説明

方位測定装置および方位測定システム

【課題】迅速に磁気センサの残留磁気値を取得することができ、正確に船首方向の方位を測定することが可能な方位測定装置および方位測定システムを提供する。
【解決手段】磁気センサコンパス3は、3軸磁気センサ38が検出した検出磁気値から残留磁気値を減算した検出磁気真値に基づいて船首方位ψmを算出する。残留磁気値は、3軸磁気センサ38が検出した検出磁気値と、地磁気データ記憶部22が記憶する地磁気データに基づいて取得された標準の地磁気の値とに基づいて算出される。衛星測位コンパス2は、衛星受信部34aおよび34bが受信した信号に基づいて船首方位ψsを算出する。選択部10は、衛星受信部34aの受信状況が良好であるときは、船首方位ψsを船首方位ψとして船首方位表示部12へ入力し、衛星受信部34aの受信状況が良好でないときは、船首方位ψmを船首方位ψとして船首方位表示部12へ入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサの出力値に基づいて船舶の船首方向の方位を測定する装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶の船首方向の方位を測定する手段として、地磁気を検出する磁気センサが広く用いられる。磁気センサは船舶に固定され、直交する3軸方向の磁気を検出してその値を出力する。地磁気はその磁力線の方位が既知であるため、検出された3軸方向の磁気の値に基づいて、船舶の船首方向の方位を知ることができる。
【0003】
一般に、磁気センサが示す磁気の検出値には、検出対象の磁気の値が零であるときに示される残留磁気値が含まれる。したがって、予め残留磁気値を測定しておき、磁気の検出値から当該残留磁気値を減算した値を磁気値の真値とする必要がある。
【0004】
残留磁気値を測定するため、従来は、磁気センサが固定された船舶を平穏な水面上で回転させながら、水平面内の2軸方向の地磁気の検出値を取得していた。具体的には、例えば、図4のように船舶100の甲板面上に、船首方向に定義されたx軸とx軸に垂直なy軸を定義し、船舶100の回転と共にx軸方向の検出値Hxおよびy軸方向の検出値Hyで表されるHx−Hy平面上の点の軌跡を描く。その軌跡は図4のように残留磁気値を示す座標点を中心とする円となるため、当該円の中心座標を取得することで、検出値HxおよびHyそれぞれに含まれる残留磁気値ΔHxおよびΔHyを取得することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような構成では、実際に船舶を水面上で回転させる必要があるため、残留磁気値を取得するのに多大な時間を要していた。また、3軸方向のうち甲板面に垂直な軸の方向の残留磁気値を取得することができず、船首方向の方位の測定に際して甲板面に垂直な軸の方向の残留磁気値の影響を取り除くことができないため、船舶が傾いているときに測定される船首方向の方位に誤差が含まれるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような課題に対してなされたものであり、迅速に磁気センサの残留磁気値を取得することができ、正確に船首方向の方位を測定することが可能な方位測定装置および方位測定システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る方位測定装置は、地磁気の基準値に関する情報である基準磁気情報を取得する基準磁気情報取得部と、地磁気を検出してその値を出力する磁気センサと、前記基準磁気情報に基づいて前記磁気センサの出力値を補正する補正部と、を備え、前記補正部によって補正された磁気センサの出力値に基づいて船舶の船首方向の方位を測定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る方位測定装置においては、前記補正部は、前記基準磁気情報と前記磁気センサの出力値とに基づいて前記磁気センサの出力値に対する補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段が算出した補正値を記憶する補正値記憶手段と、を備え、前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいて前記磁気センサの出力値を補正する構成とすることが好適である。
【0009】
また、本発明に係る方位測定装置においては、前記基準磁気情報取得部は、衛星から送信された信号に基づいて測位を行う測位部を備え、前記測位部の測位結果に基づいて前記基準磁気情報を取得する構成とすることが好適である。
