説明

画像処理装置,画像処理方法,磁気共鳴イメージング装置,および,プログラム

【課題】互いに連結された複数の図形を含む原画像から、抽出対象の一の図形を、適正かつ効率的に抽出した抽出画像を得る。
【解決手段】原画像IGについてセグメンテーション処理を実施して連結図形FRが抽出された第1の画像I1を得る。その第1の画像I1についてイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施し、連結図形FRが分離された第3の図形F3と第4の図形F4とを含む第2の画像I2を得る。その第2の画像I2において第3の図形F3を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をして第3の画像I3を得る。第1の画像I1と第3の画像I3とを差分処理して第4の画像I4を得る。第4の画像I4に含まれる図形を、その図形の大きさに基づいて除去する処理を実施し第5の画像I5を得る。第3画像I3と第5の画像I5とを加算処理して抽出画像を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置,画像処理方法,磁気共鳴イメージング装置,および,プログラムに関する。特に、互いに連結された複数の図形を有する連結図形を含むように得られた原画像について、画像処理を実施することによって、その複数の図形において抽出対象とした図形が抽出された抽出画像を生成する、画像処理装置,画像処理方法,磁気共鳴イメージング装置,および,プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置などのイメージング装置は、被検体の画像をイメージングして、画面に表示する装置であり、特に、医療用途において多く利用されている。
【0003】
磁気共鳴イメージング装置においては、静磁場が形成された撮像空間内に被検体の撮像領域を収容することによって、その撮像領域におけるプロトン(proton)のスピンを、その静磁場の方向へ整列させて、磁化ベクトルを発生させる。そして、共鳴周波数のRFパルスを照射することによって、核磁気共鳴現象を発生させることにより、スピンをフリップさせ、そのプロトンの磁化ベクトルを変化させる。その後、そのフリップされたプロトンが元の磁化ベクトルの状態に戻る際に発生する磁気共鳴(MR)信号を受信し、その受信された磁気共鳴信号に基づいて、撮像領域についてスライス画像などの画像を再構成する。
【0004】
この磁気共鳴イメージング装置においては、被検体において神経線維束などのファイバーが走行する方向などの情報を得るために、拡散テンソルイメージング(DTI:Diffusion Tensor Imaging)法によって、被検体の頭部についてスキャンを実施し、DTIデータセットを生成する。たとえば、T2イメージとADC(Apparemt Diffusional Coefficient)イメージとを含むDTI画像を有するように、このDTIデータセットを生成する。ここでは、神経線維束と、腫瘍との位置関係を明確にし、手術計画を適確に実行するために、上記のように得られたDTI画像から、腫瘍を示す図形を正確にセグメンテーション(segmentation)した後に、その腫瘍を示す図形がセグメンテーションされた抽出画像を用いて、フュージョン表示が実施される。たとえば、DTI画像を、アンアイソトロピック・ディフュージョン・フィルター(Anisotropic diffusion filter)を用いて、ノイズ除去した後に(たとえば、非特許文献1参照)、腫瘍を示す図形を、たとえば、ファスト・マーチング・レベル・セット(Fast Marching Level Set)法(たとえば、非特許文献2参照)にてセグメンテーションし、その腫瘍を示す図形がセグメンテーションされた抽出画像を用いて、フュージョン表示が実施される。
【0005】
しかし、上記にて得られるDTI画像においては、腫瘍と、CSFで満たされる脳室とのそれぞれを示す図形が、ほぼ同じ画素値であるために、腫瘍と脳室とが近接あるいは接触している際には、腫瘍と脳室とを示す複数の図形のそれぞれが連結された状態で、そのDTI画像からセグメンテーションされる場合がある。よって、その抽出画像を用いてフュージョン表示を実施する際には、腫瘍を示す図形の他に、脳室などの別の図形が、その抽出画像に含まれることになるために、そのフュージョン表示された画像を観察しても、神経線維束と、腫瘍との位置関係を明確に把握して、手術計画を適確に実行することが、困難な場合があった。
【0006】
このため、DTI画像について画像処理を実施することによって、上記の不具合を解消する方法が提案されている。
【0007】
具体的には、予め、たとえば、FLAIR(fluid attenuated IR)法のようなパルスシーケンスで、頭部についてスキャンを実施することによって、脳室と腫瘍との間でコントラストが生ずる画像を生成し、脳室のみに対応する画素の位置情報を取得した後に、上記のようにして得たDTI画像において脳室に対応する画素部分をマスクする画像処理を実施することによって、腫瘍のみが抽出された抽出画像を生成する方法が提案されている(たとえば、非特許文献3参照)。
【0008】
また、この他に、上記のように互いに連結された複数の図形を含む連結図形を有するDTI画像について、セグメンテーション処理を実施し、その連結図形を選択的に抽出した後に、モルフォロジ(Morphology)演算におけるイロージョン(Erosion(収縮))処理とディレーション(Dilation(拡張))処理とを順次実施することによって、その連結図形を、腫瘍と脳室との各図形へ分離する。そして、その後、その分離された図形を有する画像から、腫瘍を示す図形のみを、セグメンテーションする(たとえば、非特許文献4参照)。
【0009】
【非特許文献1】G.Gerig et.al,IEEE trans Med.Imaging,11(2),221−232(1992)
【非特許文献2】J.A.Sethian,Level set method and fast marching method,Cambridge University Press(1999)
【非特許文献3】S.Saraswathy et.al,ISMRM 2006,p.1609
【非特許文献4】鳥脇他、画像情報処理(1),p73−76,コロナ社,2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前者においては、DTI画像を生成するためのスキャンの実施以外に、別途、FLAIR法のようなパルスシーケンスでのスキャンを実施する必要があるために、スキャン時間が全体で長くなり、効率的に診断することが困難な場合がある。
【0011】
また、後者においては、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理との実施によって、DTI画像における腫瘍のトポロジー(topology)の一部が失われる場合がある。つまり、DTI画像における腫瘍の形状と、イロージョン処理とディレーション処理を実施した後の画像における腫瘍の形状とが相違する場合がある。このため、腫瘍のみを適確にセグメンテーションすることが容易ではない場合があり、効率的に診断することが困難な場合がある。
【0012】
このように、上記のDTI画像における腫瘍と脳室とのように複数の図形が互いに連結された連結図形を有する原画像から、抽出対象である一の図形を、適正に、かつ、効率的に抽出して、抽出画像を得ることは、困難であった。
【0013】
したがって、本発明は、互いに連結された複数の図形を有する原画像から、一の図形を、適正に、かつ、効率的に抽出可能である、画像処理装置,画像処理方法,磁気共鳴イメージング装置,および,プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するために、本発明は、第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施することによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像を生成する画像処理装置であって、前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理部と、前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理部と、前記第2画像処理部によって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理部と、前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理部によって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理部と、前記第4画像処理部によって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理部と、前記第3画像処理部によって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理部によって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理部とを有する。
【0015】
好ましくは、前記原画像において前記第1の図形に対応するように関心領域を設定する関心領域設定部を有し、前記第3画像処理部は、前記関心領域設定部によって前記原画像にて前記関心領域が設定された位置情報に基づいて、前記第2の画像において前記第3の図形を前記第1の図形に対応するように選択的に抽出する。
【0016】
好ましくは、前記関心領域設定部は、オペレータからの指令に基づいて前記関心領域を設定する。
【0017】
好ましくは、前記第6画像処理部によって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する第7画像処理部を有する。
【0018】
好ましくは、磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とする。
【0019】
