説明

気化器

【課題】固体の粒子を安定的に昇華させることが可能な気化器を提供する。
【解決手段】常温において固体状態である固体の粒子30を気化させる気化器21において、前記固体の粒子30を供給するための供給部31と、前記供給部31より供給された前記固体の粒子30を気化するため、複数の孔部が設けられた加熱部を有する気化部33とを有し、前記気化部33は、重力の働く方向に上から順に設けられた分散網34と加熱網35と加熱傾斜部36からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気化器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスに用いられる材料は、近年無機材料から有機材料へと幅を広げつつあり、無機材料にはない有機材料の特質等から半導体デバイスの特性や製造プロセスをより最適なものとすることができる。
【0003】
このような有機材料の1つとして、ポリイミドが挙げられる。ポリイミドは密着性が高く、リーク電流も低いことから絶縁膜として用いることができ、半導体デバイスにおける絶縁膜として用いることも可能である。
【0004】
このようなポリイミド膜を成膜する方法としては、原料モノマーとして、無水ピロメリット酸(PMDA:pyromellitic dianhydride)と4,4'−オキシジアニリン(ODA:4,4'-oxydianiline)を用いた蒸着重合による成膜方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
この蒸着重合は、原料モノマーとして用いられるPMDA及びODAを昇華させてチャンバー内で重合させる方式であるが、良好なポリイミド膜を得るためには、気化させたPMDA及びODAを継続的に一定量チャンバー内に供給する必要がある。しかしながら、PMDAはODAよりも気化する温度が高く、継続して一定量をチャンバー内に供給することは困難であった。
【0006】
一方、昇華性を有する有機化合物材料を昇華させて成膜する成膜方法として、フラッシュ蒸着法を有機化合物材料の成膜に適用することができるよう改良した成膜方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−141821号公報
【特許文献2】特開2004−346371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、成膜されたポリイミド膜を半導体素子の一部として用いる場合、緻密で付着性の高い良好なポリイミド膜が要求される。このため、PMDA及びODAを単に加熱することにより気化させてチャンバー内に供給する方法では、気化したPMDA及びODAを一定量継続して安定的に供給することが困難であるため、半導体素子の一部として用いることが可能な良好なポリイミド膜を得ることは困難である。
【0009】
また、引用文献2に記載される方法を利用して有機化合物材料を昇華させる場合であっても、PMDAを変質等させることなく厳密に気化したPMDAを一定量継続して安定的に供給することは困難である。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、PMDAを安定的に気化させてチャンバー内に供給することにより、半導体素子を形成する材料としても用いることが可能な良好なポリイミド膜を形成するための気化器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、常温において固体状態である固体の粒子を気化させる気化器において、前記固体の粒子を供給するための供給部と、前記供給部より供給された前記固体の粒子を気化するため、複数の孔部が設けられた加熱部を有する気化部と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記気化器は、チャンバー内に設置された基板に、気化した第1の物質と気化した第2の物質とを供給し反応させることにより前記基板上に第3の物質の膜を形成する成膜装置に接続されており、前記固体の粒子は前記第1の物質の粒子であって、前記気化器は、気化した第1の物質を前記チャンバー内に供給するものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記気化部には、前記加熱部の温度以上に加熱されたキャリアガスが導入されており、前記キャリアガスが前記加熱部における前記複数の孔部を通過するものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記気化部にはキャリアガスが導入されており、前記キャリアガスは前記加熱部の下方より供給されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記気化器は前記固体の粒子が気化した気体が排出