説明

摩耗低減性添加剤含有フルオロカーボンエラストマー組成物

【課題】耐薬品性と熱可塑的加工性とを組合せもつエラストマー組成物、またはゴム組成物の提供。
【解決手段】加工性ゴム組成物は加硫フルオロカーボンエラストマーと摩耗低減性添加剤とを熱可塑性ポリマー材料の母材中に分散して含有する。一実施態様では母材は連続相を形成し、加硫エラストマー材料は非連続相を形成する粒子状である。硬化剤、未硬化フルオロカーボンエラストマー、摩耗低減性添加剤および熱可塑性材料を混合し、エラストマー材料の加硫を行うのに充分な温度で充分な時間加熱し、その間機械エネルギーを混合物に加えて加熱工程中混合する。成形物品、例えばシール、ガスケット、O−リング、ホースは従来の熱可塑方法、例えばブロー成形、射出成形、押出しで容易に形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背 景
本発明は熱可塑性加硫ゴムに関する。本発明はまたかかる組成物から製造したシャフト・シール、ガスケットタイプ材料、および動的加硫技術によりこれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬化エラストマー材料は望ましい一連のエラストマー状態を代表する物性を有する。これらの材料は変形力を除去するとそれぞれの元の大きさと形状に戻る傾向が高く、1000%までの歪みレベルを含む、延伸サイクルを繰返したあとでの物性を保持している。これらの性質にもとづき、これらの材料は一般に成形物品、例えばシール、ガスケットの製造にとって有用である。
【0003】
これらの材料は熱硬化性材料であるため、硬化エラストマー材料は従来の熱可塑技術、例えば射出成形、押出し、またはブロー成形では一般的には加工できない。むしろ、エラストマー材料から高温硬化および圧縮成形で物品を成形する必要がある。これらの、またこれ以外のゴム混合練り操作は従来法で公知であるが、これらの操作は比較的簡単な熱可塑加工技術に比べてより高価であり、資本投下費用がより嵩む。もう一つの欠点は製造工程で生ずるスクラップのリサイクルと再使用が難かしく、これは更にかかる物品の製造コストを高くする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日の自動車エンジンでは使用温度が高いため塩基性物質、例えばアミンを高レベルで含有する新しい世代の潤滑剤が開発されるようになった。エラストマー材料から製造した物品、例えばシール、ガスケットは使用中にかかる流体と接触し、高温にさらされたり、腐食薬品との接触、通常の使用中での高摩耗条件を含んだ広範囲の挑戦的な環境条件にさらされる。従って、エラストマー性と、かかる環境条件に対する安定性、または耐性とを組合せた材料からかかる物品を製造することが望ましい。
【0005】
潤滑油、グリース中に存在する塩基性化合物に高耐性のフルオロカーボンエラストマーが開発されてきた。かかるエラストマーはテトラフルオロエチレンとプロピレンのコポリマーにもとずくものを含む。しかし、熱硬化材料としてかかる硬化フルオロカーボンエラストマーは上記の加工上の欠点を受ける。従って、耐薬品性と熱可塑的加工性とを組合せもつエラストマー組成物、またはゴム組成物の提供が望ましいものと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
総 括
本発明はエラストマー組成物と、これらを製造する方法を提供するものである。その実施態様は熱可塑性ウェアパッケージを含有する熱可塑性母材中に分散したエラストマーウェアパッケージを含有する硬化フルオロカーボンエラストマーから成る組成物を含み、この組成物は動的加硫される。また、フッ素含有熱可塑性材料とウェアパッケージの存在下でフルオロカーボンエラストマーを動的加硫することから成る方法で製造した組成物を提供するものである。この方法は
(a)熱可塑性材料と熱可塑性ウェアパッケージとの混合物を形成し、
(b)エラストマー材料を添加し、混合して均一ブレンド物を形成し、
(c)エラストマー性ウェアパッケージと硬化剤パッケージを添加し、
(d)混合物を加熱、混合、動的加硫し、次いで
(e)硬化混合物をペレット化することから成る方法を含む。
各種の実施態様では、フルオロカーボンエラストマー添加剤、または第一のウェアパッケージはグラファイト、メタけい酸カルシウム、ウォラストナイト、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた充填剤から成る。熱可塑性添加剤、または第二のウェアパッケージはPTFE粉末、グラファイト粉末、ポリイミド粉末、MoS2粉末、シリコーン粉末、炭素繊維、硼素繊維、アラミド繊維、シリコーン油、未硬化フルオロカーボンエラストマー、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた充填剤から成る。
【発明の効果】
【0007】
成形物品はウェアパッケージ含有ゴム組成物から従来の熱可塑化方法、例えばブロー成形、射出成形、押出しで容易に形成できる。有用な物品の例はシール、ガスケット、O−リング、ホースである。
【0008】
本発明の組成物と方法は技術的に公知の組成物と方法よりも利点を与える。かかる利点には物理的特性の改善、製造コストの低減、材料のリサイクル性の向上のうちの1つ以上を含む。本発明の更なる利点と実施態様は以下の記載から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
記 載
以下の定義と非限定的指針は以下の本発明の記載を吟味する際に考慮すべきである。
【0010】
本明細書で用いる見出し(例えば、「序論」、「総括」)、および小見出し(例えば、「エラストマー材料」)は本発明の記載内での論題の一般的な構成を意図するだけのもので、本発明の開示、または本発明の如何なる側面を限定する意図はない。特に、「序論」に開示した主題は本発明の範囲内の技術の側面を含みうるもので、先行技術の記載を構成するものではない。「総括」に開示した主題は本発明の全範囲、または本発明の任意の実施態様の包括的、または完全開示ではない。
【0011】
本明細書での引例の記載はこれらの引例が先行技術であり、または本明細書に開示の本発明の特許性への何等かの関連性があることの容認を構成するものではない。本明細書の記載部で引用する全引例はこれを言及することでそれら全体がこれにより組込まれる。
【0012】
記載と特定の実施例は本発明の実施態様を示すものであるが、単に例示を目的としたものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。更に、明言した特徴を有する複数の実施態様の記載は追加的技術を有するほかの実施態様、または明言した特徴の異なる組合せを取入れたほかの実施態様を排除する意図はない。特定の実施例は本発明の組成物と方法の製造法、使用法、実施法の例示を目的とするものであり、ほかに明言しない限り本発明の所与の実施態様は製造または試験したこと、またはしなかったことを陳述するためのものではない。
【0013】
本明細書で用いる用語「好ましい」および「好ましくは」はある状況下である利点がある本発明の実施態様を言及するものである。しかし、ほかの実施態様も同一、またはほかの状況下では好ましいこともある。更に、一つ、または多数の好ましい実施態様の記載はほかの実施態様が有用でないことを意味するものではなく、ほかの実施態様を本発明の範囲から排除する意図はない。
【0014】
本明細書で用いる用語「含む」、およびその変形体は非限定的であることを意図したもので、従ってリストでの項目の記載は本発明の材料、組成物、装置、方法でも有用であるほかの類似項目の排除を意図するものではない。
【0015】
熱可塑性母材中に分散した加硫エラストマー材料と摩耗低減性添加剤を含有する加工性ゴム組成物が提供される。この加硫エラストマー材料はフルオロカーボンエラストマーの加硫、架橋、または硬化生成物である。この加工性ゴム組成物は従来の熱可塑化技術で加工してエラストマーの性質を必要とする多くの用途にとって有用な物性を有する成形物品を形成できる。
【0016】
エラストマー材料
好ましいフルオロカーボンエラストマーは一種以上のフッ素含有モノマー、主にフッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、およびパーフルオロビニルエーテル(PFVE)の市販コポリマーを含む。好ましいPFVEはC1-8のパーフルオロアルキル基、好ましくは炭素が1〜6のパーフルオロアルキル基を有するもの、特にパーフルオロメチルビニルエーテルとパーフルオロプロピルビニルエーテルを含む。更に、これらのコポリマーはオレフィン、例えばエチレン(Et)、プロピレン(Pr)から誘導された繰返し単位も含有することができる。これらのコポリマーはまた以下に記載する比較的少量の硬化サイト・モノマー(CSM)を含有することができる。好ましいコポリマーであるフルオロカーボンエラストマーはVDF/HFP、VDF/HFP/CSM、VDF/HFP/TFE、VDF/HFP/TFE/CSM、VDF/PFVE/TFE/CSM、TFE/Pr、TFE/Pr/VDF、TFE/Et/PFVE/VDF/CSM、TFE/Et/PFVE/CSM、およびTFE/PFVE/CSMを含む。エラストマーの表記はエラストマー・ガムが合成されるモノマーを示す。エラストマー・ガムの粘度はムーニー粘度で一般に約15〜160(ML1+10、大ローター、約121℃)であり、流動性と物性の組合せから選択される。エラストマーの供給業者はダイネオン(3M)、旭硝子フルオロポリマーズ、ソレベー/アウシモント、デュポン、ダイキンを含む。
【0017】
熱可塑性母材
各種の実施態様では母材を構成する熱可塑性材料はフッ素非含有熱可塑性ポリマーである少くとも一種の成分を含む。ほかの実施態様では熱可塑性材料はフッ素含有熱可塑性材料を含む。ポリマー材料は加熱すると軟化し、流動する。一側面では、熱可塑性材料は、例えばASTM D-1238、またはD-2116で測定した溶融粘度がその融点より高い温度のものである。
【0018】
本発明の熱可塑性材料は高温度、好ましくは約100℃よりも高温度、より好ましくは約150℃以上の温度でゴム/熱可塑性材料の組合せの性質が向上するように選ばれる。かかる熱可塑性材料は物性(例えば引張強さ、弾性率、破断伸びの少くとも一種)を高温下での許容度まで維持するものを含む。好ましい一実施態様では、熱可塑性材料は高温下での物性が同等する温度下での硬化フルオロカーボンエラストマー(ゴム)の物性よりも高い(例えば、引張強さがより高く、弾性率がより高く、および/もしくは破断伸びがより高い)。
【0019】
本発明で用いる熱可塑性ポリマー材料は熱可塑性エラストマーでもよい。熱可塑性エラストマーは若干のゴム物性、例えば軟質性、可撓性、レジリエンスがあるが、熱可塑性材料と同じように加工できる。溶融物から固形のゴム状組成物への転移は冷却するとかなり急速に行われる。これは、加熱するとゆっくり硬化する従来のエラストマーとは対照的である。熱可塑性エラストマーは従来のプラスチック装置、例えば射出成形機、押出成形機で加工できる。スクラップは一般にリサイクルが容易である。
【0020】
熱可塑性エラストマーは多相構造であり、相同志は一般に密に混合しあっている。多くの場合、相同志はグラフト、またはブロック共重合で互に保持されている。少くとも一つの相は室温で硬質であるが、加熱すると流体となる材料から成る。もう一つの相は室温でゴム状である比較的軟質な材料である。
【0021】
ある熱可塑性エラストマーはA−B−Aのブロック・コポリマー構造であり、Aは硬質部、Bは軟質部を表わす。多くのポリマー材料は互に不相溶性の傾向があり、熱可塑性エラストマーの硬質部、軟質部は互に会合して硬質相と軟質相を形成する。例えば、硬質部は連続エラストマー相に分散した球状の領分、または領域を形成する傾向がある。室温では、これらの領域は硬質で立体的網目構造でエラストマー鎖を連結する物理的架橋部として作用する。かかる領域は材料を加熱、または溶媒に溶解したときに強度を失う傾向がある。
【0022】
ほかの熱可塑性エラストマーは(A-B)nで表わす繰返し構造であり、上記のようにAは硬質部、Bは軟質部を表わす。
【0023】
多くの熱可塑性エラストマーは公知である。A−B−A型の熱可塑性エラストマーの非限定的例はポリスチレン/ポリシロキサン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリエチレン−コ−ブチレン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリブタジエン/ポリスチレン、ポリスチレン/ポリイソプレン/ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン/ポリブタジエン/ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−α−メチルスチレン/ポリイソプレン/ポリ−α−メチルスチレン、およびポリエチレン/ポリエチレン−コ−ブチレン/ポリエチレンを含む。
【0024】
(A-B)n繰返し構造の熱可塑性エラストマーの非限定的例はポリアミド/ポリエーテル、ポリスルフォン/ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン/ポリエステル、ポリウレタン/ポリエーテル、ポリエステル/ポリエーテル、ポリカーボネート/ポリジメチルシロキサン、およびポリカーボネート/ポリエーテルを含む。もっとも多くの普通の市販熱可塑性エラストマーは硬質部としてポリスチレンを、軟質部としてポリブタジエン、ポリイソプレン、またはポリエチレン−コ−ブチレンのいずれかを含む。同様に、ポリスチレン/ポリイソプレン繰返しポリマーと同じく、スチレン・ブタジエンの繰返しコポリマーも市販されている。
【0025】
好ましい一実施態様では、ポリアミドとポリエーテルの交互ブロックを有する熱可塑性エラストマーが用いられる。かかる材料は市販されており、例えばピーバックス(登録商標)という商品名でアトフィナ社から市販されている。ポリアミドブロックは二酸成分とジアミン成分のコポリマーから誘導され、または環状ラクタムの単独重合で得られる。ポリエーテル・ブロックは一般に環状エーテル、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、およびテトラヒドロフランの単独ポリマーまたはコポリマーから誘導される。
【0026】
熱可塑性ポリマー材料はまた固体、一般には高分子量のプラスチック材料から選ばれる。好ましくは、これらの材料は結晶性、または半結晶性のポリマーであり、より好ましくは示差走査熱量測定で測定して少くとも25%の結晶度を有する。ガラス転移温度が適度に高い非晶質ポリマーも熱可塑性ポリマー材料として受け入れられる。これらの熱可塑性材料はまた好ましくは溶融温度、またはガラス転移温度が約80℃〜約350℃の範囲にあるが、溶融温度は一般に熱可塑性加硫ゴムの分解温度よりも低いことが必要である。
【0027】
熱可塑性ポリマーの非限定的例はポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、ポリフェニレンオキシド、ポリオキシメチレン、およびフッ素含有熱可塑性材料を含む。
【0028】
ポリオレフィンはα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1―ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、およびこれらの混合物(但しこれらに限定されるものではない)の重合により形成される。エチレンとプロピレンとのコポリマー、またはエチレン、またはプロピレンと他のα−オレフィン(例えば1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、またはこれらの混合物)とのコポリマーも考慮される。これらの単独ポリマーとコポリマー、およびこれの混合物は本発明の熱可塑性ポリマー材料として組入れられる。
【0029】
ポリエステル熱可塑性物はポリマー背骨中に繰返しエステル結合単位を含有する。一つの実施態様では、これらのポリエステル熱可塑性材料は低分子量のジオールと低分子量の芳香族二酸から誘導された繰返し単位を含有する。非限定的例は市販品グレードのポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートを含む。またはこれらのポリエステルは脂肪族ジオールと脂肪族二酸に基づくものでもよい。この例はエチレングリコール、またはブタンジオールとアジピン酸のコポリマーである。別の実施態様では、熱可塑性ポリエステルはヒドロキシルとカルボキシルの両官能性を含有するモノマーを重合して得たポリラクトンである。ポリカプロラクトンはこのクラスの熱可塑性ポリエステルの非限定的例である。
【0030】
ポリアミド熱可塑性物はポリマー背骨中に繰返しアミド結合を含有する。一実施態様ではこれらのポリアミドはジアミンモノマーと二酸モノマーから誘導された繰返し単位を含有する。例えば公知のナイロン66、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸のポリマーである。他のナイロンはジアミン成分と二酸成分の大きさを変えて得られた構造を有する。非限定的例はナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、およびナイロン6/66コポリマーを含む。別の実施態様では、これらのポリアミドはアミンとカルボキシル両官能性があるモノマーを重合して得られる構造を有する。非限定的例はナイロン6(ポリカプロラクタム)、ナイロン11、およびナイロン12を含む。