好ましくは、拡散テンソルイメージング法により被検体において腫瘍と前記腫瘍の近傍にある脳室とを含む撮像領域についてスキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とし、当該原画像において、前記第1の図形が前記腫瘍に対応しており、前記第2の図形が前記脳室に対応している。
【0020】
また、上記課題を達成するために、本発明は、第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施することによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像を生成する画像処理方法であって、前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理ステップと、前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理ステップと、前記第2画像処理ステップによって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理ステップと、前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理ステップと、前記第4画像処理ステップによって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理ステップと、前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理ステップによって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理ステップとを有する。
【0021】
好ましくは、前記原画像において前記第1の図形に対応するように関心領域を設定する関心領域設定ステップを有し、前記第3画像処理ステップにおいては、前記関心領域設定ステップによって前記原画像にて前記関心領域が設定された位置情報に基づいて、前記第2の画像において前記第3の図形を前記第1の図形に対応するように選択的に抽出する。
【0022】
好ましくは、前記関心領域設定ステップにおいては、オペレータからの指令に基づいて前記関心領域を設定する。
【0023】
好ましくは、前記第6画像処理ステップによって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する第7画像処理ステップを有する。
【0024】
好ましくは、磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とする。
【0025】
好ましくは、拡散テンソルイメージング法により被検体において腫瘍と前記腫瘍の近傍にある脳室とを含む撮像領域についてスキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とし、当該原画像において、前記第1の図形が前記腫瘍に対応しており、前記第2の図形が前記脳室に対応している。
【0026】
また、上記課題を達成するために、本発明は、被検体の撮像領域についてスキャンを実施することによって得られる磁気共鳴信号に基づいて、第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像を生成した後に、前記原画像について画像処理を実施することによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理部と、前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理部と、前記第2画像処理部によって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理部と、前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理部によって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理部と、前記第4画像処理部によって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理部と、前記第3画像処理部によって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理部によって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理部とを有する。
【0027】
好ましくは、前記原画像において前記第1の図形に対応するように関心領域を設定する関心領域設定部を有し、前記第3画像処理部は、前記関心領域設定部によって前記原画像にて前記関心領域が設定された位置情報に基づいて、前記第2の画像において前記第3の図形を前記第1の図形に対応するように選択的に抽出する。
【0028】
好ましくは、前記関心領域設定部は、オペレータからの指令に基づいて前記関心領域を設定する。
【0029】
好ましくは、前記第6画像処理部によって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する第7画像処理部を有する。
【0030】
好ましくは、拡散テンソルイメージング法により被検体において腫瘍と前記腫瘍の近傍にある脳室とを含む撮像領域についてスキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記原画像を生成し、当該原画像において、前記第1の図形が前記腫瘍に対応しており、前記第2の図形が前記脳室に対応している。
【0031】
また、上記課題を達成するために、本発明は、第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施させることによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像をコンピュータに生成させるプログラムであって、前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理ステップと、前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理ステップと、前記第2画像処理ステップによって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理ステップと、前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理ステップと、前記第4画像処理ステップによって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理ステップと、前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理ステップによって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理ステップとを、前記コンピュータに実施させる。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明によれば、互いに連結された複数の図形を有する原画像から、一の図形を、適正に、かつ、効率的に抽出可能である、画像処理装置,画像処理方法,磁気共鳴イメージング装置,および,プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下より、本発明にかかる実施形態の一例について図面を参照して説明する。
【0034】
(装置構成)
図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、スキャン部2と、操作コンソール部3とを有しており、静磁場空間においてスキャン部2が被検体の撮像領域へRFパルスを送信し、そのRFパルスが送信された撮像領域にて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施した後に、そのスキャンの実施によって得られた磁気共鳴信号に基づいて、その撮像領域についての画像を操作コンソール部3が生成する。
【0036】
スキャン部2について説明する。
【0037】
スキャン部2は、図1に示すように、静磁場マグネット部12と、勾配コイル部13と、RFコイル部14と、クレードル15と、RF駆動部22と、勾配駆動部23と、データ収集部24とを有しており、被検体SUにおいて発生する磁気共鳴信号を得るスキャンを実施する。スキャン部2は、静磁場が形成された撮像空間B内において、被検体SUにて撮像する撮像領域を収容した後に、その被検体SUの撮像領域におけるスピンを励起するように被検体SUにRFパルスを送信すると共に、そのRFパルスが送信された被検体SUに勾配パルスを送信することによって、被検体SUにおいて発生する磁気共鳴信号を得る。
【0038】
スキャン部2の各構成要素について、順次、説明する。
【0039】
静磁場マグネット部12は、たとえば、超伝導磁石(図示なし)により構成されており、被検体SUが収容される撮像空間Bに静磁場を形成する。ここでは、静磁場マグネット部12は、クレードル15に載置される被検体SUの体軸方向(z方向)に沿うように静磁場を形成する。なお、静磁場マグネット部12は、一対の永久磁石により構成されていてもよい。
【0040】
勾配コイル部13は、静磁場が形成された撮像空間Bに勾配磁場を形成し、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号に空間位置情報を付加する。ここでは、勾配コイル部13は、静磁場方向に沿ったz方向と、x方向と、y方向との互いに直交する3軸方向に対応するように3系統からなる。これらは、撮像条件に応じて、周波数エンコード方向と位相エンコード方向とスライス選択方向とのそれぞれに勾配磁場を形成するように、勾配パルスを送信する。具体的には、勾配コイル部13は、被検体SUのスライス選択方向に勾配磁場を印加し、RFコイル部14がRFパルスを送信することによって励起させる被検体SUのスライスを選択する。また、勾配コイル部13は、被検体SUの位相エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を位相エンコードする。そして、勾配コイル部13は、被検体SUの周波数エンコード方向に勾配磁場を印加し、RFパルスにより励起されたスライスからの磁気共鳴信号を周波数エンコードする。
