説明

画像形成装置

【課題】載置スペースの省スペース化を図るとともに、画像形成装置の設置場所の自由度を高めることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】各トナーカートリッジ46と各プロセスカートリッジ26とが左右方向に連通されるプリンタにおいて、各トナーカートリッジ46に設けられ、対応するプロセスカートリッジ26にトナーを供給する供給筒98の供給口99と、トナーを受け入れる各プロセスカートリッジ26のプロセス側受入口70との連通を解除するように、各トナーカートリッジ46の供給筒98を、各プロセスカートリッジ26から右側に退避させて、その後、各トナーカートリッジ46を一体的に支持するトナーカートリッジドロワ45を本体ケーシング2外へ前側に引き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタとして、感光体と、感光体にトナーを供給する現像ローラとを、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーに対応して備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
【0003】
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、例えば、感光体および現像ローラを備える画像形成ユニットと、トナーを収容するトナーカートリッジとを備えるプリンタが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このプリンタでは、画像形成ユニットは、プリンタ内部の中央に設けられており、トナーカートリッジは、プリンタ内部の側方部に着脱自在に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−230889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のプリンタでは、トナーカートリッジは、プリンタの側方部(具体的には、カートリッジ収容部)に対して、感光体の軸方向に着脱される。
【0007】
そのため、プリンタの側方に、別途、トナーカートリッジを着脱させるための大きなスペースを作る必要があり、プリンタを載置するスペース(載置スペース)の省スペース化を図ることが困難な場合がある。
【0008】
また、そのようなプリンタは、棚など、上方や側方のスペースが限られた場所に設置することが困難であり、プリンタの設置場所の自由度が低かった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、載置スペースの省スペース化を図るとともに、画像形成装置の設置場所の自由度を高めることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、装置本体と、複数の画像形成ユニットと、複数の現像剤カートリッジとを備えている。
【0011】
各画像形成ユニットは、静電潜像が形成される感光ドラムと、感光ドラムに対向配置される現像剤担持体と、現像剤を受け入れるための受入口とを含み、装置本体内において、前記感光ドラムの軸線方向と直交する所定方向に並列配置されている。
【0012】
各現像剤カートリッジは、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部内の現像剤を対応する画像形成ユニットに供給するための供給口を有する供給部とを含み、各画像形成ユニットに対応するように所定方向に並列配置され、軸線方向において対応する画像形成ユニットに対向配置されている。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、各前記現像剤カートリッジを着脱可能に支持する支持部材と、移動機構とを備えている。
【0014】
支持部材は、所定方向に沿って、装置本体内に装着される装着位置と、装置本体外へ引き出されて各現像剤カートリッジが着脱可能な引出位置とに移動可能である。
【0015】
移動機構は、供給部を、支持部材が装着位置に配置された状態で、供給口と受入口とが連通するとともに、支持部材が所定方向に移動不能な連通位置と、画像形成ユニットから軸線方向に退避され、供給口と受入口との連通が解除されるとともに、支持部材が引出位置へ移動可能な連通解除位置とに移動させる。
【0016】
このような構成によれば、供給部を連通位置から連通解除位置へ移動させて、その後、支持部材を装着位置から装置本体外へ所定方向に引き出すことができる。
【0017】
そのため、各現像剤カートリッジと各画像形成ユニットとが軸線方向に連通される構成において、各現像剤カートリッジの供給部のみを各画像形成ユニットから軸線方向に退避させることで、支持部材を所定方向に沿って移動させることができる。
【0018】
その結果、画像形成装置の軸線方向外側において、各現像剤カートリッジを着脱させるためのスペースを縮小することができ、ひいては、画像形成装置の載置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0019】
また、画像形成装置を、棚など、画像形成装置の軸線方向外側のスペースが限定された場所に設置した場合でも、支持部材を前側に引き出して、現像剤カートリッジを交換することができる。
【0020】
その結果、画像形成装置の設置場所の自由度を高めることができる。
(2)また、移動機構は、各現像剤カートリッジの供給部を、一括して、連通位置と連通解除位置とに移動させてもよい。
【0021】
このような構成によれば、移動機構によって、すべての供給部を、連通位置から連通解除位置へ、または、連通解除位置から連通位置へ、1動作で移動させることができる。
(3)また、移動機構は、支持部材の引出方向において、その下流側端部に操作部を備えていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、支持部材と同じ側から、容易に移動機構の操作部にアクセスすることができる。
(4)また、複数の現像剤カートリッジは、供給部を連通解除位置に向かって付勢する付勢部材を備えていてもよい。
【0023】
また、移動機構は、供給部を連通位置へ向かって押圧する押圧位置と、供給部に対する押圧を解除する押圧解除位置とに移動可能な押圧部材と、所定方向に沿って往復移動可能であって、所定方向一方へ移動されたときに、押圧部材を押圧位置へ向かって押圧して付勢部材の付勢力に抗して供給部を連通位置に配置させるとともに、所定方向他方へ移動されたときに、押圧部材に対する押圧を解除して付勢部材の付勢力によって供給部を連通解除位置に配置させる往復移動部材とを備えていてもよい。
【0024】
また、押圧部材および往復移動部材は、供給部に対して画像形成ユニットの反対側に配置されていてもよい。
【0025】
このような構成によれば、付勢部材の付勢力により、常には、供給部を連通解除位置に配置させて、供給口と受入口との連通を解除することができる。
【0026】
また、簡易な構成で、往復移動部材の所定方向に沿う往復移動により、供給部を、連通位置と連通解除位置とに移動させることができる。
(5)また、装置本体は、支持部材を引き出すための開口部と、開口部を開放する開位置と開口部を閉鎖する閉位置とに移動可能な開閉部材とを備えていてもよい。
【0027】
また、移動機構は、開閉部材の閉位置から開位置への移動に連動して、供給部を連通位置から連通解除位置へ移動させ、開閉部材の開位置から閉位置への移動に連動して、供給部を連通解除位置から連通位置へ移動させてもよい。
【0028】
このような構成によれば、開閉部材の開動作に連動させて、供給部を連通解除位置へ移動させ、開閉部材の閉動作に連動させて、供給部を連通位置へ移動させることができる。
(6)また、供給部は、現像剤を供給口へ向かって搬送する搬送部材を備えていてもよい。
【0029】
このような構成によれば、確実に、現像剤を供給口へ向かって搬送することができ、現像剤を、画像形成ユニットに安定供給できる。
(7)また、画像形成ユニットは、装置本体からの駆動力が伝達されるユニット側カップリング部材を備えていてもよい。
【0030】
また、供給部は、その連通解除位置から連通位置へ向かう方向の下流側端部において、ユニット側カップリング部材に相対回転不能に連結される供給部側カップリング部材を備えていてもよい。
【0031】
このような構成によれば、供給部を連通解除位置から連通位置に配置させるとともに、ユニット側カップリング部材と供給部側カップリング部材とを連結して、供給部に装置本体からの駆動力を伝達することができる。
【0032】
また、供給部を連通位置から連通解除位置に配置させるとともに、ユニット側カップリング部材と供給部側カップリング部材との連結を解除して、供給部への駆動力の伝達を解除することができる。
(8)また、複数の画像形成ユニットは、所定方向に沿って、装置本体内に装着、または、装置本体外へ引き出し可能であってもよい。
【0033】
このような構成によれば、各画像形成ユニットも、所定方向からメンテナンスすることができる。
