説明

振動計測装置および振動計測方法

【課題】振動の測定および解析を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】高速度カメラ4の撮像部4aは、ケーブル10の各実測点に設けられたマーカーシール5が正反射する光を撮像する。高速度カメラ4の計算処理部4bは、撮像部4aによる撮像と並行して、撮像部4aが撮像した画像毎に各実測点の座標を求める。高速度カメラ4のメモリ4cは、各実測点の座標に係るデータを記憶する。コンピュータ6は、メモリ4cに記憶された各実測点の座標に係るデータを用いてケーブル10の振動分析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を非接触で測定する振動計測装置および振動計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物の振動を非接触で計測する振動計測装置においては、高速度カメラ等で測定対象物の画像を時系列的に撮像して全画像を一時保存した後、全画像データをコンピュータに転送して、オフラインにて各種計算処理によって実測点の座標変化を検知する手法が一般的である。
【0003】
特許文献1には、測定対象物に設けられた複数の測定対象部毎に、撮像部で時系列画像を撮像し、この時系列画像をデータ処理部に出力して、データ処理部で時系列画像に基づいて測定対象物の振動分析を行う振動計測装置及び記憶媒体が開示されている。ここで、データ処理部は、領域内の着目した画素とその周囲の画素成分とを比較し、その結果を回転ベクトルとして表示することで、測定対象部を高確率で検出することができるようにしている。
【0004】
なお、特許文献2には、タイミング制御された2つのカメラがそれぞれ撮影した画像情報をメモリに保存し、CPUがメモリから読み出した画像情報を用いてテンプレートマッチング法により特徴点の三次元座標を算出する三次元計測方法が開示されている。しかし、この方法では特徴点の位置認識に時間がかかり、数十Hz〜数百Hzで振動する測定対象物を測定対象とすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4005795号明細書
【特許文献2】特開2011−123051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、測定対象物に加える振動が数Hz〜500Hz程度であれば、撮像速度が1kHzオーダの高速度カメラを使用する必要がある。さらに、加振周波数をスイープする(例えば、100secの時間をかけて加振周波数を30Hzから500Hzまで徐々に変化させる)場合、例えば1kHz×100sec=100,000枚の画像を撮像して各点の座標を検出する必要がある。そうすると、高速度カメラに全画像データを一時保存するための大容量の記憶装置が必要になる。また、高速度カメラからコンピュータに全画像データを転送する時間や、コンピュータが各種の計算処理を行う時間等が長大になる。そのため、振動の測定および解析を容易に行うことができない。
【0007】
本発明の目的は、振動の測定および解析を容易に行うことが可能な振動計測装置および振動計測方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における振動計測装置は、1以上の実測点が設けられて振動する測定対象物の画像を撮像装置で撮像してデータ化し、そのデータを用いて情報処理装置で前記測定対象物の振動分析を行う振動計測装置であって、前記撮像装置は、各実測点を含む画像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による撮像と並行して、前記撮像手段が撮像した画像毎に各実測点の座標を求める計算処理手段と、前記計算処理手段が求めた各実測点の座標に係るデータを記憶する記憶手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記記憶手段に記憶された各実測点の座標に係るデータを用いて前記測定対象物の振動分析を行うことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、撮像装置は、画像撮像と並行してリアルタイムに各実測点の座標を求め、求めた各実測点の座標に係るデータを記憶する。情報処理装置は、撮像装置に記憶された各実測点の座標に係るデータを用いて測定対象物の振動分析を行う。このように、撮像装置は、画像データをそのまま記憶手段に記憶するのではなく、撮像した画像から求めた各実測点の座標に係るデータを記憶手段に記憶するので、記憶手段の記憶容量を小さくすることができる。また、撮像装置から情報処理装置へは、画像データを転送するのではなく、各実測点の座標に係るデータを転送するので、データを情報処理装置に転送する時間を短縮することができる。さらに、情報処理装置は、画像データを用いて測定対象物の振動分析を行うのではなく、各実測点の座標に係るデータを用いて測定対象物の振動分析を行うので、情報処理装置が振動分析のために行う各種の計算処理にかかる時間を短縮することができる。よって、振動の測定および解析を容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明における振動計測装置において、前記計算処理手段は、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記測定対象物の振動方向および前記撮像手段の撮像方向に直交する方向に輝度を合計することで輝度ヒストグラムを求め、当該輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出してよい。上記の構成によれば、輝度ヒストグラムを求め、この輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の座標を求めることができる。