【0041】
RFコイル部14は、静磁場マグネット部12によって静磁場が形成される撮像空間B内において、電磁波であるRFパルスを被検体SUの撮像領域に送信して高周波磁場を形成し、被検体SUの撮像領域におけるプロトンのスピンを励起する。そして、RFコイル部14は、その励起された被検体SUの撮像領域内のプロトンから発生する電磁波を磁気共鳴信号として受信する。本実施形態においては、RFコイル部14は、図1に示すように、第1RFコイル14aと、第2RFコイル14bとを有しており、たとえば、第1RFコイル14aが、RFパルスを送信する一方で、第2RFコイル14bが磁気共鳴信号を受信する。
【0042】
クレードル15は、被検体SUを載置するテーブルを有する。クレードル15は、制御部30からの制御信号に基づいて、撮像空間Bの内部と外部との間においてテーブルを移動する。
【0043】
RF駆動部22は、RFコイル部14を駆動させて撮像空間B内にRFパルスを送信させて、撮像空間Bに高周波磁場を形成させる。RF駆動部22は、制御部30からの制御信号に基づいて、ゲート変調器(図示なし)を用いてRF発振器(図示なし)からの信号を所定のタイミングおよび所定の包絡線の信号に変調した後に、そのゲート変調器により変調された信号を、RF電力増幅器(図示なし)によって増幅してRFコイル部14に出力し、RFパルスを送信させる。
【0044】
勾配駆動部23は、制御部30からの制御信号に基づいて、勾配コイル部13を駆動させ、静磁場が形成されている撮像空間B内に、勾配磁場を発生させる。勾配駆動部23は、3系統の勾配コイル部13に対応して3系統の駆動回路(図示なし)を有する。
【0045】
データ収集部24は、制御部30からの制御信号に基づいて、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号を収集する。ここでは、データ収集部24は、RFコイル部14が受信する磁気共鳴信号をRF駆動部22のRF発振器(図示なし)の出力を参照信号として位相検波器(図示なし)が位相検波する。その後、A/D変換器(図示なし)を用いて、このアナログ信号である磁気共鳴信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0046】
操作コンソール部3について説明する。
【0047】
操作コンソール部3は、図1に示すように、制御部30と、データ処理部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを有する。
【0048】
操作コンソール部3の各構成要素について、順次、説明する。
【0049】
制御部30は、コンピュータと、コンピュータに所定のデータ処理を実行させるプログラムを記憶するメモリとを有しており、各部を制御する。ここでは、制御部30は、操作部32からの操作データが入力され、その操作部32から入力される操作データに基づいて、RF駆動部22と勾配駆動部23とデータ収集部24とのそれぞれに制御信号を出力し、所定のスキャンを実行させる。そして、これと共に、データ処理部31と表示部33と記憶部34とへ、制御信号を出力し、制御を行う。
【0050】
データ処理部31は、コンピュータと、そのコンピュータを用いて所定のデータ処理を実行するプログラムを記憶するメモリとを有しており、制御部30からの制御信号に基づいて、データ処理を実施する。具体的には、データ処理部31は、スキャン部2が被検体の撮像領域についてスキャンを実施することによって得た磁気共鳴信号に基づいて、その撮像領域について画像を生成した後に、その生成した画像を表示部33に出力する。
【0051】
本実施形態においては、データ処理部31は、拡散テンソルイメージング(DTI)法によって、被検体において、腫瘍と、その腫瘍の近傍にある脳室とを含む頭部を撮像領域として、スキャン部2がスキャンを実施して得た磁気共鳴信号に基づいて、DTI画像を生成する。このDTI画像においては、腫瘍を示す第1の図形と、その腫瘍に近接した脳室を示す第2の図形とが、互いに同様な画素値であるために、互いに連結された連結図形を含むように表示される。この後、このDTI画像を原画像として画像処理を実施することによって、腫瘍を示す第1の図形が抽出された抽出画像を生成する。そして、データ処理部31は、神経線維束と腫瘍との位置関係を明確にするようにフュージョン表示を実施するためのフュージョン画像を、この腫瘍を示す第1の図形が抽出されている抽出画像を用いて生成する。
【0052】
図2は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31の要部を示すブロック図である。図3は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31を構成する各部が実行する画像処理の内容を説明するために、各部にて画像処理が実行された後の画像を、概念的に示す図である。図4は、本発明にかかる実施形態において、図3に続いて、データ処理部31を構成する各部が実行する画像処理の内容を説明するために、各部にて画像処理が実行された後の画像を、概念的に示す図である。
【0053】
図2に示すように、データ処理部31は、画像生成部301と、第1画像処理部311と、第2画像処理部312と、第3画像処理部313と、第4画像処理部314と、第5画像処理部315と、第6画像処理部316と、第7画像処理部317と、関心領域設定部321とを有している。ここでは、各部は、プログラムによってコンピュータが下記のように機能されることにより構成されており、互いに連結された複数の図形を含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施して、その連結図形において抽出対象とした図形を抽出することによって、当該抽出対象とした図形を含む抽出画像を生成する。たとえば、腫瘍を示す図形を抽出することによって、この抽出画像を生成する。
【0054】
データ処理部31の各部について説明する。
【0055】
データ処理部31の画像生成部301は、スキャン部2がスキャンを実行することによって得られた磁気共鳴信号をローデータとし、被検体SUの撮像領域についての画像をデジタル画像として生成する。本実施形態においては、上記のように、DTI法によって被検体の頭部についてスキャンを実施して得られた磁気共鳴信号に基づいて、DTIデータセットを生成する。たとえば、DTIデータセットとして、T2イメージと、ADCイメージとを含むDTI画像を生成する。詳細については後述するが、このDTI画像においては、腫瘍と、その腫瘍に近接した脳室とを示す複数の図形が含まれ、その複数の図形が近接すると共に、両者が同様な画素値であるために、両者が互いに連結された連結図形が示される。そして、このDTI画像は、表示部33の表示画面において表示され、その表示された原画像を観察したオペレータによって、連結図形から抽出させる、腫瘍を示す図形に対応して関心領域を設定するように、その関心領域の位置情報が、操作部32に入力される。その後、このDTI画像の連結図形においては、関心領域設定部321によって関心領域が、腫瘍を示す図形に対応するように設定される。
【0056】
図3(a)は、画像生成部301が生成し、各部にて画像処理が実施される原画像IGを、下記における各部の画像処理を説明するために、概念的に示した図である。
【0057】
図3(a)に示すように、この画像生成部301が生成する原画像IGにおいては、第1の図形F1と、その第1の図形F1に近接した第2の図形F2との複数の図形が含まれており、その第1の図形F1と第2の図形F2とが、連結部ITで互いに連結された連結図形FRとして表示される。そして、図3(a)に示すように、この原画像IGにおいては、複数の図形が連結された連結図形FRにおいて、抽出対象とされる第1の図形F1に対応するように、関心領域設定部321によって関心領域が設定されて、その関心領域を示す関心領域表示画像ROIが表示される。この後、この原画像IGは、第1画像処理部311と、第2画像処理部312と、第3画像処理部313と、第4画像処理部314と、第5画像処理部315と、第6画像処理部316と、第7画像処理部317とのそれぞれによって、画像処理が、順次、実施されて、第1の図形F1が抽出される。
【0058】
データ処理部31の第1画像処理部311は、画像生成部301によって連結図形を含むように生成されたDTI画像を原画像とし、その原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、その原画像において連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る。詳細については後述するが、本実施形態においては、上記にてDTI画像として得たT2イメージとADCイメージとのいずれか一方について、たとえば、ファスト・マーチング・レベル・セット法にてセグメンテーション処理する。具体的には、このDTI画像の連結図形において、腫瘍を示す第1の図形に対応するように、関心領域設定部321によって関心領域が設定された画素について、画素値の平均値、標準偏差などを、腫瘍の特徴量として算出した後に、その腫瘍の特徴量に基づいて、セグメンテーション処理を実行する。ここでは、腫瘍と脳室とのそれぞれを示す各図形が、ほぼ同じ画素値であるために、腫瘍と脳室とが近接あるいは接触している際には、腫瘍と脳室とを示す複数の図形のそれぞれが連結された連結図形として、そのDTI画像からセグメンテーションされる。すなわち、このセグメンテーション処理の結果、そのDTI画像にて含まれる連結図形が選択的に抽出されることによって、その連結図形に対応する画素値を1とし、その連結図形以外に対応する画素値を0とする2値化された画像が、第1の画像として得られる。
【0059】
なお、セグメンテーション処理は、上記のファスト・マーチング・レベル・セット法の他、リジョン・グローイング(Region Growing)法、アクティブ・カンター・モデル(Active Contour Model)法など他のセグメンテーション手法を適用してもよい。
【0060】
図3(b)は、第1画像処理部311が原画像IGについて画像処理を実施することによって得る第1の画像I1を、概念的に示した図である。
