洗浄装置、乾燥装置及び洗浄・乾燥装置
【課題】 箱型の搬送用コンテナを効率的に清浄化するのに適した洗浄装置を提供する。
【解決手段】 略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄する洗浄装置であって、搬送用コンテナの底部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口２を有する第１の液体射出手段３と、搬送用コンテナの側部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口４を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の液体射出手段５と、第１及び第２の液体射出手段を、搬送用コンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有する洗浄装置１。
【解決手段】 略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄する洗浄装置であって、搬送用コンテナの底部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口２を有する第１の液体射出手段３と、搬送用コンテナの側部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口４を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の液体射出手段５と、第１及び第２の液体射出手段を、搬送用コンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有する洗浄装置１。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、上部が開放された箱型の搬送用コンテナ、特に、底部が格子状に形成されている搬送用コンテナを清浄化するのに適した洗浄装置、乾燥装置及び洗浄・乾燥装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
液晶基板やＦＰＤ等のディスプレイの製造工程においては、ガラス基板が複数の工程を経て最終的に製品となるように、各工程間を搬送しながら順番に基板処理を施す搬送システムが構築されている。
【０００３】
このような製造工程においては、極微細なダストの付着でも不良品の発生、歩留まりの低下に結びつくために、極度に清浄化されたクリーンルーム内で製造が行われ、これに用いられる装置、部品等も高度な清浄度が要求される。例えば、製造対象となるウェハ、ガラス基板等を収容するコンテナ等も高い清浄度が要求され、これに応じて使用前に十分な洗浄が行われる。
【０００４】
本出願人は、このような搬送システムに適したガラス基板搬送用のコンテナを既に出願しているが、このコンテナは収容したガラス基板を取り出す際に、ガラス基板を下方から突き上げるための基板突き上げ用ピンを通すための開口部を有し、底面が格子状に形成されていることを特徴としている。
【０００５】
このガラス搬送用コンテナは、これまでのコンテナとは異なる新規なものであるため、このようなガラス搬送用コンテナに対して、これに適した洗浄・乾燥装置は存在していなかった。なお、椎茸人工榾木等を収容するコンテナと異なる分野ではあるが、類似の形状を有するコンテナを洗浄するための洗浄装置が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【特許文献１】特開平６−７９２４９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載されたの搬送用コンテナの洗浄装置は、搬送用コンテナの各面を清浄にすることができるように首振りノズルと固定ノズルを組合わせたものであるが、ノズルが各面に対して１つしか設けられていないため洗浄面に対しての洗浄力は限られてしまっていた。
【０００７】
また、特許文献１に記載された搬送用コンテナの底面が開口を有する格子状に形成されていた場合には、洗浄面全面に対して洗浄水を射出するように構成されているため比較的大きな開口部を有する搬送用コンテナに対しては、洗浄水及び純水を余計に消費することとなり効率的ではなかった。
【０００８】
そこで、本発明は、箱型の搬送用コンテナを効率的に清浄化するのに適した洗浄装置を提供することを目的とする。また、併せて、箱型の搬送用コンテナを効率的に乾燥するのに適した乾燥装置及び効率的に洗浄及び乾燥することができる洗浄・乾燥装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の洗浄装置は、略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄する洗浄装置であって、搬送用コンテナの底部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有する第１の液体射出手段と、搬送用コンテナの側部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の液体射出手段と、第１及び第２の液体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有することを特徴とするものである。
【００１０】
また、本発明の乾燥装置は、略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを乾燥する乾燥装置であって、搬送用コンテナの底部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の気体射出手段と、搬送用コンテナの側部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の気体射出手段と、第１及び第２の気体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有することを特徴とするものである。
【００１１】
また、本発明の洗浄・乾燥装置は、本発明の洗浄装置と本発明の乾燥装置及び／又は加熱乾燥装置とを組合わせたものである。
【００１２】
さらに、本発明の別の洗浄・乾燥装置は、略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄及び乾燥する洗浄・乾燥装置であって、搬送用コンテナの底部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の流体射出手段と、搬送用コンテナの側部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の流体射出手段と、第１及び第２の流体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの洗浄・乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の洗浄装置によれば、搬送物を収容するための略矩形状の底部とその周囲に形成された前記搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナの洗浄面に、洗浄液及び純水を近距離から射出することができ、効率良く搬送用コンテナを清浄化することができる。
【００１４】
本発明の乾燥装置によれば、洗浄操作の後、濡れた搬送用コンテナの乾燥面に、乾燥空気を近距離から射出することができ、効率良く搬送用コンテナを乾燥させることができる。
【００１５】
本発明の洗浄・乾燥装置によれば、本発明の洗浄装置及び乾燥装置が奏する効果を併せて得ることができ、搬送用コンテナ全体を加熱乾燥するようにすれば、搬送用コンテナ全体の乾燥をより効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明について、実施の形態を例に図面を参照しながら説明する。
【００１７】
（第１の実施の形態）
図１は、本発明の第１の実施形態における洗浄装置を、洗浄対象物である搬送用コンテナと併せて示した斜視図である。
【００１８】
この実施形態における洗浄装置１は、洗浄液及び純水の射出口２を有する第１の液体射出手段３と、洗浄液及び純水の射出口４を有する第２の液体射出手段５と、図示していないが、この第１及び第２の液体射出手段を洗浄対象であるコンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有するものである。
【００１９】
この洗浄装置１は、洗浄時には、洗浄対象物である搬送用コンテナの上部から洗浄作業を行うことができるように構成されているが、この搬送用コンテナの上部への移動は洗浄装置１が水平方向に移動しながら洗浄することができるようになっているか、又は洗浄装置１は水平方向に固定されており、搬送用コンテナの載置台１０が水平方向に移動することができるようになっており、同様に水平方向に移動しながら洗浄することができるようになっている。また、この洗浄作業時には、洗浄装置１又は搬送用コンテナの載置台１０を上下動させながら、第１及び第２の射出口と搬送用コンテナの洗浄面とを所定の距離で一定の洗浄力を保持するようにして洗浄操作を行うものである。
