板情報610を検索する。このため、サーバ装置400は、方面看板の方面名称に基づいて、撮像看板画像に対応する登録看板情報610をより正確に検索できる。したがって、サーバ装置400は、より適切に位置を特定できる。
【0082】
さらに、登録看板情報検索手段451は、風景対応情報検索手段451Dにて、撮像看板画像の周辺風景を認識する。さらに、この周辺風景に対応する風景の登録看板画像の登録画像データ611を有する登録看板情報610を検索する。このため、サーバ装置400は、例えば同一の方面名称が記載された方面看板が複数存在する場合であっても、周辺風景に基づいて撮像看板画像に対応する登録看板情報610をより正確に検索できる。
【0083】
そして、登録看板情報検索手段451は、方位対応情報検索手段451Bにて、コンパス情報に基づいて利用者に対する撮像看板画像の方面看板の方位を認識する。さらに、この方位に対応する登録方位情報613を有する登録看板情報610を検索する。このため、サーバ装置400は、例えば方面看板に同一名称が記載されかつ周辺風景が似ている場所が複数存在する場合であっても、撮像された方位に基づいて撮像看板画像に対応する登録看板情報610をより正確に検索できる。また、サーバ装置400は、撮像された方位に基づいて絞り込んだ登録看板情報610から撮像看板画像の方面名称に対応する登録看板情報610を検索するので、方位対応情報検索手段451Bを設けない構成と比べて、方面名称を認識する登録看板情報610の数を減らすことができる。したがって、方位対応情報検索手段451Bを設けない構成と比べて、撮像位置の特定処理時における方面対応情報検索手段451Cの処理負荷を低減できる。
【0084】
また、CPU450は、差異認識手段452にて、登録看板画像における方面看板および撮像位置の位置関係と、撮像看板画像における方面看板および撮像位置の位置関係と、の差異を認識する。そして、撮像位置特定手段453は、基準位置情報614の位置を差異認識手段452で認識された差異に基づいて補正した位置を撮像位置として特定する。このため、サーバ装置400は、例えば撮像看板画像の撮像位置が登録看板画像の撮像位置と異なった場合であっても、差異認識手段452で認識した差異に基づいて撮像位置をより正確に特定できる。したがって、サーバ装置400は、さらに適切に位置を特定できる。
【0085】
さらに、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像における方面看板の正面に対する撮像位置の方向、すなわち撮像方向の差異を認識する。そして、撮像位置特定手段453は、基準位置情報614の位置から差異認識手段452で認識された撮像方向の差異だけ移動した位置を撮像位置として特定する。このため、サーバ装置400は、例えば撮像看板画像の撮像位置が登録看板画像の撮像位置よりも方面看板の正面に対して右側であったとしても、この右側の位置を撮像位置として特定できる。したがって、サーバ装置400は、より適切に位置を特定できる。
【0086】
そして、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像における方面看板の正面の形状に対応する撮像方向値に基づいて、登録看板画像および撮像看板画像における撮像方向の差異を認識する。このため、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像に基づいて撮像方向値を演算するだけの簡単な方法で撮像方向の差異を認識できる。
【0087】
さらに、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像における方面看板から撮像位置までの距離、すなわち撮像距離の差異を認識する。そして、撮像位置特定手段453は、基準位置情報614の位置から差異認識手段452で認識された撮像距離の差異だけ移動した位置を撮像位置として特定する。このため、サーバ装置400は、例えば撮像看板画像の撮像位置が登録看板画像の撮像位置よりも方面看板から離隔した位置であったとしても、この離隔した位置を撮像位置として特定できる。したがって、サーバ装置400は、さらに適切に位置を特定できる。
【0088】
また、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像における方面看板の面積および周辺風景の特定の部分の面積の比、すなわち面積割合値に基づいて、登録看板画像および撮像看板画像における撮像距離の差異を認識する。このため、差異認識手段452は、登録看板画像および撮像看板画像に基づいて面積割合値を演算するだけの簡単な方法で撮像距離の差異を認識できる。
【0089】
そして、登録看板情報610に、サーバ装置400に登録された方面看板の外観を表すデータとして登録画像データ611を組み込んでいる。このため、例えばサーバ装置400の管理者は、図示しない登録画像データ生成手段で生成した画像データを登録画像データ611として記憶手段440に記憶させるだけでよく、登録画像データ611の代わりに例えば方面看板の外観を表す文字列、すなわち方面看板の形状や方面名称などを表す文字列の情報を生成して組み込む構成と比べて、登録看板リスト情報600の更新処理を容易にできる。
【0090】
さらに、サーバ装置400は、例えば車両の移動中に目にとまりやすい方面看板の撮像看板画像に基づいて撮像位置を特定する。このため、サーバ装置400は、例えば車両で移動中の利用者に、位置を特定するための撮像対象をより容易に見つけさせることができる。したがって、ナビゲーションシステム100の使い勝手を向上できる。
【0091】
また、端末装置300は、撮像制御手段381にて、端末表示部350に位置特定フレームを表示させ、方面看板が撮像看板画像における左上部分に位置する撮像画像データを生成する。そして、この撮像画像データをサーバ装置400へ送信する。このため、方面対応情報検索手段451Cは、撮像看板画像における左上部分近傍のみを走査するだけで方面名称を認識できる。したがって、撮像位置の特定処理時における方面対応情報検索手段451Cの処理負荷を低減できる。
【0092】
そして、サーバ装置400にて、端末装置300からの撮像画像データに基づいて撮像位置を特定する構成としている。このため、端末装置300に撮像位置を特定する構成、すなわちCPU450と同様の構成や登録看板リスト情報600を設ける必要がなく、端末装置300の構成を簡略にできる。したがって、例えば端末装置300のコストを低減でき、ナビゲーションシステム100の利用拡大を容易に図ることができる。
【0093】
さらに、ネットワーク200は、端末装置300から送信される撮像関連情報をこの端末装置300の近傍に位置する基地局で受信して、撮像関連情報に基地局情報を関連付けてサーバ装置400へ送信する。そして、サーバ装置400は、登録看板情報検索手段451の基地対応情報検索手段451Aにて、基地局情報の基地局が記載された対応基地局情報612を有する登録看板情報610を検索する。このため、サーバ装置400は、例えば方面看板に同一名称が記載された方面看板が複数存在する場合であっても、撮像画像データを中継した基地局に基づいて撮像看板画像に対応する登録看板情報610をより正確に検索できる。また、サーバ装置400は、中継した基地局に基づいて絞り込んだ登録看板情報610から撮像看板画像の方面名称に対応する登録看板情報610を検索するので、基地対応情報検索手段451Aを設けない構成と比べて、方面名称を認識する登録看板情報610の数を減らすことができる。したがって、基地対応情報検索手段451Aを設けない構成と比べて、撮像位置の特定処理時における方面対応情報検索手段451Cの処理負荷を低減できる。