【0031】
ジアミン成分と二酸成分から得たこのほかのポリアミドはジアミンと芳香族二酸、例えばテレフタル酸とから誘導した繰返し単位を含有する高温芳香族ポリアミドを含む。これらの市販例はジェネスターの商品名でクラレが販売しているPA6T(ヘキサンジアミンとテレフタル酸のコポリマー)、PA9T(ノナンジアミンとテレフタル酸のコポリマー)を含む。若干の用途ではいくつかの芳香族ポリアミドの融点は熱可塑加工の最適温度よりも高い。このような場合には、融点は適切なコポリマーを作ることで低下させることができる。非限定的実施態様では溶融温度が約370℃であるPA6Tの場合、ポリマー製造時に有効量の非芳香族二酸、例えばアジピン酸を含ませることで実際にその融点を320℃の成形可能温度以下に低下させることが可能である。
【0032】
別の好ましい実施態様では、芳香族二酸、例えばテレフタル酸と炭素数が6よりも多い、好ましくは炭素数が9以上のジアミンとのコポリマーにもとずく芳香族ポリアミドを用いる。ジアミンの炭素鎖長の上限はポリマー合成に適したモノマーの入手性という実用上の見知から制約される。原則として、適切なジアミンは炭素数が7〜20、好ましくは9〜15の範囲、より好ましくは9〜12の範囲のものを含む。好ましい実施態様はC9、C10、C11のジアミンにもとずく芳香族ポリアミドを含む。かかる芳香族ポリアミドは炭素数が6よりも多い炭素鎖の親油性にもとずいて耐溶媒性が高レベルを示すものと考えられる。融点を好ましい成形温度(一般に320℃以下)よりも低くしたいときは、炭素数が6よりも多いジアミンにもとずく芳香族ポリアミドは、炭素数が6のジアミンにもとずく芳香族ポリアミドに関して上述したように有効量の非芳香族二酸を含有してもよい。かかる二酸の有効量は、所望の耐溶媒性を受け入れ難いものとはせずに、融点を所望の温度範囲内に低下させるのに充分な量である。
【0033】
高温熱可塑物のそのほかの非限定的例はポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、および高温ポリイミドを含む。液晶ポリマーは化学的に繰返し直鎖状芳香族環を含有する直鎖状ポリマーにもとずくものである。芳香族構造のため、この材料はX線回析法で検出できる特性間隔があるネマチック溶融状態にある領域を形成する。この材料の例はヒドロキシ安息香酸のコポリマー、またはエチレングリコールと直鎖状芳香族ジエステル、例えばテレフタル酸、またはナフタレンジカルボン酸のコポリマーを含む。
【0034】
高温熱可塑性ポリイミドは芳香族二無水物と芳香族ジアミンとの高分子反応生成物を含む。これらは多くの業者から市販されている。一例は1,4−ベンゼンジアミンと1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物とのコポリマーである。
【0035】
一実施態様では母材は少くとも一種のフッ素非含有熱可塑性ポリマー、例えば前述のものから成る。熱可塑性フッ素含有ポリマーは広範囲のポリマーと商業製品から選択できる。これらのポリマーは溶融加工性であり、加熱すると軟化、流動し、熱可塑化技術、例えば射出成形、押出し、圧縮成形、ブロー成形で容易に加工できる。これらの材料は溶融と再加工で容易にリサイクルできる。
【0036】
熱可塑性ポリマーは完全にフッ素化、または部分的にフッ素化できる。完全フッ素化熱可塑性ポリマーはテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルのコポリマーを含む。パーフルオロアルキル基は好ましくは炭素数が1〜6である。コポリマーのほかの例はPFA(TFEとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマー)、MFA(TFEとパーフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー)である。完全フッ化熱可塑性ポリマーのほかの例はTFEと炭素数が3〜8のパーフルオロオレフィンのコポリマーを含む。非限定的例はFEP(TFEとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー)を含む。
【0037】
部分フッ素化熱可塑性ポリマーはE-TFE(エチレンとTFEのコポリマー)、E-CTFE(エチレンとクロロトリフルオロエチレンのコポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を含む。多くのフッ化ビニリデンの熱可塑性コポリマーも本発明での使用に適したポリマーである。これらはパーフルオロオレフィン、例えばヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、クロロトリフルオロエチレンとのコポリマーを無制限に含む。
【0038】
熱可塑性ターポリマーも使用できる。これらはTFE、HFP、フッ化ビニリデンの熱可塑性ターポリマーを含む。
【0039】
これらの、またこれ以外のフッ素含有熱可塑性材料は市販されており、業者はダイネオン(3M)、ダイキン、旭ガラス・フルオロプラスチックス、ソルベー/アウシモント、デュポンを含む。
【0040】
摩耗低減添加剤
本発明の組成物は少くとも一種のウェア添加剤、またはウェアパッケージを含む。本明細書で云う「ウェア添加剤」と「ウェアパッケージ」は本発明の組成物内で作用して組成物の一つ以上の性質を改善する材料を含む。改善した性質は組成物の配合処方、機能または有効性に関する一つ以上の化学的、または物理的性質、例えば物理的特性、より具体的にはウェア性能特性、特定の最終用途の装置、または環境への適用性、組成物製造の容易性、製造後の組成物加工の容易性、を含む。各種の実施態様では、単一のウェア添加剤、またはウェアパッケージがエラストマーとプラスチック相に添加される。ほかの実施態様では、ウェア添加剤、またはウェアパッケージの混合物が加工中に個々の相に添加される。
【0041】
エラストマーウェアパッケージとプラスチックウェアパッケージの両方を添加すると動的加硫熱可塑性材料のウェア特性が改善される。ウェアパッケージをエラストマー相へ添加すると組成物のエラストマー部での後の摩耗が極小となる。同様にウェアパッケージを熱可塑性相へ添加するとプラスチック母材部での摩耗が極小となる。ある実施態様では製造工程で繊維とポリマーの予備混合が必要となる。この混合工程は均一分布上決定的に重要であることが多く、剪断混合により実施される。各種の実施態様ではこの混合は少くとも一種のウェア添加剤、またはウェアパッケージの添加で手助けされる。本発明の実施態様は組成物は第一のウェアパッケージを有する硬化フルオロカーボンエラストマーの混合物が第二のウェアパッケージを有する熱可塑性母材中に分散して成り、組成物は動的に加硫される。
【0042】
多くの用途では、熱可塑性ゴム加硫物のエラストマー相とプラスチック相の両方に各種のウェアパッケージを添加することで達成されたウェア性の向上により部品寿命が延びて部品性能が大きく向上する。ウェアパッケージの添加は部分的に熱可塑性ゴム加硫材料の射出成形、または押出し工程中に形成するプラスチック相表皮の形成によりプラスチック相中で追加的に達成される。例えば、シールの形成では、両相に添加したウェア添加剤がはじめにプラスチック相表皮に露出して、後にエラストマー粒子の露出でシャフトの界面での摩耗を低減させて性能を改善する。
【0043】
各種の実施態様では、組成物はウェア添加剤を合計量で組成物の約0.1〜約25重量%含む。好ましくは、組成物は約1〜約20%、または約5〜約15%のウェア添加剤を含む。ある実施態様では、エラストマーウェアパッケージは硬化フルオロカーボンエラストマーとエラストマーウェアパッケージを合せた合計重量基準で約1重量%〜約15重量%のレベルで存在する。同様に、熱可塑性ウェアパッケージは熱可塑性材料と熱可塑性ウェアパッケージを合せた合計重量基準で約1重量%〜約10重量%のレベルで存在する。
【0044】
フルオロカーボンエラストマーウェア添加剤、または第一のウェアパッケージの非限定的例はグラファイト、メタケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた添加剤を含む。本発明で用いる「ウォラストナイト」は白色メタケイ酸カルシウム充填剤を指す。これは寸法安定性と耐引掻性を増強させる。ウォラストナイトはまた機械的性能と熱撓み時間の増加を促進させる。熱可塑性ウェア添加剤、または第二のウェアパッケージの非限定的例はPTFE粉末、グラファイト粉末、ポリイミド粉末、MoS2粉末、シリコーン粉末、炭素繊維、硼素繊維、アラミド繊維、シリコーン油、未硬化フルオロカーボンエラストマー、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた添加剤を含む。
【0045】
本発明で有用なアラミド繊維ウェア添加剤の一つ一実施態様はケブラー(登録商標)であり、イー・アイ、デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニーから市販されている。ケブラー(登録商標)はポリアミドで、そのアミド基はすべてパラフェニレン基により分けられている。すなわち、アミド基は互に対抗するフェノール環に炭素1と4の位置で結合している。
【0046】
各種品位のグラファイトが本発明で使用でき、LOI(強熱減量)範囲が約72〜約99%、好ましくは約92〜約97%である。グラファイトは粉末状、天然結晶性鉱脈状、結晶性フレー状、非晶質グラファイト、合成グラファイト、焼成石油グラファイト、およびこれらの混合物である。一つの現在の好ましい実施態様では、グラファイトは天然結晶性鉱脈状である。好ましくは粒径は約15〜約850ミクロン、より好ましくは約25〜約200ミクロンである。
【0047】
本発明で用いる粉末形状は粒径の小さい、ある実施態様ではコロイドの寸法までの範囲の粒径の固形乾燥添加剤材料として定義され、粒状、フレーク状、粉塵状、およびこれらの混合物を含む。これらの添加剤は技術的に公知の任意の方法で粉末状に変形される。非限定的例は機械的粉砕による大きなものの微細化、燃焼(カーボン・ブラック)によるもの、化学反応による沈澱によるものを含む。
【0048】
各種の実施態様では、ある種のウェア添加剤はエラストマー、プラスチックス、および硬化フルオロカーボンエラストマーを含有する熱可塑性加硫ゴム組成物を含むエラストマー/プラスチックコンパウンドとの相溶性の問題がある。母材への付着性が弱いと所望の物性が得られなくなる。ある種のウェア添加剤の表面を改質し、コーティングすると、添加剤、エラストマー、プラスチックス間の親和性が向上して添加剤の有効性が改善される。
【0049】
化学的、または物理的手段でウェア添加剤の表面処理を行うと母材への界面結合の改善が促進される。好ましい実施態様では、或る種の添加剤、例えばアラミド繊維、炭素繊維をエッチング、化学処理、またはコーティングすると母材との相溶性が改善される。この結合増進技術により更に均質なコンパウンドが得られる。繊維状ウェア添加剤への特殊のコーティングを行うと結合が改善され、添加剤は金属またはプラスチック材料表面へ移動し、接触する。
【0050】
各種の実施態様では、ウェア添加剤をプラズマ処理してエラストマー/プラスチック母材内での結合を改善する。本発明で有用なプラズマ処理はプラズマがいろいろの仕方で添加剤表面と相互作用する技術的に公知の処理を含む。本発明で用いるプラズマとは多少イオン化したガス、電子、いずれかの極性のイオン、任意の励起形の基底状態または任意の高い状態のガス状原子と分子から成るガス状複合体を云う。低温プラズマは高エネルギーの電子と低エネルギーの品種、例えば原子、イオン、およびラジカルを含有する。電子は共有結合を開裂することができ、他のプラズマ粒子との引続く反応を誘起することができる。更に、イオン、原子、ラジカルもまた処理表面と相互作用することができる。使用プラズマ・ガス次第で、繊維状添加剤の表面特性は例えばエッチング、プラズマ誘起グラフト化、および/またはプラズマ重合により特別に改質できる。電磁エネルギー、例えばマイクロウェーブの応用は低温プラズム処理の一例である。湿気、出来ればその他の混入物の除去のほかに、プラズム処理は極性基の導入で核形成箇所の数を増加する作用もある。これにより均質な表面形態と欠陥の少ないコーティングが得られる。一実施態様では、ケブラー(登録商標)繊維、または機能的に同等の引張強さの高い芳香族アラミド繊維はプラズマ前処理するとエラストマー/プラスチック母材への繊維ウェア添加剤の結合性向上での付着性を向上させる。
【0051】
本発明の各種の実施態様は化学的処理、またはコーティング処理したウェア添加剤を用いて結合性を向上させ、母材内での添加剤付着性を改善させる。シラン、または無水マレイン酸系の結合剤をウェア添加剤に塗布することはエラストマー/プラスチック母材との相溶性を向上させるのに用いるこの化学的方法の非限定的一例である。各種の実施態様はエポキシシランをコーティングしたケイ酸カルシウム[ナイアド10222]の使用を含む。このほかの実施態様はシランをコーティングしたケブラー(登録商標)繊維、または機能的に同等な引張強さの高い芳香族アラミド繊維を結合の向上に使用することを含む。
【0052】
エラストマー相は連続熱可塑性相中に粒子の形で熱可塑性材料と共通連続相を形成する立体的網目構造として、または両者の混合物として存在してもよい。エラストマー相の粒子、または立体的網目構造は好ましくは最小寸法が10μm以下、より好ましくは1μm以下である。同様に、ウェア添加剤は連続熱可塑性相中に熱可塑性材料と共通連続相を形成する立体的網目構造として、または両者の混合物として存在してもよい。好ましくは平均繊維直径は約0.01〜約1,000μm、好ましくは約0.1〜約100μmである。各種の実施態様では、この繊維のアスペクト比長は好ましくは約1:1,000、より好ましくは約1.5:50である。
【0053】
上記の如く、ウェア添加剤は粉末状で存在してもよい。同様に、粉末状の添加剤は連続熱可塑性相中に粒子状で熱可塑性材料と共通連続相を形成する立体的網目構造として、または両者の混合物として存在してもよい。この粉末状添加剤粒子の粒径は好ましくは約0.01〜約1,000μm、より好ましくは約0.1〜約100μmである。
【0054】
硬 化 剤
各種の実施態様では、本発明の組成物は硬化剤を含むもので組成物の硬化を行う。有用な硬化剤はジアミン、パーオキサイド、およびポリオール/オニウム塩の組合せを含む。ジアミン硬化剤は1950年代以降公知である。ジアミン硬化剤は硬化が比較的ゆっくりであるが、いくつかの分野では利点がある。かかる硬化剤は例えばデュポン・ダウ・エラストマーズ社からディアク-1として市販されている。
【0055】
好ましいパーオキサイド硬化剤は有機パーオキサイド、好ましくはジアルキルパーオキサイドである。一般に有機パーオキサイドは硬化前に行う混合、またはそのほかの操作中に如何なる有害量の硬化を起さずにほかの成分の存在下で硬化操作での実施温度下で組成物の硬化剤として機能するように選択される。49℃よりも高い温度で分解するジアルキルパーオキサイドが組成物を硬化前に高温で加工するときには特に好ましい。多くの場合、第3級炭素原子がパーオキシ酸素に付いたジ−t−ブチルパーオキサイドを用いるのが好ましい。非限定的例は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを含む。パーオキサイド硬化剤のこのほかの非限定的例はジクミルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイト、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルパーオキシ)ブチル]カーボネート、等を含む。
【0056】
一種以上の架橋助剤をパーオキサイドと組合せてもよい。この例はトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリ(メタアリル)−イソシアヌレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスファイト、N,N−ジアリルアクリルアミド、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルテレフタルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレートを含む。
【0057】
適切なオニウム塩は例えば米国特許第4,233,421号、第4,912,171号、および第5,262,490号に記載されており、そのそれぞれがこれを言及することで組入れられるものとする。その例はトリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリブチルアルキルホスホニウムクロライド、トリブチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリアリールスルホニウムクロライドを含む。
【0058】
もう一つの種類の有用なオニウム塩は下記の式で表わされる:

