説明

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

【課題】複数の領域に画像が印字された原稿において、各領域毎のセキュリティ管理を行うことができる使い勝手の良い画像形成装置等を提供する。
【解決手段】複数の領域31a、31bに画像が印字された原稿23の画像を読み取る読取手段と、読み取られた原稿の画像データを用紙に印字する印字手段と、原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出する検出手段と、複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出する検出手段を備える。検出されたパスワードの入力を要求し、適正なパスワードが入力されたか否かを判別し、判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字内容を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、セキュリティコードおよびパスワードが付加されている原稿の前記セキュリティコードおよびパスワードを検出することができ、あるいはセキュリティコードおよびパスワードが付加されている原稿を作成できる、多機能デジタル複合機であるMFP(Multi Function Peripherals)などに適用される画像処理装置、画像処理方法および画像処理装置のコンピュータに画像処理を実行させるための画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば機密文書を複写機などでコピーしたものが外部に流出したり、原本をコピーした印刷物(出力物)が原本として悪用されたりすることを防ぐために、紙文書に対するセキュリティが強化されつつある。
【0003】
例えば、従来、地紋パターンにより画像データの出力処理について「禁止/許可」を設定し、パスワードの入力によって「禁止」の解除を与えるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、機密文書にパスワードを付加するようにした技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−201069号公報
【特許文献2】特開2003−316552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献に記載された技術では、1枚の原稿に対して1個のパスワードが付与されるものであるため、次のように欠点があった。
【0006】
即ち、例えば、N枚の元原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードにより複数の領域に画像が印字された原稿において、各元原稿に、高いセキュリティを要求される原稿、例えば著作権上保護されるべき文書や画像、秘密情報、個人情報等を含む原稿や、セキュリティが要求されない原稿が含まれていたとしても、これらが各領域に印字された原稿の全体に1個のパスワードしか付加できないため、セキュリティ管理の柔軟性に欠け、使い勝手が良くないという欠点があった。
【0007】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の領域に画像が印字された原稿において、各領域毎のセキュリティ管理を行うことができる使い勝手の良い画像形成装置、画像処理方法および画像処理装置のコンピュータに画像処理を実行させるための画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
この発明はさらに、複数の領域に画像が印字されかつ各領域毎のセキュリティ管理を行うことができる原稿を作成するための画像処理装置、画像処理方法および画像処理装置のコンピュータに画像処理を実行させるための画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、前記原稿読取手段により読み取られた原稿の画像データを用紙に印字する印字手段と、前記原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出するセキュリティコード検出手段と、前記原稿の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出するパスワード検出手段と、前記パスワード検出手段により検出されたパスワードの入力を要求する入力要求手段と、前記適正なパスワードが入力されたか否かを判別するパスワード判別手段と、前記パスワード判別手段による判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの前記印字手段による印字内容を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(2)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されたと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの印字を許可する前項1に記載の画像処理装置。
(3)前記原稿は、N枚の元原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードにより複数の領域に画像が印字された原稿であり、前記パスワード検出手段は、元原稿について設定されたパスワードを検出する前項1に記載の画像処理装置。
(4)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域が白紙で出力されるように、印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(5)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、その原稿についての印字ジョブを破棄する前項1に記載の画像処理装置。