【0094】
また、サーバ装置400は、位置報知情報生成手段454にて、撮像位置特定手段453で特定された位置を端末装置300で報知させるための地図位置報知情報または文字列位置報知情報を生成して、端末装置300へ送信する。そして、端末装置300は、処理部380の報知制御手段385にて、サーバ装置400からの地図位置報知情報または文字列位置報知情報に基づいて、撮像位置を端末表示部350における表示により報知させる。このため、利用者に撮像看板画像を撮像させるだけの簡単な方法で撮像位置を認識させることができる利便性が高いナビゲーションシステム100を提供できる。
【0095】
さらに、サーバ装置400にて、地図位置報知情報や文字列位置報知情報を生成する構成としている。このため、端末装置300に位置報知情報生成手段454と同様の構成を設けたり地図情報を記憶させたりする必要がなく、端末装置300の構成をより簡略にできる。したがって、例えば端末装置300のコストをさらに低減でき、ナビゲーションシステム100の利用拡大をさらに容易に図ることができる。
【0096】
そして、端末装置300は、文字列位置報知情報に基づいて、撮像位置を文字列で表示させる。このため、端末装置300は、例えば騒音が多い場所においても、文字列の表示により撮像位置を利用者に容易に認識させることができる。したがって、ナビゲーションシステム100の利便性を向上できる。
【0097】
さらに、端末装置300は、地図位置報知情報に基づいて、撮像位置を示すアイコンを地図に重畳させて表示させる。このため、端末装置300は、撮像位置に加え、この撮像位置周辺の状況も利用者に認識させることができる。したがって、ナビゲーションシステム100の利便性をより向上できる。
【0098】
また、端末装置300に、撮像位置を地図および文字列のうちのいずれか一方で報知させる旨を利用者に選択させる機能を設けている。このため、利用者は、端末装置300の利用状況などに基づいて、撮像位置の報知形態を適切に選択できる。したがって、ナビゲーションシステム100の利便性をさらに向上できる。
【0099】
〔実施の形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0100】
すなわち、サーバ装置400に、方面看板の方面名称に基づいて撮像位置を特定する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS203,S204の処理を省略でき、登録看板情報検索手段451の処理負荷を低減できる。また、方面対応情報検索手段451Cを設ける必要がなく、CPU450の構成を簡略にできる。
【0101】
また、サーバ装置400に、方面看板に記載された道路を表す矢印、方面看板に記載された交差点や方面名称で示された場所までの距離を表す文字列に基づいて、登録看板情報610を検索する機能を設ける構成としてもよい。このような構成にすれば、サーバ装置400は、方面看板に記載された矢印や距離を示す文字列に基づいて、撮像看板画像に対応する登録看板情報610をより正確に検索できる。
【0102】
そして、サーバ装置400に、周辺風景に基づいて撮像位置を特定する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS205,S208,S209の処理を省略でき、登録看板情報検索手段451の処理負荷を低減できる。また、風景対応情報検索手段451Dを設ける必要がなく、CPU450の構成を簡略にできる。
【0103】
さらに、サーバ装置400に、利用者に対する方面看板の方位に基づいて撮像位置を特定する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS202の処理を省略でき、登録看板情報検索手段451の処理負荷を低減できる。また、方位対応情報検索手段451Bを設ける必要がなく、CPU450の構成を簡略にできる。さらに、ステップS105の処理を省略でき、端末装置300の処理負荷を低減できる。そして、端末装置300に、センサ部330や撮像方位認識手段382を設ける必要がなく、端末装置300の構成を簡略にできる。
【0104】
また、サーバ装置400に、登録看板情報検索手段451で検索された基準位置情報614の位置を補正する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS206,S207,S210,S212〜S216の処理を省略でき、CPU450の処理負荷を低減できる。さらに、差異認識手段452を設ける必要がなく、CPU450の構成を簡略にできる。
【0105】
そして、差異認識手段452に、撮像方向の差異を認識する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS206,S212,S213の処理を省略でき、CPU450の処理負荷を低減できる。さらに、差異認識手段452の構成を簡略にできる。
【0106】
さらに、差異認識手段452にて、例えば以下のような処理により撮像方向の差異を認識する構成としてもよい。すなわち、端末装置300に、撮像看板画像の撮像方向に関する撮像方向情報を生成してサーバ装置400に送信する機能を設ける。さらに、登録看板情報610に、登録看板画像の撮像方向に関する登録方向情報を組み込む。そして、差異認識手段452にて、撮像方向情報および登録方向情報に基づいて、撮像方向の差異を認識する構成としてもよい。このような構成にすれば、差異認識手段452は、撮像方向情報および登録方向情報の内容を比較するだけの簡単な方法で撮像方向の差異を認識できる。
【0107】
そして、差異認識手段452に、撮像距離の差異を認識する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS207,S214,S215の処理を省略でき、CPU450の処理負荷を低減できる。さらに、差異認識手段452の構成を簡略にできる。
【0108】
さらに、差異認識手段452にて、例えば以下のような処理により撮像距離の差異を認識する構成としてもよい。すなわち、端末装置300に、撮像看板画像の撮像距離に関する撮像距離情報を生成してサーバ装置400に送信する機能を設ける。さらに、登録看板情報610に、登録看板画像の撮像距離に関する登録距離情報を組み込む。そして、差異認識手段452にて、撮像距離情報および登録距離情報に基づいて、撮像距離の差異を認識する構成としてもよい。このような構成にすれば、差異認識手段452は、撮像距離情報および登録距離情報の内容を比較するだけの簡単な方法で撮像距離の差異を認識できる。
【0109】
