物品及びその表面の特性を決定するための測定機器及び方法
光学的放射の手段による対象物の表面の特性を決定するための測定機器は、光学的放射源及び測定表面から反射した放射を受信する検出器を具備する。更に、測定デバイスは、放射される光学的放射の処理装置を具備し、それは、光源から放射される光学的放射を、別の波長へ分割し、前述の波長の内、少なくとも最も短い波長及び最も長い波長が、測定表面の法線方向において、測定対象物の異なる半分且つ異なる高さに集中するように、前述の測定対象物への分割された波長を測定表面の通常から異なる方向に向けるように調整される。更に、測定デバイスは、反射光の放射線処理装置を具備し、被測定物から少なくとも鏡面反射の方向に反射光学的放射線を受けるように調整され、測定表面の法線方向とは異なり、受信した光学的放射を前述の検出器へ向ける。更に、測定デバイスは、検出器によって生成された電子シグナルを分析し、そこに集中した放射線の強度に比例し、更に、被測定物の表面の光沢(光沢度)及び/又は厚さ特性を、その波長の強度、測定面に位置する、焦点に基づいて決定するように調整され、波長は鏡面のジオメトリにおいて検出器へのその点から反射された最も強いものであった。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定機器及び方法に関し、特に、光沢、屈折率及び/又は厚さなどの物品の表面特性の測定を目的とする測定機器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の表面の特性に対する制御、例えば、表面の厚さの制御だけでなく、紙、金属、および様々なフィルムの表面の品質の監視などは、例えば、プロセス制御および製品の品質管理の期間において、重要な部分である。表面品質特性のための、1つの良く知られた、一般的に利用されているパラメータは、光沢度である。表面の光沢度の光学的測定は、一般的に使用され、且つ、例えば、ISO規格2813「塗料及びニス−20°、60°、及び80°における非金属塗膜の場合の鏡面光沢度の測定」などにおいて、よく文書化されている。現在、例えば鉄鋼業界では、光沢度は主に、オフラインモードと呼ばれる実験室において、個々の点状のセンサを用いて測定される。点状センサの使用による光沢度パラメータの測定は遅く、例えばプロセスのリアルタイムの調整ができない。
【0003】
また、表面の光沢度の測定のための他のシステムも先行技術から知られている。例えば、国際公開WO 01/20308号において解決策が開示されており、その公報中において、光源から放射される光は、光が表面から検出器に反射されるように、測定される表面に向けられている。検出器は、順に、反射光の強度を測定し、反射光の強度に基づいて表面の光沢度を決定する。開示されている解決策において、検出器の感度は変化させることができる。特定の光沢単位が測定結果として与えられるように、器具は順に、プログラム可能な一定値で校正することができる。
【0004】
更に、欧州特許EP1407248B1号において、表面の光沢度の測定についての解決策が開示されており、そこでは、光源から放射される光は、コリメートされ、かつ、二つの異なるビームに分割され、そこから第1のビームは第1の鏡を介して測定表面へ向かい、第2のビームは、プリズムを介して第1の鏡に向かい、そして更に、第2の鏡に向かう。第1のビームは、測定表面から第2の鏡に向けて反射し、そして更にそこから検出器へ向かう。第2のビームは、プリズムを介して第2の検出器へ反射する。更に、基準信号を形成するために第3の検出器の使用を暗示している。
【0005】
表面の特性を測定するための先行技術として、FI119259Bの文書が公知であり、その中で解決策が開示されており、表面に向かって放射される光は分散化され、スペクトルの異なる波長が、測定表面の法線方向に異なる高さで集中するように、スペクトルを形成する。開示された解決策において、光学的放射の強度が最高である時、検出器からの信号に基づいて放射波長が決定され、表面の位置は、測定波長に基づいて決定される。更に、その解決策によると、対象物の厚さは、上下表面の平面の位置を測定することによって決定できる。
【0006】
しかしながら、公知の解決策は、いくつかの欠点を有する。例えば、測定表面が動いているか、又は振動している場合、表面の光沢度が一定であるという事実にかかわらず、表面から反射される光の強度は変化する。また、放射線源から集中した光は、測定表面において適切な場所にヒットしないことも起こり得、それによって、反射光の強度も変わり得る。これらの欠点の理由は、例えば、検出器に対する振動している表面の距離及び/又は角度が変化することである。また、表面の形状も変わり得、それによって、実際は光沢度が変わらないにもかかわらず、放射光の強度に影響を与える。従って、先行技術において開示されている解決策は、必ずしも、例えば動いている物体の表面特性の測定時には信頼性の高い結果につながらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述した先行技術の欠点を減少させることができるような、解決策を実装することである。特に、本発明は、動いている又は振動している表面の、光沢度、屈折率、及び/又は厚さなどの特性を監視する方法を解決することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、独立した特許請求の範囲に開示されている特徴によって満たされる。
【0009】
本発明による測定デバイスは、測定機器について記述する独立した請求項を特徴付ける部分において開示された特性によって特徴付けられる。
【0010】
本発明による測定方法は、測定方法について記述する独立した請求項を特徴付ける部分において開示された特性によって特徴付けられる。
【0011】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムについて記述する独立した請求項の部分を特徴付ける開示された特性によって特徴付けられる。
【0012】
本発明の一実施形態によると、対象物及び/又はその表面の特性は、光学的放射の少なくとも1つの光源を用いて、測定表面に向かって光学的放射が放射されるように、光学的放射を用いて決定され、表面から反射される放射の強度は、少なくとも1つの検出器によって監視され、放射強度に比例する電気信号を生成する。本発明によると、白、又は他の好ましい連続的なスペクトル光などの放射は、光源によって放射され、異なる波長へ分割される。波長は、次に、測定表面の法線方向で測定対象物表面の異なる半分で且つ異なる高さに、少なくとも前述の波長の内で最も短い波長及び最も長い波長が集中するように、測定表面の法線方向とは異なる方向で測定対象物へ集まる。
【0013】
例えば、赤いスペクトル波長は、測定対象物の上側表面の平面に集まり得、青いスペクトル波長は、測定対象物の下側表面の平面に集まり得る。
【0014】
本発明によれば、たとえ、表面の形状、それ故に検出器に対する位置及び距離が一定ではなく、表面の移動及び振動によって変化する可能性があるとしても、少なくともスペクトルの最も長い波長また最も短い波長の間に位置する波長のうちのいくつかは、測定対象物の表面上に実質的に集中するということを、常に保証することができる。また、本発明によると、対象物の表面から反射した光線に対応する最強強度値は、他の場所へ集中した光線の強度値が、実質的に対象物の表面から反射した強度よりも小さくなっているため、常に画定することができる。更に本発明によると、最も強い強度を発生する光線の波長も、決定することができる。
【0015】
より光沢度が高い表面は、表面から反射した光線の強度値がより高く従って、より光沢度の低い表面は、その輝きが少なく、従って、表面から反射した光線の強度が弱くなるというように、表面の光沢は、表面から反射した光線の強度に影響を与える。更に、異なる光源から放射される光線はまた、異なる特性の強度を有し得、これにより、本発明の一実施形態によると、各波長について、又は少なくとも幾つかの波長を含む波長帯についての強度特性は、知られている。本発明のいくつかの実施形態によると、表面の光沢度は、検出器へ反射された光の最高の強度値(表面に集中する光線及びそこから反射した光線に対応する)及び前述の光線の波長を決定することによって、かつ、更に例えば前述の波長の特徴的な強度値と比較することによって、決定し得る。
【0016】
本発明によると、実質的に鏡面反射の方向に、測定表面から反射した光学的放射は、検出器によって取得され、鏡面反射の方向は、測定表面の法線方向とは異なっている。反射した放射は、対象物の表面に当たる点に波長が集まることを実質的に表している。検出器によって生成した電気信号(信号は、放射強度に比例する)から、次に光沢度(その波長の強度値に基づいて対象物表面の光沢を特徴付ける)を決定し、その焦点は、測定表面上に位置し、その波長はスペクトルジオメトリにおいて、その点から検出器へ反射する最も強いものであった。
【0017】
検出器は、好ましくは、それに向けた光学的放射及び少なくとも特定の波長帯の強度値をそれを用いて区別することができるように組み立てられている。強度値は、例えば、検出器によって生成された電圧によって決定することができ、かつ、波長は、検出器(例えばマルチチャンネルスライス検出器(multi−channel row detector))のどのスポットが特定の波長に関連した光線によってヒットしているかというデータに基づいて決定することができる。検出器は、例えば、CCD又はCMOS技術に基づいた検出器であってよい。
【0018】
本発明の1つの実施形態によると、表面から反射した光が、例えば、波長の関数として増加又は減少するように、その透過能力が異なる光学的フィルターによって、2つの異なる検出器について分割されるように、2つの分かれた検出器もまた、表面から反射した光学的放射のための監視デバイスとして使用することができる。この場合、少なくとも二つの異なる波長又は波長帯は、2つの異なる検出器について分割され得、かつ、ピーク強度の焦点は、その比率に比例する;
【数1】
式中、S1及びS2は、検出器1及び2からの信号である。
【0019】
測定対象物の表面の光沢を特徴付ける、光沢度G0は、以下の方程式によって、決定できる;
【数2】
【0020】
式中、φ0は、検出器によって測定された強度(ピクセルグレースケール値)であり;
GA及びGBは、第1及び第2の参照の光沢度であり、φA及びφBは、後者に対応する強度値である。
【0021】
本発明の1つの実施形態によると、本発明の取り決めによって、光沢度に加えて、測定対象物の表面の位置を、光沢度の測定に関連して決定することができる。この場合、波長のための焦点への距離又は位置は、例えば、いくつかの基準点に関連して、また例えば、検出器の上部から測定した垂直距離に関連して、分かる。本発明によると、測定対象物の表面の位置は、次に、反射光の強度値が最強である場合の波長を決定することによって画定される。波長が決定され、各波長での焦点までの距離が、基準点に関連して分かると、続いて、表面の位置を決定することができる。
【0022】