(6)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、コピー禁止の情報を印字するように印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(7)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの色を変更して印字するように、印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(8)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの濃度を変更して印字するように、印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(9)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの倍率を変更して印字するように、印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(10)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域以外の領域の画像が、適正でないと判別された領域の画像部分に詰めて印字されるように、印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(11)前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域以外の領域の画像が、その回転および/または拡大により、そのパスワードが付加された領域の画像部分を埋めた状態で印字されるように、印字手段を制御する前項1に記載の画像処理装置。
(12)表示手段を備え、前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、コピー禁止を示すメッセージを前記表示手段に表示させる前項1〜11のいずれかに記載の画像処理装置。
(13)前記原稿のパスワードが付加された領域を表示する表示手段を備えている前項1〜12のいずれかに記載の画像処理装置。
(14)前記セキュリティコードおよびパスワードは地紋パターンとして画像と共に用紙に印字される前項1〜13のいずれかに記載の画像処理装置。
(15)前記印字手段により印字された用紙に、新たなパスワードを付加するパスワード付加手段を備えている前項1〜14のいずれかに記載の画像処理装置。
(16)原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、前記原稿読取手段により読み取られた原稿の画像データを用紙に印字する印字手段と、N枚の原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードを設定可能なモード設定手段と、セキュリティコード付加モードにおいて、前記モード設定手段によりNin1モードが設定されている場合には、前記用紙における各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加するセキュリティコード付加手段と、Nin1モードが設定されている場合に、印字後の複数の領域を表示する前記表示手段と、前記表示手段に表示された複数の領域のうちの少なくとも一つの領域を選択する領域選択手段と、前記選択された領域にパスワードを付加するパスワード付加手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(17)複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取るステップと、前記読み取られた原稿の画像データを用紙に印字するステップと、前記原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出するステップと、前記原稿の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出するステップと、前記検出されたパスワードの入力を要求するステップと、前記入力されたパスワードが適正か否かを判別するステップと、前記判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字内容を制御するステップと、を備えたことを特徴とする画像処理方法。
(18)原稿の画像を読み取るステップと、N枚の原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードを設定するステップと、セキュリティコード付加モードにおいて、前記Nin1モードが設定されている場合には、前記用紙における各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加するステップと、Nin1モードが設定されている場合に、印字後の複数の領域を表示するステップと、前記表示された複数の領域のうちの少なくとも一つの領域を選択するステップと、前記選択された領域にパスワードを付加するステップとを、を備えたことを特徴とする画像処理方法。
(19)複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取るステップと、前記読み取られた原稿の画像データを用紙に印字するステップと、前記原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出するステップと、前記原稿の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出するステップと、前記検出されたパスワードの入力を要求するステップと、前記入力されたパスワードが適正か否かを判別するステップと、前記判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字内容を制御するステップと、を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
(20)原稿の画像を読み取るステップと、N枚の原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードを設定するステップと、セキュリティコード付加モードにおいて、前記Nin1モードが設定されている場合には、前記用紙における各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加するステップと、Nin1モードが設定されている場合に、印字後の複数の領域を表示するステップと、前記表示された複数の領域のうちの少なくとも一つの領域を選択するステップと、前記選択された領域にパスワードを付加するステップとを、を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【発明の効果】
【0010】
前項(1)に記載された発明によれば、複数の領域に画像が印字された原稿には、前記複数の領域のそれぞれにセキュリティコードが付加されるとともに、前記複数の領域のうちの少なくとも1つの領域にパスワードが付加されている。この原稿の画像が読み取られ、前記セキュリティコードが検出され、パスワードが検出される。パスワードが検出されると、パスワードの入力が要求され、入力されたパスワードが適正か否かが判別される。そして、その判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字手段による印字内容が制御される。このように、パスワードは原稿全体について1個が設定されているのではなく、領域毎に設定されるから、領域毎にセキュリティ管理を行うことができ、使い勝手の良い画像処理装置となしうる。
