画像形成装置
【課題】画像品質を維持しつつ騒音を低減すること。
【解決手段】複数の感光体ドラム1と、感光体ドラム1に同軸に付帯される歯車43を駆動する複数のモータ41と、感光体ドラム1に同軸に付帯される歯車43の位相を調整する複数の軸位相調整手段49とを有し、軸位相調整手段49は、画像における感光体ドラム1の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、複数の感光体ドラム1の歯車43のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする。
【解決手段】複数の感光体ドラム1と、感光体ドラム1に同軸に付帯される歯車43を駆動する複数のモータ41と、感光体ドラム1に同軸に付帯される歯車43の位相を調整する複数の軸位相調整手段49とを有し、軸位相調整手段49は、画像における感光体ドラム1の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、複数の感光体ドラム1の歯車43のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムの位相を調整することで、形成される画像の色ズレを低減する手段を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の画像形成装置においては、複数の像担持体(以下、感光体ドラム)を一列に並べた所謂インライン方式と称するカラー画像形成装置がある。これは、複数のローラで張架された静電転写ベルトにより転写材を担持搬送しつつ、転写材の搬送路に沿って配置された4個の感光体ドラムにより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックからなるトナー画像を転写材上に順次転写し、各色の重ねあわせによりカラー画像を形成するものである。この構成はプリントを高速に行うことができるため近年主流になってきている。
【0003】
従来のインライン方式では、4個の感光体ドラム上の画像を転写材上に重ね合わせたときに色ずれが生じやすいため、これを抑制する技術が非常に重要になってきている。そのため多くの装置において、各色の感光体ドラムを駆動する歯車列の一部あるいは全てを同じ構成とした上で、主に歯車精度に起因する角速度ムラを相殺する策が講じられてきた(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0004】
例えば、特許文献1あるいは特許文献2においては、複数の感光体ドラムに対して夫々独立した駆動系を設け、色ずれが最も小さくなるように夫々の歯車の位相関係を調整する方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献3においても明記されている通り、複数の感光体ドラムを駆動する歯車を同一金型による成形品とし、各色を重ね合わせたときに歯車の同じ位相が重なるように相対位相を調整して組み立てる方法が知られている。
【0006】
このように、従来は歯車1回転成分に代表される大周期の角速度ムラに対してのみ、これを相殺するような位相調整がなされてきた。
【0007】
【特許文献1】特開平09−146629
【特許文献2】特開平10−333398
【特許文献3】特開平09−179372
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、各色に対して同一構成の歯車列を有している一方で、歯車1歯周期に対応した微小角度を調整する手段を持たなかった。このため、複数の歯車のかみ合いタイミングの関係によっては、歯車間で発生する複数の振動が重なって増幅される場合があった。振動が増幅されると、形成される画像にスジができるバンディングという現象が起こる場合があり、また振動により騒音が悪化する場合があった。
【0009】
また、特に歯車列を板金フレームで支持する構成において、複数のかみ合い振動の位相が板金フレームの振動モードを増長する関係となった場合、バンディングや騒音といった問題が大きくなる。これまで、この問題に対する積極的な対策は講じられていなかった。
【0010】
一方、プリンタに代表されるオフィス機器に求められる性能として、高い画像品質の維持のみならず、オフィス環境の向上のため低騒音化が益々望まれてきている。このように、インラインカラー画像形成装置における前記の問題に対し、積極的な改善策が必要となってきている。
【0011】
本発明の目的は、画像品質を維持しつつ騒音を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、複数の像担持体と、前記像担持体に同軸に付帯される歯車を駆動する複数の駆動手段と、前記像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整する複数の軸位相調整手段とを有し、前記軸位相調整手段は、画像における前記像担持体の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、前記複数の像担持体の歯車のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、画像品質を維持しつつ騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、後述する実施形態に共通の構成を図を用いて説明する。図1は画像形成装置の全体構成を示す縦断面図である。この図においては、画像形成装置として、フルカラーレーザービームプリンタを例示して説明する。
【0015】
(画像形成装置の構成)
図1に示すカラー画像形成装置100は、垂直方向に並設された4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、モータからの動力の伝達によって反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電装置2(2a、2b、2c、2d)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上の静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置4(4a、4b、4c、4d)、感光体ドラム1上のトナー像を転写材Sに転写させる静電転写装置としての転写ローラ12、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーニング装置6(6a、6b、6c、6d)等が配設されている。ここで、感光体ドラム1と帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置6は一体的にカートリッジ化されプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)を形成している。以下、感光体ドラム1から順に詳述する。
【0016】
感光体ドラム1は、例えば直径30mmのアルミシリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータからの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
【0017】
帯電装置2としては、接触帯電方式のものを使用することができる。帯電部材は、ローラ状に形成された導電性ローラであり、このローラを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラに帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。
【0018】