(9)また、本発明の現像剤カートリッジは、現像剤を吐出する現像剤吐出口を有し、現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部から現像剤を受け入れる現像剤受入口を有し、現像剤収容部の下側に連結され、現像剤収容部から現像剤を受け入れて、水平方向に向かって現像剤を供給する供給部とを備えていてもよい。
【0034】
供給部は、現像剤吐出口と現像剤受入口とを連通させる開位置と、現像剤吐出口と現像剤受入口との連通を解除して現像剤吐出口を閉鎖する閉位置とに水平方向に沿って移動可能である。
【0035】
このような構成によれば、供給部によって、現像剤収容部の現像剤吐出口を開閉するとともに、現像剤収容部内の現像剤を水平方向に向かって供給することができる。
【0036】
そのため、現像剤吐出口を開閉するための部材と、現像剤を水平方向に供給するための部材とを別々に設けることなく、簡易な構成で、現像剤吐出口の開閉と、現像剤の水平方向への供給とを同時に実現することができる。
(10)また、本発明の現像剤カートリッジは、供給部を、閉位置へ向かって付勢する付勢部材を備えていてもよい。
【0037】
このような構成によれば、付勢部材の付勢力により、常には、供給部を閉位置に配置させて、現像剤吐出口を閉鎖することができる。
(11)また、供給部は、現像剤を前記水平方向へ搬送する搬送部材を備えていてもよい。
【0038】
このような構成によれば、確実に、現像剤を水平方向へ搬送することができ、現像剤を、水平方向に安定供給できる。
(12)また、供給部は、現像剤の搬送方向下流側端部において、搬送部材に駆動力を入力するための駆動入力部材を備えていてもよい。
【0039】
このような構成によれば、供給部を搬送方向下流側へ移動させたときに、容易に、駆動入力部材に駆動力を入力することができる。
(13)また、搬送部材は、オーガスクリューであってもよい。
【0040】
このような構成によれば、簡易な構成で確実に、現像剤を水平方向へ搬送することができ、現像剤を、水平方向に安定供給できる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、画像形成装置の軸線方向外側において、各現像剤カートリッジを着脱させるためのスペースを縮小することができ、ひいては、画像形成装置の載置スペースの省スペース化を図るとともに、画像形成装置の設置場所の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのプリンタを示す中央断面図である。
【図2】図2は、図1に示すプリンタの斜視図であって、フロントカバーが開放された状態を示す。
【図3】図3は、図1のA−A断面図であって、トナーカートリッジ側フロントカバーが閉鎖された状態を示す。
【図4】図4は、図1のA−A断面図であって、トナーカートリッジ側フロントカバーが開放された状態を示す。
【図5】図5は、図2に示すトナーカートリッジ収容部を説明する説明図であって、レール部材との平面図を示す。
【図6】図6は、図2に示すトナーカートリッジ収容部を説明する説明図であって、供給筒の移動を示し、フロントカバーが閉鎖され、供給筒が進出位置に配置されている状態を示す。
【図7】図7は、図2に示すトナーカートリッジ収容部を説明する説明図であって、供給筒の移動を示し、フロントカバーが開放され、供給筒が退避位置に配置されている状態を示す。
【図8】図8は、図2に示すトナーカートリッジ収容部を説明する説明図であって、トナーカートリッジドロワが引出位置に引き出された状態を示す。
【図9】図9は、図1に示すプロセスカートリッジの着脱を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1.プリンタの全体構成
図1および図2に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0044】
また、プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内において、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4と、トナーカートリッジ46(後述)を収容するトナーカートリッジ収容部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、プロセス側本体開口部6が形成されており、開閉部材の一例としてのフロントカバー7が、その下端部を支点として、プロセス側本体開口部6を閉鎖する閉位置と、プロセス側本体開口部6を開放する開位置とに揺動(移動)可能に設けられている。
【0045】
フロントカバー7の下端部には、給紙トレイ10(後述)の前端部を露出する開口8が形成されている。また、フロントカバー7には、開口8の上端部から、プロセスフレーム27(後述)の底壁と、用紙搬送部材18(後述)の前端部との間に向かって、後下側へ延びる手差しガイド9が設けられている。
【0046】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ10を備えている。
【0047】
給紙トレイ10は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ10の前壁の上端部には、下側に向かって開放される側断面視略U時形状の把持部11が設けられている。なお、把持部11の上面は、手差しガイド9に対して上下に間隔を隔てて対向配置されており、把持部11の上面と、手差しガイド9との隙間は、給紙トレイ10に収容されている用紙P以外の用紙Pが供給される手差し開口12として区画されている。
【0048】
また、給紙部3には、給紙トレイ10の後端部上側に配置されるピックアップローラ13と、ピックアップローラ13の後側に配置される給紙ローラ14と、給紙ローラ14の下側に対向配置される給紙パッド15と、給紙ローラ14に後側から接触される上下1対のピンチローラ16と、給紙ローラ14の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ17とが設けられている。
【0049】
そして、給紙トレイ10上の用紙P(図1実線参照)は、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られ、給紙ローラ14の回転により1枚ずつ捌かれる。その後、捌かれた用紙Pは、給紙ローラ14の回転により、給紙ローラ14と各ピンチローラ16との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ17間に向けて給紙され、レジストローラ17の回転により、所定のタイミングで、画像形成部4(中間転写ベルト41(後述)と二次転写ローラ38(後述)との間)に供給される(第1搬送経路)。
【0050】
また、給紙部3には、給紙トレイ10と、プロセスフレーム27(後述)の底壁との間において、手差しパス(第2搬送経路)が形成されている。
【0051】
給紙トレイ10には、プロセスフレーム27(後述)の底壁に対向するように、手差しパスの下壁を構成する用紙搬送部材18が設けられている。
【0052】
用紙搬送部材18は、前後方向に延びる略平板形状に形成されており、左右1対の支持板19および各圧縮ばね20を介して、給紙トレイ10の上端部に設けられている。
【0053】
また、用紙搬送部材18は、前後方向に互いに間隔を隔てて、5つのトレイ側搬送部材21を回転可能に備えている。
【0054】
なお、プロセスフレーム27(後述)の底壁には、各トレイ側搬送部材21に対応するように、5つのプロセス側搬送部材22が回転可能に設けられている。
【0055】
そして、手差し開口12に供給された用紙P(図1破線参照)は、フロントカバー7の手差しガイド9、および、給紙トレイ10の把持部11の上面によって、最前方のプロセス側搬送部材22と、最前方の各トレイ側搬送部材21とのニップ部に案内され、各プロセス側搬送部材22の駆動、および、各トレイ側搬送部材21の従動により、プロセスフレーム27(後述)の下面と、用紙搬送部材18の上面との間を前方から後方に向かって搬送される(第2搬送経路)。
【0056】
その後、用紙Pは、用紙搬送部材18の後端部において、ピックアップローラ13に案内され、上記したように、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られる。その後、用紙Pは、給紙ローラ14の回転により、給紙ローラ14と各ピンチローラ16との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ17間に向けて給紙され、レジストローラ17の回転により、所定のタイミングで、中間転写ベルト41(後述)と二次転写ローラ38(後述)との間に供給される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、給紙部3の上側に配置されており、プロセスユニット23、転写ユニット24および定着ユニット25を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット23は、給紙トレイ10の上側において、ピックアップローラ13の前側に、本体ケーシング2内に装着されるプロセス側装着位置(図1参照)と、本体ケーシング2から引き出されるプロセス側引出位置(図9参照)とに、前後方向に沿って移動可能に設けられている。