いくつかの実施例によると、例えば、450〜650nmのヒトの眼に見える波長は、例えば、1mmのz軸方法の区域(z−zone)へ、即ち、表面の法線方向に対して広げることができる。測定のセットアップとして使用する場合、例えば、1000×1000ピクセルの配列を備える電荷結合素子(CCD)は、0.2nmの1ピクセルに対応し、かつ、上述の200nmの場合は、1000ピクセルの領域に広がり、ピクセルの解像度は、1mmのz軸方法の区域について1マイクロメートルである。次に、例えば、ピーク強度の計算によって、検出器に向けられた光学的放射の位置を決定することにより、特定の解決策を用いて0.1ピクセルの精度にまで到達させることが可能であり、それは、表面の法線方向に対して、0.1μmの高精度に対応している。
【0023】
言い換えると、対象物の表面の位置は、表面から反射された最も強い強度の波長を使用し、それをいくつかの基準点から前述の波長の焦点の距離を比較することによって決定する。本発明によると、測定表面の位置は、いくつかの基準点における0.1μm精度率を用いても、上述したセットアップを使用することによって画定し得る。しかしながら、それらの上述した計算値は、単なる例示であって、当業者へ本発明の平均的なアイディアを付与することを意図しているが、これらの値は、いかなる方法でも本発明の制限を付与するものではなく、本発明は、例えば紫外線や赤外線などの、より短い又はより長い他の波長の利用のために適合させ得ることを示すべきである。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によると、光沢度及び表面の位置の決定に加えて、本発明は、対象物の厚さの測定も採用することが可能であり、対象物は、光学的放射に対して少なくとも部分的に透過性である。対象物は、例えば、2つのお互いの表面に対して少なくとも実質的に平行な、上部及び下部を具備するフィルムであり得る。本実施形態によると、例えば、少なくとも分散した波長スペクトルの最も短い、及び最も長い波長は、対象物の上部表面及び下部表面が、前述の波長の焦点の間(例えば、スペクトルの青及び赤の端の間)に留められるように、集中し得る。
【0025】
本発明の特定の実施形態によると、対象物の厚さは、両方の表面から反射された波長を受け取るように、決定することができる。フィルムなどのとても薄い対象物について、上部及び下部表面の平面から反射した波長は、必ずしも2つの異なる強度のピークに分割できないほどに近い(検出器の分解能に依存する)が、その代わりにそれらは単一のブロードなピークとして検出される。この場合、対象物の厚さは、例えば、信号分散を計算することによるなどの、強度ピーク又は信号の半値幅の関数(FWHM)を用いて、決定することができる。
【0026】
信号は所謂、「特徴的な幅(characteristic width)」を有し、それは光学的測定値のための特性である。特徴的な幅は、光学的な入射スリットがどの位広いかに直接的に比例するだけではなく、スペクトルがz軸方法の区域にどれくらい広がっているのかに直接的に比例し、かつ、照明開口数(NA)に反比例する。信号の特徴的な幅は、例えば、完全に光沢のある反射面(光学的鏡など)から反射した信号の半値幅を決定することによって測定できる。光線が透過性のフィルムを透過する、又はフィルム内にある時、原則的に、2つの信号は、1つは上部表面の平面から反射した光によって生じ、他方は、下部表面の平面から反射した光によって生じたものが、検出器へ取得される。フィルムが十分に薄い場合、これらの光線によって生じる強度ピークは、互いに混合して得られ、これは出現した信号の最大値の半分における全幅を広げ、そこで、信号のFWHM値は、フィルムの厚さに直接比例する。
【0027】
本発明の別の実施形態によると、対象物が十分に厚い、又は、代替的に検出器の分解能が十分である場合、対象物の上部及び下部表面から反射した高強度のピークは、それぞれに分離することができ、またそれによって、前述の強度波長に対応し、更に、前述の波長によって、そこから波長が反射する、対象物の表面の位置を決定できる。表面の位置に基づいて、対象物の厚さを決定できる。
【0028】
本発明の他の実施形態によると、特に、十分な分解能を具備した検出器を使用する場合において、多層対象物の厚さ及び多層対象物の各層間の距離もまた、画定することができる(ここで、多層対象物は、完全に又は少なくとも部分的に、放射光に対して透過的である)。その場合、光学的放射源の放射スペクトルは、対象物全体、及び、従ってその全ての層が前述の実施形態と同様に、スペクトルの両端の間に維持されるように、分割される。また、波長の内の少なくとも1つが各対象物の層の表面に集中し、検出器へそこから反射することが期待される。従って、対象物の第1の層の厚さは、本発明の前述の実施形態による2つの第1の強度ピークを用いて決定され、第2の層の厚さは、第3及び第4の強度ピークを用いて決定される。従って、層間の差は、例えば、第1の差が第2及び第3の強度ピークによって、又は、言い換えると、第1の層の下部表面の平面から反射した波長及び、第2の層の上部表面の平面から反射した波長を用いることによって、決定することができるように、測定することができる。
【0029】
本発明の実施形態によると、異なる層の厚さは、適切な状況において、前述したように、強度ピークの広がりに基づいて、粗い分解能の検出器を用いたとしても、決定することができる。しかしながら、この場合、層間の距離は、第1の層によって発生した強度ピークの広がりが、第2の層及びそこから発生した強度ピークから反射した放射について、干渉しすぎないようにしなければならない。
【0030】
更に、本発明の特定の実施形態について、現在の考え方は、更に対象物の表面の光沢度を測定に加えて、対象物を測定する際で且つ測定デバイスが互いに関連して移動する場合の対象物の表面のプロファイルの決定にも適用することができる。上記で開示した実施形態を適用することによって、対象物の1つ以上の表面プロファイル(対象物は、少なくとも部分的に透過的である)も、表面平面間の距離が十分であるか、使用される検出器の分解能が十分に高いかのいずれかを条件に、決定することができる。
【0031】
本発明の更に別の実施形態によると、いくつかの発明が関連した測定装置を、測定対象物の周囲に配置することができ、例えば、第1の測定装置を対象物の上部表面の上に、第2の測定装置を、対象物の下部表面の下に配置し、この場合、第1の測定装置は、例えばいくつかの基準点に対する、第1(上部)表面の位置及び第2測定装置、第2(下部)表面の位置を決定し得る。そのような場合、対象物の厚さを、表面の位置に基づいて計算し得る。前述の実施形態はまた、対象物のプロファイルを決定するために適用し得、言い換えると、第1及び第2測定装置からのデータを適切な方法で組み合わせることによる表面のプロファイルの決定のためだけではない。
【0032】
発明の実施形態は、従って、色収差と被測定物のスペクトル照度に基づいているか、又は言い換えると、光の異なる波長が屈折され、また、空間内の別の点に焦点が集まるという現象に基づいている。例えば、スペクトルの最短波長は、スペクトルの最長波長と比較して、レンズ内で大きな程度で屈折する。光の屈折は、レンズや他の屈折対象物の屈折率に依存する。屈折率は、一方、波長に依存し、従って、異なる波長は異なる角度で屈折し、その場合には色収差が観察される。一般的には、青い光は、赤い光よりも大きく屈折する。
【0033】
本発明は、先行技術から公知となっている解決策、即ち、測定対象物の移動や振動、又は表面の角度を考慮に入れない表面の光沢度の測定と比較して、大きな利点を提供している。更に、本発明は、光沢度、厚さ、及び/又は表面のプロファイルを同時に測定すること、及び同じプローブを使用することを可能にし、これは、先行技術では不可能であった。本発明は、光沢度の一点計測に限らず、光沢度プロファイル、即ち、いわゆる、画像ベースの光沢度測定も可能にしている。
【0034】
本発明は、非常に広範に適用することが可能であり、例えば、紙、鉄鋼、プラスチック産業の分野において、表面の光沢度パラメータの監視は、プロセス及び製品品質管理の必要不可欠な部分である。特に利点となっているのは、例えば、製造プロセスに関連して、時間のかかる実験室での測定を追加で行う必要なく、リアルタイムで対象物の光沢度及び厚さを測定することが可能なことである。更に、本発明によって得られた結果は、生産ラインのリアルタイムチューニングに使用することが可能であり、生産プロセスから離れて行われた測定の後ではなく、それによって、最終製品の質が直接的に影響を受ける可能性がある。それは、製品製造の制御パラメータを、リアルタイムで調整することが可能であるため、生産プロセスにおける品質の保証、低い質の製品を最小限にすること、及び、必要な措置を導入するための速度の全てに、大きな影響を与えた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】特定のISO基準による、光沢度測定ジオメトリを示す図である。
【図2a】本発明の一実施形態による、典型的な測定装置を示す図である。
【図2b】本発明の一実施形態による、典型的な測定デバイスを示す図である。
【図2c】本発明の一実施形態による、他の典型的な測定デバイスを示す図である。
【図2d】本発明の一実施形態による、第3の典型的な測定デバイスのうちの1つを示す図である。
【図3a】本発明の特定の一実施形態による、典型的な光学的放射処理ユニットを示す図である。
【図3b】本発明の特定の一実施形態による、他の典型的な光学的放射処理ユニットを示す図である。
【図4】本発明の特定の一実施形態による、薄膜の厚さ測定のための2つの典型的な信号を示す図である。
【図5】本発明の特定の一実施形態による、透過性の多層構造の厚さ測定のための典型的な信号を示す図である。
【図6a】本発明による測定デバイス及び市販の装置の両方によって実施された、光沢度測定の結果を示す図である。
【図6b】本発明による測定デバイス及び市販の装置の両方によって実施された、別の光沢度測定の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の幾つかの好ましい実施形態を、特許請求の範囲に説明する。
【0037】
次に、本発明の好ましい実施形態を、より詳細に図面を参照して、説明する。
【0038】
図1は、光沢度基準ISO2813による、光沢度測定ジオメトリ10を示し、ここで光源11によって発生した光学ビーム12は、収束デバイス18a(例えばレンズ)によって、測定表面19へ指向される。光線は、表面19からスペクトルジオメトリ16の方向へ反射され、収束デバイス18b(すなわちレンズ)によって、光学的放射検出器17へ収集される。検出器17は、反射した光線16の強度を測定し、光線16の強度に基づいて、測定表面19の光沢度を決定する。
【0039】
図2aは、本発明の特定の実施形態による、典型的な測定装置100を示し、システムは、光学的放射処理ユニット108aへ向けて白色または他の適切な連続スペクトル光など、光学的放射102を放射するための光学的放射源101を具備する。光学的放射処理ユニット108aは、スペクトル103へ放射された光を分割するように調整され、それは例えば、最短の波長(青端)が最も屈折し、それによってその焦点は、測定表面110の法線方向に対して、例えば点104aを構成し、わずかに長い波長についての焦点は、点104bを構成し、かつ、それによって最も長い波長(赤)は、少なくともこの場合その焦点が測定表面110の法線方向に対して屈折し、点104cを構成する。
【0040】