また、差異認識手段452にて、例えば以下のような処理により撮像距離の差異を認識する構成としてもよい。すなわち、例えば記憶手段440に、端末装置300で生成可能な撮像看板画像の最大の視野角を記憶させる。さらに、差異認識手段452に、撮像看板画像の視野角が記憶手段440に記憶された最大の視野角の場合にズームされた撮像看板画像でないと認識し、最大の視野角よりも狭い場合にズームされた撮像看板画像であると認識する機能を設ける。そして、差異認識手段452にて、撮像看板画像における視野角および方面看板の大きさに基づいて、撮像看板画像の撮像距離を認識する構成としてもよい。このような構成にすれば、差異認識手段452は、方面看板のみを走査すればよく、上記実施の形態のように方面看板および周辺風景を走査する構成と比べて、撮像距離をより容易に認識できる。なお、端末装置300に撮像看板画像の視野角に関する視野角情報をサーバ装置400に送信する機能を設ければ、差異認識手段452は、撮像距離をさらに容易に認識できる。また、端末装置300に撮像看板画像のズームの倍率に関するズーム情報をサーバ装置400に送信する機能を設け、差異認識手段452にて、ズーム情報および方面看板の大きさに基づいて、撮像看板画像の撮像距離を認識する構成としてもよい。
【0110】
さらに、撮像位置特定手段453にて、例えば以下のような処理により撮像位置を特定する構成としてもよい。すなわち、記憶手段440に、地図情報で示される建造物などの構造物の高さに関する高さ情報を記憶させる。また、差異認識手段452にて、登録看板画像および撮像看板画像の撮像方向値に基づいて撮像方向の差異を認識する。さらに、撮像看板画像に含まれる方面看板の上辺の長さを下辺の長さで除した値(以下、撮像高さ値と称す)を演算する。そして、撮像位置特定手段453にて、撮像高さ値が1の場合に方面看板と略同一の高さから撮像されたと認識し、1以上の場合に方面看板よりも高い位置から撮像されたと認識し、1未満の場合に方面看板よりも低い位置から撮像されたと認識する。この後、地図情報および高さ情報に基づいて、方面看板に対して撮像方向値で特定される方向に存在し撮像高さ値に基づき特定される高さを有する建造物などを認識し、この建造物などを撮像位置として特定する構成としてもよい。このような構成にすれば、撮像位置の高さを考慮に入れて撮像位置を特定でき、ナビゲーションシステム100の利便性をより向上できる。
【0111】
そして、登録画像データ611の代わりに、登録看板画像の方面看板や周辺風景の外観に関する文字列の情報を組み込む構成としてもよい。この文字列の情報に組み込まれる内容としては、方面看板の色や形状あるいは方面名称、周辺風景を構成する構造物などの色や形あるいは方面看板に対する位置などが例示できる。このような構成にすれば、上記実施の形態の構成と比べて、登録看板情報610のデータ量を減らすことができ、より多くの登録看板情報610を記憶手段440に記憶させることができる。
【0112】
さらに、撮像制御手段381に、位置特定フレームを表示させる機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS102の処理を省略でき、処理部380の処理負荷を低減できる。また、撮像制御手段381の構成を簡略にできる。そして、利用者に撮像看板画像における方面看板の位置を調整する操作を実施させることがないので、ナビゲーションシステム100の使い勝手を向上できる。
【0113】
また、サーバ装置400に、撮像画像データを中継した基地局に基づいて撮像位置を特定する機能を設けない構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS201の処理を省略でき、登録看板情報検索手段451の処理負荷を低減できる。さらに、基地対応情報検索手段451Aを設ける必要がなく、CPU450の構成を簡略にできる。
【0114】
そして、報知制御手段385にて、撮像位置を端末表示部350で表示させずに、音声出力部360から音声により出力して報知する構成としてもよい。このような構成にすれば、利用者は、視線を端末装置300に移動させることなく撮像位置を認識できる。したがって、ナビゲーションシステム100の利便性をより向上できる。
【0115】
また、端末装置300にて、撮像位置を地図および文字列のうちいずれか一方のみで報知する構成としてもよい。このような構成にすれば、ステップS106〜S108,S116の処理を省略できる。さらに、ステップS117またはステップS118の処理も省略できる。したがって、端末装置300およびサーバ装置400の処理負荷を低減できる。また、報知形態設定手段383を設ける必要がなく、処理部380の構成を簡略にできる。さらに、位置報知情報生成手段454に地図位置報知情報または文字列位置報知情報を生成する機能を設ける必要がなく、位置報知情報生成手段454の構成を簡略にできる。
【0116】
そして、端末装置300にて、地図位置報知情報や文字列位置報知情報を生成する構成としてもよい。すなわち、例えばサーバ装置400の撮像位置特定手段453に、登録看板情報検索手段451で検索された登録看板情報610の基準位置情報614を端末装置300に送信する機能を設ける。さらに、端末装置300の処理部380に、位置報知情報生成手段454を設けるとともに、メモリ370に地図情報を適宜記憶させる構成としてもよい。このような構成にすれば、サーバ装置400の処理負荷を低減できる。したがって、例えば複数の端末装置300から撮像位置の特定処理の実施要求があった場合であっても、より迅速に対応できる。
【0117】
さらに、図4に示すようなサーバ装置500を適用してもよい。このサーバ装置500は、インターフェース410と、入力部420と、表示部430と、記憶手段510と、情報処理装置および演算手段としてのCPU520と、などを備えている。記憶手段510は、地図情報と、構造物を立体的に示すいわゆる立体地図の3D(Dimension)データ(以下、立体地図3Dデータと称す)と、などを記憶している。なお、立体地図3Dデータが本発明の立体地図情報として機能する。CPU520は、図11に示すように、撮像画像データ取得手段としても機能する看板数認識手段521と、立体構造生成手段522と、立体地図情報取得手段523と、撮像位置特定手段524と、位置報知情報生成手段454と、などを備えている。
【0118】
看板数認識手段521は、所定の構造物の画像(以下、撮像構造物画像と称す)に関する撮像画像データを端末装置300から取得する。ここで、撮像構造物画像は、方面看板などの交通案内に関する構造物に限らず、店舗、公園、電信柱の広告などのいずれの構造物の画像であってもよい。そして、看板数認識手段521は、撮像構造物画像に存在する看板の数を認識する。立体構造生成手段522は、撮像構造物画像に基づいて撮像された構造物の立体的な構造を生成する。立体地図情報取得手段523は、記憶手段510に記憶された立体地図3Dデータを適宜読み込むすなわち取得する。撮像位置特定手段524は、立体地図3Dデータで示される立体地図から立体構造生成手段522で認識した立体的な構造物を検索する。そして、例えば撮像構造物画像で表される構造物の状態に基づいて、撮像構造物画像の撮像位置を特定する。また、撮像位置特定手段524は、地図情報で示される地図から看板数認識手段521で認識された看板に対応する看板を検索する。そして、例えば撮像構造物画像で表される看板の状態に基づいて、撮像構造物画像の撮像位置を特定する。
【0119】