【００２０】
なお、ここで示した搬送用コンテナ１００は、ＦＰＤ等の製造に用いるガラス基板を搬送物とする基板搬送用コンテナであり、略矩形状の底部１０１とその周囲に形成されたガラス基板の脱落を防止する側部１０２（１０２ａ〜ｄ）とからなり、底部１０１にはガラス基板を取り出す際に下から突き上げる突き上げ用ピンが通過することができるように複数の開口部１０３が設けられ、その底部１０１は格子状に形成されているものである。
【００２１】
この底部１０１は、例えば、ＴＦＴ液晶用表示パネルのガラス基板としては、Ｇ６が１５００×１８５０ｍｍ、Ｇ７が１８７０×２２００ｍｍ、Ｇ７．５が２１６０×２４００ｍｍ、Ｇ８が２２００×２６００ｍｍのサイズのガラス基板、プラズマディスプレイ（ＰＤＰ）用表示パネルのガラス基板としては、Ｇ６が１８００×２０００ｍｍ、Ｇ７が１９００×２０００ｍｍ、Ｇ７．５が２０００×２４００ｍｍのサイズであるため、これらのサイズを収容して搬送できる大きさ、形状である。
【００２２】
次に、本発明の構成要素について具体的に説明するが、本実施形態における第１の液体射出手段３は、洗浄対象物である搬送用コンテナ１００の底部１０１の上面を洗浄することができるように洗浄面である底面に対して洗浄液及び純水を射出することができる射出口２を有するものである。
【００２３】
第１の液体射出手段３は、その水平移動方向又は搬送用コンテナ１００の水平移動方向に直交する幅方向に対して延びて形成され、その幅方向に射出口２が整列して、鉛直方向下方に洗浄液及び純水を射出することができるように形成されている。
【００２４】
この射出口２は、一列又は複数列に整列して設けることができ、このとき、同じ射出口から洗浄液及び純水を順番に射出することができるようにしてもよいし、洗浄液の射出用と純水の射出用とに分けて射出口を設けてもよい。
【００２５】
この射出口２は、整列して設けられているが、この複数個の射出口は、搬送用コンテナ１００の格子状に形成された底部１０１の格子子に対応して形成されていることが好ましい。具体的には、格子子の本数と同数の射出口２が設けられており、射出口１つに対して格子子が１つとなるように配置されていることが好ましい。
【００２６】
この射出口２は、ノズル又はスリットで形成されており、洗浄液を洗浄面に対して垂直に射出することで、洗浄液を高い圧力でコンテナの底部１０１表面に射出して効率的に清浄化できる点で好ましい。一方、射出口２を鉛直方向下方に対して前後０〜４５度の傾斜角を有するように射出できるように配置してもよく、この場合、射出された洗浄液が留まることなく一旦除去された不純物等が表面に残留しにくくなる点で好ましい。
【００２７】
このような射出口２を有する第１の液体射出手段３は、図示していない高度調節手段により、コンテナの洗浄面に対して射出口２が所定の距離を保つように上下動し、一定の圧力で洗浄面に洗浄液及び純水を射出することができる。
【００２８】
高度調節は、第１の液体射出手段３の射出口２と洗浄対象物であるコンテナ１００の洗浄面との距離を検出するセンサと、そのセンサが検出した距離に応じて第１の液体射出手段３を上下動させる駆動手段とにより行われる。
【００２９】
洗浄操作を行っているときの第１の液体射出手段３の軌跡を図２に示した。図２は、洗浄動作における第１の液体射出手段３の軌跡を第１の液体射出手段３の側方から見た図である。
【００３０】
まず、第１の液体射出手段３が搬送用コンテナ１００を洗浄するために、コンテナ上へ移動し、その際、搬送用コンテナ１００の側部１０２ａに接触しない程度の高さで移動する。そして、側部１０２ａの上面を洗浄しながら側部を超え、基板収容部の上部領域に入ったとき、射出口２と底部上面とが所定の距離になるまで下降させる。所定の距離まで下降したら、そのまま底部上面の洗浄を行いながら側部１０２ｂの近傍まで移動させ停止した後、上昇させる。側部１０２ｂに接触しない程度の高さまで上昇したら、側部１０２ｂの上面を洗浄しながら水平方向に移動させ１０２ｂの側部を超えたところで洗浄液の射出を止め、搬送用コンテナ１００の洗浄操作を終了する。この操作における第１の液体射出手段３の移動の軌跡６は図２の破線で示した。
【００３１】
次に、本実施形態における第２の液体射出手段５について説明する。この第２の液体射出手段５は、洗浄対象物である搬送用コンテナ１００の側部１０２（第２の液体射出手段５の水平移動方向に対して平行な側部１０２ｃ，１０２ｄ）を洗浄することができるように、洗浄面に対して洗浄液及び純水を射出することができる射出口４を有するものである。
【００３２】
この射出口４は、洗浄時に側部１０２に対して所定の距離で洗浄液及び純水を射出することができるように、側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して配置されたものである。この射出口４も一列又は複数列に配置することができる点は第１の液体射出手段３と同様である。
【００３３】
また、この射出口４は、ノズル又はスリットで形成されており、洗浄液を洗浄面に対して垂直に射出することで、洗浄液を高い圧力でコンテナの側部１０２表面に射出して効率的に清浄化できる点で好ましい。一方、射出口４を鉛直方向下方に対して前後０〜４５度の傾斜角を有するように射出できるように配置してもよく、この場合、射出された洗浄液が除去された不純物等を効率よく下方へ洗い流す点で好ましい。
【００３４】
このような射出口４を有する第２の液体射出手段５は、図示していない高度調節手段により、搬送用コンテナの洗浄面に対して射出口４が所定の距離を保つように上下動し、一定の圧力で洗浄面に洗浄液及び純水を射出することができる。
【００３５】
高度調節は、第２の液体射出手段５の射出口４と洗浄対象物であるコンテナ１００の洗浄面との距離を検出するセンサと、そのセンサが検出した距離に応じて第２の液体射出手段５を上下動させる駆動手段とにより行われる。
【００３６】
洗浄操作を行っているときの第２の液体射出手段５の搬送用コンテナ１００との位置関係を図３に示した。ここでは、第１の液体射出手段３も併せて示したが、第１の液体射出手段３と第２の液体射出手段５とは一体として動作させてもよいし、それぞれを別々に動作させてもよい。
【００３７】
この第２の液体射出手段５は、基本的には第１の液体射出手段３と同様の軌跡を描きながら動作し、洗浄操作を行うものであり、それぞれの液体射出手段を下降させたときの水平移動方向の下流側から見た側面図が図３である。
【００３８】
射出口４は、側部の内外面及び上面に対して洗浄液及び純水を射出することができるように設けられており、各々が洗浄面に対して所定の距離を保持するように形成されている。このとき、コンテナの格子状の底部の側部との接合部分となる底部に対しても洗浄液及び純水を射出することができるように射出口４ａを設けることが好ましい。ちなみに第１の液体射出手段３の射出口２は、底部１０１の格子子に対応した位置に配置されている。
【００３９】
第１及び第２の液体射出手段をこのような構成とすることにより、搬送用コンテナ１００を効率的に清浄化することができ、第１の液体射出手段３は、その射出口２が格子子に対応した位置に配置され、開口部１０３には余計に洗浄液及び純水を射出することがないため、洗浄液及び純水を節約することができ、コストの低減を可能とするものである。
【００４０】
また、これと直交している格子子部分は、射出口２から射出される洗浄液及び純水が所定の距離で射出され、このように洗浄面との距離を近づけて所定の圧力以上で洗浄面に対して射出することができるため、そこからの流れにより十分に清浄化することができる。
【００４１】
なお、第１及び第２の液体射出手段３，５は、洗浄面に対して０．２〜１ＭＰａ／ｃｍ２の圧力で洗浄を行うことができる程度の水圧、距離を適宜選択して高度調節等を行うようにすることが好ましい。
【００４２】
（第２の実施の形態）
本実施の形態は、その装置構成において、第１の液体射出手段を除いて第１の実施形態と同一である。また、第１の液体射出手段についても、以下に説明するように第１の液体射出手段が、鉛直方向下方及び鉛直方向下方に対して鋭角に洗浄液及び純水を射出するように可動することができる点以外は第１の実施形態と同一である。
【００４３】
本実施の形態の第１の液体射出手段３の動作について、図４を参照しながら、以下説明する。図４は、第１の液体射出手段の射出口１２が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を例示した図である。
【００４４】
図４ａでは、固定軸１１を軸とし、射出口１２が設けられている第１の液体射出手段１３の一端にクランクレバー１４を固定し、クランクレバー１４とクランクアーム１５とをピン１６ａで屈曲可能に接続し、さらに、モータ１７に固定したクランク１８とクランクアーム１５とをピン１６ｂで同様に屈曲可能に接続したものである。
【００４５】
まず、モータ１７によりクランク１８を回転させると、クランクアーム１５のピン１６ｂが円運動をする。この円運動によりクランクアーム１５のピン１６ａの位置は上下方向に移動し、これに伴ってクランクレバー１４のピン１６ａも上下方向に移動する。そのため、第１の液体射出手段１３は、固定軸１１を中心にその先端の射出口１２が円弧状に往復運動することとなり、洗浄液及び純水の射出角度を変更できるようになっている。
