説明

測定装置

【課題】被検物を高精度に測定する。
【解決手段】測定装置11の傾斜回転テーブル14は、被検物が載置され、回転軸L1を中心に回転駆動する回転テーブル21と、回転テーブル21が回転可能に装着され、水平方向に延びる傾斜軸L2を中心に傾斜駆動する傾斜テーブル22を備える。また、傾斜回転テーブル14は、傾斜テーブル22に対する回転テーブル21の変位を測定する変位センサ31乃至33と、傾斜テーブルの鉛直方向の変位を測定する変位センサ34を備える。本発明は、例えば、傾斜回転テーブルを有する測定装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関し、特に、被検物を高精度に測定することができるようにした測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、被検物の形状を二次元または三次元で測定する測定機では、被検物の姿勢を回転させたり傾斜させたりすることで、任意の方向からの測定を行うことができる。このような測定機では、被検物を回転または傾斜させるために、1軸の回転軸を有する回転テーブルや、2軸の回転軸および傾斜軸を有する傾斜回転テーブルを備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被検物が載置されるテーブル面を回転させる回転テーブルと、回転テーブルを傾斜させる支持台とを備えた傾斜回転テーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−138275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、傾斜回転テーブルを備える測定装置では、被検物の重量や重心位置の偏りなどにより、傾斜軸または回転軸を支持する支持部において微小な変位(ズレやブレなど)が発生することがあり、この変位により被検物の位置が、本来あるべき位置から乖離することがある。そして、このような微小な変位によって測定誤差が発生することで、測定精度が低下することになり、被検物を高精度に測定することが困難であった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、被検物を高精度に測定することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の測定装置は、被検物の三次元的な形状を測定する測定装置であって、前記被検物が載置され、所定の回転軸を中心に回転駆動する回転テーブルと、前記回転テーブルが回転可能に装着され、水平方向に延びる傾斜軸を中心に傾斜駆動する傾斜テーブルと、前記傾斜テーブルに対する前記回転テーブルの変位を測定する第1の変位測定手段と、前記傾斜テーブルの鉛直方向の変位を測定する第2の変位測定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の測定装置においては、所定の回転軸を中心に回転駆動する回転テーブルに被検物が載置され、水平方向に延びる傾斜軸を中心に傾斜駆動する傾斜テーブルにより回転テーブルが回転可能に装着されており、第1の変位測定手段により、傾斜テーブルに対する回転テーブルの変位が測定され、第2の変位測定手段により、傾斜テーブルの鉛直方向の変位が測定される。これにより、第1および第2の変位測定手段による測定結果に基づいて、回転テーブルおよび傾斜テーブルの変位が解消されるように測定結果を補正することができ、被検物を高精度に測定することができる。
【0009】
また、第2の変位測定手段を、回転テーブルの回転軸と傾斜テーブルの傾斜軸との交点の鉛直方向の略直下に配設することができる。このような配置により、数少ないセンサで有効に変位を測定することができる。
【0010】
また、回転テーブルの回転軸は、傾斜テーブルの両端を支持する支持部どうしの略中間に配置することができる。また、第1の変位測定手段は、回転テーブルの回転軸を中心とした円周に沿って略等間隔となる少なくとも3箇所に配設することができる。これにより、効率的に測定を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の測定装置によれば、被検物を高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した測定装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】測定装置の傾斜回転テーブルの三面図である。
【図3】所定の傾斜角度で傾斜している回転テーブル上の被検物の測定について説明する図である。
