説明

有機金属前駆物質を複数のエピタキシャル・リアクター部にバルク供給するための方法

【課題】リアクター部への前駆物質の供給、特に有機金属化合物の供給に関係する改良された方法と装置を提供する。
【解決手段】有機金属化合物などの前駆物質を、バブラー1のようなバルク容器から複数のリアクター部12、14、16、18、20へバルク供給するための方法および装置であって、前駆物質を取り込んでガス状混合物を作るためにキャリヤーガス2が前駆物質の容器1に導入される。このガス状混合物は、次に、複数のリアクター部12、14、16、18、20に選択的に供給される。ガス状混合物は貯蔵部9に貯蔵され、必要とされる時に、圧力差または真空により各リアクター部に引き出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のエピタキシャル・リアクター部に前駆物質を気相で供給するために改良された方法および装置に関するものであり、特に、有機金属化合物の供給に関わる方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体産業においては、電子デバイスを化学蒸着法(CVD)により製造することが広く行われている。前駆物質(液体または固体)をバブラー内に供給し、使用時には、ディップ・パイプを通してキャリヤーガスを前駆物質に吹き込み、キャリヤーガスを前駆物質で飽和させる。このキャリヤーガス/蒸気の混合物は、次に、制御された流量でエピタキシャル・リアクターに送り込まれる。こうしたシステムは、シリコン半導体および化合物半導体の両方の製造で使用されているが、これまでのものは、個々のリアクターが独立したシステムとなっていた。半導体の需要増加に伴って、当初はシリコン半導体の分野において、中央貯蔵部から各リアクターに付随する複数のバブラーに供給するバルク供給システムの導入が必要とされるようになった。これらのシステムは、一般的にはテトラエトキシシラン(TEOS)の供給に利用されており、TEOSの供給会社によって積極的に販売されてきたが、これまでは液体の搬送に用いられているだけのものであった。
【発明の概要】
【0003】
一方、半導体製造用の多くの前駆物質は、バブラーからそれぞれのリアクターに気相で供給されているものである。しかし、このような供給方法は、現在のところは個々のリアクター・ベースで実施されているだけである。この方法には、個々のリアクターにおいてバブラーの交換のために運転休止期間が必要とされることや、各リアクターでの取り込み量の増大と複雑さ、並びに各リアクターの各化学物質ごとに必要とされる制御装置に関係するコストといった大きな問題点があった。
【0004】
前駆物質をバブラーから反応部位まで供給するための装置を製造するためには、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛およびトリエチルガリウムなど、半導体の製造に使用される潜在的に危険な多くの化学物質を運ぶのに適した装置が必要とされるため、特別に設計しなければならなかった。これらの化学物質全ての潜在的な危険性の1つとして、それらの発火性(すなわち、空気に触れると自然に発火する)が挙げられる。
【0005】
本発明の目的は、上記した問題点を解決することを目的として、リアクター部への前駆物質の供給、特に有機金属化合物の供給に関係する改良された方法と装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る装置の構成要素の略図である。
【図2】図2は、本発明に係る装置に用いられるバブラーの等角投影図であって、バブラーのディップ・パイプを示すために前面部を取り除いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の第1の態様は、有機金属化合物を複数のリアクター部に供給するための方法を提供する。この方法は、キャリヤーガスを有機金属化合物の容器に導入し、前記化合物をガス中に取込んでガス状混合物を調製し、前記ガス状混合物を貯蔵部に搬送し、複数のリアクター部の1つまたはそれ以上に選択的に供給する工程を含み、前記ガス状混合物を凝縮させる工程を含まない。
【0008】
本発明の第2の態様は、有機金属化合物を複数のリアクター部に供給するための装置を提供する。この装置は、有機金属化合物の容器にキャリヤーガスを導入するための入口と、前記化合物と前記キャリヤーガスのガス状混合物を貯蔵するための貯蔵部と、前記ガス状混合物を複数のリアクター部の1以上に選択的に供給するための出口とを含み、前記ガス状混合物を凝縮させるための凝縮器を含まない。
【0009】
好ましくは、装置内を通るキャリヤーガスおよびキャリヤーガス/前駆物質混合物の流量は、流量制御装置システム手段により制御される。第1の流量制御装置は、キャリヤーガスの容器への流入量を制御するために配置されることが好ましい。
