説明

携帯情報端末、位置情報監視システムおよび位置情報監視方法

【課題】GPSを利用した位置情報の監視システムにおいて、監視側の負担を軽減する。
【解決手段】現在地の位置情報を求めるGPS受信機構(14)を具備する携帯情報端末(10)に、自端末と通信可能な監視端末のアドレス情報を自端末のメモリ(13)に格納する手段(11b)と、電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報をメモリに格納する手段(11a)と、GPS受信機構から供給された位置情報がエリア情報に対応するか否かを判定する手段(11d)と、この判定が否のときメモリのアドレス情報に基づき監視端末へ警告メッセージを送信する手段(11e)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS(Global Positioning System)を利用して個人の行動を把握するためのシステムに関し、特に、GPS受信機能を具備する携帯情報端末を利用したシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、児童や高齢者の所在管理、あるいは業務管理等を目的として、個人の所在をGPSにより監視する技術が知られている。GPSを利用するにあたっては、監視対象となる個人にGPS受信機を携行させることが必要となるが、携行の利便性を考慮して、携帯電話機のようなモバイル端末にGPS受信機能を付加した技術が提案されている。かかる従来の技術は、例えば、後述の特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1には、GPS受信装置と時刻および位置データを記録する手段とを備える携帯端末、及び、この端末からの位置データをもとに移動履歴を編集して表示する手段を備えるホスト装置を備えるシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2001−194177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の手法によれば、監視対象者に携帯端末を持たせることにより、その現在地を遠隔から把握することは出来るが、現在地を確認するには、その都度、ホスト装置への問い合わせが必要となる。
【0005】
そのため、例えば、監視対象である子供の保護者が勤務中である場合のように、監視者による問い合わせ操作が困難な状況下では、対象者の現在地を頻繁に確認することはできない。特に、児童や高齢者のように、単独での外出に不慣れな者を監視しようとする場合、監視者に一層の不安を招くこととなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、GPSを利用した位置監視システムにおいて、監視側の負担を軽減し得る手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る携帯情報端末は、現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末であって、自端末と通信可能な監視端末のアドレス情報を自端末のメモリに格納する手段と、電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報を前記メモリに格納する手段と、前記GPS受信機構から供給された位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定する手段と、前記判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信する手段とを備える。
【0008】
本発明に係る位置情報監視システムは、現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末と、該携帯情報端末と通信可能なサーバ装置および監視端末とを備え、前記携帯情報端末は、前記監視端末のアドレス情報と電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報とを前記サーバ装置へ送信する手段と、前記GPS受信機構から供給された位置情報を前記サーバ装置へ送信する手段とを有し、前記サーバ装置は、前記携帯情報端末からのアドレス情報およびエリア情報を自装置のメモリに格納する手段と、前記携帯情報端末からの位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定する手段と、前記判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信する手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、監視対象者が携行する携帯情報端末の現在地が登録エリアから外れたとき、監視端末に対し自動的に警告メッセージが配信されることから、監視者が能動的に監視対象の所在を確認する作業は不要となる。これにより、監視側の負担が大幅に軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に、本発明の第1の実施形態の基本構成を示す。本実施形態のシステム101は、監視される個人が携行する携帯情報端末としての携帯電話機10と、インターネット等の通信網100を介して携帯電話機10と通信可能な監視側の監視端末20と、携帯電話機10に測位データを提供するGPS衛星群30とから構成される。