【００４６】
また、図４ｂは、射出口２１を設けた第１の液体射出手段２２を、モータ２３に固定した駆動側スプロケット２４とチェーン２５で接続した液体射出手段を示したものである。このモータ２３を回転させると、第１の液体射出手段２２も回転することとなり、その先端の射出口２１が円弧状に往復運動して、洗浄液及び純水の射出角度を変更できるようになっている。
【００４７】
さらに、図４ｃは、射出口３１を設けた第１の液体射出手段３２とスイングアーム３３とをロータリーシリンダー３４により接続させ、さらにスイングアーム３３が駆動装置３５に接続されている液体射出手段を示したものである。この駆動装置３５は、スイングアーム３３のスイング動作及びロータリーシリンダー３４の回転動作を行うことができるものであり、スイング動作によりスイングアーム３３が駆動装置との接続部を中心に円弧状に往復運動を行うことができ、さらに、ロータリーシリンダー３４の回転動作により第１の液体射出手段３２の先端にある射出口３１が円弧状に往復運動して、洗浄液及び純水の射出角度を変更できるようになっている。
【００４８】
このように第１の液体射出手段の液体射出角度を変更可能とすれば、図５に示したように、第１の液体射出手段３の水平移動方向に直交する搬送用コンテナ１００の側部１０２ａ，１０２ｂの内側面及び外側面の洗浄効率を上げることができる。すなわち、第１の実施形態では、液体の射出角度は固定されていたため、搬送用コンテナの側部上面及び底部上面については効率的に清浄化できているが、第１の液体射出手段３の水平移動方向に対して直交する側部１０２ａ，１０２ｂの内側面及び外側面はその洗浄効率が若干劣っていた。
【００４９】
しかしながら、図５ａに示したように、まず、１３ａのように角度をつけながら洗浄開始操作を行うことで、搬送用コンテナの側部１０２ａの外側面を清浄化することができ、次いで側部上面を通過するときは、１３ｂのように鉛直方向下方に射出口を向けることで側部上面を、側部を超えて底部（搬送物収容部）上面領域に入ったときは１３ｃ→１３ｄのように角度をつけて下降させ、同時に洗浄操作を行うことで側部１０２ａの内側面を効率よく清浄化することができる。
【００５０】
続いて、底部上面を洗浄するときには、図５ｂに示したように第１の液体射出手段１３の射出口を鉛直方向下方に向けて第１の実施の形態と同様に洗浄を行う。そして、底部上面の洗浄が終わったら、側部１０２ｂの内外側面及び上面を射出口の角度を変更しながら側部１０２ａと同様に洗浄して洗浄操作を終了する。
【００５１】
このように動作させることで、第１の液体射出手段の水平移動方向に直行する側部は第１の液体射出手段により、水平移動方向に平行な側部は第２の液体射出手段により清浄化することができるため、搬送用コンテナ１００の表面を極めて清浄に保つことができる。
【００５２】
なお、このときの第１の液体射出手段１３の洗浄液及び純水の射出角度は、鉛直方向下方に対して鋭角に射出角度を変更することができるものであり、この角度の限界が鉛直方向下方に対して１０〜４５度であることが好ましい。
【００５３】
（第３の実施の形態）
本実施の形態は、洗浄後の搬送用コンテナを乾燥する乾燥装置に関するものである。ここでの乾燥装置は、第１の実施の形態における洗浄装置と同様の構成を有するものであり、第１の実施の形態における第１の液体射出手段が第１の気体射出手段に、第２の液体射出手段が第２の気体射出手段になっていること以外は第１の実施の形態と同一の構成をとるものである。
【００５４】
そして、第１及び第２の気体射出手段は、第１の実施の形態において射出していた洗浄液及び純水の代わりに乾燥空気を射出するものであること以外は、第１の実施の形態と同一の動作を行うものである。なお、このとき第２の実施の形態で示した第１の液体射出手段と同様に、第１の気体射出手段から射出する乾燥空気の角度を変更するようにしてもよい。
【００５５】
本実施の形態では、射出するのが乾燥された気体である乾燥空気であるため、洗浄により濡れた搬送用コンテナに対して射出することによって、効率的に搬送用コンテナの表面を乾燥させることができる。
【００５６】
なお、ここで射出する乾燥空気は、２５℃における水分が１％以下であればよく、これはコンプレッサーにより空気を圧縮したり、水分除去のフィルターを通したりすることで得ることができ、一旦、空気を圧縮した後、フィルター等により水分除去を行って得られた圧縮乾燥空気であることが好ましい。
【００５７】
（第４の実施の形態）
本実施の形態は、搬送用コンテナの洗浄及び乾燥の両方を行うことができる洗浄・乾燥装置に関するものである。ここでの洗浄・乾燥装置は、洗浄装置と乾燥装置の両方を併せて有するものとして構成すればよい。
【００５８】
洗浄装置としては、例えば、第１の実施の形態又は第２の実施の形態に示した洗浄装置を用い、乾燥装置としては、例えば、第３の実施の形態に示した乾燥装置及び／又は一般の加熱乾燥装置を用いればよい。
【００５９】
ここでの洗浄装置と乾燥装置は、それぞれ別の装置として設けて、洗浄、乾燥の順番で操作を行うようにしてもよいし、洗浄装置と乾燥装置を一体とし、射出口から洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができるようにしてもよい。
【００６０】
これは、第１の液体射出手段と第１の気体射出手段、第２の液体射出手段と第２の気体射出手段をそれぞれ１つの射出手段として構成したもの、すなわち、図１に示した洗浄装置と構成が同様であって、さらに、乾燥空気を射出することができるようにし、洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる第１の流体射出手段と、洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる第２の流体射出手段と、を有するようにすることで得ることができる。
【００６１】
（第５の実施の形態）
本実施の形態は、本発明の洗浄装置、乾燥装置又は洗浄・乾燥装置に、これとは別に、公知の加熱又は減圧による乾燥装置を用いたものである。
【００６２】
ここで用いる加熱による乾燥装置は、熱風加熱、高温加熱、遠赤外線加熱、マイクロ波加熱等の加熱方式を用いた乾燥装置であればよく、減圧による乾燥装置は、密閉下、減圧状態（好ましくは真空状態）にして乾燥させる装置であればよい。このように公知の方式による乾燥であれば、他の原理に基づくものであっても搬送用コンテナ全体を乾燥させるようにして、コンテナ付着した水分を除去する乾燥装置であれば用いることができる。
【００６３】
具体的には、本発明の洗浄装置＋加熱又は減圧による乾燥装置、本発明の洗浄装置＋本発明の乾燥装置＋加熱又は減圧による乾燥装置、本発明の洗浄・乾燥装置＋加熱又は減圧による乾燥装置、本発明の乾燥装置＋加熱又は減圧による乾燥装置の組合わせが挙げられる。
【００６４】
このように、本発明とは別に乾燥装置を設けることにより、より搬送用コンテナの乾燥を完全に行うことができ、また、本発明の乾燥装置では乾燥のし難い搬送用コンテナの底部裏面等も十分に乾燥することができる。
【図面の簡単な説明】
【００６５】
【図１】本発明の第１の実施形態における洗浄装置を示した斜視図
【図２】第１の液体射出手段３の動作の軌跡を示した図
【図３】洗浄操作における第１及び第２の液体射出手段と搬送用コンテナとの位置関係を示した図
【図４ａ】第１の液体射出手段の射出口が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を示した図
【図４ｂ】第１の液体射出手段の射出口が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を示した図
【図４ｃ】第１の液体射出手段の射出口が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を示した図
【図５ａ】図４ａに示した第１の液体射出手段により搬送用コンテナの側部の洗浄動作を示した図
【図５ｂ】図４ａに示した第１の液体射出手段により搬送用コンテナの底部の洗浄動作を示した図
【符号の説明】
【００６６】
１…洗浄装置、２…射出口、３…第１の液体射出手段、４…射出口、５…第２の液体射出手段、６…軌跡、１０…載置台、１１…固定軸、１２…射出口、１３…第１の液体射出手段、１４…クランクレバー、１５…クランクアーム、１６ａ，１６ｂ…ピン、１７…モータ、１８…クランク、２１…射出口、２２…液体射出手段、２３…モータ、２４…駆動側スプロケット、２５…チェーン
【技術分野】
【０００１】
本発明は、上部が開放された箱型の搬送用コンテナ、特に、底部が格子状に形成されている搬送用コンテナを清浄化するのに適した洗浄装置、乾燥装置及び洗浄・乾燥装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
液晶基板やＦＰＤ等のディスプレイの製造工程においては、ガラス基板が複数の工程を経て最終的に製品となるように、各工程間を搬送しながら順番に基板処理を施す搬送システムが構築されている。
