説明

木粉樹脂成形体の射出成形装置

【課題】 木粉を樹脂に混練した木粉樹脂を成形材料として成形体を射出成形する木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置では、木粉と樹脂との混練処理によって高圧ガスが発生するおそれがあるから十分な脱気を行う必要があるが、脱気の際に木粉を吸引することのない木粉樹脂成形体の射出成形装置を提供する。
【解決手段】 可塑化装置10のダイス12の下流側の吐出路12cに脱気用ベント14を連通させて、ダイス12内部のガスを吸引させる。ダイス12の上流側の入口路12aには圧力センサ13を取り付けて、ダイス12の内圧を計測する。圧力センサ13の計測値が設定値を超えると、前記脱気用ベント14に連通させた真空ポンプを作動させてガスの脱気を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可塑化装置により木粉が樹脂に混練されてタブレットに形成された木粉樹脂を成形材料として射出装置により金型内に射出して、成形体を成形する木粉樹脂成形体の射出成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
木粉を合成樹脂に混練した木粉樹脂を成形材料とした成形品は、環境汚染の軽減等の理由から、利用範囲が広がってきている。例えば、ゴルフで用いられるティーでは、合成樹脂製のものであると廃棄されたティーが芝刈り機の刃を破損するおそれがあるため、木粉樹脂により成形したものが用いられることがある。最近では、木粉含有率が50%以上、場合によっては85%以上の高配合の木粉樹脂が要求される場合がある。
【0003】
木粉樹脂による成形システムは、図11に示すように、主として、可塑化装置1と計量・運搬装置2、射出装置3、金型4、真空ポンプ5とから構成されている。可塑化装置1では、予め樹脂材料と木粉とを混合した混合体を投入口1aから投入し、また必要に応じて添加剤等を投入口1bから投入し、溶融させた樹脂材料に木粉や必要な添加剤等を均一に混練して、前記計量・運搬装置2にダイス1cから押し出し、適宜長さに切断してタブレットを形成する。形成されたタブレットは、計量装置により計量されて、運搬装置により前記射出装置3に運搬される。この図11の例示では、縦型の射出装置3であるため、タブレットはバケットエレベータ等からなる鉛直方向への運搬装置により射出装置3の射出シリンダ6に連通させたホッパに搬送されて射出シリンダ6に供給され、該射出シリンダ6から前記金型4のキャビティ部に射出される。
【0004】
ところで、木粉含有率が高い混合体は前記可塑化装置1で加熱されるとともに加圧されると、時間の経過により硬化する性質があるため、可塑化装置1としては、フルフライト式2軸可塑化装置を用いることが好ましい。
【0005】
ところで、木粉を樹脂に混練させた木粉樹脂では、劣化や含水によって可塑化装置1内で高圧ガスが発生するから、可塑化装置1内の高圧ガスを抜く作業である脱気を十分に行う必要がある。脱気が不十分であると、高圧ガスの滞留により爆発が生じ、可塑化された混合体である木粉樹脂がダイスの吐出口から勢いよく噴出すおそれがある。このため、例えば、特許文献1には、脱気工程における水蒸気発生状況に対応した適切な条件で自動運転による脱気を行うことができ、脱気時の成形不具合もなく、紙系成形原料を用いた量産成形が可能な射出成形機が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−353759
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された射出成形機は、固定金型と可動金型とを閉鎖して紙系の原料を射出装置のノズルからキャビティ部内に射出した後、型締装置を動作させて金型のパーティング面を開く寸開による脱気工程を複数回繰り返す動作制御を行う装置に関するものであり、可塑化装置内の高圧ガスの脱気を行うものではない。
【0008】
ところで、2軸の可塑化装置1には脱気用のエアベントが可塑化シリンダ1dに、その軸方向の数カ所に設けられているが、天然素材の木粉が多量に含まれる場合には脱気に伴われてこれらのエアベントから木粉が吸い出されてしまうおそれがあり、これらの部分での脱気は困難である。
【0009】
そこで、この発明の主たる目的は、木粉樹脂の可塑化装置における脱気を確実に行える木粉樹脂成形体の射出成形装置を提供することにある。
【0010】
また、前記射出シリンダ6は、図10に示すように、先端部に取り付けられた射出ノズル6aから、プランジャ6bが射出シリンダ6内を摺動することにより、該射出シリンダ6に供給された木粉樹脂が射出される。前記射出ノズル6aには、ノズル孔6cが形成されているが、このノズル孔6cの先端部には絞り6dが形成されている。
