情報提供システム及びナビゲーションシステム
【課題】 ナビゲーションシステムを利用するユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】 ユーザが車両Vから降車し、車両VのイグニッションキーをOFFにする際、一時的にナビゲーション装置NAVの電源をONの状態に維持し、車両Vの現在位置を示す位置情報を携帯端末MS、或いは、サーバNSに対して事前に送信しておく。事後にユーザが携帯端末MSを用いて、経路等の調査を行う場合、ユーザが携帯端末MSを用いてサーバNSにアクセスし、当該ユーザが車両Vに搭乗した後に向かおうとする目的地を指定する。一方、サーバNSは、事前にナビゲーション装置NAVから送信されている位置情報を出発地とすると共に、この指定された目的地までの経路を探索し、当該経路に対応したデータを携帯端末MSに配信し、当該経路を携帯端末MSにおいて表示する。
【解決手段】 ユーザが車両Vから降車し、車両VのイグニッションキーをOFFにする際、一時的にナビゲーション装置NAVの電源をONの状態に維持し、車両Vの現在位置を示す位置情報を携帯端末MS、或いは、サーバNSに対して事前に送信しておく。事後にユーザが携帯端末MSを用いて、経路等の調査を行う場合、ユーザが携帯端末MSを用いてサーバNSにアクセスし、当該ユーザが車両Vに搭乗した後に向かおうとする目的地を指定する。一方、サーバNSは、事前にナビゲーション装置NAVから送信されている位置情報を出発地とすると共に、この指定された目的地までの経路を探索し、当該経路に対応したデータを携帯端末MSに配信し、当該経路を携帯端末MSにおいて表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動経路を検索し、当該経路をユーザに提示するナビゲーションシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両等の移動体の現在位置から目的地までの経路をネットワーク上のサーバにおいて探索し、当該探索された経路を示す経路誘導情報を移動体に搭載されたナビゲーション装置に配信し、ナビゲーション装置において当該経路誘導情報に基づいて移動体の経路を表示する通信型のナビゲーションシステムが各種提案されている。
【0003】
また、この種のナビゲーションシステムの中にはユーザの利便性確保の観点からPDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機等の携帯端末を用いてサーバにアクセスすると共に、当該携帯端末により目的地を指定し、サーバにおいて生成した経路誘導情報をナビゲーション装置に配信するものも存在している。
【特許文献1】特開2003−177025
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムは、例えば、次のような点において不利不便なものとなっていた。
【0005】
(1)各種情報の調査の困難性
まず、上記ナビゲーションシステムにおいては、サーバにおいて生成された経路誘導情報の配信先がナビゲーション装置に固定されていた。このため、例えば、旅行の前日にユーザが旅行当日の経路を決定し、当該経路近くに存在する施設(例えば、旧跡等の見所スポット)を調査したいと考えても、ユーザが経路を調べるためには移動体に搭乗してナビゲーション装置を用いなければならず、非常に不利不便であった。
【0006】
(2)ナビゲーション利用時の不便性
また、上述したナビゲーションシステムにおいては、携帯端末を用いて事前に目的地のみを指定しておき、ユーザが移動体に搭乗した後にナビゲーション装置から移動体の現在位置を示す位置情報をサーバに送信し、サーバにおいて経路誘導情報を生成する構成が採用されている。このため、同システムにおいては移動体にユーザが搭乗した後、サーバにおいて経路探索が完了するまでの間、ユーザは経路誘導を受けることができないこととなり、迅速なサービス提供が困難となっていた。特に、サーバに対するアクセスが集中した場合、経路探索が完了するまでの時間が長期化し、この傾向が顕著となる。
【0007】
本願は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、ユーザの利便性を向上させることの可能な情報提供システム、ナビゲーションシステム、サーバ装置、携帯端末装置、位置情報取得装置、ナビゲーション装置、及び、これら各装置を実現するためのプログラム、並びに、情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため本願の一つの観点において請求項1に記載の情報提供システムは、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えた情報提供システムであって、前記位置情報取得装置は、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、を有し、前記携帯端末装置は、目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から送信された前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記位置情報取得装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本願の他の観点において請求項8に記載の位置情報取得装置は、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、によって情報提供システムを構成するための位置情報取得装置であって、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
また更に、本願の他の観点において請求項9に記載の携帯端末装置は、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、によって情報提供システムを構成するための携帯端末装置であって、前記移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、前記位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段と、目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
更に、本願の他の観点において請求項10に記載のナビゲーションシステムは、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報に基づいて前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し前記ナビゲーション装置に配信するサーバ装置と、を備えたナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本願の他の観点において請求項13に記載のナビゲーション装置は、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される携帯端末装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのナビゲーション装置であって、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、有することを特徴とする。
【0013】
また更に、本願の他の観点において請求項14に記載のサーバ装置は、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのサーバ装置であって、前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段と、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、前記ナビゲーション装置において前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該ナビゲーション装置に配信する配信手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
更に、本願の他の観点において請求項15に記載の位置情報出力プログラムは、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、移動体に搭載されるコンピュータとから構成されるシステムにおいて、前記移動体の位置情報をコンピュータにより取得して、外部装置に出力させるための位置情報出力プログラムであって、前記コンピュータを、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記外部装置に出力する出力手段、として機能させることを特徴とする。
【0015】
更にまた、本願の他の観点において請求項16に記載のクライアントプログラムは、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、ユーザによって携帯されるコンピュータとを有するシステムにおいて、前記コンピュータを端末装置として機能させるためのクライアントプログラムであって、前記コンピュータを、移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し配信するサーバ装置に目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段、送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段、として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、本願の他の観点に請求項17に記載のサーバプログラムであって、ユーザに携帯される携帯端末装置から目的地を指定して送信される探索要求情報に基づいて移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データをコンピュータにより生成し、配信するためのサーバプログラムであって、前記コンピュータを、移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置及び前記携帯端末の少なくとも何れか一方から前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段、前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該移動体に搭載されたナビゲーション装置に配信する配信手段、として機能させることを特徴とする。
【0017】
また更に、本願の他の観点において請求項18に記載の情報提供方法は、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報取得装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記位置情報取得装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、前記携帯端末装置が前記経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関する情報をユーザに提示する第5ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
更に、本願の他の観点において請求項19に記載の情報提供方法は、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えるナビゲーションシステムにおける情報提供方法であって、前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記ナビゲーション装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、前記駆動電源の稼動状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する第5ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願の実施形態としてのナビゲーション装置について、説明する。なお、以下において例示する実施形態においては移動体として車両を用いた例について説明するが、本願は車両に限らず、他の移動体(例えば、自動2輪車や航空機、船舶等)においても適用可能なものである。
【0020】
[1]第1実施形態
[1.1]第1実施形態の構成
(1)ナビゲーションシステムSの概要
まず、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSの構成を示すブロック図である図1を参照しつつ、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSの概要について説明する。同図に示すように、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSは、移動通信網やインターネット等の通信網が相互接続されたネットワークNETと、ユーザによって携帯されるPDA等の携帯端末MSと、ネットワークNETに通信接続されたナビゲーションサーバNS(以下、単に「サーバNS」という)と、車両Vに搭載されるナビゲーション装置NAVと、を有している。
【0021】
このナビゲーションシステムSの基本的な発明概念及び動作概要について説明すると、次のようなものになる。
【0022】
まず、例えば、ユーザが車両Vにより旅行に出ようとする場合を考える。この場合、ユーザは、その旅行当日に車両Vに搭乗して、たどる経路を前日の内に決定し、当該経路近くに存在する施設(例えば、旧跡等の見所スポット)を調査しておく場合が多い。また、その旅行の目的地までの所要時間を旅行前日の内に調査し、旅行当日の出発時刻等を決定することも多い。更には、旅先からの帰路における施設を探索したい場合も多い。このような各種情報の調査のために逐一ユーザが車両Vまで赴き、ナビゲーション装置NAVを用いることが必要になるとすればユーザに非常に煩雑な作業を強要することとなりかねない。
【0023】
そこで、本実施形態のナビゲーションシステムSにおいては、ユーザが車両Vに赴くことなく、事前に携帯端末MSを用いてサーバNSにアクセスし、出発地及びユーザが車両Vに搭乗した後に向かおうとする目的地を指定する。一方、サーバNSは、出発地からこの指定された目的地までの経路や所要時間を算出し、当該経路等に対応したデータを携帯端末MSに配信し、当該経路等を携帯端末MSにおいて表示する構成が採用されている(以下、このサーバNSの提供するサービスを「ナビゲーションサービス」という)。
【0024】
なお、このサーバNSから携帯端末MSに配信するデータの内容については任意であるが、本実施形態においては、携帯端末MSにおける処理を簡略化するため、サーバNSにおいて探索した経路及び所要時間(出発地〜目的地)を地図上に描画した画像データを生成し、携帯端末MSに配信する構成を採用するものとして説明を行う。
【0025】
ここで、通常、出発地及び目的地の指定は、ユーザが当該地点を象徴するキーワードを入力して行われるか若しくは候補となる地点名の一覧からユーザが選択して行われる。かかる作業はユーザにとって非常に煩雑なものであり、両地点の指定を必須とするとユーザの利便性が低下してしまう。特に、目的地となる地点に関しては各回毎に区々となるのでユーザが指定することが必須となるが、出発地については通常、車両Vの現在位置、すなわち、車両Vの駐車位置となるため、かかる出発地の指定作業をユーザに強いることは妥当とは言えない。更に言うならば、車両Vの駐車位置の住所や緯度/経度は、自宅駐車場であればともかく、旅先等においてかかる位置を調べることは不可能である。
【0026】
一方、車両Vの現在位置はナビゲーション装置NAVに搭載されたGPS(Global Positioning System)受信機(詳しくは後述)により位置情報として取得されるものであるため、この位置情報をサーバNSが自動的にナビゲーション装置NAVから取得することができれば出発地の指定を不要とすることができる。ところが、ユーザが車両Vを駐車する場合、通常、車両VのイグニッションキーはOFFにされ、ナビゲーション装置NAVにも電源が供給されていない状態となる。このため、ユーザが携帯端末MSを用いて事前に出発地等を指定しようとする時点ではサーバNSがナビゲーション装置NAVから位置情報を取得することは不可能となってしまう。
【0027】
そこで、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、ユーザが稼動させていた車両Vを駐車した時点、すなわち、車両Vの駆動源(エンジン)が稼動状態から停止状態になった時点で事前にナビゲーション装置NAVから車両位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSに送信しておき、この車両位置情報に基づいて目的地を設定してルート探索を行う方法を採用することにした。なお、この場合における、駆動源の状態(稼動状態/停止状態)の検出方法については任意であり、例えば、駆動源にセンサを取り付け回転数等に基づいて稼動状態と停止状態を検出するようにしても良いし、駆動源の状態と連動するスイッチを設け、当該スイッチの状態を検出することで駆動源の状態を検出するようにしても良い。但し、本実施形態においては、車両Vの駆動源の状態と連動するイグニッションキーの状態を検出することにより駆動源の状態を検出する方法を採用するものとする。この場合、イグニッションキーがONの状態が駆動源の稼動状態に対応し、イグニッションキーがOFFの状態が駆動源の停止状態に対応することとなる。
【0028】
かかる経路探索に際して、サーバNSは、
<位置情報が事前に携帯端末MSに送信されている場合>
出発地の指定に変えて当該位置情報を携帯端末MSから取得し、当該位置情報に対応する地点を出発地と仮定する一方、
<位置情報が事前にサーバNSに送信されている場合>
当該事前に送信されている位置情報により示される地点をユーザの出発地と仮定し、
当該出発地から目的地までの経路を探索する。
【0029】
なお、ユーザによる任意の出発地の指定を可能とするか否かについては任意であるが、更なる利便性の向上の観点から本実施形態においては(a)ユーザの任意指定による経路探索、或いは、(b)位置情報を用いた経路探索(すなわち、車両Vの現在地を出発地とする方法)の何れかの方法が選択可能であるものとする。
【0030】
なおまた、ナビゲーション装置NAVからの位置情報の送信先を携帯端末MSにするか、或いは、サーバNSにするのかについては任意であるが、通信費用の削減等の観点から本実施形態においては以下の基準に従うものとして説明を行う。
<基準A>ナビゲーション装置NAVと携帯端末MSが通信可能な状態におかれている場合、携帯端末MSに位置情報を送信する。
<基準B>携帯端末MSとの通信が不能な場合、ネットワークNETを介してサーバNSに位置情報をアップロードする。
【0031】
(2)各装置の具体的な構成
(2.1)携帯端末MSの具体的構成
次に、本実施形態にかかる携帯端末MSの構成を示すブロック図である図2を参照しつつ携帯端末MSの具体的な構成について説明する。同図に示すように本実施形態にかかる携帯端末MSは、通信部11と、外部機器インターフェイス部12(以下、「インターフェイス」を「I/F」と略称する)と、記録部13と、制御部14と、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescent)パネル等の表示装置により構成される表示部15と、タッチパネルやカーソルキー等の操作子からなる入力部16と、各要素を相互に接続するデータバス17と、を有し、ナビゲーションシステムSにおけるクライアントとして機能する。なお、「特許請求の範囲」における「提示手段」及び「保存手段」は、例えば、この制御部14及び記録部13に対応している。
【0032】
通信部11は、ネットワークNETに収容されている移動通信網の基地局との間において無線通信を行う。外部機器I/F部12は、例えば、RS(Recommended Standard)232CやIEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の有線通信I/FやIEEE802.15等の無線通信I/Fにより構成され、通信接続された外部機器との間において各種データの送受信を行う。なお、この外部機器I/F部12に如何なる通信I/Fを設けるかは任意であるが、本実施形態においては、少なくとも1組の有線及び無線通信I/Fが備えられているものとして説明を行う。
【0033】
記録部13は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリにより構成され、携帯端末MSの各部を制御するための制御情報や制御プログラムと共に、例えば、ネットワーク上のリソースを閲覧するためのブラウザやサーバNSに対して経路探索の要求を行うためのプログラム(以下、「経路プログラム」という)が記録されている。また、本実施形態において、記録部13にはナビゲーション装置NAVから送信された位置情報を記録するためのエリアも設けられている。
【0034】
制御部14は、主としてCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)により構成されると共に、記録部13に記録されているプログラムを実行し、携帯端末MSの全体的な機能を統括的に制御する。例えば、制御部14は上記経路プログラムを実行した場合、ナビゲーションサービスの提供を受けるべく、ネットワークNETに対応した通信プロトコルに従い、ネットワークNET上のサーバNSとデータ通信を行う。
【0035】
なおまた、携帯端末MSに経路表示用のプログラムや地図データを記録するか否かは任意であるが、上述したように本実施形態においては、サーバNSにおいて経路を描画した地図に対応した画像データを生成する構成を採用しているためこれらのプログラムは記録部13に記録することは必要とならず、単にサーバNSから配信された画像データを表示部15に表示する機能を設ければよい。
【0036】
(2.2)ナビゲーションサーバNSの具体的な構成
次に、サーバNSの構成を示すブロック図である図3を参照しつつ、本実施形態にかかるサーバNSの具体的な構成について説明する。同図に示すように、本実施形態にかかるサーバNSは、通信部21と、記録部22と、システム制御部23と、これら各部を相互接続するデータバス24と、を有している。なお、「特許請求の範囲」における「取得手段」は、例えば、通信部21及びシステム制御部23に対応し、「生成手段」は、例えば、システム制御部23に対応する。
【0037】
通信部21は、ネットワークNETに通信接続されており、ネットワークNETと、データバス24との間のデータの授受を仲介する。
【0038】
記録部22は、ハードディスク等の記録装置により構成され、例えば、サーバNSの各部を制御するための各種情報と共に、携帯端末MSに対してナビゲーションサービスを提供するためのプログラム(以下、「サーバプログラム」という)等の各種プログラムや以下のような情報が記録されている。
