説明

生体情報印刷装置、生体情報印刷システム、プログラム、および生体情報印刷方法

【課題】生体情報印刷装置、生体情報印刷システム、プログラム、および生体情報印刷方法を提供すること。
【解決手段】印刷媒体への印刷を行なう印刷部と、記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部と、任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部と、前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部と、前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データを前記印刷部に印刷させる印刷制御部と、を備える生体情報印刷装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報印刷装置、生体情報印刷システム、プログラム、および生体情報印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、金融機関においては、顧客の所望する取引内容および口座番号が記載された帳票に押印されている印影と、帳票に記載されている口座番号と対応付けて登録されている印影とを照合することにより顧客の本人確認が行なわれている。このような印影による本人確認は、印鑑は本人のみが所有するという前提に基づいて行なわれている。
【0003】
なお、特許文献1には、顧客情報を二次元バーコード化する技術、二次元バーコード化された顧客情報を読取る技術、およびこれら技術により金融機関における顧客情報の入力のための人的な処理負荷を抑制できることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−249075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、印影による本人確認を実施するためには、顧客が印鑑を金融機関に持参する必要があるため、利便性に欠ける。また、金融機関の窓口においてオペレータが印影の照合を行なう場合、オペレータへの負荷が大きくなってしまう。さらに、印影に不具合がある場合には、照合が困難であるため、顧客が印鑑を再度押印する必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、本人確認の実施に関する利便性を向上することが可能な、新規かつ改良された生体情報印刷装置、生体情報印刷システム、プログラム、および生体情報印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、印刷媒体への印刷を行なう印刷部と、記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部と、任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部と、前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部と、前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データを前記印刷部に印刷させる印刷制御部と、を備える生体情報印刷装置が提供される。
【0008】
前記生体情報印刷装置は、前記任意のユーザにより任意の処理内容が入力される入力部をさらに備え、前記印刷制御部は、さらに前記印刷媒体へ前記処理内容を前記印刷部に印刷させてもよい。
【0009】
前記生体情報印刷装置は、通信部をさらに備え、前記通信部は、前記印刷媒体に印刷された前記処理内容を読取る処理受付装置により前記処理内容が受け付けられる有効期間を設定する管理装置における、前記有効期間の設定のトリガとなる信号を送信してもよい。
【0010】
前記有効期間は、前記処理受付装置が設置される店舗の混雑状況に応じて設定されてもよい。
【0011】
前記ユーザの生体情報のハッシュ値に基づいて前記印刷データを生成する生成部をさらに備えてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、印刷媒体への印刷を行なう印刷部、記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部、任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部、当該ユーザにより任意の処理内容が入力される入力部、前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部、および、前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データおよび前記入力部に入力された処理内容を前記印刷部に印刷させる印刷制御部、を有する生体情報印刷装置と、前記生体情報印刷装置からの要求に応じて有効期間を設定する管理装置と、前記印刷媒体の印刷を読取る読取り部を有し、現在時刻が前記管理装置により設定された有効期間内である場合に前記印刷媒体に印刷されている前記処理内容を受け付ける処理受付装置と、を備える生体情報印刷システムが提供される。
【0013】
前記管理装置は、前記処理受付装置が設置される店舗の混雑状況に応じた有効期間を設定してもよい。
【0014】
前記管理装置は、乱数を生成して当該乱数と前記有効期間を対応付けて保持し、前記乱数を前記生体情報印刷装置へ送信し、前記有効期間内である場合に前記処理受付装置へ前記乱数を送信し、前記生体情報印刷装置は、前記ユーザの生体情報のハッシュ値、および前記乱数に基づいて前記印刷データを生成し、前記処理受付装置は、前記処理受付装置から前記乱数を受信でき、かつ、読取った前記印刷データと、当該乱数および事前に前記管理装置に登録されている前記特定のユーザの生体情報のハッシュ値に基づいて生成したデータと、が一致する場合に前記処理内容を受け付けてもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、印刷媒体への印刷を行なう印刷部と、記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部と、任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部と、前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部と、前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