【0010】
前駆物質を取り込んだ後のガス状混合物中には、第2のキャリヤーガスが導入されることが好ましい。この第2のキャリヤーガスの追加は、前駆物質を確実に気相のまま保つべく、蒸気の濃度を飽和状態以下に維持するために、前駆物質の取込み後に第2の流量制御装置によって監視されることが望ましい。追加的にまたはその代わりに、系(システム)を加熱状態としてもよく、これは、前駆物質が気相のままであることを確実にするために、蒸気の濃度を飽和状態以下に維持することの助けとなる。この第2の流量制御装置は、キャリヤーガスの2つの流れが常に互いに同じ比率になるように、第1の流量制御装置と連動させることが好ましい。
【0011】
このガス状混合物は、貯蔵のために貯蔵部に搬送されることが好ましいが、この貯蔵部は、複数のリアクター部に選択的に混合物を供給するための手段を備えている。また、貯蔵部は、容器へのキャリヤーガスの流入量を決定するために、第1の流量制御装置に接続された圧力制御装置を備えていることが好ましい。貯蔵部内の圧力は、異なる複数のリアクターへのガス状混合物の均一な供給を可能にするように制御される。リアクター部への前駆物質の供給に関しては、従来は、貯蔵は常に液相または固相で行われていたため、バルク材料を気相状態で貯蔵することは、これまでは行われていなかった。
【0012】
このガス状混合物は、望ましくは真空状態で、または貯蔵部と各リアクター部の圧力差によって引き出されるのが好ましい。また、各リアクターは、リアクターへのガス状混合物の流入量を決定するために、それぞれ流量制御装置を備えることが好ましい。
【0013】
キャリヤーガスへの前駆物質の一定した取込みは、本発明の方法と装置により実現させることが好ましい。また、更に好ましくは、一定した取込みは、毎分0〜10リットルまでのような広い流量範囲にわたって実現される。
【0014】
前駆物質の容器は、好ましくはバブラーの形状であり、キャリヤーガスはディップ・パイプによりバブラー内に導入される。また、バブラーは、温度制御された油浴によって取り囲まれるようにすることが好ましく、更に、バブラー内の前駆物質のレベルを監視する手段を設けることが好ましい(例えば、これはレベル警報器、重量計またはガス濃度モニター/積算流量計を設置することにより実現可能である)。
【0015】
本発明の第3の態様は、前駆物質のための容器と、前駆物質をガス中に取り込むためにキャリヤーガスを前駆物質の中を通すためのディップ・パイプとを含むバブラーであって、以下の形態の1以上を含むバブラーを提供する。
(a)前駆物質の完全な利用を助けるために、容器の基部または基部に近い位置に設けられた細径部、
(b)ディップ・パイプに対してほぼ垂直に延び、ディップ・パイプと流体連通し、各部材それぞれに前駆物質の取込みを助けるための穴が明けられている1本またはそれ以上の中空部材。
【0016】
バブラーの基部には細径部を設けるか、または、例えば、バブラーの底部に窪みの形で、バブラーの中に、バブラーに比べて小さい容器を配したものとしてもよい。ディップ・パイプの端部は、バブラー内に入っている前駆物質が殆ど完全に使われるまで、前駆物質の安定した取込みが確実に行われるようにするために、細径部または小容器内に入れられる。
【0017】
ディップ・パイプは、前駆物質の取込み量を多くするように設計されることが好ましい。また、このディップ・パイプには、ディップ・パイプの本体からほぼ垂直に延びる1本またはそれ以上の中空部材が、望ましくはその基部に取り付けられることが好ましい。これらの部材は、その1つまたはそれ以上の側面に複数の穴が開けられていることが好ましい。ディップ・パイプにはその基部に中空の十字形部材が設けられることが更に好ましい。十字形部材の各脚部には、好ましくは複数の穴が明けられる。さらに好ましくは、これらの穴は各脚部の同じ側に設けられる。このデザインは、小さなバブル・サイズと渦流を確実にもたらすものとなり、非常に効率的な取込みを可能にする。
【0018】
前駆物質を取込むキャリヤーガスは、例えば水素など、適当な永久ガスであればいかなるものでもよい。本発明の装置と方法は、特にトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛およびトリエチルガリウムのような有機金属化合物を、複数のエピタキシャル・リアクターに供給するのに適するものである。
【0019】
