説明

抗ウイルス治療

式(I)、(II)、(III)および(IV)の複素環式化合物および式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物を投与することによるHIV媒介性障害を処置または予防する方法が、本明細書に記載される。本発明は、置換複素環式の化合物、その化合物を含む組成物、ならびにその化合物および化合物の組成物を用いる方法に関する。この化合物およびそれらを含む組成物は、ウイルス感染またはウイルス疾患あるいはウイルス感染の症状またはウイルス疾患の症状(エイズを含む)を処置するために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2004年1月29日出願の米国特許出願第60/540,444号に対する優先権を主張し、その全体は参考として本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
Sir2タンパク質は補因子としてNADを用いる脱アセチル化酵素である(Imai等、2000;Moazed、2001;Smith等、2000;Tanner等、2000;TannyおよびMoazed、2001)。他の脱アセチル化酵素(その多くは遺伝子サイレンシングに関与する)とは異なり、Sir2はトリコスタチンA(TSA)のようなヒストン脱アセチル化酵素インヒビターに対して非感受性である(Imai等、2000;Landry等、2000a;Smith等、2000)。
【0003】
サーチュイン活性のモジュレーターは、種々の細胞プロセス(とりわけ、例えば、DNA損傷の修復、アポトーシス、腫瘍形成、遺伝子サイレンシングと老化が挙げられる)の調節に有用である。
【0004】
SIRT1はHIV Tatタンパク質を脱アセチル化し、HIVプロモーターのTat媒介性トランス活性化に必要とされる(2004年1月28日にhttp://www.keystonesymposia.org/Meetings/ViewMeetings.cfm?MeetingID=694から印刷される、Melanie Ott、タイトル、ワークショップ1、HIV病原の分子メカニズム、キーストーンシンポジウム)。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本発明は、置換複素環式の化合物、その化合物を含む組成物、ならびにその化合物および化合物の組成物を用いる方法に関する。この化合物およびそれらを含む組成物は、ウイルス感染またはウイルス疾患あるいはウイルス感染の症状またはウイルス疾患の症状(エイズを含む)を処置するために有用である。その化合物はSIRT1活性を調節し得る。SIRT1はHIV Tatタンパク質を脱アセチル化し、HIVプロモーターのTat媒介性トランス活性化に必要とされる。
【0006】
一局面において、本発明は、被験体におけるウイルス障害(例えば、感染または疾患)(例えば、エイズ)を処置または予防するための方法に関する。その方法は、式(I):
【0007】
【化5】

を有する化合物の有効量をその被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
は、H、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、またはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は1〜5個のRにより必要に応じて置換され得;
は、H、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、またはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は1〜5個のRにより必要に応じて置換され得;
およびRの各々は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO、スルフェート、S(O)N(R、S(O)N(R、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;これらの各々は独立して一つ以上のRにより置換され;
およびRの各々は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、オキソ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO、スルフェート、S(O)N(R、S(O)N(R、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルであり;
各Rは独立してC〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、アミノカルボニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、C〜C12ヘテロシクロアルケニルアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルアルキルであり;これらの各々は1〜4個のR10により必要に応じて置換され;
Xは、NR、O、またはSであり;
は、H、C〜Cアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、C〜C12ヘテロアリールアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、C〜C12ヘテロシクロアルケニルアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルアルキルであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;そして
各R10は、独立してハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、またはアミノカルボニルである。
【0008】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、ともに、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、またはC〜C10ヘテロアリールを形成する。
【0009】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、ともに、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成する。
【0010】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、ともに、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し、このC〜C10シクロアルケニルは、1または2個のC〜Cアルキルにより必要に応じて置換される。
【0011】
特定の実施形態において、RおよびRは、ともにC〜Cアルキルにより置換されたC〜Cシクロアルケニル環を形成する。
【0012】
特定の実施形態において、Rは、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニル、またはC〜C10ヘテロシクロアルケニルである。
【0013】
特定の実施形態において、RはC〜C10アリールである。
【0014】
特定の実施形態において、RはH、ハロ、C〜C10アルキル、またはC〜Cハロアルキルである。
【0015】
特定の実施形態において、Rが、カルボキシ、シアノ、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10アルキルチオイルカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、またはヒドロキシアミノカルボニルである。
【0016】
他の実施形態において、Rは、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、またはヒドロキシアミノカルボニルである。
【0017】
他の実施形態において、Rは、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、またはC〜Cジアルキルアミノカルボニルである。
【0018】
特定の例において、Rは、H、チオアルコキシまたはチオアリールオキシである。
【0019】
さらに他の実施形態において、Rは、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドである。
【0020】
さらに他の実施形態において、Rは、アミノあるいはアミドである。
【0021】
いくつかの例において、Rはアミノカルボニルアルキルである。特定の例において、そのアミノカルボニルアルキルのアミノは、例えば、アリール、アリールアルキル、アルキル等によって置換される。各例において、置換基はさらに、例えば、ハロ、ヒドロキシまたはアルコキシによって置換され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、Rは、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、またはC〜Cジアルキルアミノカルボニルであり;そしてRは、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドである。
【0023】
特定の実施形態において、XはSである。
【0024】
特定の実施形態において、XはNRである。特定の例において、Rは、H、C〜CアルキルまたはC〜C10アリールアルキルである。
【0025】
特定の実施形態において、
は、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニルまたはC〜C10ヘテロシクロアルケニルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し;
は、H、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し;
は、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、またはヒドロキシアミノカルボニルであり;
は、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドであり;そして
XはSである。
【0026】
特定の実施形態において、
およびRは、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し;
は、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、またはC〜Cジアルキルアミノカルボニルであり;
は、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドであり;そして
XはSである。
【0027】
別の局面において、本発明は、被験体における障害(例えば、本明細書に記載される障害)を処置または予防するための方法に関する。その方法は、式(II):
【0028】
【化6】

を有する化合物の有効量をその被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
11は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO(R13)、スルフェート、S(O)N(R13、S(O)N(R13、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルであり;各々がR14により必要に応じて置換され;
12は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO(R)、スルフェート、S(O)N(R、S(O)N(R、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、あるいはヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;各々がR15と必要に応じて置換され;
13は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、またはC〜C10シクロアルケニルであり;
14は、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、オキソ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)NH、S(O)NH、ホスフェート、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
15は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールアルコキシまたはC〜C10ヘテロアリールアルコキシであり;
ZはNR16、OまたはSであり;
各Yは独立してNまたはCR18であり;
16は、H、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルであるか;またはR11またはR12の一方およびR16は4〜6個の炭素、1〜3個の窒素、0〜2個の酸素および0〜2個の硫黄を含む環状部分を形成し;各々がR17により必要に応じて置換され;
17は、ハロ、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、オキソ、メルカプト、チオアルコキシ、SOH、スルフェート、S(O)NH、S(O)NH、ホスフェート、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cチオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;そして
18はH、ハロまたはC〜Cアルキルである。
【0029】
特定の実施形態において、ZはNR16である。
【0030】
特定の実施形態において、ZはNR16であり、R16はC〜C10アルキル、シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである。
【0031】
特定の実施形態において、R16は、1つ以上のハロ、アルキルまたはアルコキシにより置換されたC〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである。
【0032】
特定の実施形態において、R11は、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO(R13)、スルフェート、S(O)N(R13、S(O)N(R13である。
【0033】
特定の実施形態において、R11は、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシである。
【0034】
特定の実施形態において、R11は、1つ以上のアシル、アミドアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシである。
【0035】
特定の実施形態において、R11は、1つ以上のアミド、アミノカルボニル、C〜CアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cジアルキルアミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシである。
【0036】
特定の実施形態において、R11は、アミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシである。
【0037】
特定の実施形態において、R12は、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニルである。
【0038】
特定の実施形態において、R12は、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである。
【0039】
特定の実施形態において、R12は、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜C10アリールオキシまたはC〜C10ヘテロアリールオキシにより置換されたC〜C10アルキルである。
【0040】
特定の実施形態において、R12は、アリールオキシにより置換されたC〜C10アルキルである。
【0041】
いくつかの実施形態において、各YはNである。
【0042】
いくつかの実施形態において、
11が、1つ以上のアシル、アミドアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシであり;
12が、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜C10アリールオキシまたはC〜C10ヘテロアリールオキシより置換されたC〜C10アルキルであり;
ZがNR16であり;
各YがNであり;そして
16が、1つ以上のハロ、アルキルまたはアルコキシにより置換されたC〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである。
【0043】
さらに別の局面において、本発明は被験体における障害を処置または予防するための方法に関する。その方法は、式(III):
【0044】
【化7】

を有する化合物の有効量をその被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
21は、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキルであるか;またはR22およびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は、1〜5個のR25と必要に応じて置換され得;
22は、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキルであるか;またはR21およびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は1〜5個のR26により必要に応じて置換され;
23は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アシル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニルであり;
24は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、アシルまたはアミジルであり;これらの各々はR27により必要に応じて置換され;
各R25およびR26は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
27は、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
28は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C10シクロアルケニルであり;
Qは、S、OまたはNR29であり;
29は、H、C〜Cアルキル、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルであり;
PはNまたはCR30であり;そして
30はHまたはC〜Cアルキルである。
【0045】
特定の実施形態において、R21およびR22は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成する。
【0046】
特定の実施形態において、R21およびR22は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10のシクロアルケニルを形成する。
【0047】
特定の実施形態において、R23は、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアシルである。
【0048】
特定の実施形態において、R23は、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニルまたはC〜C10ヘテロシクロアルケニルである。
【0049】
特定の実施形態において、R24は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシである。
【0050】
特定の実施形態において、R24は、C〜C10アルキル、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシである。
【0051】
特定の実施形態において、R24は、C〜C10アルキル、チオアルコキシであり;そしてR27は、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルである。
【0052】
いくつかの実施形態において、R24は、カルボキシ、カルボキシレート、アミジルまたはアミノカルボニルにより置換されたC〜C10アルキルまたはチオアルコキシである。
【0053】
いくつかの実施形態において、QはSである。
【0054】
いくつかの実施形態において、PはNである。
【0055】
いくつかの実施形態において、
21およびR22は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;
23は、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアシルであり;
24は、C〜C10アルキル、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシであり;
27は、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
QはSであり;そして
PはNである。
【0056】
いくつかの実施形態において、
21およびR22は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルまたはC〜C10ヘテロシクロアルケニルを形成し;
23は、C〜C10アルキル、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アミノ、C〜CアルキルアミノまたはC〜Cジアルキルアミノであり;
24は、C〜C10アルキル、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシであり;
27は、カルボキシ、カルボキシレート、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜C10アルコキシカルボニルであり;
QはSであり;そして
PはNである。
【0057】
一局面において、本発明は被験体における障害を処置または予防するための方法に関する。その方法は、式(IV):
【0058】
【化8】