される排出口を有しており、前記排出口は、前記加熱部よりも高い位置に設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記加熱部は、重力の働く方向に複数設けられており、上方に配置された加熱部における孔部の平均面積は、前記下方に配置された加熱部における孔部の平均面積よりも大きいことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記加熱部の下方には、前記固体の粒子を気化するため加熱された傾斜を有する傾斜加熱部を有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記加熱部は、網状に構成されているものであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記加熱部の孔部の形状は、正方形又は長方形であって、前記固体の粒子の粒径は、前記正方形の一辺又は前記長方形の短辺よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記第1の物質はPMDAであり、前記第2の物質はODAであり、前記第3の物質はポリイミドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、原料モノマーとしてPMDAとODAを用いて良好なポリイミド膜を形成することが可能な気化器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態における成膜装置の構成図
【図2】第1の実施の形態におけるPMDA気化器の構成図
【図3】第1の実施の形態におけるPMDA気化器の説明図
【図4】第2の実施の形態におけるPMDA気化器の説明図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0024】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、原料モノマーとしてPMDAとODAを用いて蒸着重合によりポリイミド膜を成膜するための成膜装置に関するものである。
【0025】
(成膜装置)
図1に基づき、本実施の形態における成膜装置について説明する。
【0026】
本実施の形態における成膜装置は、不図示の真空ポンプ等により排気が可能なチャンバー11内にポリイミド膜が成膜されるウエハWを複数設置することが可能なウエハボート12を有している。また、チャンバー11内には、気化したPMDA及びODAを供給するためのインジェクター13及び14を有している。このインジェクター13及び14の側面には開口部が設けられており、インジェクター13及び14より気化したPMDA及びODAが図面において矢印で示すようにウエハWに供給される。供給された気化したPMDA及びODAは、ウエハW上で反応し蒸着重合によりポリイミド膜が成膜される。尚、ポリイミド膜の成膜に寄与しない気化したPMDA及びODA等は、そのまま流れ、排気口15よりチャンバー11の外に排出される。また、ウエハW上に均一にポリイミド膜が成膜されるようにウエハボート12は、回転部16により回転するように構成されている。更に、チャンバー11の外部には、チャンバー11内のウエハWを一定の温度に加熱するためのヒーター17が設けられている。
【0027】
また、インジェクター13及び14は、PMDA気化器21及びODA気化器22とバルブ23及び24を介し導入部25において、それぞれ接続されており、PMDA気化器21及びODA気化器22より気化したPMDA及びODAが供給される。
【0028】
PMDA気化器21には高温の窒素ガスをキャリアガスとして供給し、PMDA気化器21においてPMDAを昇華させることにより気化した状態で供給する。このため、PMDA気化器21は、260℃の温度に保たれている。また、ODA気化器22では、高温の窒素ガスをキャリアガスとして供給し、高温に加熱され液体状態となったODAを供給された窒素ガスによりバブリングすることにより、窒素ガスに含まれるODAの蒸気とし、気化した状態で供給する。このため、ODA気化器22は220℃の温度に保たれている。この後、バルブ23及び24、導入部25を介し、気化したPMDA及びODAは、インジェクター13及び14内に供給され、更に、インジェクター13及び14より気化したPMDAと気化したODAとが、チャンバー11内に供給されて、ウエハW上において反応しポリイミド膜が成膜される。
【0029】
従って、本実施の形態における成膜装置では、インジェクター13及び14より横方向に、気化したPMDAと気化したODAとが噴出し、ウエハW上において反応し蒸着重合によりポリイミド膜が成膜される。
【0030】
(PMDA気化器)