スキャナユニット3は、感光体ドラム1の略水平方向に配置され、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(不図示)によって高速回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。ポリゴンミラー9に反射した画像光は、結像レンズ10(10a、10b、10c、10d)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を選択的に露光して静電潜像を形成するように構成している。
【0019】
現像装置4はそれぞれイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色のトナーを図示時計方向に回転する現像ローラ40の外周に塗布し、且つトナーに電荷を付与する。そして現像装置4は、静電潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラ40に現像バイアスを印加することにより、静電潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
【0020】
静電転写ベルト11は、すべての感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向して接し、循環移動するように配設される。静電転写ベルト11は、1011〜1014Ω・cmの体積固有抵抗を持たせたフィルム状部材で構成される。この静電転写ベルト11は、垂直方向に4軸でローラに支持され、図中左側の外周面に転写材Sを静電吸着して感光体ドラム1に転写材Sを接触させるべく循環移動する。これにより、転写材Sは静電転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
【0021】
静電転写ベルト11は、周長約700mm、厚み150μmのベルトであり、駆動ローラ13、従動ローラ14a、14b、テンションローラ15の4本のローラにより掛け渡され、図の矢印方向に回転する。これにより、上述した静電転写ベルト11が循環移動して転写材Sが従動ローラ14a側から駆動ローラ13側へ搬送される間にトナー像を転写される。
【0022】
この静電転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向した位置に転写ローラ12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラ12から正極性の電荷が静電転写ベルト11を介して転写材Sに印可され、この電荷による電界により、感光体ドラム1に接触中の転写材Sに、感光体ドラム1上の負極性のトナー像が転写される。
【0023】
給送部16は、画像形成部に転写材Sを給送搬送するものであり、複数枚の転写材Sが給送カセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラ18(半月ローラ)、レジストローラ対19が画像形成動作に応じて駆動回転し、給送カセット17内の転写材Sを1枚毎分離給送するとともに、転写材S先端はレジストローラ対19に突き当たり一旦停止し、ループを形成した後静電転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、レジストローラ対19によって静電転写ベルト11へと給送されていく。
【0024】
定着部20は、転写材Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものであり、回転する加熱ローラ21aと、これに圧接して転写材Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21bとからなる。すなわち、感光体ドラム1上のトナー像を転写した転写材Sは、定着部20を通過する際に定着ローラ対21(21a、21b)で搬送されるとともに、定着ローラ対21によって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が転写材S表面に定着される。
【0025】
(画像形成装置の動作)
以上の構成により、画像形成装置は、画像形成時に以下のように動作をする。
【0026】
プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dが、画像形成タイミングに合わせて順次駆動され、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のプロセスカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラ2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与し、スキャナユニット3はその感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面上に静電潜像を形成する。現像装置4内の現像ローラ40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
【0027】
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、静電転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に転写材Sの画像形成開始位置が一致するように、レジストローラ対19が回転を開始して転写材Sを静電転写ベルト11へ給送する。
【0028】
転写材Sは、静電吸着ローラ22と静電転写ベルト11とによって挟み込むようにして静電転写ベルト11の外周に圧接し、かつ静電転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間に電圧を印加することにより、誘電体である転写材Sと静電転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起し、転写材を静電転写ベルト11の外周に静電吸着するように構成している。これにより、転写材Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。このように搬送されながら転写材Sは、各感光体ドラム1と転写ローラ12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
【0029】
4色のトナー像を転写された転写材Sは、ベルトの駆動ローラ13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。転写材Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排出ローラ対23によって、排出部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
【0030】
次に、本発明の特徴的な構成について詳しく説明する。
【0031】
〔第1実施形態〕
図面を用いて第1実施形態について説明をする。本実施形態は、各感光体ドラム1を駆動するモータ41(41a、41b、41c、41d)の位相を調整して、画像の色ズレがないように調整しつつ、歯車のかみ合いによる振動も低減するようにする構成を説明する。
【0032】
(軸位相調整手段49)
まず、図2を用いて、感光体ドラムの軸の位相を調整する軸位相調整手段49について説明する。軸位相調整手段49は、軸位相検出部42Aと、色ズレ検出部44Aと、演算部46と、モータ制御部47とから構成される。
【0033】
軸位相検出部42Aが感光体ドラム1の軸位相を検出するために、図2に示すように、感光体ドラム1の回転軸と同軸に付帯された歯車43(43a、43b、43c、43d)と、歯車43の側面の一点に配設される検知マーク45(45a、45b、45c、45d)と、該検知マーク45を検出する軸位相センサ42(42a、42b、42c、42d)とが配設される。この構成により、モータ41の歯車と直接かみ合うことによって回転駆動される感光体ドラム1の歯車43が回転すると、歯車43の1周期ごとに検知マーク45が軸位相センサ42に検出される。検出されたデータは、各色ごとに軸位相検出部42Aに伝達され、各感光体ドラム1の位相が検出される。