を有する化合物の有効量をその被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
41は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アシル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニルまたはC〜C10チオアルコキシカルボニルであり;これらの各々が1個以上のR44により必要に応じて置換され;
42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルキル、C〜C10ヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールであり、これらの各々が1〜4個のR45により必要に応じて置換され;または
44は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R46、S(O)N(R46、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、あるいはヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
45は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、オキソ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R46、S(O)N(R46、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
46は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C10シクロアルケニルであり;そして
MはNR47、SまたはOであり;
47は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アシル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜C10アルコキシカルボニルである。
【0059】
特定の実施形態において、R42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成する。
【0060】
特定の実施形態において、R42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、フェニルを形成する。
【0061】
特定の実施形態において、R42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、フェニルを形成し、かつハロまたはC〜C10アルキルにより置換される。
【0062】
特定の実施形態において、R41は、C〜C10アルキルであり;そしてR44は、H、ハロ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アシル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、カルボキシまたはC〜C10アルコキシカルボニルである。
【0063】
特定の実施形態において、MはOである。
【0064】
いくつかの実施形態において、
41は、C〜C10アルキルであり;そしてR44は、アシル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、カルボキシまたはC〜C10アルコキシカルボニルであり;
42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;そして
MはOである。
【0065】
いくつかの例において、本明細書に記載の化合物は、FoxO1またはFoxO3のようなFOXO転写因子の活性を減少させる。
【0066】
その量は、ウイルス障害の少なくとも一つの症状を緩和するために有効であり得る。例えば、疾患または障害はレトロウイルス障害(例えばレンチウイルス障害(例えば、エイズのようなHIV媒介性障害))であり得る。SIRT1は、HIV Tatタンパク質を脱アセチル化し、HIVプロモーターのTat媒介性トランス活性化のために必要とされる。その方法は、本発明の分子をさらなる抗ウイルス処置と組み合わせて投与する工程をさらに包含し得る。例えば、本発明の分子は、抗ウイルス剤(例えば、プロテアーゼインヒビター(例えば、HIVプロテアーゼインヒビター))、融合インヒビター、インテグラーゼインヒビター、または逆転写酵素インヒビター(例えば、ヌクレオチドアナログ、例えば、AZT、または非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター)と組み合わせて投与され得る。その方法は、化合物を1回よりも多く投与する工程(例えば、化合物を繰り返し投与する工程)を包含し得る。化合物は、1以上のボーラスで投与されるか、または連続投与され得る。化合物は外から(例えば、注射、摂取、吸入などにより)、または内から(例えば、植込みデバイスにより)投与され得る。その方法は、化合物の投与量を増加または低下させることを含むレジメンを包含し得る。その量は、被験体の少なくともいくつかの細胞のサーチュイン基質のアセチル化を高めるのに有効であり得る。
【0067】
本明細書で用いられる場合、「組み合わせて」投与されるとは、二種類(またはそれ以上)の異なる処置薬が、障害に伴う被験体の苦痛の過程で被験体に投与される(例えば、二種類以上の処置薬が、被験体が障害を有すると診断された後、かつ障害が治されるかまたは除去される前に送達される)ことを意味する。いくつかの実施形態において、一処置薬の送達は、第二処置薬の送達が始まるときにも依然として起こっており、その結果、重複が存在する。このことは、本明細書において、「同時(simultaneous)送達」または「併用(concurrent)送達」とも称する。他の実施形態において、一処置薬の投与は他の処置薬の投与が始まる前に終了する。いずれかの場合のいくつかの実施形態において、処置薬は、組み合わされた投与が理由でより有効である。例えば、第二処置薬は、より有効である(例えば、等価な効果が、より少ない量の第二処置薬によって見られるか、または第二処置薬が第二処置薬が第一処置薬の非存在下で投与された場合に見られる程度よりもさらに大規模に症状を低減するか、または同様な状況が第一処置薬で見られる)。いくつかの実施形態において、送達は、症状の低減またはその障害に関連する他のパラメーターが、他の処置薬の非存在下で投与された一処置薬で観察される場合よりも高くなるほどである。二つの処置薬の効果は、部分的に相加的であるか、完全に相加的であるか、または相加よりも大きくなり得る。送達は、送達される第一処置薬の効果が第二処置薬が送達されるときにも検出可能ものであり得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明の分子は、別の(第一)抗ウイルス処置薬が患者に投与された後に投与されるが、第一処置薬は最適な結果を達成しないか、または最適な結果をもはや達成しない(例えば、ウイルスが第一処置薬に対して耐性になっている)。
【0069】
上記方法は、化合物を局所投与する工程を含み得る。
【0070】
その量は、被験体の少なくともいくつかの細胞中のサーチュイン基質(例えば、tatもしくはtat様トランスアクチベーターのようなウイルスサーチュイン基質、またはウイルの生活環に関与する細胞のサーチュイン基質)のアセチル化を増大させるのに有効であり得る。
【0071】
被験体は哺乳類(例えばヒト)であり得る。
【0072】
上記方法は、例えば、被験体の細胞中のサーチュイン活性を評価すること、サーチュインをコードする被験体の核酸中のヌクレオチド同一性を評価すること、ウイルス(例えば、HIV)またはウイルス感染細胞またはその成長特性がウイルス感染によって変えられる新生細胞に関して被験体を評価すること、被験体の細胞(例えば、ウイルス感染細胞)中の遺伝子組成または遺伝子の発現を評価することによって、そのような処置を必要とする被験体を同定する工程をさらに包含し得る。
【0073】
上記方法は、例えば、サーチュイン活性、HIVレベル、選択されたT細胞または他の表面マーカーのレベルのようなパラメーターによって被験体中のさらなる感染因子(例えば、TB)の存在を評価すること、そのパラメーターに関して決定された値が参照値と所定の関係(例えば、被験体のT細胞数が閾値レベルよりも下である)を有するかどうかを決定することによってそのような処置を必要とする被験体を同定する工程、およびその患者に処置薬を投与する工程をさらに包含し得る。
【0074】
上記方法は、被験体をモニタリングする工程(例えば、被験体をイメージングする工程、被験体のウイルス負荷またはウイルス感染細胞を評価する工程、被験体の細胞中のサーチュイン活性を評価する工程、または副作用(例えば、腎臓機能)について被験体を評価する工程)をさらに包含し得る。
【0075】
一局面において、本発明は、被験体におけるウイルス感染またはウイルス疾患あるいは感染症状または疾患症状(エイズを含む)を処置または予防するための方法に関する。その方法は表1、表2または表3に示される化合物の有効量をその被験体に投与する工程を包含する。
【0076】
上記化合物は、非SIRT1サーチュインと比較してSIRT1を、例えば、少なくとも1.5倍、2倍、5倍または10倍の選択性で優先的に阻害し得る。この化合物は、別の標的(例えば、別のサーチュイン)を優先的に阻害し得る。この化合物は、SIRT1に対して500、100、50または40nM未満のKを有し得る。
【0077】
さらなる局面において、本発明は複数の化合物を評価するための方法に関し、その方法は、a)化合物のライブラリーを提供する工程であって、そのライブラリーは、各々が本明細書に記載の化合物の式を有する複数の化合物を含む、工程;ならびにb)そのライブラリーの複数の化合物の各々について、i)化合物をサーチュインの機能的脱アセチル化酵素ドメインを含むサーチュイン試験タンパク質に接触させる工程;ii)その化合物とその化合物の存在下でのサーチュイン試験タンパク質との間の相互作用を評価する工程;およびiii)その化合物が細胞中のウイルス(例えば、レトロウイルス(例えば、レンチウイルス(例えば、HIV)))を調節する能力を評価する工程のうちの一つ以上を行う工程を包含する。
【0078】
実施形態のさらなる例は以下に記載される。
【0079】
一実施形態において、化合物とサーチュイン試験タンパク質との間の相互作用を評価する工程は、サーチュイン試験タンパク質の酵素活性を評価する工程を包含する。
【0080】
一実施形態において、化合物とサーチュイン試験タンパク質との間の相互作用を評価する工程は、化合物とサーチュイン試験タンパク質との間の結合相互作用を評価する工程を包含する。
【0081】
上記方法は、評価工程の結果に基づいて、基質に対する脱アセチル化酵素活性を調節する化合物を選択する工程をさらに含む包含し得る。基質は、アセチル化リジンアミノ酸、そのアセチル化基質またはアセチル化ペプチドであり得る。
【0082】
上記方法はまた、評価工程の結果に基づいて、基質のサーチュイン脱アセチル化酵素活性を調節する化合物を選択する工程をさらに包含し得る。
【0083】
上記方法はまた、評価工程の結果に基づいて、サーチュインを調節する化合物を選択する工程をさらに包含し得る。
【0084】
一局面において、本発明は、標的因子および化合物を含む結合体に関し、その標的因子とその化合物は共有結合しており、その化合物は本明細書に記載される式を有する。
【0085】
実施形態としては、以下のうちの一つ以上が挙げられ得る。標的因子は、抗体(例えば、ウイルス感染細胞の細胞表面タンパク質(例えばウイルスレセプター(例えば、CD4))またはウイルス抗原に対して特異的な抗体)であり得る。標的因子は合成ペプチドであり得る。標的因子は天然に存在するタンパク質のドメインであり得る。
【0086】
別の局面において、本発明はキットに関し、このキットは、本明細書に記載の化合物、および本明細書に記載のウイルス疾患、ウイルス感染またはウイルス障害を処置するための使用のための指示書を備える。キットはさらに、化合物名の構造の表現を含む印刷物を含み得る。
【0087】
別の局面において、本発明は、構造を分析または設計する方法に関し、その方法は、本明細書に記載の化合物(例えば、式Iの化合物、式IIの化合物または式IIIの化合物)に関するコンピュータ生成画像または構造(好ましくは、三次元画像または構造)を提供する工程;第二化合物(例えば、本明細書に記載の別の化合物(例えば、式Iの化合物、式IIの化合物または式IIIの化合物、NAD)あるいは標的(例えば、サーチュイン(例えば、ヒトサーチュイン(例えば、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6またはSIRT7)))あるいは標的外分子(例えば、SIRT1以外のサーチュイン(例えば、SIR2またはSIRT3)、または非サーチュインヒストン脱アセチル化酵素)に関するコンピュータ生成画像または構造(好ましくは、三次元イメージまたは構造)を提供する工程;ならびに第一化合物および第二化合物の構造(例えば、結合角度、分子間または分子内距離、原子または部分の位置;例えば、第一または第二生成化合物;例えば、化合物が標的もしくは標的外分子と相互作用するかまたは標的もしくは標的外分子を阻害する予想される能力)を比較する工程を包含する。
【0088】
好ましい実施形態において、構造は、さらに標的分子もしくは標的外分子とともにインビトロ、インビボまたはインシリコで評価される。
【0089】
さらなる局面において、本発明は、データベースに関し、そのデータベースは、例えば、インビトロ、インビボまたはインシリコでの、構造に関する情報又は構造を同定する情報、構造の活性に関する情報を、例えば、少なくとも5、10、50または100レコード含む。
【0090】
一局面において、本発明は、複数のレコードを含むデータベースに関し、各レコードは、a)本明細書に記載の構造(例えば、式Iの構造、式IIの構造もしくは式IIIの構造)を有する化合物に関する情報またはそれらの化合物を同定する情報;およびb)患者のパラメーターに関する情報、ウイルス障害に関するパラメーターまたは患者パラメーター(例えば、ウイルス負荷、白血細胞数、体重など)に関する情報を有する。
【0091】
一局面において、本発明は、化合物を評価する方法に関し、その方法は、本明細書に記載の式の構造を有する第一化合物、またはその構造に関する情報を有するデータレコードを提供する工程;本明細書に記載の式を有する第二化合物、または本明細書に記載の式を有さない第二化合物、あるいはその構造に関する情報を有するデータレコードを提供する工程;第一化合物および第二化合物を、例えば、インビボ、インビトロまたはインシリコで評価する工程;ならびに第二化合物が相互作用する(例えば、サーチュイン(例えば、SIRT1)を阻害する)能力を第一化合物と比較し、それによって第二化合物がSIRT1と相互作用する能力を評価する工程を包含する。
【0092】
他の局面において、本発明は、本明細書のいずれかの式の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む組成物に関する。その組成物は、さらなる治療因子(例えば、1種類、2種類、3種類またはそれ以上のさらなる因子)(例えば、抗ウイルス剤(例えば、プロテアーゼインヒビター(例えば、HIVプロテアーゼインヒビター)、融合インヒビター、インテグラーゼインヒビターおよび/または逆転写酵素インヒビター(例えば、ヌクレオチドアナログ、例えば、AZTまたは非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター)))を含み得る。抗ウイルス性の用途のための医薬製造のためにその組成物を使用することもまた、本発明の範囲内にある。
【0093】
別の局面において、本発明は、被験体におけるウイルス疾患(例えば、HIV)を処置または予防するための方法である。その方法は、例えば、式(I)の構造を有する、本明細書に記載のSIRT1アンタゴニストを投与する工程を包含する。
【0094】
別の局面において、本発明は、tatもしくはtat媒介性疾患または障害を処置または予防するための方法を包含する。その方法は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物)を投与する工程を包含する。
【0095】
一実施形態において、上記方法は、一つ以上の治療因子(例えば、治療因子またはウイルス障害(例えば、本明細書に記載のウイルス障害)を処置するための因子)と組み合わせてSIRT1アンタゴニストを投与する甲知恵を包含する。さらなる因子は、SIRT1アンタゴニストとともに単一の組成物中に投与されても、例えば、別々の丸剤のような別々の処方物中に別々に投与されてもよい。別々の処方物で投与される場合、それらの因子は同時または異なる時に投与され得る。例示的なさらなる因子としては、プロテアーゼインヒビター(例えば、HIVプロテアーゼインヒビター)、融合インヒビター、インテグラーゼインヒビター、または逆転写酵素インヒビター(例えば、ヌクレオチドアナログ、例えば、AZT、または非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター)が挙げられる。特定の例としては、サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サクイナビル、アンプレナビル、ロピナビル、エントリシタビン、テノフォビルジソプロキシルフマレート、およびそれらの組み合わせ(例えば、エントリシタビンとテノフォビルジソプロキシルフマレートとの固定投与量の組み合わせ)が挙げられる。
【0096】
SIRT1アンタゴニストおよび治療因子は、同時投与または連続投与され得る。
【0097】
