説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】現像剤の攪拌ムラを抑制でき、画像ムラを発生させることのない現像装置を提供する。
【解決手段】現像スリーブ2に隣接して配置される第一搬送スクリュ5aの下部に攪拌用磁性体11を配置して設ける。攪拌用磁性体11に保持された現像剤を第一搬送スクリュ5aが削ぎ落として搬送し、強制的な攪拌が行われることにより、現像剤が効率よく攪拌され、現像剤中のトナー濃度のムラを無くし、画像ムラのない高品質な現像が可能となる。攪拌用磁性体11の磁束密度をXとし、攪拌用磁性体11と第一搬送スクリュ5a間の距離をYとすると、X/Y≧6とするのが好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びこれに採用される現像装置ならびにプロセスカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤(以下、現像剤という)を用いた現像装置が広く用いられている。図6に、現像装置の一例の概略構成図を示す。
図6に示す現像装置は、固定配置された複数磁極を有する磁界発生手段2aを内包する回転可能なスリーブ2と、現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材5a,5bと、スリーブ2上に担持された現像剤の量を規制する規制部材としてのドクタ4等を備えている。
【0003】
この現像装置では、現像剤攪拌搬送部材5a,5bにより攪拌搬送された現像剤を、スリーブ2が内包する磁界発生手段2aの磁力により表面に汲み上げて担持して、感光体7と対向する現像領域まで搬送し、感光体7上の潜像にトナーを供給して現像を行う。現像後のトナーを消費した現像剤は、スリーブ2表面から現像装置内に解放され、現像剤攪拌搬送部材5a,5bにより現像装置内の現像剤と攪拌され、再びスリーブ2表面に汲み上げられるというサイクルを繰り返す。
【0004】
このようなサイクルを繰り返すよう、磁界発生手段2aは、スリーブ2と感光体7の最近接位置に対向する現像極2b(S極)を備えている。また、現像剤の搬送方向に順に磁極2c(N極),磁極2d(S極),磁極2e(N極),磁極2f(N極)を備えている。このうち、隣接する磁極2eと磁極2fとは同極の磁気特性を有しており、これらが形成する反発磁界により磁力が弱くなったところでスリーブ2表面から現像剤を現像装置内に解放する。また、磁極2fは現像剤攪拌搬送部材5a近傍に配置され、現像剤を汲み上げて担持する汲み上げ極としての機能を有している。さらに、磁極2fは、汲み上げた現像剤を規制するドクタ4に対向しており、現像剤量を適量に規制する機能を有している。
【0005】
図7は、現像器内で現像剤が攪拌搬送される様子を示す模式図である。
磁界発生手段2aの剤離れ磁極2eと隣接する磁極2fにより形成される剤離れ部による現像剤が開放され、現像剤攪拌搬送部材5aにより攪拌搬送される様子を示したものである。剤離れ部により開放された現像剤Guは現像領域で現像に供された現像剤であり、この使用した現像剤Guが現像剤攪拌搬送部材5a上部に落下し、現像剤攪拌搬送部材5aにより現像器内に在る現像剤Gnと混ざりながら搬送され、汲み上げ磁極2fにより現像剤の最上部の現像剤がスリーブ2表面に汲み上げられる。また、スリーブ2に担持された現像剤は、搬送される途中に、磁極2fに対向して配置されるドクタ4により現像剤の厚みが適量になるよう規制される。現像剤汲み上げ極を1極(2f)にしたことによりトルクの低減を図っているがその反面、剤離れ極から離れた現像剤は、剤離れした後、汲み上げられてから現像極2bに搬送されるまでに攪拌される場所が現像剤攪拌搬送部材5aしかなく、使用された現像剤と、現像装置内の現像剤とが攪拌されにくくなっている。そのため、現像器内の現像剤に濃度ムラを生じやすく、トナーを大量に消費する画像を作像したときに、現像剤の攪拌不足による濃度ムラがそのまま作像され、斑上の斑を生じてしまう。
【0006】
また、このような現像装置に用いられる現像剤攪拌搬送部材(図では5a)としては、スクリュ状部材を長手方向両端部で支持して回転可能にしたものが広く用いられている。また、現像剤攪拌搬送部材は軽量化の方向から、樹脂性のものを用いるようになってきている。
【0007】
特許文献1では、スリーブの回転方向に対して、現像剤の高さを規制する規制部材の上流で、現像剤攪拌搬送部材の下流に、汲み上げられた現像剤をスリーブに押し付ける第二の規制部材を設ける装置が提案されている。図8に、特許文献1の現像装置の概略構成図を示す。この現像装置では、第二の規制部材108がスリーブ102に担持される現像剤層をスリーブ102に押し付けて均すことにより、スリーブ102上に形成されていたピッチムラの跡はなくなり、現像剤層が均一になる。それを、さらに規制部材104で必要な高さに規制してから現像領域に搬送することで、ピッチムラを解消するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の現像装置では、第二の規制部材108より上流でスリーブ上に汲み上げられた現像剤が多いときは現像領域に均一な現像剤層を搬送することができるものの、さらにトナー濃度が低くなったり、高温高湿環境下で現像剤の帯電量が減ったりして、現像剤全体の嵩が大きく減ってしまうと、第二の規制部材108より上流で第二の規制部材が現像剤を均すほど十分な現像剤を汲み上げられなくなる場合がある。このため、第二の規制部材108が有効に作用せず、現像剤層のムラが解消できずにピッチムラが発生してしまうことがあった。
