説明

監視システム、撮像装置、情報処理方法、プログラム、声音出力装置

【課題】高い犯罪抑止効果の実現。
【解決手段】子供などの一般ユーザーは、撮像装置を防犯装置として身につけるようにする。撮像装置の制御手段は、状況検出手段の検出信号に基づいて異常状態が発生したか否かを判断し、もし異常発生と判断したら、音声出力手段から、人の声としての内蔵声音データの出力を行う。そしてさらに通信手段により監視装置と通信を確立する。監視装置は、例えば警察署などに配置される装置である。監視装置と撮像装置の間で通信が確立されたら、撮像装置は撮像した画像データや集音した音声データ、つまり撮像装置の周囲の状況を監視装置に送信し、監視装置側で発生した緊急事態を監視できる状態とする。また監視装置から音声データを送信すると、その音声データが撮像装置の音声出力手段から出力されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置と監視装置とが相互通信可能に構成される監視システム、及び撮像装置とその情報処理方法、さらにその情報処理方法を実現するプログラムに関する。さらに声音出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2003−274358号公報
【特許文献2】特開2003−274359号公報
【特許文献3】特開2003−274360号公報
【0003】
例えば子供等が携帯する防犯装置として、緊急時に大音量の電子音を発生させる装置が、一般に防犯ブザー等と呼ばれて知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら例えば暴漢に襲われたり、誘拐されそうになったときなどの緊急時には、あわてていたり、或いは身体を拘束されるなどして、防犯装置を操作して音を出力させる余裕が無いこともあり得る。
また電子音アラームとして大音量を発生させても、近くに人がいない場合などは、防犯効果が薄いこととならざるを得ない。
本発明では、これらの点を考慮して、より防犯効果の高い装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の監視システムは、携帯型の撮像装置と、該撮像装置と相互通信可能な監視装置からなる。
監視システムを構成する上記監視装置は、上記撮像装置との間で通信を行う通信手段と、上記撮像装置から送信されて上記通信手段で受信した画像データ及び音声データを出力する出力手段と、上記通信手段により上記撮像装置に対して音声データとして送信させる音声を入力する入力手段とを備える。
【0006】
上記撮像装置は、画像撮像を行って画像データを取り込む撮像手段と、外部音声を入力して音声データを取り込む音声入力手段と、上記監視装置との間で通信を行う通信手段と、異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、音声出力手段と、上記状況検出手段の検出結果に基づいて異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段で発生される声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力動作と、上記撮像手段によって取り込まれた画像データ及び/又は上記音声入力手段によって取り込まれた音声データを上記通信手段により上記監視装置に送信させる送信動作と、上記監視装置から送信されて上記通信手段で受信される音声データを上記音声出力手段から出力させる受信音声出力動作とを実行させる制御手段とを備える。
また上記制御手段は、上記声音出力動作を開始させた後、上記通信手段による上記監視装置との通信接続状態が確立されたら、上記送信動作及び上記受信音声出力動作を実行させる。
また上記撮像手段で取り込まれた画像データを記録媒体に記録する記録処理手段を更に備え、上記制御手段は、異常事態発生と判断した場合に、上記記録処理手段による上記画像データの記録を開始させる。
また上記音声入力手段で取り込まれた音声データを記録媒体に記録する記録処理手段を更に備え、上記制御手段は、異常事態発生と判断した場合に、上記記録処理手段による上記音声データの記録を開始させる。
また上記制御手段及び上記状況検出手段の動作のみを実行可能とするスタンバイ状態と、少なくとも上記声音出力動作、上記送信動作、上記受信音声出力動作が実行可能な電源オン状態とを切り換えることのできる電源手段を備え、上記制御手段は、上記スタンバイ状態において上記検出手段の検出結果の監視を行うとともに、異常事態発生と判断した場合に、上記電源手段を上記電源オン状態に切り換える。
また上記状況検出手段は、上記音声入力手段で取り込まれた音声データが、所定の判断条件に該当しているか否かの検出を行う。
また上記状況検出手段は、振動検出を行い、振動が所定の判断条件に該当しているか否かの検出を行う。
また上記状況検出手段は、撮像装置の使用者の身体状況を検出し、検出した身体状況が所定の判断条件に該当しているか否かの検出を行う。
また上記状況検出手段は、撮像装置が使用者から取り外されたか否かの検出を行う。
また位置情報を検出する位置検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記送信動作において、上記位置検出手段で検出された位置情報を上記監視装置に送信させる。
また上記制御手段は、上記送信動作において、異常発生判断の種別情報を上記監視装置に送信させる。
【0007】
本発明の情報処理方法は、上記撮像装置の情報処理方法であり、上記状況検出手段による検出結果を監視して異常事態発生を判断する判断ステップと、上記判断ステップで異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段に記憶されている声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力ステップと、上記撮像手段によって取り込まれた画像データ及び/又は上記音声入力手段によって取り込まれた音声データを上記通信手段により上記監視装置に送信させる送信ステップと、上記監視装置から送信されて上記通信手段で受信される音声データを上記音声出力手段から出力させる受信音声出力ステップとを備える。
本発明のプログラムは、上記各ステップの処理を撮像装置に実行させるプログラムである。
【0008】
本発明の声音出力装置は、異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、音声出力手段と、上記状況検出手段の検出結果に基づいて異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段で発生される声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出動作を実行させる制御手段とを備える。
【0009】
上記の本発明の監視システム、撮像装置、情報処理方法、プログラムでは、例えば子供などの一般ユーザーは、撮像装置を防犯装置として身につけるようにする。撮像装置の制御手段は、状況検出手段の検出結果により異常事態が発生したか否かを判断し、もし異常発生と判断したら、音声出力手段から、人の声としての内蔵声音データの出力を行う。そしてさらに通信手段により監視装置と通信を確立する。監視装置は、例えば警察署などに配置される装置である。監視装置と撮像装置の間で通信が確立されたら、撮像装置は撮像した画像データや集音した音声データ、つまり撮像装置の周囲の状況としての画像や音声を監視装置に送信し、監視装置側で発生した緊急事態を監視できる状態とする。また監視装置から音声データを送信すると、その音声データが撮像装置の音声出力手段から出力される。