【0057】
プロセスユニット23は、各色に対応する4つの画像形成ユニットの一例としてのプロセスカートリッジ26と、各プロセスカートリッジ26を着脱可能に保持するプロセスフレーム27とを備えている。
【0058】
各プロセスカートリッジ26は、前後方向(所定方向)に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ26K、イエロープロセスカートリッジ26Y、マゼンタプロセスカートリッジ26Mおよびシアンプロセスカートリッジ26Cが、順次配置されている。
【0059】
また、各プロセスカートリッジ26は、感光ドラム28と、スコロトロン型帯電器29と、現像器30とを一体的に保持している。
【0060】
感光ドラム28は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
【0061】
スコロトロン型帯電器29は、対応する感光ドラム28の後下側に、感光ドラム28と間隔を隔てて対向配置されている。
【0062】
現像器30は、対応する感光ドラム28の前下側に配置されている。現像器30は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ31を備えている。
【0063】
現像ローラ31は、現像器30の上端において、上側(後上側)から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム28に対して前下側から接触されている。
【0064】
なお、現像器30は、現像ローラ31にトナーを供給する供給ローラ32、現像ローラ31に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード33を備えている。また、各現像器30は、供給ローラ32の後下側において、トナーカートリッジ46(後述)から供給されるトナーを貯留するトナー貯留部34を備えている。
【0065】
また、ブラックプロセスカートリッジ26Kは、ベルトクリーニングローラ90と、廃トナー貯留部87と、中継ローラ88と、掻き取りブレード89とを備えている。
【0066】
ベルトクリーニングローラ90は、中間転写ベルト41(後述)の下側部分に下側から接触されるように、ブラックプロセスカートリッジ26Kの感光ドラム28の前側に回転可能に支持されている。
【0067】
中間転写ベルト41(後述)の表面に残存したトナーは、ベルトクリーニングローラ90によってクリーニングされ、一旦中継ローラ88に保持された後、掻き取りブレード89で掻き取られることにより、廃トナー貯留部87内に貯留される。
【0068】
また、ブラックプロセスカートリッジ26Kは、廃トナー貯留部87内において、オーガスクリュー91を回転可能に備えている。オーガスクリュー91は、廃トナー貯留部87内に収容された廃トナーを、ブラックのトナーカートリッジ46(後述)に設けられる廃トナー収容部(図示せず)へ搬送する。
【0069】
プロセスフレーム27は、前後方向に沿ってスライド可能に設けられ、各感光ドラム28に対応するように4つのLEDユニット35を備えている。
【0070】
各LEDユニット35は、対応する現像器30の後側において、対応する感光ドラム28に下側から対向するように設けられている。各LEDユニット35は、左右方向に並列配置される複数のLEDを有するLEDアレイ36を備え、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム28の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット24は、ベルトユニット37と二次転写ローラ38とを備えている。
【0071】
ベルトユニット37は、プロセス側装着位置におけるプロセスユニット23の上側において、各感光ドラム28に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
【0072】
ベルトユニット37は、駆動ローラ39、従動ローラ40、中間転写ベルト41、および、4つの一次転写ローラ42を備えている。
【0073】
駆動ローラ39および従動ローラ40は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0074】
中間転写ベルト41は、その下側部分が各感光ドラム28に接触されるように、駆動ローラ39および従動ローラ40の周りに掛け渡されている。また、中間転写ベルト41は、駆動ローラ39の駆動により、各感光ドラム28と接触する下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0075】
各一次転写ローラ42は、各感光ドラム28と、それぞれ中間転写ベルト41の下側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0076】
二次転写ローラ38は、ベルトユニット37の駆動ローラ39と、中間転写ベルト41を挟んで対向するように、ベルトユニット37の後側に設けられている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット25は、二次転写ローラ38の上側に配置され、加熱ローラ43、および、加熱ローラ43に対向する加圧ローラ44を備えている。
(4)トナーカートリッジ収容部
トナーカートリッジ収容部5は、プロセスユニット23の右側に設けられている。トナーカートリッジ収容部5の前端部には、プロセス側本体開口部6の右側に隣接するように、開口部の一例としてのトナーカートリッジ側本体開口部132が形成されている。トナーカートリッジ側本体開口部132は、フロントカバー7により、プロセス側本体開口部6と同時に開閉される。また、トナーカートリッジ収容部5内には、支持部材の一例としてのトナーカートリッジドロワ45が収容されている。
【0077】
トナーカートリッジドロワ45は、各色の現像剤の一例としてのトナーを収容する4つの現像剤カートリッジの一例としてのトナーカートリッジ46を一体的に支持している。
【0078】
トナーカートリッジドロワ45は、すべてのプロセスカートリッジ26に対応するように、前後方向に沿って配置されており、本体ケーシング2内に装着される装着位置の一例としてのトナーカートリッジ側装着位置(図2参照)と、本体ケーシング2外へ引き出される引出位置の一例としてのトナーカートリッジ側引出位置(図8参照)とに移動可能に設けられている。
【0079】
後で詳述するが、各トナーカートリッジ46は、トナーカートリッジドロワ45がトナーカートリッジ側装着位置に配置されているときには、対応するプロセスカートリッジ26の右側に対向配置され、そのトナー貯留部34に対して、トナーを供給可能に連結されている。
(5)画像形成動作
トナーカートリッジ46からプロセスカートリッジ26のトナー貯留部34内に供給されたトナーは、供給ローラ32に供給され、さらに、現像ローラ31に供給される。
【0080】
現像ローラ31に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード33によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ31の表面に担持される。また、現像ローラ31に供給されたトナーは、層厚規制ブレード33と現像ローラ31との間で正極性に摩擦帯電される。
【0081】
一方、感光ドラム28の表面は、感光ドラム28の回転に伴って、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、LEDユニット35により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム28の表面に形成される。
【0082】
感光ドラム28がさらに回転すると、現像ローラ31の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム28の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム28の静電潜像は可視像化され、感光ドラム28の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0083】
感光ドラム28の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト41の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト41にカラー画像が形成される。
【0084】
中間転写ベルト41に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト41が二次転写ローラ38との間を通過する間に、給紙部3から供給される用紙Pに、二次転写される。
【0085】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット25において、用紙Pが加熱ローラ43と加圧ローラ44との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(6)排紙