データを前記印刷部に印刷させる印刷制御部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出すステップと、任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得するステップと、当該ユーザにより任意の処理内容が入力されるステップと、読み出された生体情報、および取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断するステップと、双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データおよび入力された処理内容を印刷媒体に印刷するステップと、有効期間を設定するステップと、前記印刷媒体の印刷を読取るステップと、現在時刻が設定された有効期間内である場合に前記印刷媒体に印刷されている前記処理内容を受け付けるステップと、を含む生体情報印刷方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明にかかる生体情報印刷装置、生体情報印刷システム、プログラム、および生体情報印刷方法によれば、本人確認の実施に関する利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本発明の第1の実施形態
〔1−1〕第1の実施形態にかかる金融システムの全体構成
〔1−2〕第1の実施形態にかかる受付端末の構成
〔1−3〕期間設定について
〔1−4〕第1の実施形態にかかる窓口端末の構成
〔1−5〕第1の実施形態にかかる金融システムの動作
〔2〕本発明の第2の実施形態
〔2−1〕第2の実施形態にかかる金融システムの全体構成
〔2−2〕第2の実施形態にかかる受付端末の構成
〔2−3〕生体認証サーバの構成
〔2−4〕第2の実施形態にかかる窓口端末の構成
〔2−5〕第2の実施形態にかかる金融システムの動作
〔3〕補足
【0020】
〔1〕本発明の第1の実施形態
〔1−1〕第1の実施形態にかかる金融システムの全体構成
まず、図1を参照し、第1の実施形態にかかる金融システム1の全体構成について説明する。
【0021】
図1は、第1の実施形態にかかる金融システム1の全体構成を示した説明図である。図1に示したように、金融システム1は、営業店6に設置される受付端末20、窓口端末24および営業店サーバ28と、センタ8に設置される期間管理サーバ30およびホスト34と、通信網12と、を含む。通信網12は、営業店6に設置される受付端末20、窓口端末24および営業店サーバ28と、センタ8に設置される期間管理サーバ30およびホスト34を接続する専用線である。
【0022】
営業店6は、第1の実施形態において、銀行などの金融機関における店舗に該当する。ただし、営業店6は金融機関における店舗に限られず、宿泊や移動手段の予約サービスを行なう旅行業者、教育サービスを提供する教育業者、異常事態に備える警備サービスを提供する警備業者、物品の販売サービスを提供する物品販売業者などの店舗であってもよい。
【0023】
受付端末20は、営業店6に訪れた顧客(ユーザ)による操作を受け付け、顧客が所望する取引を示す帳票を発行する。ここで、受付端末20は、詳細については「〔1−2〕第1の実施形態にかかる受付端末の構成」において説明するが、さらに顧客の生体認証バーコードが印刷された帳票を発行する生体情報印刷装置としての機能を有する。
【0024】
窓口端末24は、金融機関のオペレータが操作する端末であり、受付端末20により発行された帳票の示す取引(処理)を受け付け、ホスト34に対して当該取引の実行を依頼する処理受付装置としての機能を有する。詳細については「〔1−4〕第1の実施形態にかかる窓口端末の構成」において説明するが、窓口端末24は、帳票を読み取るためのスキャナ、通帳などに印字を行なう通伝プリンタ、現金を処理するための現金処理機などを含む、または接続される。また、窓口端末24には生体認証装置が接続されていてもよい。
【0025】
営業店サーバ28は、詳細については「〔1−3〕期間設定について」において説明するが、取引待ち状態の顧客数、取引の種類、取引予約情報などから営業店6における取引状況や混雑状況を認識する。そして、営業店サーバ28は、取引状況や混雑状況に基づき、新規に受付端末20において発行される帳票に基づく処理が窓口端末24において行なわれる期間(有効期間)を予測、計算する。営業店サーバ28において予測、計算された有効期間は、期間管理サーバ30において顧客の口座番号と対応付けて保持される。
【0026】
ホスト34は、図2に示す顧客情報を管理し、たとえば窓口端末24から依頼のあった取引の制御、処理を行なう。
【0027】
図2は、ホスト34において管理される顧客情報の具体例を示した説明図である。図2に示したように、顧客情報は、口座番号、暗証番号、氏名、および住所などの顧客に関する情報を含む。なお、図2においては顧客情報の一例を示したに過ぎず、顧客情報は、例えば顧客の年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金情報などの情報をさらに含んでもよい。ここで、預金情報は、顧客の預金に関する情報であり、例えば顧客の普通預金、定期預金、外貨預金、有価証券、投資信託、保険商品などの種類および残高に関する情報を含んでもよい。
【0028】
〔1−2〕第1の実施形態にかかる受付端末の構成
以上、第1の実施形態にかかる金融システム1の全体構成を説明した。続いて、図3〜図6を参照し、金融システム1に含まれる受付端末20の構成を説明する。
【0029】
図3は、第1の実施形態にかかる受付端末20のハードウェア構成を示したブロック図である。受付端末20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、内部バス204と、を備える。また、受付端末20は、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、通信装置215とを備える。
【0030】
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って受付端末20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成される内部バス204により相互に接続されている。
【0031】
内部バス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしも内部バス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0032】