【0009】
本発明は、従来の現像装置における、現像剤の攪拌不足により濃度ムラが発生するという問題を解決し、現像剤の攪拌ムラを抑制でき、画像ムラを発生させることのない現像装置を提供することを課題とする。
【0010】
また、画像ムラを発生させることのない現像装置を搭載し、高品質な画像形成を可能とするプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題は、本発明により、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いる現像装置であって、現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に隣接して配置され現像剤を攪拌しながら現像剤担持体の長手方向に搬送して現像剤を現像剤担持体に供給する現像剤攪拌搬送供給部材とを有する現像装置において、前記現像剤攪拌搬送供給部材の近傍に現像剤攪拌用磁性体を配置したことにより解決される。
【0012】
本発明においては、現像剤担持体(現像ローラ)に現像剤を供給する現像剤攪拌搬送供給部材(搬送スクリュ)の近傍に現像剤攪拌用磁性体を設けたことにより、攪拌用磁性体に保持させた現像剤を現像剤攪拌搬送供給部材が削ぎ落として搬送し、強制的な攪拌が行われることにより、現像剤が効率よく攪拌され、現像剤中のトナー濃度のムラを無くし、画像ムラのない高品質な現像が可能となる。
【0013】
また、前記現像剤攪拌用磁性体は、前記現像剤攪拌搬送供給部材の軸中心よりも下方に配置されると好ましい。
また、前記現像剤担持体は、回転可能な非磁性スリーブ内に複数磁極を有する磁界発生手段を内包しており、前記磁界発生手段は、現像剤を前記スリーブ表面から離脱させるための磁気力を発生させる第一の磁極および該第一の磁極と同極で前記スリーブ回転方向の下流に隣接する第二の磁極を有し、前記第二の磁極は当該現像装置の現像剤収容部から現像剤を吸着する吸着磁極であるとともに該吸着した現像剤を現像領域に搬送する搬送磁極であり、吸着磁極と搬送磁極が1極で構成されていると好ましい。
【0014】
また、前記現像剤攪拌用磁性体の磁束密度をXとし、前記現像剤攪拌用磁性体と前記現像剤攪拌搬送供給部材との隙間をYとするとき、X/Y≧6であると好ましい。
また、前記現像剤攪拌用磁性体の前記現像剤担持体長手方向の大きさが、当該現像装置の現像可能幅よりも大きく設けられていると好ましい。
【0015】
また、前記現像剤攪拌用磁性体が希土類マグネットブロックで構成されると好ましい。
また、前記キャリアは芯材表面に樹脂被覆層を有したものであって、前記樹脂被覆層は基体粒子表面に二酸化スズ層と当該二酸化スズ層上に設けた二酸化スズを含む酸化インジウム層とからなる導電性被覆層を設けてなる導電性粒子を含有し、前記導電性粒子はその吸油量が10〜300ml/100gになるように形成され、前記トナーは結着樹脂と離型剤と着色剤とを備え、前記結着樹脂はビニル系重合体とポリエステル系重合体とを有するハイブリッド樹脂を含有し、前記離型剤の含有量に対する前記ハイブリッド樹脂の含有量が0.5〜3の範囲になるように形成されていると好ましい。
【0016】
また、前記キャリアは、重量平均粒径が20〜65μmの範囲になるように形成されていると好ましい。
また、前記トナーは、平均粒径が3.5〜7.5μmの範囲になるように形成されていると好ましい。
【0017】
また、前記現像剤におけるトナー濃度が4〜12重量%の範囲内になるように制御されると好ましい。
また、前記の課題は、本発明により、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の現像装置と少なくとも像担持体とが一体化されていることを特徴とするプロセスカートリッジにより解決される。
【0018】
また、前記の課題は、本発明により、請求項1〜10のいずれか1項に記載の現像装置または請求項11に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置により解決される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の現像装置によれば、現像剤の攪拌不足に起因するトナー濃度のムラを無くし、ムラのない高品質な画像を得ることができるという顕著な効果を奏することができる。
請求項2の構成により、現像剤攪拌用磁性体は現像剤攪拌搬送供給部材の軸中心よりも下方に配置されるので、攪拌用磁性体がスリーブに担持された現像剤の動きに悪影響を及ぼすことがない。
【0020】
請求項3の構成により、磁界発生手段の吸着磁極と搬送磁極が1極で構成され現像剤が攪拌されにくい構造の現像装置においても、現像剤の攪拌効果を得ることができ、トナー濃度のムラを無くすことができる。
【0021】