また、パッケージングされた製品も本発明の範囲内にある。パッケージングされた製品は、容器、その容器中の上記化合物の一つ、および本明細書に記載のウイルス疾患、ウイルス障害またはウイルス感染を処置するためにその容器に付随し、化合物の投与を示す説明書(例えば、ラベルまたは挿入物)を備える。
【0098】
被験体は、哺乳動物、好ましくはヒトであり得る。被験体はまた、非ヒト被験体、例えば、動物モデルであり得る。特定の実施形態において、上記方法はさらに被験体を同定する工程を包含する。そのような処置を必要とする被験体を同定する工程は、被験体または健康管理専門家の判断にあり、主観的(例えば、意見)または客観的(例えば、試験または診断方法により測定可能)であり得る。
【0099】
「哺乳動物」との用語は、マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、ヤギおよびウマ、サル、イヌ、ネコ、ならびに好ましくはヒトを含む生物を包含する。
【0100】
「処置(する)」または「処置される」との用語は、疾患(例えば、感染、疾患の症状または疾患に対する素因)を治す、治癒する、緩和する、軽減する、変化させる、治療する、寛解する、改善する、またはそれに影響を与える目的で、本明細書に記載の化合物を被験体に投与することをいう。
【0101】
上記の化合物の有効量は、約0.1mg/kg〜約500mg/kg、あるいは約1mg/kg〜約50mg/kgの範囲であり得る。有効用量はまた、投与経路ならびに他の因子との共同使用の可能性に依存する。
【0102】
「ハロ」または「ハロゲン」との用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の任意のラジカルを指す。
【0103】
「アルキル」との用語は、示された数の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖であり得る炭化水素鎖を指す。例えば、C〜C12アルキルは、その基が1〜12(その数字を含む)炭素原子をその基中に含み得ることを示す。「ハロアルキル」との用語は、一つ以上の水素原子がハロにより置換されたアルキルを指し、すべての水素がハロにより置換されたアルキル部分(例えば、ペルフルオロアルキル)が挙げられる。「アリールアルキル」または「アラルキル」との用語は、アルキル水素原子がアリール基によって置換されるアルキル部分を指す。アラルキルは、1よりも多い水素原子がアリール基によって置換された基を包含する。「アリールアルキル」または「アラルキル」の例としては、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル基、9−フルオレニル基、ベンズヒドリル基およびトリチル基が挙げられる。
【0104】
「アルキレン」との用語は、二価アルキル、例えば、−CH−、−CHCH−および−CHCHCH−を指す。
【0105】
「アルケニル」との用語は、2〜12個の炭素原子を含み、かつ一つ以上の二重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖を指す。アルケニル基の例としては、アリル基、プロペニル基、2−ブテニル基、3−へキセニル基および3−オクテニル基が挙げられるが、これらに限定されない。二重結合炭素の一方は、必要に応じてアルケニル置換基の結合点であり得る。「アルキニル」との用語は、2〜12個の炭素原子を含み、かつ一つ以上の三重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、プロパギルおよび3−へキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。三重結合炭素の一つは、必要に応じてアルキニル置換基の結合点であり得る。
【0106】
「アルキルアミノ」および「ジアルキルアミノ」との用語は、それぞれ、−NH(アルキル)ラジカルおよび−NH(アルキル)ラジカルを指す。「アラルキルアミノ」との用語は、−NH(アラルキル)ラジカルを指す。アルキルアミノアルキルとの用語は、(アルキル)NH−アルキル− ラジカルを指す;ジアルキルアミノアルキルとの用語は、(アルキル)N−アルキル− ラジカルを指す。「アルコキシ」との用語は、−O−アルキルラジカルを指す。「メルカプト」との用語は、SHラジカルを指す。「チオアルコキシ」との用語は、−S−アルキルラジカルをいう。チオアリールオキシとの用語は、−S−アリールラジカルを指す。
【0107】
「アリール」との用語は、芳香族の単環、二環または三環の炭化水素環系を指し、ここで置換可能な任意の環原子が(例えば、一つ以上の置換基により)置換され得る。アリール部分の例としては、フェニル、ナフチルおよびアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
本明細書で用いられる場合、「シクロアルキル」との用語は、3〜12個の炭素を有する飽和環式、二環式、三環式または多環式炭化水素基を包含する。任意の環原子が(例えば、一つ以上の置換基により)置換され得る。シクロアルキル基は、縮合環を含み得る。縮合環は、共通の炭素原子を共有する環である。シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロへキシル、メチルシクロへキシル、アダマンチルおよびノルボルニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0109】
「ヘテロシクリル」との用語は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合1〜6個のヘテロ原子を有し、または三環式の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、非芳香族の3〜10員の単環式環系、8〜12員の二環式環系または11〜14員の三環式環系であって、このヘテロ原子が、O、NまたはSから選択されるもの(例えば、炭素原子と、それぞれ、単環式の場合、N、OまたはSの1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合、N、OまたはSの1〜6個のヘテロ原子または三環式の場合、N、OまたはSの1〜9個のヘテロ原子)を指す。ヘテロ原子は、必要に応じて、ヘテロシクリル置換基の結合点であり得る。任意の環原子が(例えば、一つ以上の置換基により)置換され得る。ヘテロシクリル基は、縮合環を含み得る。縮合環は、共通の炭素原子を共有する環である。ヘテロシクリルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノ、ピロリニル、ピリミジニル、キノリニルおよびピロリニジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
「シクロアルケニル」との用語は、5〜12個の炭素、好ましくは5〜8個の炭素を有する部分的に不飽和の、非芳香族の環式、二環式、三環式または多環式炭化水素基を指す。不飽和炭素は、必要に応じて、シクロアルケニル置換基の結合点であり得る。任意の環原子が(例えば、一つ以上の置換基により)置換され得る。シクロアルケニル基は、縮合環を含み得る。縮合環は、共通の炭素原子を共有する環である。シクロアルケニル部分の例としては、シクロへキセニル、シクロヘキサジエニルまたはノルボルネニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
「ヘテロシクロアルケニル」との用語は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環状の場合1〜6個のヘテロ原子、または三環状の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、部分的に飽和の、非芳香族の5〜10員の単環式環系、8〜12員の二環式環系または11〜14員の三環式環系であって、そのヘテロ原子が、O、NまたはSから選択されるもの(例えば、炭素原子と、それぞれ、単環式の場合、N、OまたはSの1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合、N、OまたはSの1〜6個のヘテロ原子または三環式の場合、N、OまたはSの1〜9個のヘテロ原子)を指す。不飽和炭素またはヘテロ原子は、必要に応じて、ヘテロシクロアルケニル置換基の結合点であり得る。任意の環原子は(例えば、一つ以上の置換基により)置換され得る。ヘテロシクロアルケニル基は、縮合環を含み得る。縮合環は、共通の炭素原子を共有する環である。ヘテロシクロアルケニルの例としては、テトラヒドロピリジルおよびジヒドロピラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
「ヘテロアリール」との用語は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合1〜6個のヘテロ原子、または三環式の場合1〜9ヘテロ原子を有する、芳香族の5〜8員の単環式環系、8〜12員の二環式環系または11〜14員の三環式環系であって、そのヘテロ原子が、O、NまたはSから選択されるもの(炭素原子と、それぞれ、単環式の場合、N、OまたはSの1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合、N、OまたはSの1〜6個のヘテロ原子または三環式の場合、N、OまたはSの1〜9個のヘテロ原子)を指す。任意の環原子が(例えば、一つ以上の置換基により)置換され得る。
【0113】
「オキソ」との用語は、炭素に結合する場合にカルボニルを形成し、窒素に結合する場合にN−オキシドを形成し、そして硫黄に結合する場合にスルホキシドまたはスルホンを形成する酸素原子を指す。
【0114】
「アシル」との用語は、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニルまたはヘテロアリールカルボニル置換基をいい、そのいずれかが(例えば、一つ以上の置換基により)さらに置換され得る。
【0115】
「アミノカルボニル」、「アルコキシカルボニル」、ヒドラジノカルボニルおよびヒドロキシアミノカルボニルとの用語は、それぞれ、−C(O)NH、−C(O)O(アルキル)、−C(O)NHNHおよび−C(O)NHNHのラジカルを指す。
【0116】
「アミド」との用語は、−NHC(O)− ラジカルを指し、ここでNは結合点である。
【0117】
「置換基」との用語は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基またはヘテロアリール基で、その基の任意の原子において「置換された」基を指す。任意の原子が置換され得る。適当な置換基としては、アルキル(例えば、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12の直鎖または分枝鎖アルキル)、シクロアルキル、ハロアルキル(例えば、CFのようなペルフルオロアルキル)、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルコキシ、ハロアルコキシ(例えば、OCFのようなペルフルオロアルコキシ)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、SOH、スルフェート、ホスフェート、メチレンジオキシ(−O−CH−O−、ここで酸素は隣接する原子に結合している)、エチレンジオキシ、オキソ、チオキソ(例えば、C=S)、イミノ(アルキル、アリール、アラルキル)、S(O)アルキル(nは0〜2である)、S(O)アリール(nは0〜2である)、S(O)ヘテロアリール(nは0〜2である)、S(O)ヘテロシクリル(nは0〜2である)、アミン(モノ−、ジ−、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリールおよびそれらの組み合わせ)、エステル(アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール)、アミド(モノ−、ジ−、アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリールおよびそれらの組み合わせ)、スルホンアミド(モノ−、ジ−、アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキルおよびそれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらに限定されない。一局面において、基の置換基は独立して、任意の単一の置換基または上記置換基の任意の部分集合である。別の局面において、置換基自体が、上記置換基のいずれか1つによって置換され得る。
【0118】
「レトロウイルス障害」は、レトロウイルスにより少なくとも部分的に引き起こされる障害を指す。一実施形態において、レトロウイルスは、例えば、潜在性ウイルスまたは新しく統合したウイルスとして細胞中に統合され得る。潜在性ウイルスの場合、一例において、その障害を有する被験体は検出可能なウイルス負荷を有さない可能性を有する。別の例において、被験体は検出可能な(例えば、実質的な)ウイルス負荷を有する。
【0119】
「レンチウイルス障害」は、レンチウイルスにより少なくとも部分的に引き起こされる障害をいう。レンチウイルスは、代表的にはビリオンタンパク質を5’−gag−pro−pol−env−3’の順番でコードする4つの主要な遺伝子を有する感染性ウイルスである。ウイルスによっては、さらなる遺伝子(例えばHIV−1に関して、vif、vpr、vpu、tat、rev、nef)が存在し、それらの産物がウイルスRNAの合成とプロセシングおよび他の複製機能の調節に関与する。いくつかのレンチウイルスに関して、LRTは約600ntの長さであり、そのうちU3領域は450、R配列は100、そしてU5領域は約70ntの長さである。例示的なレンチウイルスとしては、霊長類のレンチウイルス(例えば、SIV、HIV−1、HIV−2)、ウマレンチウイルス(例えば、ウマ感染貧血ウイルス)、ウシレンチウイルス(例えば、ウシ免疫不全ウイルス)、ネコレンチウイルス(例えば、ネコ免疫不全ウイルス(Petuluma))およびヒツジ/ヤギレンチウイルス(例えば、関節炎脳炎ウイルス;61.0.6.4.002visna/maediウイルス(株1514))が挙げられる。
【0120】
別の実施形態において、レトロウイルスは感染粒子の形態にある。例えば、障害を有する被験体は検出可能な(例えば、顕著な)ウイルス荷重を有し得る。
【0121】
例示的な「レトロウイルス障害」はHIV関連障害である。「HIV関連障害」は、HIV−1、HIV−2、FLV、HTLV−1、HTLV−2およびSIV等のHIV関連レトロウイルスにより少なくとも部分的に引き起こされる任意の障害をいう。例えば、Coffin(1992)Curr Top Microbiol Immunol.1992;176:143−64を参照されたい。そのような障害としては、エイズおよびエイズ関連コンプレックス(ARC)、およびHIV感染の結果起こる多様な障害、例えば、カポシ肉腫、非ホジキンリンパ腫、中枢神経系非ホジキンリンパ腫および稀な腫瘍(例えば、頭蓋内腫瘍(例えば、グリオブラストーマ、未分化神経膠星状細胞腫および上衣下腫)、日和見感染(例えば、ヒストプラスマ症、CMV(サイトメガロウイルス)、クリプトスポリジウム症、クリプトコックス髄膜炎、痴呆および中枢神経系の問題、肝炎およびHIV、C型肝炎およびHIV、HPV、KS(カポシ肉腫)、リンパ腫、MAC(トリ型結核菌群)、軟ゆう、PCP(ニューモシスティスカリニ肺炎)、PML(進行性多病巣性白質脳症)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)、TB(結核)、鵞口瘡(カンジダ症)、トキソプラズマ症)、疲労、貧血、悪液質およびエイズ衰弱が挙げられる。
【0122】
「ウイルス性新生物形成障害」とは、ウイルス、例えばウイルス感染に起因する、自己成長または自己複製の能力を有する細胞により特徴付けられる疾患または障害である。その結果、細胞は、増殖性細胞成長により特徴付けられる異常な状態または状況にある。
【0123】
本明細書に開示された方法および組成物を使用して、タンパク質、例えば、ウイルスの増殖に関与するウイルスタンパク質または細胞タンパク質(例えば、ウイルス転写因子)のアセチル化状態に依存する、任意のウイルス障害を治療し得る。例示的なウイルス障害としてレトロウイルス障害およびレンチウイルス障害が挙げられる。
【0124】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面と下記の説明に示される。本発明の他の特徴、目的および利点は、これらの説明と図面、および請求の範囲から明らかとなるだろう。
【0125】
本明細書で掲載される全ての参考文献は、印刷物、電子媒体、コンピュータ読み取り可能な保存媒体または他の形態のいずれでれ、抄録、記事、雑誌、刊行物、教材、論文、インターネットウエブサイト、データベース、特許、特許出願および特許公開を含め(しかし、これらに限定されない)、それらの全体が参考として明確に援用される。本出願はまた、2005年1月31日に出願された、DiStefano等の「TREATING A VIRAL DISORDER」(代理人整理番号13407−051001)と題される、米国出願を、参考として援用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0126】
(詳細な説明)
(例示化合物の構造)
(例えば、本明細書に記載された方法において)使用され得る例示化合物は、一般式(I)、(II)、(III)または(IV)を有し、そして一つ以上の酸素原子、窒素原子またはイオウ原子を環の構成原子として含む、置換された環状コア(例えば、5環状コアまたは6環状コア)または多環状コアを含む。
【0127】
【化9】

