欠陥検査方法および半導体装置の製造方法
【課題】インプリントパターンの欠陥の有無の検査を効率化する。
【解決手段】下地層1上に導電層2を形成し、導電層2上にインプリントパターン4を形成し、インプリントパターン4に電解液6を接触させ、電解液6に電極7を接触させ、導電層2と電極6との間に電圧を印加し、導電層2と電極7との間に流れる電流を計測し、その電流の計測結果に基づいてインプリントパターン4の欠陥の有無を判定する。
【解決手段】下地層1上に導電層2を形成し、導電層2上にインプリントパターン4を形成し、インプリントパターン4に電解液6を接触させ、電解液6に電極7を接触させ、導電層2と電極6との間に電圧を印加し、導電層2と電極7との間に流れる電流を計測し、その電流の計測結果に基づいてインプリントパターン4の欠陥の有無を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は欠陥検査方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において被転写基板に原版の型を転写するナノインプリント露光法が注目されている。ナノインプリント法は、転写されるパターンが形成された原版の型(テンプレート)を、基板上に塗布されているインプリント材料からなるレジスト層に押し付け、レジスト層を硬化させることにより、レジスト層にパターンを転写する方法である。
【0003】
このナノインプリントのパターン形成方法は、テンプレートとウェハが密着してインプリントされるため、テンプレートの破損や欠陥が突発的に発生する。このようなテンプレートの破損や欠陥を放置したままインプリント処理を継続すると、大量の不良品が発生するため、テンプレートの破損や欠陥を早期に発見することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−116272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態の目的は、インプリントパターンの欠陥の有無の検査を効率化することが可能な欠陥検査方法および半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の欠陥検査方法によれば、下地層上に導電層を形成する。次に、前記導電層上にインプリントパターンを形成する。次に、前記インプリントパターンに電解液を接触させる。次に、前記電解液に電極を接触させる。次に、前記導電層と前記電極との間に電圧を印加する。次に、前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測する。次に、前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態に係るテンプレートの欠陥がない時の欠陥検査方法を示す断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るテンプレートの欠陥がある時の欠陥検査方法を示す断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図5】図5は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る欠陥検査方法のショット位置と電流との関係を示す平面図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
【図10】図10は、第4実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示す平面図である。
【図11】図11は、第5実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図12】図12は、第6実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図13】図13は、第7実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係る欠陥検査方法について図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る欠陥検査方法の概略構成を示す断面図である。
図1(a)において、下地層1上に導電層2を形成する。なお、下地層1としては、例えば、半導体基板を用いることができる。あるいは、下地層1は、半導体基板上の絶縁層であってもよいし、絶縁層上の導電層であってもよい。導電層2としては、例えば、レジストパターンの接着強度を上げる接着層に導電体を混入した膜を用いることができる。この接着層としては、例えば、low−k(低誘電率)膜等の層間絶縁膜または有機膜を用いることができる。接着層に混入される導電体としては、例えば、金属微粒子を用いることができる。また、導電層2の形成方法としては、スピンコートなどを用いるようにしてもよい。あるいは、下地層1との密着性が確保できるならば、金属のスパッタなどの方法にて導電層2を形成するようにしてもよい。
【0010】
次に、インクジェット法などの方法を用いることにより、ノズル3を介してインプリント材4´を導電層2上に吐出させる。なお、インプリント材4´としては、例えば、紫外線硬化型レジストを用いることができる。また、インプリント材4´は、絶縁体にて構成することができる。
【0011】
次に、図1(b)に示すように、テンプレート5をインプリント材4´に押し当てることにより、導電層2上にインプリントパターン4を形成する。なお、テンプレート5は、例えば、石英にて構成することができる。ここで、テンプレート5には、インプリントパターン4に対応した凹部5aが形成されている。そして、テンプレート5をインプリント材4´に押し当てると、毛細管現象によってインプリント材4´が凹部5aに吸い上げられ、凹部5aの形状に対応したインプリントパターン4が形成される。
【0012】
そして、テンプレート5をインプリントパターン4に押し当てたまま、テンプレート5を通して紫外線をインプリントパターン4に照射することにより、インプリントパターン4を硬化させる。
【0013】
なお、図1(b)の例では、インプリントパターン4を硬化させるために、インプリント材4´として紫外線硬化型レジストを用いるようにしてもよいが、熱硬化型レジストを用いるようにしてもよい。
【0014】
次に、図1(c)に示すように、テンプレート5をインプリントパターン4から除去した後、インクジェット法などの方法を用いることにより、ノズル3を介して電解液6をインプリントパターン4上に吐出させる。なお、電解液6としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液を用いることができる。
【0015】
次に、図1(d)に示すように、電解液6に電極7を接触させるとともに、導電層2に電極8を接触させる。なお、電極7、8は、プローブ電極であってもよいし、プレート電極であってもよい。また、電極7、8は、CuやAlなどの金属を用いることができる。