請求項4の構成により、攪拌用磁性体の磁束密度と現像剤攪拌用磁性体と現像剤攪拌搬送供給部材との隙間の関係を適正化し、現像剤の攪拌効果を確実に得ることができる。
請求項5の構成により、現像装置の現像可能幅全域に亘って現像剤の攪拌効果を得ることができる。
【0022】
請求項6の構成により、高い磁束密度の攪拌用磁性体を構成することができ、現像剤攪拌効果を高めることができる。
請求項7の構成により、耐久性に優れ高画質を得られる反面流動性が低い現像剤を用いる場合でも攪拌用磁性体による攪拌効果を得ることができる。
【0023】
請求項8の構成により、キャリア付着が生じにくく出力画像の粒状性に優れるキャリアを用いる場合でも攪拌用磁性体による攪拌効果を得ることができる。
請求項9の構成により、後端白抜けが生ぜず出力画像の粒状性に優れるトナーを用いる場合でも攪拌用磁性体による攪拌効果を得ることができる。
【0024】
請求項10の構成により、感光体劣化やトナー飛散を起こしにくいトナーを用いる場合でも攪拌用磁性体による攪拌効果を得ることができる。
請求項11のプロセスカートリッジ及び請求項12の画像形成装置によれば、搭載する現像装置において現像剤を充分に攪拌することができるため、トナー濃度のムラのない高品質な画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る現像装置を備える画像形成装置の一例であるカラープリンタの概略を示す断面構成図である。
【図2】そのプリンタが備える作像ユニットの構成を詳しく示す拡大図である。
【図3】本発明の現像装置内で現像剤が攪拌搬送される様子を示す模式図である。
【図4】従来の現像装置におけるトナー濃度と画像ムラの関係を示すグラフである。
【図5】本発明による現像装置における画像ムラの状態を示すグラフである。
【図6】従来の現像装置の一例を示す概略構成図である。
【図7】現像器内で現像剤が攪拌搬送される様子を示す模式図である。
【図8】第二の規制部材を設けた現像装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る現像装置を備える画像形成装置の一例である電子写真式のカラープリンタ(以下、プリンタという)の概略を示す断面構成図である。このプリンタは、イエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの4つのトナー像形成手段としての作像ユニット12Y,12C,12M,12Kを横に並べて配置してタンデム画像形成部10を構成している。このタンデム画像形成部10においては、個々の作像ユニット12Y,12C,12M,12Kが、図中左から順に配置されている。ここで、各符号の添字Y,C,M,Kは、それぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラック用のユニットであることを示す。
【0027】
なお本実施の形態では、各色の作像ユニット12Y,12C,12M,12Kはそれぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体7(図2参照)を備えており、感光体7とその周囲に配置される機器を一体的に形成し、本体に着脱可能なプロセスカートリッジとして設けている。これらのプロセスカートリッジは、プリンタ本体に固定された図示しないガイドレールに沿って、プリンタ本体から引き出すことができる。また、このプロセスカートリッジをプリンタ本体に押し込むことによって、作像ユニット12Y,12C,12M,12Kを所定の位置に装填することができる。
【0028】
タンデム画像形成部10の下部には、潜像形成手段としての露光装置25が設けられている。この露光装置25は、画像データに基づいて各感光体7の表面にレーザ光を走査しながら照射するように構成されている。タンデム画像形成部10の直ぐ上には、中間転写ベルト20が配置されている。この中間転写ベルト20は、支持ローラ21,22等の複数のローラに張架され、図中反時計回りに回転可能に設けられる。中間転写ベルト20の内部には、下部走行辺に沿って、各感光体7上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20上に転写するための一次転写ローラ23が配置されている。そして、支持ローラ21は中間転写ベルト20を挟んで2次転写装置としての2次転写ローラ15と対向しており、二次転写部を構成している。また、もう一方の支持ローラ22と対向するように、画像転写後に中間転写ベルト20上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置24を備えている。中間転写ベルト20の上方スペースには、各色トナーを収納するトナーボトル17Y,17C,17M,17Kが配置されるトナー収納部が設けられる。
【0029】
さらに、上記2次転写部の上方には、記録材上のトナー像を定着する定着装置16が備えられている。定着装置16は、定着ローラに加圧ローラを押し当てて構成する。また、プリンタ下部には給紙部30が設けられ、2段の給紙カセット31,32を備えている。各給紙カセットからは、図示しない給紙手段により記録材が給紙され、レジスト手段であるレジストローラ対14を介して2次転写部に送られる。定着装置16の上方には排紙ローラ18が設けられ、トナー収納部の上方に形成された排紙部19上に定着後の記録材を排出する。
