説明

情報提供システム及びナビゲーション装置

【課題】 カード読取手段によって情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を利用者に提供することにより、利用者の利便性を向上させた情報提供システム及びナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 カードスロット42又はETCカードスロット84に対して無線カード45、メモリーカード46、ETCカード47、HDDカード、クレジットカードのいずれかが挿入された場合(S1:YES)に、情報センタ2から挿入したカードに関連する交通情報及び施設情報をナビゲーション装置3が取得し(S3、S4)、通常の経路案内に加え、挿入したカードに関連する交通情報や施設情報の提供を行う(S6)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置に記録された情報をナビゲーション装置を介して車両内の利用者に対して提供する情報提供システム及びナビゲーション装置に関し、特に、カード読取手段によって情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を利用者に提供することにより、利用者の利便性を向上させた情報提供システム及びナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、ドライバーが所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示するとともに、操作者が設定した目的地までの推奨経路を探索して、液晶モニタに表示された地図上に重ねて表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えており、ディスプレイ画面に誘導経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、ドライバーを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。更に、走行経路上の渋滞情報などが、情報センタから取得することが可能であり、取得した情報が音声や映像により出力される。
【0003】
しかし、このような情報をナビゲーション装置に対して配信する情報センタでは、自車位置や進行方向、目的地情報をもとに、自車位置や目的地周辺といった、交通情報の提供地域を決定するが、利用者の意図に沿った必要な情報を選別して提供することができなかった。そこで、特開2003−302224号公報には、情報提供センタから、ユーザ情報DBに記憶された経路が含まれる領域の交通情報を配信することにより、自車の経路上の交通情報や経路上の渋滞に関する詳細情報の入手を簡単な操作で行うことが可能なナビゲーション装置について記載されている。
【特許文献1】特開2003−302224号公報(第4頁〜第6頁、図6〜図15)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたナビゲーション装置では、経路を設定している場合に経路上に関する情報を容易に入手することが可能であったが、これらは予め利用者が運転開始前に設定した目的地に対応して設定された経路に基づいて選別された情報であった。即ち、利用者の現在の状況に応じ、その時点において真に利用者にとって必要な情報を提供しているとは言えなかった。そして、最近はナビゲーション装置等の車載装置の機能が多様化し、様々な外部機器等を接続することにより様々な機能を発揮することが可能となっている。そこで、そのような多様な機能を使用する利用者に対応するとともに、現在の状況に応じて真に利用者にとって必要な情報を、その都度選別して提供することが可能な情報提供システムの提供が望まれていた。
【0005】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、カード読取手段によって情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を利用者に提供することにより、現在の状況に応じて真に利用者にとって必要な情報を、その都度選別して提供することが可能となり、利用者の利便性を向上させた情報提供システム及びナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本願の請求項1に情報提供システムは、情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された情報をナビゲーション装置に対して送信する情報送信手段と、を備えた情報提供装置と、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、前記情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段により受信された情報を利用者に提供する情報提供手段と、を備えたナビゲーション装置と、を有する情報提供システムにおいて、所定のカードに記録された情報又はカードに送信された情報を読み取るカード読取手段を備え、前記ナビゲーション装置は、前記カード読取手段によって前記情報が読み取り可能となったことを検出するカード検出手段と、前記カード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を前記情報提供装置から取得する情報取得手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された前記施設の情報を前記情報提供手段によって提供する関連施設情報提供手段と、を有することを特徴とする。
尚、「カード読取手段」はナビゲーション装置と一体に設けられていても良いし、別体に設けられていても良い。
【0007】
また、請求項2に係る情報提供システムは、情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された情報をナビゲーション装置に対して送信する情報送信手段と、を備えた情報提供装置と、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、前記情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段により受信された情報を利用者に提供する情報提供手段と、を備えたナビゲーション装置と、を有する情報提供システムにおいて、ETCカードに記録された情報を読み取るETCカード読取手段を備え、前記ナビゲーション装置は、前記ETCカード読取手段によって前記情報が読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、高速道路に関する交通情報を前記情報提供装置から取得する情報取得手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された高速道路に関する交通情報を前記情報提供手段によって提供する関連交通情報提供手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る情報提供システムは、情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された情報をナビゲーション装置に対して送信する情報送信手段と、