(データa)目的地の検索及びユーザが任意の出発地を選択する際の地点検索用データPD。
(データb)地図の背景や道路表示のためのポリゴンやポリライン、テキスト等のデータを要素とし、経路探索や当該経路を描画した画像データの生成に用いる地図データMD。
(データc)管理テーブルTBL。
【0039】
ここで、管理テーブルTBLとは、各ナビゲーション装置NAVから送信される位置情報を管理すると共に、携帯端末MSとナビゲーション装置NAVを関連付けるためのテーブルであり、図4に示すようにナビゲーション装置NAVの識別情報(以下、「ナビ識別情報」という)と、当該ナビゲーション装置NAVから送信された位置情報と、当該位置情報の更新時刻と、携帯端末MSの識別情報(以下、「携帯識別情報」という)を要素としている。なお、両識別情報の登録方法については任意であり、例えば、ナビゲーション装置NAVの購入時、これらの情報を登録するようにしても良い。
【0040】
後述するように、本実施形態においてナビゲーション装置NAVや携帯端末MSからサーバNSに対して各種のデータを送信する場合、両装置は、自装置に対応したナビ識別情報や携帯識別情報を送信することとなるが、サーバNSにおいては、これらの識別情報と管理テーブルTBLに基づいて対応する位置情報等の情報が特定されることとなる。
【0041】
次に、システム制御部23は、主としてCPU、ROM、RAMにより構成されると共に、記録部22に記録されているプログラムを実行し、サーバNSの全体的な機能を統括的に制御する。例えば、ナビゲーション装置NAVから位置情報が送信されてきた場合、システム制御部23は、当該位置情報に基づいて管理テーブルTBLを更新する。
【0042】
また、例えば、携帯端末MSから経路探索の要求に対応したメッセージが送信されてきた場合、システム制御部23は、サーバプログラムに従い、出発地と、目的地を設定するための処理を実行し、当該設定された出発地から目的地までの経路を探索した後、当該経路の描画された地図に対応する画像データを地図データMDに基づいて生成して携帯端末MSへと配信する。
【0043】
(3)ナビゲーション装置NAVの具体的構成
次に、ナビゲーション装置NAVの具体的な構成について図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、本実施形態にかかるナビゲーション装置NAVの具体的な構成を示すブロック図である。同図に示すようにナビゲーション装置NAVは、GPS受信部301と、センサ部302と、I/F部303と、VICS(Vehicle Information Communication System)データ受信部304と、HDドライブ305と、操作部306と、情報表示部307と、音声処理部308と、スピーカ309と、システム制御部310と、ROM/RAM部311と、通信部312と、外部機器I/F部313と、これら各要素間を相互に接続するデータバス314と、を有する。なお、「特許請求の範囲」における「位置情報取得手段」は、例えば、GPS受信部301、センサ部302及びI/F部303に対応し、「検出手段」は、例えば、システム制御部310に対応し、「位置情報送信手段」は、システム制御部310、通信部312及び外部機器I/F部313に対応する。
【0044】
GPS受信部301は、測地衛星の発信するGPS電波を受信し、当該GPS電波に基づいて車両の現在位置に対応する緯度/経度を算出して、当該算出した緯度/経度をGPSデータとしてI/F部303に出力する。センサ部302は、車両の走行速度、加速度及び方位角を検出するための各種センサを有しており、検出結果に対応する走行データをI/F部303に出力する。
【0045】
I/F部303は、センサ部302から入力される走行データと、GPS受信部301から入力されるGPSデータに基づいて車両の現在位置を算出し、当該算出結果に対応する位置情報をシステム制御部310に出力する。VICSデータ受信部304は、FM多重放送等の放送電波を受信すると共に、当該放送電波に含まれているVICSデータを抽出して、システム制御部310に出力する。
【0046】
HDドライブ305は、情報の書き換えが可能なHDを有しており、このHD内には、例えば、システム制御部310が実行する各種プログラムや、地図の背景や道路表示のためのポリゴンやポリライン、テキスト等のデータを要素とする地図データ、地点検索用のデータが記録されている。
【0047】
操作部306は、テンキーやカーソルキー等の各種キーを有するリモートコントロール装置等により構成されており、ユーザ(運転手や同乗者)の入力操作に対応した制御信号をシステム制御部310に出力する。音声処理部308は、システム制御部310の制御の下、音声信号を生成し、その生成した音声信号をスピーカ309を介して拡声する。情報表示部307は、例えば、液晶パネルや有機EL等の表示装置により構成され、システム制御部310の制御の下、各種の情報を表示する。
【0048】
通信部312は、ネットワークNETとデータバス314の間のデータの授受を中継し、外部機器I/F部313は、例えば、携帯端末MSのような外部機器とデータバス314との間のデータの授受を中継する。なお、外部機器I/F部313として如何なる通信I/Fを設けるかについては、上記携帯端末MSと同様に任意であるが、少なくとも携帯端末MSとの間においてデータの授受を行いうる規格に従ったものであることが必要となるため、本実施形態においては、携帯端末MSに搭載される通信I/Fの規格に合致する少なくとも有線及び無線の一組の通信I/Fを含むものとする。
【0049】
システム制御部310は、主としてCPUにより構成されると共に、GPS受信ポート、キー入力ポート等の各種入出力ポートを含み、ナビゲーション装置NAVの全体的な機能を統括的に制御する。かかる制御に際して、システム制御部310は、ROM/RAM部311に記録されている制御情報を利用すると共に、当該ROM/RAM部311をワークエリアとして利用する。
【0050】
例えば、このシステム制御部310は、HDに記録されているデータに基づいてマップマッチング等の補正処理を行うと共に、操作部306に対する入力操作に応じて目的地となる地点を決定し、車両Vの現在位置から当該目的地となる地点までの経路を設定するための経路設定処理を行う。また、システム制御部310は、かかる経路設定処理により車両Vの現在位置から目的地までの経路が設定されると、HDドライブ305に記録されているデータに基づいて情報表示部307に車両Vの現在位置周辺の地図と重畳して、設定された経路を表示させる。
【0051】
更に、このシステム制御部310は、車両VのイグニッションキーのOFFを検出した場合に、I/F部303から供給される位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSの何れかに送信する。
【0052】
[1.2]第1実施形態の動作
次に、図6乃至図15を用いて本実施形態にかかるナビゲーションシステムSの具体的な動作について説明するが、以下においては、まず、(1)ナビゲーション装置NAVから車両Vの位置情報を送信する際の動作、について説明した後、(2)携帯端末MSを用いてサーバNSに経路探索の要求を行う際の動作、について説明する。
【0053】
(1)ナビゲーション装置NAVから位置情報を送信する際の動作
まず、ユーザが車両Vに搭乗すべく、車両VのイグニッションキーをONに切り換えると、ナビゲーション装置NAVに対する電源供給が開始される。この結果、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310は、図6にフローを示す処理を開始する。
【0054】
この処理において、システム制御部310は、まず、イグニッションキーのOFFが検出されたか否かを判定する状態となり(ステップSa1)、イグニッションキーのOFFが検出されるまで同ステップの処理を繰り返す(「no」)。そして、この間、システム制御部310は、ナビゲーション装置NAVにおける通常の処理を実行する。
【0055】
その後、ユーザが車両Vから降車すべく車両VのイグニッションキーをOFFにすると、ステップSa1における判定が「yes」に変化し、システム制御部310はイグニッションキーのOFF後もナビゲーション装置NAVの電源をON状態に維持し(ステップSa2)、I/F部303から位置情報を取得すると共に(ステップSa3)、当該位置情報をROM/RAM部311に転送して(ステップSa4)、図7に示す位置情報送信処理を実行する(ステップSa5)。
【0056】
この位置情報送信処理(ステップSa5)においてシステム制御部310は、まず、携帯端末MSがナビゲーション装置NAVに有線接続されているか否かを判定し(ステップSa5-1)、「no」と判定した場合、システム制御部310は外部機器I/F部313の無線通信I/Fを介して当該位置情報を携帯端末MSに無線送信する一方(ステップSa5-2)、「yes」と判定した場合、当該位置情報を有線通信I/Fを介して携帯端末MSに有線送信する(ステップSa5-3)。
【0057】
次いで、システム制御部310は、位置情報の送信に成功したか否かを判定する状態となり(ステップSa5-4)、「yes」と判定すると位置情報送信処理を終了するのに対し、「no」と判定した場合、当該位置情報にナビ識別情報を付加してサーバNSに送信した後(ステップSa5-5)、位置情報送信処理を終了する。
【0058】
このようにして、ステップSa5における位置情報送信処理が終了すると、システム制御部310は、ナビゲーション装置NAVの電源をOFFにして(ステップSa6)、処理を終了する。
【0059】
かかる一連の処理がなされる結果、イグニッションキーがOFFにされた時点における車両Vの位置情報が携帯端末MS、或いは、サーバNSの何れか一方に送信されることとなる。
【0060】
一方、ナビゲーション装置NAVから位置情報が送信されてきた場合、携帯端末MS、或いは、サーバNSにおいては、次のような処理が実行される。
【0061】
<携帯端末MSにおける処理>
位置情報が携帯端末MSに対して送信され、外部機器I/F部12によって受信された場合、携帯端末MSの制御部14は、図8に示す処理を実行する。この結果、制御部14においては受信処理が実行され(ステップSb1)、外部機器I/F部12によって受信された位置情報が順次図示せぬRAMに一時的に格納される。次いで、制御部14は、当該位置情報を記録部13に記録すると共に、現在時刻(更新時刻)を取得し、当該時刻を当該位置情報と対応付けて記録して(ステップSb2)、処理を終了する。この際、既に記録されている位置情報等が存在する場合、制御部14は、この既に記録されている位置情報と更新時刻を上書き更新する。
【0062】
<サーバNSにおける処理>
これに対して、ナビ識別情報の付加された位置情報がナビゲーション装置NAVからサーバNSに送信され通信部21によって受信された場合、サーバNSのシステム制御部23は、図9に示す処理を実行する。この結果、システム制御部23においては受信処理が実行され(ステップSc1)、通信部21によって受信された位置情報が順次図示せぬRAMに一時的に格納される。次いで、システム制御部23は、これら位置情報、ナビ識別情報に基づいて管理テーブルTBLを更新する(ステップSc2)。この際、システム制御部23は、当該ナビ識別情報に基づいて、管理テーブルTBLを検索し、対応する位置情報及び更新時刻のフィールドを特定する。そして、当該フィールドに対して、ナビゲーション装置NAVから送信されてきた位置情報を上書きすると共に、現在時刻を上書きすることにより、管理テーブルTBLを更新する。
【0063】
以上、説明した処理がなされ、イグニッションキーをOFFにした時点における位置情報がサーバNS、或いは、携帯端末MSに送信された状態となると、ユーザは携帯端末MSを用いることにより経路探索の要求をサーバに対して行うことが可能な状態となる。
【0064】
(2)携帯端末MSを用いて経路探索の要求を行う際の動作
次に、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいて、携帯端末MSを用いて経路探索の要求を行う際の動作について、図10乃至図15を参照しつつ説明することとする。なお、携帯端末MSを用いて経路探索の要求を行う際の動作は、大別して、(2-1)出発地設定時の動作、(2-2)出発地設定後の動作の順に行われるものとなっている。以下においては、各動作を順を追って説明することとする。
【0065】
(2-1)出発地設定時の動作
出発地設定時の動作は、(a)車両Vの現在位置を出発地として設定する場合と、(b)車両Vの現在位置以外を出発地として設定する場合(すなわち、ユーザの任意設定)と、の間で動作例が異なってくるため、以下においては説明の理解を容易にするため上記(a)、(b)の順に説明を行うこととする。
【0066】
(a)車両Vの現在位置を出発地として設定する場合の動作例
まず、車両現在位置を出発地として経路探索の要求を行うべく、ユーザが携帯端末MSの入力部16に対して経路探索を行う旨の入力操作を行うと、携帯端末MSの制御部14は、入力部16から供給される制御信号に従って、記録部13に記録されている経路プログラムを読み出し、図11に示す携帯端末側出発地設定処理を開始し、この結果、ナビゲーションシステムSにおいては図10にシーケンスを示すデータの授受が行われることとなる。
【0067】
まず、この携帯側出発地設定処理において携帯端末MSの制御部14は、ユーザに対して出発地の入力を促す画面の表示処理を行い(ステップSd1)、ユーザの入力を待機する状態となる(ステップSd2「no」)。この結果、携帯端末MSの表示部15には、例えば、「出発地を車両Vの現在位置にする場合、現在位置ボタンを選択し、出発地をそれ以外に設定する場合には、出発地名を入力し、送信ボタンを選択して下さい」等の文字列と共に、「現在位置」なるボタンと、住所入力用のボックス及び「送信」なるボタンが表示される。
【0068】
この状態においてユーザが何れかのボタンを選択する旨の入力操作を行うと、制御部14においては、ステップSd2における判定が「yes」となり、出発地として車両Vの現在位置が選択されたか否かが判定される(ステップSd3)。
【0069】
ここで、本動作例の場合、出発地として車両現在位置を設定することが必要となるため、ユーザは「現在位置」ボタンを選択することが必要となる。このようにユーザによって「現在位置」ボタンが選択された場合、制御部14は、ステップSd3において「yes」と判定し、サーバNS宛に出発地が車両Vの現在位置である旨のメッセージDa1を送信し(ステップSd4)、サーバNSからのメッセージDa2の受信を待機する状態となる(ステップSd5「no」)。
【0070】
なお、この際、如何なる方式にてメッセージを送信するか否かは任意であり、例えば、ネットワークNETの通信プロトコルがHTTP(HyperText Transfer Protocol)の場合、出発地を指定する情報をCGI(Common Gateway Interface)のパラメータとして付加し、サーバNSに送信するようにしても良い。
【0071】
このようにして、携帯端末MSからメッセージDa1が送信されてくると、サーバNSにおいては図12に示すサーバ側出発地設定処理が開始される。この処理においてサーバNSのシステム制御部23は、まず、この受信したメッセージDa1により示される出発地が、車両Vの現在位置であるか否かを判定する状態となる(ステップSe1)。本動作例の場合、ユーザは出発地として車両現在位置を指定しているため、このステップSe1においてシステム制御部23は、「yes」と判定し、位置情報の送信をリクエストするメッセージDa2を返信した後(ステップSe2)、携帯端末MSからの受信を待機する状態となる(ステップSe3「no」)。
【0072】
一方、サーバNSから、メッセージDa2が送信されてくると、携帯端末MSの制御部14においてはステップSd5における判定が「yes」に変化し、制御部14は、記録部13に記録されている位置情報と更新時刻を読み出して、自装置に対応する携帯識別情報と共に、データDa3としてサーバNSに送信して(ステップSd6)、図11に示す携帯端末側出発地設定処理を終了する。なお、この際、携帯端末MSが未だナビゲーション装置NAVから位置情報を取得したことがない場合もある。この場合、制御部14は、サーバNSに対して位置情報を送信することなく、自装置に対応した携帯識別情報のみをデータDa3として送信することとなる。
【0073】
このデータDa3がネットワークNETを介して、送信されてくるとサーバNSのシステム制御部23においては、上記ステップSe3における判定が「yes」に変化し、システム制御部23は、この受信したデータDa3に位置情報が含まれているか否かを判定する状態となる(ステップSe4)。そして、この判定において、「no」と判定すると、データDa3に含まれている携帯識別情報に基づいて管理テーブルTBLを検索し、対応する位置情報を読み出した後(ステップSe7)、当該位置情報を出発地として設定して(ステップSe8)、サーバ側出発地設定処理を終了する。
【0074】
これに対して、ステップSe4において「yes」と判定した場合、システム制御部23は、データDa3に含まれている携帯識別情報に対応する更新時刻を管理テーブルTBLから読み出すと共に、当該時刻とデータDa3に含まれている更新時刻とを比較し(ステップSe5)、両更新時刻の内最新のものに対応する位置情報を出発地として設定した後(ステップSe6)、サーバ側出発地設定処理を終了する。
【0075】
以上の処理がなされる結果、本動作例の場合、ナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに送信された車両Vの現在位置が出発地として設定されることとなる。
【0076】
(b)車両Vの現在位置以外を出発地として設定する場合の動作例
本動作例の場合、上記(a)の場合と同様に、携帯端末MSにおいてステップSd1、Sd2の処理が実行される。また、本動作例の場合、ユーザは出発地として車両現在位置以外の地点を設定することが必要となるため、ステップSd1において表示される画面に従い、出発名を入力し、「送信」なるボタンを選択することが必要となる。そして、かかる一連の入力操作が入力部16に対して行われると、制御部14は、ステップSd3において「no」と判定し、当該入力された出発地名を、例えば、CGIのパラメータとして付加したメッセージをサーバNSに対して送信し(ステップSd7)、サーバNSからのデータの受信を待機する状態となる(ステップSd8)。
【0077】
一方、携帯端末MSから、出発地名が付加されたメッセージが送信されてくると、サーバNSにおいてはシステム制御部23が、上記図12のサーバ側出発地設定処理を開始し、ステップSe1において「no」と判定する。この結果、システム制御部23は、ステップSe9を実行し、当該メッセージに付加されている出発地名に基づいて記録部22に記録された地点検索用データPDを検索し、一致度の高いものから、所定数の候補を抽出する。次いで、出発地の候補が抽出されると、システム制御部23は、当該抽出した候補を携帯端末MSにおいて選択させるための候補データを生成し、携帯端末MSに送信した後(ステップSe10)、携帯端末MSからのメッセージ受信を待機する状態となる(ステップSe11「no」)。
【0078】
このようにして、サーバNSから候補データが送信されてくると、携帯端末MSにおいてはステップSd8における判定が「yes」になり、制御部14が当該データに基づいて出発地候補の一覧の表示を行った後(ステップSd9)、ユーザによる選択を待機する状態となる(ステップSd10「no」)。そして、ユーザが当該一覧から何れかの地点を選択する旨の入力操作を行うと、制御部14は、ステップSd10において「yes」と判定し、当該選択された地点を示す情報を含むメッセージをサーバNSに送信して(ステップSd11)、携帯端末側出発地選択処理を終了する。
【0079】
次いで、かかる携帯端末MSから送信された出発地がサーバNSの通信部21において受信されると、システム制御部23は、ステップSe11において「yes」と判定し、出発地を設定して(ステップSe12)、サーバ側出発地設定処理を終了する。この結果、ユーザが任意に設定した地点が出発地として設定されることとなる。
【0080】
(2-2)出発地設定後の動作
以上説明した処理を経て出発地の設定がなされると、ナビゲーションシステムSにおいては、次いで目的地の設定が行われることとなる。
【0081】
この目的地の設定に際しては、まず、携帯端末MSの制御部14が図13に示す携帯端末側目的地設定処理を開始する。なお、この処理の開始トリガは任意であり、上記端末側出発地設定処理の終了後、直ちに本処理を開始するようにしても良いし、例えば、サーバ側出発地設定処理の完了時にサーバNSから携帯端末MSにメッセージを送信し、当該メッセージの受信をトリガとして本処理を開始するようにしても良い。
【0082】
この携帯端末側目的地設定処理において、携帯端末MSの制御部14は、まず、経路プログラムに従い、表示処理を実行し(ステップSf1)、ユーザの選択を待機する状態となる(ステップSf2「no」)。かかる表示処理によって表示された画面に従って、ユーザが目的地名を入力すると、制御部14は、ステップSf2において「yes」と判定して、当該入力された目的地名を付加したメッセージDa4をサーバNSに送信し(ステップSf3)、サーバからのデータの受信を待機する状態となる(ステップSf4「no」)。
【0083】
一方、携帯端末MSからメッセージDa4が送信されてくると、サーバNSにおいてはシステム制御部23が図14に示すサーバ側目的地設定処理を開始する。そして、システム制御部23は、当該メッセージDa4に付加されている目的地名に基づいて記録部22に記録された地点検索用データPDを検索し、一致度の高いものから、所定数の候補を抽出する(ステップSg1)。次いで、目的地の候補が抽出されると、システム制御部23は、当該抽出した候補を携帯端末MSにおいて選択させるための候補データDa5を生成し、携帯端末MSに送信した後(ステップSg2)、携帯端末MSからのメッセージ受信を待機する状態となる(ステップSg3)。
【0084】
次に、サーバNSから候補データDa5が送信されてくると、携帯端末MSにおいてはステップSf4における判定が「yes」になり、制御部14が当該データDa5に基づいて目的地候補の一覧の表示を行った後(ステップSf5)、ユーザによる選択を待機する状態となる(ステップSf6「no」)。そして、ユーザが当該一覧から何れかの地点を選択する旨の入力操作を行うと、制御部14はステップSf6において「yes」と判定し、当該選択された地点を示す情報を含むメッセージDa6をサーバNSに送信して(ステップSf7)、携帯端末側目的地選択処理を終了する。
【0085】
このようにして、携帯端末MSからメッセージDa6が送信されると、サーバNSのシステム制御部23は、ステップSg3において「yes」と判定し、目的地を設定して(ステップSg4)、既に設定されている出発地から目的地までの経路探索処理を行う(ステップSg5)。この際、システム制御部23は、経路探索を行うと共に、記録部22に記録されている地図データMDに基づいて当該経路近傍の地図と共に当該経路を携帯端末MSにおいて表示するための画像データを生成する。次いで、システム制御部23は、当該生成した画像データを記録部22に記録して(ステップSg6)、経路探索が完了した旨を示す完了通知Da7を携帯端末MSに送信し(ステップSg7)、携帯端末MSからメッセージが送信されて来るのを待機する状態となる(ステップSg8「no」)。