【0011】
また、本発明における振動計測装置において、前記計算処理手段は、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記撮像手段の撮像方向に直交する所定方向に輝度を合計することで第1輝度ヒストグラムを求めるとともに、前記撮像手段の撮像方向および前記所定方向に直交する方向に輝度を合計することで第2輝度ヒストグラムを求め、前記第1輝度ヒストグラムの重心座標および前記第2輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出してよい。上記の構成によれば、測定対象物が複数の方向に振動する場合に、第1輝度ヒストグラムおよび第2輝度ヒストグラムを求め、これら輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の二次元座標を求めることができる。
【0012】
また、本発明における振動計測装置において、前記計算処理手段は、算出した各実測点の座標に基づいて、前記実測点毎に前記座標検出範囲を設定してよい。上記の構成によれば、算出した各実測点の座標に基づいて、実測点毎に座標検出範囲を設定することを測定回毎に繰り返すことで、座標検出範囲を実測点の動きに追従させることができる。これにより、座標検出範囲から実測点がはみ出ないようにすることができる。
【0013】
また、本発明における振動計測装置においては、各実測点に設けられて光を正反射するマーカと、前記マーカに対して光を照射する投光手段と、前記撮像手段の光軸を前記投光手段の光軸と同軸にする反射手段と、を更に有し、前記撮像手段は、前記マーカが正反射する光の輝度が前記測定対象物の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において、前記マーカが正反射した光を撮像してよい。上記の構成によれば、各実測点に設けられたマーカが正反射する光の輝度が測定対象物の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において、マーカに対して光を照射し、マーカが正反射した光を撮像手段で撮像する。これにより、マーカが正反射した光を撮像手段で高効率に受光して撮像することができるので、実測点の座標を精度良く求めることができる。
【0014】
また、本発明における振動計測装置においては、前記測定対象物の周辺に複数の前記撮像装置が互いに撮像方向を異ならせて配置されており、複数の前記撮像装置による撮像タイミングを同期させる同期手段を更に有していてよい。上記の構成によれば、撮像方向が互いに異なる複数の撮像装置による撮像タイミングを同期させることで、同時刻における各実測点の座標変化を複数の角度から検出することができる。これにより、三次元的に各実測点の座標が変化する測定対象物の振動状態(振動変位)を三次元で取得することができる。
【0015】
また、本発明における振動計測方法は、1以上の実測点が設けられて振動する測定対象物の画像を撮像装置で撮像してデータ化し、そのデータを用いて情報処理装置で前記測定対象物の振動分析を行う振動計測方法であって、前記撮像装置が有する撮像手段で各実測点を含む画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップと並行して、前記撮像装置が有する計算処理手段で前記画像毎に各実測点の座標を求める計算処理ステップと、前記計算処理ステップで求めた各実測点の座標に係るデータを前記撮像装置が有する記憶手段に記憶させる記憶ステップと、前記記憶ステップで前記記憶手段に記憶させた各実測点の座標に係るデータを用いて、前記情報処理装置で前記測定対象物の振動分析を行う振動分析ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、撮像装置は、画像撮像と並行してリアルタイムに各実測点の座標を求め、求めた各実測点の座標に係るデータを記憶する。情報処理装置は、撮像装置に記憶された各実測点の座標に係るデータを用いて測定対象物の振動分析を行う。このように、撮像装置は、画像データをそのまま記憶手段に記憶するのではなく、撮像した画像から求めた各実測点の座標に係るデータを記憶手段に記憶するので、記憶手段の記憶容量を小さくすることができる。また、撮像装置から情報処理装置へは、画像データを転送するのではなく、各実測点の座標に係るデータを転送するので、データを情報処理装置に転送する時間を短縮することができる。