【0061】
図3(b)に示すように、第1の画像I1においては、図3(a)に示した原画像IGにて含まれる連結図形FRが選択的に抽出され、抽出された連結図形FRに対応する画素値を1とし、その連結図形以外に対応する画素値を0とした画像として得られる(図中では、画素値が1のとき、「黒」で表示し、画素値が0のとき、「白」で表示している)。
【0062】
このように、第1画像処理部311は、原画像IGについてセグメンテーション処理を実施して、その原画像IGから連結図形FRを選択的に抽出することによって、第1の画像I1を得る。
【0063】
データ処理部31の第2画像処理部312は、第1画像処理部311にて得られた第1の画像に含まれる連結図形において、互いに連結された第1の図形と第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施する。これによって、第2画像処理部312は、その連結図形において第1の図形に対応しており、かつ、第2の図形から分離された第3の図形と、第2の図形に対応しており、かつ、第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を生成する。すなわち、モルフォロジ演算におけるオープニング処理を実行して、ミンコフスキー和とミンコフスキー差とを順次求めることによって、複数の図形が連結された連結図形において、その連結された図形を互いに分離する。詳細については後述するが、本実施形態においては、第1の画像にて含まれる連結図形において、腫瘍に対応する第1の図形と、脳室に対応する第2の図形とのそれぞれを、第3の図形と第4の図形とのそれぞれに分離した画像を、第2の画像として得る。
【0064】
図3(c)と図3(d)とのそれぞれは、第2画像処理部312が第1の画像I1について、イロージョン処理とディレーション処理とを、順次、画像処理として実施することによって得られる画像I2a,I2のそれぞれを、概念的に示した図である。
【0065】
図3(c)に示すように、図3(b)に示した第1の画像I1についてイロージョン処理を実行することによって、第1の画像I1に含まれる連結図形IRを収縮させて、連結図形IRにおける第1図形F1と第2図形F2とのそれぞれを、第3図形F3と第4図形F4とのそれぞれに分離する。
【0066】
具体的には、このイロージョン処理を実施する際には、第1の画像I1の画素において一の画素を注目画素とした後に、その注目画素と、その注目画素に近接する近接画素とにおいて、画素値が1つでも0である場合には、その注目画素の画素値を0とする処理を、各画素のそれぞれについて順次実施し、第1画像I1の大きさを収縮させる。すなわち、その注目画素と、その近接画素とを包含するような近傍パターンを、順次、注目画素として注目した各画素に移動し、その近傍パターン内における画素の画素値において、画素値が1つでも0である場合には、その注目画素の画素値を0にするように、演算処理を実施する。ここでは、第2画像処理部312は、オペレータによって操作部32に入力されたイロージョン処理の処理回数に対応するように、上記のイロージョン処理を実行する。これにより、図3(b)と図3(c)とを比較して判るように、第1画像I1の連結図形FRにおいて含まれる、第1図形F1と第2図形F2とのそれぞれが分離される。つまり、この連結図形FRにおいては、第1図形F1と第2図形F2とのそれぞれの間の連結部ITが消失して、第3図形F3と第4図形F4とに分離される。そして、さらに、これと共に、第1図形F1と第2図形F2との形状の周辺にて、凸状に突き出た突起部FC1,FC2が消失する。
【0067】
図5は、本発明にかかる実施形態において、イロージョン処理を実施する際に用いる近傍パターンを示す図である。
【0068】
図5(a)に示すように、たとえば、第1の画像I1が3次元画像である際には、この近傍パターンとして、3次元の各方向にて注目画素に近傍する6個の画素を包含するような、6近傍パターンを用いる。なお、図5(b)に示すように、近傍の18個の画素を包含する18近傍パターンや、図5(c)に示すように、近傍の26個の画素を包含する26近傍パターンなどを用いてもよい。また、たとえば、第1の画像I1が2次元画像である際には、この近傍パターンとして、注目画素を中心とした2次元の面にて注目画素の周囲を囲うように近傍する8個の画素を包含するような、8近傍パターンなどを用いる。
【0069】
上記のようにイロージョン処理を実施した後には、図3(c)に示したイロージョン処理後の画像I2aについて、ディレーション処理を実行することによって拡張させて、図3(d)に示すように、第2の画像I2を得る。
【0070】
具体的には、このディレーション処理を実施する際には、第1の画像I1を構成する各画素において一の画素を注目画素として注目した後に、その注目画素と、その注目画素に近接する近接画素とにおいて、画素値が1つでも1である場合には、その注目画素の画素値を1とする処理を、各画素のそれぞれについて順次実施し、第1の画像I1の大きさへ拡張する。すなわち、その注目画素と、その近接画素とを包含するような近傍パターンを、順次、注目画素として注目させた各画素に移動し、その近傍パターン内における画素の画素値にて画素値が1つでも1である場合には、その注目画素の画素値を1とするように、演算処理を実施する。たとえば、図5に示したように、イロージョン処理にて用いた近傍パターンと同じ近傍パターンを用いて、このディレーション処理を実行する。また、ここでは、第2画像処理部312は、オペレータによって操作部32に入力されたイロージョン処理の処理回数と同じ処理回数でディレーション処理を実行する。これにより、図3(d)に示すように、上記にて収縮されている第3図形F3と第4図形F4とのそれぞれが分離された状態で、その大きさが第1の画像I1と同様に拡張され、第1図形F1に対応する第3図形F3と、第2図形F2に対応する第4図形F4とを含むように、第2の画像I2が生成される。
【0071】
このように、第2画像処理部312は、第1の画像I1について、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施して、その第1の画像I1に含まれる連結図形FRにおいて、互いに連結されている複数の図形F1,F2を分離することによって、互いに分離された複数の図形F3,F4を含む第2の画像I2を得る。
【0072】
データ処理部31の第3画像処理部313は、第2画像処理部312によって得られた第2の画像において、連結図形にて抽出対象とされている第1の図形に対応する第3の図形を、選択的に抽出するように、その第2の画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、第3の画像を得る。本実施形態においては、たとえば、リジョン・グローイング法を用いてセグメンテーション処理を実行する。つまり、第3画像処理部313は、関心領域設定部321によって原画像であるDTI画像にて関心領域が設定された位置情報に基づいて、第2の画像において第3の図形を第1の図形に対応するように選択的に抽出する。具体的には、原画像であるDTI画像に含まれる連結画像において、腫瘍を示す第1の図形に対応するように関心領域が設定された際には、この設定された関心領域の位置情報に基づいて、その設定された関心領域に対応する第3の図形と、これに近接する脳室に対応する第4の図形とを含む第2の画像から、腫瘍に対応する第3の図形をセグメンテーションすることによって、第3の画像を得る。
【0073】
図4(e)は、第3画像処理部313が第2の画像I2について画像処理を実施することによって得る第3の画像I3を、概念的に示した図である。
【0074】
図4(e)に示すように、図3(d)に示した第2の画像I2について、第3の図形F3を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理を実施することによって、第3の画像I3を得る。ここでは、上記したように、原画像IGにて関心領域ROIが設定された位置情報に基づいて、第2の画像I2において第3の図形F3を、第1の図形F1に対応するように、選択的に抽出して、第3の画像I3を得る。この第3の画像I3においては、上記したモルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とによって、第1の図形F1にてトポロジーの一部が失われた第3の図形F3が抽出される。このため、後述する第4画像処理部314と第5画像処理部315と第6画像処理部316とのそれぞれが、順次、画像処理を実行することによって、この失われたトポロジーを復元する。
【0075】
このように、第3画像処理部313は、第2の画像I2についてセグメンテーション処理を実施して、連結図形FRにて抽出対象とされている図形F1に対応する図形F3を、その第2の画像I2から選択的に抽出することによって、第3の画像I3を得る。
【0076】
データ処理部31の第4画像処理部314は、第1画像処理部311によって得られた第1の画像と、第3画像処理部313によって得られた第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る。
【0077】
図4(f)は、第4画像処理部314が第3の画像I3について画像処理を実施することによって得る第4の画像I4を、概念的に示した図である。
【0078】
図4(f)に示すように、第4の画像I4を得る際においては、図3(b)に示す第1の画像I1と、図4(e)に示す第3の画像I3とにおいて、互いに対応する位置の各画素の画素値について差分処理を実施して、各画素の差分値を算出し、各画素位置に対応するように配置することによって、第4の画像I4を生成する。つまり、トポロジーが消失されていない第1図形F1を含む第1の画像I1と、トポロジーが消失された第3図形F3とを含む第3の画像I3とのそれぞれについて画素値を互いに差分することによって、第3の画像I3において消失されたトポロジーの情報を含む第4の画像I4を生成する。このため、ここで生成する第4の画像I4においては、前述の第1図形F1と第2図形F2との形状の周辺にて凸状に突き出た突起部FC1,FC2のそれぞれを有する複数の図形Fa,Fbが含まれる。
【0079】