【０００３】
このような製造工程においては、極微細なダストの付着でも不良品の発生、歩留まりの低下に結びつくために、極度に清浄化されたクリーンルーム内で製造が行われ、これに用いられる装置、部品等も高度な清浄度が要求される。例えば、製造対象となるウェハ、ガラス基板等を収容するコンテナ等も高い清浄度が要求され、これに応じて使用前に十分な洗浄が行われる。
【０００４】
本出願人は、このような搬送システムに適したガラス基板搬送用のコンテナを既に出願しているが、このコンテナは収容したガラス基板を取り出す際に、ガラス基板を下方から突き上げるための基板突き上げ用ピンを通すための開口部を有し、底面が格子状に形成されていることを特徴としている。
【０００５】
このガラス搬送用コンテナは、これまでのコンテナとは異なる新規なものであるため、このようなガラス搬送用コンテナに対して、これに適した洗浄・乾燥装置は存在していなかった。なお、椎茸人工榾木等を収容するコンテナと異なる分野ではあるが、類似の形状を有するコンテナを洗浄するための洗浄装置が知られている（例えば、特許文献１参照。）。
【特許文献１】特開平６−７９２４９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１に記載されたの搬送用コンテナの洗浄装置は、搬送用コンテナの各面を清浄にすることができるように首振りノズルと固定ノズルを組合わせたものであるが、ノズルが各面に対して１つしか設けられていないため洗浄面に対しての洗浄力は限られてしまっていた。
【０００７】
また、特許文献１に記載された搬送用コンテナの底面が開口を有する格子状に形成されていた場合には、洗浄面全面に対して洗浄水を射出するように構成されているため比較的大きな開口部を有する搬送用コンテナに対しては、洗浄水及び純水を余計に消費することとなり効率的ではなかった。
【０００８】
そこで、本発明は、箱型の搬送用コンテナを効率的に清浄化するのに適した洗浄装置を提供することを目的とする。また、併せて、箱型の搬送用コンテナを効率的に乾燥するのに適した乾燥装置及び効率的に洗浄及び乾燥することができる洗浄・乾燥装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明の洗浄装置は、略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄する洗浄装置であって、搬送用コンテナの底部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有する第１の液体射出手段と、搬送用コンテナの側部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の液体射出手段と、第１及び第２の液体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有することを特徴とするものである。
【００１０】
また、本発明の乾燥装置は、略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを乾燥する乾燥装置であって、搬送用コンテナの底部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の気体射出手段と、搬送用コンテナの側部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の気体射出手段と、第１及び第２の気体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有することを特徴とするものである。
【００１１】
また、本発明の洗浄・乾燥装置は、本発明の洗浄装置と本発明の乾燥装置及び／又は加熱乾燥装置とを組合わせたものである。
【００１２】
さらに、本発明の別の洗浄・乾燥装置は、略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄及び乾燥する洗浄・乾燥装置であって、搬送用コンテナの底部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の流体射出手段と、搬送用コンテナの側部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、射出口が搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の流体射出手段と、第１及び第２の流体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの洗浄・乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の洗浄装置によれば、搬送物を収容するための略矩形状の底部とその周囲に形成された前記搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナの洗浄面に、洗浄液及び純水を近距離から射出することができ、効率良く搬送用コンテナを清浄化することができる。
【００１４】
本発明の乾燥装置によれば、洗浄操作の後、濡れた搬送用コンテナの乾燥面に、乾燥空気を近距離から射出することができ、効率良く搬送用コンテナを乾燥させることができる。
【００１５】
本発明の洗浄・乾燥装置によれば、本発明の洗浄装置及び乾燥装置が奏する効果を併せて得ることができ、搬送用コンテナ全体を加熱乾燥するようにすれば、搬送用コンテナ全体の乾燥をより効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明について、実施の形態を例に図面を参照しながら説明する。
【００１７】
（第１の実施の形態）
図１は、本発明の第１の実施形態における洗浄装置を、洗浄対象物である搬送用コンテナと併せて示した斜視図である。
【００１８】
この実施形態における洗浄装置１は、洗浄液及び純水の射出口２を有する第１の液体射出手段３と、洗浄液及び純水の射出口４を有する第２の液体射出手段５と、図示していないが、この第１及び第２の液体射出手段を洗浄対象であるコンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、を有するものである。
【００１９】
この洗浄装置１は、洗浄時には、洗浄対象物である搬送用コンテナの上部から洗浄作業を行うことができるように構成されているが、この搬送用コンテナの上部への移動は洗浄装置１が水平方向に移動しながら洗浄することができるようになっているか、又は洗浄装置１は水平方向に固定されており、搬送用コンテナの載置台１０が水平方向に移動することができるようになっており、同様に水平方向に移動しながら洗浄することができるようになっている。また、この洗浄作業時には、洗浄装置１又は搬送用コンテナの載置台１０を上下動させながら、第１及び第２の射出口と搬送用コンテナの洗浄面とを所定の距離で一定の洗浄力を保持するようにして洗浄操作を行うものである。
【００２０】
なお、ここで示した搬送用コンテナ１００は、ＦＰＤ等の製造に用いるガラス基板を搬送物とする基板搬送用コンテナであり、略矩形状の底部１０１とその周囲に形成されたガラス基板の脱落を防止する側部１０２（１０２ａ〜ｄ）とからなり、底部１０１にはガラス基板を取り出す際に下から突き上げる突き上げ用ピンが通過することができるように複数の開口部１０３が設けられ、その底部１０１は格子状に形成されているものである。
【００２１】
この底部１０１は、例えば、ＴＦＴ液晶用表示パネルのガラス基板としては、Ｇ６が１５００×１８５０ｍｍ、Ｇ７が１８７０×２２００ｍｍ、Ｇ７．５が２１６０×２４００ｍｍ、Ｇ８が２２００×２６００ｍｍのサイズのガラス基板、プラズマディスプレイ（ＰＤＰ）用表示パネルのガラス基板としては、Ｇ６が１８００×２０００ｍｍ、Ｇ７が１９００×２０００ｍｍ、Ｇ７．５が２０００×２４００ｍｍのサイズであるため、これらのサイズを収容して搬送できる大きさ、形状である。
【００２２】
次に、本発明の構成要素について具体的に説明するが、本実施形態における第１の液体射出手段３は、洗浄対象物である搬送用コンテナ１００の底部１０１の上面を洗浄することができるように洗浄面である底面に対して洗浄液及び純水を射出することができる射出口２を有するものである。
【００２３】
第１の液体射出手段３は、その水平移動方向又は搬送用コンテナ１００の水平移動方向に直交する幅方向に対して延びて形成され、その幅方向に射出口２が整列して、鉛直方向下方に洗浄液及び純水を射出することができるように形成されている。
【００２４】
この射出口２は、一列又は複数列に整列して設けることができ、このとき、同じ射出口から洗浄液及び純水を順番に射出することができるようにしてもよいし、洗浄液の射出用と純水の射出用とに分けて射出口を設けてもよい。
【００２５】
この射出口２は、整列して設けられているが、この複数個の射出口は、搬送用コンテナ１００の格子状に形成された底部１０１の格子子に対応して形成されていることが好ましい。具体的には、格子子の本数と同数の射出口２が設けられており、射出口１つに対して格子子が１つとなるように配置されていることが好ましい。
【００２６】