入力装置208は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。受付端末20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、受付端末20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。また、入力装置208は、ユーザが生体情報が入力され、当該生体情報を解釈することが可能である。
【0033】
出力装置210は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置210は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置210は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。また、出力装置210は、印刷データを紙などの印刷媒体に印刷して帳票を発行することも可能である。
【0034】
ストレージ装置211は、本実施形態にかかる受付端末20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置211は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置211は、ハードディスクを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0035】
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、受付端末20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203に出力する。
【0036】
通信装置215は、例えば、通信網12や営業店サーバ28に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0037】
なお、上記では図3を参照して受付端末20のハードウェア構成について説明したが、窓口端末24、営業店サーバ28のハードウェアのハードウェア構成は受付端末20と共通する部分が多いため、説明を省略する。
【0038】
図4は、本実施形態にかかる受付端末20の構成を示した機能ブロック図である。図4に示したように、受付端末20は、顧客操作表示部216と、カードリーダ部220と、生体情報読取部224と、制御部230と、二次元バーコード生成部242と、帳票印刷部246と、記憶部250と、通信部254と、を備える。なお、顧客操作表示部216、カードリーダ部220、および生体情報読取部224は図3に示した入力装置208に対応し、顧客操作表示部216および帳票印刷部246は図3に示した出力装置210に対応する。
【0039】
顧客操作表示部216は、各種画面を表示する液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、またはOLEDなどの表示部、および顧客による入力操作を受け付けるタッチパネル、タッチパッドまたはボタンなどの操作部(入力部)を有する。顧客操作表示部216により表示される各種画面としては、図5に示す取引選択画面、取引選択画面において選択された取引に関する入力画面などがあげられる。
【0040】
図5は、取引選択画面の具体例を示した説明図である。図5に示したように、取引選択画面には、「入金」、「出金」、「振込」、「振替」、および「その他」などの選択項目が含まれる。取引選択画面において、例えば、顧客により選択項目「出金」が選択されると、顧客操作表示部216は、出金額などを入力するための入力画面に取引選択画面を切替える。
【0041】
カードリーダ部220(読出し部)は、各種情報が記録されている記憶媒体の一例としてのカードがカード挿入口に挿入されると、当該カードからの情報の読出し、または当該カードに対しての情報の書き込みを行なう。具体的には、カードリーダ部220は、顧客によりカード挿入口に挿入されたキャッシュカードの磁気ストライプやICチップなどから、顧客を識別するための顧客識別情報としての口座情報や後述の生体情報を読み出すことができる。なお、カード挿入口に挿入されたカードは、カード挿入口と同一または異なるカード排出口から排出され、顧客に返却される。
【0042】
生体情報読取部224は、顧客から当該顧客の生体情報を取得する取得部としての機能を有する。生体情報としては、例えば、顧客の指紋、手指の静脈パターン、虹彩、声紋、または顔の形状などがあげられる。生体情報読取部224は、このような生体情報を読取ることが可能な、CCD(Charge Coupled Devices)を備えたカメラ、音声入力装置などであってもよい。また、生体情報読取部224は、顧客から取得した生体情報を制御部230へ出力する。
【0043】
制御部230は、図3に示したCPU201またはMPU(Micro Processing Unit)などの演算および制御手段により構成される。また、制御部230は、記憶部250に記憶されている制御プログラム(ソフトウェア)に従い、顧客操作表示部216、カードリーダ部220、生体情報読取部224、二次元バーコード生成部242、帳票印刷部246、記憶部250、および通信部254の動作を制御する。このような制御部230は、生体情報判断部234および印刷制御部238の機能を包含する。
【0044】
生体情報判断部234は、カードリーダ部220によりカードから読み出された顧客の生体情報、および生体情報読取部224により顧客から読取られた生体情報を照合する。そして、生体情報判断部234は、双方の生体情報が、同一の顧客の生体情報であるか否かを判断する。また、生体情報判断部234は、その他の例えば暗証番号も利用して総合的に、カードを挿入した顧客とカードの所有者の顧客が同一であるか否かを判断する。
【0045】
印刷制御部238は、カードを挿入した顧客とカードの所有者の顧客が同一であると生体情報判断部234により判断された場合、顧客情報、取引内容(処理内容)、および二次元バーコード生成部242により生成された二次元バーコード(印刷データ)を帳票印刷部246に印刷させる。
【0046】
二次元バーコード生成部242は、カードリーダ部220によりカードから読み出された顧客の生体情報に基づいて二次元バーコード(例えばQR(Quick Response)コード(登録商標))を生成する。詳細については後述するが、二次元バーコード生成部242は、顧客の生体情報のハッシュ値、および暗証番号のハッシュ値から認証印字値を生成し、当該認証印字値に対応する二次元バーコードを生成する。
【0047】
