説明

画像処理システム、記憶媒体、及びプログラム

【課題】 機密印字機能を使用する場合に、画像合成速度が遅くても定着装置を過昇温状態にすることなく画像出力する。
【解決手段】 画像データを入力する画像入力手段と、該画像データを複数ページ、複数部、蓄積する画像蓄積手段と、該画像データを出力する画像出力手段と、該画像蓄積手段の容量が無くなるか、指定部数の蓄積を終えた時点で蓄積済み画像データを出力する画像データ出力指示手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された画像データに対して数字・文字列・他画像などを合成して出力する機能を有する、デジタル式複写機、あるいはプリンタ等を含んだ形で構築される画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティへの関心が高まり、画像出力装置においては出力物の複写時に「複写禁止」などの文字列が浮かび上がる地紋機能や、出力部番号・日時などの情報を埋め込む機密印字が重要な機能となってきている。
【0003】
上記のように、入力画像に対して画像を合成して出力する場合、画像データを転送するPCで画像を合成してPDLデータとして画像出力装置に送信する場合と、画像出力装置で画像を合成する場合がある。
【0004】
何れの場合も、PCおよび画像出力装置の合成処理能力(スピード)次第で印刷パフォーマンスが変わり、特に一般にCPUパワーの乏しい画像出力装置側で合成する場合は、通常の印刷に比べて大きくパフォーマンスが落ちる。
【0005】
例えばここで、加熱式の定着装置が必要なトナー定着方式の画像出力装置では、上記のようにパフォーマンスが落ちて紙間が開くことで、定着装置から熱が奪われずに過度に昇温し、温度調整が必要となる。
【0006】
この温度調整が動作することで更にパフォーマンスが落ちてしまうという問題があった。
【0007】
ここで、上記過昇温の状態になることを避けるため、実際には印刷しない用紙を給紙し、定着装置を通す技術が知られている。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2003−145888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記印刷しない用紙を通す公知技術では、不要な用紙を使用してしまうというデメリットがある。そのため、印刷しない用紙を通さずに過昇温を回避する技術が必要である。
【0009】
定着装置が過昇温状態にならないためには、合成済みの画像データを予め全てスプールしておいて、一度に印刷することで紙間を空けない必要がある。
【0010】
ここで、上記機密印字では部毎に異なる画像を作成してスプールする必要があるため、「100ページ」「900部」などのジョブでは、予め90000ページ分の合成画像データをスプールする必要が出てくる。
【0011】
しかし、90000ページもの画像データをスプールするHDD容量を確保することは一般的に難しいという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、
画像データを入力する画像入力手段と、
該画像データを複数ページ、複数部、蓄積する画像蓄積手段と、
該画像データを出力する画像出力手段と、
該画像蓄積手段の容量が無くなるか、指定部数の蓄積を終えた時点で蓄積済み画像データを出力する画像データ出力指示手段と
を具備することを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、
画像データ出力指示手段が出力指示するのは、該画像蓄積手段に入り終わった部単位であることを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、
該入力画像データに対して別画像を合成する合成手段を具備し、
該合成手段により合成してから、合成済み画像データを該画像蓄積手段に蓄積することを特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明の画像処理システムは、
1部出力終了した時点で該画像蓄積手段から画像を削除し、
該合成手段による画像合成および該画像蓄積手段への蓄積を再開することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、機密印字機能を使用する場合に、画像合成速度が遅くても定着装置を過昇温状態にすることなく画像出力することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0019】
図1は本発明に係る電子部品としてのコントローラ部が搭載された画像入出力装置(データ処理装置)の一実施の形態を示すブロック構成図である。