本体ケーシング2の上面には、用紙Pが排紙される排紙トレイ47が形成されている。また、本体ケーシング2の後側上端部には、排紙トレイ47よりも上側へ突出する排紙部48が形成されている。
【0086】
排紙部48には、排紙トレイ47よりも上側において、用紙Pを排紙する排紙口49が形成されている。また、排紙部48は、排紙口49内において、用紙Pを排紙トレイ47へ搬送する複数(3つ)の排紙ローラ50を備えている。
【0087】
そして、定着ユニット25においてトナー像が定着された用紙Pは、各排紙ローラ50によって、排紙トレイ47上に排紙される。
2.プロセスユニット
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム27は、図1、図3および図4に示すように、上側が開放された有底略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム27は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対の側壁53と、両側壁53の前端部間に架設される前壁51と、両側壁53の後端部間に架設される後壁52とを備えている。
【0088】
前壁51は、前側へ突出する取っ手54を備えている。
【0089】
両側壁53の上側後端部には、ガイドころ55が回転可能に設けられている。なお、両側壁53の上端縁には、左右方向外側へ突出し前後方向に延びる突条(図示せず)が設けられている。
【0090】
なお、右側の側壁53には、現像器30のトナー受入部66(後述)を露出させる露出溝56が形成されている。露出溝56は、右側の側壁53の上端縁から下側へ向かって切り欠かれるように、上側が開放される凹溝として形成されている。
(2)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ26は、左右1対の側板60、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29および現像器30を備えている。
【0091】
両側板60は、上下方向に延びる略平板形状に形成され、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。なお、右側の側板60には、トナー受入部66(後述)を露出する露出開口59が形成されている。
【0092】
感光ドラム28は、両側板60間に回転可能に支持されている。スコロトロン型帯電器29は、両側板60間に架設されている。
【0093】
現像器30は、両側板60間に設けられている。また、現像器30は、現像筐体61を備えている。
【0094】
現像筐体61は、現像ローラ31および供給ローラ32を支持する第1フレーム62と、トナー貯留部34を構成する第2フレーム63とを一体的に備えている。
【0095】
第1フレーム62は、左右方向に延び、後上側が開放された断面略U字形の筒形状に形成されている。第1フレーム62内には、供給ローラ32の後側において、オーガスクリュー67が回転可能に設けられている。第1フレーム62の下側後端部には、オーガスクリュー67の後側に対向するように、トナー供給口64とトナー回収口65とが形成されている。
【0096】
トナー供給口64は、第1フレーム62の左端部において、略矩形状に貫通形成されている。
【0097】
トナー回収口65は、第1フレーム62の右端部において、トナー供給口64と略同一の寸法で、略同一形状に貫通形成されている。なお、トナー供給口64とトナー回収口65とは、左右方向に投影したときに互いに重なるように配置されている。
【0098】
第2フレーム63は、第1フレーム62の後端部の下側に設けられ、左右方向に延び、前上側が開放された断面視略C字形の部分円筒形状に形成されている。詳しくは、第2フレーム63の上端部は、トナー供給口64およびトナー回収口65の上側周端縁に連続するように、第1フレーム62の下側後端部に連続されている。また、第2フレーム63の上端部は、トナー供給口64およびトナー回収口65の下端縁よりも前下側において、第1フレーム62の下側後端部に連続されている。
【0099】
また、現像器30は、トナー貯留部34の右側において、トナー受入部66を備えている。
【0100】
トナー受入部66は、上下に2つの円筒が連なった二連筒形状に形成されており、下側に配置される搬送筒68と、上側に配置される受入筒69とを備えている。
【0101】
搬送筒68は、第2フレーム63と中心軸線を共有するように第2フレーム63の右壁から連続して右側へ延び、第2フレーム63よりも小径な略円筒形状に形成されている。搬送筒68は、第2フレーム63と中心軸線を共有するように、その左端部において、第2フレーム63の右壁に連続されている。搬送筒68の左端部は、開放されており、第2フレーム63内に臨んでいる。搬送筒68の右端部は、閉鎖されている。
【0102】
そして、第2フレーム63と搬送筒68との内側には、トナー搬送部材81が設けられている。
【0103】
トナー搬送部材81は、第2フレーム63内に配置されるアジテータ82と、搬送筒68内に配置されるオーガスクリュー83とを、互いに回転軸を共有するように、左右方向に連続して一体的に備えている。トナー搬送部材81の右端部は、搬送筒68の右壁に回転可能に支持されている。また、トナー搬送部材81の左端部は、第2フレーム63の左壁から左側へ突出するように、第2フレーム63の左壁に相対回転可能に支持されている。また、トナー搬送部材81の左端部には、第2フレーム63の左壁の左側において、トナー搬送部材駆動ギヤ84が相対回転不能に設けられている。トナー搬送部材駆動ギヤ84には、図示しないギヤ列を介して、本体ケーシング2からの駆動力が入力される。
【0104】
受入筒69は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されており、その下端部において、搬送筒68の上端部に連続されている。また、受入筒69の左端部は、閉鎖されており、第1フレーム62の右側に間隔を隔てて対向配置されている。受入筒69の右端部は、開放されている。また、受入筒69の内径は、トナーカートリッジ46の供給筒98(後述)を受入可能に、供給筒98(後述)の外径よりもわずかに小径に形成されている。そして、受入筒69の下端部の右端部には、搬送筒68と受入筒69とを連通するように、受入口の一例としてのプロセス側受入口70が上下方向に貫通形成されている。
【0105】
また、受入筒69は、プロセス側シャッタ71と、ユニット側カップリング部材の一例としてのカップリング72とを備えている。
【0106】
プロセス側シャッタ71は、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。プロセス側シャッタ71は、供給筒98(後述)の外径と略同径の外径で、受入筒69の左右方向長さの約半分に相当する左右方向長さに形成されている。また、プロセス側シャッタ71の右壁には、カップリング72の被嵌合部材75(後述)を露出するカップリング露出穴76が貫通形成されている。カップリング露出穴76は、被嵌合部材75(後述)の直径よりも大径に形成されている。
【0107】
そして、プロセス側シャッタ71は、受入筒69内において、プロセス側受入口70を開放するように受入筒69の左端部に配置される開位置(図3参照)と、プロセス側受入口70を閉鎖するように受入筒69の右端部に配置される閉位置(図4参照)とにスライド可能に設けられている。また、プロセス側シャッタ71は、受入筒69の左壁とプロセス側シャッタ71の右壁との間に介在される圧縮ばね73によって、常には、閉位置に配置されるように、右側へ向かって付勢されている。
【0108】
カップリング72は、受入筒69の左壁に回転可能に支持されている。詳しくは、カップリング72は、駆動軸74と被嵌合部材75と駆動入力ギヤ77とを備えている。
【0109】
駆動軸74は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、受入筒69の左壁に回転可能に支持されている。
【0110】
被嵌合部材75は、駆動軸74の右端部に相対回転不能に設けられ、駆動軸74と中心軸線を共有する略円板形状に形成されている。
【0111】
駆動入力ギヤ77は、受入筒69と第1フレーム62との間において、駆動軸74と中心軸線を共有するように、駆動軸74の左端部に相対回転不能に設けられている。駆動入力ギヤ77には、図示しないギヤ列を介して、本体ケーシング2からの駆動力が入力される。
3.トナーカートリッジおよびトナーカートリッジ収容部
(1)トナーカートリッジ
トナーカートリッジ46は、図3および図4に示すように、トナーが収容されるカートリッジ筐体94と、カートリッジ筐体94内のトナーをプロセスカートリッジ26のトナー貯留部34へ供給する供給部の一例としての供給筒98とを備えている。
【0112】
カートリッジ筐体94は、側面視略矩形のボックス形状に形成されている。また、カートリッジ筐体94には、トナーを収容する現像剤収容部の一例としてのトナー収容部95と、供給筒98を支持する供給筒支持部96とが形成されている。
