説明

構造光画像化装置

【解決手段】本発明は、画像化される対象物の表面トポグラフィを再構成するために、画像化システムに構造光源を組み込む。構造光源は、或る角度から前記対象物上に1組の線を伝達するための機構を備える。それらの線は、マウスなど、限られた高さを有する対象物に当たると、変位、すなわち、位相シフトされる。この位相シフトは、対象物の構造光情報を提供する。カメラが、この構造光情報を取得する。構造光解析を用いるソフトウェアにより、線の位相シフトから、対象物の表面トポグラフィデータが決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、画像化システムおよびその使用方法に関し、特に、構造光源を備えた画像化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新しい型の画像化は、対象物から低光度の光を捕捉することを含む。光源は、対象となる活動が起きている可能性がある対象物の部分を示す。一例では、対象物は、マウスなどの小型動物であり、光源は、発光レポータ(ホタルルシフェラーゼ、蛍光タンパク質、または、蛍光色素など)で標識された腫瘍細胞を含む。この技術は、インビボ光学画像化として知られている。
【0003】
インビボ画像化でのトモグラフィ再構成は、対象物の表面の内側の内部光源の三次元表現を構築する。一部のトモグラフィ再構成技術は、対象物表面の三次元表現に依存する。マウスなどの小動物を画像化するには、個体ごと、および、その個体を画像化するたびに、新しい表面表現が必要になる。
【0004】
ユーザが、対象物の表面表現を容易に取得することを可能にするシステムは、今のところ存在しない。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、画像化される対象物の表面トポグラフィを再構成するために、画像化システムに構造光源を組み込む。構造光源は、或る角度から前記対象物上に1組の線を伝達するための機構を備える。それらの線は、マウスなど、限られた高さを有する対象物に当たると、変位、すなわち、位相シフトされる。この位相シフトは、対象物の構造光情報を提供する。カメラが、この構造光情報を取得する。構造光解析を用いるソフトウェアにより、それらの線の位相シフトから、対象物(表面全体または一部)の表面トポグラフィデータが決定される。
【0006】
一態様において、本発明は、動物の三次元表面表現を提供するための画像化システムに関する。画像化システムは、内部空洞を取り囲む1組の壁と、カメラを位置決めするよう構成されたカメラ架台とを備えた画像化チャンバを備える。画像化システムはさらに、内部空洞内で、カメラの視野内に、動物を支持するよう構成されたステージを備える。画像化システムは、さらに、動物がステージ上に存在する状態で動物上に伝達される構造光を生成するよう構成された構造光源を備える。これにより、動物の構造光表面情報が生成される。画像化システムは、さらに、カメラによって取得された構造光表面情報を用いて、動物の少なくとも一部の三次元表面表現を生成するよう構成されたプロセッサを備える。
【0007】
別の態様において、本発明は、動物の三次元表現を提供するための画像化システムに関する。画像化システムは、移動機構と、内部空洞内で動物を支持するよう構成されたステージとを備えた可動ステージ装置を備える。ステージは、内部空洞内の複数の位置の中の1つに動物を移動させるために、移動機構に結合されている。画像化システムは、さらに、動物の構造光表面情報を生成するために、動物がステージ上に存在する状態で動物上に伝達される構造光を生成するよう構成された構造光源を備える。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、動物の三次元表現を提供するための画像化システムに関する。画像化システムは、動物上に伝達される格子状の光の線を生成するよう構成された構造光源を備える。
【0009】
本発明の上記およびその他の特徴は、本発明の詳細な説明において、添付の図面を参照しつつ詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の本発明の詳細な説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの具体的な実施形態について説明する。しかしながら、当業者にとって明らかなように、本発明は、これら具体的な詳細事項がなくとも、また、別の要素や処理を用いても、実施可能である。また、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の処理、手順、構成要素、および、回路については、詳細な説明をしていない。
【0011】
概要
本発明は、小動物などの対象物上に伝達するための構造光を生成する構造光源を備えた画像化システムに関する。構造光は、1組の光の線を用いる。一実施形態では、1組の光の線は、表面の法線に対して特定の角度(例えば、約30度)で対象物上に投射される。対象物は、動物の形状に対する各々の光の線の反応に応じて、構造光表面情報を生成する。累積的に、それらの光の線は、それぞれ、対象物を通過する際に、屈曲したり間隔が変化したりする(図6C)。構造光表面情報は、構造光源によって照明されたすべての位置における表面の高さを決定するために、測定および利用されてよい。
【0012】
カメラが、構造光表面情報を取得し、その情報を二値化して、1または複数の構造光画像を生成する。プロセッサが、構造光情報を用いて、対象物(すなわち、カメラの方を向いた対象物の一部)の三次元表面表現を生成する。具体的には、処理システムが、構造光表面情報からトポグラフィ表現(表面マップ)を生成するための格納された命令を実行することで、構造光表面情報を用いて対象物の三次元トポグラフィ表現を構築する。三次元トポグラフィ表現を構築するために、様々な再構成技術が、ソフトウェアに格納されて利用されてよい。一実施形態では、表面トポグラフィ再構成は、表面メッシュを生成する。
【0013】
構造光源
図1は、対象物への構造光の投射と、構造光表面情報の生成とを示す図である。本発明の光源は、1または複数の線404、かつ、角度θで、対象物402上に光を送る。投射角がわかっているため、各線404の水平変位は、対象物402の高さに関係する。具体的には、対象物402が各線404と交わる高さが、入射光に起きた水平変位に応じて、各線404についての構造光情報を生成する。対象物402の対向する表面上に、既知の寸法の線404の格子を伝達させることにより、捕捉された光における水平の屈曲を定量的に評価して、対向する表面のトポグラフィのマップを得ることができる。図6Cは、マウスのサンプル上に投射された線の格子における屈曲を示す図である。構造光表面情報は、干渉を受けることなく伝達された線の配列の既知の間隔と、カメラが取得した観察パターンとの間の差分を含む。本発明は、水平面の法線に対する構造光の水平の差分に関して説明されているが、他のシステムが、他の角度で構造光を伝達させて、他の方向(例えば、垂直面の法線、または、水平面の法線と垂直面の法線との間の任意の角度)での構造光情報を生成してもよいことを理解されたい。
【0014】
表面の法線に対する入射角度は、様々であってよい。一実施形態では、約15°ないし約30°の角度が適切である。この範囲よりも大きい角度または小さい角度を用いてもよい。投射角度は、空間分解能を実現するのに十分な線の「屈曲」を得られる程大きく、影が大きくならない程小さいことが好ましい。
【0015】
本発明の構造光源によって出力される光は、様々であってよい。一般に、光出力は、表面トポグラフィの構築に有用な構造光表面情報を生成するのに適切な任意の線または形状を含んでよい。一実施形態では、構造光源は、線の格子を動物上に投射する。平行格子における線の間隔は、特定の対象物または画像に対して適合されてよい。1mm当たり約0.5ないし約2本の線間隔を有する線の平行格子を生成する構造光源が、マウスに適している。本発明と共に、他の線間隔を用いてもよい。線間隔を小さくすると、分解能が高くなるが、毛皮などの荒い表面上で線を追跡することが困難になる。線間隔は、対象物の表面性状および対象物のサイズに基づいて変更してもよい。
【0016】
本発明は、任意の適切な構造光生成システムを用いてよい。一実施形態では、画像化システムで用いられる構造光源は、線404の格子を投射するプロジェクタを備える。別の実施形態では、構造光源は、単一の光線を高速で移動させて対象物402にわたって1組の線を形成する一対の駆動鏡と協働するレーザを備える。別の適切な構造光プロジェクタは、所望の構造光パターンを実現する回折パターンを用いたレーザ素子を備える。本発明において、他の構造光源を用いてもよい。
【0017】
図2Aは、本発明の一実施形態に従って、走査型レーザ検流計420を備えた構造光源を示す図である。走査型レーザ検流計420は、レーザ422と、一対の鏡424および426とを備える。