【0020】
そして、該画像入出力装置1は、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)400にてのホストコンピュータ(本実施の形態では第一、第二のホストコンピュータ3,4)に接続されている。
【0021】
即ち、上記画像入出力システム(装置)1は、画像データの読取処理を行うリーダ部2と、画像データの出力処理を行うプリンタ部6と、画像データの入出力操作を行うキーボード、及び画像データや各種機能の表示などを行う液晶パネルを備えた操作部7と、制御プログラムや画像データ等が予め書き込まれたハードディスクドライブ8を装着している。
【0022】
そして、これら各構成要素に接続されて該構成要素に接続されて該構成要素を制御する単一の電子部品からなるコントローラ部110とから構成されている。
【0023】
さらにリーダ部2は原稿用紙を搬送する原稿給紙ユニット(部)10と、原稿画像を光学的に読み取って電気信号としての画像データに変換するスキャナ部11とを有している。
【0024】
プリンタ部6は記録用紙を収容する複数段の給紙カセットを備えた給紙ユニット(部)12と画像データを記録用紙に転写、定着するマーキングユニット(部)13と印字された記録用紙にソート処理やステイプル処理を施して、外部に排出する排紙ユニット(部)14とを有している。
【0025】
図2はリーダ部2及びプリンタ部6の詳細を示す内部構造であって、リーダ部5はプリンタ部6に載置されている。
【0026】
リーダ部2では、原稿給送ユニット10に積層された原稿用紙がその積層順にしたがって、先頭から順次1枚ずつプラテンガラス15上に給送される。
【0027】
そして、スキャナユニット11で所定の読取動作が終了した後、該読み取られた原稿用紙はプラテンガラス15上から原稿給送ユニット10に排出される。
【0028】
また、上記スキャナユニット11では、原稿用紙がプラテンガラス15上に搬送されてくるとランプ16が点灯し、次いで光学ユニット17の移動を開始させ、原稿用紙を下方から照射し、走査する。そして、原稿用紙からの反射光は、複数のミラー18−20、及びレンズ21を介してCCDイメージセンサー(以下、単に「CCD」と記す)22へと導かれ、走査された原稿画像はCCD22によって読み取られる。そして、CCD22で読み取られた画像データは、所定の処理が施された後、コントローラユニット110(図2では図示省略)に転送される。
【0029】
あるいは、原稿プラテン上に載置された原稿を同様にランプ16を点灯し、次いで光学ユニット17の移動を開始させ、原稿用紙を下方から照射し、走査することで、走査された原稿画像をCCD22によって読み取ることが可能である。
【0030】
以上の手順で送出されたリーダからの画像データは、コネクタ56を介してコントローラ部110に送出される。
【0031】
次いで、プリント部6では、コントローラ部110から出力された画像データに対応するレーザ光が、レーザドライバ23により駆動されるレーザ発行部24から発行される。
【0032】
そして、該レーザ光はマーキング部13の感光ドラム25にはレーザ光に応じた静電潜像が形成され、現像器26により前記静電潜像の部分に現像罪が付着する。
【0033】
一方、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、給紙部12(給紙カセット12a,12b)から記録用紙が給紙されて転写部27に搬送され、感光ドラム25に付着している現像剤を記録用紙に転写する。画像データが転写された記録用紙は定着部28に搬送され、定着部28における加熱・加圧処理により画像データが記録紙に定着される。
【0034】
そして、画像データを記録用紙に片面記録する場合は、定着部28を通過した記録用紙が排出ローラ29によってそのまま排紙ユニット14に排出される。
【0035】
そして、排紙ユニット14は排出された記録用紙を束ねて記録用紙の仕分けを行い、また、仕分けされた記録用紙のステイプル処理を行う。
【0036】
また、画像データを記録用紙に両面記録する場合は、排出ローラ29まで記録用紙を搬送した後、該は移出ローラ29の回転方向を逆転させる。
【0037】
そして、フラッパ30によって再給紙搬送路31へと導かれ、該再給紙搬送路31に導かれた記録用紙は上述と同様にして転写部27に搬送される。
【0038】
コントローラ部110は、上述したように単一の電子部品で構成され、リーダ部2読み取った画像データをコードに変換し、LAN400を介して第一及び第二のホストコンピュータ3、4に送信するスキャナ機能を有している。
【0039】