例えば、CPU520は、図12に示すように、看板数認識手段521にて、所定の構造物を略同一方向から撮像して生成された、すなわち撮像者および撮像手段の位置が略等しい位置とみなせる範囲内から撮像して生成された撮像構造物画像の撮像画像データを端末装置300から取得する(ステップS301)。ここで、撮像画像データは、例えば所定の場所に位置する撮像者の手が動く範囲内で1つの撮像手段を平行移動させて撮像したものであってもよいし、撮像者の両手で保持された2つの撮像手段により撮像されたものであってもよい。そして、看板数認識手段521は、基地局情報を取得するとともに(ステップS302)、コンパス情報を取得する(ステップS303)。この後、撮像構造物画像に複数の看板が存在するか否かを判断する(ステップS304)。ここで、このステップS304で存在を判断する看板は、方面看板に限らず店舗や施設の看板など方面看板以外の看板を対象とすることができる。
【0120】
このステップS304において、CPU520は、看板数認識手段521で複数の看板が存在しないと判断した場合、撮像構造物画像の看板を利用しないで撮像位置を特定する処理をする。すなわち、CPU520は、立体構造生成手段522にて、2つの撮像構造物画像に基づいて、所定の構造物の立体構造を示す3Dデータ(以下、構造物3Dデータと称す)を演算する(ステップS305)。さらに、立体地図情報取得手段523は、基地局情報に基づいて、この構造物3Dデータを演算した構造物が存在する地図(以下、検索対象地図と称す)を特定して、この検索対象地図に対応する立体地図3Dデータ(以下、検索対象立体地図3Dデータと称す)を読み込む(ステップS306)。この後、コンパス情報に基づいて、構造物3Dデータを北が上となる状態で地図に表示させるための座標に変換、すなわち構造物3Dデータをノースアップに座標変換する(ステップS307)。さらに、撮像位置特定手段524は、検索対象立体地図3Dデータからノースアップに座標変換した構造物3Dデータを検索し(ステップS308)、この検索結果に基づいて撮像構造物画像の撮像位置を特定して(ステップS309)、処理を終了する。
【0121】
一方、ステップS304において、CPU520は、看板数認識手段521で複数の看板が存在すると判断した場合、撮像構造物画像の看板を利用して撮像位置を特定する処理をする。すなわち、CPU520は、撮像位置特定手段524にて、これら複数の看板のうち例えば3つの看板に記載された内容(以下、看板記載内容と称す)認識する(ステップS310)。ここで、2つや5つなど複数の看板の看板記載内容を認識する構成としてもよい。そして、これら認識した看板記載内容が記載された看板が存在する地図を検索し(ステップS311)、この検索した地図領域の地図情報を取得する。この後、撮像位置特定手段524は、この地図情報の地図からそれぞれの看板の看板記載内容に対して一致率が最も高い看板をそれぞれ抽出して(ステップS312)、これら抽出した看板の正面が向いている方向などに基づいて、撮像構造物画像を修正する処理を実施する(ステップS313)。
【0122】
ここで、ステップS313における処理を詳細に説明する。例えば図13に示すように、撮像者により撮像手段Pが方向Fを向いている状態で、例えば正面が方向Fと略平行な方向Fa,Fbを向いている矩形板状の看板A,Bと、正面が方向Fに対して(180°−α°)だけ反時計回り方向に回転した方向Fcを向いている矩形板状の看板Cと、を撮像した場合、図14に示すような撮像構造物画像G1が撮像される。そして、撮像構造物画像G1における看板Aの画像である看板部分画像G1aは、看板Aが撮像手段Pの略正面に存在し、かつ、方向Faが方向Fと略平行なため略矩形状となる。また、看板Bに対応する看板部分画像G1bは、看板Bが撮像手段Pの正面から左方にずれた位置に存在し、かつ、方向Fbが方向Fと略平行なため、左方へのずれ(以下、左方ずれと称す)に依存する画像ゆがみが生じて台形状となる。さらに、看板Cに対応する看板部分画像G1cは、看板Cが撮像手段Pの正面から右方にずれ、かつ、方向Fcが方向Fと略平行でないため、右方へのずれ(以下、右方ずれと称す)に依存する画像ゆがみに加え方向Fcの向きに依存する画像ゆがみが生じて2重のゆがみを有する台形状となる。
【0123】
そして、撮像位置特定手段524は、看板部分画像の画像ゆがみを撮像手段Pに対する位置ずれに依存する画像ゆがみのみにするために、撮像手段Pおよび看板の向きに依存する画像ゆがみを除去する処理をする。例えば、撮像位置特定手段524は、看板部分画像G1cにおける方向Fcの向きに依存する画像ゆがみを除去するために、図15に示すように看板Cがα°だけ反時計回り方向に回転された、すなわち看板Cが方向Fと略平行な方向Fc1を向く状態に回転された仮想看板C1を撮像した際の看板部分画像G2cを生成する。そして、図16に示すような画像ゆがみが生じていない看板部分画像G1cと、左方ずれや右方ずれに依存する画像ゆがみが生じている看板部分画像G1b、G2cと、を有する撮像構造物画像G2を生成する。なお、ここでは、矩形板状の看板を例示して説明したが、円板状や三角形板状など、他の形状の看板に対しても同様の処理を実施する。
【0124】
この後、撮像位置特定手段524は、撮像構造物画像の看板の形状が本来の形状となるような看板に対する撮像角度を演算する(ステッ
プS314)。すなわち、例えば図17に示すように、位置ずれが生じている看板部分画像G1b、G2cを位置ずれによる画像ゆがみを除去した矩形状の看板部分画像G3b、G3cに修正した撮像構造物画像G3を生成する。そして、図15に示すように、看板部分画像G1bが矩形状の看板部分画像G3bになるときの看板Bが向いている方向と方向Fbとがなす角度を撮像角度Rbとして演算する。さらに、看板部分画像G2cが矩形状の看板部分画像G3bになるときの仮想看板C1が向いている方向と方向Fc1とがなす角度を撮像角度Rcとして演算する。また、撮像位置特定手段524は、看板記載内容を認識した例えば3つの看板のそれぞれからステップS314で演算した撮像角度で仮想線を描き、これら仮想線の交点の位置を撮像位置として特定して(ステップS315)、処理を終了する。例えば図15に示すように、看板Aから撮像角度が0度で描いた仮想線Hra、看板Bから撮像角度Rbで描いた仮想線Hrb、仮想看板C1から撮像角度Rcで描いた仮想線Hrcの交点の位置を撮像位置として特定する。
【0125】
このような構成にすれば、サーバ装置500にて端末装置300からの撮像画像データに対応する構造物を立体地図や平面的な地図から検索して撮像位置を特定する構成としているので、端末装置300は、GPS受信部を備えることなく撮像画像データの撮像位置を認識できる。また、サーバ装置500は、ゲートウェイ装置で付加された位置情報に基づいて位置を特定する従来の構成と比べて、実際に撮像画像データの画像を撮像した位置の近傍を撮像位置として特定できる。さらに、サーバ装置500は、所定の構造物に基づいて撮像位置を特定するため、利用者に撮像位置を特定するための撮像対象を容易に見つけさせることができる。したがって、サーバ装置500は、適切に位置を特定できる。また、基地局情報に基づいて検索対象地図を特定する構成としているので、構造物を検索する処理を容易にできる。そして、検索対象立体地図3Dデータおよび構造物3Dデータを比較する構成、すなわち3Dデータ同士を比較する構成としているので、撮像位置の特定をより容易にできる。