この射出口２は、ノズル又はスリットで形成されており、洗浄液を洗浄面に対して垂直に射出することで、洗浄液を高い圧力でコンテナの底部１０１表面に射出して効率的に清浄化できる点で好ましい。一方、射出口２を鉛直方向下方に対して前後０〜４５度の傾斜角を有するように射出できるように配置してもよく、この場合、射出された洗浄液が留まることなく一旦除去された不純物等が表面に残留しにくくなる点で好ましい。
【００２７】
このような射出口２を有する第１の液体射出手段３は、図示していない高度調節手段により、コンテナの洗浄面に対して射出口２が所定の距離を保つように上下動し、一定の圧力で洗浄面に洗浄液及び純水を射出することができる。
【００２８】
高度調節は、第１の液体射出手段３の射出口２と洗浄対象物であるコンテナ１００の洗浄面との距離を検出するセンサと、そのセンサが検出した距離に応じて第１の液体射出手段３を上下動させる駆動手段とにより行われる。
【００２９】
洗浄操作を行っているときの第１の液体射出手段３の軌跡を図２に示した。図２は、洗浄動作における第１の液体射出手段３の軌跡を第１の液体射出手段３の側方から見た図である。
【００３０】
まず、第１の液体射出手段３が搬送用コンテナ１００を洗浄するために、コンテナ上へ移動し、その際、搬送用コンテナ１００の側部１０２ａに接触しない程度の高さで移動する。そして、側部１０２ａの上面を洗浄しながら側部を超え、基板収容部の上部領域に入ったとき、射出口２と底部上面とが所定の距離になるまで下降させる。所定の距離まで下降したら、そのまま底部上面の洗浄を行いながら側部１０２ｂの近傍まで移動させ停止した後、上昇させる。側部１０２ｂに接触しない程度の高さまで上昇したら、側部１０２ｂの上面を洗浄しながら水平方向に移動させ１０２ｂの側部を超えたところで洗浄液の射出を止め、搬送用コンテナ１００の洗浄操作を終了する。この操作における第１の液体射出手段３の移動の軌跡６は図２の破線で示した。
【００３１】
次に、本実施形態における第２の液体射出手段５について説明する。この第２の液体射出手段５は、洗浄対象物である搬送用コンテナ１００の側部１０２（第２の液体射出手段５の水平移動方向に対して平行な側部１０２ｃ，１０２ｄ）を洗浄することができるように、洗浄面に対して洗浄液及び純水を射出することができる射出口４を有するものである。
【００３２】
この射出口４は、洗浄時に側部１０２に対して所定の距離で洗浄液及び純水を射出することができるように、側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して配置されたものである。この射出口４も一列又は複数列に配置することができる点は第１の液体射出手段３と同様である。
【００３３】
また、この射出口４は、ノズル又はスリットで形成されており、洗浄液を洗浄面に対して垂直に射出することで、洗浄液を高い圧力でコンテナの側部１０２表面に射出して効率的に清浄化できる点で好ましい。一方、射出口４を鉛直方向下方に対して前後０〜４５度の傾斜角を有するように射出できるように配置してもよく、この場合、射出された洗浄液が除去された不純物等を効率よく下方へ洗い流す点で好ましい。
【００３４】
このような射出口４を有する第２の液体射出手段５は、図示していない高度調節手段により、搬送用コンテナの洗浄面に対して射出口４が所定の距離を保つように上下動し、一定の圧力で洗浄面に洗浄液及び純水を射出することができる。
【００３５】
高度調節は、第２の液体射出手段５の射出口４と洗浄対象物であるコンテナ１００の洗浄面との距離を検出するセンサと、そのセンサが検出した距離に応じて第２の液体射出手段５を上下動させる駆動手段とにより行われる。
【００３６】
洗浄操作を行っているときの第２の液体射出手段５の搬送用コンテナ１００との位置関係を図３に示した。ここでは、第１の液体射出手段３も併せて示したが、第１の液体射出手段３と第２の液体射出手段５とは一体として動作させてもよいし、それぞれを別々に動作させてもよい。
【００３７】
この第２の液体射出手段５は、基本的には第１の液体射出手段３と同様の軌跡を描きながら動作し、洗浄操作を行うものであり、それぞれの液体射出手段を下降させたときの水平移動方向の下流側から見た側面図が図３である。
【００３８】
射出口４は、側部の内外面及び上面に対して洗浄液及び純水を射出することができるように設けられており、各々が洗浄面に対して所定の距離を保持するように形成されている。このとき、コンテナの格子状の底部の側部との接合部分となる底部に対しても洗浄液及び純水を射出することができるように射出口４ａを設けることが好ましい。ちなみに第１の液体射出手段３の射出口２は、底部１０１の格子子に対応した位置に配置されている。
【００３９】
第１及び第２の液体射出手段をこのような構成とすることにより、搬送用コンテナ１００を効率的に清浄化することができ、第１の液体射出手段３は、その射出口２が格子子に対応した位置に配置され、開口部１０３には余計に洗浄液及び純水を射出することがないため、洗浄液及び純水を節約することができ、コストの低減を可能とするものである。
【００４０】
また、これと直交している格子子部分は、射出口２から射出される洗浄液及び純水が所定の距離で射出され、このように洗浄面との距離を近づけて所定の圧力以上で洗浄面に対して射出することができるため、そこからの流れにより十分に清浄化することができる。
【００４１】
なお、第１及び第２の液体射出手段３，５は、洗浄面に対して０．２〜１ＭＰａ／ｃｍ２の圧力で洗浄を行うことができる程度の水圧、距離を適宜選択して高度調節等を行うようにすることが好ましい。
【００４２】
（第２の実施の形態）
本実施の形態は、その装置構成において、第１の液体射出手段を除いて第１の実施形態と同一である。また、第１の液体射出手段についても、以下に説明するように第１の液体射出手段が、鉛直方向下方及び鉛直方向下方に対して鋭角に洗浄液及び純水を射出するように可動することができる点以外は第１の実施形態と同一である。
【００４３】
本実施の形態の第１の液体射出手段３の動作について、図４を参照しながら、以下説明する。図４は、第１の液体射出手段の射出口１２が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を例示した図である。
【００４４】
図４ａでは、固定軸１１を軸とし、射出口１２が設けられている第１の液体射出手段１３の一端にクランクレバー１４を固定し、クランクレバー１４とクランクアーム１５とをピン１６ａで屈曲可能に接続し、さらに、モータ１７に固定したクランク１８とクランクアーム１５とをピン１６ｂで同様に屈曲可能に接続したものである。
【００４５】
まず、モータ１７によりクランク１８を回転させると、クランクアーム１５のピン１６ｂが円運動をする。この円運動によりクランクアーム１５のピン１６ａの位置は上下方向に移動し、これに伴ってクランクレバー１４のピン１６ａも上下方向に移動する。そのため、第１の液体射出手段１３は、固定軸１１を中心にその先端の射出口１２が円弧状に往復運動することとなり、洗浄液及び純水の射出角度を変更できるようになっている。
【００４６】
また、図４ｂは、射出口２１を設けた第１の液体射出手段２２を、モータ２３に固定した駆動側スプロケット２４とチェーン２５で接続した液体射出手段を示したものである。このモータ２３を回転させると、第１の液体射出手段２２も回転することとなり、その先端の射出口２１が円弧状に往復運動して、洗浄液及び純水の射出角度を変更できるようになっている。
【００４７】
さらに、図４ｃは、射出口３１を設けた第１の液体射出手段３２とスイングアーム３３とをロータリーシリンダー３４により接続させ、さらにスイングアーム３３が駆動装置３５に接続されている液体射出手段を示したものである。この駆動装置３５は、スイングアーム３３のスイング動作及びロータリーシリンダー３４の回転動作を行うことができるものであり、スイング動作によりスイングアーム３３が駆動装置との接続部を中心に円弧状に往復運動を行うことができ、さらに、ロータリーシリンダー３４の回転動作により第１の液体射出手段３２の先端にある射出口３１が円弧状に往復運動して、洗浄液及び純水の射出角度を変更できるようになっている。
【００４８】
このように第１の液体射出手段の液体射出角度を変更可能とすれば、図５に示したように、第１の液体射出手段３の水平移動方向に直交する搬送用コンテナ１００の側部１０２ａ，１０２ｂの内側面及び外側面の洗浄効率を上げることができる。すなわち、第１の実施形態では、液体の射出角度は固定されていたため、搬送用コンテナの側部上面及び底部上面については効率的に清浄化できているが、第１の液体射出手段３の水平移動方向に対して直交する側部１０２ａ，１０２ｂの内側面及び外側面はその洗浄効率が若干劣っていた。
【００４９】
しかしながら、図５ａに示したように、まず、１３ａのように角度をつけながら洗浄開始操作を行うことで、搬送用コンテナの側部１０２ａの外側面を清浄化することができ、次いで側部上面を通過するときは、１３ｂのように鉛直方向下方に射出口を向けることで側部上面を、側部を超えて底部（搬送物収容部）上面領域に入ったときは１３ｃ→１３ｄのように角度をつけて下降させ、同時に洗浄操作を行うことで側部１０２ａの内側面を効率よく清浄化することができる。