【0018】
レーザ422は光を生成する。レーザ422は、その線状レーザ光線の出力が、鏡424に入射するように配置される。レーザ422は、ダイオードレーザまたはダイオード励起固体レーザなど、任意の適切なレーザを備えてよい。レーザ422では、任意の色を用いてよい。市販のレーザの色には、赤、緑、および、青がある。具体的に実施形態では、レーザ422は、様々な製造業者から入手可能な緑色ダイオード励起固体レーザを備える。
【0019】
鏡424および426は、それぞれ、レーザ422によって供給された光を方向付ける。図に示すように、最初に、鏡424が、レーザ422によって供給された光を受けて、その光を鏡426に向かって反射し、鏡426が、画像化チャンバ内に光を反射する。2つの鏡を備えることで、レーザ422によって供給された光線について、2自由度の位置決めが可能になる。最大伝達範囲428は、鏡424および426による光の方向に関する空間的な範囲を規定する。鏡424および426は、範囲428内で、任意の線、形状、格子、または、パターンを生成してよい。例えば、駆動装置および鏡424は、(マウスの任意の位置について)マウスの頭からつま先の方向に垂直な1組の平行線を形成してよい。一実施形態では、鏡424および426は、走査型レーザ検流計420によって出力される特定の光パターンを決定する位置制御を、コンピュータから受信する。
【0020】
駆動装置430および432は、それぞれ、鏡424および426を位置決めする。各駆動装置430および432は、電気入力に応答する任意の適切な機械的駆動手段を備えてよい。例えば、駆動装置430および432での利用には、モータが適切である。別の具体的な例では、駆動装置430および432で、磁気による駆動手段を用いてもよい。磁気駆動手段は、正確かつ迅速な応答を実現する。検流計420について、駆動装置は、レーザ422によって生成される単一の光線が、1組の線を生成するのに十分なほどの高速で動作する。この例では、レーザ点が、カメラによって検出された線を記録するのに十分な速さで、動物の表面を走査できる程の速度で、鏡が動く。具体的な実施形態では、線の格子は約100本の線を含み、10分の2秒毎に、格子全体が走査される。他の走査速度で、他の数の線を含む格子が用いられてもよい。
【0021】
一実施形態では、走査型レーザ検流計420は、本発明の画像化チャンバで用いるために特別設計される。別の実施形態では、走査型レーザ検流計420は、市販のモデルを備える。本発明での利用に適した走査型レーザ検流システムの一例としては、マサチューセッツ州ケンブリッジのCambridge Instruments社が供給する型式6200Hガルバノスキャナ並びに67120−0627マイクロマックスモデル671XXサーボドライバおよびコントローラが挙げられる。
【0022】
走査型レーザ検流計420のための鏡424および426のコンピュータ制御によっても、構造光源の光出力をカスタマイズすることができる。例えば、線の間隔を変更して精密に制御することができる。この場合、コンピュータ制御は、ユーザが、線の間隔の密度を増大させて、構造光表面情報の量を増大させ、より詳細なトポグラフィ表現を生成することを可能にしてよい。コンピュータ制御は、さらに、動物の構造光表面情報の質を改善するように、構造光パターンを制御することを可能にする。例えば、コンピュータ制御により、動物のサイズおよび動物の毛皮の色または質感における変動に応じて、線の間隔を変更することができる。さらに、コンピュータ制御により、動物の画像化または位置確認に用いられる特定の視界に、構造光パターンを適合させることができる。
【0023】
また、各鏡424および426を独立して制御することにより、ユーザは、画像化チャンバ内の異なる位置に光を導くことが可能になる。これは、ユーザが、中心を外れた位置に動物すなわち対象物を配置する場合に有用である。さらに、画像化ボックス内で複数の動物を画像化する場合にも有用である。
【0024】
走査型レーザ検流計420によって生成された投射光パターンは、他の目的に利用されてもよい。例えば、投射パターンは、画像化チャンバ内で対象物すなわち動物を位置決めするための位置決めターゲットを生成するために用いられてもよい。この場合、走査型レーザ検流計420は、画像化チャンバのステージまたは床面上で動物を位置決めするために、十字またはその他の位置決めターゲットを生成する。光出力は、さらに、カメラの視界を示してもよい。
【0025】
さらに、走査型レーザ検流計420は、自動焦点技術で利用されてもよい。具体的には、マウスの上面における格子線の変位は、マウスの高さを示しうる。各マウスは、異なる高さを有しうるため、カメラが個々のマウスに固有な高さに対して適応的に焦点を合わせることを可能にする自動焦点システムを、画像化システムに提供することができる。
【0026】
鏡424および426は、光の方向を変えたり伝送したりすることを柔軟に実行できるようにするため、走査型レーザ検流計420を、画像化チャンバ内で柔軟に配置することができる。一実施形態では、走査型レーザ検流計420は、画像化チャンバの最上部に配置されて、動物の上面に向かってレーザ光線を下向きに反射する。検流計420が、画像化チャンバの上壁423(すなわち、副壁)の外側に配置される場合(図2B参照)には、上壁は、第2の鏡からの光を通過させて画像化チャンバ内に導くための小孔421を備える。第2の鏡と壁423との間を近接させることにより、ある投射角で投射される任意の構造光パターンまたはその他のパターンが拡大する程の距離がないため、孔421のサイズを小さくできる。
【0027】
走査型レーザ検流計420は、多くの光画像化システムにおいて、柔軟に実施されてよい。一実施形態では、走査型レーザ検流計420は、画像化される動物の上方に配置され、ある角度で動物に対して光を投射する。
【0028】
図2Bは、本発明の一実施形態に従って、走査型レーザ検流計420を備えた画像化ボックス内部のステージを示す簡略な断面図である。可動ステージ58を備えた画像化ボックスが図示されている。別の実施形態では、ステージ58は、固定されており、画像化チャンバの底面を含む。
【0029】
可動ステージ58は、画像化の対象物を支持する。可動ステージ58は、底部の隔壁52と上部の筐体パネルとの間で直線的に往復動することが可能であり、画像を取得するために、その間の任意の位置に保持されてよい。したがって、可動ステージ58は、画像化チャンバ44内で、複数の垂直位置を取ると共に、ほぼ同じ水平位置を取る。具体的な実施形態では、可動ステージ58は、可動ステージ58の垂直移動を実現するウォームギア164に対して動作可能に係合されるネジ穴を有する。モータが、ウォームギアを駆動して、ステージ58を一対のガイド140に沿って上下動させる。別の実施形態では、ステージ58は、ウォームギアよりも反応の速いベルト駆動システムを用いて垂直に駆動される。ステージ58上に配置された哺乳類の温度を制御するために、ステージ58の上面に配置された加熱ブランケットによって、温度制御要素132が提供される。一実施形態では、温度制御要素132は、ステージ58の切り欠き部分に固定(例えば、接着)された熱シートを備える。
【0030】
走査型レーザ検流計420は、ステージ58の上面に対して(または、その上の温度制御要素132に対して)構造光425を投射する。ステージ58(または、その上に存在する動物)上に生成される格子のサイズは、所望の格子サイズに従ったステージ58の位置と各鏡424および426の制御とによって決まる。
【0031】
別の実施形態では、構造光源は、光プロジェクタを備える。図3Aは、本発明の別の実施形態に従って、構造光プロジェクタ170の内部構成要素を示す図である。構造光プロジェクタ170は、光源と、構造光パターンを生成するフィルタまたはマスクとを備える。この場合、構造光プロジェクタ170は、ケーラー照明系を備え、スライドが、光源によって照明されて、そのスライドの像が、サンプルまたは背景上に投射される。図に示すように、構造光プロジェクタ170は、LED172と、拡散器173と、集光器174と、マスク175と、レンズ176および177と、絞り178とを備える。
【0032】
LED(発光ダイオード)172は、光を発する。具体的な実施形態では、LED172は、緑色など、1つの色の複数のLEDを含む。ただし、任意の色の光を用いてよい。LED172は、格子パターンの生成に十分な光を発するために、任意の適切な数の発光ダイオードを含んでよい。拡散器173は、その表面領域にわたる光度の空間的な変動を低減して、光束の領域にわたって、より一様な光度分布を有する光束を、その出力面において生成する。LED172および拡散器173は、累積的に、実質的に均等な光度分布を有する所望の光束を供給する。
【0033】