さらに、情報処理装置は、画像データを用いて測定対象物の振動分析を行うのではなく、各実測点の座標に係るデータを用いて測定対象物の振動分析を行うので、情報処理装置が振動分析のために行う各種の計算処理にかかる時間を短縮することができる。よって、振動の測定および解析を容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明における振動計測方法において、前記計算処理ステップでは、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記測定対象物の振動方向および前記撮像手段の撮像方向に直交する方向に輝度を合計することで輝度ヒストグラムを求め、当該輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出してよい。上記の構成によれば、輝度ヒストグラムを求め、この輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の座標を求めることができる。
【0018】
また、本発明における振動計測方法において、前記計算処理ステップでは、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記撮像手段の撮像方向に直交する所定方向に輝度を合計することで第1輝度ヒストグラムを求めるとともに、前記撮像手段の撮像方向および前記所定方向に直交する方向に輝度を合計することで第2輝度ヒストグラムを求め、前記第1輝度ヒストグラムの重心座標および前記第2輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出してよい。上記の構成によれば、測定対象物が複数の方向に振動する場合に、第1輝度ヒストグラムおよび第2輝度ヒストグラムを求め、これら輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の二次元座標を求めることができる。
【0019】
また、本発明における振動計測方法において、前記計算処理ステップでは、算出した各実測点の座標に基づいて、前記実測点毎に前記座標検出範囲を設定してよい。上記の構成によれば、算出した各実測点の座標に基づいて、実測点毎に座標検出範囲を設定することを測定回毎に繰り返すことで、座標検出範囲を実測点の動きに追従させることができる。これにより、座標検出範囲から実測点がはみ出ないようにすることができる。
【0020】
また、本発明における振動計測方法において、前記撮像ステップでは、各実測点に設けられたマーカが正反射する光の輝度が前記測定対象物の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において前記マーカに対して光を照射し、前記マーカが正反射した光を前記撮像手段で撮像してよい。上記の構成によれば、各実測点に設けられたマーカが正反射する光の輝度が測定対象物の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において、マーカに対して光を照射し、マーカが正反射した光を撮像手段で撮像する。これにより、マーカが正反射した光を撮像手段で高効率に受光して撮像することができるので、実測点の座標を精度良く求めることができる。
【0021】
また、本発明における振動計測方法においては、前記測定対象物の周辺に複数の前記撮像装置を互いに撮像方向を異ならせて配置し、前記撮像ステップでは、複数の前記撮像装置による撮像タイミングを同期させてよい。上記の構成によれば、撮像方向が互いに異なる複数の撮像装置による撮像タイミングを同期させることで、同時刻における各実測点の座標変化を複数の角度から検出することができる。これにより、三次元的に各実測点の座標が変化する測定対象物の振動状態(振動変位)を三次元で取得することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の振動計測装置および振動計測方法によると、撮像装置は、撮像した画像から求めた各実測点の座標に係るデータを記憶手段に記憶するので、記憶手段の記憶容量を小さくすることができる。また、撮像装置から情報処理装置へは、各実測点の座標に係るデータを転送するので、データを情報処理装置に転送する時間を短縮することができる。さらに、情報処理装置は、各実測点の座標に係るデータを用いて測定対象物の振動分析を行うので、情報処理装置が振動分析のために行う各種の計算処理にかかる時間を短縮することができる。よって、振動の測定および解析を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】振動計測装置を示す模式図である。
【図2】ケーブルを示す模式図である。
【図3】撮像された画像を示す模式図である。
【図4】測定点画像を示す図である。
【図5】振動測定例を示す図である。
【図6】ケーブルを示す模式図である。
【図7】座標検出範囲を示す模式図である。
【図8】座標検出範囲を示す模式図である。
【図9】測定点画像を示す図である。