本発明の内容をより理解するため、また本発明がどのように実現されるかをさらに明確に示すために、例示を目的とする添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る、バルク容器1から複数のリアクター容器(12、14、16、18、20)に前駆物質を気相で供給するためのバルク供給装置を示すものである。一般的には水素(ただし、いかなる永久ガスでも可)であるキャリヤーガスの流れ2は、流量制御装置4により設定された流量で、ディップ・パイプ3を通して、複数のエピタキシャル・リアクターに供給されるべき前駆物質の入ったバルク・バブラー1内に送り込まれる。バルク・バブラー1は油浴5内により温度制御されており、また充填状態を表示するレベル警報器6を備える。バルク・バブラーの内部構造(図2参照)は、広範囲の流量(0〜10リットル/分)において確実に一定した取込みを行うことができ、かつ、入っている化学物質を(最後の2%まで)ほぼ完全に使用できるようになっている。
【0020】
水素2は、バブラー1から前駆物質を取り込み、その結果生じるガス流は更なる水素の注入によって薄められることになる。この流れは、流量制御装置4に比例して設定される流量制御装置7により設定される。この2次希釈は、主として蒸気濃度を飽和状態以下に低下させ、それによってガス流がシステム内を通過する場合に、確実に前駆物質が気相のままとするために必要とされる。また、この手段はバブラーの下流のシステムを加熱することによって代用することもでき、更には、これら2つの手段の組合せによっても達成することができる。
【0021】
このガス状混合物は、次に、圧力制御装置10を備えた中央貯蔵部9に送り込まれる。圧力制御装置10からの出力は、主水素流量制御装置4を設定するために利用される。貯蔵部内のガス状混合物の濃度は、濃度モニター8を使って測定される。蒸気は中央貯蔵部から圧力差によって、任意の数のエピタキシャル・リアクター12、14、16、18、20に、各リアクター用の各流量制御装置12a、14a、16a、18a、20aにより設定された流量で取り出される。
【0022】
本発明の方法と装置は、あらゆる前駆物質を気相で複数のリアクター部へ供給するために使用することができるが、本発明は、特に半導体の製造において使用されるような有機金属化合物のバルク供給に適するものである。このような化合物としては、例えば、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛およびトリエチルガリウムなどが挙げられる。
【0023】
本発明の方法と装置は、広範囲の流量において一定した組成の蒸気を提供することができ、また前駆物質が2%しか容器に残っていない場合であっても、一定した取込みを行うことができる点が重要なことである。さらに、複数のリアクターに供給される前駆物質/キャリヤーガス状混合物の組成を、ただ一つのガス濃度モニターによって監視できることも好ましいことである。
【0024】
本発明の装置は、前駆物質の化学物質を、中央貯蔵部から複数のリアクター部へ気相で供給することを可能にするものである。本システムにより提供される主な利点の1つは、各リアクターのためのバブラーの交換に伴う休止期間が短縮されることである。さらなる利点は、取込みの量、複雑さおよびコストを減少することができ、並びに各リアクターの各化学物質ごとに必要とされる制御装置をもまた減少させることができる。更に、自然発火性の前駆物質を蒸気状態で供給できることは、バルク液体搬送に必要とされる高濃度(100%)に比して、これらの蒸気が低濃度の前駆物質(5%以下)しか含まないことから、システムの安全性を向上させることができるものである。
【0025】
本発明の重要な形態の1つは、バルク・バブラー1の内部構造である。通常では、少量の前駆物質しかバブラー容器内に残っていない場合には、取込みとバブラーからの流量を一定に保つことは非常に困難である。本発明は、バルク容器バブラー内に窪みまたは細径部を設けることによってこの問題を解決し、安定した取込み(キャリヤーガス流量10リットル/分以下の場合)を実現することを可能とする。例えば、20リットル容積のバブラーには、1リットル容積の窪みが設けられ、この中にディップ・パイプが突き出るようにする。
【0026】
更に、本発明で使用されるバブラーは、前駆物質の取込みを助ける新しい構造のディップ・パイプを備えているものである。例えば、添付図面の図2は、バブラーの中央部をほぼ垂直に下方に延びる主中空体102を有し、かつこの本体から各脚部104a、104b、104cがほぼ垂直に延び、各脚の同じ側に明けられた4つの穴106を持つ中空の十字部材104を備えたディップ・パイプが取り付けられたバブラー100を示すものである。このデザインは、小さなバブル・サイズと渦流を確実にもたらすものであり、非常に効率的な取込みを可能にする。バブラーのこの構造は、小容積のバブラーから得られる取込み量よりも、遙かに大きな取込み量(10リットル/分程度)を可能にする。
[1]キャリヤーガスを有機金属化合物の容器に導入し、前記化合物をガス中に取込んでガス状混合物を調製し、前記ガス状混合物を貯蔵部に搬送し、複数のリアクター部の1つまたはそれ以上に選択的に供給する工程を含むことを特徴とする有機金属化合物を複数のリアクター部に供給するための方法であって、前記ガス状混合物を凝縮させる工程を含まない方法。
