説明

減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置

【課題】一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置にも適用でき、排気速度が速くパーティクルの舞い上がりを抑制できる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる減圧排気弁10は、一端が前記真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路中に取付けられる減圧排気弁10において、前記減圧排気弁10が、前記排気路に接続される管部11と、前記管部内に収容された、前記排気路5を開閉する開閉弁12と、前記開閉弁12に設けられた、通気孔を有する多孔質体部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置に関し、特に多孔質体部を有する開閉弁を備えた減圧排気弁、及びこの減圧排気弁を組み込んだ減圧排気機構を備える減圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハもしくは液晶材料の製造工程において、例えばドライエッチング装置、スパッタ装置、CVD装置等の減圧装置が用いられている。これら装置における排気機構には、真空チャンバ内を減圧状態になす際の圧力緩衝を目的として、主排気路と並列にスロー排気路が設けられている。
【0003】
従来の減圧装置を図7に基づいて説明する。図7に示すように、従来の減圧装置31には、真空チャンバ32内を減圧する排気機構33が設けられている。
この排気機構33は、一端が真空チャンバ32に設けられた排気口35に連通し、他端が真空ポンプ36に連通する主排気路37と、一端が主排気路37を介して真空チャンバ32に連通し、他端が主排気路37を介して真空ポンプ36に連通するスロー排気路39とを備えている。
また、前記排気機構33は、前記主排気路37に設けた第1の開閉弁(メインバルブ)38と、このスロー排気路39に第1の開閉弁と並列に第2の開閉弁(スロー排気バルブ)40とを備えている。
更に、前記排気機構33は、前記排気口35に設けられた、排気時の圧力を緩衝するフィルター34を備えている。
【0004】
このような従来の減圧装置31にあっては、排気初期はスロー排気路39で緩やかに排気し、その後、主排気路37で一気に排気する。
しかし、前記排気口35にフィルター34が設置されているため、主排気路37で一気に排気する際、フィルター34が抵抗となり、排気速度が大幅に遅くなるという課題があった。
【0005】
これを解決する減圧装置として、図8に示す減圧装置41がある。この減圧装置41にあっては、一端が直接真空チャンバ32に連通し、他端が主排気路37を介して真空ポンプ36に連通するスロー排気路42とを備えている。そして、スロー排気口43にはフィルター34が取付けられている。
このように構成された減圧装置41にあっては、フィルター34、スロー排気口43、スロー排気路42を介して緩やかに排気し、その後、第2の開閉弁40,第1の開閉弁38を切換えて、主排気路37から一気に排気する。
そのため、この減圧装置41にあっては、主排気路37における排気速度を上げることができるが、排気口35とは別にスロー排気口41を設ける必要があり、多額な装置改造費がかかるという課題があった。
【0006】
なお、真空チャンバと真空ポンプを連通する主排気路と、この主排気路に並列にスロー排気路を設けたウエハ取扱システム(例えば、特許文献1参照)、さらに、スロー排気路に可変コンダクタンスバルブを設けた横型処理炉が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭61−228648号公報
【特許文献2】特開平7−235497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、本願出願人は、上記した課題を解決するために、図9に示すように、スロー排気路39に、円筒形状のシリカ多孔体からなるフィルター52を備える減圧装置51を提案している(特願2007−190462号)。
しかしながら、前記した従来の減圧装置及び本願出願人が提案した減圧装置は、主排気路とスロー排気路を前提としたものであった。
そのため、スロー排気路から主排気路に切換えた際、圧力変動が生じ、パーティクルが舞い上がることがあった。
また、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置に適用した場合、一つの排気路(主排気路)の排気口にフィルターを設けなければならず、排気速度が大幅に小さくなり、所定の真空度に到達するまでに長時間かかるという課題があった。しかも、常に排気口にフィルターが存在するため、フィルターが抵抗となり所定の真空度に到達し難いという課題があった。