帳票印刷部246は、印刷紙を搬送する構成および各種情報を印刷するための構成などからなる。当該帳票印刷部246は、図6に示すように、氏名や口座番号などの顧客情報、顧客操作表示部216に入力された取引情報、および二次元バーコード生成部242により生成された二次元バーコードを印刷紙に印刷して帳票を発行する。
【0048】
図6は、帳票40の具体例を示した説明図である。図6には、帳票40が出金票である例を示している。より詳細には、帳票40は、口座番号や氏名を含む顧客情報、および出金額を含む取引情報などの印字データ42と、二次元バーコード44を含む。このように、本実施形態においては、印影に代えて顧客独自の二次元バーコード44を帳票に印刷することが可能である。
【0049】
記憶部250は、各種情報を記憶しており、記憶している情報を読み出すことができる。例えば、記憶部250は、受付端末20における全体の動作を制御するための制御プログラム(ソフトウェア)、顧客操作表示部216に表示するための画面データ、および顧客が行なう取引に必要な情報などを記憶している。また、このような記憶部250は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0050】
通信部254は、窓口端末24、営業店サーバ28、期間管理サーバ30およびホスト34との間で通信を行なう。かかる通信部254は、図3に示した通信装置215に対応する。
【0051】
〔1−3〕期間設定について
次に、図7および図8を参照し、営業店サーバ28および期間管理サーバ30により行なわれる、帳票の有効期間の設定について説明する。
【0052】
受付端末20は、ある取引に関する帳票を発行する際に、当該取引の受け付け要求を営業店サーバ28へ送信する。また、窓口端末24は、終了した取引を営業店サーバ28へ送信する。これら情報に基づき、営業店サーバ28は、取引ごとに当該取引を待っている顧客数などの取引情報を管理する。ここで、取引情報は、キュー(待ち行列)のような形式で管理されてもよい。
【0053】
また、営業店サーバ28は、図7に示すように、取引種別ごとに、1取引に必要と予想される処理時間を記憶している。
【0054】
図7は、取引種別と1取引に必要な処理時間の関係を示した説明図である。図7には、1顧客の出金取引を行なうために必要な処理時間が3〜6分と見積もられ、1顧客の振込み取引を行なうために必要な処理時間が5〜10分と見積もられている例を示している。
【0055】
このような営業店サーバ28は、受付端末20が帳票を発行する際、管理している取引状況に応じて当該帳票の有効期間を動的に計算する。例えば、1番目の窓口で振込みを待っている顧客が3人であり、1顧客の振込み取引を行なうために必要な処理時間が5〜10分と見積もられている場合、新たに振込み待ちに追加された4人目の顧客の取引は、15〜30分後(3×(5〜10)分)であると予測できる。さらに、営業店サーバ28は、現在時刻「2008/8/12 14:15」に15〜30分を加算し、取引開始予想時間を「2008/8/12 14:30〜2008/8/12 14:45」と算出することができる。
【0056】
期間管理サーバ30は、図8に示すように、このように営業店サーバ28により算出された取引開始予想時間を、帳票の有効期間とし、帳票の口座番号と対応付けて記憶、管理する。
【0057】
図8は、期間管理サーバ30により管理する有効期間の具体例を示した説明図である。図8に示した例では、口座番号「1234567」と有効期間「2008/8/22 15:00〜2008/8/22 15:27」が対応付けられている。すなわち、口座番号「1234567」を有する顧客に対して発行された帳票の有効期間が「2008/8/22 15:00〜2008/8/22 15:27」である。この場合、窓口端末24は、有効期間「2008/8/22 15:00〜2008/8/22 15:27」に限り該当する帳票による取引を受け付ける。
【0058】
このため、帳票の置忘れや紛失などにより正当権限を有さない第三者が他の顧客の帳票を入手した場合に、第三者により不正に取引が実行されてしまう場合を抑制し、セキュリティを向上することができる。また、本実施形態においては、営業店サーバ28が現在時刻を基準として、固定時間でなく、営業店6の現在の取引状況に応じた取引開始予想時間を動的に計算する。かかる構成によれば、帳票の有効期間が合理的な範囲に設定されるため、本来の顧客の正常な取引を阻害することなく、セキュリティの一層の向上を図ることが可能である。
【0059】
〔1−4〕第1の実施形態にかかる窓口端末の構成
続いて、図9を参照し、第1の実施形態にかかる窓口端末24の構成について説明する。
【0060】
図9は、第1の実施形態にかかる窓口端末24の構成を示した機能ブロック図である。図9に示したように、窓口端末24は、スキャナ304と、制御部308と、通信部312を備える。
【0061】
スキャナ304は、顧客情報、取引情報、および二次元バーコードなどが印刷された帳票を読取る読取り部として機能する。
【0062】
制御部308は、スキャナ304により読取られた帳票の有効期間内である場合、当該帳票に印刷されている取引情報の示す取引の実行をホスト38に依頼する。具体的には、制御部308は、スキャナ304により読取られた帳票の口座番号を期間管理サーバ30へ送信し、期間管理サーバ30からの現在時刻が当該口座番号に対応付けられている有効期間内であるか否かの応答により有効期間内であるか否かを把握してもよい。または、制御部308は、スキャナ304により読取られた帳票の口座番号を期間管理サーバ30へ送信し、期間管理サーバ30から当該口座番号に対応付けられている有効期間を含む応答を受信し、現在時刻と当該有効期間を比較してもよい。
【0063】
また、制御部308は、帳票に基づく取引が正常に処理されると、取引が終了した旨を通信部312から営業店サーバ28へ送信する。なお、制御部308は、受付端末20の制御部230と同様に、図3に示したCPU201またはMPUなどの演算および制御手段により構成され、記憶媒体に記憶されている制御プログラム(ソフトウェア)に従って窓口端末24の全体の動作を制御する。
【0064】
通信部312は、受付端末24、営業店サーバ28、期間管理サーバ30およびホスト34とのインターフェースである。
【0065】
〔1−5〕第1の実施形態にかかる金融システムの動作
次に、図10および図11を参照し、第1の実施形態にかかる金融システム1の動作を説明する。
【0066】
図10は、第1の実施形態にかかる金融システム1における帳票発行処理の流れを示したシーケンス図である。図11は、第1の実施形態にかかる金融システム1における取引処理の流れを示したシーケンス図である。