【0011】
前項(2)に記載された発明によれば、入力されたパスワードが適正であると判別された場合には、そのパスワードが付加された領域の画像データの印字が許可されるから、例えば、その画像データのみのコピーが許可されているユーザに対して、他の領域の画像の閲覧を禁止しながら、許可された画像データのコピーが可能となる。
【0012】
前項(3)に記載された発明によれば、N枚の元原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードにより複数の領域に画像が印字された原稿について、元原稿のセキュリティレベルに応じたセキュリティ管理を行うことができる。
【0013】
前項(4)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、そのパスワードが付加された領域が白紙で出力されるから、パスワードで規制された画像が第三者に知られるのを防止することができる。
【0014】
前項(5)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、その原稿についての印字ジョブが破棄されるから、パスワードで規制された画像が第三者に知られるのを防止することができる。
【0015】
前項(6)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、コピー禁止の情報が印字されるから、適正なパスワードが入力されなかったことをユーザに認識させることができる。
【0016】
前項(7)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、そのパスワードが付加された領域の画像データの色が変更されて印字されるから、適正なパスワードが入力されなかったことをユーザに認識させることができる。
【0017】
前項(8)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、そのパスワードが付加された領域の画像データの濃度が変更された状態で印字されるから、適正なパスワードが入力されなかったことをユーザに認識させることができる。
【0018】
前項(9)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、そのパスワードが付加された領域の画像データの倍率が変更された状態で印字されるから、適正なパスワードが入力されなかったことをユーザに認識させることができる。
【0019】
前項(10)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、そのパスワードが付加された領域以外の領域の画像が、適正でないと判別された領域の画像部分に詰めて印字されるから、出力状態で不自然な空白部がなくなり、体裁の良い出力物を得ることができる。
【0020】
前項(11)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、そのパスワードが付加された領域以外の領域の画像が、その回転および/または拡大により、そのパスワードが付加された領域の画像部分を埋めた状態で印字されるから、出力状態で不自然な空白部がなくなり、体裁の良い出力物を得ることができる。
【0021】
前項(12)に記載された発明によれば、適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、コピー禁止を示すメッセージが表示手段に表示されるから、適正なパスワードが入力されなかったことをユーザに認識させることができる。
【0022】
前項(13)に記載された発明によれば、表示手段にパスワードが付加された領域が表示されるから、ユーザはその領域を容易に認識することができる。
【0023】
前項(14)に記載された発明によれば、セキュリティコードおよびパスワードは地紋パターンとして画像と共に用紙に印字されるから、セキュリティコードおよびパスワードを画像データとして扱うことができる。
【0024】
前項(15)に記載された発明によれば、印字手段により印字された用紙に新たなパスワードを付加できるから、より高いセキュリティを確保することができる。
【0025】
前項(16)に記載された発明によれば、表示手段に表示されたNin1モードによる印字後の複数の領域の中から、少なくとも一つの領域を選択して、その領域にパスワードを付加することができるから、領域単位でパスワードが付加された原稿を容易に作成することができる。
【0026】
前項(17)に記載された発明によれば、パスワードは原稿全体について1個が設定されているのではなく、領域毎に設定されるから、領域毎にセキュリティ管理を行うことができ、使い勝手を向上することができる。
【0027】
前項(18)に記載された発明によれば、Nin1モードによる印字後の複数の領域のを表示し、その中から少なくとも一つの領域を選択して、その領域にパスワードを付加することができるから、領域単位でパスワードが付加された原稿を容易に作成することができる。
【0028】
前項(19)に記載された発明によれば、前項(17)に記載された各処理を画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【0029】
前項(20)に記載された発明によれば、前項(18)に記載された各処理を画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置が適用されたMFP100の電気的構成を示すブロック図である。
【0032】
図1において、このMFP100は、CPU1と、ROM2と、RAM3と、スキャナ部4と、操作パネル部5と、記憶部6と、印字部7と、画像処理部8を備えている。
【0033】
CPU1は、MFP100の全体を統括制御するが、この実施形態では、特に次のような制御を行う。即ち、セキュリティコード付加モードにおいて、N枚(Nページ)の原稿を1枚の用紙に印字するNin1モードが設定されている場合には、各ページの画像データを用紙の各印字領域に印字する。この際に、各印字領域毎にセキュリティコードを付加し、さらに少なくともいずれかの印字領域についてはパスワードを付加する。また、Nin1モードが設定されていない場合には、1枚の原稿について1つのセキュリティコードを付加し必要に応じて1つのパスワードを付加した状態で、画像データを1枚の用紙に印字する。