更にコントローラ部110は、ホストコンピュータ3、4からLAN2を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部6に出力するプリンタ機能、その他の機能ブロックを有している。
【0040】
図3はコントローラ部110の詳細を示すブロック図である。
【0041】
すなわち、メインコントローラ32は、CPU33とバスコントローラ34と後述する各種コントローラ回路を含む機能ブロックとを内蔵すると共に、ROMI/F35を介してROM36と接続される。
【0042】
更にメインコントローラ32は、DRAMI/F37を介してDRAM38と接続され、コーデックI/F39を介してコーデック40と接続され、また、ネットワークI/F41を介してネットワークコントローラ42と接続されている。
【0043】
ROM36は、メインコントローラ32のCPU33で実行される各種制御プログラムや演算データが確認されている。DRAM38は、CPU33が動作するための作業領域や画像データを蓄積するための領域として使用される。コーデック40はDRAM38に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIGなどの周知の圧縮方式で圧縮し、また圧縮されたデータをラスターイメージに伸長する。また、コーデック40にはSRAM43が接続されており、該SRAM43は前記コーデック40の一時的な作業領域として使用される。
【0044】
ネットワークコントローラ42は、ネットワーク44を介してLAN2との間で所定の制御動作を行う。
【0045】
また、前記メインコントローラ32はスキャナバス45を介してスキャナI/F46に接続され、プリンタバス47を介してプリンタI/F48に接続される。
【0046】
さらにメインコントローラ32は、PCIバス等の汎用高速バス49を介して拡張ボードを接続するための拡張コネクタ50及び入出力制御部(I/O制御部)51に接続されている。
【0047】
I/O制御部51はリーダ部2やプリンタ部6との間で制御コマンドを送受信するための調歩同期式のシリアル通信コントローラ52が2チャンネル装備されている。該シリアル通信コントローラ52はI/Oバス53を介してスキャナI/F46及びプリンタI/F48に接続されている。
【0048】
スキャナI/F48は、第一の調歩同期シリアルI/F54及び第一のビデオI/F55を介してスキャナコネクタ56に接続され、さらに該スキャナコネクタ56はリーダ部2のスキャナユニット11に接続されている。
【0049】
そして、スキャナI/F46はスキャナ部11から受信した画像データに対し所望の2値化処理や、主走査方向及び/又は副走査方向の変倍処理を行う。
【0050】
またスキャナI/F46は、スキャナ部11から送られてきたビデオ信号に基づいて制御信号を生成し、スキャナバス45を介してメインコントローラ32に転送する。
【0051】
また、プリンタI/F48は、第2の調歩同期シリアルI/F57及び第2のビデオI/F58を介してプリンタコネクタ59に接続され、さらに該プリンタコネクタ59はプリンタ部6のマーキングユニット13に接続されている。
【0052】
そして、プリンタI/F48はメインコントローラ32から出力された画像データにスムージング処理を施して該画像データをマーキングユニット13に出力する。
【0053】
さらにプリンタI/F48は、マーキングユニット13から送られたビデオ信号に基づいて、生成された制御信号をプリンタバス47に出力する。
【0054】
そして、CPU33は、ROM36からROMI/F35を介して読み込まれた制御プログラムに基づいて動作する。
【0055】
例えば、第1及び第2のホストコンピュータ3、4から受信したPDL(ページ記述言語)データを解釈し、ラスターイメージデータに展開処理を行う。
【0056】
また、バスコントローラ34は、スキャナI/F46プリンタI/F48、その他拡張コネクタ50等に接続された外部機器から入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時のアービトレーション(調停)やDMAデータ転送の制御を行う。即ち、例えば、上述したDRAM38とコーデック40との間のデータ転送や、スキャナ部5からDRAM38へのデータ転送、DRAM38からマーキングユニット13へのデータ転送等は、バスコントローラ34によって制御され、DMA転送される。
【0057】
また、I/O制御部51は、LCDコントローラ60及びキー入力I/F761を介してパネルI/F62は操作部7に接続されている。
【0058】
また、前記I/O制御部51は不揮発性メモリとしてのEEPROM66に接続され、またE−IDEコネクタ63を介してハードディスクドライブ8に接続される。