【図10】振動計測装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
[第1実施形態]
(振動計測装置の構成)
本実施形態による振動計測装置1は、図1に示すように、振動する測定対象物(ケーブル10)の画像を撮像装置(高速度カメラ4)で撮像してデータ化し、そのデータを用いて情報処理装置(コンピュータ6)で測定対象物の振動分析を行う装置である。振動計測装置1は、ハロゲンランプ(投光手段)2と、ハーフミラー(反射手段)3と、高速度カメラ4と、マーカーシール(マーカ)5と、コンピュータ6と、を有している。なお、測定対象物はケーブルに限定されない。
【0026】
測定対象物であるケーブル10には、複数の実測点が設けられている。本実施形態においては、ケーブル10には7つの実測点が設けられている。図2に示すように、ケーブル10の7つの実測点の各々には、マーカーシール5が貼られている。マーカーシール5は光を正反射するタイプのものであって、縦が1mmで横が2mmの長方形をしている。また、ケーブル10が置かれたステージ上には、基準点となるマーカーシール5’が設置されている。
【0027】
ハロゲンランプ2は、図1に示すように、ケーブル10の長手方向に直交する方向であって、ケーブル10の振動方向に直交する方向からケーブル10の実測点(マーカーシール5)に対して光を照射する。ハーフミラー3は、ハロゲンランプ2とケーブル10との間に配置されており、マーカーシール5が正反射した光を高速度カメラ4に導くように反射させる。ここで、ハーフミラー3は、マーカーシール5が正反射した光を高速度カメラ4が効率良く受光するように、高速度カメラ4の光軸をハロゲンランプ2の光軸と同軸にしている。なお、ハーフミラー3の代わりにプリズムを用いてもよい。
【0028】
高速度カメラ4は、撮像速度が1kHzオーダのカメラであり、撮像部(撮像手段)4aと、計算処理部(計算処理手段)4bと、メモリ(記憶手段)4cと、を有している。撮像部4aは、ハーフミラー3を介して、ケーブル10の振動方向に直交する方向から実測点(マーカーシール5)および基準点(マーカーシール5’)を含む画像を撮像する。
【0029】
高速度カメラ4の撮像部4aが撮像した画像の模式図を図3に示す。図3に示すように、ケーブル10の7つの実測点にそれぞれ貼られたマーカーシール5が正反射する光の輝度、および、ステージ上に設置された基準点となるマーカーシール5’が正反射する光の輝度が、ケーブル10の他の部分が反射する光の輝度よりも明るい環境下にされている。ここで、図3に示す輝点21〜27が7つの実測点であり、輝点28が基準点である。これにより、高速度カメラ4による高速撮像で露光時間が短時間になっても、マーカーシール5が正反射した光を撮像部4aで高効率に受光して撮像することができるので、実測点の座標を精度良く求めることができる。
【0030】
高速度カメラ4の撮像部4aにより撮像された測定点画像を図4に示す。この測定点画像は、7つの実測点のうちの1つの実測点について拡大した輝度画像であり、この実測点に設定された座標検出範囲を示している。ここで、縦軸はケーブル10の長手方向であり、横軸はケーブル10の振動方向である。高速度カメラ4の画像視野中、マーカーシール5の位置座標は、振動によって時間的に変化していく。この座標変化は、ケーブル10の振動方向である横軸に生じるが、ケーブル10の長手方向である縦軸にはほとんど生じない。
【0031】
高速度カメラ4の計算処理部4bは、撮像部4aによる撮像と並行してリアルタイムに、撮像部4aが撮像した画像毎に各実測点の座標を求める。具体的には、計算処理部4bは、実測点毎に設定された座標検出範囲の中から実測点の重心座標を求め、これを実測点の座標とする。
【0032】
ここで、設定された座標検出範囲の中から実測点の重心座標を求める方法としては、最大輝度の画素の座標を1画素単位で求めるのが一般的である。具体的には、実測点毎に設定された座標検出範囲の中で、最大輝度の画素を含む画素列を選択し、選択した画素列における最大輝度の画素の座標を実測点の重心座標として算出する。しかし、この方法では、最大輝度の画素が隣の画素列に移動すると、計算対象の画素列が変化し、実測点の重心座標が不連続に変化するという問題がある。また、1画素単位の座標検出では振動変位の分解能が低い。
【0033】
そこで、『サブピクセル処理』と呼ばれる、輝度分布から1画素以下(サブピクセル)の分解能で実測点の重心座標を求めるテクニックを用いる。具体的には、計算処理部4bは、実測点毎に設定された座標検出範囲において、ケーブル10の振動方向および撮像部4aによる撮像方向に直交する方向であるケーブル10の長手方向(縦軸方向)に輝度を合計することで、輝度を縦軸とし座標を横軸とする輝度ヒストグラムを求める。このとき、縦軸方向に輝度を合計することで、1次元の輝度配列が得られる。次に、「重心座標=Σ(輝度×座標)/Σ(輝度)」の『サブピクセル重心計算』を行うことで、輝度ヒストグラムの重心座標(1次元の輝度配列の重心座標)を算出する。そして、算出された輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標とする。このように、輝度ヒストグラムを求め、この輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の座標を求めることができる。