【図4】測定装置を制御する制御装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明を適用した測定装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、測定装置11は、測定装置11全体の水平度を調整することができる架台12に、石製または鋳鉄製の定盤13が載置され、水平に保たれた定盤13の上面に傾斜回転テーブル14が載置されている。
【0016】
定盤13は、端部(図1では右側の端部)が、定盤13上をY軸方向(図1の奥行き方向)に駆動可能な門型フレーム15のY軸ガイドを兼ねるように形成されている。門型フレーム15は、X軸方向(図1の左右方向)に延びるX軸ガイド15a、定盤13のY軸ガイドに沿って駆動する駆動側柱15b、および駆動側柱15bの駆動に従って定盤13の上面を滑動する従動側柱15cにより構成されている。
【0017】
ヘッド部16は、門型フレーム15のX軸ガイド15aに沿って駆動可能であり、ヘッド部16に対してZ軸方向(図1の上下方向)に駆動可能なZ軸ガイド17が装着されている。Z軸ガイド17の下端部には、測定プローブ18が装着されており、測定プローブ18は、Z軸を中心に回動可能、かつ、水平方向の所定軸を中心に傾動可能に構成されている。
【0018】
このように、測定装置11では、門型フレーム15、ヘッド部16、およびZ軸ガイド17を駆動させることで、測定プローブ18を、X方向、Y方向、およびZ方向のそれぞれに自在に動かすことができ、測定プローブ18を回動および傾動させることで、測定プローブ18の先端を任意の方向に向けることができる。
【0019】
傾斜回転テーブル14は、被検物(例えば、後述する図3の被検物41)が上面に載置される回転テーブル21、回転軸L1を中心として回転テーブル21が回転可能に装着される傾斜テーブル22、並びに、X軸方向に延びる傾斜軸L2を中心に傾斜テーブル22を回転可能に支持する支持部23および24を備えて構成される。
【0020】
傾斜テーブル22は、回転軸駆動モータ22aを内蔵しており、回転軸駆動モータ22aが回転テーブル21を回転駆動させる中心となる軸が、回転軸L1である。また、支持部23は、傾斜軸駆動モータ23aを内蔵しており、傾斜軸駆動モータ23aは、傾斜軸L2を中心として傾斜テーブル22を回転駆動することで、回転テーブル21を水平面に対して所定の傾斜角度で傾斜させる。
【0021】
このように、傾斜回転テーブル14では、回転テーブル21を回転させ、傾斜テーブル22を傾斜させることで、回転テーブル21に載置される被検物を任意の姿勢で保持することができる。なお、回転テーブル21は、傾斜テーブル22の傾斜角度が急勾配になっても被検物がずれないように、被検物を固定することができるように構成されている。
【0022】
そして、測定装置11では、回転テーブル21に載置される被検物の姿勢が所定の傾斜角度および傾斜方向で保持され、任意の方向から測定プローブ18を被検物に当接させることで、被検物の三次元形状が測定される。
【0023】
また、傾斜回転テーブル14は、回転テーブル21のテーブル面(被検物が載置される回転テーブル21の上面)が、回転軸L1に直交するように設計される。しかしながら、傾斜回転テーブル14では、回転テーブル21が傾斜テーブル22に対して回転可能に支持されているため、回転テーブル21に載置される被検物の重量や重心位置の偏りなどによって、その回転支持部(例えば、ボールベアリングなど)を中心として、回転テーブル21のテーブル面が、回転軸L1に直交する面に対して微小に変位する(以下、適宜、面ブレと称する)ことがある。
【0024】
また、傾斜テーブル22は、支持部23および24に対して回転可能に支持されているため、傾斜テーブル22の両端の回転支持部において微小に変位することがあり、回転テーブル21に載置される被検物の重量により、鉛直方向であるZ方向の下方に、傾斜テーブル22全体がズレること(以下、適宜、沈み込みと称する)がある。
【0025】
このように、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みが発生することによって、回転テーブル21を回転させたり、傾斜テーブル22を傾斜させたときに、被検物の位置が変化(即ち、本来あるべき位置からの乖離が発生)してしまい、この位置の変化により測定誤差が発生することが考えられる。
【0026】
そこで、測定装置11は、このような被検物の位置の変化を解消する(即ち、変化量を0とする)補正を行うために、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みを測定する複数のセンサ(図2の変位センサ31乃至34)を傾斜回転テーブル14に設けるとともに、それらのセンサにより測定された変位に基づいて被検物の測定値を補正する補正手段(図4の位置補正部58)を有する制御装置51を備えている。
【0027】
即ち、測定装置11では、傾斜回転テーブル14に設けられた複数のセンサの出力に基づいて、制御装置51により、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みによる被検物の位置の変化が解消されるような補正が行われる。