【0010】
また、本発明に係る方位測定装置は、衛星から送信された信号を受信し、受信した信号に基づいて船舶の船首方向の方位を測定する測位方位測定装置を備えることにより、前記方位測定装置か前記測位方位測定装置のいずれかを、前記衛星から送信された信号の前記測位方位測定装置での受信状況に応じて選択し、選択した前記方位測定装置か前記測位方位測定装置のいずれかによって船舶の船首方向の方位を測定する方位測定システムを構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、迅速かつ正確に船舶の船首方向の方位を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に本発明の実施形態に係る船首方位測定装置1の構成を示す。船首方位測定装置1は、衛星測位コンパス2、磁気センサコンパス3、選択部10、船首方位表示部12、水平変換部14、方位変換部16、残留磁気値算出部18、地磁気データ取得部20、地磁気データ記憶部22、方位逆変換部24、水平逆変換部26、姿勢角検出部28、平滑部30を備えて構成される。
【0013】
船首方位測定装置1は、船舶100に搭載される。図2(a)および(b)は船首方位測定装置1を搭載する船舶100の船首方向の方位(以下、船首方位ψとする。)の定義を説明する図である。船首方位ψは、船舶100の船首方向の水平成分と北方向とのなす角を以て表す。船首方位ψは、北方向から西方向へ向かう回転方向を正とする。
【0014】
船舶100には、船舶100内のある点を原点Oとする船舶100に固定された船舶座標系O(x−y−z座標系)が定義される。また、原点Orを船舶座標系Oの原点Oと同じくし、zr軸の負方向を鉛直方向とし、yr軸がx軸と直交する水平座標系Or(xr−yr−zr座標系)を定義する。船舶100の船首方向をx軸としたx−y平面は船舶100の甲板面と平行な平面であるものとし、水平座標系Orのyr軸をピッチ軸、船舶座標系Oのx軸をロール軸とする。なお、甲板面とは、船舶100に固定して定義された、船舶100が水平な水面上にあるときに水平となる平面をいう。船舶100の水平面に対する傾きは、ロール角φおよびピッチ角θによって表される。ピッチ角θはx軸が原点Orを中心としてxr−zr平面内で反時計回りに回転する方向を正とする回転角度であり、ロール角φは、x軸がピッチ角θで回転している状態から更に、x軸を回転軸としてy軸をx軸の正方向を見て時計回りに回転させた方向を正とする回転角度である。
【0015】
図2(b)に船首方位ψを規定する水平座標系Orと真方位座標系Oeとの関係を示す。真方位座標系Oe(xe−ye−ze座標系)は、xe軸の正方向を北方向、ze軸の負方向を鉛直方向とし、その原点Oeを水平座標系Orの原点Orと同じくする。船首方位ψは、真方位座標系Oeのxe軸と水平座標系Orのxr軸とのなす角で定義され、xe−ye平面で反時計回りに回転させる方向を正とする。
【0016】
船首方位測定装置1は、衛星測位コンパス2か磁気センサコンパス3のいずれかによって船首方位ψを算出し表示するものである。衛星測位コンパス2は、GPS衛星等の測位衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて船首方位ψsを算出するため、受信状況が良好でないときは船首方位ψsを算出することができない。例えば、船舶100が橋の下、障害物の多い港、入江等を航行しているときには受信状況が劣化することが多い。そこで、船首方位測定装置1は、測位衛星から送信される信号の受信状況が良好でないときは、磁気センサコンパス3によって算出した船首方位ψmを船首方位ψとして表示する構成としている。
【0017】
衛星測位コンパス2は、アンテナ32aおよび32b、衛星受信部34aおよび34b、船首方位算出部36を備えて構成される。アンテナ32aおよび32bは、船舶100の所定の位置に設けられる。衛星受信部34aおよび34bは、それぞれアンテナ32aおよび32bを介してGPS衛星等の測位衛星から送信される信号を受信する。衛星受信部34aおよび34bは、それぞれアンテナ32aおよび32bの地球の中心を原点とする座標系(以下、絶対座標系とする。)での位置座標を取得し、船首方位算出部36に入力する。位置座標の取得には、疑似距離と時間誤差補正量とに基づく単独測位法や、干渉測位法等を利用することができる。船首方位算出部36は、アンテナ32aおよび32bの絶対座標系での位置座標に基づいて船首方位ψsを算出し、選択部10、方位変換部16、および方位逆変換部24に入力する。
【0018】