測定表面109からスペクトルジオメトリへ反射した光学的放射105は、処理ユニット108bによって収集され、且つ、更に、106を光学的放射検出ユニット107へ指向し、次に、出力として、例えば、そこへ当たる光線の強度に比例する電気信号として生成するように調整できる。検出器107は、また、本明細書において開示した方法を用いて前述の強度の波長を決定することもできる。
【0041】
測定装置はまた、測定対象物の表面の光沢度を、反射光線の強度に基づいて決定するための手段111も具備する。手段は、例えば、対応する光線の特徴的な波長の強度を予め知っており、表面、表面コーティング、使用したジオメトリ及び/又は表面光沢度がどれだけ異なるのかが、強度に影響することを考慮する。上述したデータに基づいて、測定装置は、対象物の表面の光沢度を決定するために好ましく調整される。
【0042】
測定表面に対する光学的放射の入射角は、例えば、測定シナリオに応じて、通常は、数度〜数十度まで変化し得る。開示された装置は、他方からは、十分に大きな入射を利用すると、それに従って、例えば、測定において数十度と等しい反射角(departure angles)となることを可能にする。例えば、光沢度の測定について、多くの異なる角度(前述の大きな角度も)が、一般的に使用されている。測定ジオメトリは、好ましくは調節可能である。
【0043】
図2bは、本発明の特定の実施形態による1つの典型的な測定デバイス100を示し、光源101によって生成した光学的放射は、スペクトルに分割され、処理ユニット108aによって、測定デバイス100に近い測定対象物の表面109a上の104に少なくとも波長の一部が集まり、一部は表面109bの下に集まるように、集められる。
【0044】
図2bによって示される場合において、測定表面は、例えば、光学的放射に対して実質的に透過性な材料とすることができ、本発明の好ましい測定原理の内の1つによると、少なくとも1つの波長は、処理ユニット108bに向けてそこから反射する対象物の上部表面109aの点に実質的に集中し、少なくとも1つの別の波長は、表面109a及び109bの間に位置する透過性の層を貫通し、そこから処理ユニット108bへ向けて反射する、下部表面109bへ集中する。
【0045】
光学的放射処理ユニット108bによって、異なる波長は、検出器107aの異なる点へ向けて指向される。検出器107aは、好ましくは、最強の強度を検出するように調整され、それは、図2bに示された場合において、表面109a及び109bから反射した光線によるものである。2つの最強の強度に基づいて、どちらの光線が表面109a及び109bに当たるのかを決定することができ、これらの光線によって、前述の光線が当たる検出器107a上の点に基づいて対応する波長を、画定することができる。従って基準点に対する、焦点の位置又は前述の波長の距離が分かる、又は少なくとも数学的に計算することができるので、波長に基づいて、特定の基準点への表面109a及び109bの距離を決定できる。更に、表面の位置が分かると、それに基づいて、表面間に維持されている中間層を決定することができ、即ち、対象物の厚さが分かる。例えば、透明なフィルムのような薄い対象物の表面109a、109bから反射した光線が、検出器107aにおいて、お互いの信号が混合して受信されるように非常に近くに集中する場合、それによるフィルムの厚さは、例えば、本明細書において前述したように、信号の最大値の半分値幅を用いて決定することができる。
【0046】
図2cは、本発明の実施形態による別の典型的な測定デバイス150を示し、その測定原理は、表面から反射した光が、例えば、半透明鏡によって、及び、例えば光学的フィルターを用いることによって2つの分離した検出器について分割され、例えばダイアグラム152に示されているように、その透過度は波長の線形関数として変化し(例えば増加又は減少)、例えば検出器107b1に到達した光線のろ過は、波長の関数として曲線152aによって示されており、検出器107b2へ到達した光線のろ過は、波長の関数として曲線152bによって示されるように、機器150の光学的放射検出ユニット107bとして、2つの分離した検出器107b1及び107b2を使用することを除いて、その他の点では、図2bに示されているデバイス100と同じである。少なくとも2つの異なる波長又は波長帯におけるこの方法は、2つの異なる検出器について分離され得る。
【0047】
各波長において、両検出器によって検出された場合、光力(又は強度)は、合算され、検出された光力における差によって分割され、この方法において、相対強度が最強である場所における相対強度から、そのような波長が生成し、測定対象物の表面から反射する。
次に、ピーク強度の焦点は、比率に比例し、
【数3】
式中、hは、幾つかの基準点からの表面距離であり、λρは、表面から反射した光線の波長であり、S1及びS2は、検出器107b1及び107b2によって発生した信号である。ダイアグラム154は、焦点104aに対応する波長が、最も高い値を生成し、それによって、表面109の位置を、例えば本明細書において上述した方法で、問題の波長を用いて決定できることを示す。
【0048】
図2dは、本発明の実施形態による第3の典型的な測定デバイス180を示し、光学的放射源101は、2つ以上の光源101a、101bを具備し、それらの両方は、同じ表面であるが、異なる高さの点に、分離したスペクトル181及び182を形成する。前述の光源は、幾つかの分離した光源によって形成され得、又は、例えば、図2dに示されているように、ビーム分割器183によって1つの光学的ラジエータからの放射によって形成され得る。
【0049】
更に、図2dの測定デバイス180は、放射源及び測定対象物の表面から反射したものの両方によって放射された光線の検出のために、光学的放射検出ユニット107を具備し、それは、少数の分離した分光器187a、187bを具備し得、又は、代替的に、同じ検出器107へのビーム分割器によって幾つかの異なる場所へ集まった光線を結合し得る。図2dの測定デバイス180の放射検出ユニット107a、107bは、好ましくは、他にかかわらず、実質的に前述の独自の放射源からの放射線の強度のみを測定するように配置する。この場合、表面上の同じ場所から反射した光学的放射は、独自のトランスミッターを用いて同じ波長へ集中するその検出器によってのみ、受信される。各検出器は、例えば、独自の分割波長を有し、そこでは、トランスミッターは測定表面へ集められ、それによって一組の送信機−受信機対のみが、同じ波長で互いに焦点が合う。
【0050】
また、送信機−受信機対が、互いに異なった偏光レベルや方向(偏光レベルを変更する構成要素184a、184bを、例えば、図2dに示されているような方法で、配置することができる)を有することも可能であり、その場合、測定デバイス180は、まさに同じ場所から来ているが、送信機と受信機の間で異なる偏光率を有し得る2つの反射信号を測定するために配置できる。例えば:
送信機101a及び受信機107aについて、例えば、送信光学的放射がS−偏光であり、受信もまた、S−偏光である場合;及び、
送信機101a及び受信機107bについて、例えば、送信光学的放射がP−偏光であり、受信もまた、P−偏光である場合;
また、例えば下記のような他の種類のバリエーションも使用することができ、
送信機101a及び受信機107aについて、送信光学的放射がS−偏光であり、受信がP−偏光(又は、例えば円偏光など)である場合。
【0051】
これらのさまざまな組み合わせを利用することで、例えば厚さ、光沢度、及び/又はフィルムの反射インデックスなどの表面の特性を、偏光解析法的に、測定することが可能である。特に、図2dの測定デバイスを、2つ以上の波長帯において対象物の表面の特性を決定するために好ましく配置し、その場合、検出器及び複数の検出器からの出力は、ダイアグラム190の通りに曲線で表されることに注意すべきである。そこで、2つの第1のピーク191、192は、第1の光源によって放射された放射線によって生じるものであり、ピーク191は、対象物の上部表面から反射した光線からのピークであり、ピーク192は、対象物の下部表面から反射した光線からのピークである。更に、2つの他のピーク193、194は、第2の光源によって放射された放射線によって生じるものであり、ピーク193は対象物の上部表面から反射した光線からのピークであり、ピーク194は、対象物の下部表面から反射した光線からのピークである。このように、2つの異なる波長における対象物のインターフェース(上部及び下部表面)の高さを同時に決定することが、必要な場合異なる変更によってできる。両表面の間の距離だけでなく、従って、対象物の厚さもピーク195と196の間の距離から決定できる。
【0052】
図3aは、本発明の特定の実施形態による、別の方法で光源101から測定対象物へ来た光学的放射の様々な波長を集束させるための、典型的な光学的放射処理ユニット300aを示す。光学的放射処理ユニット300aは、色収差分散構成要素302を具備することができ、これは、非軸方向の測定した表面に向け、光学的放射を分散させるように調整される。そのようにして、光学的放射は、光学的放射処理ユニット300aの光軸301から外れる方向に分散構成要素302によって分散し、それによって、波長の分散または分布は、少なくとも部分的に、測定表面の法線方向へ向けられる。
【0053】
しかしながら、焦点の方向は、必ずしも表面の法線方向に平行である必要はないが、それらの方向は、共通のベクトル成分(すなわち、焦点は水平方向にそろわず、且つ、光軸に沿わない)を有することに注意されたい。
【0054】
図3aの解決策によると、分散構成要素302は、2つの集中レンズ304、306の間に配置される。レンズ304、306は、集中構成要素308を形成する。
【0055】
レンズの間の光源から来る放射線は、コリメートすることができる。分散構成要素302は、集中構成要素308とともに、光源の異なる波長の光学的放射を、測定表面の法線方向で異なる高さへ集中させることができる。分散構成要素302として、プリズム又は格子又は、レンズの代わりに若しくはレンズに加えて、焦点鏡を使用することができる。レンズ304、306のいずれかを、レンズの組み合わせ、鏡、鏡の組み合わせ、又はこれらの組み合わせによって置換し得る。
【0056】
図3bは、本発明の一実施形態による、測定対象物から反射した光学的放射をレンズ304及び306を具備する集中構成要素308によって検出器へ集中するための、別の典型的な光学的放射処理ユニット300bを示す。この場合、光学的放射処理ユニット300bの焦点は、測定表面又はその近くとすることができる。分散構成要素302無しで、焦点の周囲における被写界深度は、十分に良くなるであろう。
【0057】
光学的放射処理ユニット300bは、分散を除去し、異なる光学的経路をたどってきた波長を同じ焦点へ合併させることができる分散構成要素500も具備し得る。そのような場合、光学的放射処理ユニット300bの前に位置する焦点は、同じ場所であり得、そこへ光学的放射処理ユニット300bは、異なる波長(例えば図3aを参照)を集中する。そのような場合、測定表面からの放射線は、集中的に進行する。分散構成要素302を使用して、光学的放射処理ユニット300bの後ろに離間して散在した波長を、同じ焦点(例えば検出器へ)へ集中し、検出は、例えば単一の検出要素によって実行することができる。
【0058】