【0028】
次に、図2を参照して、傾斜回転テーブル14に設けられた複数のセンサについて説明する。図2には、傾斜回転テーブル14の三面図が示されている。
【0029】
図2に示すように、傾斜回転テーブル14には、回転テーブル21の面ブレを測定するための3つの変位センサ31乃至33と、傾斜テーブル22の沈み込みを測定する変位センサ34とが備えられており、変位センサ31乃至34は、測定結果を制御装置51に出力する。また、変位センサ31乃至34としては、例えば、高周波電磁界を利用して渦電流を発生させ、発振状態の変化により間隔(距離)を測定するセンサを使用することができる。
【0030】
変位センサ31乃至33は、回転テーブル21の回転中心である回転軸L1を中心とした円周に沿って等間隔となるように、傾斜テーブル22の上面に配設されている。また、変位センサ31乃至33は、測定部である上端面と回転テーブル21の下面とが所定の間隔となるように、回転テーブル21の下方に配置されており、回転テーブル21の下面との間隔を測定する。
【0031】
例えば、傾斜回転テーブル14は、回転テーブル21に被検物が載置されていない状態であり、かつ、回転テーブル21が水平である状態で、変位センサ31乃至33ぞれぞれの上端面と回転テーブル21の下面とが同一の間隔となるように設計される。そして、被検物が載置されることにより、上述したように回転テーブル21の面ブレが発生すると、変位センサ31乃至33それぞれの上端面と回転テーブル21の下面との間隔が変化し、それぞれの間隔が変位センサ31乃至33により測定される。
【0032】
ここで、回転テーブル21は、自身の変形を無視できるように十分に高い剛性(平面性および捻れに対する剛性)を有するものとされており、回転テーブル21に被検物が載置されると、回転テーブル21の軸部を回転可能に支持する傾斜テーブル22内のガイド22b(ベアリングなど)を中心として面ブレが発生し、変位センサ31乃至33により測定される間隔が変化する。従って、変位センサ31乃至33による3点での測定により規定される一つの平面を、面ブレが発生した状態での回転テーブル21のテーブル面とみなすこと、即ち、回転テーブル21に発生した面ブレを把握することができる。
【0033】
また、変位センサ34は、支持部23および24が両側に配置される基台35の上面に配設されており、回転テーブル21の回転軸L1と傾斜テーブル22傾斜軸L2との交点の真下に配置される。例えば、回転テーブル21のテーブル面が水平とされているとき、変位センサ34は、回転軸L1の鉛直方向下方に配置される。
【0034】
ここで、傾斜回転テーブル14は、回転テーブル21の回転軸L1が、傾斜テーブル22の軸部を回転可能に支持する支持部23および24内のガイド23bおよび24b(ベアリングなど)の中間に配置されるように構成されており、従って、変位センサ34は、その中間における傾斜テーブル22の沈み込みを測定する。即ち、変位センサ34からガイド23bまでの距離と、変位センサ34からガイド24bまでの距離とが等しくなるように、変位センサ34は配置される。
【0035】
さらに、傾斜テーブル22の下面は、図2の側面図に示すように、傾斜軸L2を中心とした半円形状の曲面となっており、傾斜テーブル22を傾動させても、変位センサ34の測定部である上端面と、傾斜テーブル22の下面との間隔は一定である。
【0036】
そして、回転テーブル21に被検物が載置され、傾斜テーブル22に沈み込みが発生すると、変位センサ34の上端面と傾斜テーブル22の下面との間隔が狭くなり、その間隔が変位センサ34により測定される。
【0037】
このように、傾斜回転テーブル14では、変位センサ31乃至33により回転テーブル21の面ブレが測定されるとともに、変位センサ34により傾斜テーブル22の沈み込みが測定される。そして、変位センサ31乃至34の測定結果に基づいて、図4を参照して後述するように、制御装置51が被検物の変位を解消するような補正をすることができ、高精度な測定を行うことができる。
【0038】
次に、図3を参照して、所定の傾斜角度で傾斜している回転テーブル21上の被検物41を、測定プローブ18を使用して測定する例について説明する。
【0039】
例えば、図3において右下を向く被検物41の側面42に測定プローブ18を当接させて側面42を測定した後、回転テーブル21を90度回転させて、図3において手前側を向いている被検物41の側面43を右下に向け、側面42と同様に側面43を測定する場合、回転テーブル21の回転に伴って被検物41の姿勢が変化する。このため、被検物41の重心の偏りに応じて重心位置が変化することにより、回転テーブル21の面ブレが発生したり、傾斜テーブル22の沈み込みが発生したりする。
【0040】