【0011】
しかしながら、木粉の配合率が高い混合体では、前記絞り6dにより圧力損失が大きくなって、射出シリンダ内における木粉樹脂の流動性が低下して固まりやすくなり、しかも、キャビティ内への圧力の伝達が損なわれて、キャビティ内への木粉樹脂の充填が不完全となるおそれがある。
【0012】
そこで、この発明は、圧力損失の小さい射出シリンダを備えた木粉樹脂成形体の射出成形装置を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、可塑化装置により木粉と樹脂とを混練した木粉樹脂を計量・運搬装置により射出装置に供給して、該射出装置から金型のキャビティ部に射出することにより、木粉樹脂による成形体を成形する木粉樹脂成形体の射出成形装置において、前記可塑化装置のダイスに脱気用ベントを配置したことを特徴としている。
【0014】
可塑化装置内で木粉と樹脂とを混練することにより発生する高圧ガスは、ダイスの前記脱気用ベントを介して排出される。ダイス内では既に木粉が樹脂に混練された状態にあるから、脱気により木粉が排出されることがない。
【0015】
また、請求項2の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、前記ダイスであって、前記脱気用ベントの配置位置よりも上流側に圧力検知手段を配置し、前記圧力検知手段による検知圧力が設定値を超えた状態で、前記脱気用ベントに連通した真空ポンプを作動させて脱気することを特徴としている。
【0016】
高圧ガスが爆発するおそれがあるのは、圧力が一定の値を超えた場合であることが、出願人の行った実験で得られた。このため、前記脱気用ベントの近傍で可塑化装置内の圧力を前記圧力検知手段により検出するようにしたものである。可塑化装置の内圧が設定値を超えた場合に真空ポンプによりダイス内のガスを吸引して脱気する。
【0017】
また、請求項3の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、前記ダイスの木粉樹脂を滞留させる貯留部に通じる吐出路を、貯留部の終端部の内径よりも拡大してあることを特徴としている。
【0018】
可塑化装置の内部で発生した高圧ガスは、ダイスに至り、前記脱気ベントから吸引される。このとき、貯留部の終端部より拡径されている吐出路に高圧ガスが滞留して、この高圧ガスを効率よく吸引できる。また、ダイスの吐出口からも高圧ガスが放出される。
【0019】
また、請求項4の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、前記吐出路の内径を、前記貯留部の終端部側から開放側にかけて徐々に拡開した形状としてあることを特徴としている。
【0020】
可塑化装置内で発生した高圧ガスは、吐出路の傾斜面に案内されて吐出口から外部へ放出されることになる。
【0021】
また、請求項5の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、前記吐出路の内面に、該吐出路の軸方向と平行な方向の逃がし溝を任意本数形成したことを特徴としている。
【0022】
前記脱気用ベントから排出されずに吐出路に残留した高圧ガスは、前記逃がし溝に案内されて、吐出口から可塑化装置の外部に放出されることになる。
【0023】
また、請求項6の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、前記射出装置の射出シリンダの先端部の射出ノズルの内径を、射出シリンダ側の基端側から先端側にかけて一定としたことを特徴としている。
【0024】
すなわち、射出ノズルに絞りが形成されていない構造としたものである。射出シリンダから射出される木粉樹脂は、射出ノズルに絞りが存しないため圧力損失が抑制されて、円滑に射出され、射出圧力が金型内に円滑に伝達される。
【0025】
また、請求項7の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置は、可塑化装置により木粉と樹脂とを混練した木粉樹脂を計量・運搬装置により射出装置に供給して、該射出装置から金型のキャビティ部に射出することにより、木粉樹脂による成形体を成形する木粉樹脂成形体の射出成形装置において、前記射出装置の射出シリンダの先端部の射出ノズルの内径を、射出シリンダ側の基端側から先端側にかけて一定としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置によれば、木粉が樹脂に混練された状態で脱気を行うことができる位置に脱気用ベントを配置したから、木粉を吸引してしまうことがなく、確実に脱気を行うことができる。
【0027】
