説明

改良されたインストルメントパネルアセンブリ及びその形成方法

インストルメントパネルアセンブリ(10)が、自動車のような製造物品のために提供される。このアセンブリ(10)は、典型的に、少なくとも一つの骨組構造物(12)及び少なくとも一つのコンストラクション(18)を含む。骨組構造物(12)及びコンストラクション(18)は、典型的には、加熱、換気及びエアーコンディショニング(HVAC)システムのようなシステムの少なくとも一部の形成に助けになる様式で、お互いに対して取り付ける(例えば接着剤によって固定する)。骨組構造物はスチール及び/又はアルミニウムで製造することができ、合成材料の一つのコンストラクション、ここで、接着表面、好ましくは合成物は、接着剤(これは、オルガノボラン/アミン錯体を含む)を適用するために処理又はプライマー処理を必要としない低エネルギー表面(45mj/m2よりも小さい)である。中空成形材料のカバー部分(20)を追加することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたインストルメントパネルアセンブリ及びその形成方法に関する。更に詳しくは、本発明は、自動車の組立てに適する改良されたインストルメントパネルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、輸送産業は、構造的保全性、比較的軽量又は両方を示す、輸送車両用のアセンブリを形成することを求めてきた。例えば、自動車のインストルメントパネルアセンブリについて自己支持性であることが望ましく、そして更にこのようなアセンブリについて、1個又はそれ以上の追加のコンポーネント、例えばエアーバッグアセンブリ、計器、ヒューズボックス、ステアリングカラム等を、少なくとも部分的に支持することが望ましい。同時に、インストルメントパネルアセンブリについて、車両全重量を低く維持することを補助するために、低重量を維持することが好ましい。
【0003】
更に、インストルメントパネルアセンブリについて、種々の機能的コンポーネント、例えば加熱、換気及びエアーコンディショニング(HVAC)ダクト、電気配線等を収容するために適している様式で構成されていることも望ましい。
【0004】
従って、本発明は、アセンブリ、更に詳しくは、比較的低重量、構造的保全性、設計柔軟性又はこれらの組合せを示すインストルメントコントロールパネルアセンブリを提供する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも一つの骨組構造物及び少なくとも一つのコンストラクション(例えば、パネル又はトリムコンストラクション)を有するインストルメントパネルアセンブリを提供する。少なくとも一つのコンストラクションは、好ましくはプラスチック材料で形成され、そして低表面エネルギープラスチック材料で形成することができ及び/又はポリプロピレン、ポリアミド、スチレン系樹脂(styrenics)、競合品グレード材料又はこれらの組合せを含む材料で形成することができる。少なくとも一つの骨組構造物は、好ましくは金属で、更に好ましくは軟鋼、押出成形アルミニウム、ダイカストマグネシウム、これらの組合せ等で形成される。
【0006】
本発明の一つの好ましい面によれば、少なくとも一つの骨組構造物は、少なくとも一つのコンストラクションに接着剤によって、少なくとも部分的に取り付けられている(例えば接着されている)。この接着剤は、本明細書中に記載する種々の接着剤から選択することができる。一つの好ましい態様に於いては、この接着剤は、金属とプラスチックの両方を接着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、少なくとも一つの骨組構造物及び少なくとも一つのコンストラクション(例えばパネル又はトリムコンストラクション)を有するインストルメントパネルアセンブリの提供に基礎をおく。少なくとも一つの骨組構造物及び少なくとも一つのコンストラクションは、好ましくは異なった材料で形成されるが、これらは同じ又は類似の材料で形成することができる。この材料の1種又はそれ以上は、比較的低いエネルギー表面を有していてよい。骨組構造物について、接着剤によってコンストラクションに少なくとも部分的に固定されていることも好ましい。有利には、このような接着剤固定は、少なくとも一つの骨組構造物及び少なくとも一つのコンストラクションの一方又は両方が、結合すべき低エネルギー表面を与えるか又はより高いエネルギー表面が与えられる場合に、達成できる。
【0008】
本発明のインストルメントパネルアセンブリはラジオ、エレクトロニクス、ステレオシステム等のような種々の製造物品のために使用できることが意図される。しかしながら、このアセンブリは輸送車両(例えば自動車)のために非常に有効であることが見出された。このアセンブリは、ラジオハウジング、ナビゲーターシステム、温度調節装置、グローブボックスコンポーネント(例えばグローブボックスビン)、エアバッグキャニスター、インストルメントクラスタ、エレクトロニックボックス、エレクトロニックモジュール、これらの組合せ等の一つ又はそれ以上を支持する助けになり得るか又はこれらと一体にすることができることが意図される。
【0009】
図1を参照して、本発明に従った代表的インストルメントパネルアセンブリ10を図示する。アセンブリ10には、好ましくは、少なくとも一つの骨組構造物及び少なくとも一つのコンストラクションが含まれる。図示したアセンブリ10には、第一の骨組構造物12、第二の骨組構造物14、第一のコンストラクション18及び第二のコンストラクション20が含まれている。
【0010】
第一の骨組構造物12は、種々の形状及びサイズで形作ることができる。図示した態様に於いて、第一の骨組構造物12は、第一の端部26から第二の端部28まで伸びている長尺部材24を含む。部材24は自動車の一方のA柱から自動車の反対側のA柱まで実質的に伸びるように設計されている。それ故、それぞれの端部26、28には、部材24をA柱(図示せず)に固定するように形作られているアタッチメント部分が含まれている。部材24は、好ましくは部材24と実質的に同一の広がりを有する溝32を規定している。本発明に従った溝は変形、曲げ、ローリング、これらの組合せ等を含む多数の技術によって形成することができる。
【0011】
図示した第一の骨組構造物12には、また、両方とも長尺部材24から外側の方に伸びている、第一の延長部36及び第二の延長部38が含まれている。好ましくは、第一の延長部36は、第二の延長部38に対して実質的に平行に伸びている。更に、第一の延長部36及び第二の延長部38は、それぞれ、長尺部材24の溝32に連結している副溝42、44を規定している。
【0012】
第一の骨組構造物12には、任意的に、長尺部材24を支持する際に助けになるための1個又はそれ以上のサポートが含まれている。図示するように、第一の構造物12には、長尺部材24から外側の方に伸びている一対のサポート48が含まれている。第一の骨組構造物12には、ステアリングカラム(図示せず)又は自動車の他のコンポーネントを支持する際に助けるために使用することができるサポート構造物50が含まれていてよい。
【0013】
第二の骨組構造物14は長尺部材54のみを含むが、同様に他の構造物を含むように形作ることもできる。図示するように、第二の骨組構造物14の長尺部材54は、第一の構造物12の長尺部材24と同様の方式で溝56を規定している。