集光器は、拡散器173から光を受けて、LED172からの発散光束を集光し、その光をマスク175上に投射する。マスク175は、選択的に光の通過を許可する複数の絞りを備える。図に示すように、マスク175は、平行線格子を形成する一連の平行線を備える。線の間隔および数は、上述のように様々であってよい。マスク175によって、平行線以外のパターンが形成されてもよい。マスク175の光出力は、構造光画像化のために対象物または表面に投射される構造光格子に類似する。
【0034】
レンズ176および177は、連携して、マスク175の光出力を所望の表面上に投射する。レンズ176および177の出力は、絞り178を通過して、構造光プロジェクタ170の出力を形成する。一実施形態では、プロジェクタ170から出力された線の格子は、結像面上に直接投射される。別の実施形態では、プロジェクタ170から出力された線の格子は、対象物および結像面に投射される前に、1または複数の投射用鏡179上に投射される。一実施形態では、次いで、格子の線は、約10×の倍率で、動物ステージ上に投射される。絞り178は、プロジェクタ170から出力されるパターンのサイズを制御する。一実施形態では、絞り178は、可変であり、コンピュータで制御される。
【0035】
図3Aは、構造光投射源の具体的な一実施形態を図示しているが、本発明において、他の構造光投射源を用いてもよい。
【0036】
図3Bは、本発明の一実施形態に従って、光輸送装置120に取り付けられ、共に回転する構造光プロジェクタ170を示す図である。動物がステージ上に存在する状態で、構造光プロジェクタ170が、動物106上に伝達するための光の線の格子を生成することで、その動物の構造光表面情報が生成される。具体的な実施形態では、構造光プロジェクタ170は、ケーラー照明系からなり、スライドが、光源によって照明されて、そのスライドの像が、動物に投射される。
【0037】
プロジェクタ部170は、回転する光輸送装置120の背面上に配置されており(装置120の動作可能な回転については、図3Cないし3Eを参照)、それにより、すべての視角でサンプル106上に対して、常に、光が投射されるようになっている。照明パターンは、水平に投射され、大きい反射鏡の基部に配置された投射用鏡173で反射されて、サンプル106を照明する。図7Aないし7Dは、回転する光輸送装置120の背面に取り付けられたプロジェクタ部170の別の実施形態を詳細に示す図である。
【0038】
画像化システムの例
一態様では、本発明は、一般に、構造光源を用いた改良画像化システムに関する。本発明の技術を実施するのに適切な画像化システムのいくつかの実施形態については、2001年7月13日にNilson et al.が出願した米国特許出願No.09/905,668、「MULTI−VIEW IMAGING APPARATUS」で説明されている。その出願の開示全体は、参照によって、本明細書に組み込まれる。
【0039】
図4Aは、本発明の一実施形態に従って、写真画像、構造光画像、および、発光画像を取得するよう適合された画像化システム10を示す図である。画像化システムの具体的な例および構成要素について説明するが、本発明は、本明細書で説明する具体的な画像化システムに限定されず、より複雑なシステム、および、より簡略なシステムを含んでもよい。
【0040】
システム10は、画像化ボックス12における画像取得の自動制御をユーザに提供する。画像化システム10は、構造光画像の取得および構成にも有用である。画像化システム10は、発光する対象物を収容するよう適合された画像化ボックス12を備えており、画像化ボックス12内で、低光度の光(例えば、ルシフェラーゼによる発光)が検出される。画像化ボックス12は、カメラを受けるよう適合されたカメラ架台109を有するハウジング16を、ボックスの垂直な側壁上に備える。画像化ボックス12は、「遮光性を有する」、すなわち、本質的にすべての外の光が、周囲環境からボックス12内に侵入しないように構成されている。
【0041】
高感度カメラ、例えば、増感または電荷結合素子(CCD)カメラ20が、好ましくは、ハウジング16に固定されたカメラ架台によって、画像化ボックス12に取り付けられる。CCDカメラ20は、画像化ボックス12内の対象物の写真画像、構造光画像、および、発光画像を取得する。CCDカメラ12は、導管24を通してCCDカメラに低温流体を循環させる冷却装置22など、適切な手段によって冷却されてよい。適切な冷却システムとしては、ペンシルベニア州アレンタウンのIGC−APD Cryogenics社から入手可能な「CRYOTIGER」コンプレッサが挙げられる。液体窒素または固体装置など、他の冷却手段を用いて、CCDカメラ20を冷却してもよい。
【0042】
随意的に、画像処理部26が、それぞれ、ケーブル30および32を介して、カメラ20および処理システム28の間に設けられる。処理システム28は、任意の適切な種類の物であってよく、通例は、プロセッサと、ランダムアクセスメモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM)などのメモリ要素と、ディスクドライブ要素(例えば、ハードディスクドライブ、CD、フロッピードライブなど)とを含むハードウェアを備えた本体36を備える。システム10は、さらに、ディスプレイ38と、キーボード40およびマウス42などの入力装置とを備える。処理システム28は、1または複数のケーブル34を介して、画像化ボックス12の様々な構成要素と通信する。さらに、システム28は、さらなる画像化ハードウェアおよびソフトウェアと、構造光ソフトウェアと、カメラ20で取得された情報を処理するための画像処理論理および命令とを備えてよい。例えば、処理システム28によって実行される格納された命令は、後に詳述するように、i)構造光情報を受信するための命令と、ii)動物がステージ上に配置された状態でカメラによって取得された構造光表面情報を用いて、ボックス12内の対象物の三次元トモグラフィ表現を構築するための命令と、を含んでよい。
【0043】
様々な構成要素の制御を行うために、処理システム28は、画像化ボックス12が備えた装置のいずれかを制御するための出力を供給するよう構成された適切な処理ハードウェアおよびソフトウェアを備える。処理ハードウェアおよびソフトウェアは、I/Oカード、画像化システム10の構成要素のいずれかを制御するための制御論理、および、画像化システム10のための適切なグラフィカルユーザインターフェースを含んでよい。処理システム28は、さらに、カメラ20によって取得された情報を処理するためのさらなる画像化ハードウェア、ソフトウェア、および、画像処理論理など、カメラ20に適切な処理ハードウェアおよびソフトウェアを備える。処理システム28によって制御される構成要素は、カメラ20、カメラ20の焦点を合わせるためのモータ、サンプルを支持するステージの位置制御のための1または複数のモータ、カメラのレンズ、Fストップなどを含んでよい。処理システム28の論理は、ソフトウェア、ハードウェア、または、それらを組み合わせたもの、の形態を取ってよい。システム28は、ユーザに画像化情報を提示するためのディスプレイ38とも通信する。例えば、ディスプレイ38は、モニタであってよく、測定結果のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示する。グラフィカルユーザインターフェースは、ユーザが、画像化の結果を見ることを可能にすると共に、画像化システム10を制御するためのインターフェースとしても機能する。適切な画像化ソフトウェアの1つとして、カリフォルニア州アラメダのXenogen社が提供する「LivingImage」が挙げられる。
【0044】
システム10は、トポグラフィ画像化ツールおよびトモグラフィ画像化ツールの両方を提供する。トポグラフィ画像化は、対象物の表面の特徴付けを行うものである。本発明は、構造光を用いて、対象物の表面トポグラフィを決定する。トモグラフィ画像化は、表面の内部の情報を扱うものである。これは、例えば、対象物内で、内部の対象を三次元で位置特定する際に有用である。これら2つの画像化形態の代表的な視覚化では、対象物の二次元の平断面を用いる。すなわち、トポグラフィが、表面(外側の境界線)を与え、トモグラフィが、境界線の内側のすべてを与える。
【0045】
処理システム28は、カメラ20によって取得された構造光表面情報を用いて、動物の三次元表面表現を生成するよう構成されている。通例は、プロセッサが、構造光表面情報から三次元表面表現を生成する方法を決定するメモリに格納された命令を用いて、三次元表面表現を生成する。構造光情報を三次元表面表現に変換するために、プロセッサが行う適切な方法およびその具体的な工程について、図6Bを参照して後述する。構造光表面情報を三次元表面表現に変換する他のシステムも、当業者に周知である。したがって、本発明のシステムは、プロセッサが、カメラによって取得された構造光表面情報を用いて、動物の三次元表面表現を生成する方法に限定されない。
【0046】