を備えた情報提供装置と、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、前記情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段により受信された情報を利用者に提供する情報提供手段と、を備えたナビゲーション装置と、を有する情報提供システムにおいて、ETCカードに記録された情報を読み取るETCカード読取手段を備え、前記ナビゲーション装置は、前記ETCカード読取手段によって前記情報が読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、ETCカードの使用が可能な駐車場に関する情報を前記情報提供装置から取得する情報取得手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された駐車場に関する情報を前記情報提供手段によって提供する関連駐車場情報提供手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係るナビゲーション装置は、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、所定のカードに記録された情報又はカードに送信された情報がカード読取手段によって読み取り可能となったことを検出するカード検出手段と、前記カード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を取得する情報取得手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された前記施設の情報を利用者に提供する関連施設情報提供手段と、を有することを特徴とする。
尚、「カード読取手段」はナビゲーション装置と一体に設けられていても良いし、別体に設けられていても良い。
また、「情報取得手段」はナビゲーション装置内の記憶手段から情報を取得することとしても良いし、ナビゲーション装置外に設けられた記憶手段から通信手段等を介して情報を取得することとしても良い。
【0010】
また、請求項5に係るナビゲーション装置は、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、ETCカードに記録された情報がETCカード読取手段によって読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、高速道路に関する交通情報を取得する情報取得手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された高速道路に関する交通情報を利用者に提供する関連交通情報提供手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に係るナビゲーション装置は、車両の現在地を検出する現在地検出手段と、ETCカードに記録された情報がETCカード読取手段によって読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、ETCカードの使用が可能な駐車場に関する情報を取得する情報取得手段と、前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された駐車場に関する情報を利用者に提供する関連駐車場情報提供手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
更に、請求項7に係るナビゲーション装置は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のナビゲーション装置において、情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段を備え、前記情報取得手段は、前記情報受信手段を介して前記情報提供装置から情報を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成を有する請求項1に係る情報提供システムでは、カード読取手段によって所定のカードに記録された情報又はカードに送信された情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を情報提供装置から取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、情報提供装置から特に挿入されたカードに関連の深い選別された情報を、ナビゲーション装置を介して利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【0014】
また、請求項2に係る情報提供システムでは、ETCカード読取手段によってETCカードに記録された情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、高速道路に関する交通情報を情報提供装置から取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、情報提供装置から特にこれから利用者が走行する可能性が高いと考えられる高速道路の交通情報を、ナビゲーション装置を介して利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【0015】
また、請求項3に係る情報提供システムでは、ETCカード読取手段によってETCカードに記録された情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、ETCカードが使用できる駐車場の情報を情報提供装置から取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、情報提供装置から特にこれから利用者が使用する可能性が高いと考えられる駐車場の情報を、ナビゲーション装置を介して利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【0016】
また、請求項4に係るナビゲーション装置では、カード読取手段によって所定のカードに記録された情報又はカードに送信された情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、特に挿入されたカードに関連の深い選別された情報を利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【0017】
また、請求項5に係るナビゲーション装置では、ETCカード読取手段によってETCカードに記録された情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、高速道路に関する交通情報を取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、特にこれから利用者が走行する可能性が高いと考えられる高速道路の交通情報を利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【0018】