どの環炭素も置換され得る。環状コアまたは多環状コアは、部分的に飽和していてもよいし、または完全に飽和してよい(すなわち、それぞれ一つまたは二つの二重結合)。
【0128】
式(I)の化合物の好ましい部分集合として、5環状核に融合した環を有する化合物が挙げられる;例えば、RおよびRはそれらが結合する炭素と一緒になって、および/またはRおよびRはそれらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル(例えば、C5、C6またはC7)、C〜C10ヘテロシクロアルケニル(例えば、C5、C6またはC7)、C〜C10アリール(例えば、C6、C8またはC10)またはC〜C10ヘテロアリール(例えば、C5またはC6)を形成する。縮合環の組み合わせは下記のものの一つ以上を含むが、これらに限定されない:
【0129】
【化10】

これらの縮合環系のそれぞれは、置換基により任意に置換され得、それら置換基としては、限定なしに、以下が挙げられる:ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)、C〜Cハロアルキル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、C〜C10アルコキシ(C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)、C〜Cハロアルコキシ(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、C〜C10アリール(C6、C7、C8、C9、C10)、C〜C10ヘテロアリール(C5、C6、C7、C8、C9、C10)、C〜C12アラルキル(C7、C8、C9、C10、C11、C12)、C〜C12ヘテロアラルキル(C7、C8、C9、C10、C11、C12)、C〜Cヘテロシクリル(C3、C4、C5、C6、C7、C8)、C〜C12アルケニル(C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12)、C〜C12アルキニル(C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12)、C〜C10シクロアルケニル(C5、C6、C7、C8、C9、C10)、C〜C10ヘテロシクロアルケニル(C5、C6、C7、C8、C9、C10)、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、C〜Cジアルキルアミノ(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、メルカプト、SOH、スルフェート、S(O)NH、S(O)NH、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ(C1、C2、C3、C4)、オキソ、アシル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、C〜Cジアルキルアミノカルボニル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、C〜C10アルコキシカルボニル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)、C〜C10チオアルコキシカルボニル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル(C1、C2、C3、C4、C5、C6、)、ヒドロキシアミノカルボニル、など。好ましい置換基として、C〜C10アルキル(例えば、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)、アミノカルボニルおよびアミドが挙げられる。置換パターンは所望に応じて選択され得る。
【0130】
式(I)の化合物の別の好ましい部分集合として、RとRがC〜Cアルキル(例えば、RおよびRが共にCHである)化合物が挙げられる。
【0131】
式(I)の化合物のさらに別の好ましい部分集合において、Rは置換または非置換のアミノカルボニルであり、Rは置換基で置換されたアミドである。
【0132】
式(I)の化合物のさらに別の好ましい部分集合において、XはSである。
【0133】
式(II)の化合物の好ましい部分集合として、トリアゾールコアを有する(すなわちXがNR16であり、両方のYがNである)化合物が挙げられる。
【0134】
化合物の別の好ましい部分集合として、R11が置換チオアルコキシである化合物が挙げられる。R11がチオアルコキシである場合、好ましい置換基としてアミノカルボニルが挙げられる。好ましい部分集合の例を以下に示す。
【0135】
【化11】

好ましい実施形態のさらに別の部分集合として、R12が、ヘテロアリールオキシまたはアリールオキシで置換されたアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよびアルキルである化合物が挙げられる。各アリールおよびヘテロアリールは必要に応じて置換される。
【0136】
好ましい実施形態のさらに別の部分集合として、XがNRであり、そしてRがアリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである化合物が挙げられ、各々は必要に応じて置換されたものである。
【0137】
式(III)の化合物の好ましい部分集合として、下記の多環状コアの一つを有する化合物が挙げられる:
【0138】
【化12】

多環状コアは一つ以上の適切な置換基により置換され得る。
【0139】
式(IV)の化合物の好ましい部分集合として、下記の多環状コアを有する化合物が挙げられる:
【0140】
【化13】

多環状コアは一つ以上の適切な置換基により置換され得る。
【0141】
実施形態の他の実例を、Sir2活性の代表的な実例とともに下記の構造に示す。
【0142】
【表1】

【0143】
【表2】

【0144】
【表3−1】

【0145】
【表3−2】

【0146】
【表3−3】

*Aで示される活性を有する化合物は1.0μM未満のIC50を有する。Bで示される活性を有する化合物は1.0μM〜10.0μMのIC50を有する。Cで示される活性を有する化合物は10.0μMを超えるIC50を有する。Dで示される活性を有する化合物はこのアッセイでは試験しなかった。
【0147】
本発明で考慮される置換基および変数の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらすもののみである。本明細書で用いられる「安定な」との用語は、製造を可能とするために十分な安定性を有する化合物、および本明細書に詳細に説明される目的(例えば、治療剤または予防剤の被験体への投与)に有用であるように、十分な時間にわたって化合物の結合性を保持する化合物をいう。
【0148】
本発明を実施するのに有用であり得る化合物はインビトロ(細胞および非細胞系)方法およびインビボ方法のいずれによっても同定され得る。これらの方法の説明は実施例に記載される。
【0149】
(化合物の合成)
多くの例において、本明細書に記載の化合物、またはそれらの前駆体は、例えばAsinex、モスクワ、ロシア;Bionet,Camelford、イギリス;ChemDiv、サンディエゴ、カリフォルニア;Comgenex、ブタペスト、ハンガリー;Enamine、キエフ、ウクライナ;IF Lab、ウクライナ;Interbioscreen、モスクワ、ロシア;Maybridge、ティンタジェル、英国;Specs、オランダ;Timtec,Newark、デラウェア;Vitas−M Lab、モスクワ、ロシアより、市販より購入され得る。
【0150】
あるいは、本明細書に記載の化合物は、慣用的な方法により合成され得る。当業者により理解され得るように、本明細書の式の化合物を合成する方法は、当業者に明らかである。さらに、多様な合成工程を交互の連続順または順番で実施して、所望の化合物を生じ得る。本明細書に記載の化合物を合成するのに有用な合成化学変換および保護基の方法論(保護および脱保護)は公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989); T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley and Sons(1991); L.FieserおよびM.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);ならびにL.Paquette編,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)およびその続版に説明されたものが、挙げられる。
【0151】
本明細書に記載の化合物は反応混合物から分離され得、そしてカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは再結晶化のような方法により、さらに精製され得る。異性体(例えば、立体異性体)の分離に有用な技術は当業者の技量の範囲であり、そしてEliel,E.L.;Wilen,S.H.;Mander,L.N.,Stereochemistry of Organic Compounds,Wiley Interscience,NY,1994に説明されている。
【0152】
本発明の化合物は、一つ以上の不斉中心を有し得、これによってラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の鏡像体、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として存在し得る。これらの化合物のすべてのそのような異性体は、明確に本発明に包含される。本発明の化合物は、特定の結合周囲の結合回転が制限される(例えば環または二重結合の存在から起こる制限)結合(例えば、炭素−炭素結合)を含み得る。従って、すべてのシス/トランス異性体およびE/Z異性体は、明確に本発明に包含される。本発明の化合物はまた、複数の互変異性形で表され得、そのような場合、たとえ単一の互変異性形のみが表され得る場合であっても、本発明は、本明細書に記載される化合物のすべての互変異性形を明確に包含する(例えば、環系のアルキル化は複数の部位でのアルキル化を生じ得、本発明は明確にそのようなすべての反応生成物を含む)。それら化合物のそのようなすべての異性体形は、明確に本発明に包含される。本明細書に記載される化合物のすべての結晶形態は、明確に本発明に包含される。
【0153】
本発明の化合物は、化合物自体、ならびに適用可能な場合、それらの塩およびプロドラッグを包含する。例えば、塩は、陰イオンと、本明細書に記載の化合物上の正電荷置換基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。適切な陰イオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、スルフェート、ニトレート、ホスフェート、シトレート、メタンスルホネート、トリフルオロアセテートおよびアセテートが挙げられる。同様に、塩は、陽イオンと、本明細書に記載の化合物上の負電荷置換基(例えば、カルボキシレート)との間でも形成され得る。適切な陽イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンおよびアンモニウム陽イオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン)が挙げられる。プロドラッグの例としては、被験体に投与される際に活性化合物を提供し得る、エステルおよび他の薬学的に受容可能な誘導体が挙げられる。
【0154】
本発明の化合物は、選択された生物学的性質(例えば、特定組織の標的化)を増強するために適切な官能基を付加することによって改変され得る。そのような改変は当該分野で公知であり、そして所定の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を高め、経口アベイラビリティーを高め、注射による投与を可能とするように溶解性を高め、代謝を変更させ、そして排出速度を変更させる改変が、挙げられる。
【0155】
代替的な実施形態において、本明細書に記載の化合物は、誘導体および/または化合物の化学ライブラリーの調製のためのコンビナトリアル化学技術において利用され得る、プラットフォームまたは足場として使用され得る。そのような誘導体および化合物ライブラリーは生物学的な活性を有し、特定の活性を保有する化合物を同定および設計するために有用である。本明細書に記載の化合物を利用するために適切なコンビナトリアル技術は、Obrecht,D.およびVillalgrodo,J. M.,Solid−Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small−Molecular−Weight Compound Libraries,Pergamon−Elsevier Science Limited(1998)により例示されているように、当該分野で公知であり、そして「分割およびプール(split and pool)」または「並行(parallel)」型の合成技術、固相技術および液相技術、ならびにエンコード技術(例えば、Czarnik,A.W.,Curr.Opin.Chem.Bio.,(1997)1,60を参照のこと)のような技術が挙げられる。従って、一つの実施形態は、誘導体または化学ライブラリーを作製するために本明細書に記載の化合物を使用する方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:1)複数のウエルを含むボディーを提供する工程;2)本明細書で開示された方法により同定された一つ以上の化合物を、各ウエル中の提供する工程;3)さらなる一つ以上の化学物質を各ウエルに提供する工程;4)得られた一つ以上の生成物を各ウエルから単離する工程。代替の実施形態は、誘導体または化学ライブラリーを作製するために本明細書に記載の化合物を使用する方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する:1)固体支持体に結合された、本明細書に記載の一つ以上の化合物を提供する工程;2)固体支持体に結合された、本明細書中に開示された方法により同定された一つ以上の化合物を、一つ以上のさらなる化学物質で処理する工程;3)得られた一つ以上の生成物を固体支持体から単離する工程。上記の方法において、「タグ」または同定用部分または標識部分は、本明細書に記載の化合物またはそれらの誘導体に結合され、そして/またはそれらから分離されて、所望の生成物またはそれらの中間体のトラッキング、同定または単離を容易にし得る。このような部分は公知である。前述の方法に用いられる化学物質としては、例えば、溶媒、試薬、触媒、保護基試薬および脱保護基試薬などが挙げられ得る。そのような化学物質の例は、種々の合成化学および保護基化学のテキストおよび本明細書に参照される論文に現れる化学物質である。
【0156】
(サーチュイン)
サーチュインはサイレントインフォメーションレギュレーター(SIR)ファミリーの遺伝子のメンバーである。サーチュインは、Pfamファミリー「SIR2」(PF02146)におけるヒットとしてスコア付けされるアミノ酸配列として定義される、SIR2領域を含むタンパク質である。このファミリーはINTERPROデータベースにおいてINTERPRO記述(エントリーIPR003000)として参照される。タンパク質配列中の「SIR2」ドメインの存在を同定し、目的のポリペプチドまたはタンパク質が特定のプロフィールを有するとの決定をするために、デフォルトパラメーターを用いてタンパク質のアミノ酸配列をHMMのPfamデータベース(例えば、Pfamデータベース、リリース9)に対して検索され得る(http://www.sanger.ac.uk/Software/Pfam/HMM_search)。SIR2ドメインはPfamではPF02146と示され、INTERPROではINTERPRO記述(エントリーIPR003000)と示される。例えば、検索プログラムのHMMERパッケージの一部として利用可能なhmmsfプログラムは、MILPAT0063についてのファミリー特異的なデフォルトプログラムであり、15のスコアがヒットを決定するためのデフォルト閾値スコアである。あるいは、ヒットを決定するための閾値スコアが、(例えば、8ビットまで)低下され得る。Pfamデータベースの説明は「The Pfam Protein Families Database」Bateman A,Birney E,Cerruti L,Durbin R,Etwiller L,Eddy SR,Griffiths−Jones S,Howe KL,Marshall M,Sonnhammer EL(2002)Nucleic Acids Research 30(1):276−280、およびSonhammerら(1997)Proteins 28(3):405−420に見い出され得、HMMの詳細な説明は、例えば、Gribskovら(1990)Meth.Enzymol.183:146−159;Gribskovら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4355−4358;Kroghら(1994)J.Mol.Biol.235:1501−1531;およびStultzら(1993)Protein Sci.2:305−314に見い出され得る。
【0157】
SIR2遺伝子ファミリーのメンバーによりコードされるタンパク質は250アミノ酸コアドメインにおいて高い配列保存性を示し得る。このファミリーでよく特性付けられた遺伝子は、S.cerevisiae SIR2であり、これは、酵母交配タイプ、テロメア位置効果および細胞老化を特定する情報を含むサイレンシングHM座に含まれる(Guarente,1999;Kaeberleinら,1999;Shore,2000)。酵母Sir2タンパク質はヒストン脱アセチル化酵素ファミリーに属する(Guarente,2000;Shore,2000に概説される)。Sir2タンパク質はNADを補因子として使用し得る脱アセチル化酵素である(Imaiら,2000;Moazed,2001;Smithら,2000;Tannerら,2000;TannyおよびMoazed,2001)。他の脱アセチル化酵素(それらの多くは遺伝子サイレンシングに関与する)とは異なり、Sir2はトリコスタチンA(TSA)のようなヒストン脱アセチル化酵素インヒビターに対して比較的感受性がない(Imaiら,2000;Landryら,2000a;Smithら,2000)。哺乳類のSir2相同体(例えば、SIRT1)はNAD依存性の脱アセチル化酵素活性を有する(Imaiら,2000;Smithら,2000)。
【0158】
例示的な哺乳類のサーチュインとして、SIRT1、SIRT2およびSIRT3(例えば、ヒトのSIRT1、SIRT2およびSIRT3)が挙げられる。本明細書に記載される化合物は、哺乳類のサーチュイン(例えばSIRT1、SIRT2またはSIRT3)のうちの一つ以上の活性を、例えば、500nM未満のK、200nM未満のK、100nM未満のK、50nM未満のKまたは40nM未満のKで阻害し得る。例えば、本化合物は、例えば天然基質または人工基質(例えば、本明細書に記載の基質)に関して、例えば以下のように脱アセチル化酵素活性を阻害し得る。
【0159】
SIRT1の天然の基質として、ヒストンおよびp53が挙げられる。SIRT1タンパク質は、「SIRT1結合パートナー」と称される他の多くのタンパク質に結合する。例えば、SIRT1はp53に結合し、p53経路において、例えばp53のK370、K371、K372、K381および/もしくはK382、またはこれらのリジンを一つ以上含むペプチドにおいて、役割を果たす。例えば、このペプチドは5〜15アミノ酸の間の長さであり得る。SIRT1タンパク質はまた、ヒストンを脱アセチル化し得る。例えば、SIRT1はヒストンH3のリジン9もしくはリジン14、またはこれらリジンの一つ以上を含む小ペプチドを脱アセチル化し得る。ヒストンの脱アセチル化は、局所的なクロマチン構造を変え、これによってその周辺の遺伝子の転写を調節し得る。SIRT1結合パートナーの多くは転写因子、例えば、特定のDNA部位を認識するタンパク質である。SIRT1とSIRT1結合パートナーとの間の相互作用はSIRT1をゲノムの特定の領域に送達し得、そして基質の局所的な明示、例えば、特定領域に局所化されたヒストンおよび転写因子を生じ得る。
【0160】
SIRT2の天然の基質として、チューブリン、例えば、α−チューブリンが挙げられる。例えば、Northら,Mol Cell.2003 Feb;11(2):437−44を参照のこと。例示的な基質としては、α−チューブリンのリジン40を含むペプチドが挙げられる。
【0161】
さらに他の例示的なサーチュイン基質として、チトクロームcおよびそのアセチル化ペプチド、ならびにHIV tatおよびそのアセチル化ペプチドが挙げられる。
【0162】
「SIRT1タンパク質」および「SIRT1ポリペプチド」との用語は本明細書では相互に交換可能に使用され、250アミノ酸が保存されたSIRT1触媒ドメイン(配列番号1のアミノ酸残基258〜451)に少なくとも25%同一であるポリペプチドをいう。配列番号1はヒトSIRT1のアミノ酸配列を示す。好ましい実施形態において、SIRT1ポリペプチドは、配列番号1または配列番号1のアミノ酸残基258〜451の間のアミノ酸配列に対して、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の相同性であり得る。別の実施形態において、SIRT1ポリペプチドは、NADおよび/またはNADホモログの存在下での基質の脱アセチル化の1つ以上、および標的タンパク質(例えば、転写因子)への結合の1つ以上が可能である断片(例えば、SURT1断片)であり得る。そのような機能は、例えば本明細書に記載の方法により評価され得る。他の実施形態において、SIRT1ポリペプチドは「全長」SIRT1ポリペプチドであり得る。本明細書に用いられる「全長」との用語は、少なくとも天然のSIRT1ポリペプチド(または本明細書に記載の他のタンパク質)の長さを有するポリペプチドをいう。「全長」SIRT1ポリペプチドまたはその断片は、他の配列(例えば、精製タグ)、または他の結合化合物(例えば、結合したフルオロフォア)もしくは補因子を、含み得る。「SIRT1ポリペプチド」との用語はまた、天然に存在するSir2ファミリーメンバーに関して、一つ以上の置換(例えば、1〜10の間の置換)を含む配列または改変体を含むこともできる。「SIRT1活性」とはSIRT1の一つ以上の活性(例えば、基質(例えば、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質)、例えば、転写因子(例えば、p53)またはヒストンタンパク質の(例えば、NADおよび/またはNADアナログのような補因子の存在下における)脱アセチル化、および標的(例えば、標的タンパク質、例えば転写因子)に対する結合をいう。
【0163】
本明細書で用いられる場合、タンパク質の「生物活性部分」または「機能的領域」は、相互作用(例えば、分子内相互作用または分子間相互作用、例えば結合相互作用または触媒相互作用)に関与する目的のタンパク質の断片を含む。分子間相互作用は特定の結合相互作用または酵素相互作用であり得る(例えば、相互作用は一時的なものであり得、そして共有結合が形成されるかまたは壊される)。分子間相互作用はタンパク質と別のタンパク質との間の相互作用、タンパク質と別の化合物との間の相互作用、またはタンパク質の第一分子と第二分子との間の相互作用(例えば、二量化相互作用)であり得る。タンパク質の生物学的に活性な部分/機能ドメインは、全長の天然タンパク質よりも2、3個少ないアミノ酸を含み、かつ天然タンパク質の少なくとも一つの活性を示すタンパク質のアミノ酸配列に十分に相同なアミノ酸配列、またはこのアミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を含むペプチドを含み、。生物学的に活性な部分/機能ドメインは、トランケーション分析、部位特異的変異誘発およびタンパク質分解を含む、種々の技術により同定され得る。変異体またはタンパク質分解断片は、活性について、適切な生化学的アッセイまたは生物学的アッセイ(例えば、遺伝子アッセイ)によって、アッセイされ得る。いくつかの実施形態において、機能ドメインは独立してフォールディングされる。代表的に、生物学的に活性な部分は、タンパク質(例えば、SIRT1)の少なくとも一つの活性を有するドメインまたはモチーフを含む。例示的なドメインはSIRT1コア触媒ドメインである。タンパク質の生物学的に活性な部分/機能ドメインは、例えば長さが10個、25個、50個、100個、200個またはそれ以上のアミノ酸であるポリペプチドであり得る。タンパク質の生物学的に活性な部分/機能ドメインは、SIRT1を調節する薬剤を開発するための標的として用いることができる。
【0164】
下記は例示的なSIR配列である:
【0165】
【化14】