光学的放射処理ユニット300a、300bは、同一であり得るが、レンズの強度値は、それらの構成及び分散構成要素が異なり得る。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態による、薄いフィルムの厚さの測定のための典型的な2つの信号を示し、信号401は、例えば鏡の表面から反射した光学的放射の測定の間、測定デバイスへの単一の波長によって生じる特徴的な信号幅を表す。他の信号402は、2つの異なる波長によって生じた波長の拡大を表し、その波長の拡大は、従って、対象物の上部及び下部表面から反射し、異なる波長を有する、2つの異なる光線からの結果である。対象物の厚さ(すなわち、その上部及び下部表面の間の距離)は、本発明の一実施形態によると、本明細書の他の場所に説明したように、信号402の最大値の半分値幅に直接的に比例して決定できる。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態による、透過性の多層構造の厚さの測定のための典型的な信号500を示す。ここで、層間の距離は、任意の光学的インターフェース又は少なくとも層間の表面から反射した光線が、信号ピーク501、502、503として示され、この場合、層の位置及び/又は厚さは、本明細書の他の場所に説明したような、本発明による方法で決定できるようになっている。
【0061】
図6aは、本発明による色収差(ダイアグラム601)に基づく測定デバイス及び市販の装置(ダイアグラム602)の両方により実行した塗装鋼板のサンプルについての光沢度測定の結果を示す。更に、図6bは、本発明による色収差(ダイアグラム603)に基づく測定デバイス及び市販の装置(ダイアグラム604)の両方により実行した鋼板のサンプルについての他の光沢度測定の結果を示す。ダイアグラムから、両方の方法は大変類似した結果をもたらすことが分かり得る。
【0062】
上述は、本発明による解決策の実施例の内の幾つかにすぎない。本発明の原理は、特許請求の範囲によって決定された範囲内で、例えば、実施の詳細及び操作範囲などを、当然変更することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定機器及び方法に関し、特に、光沢、屈折率及び/又は厚さなどの物品の表面特性の測定を目的とする測定機器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の表面の特性に対する制御、例えば、表面の厚さの制御だけでなく、紙、金属、および様々なフィルムの表面の品質の監視などは、例えば、プロセス制御および製品の品質管理の期間において、重要な部分である。表面品質特性のための、1つの良く知られた、一般的に利用されているパラメータは、光沢度である。表面の光沢度の光学的測定は、一般的に使用され、且つ、例えば、ISO規格2813「塗料及びニス−20°、60°、及び80°における非金属塗膜の場合の鏡面光沢度の測定」などにおいて、よく文書化されている。現在、例えば鉄鋼業界では、光沢度は主に、オフラインモードと呼ばれる実験室において、個々の点状のセンサを用いて測定される。点状センサの使用による光沢度パラメータの測定は遅く、例えばプロセスのリアルタイムの調整ができない。
【0003】
また、表面の光沢度の測定のための他のシステムも先行技術から知られている。例えば、国際公開WO 01/20308号において解決策が開示されており、その公報中において、光源から放射される光は、光が表面から検出器に反射されるように、測定される表面に向けられている。検出器は、順に、反射光の強度を測定し、反射光の強度に基づいて表面の光沢度を決定する。開示されている解決策において、検出器の感度は変化させることができる。特定の光沢単位が測定結果として与えられるように、器具は順に、プログラム可能な一定値で校正することができる。
【0004】
更に、欧州特許EP1407248B1号において、表面の光沢度の測定についての解決策が開示されており、そこでは、光源から放射される光は、コリメートされ、かつ、二つの異なるビームに分割され、そこから第1のビームは第1の鏡を介して測定表面へ向かい、第2のビームは、プリズムを介して第1の鏡に向かい、そして更に、第2の鏡に向かう。第1のビームは、測定表面から第2の鏡に向けて反射し、そして更にそこから検出器へ向かう。第2のビームは、プリズムを介して第2の検出器へ反射する。更に、基準信号を形成するために第3の検出器の使用を暗示している。
【0005】
表面の特性を測定するための先行技術として、FI119259Bの文書が公知であり、その中で解決策が開示されており、表面に向かって放射される光は分散化され、スペクトルの異なる波長が、測定表面の法線方向に異なる高さで集中するように、スペクトルを形成する。開示された解決策において、光学的放射の強度が最高である時、検出器からの信号に基づいて放射波長が決定され、表面の位置は、測定波長に基づいて決定される。更に、その解決策によると、対象物の厚さは、上下表面の平面の位置を測定することによって決定できる。
【0006】
しかしながら、公知の解決策は、いくつかの欠点を有する。例えば、測定表面が動いているか、又は振動している場合、表面の光沢度が一定であるという事実にかかわらず、表面から反射される光の強度は変化する。また、放射線源から集中した光は、測定表面において適切な場所にヒットしないことも起こり得、それによって、反射光の強度も変わり得る。これらの欠点の理由は、例えば、検出器に対する振動している表面の距離及び/又は角度が変化することである。また、表面の形状も変わり得、それによって、実際は光沢度が変わらないにもかかわらず、放射光の強度に影響を与える。従って、先行技術において開示されている解決策は、必ずしも、例えば動いている物体の表面特性の測定時には信頼性の高い結果につながらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述した先行技術の欠点を減少させることができるような、解決策を実装することである。特に、本発明は、動いている又は振動している表面の、光沢度、屈折率、及び/又は厚さなどの特性を監視する方法を解決することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、独立した特許請求の範囲に開示されている特徴によって満たされる。
【0009】
本発明による測定デバイスは、測定機器について記述する独立した請求項を特徴付ける部分において開示された特性によって特徴付けられる。
【0010】
本発明による測定方法は、測定方法について記述する独立した請求項を特徴付ける部分において開示された特性によって特徴付けられる。
【0011】
本発明によるコンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムについて記述する独立した請求項の部分を特徴付ける開示された特性によって特徴付けられる。
【0012】
本発明の一実施形態によると、対象物及び/又はその表面の特性は、光学的放射の少なくとも1つの光源を用いて、測定表面に向かって光学的放射が放射されるように、光学的放射を用いて決定され、表面から反射される放射の強度は、少なくとも1つの検出器によって監視され、放射強度に比例する電気信号を生成する。本発明によると、白、又は他の好ましい連続的なスペクトル光などの放射は、光源によって放射され、異なる波長へ分割される。波長は、次に、測定表面の法線方向で測定対象物表面の異なる半分で且つ異なる高さに、少なくとも前述の波長の内で最も短い波長及び最も長い波長が集中するように、測定表面の法線方向とは異なる方向で測定対象物へ集まる。
【0013】
例えば、赤いスペクトル波長は、測定対象物の上側表面の平面に集まり得、青いスペクトル波長は、測定対象物の下側表面の平面に集まり得る。
【0014】
本発明によれば、たとえ、表面の形状、それ故に検出器に対する位置及び距離が一定ではなく、表面の移動及び振動によって変化する可能性があるとしても、少なくともスペクトルの最も長い波長また最も短い波長の間に位置する波長のうちのいくつかは、測定対象物の表面上に実質的に集中するということを、常に保証することができる。また、本発明によると、対象物の表面から反射した光線に対応する最強強度値は、他の場所へ集中した光線の強度値が、実質的に対象物の表面から反射した強度よりも小さくなっているため、常に画定することができる。更に本発明によると、最も強い強度を発生する光線の波長も、決定することができる。
【0015】
より光沢度が高い表面は、表面から反射した光線の強度値がより高く従って、より光沢度の低い表面は、その輝きが少なく、従って、表面から反射した光線の強度が弱くなるというように、表面の光沢は、表面から反射した光線の強度に影響を与える。更に、異なる光源から放射される光線はまた、異なる特性の強度を有し得、これにより、本発明の一実施形態によると、各波長について、又は少なくとも幾つかの波長を含む波長帯についての強度特性は、知られている。本発明のいくつかの実施形態によると、表面の光沢度は、検出器へ反射された光の最高の強度値(表面に集中する光線及びそこから反射した光線に対応する)及び前述の光線の波長を決定することによって、かつ、更に例えば前述の波長の特徴的な強度値と比較することによって、決定し得る。
【0016】
本発明によると、実質的に鏡面反射の方向に、測定表面から反射した光学的放射は、検出器によって取得され、鏡面反射の方向は、測定表面の法線方向とは異なっている。反射した放射は、対象物の表面に当たる点に波長が集まることを実質的に表している。検出器によって生成した電気信号(信号は、放射強度に比例する)から、次に光沢度(その波長の強度値に基づいて対象物表面の光沢を特徴付ける)を決定し、その焦点は、測定表面上に位置し、その波長はスペクトルジオメトリにおいて、その点から検出器へ反射する最も強いものであった。
【0017】
検出器は、好ましくは、それに向けた光学的放射及び少なくとも特定の波長帯の強度値をそれを用いて区別することができるように組み立てられている。強度値は、例えば、検出器によって生成された電圧によって決定することができ、かつ、波長は、検出器(例えばマルチチャンネルスライス検出器(multi−channel row detector))のどのスポットが特定の波長に関連した光線によってヒットしているかというデータに基づいて決定することができる。検出器は、例えば、CCD又はCMOS技術に基づいた検出器であってよい。
【0018】
本発明の1つの実施形態によると、表面から反射した光が、例えば、波長の関数として増加又は減少するように、その透過能力が異なる光学的フィルターによって、2つの異なる検出器について分割されるように、2つの分かれた検出器もまた、表面から反射した光学的放射のための監視デバイスとして使用することができる。この場合、少なくとも二つの異なる波長又は波長帯は、2つの異なる検出器について分割され得、かつ、ピーク強度の焦点は、その比率に比例する;
【数1】
式中、S1及びS2は、検出器1及び2からの信号である。
【0019】
測定対象物の表面の光沢を特徴付ける、光沢度G0は、以下の方程式によって、決定できる;
【数2】
【0020】
式中、φ0は、検出器によって測定された強度(ピクセルグレースケール値)であり;
GA及びGBは、第1及び第2の参照の光沢度であり、φA及びφBは、後者に対応する強度値である。