【0016】
そして、電源9を介して電極7、8間に電圧を印加し、その時に電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。この時、インプリントパターン4は絶縁体にて構成されているので、インプリントパターン4に欠陥が無い時は電極7、8間に電流は流れない。
【0017】
そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較し、その計測値がしきい値以下の場合、インプリントパターン4に欠陥が無いと判定する。
【0018】
次に、図1(e)に示すように、電解液6および電極7をインプリントパターン4上から除去するとともに、電極8を導電層2から除去する。なお、電解液6をインプリントパターン4上から除去する方法としては、自然乾燥であってもよいし、ブロワー処理を行うようにしてもよい。また、電解液6をインプリントパターン4上から除去した後、インプリントパターン4の表面を洗浄するようにしてもよい。
【0019】
そして、インプリントパターン4の欠陥が無いと判定された場合、インプリントパターン4を介して下地層1を処理する。なお、下地層1の処理としては、インプリントパターン4を介して下地層1にイオン注入を行うようにしてもよいし、インプリントパターン4をマスクとして下地層1をエッチングするようにしてもよい。その後、下地層1上に残った導電層2およびインプリントパターン4を除去する。
【0020】
図2は、第1実施形態に係るテンプレートの欠陥がある時の欠陥検査方法を示す断面図である。
図2(a)において、図1(a)と同様に、下地層1上に導電層2を形成した後、ノズル3を介してインプリント材4´を導電層2上に吐出させる。
【0021】
次に、図2(b)に示すように、テンプレート5をインプリント材4´に押し当てることにより、導電層2上にインプリントパターン4を形成する。この時、テンプレート5の表面に塵などの異物11が付着している場合、異物11もインプリントパターン4に転写され、インプリントパターン4に欠陥12が発生する。
【0022】
なお、インプリントパターン4の欠陥12の発生原因としては、例えば、レジストの充填不良(ダスト、離形時のレジスト剥がれ)、気泡、微小泡、インクジェットバブル、テンプレート凹部異物詰まりおよびウェハ基板上の異物などを挙げることができる。
【0023】
次に、図2(c)に示すように、テンプレート5をインプリントパターン4から除去した後、ノズル3を介して電解液6をインプリントパターン4上に吐出させる。この時、電解液6は欠陥12に入り込み、導電層2と接触する。
【0024】
次に、図2(d)に示すように、電解液6に電極7を接触させるとともに、導電層2に電極8を接触させる。そして、電源9を介して電極7、8間に電圧を印加し、その時に電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。この時、電解液6は欠陥12を介して導電層2と接触するので、電流パスPAを介して電極7、8間に電流が流れる。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較し、その計測値がしきい値を超える場合、インプリントパターン4に欠陥が有ると判定する。
【0025】
ここで、インプリントパターン4に欠陥が有ると判定された場合、それ以降の工程を止めることにより、大量の不良品が発生するのを防止することができる。
図3は、第1実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
図3において、インプリントパターンが形成されたウェハ上の検査領域を指定する(S1)。なお、検査領域は検査レシピにて設定することができる。
【0026】
次に、インクジェット法にて検査領域上に電解液を塗布する(S2)。なお、インクジェット法では、検査領域を1滴分の面積ごとに指定することができ、例えば、1滴分の面積は20μmΦとすることができる。
【0027】
次に、電極用テンプレート対極を準備し(S3)、テンプレート電極と対極間に電圧を印加する(S4)。
【0028】
次に、テンプレート電極を電解液上に設置し(S5)、テンプレート電極と対極との間の電流をモニタする(S6)。テンプレート電極は、その自重のみで電解液上に設置するようにしてもよい。テンプレート電極と対極との間の電流のモニタ結果に基づいてインプリントパターンの欠陥の有無を判定する(S7)。
【0029】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図4において、ウェハW上には導電層2を介してインプリントパターン4がショット領域Sh1〜Sh4ごとに形成されている。そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布する。
【0030】
そして、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7を移動させながら、電極7を電解液6に接触させることにより、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をショット領域Sh1〜Sh4ごとにしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに判定する。
【0031】
これにより、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに特定することが可能となり、インプリントパターン4の欠陥の発生原因の解明を容易化することができる。
【0032】
図5は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
図5において、ウェハWはショット領域Shごとに区画されている。そして、インクジェット法にて電解液をショット領域Shごとに塗布した後、ショット領域Shごとに電流リークをモニタすることで、欠陥の有無をショット領域Shごとに判定することができる。
【0033】
図6は、第2実施形態に係る欠陥検査方法のショット位置と電流との関係を示す平面図である。
図6において、各ショット領域Shごとに電流リーク量IRがしきい値LHと比較される。そして、電流リーク量IRがしきい値LH以下のショット領域Shについては欠陥がないと判定され、電流リーク量IRがしきい値LHを越えるショット領域Shについては欠陥があると判定される。
【0034】
図7は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
図7において、ショット検査が行われるものとすると(S11)、ショット領域Shごとに電流リークがモニタされる(S12)。そして、電流リーク量がしきい値LHを越える場合(S13)、そのショット領域Shが欠陥ショットとして登録された後(S14)、次のショット領域Shが検査される(S15)。