【0011】
本実施形態では、携帯情報端末および監視端末として、通話および電子メールにより通信可能な携帯電話機としたが、電話機能を具備しない端末であってもよい。
【0012】
図2に、携帯電話機10の構成を示す。携帯電話機10は、そのハードウェア構成として、制御デバイスであるCPU11と、入力操作のためのキーボタンおよび画面表示のためのディスプレイを含む入出力デバイス12と、データを記憶するROM及びRAM等の記憶デバイス13と、GPS衛星群30からの測位データをもとに自端末の現在地を求めて位置情報を生成するGPS受信機構14と、通信網100に対する無線通信処理を行う通信デバイス15とを備える。
【0013】
また、携帯電話機10は、図2のCPU11内に鎖線にて示す機能構成を備える。すなわち、エリア登録手段11a、アドレス登録手段11b、位置記録手段11c、警告判定手段11d、及び、メッセージ送信手段11eである。これらの機能構成は、記憶デバイス13に予め格納されているプログラムをCPU11が実行することにより実現される作用に対応する。
【0014】
エリア登録手段11aは、座標上に展開された電子地図に対し入出力デバイス12から指定された座標範囲をエリア情報として記憶デバイス13へ格納する機能を果たす。電子地図としては、例えば、予め記憶デバイス13に格納されているものを用いるか、あるいは、通信網100の情報配信サービスを利用して、その都度取得する。
【0015】
アドレス登録手段11bは、監視端末20に対し後述の警告メッセージを送信する際に用いる電子メールアドレスを入出力デバイス12から入力されたとき、これを記憶デバイス13へ格納する機能を果たす。
【0016】
位置記録手段11cは、GPS受信機構14から一定の時間間隔で供給される現在地の位置情報を時系列に沿って記憶デバイス13へ格納する。警告判定手段11dは、位置情報が供給されるごとに、現在地が登録エリア内であるか否かを判定する。具体的には、供給された位置情報の電子地図上の座標が、エリア情報の座標範囲にあるか否かを判定する。その結果、否の場合、現在地が登録エリアから外れているとみなす。
【0017】
メッセージ送信手段11eは、警告判定手段11dの判定結果が否のとき、自端末の現在地が登録エリアから外れた旨を示す警告メッセージの電子メールを、通信デバイス15により監視端末20へ送信する。この警告メッセージは、例えば、予め作成して記憶デバイス13に登録しておく。
【0018】
図3のフローチャート及び図4〜図6の説明図を参照して、本実施形態の動作手順を説明する。まず、事前準備として、エリア情報およびアドレス情報を携帯電話機10に登録する。
【0019】
エリア情報の登録にあたっては、ユーザ操作により、携帯電話機10に電子地図を画面表示し、その画面上で監視対象者の行動範囲を入出力デバイス12を介して指定する。行動範囲としては、例えば、自宅を基点とした周囲数km程度のエリアや、通学路を含むエリア等が考えられる。この指定が行われると、エリア登録手段11aが、対応する座標範囲を示すデータを記憶デバイス13に格納する。これにより、エリア情報が登録される(図3:ステップA1-1、図4)。
【0020】
また、アドレス情報を登録する際は、ユーザ操作により、警告メッセージの宛先となる監視端末20のメールアドレスを入力する。入力されたメールアドレスは、アドレス登録手段11bにより、アドレス情報として記憶デバイス13へ格納される(図3:ステップA1-2、図4)。
【0021】
上記登録後、携帯電話機10は、位置記録手段11cにより、GPS受信機構14から一定間隔で供給される位置情報を記憶デバイス13へ順次格納する(図3:ステップA2、図5)。このとき、図5に示すように、座標のデータを時刻のデータに関連付けて格納することにより、監視対象者の行動の履歴を記録することができる。
【0022】
また、携帯電話機10は、位置情報の記録ごとに、現在地が登録エリア内にあるか否かを警告判定手段11dにより判定する(ステップA3-1)。判定の結果、現在地がエリア内であれば、問題がないものとして次の位置情報の処理に移行する。
【0023】
一方、現在地が登録エリアから外れていると判定された場合、メッセージ送信手段11eが、監視者に警告を通知すべく、通信デバイス15に対し警告メッセージの送信を指示する。通信デバイス15は、予め記憶デバイス13に格納されているアドレス情報を宛先とした警告メッセージの電子メールを通信網100へ送信する(ステップA3-2)。
【0024】
これにより、図6に示すような内容の電子メールが監視端末20へ届けられる。そして、監視端末20のユーザが、携帯電話機10に電話や電子メールを発信することにより、監視対象者の安否を確認する。
【0025】