【0014】
第一のコンストラクション18は、コンストラクション18が使用される自動車に依存する、種々の形状及び配置で形成することができる。一つの態様に於いて、第一のコンストラクションには、自動車のインストルメントパネルを少なくとも部分的に規定するように形作られているパネル部分60が含まれている。図示するように、パネル部分60は、自動車のインストルメント(例えばクラスタ、ラジオ、速度計、エアーバッグ等)を収容するための複数個の開口(例えばくぼみ又はポケット)を含むことができる。
【0015】
第一のコンストラクション18は、また、パネル部分60から外側の方に伸びている後方区画として示されている区画62も含む。好ましくは、区画62には、第一の構造物12の長尺部材24に対応する第一の部分66が含まれている。更に、区画62は、好ましくは、第一の構造物12の延長部36、38に対応する第二の部分68及び第三の部分70を含む。
【0016】
第二のコンストラクション20は、第一のコンストラクションと同様に、種々の形状及び配置で形成することができる。図示した態様に於いて、第二のコンストラクション20は、パネルとして実質的に形作られている。
【0017】
上記の構造物及びコンストラクションに加えて、インストルメントパネルアセンブリは、特にステアリングカラムを支持するための一つ又はそれ以上の強化材を含むことができる。強化部材は、例えば構造物、コンストラクション又は両方の第一の部分と第二の部分との間の隙間を橋架けすることができる。特に、この部材は、それを貫通してステアリングカラムが伸びている隙間を橋架けすることができ、そしてステアリングカラムの上又は下の隙間を橋架けすることができる。このような強化材の例は、2003年3月31日出願の本件特許出願人の米国特許出願第10/403,603号明細書、発明の名称「インストルメントパネルアセンブリ及びその形成方法」(全ての目的のために、引用により本明細書に組み入れる)に開示されている。
【0018】
第一及び第二の構造物並びに第一及び第二のコンストラクションが、種々の異なった材料で形成できることが意図される。更に、第一及び第二の構造物並びに第一及び第二のコンストラクションの種々の部分又はコンポーネントが、異なった材料で形成できることが意図される。代表的材料には、金属、ポリマー材料等が含まれる。
【0019】
好ましくは、コンストラクションは、プラスチック成形で形成される。プラスチックス材料は、好ましくはホモポリマー、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド及びポリスチレン又はコポリマー、例えばポリアルキレンテレフタレートを含む。
【0020】
好ましいプラスチックス材料は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアミドアロイ、ポリエチレン(低密度又は高密度)、ポリフェニレンオキシドポリマー、ポリフェニレンオキシドアロイ、ポリスチレンポリマー、ポリスチレンアロイ、ポリブチレンテレフタレートポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレンPC/ABS、競合品グレードプラスチック(例えば、スチレン無水マレイン酸(SMA)7、上記ポリマーとポリフェニレンエーテル又はポリフェニレンオキシド等とのブレンド)及びポリブチレンテレフタレートアロイを含む。このプラスチックス材料は、繊維、例えばガラス短繊維(short glass fiber)、ガラス長繊維、天然短繊維又は天然長繊維を含むことができる。
【0021】
特に好ましいプラスチックス材料は、ガラス短繊維充填ポリプロピレン、ガラス長繊維充填ポリプロピレン、ガラス短繊維充填ABS、ガラス長繊維充填ABS、ガラス短繊維充填PC/ABS、ガラス長繊維充填PC/ABS、ガラス充填ポリアミド及びガラス充填ポリアミドアロイを含む。EAUとしてバンパーシステムに使用するのに特に好ましいプラスチックス材料は、未充填ポリプロピレン、タルク充填ポリプロピレン、鉱物充填ポリプロピレンを含む。
【0022】
ある種の好ましい態様に於いて、ポリマー材料は追加の強度のために繊維を含むことができる。種々のサイズ(例えば長さ)の繊維を使用できることを意図するが、有利には、比較的長いガラス繊維が、比較的高い強度を付加することを見出した。従って、好ましい態様に於いては、ABS、PCABS、ポリプロピレン又は他の適当なプラスチックのようなポリマー材料には、約2mm以上、更に好ましくは約4mm以上、なお更に好ましくは約6mm以上、最も好ましくは約8mm〜20mmの平均長さを有するガラス繊維を充填する。
【0023】
ポリマー又はプラスチックスは、また、種々の充填材を含むことができる。代表的充填材には、限定するものではないが、シリカ、珪藻土、ガラス、クレイ、タルク、顔料、着色剤、炭素セラミック繊維、雲母、酸化防止剤等が含まれる。
【0024】
選択された材料の製作について当業界で開示された技術を使用してコンストラクションを製造することが可能である。従って、コンストラクションは、例えば所望の形状に、二次成形、成形、機械加工又は他の方法で形作ることができる。コンストラクションがプラスチックである場合、限定するものではないが、射出成形(これらに限定されないが、外部又は内部ガスインジェクションモールディングを含む)、吹込成形、圧縮成形、回転成形、熱成形、押出、真空成形、現場発泡又は他の方法を含む、任意の適当なプラスチック製作技術を使用することが可能である。インサート成形、オーバー成形又はこれらの組合せのような、1種又はそれ以上の他の製作技術を使用することもできる。従って、理解できるように、一つの態様に於いて、ハイブリッドパネルアセンブリを製作することができ、それによって、異なったそれぞれの材料及び異なったそれぞれの製作技術の利点の有利性を得ることができ、そしてまた追加の特徴を設計する能力を有利に可能にできる。
【0025】
骨組構造物は、好ましくは、少なくとも部分的に又は実質的に全部が、1種又はそれ以上の金属、例えばアルミニウム、鉄、タングステン、マグネシウム、スチール、スズ、銅、チタン、これらの組合せ等で形成される。構造物の形成は、また、種々の技術を使用して達成できる。構造物は、例えばロール成形、注型、打ち抜きなどをすることができる。構造物は、また、成形、押出などをすることができる。
【0026】
インストルメントパネルアセンブリ10は、一般的に、一つ又はそれ以上の骨組構造物を一つ又はそれ以上のコンストラクションに取り付けることによって形成される。複数の骨組構造物又は複数のコンストラクションのために、骨組構造物をお互いに取り付けることができ、そしてコンストラクションをお互いに取り付けることができる。
【0027】
コンストラクションを一緒に、骨組構造物を一緒に取り付けるために又は骨組構造物をコンストラクションに取り付けるために、任意の適当な固定技術を使用することができる。例えばねじ、クリップ、リベット、インターロッキングデバイス、これらの組合せ等のような機械的固定具を使用することができる。更に、このような取り付けは、骨組構造物又はコンストラクションと共に又はこれらとは別に一体に形成することができる。その代わりに又は追加的に、本明細書に記載した成形技術の一つに従って、構造物の周りにコンストラクションの少なくとも一部分を成形することによって、構造物をコンストラクションと一体化することができる。他の代替又は他の追加として、熱積み重ね、振動溶接、音波溶接、これらの組合せ等を使用することができる。