式中、
Qは窒素、またはリン;
Zは水素原子、または式-COOAの基(式中、Aは水素原子、またはNH4+陽イオンである)を末端基とする炭素数が4〜20の置換、または未置換の環式、または非環式アルキル基であり、またはZは式-CY2COOR′{式中、Yは水素原子、またはハロゲン原子、また随意的に一種以上の第4級ヘテロ原子を含有する炭素数が1〜約6の置換、または未置換のアルキル基、またはアリール基であり、R′は水素原子、NH4+陽イオン、アルキル基、または非環式無水物、例えば式-COR[式中、Rはアルキル基、またはそれ自体オルガノオニウム(例えばビス−オルガノオニウムを生ずる)基];好ましくはR′は水素である}の基であり;Zはまた式-COOA(式中、Aは水素原子、またはNH4+陽イオンである)の基を末端基とする炭素数が4〜約20の置換、または未置換の環式、または非環式アルキル基であり;
R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原子、またはアルキル、アリール、アルケニル、またはこれらの任意の組合せであり、R1、R2、R3はそれぞれ塩基、フッ素、臭素、シアノ、-OR″または-COOR″(式中、R″はC1-C20のアルキル、アリール、アラルキル、またはアルケニルである)で置換することができ、R1、R2、R3基の任意の対は互に、またはQと結合して複素環式の環を形成でき;R1、R2、R3基の一種以上は式Z(式中、Zは上記で定義した通り)の基であってもよく;
Xは有機、または無機陰イオン(例えば、ハライド、サルフェート、アセテート、ホスフェート、ホスホネート、ハイドロキサイド、アルコキサイド、フェノキサイド、またはビスフェノキサイド、但しこれらに限定されない)であり;
nは陰イオンXの原子価に等しい数である。
【0059】
ポリオール架橋剤はフルオロエラストマー用の架橋剤、または共硬化剤として機能する技術的に公知の任意のポリヒドロキシ化合物、例えば米国特許第4,259,463号(モッジ、等)、米国特許第3,876,654号(パチソン)、米国特許第4,233,421号(ウォーム)、米国防衛公報T107,801(ナーサシアン)で開示されているポリヒドロキシ化合物である。好ましいポリオールは芳香族ポリヒドロキシ化合物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、フェノール樹脂を含む。
【0060】
代表的な芳香族ポリヒドロキシ化合物は下記のいずれか一つを含む:すなわちジ−、トリ−、テトラヒドロキシベンゼン、−ナフタレン、−アセスラセン、および下記の式のビスフェノール:

式中、Aは炭素数が1〜13の二官能性脂肪族、脂環式、または芳香族基、またはチオ、オキシ、カルボニル、またはスルホニル基であり、Aは随意的に少くとも一個の塩素原子、またはフッ素原子で置換されており、xは0、または1、nは1、または2であり、ポリヒドロキシ化合物の任意の芳香族環は随意的に少くとも一個の塩素、フッ素、または臭素原子、またはカルボキシル基、またはアシル基[例えば、-COR(式中、RはH、またはC1〜C8のアルキル、アリール、またはシクロアルキル基)]、または例えば炭素数が1〜8のアルキル基で置換されている。上記のビスフェノール式IIIから-OH基はいずれかの環内の任意の位置(但し位置1以外とする)に付着できることが判る。二種以上のかかる化合物の混合物も用いることができる。好ましいビスフェノール化合物は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンであるビスフェノールAFである。このほかの非限定的例は4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を含む。芳香族ポリヒドロキシ化合物、例えばハイドロキノン、も硬化剤として使用できる。更に、非限定的例はカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−メチルハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、2−t−ブチルハイドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、9,10−ジヒドロキシアンスラセンを含む。
【0061】
脂肪族ポリヒドロキシ化合物はまたポリオール硬化剤として用いられる。その例はフルオロ脂肪族ジオール、例えば1,1,6,6−テトラヒドロオクタフルオロヘキサンジオール、およびそのほかの、例えば米国特許第4,358,559号(ホルコム、等)、およびこれに引用されている引例に記載のものを含む。ポリヒドロキシ化合物の誘導体、例えば米国特許第4,446,270号(ガンスナー、等)に記載のものも用いることができ、例えば2−(4−アリロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを含む。このポリヒドロキシ化合物の二種以上の混合物を使用できる。
【0062】
ゴム重合体を架橋できるフェノール樹脂をポリオール硬化剤として使用できる。フェノール樹脂の言及はこれらの樹脂の混合物を含むものである。これに関連して米国特許第2,972,600号、同第3,287,440号が本発明に取込まれる。これらのフェノール樹脂を使用するとほかの硬化剤を使用せずに所望の硬化度を得ることができる。
【0063】
フェノール樹脂硬化剤はアルカリ性媒体中でアルキル置換フェノール、または未置換フェノールをアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドと縮合させるか、二官能性フェノールジアルコールを縮合させて製造できる。アルキル置換フェノールのアルキル置換基は一般に炭素数が1〜約10である。炭素数が1〜約10のアルキル基をパラ位置に置換したジメチロールフェノール、またはフェノール樹脂が好ましい。有用な市販フェノール樹脂はアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、ブロモメチル化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂を含む。
【0064】
一実施態様では、フェノール樹脂硬化剤は下記の一般式で表わされる:

式中、Qは-CH2-と-CH2-0-CH2-から成る群から選択された2価の基;mは0、または1〜20の正の整数;R1は水素、または有機基である。好ましくは、Qは-CH2-0-CH2-の2価の基、mは0、または1〜10の正の整数、R1は水素、または炭素数が20未満の有機基である。もう一つの実施態様ではmは0、または1〜5の正の整数、R1は炭素数が4〜12の有機基である。このほかの好ましいフェノール樹脂はまた米国特許第5,952,425号にも定義されており、これはこれを言及することで本発明は組入れられるものとする。
【0065】
随意的材料
各種の実施態様では、可塑剤、展伸油、合成加工油、またはこれらの組合せが本発明の組成物に用いられる。選択された加工油の種類は一般に組成物中に存在する特定の一種以上のゴムに関連して通常用いられたものと一致する。展伸油は芳香族系、ナフテン系、パラフィン系展伸油を含むが、これらに限定されるものではない。好ましい合成加工油はポリ直鎖状α−オレフィンを含む。展伸油はまた有機エステル、アルキルエテール、またはこれらの組合せを含む。米国特許第5,397,832号に開示されているように、ある種の低〜中程度の分子量の有機エステルとアルキルエーテルエステルを本発明の組成物に添加すると熱可塑性成分、ゴム成分、および組成物全体のTgを低下させ、低温特性、特に可撓性と強度を改善する。これらの有機エステルとアルキルエステルエーテルは分子量が一般に約10,000未満である。特に適切なエステルは平均分子量が約2,000未満、好ましくは約600未満のモノマー系、オリゴマー系材料を含む。一実施態様では、エステルは脂肪族モノエステルまたはジエステル、またはオリゴマー系脂肪族エステル、またはアルキルエーテルエステルである。
【0066】
エラストマー材料、熱可塑性ポリマー材料、ウェアパッケージ、および硬化剤に加えて、本発明の加工性ゴム組成物はこのほかの添加剤、例えば安定剤、充填剤、加工助剤、硬化促進剤、顔料、接着剤、粘着剤、ワックス、およびこれらの混合物を含むことができる。これらの添加剤は適時組成物に添加でき、また硬化剤パッケージとして前混合できる。本発明で用いる硬化剤パッケージは技術的に公知の添加剤の任意の組合せを含むことができ、または単に硬化剤のみを含有することができる。本発明の組成物と物品の性質はゴム、熱可塑性物、およびこれらの混合物のコンパウンディングで従来からある成分を添加することで加硫前、または加硫後に改質できる。
【0067】
可塑剤、離型剤を含む様々な種類の加工助剤を用いることができる。加工助剤の非限定的例はカルナウバワックス、フタレートエステル可塑剤[例えばジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレートシリケート(DBS)]、脂肪酸塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム)、ポリエチレン・ワックス、およびケラミドを含む。ある実施態様では、高温加工助剤が好ましい。これには直鎖状脂肪アルコール(例えばC10〜C28のアルコール混合物)、オルガノシリコーン、および官能化パーフルオロポリマーを含むが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、組成物は加工助剤を約1〜約15重量%、好ましくは約5〜約10重量%含有する。
【0068】
受酸化合物は普通硬化促進剤、または硬化安定剤として使用される。好ましい受酸化合物は2価金属の酸化物と水酸化物を含む。非限定的例はCa(OH)2、MgO、CaO、およびZnOを含む。
【0069】
本発明で有用な機能性充填剤は強化性充填剤、潤滑性充填剤、熱伝導性充填剤、電導性充填剤、物理的延伸性充填剤、およびこれらの混合物から成る群から選択されたものを含む。充填剤は有機、および無機充填剤の両者、例えば硫酸バリウム、硫化亜鉛、カーボン・ブラック、シリカ、二酸化チタン、粘土、タルク、ガラス繊維、フュームド・シリカ、および不連続繊維、例えば無機質繊維、木質セルローズ・繊維、炭素繊維、硼素繊維、アラミド繊維、およびこれらの混合物を含む。この充填剤に添加する加工添加剤のいくつかの非限定的例はステアリン酸とラウリン酸を含む。各種の実施態様では、組成物は充填剤を組成物の約0.1〜約50重量%含有する。随意的には、組成物は充填剤を約1〜約40%、または約10〜約30%含有する。
【0070】
強化性充填剤は物性、例えば全体の強度、硬度、耐摩耗性、圧縮永久歪、引張強さ、引張弾性率、剪断強さを改善する。
【0071】
強化性繊維充填剤のいくつかの非限定的例はフュームド・シリカ、天然、または合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、硼素繊維、ポリエステル、アクリル、着色顔料、ポリイミド、ポリアミド、およびアラミド繊維を含む。好ましい強化性繊維はガラス繊維、炭素繊維、および高引張強さの芳香族ポリアミド繊維を含む。
【0072】
強化性粉末充填剤のいくつかの非限定的例はカーボン・ブラック粉末、ガラス・ビーズ、ポリイミド粉末、MoS2粉末、鋼粉末、真鍮粉末、およびアルミニウム粉末を含む。一実施態様では、カーボン・ブラックと展伸油とを好ましくは動的加硫前に添加することが特に好ましい。カーボン・ブラック充填剤の非限定的例はSAFブラック、HAFブラック、SRPブラック、およびオースチン・ブラックを含む。カーボン・ブラックは引張強さを改善し、展伸油は加工性、耐油膨潤性、熱安定性、ヒステリシス、コスト、および圧縮永久歪を改善する。
【0073】
湿潤性充填剤の添加はフルオロカーボンエラストマーの摩損と摩耗特性を改善する。本発明で用いる潤滑性充填剤は特徴的な結晶癖、すなわち、充填材料を平滑薄板に剪断させて容易に互にその上を滑って耐摩擦、または潤滑効果がある材料を含む。潤滑性充填剤のいくつかの非限定的例はPTFE粉末、シリコーン粉末、グラファイト粉末を含む。潤滑性充填剤は固形、および合成潤滑剤を含む。
【0074】
伝導性充填剤の添加はフルオロカーボンエラストマーの熱、電気伝導性を向上させる。本発明で用いる伝導性充填剤は二種の物質が互に接触したときに一つの物質からもう一つの物質に熱、または電流の移動を可能にする材料を含む。結晶性固体は熱、電気の良導体であり、特に金属と合金である。伝導性充填剤の非限定的例は炭素繊維、または粉末、アルミニウム粉末、真鍮粉末、鋼粉末、およびその他の伝導性金属を含む。
【0075】
単純の物理的展伸性充填剤の添加はフルオロカーボンエラストマーコンパウンドを安定化させ、エラストマー相とプラスチック相の分散を改善させる。本発明で用いる展伸性充填剤はコンパウンドに添加して嵩を増大させ、単位容積当りのコストを低減させる不活性で低比重の材料を含む。いくつかの非限定的例はカオリン(粘土)、雲母、およびタルク粉末を含む。
【0076】
各種の実施態様では、いくつかの機能性充填剤、例えばガラス繊維、カーボン繊維、ケブラー(登録商標)繊維、硼素繊維、PTFE繊維、およびその他のセラミック繊維はエラストマー、プラスチックス、硬化フルオロカーボンエラストマーを含有する熱可塑性加硫ゴムを含むエラストマー/プラスチックコンパウンドとの相溶性の問題がある。母材への付着が弱いと望ましくない物性が生ずる。従って、各種の実施態様では、充填剤表面を前記のように表面処理、例えばプラズマ処理、化学処理で改質して充填剤の効果性を改善する。
【0077】
好ましい実施態様では、組成物はエラストマーと熱可塑性材料の合計重量基準でエラストマー相を35重量%以上、好ましくは40重量%以上含有する。そのほかの実施態様では、組成物は更に加硫エラストマー材料、熱可塑性材料、および機能性材料を合せた合計重量基準で機能性充填剤材料を約5重量%〜約50重量%、好ましくは約20重量%〜約30重量%含有する。
【0078】
組成物は充分に相溶性のある2相の均質な混合物であり、組成物は容易に充分なエラストマー性、例えば引張強さ、弾性率、破断強さ、圧縮永久歪がある成形物品に形成でき、シール、ガスケット、O−リング、ホース、等として工業的に有用である。一つの側面では、ゴム組成物は2相から成り、母材は連続相を形成し、加硫エラストマー材料は非連続の分散相、または離散相を形成する粒子状であり、ウェア添加剤は母材中に分散している。もう一つの側面では、エラストマー材料、ウェア添加剤、母材は共通連続相を形成する。
【0079】
特定の実施態様では、加工性組成物から作った成形物品は一般にショアA硬度が約50以上、好ましくは約70以上、典型的には約70〜約90の範囲である。更に、あるいは成形物品の引張強さは好ましくは約4MPa以上、好ましくは約8MPa以上、典型的には約8〜約13MPaの範囲にある。更に別の実施態様では、成形物品は100%モジュラスが少くとも約2MPa、好ましくは少くとも約4MPa、典型的には約4〜約8MPaの範囲にあることを特徴とする。ほかの実施態様では、本発明の加工性組成物から製造した物品の破断時伸びは約10%以上、好ましくは少くとも約50%、より好ましくは少くとも約150%、典型的には約150〜約300%の範囲にある。本発明の成形物品は硬度、引張強さ、弾性率、破断時伸びの少くとも一つが上記の範囲内にあることを特徴とする。
【0080】
製造方法
本発明のゴム組成物は熱可塑性成分とウェア添加剤の存在下にフルオロカーボンエラストマーの動的加硫で製造する。以下に詳細に記述する各種の実施態様では、硬化剤、エラストマー材料、熱可塑性材料、および少くとも一種のウェア添加剤を組合せて混合物を形成することから成る、ゴム組成物の製造方法が提供される。この混合物はウェア添加剤と熱可塑性材料の存在下にフルオロカーボンエラストマーの加硫、または硬化を行うのに充分な温度で充分な時間加熱する。この加熱工程中、機械的エネルギーをエラストマー材料、硬化剤、ウェア添加剤、および熱可塑性材料の混合物に適用する。従って、本発明の方法はエラストマー、ウェア添加剤、および熱可塑性成分を硬化剤の存在下で混合し、混合中に加熱してエラストマー成分の硬化を行うものである。または、エラストマー材料と熱可塑性材料とはウェア添加剤との連続または共通連続熱可塑性相中にエラストマー材料の分散系を形成させるのに充分な時間および充分な剪断速度で混合する。この後で、混合を続けながら硬化剤をエラストマー材料、熱可塑性材料、ウェア添加剤の分散系に添加する。最後に、混合を続けながらこの分散系を加熱して本発明の加工性ゴム組成物を製造する。
【0081】
本発明の組成物は従来のプラスチック加工技術で容易に加工できる。各種の実施態様では硬化フルオロカーボンエラストマーとウェア添加剤が離散相で、しかも熱可塑性母材中に分散していることから成る成形物品が提供される。本発明の成形物品はシール、O−リング、ガスケット、およびホースを含むが、これらに限定されるものではない。
【0082】
好ましい実施態様では、本発明の組成物から製造したウェア添加剤を有する成形物品は化学溶媒効果に対する耐性を含む、物理的摩耗効果に対する高度の耐性を含んだ一連のすぐれた物性を示すものである。これらの実施態様では物品が例えば有機溶媒、または燃料中に浸漬、または部分浸漬して長時間さらされたとき硬度、引張強さ、および/または破断時伸びが殆んど変化せず、または匹敵する硬化フルオロカーボンエラストマー、またはこのほかの公知の熱可塑性ゴム加硫物に比べて極めて僅かに変化するだけの物品を提供することができる。
【0083】
フルオロカーボンエラストマーは熱可塑性非硬化ポリマーの存在下で動的加硫を受けて所望のゴム状性質があり、しかも例えば押出し、ブロー成形、射出成形という従来の熱可塑化方法で熱的に加工できる組成物を提供する。エラストマーは一般的に架橋、硬化、または加硫されたときゴム状の性質を示す合成、非晶質のポリマーである。硬化エラストマーは、エラストマーの動的加硫で製造した本発明の組成物と同様に、それ自体変形力を除去したのち実質的に元の形に復元し、高度の歪みレベルまで可逆的弾性を示すことが観察されている。
【0084】
加硫エラストマー材料は本明細書では一般的に「ゴム」とも呼ぶが、通常連続熱可塑性ポリマー母材内で小粒子として存在する。エラストマー材料の熱可塑性材料、ウェア添加剤、硬化系、充填剤に対する量、およびエラストマーの硬化機構と硬化度、および混合量とその程度に左右されるが、共通連続形態も可能である。好ましくは、エラストマー材料は完全に架橋/硬化される。
【0085】
完全架橋は適切な硬化剤、または硬化系を熱可塑性材料とエラストマー材料の混合物に添加し、ゴムを加硫条件下で所望の程度に加硫、または硬化させることで達成される。好ましい実施態様ではエラストマーは動的加硫法で架橋される。動的加硫という用語は熱可塑性組成物中に含有されたゴム(ここではフルオロカーボンエラストマー)の加硫、または硬化工程を指すもので、硬化性ゴムは熱可塑性成分の融点よりも高い温度で充分に高い剪断条件下で加硫される。従って、ゴムは同時に架橋され、熱可塑性母材中に分散される。動的加硫は機械的エネルギーを加えて従来の混合装置[例えばロール・ミル、モリヤマ混合機、バンバリー混合機、ブラベンダー混合機、連続混合機、混合押出機(例えば一軸、二軸−スクリュー押出機)、等]で硬化剤の存在下に高温でエラストマー成分、熱可塑性成分を混合して行う。動的に硬化された組成物のすぐれた特徴はエラストマー成分が完全に硬化されている事実にもかかわらず組成物が従来のプラスチック加工技術(例えば押出し、射出成形、圧縮成形)で加工、再加工できることである。スクラップ、またはバリは回収して再加工できる。
【0086】
加硫温度での加熱と混合、または素練りは一般的に数分以下で加硫反応を完了させるのに充分であるが、もしより短い加硫時間を望むときはより高い温度および/またはより高い剪断を利用する。加硫温度の適切な範囲はおよそ熱可塑性材料の溶融温度(一般的には約120℃)〜約300℃以上である。一般にはこの範囲は約150℃〜約250℃である。加硫温度の好ましい範囲は約180℃〜約220℃である。混合は加硫が生じるか、または完了するまで中断することなく続けることが望ましい。
【0087】
もし混合停止後にかなりの硬化を行うと、加工性のない熱可塑性ゴム加硫物が得られる。この場合、ある種のポスト硬化工程を行って硬化処理を完成させる。ある実施態様では、ポスト硬化は冷却時にエラストマーと熱可塑性材料の混合を続ける形をとる。
【0088】
動的加硫後、均質な混合物が得られ、ゴムは本質的に平均粒径が約50μmよりも小さい、好ましくは平均粒径が約25μmよりも小さい分散小粒子の形である。より典型的で好ましくは、粒子は平均粒径が約10μm以下、好ましくは約5μm以下、より好ましくは約1μm以下である。このほかの実施態様では、たとえ平均粒径がより大きくてもかなりの数の粒径が1μmより小さい硬化エラストマー粒子が熱可塑性母材中に分散して存在する。
【0089】
上述の粒径は球形粒子の直径、または均等の容積の球の直径と等しい。すべての粒子は球形とは限らないことを理解されたい。ある粒子はかなり等方性であり、球の直径に近い大きさが容易に測定される。ほかの粒子は一つまたは二つの寸法がもう一つの寸法よりも長いことから異方性であると考えられる。この場合は、上記の好ましい粒径は粒子寸法のうちの一番短いものに該当する。
【0090】
いくつかの実施態様では硬化エラストマー材料は分散した離散相、または非連続相の形をとり、この場合粒子は熱可塑性母材から成る連続相により互に分離している。かかる構造は硬化エラストマーの比較的低い充填時により好都合であると期待される。すなわち熱可塑性材料は組成物の比較的大容量を占めるからである。このほかの実施態様では、硬化材料は熱可塑性材料と共通連続相の形をとる。かかる構造は硬化エラストマーが比較的高い容積率のとき好都合と考えられる。中間のエラストマー充填では、二相組成物の構造は若干の硬化エラストマーが離散粒子の形をとり、若干は共通連続相の形をとるので中間状態を呈する。
【0091】
組成物の均質性、相間の接触表面積が大きいことを示す小粒径、工業的用途で有用な充分な硬度、引張強さ、弾性率、破断時伸び、または圧縮永久歪を有する成形物品への組成物の成形性からエラストマー相と熱可塑性相間の相溶性が比較的高いことが判る。かかる相溶性は動的加硫工程とウェア添加剤の介在に起因すると考えられる。この工程中にこの二相は活発に混合、結合しながらエラストマー粒子は架橋、または硬化される。更に、高温と反応性架橋剤の存在によりこの二相間で若干の物理的、または共有結合が生ずる。同時にこの工程により熱可塑性物内での離散または共通連続エラストマー相の分散が単純な充填で生ずる分散よりもより細かくなる。
【0092】
この加硫の進行は混合中の混合トルク、または混合エネルギー要件をモニターして追跡される。混合トルク、または混合エネルギー曲線は一般に最大値を通り、この後混合をやや長時間続けてブレンド物の製造性を改善する。必要あれば追加成分を(例えば、安定剤パッケージ)を動的加硫が完了したあと添加できる。安定剤パッケージは好ましくは加硫が本質的に完了した後に、すなわち、硬化剤が本質的に消費されてしまった後に熱可塑性ゴム加硫物に添加する。
【0093】
本発明の加工性ゴム組成物は回分式方法、または連続式方法で製造できる。
【0094】
回分式方法では、エラストマー材料、熱可塑性材料、ウェアパッケージ、および硬化剤、または硬化剤パッケージの一定の投入量を混合装置に加え、下記の如く単一操作で製造する。典型的な回分式方法では、熱可塑性材料を混合機に加え、用いる特定の熱可塑性物に応じて温度を約150℃〜約350℃に昇温する。熱可塑性ウェアパッケージを加え、これらの組合せを約5〜約10分間、または均一に混合するまで混合、ブレンド、素練り、またはほかの手段で物理的に混合する。エラストマーを次いでこの熱可塑性物と熱可塑性ウェアパッケージに加え、高温で均質状態に混合する。エラストマー材料の構造が所望のものになったとき、エラストマーウェアパッケージを機械的エネルギーを加えながら添加して更に5分〜約10分間、または均一に混合するまでこのエラストマー材料と熱可塑性材料を混合する。エラストマー硬化パッケージを溶融均質混合物に添加する。硬化は連続混合と高温加熱を行って実施する。硬化工程は完了させるのに更に5分〜約15分またはそれ以上かかる。典型的には、混合機のトルク・レベルが定常状態に達するまでこの混合物の混合を続ける。所望レベルの硬化が完了したとき、完全、または部分硬化加工性ゴム組成物を反応器(混合室)から取出し、または除去して次の加工用とする。次の加工は射出成形、押出成形、等で使用するために組成物はおよそ約1〜3mm直径の小粒径のペレットに粉砕、または粉末化することを含む。
【0095】
エラストマー材料と熱可塑性材料は熱可塑性材料が軟化し、流動する温度で混合することが好ましい。かかる温度が硬化剤が活性化する温度よりも低いときは、硬化剤は回分式方法の初期の粒子分散工程中は混合物の一部とすることができる。いくつかの実施態様では硬化剤は硬化温度よりも低い温度でエラストマー材料とポリマー材料とに混合される。所望の分散が達成されたとき、それぞれのウェアパッケージを添加して、温度を昇温させて硬化を行う。一実施態様では、エラストマー中に前配合した硬化剤を含有する市販のエラストマー材料が用いられる。しかし、硬化剤が初期の混合温度で活性化するときは、熱可塑性母材中でエラストマー材料の所望の粒径分布が達成するまでは硬化剤は取除いておくことが好ましい。もう一つの実施態様では、エラストマー材料と熱可塑性材料が混合されてから硬化剤を添加する。好ましい実施態様では、硬化剤は熱可塑性材料内のエラストマー粒子の混合物に添加し、混合物全体は機械的攪拌、かきまぜ、またはその他の手段で混合し続ける。更に、繊維材料はできれば工程でのできるだけ遅い時期に添加して混合操作中の繊維の不必要な破断を最小限にして回避することが好ましい。
【0096】
本発明の加工性ゴム組成物の製造に連続式方法も使用できる。好ましい実施態様では、同一方向回転、または反対方向スクリュー型の二軸スクリュー押出し装置は二軸スクリュー装置のモジュラー要素から成る材料供給口と反応室が設けてある。典型的な連続式方法では、好ましくはペレット状の熱可塑性材料を第一のホッパー、または供給器(目減り型、または定量型供給器)を用いて二軸スクリュー押出機の加熱溶融域内に挿入する。熱可塑性ウェアパッケージをこのホッパーに添加し、二軸スクリュー押出機のバレル内で熱可塑性ペレットと均質に混合させる。好ましくは1〜2mm直径のペレットにペレット化したエラストマーを第一の側面供給ホッパーを用いて添加する。エラストマーは使用する特定の熱可塑性物に応じて約150°〜約350℃の高温で熱可塑性材料と熱可塑性ウェアパッケージと混合させる。次いで、下流口から第二の側面供給器(目減型、または定量型供給器)を用いてエラストマーウェアパッケージを供給ホッパーから硬化剤、または硬化剤パッケージと共に混合物に添加する。第二の添加剤口の下流では混合操作条件と通過時間を変更でき、混合物が完全に混合、硬化するまで続ける。約150〜約200rpmで操作中のバレル内での典型的な滞留時間は約10〜約15分である。
【0097】
温度とスクリューの操作条件を調節して温度と剪断を適正にして熱可塑性材料母材中の未硬化エラストマー成分の混合と粒径分布を所望のものにできることを理解すべきである。混合期間の制御は押出装置の長さを長くしたり、短かくしたりして、または混合相中を通過するエラストマー材料と熱可塑性材料の混合物用のスクリュー回転速度を制御して行うことができる。混合の程度もスクリューシャフトの混合スクリュー要素の形状(例えば、集中型、中間型、または温和型のスクリュー設計)で制御できる。
【0098】
ウェア添加剤、特に繊維添加剤の添加は二軸スクリュー押出の高度の剪断混合作用の間中に繊維の破断を最小限にするため下流の供給部で行うのが好ましい。剪断速度、温度、混合時間、混合スクリュー要素の形状を、硬化剤、または硬化パッケージの添加時間と同様に、調整することで、本発明の加工性ゴム組成物は連続式方法で製造できる。回分式方法と同様に、エラストマー材料は商業的に調合して硬化剤、一般にフェノール、またはフェノール樹脂硬化剤を含有させてもよい。
【0099】
本発明の組成物と物品は充分な量の加硫エラストマー材料(「ゴム」)を含有させてゴム状組成物を形成させると、すなわち、可撓性、柔軟性、圧縮永久歪の所望の組合せを呈するようになる。好ましくは、組成物はゴムと熱可塑性ポリマーを合せた100重量部当りゴムが少くとも約25重量部、好ましくは少くとも約35重量部、より好ましくは少くとも約40重量部、更により好ましくは少くとも約45重量部、なおより好ましくは少くとも約50重量部から成るものとする。熱可塑性ゴム加硫物内の硬化ゴム量は一般にゴムと熱可塑性ポリマーを合せた合計重量の約5〜約95重量%、好ましくは約35〜約95重量%、より好ましくは約40〜約90重量%、より好ましくは約50〜約80重量%である。
【0100】
本発明の加工性ゴム組成物内の熱可塑性ポリマー量は一般にゴムと熱可塑性材料を合せた合計重量の約5〜約95重量%、好ましくは約10〜約65重量%、より好ましくは約20〜約50重量%である。
【0101】
上記のように本発明の加工性ゴム組成物と成形物品は硬化ゴム、少くとも一種のウェア添加剤、および熱可塑性ポリマーを含む。好ましくは、熱可塑性ゴム加硫物は均質混合物であって、ゴムは非加硫母材中に細かく分割され、良く分散したゴム粒子の形状である。しかし、本発明の熱可塑性ゴム加硫物は離散相を含有するものに限定されるものではないことを理解すべきである。すなわち、本発明の組成物はまたこのほかの形態、例えば共通連続形態を含むことができるからである。特に好ましい実施態様ではゴム粒子は平均粒径が約50μmよりも小さい、より好ましくは約25μmよりも小さい、更により好ましくは約10μmよりも小さい、更になおより好ましくは約5μmよりも小さい。
【0102】
都合のよいことには、本発明の成形物品は従来のゴムとは違って熱可塑性材料のように加工、リサイクルできるゴム状材料である。これらの材料はASTM D1566に規定されているように室温で元の長さの2倍に延伸し、解除前に1分間保持したあと1分以内にその元の長さの1.5倍未満まで収縮するという点でゴム状である。また、これらの材料はASTM D412に規定されている一定引張要件を満たし、またASTM D395の圧縮永久歪に関する弾性要件を満たしている。
【0103】
本発明のゴム組成物の再加工性は、成形ゴム物品製造工程のコストを低減させる方法を提供する。この方法は製造工程中に発生するスクラップをリサイクルして別の新しい成形物品を製造することを含む。本発明の組成物とこの組成物から製造した成形物品は熱加工性があり、スクラップを回収し、随意的に切断、細断、粉砕、摩砕、またはほかの手段でスクラップ材料を微細化し、材料を従来の熱可塑化技術で再加工することで再使用のためスクラップは容易にリサイクルできる。回収スクラップ材料から成形物品を形成する技術は一般に成形物品を形成するのに用いるものと同じであり、従来の熱可塑化技術はブロー成形、射出成形、圧縮成形、および押出しを含み、これらに限定されるものではない。
【0104】
スクラップ材料の再使用は製造方法の材料コストを低減させることで製造工程のコストを低減できる。スクラップは成形ゴム物品の製造工程中いろいろな仕方で発生する。例えば、規格外の材料が発生する。規格内の材料を生産しているときでも、成形ゴム物品の製造工程で廃棄品が不注意、または工程設計で発生する傾向があり、例えば射出成形部品のスプルー内の材料である。リサイクルによるかかる材料の再使用により材料を低減でき、従って製造工程の全体のコストを低減させる。
【0105】
熱硬化ゴムではかかる規格外の材料はより多くの成形物品の製造に通常リサイクルすることはできない。それはこれらの材料がはじめに成形物品を形成するのに用いたものと同一技術では容易に再加工することはできないからである。熱硬化ゴムの場合でのリサイクルの取り組みはスクラップの粉砕と熱可塑化加工技術で製造した製品以外のいくつかの製品に粉砕物を原料としての使用に通常は限定されている。
【実施例】
【0106】
本発明を更に以下の非限定的実施例により説明する。
実施例
実施例1〜9では以下の材料を使用する。
【0107】
ダイネオンFE5840はダイネオン社(3M)のVDF/HFP/TFEのターポリマー・エラストマーである。
【0108】
ダイネオンBRE7231Xはダイネオン社(3M)から市販されているTFE、プロピレン、VDFのターポリマーにもとずく耐塩基性のエラストマーである。
【0109】
ダイネオンTHV815Xはダイネオン社(3M)のテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンのフルオロ熱可塑性ポリマーである。
【0110】
ハイラールMP-10は高機能性溶融加工性ポリビニリデンフルオライド単独ポリマーである。
【0111】
レノフィトCFはライン・ヘミー社のフルオロエラストマー用水酸化カルシウム架橋剤である。
【0112】
エラストマーグ170はローム・アンド・ハース社の高活性粉末酸化マグネシウムである。
【0113】
ストラクトールWS-280はストラクトール社のシラン・カップリング剤である。
【0114】
テクノフロンFPA-1はソルベー・ソレクシス社のワックス状の官能化パーフルオロポリエーテルである。
【0115】
MTブラック(N990)はカーボン・ブラックである。
【0116】
ハラール500LCはソルベーソレクシス社のエチレンとクロロトリフルオロエチレンの部分フッ素化半結晶性コポリマーである。
【0117】
オースチン・ブラックはカーボン・ブラックである。
【0118】
ナイアド400と10222、およびウォラストコートはNYCOミネラルズ社の処理、未処理ウォラストナイト、すなわち天然産のメタケイ酸カルシウム(CaSiO3)を含有する。
【0119】
TAICは対称性多官能性トリアジン化合物である。
【0120】
テクノフロンP457とP757はソルベー・ソレクシス社の低粘度フルオロエラストマーである。
【0121】
テクノフロンFOR50HSとFOR80HSはソルベー・ソレクシス社の硬化がなされたフルオロエラストマーである。
【0122】
リュパーコ101XLはペンウルト社のパーオキサイドである。
【0123】
ZnOは酸化亜鉛で受酸性硬化促進剤として作用する。
【0124】
カイナール・フレックス2500-20はアトフィナケミカルズ社市販のポリビニリデン・フルオライド系フルオロポリマーである。
【0125】
PTFE(F-5)粉末は粉末状のポリテトラフルオロエチレン樹脂である。
【0126】
PFAはテトラフルオロエチレンとパーフルオロプロピルビニルエーテルのコポリマーである。
【0127】
グラファイトFX4467はフォーミュラFXプロダクツ社から市販されている天然結晶性鉱脈グラファイトである。
【0128】
実施例1〜9は種々の熱可塑性エラストマーと半結晶性熱可塑性材料の存在下でのテトラフルオロエチレンとプロピレンのコポリマーの動的加硫を示すものである。実施例1はモリヤマ混合機で実施し、実施例2〜9はブラベンダー混合機で実施する。実施例2はパーオキサイド硬化性フルオロカーボンエラストマーをエラストマーウェアパッケージと共に使用する。実施例3はパーオキサイド硬化性フルオロカーボンエラストマーをエラストマーウェアパッケージと熱可塑性ウェアパッケージと共に使用する。実施例4〜6はビスフェノール硬化性フルオロカーボンエラストマーをエラストマーウェアパッケージと共に使用する。実施例7〜9はビスフェノール硬化性フルオロカーボンエラストマーをエラストマーウェアパッケージと熱可塑性ウェアパッケージと共に使用する。ダイネオン・フルオロエラストマーとテクノフロン・フルオロエラストマーを100部のレベルで使用し、このほかの材料はダイネオン、またはテクノフロン100部当り1部からダイネオン、またはテクノフロン材料100部当り25部までのレベルで使用する。例えば、100pphrは材料とフルオロエラストマーが等量であることを表わす。
【0129】
回分式方法を示すと、成分は下記の方法でブラベンダー混合機で混合する。熱可塑性材料はブラベンダー混合機内で溶融し熱可塑性ウェア添加剤と共に攪拌する。この溶融攪拌熱可塑性材料にダイネオン、またはテクノフロンをエラストマーウェア添加剤と共に添加する。混合を熱可塑性材料の融点で更に10〜20分間、好ましくは約120〜350℃の温度で続ける。次いで、硬化促進剤を添加し、混合と加熱を更に10分間続ける。加硫材料を冷却してブラベンダー混合機から取り出す。成形物品は従来の圧縮成形、射出成形、押出し、等でこの加硫組成物から製造できる。物性の測定用に試験片をこの加硫組成物から作ることができる。