【0034】
さらに、CPU1は、パスワードが検出された場合には、パスワードの入力画面を操作パネル部5に表示したり、適正パスワードが入力されたかどうかの判別や、判別結果に応じた各部の制御などを行う。
【0035】
この実施形態では、設定されるパスワードはセキュリティコードとともに、図3に示すように、地紋パターン40として画像の背景に埋め込まれる。勿論、セキュリティコードやパスワードは、地紋以外の例えばバーコードや無線ICチップなどにより付加されるものであってもよい。また、セキュリティコードやパスワードの検出も、セキュリティコードやパスワードの形態に応じた方法により行えばよい。また、セキュリティコードとパスワードは別々に付加されても良い。
【0036】
ROM2は、CPU1の動作プログラムを格納するメモリであり、RAM3は、CPU1が前記動作プログラムを実行する際の作業領域を提供するメモリである。
【0037】
スキャナ部4は、図示しない原稿台上にセットされた、あるいは自動原稿送り装置(オードドキュメントフィーダー)によって自動的に搬送される原稿の画像を読み取るものであり、読み取った原稿の画像データを画像処理部8に送出する。
【0038】
操作パネル部5は、図5や図8に示すように、各種入力操作などに使用するキー部51と、LCD等からなる表示部52とを備えている。表示部52は、タッチパネルで構成してもよい。キー部51は、スタートキー511やストップキー512を有している。
【0039】
この実施形態では、ユーザは操作パネル部5により、Nin1モードの設定操作、セキュリティコードやパスワード(地紋パターン)を各領域毎に付加するか否かの設定操作、セキュリティコードやパスワードを付加する場合は、各領域毎のセキュリティコードやパスワードの内容入力操作、セキュリティコード付き原稿に対してセキュリティコードの検出を行うか否かの設定操作、セキュリティコードの検出を行う場合におけるコピー禁止検出時の動作モードの設定操作、パスワードの入力適否に応じた動作モードの設定操作、などを行うことができるものとなされている。そして、前記CPU1は、上記のようなユーザの設定操作や入力を受け付けて、対応するモードの設定等を行うものとなされている。
【0040】
記憶部6は、各種データやプログラムを記憶するものであり、例えばハードディスクなどが使用される。
【0041】
印字部7は、スキャナ部4で読み取られ所定の画像処理が施された画像データと、セキュリティコードおよびパスワードとしての地紋パターン40とを、ジョブ条件に従って印字するものである。
【0042】
画像処理部8は、前記スキャナ部4で読み取られた原稿の画像データに所定の画像処理を実施するものであり、その詳細を図2を用いて説明する。
【0043】
図2は、前記画像処理部8の機能的構成を示すブロック図である。この画像処理部8は、第1スキャナ画像処理部11と、第2スキャナ画像処理部12と、コントローラ13と、プリンタ画像処理部14と、セキュリティコード検出部15と、地紋パターン発生部16等を備えている。
【0044】
第1スキャナ画像処理部11は、前記スキャナ部4で読み取られた画像データ(R,G,B)に対して、シェーディング補正、ライン間補正、色収差補正などを行う。
【0045】
第2のスキャナ画像処理部12は、前記第1のスキャナ画像処理部11から送られてきた画像データに対して、解像度変換、下地飛ばし処理、領域判別、R,G,BからY,M,C,Kへの変換、文字エッジ補正、誤差拡散などを行う。
【0046】
コントローラ部13は、第2のスキャナ画像処理部12で処理された画像データに対して、圧縮・伸長処理を行う。
【0047】
プリンタ画像処理部14は、コントローラ部13を経由した画像データに対して、印字のための処理を行う。具体的には、画像補正、イメージ合成、スクリーン処理等の処理を行う。そして、画像データ(R,G,B)は、属性情報が付加された状態で印字部7に出力される。
【0048】
なお、プリンタ画像処理部14におけるイメージ合成処理は、セキュリティコードおよびパスワードとしての地紋パターン40を原稿20の画像データと合成する処理であり、地紋パターン発生部16により生成された地紋パターン40が、スキャナ部4で読み取られた画像データに付加される。具体的には、画像の背景として付加される。
【0049】
一方、第1のスキャナ画像処理部11で処理された画像データは、セキュリティコード検出部15にも入力される。セキュリティコード検出部15は、第1のスキャナ画像処理部11を経由してきた画像データから、地紋パターン40を抽出してセキュリティコードを検出するとともに、パスワードが付加されている場合にはパスワードを検出するものであり、周知の解像度変換、前処理、コード検出処理、コード解析処理などの各処理が、CPU1で制御されながら実行される。
【0050】
次に、MFP100において、Nin1モード(例えば2in1モード)が設定された状態で、各原稿の画像データを1枚の用紙の複数の領域に印字すると共に、各領域毎にセキュリティコードおよびパスワードを、地紋パターンとして付加する例を、図4を参照して説明する。
【0051】
図4において、2枚(2ページ)の原稿21、22について、2in1モードでコピーを行うと、用紙31の左半分の領域31aに原稿21の画像が印字され、用紙31の右半分の領域31bに原稿22の画像が印字される。また、セキュリティコードの付加モードおよびパスワードの付加モードが設定されていると、各領域31a、31bのそれぞれに対して別々のセキュリティコードおよびパスワードが、地紋パターン41,42として付加される。
【0052】
一方の地紋パターン41は、例えば「コピー禁止」および「パスワードD1」を意味するものであり、他方の地紋パターン42は、例えば「コピー禁止」および「パスワードD2」を意味するものとする。なお、地紋パターンとして画像に埋め込まれるセキュリティコードの内容は、「コピー禁止」に限定されることはなく、「コピー許可」であっても良いし、画像データの「座標情報」などの情報であってもよい。また、パスワードはコピー禁止状態を解除するためのものであるから、パスワードが付加される場合のセキュリティコードは「コピー禁止」となっている。
【0053】
こうして、用紙31の2個の領域31a、31bに2枚の原稿21、22の画像データがそれぞれ印字されるとともに、各領域31a、31b毎にセキュリティコードおよびパスワードが付加された新たな原稿23が作成される。
【0054】
図5は、Ninlモードによるコピー実行時に、操作パネル部5からパスワードを入力する方法の説明図である。
【0055】
図5において、例えば4ページの原稿21〜24の画像を4in1モードでコピーする場合、各原稿画像が読み取られた後、操作パネル部5の表示部52には、パスワードの入力を促す画面52a(図5の上段に示す)が表示される。