【0028】
追加の参照として図2A及び図2Bに示した態様に於いて、第一の骨組構造物12は第一のコンストラクション18に接着し、そして第二の骨組構造物14は第一及び第二のコンストラクション18、20の両方に接着する。好ましくは、接着剤76が、第一の骨組構造物12、第二の骨組構造物14、第一のコンストラクション18、第二のコンストラクション20又はこれらの組合せの釣り合う又は対応する表面78、80、82、84、86に適用する。その後、釣り合う又は対応する表面78、80、82、84、86をお互いの方に押し付けて、表面78、80、82、84、86を接着し、そして骨組構造物12、14とコンストラクション18、20とを一緒に接着する。
【0029】
本発明に於いて、任意適当な接着剤も使用することができる。好ましくは、接着剤は、構造物及びコンストラクションの表面の材料と親和性である(即ち、接着することが可能である)。しかしながら、接着剤がこれらの材料の一方と僅かに非親和性である場合、非親和性の材料で形成された表面(群)を処理することが望ましいであろう。代表的処理には、プライマーの適用、プラズマへの露出、これらの組合せ等が含まれる。
【0030】
一つの態様に於いて、接着剤はウレタン系接着剤、更に好ましくはウレタン接着剤(例えばポリウレタン接着剤)である。また、この接着剤は、アクリル、メタクリル酸メチル(MMA)、エポキシ、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)又はこれらの混合物(例えばPC−ABS)から選択された機能性成分を含むことができる。別の代わりの態様に於いて、接着剤はシラン接着剤、シリコーン接着剤又はこれらの混合物である。更に他の態様に於いて、接着剤はアクリル接着剤である。接着剤はまたエポキシ系であってよい。これには、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂又はこれらの混合物が含まれていてもよい。更に他の態様に於いて、好ましい接着剤はアルキルボランを含む。適切な接着剤の例は、本件特許出願人の米国特許出願第09/466,321号明細書(1999年12月17日出願)並びに米国特許公開第20020058764号明細書及び同第20030001410号明細書(全ての目的のために、引用により本明細書に含める)に開示されている。このような接着剤には、技術開示された粘着付与剤、エラストマー、耐衝撃性改良材等を含む適当な性能改良剤が含有されていてよい。
【0031】
一つの非常に好ましい態様に於いて、コンストラクション及び骨組構造物の組合せを一緒に接着剤的に固定するために2液性オルガノボラン/アミン錯体接着剤又は他の接着剤を使用する。有利なことに、この接着剤は金属(例えばスチール)及びプラスチック、特にポリプロピレンと親和性であることを見出した。それ故、この接着剤は、金属で形成されたときの骨組構造物を、プラスチック又はポリプロピレンで形成されたコンストラクションに、接着の前に、コンストラクションの表面又は表面の何れも処理することなく、取り付けるために使用することができる。
【0032】
本発明の特に好ましい態様は、45mJ/m2よりも小さい表面エネルギーを有する、成形されたガラス充填ポリプロピレン及び/又はガラス充填ポリアミド並びにスチール、亜鉛及び/又はアルミニウムから製造された強化材で製造された1種又はそれ以上のコンストラクションを提供する。それ故、好ましくは45mJ/m2よりも小さい表面エネルギーを有する支持体に結合することができる接着剤は、それらを一緒に結合するように、対応する表面の少なくとも一部の間に配置し、接着剤は、
i)オルガノボラン/アミン錯体;
ii)1種又はそれ以上の、フリーラジカル重合によって重合することができるオレフィン性不飽和を有するモノマー、オリゴマー又はポリマー及び
iii)前記錯体を解離させて、1種又はそれ以上のオレフィン性不飽和を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーの重合を開始するためのボランを放出する化合物
を含む重合性組成物から誘導される。
【0033】
勿論、より高い表面エネルギーを有する他のプラスチックス又は金属を、使用する接着剤に依存して及び他の要因(例えば、コスト、重量など)に依存して、使用できることが意図される。
【0034】
本発明の追加の特に好ましい面は、前のパラグラフで参照した自動車アセンブリの製造方法及びその中に記載したアセンブリを製作する際の、そのパラグラフで記載した接着剤の使用である。
【0035】
国際特許出願公開第PCT/US00/33806号明細書に開示されている接着剤及び重合性組成物が、コンストラクション及び構造物の両方に対して本発明に於いて使用するのに特に好ましい。
【0036】
オルガノボラン化合物を錯化するのに使用するアミンは、オルガノボランを錯化し、脱錯化剤に露出されたとき脱錯化することができる任意のアミンであってもよい。好ましいアミンは、Zharovの米国特許第5,539,070号明細書第5欄第41〜53行(引用により本明細書に含める)、Skoultchiの米国特許第5,106,928号明細書第2欄第29〜58行(引用により本明細書に含める)及びPociusの米国特許第5,686,544号明細書第7欄第29行〜第10欄第36行(引用により本明細書に含める)に開示されているような、第一級若しくは第二級アミン又は第一級若しくは第二級アミン基を含有するポリアミン又はアンモニア;モンタノールアミン(monthanolamine)、第二級ジアルキルアミン又はポリオキシアルキレンポリアミン並びにDevinyの米国特許第5,883,208号明細書第7欄第30行〜第8欄第56行(引用により本明細書に含める)に開示されているようなジアミンと2個又はそれ以上のアミンと反応性の基を有する化合物とのアミン末端反応生成物を含む。Devinyの特許に記載されている反応生成物に関して、好ましいジ第一級アミンは、アルキルジ第一級アミン、アリールジ第一級アミン、アルキアリールジ第一級アミン及びポリオキシアルキレンジアミンを含み、そしてアミンと反応性の化合物は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸ハライド、アルデヒド、エポキシド、アルコール及びアクリレート基の2個又はそれ以上の基を含有する化合物を含む。好ましいアミンは、n−オクチルアミン、1,6−ジアミノヘキサン(1,6−ヘキサンジアミン)、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン(1,3−プロパンジアミン)、1,2−プロピレンジアミン、1,2−エタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミンが含まれる。好ましいポリオキシアルキレンポリアミンには、ポリエチレンオキシドジアミン、ポリプロピレンオキシドジアミン、トリエチレングリコールプロピレンジアミン、ポリテトラメチレンオキシドジアミン及びポリエチレンオキシドコポリプロピレンオキシドジアミンを含む。
【0037】
