説明

接触式プローブ

【課題】 接触式プローブによる形状測定において、測定物表面にゴミなどがあっても安定して走査可能なプローブを提供する。
【解決手段】 ハウジングに固定してプローブシャフトに力を加える事が可能な力発生手段を設け、ハウジングとプローブシャフトの間の変位や速度によってプローブシャフトに作用させる力を変化させる事で安定した走査を可能にする。すなわち、正常にトレースが行われている時は、弱いばね要素としての力をプローブシャフトに作用させ、ごみ等により跳ね上げられた時は、ばね要素の剛性を強める事で素早くプローブを測定面に戻すようにする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
3次元測定装置は、被測定物の形状をトレースするプローブと、そのプローブの位置を測定する座標測定手段の2つに分けて、構成を考えることができる。この時、プローブにとって重要なことは、被測定物の表面位置を座標測定可能な部材にうつしとることである。プローブが被測定物表面に対してトレースする時の誤差をトレース誤差と呼ぶ。従来、このプローブの構成として、特許公開平6−265340号に開示されているように、エアー軸受けを用いて上下に移動可能にプローブシャフトを設け、ばねで自重を支えている。また、1992年度精密工学会春期大会学術講演論文集p697にも、やはりエアー軸受けを用いて上下に移動可能にプローブシャフトを設け、ばねで自重を支える構成が提案されている。
【0002】
このようなプローブを用いて形状をトレースする場合、前述したトレース誤差が生じる。トレース誤差があってもプローブの押しつけ力誤差にならないように十分弱いばね、つまりばね定数が十分小さい必要がある。なぜなら、トレース誤差にばね定数を掛けた量が押しつけ力の誤差になるからである。
【0003】
また,別の従来例として,特許公開2003−42742には磁力を利用してプローブの自重をキャンセルする方法が開示されている。これは、ヨーク、永久磁石およびコイルからなる磁気回路をヨークがプローブを挟むように固定し,ヨークとプローブの間に発生する磁力により自重をキャンセルするものであった。
【0004】
また、プローブはしばしば、スタイラス、触針子、フィーラーと呼ばれることがあるが、本明細書ではプローブに統一する。
【特許文献1】特開平06−265340号公報
【特許文献2】特開2003−42742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来例では測定物表面のゴミなどの影響をうけやすいという問題があった。
【0006】
図5は従来の接触式プローブを模式的に示す図であり、3次元的に移動可能な測定軸等の移動部材123の先端部に一方向に移動可能にプローブ122を配設し、プローブ122は、その先端に球121を有し、ばね124によって移動部材123に吊下げられている。このばね124は、トレース誤差を生じないように、非常に弱いばねである。
【0007】
このようなプローブを使用して被測定物を走査すると、測定面表面に付着しているゴミ、チリ等とプローブ先端が衝突し、プローブが測定面上方に跳ね上げられる事が考えられる。跳ね上げられると、プローブ質量とばね係数から計算される固有振動数で振動する。押し付け力を小さくするために、ばね剛性を弱くしていると、プローブが測定面に再び戻ってくるのに時間がかかる。飛んでいる区間のデータは異常値となり、測定結果として使用する事ができない。飛んでいる区間を短くするには、走査速度を落とす必要があるが、これは、測定時間を引き延ばし、結果として、測定精度劣化や測定コスト上昇といった問題を引き起こす。
【0008】
さらに、トレース制御の調整は、プローブと測定面が正しくコンタクトしている状態で実施されているために、プローブと測定面が離れた状態がある時間以上続くと、制御系が破綻し、測定続行不能となり、測定を最初からやり直さなければならなくなる。これは、測定コストの上昇につながる。
【0009】
例えば、プローブ質量を10g、ばね定数をK=0.001mN/μmであるとすると、プローブ部分の固有振動数は、sqrt(K/M)/2π =1.6Hzと非常に低い。跳ね上げられて、再び測定面にプローブが戻ってくるのは、固有振動数周期の半分であると考えると、いったん跳ね上げられると、1/1.6Hz/2≒0.3S程度、測定面からプローブが離れている事になる。例えば、走査速度10mm/sで走査しているとすると、その間にプローブは走査方向に3mm程度はなれている事になり、この区間で得られた測定結果は異常値として用いる事ができない。
【0010】