【0056】
具体的には、この画面52aには、例えば、各原稿の画像が印字される4個の領域Qとともに、「4in1のできあがりに対して、入力する領域を選択して下さい」や「入力完了後にスタートキーを押下して下さい」などのメッセージが表示されている。
【0057】
ユーザにより、領域Qの中からパスワードを入力する領域が選択されると、仮想キーボード60の表示画面52b(図5の中段に示す)が表示される。
【0058】
ユーザが仮想キーボード60を使って選択された領域のパスワードを入力すると、パスワード入力画面52a(図5の下段に示す)に戻る。
【0059】
このパスワード入力済画面52aでは、選択された領域が黒塗りに表示され、パスワードの入力が完了する。
【0060】
次に、Nin1モードにおいて、各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードおよびパスワードを付加して、画像データを印字する処理の手順を、図6のフローチャートを参照して説明する。この処理は、CPU1がROM2等の記録媒体に記録されている動作プログラムに従って動作することにより実行される。なお、ここでは原稿は自動原稿送り装置によって給送される場合を例にとって説明する。
【0061】
図6において、ステップS1では、原稿がスキャナ部4の自動原稿送り装置のトレイ上にセットされるのを待ち、原稿がセットされると(ステップS1でYES)、ステップS2では、ユーザの設定入力に基づいてモード設定を行う。モード設定は、前述したように、Nin1モードの設定、地紋パターン(セキュリティコード、パスワード)を付加する/付加しない(ON/OFF)の設定、付加する場合の地紋パターンに埋め込む情報の内容設定などである。
【0062】
ついで、ステップS3では、スタートキー511が押下されるのを待ち、スタートキー511が押下されると(ステップS3でYES)、ステップS4では、原稿Pの画像の読み取りを行い、1枚の原稿が読み取られると、ステップS5では、Nin1モードが設定されているか否かを判断する。
【0063】
Nin1モードが設定されていれば(ステップS5でYES)、ステップS6では、N枚の原稿の読み取りが完了したか否かを判断する。N枚の原稿の読み取りが完了していなければ(ステップS6でNO)、ステップS12に進み、地紋パターンの付加設定がなされているか否か、換言すればセキュリティコード、パスワードの付加モードか否かを判断する。地紋パターンの付加設定がなされていなければ(ステップS12でNO)、ステップS21で次の原稿があるか否かを判断し、次の原稿があれば(ステップS21でYES)、ステップS4に戻る。次の原稿がなければ(ステップS21でNO)、読み取られているN個未満の画像データをステップS16で1枚の用紙に印字したのち、本処理を終了する。
【0064】
地紋パターンの付加設定がなされていれば(ステップS12でYES)、ステップS13では、セキュリティコードおよびパスワードが埋め込まれた地紋パターンを作成する。地紋パターンに埋め込まれるセキュリティコードとしては、前述したようにコピー禁止/許可、座標情報等である。次いで、ステップS14では、次の原稿があるか否かを判断し、次の原稿があれば(ステップS14でYES)、ステップS4に戻る。
【0065】
次の原稿がなければ(ステップS14でNO)、ステップS15では、読み取られているN個未満の画像データの各々に対して、設定された情報に対応する地紋パターンをそれぞれ打ち込んで合成し、ステップS16で合成後の画像データを1枚の用紙に印字したのち、本処理を終了する。
【0066】
ステップS6において、原稿N枚の読み取りが完了していれば(ステップS6でYES)、ステップS7では、地紋パターンの付加設定がなされているか否かを判断する。
【0067】
地紋パターンの付加設定がなされていれば(ステップS7でYES)、ステップS8では、N枚目の原稿の画像データに対応する地紋パターンを作成する。
【0068】
ついで、ステップS9で、各原稿の画像データに各地紋パターンを打ち込んで合成したのち、ステップS10で合成後のN個の画像データを1枚の用紙に印字する。
【0069】
ステップS7で地紋パターンの付加設定がなされていなければ(ステップS7でNO)、地紋パターンの作成と打ち込みは行わず、ステップS10でN個の画像データを1枚の用紙に印字する。
【0070】
次いで、ステップS11で、次の原稿があるかどうかを判断し、次の原稿があれば(ステップS11でYES)、ステップS4に戻る。次の原稿がなければ(ステップS11でNO)、本処理を終了する。
【0071】
一方、ステップS5で、Nin1モードが設定されていなければ(ステップS5でNO)、ステップS17で、地紋パターンの付加設定がなされているか否かを判断する。地紋パターンの付加設定がなされていれば(ステップS17でYES)、ステップS18で地紋パターンを作成する。ステップS15では、原稿の画像データに地紋パターンを打ち込んで合成したのち、ステップS19で合成後の画像データを用紙に印字して、本処理を終了する。この場合は、用紙1枚に付き1個のセキュリティコード、パスワードが付加される。
【0072】
ステップS17において、地紋パターンの付加設定がなされていなければ(ステップS17でNO)、ステップS20で、読み取られた画像データをそのまま用紙に印字する。
【0073】
このように、この実施形態では、セキュリティコードの付加モードにおいて、N枚の原稿の画像を読み込んでNin1モードで印字する場合、各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加でき、パスワードを付加できるから、印字領域毎に換言すればコピー元の原稿毎に、例えばコピー禁止/許可等の情報やパスワードを付与することができ、より細かく柔軟な文書セキュリティ管理を行うことができる。
【0074】
次に、図4に示したように、Nin1モードによりN枚の元原稿の画像データが印字され、かつ各画像データの印字領域毎にセキュリティコードおよびパスワードが付加された新たな原稿23を、コピーする場合の動作について説明する。
【0075】
原稿23を用紙32にコピーする場合、原稿23の各領域31a、31bに埋め込まれた地紋パターン41、42を検出する。「コピー禁止」情報およびパスワードが検出されると、各領域31a、31b毎にパスワードD1、D2の入力を、操作パネル部5の表示部52を介して要求する。
【0076】
仮に、領域31bに対するパスワードD2が正しく入力され、領域31aに対するパスワードD1の入力が間違っているか入力されなかった場合には、その領域31aについては、図4に示すように、用紙32の対応する領域32aを白紙の状態にして出力する。白紙の状態で出力することにより、コピー禁止の画像が第三者に知られるのを防止することができる。