また、請求項2の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置によれば、高圧ガスの圧力に応じて確実に脱気を行うことができる。
【0028】
また、請求項3、請求項4または請求項5の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置によれば、高圧ガスを確実に吐出路に滞留させて効率よく吸引して脱気することができると共に、吸引されずに残留した高圧ガスは吐出路から可塑化装置の外部に確実に放出することができる。
【0029】
また、請求項6または請求項7の発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置によれば、射出ノズルにおける圧力損失が抑制されて、木粉樹脂が円滑に射出されると共に、金型のキャビティ内に射出圧力が確実に伝達されて、成形材料である木粉樹脂を確実に充填させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置を具体的に説明する。
【0031】
図1にこの発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置が備えた可塑化装置10の要部の概略構造を示しており、図2には可塑化装置10の概略の側面図を示してある。この可塑化装置10の可塑化シリンダ11には投入口11aから木粉と樹脂材料が投入され、また必要に応じて添加剤等が投入口11bから投入される。投入された木粉と樹脂材料は可塑化シリンダ11内を回転する図示しないスクリュによって混練されながら、可塑化シリンダ11の先端部のダイス12に向けて給送される。
【0032】
ダイス12は、図1及び図2に示すように、可塑化シリンダ11の内径d0に連続する入口路12aと中央に入口路12aよりも大径の貯留部12b、可塑化シリンダ11の内外部の境であり前記貯留部12bよりも縮径された吐出路12cとが形成されている。また、前記入口路12aから前記貯留部12bに掛けては徐々に拡径されており、貯留部12bから前記吐出路12cに徐々に縮径されている。なお、吐出路12cの先端の吐出口12dから木粉と樹脂材料とが混練され、可塑化された木粉樹脂が吐出される。すなわち、前記貯留部12bに貯留された木粉樹脂が吐出路12cを通過する際に、該吐出路12cに内径に対応した外径の棒状に形成されて吐出口12dから押し出されることになる。
【0033】
前記入口路12aには、該入口路12aの内圧を検出する圧力検知手段としての圧力センサ13が設けられている。一方、前記吐出路12dには脱気用ベント14が接続されており、この脱気用ベント14にこの射出成形装置の真空ポンプが接続されて、該真空ポンプの作動によりダイス12内のガスが吸引されて排出されるようにしてある。
【0034】
以上により構成された可塑化装置10における脱気動作について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
前記可塑化シリンダ11a内の図示しないスクリュが回転を開始すると(ステップ301)、前記圧力センサ13が前記入口路12aの内圧の計測を開始する(ステップ302)。一方、前記投入口11aから可塑化シリンダ11に木粉と樹脂材料とが投入されると、前記スクリュの回転により、樹脂材料が可塑化され木粉が混練されると共に、前記ダイス12に向けて徐々に給送される。このとき、木粉に含まれた水分が蒸発する等により可塑化シリンダ11の内圧が上昇する。
【0036】
前記圧力センサ13による計測値を予め爆発することのない圧力の設定値と比較し(ステップ303)、計測値が設定値を超えた場合には(ステップ303/YES)、射出成形装置の真空ポンプを作動させて(ステップ304)、前記脱気用ベント14を介してダイス12内を吸引する。真空ポンプの吸引を継続しながら、前記ステップ302に戻って圧力の計測を継続する。
【0037】
他方、圧力の計測値が設定値よりも小さくなった場合には(ステップ303/NO)、真空ポンプを停止し(ステップ305)、前記ステップ302に戻って圧力の計測を継続して圧力の上昇に待機することになる。すなわち、ダイス12の内部の圧力の上昇を検知したならば、ダイス12の内部からガスを吸引することによって、圧力を下降させるものである。
【0038】
また、図4は、脱気動作に関して、他の制御方法を示すフローチャートである。前記スクリュの回転が開始されると(ステップ401)、圧力センサ13により圧力の計測がなされ(ステップ402)、この圧力の計測値と設定値とが比較される(ステップ403)。計測値が設定値を超えた場合には(ステップ403/YES)、真空ポンプを作動させて(ステップ404)、ダイス12内部のガスの吸引を開始すると共に、タイマーをセットして計時を開始する(ステップ405)。予めセットされた時間の経過を判断し(ステップ406)、経過していない場合には(ステップ406/NO)、計時を継続する。