【0126】
なお、サーバ装置500を適用した構成において、基地局情報やコンパス情報を取得しない構成とすれば、端末装置300との間で送受信する情報量を減らすことができる。また、ステップS308において、看板が1つ存在する場合、その看板を利用すれば、構造物3Dデータの検索を容易にできる。
【0127】
また、サーバ装置400,500にて、異なる複数の場所で撮像された撮像画像データを取得する。そして、これら複数の撮像画像データの撮像看板画像や撮像構造物画像に基づいて、撮像位置を特定する構成としてもよい。このような構成にすれば、サーバ装置400,500は、複数の撮像看板画像や撮像構造物画像に基づいて、より正確に撮像位置を特定できる。
【0128】
また、端末装置300に、撮像手段320および撮像制御手段381を設けずに、別体で構成された例えばデジタルカメラやデジタルビデオなどの図示しない撮像データ生成手段で生成された撮像画像データを取得してサーバ装置400,500に送信する構成としてもよい。このような構成にすれば、端末装置300の構成を簡略にできる。
【0129】
そして、端末装置300と同様の端末装置に、CPU450,520と同様の構成を設けるとともに地図情報や登録看板リスト情報600あるいは高さ情報を記憶させ、ネットワーク200を利用することなく撮像位置を特定する構成としてもよい。さらに、本発明の情報処理装置としては、CPU450,520を独立させた構成としてもよい。
【0130】
また、上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、上述したように取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
【0131】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0132】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、上記実施の形態では、サーバ装置400は、CPU450にて、端末装置300から送信された方面看板の画像に関する撮像画像データを取得して、この撮像画像データの方面看板に関する登録画像データ611を有する登録看板情報610を記憶手段440から検索する。そして、この検索した登録看板情報610が有する基準位置情報614の位置を撮像画像データが撮像された撮像位置として特定する。このため、サーバ装置400にて端末装置300からの撮像画像データに対応する登録看板情報610を検索して撮像位置を特定する構成としているので、端末装置300は、GPS受信部を備えることなく撮像画像データの撮像位置を認識できる。また、基準位置情報614に登録画像データ611の画像を撮像した位置を記載しているので、サーバ装置400は、ゲートウェイ装置で付加された位置情報に基づいて位置を特定する従来の構成と比べて、実際に撮像画像データの画像を撮像した位置の近傍を撮像位置として特定できる。さらに、サーバ装置400は、一般的に道路に沿った位置に配置されている交通案内を示す構造物に基づいて撮像位置を特定するため、利用者に撮像位置を特定するための撮像対象を容易に見つけさせることができる。したがって、サーバ装置400は、適切に位置を特定できる。
【0133】
また、サーバ装置500は、CPU520にて、端末装置300から撮像画像データを取得して、撮像構造物画像の構造物の立体的な構造を生成する。そして、この立体的な構造を生成した構造物を立体地図から検索して撮像位置を特定する。このため、サーバ装置500にて端末装置300からの撮像画像データに対応する構造物を立体地図から検索して撮像位置を特定する構成としているので、端末装置300は、GPS受信部を備えることなく撮像画像データの撮像位置を認識できる。また、サーバ装置500は、ゲートウェイ装置で付加された位置情報に基づいて位置を特定する従来の構成と比べて、実際に撮像画像データの画像を撮像した位置の近傍を撮像位置として特定できる。さらに、サーバ装置500は、所定の構造物に基づいて撮像位置を特定するため、利用者に撮像位置を特定するための撮像対象を容易に見つけさせることができる。したがって、サーバ装置500は、適切に位置を特定できる。
【0134】
さらに、ナビゲーションシステム100は、サーバ装置400にて、端末装置300で撮像された撮像画像データの方面看板に関する登録画像データ611を有する登録看板情報610を記憶手段440から検索する。そして、サーバ装置400は、この検索した登録看板情報610が有する基準位置情報614の位置を撮像画像データが撮像された撮像位置として特定して、この撮像位置に関する例えば地図位置報知情報を端末装置300へ送信する。このため、ナビゲーションシステム100は、GPS受信部を備えることなく撮像画像データの撮像位置を認識できる。また、ナビゲーションシステム100は、実際に撮像画像データの画像を撮像した位置の近傍を撮像位置として特定できる。さらに、ナビゲーションシステム100は、利用者に撮像位置を特定するための撮像対象を容易に見つけさせることができる。したがって、ナビゲーションシステム100は、適切に位置を特定できる。
【0135】
ナビゲーションシステムは、サーバ装置500にて、端末装置300で撮像された撮像画像データの構造物の立体的な構造を生成し、この構造物を立体地図から検索して撮像位置を特定する。そして、サーバ装置500は、この特定した撮像位置に関する例えば地図位置報知情報を端末装置300へ送信する。このため、ナビゲーションシステムは、GPS受信部を備えることなく撮像画像データの撮像位置を認識できる。また、ナビゲーションシステムは、実際に撮像画像データの画像を撮像した位置の近傍を撮像位置として特定できる。さらに、ナビゲーションシステムは、利用者に撮像位置を特定するための撮像対象を容易に見つけさせることができる。したがって、ナビゲーションシステムは、適切に位置を特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の一実施の形態に係るナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記一実施の形態における端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】前記一実施の形態における端末装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】前記一実施の形態および本発明の他の実施の形態に係るサーバ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】前記一実施の形態における地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図6】前記一実施の形態における地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。
【図7】前記一実施の形態における登録看板リスト情報の概略構成を示す模式図である。
【図8】前記一実施の形態におけるサーバ装置を構成するCPUの概略構成を示すブロック図である。