このようにして、第4画像処理部314は、第1の画像I1と第3の画像I3との間において差分処理を実施することによって、第4の画像I4を得る。
【0080】
データ処理部31の第5画像処理部315は、第4画像処理部314によって得られた第4の画像に含まれる図形を、当該図形の大きさに基づいて第4画像から除去する処理を実行することによって、第5の画像を得る。ここでは、第5画像処理部315は、第4画像処理部314によって得られた第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、基準値以上であるときには第4の画像から当該図形を除去し、基準値未満であるときには第4の画像に当該図形を残すように第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る。詳細については後述するが、この第5の画像は、失われたトポロジーの情報を示す画像として得られる。
【0081】
図4(g)は、第5画像処理部315が第4の画像I4について画像処理を実施することによって得る第5の画像I5を、概念的に示した図である。
【0082】
図4(g)に示すように、第5の画像I5を得る際においては、図4(f)に示す第4の画像I4にて含まれる複数の図形Fa,Fbのそれぞれについて、面積を算出した後に、その算出した面積の値に基づいて、第4画像I4に含まれる図形を除去する処理を実行する。たとえば、近接する画素において画素値が1である画素が連続的に並んでいる部分を図形と判断し、その図形を構成する画素数を、図形の面積として算出する。そして、その第4の画像I4に含まれる複数の図形において、図形の面積が、予め定めた基準値以上か否かを判断する。そして、その図形の面積が基準値以上であるときには、第4の画像I4から、その面積が基準値以上である図形を除去し、基準値未満であるときには、第4の画像I4に、その面積が基準値以下である図形を残すように、第4の画像I4について処理を実施して、第5の画像I5を得る。つまり、面積の値が、予め定めた基準値よりも小さいときには、その図形が、失われたトポロジーを示す図形であると判断し、失われたトポロジーの情報を示す画像として、第5の画像I5を得る。ここでは、図4(g)に示すように、第1の図形F1にて消失された図形Faが残り、第2の図形F2に対応する図形Fbが除去される。
【0083】
このように、第5画像処理部315は、第4の画像I4に含まれる図形において、各図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、基準値以上であるときには第4の画像I4から当該図形を除去し、基準値未満であるときには第4の画像I4に当該図形を残す処理を実施することによって、第5の画像I5を得る。
【0084】
データ処理部31の第6画像処理部316は、第3画像処理部313によって得られた第3の画像と、第5画像処理部315によって得られた第5の画像とを加算処理することによって、DTI画像において腫瘍を示す第1の図形が抽出された抽出画像を得る。
【0085】
図4(h)は、第6画像処理部316が第5の画像I5について画像処理を実施することによって得る抽出画像IEを、概念的に示した図である。
【0086】
図4(h)に示すように、この抽出画像IEを得る際においては、図4(e)に示す第3の画像I3と、図4(g)に示す第5の画像I5とにおいて、互いに対応する画素の画素値について、それぞれ加算するように演算処理を実行することによって、それぞれの画素の加算値を算出して、抽出画像IEを得る。すなわち、第1の図形F1のトポロジーの一部が失われた第3の図形F3を含む第3の画像I3に、その失われたトポロジーを示す図形を含む第5の画像I5を加算することによって、トポロジーが失われていない第1の図形F1が抽出された抽出画像IEが生成される。これにより、図4(h)に示すように、原画像IGから第1の図形F1が抽出された抽出画像IEが得られる。
【0087】
このように、第6画像処理部316は、第3画像I3と第5の画像I5との間において加算処理を実施することによって、抽出画像IEを得る。
【0088】
データ処理部31の第7画像処理部317は、第6画像処理部316によって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する。詳細については後述するが、本実施形態においては、上記にて得た抽出画像について、たとえば、ファスト・マーチング・レベル・セット法にてセグメンテーション処理する。
【0089】
データ処理部31の関心領域設定部321は、画像生成部301によって原画像として生成されたDTI画像において、腫瘍を示す第1の図形に対応するように、関心領域を設定する。ここでは、関心領域設定部321は、操作部32に入力されたオペレータからの指令に基づいて、この関心領域を設定する。
【0090】
操作コンソール部3の他の構成要素について説明する。
【0091】
操作部32は、キーボードやポインティングデバイスなどの操作デバイスにより構成されている。操作部32は、オペレータによって操作データが入力され、その操作データを制御部30,データ処理部31,表示部33,記憶部34に出力する。本実施形態においては、操作部32は、上記のデータ処理部31における第2画像処理部312において実行されるイロージョン処理およびディレーション処理の処理回数がオペレータによって入力され、そのイロージョン処理およびディレーション処理の処理回数を操作する操作データを、データ処理部31へ出力する。また、操作部32は、上記のデータ処理部31における関心領域設定部321において設定される関心領域の位置がオペレータによって入力されて、その関心領域をDTI画像において設定させる操作データを、データ処理部31へ出力する。
【0092】
表示部33は、CRTなどの表示デバイスによって構成されており、制御部30からの制御信号に基づいて、表示画面に画像を表示する。たとえば、表示部33は、オペレータによって操作部32に操作データが入力される入力項目を示す入力画像を表示画面に複数表示する。また、表示部33は、被検体SUからの磁気共鳴信号に基づいてデータ処理部31にて生成される被検体SUの撮像領域についての画像のデータを受け、表示画面にその画像を表示する。本実施形態においては、表示部33は、データ処理部31によって生成された抽出画像に基づいて生成されたフュージョン画像について表示を行う。
【0093】
記憶部34は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶部34は、その記憶されたデータが必要に応じて、制御部30、データ処理部31,表示部33によってアクセスされる。
【0094】
(動作)
以下より、上記の本発明にかかる実施形態の磁気共鳴イメージング装置1が被検体SUの撮像領域について画像を生成する際の動作について説明する。ここでは、下記ステップをコンピュータに実施させるプログラムを用いて、本動作が実行される。
【0095】
図6は、本発明にかかる実施形態において、原画像について画像処理を実行し、抽出画像を生成する際の動作を示すフロー図である。また、図7は、本発明にかかる実施形態において、原画像について画像処理を実行し、抽出画像を生成する際の各ステップにて順次得られる画像を示す図である。そして、図8は、本発明にかかる実施形態において、図7に続いて、原画像について画像処理を実行し、抽出画像を生成する際の各ステップにて順次得られる画像を示す図である。
【0096】
まず、図6に示すように、被検体の撮像領域についてスキャンを実施することによって、その撮像領域についての画像を、画像処理が施される原画像IGとして生成し表示する(S11)。
【0097】
ここでは、たとえば、被検体の頭部における脳のように、拡散異方性構造を含む3次元領域を撮像領域として、静磁場が形成された撮像空間Bにおいて、スキャン部2が、DTI法によって、その撮像領域についてスキャンを実施し、その撮像領域についての磁気共鳴信号を収集する。そして、その収集した磁気共鳴信号に基づいて、操作コンソール部3のデータ処理部31における画像生成部301が、その撮像領域についての画像を再構成する。その後、その生成した画像を、表示部33が、表示画面に表示する。
【0098】
本実施形態においては、3次元領域である撮像領域において撮影するスライスとスライス枚数とを設定した後に、たとえば、スピンエコー(Spin Echo)法において、再収束パルスである180°パルスを挟んで、等しい大きさのMPG(Motion Probing Gradient)が対称に、たとえば、6通りの方向に印加されるように配置されたパルスシーケンスと、そのMPGが配置されていないパルスシーケンスとのそれぞれに対応するように、その撮像領域についてスキャンを実施する。これにより、MPGの配置の組み合わせに対応するように、各スライスについての磁気共鳴信号が収集される。
【0099】
そして、その収集した磁気共鳴信号に基づいて、たとえば、T2イメージと、ADCイメージとのDTI画像を、原画像として生成する。ここでは、アンアイソトロピック・ディフュージョン・フィルターを用いて、ノイズ除去処理を施した後に、アイソトロピック(Isotoropic)なボクセル(voxel)になるように、スライス方向に、線形補間処理を施す。これにより、たとえば、スライス枚数を、2.5倍にする。その後、その生成したDTI画像を、後述するステップにて画像処理が実施される原画像IGとして、表示部33が表示画面に表示する。
【0100】
図7(a)は、本ステップにて生成され、後述するステップにて画像処理が実施される原画像IGを示す図である。
【0101】
図7(a)に示すように、DTI画像である原画像IGにおいては、腫瘍を示す第1の図形F1と、その腫瘍に近接した脳室を示す第2の図形F2とが含まれる。ここでは、その第1の図形F1と第2の図形F2とのような複数の図形が近接すると共に同様な画素値であるために、連結部ITにて互いに連結された連結図形FRが、この原画像IGにおいて表示される。
【0102】
つぎに、図6に示すように、原画像に含まれる連結図形から抽出させる対象である第1の図形に、関心領域を設定する(S21)。
【0103】