【0067】
まず、図10に示したように、顧客が営業店6に入店後に受付端末20の顧客操作表示部216に表示されている取引選択画面(図5参照)において、所望の取引を選択する(S402)。続いて、顧客によりキャッシュカードが挿入口に挿入されると、カードリーダ部220が当該キャッシュカードから口座番号および生体情報BIを読み出す(S404)。
【0068】
その後、生体情報読取部224が顧客から顧客の生体情報BIを読み取る(S406)。また、受付端末20は、キャッシュカードから読み出した口座番号をホスト34に送信し、ホスト34が当該口座番号に対応付けられている暗証番号PINを検索して受付端末20へ送信する(S408)。さらに、顧客は、受付端末20の顧客操作表示部216に暗証番号PINを入力する(S410)。
【0069】
続いて、受付端末20の生体情報判断部234は、生体情報BIと生体情報BIの照合率、および暗証番号PINと暗証番号PINの比較により本人確認を行なう(S412)。そして、本人確認に成功した場合、顧客操作表示部216が取引金額などの取引情報の入力画面を表示し、顧客が当該入力画面において取引情報を入力する(S414)。さらに、受付端末20は、キャッシュカードから読み出した口座番号をホスト34に送信し(S416)、ホスト34が当該口座番号に対応付けられている顧客情報を検索し(S418)、受付端末20が顧客情報を取得する(S420)。その後、受付端末20は、営業店サーバ28に対して有効期間の設定要求を行なう(S422)。
【0070】
また、受付端末20の二次元バーコード生成部242は、S404において取得した生体情報BIをハッシュ化し、ハッシュ値Hash(BI)を計算する(S424)。また、受付端末20の二次元バーコード生成部242は、S410において入力されたPINをハッシュ化し、ハッシュ値Hash(PIN)を計算する(S426)。さらに、受付端末20の二次元バーコード生成部242は、ハッシュ値Hash(BI)およびハッシュ値Hash(PIN)を組み合わせて認証印字値Resを生成する(S428)。
【0071】
そして、二次元バーコード生成部242が認証印字値Resから二次元バーコードを生成し(S430)、帳票印刷部246が、二次元バーコード、S420において取得した顧客情報、およびS414において入力された取引情報を帳票に印刷して顧客に提供する(S432)。なお、認証印字値Resの生成方法は任意であるが、例えば、排他的論理和(xor)を利用する以下の数式1にしたがって生成することができる。
【0072】
【数1】

【0073】
一方、営業店サーバ28は、S420において受付端末20から有効期間の設定を要求されると、営業店6の現在の混雑状況を照会する(S434)。そして、営業店サーバ28は、照会した混雑状況に基づき、窓口端末24が取引開始予想時間を計算し、取引開始予想時間を帳票の有効期間として期間管理サーバ30へ送信する(S436)。有効期間を取得した期間管理サーバ30は、顧客の口座番号と対応付けて当該有効期間を記憶する(S440)。
【0074】
また、受付端末20は、帳票の印刷後、営業店サーバ28へ取引の受け付けを要求する(S442)。営業店サーバ28は、要求された取引を受け付け、管理している取引状況を更新する(S444)。
【0075】
その後、顧客が帳票を持って営業店6の窓口へ行くと、図11に示したように、窓口端末24は、オペレータ操作に基づき、帳票をスキャナ304で読取る(S452)。そして、窓口端末24は、読取った画像のOCR(Optical Character Reader)スキャンにより口座番号を含む顧客情報や取引情報などの印字データを取得する(S453)。
【0076】
さらに、窓口端末24は、取得した口座番号を、期間確認要求として期間管理サーバ30へ送信する(S454)。期間管理サーバ30は、窓口端末24から期間確認要求を受信すると、現在時刻が口座番号と対応付けて記憶している有効期間内であるか否かを判断する(S456)。そして、期間管理サーバ30は、現在時刻が有効期間内である場合、その旨を窓口端末24に通知し、窓口端末24は、帳票から取得した取引情報にかかる取引の実行をホスト34へ要求する(S458)。その後、ホスト34が要求のあった取引を正常に処理し(S460)、一連のシーケンスが終了する。
【0077】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、印鑑を利用せずに取引を完了することができる点で、ユーザの利便性が高い。また、本人確認に成功した場合にのみ二次元バーコードが印刷され、かつ、当該二次元バーコードが顧客の生体情報のハッシュ値に基づいて生成されるため、セキュリティの向上を図ることができる。
【0078】
さらに、本発明の第1の実施形態においては、帳票に有効期限が設定されるため、帳票の置忘れや紛失などにより正当権限を有さない第三者が他の顧客の帳票を入手した場合に、第三者により不正に取引が実行されてしまう場合を抑制し、セキュリティを向上することができる。
【0079】
また、本発明の第1の実施形態においては、オペレータが2つの印影画像を確認する印鑑照合に代えて、生体情報のデータ比較が用いられるため、オペレータの負荷を緩和するとともに、オペレータの見間違いなどのヒューマンエラーを抑制することができる。また、印影が欠けていた場合に再度顧客が押印しなければならないという事態も防止することができる。
【0080】
〔2〕本発明の第2の実施形態
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。第1の実施形態では、窓口端末24において生体情報に関する認証が行なわれない例を説明したが、第2の実施形態では、生体情報に関する認証を窓口端末24’においても行なうことによりセキュリティを一層向上することができる。以下、図12〜図17を参照し、このような第2の実施形態について説明する。ただし、以下では、第1の実施形態と異なる点に重きをおいて説明する。
【0081】
〔2−1〕第2の実施形態にかかる金融システムの全体構成
図12は、第2の実施形態にかかる金融システム2の全体構成を示した説明図である。図12に示したように、第2の実施形態にかかる金融システム2は、営業店6に設置される受付端末20’、窓口端末24’および営業店サーバ28と、センタ8に設置されるホスト34および生体認証サーバ38と、通信網12と、を備える。第1の実施形態と主に異なるのは、受付端末20’、窓口端末24’および生体認証サーバ38であるため、各々について順次に説明する。
【0082】
〔2−2〕第2の実施形態にかかる受付端末の構成