従って、例えばユーザーが暴漢等におそわれそうになった場合、ユーザーは何ら操作を行わなくとも、即座に内蔵声音データが出力され、その声音の内容により暴漢等を躊躇させたり、周囲の人に異常事態を知らしめることができる。さらに、その直後に通信が確立されることで、実際に監視装置側からの監視状態に移行でき、さらには監視装置側からの実際の音声が出力されることで、暴漢等に監視状態であることによる威嚇を与えることができる。
【0010】
また上記の本発明の声音出力装置は、上述した本発明の撮像装置における声音出力動作を実行する装置である。即ち異常事態発生と自動的に判断したときに、人の声としての音声出力を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像装置(又は声音出力装置)は異常事態が発生したことを自動的に判断し、人の声としての声音データを発生させて出力するため、ユーザーは、異常事態が起こったときに、なんら撮像装置(又は声音出力装置)を操作する必要はない。つまりユーザーがあわてていたり、手が拘束されて操作できない状態であっても、防犯機能を発揮できる。また人の声が出力されることで、単なる電子音よりも暴漢等に対しての高い抑止効果を発揮でき、また周囲の人への異常事態発生を認識させやすい。
【0012】
また、本発明の撮像装置、監視システム、情報処理方法、及びプログラムによれば、声音データを出力して暴漢等をひるませている間に、撮像装置と監視装置の間で通信が確立され、実際の監視状態に入る。この場合、撮像装置は監視装置側に画像や音声を送信することで、監視装置側で現場の状況を認識でき、状況に応じた対応、例えば警察官の手配や現場急行の命令などを行うことができる。さらに監視装置側からの声を送信し、撮像装置から出力させることで、暴漢等に対して監視状態であることを認識させ、犯罪行為の実行にうつることを威嚇できる。
さらに撮像装置から位置情報を送信することで、監視装置側からの現場を認識できる。
また犯罪行為ではなく、事故の場合なども、通信により監視装置は現場やユーザー本人の状況を確認できる。
【0013】
また撮像装置は通常は、消費電力の少ないスタンバイ状態としておき、異常状態となったときに電源をオンとする。これにより、常時身につけている装置として消費電力を節減でき、バッテリー駆動の携帯型装置として好適である。
また異常状態と判断したときに電源オンとして監視装置との間で通信を行うということは、通常時に不必要な通信が行われないことを意味する。これは多数の撮像装置が広く一般に用いられるときに、むやみに通信が多くなって通信負荷が増大してしまうことを防止できるものでもある。これは、真に緊急時において、適切に通信を実行できる状況を作り出すことにもなる。
【0014】
以上のことから、本発明によれば高度な犯罪抑止効果を実現したり、事故の際の適切かつ迅速な対処を可能とさせるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明していく。
1.監視システムの概略構成
2.撮像装置の構成
3.監視装置の構成
4.異常発生時の動作
5.実施の形態の効果、変形例、実用例
【0016】
1.監視システムの概略構成

図1に実施の形態の監視システムを概略的に示す。実施の形態では、本例の監視システムは、例えば一般ユーザーが通常装着する撮像装置1と、警察署や警備会社などにおいて使用される監視装置50から成る。
【0017】
撮像装置1は、ユーザーが防犯装置として装着するものである。この例では撮像装置1はカメラユニット2とコントロールユニット3が別体装置として構成されているものとしている。カメラユニット2とコントロールユニット3はケーブル4により信号伝送可能に接続される。
カメラユニット2は、図示するように使用者の肩に装着される。一方、コントロールユニット3は使用者の腰、或いは衣服のポケット等に装着又は保持される形態であり、即ち使用者が手を使用せずに、携帯しながらの撮像が可能な状態とされる。
【0018】
撮像装置1(コントロールユニット3)は、監視装置50との間で相互に通信可能とされる。例えば撮像装置1には無線通信機能を備え、図示しない無線中継器を介して監視装置50との間で通信を行うことができるようにする。通信にもちいる回線は公衆回線、専用回線いずれでもよいし、携帯電話回線、警察無線等の専用帯域を用いた無線通信回線、インターネット等のネットワークを用いた回線等のいずれであってもよい。
【0019】
撮像装置50の構成は、後述するが、撮像装置1からの接続要求に応じて通信接続を行い、撮像装置1からの画像データや音声データを受信して、それを表示及び音声出力することで、例えば警察署等のスタッフが撮像装置1の周囲の状況を監視できるものとする。また通信接続時は、監視装置50側のスタッフの音声を撮像装置1に送信し、撮像装置1から音声出力する。即ちユーザーや周囲の人に警察署等のスタッフの声を聞かせることができる。
【0020】
撮像装置1及び監視装置50の構成や動作の説明に先立って、緊急事態が発生したときにこの監視システムで行われる動作例を図2で簡単に説明する。
図1のようにユーザーが装着する撮像装置は、通常時は電源状態がスタンバイ状態(省電力状態)とされ、異常発生判断を行うための機能のみが動作状態にある。
図2(a)のように例えばユーザーが暴漢に襲われそうになったとする。このようなとき、撮像装置1は、自動的に異常事態発生を検知する。そして図2(b)のように撮像装置1は即座に電源オン状態とする。電源オン状態とは、全ての動作機能が実行できるフルファンクション状態である。
撮像装置1は、電源オンとした後、即座に図2(c)のように声音アラームを出力する。声音アラームとは、人の声として、装置内部に記憶している声音データを出力する。例えば「警察だ!」という音声を出力する。
また撮像装置1では電源オンとすることで撮像機能、記録機能を実行させ、カメラユニット1で取得される画像や音声の記録を開始する。さらに、撮像装置1は監視装置50との通信接続を行う。
出力された声音データにより、暴漢がひるんでいる間に、監視装置50との通信が確立される。この時点で撮像装置1と監視装置50とは図2(d)のように通話可能な状態となる。即ち撮像装置1からは監視装置50に対して、カメラユニット1で得られる画像データと音声データを送信する。監視装置50ではこの画像データと音声データにより、現場の状況をモニタリングできることになる。さらに監視装置50ではスタッフの音声を撮像装置1に送信する。撮像装置1では、送信されてきた音声データを、音声出力する。つまり監視装置50側のスタッフの実際の声が、撮像装置1から出力されることになる。例えばこのとき監視装置50側のスタッフが「現場の状況を確認しました」「現場に急行します」などといえば、それが暴漢にも聞こえることになる。この場合、監視装置50のスタッフは、実際に現場の状況をモニタリングして、それに応じて通話できるため、暴漢に対して、監視していることや警察官を急行させていることを伝えて威嚇することも可能であり、暴漢による犯罪実行を抑止できることも大いに期待できる。
【0021】
2.撮像装置の構成

図3に実施の形態の撮像装置1の外観例を示す。
上述したように撮像装置1は、カメラユニット2とコントロールユニット3がケーブル4により信号伝送可能に接続される構成となる。そしてカメラユニット2は例えば図4に示すように使用者の肩に装着され、コントロールユニット3は使用者の腰、或いは衣服のポケット等に装着又は保持される。