ここでは、上記のように表示された原画像を観察したオペレータによって、連結図形において抽出させる第1の図形に対応するように、関心領域の位置情報が、ポインティングデバイスなどを用いて操作部32に入力される。その後、この原画像の連結図形においては、関心領域設定部321が、その第1の図形に対応するように関心領域を設定する。
【0104】
図7(b)は、本ステップにおいて原画像IGに関心領域が設定された様子を示す図である。
【0105】
図7(b)に示すように、表示されている原画像IGにて第1の図形F1と第2の図形F2とが連結部ITで連結されている連結図形FRにおいて、腫瘍に相当する第1の図形F1に対応するように、関心領域ROIが設定される。そして、その設定された関心領域ROIを示す画像が、原画像IGに重畳されて表示される。
【0106】
つぎに、図6に示すように、原画像についてセグメンテーション処理を実施し、原画像に含まれる連結図形がセグメンテーションされた第1の画像を得る(S31)。
【0107】
ここでは、原画像について第1画像処理部311が画像処理としてセグメンテーション処理を実施することによって、第1の画像を得る。
【0108】
図7(c)は、本ステップにおいて得られる第1の画像I1を示す図である。
【0109】
図7(c)に示すように、第1の画像I1を得る際においては、図7(a)に示した原画像IGから連結図形FRを選択的に抽出する。
【0110】
本実施形態においては、原画像IGであるDTI画像として得たT2イメージとADCイメージとのいずれか一方について、たとえば、ファスト・マーチング・レベル・セット法にて、このセグメンテーション処理を実行する。つまり、前述の図7(a)に示したように、原画像IGにおいて、抽出対象である腫瘍を示す第1の図形F1に対応するように設定された関心領域ROIに対応する画素について、画素値の平均値、標準偏差などを、その抽出させる腫瘍の図形の特徴量として算出する。その後、その腫瘍の特徴量に基づいて、図形をセグメンテーションする。
【0111】
ここでは、上記したように、腫瘍を示す第1の図形F1と、脳室を示す第2の図形F2とが、ほぼ同じ画素値で生成され、その腫瘍と脳室とが近接しているために、図7(c)に示すように、第1の図形F1と第2の図形F2とが互いに連結された連結図形FRが、この原画像IGからセグメンテーションされる。
【0112】
この結果、その抽出された連結図形FRに対応する画素の画素値を1とし、その連結図形FR以外に対応する画素の画素値を0とするように、バイナリデータで構成されたデジタル画像データとして、この第1の画像I1が得られる。
【0113】
つぎに、図6に示すように、第1の画像についてモルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施し、第1の画像に含まれる連結図形が分離された第2の画像を得る(S41)。
【0114】
ここでは、第1の画像に含まれる連結図形において、互いに連結された第1の図形と第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを、第2画像処理部312が順次実施する。そして、これにより、その連結図形において第2の図形から分離された第3の図形と、第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像が得られる。つまり、モルフォロジ演算におけるオープニング処理を実行することによって、腫瘍に対応する第1の図形と、脳室に対応する第2の図形とが連結された連結図形を分離し、第3の図形と第4の図形とのそれぞれを含む第2の画像として得る。たとえば、本ステップにおける画像処理前後の画像を観察したオペレータによって、本処理の処理回数を指定する指令が操作部32に入力され、その入力された指令に対応するように、随時、本処理が実行される。
【0115】
図7(d)は、本ステップにおいて、イロージョン処理が実行されることによって得られる画像I2aを示す図である。
【0116】
図7(d)に示すように、図7(c)に示した第1の画像I1についてイロージョン処理を実行することによって、第1の画像I1に含まれる連結図形IRを収縮させる。ここでは、オペレータによって操作部32に入力されたイロージョン処理の処理回数に対応するように、このイロージョン処理を実行する。これにより、連結図形IRにおいて互いに連結されている第1図形F1と第2図形F2とのそれぞれを、第3図形F3と第4図形とのそれぞれに分離する。
【0117】
つまり、連結図形FRにおいて、腫瘍を示す第1図形F1と、脳室を示す第2図形F2とのそれぞれの間にある連結部ITが消失されて、腫瘍に対応する第3図形F3と、脳室に対応する第4図形F4とのそれぞれに分離される。そして、これと共に、図7(c)に示すように、第1図形F1の形状の周辺にて、凸状に突き出た突起部FCが消失されて、図7(d)に示すように、円形部のみが残った形状で、第3図形F3が形成される。
【0118】
図7(e)は、本ステップにおいて、ディレーション処理が実行されることによって得られる第2の画像I2を示す図である。
【0119】
図7(e)に示すように、図7(d)に示したイロージョン処理後の画像I2aについて、ディレーション処理を実行することによって、イロージョン処理後の画像I2aを拡張させて、第2の画像I2を得る。ここでは、オペレータによって操作部32に入力されたイロージョン処理の処理回数と同じ処理回数でディレーション処理を実行する。これにより、それぞれが分離された状態で、収縮された図形の大きさが、第1画像I1におけるものと同様な大きさに拡張され、第1図形F1に対応する第3図形F3と、第2図形F2に対応する第4図形F4とを含むように、第2の画像I2が生成される。
【0120】
ここでは、この生成される第2の画像I2においては、腫瘍に対応する第3図形F3と、脳室に対応する第4図形F4とが、互いに分離されているが、第3図形F3と第4図形F4とのそれぞれは、第1の画像I1にて腫瘍に対応する第1図形F1と脳室に対応する第2図形F2と比較すると、モフォロジーの一部が消失されている。
【0121】
つぎに、図6に示すように、第2の画像についてセグメンテーション処理を実施し、第2の画像に含まれる第3の図形が抽出された第3の画像を得る(S51)。
【0122】
ここでは、第2の画像において第3の図形を選択的に抽出するように、第3画像処理部313が第2の画像についてセグメンテーション処理を実施し、第3の画像を得る。
【0123】
図8(f)は、本ステップにおいて得られる第3の画像I3を示す図である。
【0124】
図8(f)に示すように、第3の画像I3を得る際においては、図7(e)に示した第2の画像I2について、第3の図形F3を選択的に抽出する。
【0125】
本実施形態においては、たとえば、リジョン・グローイング法を用いてセグメンテーション処理を実行し、この第3の図形F3を抽出する。すなわち、前述のステップにて、図7(b)に示すように、原画像IGにおける連結画像FRにおいて腫瘍を示す第1の図形F1に対応するように設定された関心領域ROIの位置情報に基づいて、図7(e)に示す第2の画像I2から、腫瘍に対応する第3の図形F3をセグメンテーションする。これにより、図8(f)に示すように、第3の図形F3が選択的に抽出された第3の画像I3が得られる。
【0126】
この生成される第3の画像I3においては、腫瘍に対応する第3図形F3が第2の画像I2から適確に抽出されているが、第3図形F3は、第1の画像I1にて腫瘍に対応する第1図形F1と比較すると、モフォロジーの一部が消失されている。
【0127】
つぎに、図6に示すように、第1の画像と第3の画像との間にて差分処理を実施することによって、第4の画像を得る(S61)。
【0128】
ここでは、上記ステップにて得た第1の画像と第3の画像との間において、第4画像処理部314が、差分処理を実施して第4の画像を得る。
【0129】
図8(g)は、本ステップにおいて得られる第4の画像I4を示す図である。
【0130】
図8(g)に示すように、この第4の画像I4を得る際においては、図7(c)に示す第1の画像I1と、図8(f)に示す第3の画像I3とにおいて、互いに対応する位置の各画素の画素値について差分処理を実施して、各画素の差分値を算出し、各画素位置に対応するように、その差分値で各画素を構成させる。
【0131】
このように、トポロジーが消失されていない第1図形F1を含む第1の画像I1と、トポロジーの一部が消失された第3図形F3とを含む第3の画像I3とにおいて、互いに対応する画素の画素値を差分することによって、第4の画像I4を生成しているので、この第4の画像I4においては、第3の画像I3において腫瘍に対応する第3の図形F3にて消失されたトポロジーの情報が含まれる。すなわち、第4の画像I4においては、前述の第1図形F1の周辺にて凸状に突き出た突起部FCが、第3の画像I3にて消失されたトポロジーの情報として含まれる。
【0132】
つぎに、図6に示すように、第4の画像に含まれる図形を、その図形の大きさに基づいて第4画像から除去する処理を実行することによって、第5の画像を得る(S71)。
【0133】
ここでは、第4の画像を構成する複数の図形を、各図形の大きさに基づいて、第4画像から除去する処理を、第5画像処理部315が実行することによって、第5の画像を得る。
【0134】
図8(h)は、本ステップにおいて得られる第5の画像I5を示す図である
【0135】
図8(h)に示すように、第5の画像I5を得る際においては、まず、図8(g)に示す第4の画像I4にて含まれる複数の図形Fa,Fbのそれぞれについて、面積を算出する。たとえば、近接する画素において画素値が1である画素が連続的に並んでいる部分を図形と判断し、その図形を構成する画素数を、図形の面積として算出する。
【0136】
その後、その算出した面積の値に基づいて、第4画像I4に含まれる図形を除去する処理を実行する。具体的には、第4の画像I4を構成する複数の図形において、算出された図形の面積が基準値以上か否かを判断する。そして、その図形の面積が、基準値以上であるときには第4の画像I4から、その図形を除去する。一方で、その図形の面積が、基準値未満であるときには、第4の画像I4に、その図形を残す。このようにすることによって、第5の画像I5を得る。つまり、面積の値が、予め定めた基準値よりも小さいときには、その図形が、失われたトポロジーを示す図形であると判断し、失われたトポロジーの情報を示すものであるとして、第5の画像I5を得る。