【0034】
なお、二次元平面中のサブピクセル処理としては、縦軸および横軸の各々で『サブピクセル重心計算』を行い、実測点の二次元重心座標を求めることが考えられる。しかし、本実施形態のように撮像と並行してリアルタイムで実測点の座標を求めるためには、計算量の削減が必要であり、図4に示すように振動方向である横軸のみでの『サブピクセル重心計算』を行うことで、実測点の座標を求めている。
【0035】
高速度カメラ4のメモリ4cは、計算処理部4bが求めた各実測点の座標に係るデータを記憶する。メモリ4cとしては、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、半導体メモリなど、データを記憶でき、且つ、コンピュータ6がそのデータを読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式はいずれの形態であってもよい。
【0036】
コンピュータ6は、メモリ4cに記憶された各実測点の座標に係るデータを用いてケーブル10の振動分析を行う。具体的には、コンピュータ6は、各マーカーシール5の座標の時間変化を検出することで、各実測点の振動状態(振動変位)を取得し、複数の実測点の振動変位を用いて、振動解析(振動モードや固有振動数等)を行う。
【0037】
このように、高速度カメラ4は、画像データをそのままメモリ4cに記憶するのではなく、撮像した画像から求めた各実測点の座標に係るデータをメモリ4cに記憶するので、メモリ4cの記憶容量を小さくすることができる。また、高速度カメラ4からコンピュータ6へは、画像データを転送するのではなく、各実測点の座標に係るデータを転送するので、データをコンピュータ6に転送する時間を短縮することができる。さらに、コンピュータ6は、画像データを用いてケーブル10の振動分析を行うのではなく、各実測点の座標に係るデータを用いてケーブル10の振動分析を行うので、コンピュータ6が振動分析のために行う各種の計算処理にかかる時間を短縮することができる。よって、振動の測定および解析を容易に行うことができる。
【0038】
ここで、各実測点だけでなく、基準点(マーカーシール5’)についても計測が行われている。基準点の測定結果は、振動計測装置1自体の振動を考慮に入れて各実測点の測定結果を補正する際に用いられる。
【0039】
実際に測定した振動測定例を図5に示す。振動解析では、固有振動数や振動モードの解析のため、加振周波数をスイープ(時間的に除々に変化させる)しながら、実測点の振幅変位を計測する。ここでは、加振条件として、100secの時間をかけて加振周波数を30Hzから500Hzまで徐々に変化させている。図5の測定例では、途中振幅が増加する一次振動モードが発生していることがわかる。
【0040】
(振動計測装置の動作)
次に、振動計測装置1の動作(振動計測方法)について説明する。
【0041】
まず、図2に示すように、測定対象物であるケーブル10の7つの実測点の各々に、マーカーシール5を貼る。そして、基準点となるマーカーシール5’が設置されたステージ上にケーブル10を載置する。
【0042】
次に、図1に示すように、ケーブル10の長手方向に直交する方向であって、ケーブル10の振動方向に直交する方向からケーブル10の実測点に対して光を照射するようにハロゲンランプ2を設置するとともに、高速度カメラ4の光軸がハロゲンランプ2の光軸と同軸になるように、ハーフミラー3と高速度カメラ4とを配置する。
【0043】
次に、図3に示すように、ケーブル10の7つの実測点にそれぞれ貼られたマーカーシール5が正反射する光の輝度、および、ステージ上に設置された基準点となるマーカーシール5’が正反射する光の輝度が、ケーブル10の他の部分が反射する光の輝度よりも明るくなるような環境を創出する。
【0044】
その後、高速度カメラ4の撮像部4aで、マーカーシール5およびマーカーシール5’が正反射した光の撮像を開始する。ケーブル10に対する加振周波数をスイープさせながら、1kHzオーダの撮像速度で撮像部4aが時系列的に各実測点および基準点を含む画像を撮像していく。高速度カメラ4の計算処理部4bは、撮像部4aによる撮像と並行してリアルタイムに、撮像部4aが撮像した画像毎に各実測点の重心座標を求める。具体的には、計算処理部4bは、図4に示すように、実測点毎に設定された座標検出範囲において、ケーブル10の長手方向(縦軸方向)に輝度を合計することで輝度ヒストグラムを求め、「重心座標=Σ(輝度×座標)/Σ(輝度)」の『サブピクセル重心計算』を行うことで、輝度ヒストグラムの重心座標を算出する。これにより、実測点の座標が1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに求まる。高速度カメラ4のメモリ4cは、計算処理部4bが求めた各実測点の座標に係るデータを記憶する。
【0045】
所定時間が経過すると、撮像部4aによる撮像を終了する。その後、コンピュータ6は、メモリ4cに記憶された各実測点の座標に係るデータを用いてケーブル10の振動分析を行う。これにより、図5に示すような振動測定例が得られる。
