説明

画像処理システム及び画像処理方法

【課題】 デジタルカメラで撮影した撮影画像データが撮影された位置を認識できるシステムを合理的に構成する。
【解決手段】 車輌に備えた位置取得手段で位置データを取得したタイミングデータと、デジタルカメラで撮影された撮影画像データに付随するExifデータから取得した撮影日時データとを対比させ、一致するもの及び、近似するものをリンクデータを介して自動的に関連付け、地図データのルートを車輌が走行する形態でのシミュレーションを行い、車輌シンボル111が撮影ポイントPに達する毎に、その撮影ポイントPに関連付けられた撮影画像データをディスプレイの表示領域51に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置取得手段で取得した位置データと、画像データ取得手段で取得した撮影画像データとを関連付ける処理装置を備えている画像処理システム、及び、位置取得手段で取得した位置データと、画像データ取得手段で取得した撮影画像データとを処理装置によって関連付ける画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された画像処理システムに関連する技術として特許文献1及び特許文献2に示されるものが存在する。つまり、特許文献1は、目的地までの案内経路データや実際に走行した軌跡データに対して付加情報としての画像データや音声データ等を対応付けて記憶し、案内経路データや軌跡データを表示装置に表示する際には、対応付けられた撮影画像データや音楽データ等を出力するようにナビゲーション装置が構成されている。このナビゲーション装置は、位置検出器(本発明の位置取得手段)で検出した現在位置をマップマッチング処理によって地図上に表示し、目的地や経由地点が入力された場合には、経路探索動作を行って案内経路データを地図上に表示し、この案内経路を登録した場合にはユーザの操作に応じて案内経路に関連した任意の画像データ等の付加情報を案内経路に対応付けて記憶し、このように記憶した付加情報を選択的に呼び出して表示できるように構成されている。
【0003】
特許文献2は、道路地図データと自己の位置とをマップマッチング処理によって表示パネルに表示するようナビゲーション装置の基本的な処理形態が設定されると共に、スポットを特定する特定データと、スポットのリアル画像(本発明の撮影画像データ)と、リアル画像が表示される画像表示位置データと、リアル画像を道路地図データにリンクさせるリンクデータとが記憶されたDVD−ROMからのデータを取り込み、スポットを指定してリアル画像を登録することにより表示パネルに表示された道路地図上に対して登録したリアル画像を表示できるように構成されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002‐81955号公報 (請求項1、段落番号〔0011〕〜〔0034〕、図1〜図5)
【特許文献2】特開2003‐269981号公報 (段落番号〔0057〕〜〔0079〕、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーナビゲーションシステムにおいて、車輌が走行したルート上に画像データを関連付ける処理を考えると、複数の画像データを関連付ける場合には、ルート上の特定の位置を指定する処理と、予め選択した画像データを指定した位置に関連付ける処理とを行うことになる。この点について特許文献1では入力された付加情報を人為的な編集を行うことにより軌跡データに対応付けて記憶するための編集機能を備えている。また、特許文献2では、スポットのリアル画像を地図データとリンクさせるためのリンクデータを用いるものであり、このリンクデータはリアル画像からアイコンを作成し、○○市××町などの所在地(地番)の入力や名称等の入力を行うことにより生成されるものである。
【0006】
近年、デジタルカメラの高性能化、低価格化も進んでおり、自家用車で観光地に旅行する際にはデジタルカメラを携行し、観光地ではデジタルカメラで名所や旧跡等を撮影することや、これらを背景にしてスナップ写真を撮影することも多い。このように撮影した画像データは印画紙等にプリントし、アルバムとして保存することが理想である。しかしながら、デジタルカメラで撮影した撮影画像データは家庭用のコンピュータに簡単に表示できることから、旅行の後には撮影画像データをコンピュータで観賞し、この後には顧みられていないことも現実であった。
【0007】
別の観点から考えると、自家用車で一度訪れたことのある方面に旅行する場合には、以前に訪れた観光地のスナップ写真を、その観光ポイント毎に観賞できるようにすると、旅行の楽しみも倍増するものであるが、前述したように撮影画像データをプリントすることが少なくなる傾向にあり、以前に訪れたことがある観光地に写真をアルバム化していても、そのアルバムを旅行に持参することは煩わしい面もあり、改善の余地がある。
【0008】
そこで、特許文献1、2に示されるようにカーナビゲーションシステムのディスプレイに表示される地図上に画像データを表示することも考えられるが、観光地で撮影される撮影画像データ数は比較的多く、地図上に多くの撮影画像データを精度高く関連付けるには手間が掛かり過ぎる点において改善の余地があった。
【0009】
本発明の目的は、デジタルカメラで撮影した撮影画像データが撮影された位置を認識できるシステムを合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特徴は、位置取得手段で取得した位置データと、画像データ取得手段で取得した撮影画像データとを関連付ける処理装置を備えている画像処理システムにおいて、
前記位置データの存在位置を示す地図イメージデータを記憶するイメージデータ記憶部と、前記撮影画像データを出力する出力部とを備え、
前記位置取得手段は、前記位置データを取得した日時を特定するタイミングデータを取得するよう構成され、
前記処理装置は、前記撮影画像データに付随する撮影日時データと、前記タイミングデータとが対応するように、前記位置データと前記撮影画像データとを互いにリンクデータによって関連付けるリンク処理手段を含むと共に、前記イメージデータ記憶部から前記位置データに基づいて抽出した地図イメージデータと、前記位置データにリンクデータで関連付けられた前記撮影画像データとを前記出力部に出力する出力制御手段を含んで構成されている点にある。
【0011】
この構成により、位置取得手段で取得した位置データのタイミングデータと、撮影画像データに付随する撮影日時データとに基づいてリンク処理手段がリンクデータを生成して関連付けを行うので、例えば、位置取得手段が存在した位置においてデジタルカメラで撮影した撮影画像データを、その位置データに関連付ける処理を自動的に行うことも可能となる。また、出力部として、ディスプレイやメディアに記憶するドライブ等を想定することが可能であり、前述のように関連付けた位置データと撮影画像データとリンクデータとを出力制御手段が出力部に出力することにより、これらのデータを出力部から取得することが可能となる。その結果、位置取得手段で取得した位置データのタイミングデータと、撮影画像データに付随する撮影日時データと用いることにより、位置データに対して撮影画像データを手間を掛けずに関連付け、その位置で撮影した撮影画像データを認識できるシステムが構成されたのである。
【0012】
本発明は、前記出力部が画像を表示するディスプレイで構成され、前記処理装置は設定時間内における複数の前記位置データを記憶し、前記画像データ取得手段で取得した撮影画像データを記憶し、この撮影画像データと前記位置データとを関連付けるリンクデータを前記リンク処理手段で生成して記憶する記憶処理を行うと共に、