衛星受信部34aは、測位衛星から送信される信号の電界強度等が所定の値以下となったり、復調したディジタル信号のビット誤り率が所定値を超えたりした等、受信状況が劣化しているときには、受信不能信号を選択部10、残留磁気値記憶部42、および標準地磁気記憶部48に入力する。衛星受信部34bは、アンテナ32bの絶対座標系での位置座標および受信した信号から抽出した現在の西暦年を地磁気データ取得部20に入力する。
【0019】
なお、衛星受信部34aが受信不能信号を選択部10に入力する構成とする代わりに、衛星受信部34bが受信不能信号を選択部10に入力する構成とすることもできる。また、衛星受信部34bがアンテナ32bの位置座標および現在の西暦年を地磁気データ取得部20に入力する代わりに、衛星受信部34aがアンテナ32aの位置座標および現在の西暦年を地磁気データ取得部20に入力する構成とすることもできる。さらに、衛星受信部34aおよび34bによって船首方位ψsを取得する構成の他、船舶100の移動速度および移動方向を測定する衛星受信機を適用することにより、船首方位ψsを取得する構成とすることもできる。
【0020】
磁気センサコンパス3は、3軸磁気センサ38、残留磁気値減算部40、残留磁気値記憶部42、水平変換部44、船首方位算出部46、標準地磁気記憶部48を備えて構成される。
【0021】
3軸磁気センサ38は、船舶100の甲板面に固定される。3軸磁気センサ38は、x軸方向、y軸方向、およびz軸方向の磁気値を検出し、検出磁気値(Hx,Hy,Hz)として残留磁気値減算部40および水平変換部14に入力する。検出磁気値Hx,Hy,およびHzは、それぞれ検出磁気値のx軸方向の成分、y軸方向の成分、およびz軸方向の成分である。
【0022】
残留磁気値記憶部42は、予め取得され入力された残留磁気値(ΔHx,ΔHy,ΔHz)を記憶する。残留磁気値を取得する処理については後述する。
【0023】
残留磁気値減算部40は、残留磁気値記憶部42から残留磁気値(ΔHx,ΔHy,ΔHz)を読み込み、検出磁気値(Hx,Hy,Hz)から残留磁気値(ΔHx,ΔHy,ΔHz)を減算し、磁気真値(Tx,Ty,Tz)として水平変換部44に入力する。
【0024】
水平変換部44は、姿勢角検出部28から船舶100のロール角φおよびピッチ角θを取得する。そして、ロール角φおよびピッチ角θに基づいて磁気真値(Tx,Ty,Tz)を水平座標系Orでの値に変換した水平座標系磁気真値(Txr,Tyr,Tzr)に変換し、船首方位算出部46に入力する。姿勢角検出部28は、船舶100の甲板面に固定された2軸加速度センサ(図示せず)によって構成することが好適である。この場合、2軸加速度センサによってx軸方向およびy軸方向の加速度を検出し、検出した値に基づいてロール角φおよびピッチ角θを算出する構成とする。
【0025】
標準地磁気記憶部48は、公衆に利用可能となっている国際標準地球磁場(IGRF:International Geomagnetic Reference Field)等に関するデータである地磁気データに基づいて予め取得された、標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)を記憶する。標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)は、図2(b)に定義した真方位座標系Oeにおける値を示す。この値を取得する処理については後述する。
【0026】
船首方位算出部46は、標準地磁気記憶部48から読み込んだ標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)と、水平座標系磁気真値(Txr,Tyr,Tzr)とに基づいて船首方位ψmを算出する。具体的には、次のようにして船首方位ψmを算出する。(1)船首方位算出部46は、水平座標系磁気真値(Txr,Tyr,Tzr)の水平成分ベクトル(Txr,Tyr)のxr軸に対する角度である水平座標系地磁気方位ψ0を算出する。水平座標系地磁気方位ψ0は、xr−yr平面において原点Orを中心に時計回りの方向を正とする。(2)船首方位算出部46は、標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)の水平成分ベクトル(Hxe0,Hye0)に基づいて、地磁気の水平成分の北方向から東方向への角度である偏角Dを算出する。すなわち、偏角Dは、xe−ye平面において原点Oeを中心に時計回りの方向を正とした、地磁気の水平成分のxe軸に対する角度である。(3)船首方位算出部46は、水平座標系地磁気方位ψ0から偏角Dを減算することで船首方位ψmを算出する。このようにして算出された船首方位ψmは、北方向を0°とし、北方向から西方向へ向かう回転方向を正とした方位を示す。すなわち、図3に示すように、xr−yr平面において原点Orを中心に時計回りの方向を正とした水平成分ベクトル(Txr,Tyr)のxr軸に対する角度である水平座標系地磁気方位ψ0から、それと同一回転方向を正とする偏角Dを減算することで、xe−ye平面において原点Oeを中心に反時計回りの方向を正とした船首方位ψmが求まる。