【0166】
【化15】

【0167】
【化16】

【0168】
【化17】

【0169】
【化18】

【0170】
【化19】

【0171】
【化20】


【0172】
本明細書に記載される例示的化合物は、本明細書に記載される天然基質または人工基質に対して、SIRT1またはその機能ドメインの活性を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも80%または少なくとも90%阻害し得る。例えば、本化合物は500nM未満のK、200nM未満のK、100nM未満のKまたは50nM未満のKを有し得る。
【0173】
また、本明細書に記載される化合物はサーチュインと転写因子との複合体を調節し得、例えば、複合体の形成、変形および/または安定性を増大または低下させ得る。例示的なサーチュインTF複合体として、Sir2−PCAF、SIR2−MyoD、Sir2−PCAF−MyoDおよびSir2−p53が挙げられる。また、本明細書に記載される化合物は、Sir2調節遺伝子、例えば、Fulcoら(2003)Mol.Cell 12:51−62の表1に示される遺伝子の発現を調節し得る。
【0174】
(インビトロアッセイ)
いくつかの実施形態において、SIRT1との相互作用(例えば、SIRT1の結合)はインビトロでアッセイされ得る。その反応化合物はNADおよび/またはNADアナログのようなSIRT1補因子を含むことができる。
【0175】
他の実施形態において、反応混合物はSIRT1結合パートナー(例えば、転写因子、例えば、ウイルス転写因子(例えば、tat)、p53またはp53以外の転写因子)を含み得、そしてSIRT1とSIRT1結合パートナー(例えば転写因子)との間の相互作用を調節する試験化合物の能力を評価するため、例えばインビトロアッセイにおいて、化合物がスクリーニングされ得る。この種のアッセイは、例えば、成分の一つを放射性同位元素または酵素標識と結合させることによって達成され得、標識成分の他の物への結合は、複合体中の標識化合物を検出することにより決定され得る。成分は125I、35S、14CまたはHにより直接的または間接的に標識され得、そして放射性同位元素は放射線放射の直接の計測またはシンチレーション計測により検出され得る。あるいは、成分は、例えば、西洋ワサビパーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼまたはルシフェラーゼにより酵素標識し、そして適切な基質の生成物への変換を測定することにより、酵素標識を検出され得る。競合アッセイもまた、試験化合物と標的との間の物理的相互作用を評価するために使用され得る。
【0176】
無細胞アッセイは、標的タンパク質(例えば、SIRT1)と試験化合物との反応混合物を、これら2つの成分が相互作用および結合を可能にし、これによって取り出され得そして/または検出され得る複合体を形成するのに十分な条件および時間で調製する工程を含む。
【0177】
二分子間の相互作用はまた、例えば、少なくとも一方の分子が蛍光標識された蛍光アッセイを使用して、検出され得る。このようなアッセイの一例として、蛍光エネルギー転移(蛍光共鳴エネルギー転移に関する、FETまたはFRET)が挙げられる(例えば、Lakowiczらの米国特許第5,631,169号;Stavrianopoulosらの米国特許第4,868,103号を参照のこと)。第一「ドナー」分子上のフルオロフォア標識は、その放射された蛍光エネルギーが、第二「アクセプター」分子上の蛍光標識により吸収され、次に吸収されたエネルギーにより蛍光を発し得るように、選択される。あるいは、「ドナー」タンパク質分子はトリプトファン残基の天然の蛍光エネルギーを単純に利用し得る。「アクセプター」分子標識が「ドナー」の標識から識別され得るように、異なる波長の光を発する標識が選択され得る。標識間のエネルギー転移の効率は分子を隔てる距離に関連付けられるので、分子間の空間的関係を評価し得る。結合が分子間に存在する場合、アッセイにおける「アクセプター」分子標識の蛍光放射は最大であるはずである。FET結合事象は、当該分野で周知の標準的な蛍光検出手段により(例えば、蛍光測定器を用いて)都合よく測定され得る。
【0178】
蛍光アッセイの別の例は蛍光分極(FP)である。FPのために、一つの成分のみを標識する必要がある。結合相互作用は、標識成分の分子のサイズの変化により検出される。そのサイズの変化は、溶液中の成分の回転速度を変更させ、そしてFPの変化として検出される。例えば、Nasirら(1999)Comb Chem HTS 2:177−190;Jamesonら(1995)Methods Enzymol 246:283;Seethalaら(1998)Anal Biochem.255:257を参照のこと。蛍光分極はマルチウエルプレートにおいて、例えばTecan PolarionTMリーダーを用いてモニタリングされ得る。例えば、Parkerら(2000)Journal of Biomolecular Screening 5:77−88;およびShoemanら(1999)38,16802−16809を参照のこと。
【0179】
別の実施形態において、標的分子に結合するSIRT1タンパク質の能力の決定は、リアルタイムの生物分子相互作用分析(BIA)を使用して達成され得る(例えば、Sjolander,S.およびUrbaniczky,C.(1991)Anal.Chem.63:2338−2345、ならびにSzaboら(1995)Curr.Opin.Struct.Biol.5:699−705を参照のこと)。「表面プラスモン共鳴」または「BIA」はどの相互作用物質も標識することなく、リアルタイムで生物特異的な相互作用を検出する(例えばBIAcore)。結合表面における質量変化(結合事象を示す)は、表面付近の光の屈折率の変化(表面プラスモン共鳴(SPR)の光学的現象)をもたらし、生物学的分子間のリアルタイムの反応の指標として使用され得る検出可能なシグナルをもたらす。
【0180】
一実施形態において、SIRT1は固相上に係留される。固相上に係留されたSIRT1/試験化合物の複合体は、反応(例えば、結合反応)の最後で検出され得る。例えば、SIRT1は固相上に係留され得、(係留されていない)試験化合物が、本明細書中で論じられ検出可能な標識により、直接的または間接的に標識され得る。
【0181】
SIRT1または抗SIRT1抗体のいずれかを固定化して、これらタンパク質の一方または両方についての、非複合化形態からの複合化形態の分離を容易にすること、およびこのアッセイの自動化を取り入れることは、望ましくあり得る。試験化合物とSIRT1タンパク質との結合、または候補化合物の存在および不存在下におけるSIRT1タンパク質と第二成分との相互作用は、反応物を収容するのに適切な任意の容器中で達成され得る。そのような容器の例として、マイクロタイタープレート、試験管およびマイクロ遠心管が挙げられる。一実施形態において、これらのタンパク質の一方または両方をマトリックスに結合させるドメインを加える融合タンパク質が、提供され得る。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/SIRT1融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、セントルイス、ミズーリ州)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレートに吸着され得、次にこれを試験化合物または試験化合物と、非吸着標的タンパク質またはSIRT1タンパク質のいずれかと結合させ、その混合物を複合体形成誘導性の条件下で(例えば、塩およびpHについて生理学的条件下で)インキュベートする。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートを洗浄して、未結合の成分をいずれも除去し、ビーズの場合は、マトリックスを固定し、複合体を直接的または間接的のいずれかで、例えば上記のように測定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離させ得、そしてSIRT1結合レベルまたは活性レベルを標準的な技術を用いて測定し得る。
【0182】
マトリックス上のSIRT1タンパク質または標的分子のいずれかを固定化する他の技術は、ビオチンおよびストレプトアビジンの結合体を使用する工程を含む。ビオチン化SIRT1タンパク質またはビオチン化標的分子は、当該分野で公知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、ロックフォード、イリノイ州)を用いて、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から調製され得、そしてストレプトアビジンでコーティングした96ウエルプレート(Pierce Chemical)のウエルに固定化され得る。
【0183】
アッセイを実施するために、未固定成分を、係留された成分を含むコーティングされた表面に加える。反応が完了した後、形成される複合体がいずれも固体表面上に固定化されたままであるような条件下で、未反応成分を(例えば、洗浄により)除去する。固体表面上に係留された複合体の検出は、多くの方法により達成され得る。予め固定化されていない成分が前もって標識化される場合、表面上に固定化された標識の検出は、複合体が形成されたことを示す。予め固定化されていない成分が前もって標識化されていない場合、間接的な標識を用いて、例えば、固定化された成分に特異的な標識抗体(この抗体は、次に、例えば標識抗Ig抗体で直接的または間接的に標識され得る)を用いて、表面上に係留された複合体を検出し得る。
【0184】
一実施形態において、このアッセイは、SIRT1タンパク質または標的分子と反応性があるが、SIRT1タンパク質がその標的分子に結合することを妨害しない抗体を利用して実施される。このような抗体は、プレートのウエルに対して誘導体化され得、未結合の標的またはSIRT1タンパク質が、ウエル中での抗体の結合体化により捕捉され得る。このような複合体を検出するための方法として、GST固体化複合体に関する上記の方法に加え、SIRT1タンパク質または標的分子と反応性の抗体を用いる複合体の免疫検出、およびSIRT1タンパク質または標的分子に関連した酵素活性の検出に依存する酵素連結アッセイが挙げられる。
【0185】
あるいは、無細胞アッセイを液相中で実施され得る。そのようなアッセイにおいて、反応生成物は、示差遠心分離(例えば、Rivas,G.およびMinton,A.P.,(1993)Trends Biochem Sci 18:284−7を参照のこと);クロマトグラフィー(ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー);電気泳動(例えば、Ausubel,F.ら編 Current Protocols in Molecular Biology 1999,J.Wiley:New Yorkを参照のこと);および免疫沈降(例えば、Ausubel,F.ら編(1999)Current Protocols in Molecular Biology,J.Wiley:New Yorkを参照)が挙げられるがこれらに限定されない、多くの標準的な技術のいずれかを用いて、未反応成分から分離する。そのような樹脂およびクロマトグラフィー技術は当業者に公知である(例えば、Heegaard,N.H.,(1998)J Mol Recognit 11:141−8;Hage,D.S.およびTweed,S.A.(1997)J Chromatogr B Biomed Sci Appl.699:499−525を参照のこと)。さらに、本明細書に記載のように、蛍光エネルギー転移をまた都合よく利用して、複合体を溶液からさらに精製することなく、結合を検出し得る。
【0186】
好ましい実施形態において、アッセイはSIRT1タンパク質またはその生物学的に活性な部分を、SIRT1と結合する既知の化合物に接触させて、アッセイ混合物を形成する工程、アッセイ混合物を試験化合物に接触させる工程、および試験化合物がSIRT1タンパク質と相互作用する能力を測定する工程を包含し、ここで試験化合物がSIRT1タンパク質と相互作用する能力を測定する工程は、既知の化合物と比較して、試験化合物がSIRT1またはその生物活性部分に優先的に結合する能力、または標的分子の活性を調節する能力を測定することからなる。
【0187】
例示的なアッセイ法として、蛍光発光性であるBiomolによる市販の「Fluor−de−Lys」アッセイ原理に基づく、1536ウエル形式のSirT1酵素アッセイを含む(www.biomol.com/store/Product_Data_PDFs/ak500.pdf)。このアッセイにおいて、リシル残基のe−アミノ官能基の脱アセチル化を、未ブロックのe−アミノ官能基に依存し、蛍光アミノメチルクマリンを生成する蛍光発光の「発色工程」と組み合わされる。蛍光は市販のマクロリーダーで読むことができる。
【0188】
(さらなるアッセイ)
本明細書に記載の化合物または化合物のライブラリーはまた、疾患もしくは障害のモデル系、または本明細書に記載の疾患もしくは障害の他の公知のモデルを用いて評価され得る。
【0189】
構造−活性の関係および構造に基づく設計。サーチュインと相互作用する(例えば、サーチュインをアンタゴナイズまたはアゴナイズする)化合物を作製するため、構造−活性の関係(SAR)および構造に基づく設計原理を使用することも可能である。SARは、少なくとも一つの関連するアッセイにおける、関連化合物の活性に関する情報を提供する。目的の化合物の構造的特徴と活性との間に相関関係が作成される。例えば、アゴニストの活性に必要とされる一つ以上の構造的特徴を同定することは、本明細書に記載の化合物に関連する化合物ファミリーに関してSARを評価することにより、可能であり得る。次いで、これらの特徴を変更する化合物のライブラリーが、化学的に作製され得る。別の例において、相互作用すると予想される単一化合物が作製され、インビトロまたはインビボで評価される。
【0190】
構造に基づく設計は、サーチュインおよび化合物の機能ドメインの物理的相互作用の構造モデルを決定する工程を包含し得る。構造モデルは、例えば、相互作用を向上させるか、または好ましくない相互作用を低減させるように化合物が設計され得る方法を、示し得る。サーチュインとの化合物の相互作用は、例えば、結晶構造、NMRまたはコンピュータに基づくモデル化(例えば、ドッキング法)の解析により同定され得る。例えば、Ewingら、J Comput Aided Mol Des.2001年5月;15(5):411−28を参照のこと。
【0191】
SARおよび構造に基づく設計アプローチの両方、ならびに他の方法が、ファーマコフォア(pharmacophore)を同定するために使用され得る。ファーマコフォアは、化学基の識別可能な三次元(3D)配列と定義される。そのような基の選択は生物学的活性のために好ましくあり得る。薬学的に活性のある分子は効果的になるため被験体の体内で一つ以上の分子構造物と相互作用しなければならないので、そして分子の所望の機能的性質はこれらの相互作用より導かれるので、各活性化合物は、この相互作用を発生させることを可能にする化学基の識別可能な配置を含まなければならない。デスクリプター(descriptor)中心と一般的に呼ばれる化学基は、以下により表され得る:(a)原子または原子の群;(b)擬似原子(例えば、環の中心、または分子の質量中心);(c)ベクトル(例えば、原子対方向、非共有電子対方向、または平面に対する法線)。一旦公式化されると、ファーマコフォアは、例えば、ファーマコフォアと適合性のある構造を有する化合物に関して化学化合物のデータベースを検索するために用いることができる。例えば、米国特許第6,343,257号;Y.C.Martin,3D Database Searching in Drug Design,J.Med.Chem.35,2145(1992);ならびにA.C.GoodおよびJ.S.Mason,Three Dimensional Structure Database Searches,Reviews in Comp.Chem.7,67(1996)を参照のこと。データベース検索問合せは化学性質情報のみならず、正確な幾何学的情報にも基づく。
【0192】
コンピュータに基づくアプローチは、マッチング鋳型を発見するためにデータベース検索を利用できる;Y.C.Martin,Database searching in drug design,J.Medicinal Chemistry,第35巻,pp2145〜54(1992)(これは参考として本明細書中に援用される)。化合物の2−Dデータベースおよび3−Dデータベースを検索するために、現存する方法が適用可能である。American Cyanamid(Pearl River,N.Y.)のLederleは分子形状の検索、3D検索およびデータベースについての趨勢の方向性を開拓した。さらに、市販業者および他の研究集団は、研究上の可能性(MACSS−3D,Molecular Design社(San Leandro、カリフォルニア州);CAVEAT,Lauri,G.ら、カリフォルニア大学(バークレー、カリフォルニア州);CHEM−X、Chemical Design社(Mahwah、ニュージャージ州))を提供する。これらの研究ソフトウエアは、潜在的な薬物化合物についての、重要な化学的構造および幾何学的構造により指数化されるデータベースを分析するため、使用され得る(例えば、スタンダードドラッグファイル(Derwent Publications社、ロンドン、イギリス)、ビールシュタインデータベース(Bielstein Information、フランクフルト、ドイツまたはシカゴ)およびケミカルレジストリーデータベース(CAS、コロンバス、オハイオ州))。