【0113】
トナー収容部95は、カートリッジ筐体94の下側以外に設けられている。トナー収容部95の下端部は、下側へ向かうに従って開口断面積が小さくなるように形成されており、その下端縁には、下側へ向かって開放される現像剤吐出口の一例としての連通口97が形成されている。
【0114】
供給筒支持部96は、連通口97に連続するように、カートリッジ筐体94の下端部に形成され、左右方向に延びる断面視略円形状に貫通形成されている。供給筒支持部96の内径は、供給筒98の外径よりも大径である。
【0115】
また、供給筒支持部96には、ばね収容部93が形成されている。
【0116】
ばね収容部93は、供給筒支持部96の左右方向途中(詳しくは、供給筒支持部96の左右方向略中央より左側)において、連通口97の左側に設けられ、供給筒支持部96の径方向内側から径方向外側へ拡径されるように、左右方向に延びる断面視略円形状に形成されている。
【0117】
供給筒98は、左右方向へ延び、左右両端が閉鎖された略円筒形状に形成されている。供給筒98は、カートリッジ筐体94の左右方向長さと略同じ左右方向長さに形成されている。供給筒98の左端部の下端部には、供給口の一例としての供給口99が上下方向に貫通形成されている。また、供給筒98の右端部の上端部には、現像剤受入口の一例としての供給筒側受入口109が上下方向に貫通形成されている。また、供給筒98の左右方向略中央には、供給筒98の径方向外面から径方向外側へ突出する鍔部101が設けられている。
【0118】
また、供給筒98は、搬送部材の一例としてのオーガスクリュー100を備えている。
【0119】
オーガスクリュー100は、供給筒98内に左右方向に沿って設けられている。オーガスクリュー100の右端部は、供給筒98の右壁に回転可能に支持されている。オーガスクリュー100の左端部は、供給筒98の左壁から左側へ突出するように、供給筒98の左壁に回転可能に支持されている。また、オーガスクリュー100の左端部には、駆動入力部材および供給部側カップリング部材の一例としての嵌合部102が形成されている。
【0120】
嵌合部102は、オーガスクリュー100と回転中心を共有する略円板形状に形成されており、トナー受入部66のカップリング72の被嵌合部材75に相対回転不能に嵌合される。
【0121】
そして、供給筒98は、カートリッジ筐体94の供給筒支持部96内に、鍔部101がばね収容部93内に配置されるように、支持されている。
【0122】
これにより、供給筒98は、供給筒支持部96内に退避される連通解除位置および閉位置の一例としての退避位置(図4参照)と、その左端部が供給筒支持部96の左端部から左側へ進出される連通位置および開位置の一例としての進出位置(図3参照)とに左右方向に移動可能に支持されている。
【0123】
供給筒98が退避位置に配置されているときには、鍔部101は、ばね収容部93の右端部に配置されており、供給筒側受入口109と連通口97とは、供給筒側受入口109が連通口97の右側にずれるように連通が解除されている。なお、連通口97は、供給筒98の上端部(供給筒側受入口109の左側の部分)によって下側から閉鎖されている。また、供給筒98が退避位置に配置されているときには、供給筒98の左右両端面は、カートリッジ筐体94の左右両端面と略面一となる。
【0124】
また、供給筒98が進出位置に配置されているときには、鍔部101は、ばね収容部93の左端部に配置されており、供給筒側受入口109と連通口97とは、上下方向に対向されて、互いに連通されている。
【0125】
そして、供給筒98は、鍔部101の右面とばね収容部93の左面との間に介在される付勢部材の一例としての圧縮ばね103によって、常には、退避位置に配置されるように、右側へ向かって付勢されている。また、供給筒98は、圧縮ばね103の付勢力に抗して左側へ移動され、進出位置に配置される。
【0126】
なお、図1に示すように、ブラックのトナーカートリッジ46は、他のトナーカートリッジ46(シアン、マゼンタ、イエローのトナーカートリッジ46)よりも前後方向に幅広に形成されており、その前端部において、廃トナー貯留部87から搬送される廃トナーを収容する廃トナー収容部(図示せず)が、トナー収容部95とは別に設けられている。
【0127】
そして、ブラックのトナーカートリッジ46は、図6に示すように、ブラックプロセスカートリッジ26Kの廃トナー貯留部87に連結される廃トナー搬送筒104を備えている。
【0128】
廃トナー搬送筒104は、供給筒98と略同形状に形成されている。なお、供給筒98の左端部には、供給口99の代わりに、その上端部において、廃トナー貯留部87から廃トナーを受け入れる廃トナー受入口(図示せず)が上下方向に貫通形成されている。
【0129】
そして、廃トナー搬送筒104は、進出位置(図6参照)に配置されたときに、ブラックプロセスカートリッジ26Kの廃トナー貯留部87に連結される。なお、廃トナー搬送筒104が退避位置(図7参照)に配置されたときには、廃トナー搬送筒104と廃トナー貯留部87との連結が解除される。
(2)トナーカートリッジ収容部
図2、図3および図4に示すように、トナーカートリッジ収容部5は、隔壁113によって左右に分割されており、左側にトナーカートリッジドロワ45が収容され、右側に移動機構111が収容されている。
【0130】
隔壁113の下端部には、押圧部材121(後述)が挿通される5つ(図5参照)の押圧部材挿通穴118が形成されている。
【0131】
各押圧部材挿通穴118は、各供給筒98および廃トナー搬送筒104に対応するように、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。
(2−1)トナーカートリッジドロワ
トナーカートリッジドロワ45は、図1に示すように、前後方向に延び、左右両端が開放された有底枠形状に形成されている。詳しくは、トナーカートリッジドロワ45は、底壁112、前壁114、後壁115、および、3つの仕切壁116を一体的に備えている。
【0132】
底壁112は、前後方向に延びる平面視略矩形の平板形状に形成されている。底壁112の後端部には、その右端部と左端部とにそれぞれ、トナーカートリッジ収容部5内のガイド溝123(後述)に遊嵌されるドロワ側ころ117が設けられている。
【0133】
前壁114は、底壁112の前端部から上側へ立設される略平板形状に形成されている。
【0134】
後壁115は、底壁112の後端部から上側へ立設される略平板形状に形成されている。
【0135】
各仕切壁116は、前壁114と後壁115との間において、互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置され、底壁112から上側へ立設される略平板形状に形成されている。これにより、トナーカートリッジドロワ45は、各トナーカートリッジ46の前後方向長さに対応するように4つに仕切られている。
【0136】
そして、各トナーカートリッジ46は、前壁114、後壁115および仕切壁116で仕切られた部分において、トナーカートリッジドロワ45に着脱可能に支持されている。
【0137】
なお、図5に示すように、トナーカートリッジ収容部5の底部には、トナーカートリッジドロワ45のドロワ側ころ117を受け入れるガイド溝123が形成されている。また、トナーカートリッジ収容部5の底部には、レール側ころ127が設けられている。
【0138】
ガイド溝123は、トナーカートリッジ収容部5の左側半分において、トナーカートリッジドロワ45のドロワ側ころ117に対応するように、左右方向に間隔を隔てて2つ設けられている。ガイド溝123は、トナーカートリッジ収容部5の底面から下側へ向かって凹む凹溝であり、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。
【0139】
レール側ころ127は、ガイド溝123の前端部内において、その上端部がガイド溝123から上側へ突出するように、回転可能に設けられている。
【0140】
そして、トナーカートリッジドロワ45は、ドロワ側ころ117がガイド溝123内に嵌合されるように、トナーカートリッジ収容部5内に収容されている。なお、レール側ころ127は、トナーカートリッジドロワ45の底壁112に下側から当接されている。
(2−2)移動機構
移動機構111は、図2、図6および図7に示すように、往復移動部材の一例としての直動カム122と、5つの押圧部材121とを備えている。
【0141】
直動カム122は、トナーカートリッジ収容部5の右側半分において、前後方向にスライド可能に設けられ、前後方向に延びる平面視略矩形の角柱形状に形成されている。
【0142】
直動カム122は、各供給筒98および廃トナー搬送筒104に対応する4つの凹部119と、操作部の一例としてのラック部120とを備えている。
【0143】
各凹部119は、直動カム122の左面から右側へ向かって凹む平面視略台形状に形成されており、互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置されている。各凹部119の前面141は、後側に向かうに従って右側に傾斜している。また、各凹部119の右面142は、前面141の後端部に連続して前後方向に延びている。また、廃トナー搬送筒104に対応する最前方の凹部119は、それ以外の凹部119の約半分の前後方向長さに形成されている。