成分 実施例 1a 実施例 1b 実施例 1c 実施例 1d 実施例 1e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
ダイネオンFE5840 70.0 2594.1 70.0 2281.5 70.0 2784.8 70.0 2427.8 70.0 2427.8
ダイネオンBRE 30.0 1111.8 30.0 977.8 30.0 1193.5 30.0 1040.5 30.0 1040.5
7231X
ハイラールMP-10 25.0 926.5 25.0 814.8 25.0 994.6 25.0 867.1
レノフィットCF 6.0 222.4 6.0 195.6 6.0 238.7 6.0 208.1 6.0 208.1
エラストマーグ170 3.0 111.2 3.0 97.8 3.0 119.3 3.0 104.0 3.0 104.00
ストラクトール 1.0 37.1 1.0 32.6 1.0 39.8 1.0 34.7 1.0 34.7
WS-280
オースチン・ 10.00 370.6 10.00 325.9
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 37.1 1.00 32.6 1.00 39.8 1.00 34.7 1.00 34.7
グラファイト4467 5.00 163.0 5.00 173.4 5.00 173.4
ナイアド400 10.00 325.9 10.00 346.8 10.00 346.8
400ウォラスト 5.00 163.0 5.00 173.4 5.00 173.4
コート10222
ハラール500LC 25.00 867.1