画像化システム10は、カメラ10に対する対象物の様々な方向および位置からの画像を取得することに適している。標本の写真表現上に重ね合わせた標本の内部からの放射の1または複数の表現の解析を含むインビボ画像化用途において、3つの画像を用いてよい。一実施形態では、画像化システム10は、ルシフェラーゼの発現した細胞からの発光や、蛍光性分子からの蛍光など、低光度の光源の二次元または三次元の構造光画像化に用いられる。低光度の光源は、例えば、組織培養プレート、マルチウェルプレート(96、384、および、864ウェルプレートなど)、および、発光する細胞を含む動物など、様々な発光する対象物またはサンプルのいずれかから放出されてよい。動物は、マウス、ネコ、または、ラットなど、任意の哺乳類であってよい。
【0047】
一実施形態では、対象物は、発光する細胞を含むマウスである。したがって、結果としての発光画像は、対象物自体以外の光源を用いることなく取得されてよい。対象物からの発光は、発光画像を生成するために、位置の関数として記録される。かかる複合的な写真/発光画像を生成する方法の1つが、1997年7月22日にContag et al.に発行された米国特許第5,650,135号に開示されている。その特許の開示全体は、参照によって、本明細書に組み込まれる。
【0048】
特定の一実施形態では、二次元または三次元の発光画像が、所定の期間にわたってCCDカメラ20の各検出画素によって受光された一群の放出光子を表す。換言すると、発光画像は、個々の検出画素における光子のカウントを表す大きさの値を表示してよい。放射(例えば、光子)を発する対象物の領域が、発光画像内に現れる。発光画像は、例えば、生体適合性の実体の存在を示してよい。その実体は、分子、高分子、細胞、微生物、粒子などであってよい。したがって、インビボでの解析は、哺乳類対象物における生体適合性の実体の位置を検出することを含んでよい。
【0049】
図4Bは、本発明の一実施形態に従って、図4Aの画像化ボックス12の構成要素を示す図である。図4Bに示すように、画像化ボックス12は、ドア18を開いた状態で図示されており、対象物を収容する画像化チャンバ44が見えている。画像化チャンバ44は、互いに対向する側面筐体パネル103と、底面の遮光性隔壁52と、上部パネル(図示せず)と、背面筐体パネル47と、画像化チャンバ44内への空洞開口部49を規定する前壁48とによって規定されている。
【0050】
チャンバ44の下には、遮光性隔壁52によって隔てられた小区画が設けられており、遮光性隔壁52の上面は、画像化チャンバ44の床面として機能する。一実施形態では、小区画は、本体14に形成された前面開口部55から引き出し54を摺動可能に受け入れるよう適合された収容空間を提供する。引き出し54は、処理システム28(図4A)と電気的に接続されてボックス12の様々な構成要素および機能を制御する電子要素56を収容する。具体的な実施形態では、画像化ボックス12は、鋼鉄などの適切な金属から形成された本体14を有する。
【0051】
係止可能なドア18は、ヒンジ46によってボックス本体14に対して旋回可能に取り付けられており、それによって、図4Aに示す閉位置から図4Bに示す開位置に移動できるようになっている。ドア18が開位置にある場合、ユーザは、開口部49を通して空洞44にアクセスすることができる。ドア18が閉位置にある場合、開口部49を通して空洞内部44にアクセスすることはできない。
【0052】
図4Cは、本発明の別の実施形態に従って、画像化システム100を示す図である。画像化システム100は、システム10の構成要素を1つの構造にまとめた設計を備える。
【0053】
画像化システム100は、発光する対象物を受け入れるよう適合された内部空洞201を規定するドア108および内壁109(図4D)を有する画像化ボックス102を備える。画像化ボックス102は、例えば、個々の光子ほどの低光度の光を捕捉することを含む画像化に適している。画像化ボックス102は、周囲の空間からの外部光の基本的にすべてがボックス102に入らないように密封されており、ドア108が閉じられた際にボックス内に光が入ることを防止する1または複数のシールを備えてよい。具体的な実施形態では、ドア108は、ダブルバッフルのシールなど、1または複数の遮光要素を備え、チャンバ102の残りの部分は、空洞201へのすべての光の侵入を最小限に抑えるよう構成されている。構造光画像化の対象物は、ドア108を開けて、対象物をチャンバ201内に挿入し、ドア108を閉じることにより、画像化に向けてボックス102内に配置される。適切な画像化システムの1つとして、カリフォルニア州アラメダのXenogen社が提供するIVIS(登録商標)Imaging System 200 Seriesが挙げられる。
【0054】
画像化ボックス102は、上側に取り付けられたカメラ20を備える。ハウジング106は、カメラ20を収容するよう適合されている(図4D)。画像化システム100は、さらに、試料またはファントム装置から光を収集して、その光をカメラ20に供給するレンズ(図示せず)を備えてよい。ステージ205は、画像化チャンバ201の底面を形成しており、カメラ20の視野203を変更するようにステージ205が上下動することを可能にするモータおよび制御部を備える。さらに、スペクトル画像化を可能とするために、多位置フィルタホイールを備えてもよい。画像化ボックス102は、さらに、写真画像を取得する際にサンプルを照らすために、チャンバ201の最上部に1または複数の発光ダイオードを備えてよい。他の要素としては、ガス麻酔システムや、画像の取得および麻酔中に動物の体温を維持するための加熱式サンプル棚が備えられてよい。
【0055】
図4Dは、システム100に備えられた様々な電子機器および処理構成要素を示すために、画像化ボックス102の側面パネルを取り外した状態のシステム100を示す図である。画像化システム100は、画像処理部26と、処理システム28とを備える。
【0056】
画像化システムの動作および構造光の取得
本発明は、幅広い画像化の用途で利用されてよい。一般に、本発明は、哺乳類サンプルにおける発光体や生物学的事象を検出、位置特定、および、追跡するための任意の非侵襲的な方法および構成要素と共に用いられてよい。例えば、画像化システム10を、高感度電荷結合素子(CCD)カメラと共に用いて、マウスなどの生体動物の体内の発光細胞(例えば、ルシフェラーゼDNA構築物で形質転換することにより生物発光性を与えられた特定の細菌や腫瘍細胞)の位置を検出することができる。かかる用途では、生物発光性の細胞を含む動物が、ボックス12の内部のステージ204上に配置される。次いで、放出された電子を検出するために、カメラ20が作動される。次いで、光子信号を用いて、光子放出の発光画像を構成してよい。発光画像は、対象物自体からの発光以外の光源を用いることなしに構成される。この発光は、発光画像を生成するために、位置の関数として記録される。発光画像の位置の視覚化に役立つように、同じ対象物について、写真画像も取得されてよい。かかる複合的な写真/発光画像を生成する方法の1つが、1997年7月22日にContag et al.に発行された米国特許第5,650,135号に開示されている。その特許の開示全体は、前述のように、参照によって、本明細書に組み込まれている。
【0057】
ここで、図5によると、処理の流れ500は、本発明の一実施形態に従って、画像化システム10を用いて、写真画像、構造光画像、および、発光画像を取得する方法を示す。処理の流れ500は、画像化すべき動物などの対象物を、光放出のために、画像化ボックス12内のステージ204上に配置する工程202で始まる。コンピュータ28を用いて、ユーザは、ステージ204の所望の位置を入力する。その入力に基づき、移動機構202は、コンピュータ28によって供給される制御信号に従って、対応する位置にステージ204を移動させる(工程504)。光伝達装置111が、さらに、コンピュータ28によって供給された制御信号に従って再配置する。
【0058】
次に、対象物の写真画像を取得するために、画像化ボックス12および関連の画像化構成要素が準備される。準備には、画像化および取得用のソフトウェア(例えば、カリフォルニア州アラメダのXenogen社が提供する「LivingImage」など)をコンピュータ28上で起動すること、および、カメラ20を初期化すること、が含まれてよい。さらなる準備には、ドア18を閉めること、ソフトウェアにおいて写真取得のオプションを作動させること、対象物すなわち動物の特定の深さにカメラ20の焦点を合わせること、および、ボックス12内に光を点灯すること、が含まれてよい。準備には、さらに、レンズ100の焦点を合わせること、適切なレンズフィルタ118を選択的に配置すること、および、Fストップを設定することなど、が含まれてよい。次いで、写真画像が取得される(工程508)。写真の取得が終了すると、写真画像データが、画像化処理部26、および/または、コンピュータシステム28のプロセッサに転送される。これらの装置を用いて、写真画像データを操作および格納したり、コンピュータモニタ38に表示するためにデータを処理したりすることができる。