カメラユニット2を肩に装着する手法は多様に考えられ、ここでは詳述しないが、使用者の衣服(警備用のジャケット等)に、カメラユニット2の台座部23を保持する機構が形成されたり、或いは装着用ベルトなどによって肩部分に装着されるようにすればよい。
なお、カメラユニット2が例えば使用者がかぶるヘルメットの上部や側面に固定されたり、或いは胸部、腕部に装着されるなども考えられるが、肩部分は、使用者が歩行している場合でも最も揺れが少ない部分であり、従って撮像を行うカメラユニット2を装着する部位としては最適である。
【0022】
図3に示すように、カメラユニット2には、前方カメラ部21aと後方カメラ部21bの2つのカメラ部が設けられる。また前後のカメラ部21a,21bに対応して前方マイクロフォン22a、後方マイクロフォン22bも設けられる。
前方カメラ部21aは、図4の装着状態において使用者の前方の光景を撮像するものとされ、後方カメラ部21bは使用者の後方の光景を撮像するものとされる。
前方カメラ部21aと後方カメラ部21bは、それぞれ広角レンズを搭載しており、その撮像視野角は図5に示すように比較的広角とされ、前方カメラ部21aと後方カメラ部21bを合わせることで、使用者の周囲をほぼ全周にわたって撮像できるようにしている。
前方マイクロフォン22aは、図4の状態で使用者の前方方向に高い指向性を有するマイクロフォンとされ、前方カメラ部21aで撮像する光景に対応する音声を集音する。
後方マイクロフォン22bは、図4の状態で使用者の後方に高い指向性を有するマイクロフォンとされ、後方カメラ部21bで撮像する光景に対応する音声を集音する。
【0023】
なお、前方カメラ部21aと後方カメラ部21bの各撮像範囲としての前方視野角及び後方視野角をどの程度とするかは、採用するレンズ系の設計などにより各種設定できることは言うまでもない。当該撮像装置1の使用が想定される状況に応じて視野角が設定されればよい。もちろん、前方視野角と後方視野角を同角度とする必要もなく、また機種によっては、視野角をあえて狭く設計することも考えられる。
前方マイクロフォン22a、後方マイクロフォン22bの指向性についても同様であり、用途に応じて各種の設計が考えられる。例えば無指向性のマイクロフォンを1つ配置するような構成も考えられる。
【0024】
コントロールユニット3は、カメラユニット2で撮像された映像信号(及び音声信号)をメモリカード5に記録する記録機能や、監視装置50との間でデータ通信を行う機能、さらに表示・操作などのユーザーインターフェース機能等を備える。
例えばコントロールユニット3の前面には、液晶パネル等による表示部11が設けられる。
また所要位置に通信用のアンテナ12が形成される。
またメモリカード5を装着するカードスロット13が形成される。
さらに電子音や、人の声のデータ(コントロールユニット3の内部で発生させる声音データ)、さらには監視装置50との通話時の音声(監視装置50側の使用者の送信音声)を出力する音声出力部(スピーカ)14が設けられる。
さらに図示していないがヘッドホン端子や、例えばUSB、IEEE1394など、所定の伝送規格により情報機器との間でデータ伝送を行うためのケーブル接続端子などが設けられてもよい。
【0025】
使用者が操作を行うための操作部15としては、各種キーやスライドスイッチなどが設けられる。もちろんジョグダイヤルやトラックボール等の操作子が設けられても良い。
各種の形態の操作部15によっては、例えばカーソルキー、エンターキー、キャンセルキーなどとして、表示部11での表示上でカーソル操作を行って操作入力を行うものとして、多様な操作入力が可能なものとしてもよいし、モード設定、電源操作(スタンバイ/オン/オフ)その他の基本操作のための専用キーが設けられても良い。
【0026】
例えばこのようにカメラユニット2とコントロールユニット3によって形成される本例の撮像装置1を図4のように使用者が装着することで、ハンズフリーかつほぼ無意識での撮像が可能となる。従って、撮像装置1を使用者が防犯装置として装着しているときに、使用者が意識せずに撮像を行うことが可能となる。
【0027】
図6に撮像装置1の内部構成例を示す。
上述したようにカメラユニット2には前方カメラ部21a、後方カメラ部21bが設けられる。前方カメラ部21a、後方カメラ部21bは、それぞれ撮像光学レンズ系、レンズ駆動系、CCDセンサやCMOSセンサによる撮像素子部等が搭載されて形成されている。
そして前方カメラ部21a、21bによる撮像光は、それぞれ内部の撮像素子部によって撮像映像信号とされ、ゲイン調整などの所定の信号処理が行われて、ケーブル4によりコントロールユニット3に供給される。
また前方マイクロフォン22a、後方マイクロフォン22bによって得られた音声信号もケーブル4によりコントロールユニット3に供給される。
【0028】
コントロールユニット3において、コントローラ(CPU:Central Processing Unit)40は全体の動作制御を行う。コントローラ40は、後述する各種動作を実現するために、動作プログラムや操作部15からのユーザーの操作に応じて各部を制御する。
メモリ部41は、コントローラ40において実行されるプログラムコードを格納したり、実行中の作業データを一時保管するために使用される記憶装置である。
この図の場合、メモリ部41は、揮発メモリ、不揮発性メモリの双方を含むものとして示している。例えばプログラムを格納するROM(Read Only Memory)、演算ワーク領域や各種一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)、EEP−ROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリを含む。
【0029】
ケーブル4によりカメラユニット2から伝送されてきた前方カメラ部2aによる撮像映像信号、及び前方マイクロフォン3aによる音声信号は、撮像/音声信号処理部31aに入力される。
また後方カメラ部2bによる撮像映像信号、及び後方マイクロフォン3bによる音声信号は、撮像/音声信号処理部31bに入力される。
撮像/音声信号処理部31a、31bは、入力された撮像映像信号(及び音声信号)に対して映像信号処理(輝度処理、色処理、補正処理等)や音声信号処理(イコライジング、レベル調整等)を行い、カメラユニット2で撮像された信号としての撮像画像データ、オーディオデータを生成する。
【0030】
なお撮像動作は、いわゆる動画撮像として、所定のフレームレートで連続フレーム撮像を行うようにしてもよいし、例えば所定時間間隔で1フレームの画像データを順次取り込むことで静止画像を連続的に取得していくようにしてもよい。
撮像/音声信号処理部31a、31bで処理された撮像画像データ及び音声データは、通信エンコード部32及び記録再生処理部33に供給される。
また撮像/音声信号処理部31a、31bで処理された音声データについては、音声検出部38にも供給される。
【0031】
記録再生処理部33では、撮像及びマイクロホン入力された画像データ及び音声データについて記録し、また再生する処理を行う。
即ち記録再生処理部33は、コントローラ40の制御に基づいて、撮像/音声信号処理部31a、31bで処理されて供給される画像データ及び音声データを記録メディア(図1に示したメモリカードスロット13に装填されているメモリカード5)に記録する処理や、メモリカード5に記録されている画像データ、音声データを読み出す処理を行う。
記録の際には、画像データに対して所定の圧縮方式によるデータ圧縮処理を施したり、メモリカード5に対して記録する際の記録フォーマットへのエンコード処理を行う。