【図9】前記一実施の形態における撮像位置の報知処理を示すフローチャートである。
【図10】前記一実施の形態における撮像位置の特定処理を示すフローチャートである。
【図11】前記他の実施の形態におけるサーバ装置を構成するCPUの概略構成を示すブロック図である。
【図12】前記他の実施の形態における撮像位置の特定処理を示すフローチャートである。
【図13】前記他の実施の形態における看板の撮像状態を示す模式図である。
【図14】前記他の実施の形態における撮像構造物画像を示す模式図である。
【図15】前記他の実施の形態における撮像角度に基づく撮像位置の特定状態を示す模式図である。
【図16】前記他の実施の形態における看板の向きに依存する画像ゆがみを除去した撮像構造物画像を示す模式図である。
【図17】前記他の実施の形態における看板の位置ずれに依存する画像ゆがみを除去した撮像構造物画像を示す模式図である。
【符号の説明】
【0137】
100 情報処理システムとしてのナビゲーションシステム
200 ネットワーク
300 端末装置
310 送受信手段としての送受信器
350 報知手段としての表示手段である端末表示部
380 演算手段としての処理部
381 撮像画像データ生成手段としての撮像制御手段
384 端末撮像画像データ取得手段としての撮像関連情報生成手段
385 報知制御手段
400,500 サーバ装置
450,520 情報処理装置および演算手段としてのCPU
451 撮像画像データ取得手段および構造物視認情報取得手段としても機能する対応判断手段としての登録看板情報検索手段
452 位置関係認識手段としての差異認識手段
453,524 撮像位置特定手段
454 位置特定情報生成手段としての位置報知情報生成手段
521 撮像画像データ取得手段としても機能する看板数認識手段
522 立体構造生成手段
523 立体地図情報取得手段
610 構造物視認情報としての登録看板情報
611 視認データとしての登録画像データ
612 中継位置特定情報としての対応基地局情報
613 視認方位情報としての登録方位情報
614 視認位置情報としての基準位置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、
所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得する構造物視認情報取得手段と、
前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断する対応判断手段と、
この対応判断手段で前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定する撮像位置特定手段と、
を具備したことを特徴とした情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記撮像画像データは、所定の地物を含む画像に関するデータであり、
前記視認データは、前記所定の位置で視認される前記構造物および所定の地物の外観に関するデータであり、
前記対応判断手段は、前記撮像画像データおよび前記視認データの前記地物が対応していることを認識すると、前記構造物が対応していると判断する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記対応判断手段は、前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物に示された前記交通案内の内容が対応していることを認識すると、前記構造物が対応していると判断する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記構造物視認情報は、前記視認される位置および前記構造物の位置の方位関係に関する視認方位情報を有し、
前記撮像画像データ取得手段は、前記撮像画像データの画像が撮像された位置および前記構造物の位置の方位関係に関する撮像方位情報を取得し、
前記対応判断手段は、前記撮像方位情報および前記視認方位情報の前記方位関係が対応していることを認識すると、前記構造物が対応していると判断する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記撮像画像データの画像が撮像された位置および前記構造物の位置の第1の位置関係と、前記視認される位置および前記構造物の位置の第2の位置関係と、を認識する位置関係認識手段を具備し、
前記撮像位置特定手段は、前記第1の位置関係および前記第2の位置関係が対応していないことを認識すると、前記視認位置情報の位置を前記第1の位置関係および前記第2の位置関係に基づいて補正した位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記構造物は、面状の面状部を有し、
前記位置関係認識手段は、前記面状部の面に対する前記撮像された位置の相対的な方向を前記第1の位置関係として認識するとともに、前記面状部の面に対する前記視認される位置の相対的な方向を前記第2の位置関係として認識する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記位置関係認識手段は、前記画像における前記面状部の面の形状に基づいて前記面状部の面に対する前記撮像された位置の相対的な方向を認識するとともに、前記視認データで示される前記面状部の面の形状に基づいて前記面状部の面に対する前記視認される位置の相対的な方向を認識する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記位置関係認識手段は、前記撮像された位置および前記構造物の位置の距離を前記第1の位置関係として認識するとともに、前記視認される位置および前記構造物の位置の距離を前記第2の位置関係として認識する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理装置であって、
前記撮像画像データは、所定の地物を含む画像に関するデータであり、
前記視認データは、前記所定の位置で視認される前記構造物および所定の地物の外観に関するデータであり、
前記位置関係認識手段は、前記画像における前記構造物および前記地物の大きさの関係に基づいて前記撮像された位置および前記構造物の距離を認識するとともに、前記視認データで示される前記構造物および前記地物の大きさの関係に基づいて前記視認される位置および前記構造物の距離を認識する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項10】
請求項8に記載の情報処理装置であって、
前記位置関係認識手段は、前記画像における視野角および前記構造物の大きさに基づいて前記撮像された位置および前記構造物の距離を認識する
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記視認データは、前記所定の位置で視認される前記外観の画像に関するデータである
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項12】
所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、