【0030】
図2は、上記作像ユニット12Y,12C,12M,12Kの構成を詳しく示す拡大図である。ここで、各作像ユニット12Y,12C,12M,12Kは、それぞれ同じ構成、動作を行うものとなっている。そこで、以下各符号の添字Y,C,M,Kを省略し、作像ユニット12として説明をおこなう。図2に示すように、作像ユニット12は、図中時計方向に回転駆動される感光体7のまわりに、帯電装置8,現像装置1,クリーニング装置9が順に配置されている。
【0031】
上記のように構成されたプリンタにおける画像形成動作について簡単に説明する。
上記各作像ユニット12の各感光体ドラム7が図示しない駆動手段によって図中時計方向に回転駆動され、その感光体ドラム7の表面が帯電手段8によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された感光体表面には、露光装置25からのレーザ光が照射され、これによって感光体ドラム7表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体ドラム7に露光される画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像に現像装置1から各色トナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0032】
また、中間転写ベルト20が図中反時計回りに走行駆動され、各作像ユニット12において一次転写ローラ23の作用により感光体ドラム7から中間転写ベルト20に各色トナー像が順次重ね転写される。このようにして中間転写ベルト20はその表面にフルカラーのトナー像を担持する。
【0033】
なお、作像ユニット12のいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。モノクロプリントの場合は、4個の作像ユニットのうち、図の一番右側の黒ユニット12Kを用いて画像形成を行う。
【0034】
そして、トナー像を転写した後の感光体ドラム表面に付着する残留トナーは、クリーニング手段9によって感光体ドラム表面から除去され、次いでその表面が除電器の作用を受けて表面電位が初期化されて次の画像形成に備える。
【0035】
一方、給紙部30の給紙カセットから用紙が給送され、レジストローラ対14によって、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像とのタイミングを取って二次転写部に向けて送出される。本例では二次転写ローラ15には中間転写ベルト表面のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト表面のトナー像が記録材上に一括して転写される。トナー像を転写された記録材は、定着装置16を通過するとき、熱と圧力によってトナー像が記録材に熔融定着される。定着された記録材は、排紙ローラ18により排紙部19に排出されてスタックされる。
【0036】
次に、本発明の要旨である現像装置について詳しく説明する。
図2に示す現像装置1は、固定配置された複数磁極を有する磁界発生手段2aを内包する回転可能な非磁性のスリーブ2と、現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材としてのスクリュウ5a,5bと、スリーブ2上に担持された現像剤の量を規制する規制部材としてのドクタ4と、現像装置1内のトナー濃度を測定してトナーホッパーからトナーを補給するためのTセンサ6等を備えている。なお、図6及び図7に示した現像装置と同等の部分には同じ符号を用いている。
【0037】
磁界発生手段2aはマグネットローラであり、複数の磁極を有している。このマグネットローラは、プラスチックローラに複数のマグネットブロックを埋め込むことで形成されている。また、プラスチック樹脂粉末(高分子化合物)に磁性粉を分散混練した所謂プラスチックマグネット、あるいはゴムマグネットを磁場印加しながら押し出し成形又は射出成形して、その後現像極部分にマグネットブロックを埋設することで得ることもできる。
【0038】
磁界発生手段2aとしては、図示のように5つの磁石を有するいわゆる6極磁極のものを用いた。詳しくは、スリーブ2と感光体7の最近接位置に対向する現像極2b(S極)を備えている。また、現像剤の搬送方向(スリーブ回転方向)に順に磁極2c(N極),磁極2d(S極),磁極2e(N極),磁極2f(N極)を備えている。なお、本実施形態の磁界発生手段2aとしてはこのような構成のものを用いたが、必要に応じて8極や10極で構成したものを用いても良い。
【0039】
現像領域(対向位置)における現像ローラ2と感光体ドラム7とのギャップ(現像ギャップ)は、0.3±0.05mmとなるように設定されている。現像ローラ2とドクターブレード4とのギャップ(ドクターギャップ)は、0.5±0.04mmとなるように設定されている。ドクターブレード4は、SUS材料で形成されている。第一搬送スクリュ5aは、直径が5mmの軸部に外径が14mmの羽根が20mmピッチで螺旋状に形成されたものである。第2搬送スクリュ5bは、第一搬送スクリュ5aとほぼ同等に形成されている。第一搬送スクリュ5aの構成・動作については、後で詳しく説明するが、この第一搬送スクリュ5aは、現像ローラ長手方向に現像剤を攪拌搬送しながら現像ローラ2に現像剤を供給する現像剤攪拌搬送供給部材である。