再生の際には、記録された画像ファイルにおける各種情報の抽出や、画像のデコード処理を行う。
【0032】
なお、記録の場合には、前方カメラ部21aにより撮像された画像データと、後方カメラ部21bにより撮像された画像データとで2系統の動画が記録されるようにしても良いし、所定の時間間隔で前方/後方が切り換えられて交互に記録されるようにしてもよい。
また所定の時間間隔で静止画撮像を行うものとする場合は、その所定時間間隔(例えば1〜数秒間隔など)で撮像/音声信号処理部31a、31bで処理された撮像画像データが、記録再生処理部33に供給され、記録再生処理部33で所定時間間隔で静止画記録が行われるようにすればよい。この場合、前方カメラ部21aによる撮像画像データと、後方カメラ部21bによる撮像画像データが、一定時間間隔で交互に記録再生処理部33に供給されるようにすることが考えられる。
【0033】
通信エンコード部32は、撮像及びマイクロホン入力された画像データ及び音声データについて監視装置50に送信するための処理を行う。
即ち通信エンコード部32は、コントローラ40の制御に基づいて、撮像/音声信号処理部31a、31bで処理されて供給される画像データ及び音声データについて、圧縮処理、多重化処理、送信フォーマットへのエンコード処理等を行う。
送信エンコード処理においては、前方カメラ部21aにより撮像された画像データと、後方カメラ部21bにより撮像された画像データとが例えば時分割多重化されて送信されるようにしても良いし、所定時間毎に交互に各画像データが送信されるようにしてもよい。
【0034】
通信エンコード部32で処理された画像データ、音声データは、送信データ生成部42に供給される。
送信データ生成部42は、監視装置50に対して送信するデータパケットを生成する。
例えば図9(a)に送信データパケットの例を示すが、送信データ生成部42は、通信エンコード部32からの画像データ、音声データ、さらにコントローラ40から介して供給される情報として、ユーザーID、位置情報、異常発生判断種別情報などを含む、図9(a)のデータパケットを生成する。
送信データパケットにおけるヘッダ情報としては、例えば送信ナンバ、パケットナンバ、送信データサイズ、画像データ/音声データの属性などが含まれる。
ユーザーIDは、撮像装置1を使用するユーザーとして登録されたユーザーの識別情報であり、例えば警察署等で、使用者を登録する際に設定されるコードナンバである。
位置情報は後述する位置検出部36で検出される、現在位置としての緯度・経度の情報である。
異常発生判断種別情報とは、コントローラ40がどのような状況で異常事態発生と判断したかを示す情報であり、例えば後述する音声検出部38,振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46の検出結果の情報とされればよい。
送信データ生成部42は、このように生成した送信データパケットを送信処理のために通信部34に供給する。
【0035】
通信部34はアンテナ12を介して監視装置50との間での無線通信を行う。
コントローラ40は、呼及び回線接続処理、データ送信/受信処理などを制御して通信を実行させる。
送信データ生成部42から送信データパケットが供給されることに応じて、通信部34は高周波変調・増幅などの処理を行って、アンテナ12からデータ送信を行う。この送信データは監視装置50によって受信される。
従って監視装置50には、撮像装置1で撮像された画像、入力された音声、及びユーザーID、撮像装置1の現在位置を示す位置情報、異常発生判断種別情報等の情報が伝えられることになる。
また通信部34は監視装置50から送信されてくる情報、監視装置50側のスタッフとの通話音声のデータについてのデータ受信復調処理を行い、受信データを受信データ処理部43に供給する。
受信データ処理部43は、通信部34で受信したデータの処理としてパケットデコードや情報抽出、音声処理等の処理を行い、受信したデータ内容をコントローラ40に供給する。
【0036】
表示データ生成部44は、コントローラ40の指示に応じて表示部11に表示する内容としての表示データを生成する。
例えば表示データ生成部44では、コントローラ40の指示に応じて、操作メニュー表示や、動作状態の表示、メモリカード5から再生された画像の表示、さらには図6では信号経路の図示を省略したが、前方カメラ部21a、後方カメラ部21bで撮像された撮像映像信号のモニタ表示のための処理も行う。
なお、監視装置50から音声以外の表示すべき情報が送信されてきた場合は、コントローラ40は表示データ生成部44にそれらの情報に基づいて表示する画像や文字としてのデータ内容を指示し、表示部11で表示させるようにしてもよい。
【0037】
声音メモリ39は、人の声としての音声データ(説明上「声音データ」と呼ぶ)を記憶するメモリであり、例えばEEP−ROMなどの不揮発性メモリで構成される。記憶される声音データの内容としては、防犯装置として実用上適切と考えられる声音が設定されるが、この声音データは、上記図2(c)の場合に出力される音声であり、例えば「警察だ」
「どうしました?」「○○警察です。すぐに状況を確認します」「現場を確認しました。警官を出動させます」など、暴漢等をひるませるような内容であったり、「助けてー!」「誰か来て!」など、近辺の人を呼ぶような内容とすることが考えられる。
コントローラ40は、異常発生と判断したときに、声音メモリ39に記憶されている声音データを読み出し、音声出力部14に供給して音声出力させることができる。
【0038】
音声出力部14は、増幅回路部及びスピーカを有し、コントローラ40の指示に応じて所要の音声出力を行う。例えば各種動作時や操作時のメッセージ音声やアラーム音を出力したり、上記声音メモリ39から読み出された声音データを音声として出力する。さらに監視装置50との通信時には、監視装置50からの音声(警察署等で監視装置50を用いて撮像装置1との通話を行うスタッフの声)を出力する。
なお、図6では信号経路の図示を省略したが、前方マイクロフォン22a、後方マイクロフォン22bで集音された音声信号が供給されて出力されることで、撮像時等の音声モニタ出力も行われ、また記録再生処理部33で再生が行われる場合に、再生音声の出力も音声出力部14で行われる。
【0039】
操作部15は、図3で説明したようにコントロールユニット3の筐体上に設けられる各種操作子である。例えばコントローラ40は表示部11に各種操作メニューを表示させ、使用者は操作部15によるカーソル操作やエンター操作により、メニュー上で操作入力を行う。コントローラ40は操作部15を用いた使用者の操作に応じて所定の制御を行う。例えば撮像装置1の動作モード、再生、撮像などのための各種制御を使用者の操作に応じて実行することができる。
もちろん操作部15は表示部11での操作メニューに対応する操作子でなくてもよく、例えば再生キー、停止キー、モードキーなどとして用意されてもよい。
【0040】
位置検出部36は、GPSアンテナ及びGPSデコーダが搭載され、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信し、当該受信信号をデコードして、現在位置情報としての緯度、経度を出力する。
コントローラ40は位置検出部36からの緯度、経度のデータにより現在位置を把握でき、現在位置情報を送信データ生成部42に供給して、監視装置50に送信するデータパケットに含ませることができる。
【0041】