【0137】
つぎに、図6に示すように、第3の画像と第5の画像とについて、加算処理を実施することによって、抽出画像を得る(S81)。
【0138】
ここでは、第3の画像と第5の画像とを、第6画像処理部316が加算処理することによって、原画像において腫瘍を示す第1の図形が抽出された抽出画像を得る。
【0139】
図8(i)は、本ステップにおいて得られる抽出画像IEを示す図である
【0140】
図8(i)に示すように、この抽出画像IEを得る際においては、図8(f)に示す第3の画像I3と、図8(h)に示す第5の画像I5とにおいて、互いに対応する画素の画素値について、それぞれ加算するように演算処理を実行し、それぞれの画素の加算値を算出する。つまり、第1の図形F1のトポロジーの一部が失われた第3の図形F3を含む第3の画像I3に、その失われたトポロジーを示す図形を含む第5の画像I5を加算する。このために、ここでは、トポロジーが失われていない第1の図形F1が復元された抽出画像IEが生成される。
【0141】
つぎに、図6に示すように、抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する(S91)。
【0142】
ここでは、上記にて得られた抽出画像について、第7画像処理部317がセグメンテーション処理を実施する。
【0143】
本実施形態においては、復元された第1の図形F1に対応する画素について、画素値の平均値および標準偏差を算出し直すことによって、抽出画像について、たとえば、ファスト・マーチング・レベル・セット法にてセグメンテーション処理する。これにより、腫瘍と脳室とのように複数の図形が互いに連結された連結図形を有する原画像から、腫瘍のような抽出対象である一の図形が、適正に、かつ、効率的に、抽出されて、抽出画像が得られる。
【0144】
そして、上記のように各画像処理を実施することによって得た抽出画像を用いることによって、神経線維束と腫瘍とを示すフュージョン画像を表示する。ここでは、腫瘍を示す一の図形が、適正に、かつ、効率的に、抽出されて、抽出画像が得られているために、このフュージョン表示によって、神経線維束と腫瘍との位置関係が明確にされるため、手術計画が適確に実行される。
【0145】
以上のように、本実施形態においては、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、原画像であるDTI画像において、腫瘍と脳室とのそれぞれを示す互いに連結された複数の図形を分離可能であり、この分離の際に、抽出対象である腫瘍を示す図形においてトポロジーの一部が失われた場合であっても、上記の各画像処理を実行することによって、その失われたトポロジーの一部が復元される。このため、本実施形態は、複数の図形が互いに連結された連結図形を有する原画像から、抽出対象である一の図形が抽出された抽出画像を、適正に、かつ、効率的に得ることができる。したがって、本実施形態は、適正に抽出対象が抽出された抽出画像を用いて、神経線維束と腫瘍とを表示するフュージョン表示を、適確に実施することが可能であるので、神経線維束と腫瘍との位置関係を明確に把握可能であって、手術計画を効率的に実行することができる。特に、本実施形態においては、DTI画像を得るためのスキャンの実施以外に、スキャンを実施する必要がないので、本効果を顕在化させることができる。
【0146】
なお、上記の実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1は、本発明の磁気共鳴イメージング装置に相当する。また、上記の実施形態において、データ処理部31は、本発明の画像処理装置に相当する。また、上記の実施形態において、第1画像処理部311は、本発明の第1画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、第2画像処理部312は、本発明の第2画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、第3画像処理部313は、本発明の第3画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、第4画像処理部314は、本発明の第4画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、第5画像処理部315は、本発明の第5画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、第6画像処理部316は、本発明の第6画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、第7画像処理部317は、本発明の第7画像処理部に相当する。また、上記の実施形態において、関心領域設定部321は、本発明の関心領域設定部に相当する。
【0147】
また、本発明の実施に際しては、上記した実施形態に限定されるものではなく、各発明特定事項を、置換または組み合わせするなど、種々の変形例を採用することができる。
【0148】
たとえば、本実施形態においては、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを実行する処理回数が、オペレータによって入力された指令に基づいて設定され実行される場合について示しているが、これに限定されない。たとえば、所定の基準を予め定めて、本処理回数を自動設定するように構成してもよい。
【0149】
また、磁気共鳴信号に基づいて被検体の頭部について生成されたDTI画像を原画像として、本実施形態における画像処理を実施しているが、これに限定されない。たとえば、被検体の他の部位について生成された画像について適用してもよい。また、X線CT装置にてスキャンが実施されることで得られた投影データや、超音波画像診断装置でのスキャンの実施にて得たエコー信号などを、ローデータとして生成された画像について、適用してもよい。
【0150】
また、抽出画像を得た後に、再度、その抽出画像についてセグメンテーション処理を実行する場合について示しているが、これに限定されない。たとえば、抽出画像についてセグメンテーション処理を実行しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態において、磁気共鳴イメージング装置1の構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31の要部を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明にかかる実施形態において、データ処理部31を構成する各部が実行する画像処理の内容を説明するために、各部にて画像処理が実行された後の画像を、概念的に示す図である。
【図4】図4は、本発明にかかる実施形態において、図3に続いて、データ処理部31を構成する各部が実行する画像処理の内容を説明するために、各部にて画像処理が実行された後の画像を、概念的に示す図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態において、イロージョン処理を実施する際に用いる近傍パターンを示す図である。
【図6】図6は、本発明にかかる実施形態において、原画像について画像処理を実行し、抽出画像を生成する際の動作を示すフロー図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態において、原画像について画像処理を実行し、抽出画像を生成する際の各ステップにて順次得られる画像を示す図である。
【図8】図8は、本発明にかかる実施形態において、図7に続いて、原画像について画像処理を実行し、抽出画像を生成する際の各ステップにて順次得られる画像を示す図である。
【符号の説明】
【0152】
1:磁気共鳴イメージング装置(磁気共鳴イメージング装置)、
2:スキャン部、
3:操作コンソール部、
12:静磁場マグネット部、
13:勾配コイル部、
14:RFコイル部、
14a:第1RFコイル、
14b:第2RFコイル、
15:クレードル、
22:RF駆動部、
23:勾配駆動部、
24:データ収集部、
30:制御部、
31:データ処理部(画像処理装置)、
32:操作部、
33:表示部、
34:記憶部、
301:画像生成部、
311:第1画像処理部(第1画像処理部)、
312:第2画像処理部(第2画像処理部)、
313:第3画像処理部(第3画像処理部)、
314:第4画像処理部(第4画像処理部)、
315:第5画像処理部(第5画像処理部)、
316:第6画像処理部(第6画像処理部)、
317:第7画像処理部(第7画像処理部)、
321:関心領域設定部(関心領域設定部)、
B:撮像空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施することによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像を生成する画像処理装置であって、
前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理部と、
前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理部と、
前記第2画像処理部によって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理部と、
前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理部によって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理部と、
前記第4画像処理部によって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理部と、
前記第3画像処理部によって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理部によって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理部と
を有する
画像処理装置。
【請求項2】
前記原画像において前記第1の図形に対応するように関心領域を設定する関心領域設定部
を有し、
