説明

画像形成装置

【解決課題】 多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、画像濃度を安定させることが可能な、かつ画像欠陥を未然に防ぐことが可能なな画像形成装置を提供することを第1の課題とする。
【解決手段】 所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成して課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に環境変動や現像剤及び静電潜像担持体等の累積的使用にかかわらず、常に画像濃度を安定させ、かつ、画像欠陥のない良好な状態を安定的に維持することが可能な画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体ドラムの表面を、帯電器によって一様に帯電した後、当該感光体ドラムの表面に露光手段によって画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成する。そして、上記画像形成装置では、感光体ドラム上に形成された静電潜像を、所定の現像バイアスが印加される現像装置によって現像し顕像化して、当該顕像化された現像像を、記録用紙上に転写・定着することにより、画像を形成するように構成されている。
【0003】ところで、上記画像形成装置においては、湿度や温度等の環境条件の変化や、現像剤及び感光体ドラムの劣化などによって、画像濃度の変動やカブリ、あるいは画像の抜け等の画像欠陥が発生する。
【0004】例えば、現像装置で使用されるキャリアとトナーからなる二成分の現像剤におけるトナーの帯電量は、図15に示すように、湿度の変動に応じて変化し、低湿時は高帯電となり、高湿時は低帯電となる。このように、湿度の変動に応じてトナーの帯電量が変化すると、当該トナー帯電量の変化に応じて、図16に示すように、画像濃度が変化し、低湿時はトナーが高帯電となるため、画像濃度の濃度低下を招き、逆に、高湿時はトナーが低帯電となるため、画像濃度の上昇を招く。
【0005】また、帯電器により均一帯電される感光体ドラムの表面電位は、図17に示すように、温度変化や累積的な使用量(画像形成のサイクル数)に応じて変化し、低温時は低電位となって地肌のカブリを招き、高温時は高帯電となって地肌のカブリやキャリアの付着を招く。これは、温度の変化等に応じて、感光体ドラムの表面電位が変動すると、図18に示すように、感光体ドラムと現像ロールの表面電位(現像バイアス)との差で決定されるクリーニング電位(Vcln)が、低くなりすぎたり高くなりすぎ、図19に示すように、いずれの場合にも地肌のカブリが増加するためであり、また、高くなりすぎた時には、キャリアが感光体ドラム上に付勢される力が強くなり、付着しやすくなるためである。
【0006】さらに、均一帯電された感光体ドラムの表面に、画像露光を施すことにより書き込んだ画像部の電位は、感光体ドラムがもつ光感度が温度変動に応じて変化するため、高温時は、感光体ドラムの感度が上昇して低電位となり、画像濃度の上昇やキャリアの付着を招き、低温時は、感光体ドラムの感度が低下して高電位となり、画像濃度の低下を招く。
【0007】このように、上記画像形成装置においては、湿度や温度等の環境条件の変化や、現像剤及び感光体ドラムの劣化などによって、画像濃度の変動やカブリ、あるいは画像の抜け等の画像欠陥が発生するという問題点を有している。
【0008】そこで、上記の問題点を解決するため、特開平5−150653号公報においては、感光体の表面電位を検出する表面電位検出器と、現像槽内の現像剤のトナ濃度を検出するトナー濃度検出器と、現像剤の抵抗値を検出する現像剤抵抗値検出器と、トナー像が形成される感光体あるいは転写体の画像濃度を検出する画像濃度検出器と、前記現像剤抵抗値検出器および画像濃度検出器の出力によりトナーの帯電量変化を検知してトナー濃度および感光体の表面電位を変化させ画像濃度を安定させる画像濃度制御装置とが設けられ、該画像濃度制御装置は、前記現像剤抵抗検出器の出力値を基準抵抗値と比較する現像剤抵抗値比較手段と、前記画像濃度検出器の出力値を基準画像濃度と比較する画像濃度比較手段と、これらの比較結果によりトナーの帯電量の変化を判断するトナー帯電量検知手段と、トナー帯電量が多いと判断されたときトナー帯電量が適正となるようにトナー濃度を上昇させるトナー補給手段と、トナー帯電量が適正と判断されたとき画像濃度が基準濃度となるように感光体の表面電位を変化させる感光体帯電手段と、を有し、画像濃度の変化の原因を推定して、その原因を改善することにより画像濃度を安定させるように構成した画像形成装置が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平5−150653号公報に係る画像形成装置の場合には、画像濃度の変化の原因を推定して、その原因を改善することにより画像濃度を安定させるために、トナー濃度検出器、表面電位検出器、現像剤抵抗検出器、画像濃度検出器からなる多数の検出器を使用しており、装置のコストが大幅に上昇するという問題点を有している。
【0010】これに対して、従来から既に確立された技術としては、特公昭43−16199号公報に開示されているように、トナー補給制御を潜像担持体上の基準電位を現像した像濃度を画像濃度検出器で読み取り、その検出結果に応じてトナーの補給を制御するすることにより、トナー濃度検出器を設けずにトナー濃度を制御するものが挙げられる。
【0011】また、特開平3−122682号公報においては、像担持体上の静電潜像を現像して画像の形成を行い、かつ前記像担持体に検知用静電潜像を形成し、この検知用静電潜像を現像して検知用顕像として顕像化した後、検知用顕像のトナー付着量をセンサで検知して、このセンサからの検知信号により、前記画像形成の条件を制御する画像形成制御方法において、前記検知用静電潜像の現像時の現像能力を、通常の画像形成時の現像能力よりも小さくすることで、電位変動による像濃度変化を小さくし、画像形成条件の設定ミスを最小にする方法が開示されている。
【0012】しかしながら、上記特公昭43−16199号公報及び特開平3−122682号公報に開示された技術の場合には、いずれも次のような問題点を有している。
【0013】すなわち、上記特公昭43−16199号公報及び特開平3−122682号公報に開示された技術の場合には、いずれも、像担持体上に形成された画像濃度を検出し、この検出された画像濃度を基準にして、トナー補給を制御するため、トナーの帯電量が湿度変動や現像剤の劣化等に応じて変化すると、トナー濃度を変化させて画像濃度をあわせてしまう。そのため、上記提案に係る技術の場合には、低湿時にトナーが高帯電となり画像濃度が低下すると、トナー濃度を上昇させて、画像濃度を上昇させるように制御し、高湿時にトナーが低帯電となり画像濃度が上昇すると、トナー濃度を低下させて画像濃度を低下させるように制御することになる。
【0014】その結果、低湿時にトナー濃度を上昇させると、現像剤の流動性の変化等によって、現像ロール上の現像剤量が低下し、例えば部分的な濃度低下による濃度ムラや画像抜けを招くという問題点が生じる。
【0015】また、高湿時にトナー濃度を低下させると、トナー濃度の低下に伴い相対的に画像部にキャリアが付着し易くなり、キャリアが付着した部分の画像は、記録用紙等の記録媒体に転写されないことがあるため、局部的な濃度ムラや画像抜けを招くという問題点が生じる。
【0016】また、感光体ドラムは、使用され続けることにより、表面の感光体層の薄膜が磨耗して膜減りを起こし、膜減りが発生すると、感光体ドラムの表面電位が一定に保たれていても、現像部の電界強度が上昇するため、画像濃度が高くなる。そのため、トナー補給装置を制御して画像濃度をあわせると、トナー濃度を低下させてしまうことになる。そのため、画像部にキャリアが付着し易くなり、キャリアが付着した部分の画像は、記録用紙等の記録媒体に転写されないことがあるため、局部的な濃度ムラや画像抜けを招くという問題点が生じる。
【0017】更に、上記特開平3−122682号公報においては、検知用静電潜像の現像時の現像能力を、通常の画像形成時の現像能力よりも小さくすることで、電位変動による像濃度変化を小さくし、画像形成条件の設定ミスを最小にするように構成しているが、本発明者らの実験によれば、このように、検知用静電潜像の現像時の現像能力を、通常の画像形成時の現像能力よりも小さくすると、逆に電位変動による像濃度変化が大きくなり、画像形成条件の設定ミスがかえって拡大することが確認されている。
【0018】そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その第1の目的とするところは、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、画像濃度を安定させることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0019】また、この発明の第2の目的とするところは、湿度や温度等の環境が変動した場合でも、画像濃度を安定して制御することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0020】さらに、この発明の第3の目的とするところは、現像剤や感光体ドラム等の像担持体の使用履歴にかかわらず、画像濃度を安定させることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0021】また更に、この発明の第4の目的とするところは、像担持体の電位変動による像濃度変化を小さくして、確実に画像形成条件の設定ミスを最小にすることが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記帯電手段の印加電圧及び現像バイアスの少なくとも一方を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成したものである。