外部インターフェースは、外部機器との各種接続・通信を行う。例えばUSB、IEEE1394などの所定のインターフェース規格により、外部機器との間でのデータ伝送が可能とされる。例えばコントローラ40の動作プログラムのバージョンアップのためのアップロードや、メモリカード5から再生されるデータの外部機器への伝送、さらには外部機器からの各種情報の入力なども可能である。
【0042】
このコントローラ40は、所定の判断条件により異常事態発生と判断するが、この異常事態発生の判断を行うために、各種の状況の検出信号をコントローラ40に供給する状況検出手段として、音声検出部38,振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46が設けられている。
これら各部は、それぞれ各種の検出信号をコントローラ40に対して出力する。
【0043】
音声検出部38は、撮像/音声信号処理部31a、31bで処理されて供給される音声データについて、所定の判断条件に合致する音声データが入力されたか否かの検出を行う。
検出内容の1つとして、音声レベルがある。例えば所定の比較レベルを設定しておき、前方マイクロフォン22a、後方マイクロフォン22bで集音された音声のレベルが上記比較レベルより大きい場合、即ち異常事態と推測できるような音量となったときに、その検出信号を出力する。
また予めユーザーがキーワードを登録しておき、そのキーワードに該当する音声が入力されたときに検出信号を出力するようにしても良い。例えば「助けてー」など、ユーザーが緊急時に発する音声を、セットアップ時等に予め入力させ、それを音声検出部38内に記憶する。そして、通常時は、入力音声としてそのキーワードが検出されたときに、検出信号を出力する。もちろん複数のキーワードを登録して、それぞれの検出信号を出力するようにしてもよい。
さらには、ユーザーの声や叫び声を声紋データとして、入力音声の声紋分析を行うことで、ユーザーが異常時に発する声を検出するようにすることも考えられる。
また、異常時における加害者や被害者の各声の傾向を周波数スペクトルなどで記憶させておき、入力音声についてスペクトル解析を行って、異常状態を推定させる検出を行っても良い。
【0044】
振動検出部48は、加速度センサなどの振動センサを備え、撮像装置1を装着するユーザーの動作状態を検出する。振動センサは、コントロールユニット3の筐体内に設けても良いが、筐体外としてユーザーの身体に装着できるようにしてもよい。
そして振動検出部48では、例えばユーザーの通所動作時の振動レベルやパターンを記憶(学習)させておく。そして、振動が通常動作時とは想定しにくい異常なレベルやパターンになったときに、異常発生を推定させる検出信号を出力する。
または、振動レベルの増加率(微分値)を検出し、異常な振動増加によって検出信号を出力するようにしてもよい。この場合、学習は不要である。
【0045】
身体状況検出部45としては、例えば発汗検出、脈拍検出などが考えられる。
発汗検出を行う場合は、撮像装置1を装着するユーザーの掌、腋などに発汗センサ(湿度センサ)を装着するようにし、身体状況検出部45はその発汗センサの検出値を監視する。
身体状況検出部45には、使用者の通常の発汗度合いを学習させておく。そして使用時には、発汗センサの検出値として、通常の発汗度合いより遙かに大きいような検出値が検出されたら、異常発生を推定させる検出信号を出力する。
或いは、学習不要な方式としては、発汗センサの検出値の増加率(微分値)を常時確認し、その増加率として異常な増加が認められたときに異常発生を推定させる検出信号を出力するようにしてもよい。
脈拍検出を行う場合は、撮像装置1を装着するユーザーの手首、首などに脈拍センサを装着するようにし、身体状況検出部45はその脈拍センサの検出値を監視する。
身体状況検出部45には、使用者の通常の脈拍数を学習させておく。そして使用時には、脈拍センサの検出値として、通常の脈拍数より遙かに大きいような検出値が検出されたら、異常発生を推定させる検出信号を出力する。
或いは、学習不要な方式としては、脈拍数の検出値の増加率(微分値)を常時確認し、その増加率として異常な増加が認められたときに異常発生を推定させる検出信号を出力するようにしてもよい。
なお、身体状況検出部45として、発汗検出、脈拍検出の一方を行う構成としてもよいし、両方を行う構成としても良い。
【0046】
取り外し検出部46は、撮像装置1が取り外されたことを検出する。
例えば肩に装着するカメラユニット1の台座部23に、圧着されているか否かのセンサを設け、装着状態か否かを判別する。もちろんコントロールユニット3の筐体内の装着部のセンサを設けて、これを監視しても良い
さらにカメラユニット1、コントロールユニット3に対してケーブル4のプラグが抜かれたか否かの検出を行う。
これらの検出は、メカニカルセンサや押圧センサを、着脱に用いる部位やケーブルジャックなどに設ければよいが、例えばケーブル4の取り外しについては、カメラユニット1とコントロールユニット3の間の信号伝送の可能/不能状態で判断してもよい。
取り外し検出部46は、これらの取り外しの状況が検出されたときに検出信号を出力する。
そして、撮像装置1は、例えば通常の取り外しのときにはユーザーが所定の操作を行うものとしておく。一例として、例えば所定の操作キーを押しながら取り外すようにしたり、一旦、電源オフ状態(後述するスタンバイ状態ではなく、完全に電源オフとする状態)としてから取り外すものとする。これらの正規な手順を踏まないで取り外しが行われたときは、例えばユーザーから無理矢理撮像装置1が取り外されたものと判断する。
【0047】
コントローラ40は、これら音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46からの各検出信号を監視している。
そして、検出信号に基づいて、異常事態が発生したか否かを判断する。
【0048】
電源部47は、例えば内蔵バッテリーである一次電池又は二次電池から、所定の動作電源電圧を生成して各部に電源供給する。
電源オン状態では、動作電源電圧VONを図示する各部に供給し、撮像装置1の全ての機能が実行可能な状態(フルファンクション状態)とする。
一方、スタンバイ状態として、動作電源電圧VSTを、コントローラ40と、状況検出手段である音声検出部38(及び撮像/音声信号処理部31a、31bの音声処理系)、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46に供給し、省電力状態で異常事態発生の判断を実行可能としている。
コントローラ40は、動作電源電圧VSTが供給されているスタンバイ状態において、音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46からの各検出信号の監視を行うことができ、異常事態発生と判断したときには、電源部47を制御して、電源オン状態に切り換えさせ、撮像装置1をフルファンクション状態とする。
【0049】
以上の各構成により、撮像装置1では後述する処理を実現する。そのためコントローラ40は、カメラユニット2及び撮像/音声信号処理部31a、31bによる撮像/音声入力動作、記録再生処理部33での記録再生動作、通信エンコード部32や送信データ生成部42による送信データ生成動作、通信部34の通信動作、表示データ生成部44での表示データ生成動作、音声出力部14の音声出力動作のそれぞれの制御を行う。
【0050】
なお本例の撮像装置1は例えば以上のように構成されるが、構成上の変形例は、以下のように多様に考えられる。
図5に示した構成要素としての各ブロックは、全てが必須のものではなく、またこれ以外に構成要素が追加されても良い。
例えば記録機能を設けず、撮像された映像データは送信出力されるのみとしてもよい。