【0039】
前記ステップ406で設定時間が経過したと判断されると(ステップ406/YES)、ステップ402に戻って圧力の計測を継続する。また、前記ステップ403において圧力の計測値が設定値よりも小さい場合には、真空ポンプを停止し(ステップ407)、ステップ402に戻って圧力の計測を継続する。
【0040】
前記ダイス12の好ましい形状を、図5〜図7に示してある。図5及び図6はダイス12の吐出路を拡大して示す吐出路の軸を含む面で切断した断面図であり、図7は吐出路を、吐出路の軸に直角の面で切断した断面図である。
【0041】
図5に示す実施形態では、吐出路15cの内径d1を貯留部15bの終端部15eの内径d2よりも大きくしてある。また、図6に示す実施形態では、吐出路17cの内周面を、貯留部17bの終端部17eから吐出口17dに掛けて徐々に拡開してあり、円錐台形状に形成されている。
【0042】
これら図5または図6に示す実施形態では、高圧ガスは吐出路15c、17cに滞留しやすくなり、この吐出路15c、17cに前記脱気用ベント14を設けて脱気すれば、効率よく脱気を行える。また、図6に示す実施形態に係る吐出路17cのように、吐出口17dに向かって拡開してあることにより、吐出路17cに滞留して前記脱気用ベント14から排出されずに残留した高圧ガスは、吐出路17cの内周面に沿って流れて吐出口17dから可塑化シリンダ11の外部に放出され易くなる。
【0043】
図7に示す実施形態は、ダイスの吐出路19cの内周面に、該吐出路19cの軸方向に沿った逃がし溝19fを形成した構造としたものである。この構造によれば、吐出路19cに滞留して脱気用ベント14から排出されない高圧ガスは、この逃がし溝19fに案内されて可塑化シリンダ11の外部に放出されることになる。なお、この実施形態では、前記逃がし溝19fを円周方向にほぼ等間隔に8本に形成した構造を示したが、形成する本数は必要に応じた本数とすればよい。
【0044】
さらに、図5〜図7に示す実施形態による構造を組み合わせた構造を備えた吐出路とすることも好ましい。すなわち、貯留部の終端部よりも吐出路を拡径すると共に、吐出口に向かって徐々に拡開させた形状とし、吐出路の内周面に逃がし溝を形成した構造とするものである。
【0045】
次に、図8に示す実施形態について説明する。この実施形態は、この射出成形装置が備えた前記射出装置3に関するもので、同図は射出シリンダ6の先端部と射出ノズル21との概略構造を示しており、図10に相当する図である。なお、前述した図10に示す構造と同一の部分については同一の符号を付してある。
【0046】
この射出ノズル21はノズル孔21aの先端部に絞りが形成されず、該射出ノズル21のノズル孔21aの内径が射出シリンダ6の端部と接続する基端側から木粉樹脂が射出される先端側にかけてほぼ一定に形成されているものである。
【0047】
前記射出ノズル21では、先端部に絞りが形成されていないため、圧力損失が小さくなって、射出シリンダ6から円滑に木粉樹脂を射出することができる。したがって、射出圧力が金型のキャビティ内に確実に伝達され、木粉樹脂を確実に充填させることができる。
【0048】
また、図9は金型23を示しており、下型23aと上型23bとが型締めされた状態を示している。金型23により形成されるキャビティ24に連通して、前記射出ノズル21が接続するスプルー25のスプルー長をL2とし、前記射出ノズル21の木粉樹脂が通過するノズル長をL1とすると、これらの長さをL<L2となるようにすることが好ましい。これにより、射出後には木粉樹脂をスプルー25内に移行できるので、次のサイクルでの射出時の圧力損失を最少とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置によれば、可塑化装置における高圧ガスの発生による爆発を確実に防止することができ、効率よく安全な成形作業に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置が備えたダイスの構造を説明する断面図である。
【図2】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置の側面図である。
【図3】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置における高圧ガスの脱気作業の、一の手順を説明するフローチャートである。
【図4】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置における高圧ガスの脱気作業の、他の手順を説明するフローチャートである。