本発明の目的は、このような状況を鑑みてなされたものであり、測定物表面のゴミなどの影響を、軽減する事である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の作用を、図4を用いて説明する。
【0012】
図に示したように、移動部材123に対し一方向(図4ではZ方向)に移動可能にプローブ122を設け,移動部材123に対してプローブ122を移動方向に懸架する。また、磁石113、コイル114から構成されるボイスコイルレスモータを設け、移動部材123からプローブ122にプローブ移動方向に力を作用させる事が可能な構成になっている。ここで、コイル114、磁石113から構成されるボイスコイルレスモータは電流制御装置115を用いて以下の制御則により制御する。
【0013】
【数1】

【0014】
ただし、Fはボイスコイルレスモータの発生力、Kは設定ばね定数、Cは設定粘性係数、xは移動部材123とプローブ122との間の相対変位を表している。
【0015】
上式中の設定ばね定数K、設定粘性係数Cは、ソフトウェア的に自由に設定できる。また、測定中のいろんな状況に応じて、値を切り替える事も可能である。
【0016】
例えば、正常に被測定物表面を走査できているときは、設定ばね定数Kを弱い値に設定しておけば、トレース誤差の影響を受けずに精度よく走査ができるので都合がよい。
【0017】
しかしながら、ごみ等により、プローブが跳ね上げられて、被測定面と離れた場合は、設定ばね剛性が弱いままであると、プローブが再び測定面に戻ってくるのに時間がかかる。これを防ぐためには、跳ね上げられた時だけ、設定剛性、設定粘性を変更すれば、都合よいことは、明らかである。例えば、跳ね上げられた時だけ、設定剛性を強くしてやれば、プローブの固有振動数が上がるので、素早く測定面にプローブを戻す事ができる。また、設定粘性と設定剛性は自由に設定できるので、減衰比も結局設定可能なわけであるが、減衰比が大きくなるようにしてやれば、測定面にプローブが戻ったとき、再びプローブが跳ね上がる事もなくなる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、プローブに付加した力発生機構により、ばね要素的な力や、粘性要素的な力をプローブに対して状況に応じて作用させる事ができる。また、プローブ変位により、ばね要素的な力の設定剛性や、粘性要素的な力の設定粘性を切り替える事でトレースを安定させる事ができる。すなわち、正常に、測定面表面をトレースしている時には、弱いばね要素として動作させ、測定面上のごみ等によりプローブが跳ね上げられた時には、設定剛性を変化させて固有振動数を上昇させてプローブを素早く測定面に戻し、また、設定粘性を調節する事で着地時にプローブが再び跳ね上がらないようにする事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施例1)
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態の接触式プローブを組み込んだ形状測定装置を一部破断して示す構成図で、図2は、その測定フローであり、図3は、プローブシャフトに組み込まれた力発生要素の制御フローである。
【0021】
図1において、球1を取り付けるための円錐状の先端を持ったプローブチップ2を、スペーサ3を挟んで、プローブシャフト4の下側にねじ込み固定する。また、ミラー6をミラー固定駒5に接着固定し、2つの永久磁石18を両端に接着した鉄心19を挿入した鉄心ホルダを挟んで、プローブシャフト4の上側にねじ込み固定する。
【0022】
また、ヨーク17が、第2のハウジング16に対してヨーク連結治具7を介して固定されている。ヨーク17は箱型の構成をとっており、永久磁石18、鉄心19、ヨーク17によって磁気回路を形成するようになっている。また、永久磁石と対向するヨークの内面にはプローブ移動方向において曲率が設けられている。
【0023】
ここで、磁気回路の作用について詳細に説明はしないが、ヨーク17を適当な形状にする事によって、磁気回路は、以下に示すような力を発生する事ができる。
【0024】
F = +0.06467−11.14z(ただし、F[N]、Z[m])
式(1)
となる。ただし、式中、zはプローブシャフト4とハウジング10との相対変位である。
【0025】
式(1)における第1項は、定数でプローブシャフト4の自重を支える力を発生させる項である。第2項は、プローブシャフト4の移動量zを含み、zが大きくなればなるほど力が減少することを示している。プローブシャフトが変位するにしたがって発生力がかわるので、機械的なばねを形成しているといえる。
【0026】