【0021】
本発明の1つの実施形態によると、本発明の取り決めによって、光沢度に加えて、測定対象物の表面の位置を、光沢度の測定に関連して決定することができる。この場合、波長のための焦点への距離又は位置は、例えば、いくつかの基準点に関連して、また例えば、検出器の上部から測定した垂直距離に関連して、分かる。本発明によると、測定対象物の表面の位置は、次に、反射光の強度値が最強である場合の波長を決定することによって画定される。波長が決定され、各波長での焦点までの距離が、基準点に関連して分かると、続いて、表面の位置を決定することができる。
【0022】
いくつかの実施例によると、例えば、450〜650nmのヒトの眼に見える波長は、例えば、1mmのz軸方法の区域(z−zone)へ、即ち、表面の法線方向に対して広げることができる。測定のセットアップとして使用する場合、例えば、1000×1000ピクセルの配列を備える電荷結合素子(CCD)は、0.2nmの1ピクセルに対応し、かつ、上述の200nmの場合は、1000ピクセルの領域に広がり、ピクセルの解像度は、1mmのz軸方法の区域について1マイクロメートルである。次に、例えば、ピーク強度の計算によって、検出器に向けられた光学的放射の位置を決定することにより、特定の解決策を用いて0.1ピクセルの精度にまで到達させることが可能であり、それは、表面の法線方向に対して、0.1μmの高精度に対応している。
【0023】
言い換えると、対象物の表面の位置は、表面から反射された最も強い強度の波長を使用し、それをいくつかの基準点から前述の波長の焦点の距離を比較することによって決定する。本発明によると、測定表面の位置は、いくつかの基準点における0.1μm精度率を用いても、上述したセットアップを使用することによって画定し得る。しかしながら、それらの上述した計算値は、単なる例示であって、当業者へ本発明の平均的なアイディアを付与することを意図しているが、これらの値は、いかなる方法でも本発明の制限を付与するものではなく、本発明は、例えば紫外線や赤外線などの、より短い又はより長い他の波長の利用のために適合させ得ることを示すべきである。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によると、光沢度及び表面の位置の決定に加えて、本発明は、対象物の厚さの測定も採用することが可能であり、対象物は、光学的放射に対して少なくとも部分的に透過性である。対象物は、例えば、2つのお互いの表面に対して少なくとも実質的に平行な、上部及び下部を具備するフィルムであり得る。本実施形態によると、例えば、少なくとも分散した波長スペクトルの最も短い、及び最も長い波長は、対象物の上部表面及び下部表面が、前述の波長の焦点の間(例えば、スペクトルの青及び赤の端の間)に留められるように、集中し得る。
【0025】
本発明の特定の実施形態によると、対象物の厚さは、両方の表面から反射された波長を受け取るように、決定することができる。フィルムなどのとても薄い対象物について、上部及び下部表面の平面から反射した波長は、必ずしも2つの異なる強度のピークに分割できないほどに近い(検出器の分解能に依存する)が、その代わりにそれらは単一のブロードなピークとして検出される。この場合、対象物の厚さは、例えば、信号分散を計算することによるなどの、強度ピーク又は信号の半値幅の関数(FWHM)を用いて、決定することができる。
【0026】
信号は所謂、「特徴的な幅(characteristic width)」を有し、それは光学的測定値のための特性である。特徴的な幅は、光学的な入射スリットがどの位広いかに直接的に比例するだけではなく、スペクトルがz軸方法の区域にどれくらい広がっているのかに直接的に比例し、かつ、照明開口数(NA)に反比例する。信号の特徴的な幅は、例えば、完全に光沢のある反射面(光学的鏡など)から反射した信号の半値幅を決定することによって測定できる。光線が透過性のフィルムを透過する、又はフィルム内にある時、原則的に、2つの信号は、1つは上部表面の平面から反射した光によって生じ、他方は、下部表面の平面から反射した光によって生じたものが、検出器へ取得される。フィルムが十分に薄い場合、これらの光線によって生じる強度ピークは、互いに混合して得られ、これは出現した信号の最大値の半分における全幅を広げ、そこで、信号のFWHM値は、フィルムの厚さに直接比例する。
【0027】
本発明の別の実施形態によると、対象物が十分に厚い、又は、代替的に検出器の分解能が十分である場合、対象物の上部及び下部表面から反射した高強度のピークは、それぞれに分離することができ、またそれによって、前述の強度波長に対応し、更に、前述の波長によって、そこから波長が反射する、対象物の表面の位置を決定できる。表面の位置に基づいて、対象物の厚さを決定できる。
【0028】
本発明の他の実施形態によると、特に、十分な分解能を具備した検出器を使用する場合において、多層対象物の厚さ及び多層対象物の各層間の距離もまた、画定することができる(ここで、多層対象物は、完全に又は少なくとも部分的に、放射光に対して透過的である)。その場合、光学的放射源の放射スペクトルは、対象物全体、及び、従ってその全ての層が前述の実施形態と同様に、スペクトルの両端の間に維持されるように、分割される。また、波長の内の少なくとも1つが各対象物の層の表面に集中し、検出器へそこから反射することが期待される。従って、対象物の第1の層の厚さは、本発明の前述の実施形態による2つの第1の強度ピークを用いて決定され、第2の層の厚さは、第3及び第4の強度ピークを用いて決定される。従って、層間の差は、例えば、第1の差が第2及び第3の強度ピークによって、又は、言い換えると、第1の層の下部表面の平面から反射した波長及び、第2の層の上部表面の平面から反射した波長を用いることによって、決定することができるように、測定することができる。
【0029】
本発明の実施形態によると、異なる層の厚さは、適切な状況において、前述したように、強度ピークの広がりに基づいて、粗い分解能の検出器を用いたとしても、決定することができる。しかしながら、この場合、層間の距離は、第1の層によって発生した強度ピークの広がりが、第2の層及びそこから発生した強度ピークから反射した放射について、干渉しすぎないようにしなければならない。
【0030】
更に、本発明の特定の実施形態について、現在の考え方は、更に対象物の表面の光沢度を測定に加えて、対象物を測定する際で且つ測定デバイスが互いに関連して移動する場合の対象物の表面のプロファイルの決定にも適用することができる。上記で開示した実施形態を適用することによって、対象物の1つ以上の表面プロファイル(対象物は、少なくとも部分的に透過的である)も、表面平面間の距離が十分であるか、使用される検出器の分解能が十分に高いかのいずれかを条件に、決定することができる。
【0031】
本発明の更に別の実施形態によると、いくつかの発明が関連した測定装置を、測定対象物の周囲に配置することができ、例えば、第1の測定装置を対象物の上部表面の上に、第2の測定装置を、対象物の下部表面の下に配置し、この場合、第1の測定装置は、例えばいくつかの基準点に対する、第1(上部)表面の位置及び第2測定装置、第2(下部)表面の位置を決定し得る。そのような場合、対象物の厚さを、表面の位置に基づいて計算し得る。前述の実施形態はまた、対象物のプロファイルを決定するために適用し得、言い換えると、第1及び第2測定装置からのデータを適切な方法で組み合わせることによる表面のプロファイルの決定のためだけではない。
【0032】
発明の実施形態は、従って、色収差と被測定物のスペクトル照度に基づいているか、又は言い換えると、光の異なる波長が屈折され、また、空間内の別の点に焦点が集まるという現象に基づいている。例えば、スペクトルの最短波長は、スペクトルの最長波長と比較して、レンズ内で大きな程度で屈折する。光の屈折は、レンズや他の屈折対象物の屈折率に依存する。屈折率は、一方、波長に依存し、従って、異なる波長は異なる角度で屈折し、その場合には色収差が観察される。一般的には、青い光は、赤い光よりも大きく屈折する。
【0033】
本発明は、先行技術から公知となっている解決策、即ち、測定対象物の移動や振動、又は表面の角度を考慮に入れない表面の光沢度の測定と比較して、大きな利点を提供している。更に、本発明は、光沢度、厚さ、及び/又は表面のプロファイルを同時に測定すること、及び同じプローブを使用することを可能にし、これは、先行技術では不可能であった。本発明は、光沢度の一点計測に限らず、光沢度プロファイル、即ち、いわゆる、画像ベースの光沢度測定も可能にしている。
【0034】
本発明は、非常に広範に適用することが可能であり、例えば、紙、鉄鋼、プラスチック産業の分野において、表面の光沢度パラメータの監視は、プロセス及び製品品質管理の必要不可欠な部分である。特に利点となっているのは、例えば、製造プロセスに関連して、時間のかかる実験室での測定を追加で行う必要なく、リアルタイムで対象物の光沢度及び厚さを測定することが可能なことである。更に、本発明によって得られた結果は、生産ラインのリアルタイムチューニングに使用することが可能であり、生産プロセスから離れて行われた測定の後ではなく、それによって、最終製品の質が直接的に影響を受ける可能性がある。それは、製品製造の制御パラメータを、リアルタイムで調整することが可能であるため、生産プロセスにおける品質の保証、低い質の製品を最小限にすること、及び、必要な措置を導入するための速度の全てに、大きな影響を与えた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】特定のISO基準による、光沢度測定ジオメトリを示す図である。
【図2a】本発明の一実施形態による、典型的な測定装置を示す図である。
【図2b】本発明の一実施形態による、典型的な測定デバイスを示す図である。
【図2c】本発明の一実施形態による、他の典型的な測定デバイスを示す図である。
【図2d】本発明の一実施形態による、第3の典型的な測定デバイスのうちの1つを示す図である。
【図3a】本発明の特定の一実施形態による、典型的な光学的放射処理ユニットを示す図である。
【図3b】本発明の特定の一実施形態による、他の典型的な光学的放射処理ユニットを示す図である。
【図4】本発明の特定の一実施形態による、薄膜の厚さ測定のための2つの典型的な信号を示す図である。
【図5】本発明の特定の一実施形態による、透過性の多層構造の厚さ測定のための典型的な信号を示す図である。
【図6a】本発明による測定デバイス及び市販の装置の両方によって実施された、光沢度測定の結果を示す図である。
【図6b】本発明による測定デバイス及び市販の装置の両方によって実施された、別の光沢度測定の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の幾つかの好ましい実施形態を、特許請求の範囲に説明する。
【0037】
次に、本発明の好ましい実施形態を、より詳細に図面を参照して、説明する。
【0038】
図1は、光沢度基準ISO2813による、光沢度測定ジオメトリ10を示し、ここで光源11によって発生した光学ビーム12は、収束デバイス18a(例えばレンズ)によって、測定表面19へ指向される。光線は、表面19からスペクトルジオメトリ16の方向へ反射され、収束デバイス18b(すなわちレンズ)によって、光学的放射検出器17へ収集される。検出器17は、反射した光線16の強度を測定し、光線16の強度に基づいて、測定表面19の光沢度を決定する。