【0023】また、請求項2に記載された発明は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記静電潜像担持体の累積使用量を検出する累積使用量検出手段と、前記帯電手段の印加電圧及び現像バイアスの少なくとも一方を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記静電潜像担持体の累積使用量に応じて変更するように構成したものである。
【0024】さらに、請求項3に記載された発明は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記現像剤の現像手段における累積使用量を検出する累積使用量検出手段と、前記帯電手段の印加電圧及び現像バイアスの少なくとも一方を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値と現像剤の現像手段における累積使用量に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成したものである。
【0025】また更に、請求項4に記載された発明は、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差の変更を、静電潜像担持体の表面電位を変えることにより行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置である。又、請求項5に記載された発明は、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差の変更を、現像バイアスを変えることにより行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置である。
【0026】さらに、請求項6に記載された発明は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段による露光条件を制御する露光制御手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段とを備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記湿度検出手段の検出結果に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更するように構成したものである。
【0027】更にまた、請求項7に記載された発明は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段による露光条件を制御する露光制御手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記静電潜像担持体の累積使用量を検出する累積使用量検出手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記静電潜像担持体の累積使用量に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更するように構成したものである。
【0028】また、請求項8に記載された発明は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段の出力を制御する手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段による露光条件を制御する露光制御手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記現像手段における現像能力を制御する現像能力制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体を現像するときの現像能力を、画像情報に基づいた画像を現像するときよりも向上させるように構成したものである。
【0029】
【作用】請求項1に記載された発明においては、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成したので、トナー補給制御は、濃度検出手段の出力に応じて行われるため、トナー濃度検出器や現像剤抵抗値検出器が不用となり、コストアップを抑えることができる。
【0030】また、請求項1に記載された発明においては、静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成したので、湿度変動に伴ってトナー濃度が不本位に変動するのを防止することができ、画像濃度を安定化させることができるとともに、画像欠陥の発生を防止できる。
【0031】さらに、請求項2に記載された発明においては、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記静電潜像担持体の累積使用量に応じて変更するように構成したので、静電潜像担持体の累積使用量に伴ってトナー濃度が不本位に変動するのを防止することができ、画像濃度を安定化させることができるとともに、画像欠陥の発生を防止できる。
【0032】又、請求項3に記載された発明においては、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値と現像剤の現像手段における累積使用量に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成したので、請求項1の作用に加えて、現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値と現像剤の現像手段における累積使用量に応じてトナー補給を制御することにより、現像剤の劣化により発生する問題は、トナー補給制御を、濃度検出手段の濃度検出結果と現像剤の現像手段における累積使用量とに応じて行うことで、トナー濃度変動を最小化して解決することができる。
【0033】更に、この発明では、上記請求項1〜3に記載の濃度検出を露光を介さずに行うので、静電潜像担持体の光感度の変動による電位変動の影響を受けることなく制御を行うことができる。
【0034】さらに、請求項6、7に記載の発明においては、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記湿度検出手段の検出結果、又は静電潜像担持体の累積使用量に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更するように構成したものである。
【0035】そのため、湿度変動等による画像濃度の変動が大きいことに対して、制御により電位差を変化させる量が大きくなることの危険、具体的には画像濃度が低下した時、露光量を上げすぎることで画像部へのキャリア付着等が発生しやすくなり、画像濃度が上昇した時、露光量を下げすぎることで細線カスレ等が発生しやすくなるという問題点に対して、本発明においては、露光量に上限と下限を設定する手段を設け、上限と下限の設定値を静電潜像担持体の累積使用量、及び湿度に応じて変更することで解決できる。
【0036】更に、請求項8に記載の発明においては、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御する際、前記静電潜像担持体を現像するときの現像能力を、画像情報に基づいた画像を現像するときよりも向上させるように構成したものである。
【0037】そのため、トナー補給制御を濃度検出手段の出力に応じて行う場合に、静電潜像担持体を現像するときの現像能力を、画像情報に基づいた画像を現像するときよりも向上させることにより、静電潜像担持体の電位変動に伴う現像像の濃度変動を小さくすることができ、確実に画像形成条件の設定ミスを最小にすることが可能となる。
【0038】以上のように、請求項1〜5において、トナー補給を制御するための画像形成を静電潜像担持体の表面電位と、現像バイアスとの電位差のみで行い、静電潜像担持体の光感度のバラツキを防止し、請求項6、7において、光量に適切な上下限値を設けることで、光感度のバラツキによる画像部電位変動による画像欠陥発生の危険を最小化し、請求項8において、電位変動に伴うトナー補給の制御ミスの危険を最小化したので、表面電位検出器による表面電位(非画像部電位、画像部電位)制御は不用となる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0040】実施の形態1図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのフルカラープリンタ装置を示すものである。