以上説明した第1の実施形態によれば、監視対象の現在地が登録エリアから外れたとき、監視端末20に対し自動的に警告メッセージが配信されることから、監視者が能動的に監視対象の所在を確認する作業は不要となる。これにより、監視側の負担が大幅に軽減される。
【0026】
図7に、本発明の第2の実施形態の構成を示す。本実施形態のシステム102は、図7に示すように、通信網100にサーバ装置40を接続し、このサーバ装置40を携帯電話機10及び監視端末20間に介在させる構成である。サーバ装置40は、例えば、本システムを利用した情報サービスを提供する事業者により運用されるものである。
【0027】
図8に、本実施形態の携帯電話機10及びサーバ装置40の構成を示す。携帯電話機10は、その機能構成として、入出力デバイス12から入力されるエリア情報及びアドレス情報を通信デバイス15によりサーバ装置40へ送信する登録情報送信手段11fと、GPS受信機構14から定期的に得る位置情報をサーバ装置40へ送信する位置情報送信手段11gとを有する。
【0028】
サーバ装置40は、CPU41と、通信デバイス45と、記憶デバイスとしてのデータベース43とを備える。また、機能構成として、通信デバイス45により受信した携帯電話機10からのエリア情報、アドレス情報及び位置情報をデータベース43へ格納するエリア登録手段41a、アドレス登録手段41b及び位置記録手段41cと、図2に示す携帯電話機10の警告判定手段11d及びメッセージ送信手段11eと同様な機能を果たす警告判定手段41d及びメッセージ送信手段41eとを有する。
【0029】
図9に示すシーケンスを参照して、本実施形態の動作手順を説明する。まず、監視対象者の行動範囲を登録するために、携帯電話機10に電子地図を展開する。なお、電子地図は、予め携帯電話機10の記憶デバイス13に保存されているものを利用してもよいが、ここでは、サーバ装置40から取得するものとする。
【0030】
携帯電話機10がサーバ装置40にアクセスして電子地図を要求すると、サーバ装置40は、データベース43に保存されている電子地図のデータを携帯電話機10へ送信する(ステップS1)。このとき、データベース43の電子地図に代えて、インターネット上で公開されている電子地図を利用してもよく、その場合、該当のサイトのURLをサーバ装置40から携帯電話機10へ通知する。
【0031】
携帯電話機10は、取得した電子地図をもとに形成したエリア情報と、監視端末20のメールアドレスを示すアドレス情報とをサーバ装置40へ送信する(ステップS2、S3)。サーバ装置40は、携帯電話機10から受信したエリア情報およびアドレス情報をデータベース43へ登録する(ステップS4)。
【0032】
上記登録後、携帯電話機10は、GPS受信機構14からの位置情報をサーバ装置40へ送信する(ステップS5)。サーバ装置40は、受信した位置情報をデータベース43へ記録すると共に、現在地が登録エリア内にあるか否かを判定する(ステップS6)。そして、現在地がエリア内にある場合は、問題がないものとして次の位置情報を待つ。
【0033】
ここで、監視対象者が登録エリアから外れて行動したと仮定する。その現在地の位置情報を携帯電話機10がサーバ装置40へ送信すると(ステップS7)、サーバ装置40は、それを記録すると共に、携帯電話機10の現在地がエリア外であると判定する(ステップS8)。この場合、サーバ装置40は、登録されているアドレス情報を用いて、監視端末20に対し警告メッセージの電子メールを送信する(ステップS9)。
【0034】
監視端末20は、サーバ装置40からの電子メールを受信し、警告メッセージを表示する(ステップS10)。警告メッセージを確認した監視者は、監視端末20を操作することにより、サーバ装置40に対し、監視対象者の行動履歴を提示するよう要求する(ステップS11)。なお、この行動履歴の要求は、警告メッセージを受信した後でなくとも、監視中の任意の時点で行うことができる。
【0035】
サーバ装置40は、監視端末20からの上記要求を受信すると、データベース43に蓄積した図5に示すような位置情報の履歴を電子地図に反映させ、そのデータを監視端末20へ送信する(ステップS12)。このデータは、位置情報に基づく軌跡を表す画像を電子地図に合成した画像データである。
【0036】
監視端末20は、サーバ装置40からの上記データを受信して表示する(ステップS13)。その様子を図10に示す。図示の監視端末20には、現在地までの移動の軌跡が記された電子地図が表示されている。これを確認した監視者は、例えば携帯電話機10に発呼することにより、エリアを外れて行動している監視対象者の安否を確認する。
【0037】
以上説明した第2の実施形態によれば、携帯電話機10及び監視端末20間にサーバ装置40を介在させることから、携帯電話機10の処理負荷が軽減される。サーバ装置40の運営者が警備会社等であれば、エリアから外れて行動する監視対象者を迅速に保護することができる。また、監視端末20がサーバ装置40から監視対象の軌跡を取得することにより、監視対象の行動を推測することが可能となる。
【0038】
図11は、本発明の第3の実施形態の特徴的な動作を示すフローチャートである。本実施形態は、登録したエリアを基準とした監視に加え、そのエリア内における監視対象の特異行動を監視しようとするものである。