【0040】
図3は、現像装置1内で現像剤が攪拌搬送される様子を示す模式図である。図2及び図3を参照して説明を続ける。
現像装置1内には、キャリアCとトナーTとからなる2成分現像剤Gが収容されている。磁界発生手段2aの剤離れ磁極2eと隣接する磁極2fにより形成される剤離れ部により現像剤が開放され、現像領域で現像に使用した現像剤Guが第一搬送スクリュ5a上部に落下し、第一搬送スクリュ5aにより現像器内に在る現像剤Gnと混ざりながら搬送され、汲み上げ磁極2fにより現像剤の最上部の現像剤がスリーブ2表面に汲み上げられる。ここで、第一搬送スクリュ5aの近傍には、攪拌用磁性体11が設置されている。本実施例では、攪拌用磁性体11の設置場所は、第一搬送スクリュ5aの軸中心よりも下方となるように設置している。また、攪拌用磁性体11は、磁界発生手段2aの剤離れ部より開放された現像剤Guが落下してくる位置に配置されると好適である。
【0041】
なお、図3において、現像ローラ(現像スリーブ)2及び第一搬送スクリュ5aは、図中左回り(反時計回り)に回転駆動される。
また、攪拌用磁性体11は、現像剤面よりも下で、第一搬送スクリュ5aの最下点よりもスクリュー回転方向上流側の壁面に設けられている。攪拌用磁性体は、図のように壁面の内部(攪拌室内)に設けられていても良いし、壁面の外部(攪拌室外部)に設けて磁力を壁面(攪拌室)内部に作用させる構成でも良い。
【0042】
現像剤G中のキャリアCは、芯材表面に樹脂被覆層を有したものである。キャリアの樹脂被覆層の層中には、基体粒子表面に二酸化スズ層と二酸化スズ層上に設けた二酸化スズを含む酸化インジウム層とからなる導電性被覆層を設けてなる導電性粒子が含有されている。樹脂被覆層中に含有された導電性粒子は、その吸油量が10〜300ml/100gになるように形成されている。なお、導電性粒子の吸油量は、JIS−K5101「顔料試験方法」における「21吸油量」に準じて測定することができる。
【0043】
導電性粒子の基体粒子としては、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、硫化バリウム、酸化ジルコニウムのうち少なくとも1種類を用いることができる。導電性粒子の粉体比抵抗は、200Ω・cm以下になるように形成されている。樹脂被覆層の層中には、導電性粒子の他に、非導電性粒子が含有されている。そして、キャリアCの体積固有抵抗が、10〜16Log(Ω・cm)の範囲になるように形成されている。
【0044】
以上述べたように、本実施の形態1のキャリアCは、基体粒子の表面に、二酸化スズ層、二酸化スズを含む酸化インジウム層を順次形成しているために、導電層が粒子表面に均一かつ強固に固定される。
【0045】
また、樹脂被覆層中に含有された導電性粒子は、その吸油量が10〜300ml/100gになるように形成されている。ここで、吸油量が10ml/100g未満の場合には、被覆樹脂に対する相溶性が不充分になって密着性が低下して、分散性も低下するために、長期にわたりキャリアの抵抗調整をおこなうことができなくなる。吸油量が300ml/100gを超える場合には、結着樹脂との密着性が強くなり過ぎて、導電性粒子表面を覆ってしまうために、抵抗調整を充分におこなうことができなくなってしまう。
【0046】
このように構成されたキャリアは、抵抗調整剤としてカーボンブラックを含有させることなく経時においても安定的に抵抗調整がされて、キャリア付着等を防止するとともに経時においてトナー帯電量を安定させることができる。
【0047】
また、本実施の形態1において、現像剤G中のキャリアCは、その重量平均粒径が35μmになるように形成されている。なお、キャリアCの重量平均粒径は、20〜65μmの範囲にすることが好ましい。キャリアの重量平均粒径が20μmよりも小さいときには、キャリアの1個当たりに作用する磁力が小さくなるためにキャリア付着が生じてしまう。これに対して、キャリアの粒径が65μmよりも大きいときには、トナーが付着すべき潜像に対してトナーが忠実に付着しにくくなるために、出力画像の粒状性が低下してしまう。
【0048】
また、本実施の形態1におけるトナーTは、平均粒径が5.5μmになるように形成されている。なお、トナーTの平均粒径は、3.5〜7.5μmの範囲になるように形成することが好ましい。トナーの平均粒径が3.5μmよりも小さいときには、トナー像におけるトナー付着量が少なくなるために、後端白抜け、ハロー画像が発生し易くなってしまう。これに対して、トナーの平均粒径が7.5μmよりも大きいときには、トナーが付着すべき潜像に対してトナーが忠実に付着しにくくなるために、出力画像の粒状性が低下してしまう。
【0049】
また、本実施の形態1におけるトナーTは、主として、結着樹脂、離型剤、着色剤で構成される。トナーTの結着樹脂は、ビニル系重合体とポリエステル系重合体とを有するハイブリッド樹脂を含有する。また、離型剤の含有量に対するハイブリッド樹脂の含有量が、0.5〜3の範囲になるように形成されている。