【0041】図2において、1は像担持体としての感光体ドラムを示すものであり、この感光体ドラム1は、図示しない駆動手段で矢印2方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。上記感光体ドラム1の表面は、帯電器としての帯電ロール3によって所定の電位に一様に帯電された後、ROS(Raster Output Scanner)等からなる露光装置4によって、フルカラーの画像を形成する場合には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像が順次露光され、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム1の表面に形成された所定の色の静電潜像は、回転式現像装置5の対応する色の現像器5Y、5M、5C、5Kによって現像され、所定の色のトナー像となる。この回転式現像装置5は、フルカラーの現像を行うため、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の現像器5Y、5M、5C、5Kを備えており、各現像器5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ感光体ドラム1上の潜像をイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナーで現像する。各色のトナーを現像する際には、図示しないモータによって回転式現像装置5を矢印R方向(時計回り方向)に回転させ、該当する色の現像器5Y、5M、5C、5Kが、感光体ドラム1と対向する現像位置に位置合わせされる。なお、上記感光体ドラム1上には、プロセスコントロールモードにおいて、テストチャートが形成され、このテストチャートの濃度が濃度センサ6によって検出されるようになっている。また、上記感光体ドラム1上に現像された各色のトナー像は、一次転写ロール7によって中間転写体としての中間転写ベルト9上に順次転写され、4色のトナー像が互いに重ね合わされる。上記中間転写ベルト9は、駆動ロール10と、アイドルロール11と、バックアップロール12と、アイドルロール13とによって、回動可能に張架されている。駆動ロール10は、図示しない定速性に優れた駆動モータによって駆動され、中間転写ベルト9を所定の速度で回転駆動するものである。
【0042】上記中間転写ベルト9上に多重に転写された4色のトナー像は、記録媒体としての記録用紙P上に、バックアップロール12と中間転写ベルト9を介して圧接する二次転写ロール14によって一括して転写される。この記録用紙Pは、プリンタ装置本体内の下部に設けられた2つの給紙カセット16、17のうちの何れかから、給紙ロール18又は19によって給紙され、複数の搬送ロール対20、21を介して、レジストロール対22へと搬送され、一旦停止される。その後、上記記録用紙Pは、中間転写ベルト9上に転写されたトナー像と同期して回転を開始するレジストロール対22によって、バックアップロール12と二次転写ロール14が中間転写ベルト9を介して互いに圧接する2次転写位置へと搬送される。そして、上記記録用紙P上には、2次転写位置において中間転写ベルト9上から4色のトナー像が一括して転写された後、記録用紙Pは、定着器23で熱及び圧力によって定着処理を受け、装置本体側面の排出トレイ24、あるいは装置本体上部に設けられた排出トレイ25上に、図示しない切り替えゲートによって切り替えられ、排出される。
【0043】なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム1は、クリーニングブレード等からなるクリーニング装置8によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程等に備える。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト9は、アイドルロール13と対向するベルトクリーナー15によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0044】上記感光体ドラム1又は中間転写ベルト9からクリーニング装置8及びベルトクリーナー15で掻き落とされた廃トナーは、廃トナー回収容器26に回収される。特に、ベルトクリーナ15から回収された廃トナーは、輸送管27内をオーガや搬送スクリュー等からなる搬送手段によって廃トナー回収容器26まで搬送される。
【0045】図3は、前記回転式現像装置5の一具体例を示す断面図である。
【0046】この回転式現像装置5は、図3に示すように、中央に位置する回転軸32を中心にして、時計回り方向に回転可能な回転体30を備えている。この回転体30は、略正方形状に形成された中央部33と、この中央部33から略半径方向に伸び、互いに90度の角度を成すように設けられた4本のアーム31とを備えている。上記回転体30のアーム31には、図示されていない装着手段により、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器5Y、5M、5C、5Kが実装されている。
【0047】これらの現像器5Y、5M、5C、5Kは、すべて同様に構成されているので、ここでは、イエロー(Y)の現像器5Yを例にして説明すると、このイエロー(Y)の現像器5Yは、大きく分けて、現像器本体40と現像剤カートリッジ50とから構成されている。
【0048】現像器本体40の内部には、紙面に垂直な方向に長尺な現像ロール41と、この現像ロール41の背面側に位置し、当該現像ロール41と平行に延びる2本のスパイラルオーガ42、43が配設されている。ここで、現像ロール41が回転すると、スパイラルオーガ42は、現像器40内に収容されている現像剤44を紙面と垂直な一方向に攪拌しながら搬送するものである。一方、スパイラルオーガ43は、スパイラルオーガ42の搬送方向とは逆方向に現像剤44を攪拌しながら搬送して、現像剤44を現像ロール41に均等に供給するものである。
【0049】現像ロール41は、内部に配設される図示しないマグネットロールによって、現像剤44中に含まれるキャリアを磁力で吸着し、当該現像ロール41の表面に現像剤44の磁気ブラシを形成し、キャリアに吸着したトナーを感光体ドラム1と対向する現像領域へと搬送する。そして、感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像ロール41の表面に形成されたキャリアとトナーとからなる現像剤44の磁気ブラシによって顕像化されるようになっている。
【0050】現像剤カートリッジ50は、紙面に垂直な方向に長尺な円筒状の容器からなり、当該現像剤カートリッジ50の内部は、新しい現像剤の収容室と、劣化した現像剤の回収室とに区分されている。新しい現像剤収容室には、現像器本体が画像形成にトナーを使用することでトナーが減少する都度、補給するためのトナーと、劣化した現像剤と入れ換えるために供給する新しいキャリアが充填されている。新しい現像剤の収容室には、図示されていない供給口が設けられており、当該供給口は、新現像剤を現像器本体40に導くための略円筒状のケーシング51と連通している。この円筒状のケーシング51は、現像器本体40の背面側の上部に設けられている。上記ケーシング51内には、スパイラルオーガ52が配設されており、現像剤カートリッジ50から補給される現像剤44は、このスパイラルオーガ52によって、現像器本体40の背面側の上面に設けられた供給口53へと導かれ、現像器本体40内に供給される。上記現像器本体40の供給口53の下端部に位置する出口には、フラップ54が開閉自在に設けられており、現像器5Yが図3の現像位置Dにあるときは開いている。一方、上記フラップ54は、現像器5Yが図3の位置F又は位置Gにあるときは、自重で閉じるようになっている。
【0051】現像剤カートリッジ50の劣化現像剤回収室55には、周回する回収通路56が設けられており、該回収通路56には、略L字形状に折曲された排出管57が接続されている。上記排出管57は、現像器本体40の略中央の上部に配設されており、当該排出管57の先端(図3中、下端)に位置する回収口58は、現像器本体40内に位置している。この回収口58は、新現像剤の供給口53より前面側に位置しており、しかも現像器本体40の天井壁の部分に開口されている。そして、上記供給口53から供給される新現像剤44は、スパイラルオーガ42、43によって攪拌・搬送され、現像器本体40内を循環する間に、現像ロール41へ供給されて現像に寄与する。また、上記現像器本体40内を循環する間に現像工程に寄与した旧現像剤44は、現像器本体40が図3中の位置E又は位置Fにあるときに、回収口58によって現像剤カートリッジ50の劣化現像剤回収室55内に回収通路56を介して回収されるようになっている。
【0052】このように構成される現像器5Yと同様に構成された現像器5M、5C、5Kを有するロータリー方式の現像アセンブリ5は、現像器本体40が感光体ドラム1と対向する現像位置であるD位置に来たときに、フラップ54は、自重で供給口53を開放しており、スパイラルオーガ52を回転駆動することにより、必要に応じて新現像剤44が現像器本体40内に補給される。そして、現像器本体40による感光体ドラム1上の静電潜像の現像が終了し、回転体30が時計回り方向に回転して、現像器本体40がD位置から右下のE位置に来ると、図示されているようにフラップ54は半開きになると共に、回収口58が上方を向き、排出管57によって搬送される旧現像剤が現像器本体40内へ逆流せずに、回収通路56の方に流れる。この劣化現像剤Cは、現像器本体40が左下のF位置から左上のG位置に至るまでに、回収通路56を通って劣化現像剤回収室55へと回収される。このように、周回する回収通路56を設けることによって、回収される現像剤Cが現像器本体40内へ逆流するのを防止することができる。また、この間フラップ54は閉じられて、新しい現像剤の搬送経路に現像器本体の現像剤が逆流することを防止している。