前記出力制御手段は、前記タイミングデータを順次指定することにより位置データを取得し、この位置データに対応する前記地図イメージデータを前記ディスプレイに表示し、かつ、前記記憶処理によって記憶されている位置データのうち、前記位置取得手段で取得した位置データと対応するものに関連付けられた撮影画像データを前記ディスプレイに表示する再生処理を行うよう構成しても良い。
【0013】
この構成により、位置データに撮影画像データを関連付けた後に、例えば、位置取得手段を移動させることによって、この位置取得手段が既に記憶されている位置データと対応する位置データを取得した場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データをディスプレイに表示するものとなる。つまり、カーナビゲーションシステムや、携帯型のナビゲーションシステムを想定した場合、観光地等において、そのシステムが存在した位置に観光地やスナップ写真等の撮影画像データを関連付けて記憶した後には、その観光地(記憶した位置)に再びシステムが位置することにより、記憶している撮影画像データをディスプレイに表示してアルバムのように観賞することが可能となる。
【0014】
本発明は、前記出力部が画像を表示するディスプレイで構成され、前記処理装置は設定時間内における複数の前記位置データを記憶し、前記画像データ取得手段で取得した撮影画像データを記憶し、この撮影画像データと前記位置データとを関連付けるリンクデータを前記リンク処理手段で生成して記憶する記憶処理を行うと共に、
前記出力制御手段は、前記記憶処理の後に、前記タイミングデータを時間軸に沿って順次指定することにより、記憶されている複数の前記位置データから、前記指定されたタイミングデータに対応する位置データを順次抽出し、このように抽出された複数の位置データに対応する前記地図イメージデータを順次前記ディスプレイに表示し、かつ、前記抽出された位置データに関連付けられた撮影画像データを抽出して前記ディスプレイに表示するシミュレーション処理を行うよう構成しても良い。
【0015】
この構成により、位置データに撮影画像データを関連付けた後に、タイミングデータを時間軸に沿って順次指定するシミュレーション処理を行うことによって、指定されたタイミングデータに対応する位置データを順次抽出し、その位置データと対応する位置データに関連付けられた撮影画像データをディスプレイに表示するものとなる。つまり、カーナビゲーションシステムや、携帯型のナビゲーションシステムを想定した場合、観光地等において、そのシステムが存在した位置に観光地やスナップ写真等の撮影画像データを関連付けて記憶した後には、シミュレーションを行うことにより、記憶している撮影画像データをディスプレイに表示してアルバムのように観賞することが可能となる。
【0016】
本発明は、前記出力部が記憶媒体にデータを記憶する媒体ドライブで構成され、前記処理装置は設定時間内における複数の前記位置データを記憶し、前記画像データ取得手段で取得した撮影画像データを記憶し、この撮影画像データと前記位置データとを関連付けるリンクデータを前記リンク処理手段で生成して記憶する記憶処理を行うと共に、
前記出力制御手段は、前記記憶処理によって記憶された位置データと、撮影画像データと、リンクデータと、前記位置データに対応した地図イメージデータとを前記媒体ドライブにセットされた記憶媒体に記憶する記憶処理を行うよう構成しても良い。
【0017】
この構成により、位置データと撮影画像データとリンクデータとを記憶する記憶処理が行われた後に、これらのデータを記憶媒体に記憶できるものとなる。つまり、記憶媒体に記憶したデータをパーソナルコンピュータ等のディスプレイに表示することも可能となるのである。
【0018】
本発明は、前記出力制御手段として、前記記憶媒体に記憶した前記位置データと、撮影画像データと、リンクデータと、前記地図イメージデータとを、前記タイミングデータの時間軸に沿った順序で読み出せるデータ構造として書き込むよう処理形態を設定しても良い。
【0019】
この構成により、記憶媒体に記憶した位置データと、撮影画像データとを時間軸に沿った順序で読み出せるものとなり、撮影位置と画像とをリンクさせた電子アルバムと同様の形態で使用できるものとなる。
【0020】
本発明は、前記位置取得手段が、カーナビゲーションシステムを構成するGPSユニットで構成され、前記地図イメージデータが該カーナビゲーションシステムに用いられる地図データで構成され、前記出力制御手段が該カーナビゲーションシステムを構成するディスプレイで構成しても良い。
【0021】
この構成により、カーナビゲーションシステムを構成するGPSユニットを利用することにより、例えば、自家用車で旅行を行った場合のように、自家用車が走行した位置データに対してデジタルカメラで撮影した撮影画像データを関連付けることも可能となり、例えば、ディスプレイに対して、撮影画像データが撮影された地図データ上の位置と、その撮影画像データとを表示することも可能となる。
【0022】
本発明は、前記位置取得手段が、カーナビゲーションシステムを構成するGPSユニットで構成され、前記地図イメージデータが該カーナビゲーションシステムに用いられる地図データで構成され、前記出力制御手段がディスク型又は半導体型の記憶媒体にデータを記憶する媒体ドライブで構成しても良い。
【0023】
この構成により、カーナビゲーションシステムを構成するGPSユニットを利用することにより、例えば、自家用車で旅行を行った場合のように、自家用車が走行した位置データに対してデジタルカメラで撮影した撮影画像データを関連付けることも可能となり、例えば、DVD−R等の記憶媒体に撮影画像データが撮影された地図データと、その撮影画像データを記憶し、この記憶媒体に記憶されたデータをパーソナルコンピュータのディスプレイにおいて表示することも可能となる。
【0024】
本発明は、前記画像データ取得手段が、デジタルカメラに使用される半導体型の記憶媒体からの撮影画像データを取得する複数の半導体ドライブで構成されると共に、これら複数の半導体ドライブを車輌の複数の座席の近傍位置に配置しても良い。
【0025】
この構成により、例えば、観光バスのように、複数の座席が設置されている車輌において、夫々の座席に半導体ドライブを配置することにより、夫々の観光客のデジタルカメラで撮影した撮影画像データを記憶し、このように記憶した撮影画像データを位置データに関連付け、ディスプレイに表示することや記憶媒体に記憶することが可能となる。
【0026】
本発明は、位置取得手段で取得した位置データと、画像データ取得手段で取得した撮影画像データとを処理装置によって関連付ける画像処理方法において、
前記位置データの所在を表示する地図イメージデータをイメージデータ記憶部に記憶し、
前記位置取得手段が、前記位置データを取得した日時を特定するタイミングデータを取得し、
前記処理装置が、前記撮影画像データに付随する撮影日時データと、前記タイミングデータとが対応するように、前記位置データと前記撮影画像データとを互いにリンクデータによって関連付けるリンク処理を行うと共に、前記イメージデータ記憶部から前記位置データに基づいて抽出した地図イメージデータと、前記位置データにリンクデータで関連付けられた前記撮影画像データとを出力部に出力する出力処理とを行っても良い。
【0027】