【0050】
ハイブリッド樹脂は、縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーを含む混合物を用いて、同一反応容器中で縮重合反応と付加重合反応とを同時に又はそれぞれ独立におこなうことで得られる。離型剤は、カルナウバワックス、モンタンワックス、酸化ライスワックス等を用いることができて、その含有量を3.5〜10重量%とすることが好ましい。
【0051】
このように構成されたトナーTは、耐久性が高くて、光沢ムラ等のない高画質で、トナー凝集や定着オフセット等の不具合の少ない出力画像を提供するものである。その反面、このように構成されたトナーTを使用するためにキャリアCの平均粒径が小さくなり、現像剤G(上述のキャリアCを含む)の流動性が低下し、現像剤自体の混ざりが悪くなっているために攪拌ムラを生じ易くなっている。
【0052】
したがって、本実施の形態1のトナーT及びキャリアCを用いた場合には、上述したように第一搬送スクリュ5aの下部に攪拌用磁性体11を設置することにより現像剤G(上述のキャリアCを含む)を攪拌する効果が特に大きくなる。また本実施例では、現像装置1の発熱を抑えるために、現像ローラ2内に在る現像剤汲み上げ極と主極2bまでの搬送極を一極にして現像剤汲み上げ磁極2fとしている。そのため、現像剤がより攪拌されなくなり、図7に示した現像装置のように攪拌用磁性体11を設置しない場合には、現像極2bで使用された現像剤Gu(上述のキャリアCを含む)とケーシング内の現像剤Gn(上述のキャリアCを含む)が攪拌されないために画像ムラを生じやすくなっている(図7参照)。これに対し、本発明により、攪拌用磁性体11を第一搬送スクリュ5aの下部に設置することにより現像剤Guと現像剤Gnを攪拌する効果が特に大きくなる(図3参照)。図3及び図7において、現像剤Guを黒丸で、現像剤Gnを白丸(白抜き)で示す。
【0053】
なお、特に図示しないが、汲み上げ極と搬送極をそれぞれ別の磁極で構成した現像ローラを用いる場合においても、攪拌用磁性体11を設置することにより現像剤の攪拌性を向上させる効果は得られる。
【0054】
本実施例では、トナー濃度の使用範囲内を4wt%〜12wt%としているが、これは、4wt%以下になるとキャリアCが作像動作時に感光体に付着してしまい感光体の劣化や、現像剤量の不足につながるので、トナー濃度センサ6で4wt%以下にならないように制御している。逆にトナー濃度が12wt%より高くなるとトナーTがキャリアCに保持されなくなりトナー飛散を起こして機内を汚してしまうので、トナー濃度センサ6で12wt%以以上にならないように制御している。
【0055】
図4は、従来の現像装置におけるトナー濃度と画像ムラの関係を示すグラフである。このグラフの縦軸は画像ムラのランクで、数値が低いほうがムラが多く、ここでは3.5以下を不良(NG)としている。グラフの横軸はトナー濃度である。グラフに示すように、従来の現像装置では、トナー濃度が低くなるに従い画像ムラが悪くなっている。
【0056】
図5は、本発明による現像装置における画像ムラの状態を示すグラフである。上記したように、本実施の形態では、トナー濃度が4wt%以下にならないように制御しているため、トナー濃度4wt%で、上記攪拌用磁性体11の磁束密度と、第一搬送スクリュ5a−攪拌用磁性体11間の隙間との関係(磁束密度/隙間)を振って画像ムラのランクを調べる実験を行った。該実験により、攪拌用磁性体11の磁束密度と第一搬送スクリュ5a−攪拌用磁性体11間の隙間との間には一定の関係があることが分かった。攪拌用磁性体11の磁束密度が小さくても攪拌用磁性体11と第一搬送スクリュ5aの空間が狭ければ現像剤を攪拌する作用が得られ(攪拌用磁性体11を設けたことによる現像剤攪拌作用の向上効果が得られ)、攪拌用磁性体11の磁束密度が大きくても攪拌用磁性体11と第一搬送スクリュ5aの空間が一定以上になってしまうと現像剤を攪拌することができなくなる(攪拌用磁性体11による現像剤攪拌作用の向上効果が得られなくなる)。
【0057】
例えば、攪拌用磁性体11の磁束密度が60mTの時は、攪拌用磁性体11と第一搬送スクリュ5aの空間が10mm以下の時に現像剤の攪拌作用が得られる。それ以上になると攪拌用磁性体11で保持している現像剤を第一搬送スクリュ5aで削ぎ落とすことができず、うまく攪拌することが出来ない(攪拌向上効果が得られない)。攪拌用磁性体11の磁束密度が大きくなると、それだけ遠くまで磁力により現像剤を保持するので、攪拌用磁性体11と第一搬送スクリュ5aの空間は広くても現像剤を攪拌することができる(攪拌向上効果が得られる)。逆に攪拌用磁性体11の磁束密度が小さいと、現像剤を保持できる量が減るため、攪拌用磁性体11と第一搬送スクリュ5aの空間は狭くないと現像剤を攪拌することができない。攪拌用磁性体の磁束密度をXとし、攪拌用磁性体と第一搬送スクリュ間の距離をYとすると、X/Y≧6とすることによって、本発明の効果が得られる。
【0058】