【0077】
なお、用紙32の対応する領域32aを白紙の状態にして出力するのではなく、パスワードが間違っていた場合、あるいは入力されなかった場合には、その印字ジョブそのものを破棄しても良い。
【0078】
また、領域32aを白紙状態とするのではなく、適正なパスワードが入力されなかったことをユーザに認識させるような画像操作を行って印字したり、あるいは白紙出力とする場合の不自然な白紙部分をなくして体裁良く印字する構成を採用しても良い。
【0079】
このような印字の例を図7を参照して説明する。
【0080】
原稿23を用紙32にコピーする場合、原稿23の領域31aに対するパスワードD1の入力が間違っているか入力されなかった場合には、その領域31aの画像については、例えば図7の右側上段に示すように、画像の色を変更して用紙S2に印字する。この例では、カラー画像をグレーにして印字した場合を示している。
【0081】
また、図7の右側中段に示すように、領域31aの画像を濃度を変換(例えば、濃度を薄く)して用紙32に印字しても良い。
【0082】
また、図示は省略したが、領域31aの画像を拡大しあるいは縮小して、用紙32に印字しても良い。
【0083】
さらにまた、図7の右側下段に示すように、領域31aの画像については白紙で出力すると共に、この白紙部を埋めるために、適正なパスワードが入力された領域31bの画像を回転させて用紙32の中央部位に印字したり、領域31bの画像を拡大して用紙32の全域が埋まるように印字しても良い。勿論、回転と拡大の両操作を施しても良い。
【0084】
また、図8に示すような画像操作を行っても良い。図8は、4in1モードにより4つの領域23a〜23dにパスワードD1〜D4が付加された原稿23をコピーする場合を示すものであり、領域23bに対応するパスワードD2のみが適正に入力されなかったと仮定する。
【0085】
この場合に、図8の右側上段に示すように、適正なパスワードが入力されなかった領域23bに対応する領域に、「コピー禁止」というようなコピー禁止画像であることが分かる情報を印字しても良いし、図8の右側下段に示すように、コピー禁止領域23bに続くコピー許可の領域23c、23dの画像P3、P4を、コピー禁止の領域23bの対応部分に詰めて印字しても良い。
【0086】
図7および図8に示すような画像操作を行うことにより、原稿23の所有者等は、パスワードが適正でないことを認識できるし、あるいはコピー禁止の領域の画像が白紙状態で出力される場合に生じる不自然な白紙部を無くして、体裁の良い出力物とすることができる。
【0087】
また、適正なパスワードが入力されなかった場合、図9に示すように、操作パネル部5の表示部52の画面52aに、例えば、「コピー禁止コードを検出しました。***で出力します。」のようなメッセージを併せて表示させるとよい。これにより、原稿所有者等は、適正なパスワードが入力されなかったことを、より明確に認識することができる。
【0088】
また、図10に示すように、パスワードが付加されているの領域(図10の例では23bおよび23c)を操作パネル部5の表示部52に表示させても良い。この例では、パスワードの設定領域を黒塗りで表示してある。これにより、原稿所有者等は、原稿にコピー禁止画像が含まれていることを、明確に認識することができる。
【0089】
図11は、セキュリティコードおよびパスワード検出時の処理手順を説明するためのフローチャートである。この処理も、CPU1がROM2等の記録媒体に記録されている動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0090】
ここでは、原稿は1枚ずつ原稿台にセットされてコピーされる場合を例にとって説明する。
【0091】
図11において、ステップS31では、原稿がセットされるのを待ち、原稿がセットされると(ステップS31でYES)、ステップS32では、ユーザの設定操作に基づいて、モード設定を行う。モード設定は、セキュリティコード、パスワードの検出を行うか否か(ON/OFF)の設定、セキュリティコード、パスワードの検出を行う場合におけるコピー禁止検出時やパスワードの適否判断時の動作モードの設定等である。
【0092】
ついで、ステップS33では、スタートキー511が押下されるのを待ち、スタートキー511が押下されると(ステップS33でYES)、ステップS34では、スキャナ部4を介して原稿の画像の読み取りを行う。
【0093】
ステップS35では、セキュリティコードの検出を行い、ステップS36では、「コピー禁止」を検出したか否かを判断し、「コピー禁止」を検出しなければ(ステップS36でNO)、ステップS37で印字動作を実行したのち、処理を終了する。
【0094】
「コピー禁止」を検出した場合には(ステップS36でYES)、ステップS38で、「コピー禁止」の領域にパスワードが付加されているかどうかを判断する。パスワードが付加されていなければ(ステップS38でNO)、ステップS39で、セキュリティコードの情報から原稿のコピー禁止領域を算出し、ステップS40では、算出したコピー禁止領域に対して、設定した動作モードによる印字の制約(禁止動作)を適用し、ステップS37で前記制約の下で印字を行う。
【0095】
ステップS38において、パスワードが付加されていれば(ステップS38でYES)、ステップS41では、パスワードの入力を行うかどうかをユーザに選択させ、パスワードを入力しない場合は(S41でNO)、ステップS39に進み、コピー禁止領域を算出する。この場合は、制約された印字動作により印字が行われる。
【0096】
パスワードを入力するのであれば(S41でYES)、ステップS42では、操作パネル部5からのユーザ操作に基づいてパスワードの入力対象領域を選択し、ステップS43ではパスワードの入力を受け付ける。ついで、ステップS44では、入力したパスワードと設定されているパスワードとが一致するか否かを判断する。
【0097】
入力したパスワードと設定されているパスワードとが一致していなければ(ステップS44でNO)、ステップS48で、操作パネル部5に再入力を促す表示を行うとともに、ユーザによって再入力が実行された否かを判断し、再入力が実行されなければ(ステップS48でNO)、S39に進んで、コピー禁止領域を算出する。この場合は、制約された印字動作により印字が行われる。ステップS48で再入力が実行されれば(S48でYES)、ステップS42に戻り、ステップS42〜S44の処理が繰り返される。
【0098】
