説明

構内無線システム

【課題】構内無線システムにおいて、転倒警報先や非常発報先が1台の端末に限られているため、十分な対応ができないという問題を解決する。
【解決手段】転倒警報先や非常発報先として複数の端末をグループとして登録しておき、構内無線システム内の端末から転倒警報や非常発報が為された場合は、前記登録していた複数の端末に対して、転倒警報や非常発報を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、構内PHSシステムや構内電話システムを含む構内無線システム等において、安全対策機能の1つとして用いられる転倒検知・警報機能や非常発報機能に関する。
【背景技術】
【0002】
転倒検知・警報機能は、構内無線システムを使用する工場等の作業者が移動無線端末を腰等に装着しておき、作業中にその作業者が転倒するといった異常状態になった場合に、移動無線端末が転倒状態であることを検知し、予め登録されている連絡先へ移動無線端末から自動的に通報する機能である。この場合の転倒検知手段としては、水銀スイッチを使用したものやフォトインタラプタを使用したものが知られている。フォトインタラプタを使用する場合の例としては、移動無線端末の筐体内部にフォトインタラプタを設け、該フォトインタラプタは、発光素子と、受光素子と、発光素子から受光素子までの光路に光を遮断する球状体を有し、移動無線端末が正常な直立状態では球状体が光を遮断し、移動無線端末が傾くと球状体が移動し光路の遮断が解除されるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-148785公報
【0004】
また、非常発報機能は、作業中に非常事態が発生した場合に、その作業者が移動無線端末の非常発報用ボタンを押すことにより、予め登録されている連絡先へ移動無線端末から通報する機能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の転倒検知・警報機能や非常発報機能においては、発報時の連絡先が特定の1台の移動端末、あるいは特定の1台の有線電話機に限られていた。このため、有線電話機の使用者が席を外して不在である場合や、移動端末の使用者が電波の届きにくい場所にいるなどして、電話に応答できないか、又は電話がかからないような状態の場合、緊急の転倒警報や非常発報が発せられても応対できないといった課題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、転倒検知・警報機能や非常発報機能を有する構内無線システムであって、発報時の連絡先、すなわち接続先を複数の移動端末や固定有線電話機とすることにより、作業者が転倒したり、非常発報用ボタンが押された場合に、複数の移動端末又は固定有線電話機に呼出を行う構内無線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願発明では、構内無線システムを次のような構成とした。 すなわち、複数の移動端末と、無線により前記複数の移動端末と接続される基地局と、前記基地局と接続され、前記移動端末による通話を制御する主制御装置とを備えた構内無線システムであって、前記主制御装置が、構内無線システムに属する移動端末のうち、特定のグループに属する移動端末の識別番号を登録可能な通報先グループ管理テーブルを記憶するメモリを備え、構内無線システム内の移動端末から前記特定の通報先グループに対する転倒警報指示又は非常発報指示の情報を受信すると、前記特定の通報先グループに属する移動端末に対して呼出処理を行うことを特徴とする構内無線システム。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、転倒警報時や非常発報時に、複数の移動端末に連絡することができ、転倒警報や非常発報の接続性が向上する、つまり、転倒警報や非常発報を確実に伝えることができるので、非常事態における安全性が向上する。また、転倒警報時や非常発報時の通報先として、構内無線システム内の一部の特定のグループを設定することが可能であり、作業者の関係する部署やメンバを対象として通報先グループを設定した場合は、関係する部署やメンバの移動端末に限定して呼出処理を行うことができ、したがって、転倒警報時や非常発報時において、関係のない部署の業務や通話を妨げないようにすることができる。
【0009】
なお、上記の本発明において、主制御装置に有線電話機が接続され、通報先に有線電話機を登録するように構成してもよい。このとき、有線電話機は、構内交換機を介さずに主制御装置に直接接続された有線電話機に限らず、構内交換機を介して接続された有線電話機も対象とすることができる。
また、移動端末及び有線電話機は、内線電話機に限らず、外線用の電話機を対象とすることも可能である。
