説明

炭素−炭素結合又は炭素−ヘテロ原子結合の形成方法

本発明は、離脱基を有する不飽和化合物と求核性化合物とを反応させることによる、炭素−炭素結合又は炭素−ヘテロ原子結合の形成方法に関する。更に特に、本発明は、窒素系有機誘導体のアリール化を含む、炭素−窒素結合の形成に関する。本発明方法は、離脱基を有する不飽和化合物とこの離脱基に置換し、そうしてC−C結合又はC−HE結合を作ることができる炭素原子又はヘテロ原子(HE)を提供する求核性化合物とを反応させることにより、炭素−炭素結合又は炭素−ヘテロ原子結合を形成することからなる。本発明は、この反応を、有効量の銅をベースにする触媒並びに少なくとも1種の、少なくとも1個のイミン官能基及び少なくとも1個の、キレート化原子としての追加窒素原子を含有する配位子の存在下で行うことを特徴とする。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱離基を有する化合物と、炭素原子又はヘテロ原子(HE)を有する求核性化合物(上記求核性化合物は上記脱離基に置換してC−C結合又はC−HE結合を作ることができる。)とを反応させることにより、炭素−炭素結合又は炭素−ヘテロ原子結合を形成する方法であって、上記反応は、有効量の銅ベース触媒及び少なくとも1種の配位子(上記配位子は少なくとも1個のイミン官能基及びキレート原子としての少なくとも1個の補充窒素原子を有する。)の存在下に行われることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
配位子が、形式に於いて二座、三座又は四座であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用される配位子が、下記の式:
【化1】

[式中、基R及びRの1個は、少なくとも1個の窒素原子又は窒素原子を含む基を含むことができ、
及びRは、独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和若しくは不飽和の非環式脂肪族基;単環式若しくは多環式の、飽和、不飽和若しくは芳香族の、炭素環式若しくは複素環式基又は該基の連結であってよい、1から20個の炭素原子を含有する炭化水素基を表し、
又はR及びRは、結合して、それらを有する炭素原子と共に、3から20個の原子を含有する、単環式若しくは多環式の、飽和若しくは不飽和の、炭素環式若しくは複素環式基を構成することができ、
基R及びRの最大1個は、水素原子を表し、
は、同じであるか又は異なっていてよく、水素原子、アルキル基、好ましくはC〜C12アルキル基;アルケニル若しくはアルキニル基、好ましくはC〜C12アルケニル若しくはアルキニル基;シクロアルキル基、好ましくはC〜C12シクロアルキル基;アリール若しくはアリールアルキル基、好ましくはC〜C12アリール若しくはアリールアルキル基;アミド基−CO−NH;(1個又は2個の、アルキル基、好ましくはC〜C12アルキル基;及び/又はアルケニル若しくはアルキニル基、好ましくはC〜C12アルケニル若しくはアルキニル基;及び/又はシクロアルキル基、好ましくはC〜C12シクロアルキル基;及び/又はアリール若しくはアリールアルキル基、好ましくはC〜C12アリール若しくはアリールアルキル基)で置換されたアミド基を表す]
を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
配位子が、基Rが水素原子又はC〜Cアルキル基、アミド基若しくはC〜Cアルキル基で置換されたアミド基を表す、式(Ia)又は(Ia)を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
配位子が、基R及びRが式(F):
【化2】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基若しくはアミド基;又は同一であるか若しくは異なっていてよい、アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基若しくはフェニル基で置換されたホスフィノ基を表す)
を有する基の1種を表す、式(Ia)又は(Ia)を有することを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
配位子が、基R及びRが式(F):
【化3】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基若しくはアミド基を表す)
を有する基の1種を表す、式(Ia)又は(Ia)を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
配位子が、基Rが、同一であるか又は異なっていてよく、水素原子又はメチル基を表し、およびRが式(F)を有する基の1種を表す、式(Ia)を有することを特徴とする、請求項3から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
配位子が、下記の式:
【化4】

[式中、Rは、同一であるか又は異なっていてよく、式(Ia)及び(Ia)に於いて示された意味を有し、
は、同一であるか又は異なっていてよく、式(Ia)及び(Ia)に於いて示された意味を有し、
及び/又はRは、水素原子を表すことができ、
Ψは、共有結合、尿素基又は一般式(F)若しくは(F):
【化5】