また、請求項6に係るナビゲーション装置では、ETCカード読取手段によってETCカードに記録された情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、ETCカードが使用できる駐車場の情報を取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、特にこれから利用者が使用する可能性が高いと考えられる駐車場の情報を利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【0019】
更に、請求項7に係るナビゲーション装置では、カード読取手段によって所定のカード又はETCカードに記録された情報等が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報や交通情報を情報提供装置から取得し、車両の現在地に基づいて利用者に提供するので、情報提供装置から特に挿入されたカードに関連の深い選別された情報を利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る情報提供システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る情報提供システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係る情報提供システム1を示したブロック図である。
【0021】
図1に示すように本実施形態に係る情報提供システム1は、情報センタ(情報提供装置)2と、ナビゲーション装置3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、情報センタ2とナビゲーション装置3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
【0022】
ここで、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0023】
また、ナビゲーション装置3にはETC(Electronic Toll Collection System)装置5がI/F(インターフェース)40、81を介して相互に通信可能に接続されている。ここで、ETC装置5は、ノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)において使用される車載装置であり、高速道路のIC(インターチェンジ)の料金所ゲートに設けられた路上機(図示せず)と無線通信を行い、ETC装置5のETCカードスロット84(図2参照)に挿入されたETCカードと呼ばれるICカードに対して、有料道路利用料金の課金を行う装置である。
【0024】
先ず、図1を用いて情報提供システム1を構成する情報センタ2の構成について説明する。
情報センタ2は、図1に示すようにサーバ11と、サーバ11に接続された情報記録部としての情報DB(情報記憶手段)12と、センタ側通信装置(情報送信手段)13とを備える。また、サーバ11は、サーバ11の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU15、並びにCPU15が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM16、後述するようにナビゲーション装置3からの通信に基づいて適当な情報を情報DB12から選択し、ナビゲーション装置3に対して送信する情報抽出制御等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM17等の内部記憶装置を備えている。また、CPU15に代えてMPU等を使用することができる。
【0025】
また、情報DB12は全国の道路に関する交通情報を格納した交通情報DB18と、全国各地に設けられた施設に関する施設情報を格納した施設情報DB19とからなり、サーバ11はナビゲーション装置3から送信された要求に対応した情報を各DB18、19に基づいて生成し、センタ側通信装置13を用いて生成した情報をナビゲーション装置3に提供する。
【0026】
ここで、交通情報DB18に格納される交通情報データには、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速道路、都市高速道路、有料道路等の渋滞情報、事故情報、交通量、平均車速等を特定するデータが含まれる。
また、施設情報DB19に格納される施設情報データには、各地域のホテル、ガソリンスタンド、駐車場、高速道路のIC、観光地、デパート等の施設について、名称、住所、電話番号、ETCカードの使用可否、ホットスポットの設置の有無、施設案内等の施設情報を特定するデータが含まれる。
そして、サーバ11は専用回線で接続された交通情報センタ等から定期的に最新の交通情報をダウンロードし、交通情報DB18に格納することにより交通情報の更新を行う。更に、施設に関する施設情報に関しても同様に特定の情報提供センタ等から最新の施設情報をダウンロードし、施設情報DB19に格納する。
【0027】
尚、情報センタ2は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれが運営していてもよく、VICS(登録商標:VehicleInformation and CommunicationSystem)センタが運営していてもよい。
【0028】
次に、情報提供システム1を構成するナビゲーション装置3について図2を用いて説明する。図2は本実施形態に係る情報提供システム1の特にナビゲーション装置3を示したブロック図である。
【0029】
図2に示すように、ナビゲーション装置3は、自車の現在位置を検出する現在地検出部(現在地検出手段)31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部33と、操作者からの操作を受け付ける操作部34と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ(情報提供手段)35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ(情報提供手段)36と、ナビゲーション装置3の前面に設けられたカード挿入口であるカードスロット42の内部に設けられ、所定のカードがカードスロット42に挿入されていること(即ち、カードに記録された情報又はカードに送信された情報を読み取り可能となったこと)を検出するカード検出センサ37と、カードスロット42に対して挿入されているカードに対する情報の読み取り及び書き込みを行うカードリーダ・ライタ(カード読取手段)38と、情報センタ2との間で通信を行う通信装置(情報受信手段)39と、ETC装置5が接続され、相互間で通信を行うI/F(インターフェース)40と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部33には自車の走行速度を検出する車速センサ41が接続される。
【0030】
以下に、ナビゲーション装置3を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出部31は、現在地検出部としてのGPS51、地磁気センサ52、距離センサ53、ステアリングセンサ54、方位検出部としてのジャイロセンサ55、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0031】