【0039】
本実施形態のシステム構成は、図1に示すシステム101、及び、サーバ装置40を用いる図7のシステム102の何れであってもよいが、後述の処理を実行するCPUの負荷を考慮すると、本形態はサーバ装置40を用いるシステム102により実施することが望ましい。
【0040】
図12に示す説明図を参照して、携帯電話機10にエリア情報を登録する手順を説明する。本実施形態では、電子地図上で指定された行動範囲を広域登録エリアAとし、この広域登録エリアAに対し所定の座標範囲ごとに区画を施したエリアを詳細エリアaとする。すなわち、広域登録エリアAは、複数の詳細エリアaに区画されている。
【0041】
監視対象者のエリア情報を登録するにあたっては、電子地図上にて広域登録エリアAを指定した後、その中の何れかの詳細エリアaを指定する。指定された詳細エリアaは、詳細登録エリアa1として、広域登録エリアAと共にエリア情報に登録される。この詳細登録エリアa1は、監視対象者の長時間の滞在が予測されるエリアであり、例えば、学校や自宅等が挙げられる。
【0042】
上記エリア情報の登録、及び、監視端末20のアドレス情報の登録を済ませた後、図11に示す手順にて監視を行う。以下の処理は、図1のシステム101の場合は携帯電話機10が実行し、図7のシステム102であればサーバ装置40が実行する処理である。
【0043】
まず、GPS受信機構14からの位置情報を取得すると、それを記録すると共に(ステップC1)、現在地が広域登録エリアA内にあるか否かを判定する(ステップC2)。判定の結果、現在地が広域登録エリアAから外れている場合は、例えば図6に示すような警告メッセージを監視端末20へ送信する(ステップC7)。
【0044】
また、現在地が広域登録エリアA内である場合は(ステップC2:Yes)、次に、その現在地に対応する詳細エリアaが前回のものと同一か否かを判定する(ステップC3)。前回と異なる場合は、広域登録エリアA内の移動であり、問題はないものとして、次の位置情報の処理に移行する。
【0045】
一方、現在地の詳細エリアaが前回のものと同一であった場合(ステップC3:Yes)、同一となった回数をカウントする別の処理にてカウント値を「1」加算する(ステップC4)。カウント値については、例えば「10」や「20」のような上限値を予め設定しておく。この上限値は、監視対象が同一の詳細エリアaに滞在する期間の許容値として設定する。
【0046】
カウント処理を終えると、その結果が上限値に達したか否かを判定し(ステップC5)、上限に達した場合、対象の詳細エリアaが、予め登録した詳細登録エリアa1と同一かどうかを判定する(ステップC6)。上記判定の結果、対象の詳細エリアaが詳細登録エリアa1と同一であれば、登録した学校や自宅等での長期間の滞在であり、問題がないものとして次の位置情報の処理に移行する。
【0047】
また、対象の詳細エリアaが詳細登録エリアa1と異なる場合、すなわち、広域登録エリアA内であっても詳細登録エリアa1から外れた場所に長期間滞在していると判断した場合、監視対象の行動が特異である旨の警告メッセージを監視端末20へ送信する(ステップC7)。
【0048】
第3の実施形態によれば、広域登録エリアA内における監視対象者の特異行動を監視することができる。これにより、安全圏であるとして登録したエリア内にて監視対象者に不測の事態が発生することにも対処できる。
【0049】
なお、上記説明では、広域登録エリアAにいる監視対象が詳細登録エリアa1から長期間外れた場合に特異行動と判定したが、特異行動の判定基準は、上記のものに限らず他のものであってもよい。例えば、通常は徒歩で移動する者が自動車で移動した場合のように、複数の位置情報から推測される移動速度が監視対象者の行動と対応しない場合に、特異行動とみなすというものである。
【0050】
上記各実施形態では、監視対象がエリアから外れたことにより、監視端末20へ警告を通知する手順を説明したが、その後、監視対象がエリアに戻った際の通知を行うことも可能である。その手順を、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
警告メッセージを送信した際、送信済みであることを示すフラグをレジスタに設定しておく(ステップD1)。このフラグを設定することにより、同様の警告メッセージが監視端末20へ繰り返し送信されることを防止できる。なお、繰り返しの送信が必要な用途においては、上記フラグの設定を省略する。
【0052】
警告メッセージを送信後、引き続きGPS受信機構14からの位置情報を記録し(ステップD2)、現在地が登録エリア内にあるか否かを判定する(ステップD3)。その結果、現在地が登録エリアから外れている場合、上記送信済みフラグに基づき警告メッセージの要否を認識する。ここでは、フラグが有効に設定されており、送信の必要はないことから、警告メッセージを送信することなく次の位置情報の処理へ移行する。
【0053】
一方、判定の結果、現在地が登録エリア内である場合は、いったんエリアから外れた監視対象がエリア内に戻った旨の電子メールを監視端末20へ送信する(ステップD4)。電子メール送信後、上記のフラグ設定を解除する(ステップD5)。その後は、前述の実施形態で説明した手順にて、登録エリアに基づく監視を行う。