前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成する立体構造生成手段と、
所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得する立体地図情報取得手段と、
前記立体構造生成手段で生成した前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する撮像位置特定手段と、
を具備したことを特徴とした情報処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理装置であって、
前記撮像画像データは、交通案内を示す前記構造物の画像に関するデータである
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項11、請求項13のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記交通案内を示す構造物は、所定の道路に接続された場所の名称を表す看板である
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記撮像画像データは、前記構造物が前記画像における特定の位置に位置する画像に関するデータである
ことを特徴とした情報処理装置。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記撮像位置特定手段で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を生成する位置特定情報生成手段と、
前記位置特定情報に基づいて前記撮像された位置を報知手段で報知させる報知制御手段と、
を具備したことを特徴とした情報処理装置。
【請求項17】
請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の情報処理装置と、
この情報処理装置にネットワークを介して各種情報が送受信可能に接続され、前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得する端末撮像画像データ取得手段、および、前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記情報処理装置へ送信するとともに前記情報処理装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像位置特定手段で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信する送受信手段を備えた端末装置と、
を具備し、
前記情報処理装置は、前記位置特定情報を生成して前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信する位置特定情報生成手段を備えた
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項18】
端末装置で取得され所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置にて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得する端末撮像画像データ取得手段と、
前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信するとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信する送受信手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、
所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得する構造物視認情報取得手段と、
前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断する対応判断手段と、
この対応判断手段で前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定する撮像位置特定手段と、
この撮像位置特定手段で特定された前記位置に関する前記位置特定情報を生成して前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信する位置特定情報生成手段と、
を備えた
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項19】
請求項18に記載の情報処理システムであって、
前記ネットワークは、互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されこの配置された位置を特定する配置位置特定情報を前記端末装置から受信した前記撮像画像データに関連付けて前記情報処理装置へ送信するとともに前記情報処理装置から受信した前記位置特定情報を前記端末装置へ送信する中継手段を複数備え、
前記構造物視認情報は、前記視認される構造物の近傍に配置された前記中継手段の位置に関する中継位置特定情報を有し、
前記端末装置の送受信手段は、近傍に配置された前記中継手段を介して前記撮像画像データを前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置の前記対応判断手段は、前記配置位置特定情報および前記中継位置特定情報の位置が対応していることを認識すると、前記構造物が対応していると判断する
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項20】
端末装置で取得され所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置にて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理システムであって、
前記端末装置は、
前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得する端末撮像画像データ取得手段と、
前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信するとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信する送受信手段と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得する撮像画像データ取得手段と、
前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成する立体構造生成手段と、
所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得する立体地図情報取得手段と、
前記立体構造生成手段で生成した前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する撮像位置特定手段と、