【0034】
一方、色ズレ検出部44Aが形成される画像の色ズレを検出するために、静電転写ベルト11と対向するように色ズレセンサ44が配設される。この構成により、所定の色ズレ検出用のパターンを各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)から静電転写ベルト11に対して転写し、静電転写ベルト11上に前記各パターンが重畳された画像を色ズレセンサ44により検出する。検出されたデータは色ズレ検出部44Aに伝達され、色ズレが判断される。
【0035】
このように軸位相検出部42A及び色ズレ検出部44Aに伝達されたデータに基づいて、演算部46が画像の色ズレを低減するように演算をする。そして、この演算結果を基にモータ制御部47が感光体ドラム1を駆動するモータ41(41a、41b、41c、41d)を制御し、各感光体ドラム1の位相を最適な状態に調整する。
【0036】
(軸位相の最適な調整方法)
次に、上記軸位相調整手段49により感光体ドラム1の軸位相を最適な状態に調整する方法について、図3乃至図6を用いて説明する。
【0037】
図3乃至図6は転写材Sに対する各色の位置ズレを示したものである。横軸を転写材Sの先端からの距離、縦軸を正しい位置からの位置ズレ量としている。また、大きな周期の波形は感光体ドラム1回転周期の位置ズレを表したものであり、小さな周期の波形は各色の感光体ドラムを駆動する歯車のかみ合いによる振動を模式的に表したものである。
【0038】
従来の感光体ドラム1の軸位相の調整方法を、図3及び図4を用いて説明する。まず、形成される画像の色ズレを防止することが必要である。転写材S上における、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの4色間での色ズレを防止するために、図3での大きな周期の波形が示すように、各色の感光体ドラム1の位置ズレの特性は、1回転周期ごとに同様であることがわかる。このため、図4に示すように、各色の大きな周期の波形を合わせるように位相を調整すると、各色間での相互の位置ズレの差分が小さくなるため、重ねあわされた画像の色ズレも小さくなる。
【0039】
しかしながら、前述の色ズレ低減のための位相調整をする際に、各色間の感光体ドラム1について小さな周期の波形の位相までも合わせてしまう場合がある。この場合、図4に示すように、複数の歯車間の振動が重なり合って、当該振動が増幅されてしまう。すると、歯車43や、歯車43の周辺の駆動ユニットの振動が増幅されるため、感光体ドラム1の振動により画像にバンディングが発生したり騒音の基となったりする。
【0040】
次に本実施形態による感光体ドラム1の軸位相の調整方法を、図5及び図6を用いて説明する。まず、形成される画像の色ズレを防止するためには、従来と略同様に、各色の大きな周期の波形をほぼ合わせるように位相を調整する。すると、図6に示すように、各色間での相互の位置ズレの差分が小さくなるため、重ねあわされた画像の色ズレも小さくなる。色ズレを許容範囲に抑えるために必要な位相合わせの分解能は、各色の大きな周期の波形の振幅にも依存するが、概ね1/12周期(30°)以上の分解能が望ましい。
【0041】
ここで本実施形態においては、各色の位置ズレの位相がほぼ合っている範囲において、小さな周期の波形の振動の位相を少しずつ異ならせている(図5参照)。このため、小さな周期の波形を重ね合わせると、互いの振動が相殺しあって振動が低減している(図6参照)。この結果、色ズレを防止するために位相を調整した時においても、歯車43や、歯車43の周辺の駆動ユニットの振動が増幅することはなく、画像のバンディングや騒音という不都合を生じさせることはない。
【0042】
ここで、複数の振動が相殺し合う関係に位相を調整する際には、歯車43の回転位相を調整する分解能(調整分解能)を、歯車1歯に相当する角度の4分の1以下にすることが好ましい。このように調整分解能を調整することにより、調整される位相が理想の位相の値に対して1/4周期以下に抑えることができ、振動低減として実用的な性能を得るために必要とされる範囲内に収めることができる。
【0043】
対象となる波形に対する分解能という点では、振動における「1/4周期」は色ズレの「1/12周期」より緩いことになる。この理由は、振動は「増幅させないこと」が重要であり、所定の位相に正しく合わせることの重要性が色ずれほどではないからである。実際に位相を決定する際には、振動抑制により効果的な位相関係、即ちやや離散的な相対位相の組合せの中から、色ズレ抑制に最適な位相を選択することになる。
【0044】
〔第2実施形態〕
図面を用いて第2実施形態について説明をする。本実施形態は、各感光体ドラム1を駆動するモータ51が1つ付帯される画像形成装置において、画像の色ズレがないように調整しつつ、歯車のかみ合いによる振動も低減するようにする構成を説明する。前述と同様の構成については説明を省略する。
【0045】
(画像形成装置)
図7に示すように、第2実施形態の画像形成装置200における、感光体ドラム1の駆動部は、モータ51と、モータ51の駆動力が伝達される歯車列を有する。ここで、歯車列は、各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)と同じ回転軸を有する歯車54(54a、54b、54c、54d)と、歯車54と側面でかみ合って駆動を伝達する歯車53(53a、53b、53c、53d)と、各歯車53の間に挟まれて駆動を伝達する歯車52(52a、52b、52c)とを有する。
【0046】
本実施形態では、1つのモータ51から歯車52bに駆動が伝達され、歯車52bから各色に対応する歯車53、54に駆動が伝達される。このため、駆動手段が第1実施形態のように各色の感光体ドラム1を個別に駆動させるモータではなく、各色に対応するモータの位相を直接調整する方法は採れない。このため、本実施形態においては、各色の感光体ドラム1の歯車54とかみ合う歯車53に、軸位相調整手段59(59a、59b、59c、59d)を設置することで、感光体ドラム1の軸位相を調整する。次に感光体ドラムの軸の位相を調整する軸位相調整手段59について詳細に説明する。
【0047】
(軸位相調整手段59)
図8及び図9に示すように、軸位相調整手段59は、感光体ドラム1と同軸に配設される歯車54にかみ合う歯車53と、歯車53の回転軸の一方から他方に付勢するバネ等の付勢手段57と、歯車53を挟んで付勢手段57と対向する位置に配設される2つのカム55、56とから構成される。尚、歯車54は、回転軸に対して斜めに歯が形成されている、いわゆる斜歯歯車である。また、歯車53は回転軸に対して歯が斜歯歯車と平歯歯車が一体形成された歯車であり、歯車52は平歯歯車である。
【0048】
カム55、56は歯車53と同軸に互いに当接し合うように配設され、図8及び図9に示すように、カム56を回動することにより、付勢手段57の付勢力に抗して歯車53を軸方向に移動させる。また、カム56の回動させる角度によって、歯車53の軸方向の移動量が決まる。
【0049】
図を用いて、具体的な歯車53の移動の様子を説明する。図8に示すように、歯車52がモータ51により直接的又は他の歯車を介して間接的に駆動され、歯車53を介して感光体ドラム1の駆動歯車54を回転駆動する。
【0050】
歯車53は付勢手段57によってカム56の方向に突き当てられているが、カム56を回動させるとカム55とカム56との間隔が変化する。すると、図のように、歯車53の軸方向位置を移動調整することができる。図8においては、カム55とカム56が最も接近した状態であり、歯車53が最もカム55の方向に寄った状態を示している。また、図9には歯車55が付勢手段57の方向に寄った状態を示している。
【0051】
このように、軸位相調整手段59は、歯車53の一部、歯車54が斜歯で構成され、カム56を回動させることで歯車53の軸方向の位置を調整可能に構成される。このため、斜歯歯車の軸方向位置を動かすと、歯車同士のかみ合いの位置が周方向に動くことになり、各色に対応する歯車54の位相も変化することになる。すると、歯車54と同軸に配設される感光体ドラム1の歯車の振動の位相も変化する。