【0144】
ラック部120は、直動カム122の前端部の左側下端縁において、前後方向に沿って形成されている。ラック部120には、その下端縁において、ギヤ歯が形成されている。
【0145】
そして、直動カム122は、トナーカートリッジ収容部5内に収容される第1位置(図6参照)と、前端部がトナーカートリッジ側本体開口部132から前側へ突出される第2位置(図7参照)とに、スライド(往復移動)可能に、トナーカートリッジ収容部5内に設けられている。
【0146】
直動カム122が第1位置に配置されているときには、各凹部119は、対応する押圧部材挿通穴118よりも後側にずれている。また、直動カム122が第2位置に配置されているときには、各凹部119は、対応する押圧部材挿通穴118の右側に対向されている。
【0147】
なお、直動カム122は、フロントカバー7に設けられる連動部材128がラック部120に噛合されることにより、フロントカバー7と連動される。
【0148】
詳しくは、連動部材128は、フロントカバー7が閉位置に配置されている状態において、フロントカバー7の後面から後下側へ湾曲するように延びる略杆形状に形成されている。また、連動部材128の上面には、ギヤ歯が形成されている。連動部材128は、フロントカバー7が閉位置に配置されているときに、下側からラック部120に噛合される。
【0149】
そして、フロントカバー7が閉位置から開位置へ移動されると、連動部材128を介して、直動カム122に前側への駆動力が伝達され、直動カム122が第1位置から第2位置へ移動される。そして、さらにフロントカバー7が開位置へ向かって移動されると、連動部材128は、直動カム122のラック部120から下側へ離間される。
【0150】
また、フロントカバー7が開位置から閉位置へ移動されると、その途中において、連動部材128の後端部(遊端部)が直動カム122のラック部120の後端部に噛合される。そして、さらにフロントカバー7が閉位置へ向かって移動されると、連動部材128を介して、直動カム122に後側への駆動力が伝達され、直動カム122が第2位置から第1位置へ移動される。
【0151】
各押圧部材121は、直動カム122の左側において、各供給筒98および廃トナー搬送筒104に対応するように、互いに間隔を隔てて並列配置されている。各押圧部材121は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。各押圧部材121の左右方向長さは、直動カム122の凹部119の右面と、隔壁113の右面との間隔よりも短い。また、各押圧部材121の右端部には、その径方向外面から径方向外側へ突出する鍔部129が設けられている。
【0152】
各押圧部材121は、対応する押圧部材挿通穴118に挿通されて、対応する各供給筒98または廃トナー搬送筒104を左側へ押圧する押圧位置(図6参照)と、対応する押圧部材挿通穴118から右側へ退避されて、対応する各供給筒98または廃トナー搬送筒104への押圧を解除する押圧解除位置(図7参照)とに、移動可能に設けられている。
【0153】
そして、各押圧部材121は、鍔部129の左面と隔壁113の右面との間に介在される圧縮ばね108によって、常には、押圧解除位置へ向かって右側へ付勢されている。
【0154】
直動カム122が第1位置に配置されているときには、各押圧部材121の右端部は、対応する凹部119の前側において、直動カム122の左面に当接されている。このとき、各押圧部材121は、圧縮ばね108の付勢力に抗して左側へ移動され、押圧位置に配置されている(図6参照)。
【0155】
また、直動カム122が第2位置に配置されているときには、各押圧部材121の右端部は、対応する凹部119の右面142に対向されている。このとき、各押圧部材121は、圧縮ばね108の付勢力によって右側へ移動され、押圧解除位置に配置されている(図7参照)。
4.本体ケーシング
本体ケーシング2内には、図3、図6および図9に示すように、画像形成部4とトナーカートリッジ収容部5とを隔てる隔壁131と、プロセスユニット23のスライドを案内するプロセスガイド溝134とが設けられている。
【0156】
隔壁131は、画像形成部4とトナーカートリッジ収容部5との間に設けられる略平板形状に形成されている。隔壁131には、各トナーカートリッジ46の供給筒98および廃トナー搬送筒104が挿通される5つの挿通穴135が形成されている。
【0157】
各挿通穴135は、各トナーカートリッジ46の供給筒98および廃トナー搬送筒104に対応して、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置され、側面視略円形状に形成されている。
【0158】
プロセスガイド溝134は、本体ケーシング2の左側壁の右面と、隔壁131の左面とに1つずつ形成されている。プロセスガイド溝134は、プロセスユニット23のガイドころ55を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。
5.トナーカートリッジの着脱動作
本体ケーシング2内に装着されているトナーカートリッジ46を離脱させるには、図2に示すように、まず、フロントカバー7を開位置に配置させて、トナーカートリッジ側本体開口部132を開放する。
【0159】
すると、図6および図7に示すように、直動カム122は、フロントカバー7の閉位置から開位置への移動によって連動部材128を介して前側へ引っ張られ、第1位置(図6参照)から第2位置(図7参照)へ移動される。
【0160】
これにより、各押圧部材121が、圧縮ばね108の付勢力によって、押圧位置から押圧解除位置へ移動される。
【0161】
同時に、図4に示すように、各供給筒98および廃トナー搬送筒104が、圧縮ばね103の付勢力によって、隔壁131の挿通穴135から抜けるように、進出位置から退避位置へ移動される。
【0162】
すると、供給筒98の供給口99と、受入筒69のプロセス側受入口70との連通が解除される。また、供給筒98の供給筒側受入口109と、トナー収容部95の連通口97との連通が解除される。また、供給筒98の嵌合部102が、受入筒69の被嵌合部材75から右側へ離間される。また、廃トナー搬送筒104と廃トナー貯留部87との連結が解除される。
【0163】
これにより、トナーカートリッジドロワ45は、前側へ引き出し可能となる。
【0164】
また、このとき、プロセス側シャッタ71は、圧縮ばね73の付勢力によって閉位置に配置される。
【0165】
次いで、トナーカートリッジ46を離脱させるには、トナーカートリッジ側本体開口部132を介して、トナーカートリッジドロワ45を前側へ引き出す。
【0166】
すると、図8に示すように、ドロワ側ころ117がレール側ころ127に後側から当接されて、トナーカートリッジドロワ45のそれ以上の引き出しが規制され、トナーカートリッジドロワ45がトナーカートリッジ側引出位置に配置される。
【0167】
そして、トナーカートリッジ46を離脱させるには、トナーカートリッジ46をトナーカートリッジドロワ45から上側へ引き抜く。
【0168】
これにより、トナーカートリッジ46の本体ケーシング2からの離脱が完了する。
【0169】
また、トナーカートリッジ46を本体ケーシング2内に装着するには、トナーカートリッジ46を離脱させる手順と逆の手順で、プリンタ1を操作する。
【0170】
詳しくは、トナーカートリッジ側引出位置に配置されているトナーカートリッジドロワ45の所定の位置に、トナーカートリッジ46を上側から挿入する。
【0171】
次いで、トナーカートリッジ46を装着するには、トナーカートリッジ側本体開口部132を介して、トナーカートリッジドロワ45を後側へ押し込む。
【0172】
すると、図7に示すように、トナーカートリッジドロワ45の後端部がトナーカートリッジ収容部5の後壁に当接されて、トナーカートリッジドロワ45がトナーカートリッジ側装着位置に配置される。
【0173】
このとき、各トナーカートリッジ46の供給筒98は、隔壁131の挿通穴135を介して、対応するプロセスカートリッジ26の受入筒69の右側に対向配置される。
【0174】
なお、ブラックのトナーカートリッジ46の廃トナー搬送筒104は、隔壁131の挿通穴135を介して、ブラックプロセスカートリッジ26Kの廃トナー貯留部87の右側に対向配置される。
【0175】
次いで、フロントカバー7を閉位置に配置させて、トナーカートリッジ側本体開口部132を閉鎖する。
【0176】
すると、図6および図7に示すように、直動カム122は、フロントカバー7の開位置から閉位置への移動によって連動部材128を介して後側へ押圧され、第2位置(図7参照)から第1位置(図6参照)へ移動される。
【0177】
これにより、各押圧部材121が、凹部119の前面141の傾斜に従って右側から左側へ押圧され、圧縮ばね108の付勢力に抗して押圧解除位置から押圧位置へ移動される。
【0178】