プローブシャフト4は、薄い空気膜を介して非接触に支持する手段いわゆる空気軸受け11を介して、ハウジング10に対して上下方向に移動可能に支持されており、ハウジング10には、空気軸受け11に圧縮空気を導くための圧縮空気穴12が穿設してある。これらの圧縮空気穴12は、ドリルで片面からあけ必要に応じて穴の表面部分をネジ止めや接着材等で塞ぐなどすれば、ハウジング10内部を自由に引き回すことができる。この圧縮空気穴12は圧縮空気配管13に接続され、さらに図示しない圧縮空気源に接続されている。この構成により、プローブシャフト4は上下方向に摩擦なしに自由に移動することができる。
【0027】
ハウジング10にはその下面部に突起状の下側ストッパー10bが設けられており、スペーサ3と衝突することによってプローブシャフト4の上方向への過剰な動きを規制する。下方向への過剰な動きに対しても同様に、突起状の上側ストッパー10aがハウジング10の上面部に設けられており、プローブシャフト4に設けられた突起に突き当たるようになっている。ハウジング10は、測定軸15に固定された第2のハウジング16に固定され支持されている。
【0028】
また、プローブシャフト4には永久磁石72が、ハウジング10にはコイル73が配設されている。コイル73は、電流制御装置71に接続されており、コイルに電流を流す事ができる。コイル71に通電する事によりプローブシャフト4をZ方向に駆動する力を発生できる。電流制御装置71には、後述のポジションセンサ23から出力を電気信号に変換するセンサーアンプ14からの出力が一部分岐して接続され、ハウジング10とプローブシャフト4の間の位置決め制御が可能なようになっている。
【0029】
測定軸15は、プローブシャフト4と同じ方向に、すなわち上下方向(Z方向)に、ガイド31を用いて移動可能にXYテーブル28に対して支持され、ボールネジ36とサーボモータ29で駆動される。XYテーブル28は、図示しない定盤に対してXおよびY方向に移動可能にガイドされ、サーボモータ(不図示)で位置決めされる。測定軸15を駆動するサーボモータ29はサーボアンプ32に接続され、サーボアンプ32は、制御系切り替え装置33に接続される。サーボモータ29の回転軸にはエンコーダ30が接続してあり、その出力を位置制御補償回路35に接続する。制御系切り替え装置33が位置制御系に接続している時は、測定軸15の位置を制御することができる。この制御系切り替え装置33は図示していないコントローラで自動制御され、図2に示すフローチャートにしたがって測定動作が行われる。
【0030】
また、干渉計27は、測定軸15に固定され、その上方に基準ミラー26を配置し、基準ミラー26はフレーム25に固定する。この構成により、干渉計27はミラー6とミラー26の間の距離を測定することができる。フレーム25の下方部分には被測定物の載置台(不図示)が設けられ、この載置台に被測定物24が固定される。
【0031】
ポジションセンサ23は、センサーアンプ14に接続され、プローブシャフト4とハウジング10の相対位置を電気信号に変換する。センサーアンプ14は針圧制御補償回路34に接続され、さらに制御系切り替え装置33に接続されている。この制御系切り替え装置33が針圧制御系に接続されているときは、センサーアンプ14の出力が一定になるように、サーボモータを制御する。
【0032】
次に、以上のように構成された形状測定装置を用いて行う測定動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
【0033】
最初に、制御系切替え装置33を位置制御系に設定し、すなわち、測定軸15の位置が一定になるようにフィードバック制御系を選択し、そして、安全位置、すなわち、プローブが最も被測定物24から離れる方向に測定軸15を退避させる(ステップS01)。
【0034】
そして、最初の測定点の上に来るようにXY軸28を移動させる(ステップS02)。
【0035】
次に、測定軸15をさげて、プローブとワークを接触させる(ステップ04)。
【0036】
プローブとワークが接触したら、プローブポジションセンサ23が所定の位置になるまで測定軸をさげる(ステップ06)。
【0037】
ここで、先端の球1が、被測定物に接触して反力を受けると、プローブシャフト4が押し上げられる。プローブシャフト4が押し上げられると、式(1)中のzがプラス側に増える。すると、磁気回路の発生する力が弱まるので、プローブの先端球1が被測定物等を押しつける力がその分だけ次第に増える。これはばね要素がそこにあるのと同じ作用である。したがって、ポジションセンサアンプ14の出力は、プローブの押しつけ力を表している。
【0038】
プローブの先端球と被測定物等の接触は、プローブの変位測定信号、すなわち、センサーアンプ14の信号をモニタしていれば判別できる。
【0039】