次に、図2に基づき本実施の形態の成膜装置に用いられるPMDA気化器21について説明する。このPMDA気化器21は、PMDA供給部31と、絞り32、PMDA気化部33により構成されている。PMDA気化部33は、分散網34、加熱部となる加熱網35、加熱傾斜部36、気化PMDA排出口37及び加熱網制御部38により構成されている。
【0031】
PMDA供給部31では、粒子状のPMDA粒子30が納められており、絞り32を調節することにより、PMDA粒子30の供給量が制御される。PMDA粒子30の供給は連続的であっても断続的であってもよいが、好ましくは連続的である。
【0032】
PMDA気化部33は、全体がPMDAを気化するために設定された温度である260℃に加熱されており、分散網34、加熱網35及び加熱傾斜部36が、重力の働く方向に、順に設置されている。尚、本実施の形態では、PMDAを気化するための温度として260℃に設定しているが、PMDAが気化する温度であって、再凝固しない温度であれば、より低い温度であってもよい。
【0033】
分散網34は、PMDA供給部31より絞り32を介し、矢印Aに示す方向に供給されるPMDA粒子30を全体的に分散させる機能を有するものである。従って、供給されるPMDA粒子30の粒径よりも、分散網34の網目の孔部の辺は長く形成されている。これにより、PMDA粒子30は、分散網34の網目において捕らえられることなく下に落下する。尚、PMDA粒子30をできるだけ均一に分散することができる機能を有するものであれば、網構造以外の構造のものであってもよく、例えば、メッシュ構造ではなく、PMDA粒子30の粒径よりも広い間隔で金属線等を一方向に配列した構成のものであってもよい。
【0034】
加熱網35は、分散網34により分散され落下したPMDA粒子30を網目において捕らえ加熱し気化させる機能を有するものである。従って、PMDA粒子30の粒径よりも、加熱網35の網目である孔部の辺は短いものとなっている。これによりPMDA粒子30を加熱網35の網目に捕らえることができる。PMDA粒子30は、分散網34により分散されるため、加熱網35の全体に広がり、各々の網目において捕らえられる。
【0035】
具体的に図3に加熱網35とPMDA粒子30との関係について示す。図に示されるように、加熱網35は、縦横に設けられた金属線35aにより網目が構成されている。網目の大きさは、金属線35aの配置される間隔Dにより定めることができる。この間隔Dは、PMDA粒子30の平均粒径Rよりも小さな値である。これにより、PMDA粒子30を加熱網35の網目において捕らえることができる。前述のとおり、PMDA粒子30は分散網34により分散されているため、加熱網35において広がり、各々の網目にPMDA粒子30が捕らえられる。このため、一部にPMDA粒子30が固まることはない。
【0036】
この加熱網35、即ち、加熱網35の網目を構成する金属線35aは、PMDAが気化する温度に加熱されており、この金属線35aよりPMDA粒子30は加熱されて気化する。PMDA粒子30は気化することにより、次第に粒径が小さくなり、その粒径が長さDよりも小さくなると、加熱網35の網目より落下する。
【0037】
加熱網35の網目より落下したPMDA粒子30は、PMDAが気化する温度に加熱されている加熱傾斜部36において気化される。具体的には、加熱傾斜部36においては、PMDA粒子30は加熱傾斜部36に設けられた傾斜を転がりながら気化し蒸発する。加熱網35の網目より落下したPMDA粒子30の粒径は小さく、その体積も小さいため短時間で蒸発させることができる。
【0038】
尚、加熱網35は加熱網制御部38により温度制御された状態で加熱されている。具体的には、加熱網制御部38は加熱網35に接続されており、加熱網35に電流を流すことにより加熱するものである。加熱網制御部38は加熱網35の温度を計測するための不図示の温度計及び、温度計の温度に基づき加熱網35に流す電流量を制御する温度制御機能を有している。また、本実施の形態では、加熱網35を加熱する形態であるが、分散網34においても加熱網制御部38により電流を流し加熱することが可能である。
【0039】
本実施の形態におけるPMDA気化器21では、キャリアガスとして窒素(N)ガスが、窒素ガス供給部41よりPMDA供給部31に供給されており、また、窒素ガス供給部42より絞り32とPMDA気化部33との間に供給されており、更に、窒素ガス供給部43より、加熱傾斜部36の下側より供給されている。ここで、窒素ガス供給部43より供給されたキャリアガスは、加熱網35の網目内、また、加熱網35に沿って流れ、気化したPMDAは加熱網35の近傍を滞留することなく流れるため、PMDA粒子30を効率よく気化させることができる。
【0040】