成分 実施例 2a 実施例 2b 実施例 2c 実施例 2d 実施例 2e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
テクノフロンP457 100.0 231.4 100.0 231.4 100.0 231.4
テクノフロンP757 100.0 231.4 100.0 231.4
リュパーコ101XL 3.0 6.9 3.0 6.9 3.0 6.9 3.0 6.9 3.0 6.9
TAIC,75%分散液 4.00 9.3 4.00 9.3 4.00 9.3 4.00 9.3 4.00 9.3
ZnO 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
MT N-990 10.00 23.1 10.00 23.1 10.00 23.1 10.00 23.1 10.00 23.1
カーボンブラック
ハイラールMP-10 25.00 57.9 25.00 57.9 12.50 28.9
カイナール・フレッ 25.00 57.9 25.00 57.9 12.50 28.9
クス2500-20
グラファイト4467 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
ナイアド400 10.00 23.1 10.00 23.1 10.00 23.1 10.00 23.1 10.00 23.1
400ウォラスト 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
コート10222

成分 実施例 3a 実施例 3b 実施例 3c 実施例 3d 実施例 3e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
テクノフロンP457 100.0 224.7 100.0 224.7 100.0 224.7
テクノフロンP757 100.0 224.7 100.0 224.7
リュパーコ101XL 3.0 6.7 3.0 6.7 3.0 6.7 3.0 6.7 3.0 6.7
TAIC,75%分散液 4.00 9.0 4.00 9.0 4.00 9.0 4.00 9.0 4.00 9.0
ZnO 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2
MT N-990 カーボン 10.00 22.5 10.00 22.5 10.00 22.5 10.00 22.5 10.00 22.5
ブラック
ハイラールMP-10 25.00 56.2 25.00 56.2 12.50 28.1
カイナール・フレッ 25.00 56.2 25.00 56.2 12.50 28.1
クス2500-20
グラファイト4467 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2
ナイアド400 10.00 22.5 10.00 22.5 10.00 22.5 10.00 22.5 10.00 22.5
400ウォラスト 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2
コート10222
PTFE(F-5)粉末 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2 5.00 11.2

成分 実施例 4a 実施例 4b 実施例 4c 実施例 4d 実施例 4e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
ダイネオンFE5840 70.0 163.0 70.0 163.0 70.0 163.0 70.0 163.0 70.0 163.0
ダイネオンBRE 30.0 69.8 30.0 69.8 30.0 69.8 30.0 69.8 30.0 69.8
7231X
ハイラールMP-10 25.0 58.2
レノフィットCF 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0
エラストマーグ170 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0
ストラクトール 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3
WS-280
オースチン・ 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3
グラファイト4467 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
ナイアド400 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3
400ウォラスト 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
コート10222
ハラール500LC 25.00 58.2
カイナール・フレッ 25.00 58.2 12.50 29.1
クス2500-20
ダイネオンTHV815X 25.00 58.2
PFA 12.50 29.1

成分 実施例 5a 実施例 5b 実施例 5c 実施例 5d 実施例 5e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
テクノフロン50HS 100.0 232.8 100.0 232.8 100.0 232.8 100.0 232.8 100.0 232.8
ハイラールMP-10 25.0 58.2
レノフィットCF 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0
エラストマーグ170 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0
ストラクトール 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3
WS-280
オースチン・ 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3
グラファイト4467 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
ナイアド400 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3
400ウォラスト 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
コート10222
ハラール500LC 25.00 58.2
カイナール・フレッ 25.00 58.2 12.50 29.1
クス2500-20
ダイネオンTHV815X 25.00 58.2
PFA 12.50 29.1