従って、測定装置11では、回転テーブル21を回転させるたびに、変位センサ31乃至34による測定を行う。そして、回転テーブル21の回転の前後において変位センサ31乃至34による測定値が変化していれば、それらの測定値の変化量に基づいて、測定プローブ18による測定結果が補正される。つまり、測定プローブ18による測定結果が、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みを解消するように補正、即ち、面ブレおよび沈み込みにより発生した間隔の変化量が0になるように補正される。
【0041】
また、図3において右上を向く被検物41の側面44を測定するときに、傾斜テーブル22を傾動させると、回転テーブル21の姿勢変化に伴う重心位置の移動によって、回転テーブル21の面ブレが発生したり、傾斜テーブル22の沈み込みが発生したりする。従って、測定装置11では、回転テーブル21を回転時と同様に、傾斜テーブル22を傾動させるたびに、変位センサ31乃至34の測定結果に基づいて、測定プローブ18による測定結果が補正される。
【0042】
このように、測定装置11では、変位センサ31乃至34の測定結果に基づいて測定プローブ18による測定結果を補正することで、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みによる悪影響が測定プローブ18による測定結果に反映されることを回避することができ、誤差の少ない高精度な測定をすることができる。
【0043】
また、測定装置11では、図2に示すように、回転テーブル21のテーブル面が水平のときの回転軸L1の鉛直方向下方に変位センサ34が配置されているので、少ないセンサ数で傾斜テーブル22の沈み込みを有効に測定することができる。
【0044】
また、測定装置11では、傾斜テーブル22の両端がガイド23bおよび24bにより支持され、ガイド23bおよび24bの中間地点に回転軸L1が配置されるように構成されているので、回転テーブル21に被検物41を載置したときの傾斜テーブル22の変位は鉛直方向の下方だけに限定される。これにより、ガイド23bおよび24bの中間地点に変位センサ34を1つだけ配置するだけで、傾斜テーブル22の変位を測定することができる。
【0045】
また、変位センサ31乃至33が、回転テーブル21の回転中心である回転軸L1を中心とした円周に沿って等間隔となるように配設されているので、回転テーブル21の面ブレを容易に測定することができる。
【0046】
このように、測定装置11では、変位センサ31乃至34が適切に配置されており、必要最低限なセンサ個数で、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みを測定することができる。従って、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みの測定を効率よく行うことができるとともに、測定装置11を低コストで構成することができる。
【0047】
次に、図4は、図1の測定装置11を制御する制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0048】
図4の制御装置51では、X軸カウント部52が、図1のヘッド部16が有するX軸エンコーダ(図示せず)に接続されており、ヘッド部16がX軸ガイド15aに沿って駆動するのに応じてX軸エンコーダから出力されるシグナルを計数し、その結果を示すカウント値を位置決定部57に供給する。同様に、Y軸カウント部53は、門型フレーム15のY軸方向への駆動に応じたカウント値を位置決定部57に供給し、Z軸カウント部54は、Z軸ガイド17のZ軸方向への駆動に応じたカウント値を位置決定部57に供給する。
【0049】
また、θ軸カウント部55は、回転テーブル21の回転に応じたカウント値を位置決定部57に供給し、γ軸カウント部56は、傾斜テーブル22の傾斜に応じたカウント値を位置決定部57に供給する。
【0050】
位置決定部57は、X軸カウント部52、Y軸カウント部53、Z軸カウント部54、θ軸カウント部55、およびγ軸カウント部56からそれぞれ供給されるカウント値などに基づいて、被検物41に当接される測定プローブ18の先端の位置を決定する。そして、位置決定部57は、測定プローブ18の先端位置を示す座標情報を位置補正部58に供給する。
【0051】
また、変位センサ入力部59には、変位センサ31乃至34による測定結果が入力される。即ち、変位センサ入力部59には、変位センサ31乃至33と回転テーブル21の下面との間隔を示す測定値が入力されるとともに、変位センサ34と傾斜テーブル22の下面との間隔を示す測定値が入力される。変位センサ入力部59は、それらの測定結果を位置補正部58に供給する。
【0052】