【0052】
カムによる軸方向の調整ストロークは、斜歯歯車のモジュールとねじれ角によって決まる。例えば、モジュールが0.5、ねじれ角が20°の場合、1歯相当の位相を調整するためには約4mmのストロークがあればよい。
【0053】
本実施形態においては、各歯車53(53a、53b、53c、53d)を第1実施形態と同様に調整することで、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
尚、図8および図9では、歯車52及びこれとかみ合う歯車53の一方を平歯歯車としたが、歯車54と異なるねじれ角としても位相調整を行うことができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図面を用いて第3実施形態について説明をする。本実施形態の画像形成装置は、歯車52、53、54で構成される歯車列を支持する筐体を板金で構成したものである。前述と同様の構成については説明を省略する。
【0056】
(画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置300は、感光体ドラム1と同軸に配設された歯車54の軸端を板金フレーム(支持筐体)61によって支持している。このような板金フレーム61の場合、その構成特有の振動モード(形態)を有しており、そのモードが周波数により異なることが一般的に知られている。尚、本実施形態の画像形成装置300は、第2実施形態の歯車列を支持する構成としているが、第1実施形態の感光体ドラム1の歯車43を板金フレームで支持する構成としてもよい。
【0057】
図10におけるA−A、あるいはB−Bを断面として、通常の画像形成速度における板金フレーム61の振動モードを表したものが、図11(a)である。図に示すように、板金フレーム61の振動モードに対し、その周波数と歯車54又は歯車53のかみ合い周波数が近い場合、かみ合い振動の位相は前記振動モードを考慮した関係に調整しなければならない。その理由を次に説明する。
【0058】
図11(b)及び図11(c)における矢印は、各色の歯車54又は歯車53で生じる振動の位相を模式的に表したものである。図11(b)に示すように、各色に対応する歯車のかみ合い振動が板金フレーム61の振動モードに作用して振動が増幅する位相関係となった場合、板金フレーム61そのものの振動が増幅される。感光体ドラム1を支持する板金フレーム61の振動が大きくなると、騒音が悪化したり、感光体ドラム1に作用して画像にバンディングが発生してしまう。
【0059】
一方、図11(c)のように、各色に対応する歯車のかみ合い振動が、板金フレーム61の振動モードを打ち消す位相関係となった場合、板金の振動が抑制される。すると、バンディングや騒音が悪化しにくくなる。
【0060】
このため、歯車53、歯車54のかみ合い振動を、板金フレーム61の振動モードを打ち消すようなかみ合い振動になるように位相を調整すべきである。最終的には、前記の板金フレームの振動と、歯車かみ合いそのもの振動の双方を考慮して最適な位相関係に調整することになる。
【0061】
次に、厚紙等への対応で、通常の画像形成速度より低い速度、例えば通常に対して1/2の速度で画像形成した場合の板金フレームの振動モードを示す(図12(a)参照)。
【0062】
この場合、歯車かみ合いで発生する振動の周波数も1/2になるが、一般的に周波数が低くなると振動モードの次数も下がる。即ち、振動の節、或いは腹がより少ない単純なモードで振動することになる。
【0063】
この場合においても、図12(b)のようなかみ合い振動の位相は、板金フレーム61の振動モードに作用して振動を増幅することとなる。また、図12(c)のようなかみ合い振動の位相は、板金フレーム61の振動を低減することになる。
【0064】
このように、板金フレーム61の振動抑制に最適なかみ合い振動の位相関係は、画像形成速度によって異なる。以上より、軸位相調整手段49及び軸位相調整手段59は、画像形成速度により、かみ合い振動の位相関係を変えられる構成とすることが望ましい。
【0065】
具体的には、第1実施形態の構成においては、あらかじめわかっている位相関係に調整すればよい。第2実施形態においては、カム55及びカム56のプロフィールを異なる色に対応するカムによって異ならせて軸方向の移動量を異ならせたり、これらを不図示の独立回転制御する手段を付帯したりするなどして調整することが可能である。
【0066】
このように軸位相調整手段49又は軸位相調整手段59により位相を調整し、画像形成速度に応じて板金フレーム61の振動モードと歯車かみ合いの振動を異ならせることを可能に構成することで、装置の振動を低減し、形成される画像におけるバンディングも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】画像形成装置100の概略構成を示す断面図。
【図2】第1実施形態の軸位相調整手段49の説明図。
【図3】位相調整において小さな周期の波形の位相を合わせた状態を説明する説明図。
【図4】位相調整において小さな周期の波形の位相を合わせた状態を説明する説明図。
【図5】位相調整において小さな周期の波形の位相を異ならせた状態を説明する説明図。
【図6】位相調整において小さな周期の波形の位相を異ならせた状態を説明する説明図。
【図7】第2実施形態の画像形成装置の駆動部の概略構成を示す断面図。
【図8】第2実施形態の軸位相調整手段59の説明図(カム56の非回動時)。
【図9】第2実施形態の軸位相調整手段59の説明図(カム56の回動時)。
【図10】第3実施形態における、画像形成装置に板金フレーム61を配設した状態を示す図。
【図11】通常の画像形成速度における板金フレーム61の振動モードを示す図。
【図12】画像形成速度が遅い時における板金フレーム61の振動モードを示す図。
【符号の説明】
【0068】
1 …感光体ドラム(像担持体)、
41 …モータ(駆動手段)、
49 …軸位相調整手段、
52 …歯車、53 …歯車、54 …歯車(歯車列)
59 …軸位相調整手段、
61 …板金フレーム、
100 …画像形成装置、
200 …画像形成装置、
300 …画像形成装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムの位相を調整することで、形成される画像の色ズレを低減する手段を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の画像形成装置においては、複数の像担持体(以下、感光体ドラム)を一列に並べた所謂インライン方式と称するカラー画像形成装置がある。これは、複数のローラで張架された静電転写ベルトにより転写材を担持搬送しつつ、転写材の搬送路に沿って配置された4個の感光体ドラムにより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックからなるトナー画像を転写材上に順次転写し、各色の重ねあわせによりカラー画像を形成するものである。この構成はプリントを高速に行うことができるため近年主流になってきている。
【0003】
従来のインライン方式では、4個の感光体ドラム上の画像を転写材上に重ね合わせたときに色ずれが生じやすいため、これを抑制する技術が非常に重要になってきている。そのため多くの装置において、各色の感光体ドラムを駆動する歯車列の一部あるいは全てを同じ構成とした上で、主に歯車精度に起因する角速度ムラを相殺する策が講じられてきた(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0004】
例えば、特許文献1あるいは特許文献2においては、複数の感光体ドラムに対して夫々独立した駆動系を設け、色ずれが最も小さくなるように夫々の歯車の位相関係を調整する方法が提案されている。
【0005】