また状況検出手段としては、音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46のうち少なくとも1つ以上が備えられればよいし、異常事態を推定させる状況を検出できるものであれば他の検出手段が設けられても良い。
さらに、図示していない構成要素として、例えばブルートゥースなど近距離無線通信機能や、他の機器インターフェース機能、ユーザーインターフェース機能などを備えるようにしてもよい。
【0051】
送信データ生成部42、受信データ処理部43、表示データ生成部44は、それぞれ図6のようにコントローラ40(CPU)とは別の回路部としてハードウエア的に構成されてもよいが、これらの各部の処理はいわゆるソフトウエア演算処理でも可能であり、コントローラ40においてソフトウエアプログラムで実現される機能として実現されてもよい。
【0052】
また、図3に示したようなカメラユニット2、コントロールユニット3の外観は一例であることはもちろんであり、実際のユーザインターフェースのための操作子や表示のための配置、筐体形状などは限定されない。もちろん構成の差異によっても多様な形状が想定される。
カメラユニット2とコントロールユニット3はケーブル4で接続されるものとしたが、電波或いは赤外線などを利用したトランスミッタにより撮像映像信号や音声信号が無線伝送されるようにしてもよい。
或いは、カメラユニット2とコントロールユニット3が図1のように別体ではなく、一体的に形成されてもよい。
さらにコントロールユニット3を腕時計型にすることも考えられる。その場合、脈拍検出、発汗検出のためのセンサや振動センサ等をリストバンド内側などに配置させることも考えられる。
【0053】
また本例では前方カメラ部2aと後方カメラ部2bを有するものとしたが、少なくとも1つのカメラ部が設けられればよい。
また3つ以上のカメラ部が設けられてもよい。
マイクロフォンについては、2又は3以上の複数個設けられる各カメラ部に対応して、それぞれ設ける他、全部又は一部の各カメラ部に対して共通のマイクロフォンが設けられてもよ。もちろん最低限1つのマイクロフォンが設けられればよい。
また、1又は複数個設けられるカメラ部の全部又は一部に対しては、パン・チルト機構を形成し、撮像方向を上下左右に変更できるようにしてもよい。
パン・チルト動作はユーザーの操作に応じたものとしても良いし、コントローラ40が自動制御するようにしてもよい。
【0054】
本例では記録メディアの例としてメモリカード5を挙げているが、メモリカード5に限らず、例えば記録再生処理部33にHDD(Hard Disc Drive)が搭載されたり、或いは光ディスク、光磁気ディスクなどのメディアが用いられるようにしても良い。もちろん記録媒体として磁気テープメディアを用いるようにしても良い。
【0055】
3.監視装置の構成

監視装置50の構成を図7で説明する。監視装置50は、撮像装置1との間で通信(通話)を行うことができる装置として構成される。監視装置50はハードウエア的にはパーソナルコンピュータやワークステーションとしてのコンピュータシステムでも実現できる。図7では監視装置50としての構成を示しているが、コンピュータシステムを用いてソフトウエア的に、この図7のような構成が実現されるものでも良い。
【0056】
通信部51は、撮像装置1から送信されてくるデータの受信復調処理、及び撮像装置1に送信するデータの送信変調処理を行う。
通信部51で受信された復調信号は受信処理部52においてデコードされ、受信データの内容が抽出される。
撮像装置1から送信されてくるデータとしては、図9(a)で述べたようにヘッダ情報、ユーザーID、位置情報、異常発生判断種別情報、音声/映像データなどが含まれるが、受信処理部52では、これら各データを抽出する。
【0057】
ヘッダ情報、ユーザーID、位置情報、異常発生判断種別情報は、データ処理部54に供給される。
データ処理部54は、例えば位置情報(緯度・経度)に応じて地図データベース62の検索を行い、撮像装置1の現在位置情報としての詳細な位置情報、例えば地図画像や位置の名称や住所を取得する。
またデータ処理部54は、ユーザーIDを用いてユーザーデータベースを検索する。ユーザーデータベースには、登録したユーザーについての氏名や住所、連絡先、年齢、性別などが登録されており、ユーザーデータベースの検索によって、撮像装置1を所持するユーザー(異常事態が発生したユーザー)の情報が取得できる。
データ処理部54は、これら詳細な位置情報や、ユーザーの情報、さらには異常発生判断種別情報を表示処理部57に供給する。
【0058】
受信処理部52で抽出された画像データは、画像処理部55に供給され、デコード処理が施されて表示処理部57に供給される。
受信処理部52で抽出された音声データは、受信音声処理部56に供給され、デコード処理や音声増幅、出力処理を施してスピーカ部59に供給する。
【0059】
表示処理部57は、デコードされた画像データや、詳細な位置情報、ユーザーの情報、異常発生判断種別情報に基づいて表示データを生成し、表示部58に表示させる。
受信される画像データは、撮像装置1で撮像された画像である。従って表示部58では、送信されてくる撮像画像が表示されるとともに、詳細な位置情報やユーザー情報、異常発生判断種別情報が表示される。
またスピーカ部59では撮像装置1の周囲の音声が出力される。
従って、監視装置50を使用している警察署等のスタッフは、撮像装置1における現在の状況としての周囲の画像や音声、さらには撮像装置1のユーザーの氏名等や、現在の撮像装置1を詳細に確認できることになる。
【0060】
警察署等のスタッフは、マイクロホン60から音声を入力することで、撮像装置1に音声データを送信できる。マイクロホン60から入力された音声は送信音声処理部61で音声入力処理、通信用のエンコード処理等が施される。送信処理部53では、エンコードされた音声データを含む送信パケットデータが生成され、これが通信部51で変調/増幅されて撮像装置1に対して送信される。
送信データパケットは例えば図9(b)のように構成される。ヘッダ情報としては、例えば送信ナンバ、パケットナンバ、送信データサイズ、音声データの属性などが含まれる。
【0061】
この音声データ、即ちスタッフの声は、撮像装置1において受信され、音声出力部14から出力されることになる。
つまり撮像装置1と監視装置50の間で通信接続された状態では、撮像装置1のユーザー(或いはユーザーの付近にいる人)と、警察署等のスタッフの間で通話ができる状態となる。特に撮像装置1のユーザーが暴漢に襲われている状況などの場合、警察署等のスタッフは、表示部58及びスピーカ部59の出力から、その状況を確認でき、暴漢に対して警察署等のスタッフが警告を発することなどが可能となる。
なお、監視装置50の構成は図7の構成に限られないことはいうまでもない。
【0062】
4.異常発生時の動作

上述した図2のような動作を実現するための撮像装置1の動作(コントローラ40の制御処理)を図8で説明する。
ユーザーは通常、スタンバイ状態となっている撮像装置1を装着する。電源をスタンバイ状態とするのは、ユーザー操作によるものとすればよい。この場合、ユーザーは装着したときに操作部15の一つとして用意されている電源スイッチを操作する。この場合、電源スイッチの操作がオフ/スタンバイの切り換えとなる。
或いは、電源オフ状態はないものとし、例えば電池が装填されているときは常にスタンバイ状態であるとしてもよい。
【0063】