第2の実施形態にかかる受付端末20’は、二次元バーコードの生成方法が第1の実施形態と異なる。具体的には、第2の実施形態にかかる受付端末20’の二次元バーコード生成部242は、生体認証サーバ38から乱数Rを取得し、認証印字値Resを以下の数式2に従って算出する。
【0083】
【数2】

【0084】
すなわち、第2の実施形態にかかる受付端末20’の二次元バーコード生成部242は、乱数R、ハッシュ値Hash(BI)およびハッシュ値Hash(PIN)の排他的論理和を演算して認証印字値Resを算出する。さらに、二次元バーコード生成部242は、認証印字値Resから二次元バーコードを生成し、帳票印刷部246が当該二次元バーコードを帳票に印刷する。
【0085】
〔2−3〕生体認証サーバの構成
生体認証サーバ38は、第1の実施形態における期間管理サーバ30の機能、受付端末20’からの要求に応じて乱数を生成・管理する機能、および生体情報の管理機能を有する管理装置である。生体認証サーバ38は、例えば図13に示すように生体情報を管理する。
【0086】
図13は、生体認証サーバ38による生体情報の管理例を示した説明図である。図13に示したように、生体認証サーバ38は、生体情報のハッシュ値と口座番号を対応付けて管理している。ここで、生体認証サーバ38が生体情報そのものでなく生体情報のハッシュ値を管理しているのは、例えば以下の2の要求に基づく。
(1)個人情報保護の観点より、生体情報そのものを金融機関にて管理させない。
(2)情報量の削減を図る。
これら要求を満たすことが可能な他の方式があれば、生体認証サーバ38は当該方式により変換された生体情報を管理してもよい。
【0087】
また、生体認証サーバ38は、受付端末20’からの要求に応じて生成した乱数を、第1の実施形態において説明した有効期間と対応付けて図14に示すように管理する。
【0088】
図14は、生体認証サーバ38による有効期間の管理例を示した説明図である。図14に示したように、生体認証サーバ38は、生成した乱数と、営業店サーバ28により算出された有効期間を口座番号と対応付けて管理している。
【0089】
〔2−4〕第2の実施形態にかかる窓口端末の構成
次に、第2の実施形態にかかる窓口端末24’の構成について図15を参照して説明する。
【0090】
図15は、第2の実施形態にかかる窓口端末24’の構成を示した機能ブロック図である。図15に示したように、第2の実施形態にかかる窓口端末24’は、スキャナ304と、制御部308’と、通信部312と、認証印字値取得部316と、認証用データ生成部320と、を備える。
【0091】
スキャナ304は、帳票から顧客情報および取引情報などの印字データと、二次元バーコードを読取る。認証印字値取得部316は、スキャナ304により読取られた二次元バーコードから認証印字値Resを取得する。
【0092】
認証用データ生成部320は、生体認証サーバ38において管理されている乱数R、生体情報のハッシュ値Hash(BIs)、およびホスト34から取得される暗証番号PINに基づいて、以下の数式3に従い、認証用データResを生成する。
【0093】
【数3】

【0094】
そして、比較部324が認証印字値Resと認証用データResを比較し、認証印字値Resと認証用データResが一致する場合には、制御部308’がホスト34へ帳票にかかる取引の実行を要求する。
【0095】
〔2−5〕第2の実施形態にかかる金融システムの動作
続いて、図16および図17を参照し、第2の実施形態にかかる金融システム2の動作を説明する。
【0096】
図16は、第2の実施形態にかかる金融システム2における帳票発行処理の流れを示したシーケンス図である。図17は、第2の実施形態にかかる金融システム2における取引処理の流れを示したシーケンス図である。
【0097】
まず、図16に示したように、顧客が営業店6に入店後に受付端末20’の顧客操作表示部216に表示されている取引選択画面(図5参照)において、所望の取引を選択する(S502)。続いて、顧客によりキャッシュカードが挿入口に挿入されると、カードリーダ部220が当該キャッシュカードから口座番号および生体情報BIを読み出す(S504)。
【0098】
その後、生体情報読取部224が顧客から顧客の生体情報BIを読み取る(S506)。また、受付端末20’は、キャッシュカードから読み出した口座番号をホスト34に送信し、ホスト34が当該口座番号に対応付けられている暗証番号PINを検索して受付端末20’へ送信する(S508)。さらに、顧客は、受付端末20’の顧客操作表示部216に暗証番号PINを入力する(S510)。
【0099】
続いて、受付端末20’の生体情報判断部234は、生体情報BIと生体情報BIの照合率、および暗証番号PINと暗証番号PINの比較により本人確認を行なう(S512)。そして、本人確認に成功した場合、顧客操作表示部216が取引金額などの取引情報の入力画面を表示し、顧客が当該入力画面において取引情報を入力する(S514)。さらに、受付端末20’は、キャッシュカードから読み出した口座番号をホスト34に送信し(S516)、ホスト34が当該口座番号に対応付けられている顧客情報を検索し(S518)、受付端末20’が顧客情報を取得する(S520)。
【0100】
その後、受付端末20’は、生体認証サーバ38へ乱数の生成を要求する(S522)。なお、当該要求は、後に説明するように生体認証サーバ38における有効期間の設定のトリガとなる。生体認証サーバ38は、受付端末20’からの要求に応じて一意の乱数Rを生成し、受付端末20’へ送信する(S524)。
【0101】
受付端末20’が乱数Rを取得すると(S526)、受付端末20’の二次元バーコード生成部242は、S504において取得した生体情報BIをハッシュ化し、ハッシュ値Hash(BI)を計算する(S528)。また、受付端末20’の二次元バーコード生成部242は、S510において入力されたPINをハッシュ化し、ハッシュ値Hash(PIN)を計算する(S530)。さらに、受付端末20’の二次元バーコード生成部242は、乱数R、ハッシュ値Hash(BI)およびハッシュ値Hash(PIN)を組み合わせて認証印字値Resを生成する(S532)。
【0102】
そして、二次元バーコード生成部242が認証印字値Resから二次元バーコードを生成し(S534)、帳票印刷部246が、二次元バーコード、S520において取得した顧客情報、およびS514において入力された取引情報を帳票に印刷して顧客に提供する(S536)。
【0103】