特に、オルガノボラン/アミン錯体中のアミンは、アミジン構造成分を有するアミン;複素環式環内に少なくとも1個の窒素を有する脂肪族複素環(但し、複素環式化合物は、また、複素環内に、1個又はそれ以上の窒素原子、酸素原子、硫黄原子又は二重結合を含有していてもよい);更に1個又はそれ以上の水素結合受容基を有する第一級アミン(但し、第一級アミンと水素結合受容基との間に、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは少なくとも3個の炭素原子が存在し、そうして錯体内の分子間又は分子内相互作用のために、B−N結合の強度が増加する)及び共役イミンの群から適当に選択される。
【0038】
好ましい水素結合受容基は、下記のもの、即ち、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、エーテル、ハロゲン、ポリエーテル又はポリアミンを含む。本明細書で使用する用語、複素環は、環の1個に窒素が含有されている1個又はそれ以上の脂肪族環式環を有する化合物を指す。アミジン又は共役イミンは直鎖若しくは分枝鎖又は環式であってよい。
【0039】
望ましくは、錯体中に使用されるオルガノボランは、トリアルキルボラン又はアルキルシクロアルキルボランである。好ましくは、このボランは、式1:
B−(R13 式1
(式中、Bはホウ素を表し、そしてR1は、それぞれ存在する場合に別々に、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキルであり又はR1の2個若しくはそれ以上は、一緒になってシクロ脂肪族環を形成することができる)
に対応する。
【0040】
好ましくは、R1はC1〜C4アルキル、なお更に好ましくはC2〜C4アルキル、最も好ましくはC3〜C4アルキルである。好ましいオルガノボランの中には、トリエチルボラン、トリイソプロピルボラン及びトリ−n−ブチルボランが存在する。
【0041】
好ましい態様に於いて、錯体のアミン部分は、第一級アミン及び1個又はそれ以上の水素結合受容基を有する化合物を含み、ここで、第一級アミンと水素結合受容基との間に、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは少なくとも約3個の炭素原子が存在する。
【0042】
好ましくは、このアミンは、式2:
NH2(CH2b(C(R22aX (2)
(式中、R2は、それぞれ存在する場合に別々に、水素又はC1〜C10アルキル若しくはC3〜C10シクロアルキルであり、Xは水素結合受容単位であり、aは1〜10の整数でありそしてbは、それぞれ存在する場合に別々に0〜1の整数であり、そしてa及びbの合計は2〜10である)
に対応する。
【0043】
好ましくは、R2は水素又はメチルである。
【0044】
好ましくは、Xは、それぞれ存在する場合に別々に、水素受容単位であり、水素受容単位がアミンであるとき、これは、好ましくは第三級アミン又は第二級アミンである。更に好ましくは、Xは、それぞれ存在する場合に別々に、−N(R2e、−OR10又はハロゲン(式中、R8は、それぞれ存在する場合に別々に、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル又は−(C(R22d−Wであり、R10は、それぞれ存在する場合に別々に、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル又は−(C(R22d−Wであり、そしてeは0、1又は2である)である。更に好ましくは、Xは−N(R82又は−OR10である。
【0045】
好ましくは、R8及びR10は、C1〜C4アルキル又は−(C(R12d−W、好ましくはC1〜C4アルキル、最も好ましくはメチルである。Wは、それぞれ存在する場合に別々に、水素又はC1〜C10アルキル又はX、更に好ましくは水素又はC1〜C4アルキルである。
【0046】
好ましくは、aは約1又はそれ以上、更に好ましくは2又はそれ以上である。好ましくは、aは約6又はそれ以下、最も好ましくは約4又はそれ以下である。好ましくは、bは約1である。好ましくは、a及びbの合計は、約2又はそれ以上、最も好ましくは約3又はそれ以上の整数である。好ましくは、a及びbの合計は、約6又はそれ以下、更に好ましくは約4又はそれ以下である。好ましくは、dは、それぞれ存在する場合に別々に、1〜4,更に好ましくは2〜4、最も好ましくは2〜3の整数である。
【0047】
式2に対応する好ましいアミンの中には、ジメチルアミノプロピルアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノブチルアミン、メトキシブチルアミン、メトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、プロポキシプロピルアミン、アミン末端ポリアルキレンエーテル(例えばトリメチロールプロパントリス(ポリ(プロピレングリコール)アミン末端)エーテル)、アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン及びアミノプロピルプロパンジアミンがある。
【0048】
他の態様に於いて、このアミンは、複素環内に少なくとも1個の窒素を有する脂肪族複素環であってよい。この複素環式化合物には、また、1個又はそれ以上の窒素、酸素、硫黄又は二重結合が含有されていてよい。更に、この複素環は、複数個の環(但し、環の少なくとも1個は、環内に窒素を有する)からなっていてよい。この種類の好ましい化合物には、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3,2,1]オクタン、チアゾリジン、ホモピペラジン、アジリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1−アミノ−4−メチルピペラジン及び3−ピロリンが含まれる。
【0049】
更に他の態様に於いて、オルガノボランによって適切に錯化されるアミンは、アミジンである。アミジンが、前記のようにオルガノボランとの十分な結合エネルギーを有する、アミジン構造を有する任意の化合物を使用することができる。好ましいアミジンの中には、1,8−ジアザビシクロ[5,4]ウンデク−7−エン、テトラヒドロピリミジン、2−メチル−2−イミダゾリン及び1,1,3,3−テトラメチルグアニジンがある。
【0050】
別の態様に於いて、オルガノボランによって錯化されるアミンは、適切には共役イミンである。国際特許出願公開第PCT/US00/33806号明細書に記載されているような、イミンが、オルガノボランとの十分な結合エネルギーを有する、共役イミン構造を有する任意の化合物を使用することができる。この共役イミンは、直鎖若しくは分枝鎖イミン又は環式イミンであってよい。好ましい共役イミンの中には、4−ジメチルアミノピリジン、2,3−ビス(ジメチルアミノ)シクロプロペンイミン、3−(ジメチルアミノ)アクロレインイミン、3−(ジメチルアミノ)メタクロレインイミンがある。
【0051】
好ましくは、アミン化合物のオルガノボラン化合物に対するモル比は、1.0:1.0〜3.0:1.0である。約1.0:1.0の比よりも下では、錯体及び接着剤の重合及び安定性に問題があろう。約3.0:1.0よりも大きい比を使用することができるが、約3.0:1.0よりも大きい比を使用することからの追加の利点は無いであろう。多すぎるアミンが存在すると、これは、接着剤又はポリマー組成物の安定性に負の影響を与えるであろう。好ましくは、アミン化合物のオルガノボラン化合物に対するモル比は、2.0:1.0〜1.0:1.0である。