[2]前記キャリヤーガスとキャリヤーガス/有機金属混合物の流量の制御が可能である[1]に記載の方法。
[3]更に、前記有機金属化合物を取込んだ後の前記ガス状混合物に第2のキャリヤーガスを導入することを含む[1]または[2]に記載の方法。
[4]蒸気濃度を飽和状態以下に保つために前記第2のキャリヤーガスの追加が監視されるものである[3]に記載の方法。
[5]更に、前記ガス状混合物を加熱する工程を含む[1]から[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記ガス状混合物が、貯蔵部から各リアクター部へ真空または圧力差の手段により引き出されるものである[1]から[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記キャリヤーガスへの前記有機金属化合物の取込みが一定に保たれるものである[1]から[6]のいずれかに記載の方法。
[8]0〜10リットル/分の範囲の流量に対して一定した前記有機金属化合物の取込みが実現されるものである[7]に記載の方法。
[9]前記キャリヤーガスが水素である[1]から[8]のいずれかに記載の方法。
[10]有機金属化合物の容器(1)にキャリヤーガス(2)を導入するための入口と、前記化合物と前記キャリヤーガスのガス状混合物を貯蔵するための貯蔵部と、前記ガス状混合物を複数のリアクター部(12、14、16、18、20)の1以上に選択的に供給するための出口とを含むことを特徴とする有機金属化合物を複数のリアクター部に供給するための装置であって、前記ガス状混合物を凝縮させるための凝縮器を含まない装置。
[11]前記装置内での前記キャリヤーガスと前記キャリヤーガス状混合物の流量を制御するために1以上の流量制御装置(4)を備えるものである[10]に記載の装置。
[12]前記容器(1)への前記キャリヤーガスの流量を制御するために、第1の流量制御装置(4)が設置される[11]に記載の装置。
[13]更に、前記有機金属化合物の取込み後に前記ガス状混合物に第2のキャリヤーガスを導入するための手段を含むものである[10]、[11]または[12]に記載の装置。
[14]第2の流量制御装置(7)が前記第2のキャリヤーガスの追加を監視するために設置されている[13]に記載の装置。
[15]前記第2の流量制御装置(7)が前記第1の流量制御装置(4)に連動するものである[14]に記載の装置。
[16]前記貯蔵部(9)が圧力制御装置(8)を備えるものである[10]から[15]のいずれかに記載の装置。
[17]真空または圧力差によって、前記ガス状混合物が前記貯蔵部(9)から各リアクター部(12、14、16、18、20)に引き出されることを可能にする手段を備えるものである[10]から[16]のいずれかに記載の装置。
[18]前記各リアクター部(12、14、16、18、20)が、そのリアクターへの前記ガス状混合物の流入量を決めるためにそれぞれの流量制御装置(12a、14a、16a、18a、20a)を備えるものである[10]から[17]のいずれかに記載の装置。
[19]前記有機金属化合物の容器(1)がバブラーであり、キャリヤーガスがディップ・パイプ(3)により前記バブラーに導入されるものである[10]から[18]のいずれかに記載の装置。
[20]前記バブラーが温度制御された油浴(5)に取り囲まれている[19]に記載の装置。
[21]前記バブラーがその中の前記有機金属化合物のレベルを監視するための手段(6)を備えることを特徴とする[19]または[20]に記載の装置。
[22]前記バブラーが、有機金属化合物の完全な利用を助けるために、その基部または基部に近い位置に細径部を有する、[19]から[21]のいずれかに記載の装置。
[23]前記バブラーの基部に細径部が設けられている、[22]に記載の装置。
[24]前記バブラーが、前記ディップ・パイプ(102)から垂直に延び、前記ディップ・パイプと流体連通し、それぞれに前記有機金属化合物の取込みを助けるための穴(106)が明けられている1本またはそれ以上の中空部材(104a、104b、104c)を有する、[19]から[21]のいずれかに記載の装置。
[25]前記バブラーの基部にバブラーに比べて小さい容器が組み込まれている[24]に記載の装置。
[26]前記ディップ・パイプの端が前記細径部または前記小容器内の位置にある[23]または[25]に記載の装置。
[27]前記各中空部材(104a、104b、104c)が前記ディップ・パイプの基端にある[24]に記載の装置。
[28]前記各部材が、その1以上の側面に複数の穴(106)を備えるものである[24]または[27]に記載の装置。
[29]前記ディップ・パイプがその基端に中空の十字部材を備えるものである[24]、[27]または[28]に記載の装置。
[30]前記十字部材の各部が複数の穴を有するものである[29]に記載の装置。