この構成により、位置取得手段で取得した位置データのタイミングデータと、撮影画像データに付随する撮影日時データとに基づいてリンク処理手段がリンクデータを生成して位置データと撮影画像データとの関連付けを行うので、例えば、位置取得手段が存在した位置においてデジタルカメラで撮影した撮影画像データを、その位置データに関連付ける処理を自動的に行うことも可能となる。また、出力部として、ディスプレイやメディアに記憶するドライブ等を想定することが可能であり、前述のように関連付けた位置データと撮影画像データとリンクデータとを出力部に出力することにより、これらのデータを出力部から取得することが可能となる。その結果、位置取得手段で取得した位置データのタイミングデータと、撮影画像データに付随する撮影日時データと用いることにより、位置データに対して撮影画像データを手間を掛けずに関連付け、その位置で撮影した撮影画像データを認識できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1の実施形態〕
図1、図2に示すように、アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの信号、及び、車輌の走行駆動系に備えた車速センサSからの車速パルス信号が入力するシステム本体Bを備え、このシステム本体Bの前面にディスプレイC(出力部の一例)を備え、内部に処理装置Dを備え、このシステム本体Bと分離する構造のドライブユニットE(メディアドライブの一例:画像データ取得手段及び出力部としても機能する)を備えてナビゲーションシステムが構成されている。
【0029】
前記システム本体Bの前面には複数のスイッチ1と、音声情報を出力するスピーカ2と、リモートコントローラ3からの赤外線信号を受信する赤外線センサ4と、撮影画像データをアクセスするための入出力ターミナル5とを備えている。
【0030】
このナビゲーションシステムは、自家用車の運転座席100の前方位置のメータパネル101の側部のコンソール102に取り付けられるものであり、GPS衛星からの信号と車速センサSからの車速パルス信号とに基づき車輌の走行時において、その車輌が存在する位置データ(経度データ・緯度データ)をリアルタイムで取得し、前記ディスプレイCに対して位置データに対応する地図データ(位置データの存在位置を示す地図イメージデータの一例)を設定された拡大率でディスプレイCに表示し、かつ、その地図データ上に車輌が存在する位置を車輌シンボルで表示する性能を具備するものである。また、このナビゲーションシステムは目的地を指定することにより、そのポイントに至るために走行すべきルートを地図上に表示し、走行時において案内(ナビゲーション)する能力を具備するものである。このような性能のナビゲーションシステムは従来からのものと基本的に変わるものではなく、本発明のナビゲーションシステムは、車輌が走行したルート上に複数の撮影画像データを関連付けて記憶し、このように記憶した撮影画像データをディスプレイCに表示する処理、この撮影画像データを含んだ電子アルバムを記憶メディアに記憶する処理を行えるよう構成した点に特徴がある。
【0031】
前記ディスプレイCは、地図データや撮影画像データ等の必要なデータを表示する液晶表示部6と、指先等の接触操作を検出するタッチパネル部7とを備えている。前記複数のスイッチ1はナビゲーションシステムのON・OFFを含め、表示モードの切換え等の処理を実現する。前記リモートコントローラ3はシステム本体Bから離間した位置から必要とする操作を実現する。前記スピーカ2は人の言葉による案内等を行うために用いられると共に、後述する音楽データの再生するために用いられる。
【0032】
前記ドライブユニットE(媒体ドライブ・画像データ取得手段の一例)は、デジタルカメラ105で撮影された撮影画像データが記憶されたフラッシュメモリ等の半導体メディアMs(記憶媒体の一例)からのデータを取得する(読み出す)半導体ドライブ8と、CD−RやDVD−R等の複数種の大容量のディスク状メディアMd(記憶媒体の一例)からのデータの取得と記憶(書き込み)とを可能にするディスクドライブ9とを備えている。尚、半導体ドライブ8は、コンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア(登録商標)やメモリースティック(登録商標)等のフラッシュメモリの種類に対応できるよう複数の挿入部を備えている。
【0033】
前記入出力ターミナル5(画像データ取得手段の一例)は、デジタルカメラと105の間に配置されるUSB( Universal Serial Bus )規格やIEEE1394規格等のケーブル106を介してデジタルカメラ105に記憶されている撮影画像データを取得するために機能する。尚、本発明は、無線によってデジタルカメラ105の撮影画像データを取得するものを除外するものではなく、画像データ取得手段として Bluetooth(ブルートゥース)のように無線を利用して撮影画像データを送るものを採用しても良い。
【0034】
このナビゲーションシステムの構成を図3のように示すことが可能である。つまり、前記システム本体Bにはマイクロプロセッサへの情報のアクセスを実現する入出力インタフェース10を備えており、この入出力インタフェース10に対して位置取得手段L(GPSユニットの一例)、前記液晶表示部6、前記タッチパネル7、前記複数のスイッチ1、前記スピーカ2、前記赤外線センサ4、前記入出力ターミナル5、前記半導体ドライブ8、前記ディスクドライブ9、ハードディスクHD夫々からのデータがアクセスされる信号系を形成している。
【0035】
前記位置取得手段Lは、前記アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの電波を取り込むと同時に、前記車速センサSからの車速パルス信号を取り込むことによりリアルタイムで車輌の位置データ(経度・緯度のデータ)と、この位置データを取得した時刻をタイミングデータとして取得する。また、この位置取得手段Lは、地上の複数の電波発信源からの電波によって位置情報を取得するものであっても良く、車輌の姿勢を検出するジャイロスコープや、車輌の加速度を検出する加速度センサや、地上の発信源からの電波を併用することにより車輌の位置情報の精度を高めるものであっても良い。
【0036】
前記ハードディスクHDは撮影画像データを記憶する機能を有すると共に、予め設定された領域の地図データを記憶する地図データの地図データベース(イメージデータ記憶部の一例)として機能し、また、音楽データを記憶する音楽データベースとして機能するものである。
【0037】
前記処理装置Dは、マイクロプロセッサからのデータバスに接続する半導体メモリRAM/ROM、不揮発性メモリEEPROM、マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、ルート記憶手段13、画像データ記憶処理手段14、リンク処理手段15の一例)、出力制御手段16、記憶処理手段17を備えている。ちなみに、この処理装置Dにおいて制御を実現するためにはデータバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避けるために図面にはコントロールバスやアドレスバス、あるいは、インタフェース類を示していない。
【0038】
前記マップマッチング手段11は、前記位置取得手段Lからの位置データに対応する地図データを前記ハードディスクHDに記憶された地図データベースから抽出してディスプレイCに対して予め設定された拡大率で表示する処理を行う。前記ナビゲーション手段12は、予め設定された目的地に至るルートを前記地図データから抽出して地図データ上にライン状に表示し、交差点等のポイントにおいて右折や左折等の必要な操作をディスプレイCに表示し、かつ、この右折や左折等の必要な操作を前記スピーカ2から人の言葉で出力する処理を行う。