一方、生体認証サーバ38は、S524において乱数を生成した後、営業店サーバ28に対して有効期間の計算を要求する(S538)。営業店サーバ28は、生体認証サーバ38からの要求に応じ、営業店6の現在の混雑状況を照会する(S540)。そして、営業店サーバ28は、照会した混雑状況に基づき、窓口端末24’が取引開始予想時間を計算し、取引開始予想時間を帳票の有効期間として期間管理サーバ30へ送信する(S542)。有効期間を取得した期間管理サーバ30は(S544)、S524において生成した乱数および有効期間を、顧客の口座番号と対応付けて記憶する(S548)。
【0104】
また、受付端末20’は、帳票の印刷後、営業店サーバ28へ取引の受け付けを要求する(S550)。営業店サーバ28は、要求された取引を受け付け、管理している取引状況を更新する(S552)。
【0105】
その後、顧客が帳票を持って営業店6の窓口へ行くと、図17に示したように、窓口端末24’は、オペレータ操作に基づき、印字データおよび二次元バーコードが印刷された帳票をスキャナ304で読取る(S562、S564)。ここで、窓口端末24’は、顧客による帳票の提示前に、再度の本人確認のために生体認証を行なってもよい。この場合、S572にて取得する生体情報は、当該生体認証時に使用した生体情報であってもよい。
【0106】
そして、窓口端末24’は、読取った画像のOCR(Optical Character Reader)スキャンにより口座番号を含む顧客情報や取引情報などの印字データを取得する(S566)。また、認証印字値取得部316は、スキャナ304により読取られた二次元バーコードから認証印字値Resを取得する。
【0107】
その後、窓口端末24’は、取得した口座番号に基づいて、生体認証サーバ38へ生体情報の照会依頼を行なう(S568)。生体認証サーバ38は、窓口端末24’からの依頼に応じ、口座番号と対応付けて記憶している生体情報のハッシュ値Hash(BI)を検索し、窓口端末24’へ送信する(S570)。
【0108】
また、窓口端末24’は、生体情報のハッシュ値Hash(BI)を取得すると(S572)、S566において取得した口座番号に基づいて、生体認証サーバ38へ乱数Rの照会依頼を行なう(S574)。生体認証サーバ38は、窓口端末24’からの依頼に応じ、口座番号と対応付けて記憶している乱数Rを検索する(S576)。そして、生体認証サーバ38は、現在時刻が、検索した乱数Rと対応付けられている有効期間内である場合、乱数Rを窓口端末24’へ送信する(S578)。一方、現在時刻が有効期間外である場合、乱数Rを無効として処理を終了する。
【0109】
また、窓口端末24’は、乱数Rを取得すると(S580)、S566において取得した口座番号に基づいて、ホスト34へ暗証番号の照会依頼を行なう(S582)。ホスト34は、窓口端末24’からの依頼に応じ、図2に示した顧客情報から該当する暗証番号PINを検索し、窓口端末24’へ送信する(S584)。
【0110】
その結果、窓口端末24’が暗証番号PINを取得する(S586)。ここで、図17においては暗証番号PINをS582〜S586までの処理でホスト34から取得する例を示しているが、窓口端末24’において顧客に暗証番号PINを入力させ、入力された暗証番号PINを以下の処理で利用してもよい。
【0111】
その後、窓口端末24’の認証用データ生成部320は、S586において取得した暗証番号をハッシュ化してハッシュ値Hash(PIN)を取得する(S588)。さらに、認証用データ生成部320は、S572において取得した生体情報のハッシュ値Hash(BI)、S580において取得した乱数R、およびS588において取得した暗証番号のハッシュ値Hash(PIN)から、数式3にしたがって認証用データResを生成する(S590)。
【0112】
そして、比較部324がS566において取得した認証印字値ResとS590において生成した認証用データResを比較する(S592)。ここで、認証印字値Resと認証用データResが一致している場合、ホスト34において正常に取引が実行されて一連の処理が終了する(S594)。一方、認証印字値Resと認証用データResが一致しない場合、本人確認に失敗したと判断され、取引は異常終了される。
【0113】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、窓口端末24’においても生体情報に基づく本人確認を行なうため、顧客およびオペレータの利便性の向上などの第1の実施形態の効果に加え、一層セキュリティを強化できるという功を奏する。
【0114】
〔3〕補足
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0115】
例えば、本明細書の金融システム1または2の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、金融システム1または2の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【0116】
また、受付端末20および20’、窓口端末24および24’などに内蔵されるCPU201、ROM202およびRAM203などのハードウェアを、上述した受付端末20および20’、窓口端末24および24’などの各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】第1の実施形態にかかる金融システムの全体構成を示した説明図である。
【図2】ホストにおいて管理される顧客情報の具体例を示した説明図である。
【図3】第1の実施形態にかかる受付端末のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図4】本実施形態にかかる受付端末の構成を示した機能ブロック図である。
【図5】取引選択画面の具体例を示した説明図である。
【図6】帳票の具体例を示した説明図である。
【図7】取引種別と1取引に必要な処理時間の関係を示した説明図である。
【図8】期間管理サーバにより管理する有効期間の具体例を示した説明図である。
【図9】第1の実施形態にかかる窓口端末の構成を示した機能ブロック図である。
【図10】第1の実施形態にかかる金融システムにおける帳票発行処理の流れを示したシーケンス図である。
【図11】第1の実施形態にかかる金融システムにおける取引処理の流れを示したシーケンス図である。
【図12】第2の実施形態にかかる金融システムの全体構成を示した説明図である。
【図13】生体認証サーバによる生体情報の管理例を示した説明図である。
【図14】生体認証サーバによる有効期間の管理例を示した説明図である。
【図15】第2の実施形態にかかる窓口端末の構成を示した機能ブロック図である。
【図16】第2の実施形態にかかる金融システムにおける帳票発行処理の流れを示したシーケンス図である。