【0052】
オルガノボランアミン錯体は、例えば国際特許出願公開第PCT/US00/33806号明細書に記載の又はこれに参照されているような公知の技術を使用して、容易に製造することができる。
【0053】
好ましくは、重合性材料は、アクリレート及び/又はメタクリレート系化合物からなる。特に好ましいアクリレート及びメタクリレート化合物には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル メタクリル酸テトラヒドロフルフリル及びメタクリル酸シクロヘキシルメチルが含まれる。
【0054】
重合性組成物は、更に、有効量の、アミンと反応性であり、オルガノボランを遊離し、重合を開始する化合物(解離剤)を含むことができる。望ましいアミン反応性化合物は、室温で又は室温よりも下で、更に好ましくは室温で、アミンとの反応生成物を容易に形成し、一般的に、環境温度で容易に使用し、硬化できる組成物を提供することができる物質である。これらの化合物の一般的な種類には、酸、アルデヒド、イソシアナート、酸クロリド、スルホニルクロリド、これらの混合物等々が含まれる。好ましいアミン反応性化合物は、酸、特にブレンステッド酸及びルイス酸並びに米国特許第5,718,977号明細書に記載されているものであり、更に望ましくはアクリル酸及びメタクリル酸である。
【0055】
重合性組成物に於いて、組成物の、適切には少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、特に少なくとも40重量%は、重合性成分を含む。独立に、重合性成分は、組成物の、適切には95重量%を越えない、好ましくは90重量%を越えない、特に85重量%を越えないレベルで存在する。
【0056】
適切には、オルガノボラン/アミン錯体は、組成物の、少なくとも0.2重量%、好ましくは少なくとも1重量%、更に好ましくは少なくとも2重量%のレベルで存在する。独立に、錯体は、組成物の、適切には8重量%を越えない、好ましくは6重量%を越えない、特に4重量%を越えないレベルで存在する。
【0057】
存在する場合、解離化合物は、組成物の、少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも1.5重量%、更に好ましくは少なくとも2重量%のレベルで存在する。独立に、解離化合物は、組成物の、適切には8重量%を越えない、好ましくは6重量%を越えない、特に4重量%を越えないレベルで存在する。
【0058】
本発明に於いて使用すべき接着剤は、適切には、ASTM D1002に規定された手順に従って試験したとき、コンストラクションが如何なる表面処理も受けることなく、30%ガラス充填ポリプロピレンコンストラクションと構造物との間の結合を与えることができる。好ましくは、この接着剤は、更に熱サイクル及び高湿度に付されることを含む、この処方下で試験したとき、結合を与える。これに関連する熱サイクルには、適切には、−40℃から120℃より高い温度までの範囲に亘るサイクルが含まれる。湿度レベルは、乾燥から完全飽和まで変化し得る。
【0059】
この接着剤は、国際特許出願公開第PCT/US00/33806号明細書に記載されている方法で使用することができる。任意的に、添加剤のような別の成分を、組成物中に含ませることができる。適当な添加剤は、国際特許出願公開第PCT/US00/33806号明細書に記載されているものである。
【0060】
このアセンブリは、100℃の温度で、適切には120℃まで又はそれ以上で熱に対する曝露に耐えることができる。更に、このアセンブリは、望ましくは、製造中に適用され、そしてまた使用中に課せられる荷重に耐えることができなくてはならない。
【0061】
接着剤76を適用すると、これは、典型的に、硬化(例えば部分硬化、完全硬化、要求に応じた硬化、空気硬化、熱硬化、水分硬化、化学硬化、光硬化等)するために、ある長さの時間を必要とする。好ましくは、接着剤はほぼ室温(例えば約20℃〜約30℃)で硬化するが、硬化時間を加速するために又は遅くするために、高い又は低い温度に曝露することができる。硬化の間、コンストラクション、構造物又は両者を一緒に保持するために、固定具(例えばプッシュ−ピン、クリップ等)を使用することが望ましい。このような固定具は、着脱可能であってよく又はパネルアセンブリ10の使用の間にコンストラクションと構造物とを一緒に固定することを助けることを意図することができる。
【0062】
一般的に、接着剤は、妥当な量の後硬化延性を示すことが望ましい。好ましくは、接着剤は、どちらかの延性がより低くても、構造物12、14を形成する材料又はコンストラクション18、20を形成する材料の延性のように高い延性を示す。しかしながら、更に好ましくは、接着剤は、どちらかの延性がより高くても、構造物12、14を形成する材料又はコンストラクション18、20を形成する材料の延性のように高い延性を示す。
【0063】
骨組構造物をコンストラクションに取り付ける際に、一つ又はそれ以上のダクトが、好ましくは、構造物、コンストラクション又はこれらの組合せによって形成される。図2A及び2Bを更に参照して、第一の骨組構造物12及び第一コンストラクション18が、協同して、一つ又はそれ以上のエアーダクト80、82、84を形成し、そして第二の骨組構造物14及び第二のコンストラクション20が、協同して、一つ又はそれ以上のエアーダクト88を形成することがわかる。好ましくは、ダクト80、82、84、88は、自動車のHVACシステムの一部として使用される。それで、ダクト80、82、84、88は、好ましくは、コンディショニングした空気の源泉(図示せず)と流体連通状態にある。
【0064】
図示した好ましい態様に於いて、第一の骨組構造物12の長尺部材24と後方区画62の第一の部分66とは協同して、コンディショニングした空気の源泉と、第一のコンストラクション18のパネル部分60内の一対の外側開口90との間の流体連通を与えるダクト80を形成するための溝32を取り囲む。更に、後方区画62の第二の部分及び第三の部分68、70と第一の骨組構造物12の第一の延長部及び第二の延長部36、38とは、それぞれ協同して、副溝42、44を取り囲んで、コンディショニングした空気の源泉と一対の内側開口94との間の流体連通を与えるダクト82、84を形成する。好ましくは、内側開口94及び外側開口90は、必要ではないが、第一のコンストラクション18のパネル部分60によって規定される。
【0065】
また図示した態様に於いて、第二の骨組構造物14の長尺部材54と第二のコンストラクション20とは、協同して、溝56を取り囲んで、コンディショニングした空気の源泉と上部の一対の開口96との間の流体連通を与える他のダクト88を形成する。好ましくは、上部の一対の開口96は、第二のコンストラクション20によって規定される。
【0066】
必要ではないが、腐食、凝縮等を防止するために、ダクトを規定する表面(例えばコンストラクション、骨組構造物又は両方の表面)を覆うことが望ましい。適当なカバーには、ペイント、プライマー等のようなコーティングが含まれてよい。その代わりに、表面を覆うために、フィルム又はプラスチック若しくはポリマー材料の他のカバーを使用することもできる。一つの好ましい態様に於いて、カバーは、本明細書に記載したポリマー材料又は他のポリマー材料の任意のものであってよい、吹込成形ポリマー材料である。