【0059】
次に、対象物の構造光画像を取得するために、画像化ボックス12および関連の画像化構成要素が準備される。構造光の準備には、構造光源を作動させることと、格子線の密度などの構造光画像取得パラメータを指定することなど、が含まれてよい。次いで、構造光画像が取得される(工程510)。構造光の取得が終了すると、構造光画像データが、画像化処理部26、および/または、コンピュータシステム28のプロセッサに転送される。
【0060】
次に、ステージ204を同じ位置に配置した状態で、発光画像取得のために、画像化装置10を準備する(工程512)。かかる準備には、コンピュータを用いて、発光の露光時間およびビニングのレベルを選択すること、および、内部空洞44内の光を消すこと、が含まれてよい。準備ができたら、CCDカメラ20は、設定期間(数分以下)にわたって発光画像を取得する(工程514)。発光画像データが、画像処理部26、および/または、コンピュータ28のプロセッサに転送される(工程516)。
【0061】
この時点で、ユーザは、発光画像データを操作および格納したり、コンピュータディスプレイ38に表示するためにデータを処理したりしてよい。この操作は、さらに、発光画像と写真画像とを重ね合わせること、2つの画像を二次元の「オーバーレイ」画像として一緒に表示すること、を含んでよい。その場合、発光データは、通例、光度を示すために、擬似カラー表示される。次いで、このオーバーレイ画像は、ユーザによる解析の基礎となってもよいし、必要に応じた解析および操作をなされてもよい。特に、解析は、発光表現の一部分に含まれる画素について照射の大きさを合計することを含んでよい。なお、単一の発光表現をオーバーレイ画像に用いる場合について説明しているが、処理の流れ500は、例えば、同じ時点または後の時点において、同じ位置のステージ204からの複数の発光表現を取得してもよい。
【0062】
必要であれば、ステージ204は、第2の位置に移動されてよい(工程520)。ステージが第2の位置に配置された状態で、上述のように、対象物についての1または複数の写真画像および/または発光画像が取得されてよい。各画像の取得が終了すると、コンピュータ28のプロセッサは、その画像データを受信する。サンプルの他の位置および方向からの対象物の画像を取得することにより、さらに、画像を収集してもよい。
【0063】
上述のように、光子放出データは、画像取得期間にわたって光子を検出するCCDカメラ20の特定の画素を表しうる。対象物の構造光写真表現と、対象物の発光表現とを組み合わせて、構造光重ね合わせ画像すなわち構造光オーバーレイ画像を形成してよい。画像化装置100は、通例、対象物106全体を測定するために用いられるため、発光表現のデータは、通例、1または複数の対照となる明確な発光部分を有する。
【0064】
構造光の画像が、カメラ20によって取得される。二次元構造光画像が取得および格納された後、コンピュータ28は、構造光画像データを処理して、表面トポグラフィを生成してよい(工程522)。当業者にとって明らかなように、構造光画像から表面を再構成する多くの従来のアルゴリズムが存在する。例えば、画像上のすべての点における各線の位相シフトは、計算効率のよい二次元フーリエ変換から決定できる。次いで、位相マップを「アンラップ」することにより、実際の表面の高さが算出される。
【0065】
構造光の取得および表面トポロジの構成は、柔軟に適用されてよい。一実施形態では、本発明は、カメラに向かい合う表面についてのみ、動物の表面トポグラフィを構築する。別の実施形態では、本発明は、カメラに向かい合う表面よりも広い動物の表面について、動物の表面トポグラフィを構築する。この場合、画像化装置10は、複数の位置から一連の複数画像を取得する。この一連の複数画像は、異なる視角で取得され、複数の表面トポグラフィの部分をつなぎ合わせるのに必要な情報を提供する(図7Aないし7C)。
【0066】
次いで、表面トポグラフィは、動物内の光源の位置、明るさ、および、サイズを再構成するために用いられてよい。本発明での利用に適した再構成アルゴリズムの1つとして、拡散光トモグラフィが挙げられる。拡散光トモグラフィは、動物の三次元表面トポグラフィを用いて、この三次元表面上に生物発光をマッピングする。
【0067】
プロセッサ28は、三次元表面トポグラフィを得るために、構造光情報に対して任意の適切な再構成アルゴリズムを適用してよい。当業者にとって明らかなように、構造光画像から表面を再構成する多くのアルゴリズムが存在する。例えば、画像上のすべての点における各線の位相シフトは、二次元フーリエ変換から決定できる。かかる処理については、M.Takeda、H.Ina、S.Kobayashiによる論文「Fourier−transform method of fringe−pattern analysis for computer−based topography and interferometry」、JOSA 72、156−160(1982)で詳述されており、この論文は、参照によって本明細書に組み込まれる。次いで、位相マップを「アンラップ」することにより、実際の表面の高さが算出される。かかる処理については、D.C.GhigliaおよびM.D.Prittによる教科書「Two−Dimensional Phase Unwrapping, Theory, Algorithms, and Software」、John Wiley and Sons、New York、New York、1998)に詳述されており、この教科書は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0068】
構造光重ね合わせ画像すなわち三次元オーバーレイ画像を形成するために、サンプルの構造光表現とサンプルの発光表現とを合成してよく、その際、発光データは、通例、光度を視覚的に特徴付ける擬似カラーで表示される。
【0069】
図6Aは、本発明の具体的な実施形態に従って、光画像化システムを用いて表面トポグラフィデータを取得するための処理の流れ530を示す図である(処理の流れ500の工程502)。図6Bないし6Hは、処理の流れ530に対応する構造光画像化の様子を示す図である。
【0070】
処理の流れ530は、構造光基準を画像化してサンプルなしのパターンを生成する工程で始まる(工程531および図6B)。これは、サンプルが画像化される前に、サンプルが配置されるステージすなわち表面に対して構造光を当てることによって実行されてよい。サンプルの画像取得中に、ステージは、サンプルのない状態での画像取得で用いた位置と共通する位置に移動される。
【0071】
次いで、サンプルは、画像化チャンバ内に配置されると、構造光を用いて画像化される(工程532および図6C)。構造光は、表面の法線に対して或る角度でサンプル上に投射される一連の光の線を用いる。それらの線は、サンプルを通過する際に屈曲し、線の屈曲を用いて、構造光プロジェクタによって照射されたすべての位置における表面の高さを決定することができる。投射角度は、空間分解能を実現するのに十分な線の「屈曲」を得られる程大きく、影が大きくならない程小さい。
【0072】
次に、処理の流れ530は、構造光なしでサンプルを画像化する工程に進む(工程533および図6D)。背景およびサンプル上のすべての点における各線の位相シフトは、二次元フーリエ変換から決定されてよい。
【0073】
次に、背景データは、ラップ位相(wrapped phase)に変換される(工程534および図6E)。ここで、背景データは、ラップ位相が算出される前に、フーリエ変換されてフィルタリングされる。同様に、サンプルデータは、フーリエ変換およびフィルタリングを受けて、そのサンプルデータのラップ位相を算出することにより、ラップ位相に変換される(工程535および図6F)。
【0074】
次に、サンプルの表面トポグラフィが算出される(工程536および図6G)。この例では、これは、位相マップを「アンラップ」することにより実行される。当業者は、この処理に対して、いくつかのアンラップアルゴリズムを利用できる。例えば、画像上のすべての点における各線の位相シフトは、フーリエ形状測定技術を用いて決定できる。これらの方法により、干渉縞データ(図6D)の二次元高速フーリエ変換(FFT)が実行されて、画像(図6F)のすべての位置における線の位相シフトが決定される。位相は、典型的な対象物については、2πの倍数だけシフトするため、図6Fに示すように、2πの位相飛びが見られる。これらの位相飛びは、実際の表面を決定するために、「アンラップ」される。
【0075】