入力されたパスワードと設定されているパスワードとが一致していれば(ステップS44でYES)、ステップS45でコピー禁止を解除し、ステップS46で他のパスワード付加領域が存在するか否かを判断する。
【0099】
他のパスワード付加領域が存在する場合には(ステップS46でYES)、ステップS47でユーザがパスワードを入力するか否か判断し、パスワードを入力するのでなければ(ステップS47でNO)、S37に進んで印字を行う。パスワードを入力するのであれば(ステップS47でYES)、ステップS42に戻り、他のパスワード付加領域が存在しなくなるまで処理を繰り返す。
【0100】
他のパスワード付加領域がなくなると(ステップS46でNO)、ステップS37で印字を行う。
【0101】
このように、この実施形態では、パスワードが原稿の領域単位で付加されており、適正なパスワードが入力されたかどうかに応じて、その領域の画像データの印字内容が制御されるから、領域単位でセキュリティ管理を行うことができ、使い勝手の良い画像処理装置となしうる。
【0102】
図12は、複数の領域にそれぞれセキュリティコードとパスワードが付加された原稿23を用紙にコピーした場合に、出力された用紙に新たなセキュリティコードとパスワードを付加する場合の説明図である。
【0103】
具体的には、例えば、2個の領域のそれぞれに対して各地紋パターン41(パスワードD1)、42(パスワードD2)が付加された原稿23をコピーする場合、用紙32への印字の際に、用紙32の全体に対して1個の新たな地紋パターン43(パスワードD3)を付加して印字したものである。なお、新たな地紋パターンは1個に限定されることはなく、元の領域23a、23bに対応する領域に、それぞれ新たな地紋パターンを形成しても良い。
【0104】
このような操作により、パスワード付きの原稿をコピーしてパスワードのない原稿が作成されるのを防止でき、高いセキュリティを確保することができる。
【0105】
上述の実施形態では、セキュリティコード及びパスワードは、原稿の画像の読み取り前に操作パネル部5を介して入力することで設定されるものであった。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0106】
例えば、原稿がスキャナ部4の自動原稿送り装置によって1枚給送されて、あるいは原稿台に1枚セットされて、画像が読み取られる都度、セキュリティコード及びパスワードの付加を行うようにユーザに促す。これが各原稿毎に繰り返される。すなわち、各原稿の画像の読み取り後にセキュリティコード、パスワードの設定を行うものである。
【0107】
あるいは、原稿がスキャナ部4の自動原稿送り装置によって全て給送されて、あるいは原稿台に1枚ずつセットされ、全ての画像の読み取りが終了したのちに、セキュリティコード、パスワードの入力が促される。すなわち、全原稿の画像の読み取り後に、セキュリティコード、パスワードの設定を行うものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が適用されたMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置における画像処理部の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】セキュリティコードおよびパスワードとしての地紋パターンの一例を示す図である。
【図4】原稿を2in1モードで用紙にコピーし、各原稿の画像毎にセキュリティコードおよびパスワードを付加する場合の説明図である。
【図5】Ninlコピー実行時に操作パネル部からパスワードを入力する領域を選択する方法の説明図である。
【図6】原稿をNin1モードで用紙にコピーし、各原稿の画像毎にセキュリティコードおよびパスワードを付加する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】適正なパスワードが入力されない場合の動作説明図である。
【図8】適正なパスワードが入力されない場合の他の動作説明図である。
【図9】適正なパスワードが入力されない場合に、表示部にメッセージを表示した状態の操作パネル部の平面図である。
【図10】パスワードが付加された領域領域を表示部に表示した状態の操作パネル部の平面図である。
【図11】セキュリティコード検出時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】複数の領域のそれぞれにセキュリティコードとパスワードが付加された原稿を用紙にコピーした場合に、用紙に新たなセキュリティコードとパスワードを付加する場合の説明図である。
【符号の説明】
【0109】
1 CPU
4 スキャナ部
5 操作パネル部
7 印字部
8 画像処理部
15 セキュリティコード検出部
52 表示部
20〜23 原稿
31、32 用紙
40〜42 地紋パターン(セキュリティコード、パスワード)
31a、31b、23a〜23d 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、
前記原稿読取手段により読み取られた原稿の画像データを用紙に印字する印字手段と、
前記原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出するセキュリティコード検出手段と、
前記原稿の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出するパスワード検出手段と、
前記パスワード検出手段により検出されたパスワードの入力を要求する入力要求手段と、
前記適正なパスワードが入力されたか否かを判別するパスワード判別手段と、
前記パスワード判別手段による判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの前記印字手段による印字内容を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されたと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの印字を許可する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記原稿は、N枚の元原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードにより複数の領域に画像が印字された原稿であり、前記パスワード検出手段は、元原稿について設定されたパスワードを検出する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域が白紙で出力されるように、印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、その