【0046】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る振動計測装置1および振動計測方法によると、高速度カメラ4は、画像データをそのままメモリ4cに記憶するのではなく、撮像した画像から求めた各実測点の座標に係るデータをメモリ4cに記憶するので、メモリ4cの記憶容量を小さくすることができる。また、高速度カメラ4からコンピュータ6へは、画像データを転送するのではなく、各実測点の座標に係るデータを転送するので、データをコンピュータ6に転送する時間を短縮することができる。さらに、コンピュータ6は、画像データを用いてケーブル10の振動分析を行うのではなく、各実測点の座標に係るデータを用いてケーブル10の振動分析を行うので、コンピュータ6が振動分析のために行う各種の計算処理にかかる時間を短縮することができる。よって、振動の測定および解析を容易に行うことができる。
【0047】
また、輝度ヒストグラムを求め、この輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の座標を求めることができる。
【0048】
また、各実測点に設けられたマーカーシール5が正反射する光の輝度がケーブル10の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において、マーカーシール5に対して光を照射し、マーカーシール5が正反射した光を撮像部4aで撮像する。これにより、マーカーシール5が正反射した光を撮像部4aで高効率に受光して撮像することができるので、実測点の座標を精度良く求めることができる。
【0049】
[第2実施形態]
(振動計測装置の構成)
次に、第2実施形態による振動計測装置51について説明する。第2実施形態による振動計測装置51は、図6(a)に示すように、撓んだ状態で振動するケーブル60を測定対象物として振動分析を行う点で、第1実施形態の振動計測装置1と異なっている。
【0050】
第1実施形態においては、図6(b)に示すように、直線状のケーブル10の振動方向は長手方向に直交する方向にほぼ限定されていた。そのため、第1実施形態においては、図7(b)に示すように、振動方向に細長い枠状の座標検出範囲を実測点毎に設定すれば、実測点が座標検出範囲からはみ出すことがなかった。しかし、本実施形態においては、図6(a)に示すように、撓んだケーブル60の振動方向は長手方向に直交する方向に限定されず、ケーブル60は複数の方向に振動する。なお、ケーブル60の片側の端のみをステージに固定するなどの複雑な設置状態も想定され、ケーブル60の左端部、中央部、右端部といった要部毎に振動方向が異なり、更には加振周波数や経過時間によって振動方向が変化する可能性がある。そのため、本実施形態において、図7(a)に示すように、実測点毎に細長い枠状の座標検出範囲を設定すると、振動方向によっては実測点が座標検出範囲からはみ出す可能性がある。そこで、実測点が座標検出範囲からはみ出さないように、座標検出範囲を大きくすることが考えられるが、振動方向によっては実測点が隣の座標検出範囲に入ってしまうため、実現するのが困難である。
【0051】
そこで、本実施形態においては、図8に示すように、実測点毎に縦横比率の大きくない形状(例えば正方形)の座標検出範囲を設け、実測点の動きに追従して座標検出範囲が移動するようにしている。なお、各実測点はケーブル60上にほぼ等間隔に設けられているため、座標検出範囲が移動したとしても隣の実測点とは一定の距離を保っており、座標検出範囲同士が近接することがない。そのため、座標検出範囲を適切な大きさに設定しておけば、互いに干渉することがない。
【0052】
具体的には、高速度カメラ4の撮像部4aにより撮像された測定点画像である図9に示すように、実測点毎に設定された座標検出範囲において、撮像部4aによる撮像方向に直交する所定方向(縦軸方向)に輝度を合計することで第1輝度ヒストグラムを求め、1次元データとなった輝度配列に対して、「重心座標=Σ(輝度×座標)/Σ(輝度)」の『サブピクセル重心計算』を行うことで、第1輝度ヒストグラムの重心座標を算出する。さらに、撮像部4aによる撮像方向および所定方向に直交する方向(横軸方向)に輝度を合計することで第2輝度ヒストグラムを求め、1次元データとなった輝度配列に対して、「重心座標=Σ(輝度×座標)/Σ(輝度)」の『サブピクセル重心計算』を行うことで、第2輝度ヒストグラムの重心座標を算出する。これにより、実測点の二次元座標が1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに求まる。
【0053】
次に、第1輝度ヒストグラムの重心座標と、第2輝度ヒストグラムの重心座標とからなる二次元重心座標を中心として、次回の測定における座標検出範囲を設定する。これを測定回毎に繰り返すことで、座標検出範囲が実測点の動きに追従する。これにより、座標検出範囲から実測点がはみ出すことがない。
【0054】