スタンバイ状態においては、コントローラ40はステップF100として、音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46のそれぞれの検出信号の監視を行っている。
上述のように、音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46のそれぞれは、異常事態発生と推定されるような検出結果が得られたときに検出信号をコントローラ40に供給する。コントローラ40は、検出信号があった場合は、その検出信号に基づいて、ステップF101で異常事態が発生しているか否かを判断する。
異常事態発生の判断方式は多様に考えられ、例えば1つの手法としては、音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46のいづれか1つでも異常事態発生を推定する検出信号が出力した場合に、異常事態発生と判断する方式がある。ステップF101での異常事態発生判断の手法については、各種の例を後述する。
【0064】
コントローラ40は、異常事態発生と判断したら、処理をステップF102に進め、まず電源部47を制御して電源オン状態とする。即ち撮像装置1はフルファンクション状態となる。
続いてコントローラ40は、ステップF103で通信部34に指示し、監視装置50との通信接続処理を開始させる。
さらにコントローラ40は、ステップF104で、声音メモリ39に記憶されている声音データを読み出し、音声出力部14に供給して、その声音データの音声を出力させる。つまり異常事態発生と判断した時点で、即座に内蔵の声音データを出力させ、ユーザーやユーザーの周辺(暴漢等や周りの人)に聞かせるようにする。例えば図2(c)に示したように「警察だ!」という音声を出力する。
なお、声音データの出力は1回だけでなく、実際に通信接続が完了するまでの間、各種の音声内容で実行することが好適である。
【0065】
さらにコントローラ40は、ステップF105は記録再生処理部33の記録動作を開始させ、撮像される画像データ及び入力される音声データをメモリカード5に記録させる。
なお、以上のステップF103,F104,F105は、異常事態発生と判断したときにそれぞれ即時に実行開始するものであり、これらは迅速に開始されれば、どのような順序で行われても良いし、可能であれば同時並列的に実行開始されてもよい。
【0066】
ステップF106では、通信接続が完了することを待機し、接続が完了したら、コントローラ40はステップF107に進んで、監視装置50との間で通話処理を行うことになる。
このステップF106では、通話処理としての送信処理及び受信処理が行われる。
送信処理として、撮像された画像データと入力された音声データの送信処理を行う。即ち図9(a)で説明したように送信データパケットを生成させ、画像データ、音声データ、さらには位置情報、ユーザーID、異常発生判断種別情報が監視装置50に送信されるようにし、監視装置50において撮像装置1の周囲の状況を確認できるようにする。
また受信処理として、監視装置50から送られてくる図9(b)のようなパケットデータをデコードし、その音声データを音声出力部14から出力させる。なお、このように受信音声データの出力を開始させる時点で、声音メモリ39からの声音データの出力を停止させる。つまり出力を内蔵音声から通話音声に切り換える。
この状態で、図2(d)に示したように、監視装置50側は撮像装置1の状況を確認して、それに応じた通話を行い、暴漢等に対する威嚇や撮像装置1のユーザーに対する指示を行うことができる。
【0067】
なお、異常事態が解消した後については、撮像装置1はスタンバイ状態に戻ればよい。これはユーザーが電源操作を行うことでスタンバイ状態に移行するようにしても良いし、コントローラ40は異常事態が解消したと判断することで、自動的にスタンバイ状態に戻るようにしてもよい。
例えばステップF107の通話処理は、ユーザーもしくは監視装置50のスタッフが、異常無し、もしくは異常解消と判断した時点で通信切断を行えばよいが、通信切断が行われたことに応じて、或いは通信切断から所定時間が経過したことに応じて、コントローラ40は電源部47を制御してスタンバイ状態に戻すようにしても良い。
また音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46の各検出信号として、異常事態を推定させる検出信号が所定時間以上発生されなければ、スタンバイ状態に戻るようにしてもよい。
さらには、スタンバイ状態に戻すためのキーワードを学習させておき(或いは予め設定させておき)、ユーザーがそのキーワードを発したことを音声出力部14で検出することに応じて、スタンバイ状態に戻るようにしてもよい。
【0068】
5.実施の形態の効果、変形例、実用例

以上の実施の形態では、高度な犯罪抑止効果を実現したり、事故の際の適切かつ迅速な対処を可能とさせるという効果が得られる。
まず、撮像装置1は異常事態が発生したことを自動的に判断し、上記図8のステップF102〜F107の処理を行う。従ってユーザーは、異常事態が起こったときに、なんら撮像装置1を操作する必要はない。このことはユーザーがあわてていたり、暴漢等により手が拘束されて操作できない状態であっても、防犯機能を発揮できる。
【0069】
また、異常事態発生時には、まず撮像装置1は人の声としての声音データを発生させて出力する。人の声が出力されることで、単なる電子音よりも暴漢等に対しての高い抑止効果を発揮でき、また周囲の人への異常事態発生を認識させやすい。
例えば、即座に「警察だ!」「状況を監視している」等の声音データを出力すれば、暴漢等は、その声によりひるむことが考えられ、犯罪行為に躊躇すること、さらには通信接続までの時間を稼ぐことが期待できる。
また暴漢に襲われたときなどは、一般ユーザーは驚愕して声を出せないという状況も考えられるため、「助けてー!」等、周囲の注意を引く音声も有効である。
また声音データとしては、暴漢等を威嚇する声や助けを求める声である以外に、ユーザーとの会話のような声音としても良い。
例えばまず「警察です。どうしました?」というような声音データを出力し、ユーザーに返事を促すようにする。このときユーザーは、返事をすれば、あたかも実際に通信が行われているような錯覚をあたえ、時間を稼ぐことができる。またユーザーが返事ができないような場合でも、その数秒後に「現場を確認しました。警官を急行させます」等の声音データを出力させることで、暴漢等には大きな威嚇となる。
【0070】
そしてこのような声音データを出力している間(例えば数秒の間)に通信接続が確立され、実際の監視状態に入る。そして撮像装置1は監視装置50側に画像や音声を送信することで、監視装置50側で現場の状況を認識でき、状況に応じた対応、例えば警察官の手配や現場急行の命令などを行うことができる。さらに監視装置50側からの声を送信し、撮像装置1から出力させることで、暴漢等に対して監視状態であることを確実に認識させ、犯罪行為の実行にうつることを威嚇したり説得できる。
【0071】
また撮像装置1は、GPS位置情報も監視装置50に送信することで、監視装置50側(警察署側)に現場を正しく伝えることができ、これにより警官等の手配や現場出動を迅速に実行できるものとなる。
また撮像装置1から監視装置50にユーザーIDを送信することで、監視装置50側でユーザーを特定でき、ユーザーの判断(年齢や性別)これも状況確認や対応処理に役立てることができる。
また撮像装置1から監視装置50に異常発生判断種別情報を送信することも、監視装置50での状況判断に役立つ。例えば、異常事態にも各種の事情があるが、撮像装置1がどのような理由(検出結果)で異常発生と判断したかは、監視装置50側での状況判断に有用な情報となる。