【0086】
一方、かかる完了通知Da7が携帯端末MSの通信部11によって受信されると、制御部14は、図15に示す経路表示処理を開始し、サーバNSに対して経路の探索結果の送信を要求する旨のメッセージDa8に自装置の携帯識別情報を付加して送信し(ステップSh1)、サーバNSからの画像データの送信を待機する状態となる(ステップSh2「no」)。
【0087】
次いで、このメッセージDa8を受信すると、サーバNSのシステム制御部23は、ステップSg8において「yes」と判定し、記録部22に記録されている画像データを読み出して、データDa9として携帯端末MSに送信し(ステップSg9)、処理を終了する。
【0088】
そして、サーバNSから送信されてきたデータDa9が受信される結果、携帯端末MSの制御部11においては、ステップSh2の判定が「yes」となり、表示処理がなされた後(ステップSh3)、処理が終了する。この結果、携帯端末MSの表示部15には、当該データDa9に基づき、サーバNSにおいて探索された経路が周辺地図と共に表示されることとなる。
【0089】
このようにして本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、車両Vの現在位置を示す位置情報が車両VのイグニッションキーがOFFにされた時点でナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに送信され、事後に携帯端末MSを用いてサーバNSに対して経路探索の要求を行った場合には、当該位置情報を用いて経路誘導情報が生成される構成となっている。このため、例えば、旅行の前日にユーザが単に経路の所要時間等を調べ、当日の出発時刻等を決定したいと考えたような場合であっても、車両Vに搭載されたナビゲーション装置NAVを用いることなく、経路や所要時間を調べることが可能となり、もって、ユーザの利便性を確保することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態においてサーバNSは、管理テーブルTBLに格納されている更新時刻と、携帯端末MSから送信される更新時刻とを比較し、最新のものを用いて経路探索を行うため、実際の車両現在位置と異なる出発地を基準として経路が探索されることを防止することが可能となる。
【0091】
また更に、本実施形態においては、車両VのイグニッションキーのOFFが検出された場合、位置情報が原則として携帯端末MSに送信される構成となっているため、ネットワークNETを介した通信により生じ得る通信費用の削減を図ることが可能となる。
【0092】
なお、上記実施形態においては、携帯端末MSに経路プログラムを搭載し、当該プログラムを用いてナビゲーションサービスの提供を受ける構成を採用していたが、携帯端末MSにWebブラウザを搭載し、このブラウザを用いてナビゲーションサービスの提供を受けるようにすることも可能である。この場合、サーバNSの記録部22にナビゲーションサービス用のWebページに対応するHTML(Hypertext Markup Language)データを格納し、携帯端末MSから送信されてきたHTTPのリクエストメッセージに従って、サーバNSから当該HTMLデータを携帯端末MSに配信し、携帯端末MSを用いてユーザが当該ページ上において入力したデータに基づいて経路を探索し、当該経路に対応するデータを配信するようにすれば良い。なお、この場合、サーバNSには、HTTPサーバとしての機能を持たせることが必要となる。
【0093】
また、上記実施形態においては、携帯端末MSにおいて目的地名を入力させ、当該目的地名を携帯端末MSからサーバNSに送信して、当該目的地名に対する一致度の最も高い、所定数の目的地候補となる地点をサーバNSにおいて地点検索用データPDから抽出する構成が採用されていた。しかし、携帯端末MSの記録部13に地点検索用データPDを記録し、携帯端末MS内において目的地を設定した後にサーバNSに送信する構成としても良い。この場合、携帯端末MS内において、上記実施形態におけるサーバNSと同様の処理を行うことにより、目的地名に対する一致度の高い地点を抽出すれば良い。
【0094】
また、この場合、携帯端末MSにおいて目的地となる施設等の電話番号やジャンル名を入力し、当該電話番号やジャンル名に基づいてサーバNS若しくは携帯端末MSにおいて目的地となる地点を設定するようにしても良い。
【0095】
更にまた、本実施形態においては車両VのイグニッションキーのOFFが検出された場合に、ナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに車両Vの位置情報を送信する構成が採用されていた。しかし、ナビゲーション装置NAVが位置情報を携帯端末MS等に送信するタイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、車両Vが何れかの場所に停止した後、所定時間経過した時点で位置情報を送信するようにしても良い。この場合であっても、例えば、ユーザがイグニッションキーをOFFにせずにコンビニエンスストアに入店し、当該店内において、その後の経路等を調査したい場合に本実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態においては、車両Vに搭載されたナビゲーション装置NAVを用いて位置情報を取得し、当該位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSに送信する構成が採用されていた。しかし、車両Vの位置情報を取得することができれば、ナビゲーション装置NAVに限らず、他の装置により位置情報を取得するようにすることも可能である。
【0097】
また更に、本実施形態においては、ナビゲーション装置NAVおいて車両VのイグニッションOFFが検出された場合に位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSに送信する構成となっているが、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータにより当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0098】
更に、本実施形態においては、サーバNSにおいてナビゲーション装置NAVから取得した位置情報若しくは携帯端末MSから取得した位置情報に基づいて出発地を設定し、当該出発地から目的地までの経路を探索する構成となっているが、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータで当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0099】
更にまた、本実施形態においては、携帯端末MSにおいてナビゲーション装置NAVから位置情報を取得し、当該位置情報をサーバNSに送信して、経路の探索要求を行う構成となっているが、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータで当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0100】
[1.3]第1実施形態の変形例
(1)変形例1-1
上記第1実施形態においては、サーバNSにおいて経路周辺の地図上に当該経路を描画した画像を携帯端末MSにおいて表示するための画像データを生成して、サーバNSから携帯端末MSに配信する構成が採用されていた。しかし、サーバNSにおいては、探索された経路を示す経路誘導情報のみを生成し、当該経路誘導情報のみを携帯端末MSに配信する構成としても良い。ただし、この場合、携帯端末MSの記録部13には地図データを記録すると共に、当該地図データとサーバNSから配信される経路誘導情報に基づいて当該経路誘導情報に対応する経路周辺の地図と当該経路を表示部15に表示するためのプログラムを記録するようにすることが必要となる。
【0101】
また、携帯端末MSにおいて音声案内等、画像以外の形態により経路誘導を行うことも可能である。この場合、携帯端末MSにおいて音声案内を行うためのデータをサーバNSにおいて生成し、当該生成したデータを携帯端末MSに配信するようにする。また、この場合、携帯端末MSに当該データに基づいて音声案内を拡声するためのスピーカ及び音声処理部を設けることが必要となる。
【0102】
(2)変形例1-2
上記第1実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、携帯端末MSからのルート探索要求を待って、携帯端末MSのユーザにナビゲーションサービスを提供する機能のみが実現されていた。これに対して本変形例にかかるナビゲーションシステムSは、更に次のような機能を実現しようとするものである。
【0103】
まず、車両Vが盗難に遭ったような場合、盗難車両のイグニッションキーがオフとされた時点でナビゲーション装置NAVから車両位置情報がサーバNSに送信され、サーバNSにおいては管理テーブルTBLが更新されることとなる。このような場合における管理テーブルTBLの更新は、ユーザにとって意図しない更新となるため、当該更新をサーバNSから携帯端末MSに能動的に通知するようにすれば、ユーザは自身の所有車両Vが盗難に遭ったか否かを知ることが可能となる。
【0104】
そこで、本変形例においては、管理テーブルTBLの更新時にサーバNSから携帯端末MSに管理テーブルTBLの更新を通知し、この更新通知を受信した携帯端末MSにおいて車両位置情報の更新を表示部35に表示する構成を採用することとした。なお、実際にサーバNSから携帯端末MSに対してかかる通知を行う際の手段については任意であり、例えば、車両現在位置が更新された旨を示す電子メールを携帯端末MS宛に送信するようにしても良い。
【0105】
このように、管理テーブルTBLの更新がなされる度に、その更新を携帯端末MSに通知することにより、ユーザに盗難の可能性を示すことが可能となるのである。また、実際に車両盗難に遭ってしまった場合、ユーザは駐車位置ナビゲーションサービスの提供を受けることにより車両Vの現在位置までのルートを調査することも可能となる。
【0106】
なお、本変形例の構成を採用する場合、車両位置情報の更新の通知機能のオンオフをユーザが設定できるようにしても良い。
【0107】
また、車両現在位置を警察に通報するようにしても良い。この場合、ネットワークNETに警察署に設置された端末装置を接続し、サーバNSから通知を受けた携帯端末MSにおいてユーザが所定の入力操作を行った場合に、車両位置情報に対応した地点を地図上に描画した画像データをサーバNSにおいて生成して警察署の端末に送信するようにすれば良い。
【0108】
また更に、本変形例のように、サーバNSから位置情報の更新を一方的に通知するのみならず、携帯端末MSを用いて管理テーブルTBLの更新履歴をチェックできるようにすることも可能である。また、かかる更新履歴のチェックが行われた場合に、サーバNSにおいて車両現在位置を描画した地図に対応する画像データを生成し、当該生成した画像データを携帯端末MSに送信する構成とすることも可能である。
【0109】
[2]第2実施形態
[2.1]第2実施形態の構成及び動作
本実施形態にかかるナビゲーション装置Sは、上記図1に示したシステムSと同様の構成により実現されるものである。従って、特に説明しない限り、上記図1に示した各要素は、上記第1実施形態と同様の構成(図2乃至図5)を有し、同様の動作を行うものである。
【0110】
ここで、上述した第1実施形態にかかるナビゲーションシステムSは、例えば、旅行当日の予定を事前に立案するような場合におけるユーザの便宜を図るべく、携帯端末MSを用いてサーバNSにアクセスし、サーバNSにおいて経路を探索した後に、当該探索結果に対応する画像データを携帯端末MSに配信する構成が採用されていた。
【0111】
これに対して、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSは、車両搭乗後、早期にナビゲーション装置NAVを用いた経路誘導を可能とし、もって、ユーザの利便性の向上に寄与すべく、以下のような方法が採用されている。
【0112】
すなわち、ユーザが携帯端末MSを用いてサーバNSに経路探索の要求を行うと、サーバNSが事前に経路を探索し、当該探索した経路をナビゲーション装置NAVにおいて表示するための経路誘導情報を生成して、記録する。その後、ユーザが車両Vに搭乗し、車両VのイグニッションキーをONにした時点で、サーバNSがナビゲーション装置NAVに対して当該経路誘導情報を配信するのである。
【0113】
一方、かかる方法を採用する場合、ユーザが車両駐車位置の住所若しくは緯度/経度を覚えている場合には格別、覚えていない場合には車両Vの出発地、すなわち、車両Vの現在位置を指定できなくなってしまう。従って、本実施形態においても、サーバNSがナビゲーション装置NAVから車両Vの位置情報を取得することが必要となるのである。しかし、この場合においても、経路探索の要求がなされる時点ではナビゲーション装置NAVの電源がOFFの状態にあるため、サーバNSがナビゲーション装置NAVから位置情報を取得することができない。そこで、本実施形態のナビゲーションシステムSにおいても上記第1実施形態と同様に、ユーザが車両Vから降車する際にイグニッションキーをOFFにした時点でナビゲーション装置NAVから携帯端末MS、或いは、サーバNSに対して位置情報を送信しておき、当該位置情報を用いて出発地を設定する方法が採用されている。
【0114】
なお、この車両VのイグニッションキーをOFFにした際にナビゲーション装置NAV、携帯端末MS及びサーバNSにおいて実行される処理については、上述した図6乃至図9と同様であり、また、出発地設定時に携帯端末MS及びサーバNSにおいて実行される処理についても、上記図11及び図12と同様である。
【0115】
これに対して、出発地設定後における処理に関しては、上記第1実施形態とは異なったものとなっている。以下、この際の動作について、図16、図17及び上記図13を参照しつつ説明する。
【0116】
まず、上記図11及び図12の処理を経て出発地の設定がなされ、目的地の設定段階に至ると、携帯端末MSの制御部14は、上記図13と同様の処理を実行して、ユーザによって入力された目的地名を付加したメッセージをサーバNSに送信し(ステップSf3)、サーバからのデータの受信を待機する状態となる(ステップSf4「no」)。
【0117】
一方、携帯端末MSからメッセージが送信されてくると、サーバNSにおいてはシステム制御部23が図16に示す処理を開始する。
【0118】
この処理においてシステム制御部23は、上記図14のステップSg1乃至ステップSg3と同様の処理を実行し、携帯端末MSに対して、目的地の候補を携帯端末MSにおいて選択させるための候補データを生成し、携帯端末MSに送信する。この結果、携帯端末MSにおいては、上記図13ステップSf5乃至ステップSf7の処理が実行され、携帯端末MSにおける処理は終了することとなる。
【0119】
以上の処理により、携帯端末MSからユーザにより選択された地点を示す情報を含むメッセージが送信されてくると、サーバNSのシステム制御部23は、ステップSg3において「yes」と判定し、目的地を設定して(ステップSg4)、既に設定されている出発地から目的地までの経路探索処理を行う(ステップSg5)。この際、システム制御部23は、経路探索を行うと共に、当該経路をナビゲーション装置NAVにおいて表示するために用いられる経路誘導情報を生成する。
【0120】
次いで、システム制御部23は、要求を行った携帯端末MSの携帯識別情報に対応するナビ識別情報を管理テーブルTBLから読み出して、当該生成した経路誘導情報と対応付けて記録部22に記録した後(ステップSg6)、ナビゲーション装置NAVからの経路誘導情報の送信を要求する旨のメッセージが送信されてくるのを待機する状態となる(ステップSg100)。
【0121】
その後、ユーザが車両Vに搭乗し、車両VのイグニッションキーをONに切り換えると、ナビゲーション装置NAVにおいては、システム制御部310が図17に示すナビゲーション装置側経路誘導情報取得処理を開始することとなる。なお、この処理は、ナビゲーション装置NAVにおいて実行されるメインルーチンのサブルーチンとして実行される処理である。
【0122】
この処理において、システム制御部310は、まず、経路誘導情報の送信要求を含むリクエストメッセージに対して自装置に対応したナビ識別情報を付加してサーバNSに送信し(ステップSi1)、経路誘導情報の受信を待機する状態となる(ステップSi2「no」)。
【0123】
このようにして、ナビゲーション装置NAVからメッセージが送信されてくると、サーバNSのシステム制御部23においては、ステップSg100における判定が「yes」に変化することとなる。この結果、システム制御部23は、当該メッセージに付加されているナビ識別情報と同一のナビ識別情報に対応付けて記録部22に記録されている経路誘導情報を検索し、当該経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに送信して(ステップSg101)、処理を終了する。
【0124】
なお、ナビゲーション装置NAVからメッセージが送信されてきた場合に、当該ナビゲーション装置NAVに対して配信すべき経路誘導情報が存在しない場合もある。かかる場合に、サーバNSのシステム制御部23は、当該メッセージの送信元であるナビゲーション装置NAVに対して配信すべき経路誘導情報が存在しない旨を示すエラーメッセージを配信する。
【0125】
一方、サーバNSから経路誘導情報又はエラーメッセージが送信されてくると、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310においては、ステップSi2における判定が「yes」となり、当該受信されたデータが経路誘導情報であるか否かを判定する状態に移行する(ステップSi3)。
【0126】
ここで、サーバNSから経路誘導情報が送信されていた場合、システム制御部310は、同ステップにおいて「yes」と判定し、当該経路誘導情報及びHDドライブ305に記録されている地図データの双方に基づいて表示処理を行い(ステップSi4)、処理をメインルーチンに復帰させる。
【0127】
これに対して、サーバNSから送信されていたデータがエラーメッセージである場合、システム制御部310は、HDドライブ305に記録されている地点検索用のデータに基づいて目的地の設定処理を行った後(ステップSi5)、I/F部303から供給される位置情報に基づいて車両Vの現在位置を特定して、当該現在位置から目的地までの経路を探索する(ステップSi6)。そして、システム制御部310は、HDドライブ305に記録されている地図データと、当該探索された経路に基づいて表示処理を行って(ステップSi7)、処理を終了する。
【0128】
なお、この際、システム制御部310において実行される具体的な処理内容については、従来のナビゲーション装置と同様であるため、詳細は省略する。
【0129】
このようにして、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、車両Vの現在位置を示す位置情報が車両VのイグニッションキーがOFFにされた時点でナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに送信され、事後に携帯端末MSを用いてサーバNSに対して経路探索の要求を行った場合には、当該位置情報を用いて経路誘導情報が生成される構成となっている。このため、事前に携帯端末MSを用いてサーバNSに対して探索要求を行っておき、ユーザが車両Vに搭乗した後、早期に経路誘導情報をサーバNSからナビゲーション装置NAVに配信して、迅速なサービス提供を可能とし、もって、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0130】
なお、本実施形態においては、サーバNSにおいて経路誘導情報を生成して、携帯端末MSに配信する構成としているが、上記第1実施形態と同様にサーバNSにおいて画像データを生成して配信したり、或いは、ナビゲーション装置NAVにおいて音声案内を行うためのデータを生成して携帯端末MSに配信するようにしても構わない。
【0131】
[2.2]第2実施形態の変形例
(2-1)変形例2-1
上記第1実施形態においては、サーバNSの管理テーブルTBLに位置情報と対応付けて更新時刻を格納し、また、携帯端末MSの記録部13にも位置情報と更新時刻を対応付けて記録しておき、サーバNSにおいて両更新時刻を比較することにより、何れの位置情報が最新のものであるのかを判定する構成が採用されていた(図12ステップSe5及びSe6)。
【0132】
しかし、車両VのイグニッションキーがONにされ、ナビゲーション装置NAVからサーバNSに対して経路誘導情報の送信要求を含むメッセージが送信されてきた時点で(図17ステップSi1)、サーバNSの管理テーブルTBLに格納されている位置情報を削除する構成を採用することにより、更新時刻の管理を行わなくとも、携帯端末MS、或いは、サーバNSに記録されている位置情報の何れが最新のものかを特定することが可能となる。すなわち、かかる構成を採用した場合、車両VのイグニッションキーがONとなった時点で管理テーブルTBLに格納されている位置情報が削除されるため、後にナビゲーション装置NAVから位置情報が送信されてこない限り、管理テーブルTBLには位置情報が存在しない状態となる。
【0133】
そして、もし、イグニッションキーがOFFにされた時点で位置情報が携帯端末MSに送信された場合、サーバNSには位置情報が送信されないため、携帯端末MSから送信されてきた位置情報を、そのまま利用すれば最新の位置情報を用いて出発地を設定することが可能となる。これに対して、ナビゲーション装置NAVからサーバNSに対して位置情報が送信された場合、次に車両VのイグニッションキーがONにされるまで(すなわち、車両Vの駐車中)、当該位置情報が管理テーブルTBL内に格納されている状態となる。このため、サーバNSの管理テーブルTBLに格納されている位置情報が最新のものとなり、当該位置情報を用いて出発地を設定すれば良いこととなるのである。
【0134】
この構成を採用した場合、上記図12ステップSe1において「yes」と判定した後、管理テーブルTBLに位置情報が格納されているか否かを判定し、この判定の結果管理テーブルTBLに位置情報が格納されていない場合にのみ、携帯端末MSに対して位置情報の送信をリクエストするメッセージDa2を返信し、当該メッセージDa2に対して携帯端末MSから返信されてきた位置情報を出発地として設定するようにすれば良い。なお、本変形例において携帯端末MSに対して位置情報が送信されていない場合にはサーバNSに対して位置情報が送信されており、この場合、管理テーブルTBLには位置情報が残っている状態にあるため上記図12においてステップSe4乃至Se8の処理は不要となる。