【0035】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図8において、ウェハW上には導電層2を介してインプリントパターン4がショット領域Sh1〜Sh4ごとに形成されている。そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布する。この時、電解液6は、各ショット領域Sh1〜Sh4の一部に選択的に塗布される。例えば、NAND型フラッシュメモリにおいてセル領域と周辺回路領域とで別個に電解液6を塗布することができる。
【0036】
そして、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7を移動させながら、電極7を電解液6に接触させることにより、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をショット領域Sh1〜Sh4ごとにしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の特定の部分の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに判定する。
【0037】
これにより、インプリントパターン4の欠陥の有無を回路機能ごとに特定することが可能となり、インプリントパターン4の欠陥の発生原因の解明を容易化することができる。
【0038】
例えば、図4の方法でインプリントパターン4の欠陥検査を行い、その欠陥検査で欠陥の有ったショット領域Sh1〜Sh4を対象として電解液6を塗布する領域を狭くすることにより、インプリントパターン4の欠陥の発生位置を絞り込むことができる。
【0039】
図9は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
図9において、ウェハWはショット領域Shごとに区画されている。また、各ショット領域Shは、チップ領域CP1〜CP4ごとに区画されている。そして、インクジェット法にて電解液6をチップ領域CP1の一部のみにショット領域Shごとに塗布した後、ショット領域Shごとに電流リークをモニタすることで、欠陥の有無をショット領域Shの特定の部分ごとに判定することができる。
【0040】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示す平面図である。
図10において、インプリント装置21には、ウェハWの温度を調整するウェハ温調ステージ22、ウェハWの搬送位置を調整するプリアライメントステージ23、ウェハWを一時的に退避させる退避ステージ24、インプリント処理されるウェハWが配置されるn(nは2以上の整数)個のインプリントステージ25−1〜25−n、インライン検査されるウェハWが配置されるインライン検査ステージ26、インライン検査ステージ26上に配置されたウェハWをインライン検査するインライン検査装置27およびインライン検査結果に基づいてインプリント装置21の制御を行う制御装置28が設けられている。
【0041】
なお、インプリントステージ25−1〜25−nには、図1(a)のノズル3および図1(b)のテンプレート5および紫外線照射装置を個別に設けることができる。また、インライン検査ステージ26には、図1(d)のノズル3、電極7、8、電源9および電流計10を設けることができる。
【0042】
そして、導電層2が形成されたウェハWがウェハ温調ステージ22に搬送され、ウェハWの温度調節が行われた後、プリアライメントステージ23に搬送される。そして、プリアライメントステージ23を介してインプリントステージ25−1〜25−nのうちの空いているステージにウェハWが搬送され、ウェハWのインプリント処理が行われることで、導電層2上にインプリントパターン4が形成されるとともに、インプリントステージ25−1〜25−nのうちのインプリント処理が終わったステージからウェハWが搬出され、インライン検査ステージ26に搬入される。そして、インライン検査ステージ26においてインライン検査が行われ、導電層2上のインプリントパターン4の電流リークがモニタされる。
そして、インライン検査が終了したウェハWは、インライン検査ステージ26から搬出され、インプリントステージ25−1〜25−nへのウェハWの搬入の妨げになる場合は、プリアライメントステージ23を介して退避ステージ24に一時的に退避される。
【0043】
また、インライン検査装置27において、電流リーク量に基づいてインプリントパターン4の欠陥の有無が判定され、ウェハWごとに欠陥の有無が登録される。そして、制御装置28において、欠陥の有ったウェハWのインプリント処理が行われたインプリントステージ25−1〜25−nが特定され、そのインプリントステージ25−1〜25−nの使用が停止される。
【0044】
これにより、複数のインプリントステージ25−1〜25−nに対して1台のインライン検査ステージ26を共用させることができ、インライン検査ステージ26の稼働率を向上させることが可能となるとともに、インプリント処理後の待機時間を短くしつつインライン検査を行うことができ、量産時に不良品が大量に発生する危険性を減らすことができる。
【0045】
(第5実施形態)
図11は、第5実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図11において、この欠陥検査方法では、図4の電極7の代わりに電極31が用いられている。なお、電極7は、1つのショット領域の電解液に接触されるのに対し、電極31は、ウェハW上の複数のショット領域Sh1〜Sh4に一括して接触される。例えば、ウェハW上の全てのショット領域Sh1〜Sh4に一括して接触できるようにするため、電極31の形状は、例えば、ウェハWと同様の形状に設定することができる。
【0046】
そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布した後、複数のショット領域Sh1〜Sh4の電解液6に電極31を一括して接触させることにより、電極31、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について一括して判定する。
【0047】
これにより、1回の電流計測処理によって、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について判定することが可能となり、欠陥検査処理にかかる時間を短縮することができる。
【0048】
(第6実施形態)
図12は、第6実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図11の欠陥検査方法では、ショット領域Sh1〜Sh4ごとにインプリントパターン4が分離されているのに対し、図12の欠陥検査方法では、ショット領域Sh1〜Sh4に渡ってインプリントパターン4が連続して形成され、ショット領域Sh1〜Sh4間で導電層2がインプリントパターン4から露出しないようにされている。