原稿についての印字ジョブを破棄する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、コピー禁止の情報を印字するように印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの色を変更して印字するように、印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの濃度を変更して印字するように、印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域の画像データの倍率を変更して印字するように、印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域以外の領域の画像が、適正でないと判別された領域の画像部分に詰めて印字されるように、印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、そのパスワードが付加された領域以外の領域の画像が、その回転および/または拡大により、そのパスワードが付加された領域の画像部分を埋めた状態で印字されるように、印字手段を制御する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項12】
表示手段を備え、
前記パスワード判別手段により適正なパスワードが入力されなかったと判別された場合には、前記制御手段は、コピー禁止を示すメッセージを前記表示手段に表示させる請求項1〜11のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記原稿のパスワードが付加された領域を表示する表示手段を備えている請求項1〜12のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記セキュリティコードおよびパスワードは地紋パターンとして画像と共に用紙に印字される請求項1〜13のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記印字手段により印字された用紙に、新たなパスワードを付加するパスワード付加手段を備えている請求項1〜14のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項16】
原稿の画像を読み取る原稿読取手段と、
前記原稿読取手段により読み取られた原稿の画像データを用紙に印字する印字手段と、
N枚の原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードを設定可能なモード設定手段と、
セキュリティコード付加モードにおいて、前記モード設定手段によりNin1モードが設定されている場合には、前記用紙における各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加するセキュリティコード付加手段と、
Nin1モードが設定されている場合に、印字後の複数の領域を表示する前記表示手段と、
前記表示手段に表示された複数の領域のうちの少なくとも一つの領域を選択する領域選択手段と、
前記選択された領域にパスワードを付加するパスワード付加手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取るステップと、
前記読み取られた原稿の画像データを用紙に印字するステップと、
前記原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出するステップと、
前記原稿の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出するステップと、
前記検出されたパスワードの入力を要求するステップと、
前記入力されたパスワードが適正か否かを判別するステップと、
前記判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字内容を制御するステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項18】
原稿の画像を読み取るステップと、
N枚の原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードを設定するステップと、
セキュリティコード付加モードにおいて、前記Nin1モードが設定されている場合には、前記用紙における各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加するステップと、
Nin1モードが設定されている場合に、印字後の複数の領域を表示するステップと、
前記表示された複数の領域のうちの少なくとも一つの領域を選択するステップと、
前記選択された領域にパスワードを付加するステップとを、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【請求項19】
複数の領域に画像が印字された原稿の画像を読み取るステップと、
前記読み取られた原稿の画像データを用紙に印字するステップと、
前記原稿の複数の領域のそれぞれに付加されたセキュリティコードを検出するステップと、
前記原稿の複数の領域のうちの少なくとも1つの領域に付加されたパスワードを検出するステップと、
前記検出されたパスワードの入力を要求するステップと、
前記入力されたパスワードが適正か否かを判別するステップと、
前記判別結果に基づいて、パスワードが付加された領域の画像データの印字内容を制御するステップと、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【請求項20】
原稿の画像を読み取るステップと、
N枚の原稿の画像を用紙1枚に印字するNin1モードを設定するステップと、
セキュリティコード付加モードにおいて、前記Nin1モードが設定されている場合には、前記用紙における各原稿の画像データの印字領域毎にセキュリティコードを付加するステップと、
Nin1モードが設定されている場合に、印字後の複数の領域を表示するステップと、
前記表示された複数の領域のうちの少なくとも一つの領域を選択するステップと、
前記選択された領域にパスワードを付加するステップとを、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−118215(P2008−118215A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297127(P2006−297127)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】