【００５０】
続いて、底部上面を洗浄するときには、図５ｂに示したように第１の液体射出手段１３の射出口を鉛直方向下方に向けて第１の実施の形態と同様に洗浄を行う。そして、底部上面の洗浄が終わったら、側部１０２ｂの内外側面及び上面を射出口の角度を変更しながら側部１０２ａと同様に洗浄して洗浄操作を終了する。
【００５１】
このように動作させることで、第１の液体射出手段の水平移動方向に直行する側部は第１の液体射出手段により、水平移動方向に平行な側部は第２の液体射出手段により清浄化することができるため、搬送用コンテナ１００の表面を極めて清浄に保つことができる。
【００５２】
なお、このときの第１の液体射出手段１３の洗浄液及び純水の射出角度は、鉛直方向下方に対して鋭角に射出角度を変更することができるものであり、この角度の限界が鉛直方向下方に対して１０〜４５度であることが好ましい。
【００５３】
（第３の実施の形態）
本実施の形態は、洗浄後の搬送用コンテナを乾燥する乾燥装置に関するものである。ここでの乾燥装置は、第１の実施の形態における洗浄装置と同様の構成を有するものであり、第１の実施の形態における第１の液体射出手段が第１の気体射出手段に、第２の液体射出手段が第２の気体射出手段になっていること以外は第１の実施の形態と同一の構成をとるものである。
【００５４】
そして、第１及び第２の気体射出手段は、第１の実施の形態において射出していた洗浄液及び純水の代わりに乾燥空気を射出するものであること以外は、第１の実施の形態と同一の動作を行うものである。なお、このとき第２の実施の形態で示した第１の液体射出手段と同様に、第１の気体射出手段から射出する乾燥空気の角度を変更するようにしてもよい。
【００５５】
本実施の形態では、射出するのが乾燥された気体である乾燥空気であるため、洗浄により濡れた搬送用コンテナに対して射出することによって、効率的に搬送用コンテナの表面を乾燥させることができる。
【００５６】
なお、ここで射出する乾燥空気は、２５℃における水分が１％以下であればよく、これはコンプレッサーにより空気を圧縮したり、水分除去のフィルターを通したりすることで得ることができ、一旦、空気を圧縮した後、フィルター等により水分除去を行って得られた圧縮乾燥空気であることが好ましい。
【００５７】
（第４の実施の形態）
本実施の形態は、搬送用コンテナの洗浄及び乾燥の両方を行うことができる洗浄・乾燥装置に関するものである。ここでの洗浄・乾燥装置は、洗浄装置と乾燥装置の両方を併せて有するものとして構成すればよい。
【００５８】
洗浄装置としては、例えば、第１の実施の形態又は第２の実施の形態に示した洗浄装置を用い、乾燥装置としては、例えば、第３の実施の形態に示した乾燥装置及び／又は一般の加熱乾燥装置を用いればよい。
【００５９】
ここでの洗浄装置と乾燥装置は、それぞれ別の装置として設けて、洗浄、乾燥の順番で操作を行うようにしてもよいし、洗浄装置と乾燥装置を一体とし、射出口から洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができるようにしてもよい。
【００６０】
これは、第１の液体射出手段と第１の気体射出手段、第２の液体射出手段と第２の気体射出手段をそれぞれ１つの射出手段として構成したもの、すなわち、図１に示した洗浄装置と構成が同様であって、さらに、乾燥空気を射出することができるようにし、洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる第１の流体射出手段と、洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる第２の流体射出手段と、を有するようにすることで得ることができる。
【００６１】
（第５の実施の形態）
本実施の形態は、本発明の洗浄装置、乾燥装置又は洗浄・乾燥装置に、これとは別に、公知の加熱又は減圧による乾燥装置を用いたものである。
【００６２】
ここで用いる加熱による乾燥装置は、熱風加熱、高温加熱、遠赤外線加熱、マイクロ波加熱等の加熱方式を用いた乾燥装置であればよく、減圧による乾燥装置は、密閉下、減圧状態（好ましくは真空状態）にして乾燥させる装置であればよい。このように公知の方式による乾燥であれば、他の原理に基づくものであっても搬送用コンテナ全体を乾燥させるようにして、コンテナ付着した水分を除去する乾燥装置であれば用いることができる。
【００６３】
具体的には、本発明の洗浄装置＋加熱又は減圧による乾燥装置、本発明の洗浄装置＋本発明の乾燥装置＋加熱又は減圧による乾燥装置、本発明の洗浄・乾燥装置＋加熱又は減圧による乾燥装置、本発明の乾燥装置＋加熱又は減圧による乾燥装置の組合わせが挙げられる。
【００６４】
このように、本発明とは別に乾燥装置を設けることにより、より搬送用コンテナの乾燥を完全に行うことができ、また、本発明の乾燥装置では乾燥のし難い搬送用コンテナの底部裏面等も十分に乾燥することができる。
【図面の簡単な説明】
【００６５】
【図１】本発明の第１の実施形態における洗浄装置を示した斜視図
【図２】第１の液体射出手段３の動作の軌跡を示した図
【図３】洗浄操作における第１及び第２の液体射出手段と搬送用コンテナとの位置関係を示した図
【図４ａ】第１の液体射出手段の射出口が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を示した図
【図４ｂ】第１の液体射出手段の射出口が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を示した図
【図４ｃ】第１の液体射出手段の射出口が円弧状の軌跡を描くように移動できる機構を示した図
【図５ａ】図４ａに示した第１の液体射出手段により搬送用コンテナの側部の洗浄動作を示した図
【図５ｂ】図４ａに示した第１の液体射出手段により搬送用コンテナの底部の洗浄動作を示した図
【符号の説明】
【００６６】
１…洗浄装置、２…射出口、３…第１の液体射出手段、４…射出口、５…第２の液体射出手段、６…軌跡、１０…載置台、１１…固定軸、１２…射出口、１３…第１の液体射出手段、１４…クランクレバー、１５…クランクアーム、１６ａ，１６ｂ…ピン、１７…モータ、１８…クランク、２１…射出口、２２…液体射出手段、２３…モータ、２４…駆動側スプロケット、２５…チェーン
【特許請求の範囲】
【請求項１】
略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄する洗浄装置であって、
前記搬送用コンテナの底部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有する第１の液体射出手段と、
前記搬送用コンテナの側部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有し、前記射出口が前記搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の液体射出手段と、
前記第１及び第２の液体射出手段の射出口を搬送用コンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、
を有することを特徴とする搬送用コンテナの洗浄装置。
【請求項２】
前記搬送用コンテナの底部が開口を有して格子状に形成されており、前記第１の液体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナ底部の格子子に対して洗浄液及び純水を射出することを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項３】
前記第１の液体射出手段は、前記搬送用コンテナ底部の縦又は横の格子子と同数の射出口を有することを特徴とする請求項２記載の洗浄装置。
【請求項４】
前記第１の液体射出手段の射出口が、ノズルであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項５】
前記第１の液体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナの側部外面及び側部内面を洗浄する際には、鉛直方向下方に対して鋭角に洗浄液及び純水を射出し、前記搬送用コンテナの側部上面及び底部上面を洗浄する際には、鉛直方向下方に洗浄液及び純水を射出することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項６】
前記第１の液体射出手段の射出口が、円弧状の軌跡を描くように移動して射出角度を変更できることを特徴とする請求項５記載の洗浄装置。
【請求項７】
前記第１及び第２の液体射出手段は、第１の液体射出手段の射出口の整列方向に対して直交する方向及び上下方向に移動することができ、移動しながら搬送用コンテナの洗浄を行うことを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項８】
前記洗浄装置は、前記搬送用コンテナを支持しながら移動させることができるコンテナ移動手段を有し、該コンテナ移動手段により搬送用コンテナを移動させながら水平方向に固定され、上下方向に移動することができる第１及び第２の液体射出手段により搬送用コンテナの洗浄を行うことを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項９】