(式(F)及び(F)に於いて、R及びRは、同一であるか又は異なっていてよく、独立に、水素原子;直鎖若しくは分枝鎖の、飽和若しくは不飽和の非環式脂肪族基であってよい1から20個の炭素原子を含有する炭化水素基;単環式若しくは多環式の、飽和、不飽和若しくは芳香族の、炭素環式若しくは複素環式基;又は該基の連結を表し、又は
及びRは、一緒に結合して、それらが有する炭素原子と共に、飽和、不飽和、単環式又は多環式であってよい、3から20個の原子を含有する炭素環式又は複素環式基を構成することができ、
Ar及びArは、独立に、2個の、縮合していてよいか又は縮合していなくてよい、1個又は2個以上のヘテロ原子を有していてよい、置換された又は置換されていない、芳香族、炭素環式又は複素環式環を表し、
Xは、置換されていてよいメチレン基を表し、
wは、0〜3の自然数であり、
x及びyは、それぞれ、Ψとして示される骨格とイミン基との間の2個の結合を表す)
を有する骨格を表す]
を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
配位子が、基R及びRが下記の基:
【化6】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基若しくはアミド基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基若しくはフェニル基で置換されたホスフィノ基を表す)
の1種を表す、式(Ib)又は(Ib)を有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
配位子が、R及びRが式(F):
【化7】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基若しくはアミド基を表す)
を有する基の1種を表すことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
配位子が、Ψが共有結合、尿素基又は下記の環式基:
【化8】

の1種を表す、式(Ib)又は(Ib)を有することを特徴とする、請求項8から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
配位子が、基Rが式(F)を有する基の1種を表し、およびΨが共有結合、尿素基又は基(F)若しくは(F)の1種を表す、式(Ib)を有することを特徴とする、請求項8から11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
配位子が、下記の式:
【化9】

[式中、Rは、同一であるか又は異なっていてよく、式(Ia)及び(Ia)に於いて示された意味を有し、
Φは、共有結合;
式:
【化10】

(式中、R、Rは、同一であるか又は異なっていてよく、
水素原子;
1から12個の炭素原子を含有し、ハロゲン原子を場合により有し、好ましくは1から4個の炭素原子を含有する、直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチル;
ハロゲン原子
を表し、
mは、0、1又は2、好ましくは0又は1に等しい)
を有するアルキレン基又は
オルト位若しくはメタ位に2個のイミン官能基を有する、5から12個の炭素原子を含有する、飽和、不飽和若しくは芳香族の、単環式若しくは多環式の炭化水素環の残基
を表す]
を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
配位子が、基Rが下記の基(F):
【化11】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基若しくはアミド基;又は同じであっても同じでなくともよい、アルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で若しくはフェニル基で置換されたホスフィノ基を表す)
の1種を表す、式(Ic)を有することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
配位子が、基Rが下記の式(F):
【化12】

(式中、Rは、水素原子;アルキル基若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基によって置換されているか若しくは置換されていなくてよいアミノ基を表す)
を有する基の1種を表す、式(Ic)を有することを特徴とする、請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
配位子が、Φが共有結合、メチレン若しくはエチレン基又は
【化13】

のような二価の環式基を表す、式(Ic)を有することを特徴とする、請求項13から15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
配位子が、Φが共有結合、メチレン若しくはエチレン基又は基(F)の1種を表し、基Rが、同一であってもよく、式(F)を有する基の1種を表す、式(Ic)を有することを特徴とする、請求項13から16の何れか1項記載方法。
【請求項18】
配位子が、下記の式:
【化14】

[式中、Rは、同一であるか又は異なっていてよく、式(Ia)及び(Ia)に於いて示された意味を有し、
は、同一であるか又は異なっていてよく、式(Ia)及び(Ia)に於いて示された意味を有し、
及び/又はRは、水素原子を表すことができ、
は、同一であるか又は異なっていてよく、式(Ia)及び(Ia)に於いて示された意味を有し、基Rの最大1個は、水素原子を表し、
Ψは、共有結合又は式(Ib)若しくは(Ib)に於いて定義された通りの一般式(F)若しくは(F)を有する骨格を表す]
を有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
配位子が、基R及びRが式(F):
【化15】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基若しくはアミド基;又は同じであっても同じでなくともよいアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基若しくはフェニル基で置換されたホスフィノ基を表す)
を有する基の1種を表す、式(Id)又は(Id)を有することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
配位子が、基R及びRが式(F10):
【化16】