【0053】一方、現像器本体40が左上のG位置から右上の現像位置であるD位置に至る途中で、現像剤カートリッジ50内に設けられた図示されていないアジテータの作用により、新現像剤44は、ケーシング51へと送られ、該ケーシング51内のスパイラルオーガ52によって供給口53へと導かれる。このとき、フラップ54は、再び供給口53を開放しているので、新現像剤44は、供給口53を通って現像器本体40内に補給されるようになっている。
【0054】ところで、この実施の形態では、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成されている。なお、この実施の形態1は、請求項1に係るトナーの補給を湿度に応じて変更する発明と、請求項2に係るトナーの補給をドラムサイクルに応じて変更する発明の双方の実施の形態を含むものである。
【0055】図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのフルカラープリンタ装置の制御回路を示すものである。
【0056】図1において、60はフルカラープリンタ装置の画像形成条件を制御する種々の制御手段としての機能を兼ねた制御部、61はフルカラープリンタ装置内の湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ、62はフルカラープリンタ装置内の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ、63は帯電ロール3に所定の高電圧を印加するとともに、現像器5の現像ロール41に所定の現像バアイスを印加する高圧電源、64は感光体ドラム上に形成された現像像の濃度を検出する濃度検出手段としてのADC(Auto Density Control)センサ、65は感光体ドラム1の累積的使用量を検出する感光体カウンタ、66は現像剤の現像器5における累積的使用量を検出する現像器カウンタを、それぞれ示すものである。
【0057】以上の構成において、この実施の形態1に係るフルカラープリンタ装置では、次のようにして、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、湿度や温度等の環境が変動したり、現像剤や感光体ドラム等の像担持体の使用履歴にかかわらず、画像濃度を安定させることが可能となっている。
【0058】すなわち、この実施の形態に係るフルカラープリンタ装置では、画像情報に応じた画像形成に先立って、または連続した画像形成の所定枚数毎に、あるいは画像形成の終了後等の適宜なタイミングで、次のような画像濃度制御動作が行われる。
【0059】この画像濃度制御動作では、先ず、図4のステップ101に示すように、湿度センサ61により装置内の環境湿度EHが検出される。装置内の湿度検出は、湿度センサ61により装置内の湿度を、500ms間隔で4回サンプリングし、その平均値を検出湿度とすることにより行われる。
【0060】次に、上記制御部60は、装置内の検出湿度EHが所定の値(センサ湿度で50%)以上か否かを判別し(ステップ102)、装置内の検出湿度EHが所定の値以上の場合には、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ロール3に印加する電圧の補正値ΔVBCRTCを、次式に基づいて演算する(ステップ103)。
ΔVBCRTC_EH=(EH−62)/VBCRTC_highEH_ADJUSTここで、EHは、環境湿度を意味し、VBCRTC_highEH_ADJUSTは補正のための係数であり、補正値ΔVBCRTCは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0061】一方、装置内の検出湿度EHが所定の値未満の場合には、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ロール3に印加する電圧の補正値ΔVBCRTCを、次式に基づいて演算する(ステップ104)。
ΔVBCRTC_EH=(EH−62)/VBCRTC_lowEH_ADJUSTここで、VBCRTC_lowEH_ADJUSTは、補正のための係数である。
【0062】その後、制御部60は、上記の如く演算された補正値ΔVBCRTCが、所定の上限値ΔVBCRTC_EH_UPRを越えているか、又は所定の下限値ΔVBCRTC_EH_LWR未満かどうかを判別し(ステップ105、106)、演算された補正値ΔVBCRTCが、所定の上限値ΔVBCRTC_EH_UPR以下であるか、又は所定の下限値ΔVBCRTC_EH_LWR以上である場合には、演算された補正値ΔVBCRTCをそのまま補正値とし(ステップ107)、演算された補正値ΔVBCRTCが、所定の上限値ΔVBCRTC_EH_UPRを越えているか、又は所定の下限値ΔVBCRTC_EH_LWR未満である場合には、演算された補正値ΔVBCRTCの代わりに、所定の上限値ΔVBCRTC_EH_UPR、又は所定の下限値ΔVBCRTC_EH_LWRを補正値とする(ステップ108、109)。
【0063】次に、制御部60は、感光体カウンタ65により感光体ドラム1のサイクル数(累積回転数)を読み出し(ステップ110)、感光体ドラム1のサイクル数に応じて、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ロール3に印加する電圧の補正値ΔVBCRTC_DRUMを、次式に基づいて演算する(ステップ111)。
ΔVBCRTC_DRUM=(DRUM_CYCLE/1000)/VBCRTC_DRUM_ADJUSTここで、DRUM_CYCLEは、感光体ドラム1の累積回転数を意味し、VBCRTC_DRUM_ADJUSTは、補正のための係数であり、補正値ΔVBCRTC_DRUMは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0064】そして、制御部60は、上記の演算された湿度に応じた帯電ロール3の印加電圧の補正値ΔVBCRTC_EHと、感光体ドラム1の累積回転数に応じた帯電ロール3の印加電圧の補正値ΔVBCRTC_DRUMに基づいて、帯電ロール3に印加する電圧VBCR_TCSを演算する(ステップ112)。
VBCR_TCS=VBCR_TCI+ΔVBCRTC_EH+ΔVBCRTC_DRUMここで、VBCR_TCIは基準となるBCR印加電圧であり、帯電ロールに印加する電圧VBCR_TCSは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0065】その後、制御部60は、上記の如く演算された帯電ロール3の印加電圧VBCR_TCSに応じて、高圧電源63によって帯電ロール3に当該印加電圧VBCR_TCSを印加して、感光体ドラム1の表面を所定の幅に渡って帯電する(例えば、VH =−500V)とともに、現像器5に所定の現像バイアス(例えば、VBIAS=−600V)を印加し、感光体ドラム1の表面を帯状に現像する。
【0066】そして、制御部60は、図5に示すように、上記現像器5に所定の現像バイアスVBIAS_TCを印加してから、所定時間ADCLEDON_TCの経過を待って、ADCセンサ64の発光素子であるLEDをONする(ステップ113)。その際、現像バイアスVBIASは、一旦90を出力し、所定時間だけ待ってVBIAS_TCはONし、150ms後に通常値に変更するとともに、帯電ロールの印加電圧VBCR_TCSをONしてから310ms後にその色のVBCR_TCSに設定する。
【0067】次に、制御部60は、100ms待機した後(ステップ114)、感光体ドラム1の表面を帯状に現像した現像像の濃度を、ADCセンサ64によって10ms間隔で5回検出して(ステップ115)、ADCセンサ64のLEDをOFFする(ステップ116)。
【0068】その後、制御部60は、現像像の濃度の検出値であるADCTC_VPATCHを次式に基づいて演算する(ステップ117)。
ADCTC_VPATCH=((ADCTC VPATCHの5回総和)−Max−Min)/3ここで、Maxは5回検出した現像像の濃度の最大値、Minは5回検出した現像像の濃度の最小値をそれぞれ示している。
【0069】引続き、制御部60は、現像器5へのトナーの補給量を決めるパラメータであるRADC_TCを、次式に基づいて演算する(ステップ118)。
RADC_TC=((ADCTC_VPATCH)/(ADC_VCLEN)×200ここで、ADC VCLENは、現像像を形成する前の感光体ドラム1表面におけるADCセンサ64の出力値である。
【0070】そして最後に、制御部60は、帯電ロール3への印加電圧VBCRを通常の値VBCRSに戻すとともに、現像器5の現像バイアスVBIASを通常の値VBIASSに戻して、画像濃度の制御動作を終了する(ステップ119)。なお、上記の制御動作は、各色の現像器の特性に合わせた設定値を用いて、色毎に行われる。
【0071】このように、上記実施の形態においては、湿度センサ61の検出結果に応じて、感光体ドラム1の表面電位を制御することで、相対的に低湿時には、感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を相対的に広げ、感光体ドラム1上に形成された帯状の現像像の濃度が濃くなるように制御する。また、相対的に高湿時には、感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を相対的に狭くして、感光体ドラム1上に形成された帯状の現像像の濃度が薄くなるように制御する。