その他の構成は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0055】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る振動計測装置51および振動計測方法によると、ケーブル60が複数の方向に振動する場合に、第1輝度ヒストグラムおよび第2輝度ヒストグラムを求め、これら輝度ヒストグラムの重心座標を実測点の座標として算出することで、1画素単位以下(サブピクセル)の分解能で高精度且つ滑らかに実測点の二次元座標を求めることができる。
【0056】
また、算出した各実測点の座標に基づいて、実測点毎に座標検出範囲を設定することを測定回毎に繰り返すことで、座標検出範囲を実測点の動きに追従させることができる。これにより、座標検出範囲から実測点がはみ出ないようにすることができる。
【0057】
[第3実施形態]
(振動計測装置の構成)
次に、第3実施形態による振動計測装置101について説明する。第3実施形態による振動計測装置101は、図10に示すように、複数の高速度カメラ4と、複数の高速度カメラ4による撮像タイミングを同期させる同期信号発生器(同期手段)11と、を備えている点で、第1実施形態の振動計測装置1および第2実施形態の振動計測装置51と異なっている。複数の高速度カメラ4は、第1実施形態のケーブル10あるいは第2実施形態のケーブル60の周辺に互いに撮像方向を異ならせて配置されている。ケーブル10,60の各実測点には、光を発する発光マーカ12が設けられている。
【0058】
複数の高速度カメラ4の各々には、同期信号発生器11から撮像タイミング同期信号が入力される。そのため、複数の高速度カメラ4の各々は、撮像タイミングを同期させて各発光マーカ12が発光する光の撮像を行う。これにより、同時刻における各実測点の座標変化を複数の角度から検出することができる。図示しないコンピュータ6は、カメラキャリブレーションを行うことで、各実測点の三次元座標(X,Y,Z)を出力する。これにより、S字状にたわんだ状態で三次元的に座標が変化するケーブル10,60の振動状態(振動変位)を三次元で取得することができる。
【0059】
なお、測定対象物がケーブル10,60のように細線の場合には、発光マーカ12を用いずに、レーザー光をケーブル10,60に全面照射してもよい。この場合、X方向及びZ方向の振動成分を分析することができる。
【0060】
その他の構成は第1実施形態および第2実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0061】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る振動計測装置101および振動計測方法によると、撮像方向が互いに異なる複数の高速度カメラ4による撮像タイミングを同期させることで、同時刻における各実測点の座標変化を複数の角度から検出することができる。これにより、例えばケーブル10がS字状にたわんだような状態で振動し三次元的に各実測点の座標が変化する状態であっても、ケーブル10の振動状態(振動変位)を三次元で取得することができる。
【0062】
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0063】
例えば、第1実施形態において、輝度ヒストグラムの重心座標からなる実測点の座標を中心として次回の測定における座標検出範囲を設定することを測定回毎に繰り返すことで、座標検出範囲を実測点の動きに追従させてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1,51,101 振動計測装置
2 ハロゲンランプ
3 ハーフミラー
4 高速度カメラ
4a 撮像部
4b 計算処理部
4c メモリ
5,5’ マーカーシール
6 コンピュータ
10,60 ケーブル
11 同期信号発生器
12 発光マーカ
21〜28 輝点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の実測点が設けられて振動する測定対象物の画像を撮像装置で撮像してデータ化し、そのデータを用いて情報処理装置で前記測定対象物の振動分析を行う振動計測装置であって、
前記撮像装置は、
各実測点を含む画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像と並行して、前記撮像手段が撮像した画像毎に各実測点の座標を求める計算処理手段と、
前記計算処理手段が求めた各実測点の座標に係るデータを記憶する記憶手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、前記記憶手段に記憶された各実測点の座標に係るデータを用いて前記測定対象物の振動分析を行うことを特徴とする振動計測装置。
【請求項2】
前記計算処理手段は、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記測定対象物の振動方向および前記撮像手段の撮像方向に直交する方向に輝度を合計することで輝度ヒストグラムを求め、当該輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出することを特徴とする請求項1に記載の振動計測装置。