【0027】
選択部10は、衛星測位コンパス2の衛星受信部34aから受信不能信号が入力されているときには、磁気センサコンパス3から船首方位ψmを取得し、船首方位ψとして船首方位表示部12に入力する。また、衛星測位コンパス2の衛星受信部34aから受信不能信号が入力されていないときには、衛星測位コンパス2から船首方位ψsを取得し、船首方位ψとして船首方位表示部12に入力する。船首方位表示部12は、選択部10から入力された船首方位ψを表示する。船首方位表示部12としてはブラウン管表示や液晶表示等によるディスプレイ等を適用することが好適である。
【0028】
次に、船首方位測定装置1が、残留磁気値を取得し、残留磁気値記憶部42に記憶させる処理について説明する。
【0029】
水平変換部14は、姿勢角検出部28から船舶100のロール角φおよびピッチ角θを取得する。そして、ロール角φおよびピッチ角θに基づいて、3軸磁気センサ38から入力された検出磁気値(Hx,Hy,Hz)を水平座標系Orでの値に変換した水平座標系検出磁気値(Hxr,Hyr,Hzr)に変換し、方位変換部16に入力する。
【0030】
方位変換部16は、船首方位算出部36から入力された船首方位ψsに基づいて、水平座標系検出磁気値(Hxr,Hyr,Hzr)を真方位座標系Oeでの値に変換した真方位座標系検出磁気値(Hxe,Hye,Hze)に変換し、残留磁気値算出部18に入力する。
【0031】
一方、地磁気データ取得部20は、衛星受信部34bから入力されたアンテナ32bの位置座標に基づいて、地磁気データ記憶部22に記憶されている地磁気データを参照し、アンテナ32bの位置座標における地磁気の値を標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)として残留磁気値算出部18および標準地磁気記憶部48に入力する。
【0032】
ここで、地磁気データとしては国際標準地球磁場(IGRF)等を適用することが好適である。IGRFによれば、現在の西暦年と絶対座標系での位置座標を指定することで、その位置座標における地磁気の値を真方位座標系Oeでの値として取得することができる。地磁気データ記憶部22には、最新のIGRFを記憶させておく。
【0033】
残留磁気値算出部18は、真方位座標系検出磁気値(Hxe,Hye,Hze)から標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)を減算することで真方位座標系残留磁気値(ΔHxe,ΔHye,ΔHze)を算出し、方位逆変換部24に入力する。
【0034】
方位逆変換部24は、衛星測位コンパス2の船首方位算出部36から入力された船首方位ψsに基づいて、真方位座標系残留磁気値(ΔHxe,ΔHye,ΔHze)を水平座標系Orでの値に変換した水平座標系残留磁気値(ΔHxr,ΔHyr,ΔHzr)に変換し、水平逆変換部26に入力する。
【0035】
水平逆変換部26は、姿勢角検出部28から船舶100のロール角φおよびピッチ角θを取得する。そして、ロール角φおよびピッチ角θに基づいて、方位逆変換部24から入力された水平座標系残留磁気値(ΔHxr,ΔHyr,ΔHzr)を船舶座標系Oでの値に変換した実測残留磁気値(Δhx,Δhy,Δhz)に変換し、平滑部30に入力する。平滑部30は実測残留磁気値(Δhx,Δhy,Δhz)の時間変動を平均化し、残留磁気値(ΔHx,ΔHy,ΔHz)として磁気センサコンパス3の残留磁気値記憶部42に入力する。
【0036】
残留磁気値記憶部42は、受信不能信号が入力されていないときは、新たな残留磁気値(ΔHx,ΔHy,ΔHz)が入力されると共に、その値を更新して記憶する。そして、受信不能信号が入力されているときは、受信不能信号が入力される直前に入力された残留磁気値(ΔHx,ΔHy,ΔHz)を保持する。
【0037】
同様に、標準地磁気記憶部48は、受信不能信号が入力されていないときは、新たな標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)が入力されると共に、その値を更新して記憶する。そして、受信不能信号が入力されている間は、受信不能信号が入力される直前に入力された標準の地磁気の値(Hxe0,Hye0,Hze0)を保持する。