具体的には、GPS51は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における車両の現在地を検出し、地磁気センサ52は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ53は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ53としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
【0032】
また、ステアリングセンサ54は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ54としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0033】
そして、ジャイロセンサ55は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ55としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ55によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0034】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された所定のプログラム、地図データ等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込んだりするためのドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施形態においては、データ記録部32の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0035】
また、ナビゲーション制御部33は、ナビゲーション装置3の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU61、並びにCPU61が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM62、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、探索した誘導経路の案内を行う経路案内処理プログラム、特定のカードがカードスロット42に挿入された場合又はETC装置5にETCカード47が挿入された場合に挿入されたカードに関連する情報の出力制御等を行うための後述の情報提供処理プログラム(図4、図5参照)が記録されたROM63、ROM63から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ64等の内部記憶装置を備えている。尚、前記RAM62、ROM63、フラッシュメモリ64等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU61に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0036】
また、本実施形態においては、前記ROM63に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部32に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、カードスロット42に挿入したメモリーカード46やHDDカード等に記録したり、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ64に書き込んだりすることもできる。更に、メモリーカード46やHDDカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。尚、車両に搭載された自動変速機(図示せず)の制御を行うために自動変速機制御装置が搭載されている場合には、自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ハードディスクに記録することができる。
【0037】
更に、前記ナビゲーション制御部33には、操作部34、液晶ディスプレイ35、スピーカ36、カード検出センサ37、カードリーダ・ライタ38、通信装置39、I/F(インターフェース)40の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0038】
操作部34は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。また、特に本実施形態に係るナビゲーション装置3には、後述するようにメモリーカード46に記憶された施設に基づいて取得された情報のリストが液晶ディスプレイ35に表示された際に、その情報を選択する際にも用いられる(図8参照)。そして、ナビゲーション制御部33は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部34としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ35の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0039】
また、液晶ディスプレイ35には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組、カードスロット42に挿入されたカードに基づく交通情報及び施設情報等が表示される。尚、液晶ディスプレイ35の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
【0040】
また、スピーカ36は、ナビゲーション制御部33からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスやカードスロット42等に挿入されたカードに基づく交通情報及び施設情報等の案内情報を出力する。ここで、合成される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先の交差点を右折してください。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を音声出力することもできる。
【0041】
また、カード検出センサ37は、ナビゲーション装置3に設けられたカードスロット42の内部に設けられ、無線カード45、メモリーカード46、HDDカード、クレジットカード等の各種カードがカードスロット42に挿入されていること、即ち、メモリーカード46、HDDカード、クレジットカードが有するICチップ、磁気ディスク、磁気帯等の各記憶媒体に記録された情報、又は無線カード45に送信された情報を読み取り可能となったことを検出する。
また、カードリーダ・ライタ38は、カードスロット42に対して挿入されているメモリーカード46、HDDカード、クレジットカードが有するICチップ、磁気ディスク、磁気帯等の記憶媒体に記録された情報を読み取るとともに、新たな情報の書き込みを行う。更に、無線カード45に対して送信された情報を読み取る。
【0042】