[31]前記穴が各部の同じ側に設けられている[30]に記載の装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機金属化合物を複数のリアクター部にバルク供給するための方法であって、
有機金属化合物を含有するバブラーに、キャリヤーガスをディップ・パイプにより導入すること、
該有機金属化合物を該キャリヤーガス中に取込んで、キャリヤーガス/有機金属化合物のガス状混合物を調製すること、
該ガス状混合物を貯蔵部に搬送すること、及び
複数のリアクター部の1つまたはそれ以上に該ガス状混合物を選択的に供給すること
を含み、該ガス状混合物を凝縮させる工程を含まない、方法。
【請求項2】
前記キャリヤーガスとキャリヤーガス/有機金属化合物ガス状混合物の流量の制御が可能である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、前記有機金属化合物を取込んだ後の前記ガス状混合物に第2のキャリヤーガスを導入することを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
蒸気濃度を飽和状態以下に保つために前記第2のキャリヤーガスの追加が監視されるものである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、前記ガス状混合物を加熱する工程を含む請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ガス状混合物が、貯蔵部から各リアクター部へ真空または圧力差の手段により引き出されるものである請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記キャリヤーガスへの前記有機金属化合物の取込みが一定に保たれるものである請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
0〜10リットル/分の範囲の流量に対して一定した取込みが実現されるものである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリヤーガスが水素である請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記バブラーが、有機金属化合物の完全な利用を助けるために、その基部または基部に近い位置に設けられた細径部を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記バブラーの基部にバブラーに比べて小さい容器が組み込まれている、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ディップ・パイプの端が前記細径部または前記小容器内の位置にある、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記バブラーが、前記ディップ・パイプ(102)から垂直に延び、前記ディップ・パイプと流体連通し、それぞれに前記有機金属化合物の取込みを助けるための穴(106)が明けられている1本またはそれ以上の中空部材(104a、104b、104c)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記各中空部材(104a、104b、104c)が前記ディップ・パイプの基端にある、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ディップ・パイプがその基端に中空の十字部材を備え、該十字部材の各部が複数の穴を有するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記穴が前記中空の十字部材の各部の同じ側に設けられている、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−137235(P2011−137235A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18572(P2011−18572)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【分割の表示】特願2001−544405(P2001−544405)の分割
【原出願日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【出願人】(598169572)シグマ−アルドリッチ・カンパニー (31)
【氏名又は名称原語表記】Sigma−Aldrich Co.
【出願人】(502209109)アイキューイー ピーエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】IQE plc
【Fターム(参考)】