【0038】
このような船首方位測定装置1の構成および船首方位測定装置1が実行する処理によって、3軸磁気センサ38の残留磁気値を迅速かつ正確に取得することができる。
【0039】
また、残留磁気値記憶部42および標準地磁気記憶部48は、受信不能信号が入力されている間は、受信不能信号が入力される直前に入力された値を保持するため、衛星受信部34aでの受信状況が良好でない場合において磁気センサコンパス3が船首方位ψmを算出するときには、当該受信状況が良好であった間に取得された値が用いられる。これによって、衛星受信部34bでの受信状況が良好であるときは衛星測位コンパス2が算出した船首方位ψsを船首方位ψとして船首方位表示部12に表示し、衛星受信部34bでの受信状況が良好でないときは磁気センサコンパス3が算出した船首方位ψmを船首方位ψとして船首方位表示部12に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る船首方位測定装置の構成を示す図である。
【図2(a)】船舶座標系Oと水平座標系Orとの関係を示す図である。
【図2(b)】水平座標系Orと真方位座標系Oeとの関係を示す図である。
【図3】水平座標系地磁気方位ψ0、偏角D、および船首方位ψmとの関係を示す図である。
【図4】船舶の回転と共に描かれる、x軸方向の検出値Hxおよびy軸方向の検出値Hyで定まる点のHx−Hy平面上での軌跡を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 船首方位測定装置、2 衛星測位コンパス、3 磁気センサコンパス、10 選択部、12 船首方位表示部、14,44 水平変換部、16 方位変換部、18 残留磁気値算出部、20 地磁気データ取得部、22 地磁気データ記憶部、24 方位逆変換部、26 水平逆変換部、28 姿勢角検出部、30 平滑部、32a,32b アンテナ、34a,34b 衛星受信部、36,46 船首方位算出部、38 3軸磁気センサ、40 残留磁気値減算部、42 残留磁気値記憶部、48 標準地磁気記憶部、100 船舶。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地磁気の基準値に関する情報である基準磁気情報を取得する基準磁気情報取得部と、
地磁気を検出してその値を出力する磁気センサと、
前記基準磁気情報に基づいて前記磁気センサの出力値を補正する補正部と、
を備え、
前記補正部によって補正された磁気センサの出力値に基づいて船舶の船首方向の方位を測定することを特徴とする方位測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の方位測定装置であって、
前記補正部は、
前記基準磁気情報と前記磁気センサの出力値とに基づいて前記磁気センサの出力値に対する補正値を算出する補正値算出手段と、
前記補正値算出手段が算出した補正値を記憶する補正値記憶手段と、
を備え、
前記補正値記憶手段に記憶されている補正値に基づいて前記磁気センサの出力値を補正することを特徴とする方位測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の方位測定装置であって、
前記基準磁気情報取得部は、
衛星から送信された信号に基づいて測位を行う測位部を備え、
前記測位部の測位結果に基づいて前記基準磁気情報を取得することを特徴とする方位測定装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3に記載の方位測定装置と、
衛星から送信された信号を受信し、受信した信号に基づいて船舶の船首方向の方位を測定する測位方位測定装置と、
を備え、
前記方位測定装置か前記測位方位測定装置のいずれかを、前記衛星から送信された信号の前記測位方位測定装置での受信状況に応じて選択し、選択した前記方位測定装置か前記測位方位測定装置のいずれかによって船舶の船首方向の方位を測定することを特徴とする方位測定システム。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−101354(P2007−101354A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291399(P2005−291399)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】