【0135】
このようにして、本変形例によれば、サーバNS及び携帯端末MSにおいて位置情報の更新時刻を管理することなく、すなわち、両装置における処理を簡易化しつつ上記第2実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0136】
(2-2)変形例2-2
本変形例にかかるナビゲーションシステムSは、ナビゲーション装置NAVがネットワークNETを介した通信が不能な状態に有り、且つ、携帯端末MSもナビゲーション装置NAVと通信不能な状態にある場合にも、確実にサーバNSにおいて経路誘導情報を生成し、当該経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信する機能を実現しようとするものである。
【0137】
本変形例は、次のような場合に特にその効用を大とする。
【0138】
すなわち、例えば、車両VのイグニッションキーをOFFにした時点で車両Vが地下駐車場や山奥におり、サーバNSに対して位置情報を送信できない状況におかれることがある(以下、かかる範囲を「通信圏外」という)。そして、ユーザが降車後、携帯端末MSを保持して移動した結果、ネットワークNETを介した通信が可能な範囲内(以下、「通信圏内」という)に携帯端末MSのみが持ち込まれ、かかる状況下においてユーザが当該携帯端末MSを用いてサーバNSに経路探索の要求を行う場合も想定される。
【0139】
このような場合、ユーザが車両Vに戻って搭乗し、イグニッションキーをONにしたとしても車両Vは通信圏外にあるため、サーバNSから経路誘導情報を取得することはできず、結局、従来のナビゲーション装置と同様にユーザが車両搭乗後、目的地等を再設定する必要性が生じてしまう。かかる再設定は、ユーザに煩雑な再度の設定作業を強要することになってしまい、望ましいとは言えない。
【0140】
従って、ユーザの利便性を確保する観点からは再設定を行うことなく、サーバNSにおいて経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信できることが望ましい。そこで、本変形例においては、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が通信部312の通信状態を監視し、ナビゲーション装置NAVが通信可能な状態に移行した時点で、サーバNSから経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信する構成となっている。
【0141】
ここで、問題となるのは、ナビゲーション装置NAVが通信圏外にある状態において、サーバNSにおいて生成した経路誘導情報は出発地が現実の出発地と異なっている可能性があるという点である。すなわち、イグニッションキーのOFF時にナビゲーション装置NAVと携帯端末MSとが通信可能な状態にある場合は格別、例えば、イグニッションキーのOFF時に携帯端末MSが車両Vのトランク内に仕舞われており位置情報を受信できない環境にあると、サーバNSに対して携帯端末MSから送信される位置情報及びサーバNSの管理テーブルTBLに格納されている位置情報は、共に実際の車両位置と異なったものとなってしまうのである。従って、単純にサーバNSにおいて生成した経路誘導情報を携帯端末MSに配信したとしても、正確な経路誘導ができなくなる可能性がある。
【0142】
そこで、本実施形態において車両VのイグニッションキーがONにされると、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310は、図18に示す処理を実行する。この処理においてシステム制御部310は、まず、通信部312を監視し、ナビゲーション装置NAVが通信圏内にあるか否かを判定し(ステップSi100)、この判定において「yes」と判定すると、システム制御部310は、上記図17のステップSi1乃至Si7の処理を実行する。
【0143】
これに対して、ステップSi100において「no」と判定した場合、システム制御部310は表示処理を行い(ステップSi101)、ユーザによる入力操作を待機する状態となる(ステップSi102「no」)。この結果、ナビゲーション装置NAVの情報表示部307には、例えば、「携帯端末を用いて、経路設定を行いましたか」等の文字列と共に、「yes」、「no」なるボタンが表示された状態となる。
【0144】
この状態においてユーザが入力操作を行うと、ステップSi102における判定が「yes」になり、既にユーザが経路設定のための作業を行ったか否かが判定される状態となる(ステップSi103)。そして、ユーザが、例えば、「no」ボタンを選択する旨の入力操作を行っていた場合システム制御部310はステップSi103において「no」と判定し、上記図17ステップSi5乃至Si7の処理を実行する一方、「yes」ボタンを選択していた場合システム制御部310はステップSi103において「no」と判定し、ナビゲーション装置NAVが通信圏内に入るのを待機する状態となる(ステップSi104「no」)。
【0145】
その後車両が通信圏内へと移動すると、ステップSi104における判定が「yes」となり、システム制御部310はサーバNSに対して経路誘導情報の送信要求を含むメッセージする(ステップSi1)。この際、システム制御部310は、当該メッセージに対して、自装置に対応するナビ識別情報と位置情報を付加する。
【0146】
一方、かかるメッセージが送信されてくると、サーバNSのシステム制御部23においては上記図16ステップSg100における判定が「yes」に変化し、ナビゲーション装置NAVに対して経路誘導情報が送信されることとなる(ステップSi101)。このステップSi101において、サーバNSのシステム制御部23は、ナビゲーション装置NAVから送信されてきた位置情報と、既に記録部22に記録されている経路誘導情報とを比較し、当該経路誘導情報に対応した出発点と、当該メッセージに付加して送信されてきた位置情報とが一致している場合には当該経路誘導情報を、そのままナビゲーション装置NAVに配信する一方、一致しない場合には、再度、当該メッセージに付加して送信されてきた位置情報に基づいて経路探索を行い、経路誘導情報を生成して、当該経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信するのである。
【0147】
なお、出発地とメッセージに付加されてきた位置情報との一致を判定するにあたり完全一致を要求してしまうと、一致可能性が非常に低くなる一方、ある程度の範囲内にあれば、正確な経路誘導を行うことが可能であることから、判定にあたっては出発地から位置情報に対応した地点までの距離が所定範囲内(例えば、1km)にある場合には両地点が一致するものと判定するようにしても良い。
【0148】
このようにして、本変形例にかかるナビゲーションシステムSにおいては、車両VのイグニッションキーをOFFにした際にナビゲーション装置NAVが通信不能な状態にあるときであっても、車両Vが通信圏内に移動した時点で車両Vの位置情報を付加したメッセージがサーバNSに送信され、当該位置情報と既に生成されている経路誘導情報とが一致する場合には、当該経路誘導情報がナビゲーション装置NAVに配信される一方、一致しない場合には経路誘導情報が再生成されてナビゲーション装置NAVに配信される。このため、車両VのイグニッションキーをOFFにした際に、当該車両Vが通信圏内に存在するか否かを問わず、確実に経路誘導情報を配信することが可能となり、もって、ユーザの利便性向上に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】第1実施形態おけるナビゲーションシステムSの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における携帯端末MSの具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態におけるナビゲーションサーバNSの具体的な構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態における管理テーブルTBLのデータ構成を示す図である。
【図5】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVの具体的な構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が実行する位置情報送信処理を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する処理を示すフローチャートである。
【図9】同実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行する処理を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態におけるナビゲーションシステムSにおいて行われるデータの授受を示すシーケンス図である。
【図11】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する携帯端末側出発地設定処理を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行するサーバ側出発地設定処理を示すフローチャートである。
【図13】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する携帯端末側目的地設定処理を示すフローチャートである。
【図14】同実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行するサーバ側目的地設定処理を示すフローチャートである。
【図15】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する経路表示処理を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行する処理を示すフローチャートである。
【図17】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が実行するナビゲーション装置側経路誘導情報取得処理を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態の変形例2-2におけるナビゲーション装置NAVが実行するナビゲーション装置側経路誘導情報取得処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0150】
S・・・ナビゲーションシステム
V・・・車両
NAV・・・ナビゲーション装置
MS・・・携帯端末
NS・・・ナビゲーションサーバ
NET・・・ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動経路を検索し、当該経路をユーザに提示するナビゲーションシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両等の移動体の現在位置から目的地までの経路をネットワーク上のサーバにおいて探索し、当該探索された経路を示す経路誘導情報を移動体に搭載されたナビゲーション装置に配信し、ナビゲーション装置において当該経路誘導情報に基づいて移動体の経路を表示する通信型のナビゲーションシステムが各種提案されている。
【0003】
また、この種のナビゲーションシステムの中にはユーザの利便性確保の観点からPDA(Personal Digital Assistants)や携帯電話機等の携帯端末を用いてサーバにアクセスすると共に、当該携帯端末により目的地を指定し、サーバにおいて生成した経路誘導情報をナビゲーション装置に配信するものも存在している。
【特許文献1】特開2003−177025
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムは、例えば、次のような点において不利不便なものとなっていた。
【0005】
(1)各種情報の調査の困難性
まず、上記ナビゲーションシステムにおいては、サーバにおいて生成された経路誘導情報の配信先がナビゲーション装置に固定されていた。このため、例えば、旅行の前日にユーザが旅行当日の経路を決定し、当該経路近くに存在する施設(例えば、旧跡等の見所スポット)を調査したいと考えても、ユーザが経路を調べるためには移動体に搭乗してナビゲーション装置を用いなければならず、非常に不利不便であった。
【0006】
(2)ナビゲーション利用時の不便性
また、上述したナビゲーションシステムにおいては、携帯端末を用いて事前に目的地のみを指定しておき、ユーザが移動体に搭乗した後にナビゲーション装置から移動体の現在位置を示す位置情報をサーバに送信し、サーバにおいて経路誘導情報を生成する構成が採用されている。このため、同システムにおいては移動体にユーザが搭乗した後、サーバにおいて経路探索が完了するまでの間、ユーザは経路誘導を受けることができないこととなり、迅速なサービス提供が困難となっていた。特に、サーバに対するアクセスが集中した場合、経路探索が完了するまでの時間が長期化し、この傾向が顕著となる。
【0007】
本願は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、ユーザの利便性を向上させることの可能な情報提供システム、ナビゲーションシステム、サーバ装置、携帯端末装置、位置情報取得装置、ナビゲーション装置、及び、これら各装置を実現するためのプログラム、並びに、情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため本願の一つの観点において請求項1に記載の情報提供システムは、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えた情報提供システムであって、前記位置情報取得装置は、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、を有し、前記携帯端末装置は、目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から送信された前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記位置情報取得装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本願の他の観点において請求項8に記載の位置情報取得装置は、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、によって情報提供システムを構成するための位置情報取得装置であって、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
また更に、本願の他の観点において請求項9に記載の携帯端末装置は、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、によって情報提供システムを構成するための携帯端末装置であって、前記移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、前記位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段と、目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
更に、本願の他の観点において請求項10に記載のナビゲーションシステムは、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報に基づいて前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し前記ナビゲーション装置に配信するサーバ装置と、を備えたナビゲーションシステムであって、前記ナビゲーション装置は、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本願の他の観点において請求項13に記載のナビゲーション装置は、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される携帯端末装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのナビゲーション装置であって、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、有することを特徴とする。
【0013】
また更に、本願の他の観点において請求項14に記載のサーバ装置は、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのサーバ装置であって、前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段と、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、前記ナビゲーション装置において前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該ナビゲーション装置に配信する配信手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
更に、本願の他の観点において請求項15に記載の位置情報出力プログラムは、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、移動体に搭載されるコンピュータとから構成されるシステムにおいて、前記移動体の位置情報をコンピュータにより取得して、外部装置に出力させるための位置情報出力プログラムであって、前記コンピュータを、前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段、前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記外部装置に出力する出力手段、として機能させることを特徴とする。
【0015】
更にまた、本願の他の観点において請求項16に記載のクライアントプログラムは、移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、ユーザによって携帯されるコンピュータとを有するシステムにおいて、前記コンピュータを端末装置として機能させるためのクライアントプログラムであって、前記コンピュータを、移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し配信するサーバ装置に目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段、送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段、として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、本願の他の観点に請求項17に記載のサーバプログラムであって、ユーザに携帯される携帯端末装置から目的地を指定して送信される探索要求情報に基づいて移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データをコンピュータにより生成し、配信するためのサーバプログラムであって、前記コンピュータを、移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置及び前記携帯端末の少なくとも何れか一方から前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段、前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段、前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該移動体に搭載されたナビゲーション装置に配信する配信手段、として機能させることを特徴とする。
【0017】
また更に、本願の他の観点において請求項18に記載の情報提供方法は、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報取得装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記位置情報取得装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、前記携帯端末装置が前記経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関する情報をユーザに提示する第5ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
更に、本願の他の観点において請求項19に記載の情報提供方法は、ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えるナビゲーションシステムにおける情報提供方法であって、前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記ナビゲーション装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、前記駆動電源の稼動状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する第5ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願の実施形態としてのナビゲーション装置について、説明する。なお、以下において例示する実施形態においては移動体として車両を用いた例について説明するが、本願は車両に限らず、他の移動体(例えば、自動2輪車や航空機、船舶等)においても適用可能なものである。
【0020】
[1]第1実施形態
[1.1]第1実施形態の構成
(1)ナビゲーションシステムSの概要
まず、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSの構成を示すブロック図である図1を参照しつつ、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSの概要について説明する。同図に示すように、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSは、移動通信網やインターネット等の通信網が相互接続されたネットワークNETと、ユーザによって携帯されるPDA等の携帯端末MSと、ネットワークNETに通信接続されたナビゲーションサーバNS(以下、単に「サーバNS」という)と、車両Vに搭載されるナビゲーション装置NAVと、を有している。
【0021】
このナビゲーションシステムSの基本的な発明概念及び動作概要について説明すると、次のようなものになる。
【0022】