そして、制御系切り替えスイッチ33を針圧制御系に切り替えて、ポジションセンサ23の値が一定になるように制御する(ステップS06)。そのまま、被測定物の測定領域をXY軸を用いて走査(トレース)し、同時に測定軸の位置を図示しない座標測定装置で測定する(ステップS07)。
【0040】
また、プローブの上下方向については、ミラー6と参照ミラー26の間の距離を測定する干渉計27で直接測定する。全測定領域を走査したら、制御系切り替え装置33を再び位置制御系に切り替え、測定軸を安全位置に退避し(ステップS08)、測定を終了する。
【0041】
針圧制御中のボイルコイルレスモータ制御について図3を用いて説明する。
【0042】
ボイスコイルモータ制御の基本的な考え方は、
1.測定面とプローブが離れている間だけ、ボイスコイルモータを制御し、積極的に、プローブを測定面にもどすような力をプローブに作用させる。
【0043】
2.ボイスコイルレスモータの制御式は、F=−Kx−Cdx/dt(A式)とする。
【0044】
3.A式中のK、C値を、適宜変化させる事により、プローブを測定面に戻す時間を短縮する。
【0045】
4.測定面から離れたかどうかの判断は、針圧制御の偏差から判断する。
【0046】
5.一旦、測定面から離れたら、その後Δtだけ、プローブに力を作用させる。
【0047】
以下、順を追って説明する。
【0048】
まず、ステップS06(図2中)で、プローブが針圧制御に切り替えられると、図示しない通信手段により、それを検知し(S11)、制御に用いるパラメータを初期化する(S12)。
【0049】
次に、現状のプローブ変位xを取得する(S13)。すなわち、ハウジング10とプローブシャフト4の相対変位をポジションセンサセンサ23によって取得する。
【0050】
次に、タイマカウントtとあらかじめ決められた閾値Δtの大小を比較する(S14)。タイマカウントtがΔtよりも大なら、S15にすすみ、小ならS18にすすむ。S14における場合分けは、大なら、針圧制御が良好にかかっている事を意味している。小なら、針圧制御がうまくいっていないことを意味する。
【0051】
S15では、針圧制御の制御偏差の大きさとあらかじめ設定していたΔeとの比較を行う。すなわち、S15において比較した結果が大なら、測定面表面上のごみ等により、プローブが測定面と離れてしまっているとして、ボイスコイルレスモータにより、積極的にプローブを測定面に戻すように制御をおこなう。
【0052】
S17においてタイマカウントtを0に設定すると、図3にしめす制御ループ(S13〜S22)の次のターンからΔtだけS14における比較の結果が小となって、S18にすすむようにする。S18では、A式中の設定ばね定数Kと設定粘性定数Cを設定し、その後、S19でタイマカウントを一つ進める。
【0053】
S15の結果が小なら、S16へすすみ、設定ばね定数K、設定粘性係数Cを0とする。
【0054】
S20では、K、C、x、dx/dtからボイスコイルレスモータの発生力Fを算出する。
【0055】
算出した発生力になるようにボイスコイルレスモータへ電流を流す(S21)。
【0056】
その後、針圧制御終了有無を確認し(S22)、終了していたら、設定ばね定数、設定粘性定数K、Cを0に設定し、終了する。
【0057】
例えば、いまプローブ質量Mを10gとして、磁気回路によるばねの定数を0.001mN/μmだとすると、プローブが自由振動するときの固有振動数fは、sqrt(K/M)/2・/πから1.6HZとなる。すなわち、プローブが走査中に測定面表面のごみ等によって跳ね上げられると、固有振動数の1周期の半分である1/1.6HZ/2=0.3sは、プローブは測定面から離れた状態となってしまう。離れた状態のデータは、測定データとして用いる事ができない。走査速度が10mm/sであると、10mm/s×0.3s=3mmも測定できない区間ができてしまう。さらに、最悪の場合には、プローブと測定面が離れている間に制御系が破綻してその時点で測定を停止してしまう事もある。
【0058】
そこで、本実施例のように、針圧制御中の偏差を監視して、それが、設定された閾値Δeを超えたら、測定面とプローブが離れたと判断して、離れていればボイスコイルレスモータを用いて、プローブ移動方向のばね定数を擬似的に大きくしてやれば、プローブを測定面に早く戻すことができる。例えば、S18で設定する設定ばね定数を、1mN/μmと設定してやれば、プローブの固有振動周波数f‘は、sqrt(K/M)/2/πから50.3Hzとなる。測定面にもどる時間は、周期の半分であると考えられるから、当初0.3Sであった時間が10msまで短縮される。この場合、S14における閾値Δtは、10msよりも長い値、例えば、30msに設定すればよい。
【0059】