(式中、Rは、水素原子;アルキル若しくはアルコキシ基、好ましくはC〜Cアルキル若しくはアルコキシ基;又はアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基で置換されていてよい若しくは置換されていなくてよいアミノ基を表す)
を有する基の1種を表す、式(Id)又は(Id)を有することを特徴とする、請求項18又は請求項19に記載の方法。
【請求項21】
配位子が、基Rが、同一であるか又は異なっていてよく、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル基を表す、式(Id)又は(Id)を有することを特徴とする、請求項18から20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
配位子が、基Ψがメチレン又はエチレン基を表す、式(Id)又は(Id)を有することを特徴とする、請求項18から21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
配位子が、基Rが式(F10)を有する基の1種を表し、基Rが、同一であるか又は異なっていてよく、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル基を表し、および基Ψが、メチレン又はエチレン基を表す、式(Id)を有することを特徴とする、請求項18から22の何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
配位子が、Ph−Alzone、Py−Alzone、N−Methyl−Py−Alzone、N−Dimethyl−Py−Alzone、N−Amido−Py−Alzone、Chxn−Phenyl−Al、Chxn−Py−Al、Carbo−Py−Al、Chxn−Thio−Al、DAB−Cy、DAPAEから選択され、更に好ましくは、Py−Alzone、N−amido−Py−Alzone、Chxn−Py−Al、Carbo−Py−Al、Chxn−Thio−Al、DAB−Cy、DAPAEから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
使用される配位子の量が、配位子のモル数と銅のモル数との比が、20から0.9の範囲内、好ましくは2から1の範囲内であるものであることを特徴とする、請求項1から24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
求核性基体が、非環式又は環式であってよい、その特性が、少なくとも1種の、電荷を有してよい又は有しなくてよい遊離電子対を有する原子、好ましくは、窒素、酸素、硫黄、リン若しくは炭素原子を含有するか又はその電子対を供与することができる炭素原子を含有することにある、有機炭化水素化合物であることを特徴とする、請求項1から25の何れか一項に記載の方法。
【請求項27】
求核性基体が、下記の原子又は基:
【化17】


の少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1から26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
求核性基体が、少なくとも1個の、飽和環内、不飽和環内又は芳香族環内に含有された遊離電子対を有する窒素原子を含有し、上記環が一般的に3から8個の原子を含有することを特徴とする、請求項1から26の何れか一項に記載の方法。
【請求項29】
求核性基体が、第一級若しくは第二級アミン、ヒドラジン若しくはヒドラゾン誘導体、アミド、スルホンアミド、尿素誘導体又は好ましくは窒素含有及び/若しくは硫黄含有複素環式誘導体であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
求核性基体が、下記の式:
【化18】

[式(IIIh)に於いて、Aは、単環式又は多環式の、芳香族又は非芳香族の複素環式系(但し、炭素原子の1個は、少なくとも1個の、窒素、硫黄又はリン原子のような求核性原子によって置換されている)の、全部又は一部を形成する環の残基を表し、
12は、同一であるか又は異なっていてよく、環上の置換基を表し、
nは、環上の置換基の数を表す]
を有することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
求核性基体が、Aがイミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、オキサジアゾール、オキサゾール、テトラゾール、インドール、ピロール、フタラジン、ピリダジン又はオキサゾリジンのような、環を表す、式(IIIh)を有することを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
求核性基体が、アルコール又はチオール型化合物、好ましくは、ヒドロキシ−又はチオ芳香族型化合物であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
求核性基体が、下記の式:
【化19】

[式中、Bは、単環式若しくは多環式の芳香族炭素環式基又は2個若しくは3個以上の単環式芳香族炭素環式基の連結によって構成された二価の基の残基を表し、
14は、1個又は2個以上の、同一であるか又は異なっていてよい置換基を表し、
Zは、ヒドロキシル又はチオール基を表し、
n’は5以下である]
を有することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
求核性基体が、求核性炭素を含有する炭化水素化合物、好ましくはマロネート、シアノマロネート、マロジニトリル、ニトリル、アセチレニド、プロフェン型化合物、アミノ酸、対イオンが金属、好ましくはリチウム、ナトリウム、マグネシウム又は亜鉛であるカルボアニオンを含有する求核性化合物であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
求核性基体が、リン化物、ホスフィン、ホスホニウムジアザイリド、ホスホニウムアザイリド、ボロン酸又はこれらの誘導体であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
求核性基体が、ボロン酸又は下記の式:
【化20】