まず、例えば、ユーザが車両Vにより旅行に出ようとする場合を考える。この場合、ユーザは、その旅行当日に車両Vに搭乗して、たどる経路を前日の内に決定し、当該経路近くに存在する施設(例えば、旧跡等の見所スポット)を調査しておく場合が多い。また、その旅行の目的地までの所要時間を旅行前日の内に調査し、旅行当日の出発時刻等を決定することも多い。更には、旅先からの帰路における施設を探索したい場合も多い。このような各種情報の調査のために逐一ユーザが車両Vまで赴き、ナビゲーション装置NAVを用いることが必要になるとすればユーザに非常に煩雑な作業を強要することとなりかねない。
【0023】
そこで、本実施形態のナビゲーションシステムSにおいては、ユーザが車両Vに赴くことなく、事前に携帯端末MSを用いてサーバNSにアクセスし、出発地及びユーザが車両Vに搭乗した後に向かおうとする目的地を指定する。一方、サーバNSは、出発地からこの指定された目的地までの経路や所要時間を算出し、当該経路等に対応したデータを携帯端末MSに配信し、当該経路等を携帯端末MSにおいて表示する構成が採用されている(以下、このサーバNSの提供するサービスを「ナビゲーションサービス」という)。
【0024】
なお、このサーバNSから携帯端末MSに配信するデータの内容については任意であるが、本実施形態においては、携帯端末MSにおける処理を簡略化するため、サーバNSにおいて探索した経路及び所要時間(出発地〜目的地)を地図上に描画した画像データを生成し、携帯端末MSに配信する構成を採用するものとして説明を行う。
【0025】
ここで、通常、出発地及び目的地の指定は、ユーザが当該地点を象徴するキーワードを入力して行われるか若しくは候補となる地点名の一覧からユーザが選択して行われる。かかる作業はユーザにとって非常に煩雑なものであり、両地点の指定を必須とするとユーザの利便性が低下してしまう。特に、目的地となる地点に関しては各回毎に区々となるのでユーザが指定することが必須となるが、出発地については通常、車両Vの現在位置、すなわち、車両Vの駐車位置となるため、かかる出発地の指定作業をユーザに強いることは妥当とは言えない。更に言うならば、車両Vの駐車位置の住所や緯度/経度は、自宅駐車場であればともかく、旅先等においてかかる位置を調べることは不可能である。
【0026】
一方、車両Vの現在位置はナビゲーション装置NAVに搭載されたGPS(Global Positioning System)受信機(詳しくは後述)により位置情報として取得されるものであるため、この位置情報をサーバNSが自動的にナビゲーション装置NAVから取得することができれば出発地の指定を不要とすることができる。ところが、ユーザが車両Vを駐車する場合、通常、車両VのイグニッションキーはOFFにされ、ナビゲーション装置NAVにも電源が供給されていない状態となる。このため、ユーザが携帯端末MSを用いて事前に出発地等を指定しようとする時点ではサーバNSがナビゲーション装置NAVから位置情報を取得することは不可能となってしまう。
【0027】
そこで、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、ユーザが稼動させていた車両Vを駐車した時点、すなわち、車両Vの駆動源(エンジン)が稼動状態から停止状態になった時点で事前にナビゲーション装置NAVから車両位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSに送信しておき、この車両位置情報に基づいて目的地を設定してルート探索を行う方法を採用することにした。なお、この場合における、駆動源の状態(稼動状態/停止状態)の検出方法については任意であり、例えば、駆動源にセンサを取り付け回転数等に基づいて稼動状態と停止状態を検出するようにしても良いし、駆動源の状態と連動するスイッチを設け、当該スイッチの状態を検出することで駆動源の状態を検出するようにしても良い。但し、本実施形態においては、車両Vの駆動源の状態と連動するイグニッションキーの状態を検出することにより駆動源の状態を検出する方法を採用するものとする。この場合、イグニッションキーがONの状態が駆動源の稼動状態に対応し、イグニッションキーがOFFの状態が駆動源の停止状態に対応することとなる。
【0028】
かかる経路探索に際して、サーバNSは、
<位置情報が事前に携帯端末MSに送信されている場合>
出発地の指定に変えて当該位置情報を携帯端末MSから取得し、当該位置情報に対応する地点を出発地と仮定する一方、
<位置情報が事前にサーバNSに送信されている場合>
当該事前に送信されている位置情報により示される地点をユーザの出発地と仮定し、
当該出発地から目的地までの経路を探索する。
【0029】
なお、ユーザによる任意の出発地の指定を可能とするか否かについては任意であるが、更なる利便性の向上の観点から本実施形態においては(a)ユーザの任意指定による経路探索、或いは、(b)位置情報を用いた経路探索(すなわち、車両Vの現在地を出発地とする方法)の何れかの方法が選択可能であるものとする。
【0030】
なおまた、ナビゲーション装置NAVからの位置情報の送信先を携帯端末MSにするか、或いは、サーバNSにするのかについては任意であるが、通信費用の削減等の観点から本実施形態においては以下の基準に従うものとして説明を行う。
<基準A>ナビゲーション装置NAVと携帯端末MSが通信可能な状態におかれている場合、携帯端末MSに位置情報を送信する。
<基準B>携帯端末MSとの通信が不能な場合、ネットワークNETを介してサーバNSに位置情報をアップロードする。
【0031】
(2)各装置の具体的な構成
(2.1)携帯端末MSの具体的構成
次に、本実施形態にかかる携帯端末MSの構成を示すブロック図である図2を参照しつつ携帯端末MSの具体的な構成について説明する。同図に示すように本実施形態にかかる携帯端末MSは、通信部11と、外部機器インターフェイス部12(以下、「インターフェイス」を「I/F」と略称する)と、記録部13と、制御部14と、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescent)パネル等の表示装置により構成される表示部15と、タッチパネルやカーソルキー等の操作子からなる入力部16と、各要素を相互に接続するデータバス17と、を有し、ナビゲーションシステムSにおけるクライアントとして機能する。なお、「特許請求の範囲」における「提示手段」及び「保存手段」は、例えば、この制御部14及び記録部13に対応している。
【0032】
通信部11は、ネットワークNETに収容されている移動通信網の基地局との間において無線通信を行う。外部機器I/F部12は、例えば、RS(Recommended Standard)232CやIEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の有線通信I/FやIEEE802.15等の無線通信I/Fにより構成され、通信接続された外部機器との間において各種データの送受信を行う。なお、この外部機器I/F部12に如何なる通信I/Fを設けるかは任意であるが、本実施形態においては、少なくとも1組の有線及び無線通信I/Fが備えられているものとして説明を行う。
【0033】
記録部13は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリにより構成され、携帯端末MSの各部を制御するための制御情報や制御プログラムと共に、例えば、ネットワーク上のリソースを閲覧するためのブラウザやサーバNSに対して経路探索の要求を行うためのプログラム(以下、「経路プログラム」という)が記録されている。また、本実施形態において、記録部13にはナビゲーション装置NAVから送信された位置情報を記録するためのエリアも設けられている。
【0034】
制御部14は、主としてCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)により構成されると共に、記録部13に記録されているプログラムを実行し、携帯端末MSの全体的な機能を統括的に制御する。例えば、制御部14は上記経路プログラムを実行した場合、ナビゲーションサービスの提供を受けるべく、ネットワークNETに対応した通信プロトコルに従い、ネットワークNET上のサーバNSとデータ通信を行う。
【0035】
なおまた、携帯端末MSに経路表示用のプログラムや地図データを記録するか否かは任意であるが、上述したように本実施形態においては、サーバNSにおいて経路を描画した地図に対応した画像データを生成する構成を採用しているためこれらのプログラムは記録部13に記録することは必要とならず、単にサーバNSから配信された画像データを表示部15に表示する機能を設ければよい。
【0036】
(2.2)ナビゲーションサーバNSの具体的な構成
次に、サーバNSの構成を示すブロック図である図3を参照しつつ、本実施形態にかかるサーバNSの具体的な構成について説明する。同図に示すように、本実施形態にかかるサーバNSは、通信部21と、記録部22と、システム制御部23と、これら各部を相互接続するデータバス24と、を有している。なお、「特許請求の範囲」における「取得手段」は、例えば、通信部21及びシステム制御部23に対応し、「生成手段」は、例えば、システム制御部23に対応する。
【0037】
通信部21は、ネットワークNETに通信接続されており、ネットワークNETと、データバス24との間のデータの授受を仲介する。
【0038】
記録部22は、ハードディスク等の記録装置により構成され、例えば、サーバNSの各部を制御するための各種情報と共に、携帯端末MSに対してナビゲーションサービスを提供するためのプログラム(以下、「サーバプログラム」という)等の各種プログラムや以下のような情報が記録されている。
(データa)目的地の検索及びユーザが任意の出発地を選択する際の地点検索用データPD。
(データb)地図の背景や道路表示のためのポリゴンやポリライン、テキスト等のデータを要素とし、経路探索や当該経路を描画した画像データの生成に用いる地図データMD。
(データc)管理テーブルTBL。
【0039】
ここで、管理テーブルTBLとは、各ナビゲーション装置NAVから送信される位置情報を管理すると共に、携帯端末MSとナビゲーション装置NAVを関連付けるためのテーブルであり、図4に示すようにナビゲーション装置NAVの識別情報(以下、「ナビ識別情報」という)と、当該ナビゲーション装置NAVから送信された位置情報と、当該位置情報の更新時刻と、携帯端末MSの識別情報(以下、「携帯識別情報」という)を要素としている。なお、両識別情報の登録方法については任意であり、例えば、ナビゲーション装置NAVの購入時、これらの情報を登録するようにしても良い。
【0040】
後述するように、本実施形態においてナビゲーション装置NAVや携帯端末MSからサーバNSに対して各種のデータを送信する場合、両装置は、自装置に対応したナビ識別情報や携帯識別情報を送信することとなるが、サーバNSにおいては、これらの識別情報と管理テーブルTBLに基づいて対応する位置情報等の情報が特定されることとなる。
【0041】
次に、システム制御部23は、主としてCPU、ROM、RAMにより構成されると共に、記録部22に記録されているプログラムを実行し、サーバNSの全体的な機能を統括的に制御する。例えば、ナビゲーション装置NAVから位置情報が送信されてきた場合、システム制御部23は、当該位置情報に基づいて管理テーブルTBLを更新する。
【0042】
また、例えば、携帯端末MSから経路探索の要求に対応したメッセージが送信されてきた場合、システム制御部23は、サーバプログラムに従い、出発地と、目的地を設定するための処理を実行し、当該設定された出発地から目的地までの経路を探索した後、当該経路の描画された地図に対応する画像データを地図データMDに基づいて生成して携帯端末MSへと配信する。
【0043】
(3)ナビゲーション装置NAVの具体的構成
次に、ナビゲーション装置NAVの具体的な構成について図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、本実施形態にかかるナビゲーション装置NAVの具体的な構成を示すブロック図である。同図に示すようにナビゲーション装置NAVは、GPS受信部301と、センサ部302と、I/F部303と、VICS(Vehicle Information Communication System)データ受信部304と、HDドライブ305と、操作部306と、情報表示部307と、音声処理部308と、スピーカ309と、システム制御部310と、ROM/RAM部311と、通信部312と、外部機器I/F部313と、これら各要素間を相互に接続するデータバス314と、を有する。なお、「特許請求の範囲」における「位置情報取得手段」は、例えば、GPS受信部301、センサ部302及びI/F部303に対応し、「検出手段」は、例えば、システム制御部310に対応し、「位置情報送信手段」は、システム制御部310、通信部312及び外部機器I/F部313に対応する。
【0044】
GPS受信部301は、測地衛星の発信するGPS電波を受信し、当該GPS電波に基づいて車両の現在位置に対応する緯度/経度を算出して、当該算出した緯度/経度をGPSデータとしてI/F部303に出力する。センサ部302は、車両の走行速度、加速度及び方位角を検出するための各種センサを有しており、検出結果に対応する走行データをI/F部303に出力する。
【0045】
I/F部303は、センサ部302から入力される走行データと、GPS受信部301から入力されるGPSデータに基づいて車両の現在位置を算出し、当該算出結果に対応する位置情報をシステム制御部310に出力する。VICSデータ受信部304は、FM多重放送等の放送電波を受信すると共に、当該放送電波に含まれているVICSデータを抽出して、システム制御部310に出力する。
【0046】
HDドライブ305は、情報の書き換えが可能なHDを有しており、このHD内には、例えば、システム制御部310が実行する各種プログラムや、地図の背景や道路表示のためのポリゴンやポリライン、テキスト等のデータを要素とする地図データ、地点検索用のデータが記録されている。
【0047】
操作部306は、テンキーやカーソルキー等の各種キーを有するリモートコントロール装置等により構成されており、ユーザ(運転手や同乗者)の入力操作に対応した制御信号をシステム制御部310に出力する。音声処理部308は、システム制御部310の制御の下、音声信号を生成し、その生成した音声信号をスピーカ309を介して拡声する。情報表示部307は、例えば、液晶パネルや有機EL等の表示装置により構成され、システム制御部310の制御の下、各種の情報を表示する。
【0048】
通信部312は、ネットワークNETとデータバス314の間のデータの授受を中継し、外部機器I/F部313は、例えば、携帯端末MSのような外部機器とデータバス314との間のデータの授受を中継する。なお、外部機器I/F部313として如何なる通信I/Fを設けるかについては、上記携帯端末MSと同様に任意であるが、少なくとも携帯端末MSとの間においてデータの授受を行いうる規格に従ったものであることが必要となるため、本実施形態においては、携帯端末MSに搭載される通信I/Fの規格に合致する少なくとも有線及び無線の一組の通信I/Fを含むものとする。
【0049】
システム制御部310は、主としてCPUにより構成されると共に、GPS受信ポート、キー入力ポート等の各種入出力ポートを含み、ナビゲーション装置NAVの全体的な機能を統括的に制御する。かかる制御に際して、システム制御部310は、ROM/RAM部311に記録されている制御情報を利用すると共に、当該ROM/RAM部311をワークエリアとして利用する。
【0050】
例えば、このシステム制御部310は、HDに記録されているデータに基づいてマップマッチング等の補正処理を行うと共に、操作部306に対する入力操作に応じて目的地となる地点を決定し、車両Vの現在位置から当該目的地となる地点までの経路を設定するための経路設定処理を行う。また、システム制御部310は、かかる経路設定処理により車両Vの現在位置から目的地までの経路が設定されると、HDドライブ305に記録されているデータに基づいて情報表示部307に車両Vの現在位置周辺の地図と重畳して、設定された経路を表示させる。
【0051】
更に、このシステム制御部310は、車両VのイグニッションキーのOFFを検出した場合に、I/F部303から供給される位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSの何れかに送信する。
【0052】
[1.2]第1実施形態の動作
次に、図6乃至図15を用いて本実施形態にかかるナビゲーションシステムSの具体的な動作について説明するが、以下においては、まず、(1)ナビゲーション装置NAVから車両Vの位置情報を送信する際の動作、について説明した後、(2)携帯端末MSを用いてサーバNSに経路探索の要求を行う際の動作、について説明する。
【0053】
(1)ナビゲーション装置NAVから位置情報を送信する際の動作
まず、ユーザが車両Vに搭乗すべく、車両VのイグニッションキーをONに切り換えると、ナビゲーション装置NAVに対する電源供給が開始される。この結果、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310は、図6にフローを示す処理を開始する。
【0054】
この処理において、システム制御部310は、まず、イグニッションキーのOFFが検出されたか否かを判定する状態となり(ステップSa1)、イグニッションキーのOFFが検出されるまで同ステップの処理を繰り返す(「no」)。そして、この間、システム制御部310は、ナビゲーション装置NAVにおける通常の処理を実行する。
【0055】
その後、ユーザが車両Vから降車すべく車両VのイグニッションキーをOFFにすると、ステップSa1における判定が「yes」に変化し、システム制御部310はイグニッションキーのOFF後もナビゲーション装置NAVの電源をON状態に維持し(ステップSa2)、I/F部303から位置情報を取得すると共に(ステップSa3)、当該位置情報をROM/RAM部311に転送して(ステップSa4)、図7に示す位置情報送信処理を実行する(ステップSa5)。
【0056】
この位置情報送信処理(ステップSa5)においてシステム制御部310は、まず、携帯端末MSがナビゲーション装置NAVに有線接続されているか否かを判定し(ステップSa5-1)、「no」と判定した場合、システム制御部310は外部機器I/F部313の無線通信I/Fを介して当該位置情報を携帯端末MSに無線送信する一方(ステップSa5-2)、「yes」と判定した場合、当該位置情報を有線通信I/Fを介して携帯端末MSに有線送信する(ステップSa5-3)。
【0057】
次いで、システム制御部310は、位置情報の送信に成功したか否かを判定する状態となり(ステップSa5-4)、「yes」と判定すると位置情報送信処理を終了するのに対し、「no」と判定した場合、当該位置情報にナビ識別情報を付加してサーバNSに送信した後(ステップSa5-5)、位置情報送信処理を終了する。
【0058】
このようにして、ステップSa5における位置情報送信処理が終了すると、システム制御部310は、ナビゲーション装置NAVの電源をOFFにして(ステップSa6)、処理を終了する。
【0059】
かかる一連の処理がなされる結果、イグニッションキーがOFFにされた時点における車両Vの位置情報が携帯端末MS、或いは、サーバNSの何れか一方に送信されることとなる。
【0060】
一方、ナビゲーション装置NAVから位置情報が送信されてきた場合、携帯端末MS、或いは、サーバNSにおいては、次のような処理が実行される。
【0061】
<携帯端末MSにおける処理>
位置情報が携帯端末MSに対して送信され、外部機器I/F部12によって受信された場合、携帯端末MSの制御部14は、図8に示す処理を実行する。この結果、制御部14においては受信処理が実行され(ステップSb1)、外部機器I/F部12によって受信された位置情報が順次図示せぬRAMに一時的に格納される。次いで、制御部14は、当該位置情報を記録部13に記録すると共に、現在時刻(更新時刻)を取得し、当該時刻を当該位置情報と対応付けて記録して(ステップSb2)、処理を終了する。この際、既に記録されている位置情報等が存在する場合、制御部14は、この既に記録されている位置情報と更新時刻を上書き更新する。
【0062】
<サーバNSにおける処理>
これに対して、ナビ識別情報の付加された位置情報がナビゲーション装置NAVからサーバNSに送信され通信部21によって受信された場合、サーバNSのシステム制御部23は、図9に示す処理を実行する。この結果、システム制御部23においては受信処理が実行され(ステップSc1)、通信部21によって受信された位置情報が順次図示せぬRAMに一時的に格納される。次いで、システム制御部23は、これら位置情報、ナビ識別情報に基づいて管理テーブルTBLを更新する(ステップSc2)。この際、システム制御部23は、当該ナビ識別情報に基づいて、管理テーブルTBLを検索し、対応する位置情報及び更新時刻のフィールドを特定する。そして、当該フィールドに対して、ナビゲーション装置NAVから送信されてきた位置情報を上書きすると共に、現在時刻を上書きすることにより、管理テーブルTBLを更新する。
【0063】
以上、説明した処理がなされ、イグニッションキーをOFFにした時点における位置情報がサーバNS、或いは、携帯端末MSに送信された状態となると、ユーザは携帯端末MSを用いることにより経路探索の要求をサーバに対して行うことが可能な状態となる。
【0064】
(2)携帯端末MSを用いて経路探索の要求を行う際の動作
次に、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいて、携帯端末MSを用いて経路探索の要求を行う際の動作について、図10乃至図15を参照しつつ説明することとする。なお、携帯端末MSを用いて経路探索の要求を行う際の動作は、大別して、(2-1)出発地設定時の動作、(2-2)出発地設定後の動作の順に行われるものとなっている。以下においては、各動作を順を追って説明することとする。
【0065】
(2-1)出発地設定時の動作
出発地設定時の動作は、(a)車両Vの現在位置を出発地として設定する場合と、(b)車両Vの現在位置以外を出発地として設定する場合(すなわち、ユーザの任意設定)と、の間で動作例が異なってくるため、以下においては説明の理解を容易にするため上記(a)、(b)の順に説明を行うこととする。
【0066】
(a)車両Vの現在位置を出発地として設定する場合の動作例
まず、車両現在位置を出発地として経路探索の要求を行うべく、ユーザが携帯端末MSの入力部16に対して経路探索を行う旨の入力操作を行うと、携帯端末MSの制御部14は、入力部16から供給される制御信号に従って、記録部13に記録されている経路プログラムを読み出し、図11に示す携帯端末側出発地設定処理を開始し、この結果、ナビゲーションシステムSにおいては図10にシーケンスを示すデータの授受が行われることとなる。
【0067】
まず、この携帯側出発地設定処理において携帯端末MSの制御部14は、ユーザに対して出発地の入力を促す画面の表示処理を行い(ステップSd1)、ユーザの入力を待機する状態となる(ステップSd2「no」)。この結果、携帯端末MSの表示部15には、例えば、「出発地を車両Vの現在位置にする場合、現在位置ボタンを選択し、出発地をそれ以外に設定する場合には、出発地名を入力し、送信ボタンを選択して下さい」等の文字列と共に、「現在位置」なるボタンと、住所入力用のボックス及び「送信」なるボタンが表示される。