次に、異なる方向および位置から、上述の工程(531−536)を繰り返してよい(工程537)。複数の視点からサンプルを画像化することにより、より正確な三次元表面レンダリングを実現する本明細書に記載の技術に役立つ追加の情報が提供される。次に、複数の画像、すなわち、三次元画像化システムにおいて各視点から得られた部分的な表面は、完全な三次元表面を形成するように、位置合わせされる(工程538および図6H)。位置合わせは、結合される2つの表面上のメッシュエレメント間の距離を最小にする非線形最小二乗フィット技術を用いて実現できる。通例、それらの表面は、最終的な結合位置のかなり近くの開始位置を有することが好ましい。換言すれば、表面位置に関する微調整のみが、この方法によって実現されてよい。他の位置合わせ技術では、画像内に絶対的な基準線またはある種の基準を提供し、それが、例えば、ステージに対して、任意の部分表面の絶対的な位置を与える。各表面の絶対的な位置決めが、十分に正確であれば、上述の非線形フィット法を省略できる。
【0076】
構造光データから導出された表面トポグラフィには、多くの利用法がある。ユーザは、対象物の表面の透視図を提供するために表面トポグラフィを用いてよい。表面トポグラフィは、内部光源のトモグラフィ再構成で利用されてもよい。この場合、a)対象物の内部の光源に関する1または複数の発光画像と、b)表面トポグラフィまたは表面トポグラフィを用いて構築された表面メッシュの配置とを用いて、表面直下の光子密度を決定することができる。表面直下の光子密度は、表面から放出されて発光画像に取り込まれた光の光度に関連する。表面の内部のボリューム内には、1組のボリュームエレメントを構成することができる。次いで、表面直下の光子密度を用いて、各ボリュームエレメント内の光源の強さを決定してよい。トモグラフィ再構成に適したシステムについては、共同所有の係属中の特許出願No.10/606,976、「Method and Apparatus for 3D Imaging of Internal Light Sources」で詳述されており、この出願は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0077】
したがって、本明細書に記載されたトモグラフィ再構成および様々な画像処理機能を実行するために、処理ハードウェアおよびソフトウェアを用いてもよい。例えば、プロセッサは、内部空洞内のステージの1または複数の位置から取得された画像に含まれる構造光情報を用いて、三次元構造光表面を生成するよう構成されてよい。一実施形態では、画像化システム10は、組織内での光子の拡散を評価する定量的モデルを用いる。一実施形態では、モデルは、発光源のサイズ、形状、および位置の三次元表現を空間的に分解するために、インビボの画像データを処理する。通例、トモグラフィモデルは、処理システム28のメモリ内に命令として格納される。哺乳類サンプルや本明細書に記載するファントム装置を通しての光子の伝播を表すために、様々な拡散および再構成のモデルが、システム10によって実施されてよい。1または複数の画像からのデータを用いて哺乳類サンプルまたはファントム装置内の光源のデジタル表現を生成するソフトウェアの適切なトモグラフィの例の1つは、共同所有の係属中の特許出願No.10/606,976、「Method and Apparatus for 3−D Imaging of Internal Light Sources」、発明者Brad Rice et al.、に記載されている。この出願は、参照によって、全体として本明細書に組み込まれる。
【0078】
上述の構造光源および方法に関連して、構造光の生成を説明したが、本発明は、本明細書に記載された構造光動作を実行するためのプログラム命令や状態情報などを含む機械読み取り可能な媒体にも関連する。機械読み取り可能な媒体の例としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープなどの磁気媒体;CD−ROMディスクなどの光媒体;フロプティカルディスクなどの光磁気媒体;読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)など、プログラム命令を格納および実行するよう特別に構成されたハードウェア装置、が挙げられるが、それらに限定されない。上述のプロセッサは、格納された命令を実行することで、上述の方法(例えば、処理の流れ530)の多くを実行するよう構成されてよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるコードなどのマシンコードや、インタープリタを用いてコンピュータが実行できる高級言語のコードを含むファイルが挙げられる。
【0079】
構造光を用いた三次元画像化装置
一実施形態では、本発明は、カメラに向かい合う表面よりも広い動物の表面について、動物の表面トポグラフィを構築する。この場合、画像化装置10は、複数の位置から一連の複数画像を取得する。この一連の複数画像は、異なる視角で取得され、複数の表面トポグラフィの部分をつなぎ合わせるのに必要な情報を提供する。各構造光画像は、動物の対向する約半分のみについて、表面トポロジを提供する。いくつかの視角(例えば、約45度ごと)から画像を取得することにより、各視点から得られた部分的な表面再構成を「つなぎ合わせて」、動物の三次元表面の全体を再構成することができる。図7Aないし7Cは、複数の視角から一連の構造光画像を取得するのに適したシステムの一例を示す。
【0080】
図7Aは、外側の壁を取り除いた状態の画像化ボックス内の内部構成要素の上面斜視図であって、ステージ204が、固定基準線107の真下に存在する様子を示す図である。図7Bは、外側の壁を取り除いた状態の画像化ボックス内の構成要素の上面斜視図であって、ステージ204が、固定基準線107の下側で、その中心を外れた位置に存在する様子を示す図である。図7Cは、外側の壁を取り除いた状態の画像化ボックス内の構成要素の上面斜視図であって、ステージ204が、固定基準線107の上側で、その中心を外れた位置に存在する様子を示す図である。
【0081】
図7Cに示すように、カメラ架台109が、側壁103bの側面ハウジング16に取り付けられている。カメラ架台109は、カメラ20によって空洞44内の対象物106を見るために、カメラ20を受けて固定基準線107に対して位置決めするよう適合されている。カメラ20は、写真画像および構造光画像を取得することが可能であり、さらに、発光画像を取得するに十分な感度を有する。
【0082】
可動ステージ装置200が、内部空洞44内に配置されており、移動機構202と、発光する対象物106を支持するためのステージ204とを備える。可動ステージ装置200は、内部空洞44内の複数の位置にステージ204(および対象物106)を再配置する自由度2の移動を実行できる。画像を取得するために、その範囲の任意の位置が保持されてよい。
【0083】
図7Aないし7Cに示すように、この実施形態の移動機構202は、互いにほぼ直交して配置された線形アクチュエータ206および208を備える。各線形アクチュエータ206および208は、それぞれのアクチュエータに沿って直線的にステージ204を位置決めすることができる線形アクチュエータ206は、ステージ204の垂直の位置決めを行い、線形アクチュエータ208は、ステージ204の水平の位置決めを行う。線形アクチュエータ206は、ボックス12に取り付けられた静止部分と、線形アクチュエータ208に取り付けられた移動部分とを有する。線形アクチュエータ208は、線形アクチュエータ206に取り付けられた相対的静止部分と、ステージ204に取り付けられた移動部分とを有する。移動機構202での利用に適したかかる線形アクチュエータの一例としては、ニューヨーク州ポートワシントンのThomson Industries社のLC−33が挙げられる。
【0084】
移動機構202は、ステージ204の位置を制御するための位置フィードバックを供給するためにコンピュータ28に動作可能に接続された1組の位置センサを備えることが好ましい。線形アクチュエータ206および208と、位置センサ212と、コンピュータ28との組み合わせにより、内部空洞44内のステージ204を、閉じた輪の軌道で位置制御する。具体的には、ユーザが、コンピュータ28を介して、固定基準線107の周りのほぼ円形の軌道に沿って、ステージ204の1または複数の位置を入力してよい。一実施形態では、ユーザは、固定基準線107に対してステージ204に対する視角を設定する。次いで、コンピュータ28に備えられたソフトウェアが、その視角を、各アクチュエータ206および208を動かすための制御信号に変換する。
【0085】
光伝達装置111は、カメラ20による画像の取得のために、対象物106から反射または放出された光を固定基準線107に沿うように方向付ける。光伝達装置111は、固定ブラケット119に取り付けられており(図7A)、固定ブラケット119は、固定ブラケット119と移動ブラケット126との間でそれらの周辺に配置されたベアリングを備え、それらのベアリングにより、反射鏡アセンブリ120は、固定ブラケット119に対して自由に回転することができる。このように、鏡アセンブリ120は、ハウジング16に対して回転可能に結合されており、固定基準線107の固定軸と同軸上に配置された軸を中心に回転する。