また、特許文献3においても明記されている通り、複数の感光体ドラムを駆動する歯車を同一金型による成形品とし、各色を重ね合わせたときに歯車の同じ位相が重なるように相対位相を調整して組み立てる方法が知られている。
【0006】
このように、従来は歯車1回転成分に代表される大周期の角速度ムラに対してのみ、これを相殺するような位相調整がなされてきた。
【0007】
【特許文献1】特開平09−146629
【特許文献2】特開平10−333398
【特許文献3】特開平09−179372
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、各色に対して同一構成の歯車列を有している一方で、歯車1歯周期に対応した微小角度を調整する手段を持たなかった。このため、複数の歯車のかみ合いタイミングの関係によっては、歯車間で発生する複数の振動が重なって増幅される場合があった。振動が増幅されると、形成される画像にスジができるバンディングという現象が起こる場合があり、また振動により騒音が悪化する場合があった。
【0009】
また、特に歯車列を板金フレームで支持する構成において、複数のかみ合い振動の位相が板金フレームの振動モードを増長する関係となった場合、バンディングや騒音といった問題が大きくなる。これまで、この問題に対する積極的な対策は講じられていなかった。
【0010】
一方、プリンタに代表されるオフィス機器に求められる性能として、高い画像品質の維持のみならず、オフィス環境の向上のため低騒音化が益々望まれてきている。このように、インラインカラー画像形成装置における前記の問題に対し、積極的な改善策が必要となってきている。
【0011】
本発明の目的は、画像品質を維持しつつ騒音を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、複数の像担持体と、前記像担持体に同軸に付帯される歯車を駆動する複数の駆動手段と、前記像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整する複数の軸位相調整手段とを有し、前記軸位相調整手段は、画像における前記像担持体の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、前記複数の像担持体の歯車のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、画像品質を維持しつつ騒音を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、後述する実施形態に共通の構成を図を用いて説明する。図1は画像形成装置の全体構成を示す縦断面図である。この図においては、画像形成装置として、フルカラーレーザービームプリンタを例示して説明する。
【0015】
(画像形成装置の構成)
図1に示すカラー画像形成装置100は、垂直方向に並設された4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、モータからの動力の伝達によって反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電装置2(2a、2b、2c、2d)、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上の静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置4(4a、4b、4c、4d)、感光体ドラム1上のトナー像を転写材Sに転写させる静電転写装置としての転写ローラ12、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーニング装置6(6a、6b、6c、6d)等が配設されている。ここで、感光体ドラム1と帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置6は一体的にカートリッジ化されプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)を形成している。以下、感光体ドラム1から順に詳述する。
【0016】
感光体ドラム1は、例えば直径30mmのアルミシリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC感光体)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータからの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
【0017】
帯電装置2としては、接触帯電方式のものを使用することができる。帯電部材は、ローラ状に形成された導電性ローラであり、このローラを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラに帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。
【0018】
スキャナユニット3は、感光体ドラム1の略水平方向に配置され、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、スキャナモーター(不図示)によって高速回転されるポリゴンミラー9(9a、9b、9c、9d)に照射される。ポリゴンミラー9に反射した画像光は、結像レンズ10(10a、10b、10c、10d)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を選択的に露光して静電潜像を形成するように構成している。
【0019】
現像装置4はそれぞれイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色のトナーを図示時計方向に回転する現像ローラ40の外周に塗布し、且つトナーに電荷を付与する。そして現像装置4は、静電潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラ40に現像バイアスを印加することにより、静電潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
【0020】
静電転写ベルト11は、すべての感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向して接し、循環移動するように配設される。静電転写ベルト11は、1011〜1014Ω・cmの体積固有抵抗を持たせたフィルム状部材で構成される。この静電転写ベルト11は、垂直方向に4軸でローラに支持され、図中左側の外周面に転写材Sを静電吸着して感光体ドラム1に転写材Sを接触させるべく循環移動する。これにより、転写材Sは静電転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
【0021】
静電転写ベルト11は、周長約700mm、厚み150μmのベルトであり、駆動ローラ13、従動ローラ14a、14b、テンションローラ15の4本のローラにより掛け渡され、図の矢印方向に回転する。これにより、上述した静電転写ベルト11が循環移動して転写材Sが従動ローラ14a側から駆動ローラ13側へ搬送される間にトナー像を転写される。
【0022】
この静電転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1a、1b、1c、1dに対向した位置に転写ローラ12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラ12から正極性の電荷が静電転写ベルト11を介して転写材Sに印可され、この電荷による電界により、感光体ドラム1に接触中の転写材Sに、感光体ドラム1上の負極性のトナー像が転写される。
【0023】