【0039】
前記ルート記憶手段13は、前記位置取得手段Lで設定されたインターバル毎に取得した位置データを、夫々の位置データを取得したタイミング毎に前記ハードディスクHDや半導体メモリRAMに書き込むことにより車輌が走行した位置データをルートとして記憶する処理を行う。ちなみに、このルート記憶手段13で記憶したルート110をディスプレイCに表示した場合には、図7において破線で示すように表示するものとなり、このルート110上に車輌シンボル111が示され、このルート110上に後述する撮影ポイントPが示される。
【0040】
前記画像データ記憶処理手段14は、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、あるいは、入出力ターミナル5を介して取得した撮影画像データを前記ハードディスクHDに保持記憶する処理を行うものであり、複数の撮影画像データをハードディスクHDに記憶する際には、図5に示すようにディスプレイCに撮影画像データの取り込みを可能にする選択画面20を表示し、この選択画面20において必要な画像を指定することにより選択した複数の撮影画像データを記憶するように機能する(この機能は後述する)。
【0041】
前記リンク処理手段15は、前記位置データを取得したタイミングを特定するタイミングデータを取得するタイミングデータ取得部と、撮影画像データに付随するExifデータから撮影日時データを取得する撮影日時データ取得部と、これらタイミングデータと撮影日時データとからリンクデータを生成するリンクデータ生成部とを備えている。尚、これらタイミングデータ取得部、撮影日時データ取得部、リンクデータ生成部夫々は後述するように撮影画像データを電子アルバム化する際に有効に機能する。
【0042】
前記Exifデータは、前記デジタルカメラ105で撮影された撮影画像データを構成するファイルのヘッダーとして撮影画像データに付随するものであり、その構造の一例を図9のように表すことが可能である。このExifデータのメイン情報にはデジタルカメラのメーカー名と機種名とが記憶され、サブ情報として露出時間や画像幅や画像高さのデータの他に、オリジナル撮影日時が年、月、日、時間、分、秒の単位で記憶されており、前記リンク処理手段15の撮影日時取得部が、オリジナル撮影日時のデータを撮影日時データとして取得する。
【0043】
前記出力制御手段16は、位置データと関連付けられた撮影画像データをディスプレイCに表示する処理を行うものである。
【0044】
前記記憶処理手段17は、選択したルート110のデータと、そのルート110上に存在する複数の位置データ(撮影ポイント)に関連付けられた複数の撮影画像データと、ルート110に対応する地図データと、関連付けられた音楽データが存在する場合には、その音楽データとをディスク状メディアMd等の記憶メディアに電子アルバムとして記憶する処理を行うものである(制御形態は後述する)。そして、電子アルバムとしてデータが記憶された記憶メディア(例えば、DVD−R)は、パーソナルコンピュータにおいて地図データや撮影画像データ等の再生が可能となる。
【0045】
また、電子アルバムとしてデータが記憶された記憶メディアをパーソナルコンピュータで再生した場合には、図7に示す如くディスプレイに地図データとルート110とを表示し、そのルート110上を車輌シンボル111が走行するようにシミュレートが行われ、このシミュレートにより車輌シンボル111が撮影ポイントPに達する毎に、その撮影ポイントP(位置データ)に関連付けられた撮影画像データをディスプレイCに表示する処理が行われる。尚、本発明では、自動的な再生を行う電子アルバム化だけを想定したものではなく、ルート110のデータと、撮影画像データと、地図データ等を単純に記憶し、例えば、パーソナルコンピュータのマウスをクリックすることや、キーボードの特定のキーを操作することにより、ルート110上の撮影ポイント毎に関連付けられた撮影画像データを撮影された順序で単純に表示するデータ構造のものを電子アルバムとして生成するものであっても良い。
【0046】
本発明は、前記マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、ルート記憶手段13、画像データ記憶処理手段14、リンク処理手段15、出力制御手段16、記憶処理手段17は半導体メモリRAM上に展開可能なソフトウエア(プログラム)を想定しているが、一部又は全てをロジック等のハードウエアで構成することも可能である。
【0047】
本発明のナビゲーションシステムは、前記スイッチ1の操作や、前記リモートコントローラ3を操作によって図4に示す処理メニュー30をディスプレイCに表示し、この処理メニュー30に表示されたアルバム作成ボタン31、再現モード(シミュレーションモード)での再生ボタン32や、実走行モードでの再生ボタン33のいずれかのボタンに指を接触させる形態での処理を選択することにより、選択された処理を実行できる。
【0048】
具体的には、この処理メニュー30においてアルバム作成ボタン31を操作することによって電子アルバムの作成を実現するものであるが、このシステムでは、アルバム作成ボタン31を操作する以前に、車輌が走行した位置を自動的に取得し、任意のタイミングで複数の撮影画像データを取得しておくよう処理形態が設定されている。
【0049】
つまり、本発明のナビゲーションシステムでは図10のフローチャートに示すように、位置取得手段Lが予め設定されたインターバルで位置データを取得する毎に、その位置データを取得して記憶し(#01ステップ)、どのようなタイミングでも撮影画像データを取得する画像データ取得ルーチン(#100ステップ)を実行する。このような処理は、電子アルバムを作成する処理が選択されるまで継続して行うものであり(#02ステップ)、アルバムを作成する処理が選択された場合(アルバム作成ボタン31を操作した場合)には、前記リンク処理手段15がリンクデータを生成し(#200ステップ)、リンクデータによって撮影画像データが関連付けられた位置データに対応する地図データをセットし、タイトルをセットし、音楽データをセットした後に、作成された電子アルバムを前記ハードディスクHDに記憶し、更に、メディアに記憶する処理が選択された場合に、記憶メディアとしてのディスク状メディアMd(例えば、DVD−R等)に電子アルバムを記憶する処理が行われる(#03〜#05、#300ステップ)。
【0050】
前記画像データ取得ルーチン(#100ステップ)は、図11のフローチャートに示す如く、前記半導体ドライブ8に記憶メディアMdがセットされた場合のように、撮影画像データの取得が可能となった状況を把握した場合にのみ、ディスプレイCに図5に示す選択画面20を表示する(#101、#102ステップ)。この選択画面20は、記憶メディアに記憶されている全ての撮影画像データを、画像表示領域21に対してサムネイル形式で表示するものであり、スクロールバー22を操作することにより、全ての撮影画像データを確認できるものとなっている。また、このように画像表示領域21に表示された撮影画像データのうち、既に記憶されていることを撮影画像データのファイル番号等から判別されたものは<記憶済>等の情報23を付して表示を行い、このように既に記憶されている撮影画像データを除いた残り全ての撮影画像データを記憶の対象として自動的に選択するように処理形態が設定されている(#103ステップ)。