【図5】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置が備えた、ダイスの拡大図で、一の実施例に係る構造を示している。
【図6】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置が備えた、ダイスの拡大図で、他の実施例に係る構造を示している。
【図7】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の可塑化装置が備えた、ダイスの拡大図で、別の実施例に係る構造を示している。
【図8】この発明に係る木粉樹脂成形体の射出成形装置の射出装置が備えた、射出シリンダと射出ノズルの概略の断面図である。
【図9】金型の構造を示す断面図である。
【図10】従来の射出装置が備えた、射出シリンダと射出ノズルの概略の断面図であり、図8に相当する図である。
【図11】木粉樹脂成形体の射出成形装置の概略の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0051】
6 射出シリンダ
10 可塑化装置
11 可塑化シリンダ
11a、11b 投入口
12 ダイス
12a 入口路
12b 貯留部
12c 吐出路
12d 吐出口
13 圧力センサ(圧力検知手段)
14 脱気用ベント
15b 貯留部
15c 吐出路
15d 終端部
17b 貯留部
17c 吐出路
17d 吐出口
19c 吐出路
19f 逃がし溝
21 射出ノズル
23 金型
23a 下型
23b 上型
24 キャビティ
25 スプルー
L1 ノズル長
L2 スプルー長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑化装置により木粉と樹脂とを混練した木粉樹脂を計量・運搬装置により射出装置に供給して、該射出装置から金型のキャビティ部に射出することにより、木粉樹脂による成形体を成形する木粉樹脂成形体の射出成形装置において、
前記可塑化装置のダイスに脱気用ベントを配置したことを特徴とする木粉樹脂成形体の射出成形装置。
【請求項2】
前記ダイスであって、前記脱気用ベントの配置位置よりも上流側に圧力検知手段を配置し、
前記圧力検知手段による検知圧力が設定値を超えた状態で、前記脱気用ベントに連通した真空ポンプを作動させて脱気することを特徴とする請求項1に記載の木粉樹脂成形体の射出成形装置。
【請求項3】
前記ダイスの木粉樹脂を滞留させる貯留部に通じる吐出路を、貯留部の終端部の内径よりも拡大してあることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木粉樹脂成形体の射出成形装置。
【請求項4】
前記吐出路の内径を、前記貯留部の終端部側から開放側にかけて徐々に拡開した形状としてあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の木粉樹脂成形体の射出成形装置。
【請求項5】
前記吐出路の内面に、該吐出路の軸方向と平行な方向の逃がし溝を任意本数形成したことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木粉樹脂成形体の射出成形装置。
【請求項6】
前記射出装置の射出シリンダの先端部の射出ノズルの内径を、射出シリンダ側の基端側から先端側にかけて一定としたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木粉樹脂成形体の射出成形装置。
【請求項7】
可塑化装置により木粉と樹脂とを混練した木粉樹脂を計量・運搬装置により射出装置に供給して、該射出装置から金型のキャビティ部に射出することにより、木粉樹脂による成形体を成形する木粉樹脂成形体の射出成形装置において、
前記射出装置の射出シリンダの先端部の射出ノズルの内径を、射出シリンダ側の基端側から先端側にかけて一定としたことを特徴とする木粉樹脂成形体の射出成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−83192(P2009−83192A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253557(P2007−253557)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度、独立行政法人科学技術振興機構「プラスチック代替木質成形体」新技術開発委託、産業活力再生措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000144740)株式会社山城精機製作所 (19)
【出願人】(596046347)中日精工株式会社 (7)
【Fターム(参考)】