このように、窒素ガス供給部41、42及び43より供給されたキャリアガスにより、気化したPMDAは矢印Bに示す方向に上昇し、気化したPMDAの排出口である気化PMDA排出口37より矢印Cに示す方向に流れ、バルブ23を介し、インジェクター13に供給される。尚、完全に気化されることなく粉末状となったPMDA微粒子が、気化PMDA排出口37より、気化したPMDAとともに、インジェクター13に供給されることを防ぐため、気化PMDA排出口37は、PMDA気化部33の上部、即ち、加熱部となる加熱網35よりも高い位置に設けられている。
【0041】
本実施の形態におけるPMDA気化器21は、前述のとおり、PMDA気化部33の全体がPMDAを気化するために設定された温度である260℃、または、これ以上の温度に設定されているため、PMDA気化部33内の壁面に凝固し付着することはない。
【0042】
本実施の形態の説明においてはキャリアガスとして窒素ガスを用いた場合について説明したが、キャリアガスはアルゴン(Ar)等の不活性ガスであってもよい。
【0043】
本実施の形態におけるPMDA気化器21において、供給されるPMDA粒子30の粒径は250μmであり、比重は1.68×10kg/mである。
【0044】
本実施の形態におけるPMDA気化器21では、加熱網35において、PMDA粒子30を分散させた状態で加熱することができるため、PMDA粒子30が一定の場所に長時間滞留し、長時間加熱され、PMDAが熱により変質してしまうおそれがない。
【0045】
即ち、長時間加熱され、PMDAが熱により変質してしまうと、気化したPMDAは安定的に供給されないのみならず、変質したPMDAが異物として気化したPMDAに混入し供給される場合がある。この場合、ウエハW上に成膜されるポリイミド膜の膜質に悪影響を与えてしまう。しかしながら、本実施の形態におけるPMDA供給器21では、加熱により変質したPMDAが気化したPMDAに混入することがないため、純度の高い気化したPMDAのみを供給することができる。
【0046】
尚、本実施の形態においては加熱網35について説明したが、加熱網35に代えて別途孔部を有する部材により構成しても同様の効果を得ることができる。例えば、このような部材としては、シャワープレート、ナノクリスタルシリコン、金属ファイバー、多孔質セラミックス等が挙げられ、構造としては、長方形、多角形、円形や楕円形のメッシュ、軽石状のもの、金属たわし状、スポンジ状等のものが挙げられる。
【0047】
また、PMDA気化器21は、絞り32によりPMDA粒子30の供給量を制御されるが、不図示のコンピュータで動作する制御プログラムにより制御することも可能である。また、この制御プログラムは、コンピュータにより読み取ることが可能な記憶媒体に記憶させておくことも可能である。
【0048】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、加熱網を複数設けた構成の気化器である。即ち、第1の実施の形態における加熱網35は一層であるのに対し、三層の加熱網を設けた構成である。この他の構成については、第1の実施の形態と同様である。
【0049】
図4に基づき、本実施の形態における気化器について説明する。本実施の形態における気化器は、第1の加熱網51、第2の加熱網52、第3の加熱網53が設けられている。第1の加熱網51の網目は、PMDA粒子30の粒径よりも狭いが、第1の加熱網51、第2の加熱網52、第3の加熱網53の中では、最も網目が広いものである。第2の加熱網52は次に網目が広く、第3の加熱網53は最も網目が狭い。第1の加熱網51、第2の加熱網52、第3の加熱網53は、重力の働く方向に沿って配置されている。即ち、上から第1の加熱網51、第2の加熱網52、第3の加熱網53の順に配置されている。
【0050】
PMDA粒子は、第1の実施の形態と同様PMDA供給部より絞りを介し供給されるが、最初に、第1の加熱網51上に落下し、第1の加熱網51に捕らえられる。第1の加熱網51では、縦横に設けられた金属線がPMDAを気化する温度に加熱されている。よって、第1の加熱網51に落下したPMDA粒子30aは加熱され気化することにより粒径の小さなPMDA粒子30bとなり、第1の加熱網51の網目の幅より小さくなり、第1の加熱網51の網目より落下する。
【0051】
第1の加熱網51より落下した粒径の小さなPMDA粒子30bは、次に、第2の加熱網52に捕らえられる。即ち、第2の加熱網52の網目は、第1の加熱網51の網目よりも狭いため、粒径の小さなPMDA粒子30bであっても、第2の加熱網52に捕らえられる。第2の加熱網52では、縦横に設けられた金属線がPMDAを気化する温度に加熱されている。よって、第2の加熱網52に落下した粒径の小さなPMDA粒子30bは加熱され気化することにより、更に粒径の小さなPMDA粒子30cとなり、第2の加熱網52の網目の幅より小さくなって、第2の加熱網52の網目より落下する。
【0052】