【0049】
そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4に渡って連続して塗布した後、その電解液6に電極31を接触させることにより、電極31、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について一括して判定する。
【0050】
これにより、電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに分離することなく、1回の電流計測処理によって、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について判定することが可能となり、欠陥検査処理にかかる時間を短縮することができる。
【0051】
(第7実施形態)
図13は、第7実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図13において、この欠陥検査方法では、図11の電極31の代わりに電極31−1〜31−4が用いられている。そして、電極31−1〜31−4は支持基板32にて支持されている。なお、支持基板32としては、例えば、ガラスや樹脂などの絶縁体を用いることができる。また、電極31−1〜31−4としては、例えば、CuやAlなどの金属膜を用いることができる。また、電極31は、ウェハW上の複数のショット領域Sh1〜Sh4に一括して接触されるのに対し、電極31−1〜31−4は、ショット領域Sh1〜Sh4の電解液にそれぞれ接触される。また、電極31−1〜31−4がウェハW上の全てのショット領域Sh1〜Sh4にそれぞれ一括して接触できるようにするため、支持基板32の形状は、例えば、ウェハWと同様の形状に設定することができる。そして、電極31−1〜31−4は、切替部34を介して電源9に接続されている。なお、切替部34は、電極31−1〜31−4のうちのいずれか1個の電極を選択して電源9に接続することができる。
【0052】
そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布した後、ショット領域Sh1〜Sh4の電解液6に電極31−1〜31−4をそれぞれ接触させる。そして、切替部34にて電極31−1〜31−4を順次切り替えさせながら、各電極31−1〜31−4と電極8との間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された各電流の計測値をしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに判定する。
【0053】
これにより、電極31−1〜31−4の位置を固定したまま、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに特定することが可能となり、処理にかかる時間を短縮しつつ、インプリントパターン4の欠陥の発生原因の解明を容易化することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 下地層、2 導電層、3 ノズル、4´ インプリント材、4 インプリントパターン、5 テンプレート、6 電解液、7、8、31、31−1〜31−4 電極、9 電源 10 電流計、11 異物、12 欠陥、Sh、Sh1〜Sh4 ショット領域、CP1〜CP4 チップ領域、21 インプリント装置、22 ウェハ温調ステージ、23 プリアライメントステージ、24 退避ステージ、25−1〜25−n インプリントステージ、26 インライン検査ステージ、27 インライン検査装置、28 制御装置、32 支持基板、34 切替部
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は欠陥検査方法および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において被転写基板に原版の型を転写するナノインプリント露光法が注目されている。ナノインプリント法は、転写されるパターンが形成された原版の型(テンプレート)を、基板上に塗布されているインプリント材料からなるレジスト層に押し付け、レジスト層を硬化させることにより、レジスト層にパターンを転写する方法である。
【0003】
このナノインプリントのパターン形成方法は、テンプレートとウェハが密着してインプリントされるため、テンプレートの破損や欠陥が突発的に発生する。このようなテンプレートの破損や欠陥を放置したままインプリント処理を継続すると、大量の不良品が発生するため、テンプレートの破損や欠陥を早期に発見することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−116272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの実施形態の目的は、インプリントパターンの欠陥の有無の検査を効率化することが可能な欠陥検査方法および半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の欠陥検査方法によれば、下地層上に導電層を形成する。次に、前記導電層上にインプリントパターンを形成する。次に、前記インプリントパターンに電解液を接触させる。次に、前記電解液に電極を接触させる。次に、前記導電層と前記電極との間に電圧を印加する。次に、前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測する。次に、前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態に係るテンプレートの欠陥がない時の欠陥検査方法を示す断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係るテンプレートの欠陥がある時の欠陥検査方法を示す断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図5】図5は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
【図6】図6は、第2実施形態に係る欠陥検査方法のショット位置と電流との関係を示す平面図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図9】図9は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
【図10】図10は、第4実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示す平面図である。