【0039】
図2aは、本発明の特定の実施形態による、典型的な測定装置100を示し、システムは、光学的放射処理ユニット108aへ向けて白色または他の適切な連続スペクトル光など、光学的放射102を放射するための光学的放射源101を具備する。光学的放射処理ユニット108aは、スペクトル103へ放射された光を分割するように調整され、それは例えば、最短の波長(青端)が最も屈折し、それによってその焦点は、測定表面110の法線方向に対して、例えば点104aを構成し、わずかに長い波長についての焦点は、点104bを構成し、かつ、それによって最も長い波長(赤)は、少なくともこの場合その焦点が測定表面110の法線方向に対して屈折し、点104cを構成する。
【0040】
測定表面109からスペクトルジオメトリへ反射した光学的放射105は、処理ユニット108bによって収集され、且つ、更に、106を光学的放射検出ユニット107へ指向し、次に、出力として、例えば、そこへ当たる光線の強度に比例する電気信号として生成するように調整できる。検出器107は、また、本明細書において開示した方法を用いて前述の強度の波長を決定することもできる。
【0041】
測定装置はまた、測定対象物の表面の光沢度を、反射光線の強度に基づいて決定するための手段111も具備する。手段は、例えば、対応する光線の特徴的な波長の強度を予め知っており、表面、表面コーティング、使用したジオメトリ及び/又は表面光沢度がどれだけ異なるのかが、強度に影響することを考慮する。上述したデータに基づいて、測定装置は、対象物の表面の光沢度を決定するために好ましく調整される。
【0042】
測定表面に対する光学的放射の入射角は、例えば、測定シナリオに応じて、通常は、数度〜数十度まで変化し得る。開示された装置は、他方からは、十分に大きな入射を利用すると、それに従って、例えば、測定において数十度と等しい反射角(departure angles)となることを可能にする。例えば、光沢度の測定について、多くの異なる角度(前述の大きな角度も)が、一般的に使用されている。測定ジオメトリは、好ましくは調節可能である。
【0043】
図2bは、本発明の特定の実施形態による1つの典型的な測定デバイス100を示し、光源101によって生成した光学的放射は、スペクトルに分割され、処理ユニット108aによって、測定デバイス100に近い測定対象物の表面109a上の104に少なくとも波長の一部が集まり、一部は表面109bの下に集まるように、集められる。
【0044】
図2bによって示される場合において、測定表面は、例えば、光学的放射に対して実質的に透過性な材料とすることができ、本発明の好ましい測定原理の内の1つによると、少なくとも1つの波長は、処理ユニット108bに向けてそこから反射する対象物の上部表面109aの点に実質的に集中し、少なくとも1つの別の波長は、表面109a及び109bの間に位置する透過性の層を貫通し、そこから処理ユニット108bへ向けて反射する、下部表面109bへ集中する。
【0045】
光学的放射処理ユニット108bによって、異なる波長は、検出器107aの異なる点へ向けて指向される。検出器107aは、好ましくは、最強の強度を検出するように調整され、それは、図2bに示された場合において、表面109a及び109bから反射した光線によるものである。2つの最強の強度に基づいて、どちらの光線が表面109a及び109bに当たるのかを決定することができ、これらの光線によって、前述の光線が当たる検出器107a上の点に基づいて対応する波長を、画定することができる。従って基準点に対する、焦点の位置又は前述の波長の距離が分かる、又は少なくとも数学的に計算することができるので、波長に基づいて、特定の基準点への表面109a及び109bの距離を決定できる。更に、表面の位置が分かると、それに基づいて、表面間に維持されている中間層を決定することができ、即ち、対象物の厚さが分かる。例えば、透明なフィルムのような薄い対象物の表面109a、109bから反射した光線が、検出器107aにおいて、お互いの信号が混合して受信されるように非常に近くに集中する場合、それによるフィルムの厚さは、例えば、本明細書において前述したように、信号の最大値の半分値幅を用いて決定することができる。
【0046】
図2cは、本発明の実施形態による別の典型的な測定デバイス150を示し、その測定原理は、表面から反射した光が、例えば、半透明鏡によって、及び、例えば光学的フィルターを用いることによって2つの分離した検出器について分割され、例えばダイアグラム152に示されているように、その透過度は波長の線形関数として変化し(例えば増加又は減少)、例えば検出器107b1に到達した光線のろ過は、波長の関数として曲線152aによって示されており、検出器107b2へ到達した光線のろ過は、波長の関数として曲線152bによって示されるように、機器150の光学的放射検出ユニット107bとして、2つの分離した検出器107b1及び107b2を使用することを除いて、その他の点では、図2bに示されているデバイス100と同じである。少なくとも2つの異なる波長又は波長帯におけるこの方法は、2つの異なる検出器について分離され得る。
【0047】
各波長において、両検出器によって検出された場合、光力(又は強度)は、合算され、検出された光力における差によって分割され、この方法において、相対強度が最強である場所における相対強度から、そのような波長が生成し、測定対象物の表面から反射する。
次に、ピーク強度の焦点は、比率に比例し、
【数3】
式中、hは、幾つかの基準点からの表面距離であり、λρは、表面から反射した光線の波長であり、S1及びS2は、検出器107b1及び107b2によって発生した信号である。ダイアグラム154は、焦点104aに対応する波長が、最も高い値を生成し、それによって、表面109の位置を、例えば本明細書において上述した方法で、問題の波長を用いて決定できることを示す。
【0048】
図2dは、本発明の実施形態による第3の典型的な測定デバイス180を示し、光学的放射源101は、2つ以上の光源101a、101bを具備し、それらの両方は、同じ表面であるが、異なる高さの点に、分離したスペクトル181及び182を形成する。前述の光源は、幾つかの分離した光源によって形成され得、又は、例えば、図2dに示されているように、ビーム分割器183によって1つの光学的ラジエータからの放射によって形成され得る。
【0049】
更に、図2dの測定デバイス180は、放射源及び測定対象物の表面から反射したものの両方によって放射された光線の検出のために、光学的放射検出ユニット107を具備し、それは、少数の分離した分光器187a、187bを具備し得、又は、代替的に、同じ検出器107へのビーム分割器によって幾つかの異なる場所へ集まった光線を結合し得る。図2dの測定デバイス180の放射検出ユニット107a、107bは、好ましくは、他にかかわらず、実質的に前述の独自の放射源からの放射線の強度のみを測定するように配置する。この場合、表面上の同じ場所から反射した光学的放射は、独自のトランスミッターを用いて同じ波長へ集中するその検出器によってのみ、受信される。各検出器は、例えば、独自の分割波長を有し、そこでは、トランスミッターは測定表面へ集められ、それによって一組の送信機−受信機対のみが、同じ波長で互いに焦点が合う。
【0050】
また、送信機−受信機対が、互いに異なった偏光レベルや方向(偏光レベルを変更する構成要素184a、184bを、例えば、図2dに示されているような方法で、配置することができる)を有することも可能であり、その場合、測定デバイス180は、まさに同じ場所から来ているが、送信機と受信機の間で異なる偏光率を有し得る2つの反射信号を測定するために配置できる。例えば:
送信機101a及び受信機107aについて、例えば、送信光学的放射がS−偏光であり、受信もまた、S−偏光である場合;及び、
送信機101a及び受信機107bについて、例えば、送信光学的放射がP−偏光であり、受信もまた、P−偏光である場合;
また、例えば下記のような他の種類のバリエーションも使用することができ、
送信機101a及び受信機107aについて、送信光学的放射がS−偏光であり、受信がP−偏光(又は、例えば円偏光など)である場合。
【0051】
これらのさまざまな組み合わせを利用することで、例えば厚さ、光沢度、及び/又はフィルムの反射インデックスなどの表面の特性を、偏光解析法的に、測定することが可能である。特に、図2dの測定デバイスを、2つ以上の波長帯において対象物の表面の特性を決定するために好ましく配置し、その場合、検出器及び複数の検出器からの出力は、ダイアグラム190の通りに曲線で表されることに注意すべきである。そこで、2つの第1のピーク191、192は、第1の光源によって放射された放射線によって生じるものであり、ピーク191は、対象物の上部表面から反射した光線からのピークであり、ピーク192は、対象物の下部表面から反射した光線からのピークである。更に、2つの他のピーク193、194は、第2の光源によって放射された放射線によって生じるものであり、ピーク193は対象物の上部表面から反射した光線からのピークであり、ピーク194は、対象物の下部表面から反射した光線からのピークである。このように、2つの異なる波長における対象物のインターフェース(上部及び下部表面)の高さを同時に決定することが、必要な場合異なる変更によってできる。両表面の間の距離だけでなく、従って、対象物の厚さもピーク195と196の間の距離から決定できる。
【0052】
図3aは、本発明の特定の実施形態による、別の方法で光源101から測定対象物へ来た光学的放射の様々な波長を集束させるための、典型的な光学的放射処理ユニット300aを示す。光学的放射処理ユニット300aは、色収差分散構成要素302を具備することができ、これは、非軸方向の測定した表面に向け、光学的放射を分散させるように調整される。そのようにして、光学的放射は、光学的放射処理ユニット300aの光軸301から外れる方向に分散構成要素302によって分散し、それによって、波長の分散または分布は、少なくとも部分的に、測定表面の法線方向へ向けられる。
【0053】
しかしながら、焦点の方向は、必ずしも表面の法線方向に平行である必要はないが、それらの方向は、共通のベクトル成分(すなわち、焦点は水平方向にそろわず、且つ、光軸に沿わない)を有することに注意されたい。
【0054】
図3aの解決策によると、分散構成要素302は、2つの集中レンズ304、306の間に配置される。レンズ304、306は、集中構成要素308を形成する。
【0055】
レンズの間の光源から来る放射線は、コリメートすることができる。分散構成要素302は、集中構成要素308とともに、光源の異なる波長の光学的放射を、測定表面の法線方向で異なる高さへ集中させることができる。分散構成要素302として、プリズム又は格子又は、レンズの代わりに若しくはレンズに加えて、焦点鏡を使用することができる。レンズ304、306のいずれかを、レンズの組み合わせ、鏡、鏡の組み合わせ、又はこれらの組み合わせによって置換し得る。
【0056】
図3bは、本発明の一実施形態による、測定対象物から反射した光学的放射をレンズ304及び306を具備する集中構成要素308によって検出器へ集中するための、別の典型的な光学的放射処理ユニット300bを示す。この場合、光学的放射処理ユニット300bの焦点は、測定表面又はその近くとすることができる。分散構成要素302無しで、焦点の周囲における被写界深度は、十分に良くなるであろう。