【0072】そして、制御部60は、感光体ドラム1上の現像像の濃度を、ADCセンサ64によって検出し、当該ADCセンサ64による検出結果を予め設定した基準値と比較し、濃度が濃いと判断したときは、トナー補給制御手段(図示しない)により、引き続き行われる画像情報に応じた画像形成動作時のトナー補給装置の駆動量を本来の設定量に対して減少させるか、或いはトナー補給を行わずに不用の画像形成を行いトナー濃度を低下させる。
【0073】また、制御部60は、感光体ドラム1上の現像像の濃度が薄いと判断したときは、トナー補給制御手段(図示しない)により、引き続き行われる画像情報に応じた画像形成動作時のトナー補給装置の駆動量を本来の設定量に対して増加させるか、或いは画像形成動作に先立ってトナー補給装置を駆動し、トナー濃度を上昇させる。
【0074】そのため、相対的に低湿時には、感光体ドラム1上に形成される帯状の現像像の濃度が濃くなるように制御されるので、当該感光体ドラム1上の現像像の濃度が基準値よりも濃いと判断されると、現像器5内のトナー濃度が低下するように制御される。よって、従来のように何ら制御を行わないと、低湿時には、トナーが高帯電となり画像濃度が低下すると、トナー濃度を上昇させるように制御してしまい、現像ロール上の現像剤量が低下し、例えば部分的な濃度低下による濃度ムラや画像抜けを招くという問題点が生じることになる。これに対して、本発明の場合には、低湿時に、トナー濃度が低下するように制御されるので、現像ロール上の現像剤量が低下することがなく、例えば部分的な濃度低下による濃度ムラや画像抜けを招くという問題点が生じるのを確実に防止することができる。
【0075】一方、相対的に高湿時には、感光体ドラム1上に形成される帯状の現像像の濃度が薄くなるように制御されるので、当該感光体ドラム1上の現像像の濃度が基準値よりも薄いと判断されると、現像器5内のトナー濃度が上昇するように制御される。よって、従来のように何ら制御を行わないと、高湿時には、トナーが低帯電となり画像濃度が上昇すると、トナー濃度を低下させるように制御して、トナー濃度の低下に伴い相対的に画像部にキャリアが付着し易くなり、キャリアが付着した部分の画像は、記録用紙等の記録媒体に転写されないことがあるため、局部的な濃度ムラや画像抜けを招くという問題点が生じる。これに対して、本発明の場合には、高湿時に、現像器5内のトナー濃度が上昇するように制御されるので、トナー濃度の低下に伴い相対的に画像部にキャリアが付着し易くなり、キャリアが付着した部分の画像が記録用紙等に転写されない転写不良が発生するのを確実に防止することができる。
【0076】また、上記実施の形態では、感光体ドラム1の累積使用量に応じて、感光体ドラム1の表面電位を制御することで、感光体ドラム1の累積使用量が相対的に少ない場合には、感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を相対的に広げ、感光体ドラム1上に形成された帯状の現像像の濃度が濃くなるように制御される。また、感光体ドラム1の累積使用量が相対的に多くなった場合には、感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を相対的に狭くして、感光体ドラム1上に形成された帯状の現像像の濃度が薄くなるように制御される。
【0077】そして、制御部60は、感光体ドラム1上の現像像の濃度を、ADCセンサ64によって検出し、当該ADCセンサ64による検出結果を予め設定した基準値と比較し、濃度が濃いと判断したときは、トナー補給制御手段(図示しない)により、引き続き行われる画像情報に応じた画像形成動作時のトナー補給装置の駆動量を本来の設定量に対して減少させるか、或いはトナー補給を行わずに不用の画像形成を行いトナー濃度を低下させる。
【0078】また、制御部60は、感光体ドラム1上の現像像の濃度が薄いと判断したときは、トナー補給制御手段(図示しない)により、引き続き行われる画像情報に応じた画像形成動作時のトナー補給装置の駆動量を本来の設定量に対して増加させるか、或いは画像形成動作に先立ってトナー補給装置を駆動し、トナー濃度を上昇させる。
【0079】そのため、感光体ドラム1の累積使用量が多くなった場合には、感光体ドラム1上に形成される帯状の現像像の濃度が薄くなるように制御されるので、当該感光体ドラム1上の現像像の濃度が基準値よりも薄いと判断されると、現像器5内のトナー濃度が上昇するように制御される。よって、従来のように何ら制御を行わないと、感光体ドラム1は、使用され続けることにより、表面の感光体層の薄膜が磨耗して膜減りを起こし、膜減りが発生すると、感光体ドラム1の表面電位が一定に保たれていても、現像部の電界強度が上昇するため、画像濃度が高くなる。そのため、トナー補給装置を制御して画像濃度をあわせると、トナー濃度を低下させてしまうことになる。そのため、画像部にキャリアが付着し易くなり、キャリアが付着した部分の画像は、記録用紙等の記録媒体に転写されないことがあるため、局部的な濃度ムラが画像抜けを招くという問題点が生じる。これに対して、本発明の場合には、感光体ドラム1の累積使用量が相対的に多くなると、現像器5内のトナー濃度が上昇するように制御されるので、キャリア付着や、局部的な濃度ムラや画像抜けが発生するのを確実に防止することができる。
【0080】なお、上記実施の形態1では、環境の湿度に応じて感光体ドラムの表面電位と現像バイアスとの電位差を制御するように構成した部分のみ説明したが、感光体ドラム及び帯電ロールの特性に合わせて、環境の温度変化に応じた帯電性の変化に対する補正を加えることで、表面電位が所望の値になるように制御する構成を付加しても、効果上何ら変わりがないことは言うまでもない。
【0081】実施の形態2図6及び図7はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値と現像剤の現像手段における累積使用量に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更するように構成されている。
【0082】すなわち、この実施の形態2においては、図6及び図7に示すように、実施の形態1と同様に、ΔVBCRTC_EHを決定した後に、制御部60は、現像器カウンタ66により現像器5の累積使用量を読み出し(ステップ410)、現像器5の累積使用量に応じて、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ロール3に印加する電圧の補正値ΔVBCRTC_DEVEを、次式に基づいて演算する(ステップ411)。
ΔVBCRTC_DEVE=(DEVE_CYCLE/1000)/VBCRTC_DEVE_ADJUSTここで、DEVE_CYCLEは、現像器5の累積使用量を意味し、VBCRTC_DEVE_ADJUSTは、補正のための係数であり、補正値ΔVBCRTC_DEVEは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0083】そして、制御部60は、上記の演算された湿度に応じた帯電ロール3の印加電圧の補正値ΔVBCRTC_EHと、現像器5の累積使用量に応じた帯電ロール3の印加電圧の補正値ΔVBCRTC_DEVEに基づいて、帯電ロール3に印加する電圧VBCR_TCSを演算する(ステップ412)。
VBCR_TCS=VBCR_TCI+ΔVBCRTC_EH+ΔVBCRTC_DEVEここで、VBCR_TCIは基準となるBCR印加電圧であり、帯電ロールに印加する電圧VBCR_TCSは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0084】その後の制御部60の動作は、実施の形態1と同様である。
【0085】実施の形態2においては、現像器5の累積使用量に応じて、感光体ドラム1の表面電位を制御することで、現像器5の累積使用量が相対的に少ない場合には、感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を相対的に広げ、感光体ドラム1上に形成された帯状の現像像の濃度が濃くなるように制御される。また、現像器5の累積使用量が相対的に多くなった場合には、感光体ドラム1の表面電位と現像バイアスとの電位差を相対的に狭くして、感光体ドラム1上に形成された帯状の現像像の濃度が薄くなるように制御される。
【0086】そして、制御部60は、感光体ドラム1上の現像像の濃度を、ADCセンサ64によって検出し、当該ADCセンサ64による検出結果を予め設定した基準値と比較し、濃度が濃いと判断したときは、トナー補給制御手段(図示しない)により、引き続き行われる画像情報に応じた画像形成動作時のトナー補給装置の駆動量を本来の設定量に対して減少させるか、或いはトナー補給を行わずに不用の画像形成を行いトナー濃度を低下させる。
【0087】また、制御部60は、感光体ドラム1上の現像像の濃度が薄いと判断したときは、トナー補給制御手段(図示しない)により、引き続き行われる画像情報に応じた画像形成動作時のトナー補給装置の駆動量を本来の設定量に対して増加させるか、或いは画像形成動作に先立ってトナー補給装置を駆動し、トナー濃度を上昇させる。