【0054】
上記手順を追加することにより、監視対象者がエリア内に戻ったことを監視側で簡易に把握することができる。また、その他、監視対象者が何らかの理由で短期間のみエリア外に出たという行動も把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態における携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における携帯電話機の動作手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の説明図である。
【図5】第1の実施形態の説明図である。
【図6】第1の実施形態の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態のシステム構成図である。
【図8】第2の実施形態における携帯電話機及びサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態のシーケンス図である。
【図10】第2の実施形態の説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態の動作手順を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態の説明図である。
【図13】本発明の他の実施形態の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
100 通信網
101、102 システム
10 携帯電話機
20 監視端末
30 GPS衛星群
40 サーバ装置
11、41:CPU、12:入出力デバイス、13、43:記憶デバイス、14:GPS受信機構、15、45:通信デバイス
11a、41a:エリア登録手段、11b、41b:アドレス登録手段、11c、41c:位置記録手段、11d、41d:警告判定手段、11e、41e:メッセージ送信手段、11f:登録情報送信手段、11g:位置情報送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末であって、
自端末と通信可能な監視端末のアドレス情報を自端末のメモリに格納する手段と、
電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報を前記メモリに格納する手段と、
前記GPS受信機構から供給された位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定する手段と、
前記判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信する手段と
を備えることを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
複数の区画を有する座標範囲を表す広域エリア情報と該広域エリア情報の特定の区画を表す詳細エリア情報とを前記エリア情報としてメモリに格納し、
前記広域エリア情報に対応し且つ前記詳細エリアに対応しない位置情報を前記GPS受信機構から所定回数供給されたとき、前記監視端末へ警告メッセージを送信することを特徴とする請求項1記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記監視端末へ警告メッセージを送信後に前記GPS受信機構から供給された位置情報が前記エリア情報に対応するとき、現在地が前記エリア情報の座標範囲内に復帰した旨のメッセージを前記監視端末へ送信することを特徴とする請求項1又は2記載の携帯情報端末。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯情報端末として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末と、該携帯情報端末と通信可能なサーバ装置および監視端末とを備え、
前記携帯情報端末は、前記監視端末のアドレス情報と電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報とを前記サーバ装置へ送信する手段と、前記GPS受信機構から供給された位置情報を前記サーバ装置へ送信する手段とを有し、
前記サーバ装置は、前記携帯情報端末からのアドレス情報およびエリア情報を自装置のメモリに格納する手段と、前記携帯情報端末からの位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定する手段と、前記判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信する手段とを有することを特徴とする位置情報監視システム。
【請求項6】
前記携帯情報端末は、複数の区画を有する座標範囲を表す広域エリア情報と該広域エリア情報の特定の区画を表す詳細エリア情報とを前記エリア情報として前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、前記広域エリア情報に対応し且つ前記詳細エリアに対応しない位置情報を前記携帯情報端末から所定回数受信したとき、前記監視端末へ警告メッセージを送信することを特徴とする請求項5記載の位置情報監視システム。