(式中、R25は、単環式基又は多環式基、芳香族基、炭素環式基又は複素環式基を表し、
、Qは、同一であるか又は異なっていてよく、水素原子、1から20個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖の、飽和若しくは不飽和の脂肪族基又はR25基を表す)
を有する誘導体であることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
アリールボロン酸が、R25が芳香族炭素環式基又は複素環式基、好ましくは、フェニル若しくはナフチル基又はピロリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、1,3−チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル若しくはチエニル基を表す、式(IIIu)を有することを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
アリールボロン酸が、Q、Qが、同一であるか又は異なっていてよく、水素原子又は飽和されているか若しくは鎖内に1個若しくは2個以上の不飽和結合、好ましくは1から3個の不飽和結合、好ましくは単純若しくは共役二重結合を含有していてよい、1から20個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖の非環式脂肪族基、又は基R25、好ましくはフェニル基を表す、式(IIIu)を有することを特徴とする、請求項36又は請求項37に記載の方法。
【請求項39】
求核性化合物が、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、イミダゾール、インドール、1,2,4−トリアゾール、ピロール、4−ブロモアニリン、1−メチル−4−ブロモピラゾール、3−トリフルオロメチル−5−(p−トリル)−1H−ピラゾール、5−(3−クロロスルホニル−4−メチルフェニル)−3−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、オキサゾリジン−2−オン、2−ヒドロキシピリジン、ベンズアミド、ピロリジン−2−オン、ベンゼンスルホンアミド、フェノール、4−メトキシフェノール、3,5−ジメチルフェノール、o−クレゾール、マロン酸ジメチル若しくはエチル、シアノ酢酸メチル若しくはエチル、マロノニトリル、シアン化カリウム若しくはナトリウム及びジフェニルアミンから選択されることを特徴とする、請求項1から38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
離脱基Yを有する化合物が、式(IV):
−Y (IV)
(式中、Rは、2から20個の炭素原子を含有し、離脱基Yに対してα位に位置している二重結合若しくは三重結合を有する炭化水素基又は単環式基若しくは多環式基、芳香族基、炭素環式基及び/若しくは複素環式基を表す)
によって表されることを特徴とする、請求項1から39の何れか一項に記載の方法。
【請求項41】
離脱基を有する化合物が、Rが離脱基に対してα位に二重結合若しくは三重結合を含有する脂肪族炭化水素基又は離脱基を有する不飽和結合を含有する環式炭化水素基を表し、
が、単環式基若しくは多環式基、芳香族基、炭素環式基及び/若しくは複素環式基を表し、
Yが、離脱基、好ましくは、ハロゲン原子又は式−OSO−R(式中、Rは炭化水素基である)を有するスルホン酸エステル基を表す、式(IV)を有することを特徴とする、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
離脱基を有する化合物が、Yが臭素若しくは塩素原子又は式−OSO−R(式中、Rは、1から4個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル基、好ましくはメチル若しくはエチル基、フェニル基若しくはトリル基又はトリフルオロメチル基である)を有するスルホン酸エステル基を表す、式(IV)を有することを特徴とする、請求項40又は請求項41に記載の方法。
【請求項43】
離脱基を有する化合物が、式(IV)を有し、および下記の化合物:
(1)式(IVa):
【化21】

[式(IVa)に於いて、R26、R27及びR28は、同一であるか又は異なっていてよく、水素原子;又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和若しくは不飽和脂肪族基であってよい、1から20個の炭素原子を含有する炭化水素基;単環式若しくは多環式の、飽和、不飽和若しくは芳香族の炭素環式基若しくは複素環式基;又は上記定義された通りの脂肪族及び/若しくは炭素環式基及び/若しくは複素環式基の連結を表し、
Yは、前記定義された通りの離脱基を表す]
によって表すことができる、二重結合を有する脂肪族型化合物;
(2)式(IVb):
26−C≡C−Y (IVb)
[式(IVb)に於いて、R26は、式(IVa)に於いて示された意味を有し、
Yは、前記定義された通りの離脱基を表す]
によって表される、三重結合を有する脂肪族型化合物;
(3)式(IVc):
【化22】