【0088】そのため、現像器5の累積使用量が多くなった場合には、感光体ドラム1上に形成される帯状の現像像の濃度が薄くなるように制御されるので、当該感光体ドラム1上の現像像の濃度が基準値よりも薄いと判断されると、現像器5内のトナー濃度が上昇するように制御される。よって、従来のように何ら制御を行わないと、現像器5で使用されている現像剤は、使用され続けることにより、トナーを帯電する帯電能力の劣化を起こし、トナーの帯電低下が発生すると、感光体ドラム1の表面電位が一定に保たれていても、現像性が上昇するため、画像濃度が高くなる。そのため、トナー補給装置を制御して画像濃度をあわせると、トナー濃度を低下させてしまうことになる。そのため、画像部にキャリアが付着し易くなり、キャリアが付着した部分の画像は、記録用紙等の記録媒体に転写されないことがあるため、局部的な濃度ムラが画像抜けを招くという問題点が生じる。これに対して、本発明の場合には、現像器5の累積使用量が相対的に多くなると、現像器5内のトナー濃度低下が抑制されるように制御されるので、キャリア付着や、局部的な濃度ムラや画像抜けが発生するのを確実に防止することができる。
【0089】なお、上記実施の形態2の説明は、説明を簡単にするために、実施の形態1と独立した説明で記載したが、実施の形態1の感光体ドラムの累積使用量による補正と、本実施形態2の現像器5の累積使用量による補正とは、同時に行うことができ、同時に行っても各々の効果を何ら損なうことはない。同時に行う場合、VBCR_TCSの式は、以下のようになる。
VBCR_TCS=VBCR_TCI+ΔVBCRTC_EH+ΔVBCRTC_DRUM+ΔVBCRTC_DEVE
【0090】その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0091】実施の形態3図8及び図9はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、実施の形態1又は2の少なくともいずれか一方と組み合わせることが可能であり、静電潜像担持体の表面電位及び露光手段の露光量を、環境の湿度及び温度、並びに静電潜像担持体の累積使用量に応じて制御するように構成されている。
【0092】すなわち、上記プリンタでは、所定のタイミングで、感光体ドラム1の表面を所定の電位に帯電し、当該感光体ドラム1の表面に露光装置4によって所定のパターンで画像露光を施して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像器5によって現像することにより、感光体ドラム1の表面に濃度検出用のパターン(以下、「パッチ」という。)を形成する。そして、この感光体ドラム1の表面に形成された濃度検出用パッチの濃度を、ADCセンサ64によって検出し、ROS光量を制御するように構成されている。
【0093】この実施の形態3では、濃度検出用パッチの形成に先立って、図8に示すように、まず、環境湿度がセットされるが(ステップ201)、ここでは、上記実施の形態1で検出された環境湿度EHがそのまま使用される。
【0094】次に、制御部60は、環境湿度が所定の湿度LOW_H以下か、環境湿度が所定の湿度LOW_Hよりも高く、かつ所定の湿度HIGH_Hよりも低いか、環境湿度が所定の湿度HIGH_H以上かを判別する(ステップ202)。そして、環境湿度が所定の湿度LOW_H以下である場合には、露光装置4の半導体レーザの発光量の補正値ΔLD_EHが、所定の値ΔLD_EH_LWRに設定される(ステップ203)。また、環境湿度が所定の湿度LOW_Hよりも高く、かつ所定の湿度HIGH_Hよりも低い場合には、露光装置4の半導体レーザの発光量の補正値ΔLD_EHが0に設定される(ステップ204)。さらに、環境湿度が所定の湿度HIGH_H以上である場合には、露光装置4の半導体レーザの発光量の補正値ΔLD_EHが、所定の値ΔLD_EH_UPRに設定される(ステップ205)。ここで、露光装置4の半導体レーザの発光量の補正値ΔLD_EHは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0095】次に、制御部60は、温度センサ62により装置内の環境温度ETを検出する(ステップ206)。装置内の温度検出は、温度センサ62により装置内の温度を、500ms間隔で4回サンプリングし、その平均値を検出温度ETとすることにより行われる。
【0096】その後、上記制御部60は、装置内の検出温度ETが所定の値(センサ温度で25℃)以上か否かが判別され(ステップ207)、装置内の検出温度ETが所定の値以上の場合には、露光装置4の半導体レーザの発光量の補正値ΔLD_ETを、次式に基づいて演算する(ステップ208)。
ΔLD_ET=(ET−85)/LD_lowET_ADJUSTここで、LD_lowET_ADJUSTは補正のための係数であり、補正値ΔLD_ETは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0097】続いて、上記制御部60は、装置内の検出温度ETに応じて、感光体ドラム1の表面を帯電する(感光体ドラム1の表面電位を決定する)帯電ロール3に印加する電圧の補正値ΔVBCR_ETを、次式に基づいて演算する(ステップ209)。
ΔVBCR_ET=(ET−85)/VBCR_lowET_ADJUSTここで、VBCR_lowET_ADJUSTは補正のための係数である。
【0098】一方、制御部60は、装置内の検出温度ETが所定の値未満の場合には、露光装置4の半導体レーザの発光量の補正値ΔLD_ETを、次式に基づいて演算する(ステップ210)。
ΔLD_ET=(ET−85)/LD_highET_ADJUSTここで、LD_highET_ADJUSTは補正のための係数であり、補正値ΔLD_ETは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0099】続いて、上記制御部60は、装置内の検出温度ETに応じて、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ロールに印加する電圧の補正値ΔVBCR_ETを、次式に基づいて演算する(ステップ211)。
ΔVBCR_ET=(ET−85)/VBCR_highET_ADJUSTここで、VBCR_highET_ADJUSTは補正のための係数である。
【0100】次に、制御部60は、上記の如く演算された補正値ΔVBCR_ETが、所定の下限値ΔVBCR_ET_LWR未満か、又は所定の上限値ΔVBCR_ET_LWRを越えているかどうかが判別され(ステップ212、213)、演算された補正値ΔVBCR_ETが、所定の下限値ΔVBCR_ET_LWR以上であるか、又は所定の上限値ΔVBCR_ET_UPR以下である場合には、演算された補正値ΔVBCR_ETをそのまま補正値とし(ステップ214)、演算された補正値ΔVBCR_ETが、所定の下限値ΔVBCR_ET_LWR未満か、又は所定の下限値ΔVBCR_ET_UPRを越えている場合には、演算された補正値ΔVBCR_ETの代わりに、所定の下限値ΔVBCR_ET_LWR、又は所定の上限値ΔVBCR_ET_UPRを補正値とする(ステップ215、216)。
【0101】次に、制御部60は、感光体カウンタ65により感光体ドラム1のサイクル数(累積回転数)を読み出し(ステップ217)、感光体ドラム1のサイクル数に応じて、感光体ドラム1の表面を帯電する帯電ロール3に印加する電圧の補正値ΔVBCR_DRUMを、次式に基づいて演算する(ステップ218)。
ΔVBCR_DRUM=(DRUM_CYCLE/1000)/VBCR_DRUM_ADJUSTここで、VBCR_DRUM_ADJUSTは補正のための係数であり、DRUM_CYCLEは、感光体ドラム1の累積回転数を意味し、補正値ΔVBCR_DRUMは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0102】そして、制御部60は、上記の演算された温度に応じた帯電ロール3の印加電圧の補正値ΔVBCR_ETと、感光体ドラム1の累積回転数に応じた帯電ロール3の印加電圧の補正値ΔVBCR_DRUMに基づいて、帯電ロール3に印加する電圧VBCRIを演算する(ステップ219)。
VBCRI=VBCRO+ΔVBCR_ET+ΔVBCR_DRUMここで、VBCROは基準となる印加電圧であり、帯電ロール3に印加する電圧VBCRIは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0103】次に、制御部60は、感光体ドラム1の累積回転数に応じて、感光体ドラム1の表面に画像露光を施すレーザ光の露光量の補正値ΔLD_DRUMを、次式に基づいて演算する(ステップ220)。
ΔLD_DRUM=(DRUM_CYCLE/1000)/LD_DRUM_ADJUSTここで、DRUM_CYCLEは、感光体ドラム1の累積回転数を意味し、LD_DRUM_ADJUSTは補正のための係数であり、補正値ΔLD_DRUMは、黒(K)と、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とで異なった値に設定されている。
【0104】そして、制御部60は、上記の演算された湿度及び温度に応じたレーザ光の露光量の補正値ΔLD_EH及びΔLD_ETと、感光体ドラム1の累積回転数に応じたレーザ光の露光量の補正値ΔLD_DRUMに基づいて、レーザ光の露光量LDIを次式に基づいて演算する(ステップ221)。
LDI=LD0+ΔLD_EH+ΔLD_ET+ΔLD_DRUM