【0068】
この状態においてユーザが何れかのボタンを選択する旨の入力操作を行うと、制御部14においては、ステップSd2における判定が「yes」となり、出発地として車両Vの現在位置が選択されたか否かが判定される(ステップSd3)。
【0069】
ここで、本動作例の場合、出発地として車両現在位置を設定することが必要となるため、ユーザは「現在位置」ボタンを選択することが必要となる。このようにユーザによって「現在位置」ボタンが選択された場合、制御部14は、ステップSd3において「yes」と判定し、サーバNS宛に出発地が車両Vの現在位置である旨のメッセージDa1を送信し(ステップSd4)、サーバNSからのメッセージDa2の受信を待機する状態となる(ステップSd5「no」)。
【0070】
なお、この際、如何なる方式にてメッセージを送信するか否かは任意であり、例えば、ネットワークNETの通信プロトコルがHTTP(HyperText Transfer Protocol)の場合、出発地を指定する情報をCGI(Common Gateway Interface)のパラメータとして付加し、サーバNSに送信するようにしても良い。
【0071】
このようにして、携帯端末MSからメッセージDa1が送信されてくると、サーバNSにおいては図12に示すサーバ側出発地設定処理が開始される。この処理においてサーバNSのシステム制御部23は、まず、この受信したメッセージDa1により示される出発地が、車両Vの現在位置であるか否かを判定する状態となる(ステップSe1)。本動作例の場合、ユーザは出発地として車両現在位置を指定しているため、このステップSe1においてシステム制御部23は、「yes」と判定し、位置情報の送信をリクエストするメッセージDa2を返信した後(ステップSe2)、携帯端末MSからの受信を待機する状態となる(ステップSe3「no」)。
【0072】
一方、サーバNSから、メッセージDa2が送信されてくると、携帯端末MSの制御部14においてはステップSd5における判定が「yes」に変化し、制御部14は、記録部13に記録されている位置情報と更新時刻を読み出して、自装置に対応する携帯識別情報と共に、データDa3としてサーバNSに送信して(ステップSd6)、図11に示す携帯端末側出発地設定処理を終了する。なお、この際、携帯端末MSが未だナビゲーション装置NAVから位置情報を取得したことがない場合もある。この場合、制御部14は、サーバNSに対して位置情報を送信することなく、自装置に対応した携帯識別情報のみをデータDa3として送信することとなる。
【0073】
このデータDa3がネットワークNETを介して、送信されてくるとサーバNSのシステム制御部23においては、上記ステップSe3における判定が「yes」に変化し、システム制御部23は、この受信したデータDa3に位置情報が含まれているか否かを判定する状態となる(ステップSe4)。そして、この判定において、「no」と判定すると、データDa3に含まれている携帯識別情報に基づいて管理テーブルTBLを検索し、対応する位置情報を読み出した後(ステップSe7)、当該位置情報を出発地として設定して(ステップSe8)、サーバ側出発地設定処理を終了する。
【0074】
これに対して、ステップSe4において「yes」と判定した場合、システム制御部23は、データDa3に含まれている携帯識別情報に対応する更新時刻を管理テーブルTBLから読み出すと共に、当該時刻とデータDa3に含まれている更新時刻とを比較し(ステップSe5)、両更新時刻の内最新のものに対応する位置情報を出発地として設定した後(ステップSe6)、サーバ側出発地設定処理を終了する。
【0075】
以上の処理がなされる結果、本動作例の場合、ナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに送信された車両Vの現在位置が出発地として設定されることとなる。
【0076】
(b)車両Vの現在位置以外を出発地として設定する場合の動作例
本動作例の場合、上記(a)の場合と同様に、携帯端末MSにおいてステップSd1、Sd2の処理が実行される。また、本動作例の場合、ユーザは出発地として車両現在位置以外の地点を設定することが必要となるため、ステップSd1において表示される画面に従い、出発名を入力し、「送信」なるボタンを選択することが必要となる。そして、かかる一連の入力操作が入力部16に対して行われると、制御部14は、ステップSd3において「no」と判定し、当該入力された出発地名を、例えば、CGIのパラメータとして付加したメッセージをサーバNSに対して送信し(ステップSd7)、サーバNSからのデータの受信を待機する状態となる(ステップSd8)。
【0077】
一方、携帯端末MSから、出発地名が付加されたメッセージが送信されてくると、サーバNSにおいてはシステム制御部23が、上記図12のサーバ側出発地設定処理を開始し、ステップSe1において「no」と判定する。この結果、システム制御部23は、ステップSe9を実行し、当該メッセージに付加されている出発地名に基づいて記録部22に記録された地点検索用データPDを検索し、一致度の高いものから、所定数の候補を抽出する。次いで、出発地の候補が抽出されると、システム制御部23は、当該抽出した候補を携帯端末MSにおいて選択させるための候補データを生成し、携帯端末MSに送信した後(ステップSe10)、携帯端末MSからのメッセージ受信を待機する状態となる(ステップSe11「no」)。
【0078】
このようにして、サーバNSから候補データが送信されてくると、携帯端末MSにおいてはステップSd8における判定が「yes」になり、制御部14が当該データに基づいて出発地候補の一覧の表示を行った後(ステップSd9)、ユーザによる選択を待機する状態となる(ステップSd10「no」)。そして、ユーザが当該一覧から何れかの地点を選択する旨の入力操作を行うと、制御部14は、ステップSd10において「yes」と判定し、当該選択された地点を示す情報を含むメッセージをサーバNSに送信して(ステップSd11)、携帯端末側出発地選択処理を終了する。
【0079】
次いで、かかる携帯端末MSから送信された出発地がサーバNSの通信部21において受信されると、システム制御部23は、ステップSe11において「yes」と判定し、出発地を設定して(ステップSe12)、サーバ側出発地設定処理を終了する。この結果、ユーザが任意に設定した地点が出発地として設定されることとなる。
【0080】
(2-2)出発地設定後の動作
以上説明した処理を経て出発地の設定がなされると、ナビゲーションシステムSにおいては、次いで目的地の設定が行われることとなる。
【0081】
この目的地の設定に際しては、まず、携帯端末MSの制御部14が図13に示す携帯端末側目的地設定処理を開始する。なお、この処理の開始トリガは任意であり、上記端末側出発地設定処理の終了後、直ちに本処理を開始するようにしても良いし、例えば、サーバ側出発地設定処理の完了時にサーバNSから携帯端末MSにメッセージを送信し、当該メッセージの受信をトリガとして本処理を開始するようにしても良い。
【0082】
この携帯端末側目的地設定処理において、携帯端末MSの制御部14は、まず、経路プログラムに従い、表示処理を実行し(ステップSf1)、ユーザの選択を待機する状態となる(ステップSf2「no」)。かかる表示処理によって表示された画面に従って、ユーザが目的地名を入力すると、制御部14は、ステップSf2において「yes」と判定して、当該入力された目的地名を付加したメッセージDa4をサーバNSに送信し(ステップSf3)、サーバからのデータの受信を待機する状態となる(ステップSf4「no」)。
【0083】
一方、携帯端末MSからメッセージDa4が送信されてくると、サーバNSにおいてはシステム制御部23が図14に示すサーバ側目的地設定処理を開始する。そして、システム制御部23は、当該メッセージDa4に付加されている目的地名に基づいて記録部22に記録された地点検索用データPDを検索し、一致度の高いものから、所定数の候補を抽出する(ステップSg1)。次いで、目的地の候補が抽出されると、システム制御部23は、当該抽出した候補を携帯端末MSにおいて選択させるための候補データDa5を生成し、携帯端末MSに送信した後(ステップSg2)、携帯端末MSからのメッセージ受信を待機する状態となる(ステップSg3)。
【0084】
次に、サーバNSから候補データDa5が送信されてくると、携帯端末MSにおいてはステップSf4における判定が「yes」になり、制御部14が当該データDa5に基づいて目的地候補の一覧の表示を行った後(ステップSf5)、ユーザによる選択を待機する状態となる(ステップSf6「no」)。そして、ユーザが当該一覧から何れかの地点を選択する旨の入力操作を行うと、制御部14はステップSf6において「yes」と判定し、当該選択された地点を示す情報を含むメッセージDa6をサーバNSに送信して(ステップSf7)、携帯端末側目的地選択処理を終了する。
【0085】
このようにして、携帯端末MSからメッセージDa6が送信されると、サーバNSのシステム制御部23は、ステップSg3において「yes」と判定し、目的地を設定して(ステップSg4)、既に設定されている出発地から目的地までの経路探索処理を行う(ステップSg5)。この際、システム制御部23は、経路探索を行うと共に、記録部22に記録されている地図データMDに基づいて当該経路近傍の地図と共に当該経路を携帯端末MSにおいて表示するための画像データを生成する。次いで、システム制御部23は、当該生成した画像データを記録部22に記録して(ステップSg6)、経路探索が完了した旨を示す完了通知Da7を携帯端末MSに送信し(ステップSg7)、携帯端末MSからメッセージが送信されて来るのを待機する状態となる(ステップSg8「no」)。
【0086】
一方、かかる完了通知Da7が携帯端末MSの通信部11によって受信されると、制御部14は、図15に示す経路表示処理を開始し、サーバNSに対して経路の探索結果の送信を要求する旨のメッセージDa8に自装置の携帯識別情報を付加して送信し(ステップSh1)、サーバNSからの画像データの送信を待機する状態となる(ステップSh2「no」)。
【0087】
次いで、このメッセージDa8を受信すると、サーバNSのシステム制御部23は、ステップSg8において「yes」と判定し、記録部22に記録されている画像データを読み出して、データDa9として携帯端末MSに送信し(ステップSg9)、処理を終了する。
【0088】
そして、サーバNSから送信されてきたデータDa9が受信される結果、携帯端末MSの制御部11においては、ステップSh2の判定が「yes」となり、表示処理がなされた後(ステップSh3)、処理が終了する。この結果、携帯端末MSの表示部15には、当該データDa9に基づき、サーバNSにおいて探索された経路が周辺地図と共に表示されることとなる。
【0089】
このようにして本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、車両Vの現在位置を示す位置情報が車両VのイグニッションキーがOFFにされた時点でナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに送信され、事後に携帯端末MSを用いてサーバNSに対して経路探索の要求を行った場合には、当該位置情報を用いて経路誘導情報が生成される構成となっている。このため、例えば、旅行の前日にユーザが単に経路の所要時間等を調べ、当日の出発時刻等を決定したいと考えたような場合であっても、車両Vに搭載されたナビゲーション装置NAVを用いることなく、経路や所要時間を調べることが可能となり、もって、ユーザの利便性を確保することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態においてサーバNSは、管理テーブルTBLに格納されている更新時刻と、携帯端末MSから送信される更新時刻とを比較し、最新のものを用いて経路探索を行うため、実際の車両現在位置と異なる出発地を基準として経路が探索されることを防止することが可能となる。
【0091】
また更に、本実施形態においては、車両VのイグニッションキーのOFFが検出された場合、位置情報が原則として携帯端末MSに送信される構成となっているため、ネットワークNETを介した通信により生じ得る通信費用の削減を図ることが可能となる。
【0092】
なお、上記実施形態においては、携帯端末MSに経路プログラムを搭載し、当該プログラムを用いてナビゲーションサービスの提供を受ける構成を採用していたが、携帯端末MSにWebブラウザを搭載し、このブラウザを用いてナビゲーションサービスの提供を受けるようにすることも可能である。この場合、サーバNSの記録部22にナビゲーションサービス用のWebページに対応するHTML(Hypertext Markup Language)データを格納し、携帯端末MSから送信されてきたHTTPのリクエストメッセージに従って、サーバNSから当該HTMLデータを携帯端末MSに配信し、携帯端末MSを用いてユーザが当該ページ上において入力したデータに基づいて経路を探索し、当該経路に対応するデータを配信するようにすれば良い。なお、この場合、サーバNSには、HTTPサーバとしての機能を持たせることが必要となる。
【0093】
また、上記実施形態においては、携帯端末MSにおいて目的地名を入力させ、当該目的地名を携帯端末MSからサーバNSに送信して、当該目的地名に対する一致度の最も高い、所定数の目的地候補となる地点をサーバNSにおいて地点検索用データPDから抽出する構成が採用されていた。しかし、携帯端末MSの記録部13に地点検索用データPDを記録し、携帯端末MS内において目的地を設定した後にサーバNSに送信する構成としても良い。この場合、携帯端末MS内において、上記実施形態におけるサーバNSと同様の処理を行うことにより、目的地名に対する一致度の高い地点を抽出すれば良い。
【0094】
また、この場合、携帯端末MSにおいて目的地となる施設等の電話番号やジャンル名を入力し、当該電話番号やジャンル名に基づいてサーバNS若しくは携帯端末MSにおいて目的地となる地点を設定するようにしても良い。
【0095】
更にまた、本実施形態においては車両VのイグニッションキーのOFFが検出された場合に、ナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに車両Vの位置情報を送信する構成が採用されていた。しかし、ナビゲーション装置NAVが位置情報を携帯端末MS等に送信するタイミングは、これに限定されるものではなく、例えば、車両Vが何れかの場所に停止した後、所定時間経過した時点で位置情報を送信するようにしても良い。この場合であっても、例えば、ユーザがイグニッションキーをOFFにせずにコンビニエンスストアに入店し、当該店内において、その後の経路等を調査したい場合に本実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0096】
また、本実施形態においては、車両Vに搭載されたナビゲーション装置NAVを用いて位置情報を取得し、当該位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSに送信する構成が採用されていた。しかし、車両Vの位置情報を取得することができれば、ナビゲーション装置NAVに限らず、他の装置により位置情報を取得するようにすることも可能である。
【0097】
また更に、本実施形態においては、ナビゲーション装置NAVおいて車両VのイグニッションOFFが検出された場合に位置情報を携帯端末MS若しくはサーバNSに送信する構成となっているが、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータにより当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0098】
更に、本実施形態においては、サーバNSにおいてナビゲーション装置NAVから取得した位置情報若しくは携帯端末MSから取得した位置情報に基づいて出発地を設定し、当該出発地から目的地までの経路を探索する構成となっているが、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータで当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0099】
更にまた、本実施形態においては、携帯端末MSにおいてナビゲーション装置NAVから位置情報を取得し、当該位置情報をサーバNSに送信して、経路の探索要求を行う構成となっているが、当該処理の動作を規定するプログラムが記録された記録媒体と、それを読み取るコンピュータと、を備え、このコンピュータで当該プログラムを読み込むことによって上述と同様の処理動作を行うようにしてもよい。
【0100】
[1.3]第1実施形態の変形例
(1)変形例1-1
上記第1実施形態においては、サーバNSにおいて経路周辺の地図上に当該経路を描画した画像を携帯端末MSにおいて表示するための画像データを生成して、サーバNSから携帯端末MSに配信する構成が採用されていた。しかし、サーバNSにおいては、探索された経路を示す経路誘導情報のみを生成し、当該経路誘導情報のみを携帯端末MSに配信する構成としても良い。ただし、この場合、携帯端末MSの記録部13には地図データを記録すると共に、当該地図データとサーバNSから配信される経路誘導情報に基づいて当該経路誘導情報に対応する経路周辺の地図と当該経路を表示部15に表示するためのプログラムを記録するようにすることが必要となる。
【0101】
また、携帯端末MSにおいて音声案内等、画像以外の形態により経路誘導を行うことも可能である。この場合、携帯端末MSにおいて音声案内を行うためのデータをサーバNSにおいて生成し、当該生成したデータを携帯端末MSに配信するようにする。また、この場合、携帯端末MSに当該データに基づいて音声案内を拡声するためのスピーカ及び音声処理部を設けることが必要となる。
【0102】
(2)変形例1-2
上記第1実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、携帯端末MSからのルート探索要求を待って、携帯端末MSのユーザにナビゲーションサービスを提供する機能のみが実現されていた。これに対して本変形例にかかるナビゲーションシステムSは、更に次のような機能を実現しようとするものである。
【0103】
まず、車両Vが盗難に遭ったような場合、盗難車両のイグニッションキーがオフとされた時点でナビゲーション装置NAVから車両位置情報がサーバNSに送信され、サーバNSにおいては管理テーブルTBLが更新されることとなる。このような場合における管理テーブルTBLの更新は、ユーザにとって意図しない更新となるため、当該更新をサーバNSから携帯端末MSに能動的に通知するようにすれば、ユーザは自身の所有車両Vが盗難に遭ったか否かを知ることが可能となる。
【0104】
そこで、本変形例においては、管理テーブルTBLの更新時にサーバNSから携帯端末MSに管理テーブルTBLの更新を通知し、この更新通知を受信した携帯端末MSにおいて車両位置情報の更新を表示部35に表示する構成を採用することとした。なお、実際にサーバNSから携帯端末MSに対してかかる通知を行う際の手段については任意であり、例えば、車両現在位置が更新された旨を示す電子メールを携帯端末MS宛に送信するようにしても良い。
【0105】
このように、管理テーブルTBLの更新がなされる度に、その更新を携帯端末MSに通知することにより、ユーザに盗難の可能性を示すことが可能となるのである。また、実際に車両盗難に遭ってしまった場合、ユーザは駐車位置ナビゲーションサービスの提供を受けることにより車両Vの現在位置までのルートを調査することも可能となる。
【0106】
なお、本変形例の構成を採用する場合、車両位置情報の更新の通知機能のオンオフをユーザが設定できるようにしても良い。
【0107】
また、車両現在位置を警察に通報するようにしても良い。この場合、ネットワークNETに警察署に設置された端末装置を接続し、サーバNSから通知を受けた携帯端末MSにおいてユーザが所定の入力操作を行った場合に、車両位置情報に対応した地点を地図上に描画した画像データをサーバNSにおいて生成して警察署の端末に送信するようにすれば良い。
【0108】
また更に、本変形例のように、サーバNSから位置情報の更新を一方的に通知するのみならず、携帯端末MSを用いて管理テーブルTBLの更新履歴をチェックできるようにすることも可能である。また、かかる更新履歴のチェックが行われた場合に、サーバNSにおいて車両現在位置を描画した地図に対応する画像データを生成し、当該生成した画像データを携帯端末MSに送信する構成とすることも可能である。
【0109】
[2]第2実施形態
[2.1]第2実施形態の構成及び動作
本実施形態にかかるナビゲーション装置Sは、上記図1に示したシステムSと同様の構成により実現されるものである。従って、特に説明しない限り、上記図1に示した各要素は、上記第1実施形態と同様の構成(図2乃至図5)を有し、同様の動作を行うものである。
【0110】
ここで、上述した第1実施形態にかかるナビゲーションシステムSは、例えば、旅行当日の予定を事前に立案するような場合におけるユーザの便宜を図るべく、携帯端末MSを用いてサーバNSにアクセスし、サーバNSにおいて経路を探索した後に、当該探索結果に対応する画像データを携帯端末MSに配信する構成が採用されていた。
【0111】
これに対して、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSは、車両搭乗後、早期にナビゲーション装置NAVを用いた経路誘導を可能とし、もって、ユーザの利便性の向上に寄与すべく、以下のような方法が採用されている。
【0112】
すなわち、ユーザが携帯端末MSを用いてサーバNSに経路探索の要求を行うと、サーバNSが事前に経路を探索し、当該探索した経路をナビゲーション装置NAVにおいて表示するための経路誘導情報を生成して、記録する。その後、ユーザが車両Vに搭乗し、車両VのイグニッションキーをONにした時点で、サーバNSがナビゲーション装置NAVに対して当該経路誘導情報を配信するのである。
【0113】
一方、かかる方法を採用する場合、ユーザが車両駐車位置の住所若しくは緯度/経度を覚えている場合には格別、覚えていない場合には車両Vの出発地、すなわち、車両Vの現在位置を指定できなくなってしまう。従って、本実施形態においても、サーバNSがナビゲーション装置NAVから車両Vの位置情報を取得することが必要となるのである。しかし、この場合においても、経路探索の要求がなされる時点ではナビゲーション装置NAVの電源がOFFの状態にあるため、サーバNSがナビゲーション装置NAVから位置情報を取得することができない。そこで、本実施形態のナビゲーションシステムSにおいても上記第1実施形態と同様に、ユーザが車両Vから降車する際にイグニッションキーをOFFにした時点でナビゲーション装置NAVから携帯端末MS、或いは、サーバNSに対して位置情報を送信しておき、当該位置情報を用いて出発地を設定する方法が採用されている。
【0114】