この撮像位置特定手段で特定された前記位置に関する前記位置特定情報を生成して前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信する位置特定情報生成手段と、
を備えた
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項21】
請求項17ないし請求項20のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記端末装置は、前記位置特定情報に基づいて前記撮像された位置を報知手段で報知させる報知制御手段を備えた
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項22】
請求項21に記載の情報処理システムであって、
前記報知手段は、各種情報を表示する表示手段であり、
前記報知制御手段は、前記位置特定情報に基づいて前記撮像された位置を表す文字を前記表示手段で表示させる
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項23】
請求項21または請求項22に記載の情報処理システムであって、
前記報知手段は、各種情報を表示する表示手段であり、
前記報知制御手段は、前記位置特定情報に基づいて前記撮像された位置を地図に重畳させて前記表示手段で表示させる
ことを特徴とした情報処理システム。
【請求項24】
演算手段により、所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、この撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理方法であって、
前記演算手段は、
前記撮像画像データを取得し、
所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得し、
前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断し、
前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項25】
演算手段により、所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、この撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する情報処理方法であって、
前記演算手段は、
前記撮像画像データを取得し、
前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成し、
所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得し、
前記生成した前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項26】
演算手段により、端末装置で取得され所定の位置で撮像された交通案内を示す構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置で前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定させる情報処理方法であって、
前記演算手段は、
前記端末装置に、
前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得させ、
前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信させるとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信させ、
前記サーバ装置に、
前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得させ、
所定の位置で視認される前記構造物の外観に関する視認データおよび前記視認される位置を示す視認位置情報が1つのデータ構造として構成された構造物視認情報を取得させ、
前記撮像画像データおよび前記視認データの前記構造物が対応しているか否かを判断し、
前記構造物が対応していると判断されたことを認識すると、前記視認データを有する前記構造物視認情報の前記視認位置情報の位置を前記撮像画像データの画像が撮像された位置として特定させ、
この特定させた前記位置に関する前記位置特定情報を生成させて前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信させる
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項27】
演算手段により、端末装置で取得され所定の位置で撮像された構造物の画像に関する撮像画像データに基づいて、前記端末装置にネットワークを介して各種情報を送受信可能に接続されたサーバ装置で前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定させる情報処理方法であって、
前記演算手段は、
前記端末装置に、
前記撮像画像データを生成する撮像画像データ生成手段から前記撮像画像データを取得させ、
前記撮像画像データを前記ネットワークを介して前記サーバ装置へ送信させるとともに前記サーバ装置から前記ネットワークを介して送信される前記サーバ装置で特定された前記画像が撮像された位置に関する位置特定情報を受信させ、
前記サーバ装置に、
前記端末装置から前記ネットワークを介して送信される前記撮像画像データを取得させ、
前記撮像画像データに基づいて前記構造物の立体的な構造を生成させ、
所定の構造物が立体的に表される立体地図に関する立体地図情報を取得させ、
前記生成させた前記立体的な構造を有する前記構造物が前記立体地図情報の前記立体地図上に存在していることを認識すると、前記構造物の立体的な構造および前記立体地図に基づいて前記撮像画像データの画像が撮像された位置を特定させ、
この特定させた前記位置に関する前記位置特定情報を生成させて前記ネットワークを介して前記端末装置へ送信させる
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項28】
演算手段を請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の情報処理装置として機能させる
ことを特徴とした情報処理プログラム。
【請求項29】
演算手段を請求項17ないし請求項23のいずれかに記載の情報処理システムとして機能させる
ことを特徴とした情報処理プログラム。
【請求項30】
請求項24ないし請求項27のいずれかに記載の情報処理方法を演算手段に実行させる
ことを特徴とした情報処理プログラム。
【請求項31】
請求項28ないし請求項30のいずれかに記載の情報処理プログラムが演算手段にて読取可能に記録された
ことを特徴とした情報処理プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−287435(P2006−287435A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−102520(P2005−102520)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】