また、前記移動端末及び有線電話機の識別番号は、それぞれに割り当てられた内線番号としてもよいし、移動端末及び有線電話機の固有の端末IDとしてもよい。
【0010】
また、上記の本発明に対して、さらに、前記主制御装置が、構内無線システムに属する移動端末のうち、特定の移動端末が属するグループについて、該グループに属する移動端末の識別番号を登録可能な通報元グループ管理テーブルを記憶するメモリを備え、該通報元グループに属する移動端末から前記通報先グループに対する転倒警報指示又は非常発報指示の情報を受信すると、前記通報先グループに属する移動端末及び有線電話機に対して呼出処理を行うことを特徴とする構内無線システムとすることもできる。
【0011】
このように、通報元グループと通報先グループを別々に管理することにより、複数の通報元グループがある場合に、それぞれの通報元グループの性格やメンバに応じて、適切な通報先グループを設定することができる。また、主制御装置で一括して通報元グループや通報先グループを設定することができるので、移動端末及び有線電話機に対して1台ずつ転倒警報又は非常発報の通報先電話番号を設定する必要がなく、設定が容易であるとともに設定する際のミスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例に係る構内無線システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係る通報元グループ管理テーブルを示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る通報元グループの設定画面を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る通報先グループ管理テーブルを示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る通報先グループの設定画面を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係る移動端末の動作フローチャートである。
【図7】本発明の一実施例に係る主制御装置1の制御部11の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本システムの構成例]
本発明の実施の形態の一例である構内無線システムについて、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態の一例である構内無線システムの構成ブロック図である。
本例の構内無線システム(本システム)は、図1に示すように、主制御装置1と、基地局2と、構内交換機(PBX)3と、構内交換機3に接続された固定の有線電話機41と、移動端末5と、入力操作部6と、構内交換機3を介さずに主制御装置1に接続された固定の有線電話機42とを備えている。以下、有線電話機41と有線電話機42を有線電話機4と総称する。更に、主制御装置1は、制御部11と、グループ通話トランク12とを備えている。本例では、移動端末5はPHS(Personal Handy-phone System)端末であり、本システムは構内PHSシステムである。
各構成部分について具体的に説明する。
【0014】
主制御装置1は、構内PHSシステム全体の交換制御や、同一グループに属する移動端末5又は有線電話機4の間の通話であるグループ通話の制御を行い、また、外線との接続を行うものである。
基地局2は、主制御装置1に接続された構内PHSシステムの基地局であり、移動端末5と無線で送受信を行うものである。
【0015】
有線電話機41は、構内交換機3を介して有線回線で主制御装置1に接続された電話端末である。また、有線電話機42は、構内交換機3を介さずに有線回線で主制御装置1に接続された電話端末である。
移動端末5は、構内PHSシステムの無線端末装置であり、基地局2を介して通信を行う。
入力操作部6は、キー入力が可能なもので、後述するグループ一斉通報特番及びグループメンバの設定等の入力操作を行うものであり、表示部を備えている。
【0016】
主制御装置1の制御部11は、CPUとメモリを備えており、制御装置1全体の制御を行うものであり、入力操作部6からのグループ一斉通報特番やグループメンバの設定の操作に基づいて、転倒警報又は非常発報におけるグループ一斉通報や、グループ通話の管理を行うものである。このため、主制御部11は、内部のメモリ内の通報先グループ管理テーブルに、有線電話機4及び/又は移動端末5の識別番号とグループ一斉通報特番とを対応付けて記憶している。ここで、有線電話機4及び移動端末5の識別番号は、それぞれを識別できるものであればよく、それぞれの電話番号(内線番号)を用いることもできる。
【0017】