また、S18で設定する設定粘性定数を適当な値に設定すれば、プローブが測定面にスムースに着地できる事はいうまでもない。例えば、設定粘性定数を4.42N/(m/s)程度に設定すれば、減衰比ζが0.7となり、ちょうど測定面にもどってきたプローブが測定面ではねることなくスムースに着地できる。
【0060】
以上、説明してきたように、本実施例によれば、コイル73、永久磁石72から構成される力発生要素により、プローブシャフト4に対して、ばね要素的な力や、粘性要素的な力を状況に応じて作用させることできる。その結果、測定面上のごみ等によりプローブが跳ね上げられた時も、測定面からプローブが離れる時間を短縮させる事ができる。また、測定面にもどってきたプローブを測定面ではねることなくスムースに着地させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態の接触式プローブを組み込んだ形状測定装置を一部破断して示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の接触式プローブを組み込んだ形状測定装置の測定動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の接触式プローブを組み込んだ形状測定装置の針圧動作中の力発生要素の制御を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態の接触式プローブを説明するための模式図である。
【図5】従来の接触式プローブを説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0062】
1 球
2 プローブチップ
3 スペーサ
4 プローブシャフト
4a プローブシャフト突起
5 ミラー固定駒
6 ミラー
7 ヨーク連結治具
10 ハウジング
10a、10b ストッパー
10 ハウジング
11 空気軸受
12 圧縮空気穴
13 圧縮配管
14 ポジションセンサアンプ
15 測定軸
16 第2ハウジング
17 ヨーク
18 永久磁石
19 鉄心
20 鉄心ホルダ
23 ポジションセンサ
24 ワーク
25 フレーム
26 基準ミラー
27 干渉計
28 XY軸
29 モータ
30 エンコーダ
31 ガイド
32 モータアンプ
33 制御系切替え装置
34 針圧制御補償回路
35 位置制御補償回路
36 ボールネジ
71 電流制御装置
72 永久磁石
73 コイル
113 永久磁石
114 コイル
115 電流制御装置
121 球
122 プローブ
123 移動部材
124 ばね
131 ポジションセンサ
132 センサアンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材に固定して、3次元的に移動可能な移動部材を有し、移動部材の先端に一方向に移動可能に設けたプローブを有し、プローブを被測定物に接触させ、その時の座標位置を測定する形状測定装置において、
プローブとベース部材の相対変位を測定するプローブ変位測定手段を有する事と、
ベース部材に固定してプローブ移動方向に対してプローブに作用する力を発生する力発生手段を有する事と、
前記、力発生手段を制御する制御手段を有する事と、
プローブ変位測定手段から取得した情報から前記力発生手段と前記制御手段によってプローブに作用させる力を変化させる事
を特徴とする形状測定プローブ。
【請求項2】
請求項1記載のプローブにおいて、力発生手段によってプローブに作用させる力が移動部材とプローブの相対変位に比例する事を特徴とする形状測定プローブ。
【請求項3】
請求項1記載のプローブにおいて、力発生手段によってプローブに作用させる力が移動部材とプローブの相対速度に比例する事を特徴とする形状測定プローブ。
【請求項4】
請求項2もしくは3記載のプローブにおいて、比例係数を切り替える事を特徴とする形状測定プローブ。
【請求項5】
請求項4記載のプローブにおいて、移動部材とプローブの相対変位の値により比例係数を切り替える事を特徴とする形状測定プローブ。
【請求項6】
請求項4記載のプローブにおいて、時間により比例係数を切り替える事を特徴とする形状測定プローブ。
【請求項7】
請求項2もしくは3記載のプローブにおいて、プローブと移動部材の減衰比が0.7以上になるように力発生手段によりプローブに力を作用させる事を特徴とする形状測定プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−57308(P2007−57308A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241068(P2005−241068)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】