【0193】
ファーマコフォアにマッチする化合物が一旦同定されると、その化合物は、例えば、サーチュインまたはそのドメインに対する結合について、インビトロ、インビボまたはインシリコでその活性が試験され得る。
【0194】
一実施形態において、アゴニストまたは候補アゴニストである化合物、例えば、Nature.2003年9月11日;425(6954):191−196に記載された化合物を改変して、例えば本明細書に記載の方法を用いて、アンタゴニストを同定し得る。例えば、関連化合物のライブラリーを調製され得、そしてこのライブラリーが、本明細書に記載のアッセイにおいてスクリーニングされ得る。
【0195】
本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩として、薬学的に受容可能な無機酸、有機酸および塩基から誘導される塩が挙げられる。適切な酸性塩の例として、以下が挙げられる:アセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、シトレート、カンホレート、カンホスルホネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、ホルメート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリコレート、へミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、マロネート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、パルモエート、ペクチネート、パースルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、サリチレート、スクシネート、スルフェート、タートレート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノエート。シュウ酸のような他の酸はそれ自体では薬学的に受容可能でないが、本発明の化合物およびそれらの薬学的に受容可能な酸付加塩を得る場合において、中間体として有用な塩の調製に用いられ得る。適切な塩基から誘導される塩として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウムおよびN−(アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書に開示される化合物の塩基性窒素含有基のいずれについての四級化も想定する。水溶性生成物または油溶性生成物または水分散性生成物または油分散性生成物は、そのような四級化により取得され得る。本明細書中の式の任意の化合物の塩の形態は、カルボキシ基のアミノ酸塩(例えば、L−アルギニン塩、L−リジン塩、L−ヒスチジン塩)であり得る。
【0196】
本明細書に記載の式の化合物は、例えば、注射、静脈内、動脈内、皮下(subdermally)、腹腔内、筋内または皮下(subcutaneously);または経口、頬内、鼻腔内、経粘膜、局所的、眼用調製物で、または吸入により、4〜120時間毎に、体重1kgあたり約0.5mg〜約100mgの範囲の投与量で、代替的に1mg/投与〜1000mg/投与の間の投与量で、または特定の医薬の要件に従って、投与され得る。本明細書中の方法は、所望の効果または記述された効果を達成するため、有効量の化合物または化合物組成物の投与を企図する。代表的に、本発明の薬学的組成物は1日あたり約1回〜約6回、または連続的注入として投与され得る。このような投与は慢性治療または急性治療として使用され得る。単一の投与形を作製するためにキャリア材料と組み合わされ得る活性成分の量は、処置される宿主および具体的な投与形態に依存して、変動し得る。代表的な調製物は約5%〜約95%の活性な化合物(w/w)を含む。あるいは、そのような調製物は約20%〜約80%の活性な化合物を含む。
【0197】
化合物は単独で、または一つ以上のさらなる治療剤、例えば、プロテアーゼインヒビター(例えば、HIVプロテアーゼインヒビター)、融合インヒビター、インテグラーゼインヒビターまたは逆転写酵素インヒビター(例えば、ヌクレオチドアナログ(例えば、AZT)または非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター)と組み合わせて投与され得る。化合物が、別の治療剤(例えば少なくとも一つのさらなる治療剤)と組み合わせて投与される場合、この化合物とこの薬剤とは、単一の組成物(例えば、単一の丸剤または懸濁液)で投与され得るか、またはこの化合物と薬剤(または複数の薬剤)とは、別々に(例えば、複数の丸剤または懸濁液のような複数の組成物で)投与され得る。別々に投与される場合、化合物または薬剤(または複数の薬剤)は同時または異なる時間に投与され得る。いくつかの例において、組成物および薬剤(または複数の薬剤)は同一の治療過程を有し、他の例において、これらの過程は修正される(skewed)か、または連続的であるかのいずれかである。
【0198】
上記の用量よりも低用量または高用量が必要とされ得る。任意の特定の患者に対する具体的な用量および処置レジメンは、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、疾患、状態または症状の重篤度と経過、疾患、状態または症状に対する患者の気質、および治療を行なう医師の判断を含む、多様な要因に基づく。
【0199】
患者の状態が改善したら、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量が、必要な場合、投与され得る。引き続いて、症状が所望のレベルまで緩和された場合にその改善した状態が保持されるレベルにまで、投与の用量または頻度またはその両方を、症状の関数として低減され得る。しかし、疾患の症状のいずれかの再発の際に、患者は長期間の断続的な処置を必要とし得る。
【0200】
本明細書で示される組成物は、本明細書に示される式の化合物、および(存在する場合)さらなる治療剤を、疾患や疾患の症状(例えば、本明細書に記載されたもの)の調節を成すのに有効な量で包含する。
【0201】
「薬学的に受容可能なキャリアまたはアジュバント」との用語は、本発明の化合物と一緒に患者に投与され得、そしてその薬理学的活性を壊さず、かつ治療量の化合物を送達するために十分な用量で投与される場合に非毒性である、キャリアまたはアジュバントをいう。
【0202】
本発明の薬学的組成物に使用され得る、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントおよびビヒクルとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化医薬投与システム(SEDDS)(例えば、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール100スクシネート)、薬学投与形態に用いられる界面活性剤(例えば、Tweenまたは他の類似のポリマー性送達マトリクス)、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝液物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム)、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解物質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、トリケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン)、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂。シクロデキストリン(例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリン)またはヒドロキシアルキルシクロデキストリンのような化学的に改変された誘導体(2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよび3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが挙げられる)、または他の可溶化誘導体もまた、本明細書に記載の式の化合物の送達を増強させるために、有利に使用され得る。
【0203】
本発明の薬学的組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所的、直腸内、鼻腔内、頬内、膣または移植レザバにより、好ましくは経口投与または注射による投与によって、投与され得る。本発明の薬学的組成物は、従来の非毒性の薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルをいずれも含み得る。いくつかの場合では、処方物のpHは、薬学的に受容可能な酸、塩基または緩衝液により調節して、処方された化合物またはその送達形態の安定性を増強し得る。本明細書で用いる非経口との用語は、皮下、皮内、静脈内、筋内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病変内および頭蓋内の注射技術または点滴技術を含む。
【0204】
薬学的組成物は、例えば、滅菌された注射可能な水性懸濁液または油性懸濁液として、滅菌された注射可能な調製物の形態であり得る。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween80のようなもの)および懸濁化剤を用いて、当該分野で公知の技術に従って処方され得る。滅菌された注射可能な調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性で非経口の受容可能な希釈剤または溶媒中の、滅菌された注射可能な溶液または懸濁液であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒は、マンニトール、水、リンガー溶液および等張の塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌された固定油が溶媒または懸濁媒体として慣用的に用いられる。この目的のため、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む、低刺激の固定油が使用され得る。脂肪酸(例えば、オレイン酸)およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に受容可能な油(例えばオリーブ油またはヒマシ油)、特にそれらのポリオキシエチレート化されたものと同様に、注射可能物の調製品において有用である。これらの油性溶液または油懸濁液は、長鎖アルコールの希釈剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロースもしくは類似の分散剤を含み得、これらは乳化液や懸濁液のような薬学的に受容可能な投薬形態の処方に一般的に使用される、TweenやSpanのような他の一般的に使用される界面活性剤および/もしくは他の類似の乳化剤、または薬学的に受容可能な固体、液体もしくは他の投薬形態の製造において一般的に用いられる生物利用性増強剤もまた、処方目的のために使用され得る。
【0205】
本発明の薬学的組成物は、経口に受容可能な任意の投薬形態(カプセル、錠剤、乳化液および水性懸濁液、分散液および溶液が挙げられるが、これらに限定されない)で経口投与され得る。経口使用の錠剤の場合、共通して用いられるキャリアとして、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も一般的に加えられる。カプセル形態での経口投与のために有用な希釈物として、ラクトースと乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液および/または乳化液が経口投与される場合、活性成分は、乳化剤および/または懸濁剤と組み合わせて、油相中に懸濁もしくは溶解され得る。所望の場合、特定の甘味料および/または矯味矯臭薬および/または着色剤が添加され得る。
【0206】
本発明の薬学的組成物は、直腸投与のために坐薬の形状で投与され得る。これらの組成物は、本発明の化合物を、室温では固体だが直腸温度では液体である適切な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製され得、これによって直腸では溶解して活性成分を放出する。このような物質として、カカオ脂、蜜蝋およびポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0207】
所望の処置が局所適用により容易に接近可能な領域や器官に関係する場合、本発明の薬学的組成物の局所投与は有用である。皮膚に局所的に適用するため、薬学的組成物は、キャリア中に懸濁または溶解した活性成分を含む適切な軟膏に処方されるべきである。本発明の化合物の局所適用のためのキャリアは、鉱油、液体石油、白色石油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、薬学的組成物は、適切な乳化剤を有するキャリア中に懸濁または溶解された活性な化合物を含む、適切なローションまたはクリームに処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的組成物は、直腸坐薬処方物によるか、または適切な浣腸処方物において、下部腸管に局所投与され得る。局所的な経皮膚パッチも本発明に包含される。
【0208】
本発明の薬学的組成物は鼻エアゾールまたは吸入により投与され得る。そのような組成物は、医薬処方物分野の周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、生物利用性を増強する吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または当該分野で他の公知の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0209】
本明細書の式の化合物を有する組成物および付加的な薬剤(例えば、治療剤)は、移植可能な装置を用いて投与され得る。移植可能な装置および関連技術は当該分野で公知であり、そして本明細書に示す化合物または組成物の連続的放出送達または時期設定された(timed)放出送達が所望される場合の送達システムとして有用である。さらに、移植可能デバイスの送達システムは、化合物または組成物の送達の特定の点(例えば、局所的な部位、器官)を標的化するのに有用である。Negrinら,Biomaterials,22(6):563(2001)。交互の送達方法を含む、時間設定された放出技術もまた、本発明で使用され得る。例えば、ポリマー技術、徐放技術およびカプセル化技術(例えば、ポリマー技術、リポソーム技術)に基づく時間設定された放出処方物はまた、本明細書に示す化合物および組成物の投与のために使用され得る。
【0210】
本明細書中の活性な化学療法物質の組み合わせを送達するためのパッチもまた、本発明の範囲にある。パッチは、本明細書に記載のように、物質層(例えば、ポリマー、布、ガーゼ、包帯)および本明細書の式の化合物を含む。材料層の一側面は、化合物または組成物の通過を妨害するように、保護層を接着され得る。パッチは、被験体にパッチを一定に保持するための接着剤をさらに備え得る。接着剤は、天然起源または合成起源のいずれかのもの含む組成物であり、これは、被験体の皮膚に接触される場合に皮膚に一時的に接着する。この接着剤は耐水性であり得る。接着剤はパッチ上に配置されて、長期間にわたってパッチを被験体の皮膚に接触した状態を保持し得る。接着剤は、粘着力または接着力のあるものから作製され得るので、偶然に接触させた被験体の場所にこのデバイスを保持するが、積極的な動作(例えば、引き裂き、剥ぎ取り、または他の意図的な除去)の際に、接着剤はデバイスまたは接着剤自体上に負荷された外部からの圧力に負けて、そして接着接触の破壊を可能にする。接着剤は感圧性であり得、すなわち、接着剤またはデバイスに対する圧力の適用(例えば、押すこと、擦ること)によって、接着剤の位置決め(およびそのデバイスが皮膚に接着されること)を可能にし得る。
【0211】
本発明の組成物が、本明細書に記載の式の化合物と、一つ以上の付加的な治療剤または予防剤との組み合わせを含む場合、化合物および付加的薬剤の両方が約1%〜100%の間の投薬レベルで存在しなければならず、そしてさらに好ましくは約5%〜95%の投薬量が通常、単一治療レジメンにおいて投与される。さらなる薬剤は、複数用量レジメンの一部として、本発明の化合物とは別個に投与され得る。あるいは、これらの薬剤は、本発明の化合物とともに単一組成物中に混合された単一投与形の一部であり得る。
【0212】
(ウイルス障害)
本発明の化合物は、ウイルス疾患またはウイルス障害の処置に使用され得る。例えば、これらの疾患または障害は、レトロウイルス障害、例えば、HIV媒介性障害(例えば、エイズ)であり得る。なぜなら、SIRT1はHIV Tatタンパク質を脱アセチル化し、そしてHIVプロモーターのTat媒介性トランス活性化に必要とされるからである。本発明の化合物はまた、Tat媒介性障害またはTat関連障害を治療するために使用され得る。
【0213】
本明細書に記載の化合物は、一つ以上の他の抗ウイルス剤と共に処方され得る。別の実施において、本化合物は、一つ以上の抗ウイルス剤と併用して、例えば別々の処方物として(例えば同時に)投与される。例示的な抗ウイルス剤としては、下記のようなエイズを処置するための薬物が挙げられる:
【0214】
【化21】