【0051】
前述のように自動的に選択されたものから写りの良くないものや、アルバムに不要と判断したものは、オペレータが表示された撮影画像データに指を接触させる形態で指定した後に、選択解除ボタン24に指を接触させる形態で操作することで選択を解除でき、この選択解除を行った後に、再度選択する場合には選択スイッチ25を操作することで選択することも可能である。また、撮影画像データを指定した後に回転ボタン26を操作した場合には、指定した撮影画像データを90度単位で回転させることも可能である。このように選択を行った後には、OKボタン27を操作することで(#104ステップ)、選択された撮影画像データをハードディスクHDに記憶する(#105ステップ)。尚、このように撮影画像データを選択する処理をディスプレイCのタッチパネル部7を介した操作で実現しているが、前記スイッチ1の操作や、前記リモートコントローラ3を操作して撮影画像データを指定して必要な操作を行うようにインタフェースを設定しても良い。
【0052】
また、位置データと撮影画像データとの記憶を行った後に、電子アルバムを作成する場合には、前記処理メニュー30をディスプレイCに表示し、画面中のアルバム作成ボタン31を操作することになる(#02ステップのyes)。
【0053】
この操作の後には、前記リンクデータを生成する処理が図12のフローチャートに示すように実行される。つまり、前記リンク処理手段15のタイミングデータ取得部が、前記ハードディスクHDに記憶されているタイミングデータを抽出し、前記リンク処理手段15の撮影日時取得部が各撮影画像データに付随するExifデータから撮影日時データを抽出する。次に、リンク処理手段15のリンク生成部が、複数のタイミングデータと複数の撮影日時データのうち一致するもの、及び、近似するもの同士を関連付けるリンクデータを生成する(#201、#202ステップ)。この#202ステップの処理が自動リンクモードでの処理に対応するものであり、このようにリンクデータを生成した後には、図6に示すように、ディスプレイCにルート110を表示し(詳細は後述する)、そのルート110上に撮影画像データの撮影ポイントP(単数でも複数でも良い)を表示する(#203ステップ)。
【0054】
このように撮影ポイントPが表示された場合に、オペレータが現実の撮影位置との誤差の有無を判断する。この誤差は位置取得手段Lが生成するタイミングデータと、デジタルカメラ105に内蔵した時計との時間的な誤差に起因するものであり、誤差がある場合には、撮影日時データの補正するに必要な操作を行うことにより、対応するデジタルカメラ105で撮影された全ての撮影画像データの撮影日時データを一括して補正し(#204〜#206ステップ)、再度、リンクデータを生成し、ルート110上に撮影ポイントPを表示して確認を求め、誤差が解消された場合に処理が終了する。また、#205、#206ステップの処理が補正リンクモードでの処理に対応する。
【0055】
#202ステップにおける処理を図6のようにディスプレイCに確認画面40を表示して実現している。つまり、確認画面に地図データを表示し、この地図データ上にルート110と、「リンク位置」としての撮影ポイントPとを表示し、この撮影ポイントPに対してリンクデータで関連付けられた撮影画像データを表示領域41に表示する。この表示状態で、例えば、その撮影画像データが撮影された本来の撮影ポイントPxが同図に示すように距離Xだけオフセットしていることをオペレータが確認した場合には、画面中に表示された時間設定スライダー42を操作することにより、ルート110上において撮影ポイントPを移動させて本来の撮影ポイントPxに一致させることが可能となり、この撮影ポイントPを移動させた量に対応する時間だけ撮影日時データをシフトさせてシフト時間をシフト時間表示部43に表示する処理が行われる。具体的に説明すると、位置データは比較的短いインターバルで取得(1分間に数回以上取得)され、この位置データとともにタイミングデータも取得されている。従って、撮影日時データをシフトさせて正確な撮影日時がセットされた場合でも、その正確な撮影日時に一致又は近似するタイミングデータを容易に抽出することが可能であり、このように抽出したタイミングデータを備えている位置データに対して正確な撮影日時がセットされた撮影画像データを関連付けることも容易に行え、その結果、ルート110上の適正な撮影ポイントに関連付けて撮影画像データの表示を行えるのである。
【0056】
また、図面においては、地図データ上に表示領域41を小さく表示するよう表示形態が設定されているが、例えば、表示領域41を画面一杯に形成し、この表示領域41の一部にウインドウを開く形態で地図データを表示するよう表示形態を設定することも可能であり、本発明においては、画面中に表示される地図データと撮影画像データとの表示形態、表示サイズは任意に設定できるものとなっている。
【0057】
更に、必要な場合には、表示領域41の下部のボタン41F、41Rの操作により撮影画像データを切り換え、複数の撮影画像データにおける撮影ポイントPの確認も行うことも可能となる。この確認の後に、OKボタン44を操作することにより、対応するデジタルカメラ105で撮影された全ての撮影画像データの撮影日時データの補正が完了するのである。また、このナビゲーションシステムでは、複数のデジタルカメラ105で撮影された撮影画像データを取得して処理することも可能であり、このように複数のデジタルカメラ105で撮影された撮影画像データを取得した場合には、夫々のデジタルカメラ105で撮影した撮影画像データに付随するExifデータから抽出した撮影日時を、デジタルカメラ105毎にシフトさせる処理を行うことにより、何れのデジタルカメラ105で撮影した撮影画像データについても撮影日時データを一括して補正して精度の良いリンクデータを生成できるのである。
【0058】
尚、図12のフローチャートに示した処理では、誤差を解消するためにオペレータが撮影ポイントPと本来の撮影ポイントPxとを地図上で確認するものであったが、シフト時間を数値で人為的に入力するよう処理形態を設定しても良い。ちなみに、リンクデータは位置データ(経度、緯度のデータ)と、撮影画像データのファイル番号とを対比して記録した単純なデータ構造である。
【0059】
次に、前記#03ステップでの処理について図面には示さないが、ディスプレイCにキーボードを表示し、キーボードに指を接触させる形態で文字情報を入力してタイトルをセットし、また、予め記憶してある音楽情報のタイトルの一覧をディスプレイCに表示し、必要な場合には、試聴を行うことにより、この一覧中からBGMに設定すべき音楽情報に指を接触させる形態で音楽情報を選択することにより、選択された音楽がBGMにセットされる。
【0060】
また、#04ステップでの処理では、位置データ、撮影画像データ、リンクデータ、タイトルが記憶されると共に、この電子アルバムに対して前述のように選択された音楽を関連付けた形態で前記ハードディスクHDに記憶されるのである。
【0061】
#300ステップでの記憶処理を図13のフローチャートのように示すことができる。つまり、記憶メディアとしてDVD−R等のディスク状メディアMdに対して、タイトルを記憶し、複数の位置データ(ルートデータとして捉えることが可能)と、ルートデータに対応する地図データと、撮影画像データと、リンクデータと、音楽データとを記憶し、再生プログラムを記憶することになる(#301〜#303ステップ)。
【0062】