【0086】
図7Cによると、鏡アセンブリ120は、ステージ204上の対象物106からの光を固定基準線107に沿って反射する傾斜した鏡121を備える。外壁123は、ほぼ円筒形であり、光がステージ204と反射鏡121との間を通ることを可能にする開口部122を備える。鏡アセンブリ120の外壁123は、さらに、ステージ204の現在の視角に直接関係のない内部空洞44内の残存光が、レンズ100に到達することを防止する。これは、ステージ204の長さにかかるのに十分な長さを有するよう、鏡121を構成することによって、部分的に実現される。ステージは、固定軸を中心とした円形の軌道に沿って配置されるため、外壁123および反射鏡121は、レンズ100によって受光されるために固定基準線107に沿って反射される光を、主に、ステージ204の角度方向から集光する。
【0087】
図7Dは、光伝達装置111を用いたボックス12内での光の伝達を示す簡略な図である。また、図7Dは、構造光プロジェクタ170の別の構成を示している。図に示すように、構造光175は、構造光プロジェクタ170から放出され、鏡173で反射されて、部分的に透過性を有する鏡121を通過して、対象物106に到達する。一実施形態では、鏡121の部分的な透過性は、半透鏡すなわち部分的に銀メッキされた鏡を用いて実現される。別の実施形態では、波長特異的な透過特性を有するダイクロイックミラーを用いる。次いで、構造光175は、カメラ20によって捕捉されてよい。
【0088】
移動機構202によって実現される自由度2の移動により、ステージ204および対象物106は、カメラ20による画像取得のために、固定基準線107に対して複数の角度で配置されることが可能になる。したがって、コンピュータ28を介したユーザ入力に基づいて、移動機構202および光伝達装置111は、カメラ20を用いて画像を取得できるように、ステージ204上の対象物106からの光を固定基準線107およびレンズ100の方向に向ける。円形の軌道の周りの360度の視角を提供するのに加えて、移動機構202は、固定基準線107に対するステージ204の所与の角度について画像の深度を変更できる。移動機構202および光伝達装置111は、約7.5cmないし約16.5cmの範囲の視野をカメラ20に提供する。具体的な実施形態では、光伝達装置111は、約13cmないし約16.5cmの範囲の視野をカメラ20に提供する。上述のユーザ起動の角度位置制御と同様に、ユーザは、ステージ204について、所望の焦点深度および視角を入力してよい。次いで、コンピュータ28に備えられたソフトウェアと、線形アクチュエータ206および208とによって、固定基準線107に対して、所望の角度および深さにステージ204が配置される。
【0089】
ステージ
本明細書で用いられているように、ステージという用語は、画像取得中に対象物を支持するために利用される構造を意味する。画像化ボックス内の固定された平らな底面など、平面がその利用に適している。別の実施形態では、ステージは可動である。垂直方向に位置決め可能である適切なステージの一例を上述した。一般に、本発明は、任意の特定のステージの構造または構成に限定されない。
【0090】
一部のステージは、ステージを通して画像を取得できる透明部分を備えてよい。例えば、上述の移動機構202は、ステージにおける部分的な透過性に依存する。
【0091】
図8Aおよび8Bによると、ステージ204は、枠252と、透明部分254とを備える。透明部分254は、対象物106から放出または反射された光を、固定基準線107の周りのステージ204の任意の位置について、ほぼ干渉せずに最小限の歪みで透過させる。透明部分254は、対象物106を支持する透明な線の配列256を備えることが好ましい。具体的な実施形態では、透明な線の配列256は、枠252の両端にある穴258を通して張られた1本の透明なナイロン線である。別の実施形態では、配列256は、テニスラケットのメッシュと同様の交差パターンの格子のようなメッシュである。
【0092】
具体的な実施形態では、ステージ204は、ボックス12内で、ステージ204と他の構成要素との間の望ましくない接触を防止する衝突保護手段に基づくハードウェアを備える。具体的な実施形態では、図8Aに示すように、カメラ20に最も近いステージ204の側部に、衝突ピン250が配置される。衝突ピン250は、空洞44内でのステージ204と構成要素との接触を防止する。ステージ204と、光伝達装置111、カメラ20、または、壁103bとの間の接触を防止するために、固定ブランケット119上の光伝達装置111の周囲に、金属リング260が配置される。
【0093】
簡潔にするために、様々な詳細事項を省略したが、明らかな設計の代替物が実施されてよい。例えば、主に、インビボ画像化用途に有用な構造光源に関連して、本発明を説明したが、本発明は、他の画像化用途にも適しており、それに応じて構成されてよい。したがって、上述の例は、例示的なものであって制限的ではないものと見なされ、本発明は、本明細書に記載された詳細事項に限定されず、添付の特許請求の範囲内で変形可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】或る角度からの構造光の伝達を示す簡略な図である。
【図2A】本発明の一実施形態に従って、走査型レーザ検流計を備えた構造光源を示す図である。
【図2B】本発明の一実施形態に従って、図2Aの走査型レーザ検流計を備えた画像化ボックス内部のステージを示す図である。
【図3A】本発明の一実施形態に従って、構造光を生成するために用いられる構造光プロジェクタの内部構成要素を示す図である。
【図3B】対象物の表面トポグラフィを取得するために用いられる構造光プロジェクタの構成を示す図である。
【図3C】図3Dおよび3Eの光輸送装置に対するステージの位置の4つの例(すなわち、0度、90度、180度、および、270度)を示す図である。
【図3D】本発明の一実施形態に従って、サンプルの複数の見方を容易にするための内部構成要素を有する画像化を示す切り欠き斜視図である。
【図3E】本発明の一実施形態に従って、サンプルの複数の見方を容易にするための図3Dの内部構成要素を示す斜視図である。
【図4A】本発明の一実施形態に従って、画像を取得するよう適合された画像化ボックスを備えた画像化システムを示す斜視図である。
【図4B】図4Aの画像化ボックスの構成要素を示す図である。
【図4C】本発明の別の実施形態に従って、画像化システムを示す斜視図である。
【図4D】本発明の別の実施形態に従って、画像化システムを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に従って、画像化システムを用いて、写真画像、構造光画像、および、発光画像を取得する方法を示すフローチャート。
【図6A】本発明の一実施形態に従って、表面トポグラフィデータを取得するための処理の流れを示すフローチャート。
【図6B】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図6C】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図6D】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図6E】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図6F】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図6G】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図6H】図6Aの処理の流れに対応する構造光画像化の画像表現を示す図である。
【図7A】本発明の一実施形態に従って、外側の壁を取り除いた状態の画像化ボックス内の内部構成要素の上面斜視図であって、可動ステージが、固定基準線の真下に存在する様子を示す図である。
【図7B】本発明の一実施形態に従って、外側の壁を取り除いた状態の画像化ボックス内の内部構成要素の上面斜視図であって、可動ステージが、固定基準線の下側で、その中心を外れた位置に存在する様子を示す図である。
【図7C】本発明の一実施形態に従って、外側の壁を取り除いた状態の画像化ボックス内の内部構成要素の上面斜視図であって、可動ステージが、固定基準線の上側で、その中心を外れた位置に存在する様子を示す図である。
【図7D】図7Aの光伝達装置を用いた画像化ボックス内での光の伝達を示す簡略な図である。
【図8A】本発明の一実施形態に従って、画像化ボックスが備えるステージを示す上面図である。