【0059】
さらに、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するリアルタイムクロックモジュール64に接続されている。
【0060】
尚、リアルタイムクロックモジュール64はバックアップ用電池65に接続されて該バックアップ用電池65によりバックアップされている。
【0061】
図4はメインコントローラ32の内部詳細を示すブロック構成図である。
【0062】
バスコントローラ34は、4×4の64ビットクロスバススイッチで構成され、64ビットのプロセッサバス(Pバス)67を介してCPU33に接続される。
【0063】
またメモリ専用のローカルバス(Mバス)68を介してキャッシュメモリ69aを備えたメモリコントローラ69に接続されている。尚、メモリコントローラ69はROM36やDRAM38などのメモリ類と接続され、これらのメモリ類の動作を制御する。
【0064】
さらに、該バスコントローラ34はグラフィックスバス(Gバス)70を介してGバスアービタ71及びスキャン・プリンタコントローラ72と接続される。
【0065】
また入出力バス(Bバス)73を介して、Bバスアービター74、Gバスアービタ71、インタラプトコントローラ、及び各種機能ブロック(電力管理ユニット76、UARTなどのシリアルI/Fコントローラ77、USB(Universal Serial Bus)コントローラ78、IEEE1284等のパラレルI/Fコントローラ79、LANコントローラ80汎用入出力コントローラ81、Bバス73と外部バスであるPCIバスとの間でI/F動作を司るPCIバスI/F82、及びスキャナ・プリンタコントローラ72)と接続されている。
【0066】
Bバスアービタ74はBバス73を協調制御するアービトレーションであり、Bバス73のバス使用要求を受け付け、調停の後、使用許可が選択された一つのマスタに与えられ、これにより同時に2つ以上のマスタがバスアクセスを行うのを禁止している。尚、アービトレーション方式は3段階の優先権を有し、それぞれの優先権に複数のマスタが割り当てられる。
【0067】
インタラプトコントローラ75は、上述した各機能ブロック及びコントローラユニット110の外部からインタラプトを集積し、CPU33がサポートするコントローラ類72、77−82及びノンマスカブルインタラプト(NMI)に再配分する。
【0068】
電力管理ユニット76は機能ブロック毎に電力を管理し、さらに1チップで構成されている電子部品としてコントローラユニット110の消費電力量の監視を行う。すなわち、コントローラユニット110は、CPU33を内蔵した大規模なASIC(特定用途向けIC)で構成されており、このため全ての機能ブロックが同時に動作すると大量の熱を発生して、コントローラ部110自体が破壊されてしまう虞がある。
【0069】
そこで、このような事態を防止するために各に機能ブロック毎に消費電力を管理し、各機能ブロックの消費電力量はパワーマネージメントレベルとして電力管理ユニット76に集積される。そして、該電力管理ユニット76では各機能ブロックの消費電力量を合計し、該消費電力量が限界消費電力を超えないように各機能ブロックの消費電力量を一括して、監視する。
【0070】
Gバスアービタ71は中央アービトレーション方式によりGバス70を協調制御しており、各バスマスタに対して専用の要求信号と許可信号とを有する。
【0071】
尚、バスマスタへの優先権の付与方式として、全てのバスマスタを同じ優先権として、公平にバス権を付与する公平アービトレーションモードといずれか一つのバスマスタに対して優先的にバスを使用させる優先アービトレーションモードのいずれかを指定することができる。
【0072】
上述のような画像入出力装置を例にあげ、本特許の具体的な実施例について図5〜図10を用いて以下に、具体的に述べる。
【0073】
図5は、定着装置の過昇温についての説明図である。
【0074】
まず5001で通常過昇温が発生しないケースを説明する。ここの例ではA4の用紙5002が紙間が開きすぎずに定期的に出力できる場合、定着装置(図2−28)の温度5004は、用紙が通過する時に熱が奪われて下がり、紙間で元の温度に戻る5005。
【0075】
このサイクルが続くことで、過昇温することなくパフォーマンスを維持することができる5003。
【0076】
次に5006で過昇温が発生するケースを説明する。
【0077】
定着装置の温度5009は、紙間が開くことで用紙に奪われて下がる温度よりも、紙間で上昇する温度が高くなり、数枚出力した頃には温度上昇の限界5008(ここの例では10度とする)まで上昇してしまう。
【0078】
この限界まで定着装置の温度が上昇してしまうと、温度を落とすために調整5007を実施することで、パフォーマンスが落ちてしまう。