そして、通信装置39は、情報センタ2から送信された渋滞情報、交通事故情報等の交通情報と駐車場情報、サービスエリアの混雑状況等の施設情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信装置39としては、LAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器であっても良い。また、前記情報センタからの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。尚、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0043】
また、I/F(インターフェース)40は、ナビゲーション制御部33とETC装置5との間で両者を接続する通信インターフェースであり、ナビゲーション制御部33はETC装置5が有するETCカード47の挿入口であるETCカードスロット84に対してETCカード47が挿入されたことを検出する検出信号をETC装置5側のI/F(インターフェース)81を介して受信する。
【0044】
続いて、ナビゲーション装置3に接続されるETC装置5について図2を用いて説明する。
図2に示すように、ETC装置5は、高速道路のIC(インターチェンジ)の料金所ゲートに設けられた路上機(図示せず)との間でETCアンテナ(図示せず)を介して料金収受に関わる情報を無線通信する無線通信部85と、本装置全体を制御するETC装置制御部80と、ナビゲーション装置3が接続され、相互間で通信を行うI/F(インターフェース)81と、ETC装置5の前面に設けられたカード挿入口であるETCカードスロット84の内部に設けられ、ETCカード47がETCカードスロット84に挿入されていること(即ち、ETCカード47に記録された情報を読み取り可能となったこと)を検出するカード検出センサ82と、料金の支払いを行う為にETCカードスロット84に対して挿入されているETCカードに対する情報の読み取り及び書き込みを行うカードリーダ・ライタ(ETCカード読取手段)83とから構成されている。
【0045】
また、ETC装置制御部80は、ETCカード47がETCカードスロット84に挿入されたことをカード検出センサ82によって検出した場合に、その検出信号をI/F81を介してナビゲーション装置3に送信する。
【0046】
次に、本実施形態に係る情報提供システム1において、ナビゲーション装置3のカードスロット42、又はETC装置5のETCカードスロット84に挿入されるカードの種類と、挿入されたカードに基づいてナビゲーション装置3で提供される情報の内容について簡単に説明する。図3は挿入されたカードに基づいてナビゲーション装置3で提供される情報の一例について示した図である。
【0047】
図3に示すように、例えば、ETCカード47がETC装置5のETCカードスロット84に挿入された場合には、高速道路に関する渋滞や規制(通行止めや速度規制)等の交通情報、及びETCカードが利用できる駐車場の位置と料金に関する情報が提供される。
また、無線カード45がナビゲーション装置3のカードスロット42に挿入された場合には、パソコンや携帯情報端末(PDA)等を使ってインターネットに接続ができるホットスポットが設置された施設の位置に関する情報が提供される。
また、メモリーカード46又はHDDカードがナビゲーション装置3のカードスロット42に挿入された場合には、メモリーカード46又はHDDカード内に記憶された施設に関する案内情報(割引情報、利用料金、定休日など)が提供される。
また、クレジットカードがナビゲーション装置3のカードスロット42に挿入された場合には、クレジットカードが使用可能な(クレジットカードに提携する)施設に関する案内情報(割引情報、利用料金、定休日など)が提供される。
【0048】
また、前記情報の内、交通情報に関してはナビゲーション装置3で案内経路が設定されている場合に関しては、自車位置から20km以内の領域の案内経路に沿った交通情報が提供される。一方、案内経路が設定されていない場合に関しては、自車位置から20km以内の領域において該当する全ての交通情報が提供される。
また、施設情報(駐車場を含む)に関しては、現在の自車位置を中心にした10km以内の領域に位置する施設の情報が提供される。
【0049】
続いて、前記構成を有する情報提供システム1におけるナビゲーション装置3のCPU61が実行するナビ側情報提供処理プログラム、及び情報センタ2のCPU15が実行するセンタ側情報提供処理プログラムについて図4に基づき説明する。図4は本実施形態に係る情報提供処理プログラムのフローチャートである。尚、以下の図4及び図5にフローチャートで示される各プログラムは、ナビゲーション装置3が備えているRAM62やROM63、又は情報センタ2のサーバ11が備えているRAM16やROM17に記憶されており、CPU61又はCPU15により実行される。
ここで、本実施形態に係るナビゲーション装置3のCPU61及び情報センタ2のCPU15が実行する情報提供処理プログラムとは、カードスロット42又はETCカードスロット84に対して無線カード45、メモリーカード46、ETCカード47、HDDカード、クレジットカードのいずれかが挿入された際に、情報センタ2から挿入したカードに関連する交通情報及び施設情報をナビゲーション装置3が取得し、通常の経路案内に加え、挿入したカードに関連する交通情報や施設情報の提供を行うものである。
【0050】
先ず、図4に基づいてナビゲーション装置3側の情報提供処理プログラムについて説明すると、ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU61はカードスロット42又はETC装置5のETCカードスロット84に対して無線カード45、メモリーカード46、ETCカード47、HDDカード、クレジットカードのいずれかが挿入され、カードリーダ・ライタ38、83によって記憶された情報又は受信した情報が読み取り可能な状態となったか否かを判定する。具体的には、ナビゲーション装置3のカードスロット42にカードが挿入されたことはカード検出センサ37からの検出信号に基づいて判定され、ETC装置5のETCカードスロット84にカードが挿入されたことはI/F40、81を介してETC装置5から送信される検出信号に基づいて判定される。尚、このS1がカード検出手段及びETCカード検出手段の処理に相当する。
【0051】
そして、いずれかのカードが検出されたと判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。一方、いずれのカードも検出されていないと判定された場合(S1:NO)には、カードが検出されるまで経路案内等の通常のナビゲーションに関する制御処理を行う。
【0052】
次に、S2では現在地検出部31によって自車の現在位置を検出する。そして、S3においては、CPU61は前記S1で検出されたカードの種類と前記S2で検出された自車の現在位置に基づいて、情報センタ2に対して所定の情報を要求する要求信号を送信する。ここで、ナビゲーション装置3から情報センタ2に対して要求する情報は、具体的には上述した図3に示す内容の情報であり、更に自車の現在位置から20km以内の地域に関する情報のみを要求する。
【0053】
そして、S4では前記S3の要求に基づいて情報センタ2から送信された情報を受信する。更にS5では、前記S4で受信した情報から利用者に対して提供すべき情報があるか否かを判定する。ここで、利用者に提供すべき情報であるか否かの判定は取得した情報の種類毎に予め設定されており、例えば、交通情報の渋滞情報に関しては500m以上の渋滞である場合に提供すべき情報と判定され、500m未満である場合には、提供する必要のない情報であると判定される。尚、前記S3及びS4が情報取得手段の処理に相当する。