【0067】
有利には、強化材、コンストラクション、構造物、接着剤若しくはアセンブリの他のアタッチメント又はパネルアセンブリのこれらの組合せは、アセンブリ及び/又は自動車に望ましい特性を与える際に少なくとも助けになり得る。例えば、強度及び剛性特性と共に、ノイズ、振動及び粗さ(harshness)特性を改良することができる。追加の利点として、このインストルメントパネルアセンブリの構造物及びコンストラクションは、分離することができ、そして特に自動車に使用した後でリサイクルすることができる。
【0068】
前記のように、このインストルメントパネルアセンブリの種々のコンポーネントの形状は、本発明の範囲内で変化させることができる。例示目的のために、図3、4、5及び6A〜6Cに、二つの、本発明に従って形成された代替アセンブリを示す。図3、4、5及び6A〜6Cのアセンブリは、図1〜2Bのアセンブリとは異なっているが、当業者は、図1〜2Bに関連する説明の、全部ではないにしても多くが、図3、4、5及び6A〜6Cの態様に同様に適用できることを理解するであろう。従って、例えば図1〜2Bのアセンブリ(例えば構造物及びコンストラクション)の、材料、形成方法、使用及び操作方法、物理的形状、これらの組合せ等の検討を、図3、4、5及び6A〜6Cのアセンブリ(例えば構造物及びコンストラクション)に適用することもできる。
【0069】
図3を参照して、本発明に従った代表的インストルメントパネルアセンブリ110の少なくとも一部を示す。図示したアセンブリ110には、第一の骨組構造物112、第二の骨組構造物114、コンストラクション116及びサポート構造物118が含まれている。
【0070】
図示する態様に於いて、第一の骨組構造物112には、第一の端部126から第二の端部128まで伸びている長尺部材124が含まれている。部材124は、必要ではないが、自動車の一方のA柱の近くから自動車の反対側のA柱の近くまで実質的に伸びるように設計されている。更に、部材124は、部材124と実質的に同一の広がりを有する溝132を規定している。図示する態様に於いて、溝132は、図1に示す部材24の溝32が実質的に垂直であるのとは反対に、部材124の中に実質的に水平に伸びている。部材124には、また、流体流(例えば、空気流)が貫通できるための開口134が形作られている。
【0071】
第二の骨組構造物114は、一般的に長尺部材154であるが、同様に他の構造を含むように他の方法で形作ることができる。図示するように、第二の骨組構造物114の長尺部材154は、第一の構造物112の長尺部材124と同様の方式で溝156を規定している。更に、長尺部材124は、溝156を副溝159(例えば、垂直に伸びた副溝)に分割する、複数個のディバイダ部材158を含む。
【0072】
第一のコンストラクション116は、全体的に細長く、第一の端部162と第二の端部164との間に広がっている。一つの態様に於いて、第一のコンストラクションはパネル部分168を含む。図示するように、パネル部分160は、対峙する端部162、164のそれぞれに、複数個の開口172を含む。コンストラクションは、また、サポートカラム(例えば、ステアリングサポートカラム)に取り付けるように形作られた延長部176を含む。
【0073】
第一及び第二の構造物並びに第一及び第二のコンストラクションが、種々の異なった材料で形成できることが意図される。好ましい態様に於いて、コンストラクション116は前記のポリマー材料の1種で形成され、そしてサポート118及び骨組構造物112、114は、前記の金属材料の1種で形成される。
【0074】
コンポーネント(即ち、構造物112、114、サポート118及びコンストラクション116又はこれらの任意の組合せ)は、前記の固定具及び/又は固定技術の何れかを使用して、お互いに対して取り付けることができる。好ましい態様に於いて、コンポーネントは、図1〜2Bを参照して説明したように、コンポーネントの釣り合う又は対応する表面に接着剤を適用することによって、お互いに対して接着される。アセンブリに際して、骨組構造物110、112の溝132、156、159は、コンストラクション116と共にHVACダクトを協同的に形成する。
【0075】
図4を参照して、本発明に従った代表的インストルメントパネルアセンブリ210の少なくとも一部を示す。アセンブリ210には、図示するように、骨組構造物212及びコンストラクション216が含まれている。
【0076】
図示する態様に於いて、骨組構造物212には、第一の端部226から第二の端部228まで伸びている長尺部材224が含まれている。部材224は、必要ではないが、自動車の一方のA柱の近くから自動車の反対側のA柱の近くまで実質的に伸びるように設計することができる。任意に、部材224には、部材224の対峙する端部226、228に、それぞれ、A柱のような車両コンポーネントに取り付けるためのアタッチメント232、234が含まれていてよい。
【0077】
好ましくは、部材224は、部材224と実質的に同一の広がりを有する溝232を規定している。図示する態様に於いて、溝232は、図1に示す部材24の溝32が実質的に垂直であるのとは反対に、部材224の中に実質的に水平に伸びている。部材224には、また典型的に、流体流(例えば、空気流)が貫通できるための開口(図示せず)が形作られている。
【0078】
一対のサポート部材238は、骨組構造物212の下部分から伸びている。更に、好ましくは、防火壁のような車両コンポーネントに取り付けるために形作られているブラケット242が、骨組構造物212の上部に取り付けられている。
【0079】
コンストラクション216は、全体的に細長く、第一端部256と第二端部258との間に広がっている。一つの態様に於いて、第一コンストラクションにはパネル部分260が含まれている。図示するように、パネル部分160には、対峙する端部256、258のそれぞれに、複数個の開口266が含まれている。
【0080】
アセンブリ210には、更に、構造物212、コンストラクション216又は両方に取り付けられているサポート270が含まれている。好ましくは、サポート270は、ステアリングカラムのような車両のコンポーネントに取り付けるために形作られている。構造物212、コンストラクション216、サポート238、270及びブラケット242が、種々の異なった材料で形成できることが意図される。好ましい態様に於いて、コンストラクション216は前記のポリマー材料の1種で形成され、そしてブラケット242、サポート238、270及び骨組構造物212は、前記の金属材料の1種で形成される。
【0081】
コンポーネント(即ち、構造物212、ブラケット242、サポート238、270及びコンストラクション216又はこれらの任意の組合せ)は、前記の固定具及び/又は固定技術の何れかを使用して、お互いに対して取り付けることができる。好ましい態様に於いて、構造物及びコンストラクションは、図1〜2Bを参照して説明したように、コンポーネントの釣り合う又は対応する表面に接着剤を適用することによって、お互いに対して接着される。アセンブリに際して、骨組構造物212の溝233は、コンストラクション216と共に少なくとも1個のHVACダクトを協同的に形成する。