【請求項3】
前記計算処理手段は、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記撮像手段の撮像方向に直交する所定方向に輝度を合計することで第1輝度ヒストグラムを求めるとともに、前記撮像手段の撮像方向および前記所定方向に直交する方向に輝度を合計することで第2輝度ヒストグラムを求め、前記第1輝度ヒストグラムの重心座標および前記第2輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出することを特徴とする請求項1に記載の振動計測装置。
【請求項4】
前記計算処理手段は、算出した各実測点の座標に基づいて、前記実測点毎に前記座標検出範囲を設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の振動計測装置。
【請求項5】
各実測点に設けられて光を正反射するマーカと、
前記マーカに対して光を照射する投光手段と、
前記撮像手段の光軸を前記投光手段の光軸と同軸にする反射手段と、
を更に有し、
前記撮像手段は、前記マーカが正反射する光の輝度が前記測定対象物の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において、前記マーカが正反射した光を撮像することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動計測装置。
【請求項6】
前記測定対象物の周辺に複数の前記撮像装置が互いに撮像方向を異ならせて配置されており、
複数の前記撮像装置による撮像タイミングを同期させる同期手段を更に有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動計測装置。
【請求項7】
1以上の実測点が設けられて振動する測定対象物の画像を撮像装置で撮像してデータ化し、そのデータを用いて情報処理装置で前記測定対象物の振動分析を行う振動計測方法であって、
前記撮像装置が有する撮像手段で各実測点を含む画像を撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップと並行して、前記撮像装置が有する計算処理手段で前記画像毎に各実測点の座標を求める計算処理ステップと、
前記計算処理ステップで求めた各実測点の座標に係るデータを前記撮像装置が有する記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記記憶ステップで前記記憶手段に記憶させた各実測点の座標に係るデータを用いて、前記情報処理装置で前記測定対象物の振動分析を行う振動分析ステップと、
を有することを特徴とする振動計測方法。
【請求項8】
前記計算処理ステップでは、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記測定対象物の振動方向および前記撮像手段の撮像方向に直交する方向に輝度を合計することで輝度ヒストグラムを求め、当該輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出することを特徴とする請求項7に記載の振動計測方法。
【請求項9】
前記計算処理ステップでは、前記実測点毎に設定された座標検出範囲において、前記撮像手段の撮像方向に直交する所定方向に輝度を合計することで第1輝度ヒストグラムを求めるとともに、前記撮像手段の撮像方向および前記所定方向に直交する方向に輝度を合計することで第2輝度ヒストグラムを求め、前記第1輝度ヒストグラムの重心座標および前記第2輝度ヒストグラムの重心座標を前記実測点の座標として算出することを特徴とする請求項7に記載の振動計測方法。
【請求項10】
前記計算処理ステップでは、算出した各実測点の座標に基づいて、前記実測点毎に前記座標検出範囲を設定することを特徴とする請求項8又は9に記載の振動計測方法。
【請求項11】
前記撮像ステップでは、各実測点に設けられたマーカが正反射する光の輝度が前記測定対象物の他の部分が反射する光の輝度よりも高い環境下において前記マーカに対して光を照射し、前記マーカが正反射した光を前記撮像手段で撮像することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の振動計測方法。
【請求項12】
前記測定対象物の周辺に複数の前記撮像装置を互いに撮像方向を異ならせて配置し、
前記撮像ステップでは、複数の前記撮像装置による撮像タイミングを同期させることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の振動計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−47674(P2013−47674A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−167016(P2012−167016)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000130259)株式会社コベルコ科研 (174)
【Fターム(参考)】