【0054】
前記S5の判定の結果、提供すべき情報があると判定された場合(S5:YES)には、S6で液晶ディスプレイ35及びスピーカ36を用いて利用者に情報の提供を行う後述の関連情報出力処理が行われる(図5参照)。一方、提供すべき情報がないと判定された場合(S5:NO)には、当該情報提供処理を終了する。
【0055】
次に、図4に基づいて情報センタ2側の情報提供処理プログラムについて説明すると、先ずS101において、CPU61は前記S3においてナビゲーション装置3から送信された情報に関する要求信号を受信する。
【0056】
そして、S102では前記S101で受信した要求に基づいて、対応する情報を情報DB12の交通情報DB18及び施設情報DB19から抽出して生成する。この際に抽出される情報は、具体的には上述した図3に示す内容の情報であり、更に自車の現在位置から20km以内の領域の道路に関する交通情報と、自車の現在位置から20km以内の領域に位置する施設に関する施設情報が抽出される。
【0057】
続いて、S103においては、前記S102で抽出された情報をナビゲーション装置に対して送信する。その後、当該情報提供処理を終了する。
【0058】
次に、本実施形態に係る情報提供システム1において前記S6でナビゲーション装置3のCPU61によって行われる関連情報出力処理のサブ処理について図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る情報提供システム1における関連情報出力処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0059】
関連情報出力処理においては、先ずS11において、前記S4で受信した情報がETCカード47に関連する情報であるか否かを判定する。ここで、ETCカード47に関連する情報とは、高速道路に関する渋滞や規制(通行止めや速度規制)等の交通情報、及びETCカードが利用できる駐車場の位置と料金に関する情報である(図3参照)。
【0060】
そして、ETCカードに関連する情報であると判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行し、ETCカードに関連する情報でないと判定された場合(S11:NO)には、S15へと移行する。
【0061】
S12では先ず受信した情報の内、高速道路に関する渋滞や規制(通行止めや速度規制)等の交通情報を液晶ディスプレイ35に表示するとともに、スピーカ36を用いて同様の内容を音声により出力する。この際、ナビゲーション装置3において案内経路が設定されている場合に関しては、自車位置から20km以内の領域の案内経路に沿った交通情報が提供される。一方、案内経路が設定されていない場合に関しては、自車位置から20km以内の領域において該当する全ての交通情報が提供される。
【0062】
その後、S13では所定時間(例えば、本実施形態では5秒)経過したか否かが判定され、所定時間経過していないと判定された場合(S13:NO)には、所定時間経過するまで待機される。一方、所定時間経過したと判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行し、受信した情報の内、ETCカードが利用できる駐車場の位置と料金に関する情報を液晶ディスプレイ35に表示する。この際、駐車場情報に関しては、現在の自車位置を中心にした10km以内の領域に位置する駐車場の情報が提供される。
ここで、図6はETCカード47をETC装置5のETCカードスロット84に挿入した際に、ナビゲーション装置3の液晶ディスプレイ35に表示される各情報に関する表示内容を示した模式図である。
【0063】
図6に示すように、ETCカード47が挿入される前に関しては、液晶ディスプレイ35には通常のナビゲーション装置3が有するナビゲーション機能による通常案内画面101が表示される。通常案内画面101には、現在の自車の周囲における地図と、地図上における自車の位置と進行方向を示すマーク102が表示される。
【0064】
そしてETCカードが挿入された際には、液晶ディスプレイ35は通常案内画面101から交通情報案内画面103へと表示が切り換わる。交通情報案内画面103には、高速道路に関する渋滞や規制(通行止めや速度規制)等の交通情報を表示する交通情報表示部104が表示され、更に、スピーカ36からは交通情報表示部104に表示された内容が音声によって出力される(S12)。
【0065】
更に、所定時間経過後においては、液晶ディスプレイ35は交通情報案内画面103から駐車場情報案内画面105へと表示が切り換わる。駐車場情報案内画面105には、ETCカードが利用できる駐車場の位置を示すマーク106と、各マーク106に対応する駐車場名と利用料金に関する情報を表示する利用料金表示部107が表示される(S14)。
【0066】
従って、利用者はETCカード47をETC装置5に対して挿入した際に、情報センタ2から特にETCカード47に関連の深い選別された情報を別途得ることができるので、その利便性が向上する。尚、前記S12は関連交通情報提供手段の処理に相当し、S14は関連駐車場情報提供手段の処理に相当する。
【0067】
また、前記S11の判定処理で、ETCカード47に関連する情報でないと判定された場合(S11:NO)には、更にS15において前記S4で受信した情報が無線カード45に関連する情報であるか否かを判定する。ここで、無線カード45に関連する情報とは、ホットスポットが設置された施設の位置に関する情報である(図3参照)。
【0068】
そして、無線カード45に関連する情報であると判定された場合(S15:YES)には、S16へと移行し、無線カード45に関連する情報でないと判定された場合(S15:NO)には、S19へと移行する。
【0069】
S16では、ホットスポットが設置された施設の位置に関する情報を液晶ディスプレイ35に表示する。この際、施設の位置に関する情報に関しては、現在の自車位置を中心にした10km以内の領域に位置する施設の情報が提供される。
ここで、図7は無線カード45をナビゲーション装置3のカードスロット42に挿入した際に、ナビゲーション装置3の液晶ディスプレイ35に表示される各情報に関する表示内容を示した模式図である。
【0070】
図7に示すように、無線カード45が挿入される前に関しては、液晶ディスプレイ35には通常のナビゲーション装置3が有するナビゲーション機能による通常案内画面101が表示される。通常案内画面101には、現在の自車の周囲における地図と、地図上における自車の位置と進行方向を示すマーク102が表示される。
【0071】
そして、無線カード45が挿入された際には、液晶ディスプレイ35は通常案内画面101から案内警告画面110へと一旦表示が切り換わる。案内警告画面110には、これからホットスポットの設置された施設の場所を表示することを利用者に対して報知するコメント表示部111が表示され、更に、スピーカ36からはコメント表示部111に表示された内容が音声によって出力される。
【0072】
その後、液晶ディスプレイ35は案内警告画面110からホットスポット情報案内画面112へと表示が切り換わる。ホットスポット情報案内画面112には、ホットスポットが設置された施設の位置を示すマーク113が表示される(S16)。
【0073】