前記第3画像処理部は、前記関心領域設定部によって前記原画像にて前記関心領域が設定された位置情報に基づいて、前記第2の画像において前記第3の図形を前記第1の図形に対応するように選択的に抽出する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記関心領域設定部は、オペレータからの指令に基づいて前記関心領域を設定する、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第6画像処理部によって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する第7画像処理部
を有する、
請求項1から3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とする、
請求項1から4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
拡散テンソルイメージング法により被検体において腫瘍と前記腫瘍の近傍にある脳室とを含む撮像領域についてスキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とし、当該原画像において、前記第1の図形が前記腫瘍に対応しており、前記第2の図形が前記脳室に対応している、
請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施することによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像を生成する画像処理方法であって、
前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理ステップと、
前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理ステップと、
前記第2画像処理ステップによって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理ステップと、
前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理ステップと、
前記第4画像処理ステップによって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理ステップと、
前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理ステップによって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理ステップと
を有する
画像処理方法。
【請求項8】
前記原画像において前記第1の図形に対応するように関心領域を設定する関心領域設定ステップ
を有し、
前記第3画像処理ステップにおいては、前記関心領域設定ステップによって前記原画像にて前記関心領域が設定された位置情報に基づいて、前記第2の画像において前記第3の図形を前記第1の図形に対応するように選択的に抽出する、
請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記関心領域設定ステップにおいては、オペレータからの指令に基づいて前記関心領域を設定する、
請求項8に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記第6画像処理ステップによって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する第7画像処理ステップ
を有する、
請求項7から9のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項11】
磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とする、
請求項7から10のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項12】
拡散テンソルイメージング法により被検体において腫瘍と前記腫瘍の近傍にある脳室とを含む撮像領域についてスキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて生成された画像を、前記原画像とし、当該原画像において、前記第1の図形が前記腫瘍に対応しており、前記第2の図形が前記脳室に対応している、
請求項11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
被検体の撮像領域についてスキャンを実施することによって得られる磁気共鳴信号に基づいて、第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像を生成した後に、前記原画像について画像処理を実施することによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像を生成する磁気共鳴イメージング装置であって、
前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理部と、
前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理部と、
前記第2画像処理部によって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理部と、
前記第1画像処理部によって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理部によって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理部と、
前記第4画像処理部によって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理部と、
前記第3画像処理部によって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理部によって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理部と
を有する
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項14】
前記原画像において前記第1の図形に対応するように関心領域を設定する関心領域設定部
を有し、
前記第3画像処理部は、前記関心領域設定部によって前記原画像にて前記関心領域が設定された位置情報に基づいて、前記第2の画像において前記第3の図形を前記第1の図形に対応するように選択的に抽出する、
請求項13に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項15】
前記関心領域設定部は、オペレータからの指令に基づいて前記関心領域を設定する、
請求項14に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項16】
前記第6画像処理部によって得られた抽出画像についてセグメンテーション処理を実施する第7画像処理部
を有する、
請求項13から15のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項17】
拡散テンソルイメージング法により被検体において腫瘍と前記腫瘍の近傍にある脳室とを含む撮像領域についてスキャンを実施することによって得られた前記磁気共鳴信号に基づいて、前記原画像を生成し、当該原画像において、前記第1の図形が前記腫瘍に対応しており、前記第2の図形が前記脳室に対応している、
請求項13から16のいずれかに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項18】
第1の図形と前記第1の図形に連結された第2の図形とを含む連結図形を有する原画像について画像処理を実施させることによって、前記第1の図形が抽出された抽出画像をコンピュータに生成させるプログラムであって、
前記原画像についてセグメンテーション処理を実施することによって、前記原画像において前記連結図形が選択的に抽出された第1の画像を得る第1画像処理ステップと、
前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像に含まれる前記連結図形において前記第1の図形と前記第2の図形とを分離するように、モルフォロジ演算におけるイロージョン処理とディレーション処理とを順次実施することによって、前記連結図形において前記第2の図形から分離された第3の図形と前記第1の図形から分離された第4の図形とを含む第2の画像を得る第2画像処理ステップと、
前記第2画像処理ステップによって得られた前記第2の画像において前記第3の図形を選択的に抽出するようにセグメンテーション処理をすることによって、第3の画像を得る第3画像処理ステップと、
前記第1画像処理ステップによって得られた前記第1の画像と、前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3の画像とを差分処理することによって、第4の画像を得る第4画像処理ステップと、
前記第4画像処理ステップによって得られた前記第4の画像に含まれる図形において、当該図形の大きさが基準値以上か否かを判断し、前記基準値以上であるときには前記第4の画像から当該図形を除去し、前記基準値未満であるときには前記第4の画像に当該図形を残すように前記第4の画像について処理することによって、第5の画像を得る第5画像処理ステップと、
前記第3画像処理ステップによって得られた前記第3画像と、前記第5画像処理ステップによって得られた前記第5の画像とを加算処理することによって、前記抽出画像を得る第6画像処理ステップと
を、前記コンピュータに実施させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−183022(P2008−183022A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16464(P2007−16464)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】