また、本実施例では、攪拌用磁性体11の長さ(第一搬送スクリュ5aの軸方向の長さ)は、現像装置1における現像可能幅(作像可能幅)よりも長く設定している。そして、攪拌用磁性体11として希土類マグネットブロックを用いると、高い磁束密度を得ることができるので、良好な攪拌姓を得られ好適である。
【0059】
このように、本発明においては、現像ローラ(スリーブ)2に現像剤を供給する第一搬送スクリュ5aの近傍(実施例では下部)に攪拌用磁性体11を設けたことにより、ケーシング内の現像剤を攪拌用磁性体11に保持させ、スリーブ2から離れた(ケーシング内に回収された)現像剤とケーシング内に在った現像剤とが一度攪拌用磁性体11に保持され、これが第一搬送スクリュ5aによって磁性体11から削ぎ落とされてスクリューによって搬送されることとなり、強制的な攪拌が行われる。これにより、現像剤が効率よく攪拌され、現像剤中のトナー濃度のムラを無くし、ムラのない高品質な画像を現像することが可能となる。
【0060】
ところで、本実施形態のプリンタでは、感光体7と現像装置1とを一体的に構成し、画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジとして構成しており、メンテナンスの容易性が図れる。
【0061】
本願において“プロセスカートリッジ”とは、少なくとも像担持体と像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置(現像部)とが一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成されたユニットと定義する。
【0062】
また、本実施例では、現像ローラ2に近い第一搬送スクリュ5aと、トナー補給口が設けられた側の現像剤室(現像剤循環路)に配置された第二搬送スクリュ5bを備える構成で説明したが、それに加えて現像ローラと平行に配置された搬送パドルを有する構成や、現像剤搬送スクリュが単独あるいは複数個備えているものに対しても、現像ローラに最も近いスクリュ(現像ローラに現像剤を付与する攪拌搬送部材)に攪拌用磁性体を設けることにより、本実施例と同様に現像剤を攪拌する効果が得られ有効である。
【0063】
なお、本発明では、現像剤攪拌搬送供給部材(第一搬送スクリュ5a)によって攪拌される現像剤の上面最下位置よりも下方で現像スリーブ表面から離れたところに、現像剤を下から持ち上げて穂立ちさせるような汲み上げ補助のための攪拌用磁性体11を設けている。これは、以下の理由によるものである。
【0064】
現像剤攪拌搬送供給部材が重力に逆らって現像剤を押し上げて現像スリーブに供給する際、現像剤攪拌搬送供給部材が低い位置にあると、スリーブまでの距離が遠くなり、十分な汲み上げ量が得られない。
【0065】
このため、現像剤攪拌搬送供給部材とスリーブとの間に現像剤搬送用マグネットローラを設けて、現像剤攪拌搬送供給部材からスリーブに現像剤を搬送する技術が公知である(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。これは、現像剤搬送用マグネットローラを回転させるための駆動装置や、永久磁石に多数の磁極が必要なマグネットローラ等が必要になり、装置が複雑化大型化するという不具合がある。
【0066】
また、現像剤攪拌搬送供給部材と現像スリーブとの間に配置され、現像剤攪拌搬送供給部材から汲み上げられる現像剤を磁力で捕らえるマグネットを備え、スリーブ内の汲み上げ磁極でマグネットが捕らえた現像剤を磁力でスリーブ表面に引きよせる技術も公知である(例えば、特許文献4参照)。
【0067】
これらはいずれも、現像剤攪拌搬送供給部材と現像スリーブとの間の、スリーブに近接した位置にマグネットを設けるものであり、スリーブに搬送される現像剤の動きに悪影響を及ぼす可能性もあり、マグネットを配置する適切な位置、磁力の選択が難しいものとなっている。
【0068】
一方、本発明では、これらと異なり、現像剤攪拌搬送供給部材(第一搬送スクリュ)の近傍(下部)に攪拌用磁性体を配置するだけの簡単な構成で、現像剤が効率よく攪拌され、現像剤中のトナー濃度のムラを無くす作用を発揮することができる。
【0069】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、攪拌用磁性体の形状や大きさは、現像装置の構成にあわせて適宜なものを採用することができる。また、攪拌用磁性体の磁束密度と攪拌用磁性体−第一搬送スクリュ間の距離は上記説明した関係を満たすように設定すればよい。さらに現像ローラ(スリーブ)に内蔵される磁界発生手段(磁石ローラ)における磁極の数や配置も図示例に限定されるものではない。
【0070】
プロセスカートリッジに搭載する部材等も任意であり、現像装置及び像担持体(感光体)以外の機器を含む構成も可能である。また、像担持体としてはドラム状に限らず、ベルト状の像担持体も使用可能である。
【0071】
また、画像形成装置の作像部の構成も任意であり、タンデム式における各色作像ユニットの配置順などは任意である。また、タンデム式に限らず、一つの感光体の周囲に複数の現像装置を配置したものも可能である。また、3色のトナーを用いるフルカラー機や、2色のトナーによる多色機、あるいはモノクロ装置にも本発明を適用することができる。もちろん、画像形成装置としてはプリンタに限らず、複写機やファクシミリ、あるいは複数の機能を備える複合機であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、2成分現像剤を用いた現像装置に適用することができ、その現像装置を搭載するプロセスカートリッジ及び画像形成装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 現像装置