従って、利用者は無線カード45をカードスロット42に対して挿入した際に、情報センタ2から特に無線カード45に関連の深い選別された情報を別途得ることができるので、その利便性が向上する。尚、前記S16は関連施設情報提供手段の処理に相当する。
【0074】
また、前記S15の判定処理で、無線カード45に関連する情報でないと判定された場合(S15:NO)、即ち前記S4で受信した情報がメモリーカード46、HDDカード又はクレジットカードのいずれかに関連する情報であると判定された場合には、S19へと移行する。ここで、メモリーカード46、HDDカード又はクレジットカードのいずれかに関連する情報とは、メモリーカード46及びHDDカードの各記憶媒体に記録されている施設に関する案内情報、並びにクレジットカードが使用可能な(クレジットカードに提携している)施設に関する案内情報である(図3参照)。
【0075】
S19では、先ず情報センタ2から取得できた施設の名称の一覧を液晶ディスプレイ35に表示する。この際、一覧として表示される施設は、現在の自車位置を中心にした10km以内の領域に位置する施設が表示される。
【0076】
そして、S20では操作部34の操作信号に基づいて、リストに表示された施設の内、いずれかの施設が選択されたか否かが判定される。その結果、いずれかの施設が選択されていないと判定された場合(S20:NO)には、選択されるまで待機され、いずれかの施設が選択されたと判定された場合(S20:YES)には、S21へと移行する。
【0077】
S21ではリストに表示された施設の内、選択された施設に関する案内情報を液晶ディスプレイ35に表示する。
ここで、図8はメモリーカード46、HDDカード又はクレジットカードをナビゲーション装置3のカードスロット42に挿入した際に、ナビゲーション装置3の液晶ディスプレイ35に表示される各情報に関する表示内容を示した模式図である。
【0078】
図8に示すように、メモリーカード46、HDDカード又はクレジットカードが挿入される前に関しては、液晶ディスプレイ35には通常のナビゲーション装置3が有するナビゲーション機能による通常案内画面101が表示される。通常案内画面101には、現在の自車の周囲における地図と、地図上における自車の位置と進行方向を示すマーク102が表示される。
【0079】
そしてメモリーカード46、HDDカード又はクレジットカードが挿入された際には、液晶ディスプレイ35は通常案内画面101から案内警告画面120へと一旦表示が切り換わる。案内警告画面120には、これからメモリーカード46又はHDDカードに記憶された施設、或いはクレジットカードが利用可能な施設のリストを表示することを報知するコメント表示部121が表示され、更に、スピーカ36からはコメント表示部121に表示された内容が音声によって出力される。
【0080】
その後、液晶ディスプレイ35は案内警告画面120から施設リスト画面122へと表示が切り換わる。施設リスト画面122には、情報センタ2から取得された施設の名称が一覧にして表示される。例えば図8では、3つの施設が表示されており、上から順に第1表示部123に「○○○遊園地」が表示され、第2表示部124に「△△△映画館」が表示され、第3表示部125に「××百貨店」が表示されている。
【0081】
その後、いずれかの施設が選択されると、液晶ディスプレイ35は選択された施設の詳細な案内情報を表示する詳細情報画面126に切り換わる。詳細情報画面126には、選択された施設に関する紹介文127が表示される。例えば図8では、第2表示部124に表示された「△△△映画館」が選択された場合を示しており、△△△映画館に関する詳細情報が表示される。
【0082】
従って、利用者はメモリーカード46、HDDカード又はクレジットカードをカードスロット42に対して挿入した際に、情報センタ2から特に挿入されたカードに関連の深い選別された情報を別途得ることができるので、その利便性が向上する。尚、前記S19及びS21は関連施設情報提供手段の処理に相当する。
【0083】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る情報提供システム1では、カードスロット42又はETCカードスロット84に対して無線カード45、メモリーカード46、ETCカード47、HDDカード、クレジットカードのいずれかが挿入された場合(S1:YES)に、情報センタ2から挿入したカードに関連する交通情報及び施設情報をナビゲーション装置3が取得し(S3、S4)、通常の経路案内に加え、挿入したカードに関連する交通情報や施設情報の提供を行う(S6)ので、情報センタ2から特に挿入されたカードに関連の深い選別された情報を、ナビゲーション装置を介して利用者に提供することが可能となる。従って、利用者は現在の状況に応じて、その都度必要な情報を得ることが可能となり、利便性が向上する。
また、特にETCカード47が挿入された場合に関しては、利用者がこれから走行する上で可能性の高い高速道路に関する交通情報と、同じく利用する可能性の高い駐車場の情報が提供可能となるので、より利便性が向上する。
【0084】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では読み取り可能となったときに関連する情報を提供するカードとして無線カード45、メモリーカード46、ETCカード47、HDDカード、クレジットカードを例に説明したが、例えばその他にポイントカードや施設の会員カード等であっても良い。
【0085】
また、本実施形態では、カードを検出した場合に情報センタ2と通信を行い、検出したカードに関連する交通情報及び施設情報を情報センタ2内の交通情報DB18及び施設情報DB19からネットワーク4を介して取得することとしているが、ナビゲーション装置3のデータ記録部32に交通情報DB18及び施設情報DB19に相当するDBを別途設け、情報センタ2を介さずに挿入したカードに関連する交通情報や施設情報を直接利用者に提供することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本実施形態に係る情報提供システムを示したブロック図である。
【図2】本実施形態に係る情報提供システムの特にナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】挿入されたカードに基づいてナビゲーション装置で提供される情報の一例について示した図である。
【図4】本実施形態に係る情報提供システムが実行する情報提供処理プログラムのフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る情報提供システムにおける関連情報出力処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図6】ETCカードをETC装置のETCカードスロットに挿入した際に、ナビゲーション装置の液晶ディスプレイに表示される各情報に関する表示内容を示した模式図である。
【図7】無線カードをナビゲーション装置のカードスロットに挿入した際に、ナビゲーション装置の液晶ディスプレイに表示される各情報に関する表示内容を示した模式図である。
【図8】メモリーカード、HDDカード又はクレジットカードをナビゲーション装置のカードスロットに挿入した際に、ナビゲーション装置の液晶ディスプレイに表示される各情報に関する表示内容を示した模式図である。
【符号の説明】
【0087】