【図17】第2の実施形態にかかる金融システムにおける取引処理の流れを示したシーケンス図である。
【符号の説明】
【0118】
6 営業店
8 センタ
12 通信網
20、20’ 受付端末
24、24’ 窓口端末
28 営業店サーバ
30 期間管理サーバ
34 ホスト
38 生体認証サーバ
216 顧客操作表示部
220 カードリーダ部
224 生体情報読取部
230、308、308’ 制御部
234 生体情報判断部
238 印刷制御部
242 二次元バーコード生成部
246 帳票印刷部
250 記憶部
254、312 通信部
304 スキャナ
316 認証印字値取得部
320 認証用データ生成部
324 比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体への印刷を行なう印刷部と;
記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部と;
任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部と;
前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部と;
前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データを前記印刷部に印刷させる印刷制御部と;
を備える、生体情報印刷装置。
【請求項2】
前記生体情報印刷装置は、前記任意のユーザにより任意の処理内容が入力される入力部をさらに備え、
前記印刷制御部は、前記印刷媒体へ前記処理内容を前記印刷部に印刷させる、請求項1に記載の生体情報印刷装置。
【請求項3】
前記生体情報印刷装置は、通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記印刷媒体に印刷された前記処理内容を読取る処理受付装置により前記処理内容が受け付けられる有効期間を設定する管理装置における、前記有効期間の設定のトリガとなる信号を送信する、請求項2に記載の生体情報印刷装置。
【請求項4】
前記有効期間は、前記処理受付装置が設置される店舗の混雑状況に応じて設定される、請求項3に記載の生体情報印刷装置。
【請求項5】
前記ユーザの生体情報のハッシュ値に基づいて前記印刷データを生成する生成部をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の生体情報印刷装置。
【請求項6】
印刷媒体への印刷を行なう印刷部、
記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部、
任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部、
当該ユーザにより任意の処理内容が入力される入力部、
前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部、および、
前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データおよび前記入力部に入力された処理内容を前記印刷部に印刷させる印刷制御部、
を有する生体情報印刷装置と;
前記生体情報印刷装置からの要求に応じて有効期間を設定する管理装置と;
前記印刷媒体の印刷を読取る読取り部を有し、現在時刻が前記管理装置により設定された有効期間内である場合に前記印刷媒体に印刷されている前記処理内容を受け付ける処理受付装置と;
を備える、生体情報印刷システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記処理受付装置が設置される店舗の混雑状況に応じた有効期間を設定する、請求項6に記載の生体情報印刷システム。
【請求項8】
前記管理装置は、乱数を生成して当該乱数と前記有効期間を対応付けて保持し、前記乱数を前記生体情報印刷装置へ送信し、前記有効期間内である場合に前記処理受付装置へ前記乱数を送信し、
前記生体情報印刷装置は、前記ユーザの生体情報のハッシュ値、および前記乱数に基づいて前記印刷データを生成し、
前記処理受付装置は、前記処理受付装置から前記乱数を受信でき、かつ、読取った前記印刷データと、当該乱数および事前に前記管理装置に登録されている前記特定のユーザの生体情報のハッシュ値に基づいて生成したデータと、が一致する場合に前記処理内容を受け付ける、請求項6に記載の生体情報印刷システム。
【請求項9】
コンピュータを、
印刷媒体への印刷を行なう印刷部と;
記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出す読出し部と;
任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得する取得部と;
前記読出し部により読み出された生体情報、および前記取得部により取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断する判断部と;
前記判断部により双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データを前記印刷部に印刷させる印刷制御部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項10】
記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている特定のユーザの生体情報を読出すステップと;
任意のユーザから当該ユーザの生体情報を取得するステップと;
当該ユーザにより任意の処理内容が入力されるステップと;
読み出された生体情報、および取得された生体情報が同一のユーザの生体情報であるか否かを判断するステップと;
双方の生体情報が同一のユーザの生体情報であると判断された場合、当該ユーザの生体情報に基づく印刷データおよび入力された処理内容を印刷媒体に印刷するステップと;
有効期間を設定するステップと;
前記印刷媒体の印刷を読取るステップと;
現在時刻が設定された有効期間内である場合に前記印刷媒体に印刷されている前記処理内容を受け付けるステップと;
を含む、生体情報印刷方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−66875(P2010−66875A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230810(P2008−230810)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】