給送部16は、画像形成部に転写材Sを給送搬送するものであり、複数枚の転写材Sが給送カセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラ18(半月ローラ)、レジストローラ対19が画像形成動作に応じて駆動回転し、給送カセット17内の転写材Sを1枚毎分離給送するとともに、転写材S先端はレジストローラ対19に突き当たり一旦停止し、ループを形成した後静電転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、レジストローラ対19によって静電転写ベルト11へと給送されていく。
【0024】
定着部20は、転写材Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものであり、回転する加熱ローラ21aと、これに圧接して転写材Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21bとからなる。すなわち、感光体ドラム1上のトナー像を転写した転写材Sは、定着部20を通過する際に定着ローラ対21(21a、21b)で搬送されるとともに、定着ローラ対21によって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が転写材S表面に定着される。
【0025】
(画像形成装置の動作)
以上の構成により、画像形成装置は、画像形成時に以下のように動作をする。
【0026】
プロセスカートリッジ7a、7b、7c、7dが、画像形成タイミングに合わせて順次駆動され、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のプロセスカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラ2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与し、スキャナユニット3はその感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面上に静電潜像を形成する。現像装置4内の現像ローラ40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
【0027】
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、静電転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に転写材Sの画像形成開始位置が一致するように、レジストローラ対19が回転を開始して転写材Sを静電転写ベルト11へ給送する。
【0028】
転写材Sは、静電吸着ローラ22と静電転写ベルト11とによって挟み込むようにして静電転写ベルト11の外周に圧接し、かつ静電転写ベルト11と静電吸着ローラ22との間に電圧を印加することにより、誘電体である転写材Sと静電転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起し、転写材を静電転写ベルト11の外周に静電吸着するように構成している。これにより、転写材Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。このように搬送されながら転写材Sは、各感光体ドラム1と転写ローラ12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
【0029】
4色のトナー像を転写された転写材Sは、ベルトの駆動ローラ13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。転写材Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排出ローラ対23によって、排出部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
【0030】
次に、本発明の特徴的な構成について詳しく説明する。
【0031】
〔第1実施形態〕
図面を用いて第1実施形態について説明をする。本実施形態は、各感光体ドラム1を駆動するモータ41(41a、41b、41c、41d)の位相を調整して、画像の色ズレがないように調整しつつ、歯車のかみ合いによる振動も低減するようにする構成を説明する。
【0032】
(軸位相調整手段49)
まず、図2を用いて、感光体ドラムの軸の位相を調整する軸位相調整手段49について説明する。軸位相調整手段49は、軸位相検出部42Aと、色ズレ検出部44Aと、演算部46と、モータ制御部47とから構成される。
【0033】
軸位相検出部42Aが感光体ドラム1の軸位相を検出するために、図2に示すように、感光体ドラム1の回転軸と同軸に付帯された歯車43(43a、43b、43c、43d)と、歯車43の側面の一点に配設される検知マーク45(45a、45b、45c、45d)と、該検知マーク45を検出する軸位相センサ42(42a、42b、42c、42d)とが配設される。この構成により、モータ41の歯車と直接かみ合うことによって回転駆動される感光体ドラム1の歯車43が回転すると、歯車43の1周期ごとに検知マーク45が軸位相センサ42に検出される。検出されたデータは、各色ごとに軸位相検出部42Aに伝達され、各感光体ドラム1の位相が検出される。
【0034】
一方、色ズレ検出部44Aが形成される画像の色ズレを検出するために、静電転写ベルト11と対向するように色ズレセンサ44が配設される。この構成により、所定の色ズレ検出用のパターンを各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)から静電転写ベルト11に対して転写し、静電転写ベルト11上に前記各パターンが重畳された画像を色ズレセンサ44により検出する。検出されたデータは色ズレ検出部44Aに伝達され、色ズレが判断される。
【0035】
このように軸位相検出部42A及び色ズレ検出部44Aに伝達されたデータに基づいて、演算部46が画像の色ズレを低減するように演算をする。そして、この演算結果を基にモータ制御部47が感光体ドラム1を駆動するモータ41(41a、41b、41c、41d)を制御し、各感光体ドラム1の位相を最適な状態に調整する。
【0036】
(軸位相の最適な調整方法)
次に、上記軸位相調整手段49により感光体ドラム1の軸位相を最適な状態に調整する方法について、図3乃至図6を用いて説明する。
【0037】
図3乃至図6は転写材Sに対する各色の位置ズレを示したものである。横軸を転写材Sの先端からの距離、縦軸を正しい位置からの位置ズレ量としている。また、大きな周期の波形は感光体ドラム1回転周期の位置ズレを表したものであり、小さな周期の波形は各色の感光体ドラムを駆動する歯車のかみ合いによる振動を模式的に表したものである。
【0038】
従来の感光体ドラム1の軸位相の調整方法を、図3及び図4を用いて説明する。まず、形成される画像の色ズレを防止することが必要である。転写材S上における、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの4色間での色ズレを防止するために、図3での大きな周期の波形が示すように、各色の感光体ドラム1の位置ズレの特性は、1回転周期ごとに同様であることがわかる。このため、図4に示すように、各色の大きな周期の波形を合わせるように位相を調整すると、各色間での相互の位置ズレの差分が小さくなるため、重ねあわされた画像の色ズレも小さくなる。
【0039】
しかしながら、前述の色ズレ低減のための位相調整をする際に、各色間の感光体ドラム1について小さな周期の波形の位相までも合わせてしまう場合がある。この場合、図4に示すように、複数の歯車間の振動が重なり合って、当該振動が増幅されてしまう。すると、歯車43や、歯車43の周辺の駆動ユニットの振動が増幅されるため、感光体ドラム1の振動により画像にバンディングが発生したり騒音の基となったりする。
【0040】