【図11】図11は、第5実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図12】図12は、第6実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【図13】図13は、第7実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係る欠陥検査方法について図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る欠陥検査方法の概略構成を示す断面図である。
図1(a)において、下地層1上に導電層2を形成する。なお、下地層1としては、例えば、半導体基板を用いることができる。あるいは、下地層1は、半導体基板上の絶縁層であってもよいし、絶縁層上の導電層であってもよい。導電層2としては、例えば、レジストパターンの接着強度を上げる接着層に導電体を混入した膜を用いることができる。この接着層としては、例えば、low−k(低誘電率)膜等の層間絶縁膜または有機膜を用いることができる。接着層に混入される導電体としては、例えば、金属微粒子を用いることができる。また、導電層2の形成方法としては、スピンコートなどを用いるようにしてもよい。あるいは、下地層1との密着性が確保できるならば、金属のスパッタなどの方法にて導電層2を形成するようにしてもよい。
【0010】
次に、インクジェット法などの方法を用いることにより、ノズル3を介してインプリント材4´を導電層2上に吐出させる。なお、インプリント材4´としては、例えば、紫外線硬化型レジストを用いることができる。また、インプリント材4´は、絶縁体にて構成することができる。
【0011】
次に、図1(b)に示すように、テンプレート5をインプリント材4´に押し当てることにより、導電層2上にインプリントパターン4を形成する。なお、テンプレート5は、例えば、石英にて構成することができる。ここで、テンプレート5には、インプリントパターン4に対応した凹部5aが形成されている。そして、テンプレート5をインプリント材4´に押し当てると、毛細管現象によってインプリント材4´が凹部5aに吸い上げられ、凹部5aの形状に対応したインプリントパターン4が形成される。
【0012】
そして、テンプレート5をインプリントパターン4に押し当てたまま、テンプレート5を通して紫外線をインプリントパターン4に照射することにより、インプリントパターン4を硬化させる。
【0013】
なお、図1(b)の例では、インプリントパターン4を硬化させるために、インプリント材4´として紫外線硬化型レジストを用いるようにしてもよいが、熱硬化型レジストを用いるようにしてもよい。
【0014】
次に、図1(c)に示すように、テンプレート5をインプリントパターン4から除去した後、インクジェット法などの方法を用いることにより、ノズル3を介して電解液6をインプリントパターン4上に吐出させる。なお、電解液6としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液を用いることができる。
【0015】
次に、図1(d)に示すように、電解液6に電極7を接触させるとともに、導電層2に電極8を接触させる。なお、電極7、8は、プローブ電極であってもよいし、プレート電極であってもよい。また、電極7、8は、CuやAlなどの金属を用いることができる。
【0016】
そして、電源9を介して電極7、8間に電圧を印加し、その時に電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。この時、インプリントパターン4は絶縁体にて構成されているので、インプリントパターン4に欠陥が無い時は電極7、8間に電流は流れない。
【0017】
そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較し、その計測値がしきい値以下の場合、インプリントパターン4に欠陥が無いと判定する。
【0018】
次に、図1(e)に示すように、電解液6および電極7をインプリントパターン4上から除去するとともに、電極8を導電層2から除去する。なお、電解液6をインプリントパターン4上から除去する方法としては、自然乾燥であってもよいし、ブロワー処理を行うようにしてもよい。また、電解液6をインプリントパターン4上から除去した後、インプリントパターン4の表面を洗浄するようにしてもよい。
【0019】
そして、インプリントパターン4の欠陥が無いと判定された場合、インプリントパターン4を介して下地層1を処理する。なお、下地層1の処理としては、インプリントパターン4を介して下地層1にイオン注入を行うようにしてもよいし、インプリントパターン4をマスクとして下地層1をエッチングするようにしてもよい。その後、下地層1上に残った導電層2およびインプリントパターン4を除去する。
【0020】
図2は、第1実施形態に係るテンプレートの欠陥がある時の欠陥検査方法を示す断面図である。
図2(a)において、図1(a)と同様に、下地層1上に導電層2を形成した後、ノズル3を介してインプリント材4´を導電層2上に吐出させる。
【0021】
次に、図2(b)に示すように、テンプレート5をインプリント材4´に押し当てることにより、導電層2上にインプリントパターン4を形成する。この時、テンプレート5の表面に塵などの異物11が付着している場合、異物11もインプリントパターン4に転写され、インプリントパターン4に欠陥12が発生する。
【0022】
なお、インプリントパターン4の欠陥12の発生原因としては、例えば、レジストの充填不良(ダスト、離形時のレジスト剥がれ)、気泡、微小泡、インクジェットバブル、テンプレート凹部異物詰まりおよびウェハ基板上の異物などを挙げることができる。
【0023】
次に、図2(c)に示すように、テンプレート5をインプリントパターン4から除去した後、ノズル3を介して電解液6をインプリントパターン4上に吐出させる。この時、電解液6は欠陥12に入り込み、導電層2と接触する。
【0024】
次に、図2(d)に示すように、電解液6に電極7を接触させるとともに、導電層2に電極8を接触させる。そして、電源9を介して電極7、8間に電圧を印加し、その時に電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。この時、電解液6は欠陥12を介して導電層2と接触するので、電流パスPAを介して電極7、8間に電流が流れる。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較し、その計測値がしきい値を超える場合、インプリントパターン4に欠陥が有ると判定する。
【0025】
ここで、インプリントパターン4に欠陥が有ると判定された場合、それ以降の工程を止めることにより、大量の不良品が発生するのを防止することができる。
図3は、第1実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
図3において、インプリントパターンが形成されたウェハ上の検査領域を指定する(S1)。なお、検査領域は検査レシピにて設定することができる。