【図8B】本発明の一実施形態に従って、画像化ボックスが備えるステージを示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の三次元表面表現を提供するための画像化システムであって、
内部空洞を取り囲む1組の壁と、カメラを位置決めするよう構成されたカメラ架台とを備えた画像化チャンバと、
前記内部空洞内で、前記カメラの視野内に、前記動物を支持するよう構成されたステージと、
前記動物が前記ステージ上に存在する状態で前記動物上に伝達される構造光を生成するよう構成された構造光源であって、前記動物による前記構造光の遮断により、前記動物の構造光表面情報が生成される、構造光源と、
前記カメラによって取得された前記構造光表面情報を用いて、前記動物の少なくとも一部の三次元表面表現を生成するよう構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記構造光を生成するよう構成された構造光プロジェクタを備える、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記動物上に、格子状の線を伝達するよう構成されている、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、前記構造光プロジェクタは、或る角度から、前記動物上に前記格子状の線を投射する、システム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムであって、前記格子状の線は、1ミリメートル当たり約0.5ないし約2本の範囲の線間隔を有する、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、前記動物の表面から放出された光を前記カメラに伝達する光輸送装置を備える、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記光輸送装置に結合されている、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、前記光輸送装置は、前記カメラによって受光される前に、前記動物から放出された光を遮断するよう構成された鏡を備える、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、さらに、前記カメラ架台を通って、前記画像化チャンバの垂直壁に直交する固定基準線を備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記光輸送装置は、前記固定基準線の周りを回転するよう構成されている、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記光輸送装置に結合されており、前記固定基準線の周りを前記光輸送装置と共に回転する、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、前記ステージは、前記内部空洞内の複数の位置の中の1つに移動可能である、システム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、前記プロセッサは、さらに、前記構造光表面情報から前記三次元表面表現を生成する方法を決定するメモリに格納された命令を用いて、前記動物の前記三次元表面表現を生成するよう構成されている、システム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、前記1組の壁は、前記画像化チャンバが実質的に遮光性を有するように前記内部空洞を取り囲む、システム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記構造光源は、走査型レーザ検流計を備え、
前記走査型レーザ検流計は、
光線を生成するレーザと、
前記光線を反射して格子状の線を前記動物上に投射するよう配置可能な少なくとも1つの鏡と、を備え、
前記格子状の線は、1ミリメートル当たり約0.5ないし約2本の範囲の線間隔を有する、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記走査型光検流計は、前記ステージより上に配置されており、前記動物の上面に向かって下向きに前記光線を反射する、システム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記ステージの表面法線に対して約15°ないし約30°の角度で構造光を投射する走査型レーザ検流計を備える、システム。
【請求項18】
動物の三次元表現を提供するための画像化システムであって、
内部空洞を取り囲む1組の壁と、カメラを位置決めするよう構成されたカメラ架台とを備えた画像化チャンバと、
移動機構と、前記内部空洞内で前記動物を支持するよう構成されたステージとを備えた可動ステージ装置であって、前記ステージは、前記内部空洞内の複数の位置の中の1つに前記動物を移動させるために前記移動機構に結合されている、可動ステージ装置と、
前記動物の構造光表面情報を生成するために、前記動物が前記ステージ上に存在する状態で前記動物上に伝達される構造光を生成するよう構成された構造光源と、
前記カメラによって取得された前記構造光表面情報を用いて、前記動物の三次元表面表現を生成するよう構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記構造光源は、走査型レーザ検流計を備え、
前記走査型レーザ検流計は、
光線を生成するレーザと、
前記光線を反射して格子状の線を前記動物上に投射するよう配置可能な鏡と、を備える、システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、前記走査型光検流計は、前記ステージより上に配置されており、前記動物の上面に向かって下向きに前記光線を反射する、システム。
【請求項21】
請求項18に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記構造光を生成するよう構成された構造光プロジェクタを備える、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムであって、前記構造光プロジェクタは、前記動物上に、格子状の線を投射するよう構成されている、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムであって、前記構造光プロジェクタは、或る角度から、前記動物上に前記格子状の線を投射する、システム。
【請求項24】
請求項18に記載のシステムであって、前記画像化チャンバは、実質的に遮光性を有する、システム。
【請求項25】
動物の三次元表面表現を提供するための画像化システムであって、
内部空洞を取り囲む1組の壁と、カメラを位置決めするよう構成されたカメラ架台とを備えた画像化チャンバと、
前記内部空洞内で、前記カメラの視野内に、前記動物を支持するよう構成されたステージと、
前記動物の構造光表面情報を生成するために、前記動物が前記ステージ上に存在する状態で前記動物上に伝達される格子状の光の線を生成するよう構成された構造光源と、
前記カメラによって取得された前記構造光表面情報を用いて、前記動物の三次元表面表現を生成するよう構成されたプロセッサと、を備える、システム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、前記構造光源は、或る角度から、前記動物上に前記格子状の線を伝達する、システム。
【請求項27】
請求項25に記載のシステムであって、前記構造光源は、1ミリメートル当たり約0.5ないし約2本の範囲の線間隔を有する1組の格子状の線を投射する、システム。
【請求項28】
請求項25に記載のシステムであって、前記1組の壁は、前記画像化チャンバが実質的に遮光性を有するように前記内部空洞を取り囲む、システム。
【請求項29】
請求項25に記載のシステムであって、前記構造光源は、前記格子状の線を投射する構造光プロジェクタである、システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2008−541092(P2008−541092A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511349(P2008−511349)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/018203
【国際公開番号】WO2006/122229
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(500055647)ゼノジェン コーポレイション (8)
【氏名又は名称原語表記】Xenogen Corporation
【Fターム(参考)】