このように前記したフィルターにあっては、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置には適用することは困難であった。
【0008】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置にも適用でき、排気速度が速くパーティクルの舞い上がりを抑制できる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するためになされた本発明にかかる減圧排気弁は、一端が真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路中に取付けられる減圧排気弁において、前記減圧排気弁が、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部とを備えることを特徴としている。
【0010】
このように、減圧排気弁が、管部と、前記管部内に収容された、排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた通気孔を有する多孔質体部とを備えるため、開閉弁を閉じた状態で、圧力を緩衝しつつ、緩やかに排気し、その後、開閉弁を開くことで一気に排気し、排気速度を上げることができる。
この減圧排気弁を用いることで、一つの排気路で、圧力を緩衝しつつ緩やかに排気でき、しかも開閉弁を開くことで排気速度を上げた排気を行うことができる。尚、この減圧排気機構は、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置だけに適用できるものではなく、スロー排気路、主排気路を備える減圧装置にも適用することができる。
【0011】
ここで、前記減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることが望ましい。
また、前記減圧排気弁の開閉弁が閉じた状態における排気流量が、1.3(KPa/s)〜2.6(KPa/s)であることが望ましい。
前記排気流量が1.3(KPa/s)未満の場合には、排気効率的に好ましくなく、一方、排気流量が2.6(KPa/s)を超える場合には、パーティクルの舞い上がりを抑制する効果が少なく、好ましくないためである。
【0012】
また、上記した目的を達成するためになされた本発明にかかる減圧装置は、真空チャンバと、この真空チャンバ内を減圧する排気機構を備えた減圧装置において、前記排気機構は、一端が前記真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路と、前記排気路中に取付けられた第1の減圧排気弁と、前記第1の減圧排気弁の上流側あるいは下流側の排気路中に取付けられた第2の減圧排気弁を有し、前記第1の減圧排気弁は、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する第1の開閉弁と、前記第1の開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部とを備え、前記第2の減圧排気弁は、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する第2の開閉弁とを備を備えることを特徴としている。
【0013】
このように、減圧排気機構は、通気孔を有する多孔質体部を備えた第1の減圧排気弁と、多孔質体部を有しない第2の減圧排気弁とを備えているため、第2の減圧排気弁を開き、第1の減圧排気弁を閉じた状態で、圧力を緩衝しつつ、緩やかに排気できる。
そして、第1,第2の減圧排気弁を開くことで一気に排気し、排気速度を上げることができる。
したがって、この減圧排気機構を用いることで、一つの排気路で、圧力を緩衝しつつ緩やかに排気する工程と、排気速度を上げて排気する工程とを実現することができる。
【0014】
ここで、前記第1の減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることが望ましい。
【0015】
また、前記第1の減圧排気弁が、前記排気路中に複数段設けられていることが望ましい。この減圧排気機構が排気路中に複数段設けられている場合には、圧力を緩衝した緩やかな排気工程を、排気速度の異なる複数の排気工程に分けて行うことができる。
【0016】
更に、前記第1の減圧排気弁が閉じた状態とし、かつ第2の減圧排気弁が開い状態にした場合における排気流量が、1.3(KPa/s)〜2.6(KPa/s)であることが望ましい。