【0026】
次に、インクジェット法にて検査領域上に電解液を塗布する(S2)。なお、インクジェット法では、検査領域を1滴分の面積ごとに指定することができ、例えば、1滴分の面積は20μmΦとすることができる。
【0027】
次に、電極用テンプレート対極を準備し(S3)、テンプレート電極と対極間に電圧を印加する(S4)。
【0028】
次に、テンプレート電極を電解液上に設置し(S5)、テンプレート電極と対極との間の電流をモニタする(S6)。テンプレート電極は、その自重のみで電解液上に設置するようにしてもよい。テンプレート電極と対極との間の電流のモニタ結果に基づいてインプリントパターンの欠陥の有無を判定する(S7)。
【0029】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図4において、ウェハW上には導電層2を介してインプリントパターン4がショット領域Sh1〜Sh4ごとに形成されている。そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布する。
【0030】
そして、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7を移動させながら、電極7を電解液6に接触させることにより、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をショット領域Sh1〜Sh4ごとにしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに判定する。
【0031】
これにより、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに特定することが可能となり、インプリントパターン4の欠陥の発生原因の解明を容易化することができる。
【0032】
図5は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
図5において、ウェハWはショット領域Shごとに区画されている。そして、インクジェット法にて電解液をショット領域Shごとに塗布した後、ショット領域Shごとに電流リークをモニタすることで、欠陥の有無をショット領域Shごとに判定することができる。
【0033】
図6は、第2実施形態に係る欠陥検査方法のショット位置と電流との関係を示す平面図である。
図6において、各ショット領域Shごとに電流リーク量IRがしきい値LHと比較される。そして、電流リーク量IRがしきい値LH以下のショット領域Shについては欠陥がないと判定され、電流リーク量IRがしきい値LHを越えるショット領域Shについては欠陥があると判定される。
【0034】
図7は、第2実施形態に係る欠陥検査方法を示すフローチャートである。
図7において、ショット検査が行われるものとすると(S11)、ショット領域Shごとに電流リークがモニタされる(S12)。そして、電流リーク量がしきい値LHを越える場合(S13)、そのショット領域Shが欠陥ショットとして登録された後(S14)、次のショット領域Shが検査される(S15)。
【0035】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図8において、ウェハW上には導電層2を介してインプリントパターン4がショット領域Sh1〜Sh4ごとに形成されている。そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布する。この時、電解液6は、各ショット領域Sh1〜Sh4の一部に選択的に塗布される。例えば、NAND型フラッシュメモリにおいてセル領域と周辺回路領域とで別個に電解液6を塗布することができる。
【0036】
そして、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7を移動させながら、電極7を電解液6に接触させることにより、ショット領域Sh1〜Sh4ごとに電極7、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をショット領域Sh1〜Sh4ごとにしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の特定の部分の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに判定する。
【0037】
これにより、インプリントパターン4の欠陥の有無を回路機能ごとに特定することが可能となり、インプリントパターン4の欠陥の発生原因の解明を容易化することができる。
【0038】
例えば、図4の方法でインプリントパターン4の欠陥検査を行い、その欠陥検査で欠陥の有ったショット領域Sh1〜Sh4を対象として電解液6を塗布する領域を狭くすることにより、インプリントパターン4の欠陥の発生位置を絞り込むことができる。
【0039】
図9は、第3実施形態に係る欠陥検査方法を示す平面図である。
図9において、ウェハWはショット領域Shごとに区画されている。また、各ショット領域Shは、チップ領域CP1〜CP4ごとに区画されている。そして、インクジェット法にて電解液6をチップ領域CP1の一部のみにショット領域Shごとに塗布した後、ショット領域Shごとに電流リークをモニタすることで、欠陥の有無をショット領域Shの特定の部分ごとに判定することができる。
【0040】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係る欠陥検査装置の概略構成を示す平面図である。
図10において、インプリント装置21には、ウェハWの温度を調整するウェハ温調ステージ22、ウェハWの搬送位置を調整するプリアライメントステージ23、ウェハWを一時的に退避させる退避ステージ24、インプリント処理されるウェハWが配置されるn(nは2以上の整数)個のインプリントステージ25−1〜25−n、インライン検査されるウェハWが配置されるインライン検査ステージ26、インライン検査ステージ26上に配置されたウェハWをインライン検査するインライン検査装置27およびインライン検査結果に基づいてインプリント装置21の制御を行う制御装置28が設けられている。
【0041】
なお、インプリントステージ25−1〜25−nには、図1(a)のノズル3および図1(b)のテンプレート5および紫外線照射装置を個別に設けることができる。また、インライン検査ステージ26には、図1(d)のノズル3、電極7、8、電源9および電流計10を設けることができる。
【0042】