略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを乾燥する乾燥装置であって、
前記搬送用コンテナの底部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の気体射出手段と、
前記搬送用コンテナの側部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、前記射出口が前記搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の気体射出手段と、
前記第１及び第２の気体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、
を有することを特徴とする搬送用コンテナの乾燥装置。
【請求項１０】
前記搬送用コンテナの底部が開口を有して格子状に形成されており、前記第１の気体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナ底部の格子子に対して乾燥空気を射出することを特徴とする請求項９記載の乾燥装置。
【請求項１１】
前記第１の気体射出手段は、前記搬送用コンテナ底部の縦又は横の格子子と同数の射出口を有することを特徴とする請求項１０記載の乾燥装置。
【請求項１２】
前記第１の気体射出手段の射出口が、ノズルであることを特徴とする請求項９乃至１１のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１３】
前記第１の気体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナの側部外面及び側部内面を乾燥する際には、鉛直方向下方に対して鋭角に乾燥空気を射出し、前記搬送用コンテナの側部上面及び底部上面を乾燥する際には、鉛直方向下方に乾燥空気を射出することを特徴とする請求項９乃至１２のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１４】
前記第１の気体射出手段の射出口が、円弧状の軌跡を描くように移動して射出角度を変更できることを特徴とする請求項１３記載の乾燥装置。
【請求項１５】
前記第１及び第２の気体射出手段は、第１の気体射出手段の射出口の整列方向に対して直交する方向及び上下方向に移動することができ、移動しながら搬送用コンテナの乾燥を行うことを特徴とする請求項９乃至１４のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１６】
前記乾燥装置は、前記搬送用コンテナを支持しながら移動させることができるコンテナ移動手段を有し、該コンテナ移動手段により搬送用コンテナを移動させながら固定され、上下方向に移動することができる第１及び第２の気体射出手段により搬送用コンテナの乾燥を行うことを特徴とする請求項９乃至１４のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１７】
略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄及び乾燥する洗浄・乾燥装置であって、
前記搬送用コンテナの底部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の流体射出手段と、
前記搬送用コンテナの側部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、前記射出口が前記搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の流体射出手段と、
前記第１及び第２の流体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの洗浄・乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、
を有することを特徴とする搬送用コンテナの洗浄・乾燥装置。
【請求項１８】
前記搬送用コンテナの底部が開口を有して格子状に形成されており、前記第１の流体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナ底部の格子子に対して洗浄液及び純水を射出することを特徴とする請求項１７記載の洗浄装置。
【請求項１９】
前記第１の流体射出手段は、前記搬送用コンテナ底部の縦又は横の格子子と同数の射出口を有することを特徴とする請求項１８記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２０】
前記第１の流体射出手段の射出口が、ノズルであることを特徴とする請求項１７乃至１９のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２１】
前記第１の流体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナの側部外面及び側部内面を洗浄及び乾燥する際には、鉛直方向下方に対して鋭角に洗浄液、純水及び乾燥空気を射出し、前記搬送用コンテナの側部上面及び底部上面を洗浄する際には、鉛直方向下方に洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することを特徴とする請求項１７乃至２０のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２２】
前記第１の流体射出手段の射出口が、円弧状の軌跡を描くように移動して射出角度を変更することができることを特徴とする請求項２１記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２３】
前記第１及び第２の流体射出手段は、第１の流体射出手段の射出口の整列方向に対して直交する方向及び上下方向に移動することができ、移動しながら搬送用コンテナの洗浄及び乾燥を行うことを特徴とする請求項１７乃至２２のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２４】
前記洗浄・乾燥装置は、前記搬送用コンテナを支持しながら移動させることができるコンテナ移動手段を有し、該コンテナ移動手段により搬送用コンテナを移動させながら固定され、上下方向に移動することができる第１及び第２の流体射出手段により搬送用コンテナの洗浄及び乾燥を行うことを特徴とする請求項１７乃至２２のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２５】
請求項１乃至８のいずれか１項記載の洗浄装置と、請求項９乃至１６のいずれか１項記載の乾燥装置と、を有することを特徴とする洗浄・乾燥装置。
【請求項２６】
請求項１乃至８のいずれか１項記載の洗浄装置、請求項９乃至１６のいずれか１項記載の乾燥装置又は請求項１７乃至２５のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置と、加熱又は減圧による乾燥装置とを有することを特徴とする洗浄・乾燥装置。
【請求項１】
略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄する洗浄装置であって、
前記搬送用コンテナの底部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有する第１の液体射出手段と、
前記搬送用コンテナの側部に対して洗浄液及び純水を射出することができる複数の射出口を有し、前記射出口が前記搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の液体射出手段と、
前記第１及び第２の液体射出手段の射出口を搬送用コンテナの洗浄面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、
を有することを特徴とする搬送用コンテナの洗浄装置。
【請求項２】
前記搬送用コンテナの底部が開口を有して格子状に形成されており、前記第１の液体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナ底部の格子子に対して洗浄液及び純水を射出することを特徴とする請求項１記載の洗浄装置。
【請求項３】
前記第１の液体射出手段は、前記搬送用コンテナ底部の縦又は横の格子子と同数の射出口を有することを特徴とする請求項２記載の洗浄装置。
【請求項４】
前記第１の液体射出手段の射出口が、ノズルであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項５】
前記第１の液体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナの側部外面及び側部内面を洗浄する際には、鉛直方向下方に対して鋭角に洗浄液及び純水を射出し、前記搬送用コンテナの側部上面及び底部上面を洗浄する際には、鉛直方向下方に洗浄液及び純水を射出することを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項６】