【請求項7】
前記サーバ装置は、
前記監視端末へ警告メッセージを送信後に前記携帯情報端末から受信した位置情報が前記エリア情報に対応するとき、前記携帯情報端末の現在地が前記エリア情報の座標範囲内に復帰した旨のメッセージを前記監視端末へ送信することを特徴とする請求項5又は6記載の位置情報監視システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、
前記携帯情報端末からの位置情報を時系列に沿って前記メモリに蓄積し、蓄積した位置情報に基づく履歴情報を付与した電子地図を前記監視端末へ送信することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の位置情報監視システム。
【請求項9】
現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末および監視端末と通信可能なサーバ装置であって、
前記監視端末のアドレス情報と電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報とを前記携帯情報端末から受信し且つ該情報を自端末のメモリに格納する手段と、
前記GPS受信機構が求めた位置情報を前記携帯情報端末から受信し、該位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定する手段と、
前記判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信する手段とを有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
複数の区画を有する座標範囲を表す広域エリア情報と該広域エリア情報の特定の区画を表す詳細エリア情報とを前記エリア情報として前記携帯情報端末から受信し、
前記広域エリア情報に対応し且つ前記詳細エリアに対応しない位置情報を所定回数受信したとき、前記監視端末へ警告メッセージを送信することを特徴とする請求項9記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記監視端末へ警告メッセージを送信後に前記携帯情報端末から受信した位置情報が前記エリア情報に対応するとき、前記携帯情報端末の現在地が前記エリア情報の座標範囲内に復帰した旨のメッセージを前記監視端末へ送信することを特徴とする請求項9又は10記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記携帯情報端末からの位置情報を時系列に沿って前記メモリに蓄積し、蓄積した位置情報に基づく履歴情報を付与した電子地図を前記監視端末へ送信することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項9乃至12のいずれか1項に記載のサーバ装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末が、
自端末と通信可能な監視端末のアドレス情報を自端末のメモリに格納し、電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報を前記メモリに格納し、前記GPS受信機構から供給された位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定し、前記判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信することを特徴とする位置情報監視方法。
【請求項15】
現在地の位置情報を求めるGPS受信機構を具備する携帯情報端末と、該携帯情報端末と通信可能なサーバ装置および監視端末とを備えるシステムにおいて、
前記携帯情報端末が、前記監視端末のアドレス情報と電子地図における特定の座標範囲を表すエリア情報とを前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置が、前記携帯情報端末からのアドレス情報およびエリア情報を自装置のメモリに格納し、
前記携帯情報端末が、前記GPS受信機構から供給された位置情報を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置が、前記携帯情報端末からの位置情報が前記エリア情報に対応するか否かを判定し該判定が否のとき前記メモリのアドレス情報に基づき前記監視端末へ警告メッセージを送信することを特徴とする位置情報監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−140830(P2007−140830A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332798(P2005−332798)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】