排気流量が、1.3(KPa/s)未満の場合には、排気効率的に好ましくなく、一方、排気流量が、2.6(KPa/s)を超える場合には、パーティクルの舞い上がりを抑制する効果が少なく、好ましくないためである。
尚、第1の減圧排気弁が、排気路中に複数段設けられている場合であっても、排気流量が、1.3(KPa/s)〜2.6(KPa/s)の範囲にあることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、一つの排気路(主排気路)のみ有する減圧装置にも適用でき、排気速度が速くパーティクルの舞い上がりを抑制できる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態にかかる減圧排気弁及びこの減圧排気弁を含む減圧排気機構を用いた減圧装置について、図1乃至図3に基づいて説明する。
尚、図1は本発明にかかる減圧装置の概略構成図、図2は本発明にかかる減圧排気弁を示す正面図であって、開閉体が閉じた状態を示す図、図3は本発明にかかる減圧排気弁を示す正面図であって、開閉弁が開いた状態を示す図である。
【0019】
図1に示すように、本発明にかかる減圧装置1は、真空に減圧され処理室となる真空チャンバ2を備え、更にこの真空チャンバ2を真空に減圧する排気機構3を備えている。尚、図示しないが、前記減圧排気弁10の前段(上流側)あるいは後段(下流側)に従来技術で用いられバルブ38が配置されている。
【0020】
前記排気機構3は、一端が真空チャンバ2の底部に設けられた排気口2aを介して真空チャンバ2に連通し、他端が真空ポンプ4に連通する排気路5と、前記排気路5中に取付けられる減圧排気弁10とを備えている。
【0021】
この減圧排気機構10は、図2、図3に示すように、排気路5に接続される管部11と、前記管部11の内部に回動可能に収容され、前記排気路5を開閉する円板状の開閉弁12と、前記開閉弁12に設けられた、円板状の通気孔を有する多孔質体部13とを備えている。即ち、前記多孔質体部13の外周部を、輪状のリング部12aの内周部が把持することによって、開閉弁12が構成されている。
【0022】
また、前記リング部12aの背面には、回動軸14が取付けられている。この回動軸14は、排気路5(管部11)の軸線に対して垂直に、かつ管部11に対して回動可能に取付けられている。
この回動軸14の端部にはギヤ部14aが形成され、管部11の外部において、駆動軸15の端部に形成されたギヤ部15aと噛合している。即ち、前記駆動軸15をモータ等の駆動手段(図示せず)によって、回転させることにより、前記回動軸24を回動させ、開閉弁12を回動させ、排気路5(管部11)の開閉を行うように構成されている。
尚、前記回動軸14のギヤ部14a及び駆動軸15のギヤ部15aは、ケーシング16内に収容されている。
【0023】
更に、多孔質体部13について説明する。
この多孔質体部13は、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることが望ましい。このようなセラミックス多孔質体の製造は、本出願人が先に出願した特開2000−264753号公報、特開2003−238267号公報に記載した方法により製造することができる。
ここで、前記多孔質体部を製造する原料としては、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ムライト、コーディエライト、シリカ、水酸化アパタイトなどの他、金属製多孔体などの種々の材料を採用することができるが、これらの内、特に耐食性および機械的特性に優れている炭化ケイ素が好ましい。
【0024】
また、平均気孔径が5〜90μm、気孔率は30〜65%であるのが好ましい。
特に、炭化ケイ素の場合、平均気孔径30〜90μm、気孔率55〜65%が好ましい。具体的には、水銀ポロシメーターを用いて測定(JIS R1634 1998に基づく)した気孔の平均気孔径が30μm以上90μm以下であって、前記気孔が10μm以上20μm以下(SEM観察に基づく)の連通孔で連通する三次元網目状の骨格構造を有しているのが好ましい。
また、この気孔率(サンプルを特定体積に機械加工し、この重量を測定することで、前記体積、重量及びSiC密度:3.21g/cm3より算出)は55%以上、65%未満に形成されているのが好ましい。
尚、前記平均気孔径、気孔率は、製造工程における原料粉、攪拌起泡条件を調整することによって可変することができ、所望の平均気孔径、気孔率を有するセラミックス多孔質焼結体を得ることができる。
【0025】
次に減圧装置の作用について説明する。図1、図2に示すように、処理室となる真空チャンバ2を減圧する場合、減圧開始時は、排気路5に設けた減圧排気機構10の開閉弁12を閉じた状態になし、真空ポンプ4を運転する。真空チャンバ2中のガスは、排気口2a、排気路5、減圧排気弁10の多孔質体部13を介して真空ポンプ4に流れ、真空チャンバ2内は減圧される。