次に本実施形態による感光体ドラム1の軸位相の調整方法を、図5及び図6を用いて説明する。まず、形成される画像の色ズレを防止するためには、従来と略同様に、各色の大きな周期の波形をほぼ合わせるように位相を調整する。すると、図6に示すように、各色間での相互の位置ズレの差分が小さくなるため、重ねあわされた画像の色ズレも小さくなる。色ズレを許容範囲に抑えるために必要な位相合わせの分解能は、各色の大きな周期の波形の振幅にも依存するが、概ね1/12周期(30°)以上の分解能が望ましい。
【0041】
ここで本実施形態においては、各色の位置ズレの位相がほぼ合っている範囲において、小さな周期の波形の振動の位相を少しずつ異ならせている(図5参照)。このため、小さな周期の波形を重ね合わせると、互いの振動が相殺しあって振動が低減している(図6参照)。この結果、色ズレを防止するために位相を調整した時においても、歯車43や、歯車43の周辺の駆動ユニットの振動が増幅することはなく、画像のバンディングや騒音という不都合を生じさせることはない。
【0042】
ここで、複数の振動が相殺し合う関係に位相を調整する際には、歯車43の回転位相を調整する分解能(調整分解能)を、歯車1歯に相当する角度の4分の1以下にすることが好ましい。このように調整分解能を調整することにより、調整される位相が理想の位相の値に対して1/4周期以下に抑えることができ、振動低減として実用的な性能を得るために必要とされる範囲内に収めることができる。
【0043】
対象となる波形に対する分解能という点では、振動における「1/4周期」は色ズレの「1/12周期」より緩いことになる。この理由は、振動は「増幅させないこと」が重要であり、所定の位相に正しく合わせることの重要性が色ずれほどではないからである。実際に位相を決定する際には、振動抑制により効果的な位相関係、即ちやや離散的な相対位相の組合せの中から、色ズレ抑制に最適な位相を選択することになる。
【0044】
〔第2実施形態〕
図面を用いて第2実施形態について説明をする。本実施形態は、各感光体ドラム1を駆動するモータ51が1つ付帯される画像形成装置において、画像の色ズレがないように調整しつつ、歯車のかみ合いによる振動も低減するようにする構成を説明する。前述と同様の構成については説明を省略する。
【0045】
(画像形成装置)
図7に示すように、第2実施形態の画像形成装置200における、感光体ドラム1の駆動部は、モータ51と、モータ51の駆動力が伝達される歯車列を有する。ここで、歯車列は、各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)と同じ回転軸を有する歯車54(54a、54b、54c、54d)と、歯車54と側面でかみ合って駆動を伝達する歯車53(53a、53b、53c、53d)と、各歯車53の間に挟まれて駆動を伝達する歯車52(52a、52b、52c)とを有する。
【0046】
本実施形態では、1つのモータ51から歯車52bに駆動が伝達され、歯車52bから各色に対応する歯車53、54に駆動が伝達される。このため、駆動手段が第1実施形態のように各色の感光体ドラム1を個別に駆動させるモータではなく、各色に対応するモータの位相を直接調整する方法は採れない。このため、本実施形態においては、各色の感光体ドラム1の歯車54とかみ合う歯車53に、軸位相調整手段59(59a、59b、59c、59d)を設置することで、感光体ドラム1の軸位相を調整する。次に感光体ドラムの軸の位相を調整する軸位相調整手段59について詳細に説明する。
【0047】
(軸位相調整手段59)
図8及び図9に示すように、軸位相調整手段59は、感光体ドラム1と同軸に配設される歯車54にかみ合う歯車53と、歯車53の回転軸の一方から他方に付勢するバネ等の付勢手段57と、歯車53を挟んで付勢手段57と対向する位置に配設される2つのカム55、56とから構成される。尚、歯車54は、回転軸に対して斜めに歯が形成されている、いわゆる斜歯歯車である。また、歯車53は回転軸に対して歯が斜歯歯車と平歯歯車が一体形成された歯車であり、歯車52は平歯歯車である。
【0048】
カム55、56は歯車53と同軸に互いに当接し合うように配設され、図8及び図9に示すように、カム56を回動することにより、付勢手段57の付勢力に抗して歯車53を軸方向に移動させる。また、カム56の回動させる角度によって、歯車53の軸方向の移動量が決まる。
【0049】
図を用いて、具体的な歯車53の移動の様子を説明する。図8に示すように、歯車52がモータ51により直接的又は他の歯車を介して間接的に駆動され、歯車53を介して感光体ドラム1の駆動歯車54を回転駆動する。
【0050】
歯車53は付勢手段57によってカム56の方向に突き当てられているが、カム56を回動させるとカム55とカム56との間隔が変化する。すると、図のように、歯車53の軸方向位置を移動調整することができる。図8においては、カム55とカム56が最も接近した状態であり、歯車53が最もカム55の方向に寄った状態を示している。また、図9には歯車55が付勢手段57の方向に寄った状態を示している。
【0051】
このように、軸位相調整手段59は、歯車53の一部、歯車54が斜歯で構成され、カム56を回動させることで歯車53の軸方向の位置を調整可能に構成される。このため、斜歯歯車の軸方向位置を動かすと、歯車同士のかみ合いの位置が周方向に動くことになり、各色に対応する歯車54の位相も変化することになる。すると、歯車54と同軸に配設される感光体ドラム1の歯車の振動の位相も変化する。
【0052】
カムによる軸方向の調整ストロークは、斜歯歯車のモジュールとねじれ角によって決まる。例えば、モジュールが0.5、ねじれ角が20°の場合、1歯相当の位相を調整するためには約4mmのストロークがあればよい。
【0053】
本実施形態においては、各歯車53(53a、53b、53c、53d)を第1実施形態と同様に調整することで、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
尚、図8および図9では、歯車52及びこれとかみ合う歯車53の一方を平歯歯車としたが、歯車54と異なるねじれ角としても位相調整を行うことができる。
【0055】
〔第3実施形態〕
図面を用いて第3実施形態について説明をする。本実施形態の画像形成装置は、歯車52、53、54で構成される歯車列を支持する筐体を板金で構成したものである。前述と同様の構成については説明を省略する。
【0056】
(画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置300は、感光体ドラム1と同軸に配設された歯車54の軸端を板金フレーム(支持筐体)61によって支持している。このような板金フレーム61の場合、その構成特有の振動モード(形態)を有しており、そのモードが周波数により異なることが一般的に知られている。尚、本実施形態の画像形成装置300は、第2実施形態の歯車列を支持する構成としているが、第1実施形態の感光体ドラム1の歯車43を板金フレームで支持する構成としてもよい。
【0057】
図10におけるA−A、あるいはB−Bを断面として、通常の画像形成速度における板金フレーム61の振動モードを表したものが、図11(a)である。図に示すように、板金フレーム61の振動モードに対し、その周波数と歯車54又は歯車53のかみ合い周波数が近い場合、かみ合い振動の位相は前記振動モードを考慮した関係に調整しなければならない。その理由を次に説明する。
【0058】
図11(b)及び図11(c)における矢印は、各色の歯車54又は歯車53で生じる振動の位相を模式的に表したものである。図11(b)に示すように、各色に対応する歯車のかみ合い振動が板金フレーム61の振動モードに作用して振動が増幅する位相関係となった場合、板金フレーム61そのものの振動が増幅される。感光体ドラム1を支持する板金フレーム61の振動が大きくなると、騒音が悪化したり、感光体ドラム1に作用して画像にバンディングが発生してしまう。
【0059】
一方、図11(c)のように、各色に対応する歯車のかみ合い振動が、板金フレーム61の振動モードを打ち消す位相関係となった場合、板金の振動が抑制される。すると、バンディングや騒音が悪化しにくくなる。