【0079】
図6は、機密印字機能についてのイメージ図である。
【0080】
6001は機密印字機能を有効にした1部目・1ページ目の出力イメージである。1部目のため、それを示す文字列6002として「00001」がページ全面に合成され印字される。6003は2ページ目の出力イメージである。
【0081】
6004は機密印字機能を有効にした108部目・1ページ目の出力イメージである。108部目のため、それを示す文字列6005として「00108」がページ全面に合成され印字される。6006は2ページ目の出力イメージである。
【0082】
このように部番号の合成を行い印刷し、配布先と部番号の対応を記録しておくことで、配布資料が流出した場合の流出元を特定することができる。
【0083】
図7は、本発明中の合成画像をスプールする場合のデータフロー図である。
【0084】
まず、原稿画像展開手段7001によって、メモリ(図3−38)上に原稿画像を展開する7002。
【0085】
同時に、フォントラスタライズ手段7003によって、メモリ上に合成する画像を展開する7004。
【0086】
上記2つの画像を合成手段7005によって合成し、メモリ上に合成画像を展開する7006。
【0087】
次に記憶装置にスプールする手段7007によって、記憶装置7008(図3−8)に上記7006の合成画像を記憶する。
【0088】
7009は記憶装置7008内に格納された画像イメージである。
【0089】
108部2ページのデータに機密印字機能を使用して記憶装置に格納する場合、部数1のページ1である7010から、部数108のページ2である7011までが格納されることになる。
【0090】
ここで、原稿画像展開手段7001、フォントラスタライズ手段7003、合成手段7005、記憶装置にスプールする手段7007は、図3−33のCPUで動作するソフトウェアや、その他ハードウェアで実現する。
【0091】
図8は、本発明中の合成画像をスプールせずに印刷するデータフロー図である。
【0092】
合成画像を生成するまでのフローは図7の説明同様である。
【0093】
合成画像がメモリ上に展開されたら、出力装置へん転送手段8001によって出力装置8002に画像を転送し、用紙上に出力する。
【0094】
図9は、本発明中の画像処理システムを説明するフローチャートである。
【0095】
機密印字機能を有効にして、複数部、複数ページのジョブを開始する場合を説明する9001。
【0096】
ドライバまたはローカルなUIによって部数を設定し9002、PDLドライバからデータを送信するか、リーダ装置などにより原稿画像を入力する9003。
【0097】
次に部番号の印字が上記原稿画像に対して全部数全頁分合成終了しているか判断する9004。最初はNoのため、9005のフローに遷移する。
【0098】
画像を格納する記憶装置上に格納する空きがある場合、原稿画像をメモリ上へ展開し9006、合成画像をラスタライズして9007メモリ上に展開する7008。
【0099】
次に上記原稿画像と合成画像を合成し9009、記憶装置上に格納する9010。そして、9004の判断に戻り、全頁格納し終わるまでループする。
【0100】
ここで、全頁合成終了したら、記憶装置上に格納済みで印刷開始していない部の印刷を開始し9016、全部数印刷が終了したら9017、ジョブを狩猟する9018。
【0101】
記憶装置上の残量判断9005にて、格納領域を確保できなかった場合、9011にて格納済みの部が残っている場合は、記憶装置上に格納済みで印刷開始していない部の印刷を開始する9012。
【0102】
印刷開始した部のうち1部出力終了すると9013、ステイプルソート指定などがされている場合でも、記憶装置上の該当部データを削除することが可能となり、削除を行う9014。
【0103】
記憶装置上からデータを削除したことで展開が可能となると判断できるため、9004からのフローに戻ることができる。
【0104】
9005にて記憶装置上の格納領域が不足していて9005、更に既に格納済みの部が無い場合9011、格納は諦めて、合成画像を記憶装置上に格納せずに印刷を開始する9015。
【0105】
図10は、本発明中の合成設定画面を表す図である。
【0106】
1001は本体UIまたは、PC上に表示される操作画面である。
【0107】
合成設定画面1002上には、パフォーマンス優先ボタン1003、FCOT優先ボタン1004があり、2つのボタンは片方のみ選択可能な排他動作となる。
【0108】
パフォーマンス優先モードの場合は、機密印字機能などの合成出力時に図7で説明したような記憶装置上に一度スプールする動作をさせる。
【0109】