なお、この車両VのイグニッションキーをOFFにした際にナビゲーション装置NAV、携帯端末MS及びサーバNSにおいて実行される処理については、上述した図6乃至図9と同様であり、また、出発地設定時に携帯端末MS及びサーバNSにおいて実行される処理についても、上記図11及び図12と同様である。
【0115】
これに対して、出発地設定後における処理に関しては、上記第1実施形態とは異なったものとなっている。以下、この際の動作について、図16、図17及び上記図13を参照しつつ説明する。
【0116】
まず、上記図11及び図12の処理を経て出発地の設定がなされ、目的地の設定段階に至ると、携帯端末MSの制御部14は、上記図13と同様の処理を実行して、ユーザによって入力された目的地名を付加したメッセージをサーバNSに送信し(ステップSf3)、サーバからのデータの受信を待機する状態となる(ステップSf4「no」)。
【0117】
一方、携帯端末MSからメッセージが送信されてくると、サーバNSにおいてはシステム制御部23が図16に示す処理を開始する。
【0118】
この処理においてシステム制御部23は、上記図14のステップSg1乃至ステップSg3と同様の処理を実行し、携帯端末MSに対して、目的地の候補を携帯端末MSにおいて選択させるための候補データを生成し、携帯端末MSに送信する。この結果、携帯端末MSにおいては、上記図13ステップSf5乃至ステップSf7の処理が実行され、携帯端末MSにおける処理は終了することとなる。
【0119】
以上の処理により、携帯端末MSからユーザにより選択された地点を示す情報を含むメッセージが送信されてくると、サーバNSのシステム制御部23は、ステップSg3において「yes」と判定し、目的地を設定して(ステップSg4)、既に設定されている出発地から目的地までの経路探索処理を行う(ステップSg5)。この際、システム制御部23は、経路探索を行うと共に、当該経路をナビゲーション装置NAVにおいて表示するために用いられる経路誘導情報を生成する。
【0120】
次いで、システム制御部23は、要求を行った携帯端末MSの携帯識別情報に対応するナビ識別情報を管理テーブルTBLから読み出して、当該生成した経路誘導情報と対応付けて記録部22に記録した後(ステップSg6)、ナビゲーション装置NAVからの経路誘導情報の送信を要求する旨のメッセージが送信されてくるのを待機する状態となる(ステップSg100)。
【0121】
その後、ユーザが車両Vに搭乗し、車両VのイグニッションキーをONに切り換えると、ナビゲーション装置NAVにおいては、システム制御部310が図17に示すナビゲーション装置側経路誘導情報取得処理を開始することとなる。なお、この処理は、ナビゲーション装置NAVにおいて実行されるメインルーチンのサブルーチンとして実行される処理である。
【0122】
この処理において、システム制御部310は、まず、経路誘導情報の送信要求を含むリクエストメッセージに対して自装置に対応したナビ識別情報を付加してサーバNSに送信し(ステップSi1)、経路誘導情報の受信を待機する状態となる(ステップSi2「no」)。
【0123】
このようにして、ナビゲーション装置NAVからメッセージが送信されてくると、サーバNSのシステム制御部23においては、ステップSg100における判定が「yes」に変化することとなる。この結果、システム制御部23は、当該メッセージに付加されているナビ識別情報と同一のナビ識別情報に対応付けて記録部22に記録されている経路誘導情報を検索し、当該経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに送信して(ステップSg101)、処理を終了する。
【0124】
なお、ナビゲーション装置NAVからメッセージが送信されてきた場合に、当該ナビゲーション装置NAVに対して配信すべき経路誘導情報が存在しない場合もある。かかる場合に、サーバNSのシステム制御部23は、当該メッセージの送信元であるナビゲーション装置NAVに対して配信すべき経路誘導情報が存在しない旨を示すエラーメッセージを配信する。
【0125】
一方、サーバNSから経路誘導情報又はエラーメッセージが送信されてくると、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310においては、ステップSi2における判定が「yes」となり、当該受信されたデータが経路誘導情報であるか否かを判定する状態に移行する(ステップSi3)。
【0126】
ここで、サーバNSから経路誘導情報が送信されていた場合、システム制御部310は、同ステップにおいて「yes」と判定し、当該経路誘導情報及びHDドライブ305に記録されている地図データの双方に基づいて表示処理を行い(ステップSi4)、処理をメインルーチンに復帰させる。
【0127】
これに対して、サーバNSから送信されていたデータがエラーメッセージである場合、システム制御部310は、HDドライブ305に記録されている地点検索用のデータに基づいて目的地の設定処理を行った後(ステップSi5)、I/F部303から供給される位置情報に基づいて車両Vの現在位置を特定して、当該現在位置から目的地までの経路を探索する(ステップSi6)。そして、システム制御部310は、HDドライブ305に記録されている地図データと、当該探索された経路に基づいて表示処理を行って(ステップSi7)、処理を終了する。
【0128】
なお、この際、システム制御部310において実行される具体的な処理内容については、従来のナビゲーション装置と同様であるため、詳細は省略する。
【0129】
このようにして、本実施形態にかかるナビゲーションシステムSにおいては、車両Vの現在位置を示す位置情報が車両VのイグニッションキーがOFFにされた時点でナビゲーション装置NAVから携帯端末MS若しくはサーバNSに送信され、事後に携帯端末MSを用いてサーバNSに対して経路探索の要求を行った場合には、当該位置情報を用いて経路誘導情報が生成される構成となっている。このため、事前に携帯端末MSを用いてサーバNSに対して探索要求を行っておき、ユーザが車両Vに搭乗した後、早期に経路誘導情報をサーバNSからナビゲーション装置NAVに配信して、迅速なサービス提供を可能とし、もって、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0130】
なお、本実施形態においては、サーバNSにおいて経路誘導情報を生成して、携帯端末MSに配信する構成としているが、上記第1実施形態と同様にサーバNSにおいて画像データを生成して配信したり、或いは、ナビゲーション装置NAVにおいて音声案内を行うためのデータを生成して携帯端末MSに配信するようにしても構わない。
【0131】
[2.2]第2実施形態の変形例
(2-1)変形例2-1
上記第1実施形態においては、サーバNSの管理テーブルTBLに位置情報と対応付けて更新時刻を格納し、また、携帯端末MSの記録部13にも位置情報と更新時刻を対応付けて記録しておき、サーバNSにおいて両更新時刻を比較することにより、何れの位置情報が最新のものであるのかを判定する構成が採用されていた(図12ステップSe5及びSe6)。
【0132】
しかし、車両VのイグニッションキーがONにされ、ナビゲーション装置NAVからサーバNSに対して経路誘導情報の送信要求を含むメッセージが送信されてきた時点で(図17ステップSi1)、サーバNSの管理テーブルTBLに格納されている位置情報を削除する構成を採用することにより、更新時刻の管理を行わなくとも、携帯端末MS、或いは、サーバNSに記録されている位置情報の何れが最新のものかを特定することが可能となる。すなわち、かかる構成を採用した場合、車両VのイグニッションキーがONとなった時点で管理テーブルTBLに格納されている位置情報が削除されるため、後にナビゲーション装置NAVから位置情報が送信されてこない限り、管理テーブルTBLには位置情報が存在しない状態となる。
【0133】
そして、もし、イグニッションキーがOFFにされた時点で位置情報が携帯端末MSに送信された場合、サーバNSには位置情報が送信されないため、携帯端末MSから送信されてきた位置情報を、そのまま利用すれば最新の位置情報を用いて出発地を設定することが可能となる。これに対して、ナビゲーション装置NAVからサーバNSに対して位置情報が送信された場合、次に車両VのイグニッションキーがONにされるまで(すなわち、車両Vの駐車中)、当該位置情報が管理テーブルTBL内に格納されている状態となる。このため、サーバNSの管理テーブルTBLに格納されている位置情報が最新のものとなり、当該位置情報を用いて出発地を設定すれば良いこととなるのである。
【0134】
この構成を採用した場合、上記図12ステップSe1において「yes」と判定した後、管理テーブルTBLに位置情報が格納されているか否かを判定し、この判定の結果管理テーブルTBLに位置情報が格納されていない場合にのみ、携帯端末MSに対して位置情報の送信をリクエストするメッセージDa2を返信し、当該メッセージDa2に対して携帯端末MSから返信されてきた位置情報を出発地として設定するようにすれば良い。なお、本変形例において携帯端末MSに対して位置情報が送信されていない場合にはサーバNSに対して位置情報が送信されており、この場合、管理テーブルTBLには位置情報が残っている状態にあるため上記図12においてステップSe4乃至Se8の処理は不要となる。
【0135】
このようにして、本変形例によれば、サーバNS及び携帯端末MSにおいて位置情報の更新時刻を管理することなく、すなわち、両装置における処理を簡易化しつつ上記第2実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0136】
(2-2)変形例2-2
本変形例にかかるナビゲーションシステムSは、ナビゲーション装置NAVがネットワークNETを介した通信が不能な状態に有り、且つ、携帯端末MSもナビゲーション装置NAVと通信不能な状態にある場合にも、確実にサーバNSにおいて経路誘導情報を生成し、当該経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信する機能を実現しようとするものである。
【0137】
本変形例は、次のような場合に特にその効用を大とする。
【0138】
すなわち、例えば、車両VのイグニッションキーをOFFにした時点で車両Vが地下駐車場や山奥におり、サーバNSに対して位置情報を送信できない状況におかれることがある(以下、かかる範囲を「通信圏外」という)。そして、ユーザが降車後、携帯端末MSを保持して移動した結果、ネットワークNETを介した通信が可能な範囲内(以下、「通信圏内」という)に携帯端末MSのみが持ち込まれ、かかる状況下においてユーザが当該携帯端末MSを用いてサーバNSに経路探索の要求を行う場合も想定される。
【0139】
このような場合、ユーザが車両Vに戻って搭乗し、イグニッションキーをONにしたとしても車両Vは通信圏外にあるため、サーバNSから経路誘導情報を取得することはできず、結局、従来のナビゲーション装置と同様にユーザが車両搭乗後、目的地等を再設定する必要性が生じてしまう。かかる再設定は、ユーザに煩雑な再度の設定作業を強要することになってしまい、望ましいとは言えない。
【0140】
従って、ユーザの利便性を確保する観点からは再設定を行うことなく、サーバNSにおいて経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信できることが望ましい。そこで、本変形例においては、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が通信部312の通信状態を監視し、ナビゲーション装置NAVが通信可能な状態に移行した時点で、サーバNSから経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信する構成となっている。
【0141】
ここで、問題となるのは、ナビゲーション装置NAVが通信圏外にある状態において、サーバNSにおいて生成した経路誘導情報は出発地が現実の出発地と異なっている可能性があるという点である。すなわち、イグニッションキーのOFF時にナビゲーション装置NAVと携帯端末MSとが通信可能な状態にある場合は格別、例えば、イグニッションキーのOFF時に携帯端末MSが車両Vのトランク内に仕舞われており位置情報を受信できない環境にあると、サーバNSに対して携帯端末MSから送信される位置情報及びサーバNSの管理テーブルTBLに格納されている位置情報は、共に実際の車両位置と異なったものとなってしまうのである。従って、単純にサーバNSにおいて生成した経路誘導情報を携帯端末MSに配信したとしても、正確な経路誘導ができなくなる可能性がある。
【0142】
そこで、本実施形態において車両VのイグニッションキーがONにされると、ナビゲーション装置NAVのシステム制御部310は、図18に示す処理を実行する。この処理においてシステム制御部310は、まず、通信部312を監視し、ナビゲーション装置NAVが通信圏内にあるか否かを判定し(ステップSi100)、この判定において「yes」と判定すると、システム制御部310は、上記図17のステップSi1乃至Si7の処理を実行する。
【0143】
これに対して、ステップSi100において「no」と判定した場合、システム制御部310は表示処理を行い(ステップSi101)、ユーザによる入力操作を待機する状態となる(ステップSi102「no」)。この結果、ナビゲーション装置NAVの情報表示部307には、例えば、「携帯端末を用いて、経路設定を行いましたか」等の文字列と共に、「yes」、「no」なるボタンが表示された状態となる。
【0144】
この状態においてユーザが入力操作を行うと、ステップSi102における判定が「yes」になり、既にユーザが経路設定のための作業を行ったか否かが判定される状態となる(ステップSi103)。そして、ユーザが、例えば、「no」ボタンを選択する旨の入力操作を行っていた場合システム制御部310はステップSi103において「no」と判定し、上記図17ステップSi5乃至Si7の処理を実行する一方、「yes」ボタンを選択していた場合システム制御部310はステップSi103において「no」と判定し、ナビゲーション装置NAVが通信圏内に入るのを待機する状態となる(ステップSi104「no」)。
【0145】
その後車両が通信圏内へと移動すると、ステップSi104における判定が「yes」となり、システム制御部310はサーバNSに対して経路誘導情報の送信要求を含むメッセージする(ステップSi1)。この際、システム制御部310は、当該メッセージに対して、自装置に対応するナビ識別情報と位置情報を付加する。
【0146】
一方、かかるメッセージが送信されてくると、サーバNSのシステム制御部23においては上記図16ステップSg100における判定が「yes」に変化し、ナビゲーション装置NAVに対して経路誘導情報が送信されることとなる(ステップSi101)。このステップSi101において、サーバNSのシステム制御部23は、ナビゲーション装置NAVから送信されてきた位置情報と、既に記録部22に記録されている経路誘導情報とを比較し、当該経路誘導情報に対応した出発点と、当該メッセージに付加して送信されてきた位置情報とが一致している場合には当該経路誘導情報を、そのままナビゲーション装置NAVに配信する一方、一致しない場合には、再度、当該メッセージに付加して送信されてきた位置情報に基づいて経路探索を行い、経路誘導情報を生成して、当該経路誘導情報をナビゲーション装置NAVに配信するのである。
【0147】
なお、出発地とメッセージに付加されてきた位置情報との一致を判定するにあたり完全一致を要求してしまうと、一致可能性が非常に低くなる一方、ある程度の範囲内にあれば、正確な経路誘導を行うことが可能であることから、判定にあたっては出発地から位置情報に対応した地点までの距離が所定範囲内(例えば、1km)にある場合には両地点が一致するものと判定するようにしても良い。
【0148】
このようにして、本変形例にかかるナビゲーションシステムSにおいては、車両VのイグニッションキーをOFFにした際にナビゲーション装置NAVが通信不能な状態にあるときであっても、車両Vが通信圏内に移動した時点で車両Vの位置情報を付加したメッセージがサーバNSに送信され、当該位置情報と既に生成されている経路誘導情報とが一致する場合には、当該経路誘導情報がナビゲーション装置NAVに配信される一方、一致しない場合には経路誘導情報が再生成されてナビゲーション装置NAVに配信される。このため、車両VのイグニッションキーをOFFにした際に、当該車両Vが通信圏内に存在するか否かを問わず、確実に経路誘導情報を配信することが可能となり、もって、ユーザの利便性向上に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】第1実施形態おけるナビゲーションシステムSの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における携帯端末MSの具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態におけるナビゲーションサーバNSの具体的な構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態における管理テーブルTBLのデータ構成を示す図である。
【図5】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVの具体的な構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が実行する処理を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が実行する位置情報送信処理を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する処理を示すフローチャートである。
【図9】同実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行する処理を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態におけるナビゲーションシステムSにおいて行われるデータの授受を示すシーケンス図である。
【図11】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する携帯端末側出発地設定処理を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行するサーバ側出発地設定処理を示すフローチャートである。
【図13】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する携帯端末側目的地設定処理を示すフローチャートである。
【図14】同実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行するサーバ側目的地設定処理を示すフローチャートである。
【図15】同実施形態における携帯端末MSの制御部14が実行する経路表示処理を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態におけるサーバNSのシステム制御部23が実行する処理を示すフローチャートである。
【図17】同実施形態におけるナビゲーション装置NAVのシステム制御部310が実行するナビゲーション装置側経路誘導情報取得処理を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態の変形例2-2におけるナビゲーション装置NAVが実行するナビゲーション装置側経路誘導情報取得処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0150】
S・・・ナビゲーションシステム
V・・・車両
NAV・・・ナビゲーション装置
MS・・・携帯端末
NS・・・ナビゲーションサーバ
NET・・・ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えた情報提供システムであって、
前記位置情報取得装置は、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、を有し、
前記携帯端末装置は、
目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から送信された前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、
送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記位置情報取得装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記位置情報取得装置から取得した前記位置情報を保存する位置情報管理手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置は、前記位置情報取得装置から送信された位置情報と当該位置情報の保存時刻を保存する保存手段を更に有し、
前記携帯端末装置において、
前記送信手段は、前記保存手段に前記位置情報が保存されている場合に、前記探索要求情報と共に前記保存手段に保存されている位置情報及び時刻を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置において、
前記位置情報管理手段は、前記位置情報取得装置から取得された前記位置情報を取得された時刻と共に管理し、
前記生成手段は、前記携帯端末装置から送信された時刻と前記位置情報管理手段によって管理されている時刻を比較し、最新の時刻に対応する位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記位置情報取得装置において、
前記位置情報送信手段は、前記検出手段において前記駆動源の停止状態が検出された場合に前記携帯端末装置に前記位置情報を送信し、当該送信に失敗した場合に当該位置情報を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記サーバ装置において、
前記生成手段は、前記経路データとして前記経路を地図上に描画した画像データを生成し、
携帯端末装置において、
前記提示手段は、前記取得した前記経路データに基づき前記経路の描画された地図を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記携帯端末装置は、前記提示手段が前記表示手段に対して地図を表示させるための地図表示用データが記録されている記録手段を更に備え、
前記携帯端末装置において、
前記提示手段は、記録されている前記地図表示用データと取得した前記経路データの双方に基づき前記経路の描画された地図を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記位置情報取得装置は、前記移動体の位置情報又は速度情報から前記移動体が停止したか否かを判別する判別手段を更に有し、
前記位置情報取得装置において、