前記第１の液体射出手段の射出口が、円弧状の軌跡を描くように移動して射出角度を変更できることを特徴とする請求項５記載の洗浄装置。
【請求項７】
前記第１及び第２の液体射出手段は、第１の液体射出手段の射出口の整列方向に対して直交する方向及び上下方向に移動することができ、移動しながら搬送用コンテナの洗浄を行うことを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項８】
前記洗浄装置は、前記搬送用コンテナを支持しながら移動させることができるコンテナ移動手段を有し、該コンテナ移動手段により搬送用コンテナを移動させながら水平方向に固定され、上下方向に移動することができる第１及び第２の液体射出手段により搬送用コンテナの洗浄を行うことを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項記載の洗浄装置。
【請求項９】
略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを乾燥する乾燥装置であって、
前記搬送用コンテナの底部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の気体射出手段と、
前記搬送用コンテナの側部に対して乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、前記射出口が前記搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の気体射出手段と、
前記第１及び第２の気体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、
を有することを特徴とする搬送用コンテナの乾燥装置。
【請求項１０】
前記搬送用コンテナの底部が開口を有して格子状に形成されており、前記第１の気体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナ底部の格子子に対して乾燥空気を射出することを特徴とする請求項９記載の乾燥装置。
【請求項１１】
前記第１の気体射出手段は、前記搬送用コンテナ底部の縦又は横の格子子と同数の射出口を有することを特徴とする請求項１０記載の乾燥装置。
【請求項１２】
前記第１の気体射出手段の射出口が、ノズルであることを特徴とする請求項９乃至１１のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１３】
前記第１の気体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナの側部外面及び側部内面を乾燥する際には、鉛直方向下方に対して鋭角に乾燥空気を射出し、前記搬送用コンテナの側部上面及び底部上面を乾燥する際には、鉛直方向下方に乾燥空気を射出することを特徴とする請求項９乃至１２のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１４】
前記第１の気体射出手段の射出口が、円弧状の軌跡を描くように移動して射出角度を変更できることを特徴とする請求項１３記載の乾燥装置。
【請求項１５】
前記第１及び第２の気体射出手段は、第１の気体射出手段の射出口の整列方向に対して直交する方向及び上下方向に移動することができ、移動しながら搬送用コンテナの乾燥を行うことを特徴とする請求項９乃至１４のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１６】
前記乾燥装置は、前記搬送用コンテナを支持しながら移動させることができるコンテナ移動手段を有し、該コンテナ移動手段により搬送用コンテナを移動させながら固定され、上下方向に移動することができる第１及び第２の気体射出手段により搬送用コンテナの乾燥を行うことを特徴とする請求項９乃至１４のいずれか１項記載の乾燥装置。
【請求項１７】
略矩形状の底部とその周囲に形成された搬送物の脱落を防止する側部とからなる搬送用コンテナを洗浄及び乾燥する洗浄・乾燥装置であって、
前記搬送用コンテナの底部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有する第１の流体射出手段と、
前記搬送用コンテナの側部に対して洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することができる複数の射出口を有し、前記射出口が前記搬送用コンテナの側部の垂直断面形状に対して略相似の形状に整列して形成されている第２の流体射出手段と、
前記第１及び第２の流体射出手段の射出口を、搬送用コンテナの洗浄・乾燥面に対して所定の距離を保持するように上下動させる高度調節手段と、
を有することを特徴とする搬送用コンテナの洗浄・乾燥装置。
【請求項１８】
前記搬送用コンテナの底部が開口を有して格子状に形成されており、前記第１の流体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナ底部の格子子に対して洗浄液及び純水を射出することを特徴とする請求項１７記載の洗浄装置。
【請求項１９】
前記第１の流体射出手段は、前記搬送用コンテナ底部の縦又は横の格子子と同数の射出口を有することを特徴とする請求項１８記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２０】
前記第１の流体射出手段の射出口が、ノズルであることを特徴とする請求項１７乃至１９のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２１】
前記第１の流体射出手段の射出口が、前記搬送用コンテナの側部外面及び側部内面を洗浄及び乾燥する際には、鉛直方向下方に対して鋭角に洗浄液、純水及び乾燥空気を射出し、前記搬送用コンテナの側部上面及び底部上面を洗浄する際には、鉛直方向下方に洗浄液、純水及び乾燥空気を射出することを特徴とする請求項１７乃至２０のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２２】
前記第１の流体射出手段の射出口が、円弧状の軌跡を描くように移動して射出角度を変更することができることを特徴とする請求項２１記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２３】
前記第１及び第２の流体射出手段は、第１の流体射出手段の射出口の整列方向に対して直交する方向及び上下方向に移動することができ、移動しながら搬送用コンテナの洗浄及び乾燥を行うことを特徴とする請求項１７乃至２２のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２４】
前記洗浄・乾燥装置は、前記搬送用コンテナを支持しながら移動させることができるコンテナ移動手段を有し、該コンテナ移動手段により搬送用コンテナを移動させながら固定され、上下方向に移動することができる第１及び第２の流体射出手段により搬送用コンテナの洗浄及び乾燥を行うことを特徴とする請求項１７乃至２２のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置。
【請求項２５】
請求項１乃至８のいずれか１項記載の洗浄装置と、請求項９乃至１６のいずれか１項記載の乾燥装置と、を有することを特徴とする洗浄・乾燥装置。
【請求項２６】
請求項１乃至８のいずれか１項記載の洗浄装置、請求項９乃至１６のいずれか１項記載の乾燥装置又は請求項１７乃至２５のいずれか１項記載の洗浄・乾燥装置と、加熱又は減圧による乾燥装置とを有することを特徴とする洗浄・乾燥装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４ａ】
【図４ｂ】
【図４ｃ】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図２】
【図３】
【図４ａ】
【図４ｂ】
【図４ｃ】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【公開番号】特開２００６−３１４８９８（Ｐ２００６−３１４８９８Ａ）
【公開日】平成１８年１１月２４日（２００６．１１．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１３８９６７（Ｐ２００５−１３８９６７）
【出願日】平成１７年５月１１日（２００５．５．１１）
【出願人】（３０１０５１９６５）株式会社アグルー・ジャパン (2)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１１月２４日（２００６．１１．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年５月１１日（２００５．５．１１）
【出願人】（３０１０５１９６５）株式会社アグルー・ジャパン (2)
【Ｆターム（参考）】
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