成分 実施例 6a 実施例 6b 実施例 6c 実施例 6d 実施例 6e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
テクノフロン80HS 100.0 232.8 100.0 232.8 100.0 232.8 100.0 232.8 100.0 232.8
ハイラールMP-10 25.0 58.2
レノフィットCF 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0 6.0 14.0
エラストマーグ170 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0 3.0 7.0
ストラクトール 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3
WS-280
オースチン・ 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3
グラファイト4467 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
ナイアド400 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3 10.00 23.3
400ウォラスト 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6 5.00 11.6
コート10222
ハラール500LC 25.00 58.2
カイナール・フレッ 25.00 58.2 12.50 29.1
クス2500-20
ダイネオンTHV815X 25.00 58.2
PFA 12.50 29.1

成分 実施例 7a 実施例 7b 実施例 7c 実施例 7d 実施例 7e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
ダイネオンFE5840 70.0 158.2 70.0 158.2 70.0 158.2 70.0 158.2 70.0 158.2
ダイネオンBRE 30.0 67.8 30.0 67.8 30.0 67.8 30.0 67.8 30.0 67.8
7231X
ハイラールMP-10 25.0 56.5
レノフィットCF 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6
エラストマーグ170 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8
ストラクトール 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3
WS-280
オースチン・ 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3
グラファイト4467 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
ナイアド400 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6
400ウォラスト 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
コート10222
ハラール500LC 25.00 56.5
カイナール・フレッ 25.00 56.5 12.50 28.3
クス2500-20
ダイネオンTHV815X 25.00 56.5
PFA 12.50 28.3
PTFE(F-5)粉末 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3

成分 実施例 8a 実施例 8b 実施例 8c 実施例 8d 実施例 8e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
テクノフロン 100.0 226.0 100.0 226.0 100.0 226.0 100.0 226.0 100.0 226.0
FOR 50 HS
ハイラールMP-10 25.0 56.5
レノフィットCF 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6
エラストマーグ170 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8
ストラクトール 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3
WS-280
オースチン・ 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3
グラファイト4467 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
ナイアド400 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6
400ウォラスト 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
コート10222
ハラール500LC 25.00 56.5
カイナール・フレッ 25.00 56.5 12.50 28.3
クス500-20
ダイネオンTHV815X 25.00 56.5
PFA 12.50 28.3
PTFE(F-5)粉末 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3

成分 実施例 9a 実施例 9b 実施例 9c 実施例 9d 実施例 9e
pphr g pphr g pphr g pphr g pphr g
テクノフロン 100.0 226.0 100.0 226.0 100.0 226.0 100.0 226.0 100.0 226.0
FOR 80 HS
ハイラールMP-10 25.0 56.5
レノフィットCF 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6 6.0 13.6
エラストマーグ170 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8 3.0 6.8
ストラクトール 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3 1.0 2.3
WS-280
オースチン・ 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6
ブラック
テクノフロンFPA-1 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3 1.00 2.3
グラファイト4467 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
ナイアド400 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6 10.00 22.6
400ウォラスト 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
コート10222
ハラール500LC 25.00 56.5
カイナール・フレッ 25.00 56.5 12.50 28.3
クス2500-20
ダイネオンTHV815X 25.00 56.5
PFA 12.50 28.3
PTFE(F-5)粉末 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3 5.00 11.3
【0130】
本明細書に記載の実施例、およびその他の実施態様は例示のものであって、本発明の組成物と方法の全範囲の記載において制限することは何等意図するものではない。特定の実施態様、材料、組成物、および方法の均等の変更、修正、改変は本発明の範囲内で行うことができ、実質的に類似結果を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料混合物から成る、母材中に分散した硬化フルオロカーボンエラストマー混合物から成る加工性ゴム組成物であって、硬化フルオロカーボンエラストマー混合物は第一のウェアパッケージから成り、熱可塑性材料は第二のウェアパッケージから成り、組成物は動的加硫されている加工性ゴム組成物。
【請求項2】
第一のウェアパッケージはグラファイト、メタケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた少くとも一種の添加剤から成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第一のウェアパッケージがグラファイトから成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
第二のウェアパッケージがPTFE、グラファイト、ポリイミド、MoS2、シリコーン、炭素、硼素、アラミド、シリコーン油、未硬化フルオロカーボンエラストマー、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた少くとも一種の添加剤から成る。請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
第二のウェアパッケージが繊維状添加剤から成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
繊維状添加剤は平均アスペクト比が約1.5:50である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
第二のウェアパッケージが粉末状の添加剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
添加剤がPTFE粉末から成る、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
粉末は粒径が約0.01〜約1,000μmである、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
第二のウェアパッケージが化学的に改質した添加剤から成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
第二のウェアパッケージが物理的に改質した添加剤から成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
添加剤がプラズマ処理してある、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
硬化フルオロカーボンエラストマーが離散相として、または母材との共通連続相として存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
フルオロカーボンエラストマーは組成物全重量基準で約35重量%よりも多いか、または等しいレベルで存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
第一のウェアパッケージは硬化フルオロカーボンエラストマーと第一のウェアパッケージを合せた全重量基準で約1重量%〜約15重量%のレベルで存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
第二のウェアパッケージは熱可塑性材料と第二のウェアパッケージを合せた全重量基準で約1重量%〜約10重量%のレベルで存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
第一のウェアパッケージは第二のウェアパッケージ中にも存在する少くとも一種の添加剤から成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
第一と第二のウェアパッケージは異なる添加剤から成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
フルオロカーボンエラストマーは部分的に硬化している、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
加工性ゴム組成物の回分式製造方法において、
(a)熱可塑性材料と熱可塑性ウェアパッケージを混合装置内で混合し、
(b)混合物を加熱し、
(c)エラストマー材料を添加し、混合物を均質な溶融ブレンド物が形成するのに充分な時間および充分な温度で混合し、
(d)エラストマーウェアパッケージを添加し、
(e)硬化剤パッケージを添加して全体の硬化、または部分的硬化を行い、ついで
(f)混合物の加熱、混合、動的加硫を行うことから成る、回分式製造方法。
【請求項21】
エラストマーウェアパッケージはグラファイト、メタケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた少くとも一種の添加剤から成る、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
熱可塑性ウェアパッケージはPTFE粉末、グラファイト粉末、ポリイミド粉末、MoS2粉末、シリコーン粉末、炭素繊維、硼素繊維、アラミド繊維、シリコーン油、未硬化フルオロカーボンエラストマー、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた少くとも一種の添加剤から成る、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
硬化剤パッケージがパーオキシド、ビスフェノール、およびジアミンから成る群から選ばれた少くとも一種の硬化剤から成る、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
硬化剤パッケージが更に少くとも一種の加工助剤から成る、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
更に硬化混合物を排出することから成る、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
更に押出混合物を急冷、ペレット化、粉砕、または微粉砕することから成る、請求項26に記載の方法。
【請求項27】
加工性ゴム組成物の連続製造方法において、
(a)熱可塑性材料と熱可塑性ウェアパッケージを加熱された主ホッパーで混合し、
(b)エラストマー材料を第一の側面供給ホッパーから添加し、混合物を均質な溶融ブレンド物が形成するのに充分な時間および充分な温度で混合し、
(c)エラストマーウェアパッケージと硬化剤パッケージを第二の側面供給ホッパーから添加して全体的硬化、または部分的硬化を行い、
(d)混合物の加熱、混合、および動的加硫を行うことから成る、連続製造方法。
【請求項28】
エラストマーウェアパッケージがグラファイト、メタケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた少くとも一種の添加剤から成る、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
熱可塑性ウェアパッケージがPTFE粉末、グラファイト粉末、ポリイミド粉末、MoS2粉末、シリコーン粉末、炭素繊維、硼素繊維、アラミド繊維、シリコーン油、未硬化フルオロカーボンエラストマー、およびこれらの混合物から成る群から選ばれた少くとも一種の添加剤から成る、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
スクリュー速度が約150〜約200rpm、バレル温度が約120℃〜約350℃で滞留時間が約10〜約15分間から成る、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
硬化剤がパーオキシド、ビスフェノール、およびジアミンから成る群から選ばれた少くとも一種の硬化剤から成る、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
硬化剤パッケージは更に少くとも一種の加工助剤から成る、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
硬化混合物をストランド・ダイから押出すことから成る、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
更に押出混合物を急冷、ペレット化することから成る、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
二軸スクリュー押出機で実施する、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
第一のウェアパッケージを含有するフルオロカーボンエラストマー材料と、第二のウェアパッケージを含有する熱可塑性材料との混合物を形成し、混合物を動的加硫することから成る、ゴム組成物の製造方法。
【請求項37】
第一および第二のウェアパッケージはPTFE粉末、グラファイト粉末、ポリイミド粉末、MoS2粉末、シリコーン粉末、炭素繊維、硼素繊維、アラミド繊維、シリコーン油、未硬化フルオロカーボンエラストマー、メタケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、およびこれらの混合物から成る群の少くとも一種の添加剤から成る、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
添加剤が化学的処理、または物理的改質してある、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
更に加硫前に硬化剤パッケージを混合物に添加することから成る、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
第一のウェアパッケージを含有するフルオロカーボンエラストマー材料と第二のウェアパッケージを含有する熱可塑性材料とを連続熱可塑性相中にエラストマー材料の分散物を形成するのに充分な時間および充分な剪断速度で混合し、混合を続けながら硬化剤を分散物に添加し、硬化剤、エラストマー材料、および熱可塑性材料の混合を続けながら分散物を加熱することから成る、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
回分式方法から成る、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
連続方法から成る、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
二軸スクリュー押出機で実施する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
混合物が全組成物100部当り少くとも約35重量部の加硫エラストマー材料から成る、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
第一のウェアパッケージが硬化フルオロカーボンエラストマーと第一のウェアパッケージとを合せた合計重量基準で約1重量%〜約15重量%のレベルで存在する、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
第二のウェアパッケージが熱可塑性材料と第二のウェアパッケージとを合せた合計重量基準で約1重量%〜約10重量%のレベルで存在する、請求項36に記載の方法。

【公開番号】特開2006−193741(P2006−193741A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−371274(P2005−371274)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(599039289)フロイデンベルグ−エヌオーケー ジェネラル パートナーシップ (7)
【氏名又は名称原語表記】FREUDENBERG−NOK GENERAL PARTNERSHIP
【Fターム(参考)】