【0105】以上求めてきた露光条件をもとに、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記湿度検出手段の検出結果に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更する構成について説明する。
【0106】また、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記静電潜像担持体の累積使用量に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更する構成について説明する。
【0107】すなわち、この実施の形態3に係るフルカラープリンタ装置では、画像情報に応じた画像形成に先立って、または連続した画像形成の所定枚数毎に、あるいは画像形成の終了後等の適宜なタイミングで、次のような画像濃度制御動作が行われる。
【0108】この画像濃度制御動作では、先ず、感光体ドラム1の表面を所定の電位に帯電し、当該感光体ドラム1の表面に露光装置4によって所定のパターンで画像露光を施して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像器5によって現像することにより、感光体ドラム1の表面に濃度検出用のパターン(以下、「パッチ」という。)を形成する。そして、この感光体ドラム1の表面に形成された濃度検出用パッチの濃度を、ADCセンサ64によって検出する。
【0109】次に、制御部60は、図10に示すように、制御部60が、ADCセンサ異常検知結果フラグVCLEAN_JDが0(異常なしを現す)か否かが判別され(ステップ301)、VCLEAN_JDが0でない場合、すなわち異常がある場合には、帯電ロール3への印加電圧VBCRI及びレーザ光の露光量LDSが、初期の値VBCRI及びLDSにそのまま設定される(ステップ302)。
【0110】また、制御部60は、VCLEAN_JDが0である場合、すなわち異常がない場合には、検出された濃度検出用パッチの検出濃度RADC_SAと、当該検出濃度の設定値RADCPTLSA_SETとの差ΔSAを演算する(ステップ303)。
【0111】次に、制御部60は、上記の如く演算された差ΔSAに基づいて、所定のテーブルを参照し(ステップ304)、帯電ロール3への印加電圧VBCRIを求めるとともに、露光装置4のレーザ光の露光量補正値ΔLDを求める。
【0112】そして、制御部60は、帯電ロール3への印加電圧VBCRIと露光装置4のレーザ光の露光量LDSを、次式に基づいて演算する。
VBCRI=VBCRILDS=LDI+ΔLD
【0113】その後、算出された帯電ロール3への印加電圧VBCRIと、露光装置4のレーザ光の露光量LDIが、上下限値を越えているか否かが判別され、上下限値を越えている場合には、上下限値VBCR_UPR又はVBCR_LWR、及びLD_UPR又はLD_LWRに設定される。
【0114】このとき、この実施の形態3では、露光装置4の露光量に上限LD_UPRと下限LD_LWRを設定するが、これらの露光装置4の露光量の上限LD_UPR及び下限LD_LWRを、湿度センサ61の検出結果に応じて変更するように構成されている。その際、相対的に低湿の時には、露光装置4の露光量の上限LD_UPR及び下限LD_LWRを、相対的に高く設定し、相対的に高湿の時には、露光装置4の露光量の上限LD_UPR及び下限LD_LWRを、相対的に低く設定する。
【0115】また、この実施の形態3では、露光装置4の露光量に上限LD_UPRと下限LD_LWRを設定するが、これらの露光装置4の露光量の上限LD_UPR及び下限LD_LWRを、感光体ドラム1の累積使用量に応じて変更するように構成されている。その際、相対的に感光体ドラム1の累積使用量が短い間は、露光装置4の露光量の上限LD_UPR及び下限LD_LWRを、相対的に高く設定し、相対的に感光体ドラム1の累積使用量が長くなった時は、露光装置4の露光量の上限LD_UPR及び下限LD_LWRを、相対的に低く設定する。
【0116】さらに、この実施の形態4では、帯電ロール3への印加電圧VBCRIに上限限値VBCR_UPR又はVBCR_LWRLD_UPRを設定するが、これらの帯電ロール3への印加電圧VBCRIの上下限値VBCR_UPR又はVBCR_LWRLD_UPRを、湿度センサ61の検出結果及び/又は感光体ドラム1の累積使用量に応じて変更するように構成されている。
【0117】ところで、露光装置4の露光量と感光体ドラム1の露光後の表面電位、すなわち画像部電位とは、図11に示すように、温湿度変化や感光体ドラム1の累積使用量に応じて変化する。そのため、露光装置4の露光量に設定される上限LD_UPR及び下限LD_LWRを固定しておくと、上限LD_UPR及び下限LD_LWRにおける感光体ドラム1の画像部表面電位が、温湿度変化や感光体ドラム1の累積使用量に応じて変化してしまい、画像濃度高過ぎ、低過ぎやキャリア付着等が生じる。
【0118】更に、現像剤の湿度依存に応じて、低湿時には低濃度になりやすく、高湿時には高濃度になりやすい。また、キャリア付着が生じやすいのは、高湿時、かつ画像部表面電位が低いときである。
【0119】そこで、湿度変化や感光体ドラム1の累積使用量に応じて、露光装置4の露光量に設定される上限LD_UPR及び下限LD_LWRを変更することにより、画像濃度高過ぎ、低過ぎやキャリア付着等が生じるのを確実に防止することができる。
【0120】また、帯電ロール3の印加電圧と感光体ドラム1の表面電位とは、図12に示すように、湿度変化や感光体ドラム1の累積使用量に応じて変化する。そのため、帯電ロール3への印加電圧VBCRIに設定される上下限値VBCR_UPR又はVBCR_LWRLD_UPRを固定しておくと、上下限値VBCR_UPR及びVBCR_LWRLD_UPRにおける感光体ドラム1の表面電位が、湿度変化や感光体ドラム1の累積使用量に応じて変化してしまい、カブリやキャリア付着等が生じる。
【0121】そこで、湿度変化や感光体ドラム1の累積使用量に応じて、帯電ロール3への印加電圧VBCRIに設定される上下限値VBCR_UPR又はVBCR_LWRLD_UPRを変更することにより、カブリやキャリア付着等が生じるのを確実に防止することができる。
【0122】このように、上記実施の形態では、静電潜像担持体の表面電位及び露光手段の露光量を、環境の湿度及び温度、並びに静電潜像担持体の累積使用量に応じて制御するように構成されているので、感光体ドラム1の表面電位の温度変化や累積的な使用量(画像形成のサイクル数)に応じた変化を抑制することができ、地肌のカブリやキャリアの付着を防止することができる。また、感光体ドラムの表面に、画像露光を施すことにより書き込んだ画像部の電位は、感光体ドラム1がもつ光感度が温度変動に応じて変化するが、温度変化に応じて露光量を制御し、かつ環境や累積使用量に応じて適切な範囲に上下限を設けることで、その範囲内での制御に限定するため、画像濃度の上昇やキャリアの付着、あるいは画像濃度の低下を防止することができる。
【0123】その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0124】実施の形態4図13及び図14はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体を現像するときの現像能力を、画像情報に基づいた画像を現像するときよりも向上させるように構成されている。
【0125】すなわち、この実施の形態4では、実施の形態1などと組み合わせて実施されるものであり、実施の形態1などと同様に、所定の表面電位に一様に帯電された感光体ドラム1を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像器5により現像し、当該現像像の濃度をADCセンサ64により読み取った値に応じてトナー補給を制御する動作を行われるが、上記感光体ドラム1の表面を現像器5によって現像する際に、現像器5の現像能力を、画像情報に基づいた画像を現像するときよりも向上させるように構成されている。
【0126】具体的には、感光体ドラム1上に画像情報に基づいて形成された静電潜像を、現像器5によって現像するときには、当該現像器5の現像ロール41に、直流(DC)電圧に交流(AC)電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加されるが、本発明者らの実験によれば、図13及び図14に示すように、高湿環境下及び低湿環境下のいずれにおいても、AC電圧を重畳した場合と、AC電圧を重畳しない場合とで、AC電圧を重畳しない場合の方が、現像器5の現像能力が向上し、現像コントラストが変動したときでも、感光体ドラム1上における現像剤(トナー)の重量の変動が、AC電圧を重畳した場合に比べて、大幅に少ないことがわかった。
【0127】そこで、この実施の形態4では、例えば、感光体ドラム1上に現像像を現像する際に、現像器5の現像ロール41に、直流(DC)電圧のみからなる現像バイアス電圧を印加し、現像能力を向上させた状態で現像を行うことにより、感光体ドラム1の電位変動による像濃度変化を小さくして、確実に画像形成条件の設定ミスを最小にすることが可能となっている。
【0128】その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0129】なお、前記実施の形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、及び黒の4つの現像器を備えた画像形成装置について説明したが、単色の画像形成装置でも、同様に適用できることは勿論である。