ATAZANAVIR(登録商標)(BMS 232632)(ブリストルマイヤーズスクイブ社製)、GW433908(グラクソスミスクライン社製)、L−756,423(メルク社製)、MOZENAVIR(DMP−450)(トライアングルファルマシューテカル社製)、TIPRANAVIR(登録商標)(ベーリンガーインゲルハイム社製)およびTMC114(チボテックビルコ社製)。
【0215】
本発明は、中でも、ウイルス活性を調節する方法を包含する。例えば、本発明の化合物はウイルス因子のアセチル化状態を調節するために使用され得る。サーチュインの基質である例示的なウイルス因子は、HIV tatである。
【0216】
HIV−1 tatの例示的なアミノ酸配列は以下の通りである:
【0217】
【化22】

(キット)
本明細書に記載される化合物は、キットとして提供され得る。キットは、(a)本明細書に記載の化合物、例えば、本明細書に記載の化合物を含む組成物、および必要に応じて、(b)情報材料、を含む。情報材料は説明的、指示的、市場向け材料、または本明細書に記載の方法および/もしくは本明細書に記載の化合物の本明細書に記載される方法のための使用に関する他の材料であり得る。
【0218】
キットの情報材料はその形態において限定されない。一実施形態において、情報材料として、化合物の生産、化合物の分子量、濃度、使用期限日、バッチ等または生産地情報などについての情報を含む。一実施形態において、情報材料は化合物を投与する方法に関する。
【0219】
一実施形態において、情報材料は、適切な様式で本明細書に記載される化合物を投与して、本明細書に記載される方法を、例えば、適切な用量、適切な投薬形態またはまたは適切な投与様式(例えば、本明細書に記載の用量、投薬形態または投与様式)で実施するための、指示書を含み得る。別の実施形態において、情報材料は、本明細書に記載の化合物を適切な被験体(例えば、本明細書に記載の障害を有するか、またはその危険性のある、例えばヒト)に投与するための、指示書を含み得る。
【0220】
キットの情報材料は、その形態において限定されない。多くの場合、情報材料(例えば、指示書)は、印刷された様式(例えば、印刷文、図面および/または写真、例えば、標識シートまたは印刷シート)で提供される。しかし、情報材料はまた、他の形式、例えば点字印刷、コンピュータ読み取り可能な材料、ビデオ録画物またはオーディオ録音物で、提供され得る。別の実施形態において、キットの情報材料は、連絡情報、例えば物理的なアドレス、電子メールアドレス、ウエブサイトまたは電話番号であり、ここで、キットの使用者は、本明細書に記載の化合物および/または本明細書に記載の方法におけるその使用に関する、実質的な情報を取得し得る。勿論、情報材料はまた、複数の形式のいずれの組み合わせでも提供され得る。
【0221】
本明細書に記載の化合物に加えて、キットの組成物は、他の成分、例えば、溶媒または緩衝液、安定剤、防腐剤、矯味矯臭薬(例えば、苦いアンタゴニストまたは甘味剤)、香料もしくは他の化粧品成分、および/または本明細書に記載の状態もしくは障害を処置するための第二の薬剤を、含み得る。あるいは、他の成分をキットに含まれ得るが、本明細書に記載の化合物とは異なる組成物または容器に含まれ得る。そのような実施形態において、キットは、本明細書に記載の化合物と他の成分とを混合するための指示書、または本明細書に記載の化合物を他の成分と一緒に使用するための指示書を含み得る。
【0222】
本明細書に記載の化合物はいかなる形態、例えば、液体形態、乾燥形態または凍結乾燥形態で、提供され得る。本明細書に記載の化合物は、実質的に純粋であり、そして/または滅菌されていることが好ましい。本明細書に記載の化合物が液体溶液中に提供される場合、液体溶液は好ましくは水溶液であり、滅菌水溶液が好ましい。本明細書に記載の化合物が乾燥形態として提供される場合、再構築は通常、適切な溶媒の添加による。溶媒、例えば、滅菌水または緩衝液は、必要に応じて、キットで提供され得る。
【0223】
キットは、本明細書に記載の化合物を含む組成物のために一つ以上の容器を備え得る。いくつかの実施形態において、キットは、組成物および情報材料のための別々の容器、仕切りまたは区画を備える。例えば、組成物は、ボトル、バイアルまたはシリンジに収容され得、そして情報材料はプラスチックのスリーブまたはパケットに収容され得る。他の実施形態において、キットの別々の要素は、単一の非分割容器内に収容される。例えば、組成物は、標識の形で情報材料を取り付けられたボトル、バイアルまたはシリンジに収容される。いくつかの実施形態において、キットは、それぞれが本明細書に記載の化合物の一つ以上の単位投薬量形態(例えば、本明細書に記載の投薬量)を収容する、複数の個々の容器(例えば、個々の容器の1パック)を備える。例えば、キットは、それぞれが本明細書に記載の化合物の単回の単位用量を収容する複数のシリンジ、アンプル、ホイルパケットまたはブリスターパックを備える。キットの容器は気密性、防水性(例えば、湿気の変化または蒸発に対して非透過性)および/または耐光性であり得る。
【0224】
キットは、必要に応じて、組成物の投与に適切なデバイス、例えば、シリンジ、吸入器、ピペット、ピンセット、計量スプーン、スポイト(例えば、眼用スポイト)、めん棒(例えば、木綿のめん棒または木製のめん棒)、またはそのような任意の投与デバイスを含む。好ましい実施形態において、デバイスは、例えば外科的な挿入のためにパッケージ化された、医療移植デバイスである。
【0225】
患者が本発明の分子で処置されたという事実、または本発明の分子による処置に対する患者の応答を、単独または他の情報(例えば、患者に関する他の情報)と組み合わせて使用して、被験体に提供されたサービスまたは治療の費用を支払うための財源の認定または移転を決定し得る。例えば、実在者(例えば、病院、介護士、政府機関、または医療出費を支払うか返済する保険会社もしくは他の実在者)は、このような情報を使用して、当事者(例えば、被験体患者以外の当事者)が、患者に提供されたサービスまたは治療の費用を支払うかどうかを決定し得る。例えば、第一の実在者(例えば、保険会社)はそのような情報を利用して、患者に対してまたは患者に代わって金銭の支払を行うかどうか、例えば、第三者(例えば、製品またはサービスの業者、病院、医師または他の介護士)に対して、患者に提供されたサービスまたは処置の費用を支払うかどうかを、決定し得る。例えば、第一の実在者(例えば、保険会社)がそのような情報を利用して、保険プランまたはプログラム(例えば、健康保険または生命保険プランもしくは生命保険プログラム)において個人を認定、推薦、支払い、返済、継続、中止、登録するかどうか決定し得る。
【0226】
(データベース)
本発明はまた、本明細書に記載の一つ以上の化合物に関する情報またはそれらを同定する情報を、患者(例えば、本明細書に記載の障害を有し、治療される患者)に関するパラメーターと組み合わせたデータベースを特徴とする。パラメーターは一般的なパラメーター、例えば、血圧、中心体温等、またはウイルスの疾患または障害に関連したパラメーター、例えば本明細書に記載のもの、例えばウイルス荷重または白血球細胞数であり得る。
【0227】
印刷物、電子媒体、コンピュータ読み取り可能な保存媒体または他の形態のいずれであれ、抄録、記事、雑誌、刊行物、教材、論文、インターネットウエブサイト、データベース、特許、特許出願および特許公開が挙げられるがこれらに限定されない、本明細書で掲載される全ての参考文献は、それらの全体が参考として、明確に本明細書で援用される。
【実施例】
【0228】
(実施例1)
(試薬リスト)
【0229】
【化23】