【0026】
このとき、減圧排気弁10の多孔質体部13の外径が25mm、平均気孔径が5〜90μm、気孔率は30〜65%と適度なガス通気抵抗に設定されているので、真空チャンバ2内の急激な減圧が避けられて、パーティクルの舞い上がりが抑制され、緩やかに減圧を行うことができる。
【0027】
そして、この緩やかな減圧工程の後、駆動軸15を回転させ、前記回動軸14を回動させることにより、開閉弁12を回動させて、開閉弁12を開く。
そして、この開閉弁12の開放により、減圧排気弁10の多孔質体部13の緩衝作用が弱められ、排気速度の速い状態での排気が行なわれる。
【0028】
次に本発明にかかる減圧装置の第2、第3の実施形態を図4及び図5に基づいて説明する。
図4に示す第2の実施形態は、前記減圧排気弁10が、排気路5中に複数段設けられているものである。このように、複数の減圧排気弁10が排気路5中に設けられている場合には、排気速度を細かく調整することができる。
【0029】
また、図5に示す第3の実施形態は、前記減圧排気弁10の前段に開閉バルブ20を配置したものである。このバルブ20としてはバタフライバルブを挙げることができる。
【0030】
尚、上記実施形態にあっては、減圧排気弁を、排気路を一つしか有しない減圧装置に搭載した場合を例にとって説明したが、従来のように二つの排気路を備える減圧装置にも、当然に搭載することができる。
【実施例】
【0031】
平均粒径0.5μmのSiC粉末100重量部、液体媒質としてイオン交換水45重量部、気泡剤としてラウリル硫酸トリエタノールアミン1重量部、焼結助剤としてカーボンブラック1重量部及び平均粒径1.4μmのB4C粉末0.2重量部並びにゲル化主剤としてポリエチレンイミン5重量部を攪拌機で混合攪拌しながら空気を導入して泡立て、泡状のスラリーを調整した。
【0032】
次に、泡状のスラリーを攪拌しながら、これにゲル化副剤としてエポキシ樹脂1重量部を添加し、型に鋳込み、3時間経過すると、ゲル化が十分に進行し、ゲル化体となった。
次いで、ゲル化体を型から取り出し、60℃の温度で数日間乾燥して成形体(乾燥体)を得た。得られた成形体は、ほぼ球形状の多数の気孔の隣接するもの同士が連通孔を介して互いに連通する三次元網目状の骨格構造を有していた。
【0033】
次に、成形体をArガス雰囲気において1780℃の温度で1時間加熱(仮焼成)して仮焼成体とし、これをダイヤモンド砥石を用いて加工し直径30mm、厚さ5mmの円盤形状の仮焼成を得た。
【0034】
次に、仮焼成体をArガス雰囲気において2100℃の温度で1時間焼成して焼成体とした。
この炭化ケイ素多孔質焼結体(セラミックス多孔質焼結体)の平均気孔径は、80μm、気孔率は60%であった。
【0035】
その後、図1に示すような一つの排気路のみを有する減圧装置を用いて、真空チャンバの排気口に前記炭化ケイ素多孔質焼結体(セラミックス多孔質焼結体)からなるフィルターを配置した場合(比較例1)と、前記排気路中に、前記炭化ケイ素多孔質焼結体(セラミックス多孔質焼結体)を用いた本発明にかかる減圧排気弁を配置した場合(実施例1)における到達真空度及び所要時間を計測した。
【0036】
また、比較例1における炭化ケイ素多孔質焼結体(フィルター)は、外径、25mm、厚さ5mmとし、この多孔質焼結体を枠体に嵌め込み、内径40mmの排気口に取付けた。
【0037】
一方、実施例1における減圧排気弁の多孔質部は、前記比較例1と同様に、外径、25mm、厚さ5mmとし、この多孔質部をリング部に嵌め込み、内径40mmの管路内に取付けた。
更に、排気路(排気管)の内径は40mmであり、真空ポンプは、7000リットル/分の性能を有しているものを用いた。
【0038】
また、実施例1にあっては、真空度が500Torrに達した際、開閉弁を6度回転した状態まで弁を開き、真空度が200Torrに達した際、開閉弁を8度回転した状態まで弁を開く。更に、真空度が50Torrに達した際、開閉弁を12度回転した状態まで弁を開き、真空度が10Torrに達した際、開閉弁を全開(90度回転した状態)することとした。
その結果を図6に示す。
【0039】
比較例1の場合、排気ガスは常時フィルターを通過するため、パーティクルの舞い上がりはないものの排気時間が非常にかかり、更には、真空チャンバ内の真空度も数十Torrまでしか到達しないため、排気路を一つしか有しない減圧装置への搭載は困難であることが確認された。
【0040】
これに対して、実施例1の場合には、真空度が500Torrに達するまで、パーティクルの舞い上がりはなかった。開閉弁を6度回転した際、パーティクルの舞い上がりが多少認められたが、開閉弁全開した際のパーティクルの舞い上がりに比べて、パーティクルの舞い上がりが抑制されているのが確認された。