【0082】
図5を参照しながら、本発明に従った代表的インストルメントパネルアセンブリ310を示す。アセンブリ310は、図示するように、骨組構造物312及びコンストラクション316を含む。図示する態様に於いて、アセンブリは、必要ではないが、1個のみの骨組構造物及び1個のみのコンストラクションを含む。
【0083】
図示する態様に於いて、骨組構造物312は、第一の端部326から第二の端部328まで伸びている長尺部材324を含む。部材324は、必要ではないが、自動車の一方のA柱の近くから自動車の反対側のA柱の近くまで実質的に伸びるように設計することができる。任意的に、部材324は、部材324の対峙する端部326、328に、それぞれ、A柱のような車両コンポーネントに取り付けるためのアタッチメント332、334を含むことができる。
【0084】
好ましくは、部材324は、部材324と実質的に同一の広がりを有する溝333を規定している。図示する態様に於いて、溝333は、図1に示す部材24の溝32が実質的に垂直であるのとは反対に、部材324の中に実質的に水平に伸びている。部材324には、また典型的に、流体流(例えば、空気流)が貫通できるための開口336が形作られている。部材324の後壁338が、部材324の長さに沿って全体的に連続的に弧状になっていることが見られる。
【0085】
一対のサポート部材340は、骨組構造物312の下部分から伸びている。更に、好ましくは、防火壁のような車両コンポーネントに取り付けるために形作られているブラケット342が、骨組構造物312の上部に取り付けられている。
【0086】
コンストラクション316は、全体的に細長く、第一の端部356と第二の端部358との間に広がっている。一つの態様に於いて、コンストラクション316にはパネル部分360を含む。図示するように、パネル部分360は、対峙する端部356、358のそれぞれに、複数個の開口366を含み、そして1個は、端部356、358の間のパネル部分360の長さに沿って実質的に中心に配置されている。図示するように、開口366は、パネル部分360から外側に伸びている筒状構造物368によって形成されている。コンストラクション316には、また、構造物312のアタッチメント332、334に対応するアタッチメント370、372が含まれている。図示するように、アタッチメント332、334は、コンストラクション316の対峙する端部356、358から伸びている。
【0087】
アセンブリ310は、更に、構造物312、コンストラクション316又は両方に取り付けられているサポート380を含む。好ましくは、サポート380は、ステアリングカラムのような車両のコンポーネントに取り付けるために形作られている。構造物312、コンストラクション316、サポート340、380及びブラケット342が、種々の異なった材料で形成できることを意図する。好ましい態様に於いて、コンストラクション316は前記のポリマー材料の1種で形成され、そしてブラケット342、アタッチメント332、334、370、372、サポート340、380及び骨組構造物312は、前記の金属材料の1種で形成される。
【0088】
コンポーネント(即ち、構造物312、ブラケット342、サポート340、380及びコンストラクション316又はこれらの任意の組合せ)は、前記の固定具及び/又は固定技術の何れかを使用して、お互いに対して取り付けることができる。好ましい態様に於いて、構造物312及びコンストラクション316は、図1〜2Bを参照して説明したように、コンポーネントの釣り合う又は対応する表面390に接着剤を適用することによって、お互いに対して接着される。アセンブリに際して、骨組構造物312の溝333は、コンストラクション316と共に少なくとも1個のHVACダクトを協同的に形成する。
【0089】
インストルメントパネルアセンブリのダクトは、コンストラクション内の1個又はそれ以上の溝及び構造物内の溝で形成することができることが理解されるべきである。図6A〜6Bに於いて、コンストラクション402内に形成された溝400は、骨組構造物405内の溝404と組み合わさって、ダクト406を形成する。図6Cに於いて、コンストラクション412内の溝410は、骨組構造物418のパネル部分416と協同して、ダクト414を形成する。
【0090】
他の方法で記載しない限り、ここに示された種々の構造物の寸法及び形状は、本発明を限定することを意図せず、他の寸法又は形状が可能である。複数の構造的コンポーネントは、単一の集積構造物によって提供することができる。その代わりに、単一の集積構造物を別々の複数個のコンポーネントに分割することができる。更に、本発明の特徴を、示した態様の一つのみに関連して説明したが、このような特徴は、任意の与えられた応用について、他の態様の1個又はそれ以上の他の特徴と組合せることができる。ここでの独特の構造物の製作及びその操作は、また本発明に従った方法を構成することが、前記のことから認められるであろう。
【0091】
前記の検討は、本発明の代表的な態様を単に開示し、説明する。当業者は、このような検討から並びに添付する図面及び特許請求の範囲から、種々の変更、修正及び変化を、前記の特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その中で行うことができることを容易に認めるであろう。特に、前記のコンポーネント、アセンブリ、デバイス、組成物などによって実施される種々の機能に関して、このような項目を説明するために使用した用語は、他の方法で示さない限り、必ずしも開示した構造物と構造的に均等ではないが、説明した項目の特定された機能を実施する全ての項目に対応する。更に、本発明の特別の特徴を、態様の一つのみに関して前記したが、このような特徴は、他の例示する態様の1個又はそれ以上の他の特徴と組合せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一面に従った代表的インストルメントパネルアセンブリの分解組立透視図である。
【図2A】図1のインストルメントパネルアセンブリの一部の組立断面図である。
【図2B】図1のインストルメントパネルアセンブリの一部の他の組立断面図である。
【図3】本発明の別の面に従ったインストルメントパネルアセンブリの一部の分解組立透視図である。
【図4】本発明の他の別の面に従ったインストルメントパネルアセンブリの一部の組立透視図である。
【図5】本発明の別の面に従ったインストルメントパネルアセンブリの分解組立透視図である。
【図6A】本発明の一面に従って形成された代表的ダクトの断面図である。
【図6B】本発明の一面に従って形成された代表的ダクトの断面図である。
【図6C】本発明の一面に従って形成された代表的ダクトの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の材料で形成された第一の骨組構造物を用意する工程(第一の骨組構造物は第一材料で形成された対応する表面を提供する)、
第二の材料で形成された第一のコンストラクションを用意する工程(第一のコンストラクションは第二材料で形成された対応する表面を提供する)、
第一の構造物の対応する表面を、第一のコンストラクションの対応する表面に、接着剤で接着する工程
を含んでなるインストルメントパネルアセンブリの形成方法。
【請求項2】