そして、導電層2が形成されたウェハWがウェハ温調ステージ22に搬送され、ウェハWの温度調節が行われた後、プリアライメントステージ23に搬送される。そして、プリアライメントステージ23を介してインプリントステージ25−1〜25−nのうちの空いているステージにウェハWが搬送され、ウェハWのインプリント処理が行われることで、導電層2上にインプリントパターン4が形成されるとともに、インプリントステージ25−1〜25−nのうちのインプリント処理が終わったステージからウェハWが搬出され、インライン検査ステージ26に搬入される。そして、インライン検査ステージ26においてインライン検査が行われ、導電層2上のインプリントパターン4の電流リークがモニタされる。
そして、インライン検査が終了したウェハWは、インライン検査ステージ26から搬出され、インプリントステージ25−1〜25−nへのウェハWの搬入の妨げになる場合は、プリアライメントステージ23を介して退避ステージ24に一時的に退避される。
【0043】
また、インライン検査装置27において、電流リーク量に基づいてインプリントパターン4の欠陥の有無が判定され、ウェハWごとに欠陥の有無が登録される。そして、制御装置28において、欠陥の有ったウェハWのインプリント処理が行われたインプリントステージ25−1〜25−nが特定され、そのインプリントステージ25−1〜25−nの使用が停止される。
【0044】
これにより、複数のインプリントステージ25−1〜25−nに対して1台のインライン検査ステージ26を共用させることができ、インライン検査ステージ26の稼働率を向上させることが可能となるとともに、インプリント処理後の待機時間を短くしつつインライン検査を行うことができ、量産時に不良品が大量に発生する危険性を減らすことができる。
【0045】
(第5実施形態)
図11は、第5実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図11において、この欠陥検査方法では、図4の電極7の代わりに電極31が用いられている。なお、電極7は、1つのショット領域の電解液に接触されるのに対し、電極31は、ウェハW上の複数のショット領域Sh1〜Sh4に一括して接触される。例えば、ウェハW上の全てのショット領域Sh1〜Sh4に一括して接触できるようにするため、電極31の形状は、例えば、ウェハWと同様の形状に設定することができる。
【0046】
そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布した後、複数のショット領域Sh1〜Sh4の電解液6に電極31を一括して接触させることにより、電極31、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について一括して判定する。
【0047】
これにより、1回の電流計測処理によって、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について判定することが可能となり、欠陥検査処理にかかる時間を短縮することができる。
【0048】
(第6実施形態)
図12は、第6実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図11の欠陥検査方法では、ショット領域Sh1〜Sh4ごとにインプリントパターン4が分離されているのに対し、図12の欠陥検査方法では、ショット領域Sh1〜Sh4に渡ってインプリントパターン4が連続して形成され、ショット領域Sh1〜Sh4間で導電層2がインプリントパターン4から露出しないようにされている。
【0049】
そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4に渡って連続して塗布した後、その電解液6に電極31を接触させることにより、電極31、8間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された電流の計測値をしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について一括して判定する。
【0050】
これにより、電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに分離することなく、1回の電流計測処理によって、インプリントパターン4の欠陥の有無を複数のショット領域Sh1〜Sh4について判定することが可能となり、欠陥検査処理にかかる時間を短縮することができる。
【0051】
(第7実施形態)
図13は、第7実施形態に係る欠陥検査方法を示す断面図である。
図13において、この欠陥検査方法では、図11の電極31の代わりに電極31−1〜31−4が用いられている。そして、電極31−1〜31−4は支持基板32にて支持されている。なお、支持基板32としては、例えば、ガラスや樹脂などの絶縁体を用いることができる。また、電極31−1〜31−4としては、例えば、CuやAlなどの金属膜を用いることができる。また、電極31は、ウェハW上の複数のショット領域Sh1〜Sh4に一括して接触されるのに対し、電極31−1〜31−4は、ショット領域Sh1〜Sh4の電解液にそれぞれ接触される。また、電極31−1〜31−4がウェハW上の全てのショット領域Sh1〜Sh4にそれぞれ一括して接触できるようにするため、支持基板32の形状は、例えば、ウェハWと同様の形状に設定することができる。そして、電極31−1〜31−4は、切替部34を介して電源9に接続されている。なお、切替部34は、電極31−1〜31−4のうちのいずれか1個の電極を選択して電源9に接続することができる。
【0052】
そして、インクジェット法にて電解液6をショット領域Sh1〜Sh4ごとに塗布した後、ショット領域Sh1〜Sh4の電解液6に電極31−1〜31−4をそれぞれ接触させる。そして、切替部34にて電極31−1〜31−4を順次切り替えさせながら、各電極31−1〜31−4と電極8との間に流れる電流を電流計10にて計測する。そして、電流計10にて計測された各電流の計測値をしきい値と比較することにより、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに判定する。
【0053】
これにより、電極31−1〜31−4の位置を固定したまま、インプリントパターン4の欠陥の有無をショット領域Sh1〜Sh4ごとに特定することが可能となり、処理にかかる時間を短縮しつつ、インプリントパターン4の欠陥の発生原因の解明を容易化することができる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 下地層、2 導電層、3 ノズル、4´ インプリント材、4 インプリントパターン、5 テンプレート、6 電解液、7、8、31、31−1〜31−4 電極、9 電源 10 電流計、11 異物、12 欠陥、Sh、Sh1〜Sh4 ショット領域、CP1〜CP4 チップ領域、21 インプリント装置、22 ウェハ温調ステージ、23 プリアライメントステージ、24 退避ステージ、25−1〜25−n インプリントステージ、26 インライン検査ステージ、27 インライン検査装置、28 制御装置、32 支持基板、34 切替部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地層上に導電層を形成するステップと、