【0057】
光学的放射処理ユニット300bは、分散を除去し、異なる光学的経路をたどってきた波長を同じ焦点へ合併させることができる分散構成要素500も具備し得る。そのような場合、光学的放射処理ユニット300bの前に位置する焦点は、同じ場所であり得、そこへ光学的放射処理ユニット300bは、異なる波長(例えば図3aを参照)を集中する。そのような場合、測定表面からの放射線は、集中的に進行する。分散構成要素302を使用して、光学的放射処理ユニット300bの後ろに離間して散在した波長を、同じ焦点(例えば検出器へ)へ集中し、検出は、例えば単一の検出要素によって実行することができる。
【0058】
光学的放射処理ユニット300a、300bは、同一であり得るが、レンズの強度値は、それらの構成及び分散構成要素が異なり得る。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態による、薄いフィルムの厚さの測定のための典型的な2つの信号を示し、信号401は、例えば鏡の表面から反射した光学的放射の測定の間、測定デバイスへの単一の波長によって生じる特徴的な信号幅を表す。他の信号402は、2つの異なる波長によって生じた波長の拡大を表し、その波長の拡大は、従って、対象物の上部及び下部表面から反射し、異なる波長を有する、2つの異なる光線からの結果である。対象物の厚さ(すなわち、その上部及び下部表面の間の距離)は、本発明の一実施形態によると、本明細書の他の場所に説明したように、信号402の最大値の半分値幅に直接的に比例して決定できる。
【0060】
図5は、本発明の一実施形態による、透過性の多層構造の厚さの測定のための典型的な信号500を示す。ここで、層間の距離は、任意の光学的インターフェース又は少なくとも層間の表面から反射した光線が、信号ピーク501、502、503として示され、この場合、層の位置及び/又は厚さは、本明細書の他の場所に説明したような、本発明による方法で決定できるようになっている。
【0061】
図6aは、本発明による色収差(ダイアグラム601)に基づく測定デバイス及び市販の装置(ダイアグラム602)の両方により実行した塗装鋼板のサンプルについての光沢度測定の結果を示す。更に、図6bは、本発明による色収差(ダイアグラム603)に基づく測定デバイス及び市販の装置(ダイアグラム604)の両方により実行した鋼板のサンプルについての他の光沢度測定の結果を示す。ダイアグラムから、両方の方法は大変類似した結果をもたらすことが分かり得る。
【0062】
上述は、本発明による解決策の実施例の内の幾つかにすぎない。本発明の原理は、特許請求の範囲によって決定された範囲内で、例えば、実施の詳細及び操作範囲などを、当然変更することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物へ光学的放射を放射させるための、少なくとも1つの光学的放射源と、
前記測定対象物から反射した前記放射を受信するため、及び、その強度に比例する電気信号を生成するための、少なくとも1つの検出器と、を具備する前記測定対象物の1つ以上の特性を、光学的放射を用いて決定するための測定デバイスであって、
前記測定デバイスが更に、
波長を分割するために前記光源によって放射された光学的放射を分割し、前記波長の内少なくとも最短及び最長の波長が、測定表面の法線方向で、前記測定対象物の表面の異なる半分及び異なる高さに集中するように、前記測定表面の前記法線方向から異なる方向で前記測定対象物へ前記分割した波長を向けるように調整される、(放射した)光学的放射処理ユニットと、
少なくとも前記測定表面の前記法線方向と異なるスペクトル反射の前記方向において、前記測定対象物から反射した光学的放射を受信し、且つ、受信した光学的放射を前記検出器へ向けるように調整される、(反射した)光学的放射処理ユニットと、を具備し、
前記測定デバイスは、前記検出器によって生成され、且つ、そこに集中した前記反射の前記強度に比例する電気信号を分析し、更に、その波長の前記強度に基づいて、光沢度などの測定対象物表面光沢を説明する特徴を少なくとも決定し、その焦点が前記測定表面に配置され、従って、スペクトルジオメトリにおける最強波長としてその点から前記検出器へ反射するように調整される、
ことを特徴とする測定デバイス。
【請求項2】
光学的放射源が、2つ以上の光源を具備し、それぞれが同じ対象物表面であるが、異なる高さへ向けてスペクトルを分割し、前記光源は幾つかの分割した光源によるか、又はビーム分割器を用いた光学ラジエータの放射によって形成され、及び/又は、
光学的放射検出ユニットが、前記表面から反射した光線を検出し、異なる場所へ集中した前記光線がビーム分割器を用いて前記検出ユニットへ結合するように、いくつかの異なる場所へ集中するように調整され、又は、光学的放射検出ユニットが、前記放射源のそれぞれによって放射された、及び、前記測定対象物の前記表面から反射した光線を検出するための2つ以上の検出ユニットを具備する、
請求項1に記載の、測定デバイス。
【請求項3】
2つ以上の放射源及び前記放射検出ユニットは、検出ユニットが実質的に他の対を考慮にいれず、独自の放射源からのみ強度を測定するよう配置されるように、送信機−受信機対内へ配置され、その場合、送信機−受信機対が、互いに異なる偏光レベル又は方向を有し得、前記測定デバイスが、正確に同じ場所から来る2つ以上の反射信号を測定するように配置され得、反射信号が、前記送信機及び前記受信機の間で異なる偏光率を有することができる、請求項2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記測定対象物を特徴付ける測定可能な特性が、屈折率及び/又は厚さである、請求項1〜3のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記測定デバイスが、好ましくは、実質的に以下の方法
【数1】
(式中、(φ0は前記検出器によって測定される強度(ピクセル・グレースケール値)であり、GA及びGBが第1及び第2の基準点の前記光沢度であり、φA及びφBが後者に対応する強度値である)
によって測定される、前記測定表面の前記光沢度を特徴付ける光沢度G0を決定するように調整される、請求項1〜4のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記基準点に対する前記波長の焦点への距離が既知であり、この場合、前記表面から反射した前記最強強度の波長を決定し、それを前記基準点からの前記波長の前記焦点の距離と比較することによって、測定デバイスが前記対象物の表面の位置を画定するように調整される、請求項1〜5のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記測定対象物が、利用した光学的放射に対して、少なくとも部分的に透過性であり、且つ、前記対象が少なくとも2つの実質的に平行な表面、すなわち、上部及び下部表面を具備し、前記波長の内、少なくとも前記最短及び前記最長の波長は、前記対象物の表面が前記波長の前記焦点の間で保持されるように調整され、その場合、前記測定デバイスが、両方の表面から反射した前記波長を受信し、これらの最強の強度ピークによって生じるピーク幅の変化に基づいて、前記対象の前記厚さを決定するように調整される、請求項1〜6のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項8】
前記測定対象が、前記利用した光学的放射に対して、少なくとも部分的に透過性であり、且つ、前記対象が少なくとも2つの実質的に平行な表面、すなわち、前記上部及び前記下部表面を具備し、前記波長の内、少なくとも最短及び最長の波長は、前記対象物の表面が前記波長の前記焦点の間で留まるように焦点を調整され、その場合、前記測定デバイスが、2つの最強の強度に対応し、且つ、前記上部及び下部表面の間の距離を決定し、それに従って、前記対象の前記厚さを決定するそれらの焦点の位置データに基づいて、波長を決定するように調整される、請求項1〜6のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項9】
前記測定対象物が、及び測定デバイスが互いに関連して移動する場合、前記測定デバイスが、前記対象物の少なくとも1つの表面のプロファイルを決定するように調整される、請求項6又は請求項8に記載の測定デバイス。
【請求項10】
測定デバイスが、請求項1に記載の前記光学的放射源、前記検出器、及び前記光学的放射処理ユニットを少なくとも備える2つの測定機器を具備し、第1の測定機器が、前記対象の第1の半分に配置され、第2の測定機器が、前記対象の第2の半分に配置され、その場合、前記測定機器が、前記第1の測定機器によって測定された第1表面の前記位置データ、及び前記第2の測定機器によって測定された、前記第2の表面の前記位置データに基づいて前記測定対象の前記厚さを決定するように調整される、請求項6〜9のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項11】
光学的放射が、前記光学的放射の測定対象物への少なくとも1つの光源によって放射され、
前記測定対象物から反射した放射が、少なくとも1つの検出器によって受信され、放射強度に比例する電気信号が生成される前記光学的放射を用いた対象の1つ以上の特性を決定するための方法であって、
更に、前記方法において、
測定表面の法線方向から、波長の内の少なくとも、最小及び最長の波長が、前記測定対象物の異なる半分及び異なる高さに集まるように、前記光源から放射した光学的放射は、様々な波長に分割され、前記様々な波長は、前記測定表面の法線方向とは異なる方向において測定対象物へ向けられ、
前記測定対象物(少なくとも、前記測定表面の前記法線方向から異なるスペクトル反射の方向)から反射した光学的放射が、受信され、前記光学的放射が前記検出器へ向けられ、かつ、
前記検出器によって生成され、そこに集中した前記放射の強度に比例する電気信号が分析され、更に、前記測定対象物を説明する1つ以上の特徴、少なくとも、前記表面の光沢特性を、その波長強度、前記測定表面に配置された前記焦点、及び、スペクトルジオメトリにおける最強の波長として、前記点から前記検出器へ反射したものに基づいて、分析する、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
測定デバイスからの測定データを受信するように調整され、前記測定デバイスが、
測定対象物へ光学的放射を放射するための、少なくとも1つの光学的放射源と、
前記測定対象物から反射した前記放射を受信し、その強度に比例する電気信号を生成するための、少なくとも1つの検出器と、
を具備する前記光学的放射を用いて、対象物の1つ以上の特徴を決定するための、コンピュータプログラム製品であって、
前記測定デバイスが更に、
波長の内、少なくとも最短及び最長の波長が、測定表面の法線方向で、前記測定対象物の表面の異なる半分及び異なる高さへ集中するように、光源によって放射した光学的放射を、分割された波長に分割し、前記分割した波長を前記測定対象物の前記法線方向と異なる方向で前記測定対象物へ向けるように調整される、(放射された)光学的放射処理ユニットと、