前記位置情報送信手段は、前記検出手段によって前記駆動源の稼動状態が検出されている場合に、前記移動体の停止が判別された後所定時間経過したときには、前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、によって情報提供システムを構成するための位置情報取得装置であって、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、
を有することを特徴とする位置情報取得装置。
【請求項9】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、によって情報提供システムを構成するための携帯端末装置であって、
前記移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、前記位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、
送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、
を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報に基づいて前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し前記ナビゲーション装置に配信するサーバ装置と、を備えたナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、
前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、前記ナビゲーション装置から取得した前記位置情報を保存すると共に、前記ナビゲーション装置の前記検出手段によって前記駆動源の稼動状態が検出された場合に既に保存されている位置情報を削除する位置情報管理手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記ナビゲーション装置は、
少なくとも移動通信網を含むネットワークを介して前記サーバ装置とデータの授受を行う通信手段と、
前記通信手段を介した通信が可能か否かを判定する判定手段と、
を更に有し、
前記ナビゲーション装置において、
前記制御手段は、
(a)前記判定手段によって通信が可能であるものと判定された場合には前記通信手段を介して前記サーバ装置から前記経路データを取得する一方、
(b)前記判定手段によって通信が不能であるものと判定された場合には前記通信手段による通信が可能な状況になるまで待機し、通信可能な状態に移行した時点で前記通信手段を介して前記サーバ装置から前記経路データを取得する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される携帯端末装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのナビゲーション装置であって、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、
前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、
有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのサーバ装置であって、
前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、
前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段と、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、
前記ナビゲーション装置において前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該ナビゲーション装置に配信する配信手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項15】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、移動体に搭載されるコンピュータとから構成されるシステムにおいて、前記移動体の位置情報をコンピュータにより取得して、外部装置に出力させるための位置情報出力プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記外部装置に出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする位置情報出力プログラム。
【請求項16】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、ユーザによって携帯されるコンピュータとを有するシステムにおいて、前記コンピュータを端末装置として機能させるためのクライアントプログラムであって、
前記コンピュータを、
移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、
前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し配信するサーバ装置に目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段、
送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段、
として機能させることを特徴とするクライアントプログラム。
【請求項17】
ユーザに携帯される携帯端末装置から目的地を指定して送信される探索要求情報に基づいて移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データをコンピュータにより生成し、配信するためのサーバプログラムであって、
前記コンピュータを、
移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置及び前記携帯端末の少なくとも何れか一方から前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、
前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段、
前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該移動体に搭載されたナビゲーション装置に配信する配信手段、
として機能させることを特徴とするサーバプログラム。
【請求項18】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報取得装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、
前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記位置情報取得装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、
前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、
前記携帯端末装置が前記経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関する情報をユーザに提示する第5ステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
【請求項19】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えるナビゲーションシステムにおける情報提供方法であって、
前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、
前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記ナビゲーション装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、
前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、
前記駆動電源の稼動状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する第5ステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
【請求項1】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えた情報提供システムであって、
前記位置情報取得装置は、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、を有し、
前記携帯端末装置は、
目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から送信された前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、
送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記位置情報取得装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記位置情報取得装置から取得した前記位置情報を保存する位置情報管理手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置は、前記位置情報取得装置から送信された位置情報と当該位置情報の保存時刻を保存する保存手段を更に有し、
前記携帯端末装置において、
前記送信手段は、前記保存手段に前記位置情報が保存されている場合に、前記探索要求情報と共に前記保存手段に保存されている位置情報及び時刻を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置において、
前記位置情報管理手段は、前記位置情報取得装置から取得された前記位置情報を取得された時刻と共に管理し、
前記生成手段は、前記携帯端末装置から送信された時刻と前記位置情報管理手段によって管理されている時刻を比較し、最新の時刻に対応する位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記位置情報取得装置において、
前記位置情報送信手段は、前記検出手段において前記駆動源の停止状態が検出された場合に前記携帯端末装置に前記位置情報を送信し、当該送信に失敗した場合に当該位置情報を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記サーバ装置において、
前記生成手段は、前記経路データとして前記経路を地図上に描画した画像データを生成し、
携帯端末装置において、
前記提示手段は、前記取得した前記経路データに基づき前記経路の描画された地図を表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記携帯端末装置は、前記提示手段が前記表示手段に対して地図を表示させるための地図表示用データが記録されている記録手段を更に備え、
前記携帯端末装置において、
前記提示手段は、記録されている前記地図表示用データと取得した前記経路データの双方に基づき前記経路の描画された地図を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記位置情報取得装置は、前記移動体の位置情報又は速度情報から前記移動体が停止したか否かを判別する判別手段を更に有し、
前記位置情報取得装置において、
前記位置情報送信手段は、前記検出手段によって前記駆動源の稼動状態が検出されている場合に、前記移動体の停止が判別された後所定時間経過したときには、前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の情報提供システム。
【請求項8】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、によって情報提供システムを構成するための位置情報取得装置であって、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、
を有することを特徴とする位置情報取得装置。
【請求項9】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、によって情報提供システムを構成するための携帯端末装置であって、
前記移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、前記位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段と、
目的地を特定した前記経路の探索要求情報を前記サーバ装置に送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段と、
送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、
を有することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報に基づいて前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し前記ナビゲーション装置に配信するサーバ装置と、を備えたナビゲーションシステムであって、
前記ナビゲーション装置は、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、
前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、を有することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記サーバ装置は、前記ナビゲーション装置から取得した前記位置情報を保存すると共に、前記ナビゲーション装置の前記検出手段によって前記駆動源の稼動状態が検出された場合に既に保存されている位置情報を削除する位置情報管理手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載のナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記ナビゲーション装置は、
少なくとも移動通信網を含むネットワークを介して前記サーバ装置とデータの授受を行う通信手段と、
前記通信手段を介した通信が可能か否かを判定する判定手段と、
を更に有し、
前記ナビゲーション装置において、
前記制御手段は、
(a)前記判定手段によって通信が可能であるものと判定された場合には前記通信手段を介して前記サーバ装置から前記経路データを取得する一方、
(b)前記判定手段によって通信が不能であるものと判定された場合には前記通信手段による通信が可能な状況になるまで待機し、通信可能な状態に移行した時点で前記通信手段を介して前記サーバ装置から前記経路データを取得する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のナビゲーションシステム。
【請求項13】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される携帯端末装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのナビゲーション装置であって、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する位置情報送信手段と、
前記検出手段において前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段と、
有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項14】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、によってナビゲーションシステムを構成するためのサーバ装置であって、
前記ナビゲーション装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方の装置から前記位置情報を取得する取得手段と、
前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段と、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段と、
前記ナビゲーション装置において前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該ナビゲーション装置に配信する配信手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項15】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、ユーザに携帯される装置であって前記サーバ装置との情報の送受信により受信した経路データに基づいて経路に関連する情報を提示する携帯端末装置と、移動体に搭載されるコンピュータとから構成されるシステムにおいて、前記移動体の位置情報をコンピュータにより取得して、外部装置に出力させるための位置情報出力プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
前記移動体の駆動源の状態を検出する検出手段、
前記検出手段によって前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、取得された前記位置情報を前記外部装置に出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする位置情報出力プログラム。
【請求項16】
移動体の現在位置から目的地までの経路データを生成するサーバ装置と、移動体に搭載され当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、ユーザによって携帯されるコンピュータとを有するシステムにおいて、前記コンピュータを端末装置として機能させるためのクライアントプログラムであって、
前記コンピュータを、
移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置から、当該移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、
前記移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データを生成し配信するサーバ装置に目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信し、前記位置情報取得装置から前記位置情報を取得している場合には当該位置情報を前記探索要求情報とともに前記サーバ装置に送信する送信手段、
送信された前記探索要求情報に対応する経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する提示手段、
として機能させることを特徴とするクライアントプログラム。
【請求項17】
ユーザに携帯される携帯端末装置から目的地を指定して送信される探索要求情報に基づいて移動体の現在位置から目的地までの経路を示す経路データをコンピュータにより生成し、配信するためのサーバプログラムであって、
前記コンピュータを、
移動体の駆動源が停止状態とされた場合に、当該移動体に搭載された位置情報取得装置及び前記携帯端末の少なくとも何れか一方から前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得する取得手段、
前記携帯端末装置から目的地を特定して送信される経路の探索要求情報を受信する受信手段、
前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路に対応した前記経路データを生成する生成手段、
前記移動体の前記駆動源の稼動状態が検出された場合に、前記生成した経路データを当該移動体に搭載されたナビゲーション装置に配信する配信手段、
として機能させることを特徴とするサーバプログラム。
【請求項18】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記位置情報取得装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、
前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記位置情報取得装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、
前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、
前記携帯端末装置が前記経路データを前記サーバ装置から取得し、当該取得した前記経路データに基づき前記経路に関する情報をユーザに提示する第5ステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
【請求項19】
ユーザに携帯される携帯端末装置と、移動体に搭載されるナビゲーション装置と、少なくとも前記移動体の出発地から目的地までの経路を探索するサーバ装置と、を備えるナビゲーションシステムにおける情報提供方法であって、
前記移動体の駆動源の停止状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記移動体の現在位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報を前記サーバ装置及び前記携帯端末装置の少なくとも何れか一方に送信する第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記携帯端末装置が前記サーバ装置に対して目的地を特定した前記経路の探索要求情報を送信する第2ステップと、
前記サーバ装置が前記第1ステップにおいて前記位置情報取得装置から送信された位置情報を前記ナビゲーション装置から直接、或いは、前記携帯端末装置を介して取得する第3ステップと、
前記サーバ装置が前記取得された位置情報に示される現在位置から前記探索要求情報に示される目的地までの経路を示す前記経路データを生成する第4ステップと、
前記駆動電源の稼動状態が検出された場合に、前記ナビゲーション装置が前記サーバ装置から前記経路データを取得し、当該経路データに基づき前記経路に関連する情報をユーザに提示する第5ステップと、
を備えることを特徴とする情報提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−145434(P2006−145434A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337888(P2004−337888)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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