位置補正部58は、変位センサ入力部59から供給される変位センサ31乃至34による測定結果に基づいて、位置決定部57から供給される測定プローブ18の先端位置を示す座標情報を補正し、その補正後の測定結果を測定結果記録部60に記録する処理を行う。
【0053】
上述したように、測定装置11では、回転テーブル21を回転させるたびに、および、傾斜テーブル22を傾動させるたびに、変位センサ31乃至34による測定が行われ、回転テーブル21の回転または傾斜テーブル22の傾動の前後で測定値が変化した場合、位置補正部58は、それらの測定値の変化量に基づいて、回転テーブル21の面ブレおよび傾斜テーブル22の沈み込みが解消されるように、測定プローブ18の先端位置を示す座標情報を補正する。
【0054】
キーボードやマウスなどからなる操作部61は、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部64に供給し、CRTやLCDなどからなる表示部62は、制御部64の制御に従い、位置補正部58により出力される測定結果や各種のメッセージなどを表示する。
【0055】
制御部64は、例えば、被検物41を測定する際に補正を行うか否かを確認するメッセージを表示部62に表示させ、ユーザの操作に応じて操作部61から供給される操作信号に基づいて、制御装置51の各部を制御する。駆動部63は、制御部64の制御に従って、回転軸駆動モータ22aおよび傾斜軸駆動モータ23aと、門型フレーム15、ヘッド部16、およびZ軸ガイド17のそれぞれを駆動する駆動手段とを駆動して、測定プローブ18の先端を被検物41に当接させ、被検物41の三次元形状の測定を行う。
【0056】
以上のように、制御装置51は構成されており、所定の傾斜角度で傾斜している回転テーブル21上の被検物41の三次元形状を測定する際に、位置補正部58が、変位センサ31乃至34による測定結果に基づいて被検物41の測定結果を補正するので、高精度で測定を行うことができる。
【0057】
なお、測定装置11による被検物41の測定方法としては、レーザプローブや画像プローブを使用した光学的な測定方法を採用することができる。
【0058】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
11 測定装置, 12 架台, 13 定盤, 14 傾斜回転テーブル, 15 門型フレーム, 16 ヘッド部, 17 Z軸ガイド, 18 測定プローブ, 21 回転テーブル, 22 傾斜テーブル, 22a 回転軸駆動モータ, 23および24 支持部, 23a 傾斜軸駆動モータ, 31乃至34 変位センサ, 35 基台, 41 被検物, 51 制御装置, 52 X軸カウント部, 53 Y軸カウント部, 54 Z軸カウント部, 55 θ軸カウント部, 56 γ軸カウント部, 57 位置決定部, 58 位置補正部, 59 変位センサ入力部, 60 測定結果記録部, 61 操作部, 62 表示部, 63 駆動部, 64 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物の三次元的な形状を測定する測定装置において、
前記被検物が載置され、所定の回転軸を中心に回転駆動する回転テーブルと、
前記回転テーブルが回転可能に装着され、水平方向に延びる傾斜軸を中心に傾斜駆動する傾斜テーブルと、
前記傾斜テーブルに対する前記回転テーブルの変位を測定する第1の変位測定手段と、
前記傾斜テーブルの鉛直方向の変位を測定する第2の変位測定手段と
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記第2の変位測定手段は、前記回転テーブルの回転軸と前記傾斜テーブルの傾斜軸との交点の鉛直方向の略直下に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記回転テーブルの回転軸は、前記傾斜テーブルの両端を支持する支持部どうしの略中間に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1の変位測定手段は、前記回転テーブルの回転軸を中心とした円周に沿って略等間隔となる少なくとも3箇所に配設される
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の測定装置。
【請求項5】
前記第1の変位測定手段および前記第2の変位測定手段により測定された変位に基づいて、前記被検物の測定値を補正する補正手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−21962(P2011−21962A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166400(P2009−166400)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】