前記測定表面の前記法線方向と異なる少なくともスペクトル反射の方向における前記測定対象物から反射した光学的放射を受信するように調整され、且つ、受信した光学的放射が前記検出器に向けられるように調整される、(反射した)光学的放射処理ユニットと、
を具備し、更に、
前記コンピュータプログラム製品が、前記検出器によって生成され、そこに集中した前記放射の強度に比例する電気信号を分析し、且つ、更に、その波長の前記強度に基づいて、前記測定対象物を説明する1つ以上の特徴少なくとも表面の光沢の特徴を決定するように調整され、その焦点が前記測定表面上に配置され、従って、前記コンユータプログラム製品がデータ処理デバイスにおいて運転される場合、前記スペクトルジオメトリにおける最強の波長としてその点から前記検出器へ反射する、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
測定対象物へ光学的放射を放射させるための、少なくとも1つの光学的放射源と、
前記測定対象物から反射した前記放射を受信するため、及び、その強度に比例する電気信号を生成するための、少なくとも1つの検出器と、を具備する前記測定対象物の1つ以上の特性を、光学的放射を用いて決定するための測定デバイスであって、
前記測定デバイスが更に、
波長を分割するために前記光源によって放射された光学的放射を分割し、前記波長の内少なくとも最短及び最長の波長が、測定表面の法線方向で、前記測定対象物の表面の異なる半分及び異なる高さに集中するように、前記測定表面の前記法線方向から異なる方向で前記測定対象物へ前記分割した波長を向けるように調整される、(放射した)光学的放射処理ユニットと、
少なくとも前記測定表面の前記法線方向と異なるスペクトル反射の前記方向において、前記測定対象物から反射した光学的放射を受信し、且つ、受信した光学的放射を前記検出器へ向けるように調整される、(反射した)光学的放射処理ユニットと、を具備し、
前記測定デバイスは、前記検出器によって生成され、且つ、そこに集中した前記反射の前記強度に比例する電気信号を分析し、更に、その波長の前記強度に基づいて、光沢度などの測定対象物表面光沢を説明する特徴を少なくとも決定し、その焦点が前記測定表面に配置され、従って、スペクトルジオメトリにおける最強波長としてその点から前記検出器へ反射するように調整される、
ことを特徴とする測定デバイス。
【請求項2】
光学的放射源が、2つ以上の光源を具備し、それぞれが同じ対象物表面であるが、異なる高さへ向けてスペクトルを分割し、前記光源は幾つかの分割した光源によるか、又はビーム分割器を用いた光学ラジエータの放射によって形成され、及び/又は、
光学的放射検出ユニットが、前記表面から反射した光線を検出し、異なる場所へ集中した前記光線がビーム分割器を用いて前記検出ユニットへ結合するように、いくつかの異なる場所へ集中するように調整され、又は、光学的放射検出ユニットが、前記放射源のそれぞれによって放射された、及び、前記測定対象物の前記表面から反射した光線を検出するための2つ以上の検出ユニットを具備する、
請求項1に記載の、測定デバイス。
【請求項3】
2つ以上の放射源及び前記放射検出ユニットは、検出ユニットが実質的に他の対を考慮にいれず、独自の放射源からのみ強度を測定するよう配置されるように、送信機−受信機対内へ配置され、その場合、送信機−受信機対が、互いに異なる偏光レベル又は方向を有し得、前記測定デバイスが、正確に同じ場所から来る2つ以上の反射信号を測定するように配置され得、反射信号が、前記送信機及び前記受信機の間で異なる偏光率を有することができる、請求項2に記載の測定デバイス。
【請求項4】
前記測定対象物を特徴付ける測定可能な特性が、屈折率及び/又は厚さである、請求項1〜3のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項5】
前記測定デバイスが、好ましくは、実質的に以下の方法
【数1】
(式中、(φ0は前記検出器によって測定される強度(ピクセル・グレースケール値)であり、GA及びGBが第1及び第2の基準点の前記光沢度であり、φA及びφBが後者に対応する強度値である)
によって測定される、前記測定表面の前記光沢度を特徴付ける光沢度G0を決定するように調整される、請求項1〜4のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項6】
前記基準点に対する前記波長の焦点への距離が既知であり、この場合、前記表面から反射した前記最強強度の波長を決定し、それを前記基準点からの前記波長の前記焦点の距離と比較することによって、測定デバイスが前記対象物の表面の位置を画定するように調整される、請求項1〜5のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項7】
前記測定対象物が、利用した光学的放射に対して、少なくとも部分的に透過性であり、且つ、前記対象が少なくとも2つの実質的に平行な表面、すなわち、上部及び下部表面を具備し、前記波長の内、少なくとも前記最短及び前記最長の波長は、前記対象物の表面が前記波長の前記焦点の間で保持されるように調整され、その場合、前記測定デバイスが、両方の表面から反射した前記波長を受信し、これらの最強の強度ピークによって生じるピーク幅の変化に基づいて、前記対象の前記厚さを決定するように調整される、請求項1〜6のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項8】
前記測定対象が、前記利用した光学的放射に対して、少なくとも部分的に透過性であり、且つ、前記対象が少なくとも2つの実質的に平行な表面、すなわち、前記上部及び前記下部表面を具備し、前記波長の内、少なくとも最短及び最長の波長は、前記対象物の表面が前記波長の前記焦点の間で留まるように焦点を調整され、その場合、前記測定デバイスが、2つの最強の強度に対応し、且つ、前記上部及び下部表面の間の距離を決定し、それに従って、前記対象の前記厚さを決定するそれらの焦点の位置データに基づいて、波長を決定するように調整される、請求項1〜6のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項9】
前記測定対象物が、及び測定デバイスが互いに関連して移動する場合、前記測定デバイスが、前記対象物の少なくとも1つの表面のプロファイルを決定するように調整される、請求項6又は請求項8に記載の測定デバイス。
【請求項10】
測定デバイスが、請求項1に記載の前記光学的放射源、前記検出器、及び前記光学的放射処理ユニットを少なくとも備える2つの測定機器を具備し、第1の測定機器が、前記対象の第1の半分に配置され、第2の測定機器が、前記対象の第2の半分に配置され、その場合、前記測定機器が、前記第1の測定機器によって測定された第1表面の前記位置データ、及び前記第2の測定機器によって測定された、前記第2の表面の前記位置データに基づいて前記測定対象の前記厚さを決定するように調整される、請求項6〜9のいずれかに記載の測定デバイス。
【請求項11】
光学的放射が、前記光学的放射の測定対象物への少なくとも1つの光源によって放射され、
前記測定対象物から反射した放射が、少なくとも1つの検出器によって受信され、放射強度に比例する電気信号が生成される前記光学的放射を用いた対象の1つ以上の特性を決定するための方法であって、
更に、前記方法において、
測定表面の法線方向から、波長の内の少なくとも、最小及び最長の波長が、前記測定対象物の異なる半分及び異なる高さに集まるように、前記光源から放射した光学的放射は、様々な波長に分割され、前記様々な波長は、前記測定表面の法線方向とは異なる方向において測定対象物へ向けられ、
前記測定対象物(少なくとも、前記測定表面の前記法線方向から異なるスペクトル反射の方向)から反射した光学的放射が、受信され、前記光学的放射が前記検出器へ向けられ、かつ、
前記検出器によって生成され、そこに集中した前記放射の強度に比例する電気信号が分析され、更に、前記測定対象物を説明する1つ以上の特徴、少なくとも、前記表面の光沢特性を、その波長強度、前記測定表面に配置された前記焦点、及び、スペクトルジオメトリにおける最強の波長として、前記点から前記検出器へ反射したものに基づいて、分析する、
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
測定デバイスからの測定データを受信するように調整され、前記測定デバイスが、
測定対象物へ光学的放射を放射するための、少なくとも1つの光学的放射源と、
前記測定対象物から反射した前記放射を受信し、その強度に比例する電気信号を生成するための、少なくとも1つの検出器と、
を具備する前記光学的放射を用いて、対象物の1つ以上の特徴を決定するための、コンピュータプログラム製品であって、
前記測定デバイスが更に、
波長の内、少なくとも最短及び最長の波長が、測定表面の法線方向で、前記測定対象物の表面の異なる半分及び異なる高さへ集中するように、光源によって放射した光学的放射を、分割された波長に分割し、前記分割した波長を前記測定対象物の前記法線方向と異なる方向で前記測定対象物へ向けるように調整される、(放射された)光学的放射処理ユニットと、
前記測定表面の前記法線方向と異なる少なくともスペクトル反射の方向における前記測定対象物から反射した光学的放射を受信するように調整され、且つ、受信した光学的放射が前記検出器に向けられるように調整される、(反射した)光学的放射処理ユニットと、
を具備し、更に、
前記コンピュータプログラム製品が、前記検出器によって生成され、そこに集中した前記放射の強度に比例する電気信号を分析し、且つ、更に、その波長の前記強度に基づいて、前記測定対象物を説明する1つ以上の特徴少なくとも表面の光沢の特徴を決定するように調整され、その焦点が前記測定表面上に配置され、従って、前記コンユータプログラム製品がデータ処理デバイスにおいて運転される場合、前記スペクトルジオメトリにおける最強の波長としてその点から前記検出器へ反射する、
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【公表番号】特表2013−507608(P2013−507608A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532637(P2012−532637)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/FI2010/050778
【国際公開番号】WO2011/042606
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(511255971)テクノロジアン タトキマスケスクス ヴィーティーティー (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/FI2010/050778
【国際公開番号】WO2011/042606
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(511255971)テクノロジアン タトキマスケスクス ヴィーティーティー (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]