同時に、図3に示すように、各供給筒98および廃トナー搬送筒104が、対応する押圧部材121によって右側から左側へ押圧されて、隔壁131の挿通穴135に挿通されるように、圧縮ばね103の付勢力に抗して退避位置から進出位置へ移動される。
【0179】
すると、各供給筒98が対応するプロセスカートリッジ26のプロセス側シャッタ71の右端部に右側から当接される。
【0180】
そして、各供給筒98がさらに左側へ押圧されると、各供給筒98は、圧縮ばね73の付勢力に抗して、プロセス側シャッタ71を左側へ押圧しながら受入筒69内に挿入される。
【0181】
そして、各供給筒98が進出位置に配置されると、プロセス側シャッタ71が開位置に配置される。同様に、廃トナー搬送筒104が廃トナー貯留部87に連結される。なお、各供給筒98が対応する受入筒69内に挿入され、廃トナー搬送筒104が廃トナー貯留部87に連結されることにより、トナーカートリッジドロワ45は、前後方向に移動不能となる。
【0182】
すると、供給筒98の供給口99と、受入筒69のプロセス側受入口70とは、上下方向に対向され、互いに連通される。また、供給筒98の供給筒側受入口109と、トナー収容部95の連通口97とは、上下方向に対向され、互いに連通される。また、供給筒98の嵌合部102が、プロセス側シャッタ71のカップリング露出穴76を介して、受入筒69の被嵌合部材75に相対回転不能に嵌合される。
【0183】
これにより、トナーカートリッジ46の本体ケーシング2への装着が完了する。
6.トナーカートリッジからプロセスカートリッジへのトナーの供給動作
図3に示すように、プリンタ1の画像形成動作が開始されて、受入筒69の駆動入力ギヤ77に本体ケーシング2の図示しない駆動源からの駆動力が入力されると、受入筒69のカップリング72を介してトナーカートリッジ46のオーガスクリュー100に駆動力が伝達され、トナーカートリッジ46のオーガスクリュー100が回転される。
【0184】
また、トナー貯留部34のトナー搬送部材駆動ギヤ84に本体ケーシング2の図示しない駆動源からの駆動力が入力されると、トナー貯留部34のトナー搬送部材81に駆動力が伝達され、トナー搬送部材81が回転される。
【0185】
これにより、トナーカートリッジ46のトナー収容部95から連通口97および供給筒側受入口109を介して供給筒98に供給されたトナーは、オーガスクリュー100によって、供給筒98内を左側へ搬送され、供給口99を介して、プロセスカートリッジ26のプロセス側受入口70に供給される。
【0186】
そして、プロセス側受入口70に供給されたトナーは、トナー搬送部材81のオーガスクリュー83によって、搬送筒68内を左側へ搬送され、プロセスカートリッジ26のトナー貯留部34に供給される。
【0187】
そして、トナー貯留部34に供給されたトナーは、トナー搬送部材81のアジテータ82によって、攪拌されながらトナー貯留部34内を左側へ搬送され、トナー供給口64を介して、現像器30の第1フレーム62に供給される。
【0188】
そして、現像器30の第1フレーム62に供給されたトナーは、第1フレーム62内に貯留され、上記したように、供給ローラ32によって、現像ローラ31に供給される。
【0189】
また、第1フレーム62内のトナーは、第1フレーム62内のオーガスクリュー67(図1参照)によって、第1フレーム62を左側から右側へ搬送され、第1フレーム62内のトナー量(水位)が所定の量(水位)を超過しないように、トナー回収口65からトナー貯留部34内に回収される。
7.プロセスカートリッジの着脱
本体ケーシング2内に装着されているプロセスカートリッジ26を離脱させるには、図2に示すように、まず、フロントカバー7を開位置に配置させて、プロセス側本体開口部6を開放する。
【0190】
次いで、プロセス側本体開口部6を介して、プロセスユニット23を前側へ引き出す。
【0191】
すると、図9に示すように、プロセスフレーム27のガイドころ55が、本体ケーシング2のプロセスガイド溝134に案内されて、プロセスユニット23がプロセス側引出位置に配置される。
【0192】
そして、所定のプロセスカートリッジ26をプロセスフレーム27から上側へ引き抜くと、プロセスカートリッジ26の本体ケーシング2からの離脱が完了する。
【0193】
また、プロセスカートリッジ26を本体ケーシング2内に装着するには、プロセスカートリッジ26を離脱させる手順と逆の手順で、プリンタ1を操作する。
【0194】
詳しくは、プロセス側引出位置に配置されているプロセスフレーム27の所定の位置に、プロセスカートリッジ26を上側から挿入する。
【0195】
次いで、プロセスユニット23を、プロセス側本体開口部6を介して後側へ押し込む。
【0196】
すると、プロセスフレーム27のガイドころ55が、本体ケーシング2のプロセスガイド溝134に案内されて、プロセスユニット23がプロセス側装着位置に配置される。
【0197】
そして、フロントカバー7を閉位置に配置させて、プロセス側本体開口部6を閉鎖すると、プロセスカートリッジ26の本体ケーシング2への装着が完了する。
8.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図6、図7および図8に示すように、供給筒98を進出位置から退避位置へ移動させて、その後、トナーカートリッジドロワ45をトナーカートリッジ側装着位置から本体ケーシング2外へ前側に引き出すことができる。
【0198】
そのため、各トナーカートリッジ46と各プロセスカートリッジ26とが左右方向に連通される構成において、各トナーカートリッジ46の供給筒98を各プロセスカートリッジ26から右側へ退避させることで、トナーカートリッジドロワ45を前後方向に沿って移動させることができる。
【0199】
その結果、プリンタ1の右側において、各トナーカートリッジ46を着脱させるためのスペースを縮小することができ、ひいては、プリンタ1の載置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0200】
また、プリンタ1を、棚など、プリンタ1の左右方向外側のスペースが限定された場所にも設置した場合でも、トナーカートリッジドロワ45を前側に引き出して、トナーカートリッジ46を交換することができる。
【0201】
その結果、プリンタ1の設置場所の自由度を高めることができる。
(2)また、このプリンタ1によれば、図6および図7に示すように、移動機構111は、各トナーカートリッジ46の供給筒98を、一括して、進出位置と退避位置とに移動させることができる。
【0202】
そのため、移動機構111によって、すべての供給筒98を、進出位置から退避位置へ、または、退避位置から進出位置へ、1動作で移動させることができる。
(3)また、このプリンタ1によれば、図2に示すように、直動カム122は、その前端部において、ラック部120を備えている。
【0203】
このような構成によれば、トナーカートリッジドロワ45と同じ側(前側)から、容易に直動カム122のラック部120にアクセスすることができる。
(4)また、このプリンタ1によれば、図6および図7に示すように、圧縮ばね103の付勢力により、常には、供給筒98を退避位置に配置させて、供給口99とプロセス側受入口70との連通を解除することができる。
【0204】
また、簡易な構成で、直動カム122の前後方向に沿う往復移動により、供給筒98を、進出位置と退避位置とに移動させることができる。
(5)また、このプリンタ1によれば、図6および図7に示すように、フロントカバー7の開動作に連動させて、供給筒98を退避位置へ移動させ、フロントカバー7の閉動作に連動させて、供給筒98を進出位置へ移動させることができる。
(6)また、このプリンタ1によれば、図3に示すように、供給筒98は、トナーを供給口99へ向かって搬送するオーガスクリュー100を備えている。
【0205】
そのため、確実に、トナーを供給口99へ向かって搬送することができ、トナーを、プロセスカートリッジ26に安定供給できる。
【0206】
また、オーガスクリュー100と供給筒98とが、一緒に退避位置と進出位置とに移動するので、オーガスクリュー100がトナーカートリッジドロワ45の前後方向への移動を妨げることがない。
【0207】
そのため、トナーカートリッジドロワ45を前後方向へ円滑に移動させることができる。
(7)また、このプリンタ1によれば、図3に示すように、供給筒98を退避位置から進出位置に配置させるとともに、受入筒69のカップリング72と、供給筒98の嵌合部102とを連結して、供給筒98に本体ケーシング2からの駆動力を伝達することができる。
【0208】
また、図4に示すように、供給筒98を進出位置から退避位置に配置させるとともに、受入筒69のカップリング72と、供給筒98の嵌合部102との連結を解除して、供給筒98への駆動力の伝達を解除することができる。
(8)また、図9に示すように、各プロセスカートリッジ26は、前後方向に沿って、本体ケーシング2内に装着、または、本体ケーシング2から引き出し可能である。
【0209】
そのため、各プロセスカートリッジ26も、前側からメンテナンスすることができる。