このように一連の処理が完了した後に、前記処理メニュー30をディスプレイCに表示して再現モードでの再生ボタン32を操作した場合には、図7に示すように、再生画面50を表示すると共に図14のフローチャートに示される処理を実行する。つまり、処理を開始すると、ディスプレイCにタイトルを表示し、音楽を再生し、ディスプレイCに地図データを表示し、設定されたインターバルで時間軸に沿って位置データを指定する形態で更新し、ルート110上において、更新される位置データに対応した位置に車輌シンボル111を表示する(#401〜#403ステップ)。このように、設定されたインターバルで更新される位置データに対応した位置に車輌シンボル111を表示することにより、その車輌シンボル111はルート110を移動する形態(シミュレーションする形態)で表示されることになる。
【0063】
次に、位置データとリンクデータとを対比することにより、関連付けられた位置データの存否を判断し、一致するリンクデータが存在する場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データを表示領域51に表示する処理が実行される(#404〜#406ステップ)。このように撮影画像データを表示する場合、同じ撮影ポイントで複数の撮影画像データが撮影されている場合も多くあり、このような場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データの全ての表示が完了するまで、位置データの更新を停止する処理が行われる。本発明は、ルート110上に撮影ポイントPであることを示すシンボルをドット状に表示することを想定しているが、このシンボルを表示しないことや、ルート110上にサムネイル形式で撮影画像データを表示するよう処理形態を設定することも考えられる。
【0064】
また、この再生画面50には、再生を実行する制御や早送り等を実現する制御ボタン52が表示され、再生状況をタイムライン上で表示するインジケータ53が表示され、例えば、早送りや巻き戻しやインジケータ53の操作によって位置データが変更された場合には、変更後の位置データをセットして、上記したように撮影画像データを表示する処理が、この処理が終了するまで継続的に行われる(#407、#408、#409ステップ)。尚、この再生画面50には撮影画像データの総数と現在の表示数とを表示するカウンター54が形成されている。
【0065】
また、前記処理メニュー30をディスプレイCに表示して実走行モードでの再生ボタン33を操作した場合には、図8に示すように、再生画面60を表示すると共に、図15のフローチャートに示される処理を実行する。つまり、前記位置取得手段Lで取得した位置データに対応した地図データをディスプレイCに表示すると同時に、位置データに対応する位置に車輌シンボル111を表示すると云う通常のナビゲーション処理を実行し(#501ステップ)、このナビゲーション時に前記位置取得手段Lが取得した位置データとリンクデータとを対比し、一致又は近接するリンクデータが存在する場合には、そのリンクデータによって関連付けられている撮影画像データを表示領域61に表示する処理が終了するまで継続的に行われる(#502〜#505ステップ)。このような処理においても、ルート110上に撮影ポイントPであることを示すシンボルをドット状に表示することを想定しているが、このシンボルを表示しないことや、ルート110上にサムネイル形式で撮影画像データを表示するよう処理形態を設定することも考えられる。
【0066】
また、DVD−Rにデータを記憶して電子アルバムを作成した場合に、そのDVD−Rをパーソナルコンピュータにセットして前記再生プログラムを実行した場合には、前述した再現モードでの再生と全く同じ画面50がパーソナルコンピュータのディスプレイに表示される。つまり、設定されたインターバルで位置データを更新することにより、車輌シンボル111はルート110を移動する形態で表示される。また、位置データとリンクデータとが一致するリンクデータが存在する場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データを表示領域51に表示する。このように撮影画像データを表示する場合、同じ撮影ポイントで複数の撮影画像データが撮影されている場合も多くあり、このような場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データの全ての表示が完了するまで、位置データの更新を停止する処理が行われる。
【0067】
また、この再生画面50には、再生を実行する制御や早送り等を実現する制御ボタン52が表示され、再生状況をタイムライン上で表示するインジケータ53が表示され、例えば、早送りや巻き戻しやインジケータ53の操作によって位置データが変更された場合には、変更後の位置データをセットして、上記したように撮影画像データを表示する処理が継続的に行われ、表示された撮影画像データの数をカウンター54で把握できるのである。
【0068】
このように、本発明によると、カーナビゲーションシステム等で取得される位置データに対して、デジタルカメラ105で撮影された撮影画像データを関連付けて記憶する場合には、位置データを取得したタイミングデータと、撮影画像データに付随するExifデータから撮影日時データを取得し、これらタイミングデータと撮影日時データとをリンクデータを介して関連付けるよう処理形態を設定するだけで、例えば、位置データと撮影画像データとを画面に表示して編集する形態で関連付けを行うもののように手間を掛けずとも、複数の位置データに対して複数の撮影画像データを一括して関連付けることも可能となり、手間を掛けずに済むものとなる。特に、一般的なデジタルカメラ105で撮影した撮影画像データにはExifデータを含んでいるのが普通であり、位置取得手段LがGPS型のものでは、位置を取得する際には、時間データを必要とするため、この位置データにタイミングデータを付随させる形態で記憶することが容易であり、夫々の時間データを比較して、一致するもの、又は、近似するものを関連付けると云う比較的簡単な処理を行うだけで関連付けの処理を行えるのである。
【0069】
また、デジタルカメラ105に内蔵した時計が示す時刻と、現実の時刻との間には比較的大きい誤差を含むことも想定されるものであるが、そのデジタルカメラ105で撮影された撮影画像データのExifデータから抽出した撮影日時データは、全ての撮影画像データの撮影日時に等しい誤差を含むものであるため、1つの位置データに対応させるべき撮影画像データの撮影日時データの誤差を補正した場合、その誤差に等しい時間だけ、そのデジタルカメラ105で撮影した他の全ての撮影画像データの撮影日時データをシフトさせることで、全ての撮影画像データの撮影日時を適正なものにして、精度の高い関連付けも可能となるのである。
【0070】
〔第2の実施形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い(この第2の実施形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
【0071】
図16に示すように、車体80に多くの座席81を備えた観光バスにおいて、夫々の座席81の近傍位置に、図17に示すように液晶表示部82とタッチパネル部83とで成るディスプレイE、及び、半導体ドライブ84を備えた入力端末F(画像データ取得手段の一例)を配置し、夫々の入力端末Fに対してデータのアクセスを行えるよう通信経路85を介して処理装置Dを備える。この処理装置Dは、GPS衛星からの信号を受信することにより位置データをリアルタイムで取得する位置取得手段Lからの位置データが入力し、処理情報を表示するディスプレイCに情報を表示し、ディスクドライブ9を制御するよう構成されている。尚、この処理装置Dに備えたディスプレイCを介して操作は、添乗員等の特定の者が行うこと想定している。