第2の加熱網52より落下した更に粒径の小さなPMDA粒子30cは、次に、第3の加熱網53に捕らえられる。即ち、第3の加熱網53の網目は、第2の加熱網52の網目よりも狭いため、更に粒径の小さなPMDA粒子30cであっても、第3の加熱網53に捕らえられる。第3の加熱網53では、縦横に設けられた金属線がPMDAを気化する温度に加熱されている。よって、第3の加熱網53に落下した更に粒径の小さなPMDA粒子30cは加熱され気化することにより、極めて粒径の小さなPMDA粒子となり、第3の加熱網53の網目の幅より小さくなって、第3の加熱網53の網目より落下する。
【0053】
第3の加熱網53より落下した極めて粒径の小さなPMDA粒子は、第3の加熱網53の下側に設けられた加熱傾斜部において、転がりながら加熱されて気化される。
【0054】
このように、重力の働く方向に沿って複数の加熱網を設けることにより、PMDA粒子を一定の場所に滞留させることなく効率よく加熱し気化させることができる。よって、純度の高いPMDAを効率よく気化させることが可能である。
【0055】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0056】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0057】
11 チャンバー
12 ウエハボート
13 インジェクター
14 インジェクター
15 排気口
16 回転部
17 ヒーター
21 PMDA気化器
22 ODA気化器
23 バルブ
24 バルブ
25 導入部
30 PMDA粒子
31 PMDA供給部
32 絞り
33 PMDA気化部
34 分散網
35 加熱網
35a 金属線
36 加熱傾斜部
37 気化PMDA排出口
38 加熱網制御部
41 窒素ガス供給部
42 窒素ガス供給部
43 窒素ガス供給部
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温において固体状態である固体の粒子を気化させる気化器において、
前記固体の粒子を供給するための供給部と、
前記供給部より供給された前記固体の粒子を気化するため、複数の孔部が設けられた加熱部を有する気化部と、
を有することを特徴とする気化器。
【請求項2】
前記気化器は、チャンバー内に設置された基板に、気化した第1の物質と気化した第2の物質とを供給し反応させることにより前記基板上に第3の物質の膜を形成する成膜装置に接続されており、
前記固体の粒子は前記第1の物質の粒子であって、
前記気化器は、気化した第1の物質を前記チャンバー内に供給するものであることを特徴とする請求項1に記載の気化器。
【請求項3】
前記気化部には、前記加熱部の温度以上に加熱されたキャリアガスが導入されており、前記キャリアガスが前記加熱部における前記複数の孔部を通過するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の気化器。
【請求項4】
前記気化部にはキャリアガスが導入されており、前記キャリアガスは前記加熱部の下方より供給されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項5】
前記気化器は前記固体の粒子が気化した気体が排出される排出口を有しており、
前記排出口は、前記加熱部よりも高い位置に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項6】
前記加熱部は、重力の働く方向に複数設けられており、
上方に配置された加熱部における孔部の平均面積は、前記下方に配置された加熱部における孔部の平均面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項7】
前記加熱部の下方には、前記固体の粒子を気化するため加熱された傾斜を有する傾斜加熱部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項8】
前記加熱部は、網状に構成されているものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の気化器。
【請求項9】
前記加熱部の孔部の形状は、正方形又は長方形であって、前記固体の粒子の粒径は、前記正方形の一辺又は前記長方形の短辺よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の気化器。
【請求項10】
前記第1の物質はPMDAであり、前記第2の物質はODAであり、前記第3の物質はポリイミドであることを特徴とする請求項2に記載の気化器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−9440(P2011−9440A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151144(P2009−151144)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】