1 情報提供システム
2 情報センタ
3 ナビゲーション装置
5 ETC装置
11 サーバ
12 情報DB
13 センタ側通信装置
15 CPU
31 現在地検出部
33 ナビゲーション制御部
35 液晶ディスプレイ
36 スピーカ
37、82 カード検出センサ
38、83 カードリーダ・ライタ
39 通信装置
45 無線カード
46 メモリーカード
47 ETCカード
61 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された情報をナビゲーション装置に対して送信する情報送信手段と、を備えた情報提供装置と、
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、前記情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段により受信された情報を利用者に提供する情報提供手段と、を備えたナビゲーション装置と、
を有する情報提供システムにおいて、
所定のカードに記録された情報又はカードに送信された情報を読み取るカード読取手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記カード読取手段によって前記情報が読み取り可能となったことを検出するカード検出手段と、
前記カード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を前記情報提供装置から取得する情報取得手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された前記施設の情報を前記情報提供手段によって提供する関連施設情報提供手段と、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された情報をナビゲーション装置に対して送信する情報送信手段と、を備えた情報提供装置と、
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、前記情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段により受信された情報を利用者に提供する情報提供手段と、を備えたナビゲーション装置と、
を有する情報提供システムにおいて、
ETCカードに記録された情報を読み取るETCカード読取手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記ETCカード読取手段によって前記情報が読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、
前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、高速道路に関する交通情報を前記情報提供装置から取得する情報取得手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された高速道路に関する交通情報を前記情報提供手段によって提供する関連交通情報提供手段と、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶された情報をナビゲーション装置に対して送信する情報送信手段と、を備えた情報提供装置と、
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、前記情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段により受信された情報を利用者に提供する情報提供手段と、を備えたナビゲーション装置と、
を有する情報提供システムにおいて、
ETCカードに記録された情報を読み取るETCカード読取手段を備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記ETCカード読取手段によって前記情報が読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、
前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、ETCカードの使用が可能な駐車場に関する情報を前記情報提供装置から取得する情報取得手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された駐車場に関する情報を前記情報提供手段によって提供する関連駐車場情報提供手段と、
を有することを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
所定のカードに記録された情報又はカードに送信された情報がカード読取手段によって読み取り可能となったことを検出するカード検出手段と、
前記カード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、読み取り可能となったカードに関連する施設の情報を取得する情報取得手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された前記施設の情報を利用者に提供する関連施設情報提供手段と、を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
ETCカードに記録された情報がETCカード読取手段によって読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、
前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、高速道路に関する交通情報を取得する情報取得手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された高速道路に関する交通情報を利用者に提供する関連交通情報提供手段と、を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
車両の現在地を検出する現在地検出手段と、
ETCカードに記録された情報がETCカード読取手段によって読み取り可能となったことを検出するETCカード検出手段と、
前記ETCカード検出手段により前記情報が読み取り可能となったことを検出した場合に、ETCカードの使用が可能な駐車場に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記現在地検出手段によって検出された前記車両の現在地に基づいて、前記情報取得手段により取得された駐車場に関する情報を利用者に提供する関連駐車場情報提供手段と、を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
情報提供装置から送信された情報を受信する情報受信手段を備え、
前記情報取得手段は、前記情報受信手段を介して前記情報提供装置から情報を取得することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−308468(P2006−308468A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−132500(P2005−132500)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】