【0060】
このため、歯車53、歯車54のかみ合い振動を、板金フレーム61の振動モードを打ち消すようなかみ合い振動になるように位相を調整すべきである。最終的には、前記の板金フレームの振動と、歯車かみ合いそのもの振動の双方を考慮して最適な位相関係に調整することになる。
【0061】
次に、厚紙等への対応で、通常の画像形成速度より低い速度、例えば通常に対して1/2の速度で画像形成した場合の板金フレームの振動モードを示す(図12(a)参照)。
【0062】
この場合、歯車かみ合いで発生する振動の周波数も1/2になるが、一般的に周波数が低くなると振動モードの次数も下がる。即ち、振動の節、或いは腹がより少ない単純なモードで振動することになる。
【0063】
この場合においても、図12(b)のようなかみ合い振動の位相は、板金フレーム61の振動モードに作用して振動を増幅することとなる。また、図12(c)のようなかみ合い振動の位相は、板金フレーム61の振動を低減することになる。
【0064】
このように、板金フレーム61の振動抑制に最適なかみ合い振動の位相関係は、画像形成速度によって異なる。以上より、軸位相調整手段49及び軸位相調整手段59は、画像形成速度により、かみ合い振動の位相関係を変えられる構成とすることが望ましい。
【0065】
具体的には、第1実施形態の構成においては、あらかじめわかっている位相関係に調整すればよい。第2実施形態においては、カム55及びカム56のプロフィールを異なる色に対応するカムによって異ならせて軸方向の移動量を異ならせたり、これらを不図示の独立回転制御する手段を付帯したりするなどして調整することが可能である。
【0066】
このように軸位相調整手段49又は軸位相調整手段59により位相を調整し、画像形成速度に応じて板金フレーム61の振動モードと歯車かみ合いの振動を異ならせることを可能に構成することで、装置の振動を低減し、形成される画像におけるバンディングも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】画像形成装置100の概略構成を示す断面図。
【図2】第1実施形態の軸位相調整手段49の説明図。
【図3】位相調整において小さな周期の波形の位相を合わせた状態を説明する説明図。
【図4】位相調整において小さな周期の波形の位相を合わせた状態を説明する説明図。
【図5】位相調整において小さな周期の波形の位相を異ならせた状態を説明する説明図。
【図6】位相調整において小さな周期の波形の位相を異ならせた状態を説明する説明図。
【図7】第2実施形態の画像形成装置の駆動部の概略構成を示す断面図。
【図8】第2実施形態の軸位相調整手段59の説明図(カム56の非回動時)。
【図9】第2実施形態の軸位相調整手段59の説明図(カム56の回動時)。
【図10】第3実施形態における、画像形成装置に板金フレーム61を配設した状態を示す図。
【図11】通常の画像形成速度における板金フレーム61の振動モードを示す図。
【図12】画像形成速度が遅い時における板金フレーム61の振動モードを示す図。
【符号の説明】
【0068】
1 …感光体ドラム(像担持体)、
41 …モータ(駆動手段)、
49 …軸位相調整手段、
52 …歯車、53 …歯車、54 …歯車(歯車列)
59 …軸位相調整手段、
61 …板金フレーム、
100 …画像形成装置、
200 …画像形成装置、
300 …画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の像担持体と、
前記像担持体に同軸に付帯される歯車を駆動する複数の駆動手段と、
前記像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整する複数の軸位相調整手段とを有し、
前記軸位相調整手段は、画像における前記像担持体の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、前記複数の像担持体の歯車のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の像担持体と、
前記複数の像担持体のそれぞれに同軸に付帯される歯車とかみ合い、一部又は全てが斜歯歯車で構成される歯車列と、
前記斜歯歯車を軸方向に移動させることで、前記像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整する軸位相調整手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記軸位相調整手段は、画像における前記像担持体の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、前記複数の像担持体の歯車のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記軸位相調整手段は、前記複数の像担持体に同軸に付帯される歯車の調整分解能を前記歯車1歯に相当する角度の4分の1以下の角度にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体に同軸に付帯される歯車又は歯車列を支持する支持筐体を有し、
前記軸位相調整手段は、画像形成速度に応じて決まる支持筐体の振動モードと異なるように、前記複数の像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整することが可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
複数の像担持体と、
前記像担持体に同軸に付帯される歯車を駆動する複数の駆動手段と、
前記像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整する複数の軸位相調整手段とを有し、
前記軸位相調整手段は、画像における前記像担持体の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、前記複数の像担持体の歯車のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
複数の像担持体と、
前記複数の像担持体のそれぞれに同軸に付帯される歯車とかみ合い、一部又は全てが斜歯歯車で構成される歯車列と、
前記斜歯歯車を軸方向に移動させることで、前記像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整する軸位相調整手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記軸位相調整手段は、画像における前記像担持体の1回転周期ごとの位相を合わせるように調整しつつ、前記複数の像担持体の歯車のかみ合いで生じる振動の位相を互いに異ならせるように、位相を調整することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記軸位相調整手段は、前記複数の像担持体に同軸に付帯される歯車の調整分解能を前記歯車1歯に相当する角度の4分の1以下の角度にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体に同軸に付帯される歯車又は歯車列を支持する支持筐体を有し、
前記軸位相調整手段は、画像形成速度に応じて決まる支持筐体の振動モードと異なるように、前記複数の像担持体に同軸に付帯される歯車の位相を調整することが可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−106591(P2006−106591A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296344(P2004−296344)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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