(9)また、このプリンタ1によれば、図3および図4に示すように、供給筒98のみを移動させることで、トナーカートリッジ46のトナー収容部95と、プロセスカートリッジ26の現像器30のトナー貯留部34とを、それらの間に別の部材を介することなく、直接連通させることができる。
(10)また、このプリンタ1によれば、図8および図9に示すように、供給筒98を退避させることで、トナーカートリッジ46とプロセスカートリッジ26とを、各々独立して交換することができる。
(11)また、このトナーカートリッジ46によれば、図3に示すように、供給筒98によって、トナー収容部95の連通口97を開閉するとともに、トナー収容部95内のトナーを左側に向かって供給することができる。
【0210】
そのため、連通口97を開閉するための部材と、トナーを左側へ供給するための部材とを別々に設けることなく、簡易な構成で、連通口97の開閉と、トナーの供給とを同時に実現することができる。
(12)また、このトナーカートリッジ46によれば、図7に示すように、圧縮ばね103の付勢力により、常には、供給筒98を退避位置に配置させて、連通口97を閉鎖することができる。
(13)また、このトナーカートリッジ46によれば、図3に示すように、供給筒98は、トナーを左側へ向かって搬送するオーガスクリュー100を備えている。
【0211】
そのため、簡易な構成で確実に、左側へ向かって搬送することができ、トナーを、プロセスカートリッジ26に安定供給できる。
(14)また、このトナーカートリッジ46によれば、図3に示すように、供給筒98を左側へ移動させたときに、容易に、嵌合部102に駆動力を入力することができる。
9.変形例
上記した実施形態では、フロントカバー7の開動作に連動させて、供給筒98を退避位置へ移動させ、フロントカバー7の閉動作に連動させて、供給筒98を進出位置へ移動させているが、例えば、フロントカバー7と直動カム122とを連動させないで、フロントカバー7の開動作の後、ユーザが直接、直動カム122の前端部を操作するように構成してもよい。
【0212】
詳しくは、フロントカバー7に連動部材128を設けず、また、直動カム122にラック部120を設けないように、プリンタ1を構成する。
【0213】
そして、ユーザは、フロントカバー7の開動作後、直動カム122を前側へ引き出して、供給筒98を退避位置へ移動させ、直動カム122を後側へ引き出して、供給筒98を進出位置へ移動させる。
【符号の説明】
【0214】
1 プリンタ
2 本体ケーシング
7 フロントカバー
26 プロセスカートリッジ
28 感光ドラム
31 現像ローラ
45 トナーカートリッジドロワ
46 トナーカートリッジ
70 プロセス側受入口
95 トナー収容部
97 連通口
98 供給筒
99 供給口
100 オーガスクリュー
102 嵌合部
103 圧縮ばね
109 供給筒側受入口
111 移動機構
120 ラック部
121 押圧部材
122 直動カム
132 トナーカートリッジ側本体開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
静電潜像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムに対向配置される現像剤担持体と、現像剤を受け入れるための受入口とを含み、前記装置本体内において、前記感光ドラムの軸線方向と直交する所定方向に並列配置される複数の画像形成ユニットと、
現像剤を収容する現像剤収容部と、前記現像剤収容部内の現像剤を対応する画像形成ユニットに供給するための供給口を有する供給部とを含み、各前記画像形成ユニットに対応するように前記所定方向に並列配置され、前記軸線方向において対応する前記画像形成ユニットに対向配置される複数の現像剤カートリッジと、
各前記現像剤カートリッジを着脱可能に支持する支持部材であって、前記所定方向に沿って、前記装置本体内に装着される装着位置と、前記装置本体外へ引き出されて各前記現像剤カートリッジが着脱可能な引出位置とに移動可能な支持部材と、
前記供給部を、前記支持部材が前記装着位置に配置された状態で、前記供給口と前記受入口とが連通するとともに、前記支持部材が前記所定方向に移動不能な連通位置と、前記画像形成ユニットから前記軸線方向に退避され、前記供給口と前記受入口との連通が解除されるとともに、前記支持部材が前記引出位置へ移動可能な連通解除位置とに移動させる移動機構と、
を備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記移動機構は、各前記現像剤カートリッジの前記供給部を、一括して、前記連通位置と前記連通解除位置とに移動させることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記支持部材の引出方向において、その下流側端部に操作部を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
各前記複数の現像剤カートリッジは、
前記供給部を前記連通解除位置に向かって付勢する付勢部材を備え、
前記移動機構は、
前記供給部を前記連通位置へ向かって押圧する押圧位置と、前記供給部に対する押圧を解除する押圧解除位置とに移動可能な押圧部材と、
前記所定方向に沿って往復移動可能であって、前記所定方向一方へ移動されたときに、前記押圧部材を前記押圧位置へ向かって押圧して前記付勢部材の付勢力に抗して前記供給部を前記連通位置に配置させるとともに、前記所定方向他方へ移動されたときに、前記押圧部材に対する押圧を解除して前記付勢部材の付勢力によって前記供給部を前記連通解除位置に配置させる往復移動部材と
を備え、
前記押圧部材および前記往復移動部材は、前記供給部に対して前記画像形成ユニットの反対側に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記支持部材を引き出すための開口部と、前記開口部を開放する開位置と前記開口部を閉鎖する閉位置とに移動可能な開閉部材とを備え、
前記移動機構は、
前記開閉部材の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、前記供給部を前記連通位置から前記連通解除位置へ移動させ、
前記開閉部材の前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、前記供給部を前記連通解除位置から前記連通位置へ移動させることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記供給部は、現像剤を前記供給口へ向かって搬送する搬送部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成ユニットは、装置本体からの駆動力が伝達されるユニット側カップリング部材を備え、
前記供給部は、その前記連通解除位置から前記連通位置へ向かう方向の下流側端部において、前記ユニット側カップリング部材に相対回転不能に連結される供給部側カップリング部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成ユニットは、前記所定方向に沿って、前記装置本体内に装着、または、前記装置本体外へ引き出し可能であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
現像剤を吐出する現像剤吐出口を有し、現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部から現像剤を受け入れる現像剤受入口を有し、前記現像剤収容部の下側に連結され、前記現像剤収容部から現像剤を受け入れて、水平方向に向かって現像剤を供給する供給部とを備え、
前記供給部は、
前記現像剤吐出口と前記現像剤受入口とを連通させる開位置と、
前記現像剤吐出口と前記現像剤受入口との連通を解除して前記現像剤吐出口を閉鎖する閉位置と
に前記水平方向に沿って移動可能であることを特徴とする、現像剤カートリッジ。
【請求項10】
前記供給部を、前記閉位置へ向かって付勢する付勢部材を備えることを特徴とする、請求項9に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項11】
前記供給部は、現像剤を前記水平方向へ搬送する搬送部材を備えていることを特徴とする、請求項9または10に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項12】
前記供給部は、現像剤の搬送方向下流側端部において、前記搬送部材に駆動力を入力するための駆動入力部材を備えていることを特徴とする、請求項11に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項13】
前記搬送部材は、オーガスクリューであることを特徴とする、請求項11または12に記載の現像剤カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−29755(P2013−29755A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167116(P2011−167116)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】