FCOT優先モードの場合は、図8で説明したように記憶装置上にスプールせずに直接印刷することで、ジョブスタート後にすぐ印刷が開始される。
【0110】
上記実施形態においては、本発明を主に複合機において適用した例で説明したが、これに限るものではなく、本発明は、例えば、スキャナでスキャンした画像を送信する場合の、ファクシミリ装置、プリンタ等他の画像形成装置における印刷においても適用可能であることは言うまでも無い。さらに画像形成装置に限らず、例えば、パーソナルコンピュータ上のプリンタドライバや、画像処理ソフトウェアにおいて、本発明を適用してもよい。
【0111】
また、本発明は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体をシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、完成される。
【0112】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMを用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0113】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPUなどが処理を行って実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0114】
また、このような記憶媒体を含む装置をネットワーク上に配置させておき、記憶媒体に記憶されたプログラムをネットワークを介して所定の装置へダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを実行することによっても、本発明の上記実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明に係わるデータ処理装置としての画像入出力システム1の実施例形態を示すブロック構成図である。
【図2】画像入出力装置の内部構成図である。
【図3】本発明に係わる電子部品としてのコントローラ部の詳細を示すブロック構成図である。
【図4】メインコントローラの詳細を示すブロック構成図である。
【図5】定着装置の過昇温についての説明図である
【図6】機密印字機能についてのイメージ図である。
【図7】本発明中の合成画像をスプールするデータフロー図である。
【図8】本発明中の合成画像をスプールせずに印刷するデータフロー図である。
【図9】本発明中の画像処理システムを説明するフローチャートである。
【図10】本発明中の合成設定画面を表す図である。
【符号の説明】
【0116】
1 画像入出力システム
3 クライアントPC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する画像入力手段と、
該画像データを複数ページ、複数部、蓄積する画像蓄積手段と、
該画像データを出力する画像出力手段と、
該画像蓄積手段の容量が無くなるか、指定部数の蓄積を終えた時点で蓄積済み画像データを出力する画像データ出力指示手段と
を具備することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
画像データ出力指示手段が出力指示するのは、該画像蓄積手段に入り終わった部単位であることを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
該入力画像データに対して別画像を合成する合成手段を具備し、
該合成手段により合成してから、合成済み画像データを該画像蓄積手段に蓄積することを特徴とする画像処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理システムにおいて、
1部出力終了した時点で該画像蓄積手段から画像を削除し、
該合成手段による画像合成および該画像蓄積手段への蓄積を再開することを特徴とする画像処理システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像処理システムの制御をコンピュータにより実行することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを格納するコンピュータ可読の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−147709(P2009−147709A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323393(P2007−323393)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】