(機器のリスト)
【0230】
【化24】

(使い捨て用品のリスト)
【0231】
【化25】

(標準的な試薬の配合)
【0232】
【化26】

(操作の説明)
(工程の説明)
1 アッセイすべきウエルの数に必要な量の2×基質を調製する。1ウエルあたり5μlが必要とされる。
2 2×基質の5μlを試験ウエルに分配する。
3 1μlの試験化合物を試験ウエルに分配する:
1μlの化合物溶媒/希釈剤をポジティブコントロールウエルに分配する:
1μlの1mMのニコチンアミドを50%阻害ウエルに分配する:
1μlの10mMニコチンアミドを100%阻害ウエルに分配する。
4 4μlのアッセイ緩衝液をネガティブコントロールウエル(酵素なしのコントロール)に分配する。
5 アッセイするウエルの数に必要な量の酵素を調製する。4μlの酵素混合物が1ウエルあたりに必要とされる。
6 4μlの酵素混合物を試験ウエルとポジティブコントロールウエルに分配する。
7 カバーをして37℃で45分間インキュベートする。
8 使用前の30分の内に、アッセイするウエルの数に対して1×発色剤/停止試薬を調製する。
9 10μlの1×発色剤/停止試薬をすべてのウエルに分配する。
10 室温で少なくとも15分間インキュベートする。
11 蛍光プレートリーダー(励起=350〜380nm、発光=440〜460)で読む。
12 基質中のFluor de Lysは、いずれのデータに対する計算をする前にバックグラウンドとして差し引く必要のある固有蛍光を有する。これらの値はネガティブコントロールウエル中に見出し得る。
【0233】
(付録1:Fluor de Lys脱アセチル化スタンダードを用いる標準曲線の作成)
1 1μMの標準希釈物を作ることにより上記アッセイに組み合わせて用いる脱アセチル化標準の濃度範囲を決定する。10μlの1μM希釈物を10μlの発色剤と混合し、このアッセイが読み取られるのと同一の波長設定および感度設定で読み取る。AFU(任意の蛍光単位)/μMのこの概算を用いて、標準曲線において試験する濃度範囲を決定する。
2 アッセイ緩衝液中に、所望の濃度範囲のFluor de Lys脱アセチル化標準の希釈物系列を調整する。
3 10μlアッセイ希釈緩衝液を「ゼロ」ウエルに分注する。
4 10μlの標準希釈物をウエルに分注する。
5 10μl発色剤をウエルに分注し、15分間、室温でインキュベートする。
6 プレートを上記波長で読む。
7 Fluor de Lys脱アセチル化標準の濃度(x)に対して発光シグナル(y)をプロットし、その傾きをAFU/μMとして決定する。
【0234】
(発色剤反応のインヒビターの試験用プロトコール)
1 標準曲線から、アッセイのポジティブコントロールと等しい蛍光シグナルを与える脱アセチル化標準の濃度(例えば、5μM)を選択する。
2 5μlの2×脱アセチル化標準(例えば10μM)を分配する。
3 1μlの化合物、4μlアッセイ緩衝液を分配する。
4 10μlの発色剤を分配する。
5 室温で15分間(またはスクリーニングと等しい時間)インキュベートし、スクリーニングと同じ設定で読み取る。
【0235】
(実施例2)
HeLa細胞にGFP−hSIRT2アイソフォーム1をトランスフェクトした。トランスフェクションの36時間後、1μMのTSA、およびDMSOまたは50μMの化合物8のいずれかを加えた。翌朝、細胞を固定し、透過処理し、アセチル化チューブリンについて染色した。DMSOで処理された細胞では、SIRT2を発現する細胞中にごく小量のアセチル化チューブリンしか存在せず、化合物8で処理された細胞では、チューブリンはさらに高度にアセチル化され、SIRT2の効果がブロックされたことを示している。図2を参照のこと。
【0236】
ウエスタン分析を用いて化合物の効果を観察することも可能であった。293T細胞に、eGFP(コントロール)またはマウスSIRT2アイソフォーム1(mSIRT2)のいずれかをトランスフェトした。TSAを加えて、アセチル化チューブリンの量を増加させ、同時にDMSOまたは下記化合物のいずれかを10μMまで加えた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体におけるHIV媒介性障害を処置するための方法であって、該方法は、式(I):
【化1】

を有する化合物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
は、H、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C300〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、またはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は1〜5個のRにより必要に応じて置換され得;
は、H、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、またはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は1〜5個のRにより必要に応じて置換され得;
およびRの各々は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO、スルフェート、S(O)N(R、S(O)N(R、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;これらの各々は独立して一つ以上のRにより置換され;
およびRの各々は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、オキソ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO、スルフェート、S(O)N(R、S(O)N(R、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルであり;
各Rは独立してC〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、アミノカルボニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、C〜C12ヘテロシクロアルケニルアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルアルキルであり;これらの各々は1〜4個のR10により必要に応じて置換され;
Xは、NR、O、またはSであり;
は、H、C〜Cアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アリールアルキル、C〜C12ヘテロアリールアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、C〜C12ヘテロシクロアルケニルアルキル、またはC〜C12シクロアルケニルアルキルであり;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;そして
各R10は、独立してハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、またはアミノカルボニルである、方法。
【請求項2】
およびRが、ともに、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、またはC〜C10ヘテロアリールを形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
およびRが、ともに、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
およびRが、ともに、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し、該C〜C10シクロアルケニルは、1または2個のC〜Cアルキルにより必要に応じて置換される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
およびRが、ともに、C〜Cアルキルにより置換されたC〜Cシクロアルケニル環を形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
が、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニル、またはC〜C10ヘテロシクロアルケニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
がC〜C10アリールである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
がH、ハロ、C〜C10アルキル、またはC〜Cハロアルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
が、カルボキシ、シアノ、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10アルキルチオイルカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、またはヒドロキシアミノカルボニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
が、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、またはヒドロキシアミノカルボニルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
が、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、またはC〜Cジアルキルアミノカルボニルである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
が、H、チオアルコキシまたはチオアリールオキシである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
が、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、またはアミドである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
が、アミノまたはアミドである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
がアミノカルボニルアルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記アミノカルボニルアルキルのアミノが、アリール、アリールアルキル、アルキルなどにより置換される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各置換基が独立して、ハロ、ヒドロキシまたはアルコキシによりさらに置換され得る、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
が、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、またはC〜Cジアルキルアミノカルボニルであり;そしてRが、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
XがSである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
XがNRである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
が、H、C〜CアルキルまたはC〜C10アリールアルキルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、
が、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニルまたはC〜C10ヘテロシクロアルケニルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し;
が、H、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキルであるか;またはRおよびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し;
が、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、またはヒドロキシアミノカルボニルであり;
が、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドであり;そして
XがSである、方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法であって、
およびRが、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルを形成し;
が、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、またはC〜Cジアルキルアミノカルボニルであり;
が、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアミドであり;そして
XがSである、方法。
【請求項24】
前記化合物が、非SirT1サーチュインと比較してSirT1を優先的に阻害する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物が、SirT1に対して少なくとも5倍の選択性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、SirT1に対して約1μM未満のKを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
被験体におけるHIV媒介性障害を処置するための方法であって、該方法は、式(II):
【化2】

を有する化合物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
11は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO(R13)、スルフェート、S(O)N(R13、S(O)N(R13、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルであり;各々がR14により必要に応じて置換され;
12は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO(R)、スルフェート、S(O)N(R、S(O)N(R、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、あるいはヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;各々がR15と必要に応じて置換され;
13は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、またはC〜C10シクロアルケニルであり;
14は、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、オキソ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)NH、S(O)NH、ホスフェート、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
15は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールアルコキシまたはC〜C10ヘテロアリールアルコキシであり;
ZはNR16、OまたはSであり;
各Yは独立してNまたはCR18であり;
16は、H、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルであるか;またはR11またはR12の一方およびR16は4〜6個の炭素、1〜3個の窒素、0〜2個の酸素および0〜2個の硫黄を含む環状部分を形成し;各々がR17により必要に応じて置換され;
17は、ハロ、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、オキソ、メルカプト、チオアルコキシ、SOH、スルフェート、S(O)NH、S(O)NH、ホスフェート、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cチオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;そして
18はH、ハロまたはC〜Cアルキルである、方法。
【請求項28】
ZがNR16である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ZがNR16であり、R16がC〜C10アルキル、シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
16が、1つ以上のハロ、アルキルまたはアルコキシにより置換されたC〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
11が、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SO(R13)、スルフェート、S(O)N(R13、S(O)N(R13である、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
11が、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
11が、1つ以上のアシル、アミドアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
11が、1つ以上のアミド、アミノカルボニル、C〜CアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cジアルキルアミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
11が、アミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
12が、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニルである、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
12が、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
12が、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜C10アリールオキシまたはC〜C10ヘテロアリールオキシにより置換されたC〜C10アルキルである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
12が、アリールオキシにより置換されたC〜C10アルキルである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
各YがNである、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
請求項27に記載の方法であって、
11が、1つ以上のアシル、アミドアミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルにより置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシであり;
12が、1つ以上のハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜C10アリールオキシまたはC〜C10ヘテロアリールオキシより置換されたC〜C10アルキルであり;
ZがNR16であり;
各YがNであり;そして
16が、1つ以上のハロ、アルキルまたはアルコキシにより置換されたC〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルである、方法。
【請求項42】
被験体におけるHIV媒介性障害を処置するための方法であって、該方法は、式(III):
【化3】

を有する化合物の有効量を該被験体に投与する工程を包含し、
ここで、
21は、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキルであるか;またはR22およびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は、1〜5個のR25と必要に応じて置換され得;
22は、ハロ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキルであるか;またはR21およびそれが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;これらの各々は1〜5個のR26により必要に応じて置換され;
23は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アシル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニルであり;
24は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、アシルまたはアミジルであり;これらの各々はR27により必要に応じて置換され;
各R25およびR26は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
27は、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
28は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C10シクロアルケニルであり;
Qは、S、OまたはNR29であり;
29は、H、C〜Cアルキル、C〜C12アラルキルまたはC〜C12ヘテロアラルキルであり;
PはNまたはCR30であり;そして
30はHまたはC〜Cアルキルである、方法。
【請求項43】
21およびR22が、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
21およびR22が、それらが結合する炭素とともに、C〜C10のシクロアルケニルを形成する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
23が、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアシルである範囲42に記載の方法。
【請求項46】
23が、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニルまたはC〜C10ヘテロシクロアルケニルである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
24が、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシである、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
24が、C〜C10アルキル、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
24が、C〜C10アルキルまたはチオアルコキシであり;そしてR27が、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
24が、カルボキシ、カルボキシレート、アミジルまたはアミノカルボニルにより置換されたC〜C10アルキルまたはチオアルコキシである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
XがSである、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
YがNである、請求項42に記載の方法。
【請求項53】
請求項42に記載の方法であって、
21およびR22が、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;
23が、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノまたはアシルであり;
24が、C〜C10アルキル、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシであり;
27が、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、アシル、アミジル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
QがSであり;そして
PがNである、方法。
【請求項54】
請求項42に記載の方法であって、
21およびR22が、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルケニルまたはC〜C10ヘテロシクロアルケニルを形成し;
23が、C〜C10アルキル、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アミノ、C〜CアルキルアミノまたはC〜Cジアルキルアミノであり;
24が、C〜C10アルキル、チオアルコキシ、チオアリールオキシまたはチオヘテロアリールオキシであり;
27が、カルボキシ、カルボキシレート、SOH、スルフェート、S(O)N(R28、S(O)N(R28、ホスフェート、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜C10アルコキシカルボニルであり;
QがSであり;そして
PがNである、方法。
【請求項55】
被験体においてHIV媒介性障害を処置するための方法であって、該方法は、式(IV):
【化4】

を有する化合物の有効量を投与する工程を包含し、
ここで、
41は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アシル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニルまたはC〜C10チオアルコキシカルボニルであり;これらの各々が1個以上のR44により必要に応じて置換され;
42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10シクロアルキル、C〜C10ヘテロシクリル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールであり、これらの各々が1〜4個のR45により必要に応じて置換され;または
44は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、C〜C10アリールオキシ、C〜C10ヘテロアリールオキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R46、S(O)N(R46、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、あるいはヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
45は、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、オキソ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、メルカプト、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、SOH、スルフェート、S(O)N(R46、S(O)N(R46、ホスフェート、C〜Cアルキレンジオキシ、アシル、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜C10アルコキシカルボニル、C〜C10チオアルコキシカルボニル、ヒドラジノカルボニル、C〜Cアルキルヒドラジノカルボニル、C〜Cジアルキルヒドラジノカルボニル、ヒドロキシアミノカルボニルまたはアルコキシアミノカルボニルであり;
46は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜C12アラルキル、C〜C12ヘテロアラルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニルまたはC〜C10シクロアルケニルであり;そして
MはNR47、SまたはOであり;
47は、H、ハロ、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜Cハロアルキル、C〜C10アルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、カルボキシ、カルボキシレート、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アシル、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜CジアルキルアミノカルボニルまたはC〜C10アルコキシカルボニルである、方法。
【請求項56】
42およびR43が、それらが結合する炭素とともに、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
42およびR43が、それらが結合する炭素とともに、フェニルを形成する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
42およびR43が、それらが結合する炭素とともに、フェニルを形成し、かつハロまたはC〜C10アルキルにより置換される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
41が、C〜C10アルキルであり;そしてR44が、H、ハロ、C〜C10アリール、C〜C10ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクリル、C〜C12アルケニル、C〜C12アルキニル、C〜C10シクロアルケニル、C〜C10ヘテロシクロアルケニル、アシル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、カルボキシまたはC〜C10アルコキシカルボニルである、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
MがOである、請求項55に記載の方法。
【請求項61】
請求項55に記載の方法であって、
41が、C〜C10アルキルであり;そしてR44が、アシル、アミノ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、アミド、アミノカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、カルボキシまたはC〜C10アルコキシカルボニルであり;
42およびR43は、それらが結合する炭素とともに、C〜C10アリールまたはC〜C10ヘテロアリールを形成し;そして
MはOである、方法。

【公表番号】特表2007−529422(P2007−529422A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551523(P2006−551523)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/002897
【国際公開番号】WO2005/072412
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506147445)エリクシアー ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】