また、グループ通話トランク12は、同一グループに属する移動端末5又は有線電話機4の間の通話であるグループ通話の音声多重化を行うものであり、グループ通話トランク12の複数の受話ポートから入力された音声を多重化して、グループ通話トランク12の複数の送話ポートに出力するものである。グループ通話トランク12は、複数グループがグループ通話を行う場合は、グループ毎に音声多重処理を行う。
【0018】
[通報元グループ管理テーブル]
主制御装置1の制御部11のメモリに設定、登録され記憶されている通報元グループ管理テーブルについて図2を用いて説明する。図2は、通報元グループ管理テーブルの説明図である。
図2に示すように、通報元グループ管理テーブルは、グループ番号と、グループ一斉通報特番と、該グループに属する移動端末5又は有線電話機4の端末識別番号が対応付けられて記憶されている。グループ番号は、各グループ毎に付された管理番号である。グループ一斉通報特番は、後述する通報先グループ管理テーブルで使用されるグループ一斉通報特番と同一のものであり、通報先グループを特定するものである。
【0019】
図2の例では、グループ番号が「01」のグループについて、グループ一斉通報特番「101」に対応して、通報元であるグループメンバの移動端末5又は有線電話機4の端末識別番号「11」「12」「13」…が登録されている。なお、通報元グループ管理テーブルとは別に、通報元端末識別番号対応テーブルを用意して、該テーブルに各端末識別番号に対応する名前や内線番号を端末識別番号と対応させて登録、記憶しておき、通報元グループ管理テーブルの設定時に、名前や内線番号を入力操作部6の表示部に表示して、通報元グループに属する移動端末5又は有線電話機4の登録を行うようにすると操作性が向上する。
【0020】
次に、前記通報元グループ管理テーブルにおける情報の設定方法について説明する。
図3は、転倒警報及び非常発報に用いられる通報元のグループ一斉通報特番及び通報元のグループメンバ等の設定画面であり、この設定画面は、入力操作部6の表示部に表示され、入力操作部6からデータ入力される。
【0021】
図3において、グループ番号は、転倒警報及び非常発報における通報元のグループ番号を設定するものであり、本システムでは、複数のグループを設定可能としている。内線番号は、あるグループに登録される有線電話機4や移動端末5の内線番号であり、本例では、先頭と末尾の番号により設定する。例えば、内線番号が1001〜1100の範囲の有線電話機4や移動端末5を登録するには、先頭内線に1001、末尾内線に1100を設定すればよい。種別は、転倒警報及び非常発報における発報先の回線種別であり、内線又は外線のいずれかを設定する。ダイヤルコードは、転倒警報及び非常発報における発報先の電話番号や全一斉特番、又はグループ一斉通報特番を設定する。
【0022】
[通報先グループ管理テーブル]
次に、主制御装置1の制御部11に記憶されている通報先グループ管理テーブルについて図4を用いて説明する。図4は、通報先グループ管理テーブルの説明図である。
図4に示すように、通報先グループ管理テーブルは、グループ番号と、グループ一斉通報特番と、該グループに属する移動端末5又は有線電話機4の端末識別番号が対応付けられて記憶されている。グループ番号は、各グループ毎に付された管理番号である。グループ一斉通報特番は、通報先グループを特定するものであり、前記通報元グループ管理テーブルに設定したグループ一斉通報特番と同一の番号である。
図4の例では、グループ番号501については、グループ一斉通報特番「101」に対応して、通報先であるグループメンバの移動端末5又は有線電話機4の端末識別番号「51」「52」「53」…が登録されている。
【0023】
なお、通報先グループ管理テーブルとは別の通報先端末識別番号対応テーブルを用意して、該テーブルに各端末識別番号に対応する名前や内線番号を端末識別番号と対応させて登録、記憶しておき、通報先グループ管理テーブルの設定時に名前や内線番号を入力操作部6の表示部に表示して、グループに属する移動端末5又は有線電話機4の登録を行うようにしてもよい。
また、通報先端末識別番号対応テーブルは、前記通報元端末識別番号対応テーブルと同一のテーブルを共用してもかまわない。
【0024】
次に、前記通報先グループ管理テーブルにおける一斉通報先のグループメンバ等の情報の設定方法について説明する。
図5は、転倒警報及び非常発報に用いられる通報先のグループ一斉通報特番及び通報先のグループメンバ等の設定画面であり、この設定画面は、入力操作部6の表示部に表示され、入力操作部6からデータ入力される。
【0025】