【0072】
前記入力端末Fでは、デジタルカメラで撮影された撮影画像データが記憶された半導体メディアMsを半導体ドライブ84にセットした際に、前記第1の実施形態において図11のフローチャートで説明したものと同様に、ディスプレイEに対して選択画面を表示した状態で記憶すべきものの選択を求め、オペレータ(乗客)が選択した撮影画像データを前記通信経路85を介して前記処理装置Dに伝送して記憶するよう処理形態が設定されている。また、処理装置Dでは、撮影画像データを記憶する際には、端末Fを識別し、撮影画像データのExifデータに含まれるデジタルカメラのメーカー名と、機種との情報、及び、撮影画像データファイルに付されたファイル番号等からデジタルカメラを特定し、そのデジタルカメラで撮影された撮影画像データを識別可能な形式でグループ毎に記憶する。
【0073】
このように撮影画像データを記憶する場合には、位置データを取得したタイミングを示すタイミングデータと、Exifデータに含まれる撮影日時データとが一致するもの、及び、近似するもの同士をリンクデータで関連付ける処理が行われる。また、この第2の形態でもオペレータが撮影日時データを補正することや、添乗員等が撮影画像データの内容を確認することにより、グループ毎に撮影日時の補正を行うよう処理形態を設定しても良い。
【0074】
前記処理装置Dの構成は、前記実施の形態に記載した構成と基本的に変わるものではないが、電子アルバムを作成する際における基本的な処理形態も第1の実施形態において図13のフローチャートに示した処理と変わるものでもない。また、このシステムは旅行を終える際に、DVD−R等の記憶メディアにデータを記憶して電子アルバムを作成して記憶し、各乗客に記憶メディアを手渡す処理を想定している。この第2の実施形態では、このように作成された電子アルバムが記憶された記憶メディアをパーソナルコンピュータにセットして再生プログラムの再生時の形態が前記実施の形態と僅かに異なるだけである。
【0075】
つまり、図18のフローチャートのように、処理を開始すると、図7に示す再生画面50がディスプレイに表示され、この画面中にタイトルを表示し、音楽を再生すると共に、選択画面をディスプレイに表示し、この画面にデジタルカメラ毎に撮影された撮影画像データの一部を表示して選択を求める(#601、#602ステップ)。この選択を求める処理は、自分が撮影した撮影画像データのグループのみを表示させる処理や、全て撮影画像データ(全てのグループ)を表示させる処理を選択するためのものである。
【0076】
このようにグループをセットした後には、ディスプレイに地図データを表示し、設定されたインターバルで位置データを更新し、ルート110上において、更新される位置データに対応した位置に車輌シンボル11を表示する(#603、#604ステップ)。このように、設定されたインターバルで更新される位置データに対応した位置に車輌シンボル111を表示することにより、その車輌シンボル111はルート110を移動する形態で表示されることになる。
【0077】
次に、位置データとリンクデータとを対比することにより、関連付けられた位置データの存否を判断し、一致するリンクデータが存在する場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データを表示領域51に表示する処理が実行される(#605〜#607ステップ)。このように撮影画像データを表示する場合、同じ撮影ポイントで複数の撮影画像データが撮影されている場合も多くあり、このような場合には、その位置データに関連付けられた撮影画像データの全ての表示が完了するまで、位置データの更新を停止する処理が行われる。本発明は、ルート110上に撮影ポイントPであることを示すシンボルをドット状に表示することを想定しているが、このシンボルを表示しないことや、ルート110上にサムネイル形式で撮影画像データを表示するよう処理形態を設定することも考えられる。
【0078】
また、この再生画面50には、再生を実行する制御や早送り等を実現する制御ボタン52が表示され、再生状況をタイムライン上で表示するインジケータ53が表示され、例えば、早送りや巻き戻しやインジケータ53の操作によって位置データが変更された場合には、変更後の位置データをセットして、上記したように撮影画像データを表示する処理が、この処理が終了するまで継続的に行われる(#608、#609、#610ステップ)。尚、この再生画面50には撮影画像データの総数と現在の表示数とを表示するカウンター54が形成されている。
【0079】
このように、別実施の形態では、観光バスで旅行を行った場合のように、多数の乗客が同じ観光地でデジタルカメラ105を用いて風景やスナップ写真を撮影した場合には、異なるデジタルカメラで撮影されたものであっても、同じ時刻に撮影された撮影画像データを、同じ撮影ポイント(位置データ)に自動的に関連付けて記憶することが可能となり、このように地図データに関連付けた撮影画像データをDVD−R等の記憶メディアに記憶して、各乗客に手渡すことにより、その乗客は自宅のパーソナルコンピュータにセットすることにより電子アルバムを観賞でき、この観賞時には、複数の乗客が撮影した撮影画像データを観賞することや、特定の人物が撮影した撮影画像データのみを観賞することも可能となるのである。
【0080】
〔別実施の形態〕
本発明は、上記した実施の形態以外に以下のように構成しても良い。
【0081】
(イ)一度訪れた撮影ポイントPに対して、再び訪れてデジタルカメラ105で写真を撮影した場合には、その撮影画像データを、既に設定されている撮影ポイントに付加する形態で記憶することや、再び訪れた際のルート上の撮影ポイントPに対して以前訪れた際の撮影画像データを付加する形態で記憶するよう処理形態を設定することも可能である。このような処理を行う場合にはリンク処理手段15が関連付けを行う際の処理形態を変更で済み、撮影画像データを再生する場合には、過去の撮影画像データと、それ以降の撮影画像データとを組み合わせた形態で表示して観賞できるものとなる。
【0082】
(ロ)ディスプレイCに撮影画像データを表示する際に、地図データを背景にした表示形態を採用していたが、これに代えて、ディスプレイCの全画面に撮影画像データを表示し、この撮影画像データの一部に地図データを表示するよう表示形態を設定することも可能となる。
【0083】
(ハ)電子アルバム再生時の地図データとして、地域の詳細なものまで記したものや、イラストや観光マップのように地図の形態を備えたものに限らず、例えば、S字状のように車輌が走行したルートを示す簡易的なものであっても良い。また、地図データとしてルートに対応する道路だけを簡易的にルートデータを示すデータ構造のものを採用する場合、このルートは、現実に車輌が走行した軌跡の形状と完全に一致する必要はなく全体として車輌が走行したルートを判別できるものであれば良い。特に、このルートを構成する位置データに画像データを関連付ける場合にも、撮影ポイントと位置データとを厳密に関連付ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施形態のナビゲーションシステムの構成を示す図
【図2】第1の実施形態の乗用車に備えたナビゲーションシステムを示す図
【図3】第1の実施形態のナビゲーションシステムのブロック回路図
【図4】第1の実施形態の処理メニューを示す図