2 スリーブ(現像剤担持体)
2a 磁界発生手段
2b 現像極
2e 剤離れ磁極
2f 汲み上げ磁極
4 規制部材
5a 第一搬送スクリュ(現像剤攪拌搬送供給部材)
6 Tセンサ
7 感光体
11 攪拌用磁性体
12 作像ユニット
20 中間転写ベルト
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2002−258605号公報
【特許文献2】特開平2−171787号公報
【特許文献3】特公平5−13316号公報
【特許文献4】特開平10−48951号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いる現像装置であって、現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体と、該現像剤担持体に隣接して配置され現像剤を攪拌しながら現像剤担持体の長手方向に搬送して現像剤を現像剤担持体に供給する現像剤攪拌搬送供給部材とを有する現像装置において、
前記現像剤攪拌搬送供給部材の近傍に現像剤攪拌用磁性体を配置したことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤攪拌用磁性体は、前記現像剤攪拌搬送供給部材の軸中心よりも下方に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体は、回転可能な非磁性スリーブ内に複数磁極を有する磁界発生手段を内包しており、
前記磁界発生手段は、現像剤を前記スリーブ表面から離脱させるための磁気力を発生させる第一の磁極および該第一の磁極と同極で前記スリーブ回転方向の下流に隣接する第二の磁極を有し、
前記第二の磁極は当該現像装置の現像剤収容部から現像剤を吸着する吸着磁極であるとともに該吸着した現像剤を現像領域に搬送する搬送磁極であり、吸着磁極と搬送磁極が1極で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤攪拌用磁性体の磁束密度をXとし、前記現像剤攪拌用磁性体と前記現像剤攪拌搬送供給部材との隙間をYとするとき、
X/Y≧6
であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤攪拌用磁性体の前記現像剤担持体長手方向の大きさが、当該現像装置の現像可能幅よりも大きく設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤攪拌用磁性体が希土類マグネットブロックで構成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記キャリアは芯材表面に樹脂被覆層を有したものであって、前記樹脂被覆層は基体粒子表面に二酸化スズ層と当該二酸化スズ層上に設けた二酸化スズを含む酸化インジウム層とからなる導電性被覆層を設けてなる導電性粒子を含有し、前記導電性粒子はその吸油量が10〜300ml/100gになるように形成され、
前記トナーは結着樹脂と離型剤と着色剤とを備え、前記結着樹脂はビニル系重合体とポリエステル系重合体とを有するハイブリッド樹脂を含有し、前記離型剤の含有量に対する前記ハイブリッド樹脂の含有量が0.5〜3の範囲になるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記キャリアは、重量平均粒径が20〜65μmの範囲になるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記トナーは、平均粒径が3.5〜7.5μmの範囲になるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記現像剤におけるトナー濃度が4〜12重量%の範囲内になるように制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項11】
画像形成装置の装置本体に対して着脱自在に設置されるプロセスカートリッジであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の現像装置と少なくとも像担持体とが一体化されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の現像装置または請求項11に記載のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−197572(P2010−197572A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40658(P2009−40658)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】