図5において、グループ番号は、転倒警報及び非常発報における通報先のグループ番号を設定するものであり、本システムでは、複数のグループを設定可能としている。内線番号は、グループ一斉通報で呼出される通報先のグループメンバを設定するものであり、このグループに登録される有線電話機4や移動端末5の内線番号を設定する。本例では、最大64のグループメンバが登録可能となっている。内線番号は、本例では、先頭と末尾の番号により設定する。例えば、内線番号が1001〜1100の範囲の有線電話機4や移動端末5を登録するには、先頭内線に1001、末尾内線に1100を設定すればよい。種別は、転倒警報及び非常発報における発報先の回線種別であり、内線又は外線のいずれかを設定する。ダイヤルコードは、転倒警報及び非常発報におけるグループ一斉通報特番を設定する。
【0026】
[本例における動作概要]
本例では、構内無線システム内の、グループ一斉通報特番が設定された特定の通報元グループの移動端末5から転倒警報動作や非常発報操作が行われると、主制御装置1の制御部11は、通報元グループ管理テーブルを参照して、通報元の移動端末5が属するグループに対応して記憶されているグループ一斉通報特番を特定し、このグループ一斉通報特番に基づき、該グループ一斉通報特番と同一のグループ一斉通報特番を有する通報先グループ管理テーブルを特定し、該通報先グループ管理テーブル内のグループメンバである移動端末5又は有線電話機4に対して発呼する。
【0027】
また、転倒警報時や非常発報時において、通報元の移動端末5と、通報先のグループ内の移動端末5又は有線電話機4との間で通話を行う場合は、主制御装置1の制御部11は、通報先のグループメンバへ発呼するとともに、通報元の移動端末5をグループ通話トランク12の送受話ポートに接続し、前記発呼に応答して着呼した通報先のグループメンバを、グループ通話トランク12の送受話ポートに接続し、グループ通話トランク12が音声多重化処理を行うことにより、グループ通話を実現する。
【0028】
なお、通報元グループ管理テーブルは必ずしも設けなくてもよい。通報元グループ管理テーブルを設けない場合は、移動端末5に対して個別にグループ一斉通報特番を設定、登録しておき、転倒警報時や非常発報時において、通報元の移動端末5から前記設定したグループ一斉通報特番を含む情報を、主制御装置1に送信するようにする。主制御装置1では、受信したグループ一斉通報特番を有する通報先グループ管理テーブルを特定し、該通報先グループ管理テーブルに属するグループメンバである移動端末5又は有線電話機4に対して発呼し、転倒警報情報や非常発報情報を送信する。
【0029】
また、通報元グループ管理テーブルと通報先グループ管理テーブルを共通のテーブルとし、同じグループに属する移動端末5から転倒警報や非常発報が行われると、その移動端末5と同じグループに属する移動端末5と有線電話機4に対して発呼するようにしてもよい。
【0030】
[転倒警報時の動作]
転倒警報時の動作について、図6及び図7のフローチャートを用いて説明する。
図6は移動端末5の動作フローチャートであり、図7は主制御装置1の制御部11の動作フローチャートである。
移動端末5の携帯者が転倒すると、移動端末5の内部に設けられた転倒検知手段が、直立状態に対して所定の角度、例えば50度傾いた状態を、所定の設定時間、例えば30秒間連続して検知した場合(図6のステップS1)、移動端末5がアラーム音を鳴動する(ステップS2)。
【0031】
アラーム音が鳴動開始した後、移動端末5の発報キャンセルボタンが押されたかどうかを判断し(ステップS3)、発報キャンセルボタンが押された場合は、移動端末5はアラーム音の鳴動を停止し(ステップS7)、転倒警報を行わずに転倒処理を終了する。移動端末5の携帯者が誤って移動端末5を転倒状態にした場合には、アラーム音が鳴動するので、発報キャンセルボタンを押すことにより、転倒警報を行わないようにすることができる。
アラーム音が鳴動開始した後、移動端末5の発報キャンセルボタンが押されない状態で、所定時間、例えば30秒間経過したか否かを判断し(ステップS4)、所定時間経過していない場合は、ステップS3に戻り、発報キャンセルボタンが押されたかどうかを判断する。
発報キャンセルボタンが押されない状態で所定時間経過すると(ステップS4でYes)、移動端末5は転倒警報を行う(ステップS5)。すなわち、転倒した旨の転倒警報情報と転倒警報を発した端末を識別できる端末識別番号を、基地局2を介して主制御装置1へ送信する。次に、移動端末5は、転倒警報情報を受け付けた旨の受信確認情報を主制御装置1から受信したか否かチェックし(ステップS6)、受信確認情報を受信するまで、転倒警報情報を繰り返し送信する。
【0032】
主制御装置1は、基地局2を介して移動端末5から送信されてきた転倒警報情報を受信すると(図7のステップS11)、転倒警報情報を受信したことを示す受信確認情報を移動端末5へ返信する(ステップS12)。
主制御装置1は、受信した転倒発報情報の宛て先が個別の1台の有線電話機4や移動端末5である場合は(ステップS13でYes)、該1台の有線電話機4又は移動端末5を通報先に設定して(ステップS18)、発呼を行い転倒警報情報を送信する(ステップS17)。