前記導電層上にインプリントパターンを形成するステップと、
前記インプリントパターンに電解液を接触させるステップと、
前記電解液に電極を接触させるステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧を印加するステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測するステップと、
前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定するステップとを備え、
前記インプリントパターン上に前記電解液を選択的に吐出させ、前記電解液をショット単位または前記ショット内の一部の領域に吐出させ、前記電極はショットごとに分離され、検査対象となるショットに応じて前記電極を切り替えることを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項2】
下地層上に導電層を形成するステップと、
前記導電層上にインプリントパターンを形成するステップと、
前記インプリントパターンに電解液を接触させるステップと、
前記電解液に電極を接触させるステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧を印加するステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測するステップと、
前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定するステップとを備えることを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項3】
前記インプリントパターン上に前記電解液を選択的に吐出させることを特徴とする請求項2に記載の欠陥検査方法。
【請求項4】
前記電解液をショット単位または前記ショット内の一部の領域に吐出させることを特徴とする請求項3に記載の欠陥検査方法。
【請求項5】
前記電極はショットごとに分離され、検査対象となるショットに応じて前記電極を切り替えることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の欠陥検査方法。
【請求項6】
下地層上に導電層を形成するステップと、
前記導電層上にインプリントパターンを形成するステップと、
前記インプリントパターンに電解液を接触させるステップと、
前記電解液に電極を接触させるステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧を印加するステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測するステップと、
前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定するステップと、
前記インプリントパターンの欠陥が無いと判定された場合、前記インプリントパターンを介して前記下地層を処理するステップとを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項1】
下地層上に導電層を形成するステップと、
前記導電層上にインプリントパターンを形成するステップと、
前記インプリントパターンに電解液を接触させるステップと、
前記電解液に電極を接触させるステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧を印加するステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測するステップと、
前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定するステップとを備え、
前記インプリントパターン上に前記電解液を選択的に吐出させ、前記電解液をショット単位または前記ショット内の一部の領域に吐出させ、前記電極はショットごとに分離され、検査対象となるショットに応じて前記電極を切り替えることを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項2】
下地層上に導電層を形成するステップと、
前記導電層上にインプリントパターンを形成するステップと、
前記インプリントパターンに電解液を接触させるステップと、
前記電解液に電極を接触させるステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧を印加するステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測するステップと、
前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定するステップとを備えることを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項3】
前記インプリントパターン上に前記電解液を選択的に吐出させることを特徴とする請求項2に記載の欠陥検査方法。
【請求項4】
前記電解液をショット単位または前記ショット内の一部の領域に吐出させることを特徴とする請求項3に記載の欠陥検査方法。
【請求項5】
前記電極はショットごとに分離され、検査対象となるショットに応じて前記電極を切り替えることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載の欠陥検査方法。
【請求項6】
下地層上に導電層を形成するステップと、
前記導電層上にインプリントパターンを形成するステップと、
前記インプリントパターンに電解液を接触させるステップと、
前記電解液に電極を接触させるステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧を印加するステップと、
前記導電層と前記電極との間に電圧が印加された時に前記導電層と前記電極との間に流れる電流を計測するステップと、
前記電流の計測結果に基づいて前記インプリントパターンの欠陥の有無を判定するステップと、
前記インプリントパターンの欠陥が無いと判定された場合、前記インプリントパターンを介して前記下地層を処理するステップとを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−159448(P2012−159448A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20375(P2011−20375)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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