このように、パーティクルが舞わない程度に開閉弁の開閉度を随時調節することができ、また開閉弁の開閉時期を調節することもができる。しかも、比較例1に比べて排気時間を短縮することができることが確認された。また、到達真空度に関しても比較例1に比べて高真空度が得られることが確認された。
このように、実施例1の場合には、排気路を一つしか有しない減圧装置への搭載に適していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は本発明にかかる減圧装置の概略構成図である。
【図2】図2は本発明にかかる減圧排気弁を示す正面図であって、弁体が閉じた状態を示す図である。
【図3】図3は本発明にかかる減圧排気弁を示す正面図であって、弁体が開いた状態を示す図である。
【図4】図4は本発明にかかる第2の実施形態を示す側面図である。
【図5】図5は本発明にかかる第3の実施形態を示す側面図である。
【図6】図6は実施例1と比較例1との実験結果を示す真空度及び到達時間を表した図である。
【図7】図7は、従来の減圧装置を示す概略構成図である。
【図8】図8は、他の従来の減圧装置を示す概略構成図である。
【図9】図9は、本願出願人が先に提案した減圧装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0042】
1 減圧装置
2 真空チャンバ
2a 排気口
3 排気機構
4 真空ポンプ
5 排気路
10 減圧排気弁
11 管部
12 開閉弁
12a リング部
13 多孔質体部
14 回動軸
14a ギヤ部
15 駆動軸
15a ギヤ部
16 ケーシング
20 開閉バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路中に取付けられる減圧排気弁において、
前記減圧排気弁が、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する開閉弁と、前記開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部とを備えることを特徴とする減圧排気弁。
【請求項2】
前記減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることを特徴とする請求項1記載の減圧排気弁。
【請求項3】
前記減圧排気弁の開閉弁が閉じた状態における排気流量が、1.3(KPa/s)〜2.6(KPa/s)であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の減圧排気機構。
【請求項4】
真空チャンバと、この真空チャンバ内を減圧する排気機構を備えた減圧装置において、
前記排気機構は、一端が前記真空チャンバに連通し、他端が真空ポンプに連通する排気路と、前記排気路中に取付けられた第1の減圧排気弁と、前記第1の減圧排気弁の上流側あるいは下流側の排気路中に取付けられた第2の減圧排気弁を有し、
前記第1の減圧排気弁は、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する第1の開閉弁と、前記第1の開閉弁に設けられた、通気孔を有する多孔質体部とを備え、
前記第2の減圧排気弁は、前記排気路に接続される管部と、前記管部内に収容された、前記排気路を開閉する第2の開閉弁とを備を備えることを特徴とする減圧装置。
【請求項5】
前記第1の減圧排気弁の多孔質体部が、攪拌起泡によって形成されたセラミックス多孔質焼結体であることを特徴とする請求項4記載の減圧装置。
【請求項6】
前記第1の減圧排気弁が、前記排気路中に複数段設けられていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の減圧装置。
【請求項7】
前記第1の減圧排気弁が閉じた状態とし、かつ第2の減圧排気弁が開い状態にした場合における排気流量が、1.3(KPa/s)〜2.6(KPa/s)であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の減圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−287582(P2009−287582A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137402(P2008−137402)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(507182807)コバレントマテリアル株式会社 (506)
【Fターム(参考)】