また、主制御装置1は、受信した転倒発報情報の宛て先が全一斉、すなわち、宛て先が本システムに接続される全ての有線電話機4及び移動端末5であった場合は(ステップS14でYes)、該全ての有線電話機4及び移動端末5を通報先に設定して(ステップS19)、発呼を行い転倒警報情報を送信する(ステップS17)。
また、主制御装置1は、受信した転倒発報情報の宛て先が全一斉でなかった場合は(ステップS14でNo)、受信した転倒発報情報の宛て先がグループ一斉通報特番であることを認識し、グループ一斉通報特番の場合の処理に移る。グループ一斉通報特番の場合の処理は、通報元グループ管理テーブルが設けられた場合とそうでない場合で異なる。
【0033】
[通報元グループ管理テーブルが設けられている場合]
通報元グループ管理テーブルが設けられている場合は、主制御装置1は、転倒警報情報を送信してきた移動端末5が属する通報元グループを、受信した端末識別番号と通報元グループ管理テーブルを参照して特定する(ステップS15)。それから、その通報元グループ管理テーブルに設定されているグループ一斉通報特番と同一のグループ一斉通報特番を有する通報先グループを、通報先グループ管理テーブルを参照して特定し通報先として設定する(ステップS16)。そして、該特定した通報先グループ管理テーブルに属する有線電話機4及び移動端末5に対して発呼を行い、転倒警報情報を送信する(ステップS17)。
なお、転倒警報送信処理(ステップS17)における会議通話への引き込み(発呼)処理は、特定した通報先グループ管理テーブルに属するすべての通報先を会議通話に引き込むまで実行するか、あるいは、再実行処理の時間制限又はリトライ回数制限を設け、会議通話に引き込むことができない通報先が存在する場合には、上記制限内で再実行するように構成してもよい。上記制限内にすべての通報先を会議通話に引き込むことができなかった場合には、そのまま次の処理に移行する。
【0034】
[通報元グループ管理テーブルが設けられていない場合]
通報元グループ管理テーブルが設けられていない場合は、主制御装置1は、受信した転倒発報情報に含まれるグループ一斉通報特番の情報に基づいて、制御部11のメモリ内に設けられた通報先グループ管理テーブルを参照して、受信した転倒発報情報に含まれるグループ一斉通報特番と同じグループ一斉通報特番のグループに属する有線電話機4及び移動端末5を特定して発呼を行い、転倒警報情報を送信する(ステップS17)。
【0035】
なお、発呼先の有線電話機4や移動端末5が他からの着信中、通話中、又は発信中の場合は、主制御装置1は、前記他からの着信、通話、又は発信を強制終了させた後、発呼を行う。また、主制御装置1は、発報先が通話中の場合は、キャッチホン規制がされていてもキャッチホンを入れるようにしてもよい。
【0036】
[非常発報時の動作]
非常発報時の動作について説明する。
移動端末5の携帯者が、移動端末5の非常発報用ボタンを、所定時間以上、例えば3秒間以上押下すると、移動端末5は非常発報を行う、すなわち、非常発報情報と端末識別番号を基地局2を介して主制御装置1へ送信する。移動端末5は、非常発報情報を受け付けた旨の返信を主制御装置1から受信するまで、非常発報情報を繰り返し送信する。以降の動作は、転倒警報時の動作と同様であり、主制御装置1は、図7のフローチャートと同様の動作を行う。
【0037】
なお、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1・・主制御装置、 2・・基地局、 3・・構内交換機、 4・・有線電話機、 5・・移動端末、 6・・入力操作部、 11・・制御部、12・・グループ通話トランク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動端末と、
無線により前記複数の移動端末と接続される基地局と、
前記基地局と接続され、前記移動端末による通話を制御する主制御装置とを備えた構内無線システムであって、
前記主制御装置が、構内無線システムに属する移動端末のうち、特定のグループに属する移動端末の識別番号を登録可能な通報先グループ管理テーブルを記憶するメモリを備え、構内無線システム内の移動端末から前記特定の通報先グループに対する転倒警報指示又は非常発報指示の情報を受信すると、前記特定の通報先グループに属する移動端末に対して呼出処理を行うことを特徴とする構内無線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−200261(P2010−200261A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45837(P2009−45837)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】