【0130】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、画像濃度を安定させ、かつ画像欠陥を未然に防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0131】また、この発明によれば、湿度や温度等の環境が変動した場合でも、画像濃度を安定して制御することが可能であり、かつ画像欠陥を未然に防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0132】さらに、この発明の第3の目的とするところは、現像剤や感光体ドラム等の像担持体の使用履歴にかかわらず、画像濃度を安定させることが可能であり、かつ画像欠陥を未然に防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0133】また更に、この発明の請求項8に記載の発明によれば、像担持体の電位変動による像濃度変化を小さくして、確実に画像形成条件の設定ミスを最小にすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御部を示すブロック図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】 図3は回転式の現像装置を示す構成図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図6】 図6はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図7】 図7はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図8】 図8はこの発明の実施の形態3に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図9】 図9はこの発明の実施の形態3に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態3に係る画像形成装置としてのデジタルカラープリンタの制御動作を示すフローチャートである。
【図11】 図11は露光装置の光量と感光体ドラムの表面電位との関係を示すグラフである。
【図12】 図12は帯電ロールの印加電圧と感光体ドラムの表面電位との関係を示すグラフである。
【図13】 図13は現像コントラストと感光体ドラム上の現像剤の重量との関係を示すグラフである。
【図14】 図14は現像コントラストと感光体ドラム上の現像剤の重量との関係を示すグラフである。
【図15】 図15は湿度とトナー帯電量との関係を示すグラフである。
【図16】 図16はトナー帯電量と画像濃度との関係を示すグラフである。
【図17】 図17は帯電ロールの印加電圧と感光体ドラムの表面電位との関係を示すグラフである。
【図18】 図18は感光体ドラムの表面における現像電位とクリーニング電位との関係を示すグラフである。
【図19】 図19はクリーニング電位とカブリとの関係を示すグラフである。
【符号説明】
1:感光体ドラム(静電潜像担持体)、3:帯電ロール(帯電手段)、4:露光装置(露光手段)、5現像器(現像手段)、60:制御部(制御手段)、61:湿度センサ(湿度検出手段)、62:温度センサ(温度検出手段)、63:高圧電源、64:ADCセンサ(濃度検出手段)、65:感光体カウンタ(感光体の累積使用量検出手段)、66:現像器カウンタ(現像器の累積使用量検出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記帯電手段の印加電圧及び現像バイアスの少なくとも一方を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記静電潜像担持体の累積使用量を検出する累積使用量検出手段と、前記帯電手段の印加電圧及び現像バイアスの少なくとも一方を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記静電潜像担持体の累積使用量に応じて変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記現像剤の現像手段における累積使用量を検出する累積使用量検出手段と、前記帯電手段の印加電圧及び現像バイアスの少なくとも一方を制御する制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値と現像剤の現像手段における累積使用量に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差を、前記湿度検出手段の検出結果に応じて変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】 前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差の変更を、静電潜像担持体の表面電位を変えることにより行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記静電潜像担持体の表面電位と現像バイアスの電位差の変更を、現像バイアスを変えることにより行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段による露光条件を制御する露光制御手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段とを備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記湿度検出手段の検出結果に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段による露光条件を制御する露光制御手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記静電潜像担持体の累積使用量を検出する累積使用量検出手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体の表面に、露光手段により所定のパターンを書き込み、前記所定のパターンを現像手段で現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じて、画像情報に基づいた画像露光を施すときの露光条件を制御するとともに、前記露光手段の露光量に上限と下限を設け、前記静電潜像担持体の累積使用量に応じて露光量の上限と下限の設定値を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電する帯電手段と、前記帯電手段に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段の出力を制御する手段と、一様に帯電された静電潜像担持体に画像露光を施し、画像情報に応じた静電潜像を形成する露光手段と、前記露光手段による露光条件を制御する露光制御手段と、少なくともキャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いて静電潜像を現像し顕像化する現像手段と、前記現像手段に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、前記静電潜像担持体上の現像像の濃度を検出する濃度検出手段と、装置内の湿度を検出する湿度検出手段と、前記現像手段における現像能力を制御する現像能力制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定の表面電位に一様に帯電された静電潜像担持体を、その表面電位と現像バイアスの電位差により現像手段により現像し、当該現像像の濃度を濃度検出手段により読み取った値に応じてトナー補給を制御するとともに、前記静電潜像担持体を現像するときの現像能力を、画像情報に基づいた画像を現像するときよりも向上させたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図16】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図17】
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【図18】
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【図9】
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【図10】
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【図19】
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【図11】
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【公開番号】特開2001−183876(P2001−183876A)
【公開日】平成13年7月6日(2001.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−367760
【出願日】平成11年12月24日(1999.12.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】