[式中、Dは、単環式又は多環式の、芳香族環式基、炭素環式基及び/又は複素環式系の全部又は一部を形成する環の残基を表し、
29は、同一であるか又は異なっていてよく、環上の置換基を表し、
Yは、前記定義された通りの離脱基を表し、
n”は、環上の置換基の数を表す]
によって表すことができる、芳香族型化合物
から選択されることを特徴とする、請求項40から42の何れか一項に記載の方法。
【請求項44】
式(IV)の、離脱基を有する化合物が、塩化ビニル、臭化ビニル、ブロモアルキン、ヨードアルキン、β−ブロモスチレン、β−クロロスチレン、p−クロロトルエン、p−ブロモアニソール及びp−ブロモトリフルオロベンゼンから選択されることを特徴とする、請求項40から43の何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
式(IV)の、離脱基を有する化合物が、ブロモベンゼン、2−ヨードトルエン、1,4−ジブロモベンゼン、1−(4’−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール、1−(4’−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール、β−ブロモスチレン、ヨードベンゼン、4−ブロモトリフルオロメチルベンゼン、4−ヨードトリフルオロメチルベンゼン、4−ヨードアニソール、4−ヨードベンゾニトリル及び2−ブロモピリジンから選択されることを特徴とする、請求項40から44の何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
反応を、塩基の存在下で実施することを特徴とする、請求項1から45の何れか一項に記載の方法。
【請求項47】
塩基が、アルカリ金属の、好ましくはナトリウム、カリウム又はセシウムの炭酸塩、重炭酸塩又は水酸化物及びアルカリ土類金属の、好ましくはカルシウム、バリウム又はマグネシウムの炭酸塩、重炭酸塩又は水酸化物;アルカリ金属水素化物、好ましくは水素化ナトリウム;アルカリ金属アルコラート、好ましくはナトリウム又はカリウムのアルコラート、更に好ましくはナトリウムメチラート、エチラート又はtert−ブチラート並びに第三級アミンから選択されることを特徴とする、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
反応を、有機溶媒の存在下で実施することを特徴とする、請求項1から47の何れか一項に記載の方法。
【請求項49】
有機溶媒が、線状又は環式カルボキサミド;ジメチルスルホキシド(DMSO);ヘキサメチルホスホトリアミド(HMPT);テトラメチルウレア;ニトロ化合物;脂肪族又は芳香族ニトリル、好ましくはアセトニトリル;テトラメチレンスルホン;有機炭酸エステル;アルキルエステル;ハロゲン化芳香族炭化水素、好ましくはクロロベンゼン又はトルエン並びに窒素含有複素環、好ましくはピリジン、ピコリン又はキノリンから選択されることを特徴とする、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
アリール化又はビニル化又はアルキン化反応の温度が、0℃から120℃の範囲内、好ましくは20℃から100℃の範囲内、更に好ましくは25℃から85℃の範囲内であることを特徴とする、請求項1から49の何れか一項に記載の方法。
【請求項51】
銅触媒が、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、塩化第二銅、塩基性炭酸銅(II)、硝酸第一銅、硝酸第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅、亜硫酸第一銅、酸化第一銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、トリフルオロメチルスルホン酸第二銅、水酸化第二銅、銅(I)メチラート、銅(II)メチラート及び式ClCuOCHを有するクロロ第二銅メチラートから選択されることを特徴とする、請求項1から50の何れか一項に記載の方法。
【請求項52】
銅触媒が、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、酸化第一銅又は酸化第二銅から選択されることを特徴とする、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
触媒に、更に、周期表の第(VIII)族、第(IB)族及び第(IIB)族から選択された金属元素Mが含有されていることを特徴とする、請求項1から52の何れか一項に記載の方法。
【請求項54】
金属元素Mが、銀、パラジウム、コバルト、ニッケル、鉄及び/又は亜鉛から選択されることを特徴とする、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
配位子を、少なくとも1種の、金属銅を供給する化合物と一緒に導入することを特徴とする、請求項1から54の何れか一項に記載の方法。
【請求項56】
触媒が、少なくとも1種の、金属元素状銅を供給する化合物と配位子とを反応させることによって、必要なときに製造される金属錯体であることを特徴とする、請求項1から55の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
金属錯体が、反応の開始時に、配位子と金属元素状銅を供給する化合物とから製造されることを特徴とする、請求項1から56の何れか一項に記載の方法。
【請求項58】
式:
CuLX (C)
[式中、Xはハロゲン原子を表し、
は、式(Ib)又は(Ib)(式中、Ψは、該式中に示された意味を有し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、およびRは、式:
【化23】

(式中、Rは、式(F)について前記した意味を有する)
を有するピリジル基を表す)
を有する配位子を表す]
を有する、金属銅ベース錯体及びその光学活性形。
【請求項59】
が式(Ib)(式中、Ψは、尿素基又は基(F)若しくは(F)の1種を表し、およびRは上記定義された通りのピリジル基を表し、Rは式(F)について示された意味を有する)を有する配位子を表し、Xが塩素、臭素又はヨウ素原子を表す、式(C)を有することを特徴とする、請求項58に記載の金属錯体。
【請求項60】
式:
【化24】

を有することを特徴とする、請求項58に記載の金属錯体。
【請求項61】
式:
【化25】


を有する新規化合物。

【公表番号】特表2006−501159(P2006−501159A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−509659(P2004−509659)
【出願日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【国際出願番号】PCT/FR2003/001647
【国際公開番号】WO2003/101966
【国際公開日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(502333806)
【Fターム(参考)】