第一の骨組構造物の対応する表面及び第一のコンストラクションの対応する表面の少なくとも一方が低エネルギー表面であり、そして接着剤が低エネルギー表面へ接着することができる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
低エネルギー表面が第一のコンストラクションによって与えられ、そして第一の材料が45mJ/m2よりも小さい表面エネルギーを有するプラスチックである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プラスチックがポリオレフィン、ポリスチレン及びポリアミドから選択されたホモポリマー又はこれらのコポリマーを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
プラスチックがポリスチレンアロイ、ポリブチレンテレフタレートポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレン無水マレイン酸、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、これらの組合せ等を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
プラスチックが繊維を含む請求項3、4又は5に記載の方法。
【請求項7】
繊維がガラス短繊維、ガラス長繊維、天然短繊維又は天然長繊維から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プラスチックがガラス短繊維充填ポリプロピレン、ガラス長繊維充填ポリプロピレン、ガラス充填ポリアミド及びガラス充填ポリアミドアロイから選択される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
第一の骨組構造物及びその対応する表面がスチール、アルミニウム又はこれらの組合せから選択された金属で製造されている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記第一のコンストラクションの対応する表面の処理又はプライマー処理なしに、第一のコンストラクションの対応する表面に前記接着剤を直接適用することを更に含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の方法。
【請求項11】
第一のコンストラクション及び第一のコンストラクションの対応する表面がポリプロピレン又はポリアミドで形成されている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10に記載の方法。
【請求項12】
接着剤がオルガノボラン/アミン錯体及び1種又はそれ以上のフリーラジカル重合によって重合することができるオレフィン性不飽和を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーを含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11に記載の方法。
【請求項13】
重合性組成物が、錯体を解離させて、1種又はそれ以上のオレフィン性不飽和を有するモノマー、オリゴマー又はポリマーの重合を開始するためのオルガノボランを放出する化合物を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
オルガノボラン/アミン錯体のアミン部分がアミジン構造成分を有するアミン、複素環式環内に少なくとも1個の窒素を有する脂肪族複素環、更に、1個又はそれ以上の水素結合受容基を有する第一級アミン(但し、第一級アミンと水素結合受容基との間に、少なくとも2個の炭素原子が存在する)及び共役イミンの群から選択される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
アミンがジメチルアミノプロピルアミン、メトキシプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノブチルアミン、メトキシブチルアミン、メトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、プロポキシプロピルアミン、アミン末端ポリアルキレンエーテル(例えばトリメチロールプロパントリス(ポリ(プロピレングリコール)アミン末端)エーテル)、アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン及びアミノプロピルプロパンジアミンから選択される請求項12に記載の方法。
【請求項16】
オルガノボラン/アミン錯体のオルガノボラン部分がトリアルキルボラン及びアルキルシクロアルキルボランから選択される請求項12に記載の方法。
【請求項17】
接着工程の後に、第一の構造物及び第一のコンストラクションが少なくとも1個のダクトを協同して規定する請求項1又は12に記載の方法。
【請求項18】
第一の構造物が接着工程の前に溝を規定し、そしてこの溝がその後ダクトの少なくとも一部を形成する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ダクトが、コンディショニングした空気の供給と、第一のコンストラクションのフロントパネル部分によって少なくとも部分的に規定される開口との間の流体連通を与える請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
第一の構造物が自動車の一方のA柱から自動車の他方のA柱まで実質的に伸びている長尺部材を含む請求項17、18又は19に記載の方法。
【請求項21】
第一の構造物がステアリングホイールカラムを支持するための構造を含む請求項17、18、19又は20に記載の方法。
【請求項22】
接着剤がウレタン、アクリル、メタクリル酸メチル、エポキシ、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート又はこれらの混合物を含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11に記載の方法。
【請求項23】
第二の骨組構造物を用意する工程、
第二のコンストラクションを用意する工程、
第二の骨組構造物を第二のコンストラクションに接着する工程並びに
第二の骨組構造物及び第二のコンストラクションの少なくとも一方又は両方を、第二のコンストラクションに接着する工程
を更に含む請求項17、18、19、20、21又は22に記載の方法。
【請求項24】
第一のコンストラクションの表面上にカバーを配置する請求項1〜23の何れか1項に記載の方法。
【請求項25】
カバーを吹込成形ポリマー材料で形成する請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−520287(P2006−520287A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503450(P2006−503450)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/003857
【国際公開番号】WO2004/074026
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】