【図5】第1の実施形態の選択画面を示す図
【図6】第1の実施形態の確認画面におい撮影ポイントと本来の撮影ポイントとに基づいて日時データの補正を行う際の表示内容を示す図
【図7】第1の実施形態の再現モードにおける再生画面を示す図
【図8】第1の実施形態の実走行モードにおける再生画面を示す図
【図9】第1の実施形態のExifデータの構造を示す図
【図10】第1の実施形態の電子アルバム作成時の処理を表すフローチャート
【図11】第1の実施形態の画像データ取得ルーチンのフローチャート
【図12】第1の実施形態のリンクデータ生成ルーチンのフローチャート
【図13】第1の実施形態の記憶処理ルーチンのフローチャート
【図14】第1の実施形態の再現モードでの再生処理を表すフローチャート
【図15】第1の実施形態の実走行モードでの再現処理を表すフローチャート
【図16】第2の実施形態の構成を示すブロック図
【図17】第2の実施形態の入力端末を示す斜視図
【図18】第2の実施形態の再現モードでの再生処理を表すフローチャート
【符号の説明】
【0085】
5 画像データ取得手段
15 リンク処理手段
16 出力制御手段
105 デジタルカメラ
C 出力部、ディスプレイ
E 出力部、媒体ドライブ
D 処理装置
L 位置取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置取得手段で取得した位置データと、画像データ取得手段で取得した撮影画像データとを関連付ける処理装置を備えている画像処理システムであって、
前記位置データの存在位置を示す地図イメージデータを記憶するイメージデータ記憶部と、前記撮影画像データを出力する出力部とを備え、
前記位置取得手段は、前記位置データを取得した日時を特定するタイミングデータを取得するよう構成され、
前記処理装置は、前記撮影画像データに付随する撮影日時データと、前記タイミングデータとが対応するように、前記位置データと前記撮影画像データとを互いにリンクデータによって関連付けるリンク処理手段を含むと共に、前記イメージデータ記憶部から前記位置データに基づいて抽出した地図イメージデータと、前記位置データにリンクデータで関連付けられた前記撮影画像データとを前記出力部に出力する出力制御手段を含んで構成されている画像処理システム。
【請求項2】
前記出力部が画像を表示するディスプレイで構成され、前記処理装置は設定時間内における複数の前記位置データを記憶し、前記画像データ取得手段で取得した撮影画像データを記憶し、この撮影画像データと前記位置データとを関連付けるリンクデータを前記リンク処理手段で生成して記憶する記憶処理を行うと共に、
前記出力制御手段は、前記タイミングデータを順次指定することにより位置データを取得し、この位置データに対応する前記地図イメージデータを前記ディスプレイに表示し、かつ、前記記憶処理によって記憶されている位置データのうち、前記位置取得手段で取得した位置データと対応するものに関連付けられた撮影画像データを前記ディスプレイに表示する再生処理を行うよう構成されている請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記出力部が画像を表示するディスプレイで構成され、前記処理装置は設定時間内における複数の前記位置データを記憶し、前記画像データ取得手段で取得した撮影画像データを記憶し、この撮影画像データと前記位置データとを関連付けるリンクデータを前記リンク処理手段で生成して記憶する記憶処理を行うと共に、
前記出力制御手段は、前記記憶処理の後に、前記タイミングデータを時間軸に沿って順次指定することにより、記憶されている複数の前記位置データから、前記指定されたタイミングデータに対応する位置データを順次抽出し、このように抽出された複数の位置データに対応する前記地図イメージデータを順次前記ディスプレイに表示し、かつ、前記抽出された位置データに関連付けられた撮影画像データを抽出して前記ディスプレイに表示するシミュレーション処理を行うよう構成されている請求項1記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記出力部が記憶媒体にデータを記憶する媒体ドライブで構成され、前記処理装置は設定時間内における複数の前記位置データを記憶し、前記画像データ取得手段で取得した撮影画像データを保存し、この撮影画像データと前記位置データとを関連付けるリンクデータを前記リンク処理手段で生成して記憶する記憶処理を行うと共に、
前記出力制御手段は、前記記憶処理によって記憶された位置データと、撮影画像データと、リンクデータと、前記位置データに対応した地図イメージデータとを前記媒体ドライブにセットされた記憶媒体に記憶する記憶処理を行うよう構成されている請求項1記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記記憶媒体に記憶した前記位置データと、撮影画像データと、リンクデータと、前記地図イメージデータとを、前記タイミングデータの時間軸に沿った順序で読み出せるデータ構造として書き込むよう処理形態が設定されている請求項4記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記位置取得手段が、カーナビゲーションシステムを構成するGPSユニットで構成され、前記地図イメージデータが該カーナビゲーションシステムに用いられる地図データで構成され、前記出力制御手段が該カーナビゲーションシステムを構成するディスプレイで構成されている請求項3又は4記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記位置取得手段が、カーナビゲーションシステムを構成するGPSユニットで構成され、前記地図イメージデータが該カーナビゲーションシステムに用いられる地図データで構成され、前記出力制御手段がディスク型又は半導体型の記憶媒体にデータを記憶する媒体ドライブで構成されている請求項4又は5記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記画像データ取得手段が、デジタルカメラに使用される半導体型の記憶媒体からの撮影画像データを取得する複数の半導体ドライブで構成されると共に、これら複数の半導体ドライブを車輌の複数の座席の近傍位置に配置されている請求項4記載の画像処理システム。
【請求項9】
位置取得手段で取得した位置データと、画像データ取得手段で取得した撮影画像データとを処理装置によって関連付ける画像処理方法であって、
前記位置データの所在を表示する地図イメージデータをイメージデータ記憶部に記憶し、
前記位置取得手段が、前記位置データを取得した日時を特定するタイミングデータを取得し、
前記処理装置が、前記撮影画像データに付随する撮影日時データと、前記タイミングデータとが対応するように、前記位置データと前記撮影画像データとを互いにリンクデータによって関連付けるリンク処理を行うと共に、前記イメージデータ記憶部から前記位置データに基づいて抽出した地図イメージデータと、前記位置データにリンクデータで関連付けられた前記撮影画像データとを出力部に出力する出力処理とを行う画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−178856(P2006−178856A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373445(P2004−373445)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】