【0072】
また撮像装置1は、異常発生と判断することに応じて、画像及び音声のメモリカード5への記録を開始する。これは、異常発生時の状況を保存するという意味で有用であり、例えば暴漢等が逃走した後、記録した映像や音声により犯人を特定する非常に有用な資料となる。また犯罪行為でない場合でも例えば交通事故などの際の状況記録としても有用である。
なお、実施の形態では画像データと音声データの両方を記録するものとしたが、画像データのみ、或いは音声データのみを記録するようにしても良い。
【0073】
また撮像装置1は通常は、消費電力の少ないスタンバイ状態としておき、異常状態となったときに電源をオンとしてフルファンクション状態とする。通常はスタンバイ状態であることにより、常時身につけている装置として消費電力を節減でき、バッテリー駆動の携帯型装置として好適である。
また異常状態と判断したときに電源オンとして監視装置との間で通信を行うということは、通常時に不必要な通信が行われないことを意味する。これは多数の撮像装置1が広く一般に用いられるときに、むやみに通信が多くなって通信負荷が増大してしまうことを防止できるものでもある。これは、真に緊急時において、適切に通信を実行できる状況を作り出すことにもなる。
また通常はスタンバイ状態であって記録再生処理部33での記録動作も行われないことは、メモリカード5の容量節約という点でも有効である。
なお、実施の形態では自動で電源オンとなることのみを述べたが、もちろんユーザーが手動で電源オンとできるようにしてもよい。特に通常時にカメラ或いは通信機として使用できるようにすることを考えた場合など、電源操作を実行できることが必要となる。
また省電力を考えないで、常にフルファンクション状態で使用するという例も想定される。例えば常時、記録再生処理部33での画像記録は行っていき、異常事態発生時には、監視装置50との通信も行うような動作例も考えられる。
【0074】
コントローラ40が異常事態発生の判断を行うために、音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46のそれぞれが異常事態発生と推定されるような検出結果が得られた検出信号をコントローラ40に供給する。
音声検出部38によっては、叫び声、暴力、事故、その他に伴う大音量により異常事態を推定できる。またキーワードや声紋分析などにより、異常事態発生を推定できる。
振動検出部48によれば、事故や暴力などによる異常な動作によって異常事態発生を推定できる。
身体状況検出部45によれば、ユーザー本人の極度の緊張状態やパニック状態などに応じた心拍数変化や発汗などにより異常事態発生を推定できる。
取り外し検出部46による撮像装置の取り外しが適正に行われなかったことによれば、例えば暴漢等が無理矢理撮像装置1を外したり奪い取ったなどの状況として異常事態発生を推定できる。
【0075】
コントローラ40は、図8のステップF101では、これらの各検出部の検出信号をOR条件で判断することが考えられる。即ち各検出部(38,48,45,46)の1つからでも異常状態の検出信号が供給されたときに、異常事態発生と判断するようにすれば、異常判断感度を高くでき、少しでも異常と推定されたら防犯機能(ステップF102以降の動作)を発揮させることができる。
一方、例えば2以上の検出部からの検出信号が供給された場合、或いは全ての検出部(38,48,45,46)からの検出信号が供給された場合など、AND条件で異常事態発生と判断するようにすれば、検出感度は下がることになるが、異常発生判断を慎重に行う装置となり、むやみに動作させないことで、本当に異常事態のみ、動作が行われるようにすることもできる。
もちろん、このような異常事態発生の検出感度を、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
【0076】
また、各検出部(38,48,45,46)からの検出信号に、レベル情報を付加してもよい。例えば異常判断のレベルとして、検出値に応じてレベル1,レベル2、レベル3などを設定し、異常発生の確度が高いほどレベルが高くなるような検出信号を、各検出部(38,48,45,46)が出力するようにする。例えば振動検出部48では、振動レベルに応じてレベル1〜レベル3を判定する。音声検出部38であれば音量に応じてレベルを判定したり、キーワードの種類によってレベルを設定すればよい。
コントローラ40は、これら各検出信号とそのレベルに応じて総合的に異常事態発生の判断を行うことも考えられる。例えばレベル1の検出信号であれば、各検出部(38,48,45,46)の検出信号のAND条件で判断するが、1つでもレベル3の検出信号が発生した場合は、即座に異常事態発生と判断するなどである。或いは各検出信号のレベルを加算して、加算値が所定値以上となったときに、異常事態発生と判断することも考えられる。
もちろんこのようなレベルの情報も、異常発生判断種別情報に含めて監視装置50に送信することも有用である。
【0077】
また、声音データとしては、多様な内容のデータが考えられるが、異常事態発生と判断した理由に応じて、つまり各検出部(38,48,45,46)からの検出信号の別や、上記の検出レベルなどに応じて、声音データを選択して出力することも考えられる。
例えば異常事態発生としての確度が低い場合は「どうしました?」という声音データを出力させるが、確実に異常事態と判断できるような場合は、「警察だ!何をしている!」というような声音データを出力させるような例である。
【0078】
また実施の形態では、主に暴漢に襲われたような場合を例に挙げて述べたが、犯罪行為ではなく、ユーザーが事故にあった場合などにも有用である。例えば子供が一人でけがをして動けないようなときに、撮像装置1と監視装置50が通信して、監視装置50側で現場の状況や位置を確認することで、即座に救出に向かうことができる。
【0079】
本発明のプログラムは、撮像装置1のコントローラ40に図8の処理を実行させるプログラムとして実現できる。
このプログラムは、コンピュータシステム等の情報処理装置における記録媒体としてのシステムHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magnet optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。例えばCD−ROM、DVD−ROM等により提供されることで、コンピュータシステムにインストールできる。
またこのプログラムは、リムーバブル記録媒体からインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0080】
本発明の声音出力装置は、上述した撮像装置1から撮像機能、記録再生機能、通信機能を無くした、簡易な装置として実現される。
例えば図8におけるステップF100、F101,F102、F104が実行される装置とすればよい。
構成としては音声検出部38、振動検出部48、身体状況検出部45、取り外し検出部46等の状況検出手段と、声音メモリ39と、音声出力部14と、電源部47と、ステップF100、F101,F102、F104の処理を行うコントローラ40及びメモリ部41が設けられればよい。なお状況検出手段として音声検出部38を用いて音声検出を行う場合は、周囲の音声の入力のためのマイクロホン及び音声信号処理系が必要となる。
このような声音出力装置は、撮像装置1の構成を簡易化した防犯装置として実用できる。そしてユーザーが声音出力装置を装着していると、異常事態が発生したときに、ユーザー何ら操作を行わなくとも、声音データにより暴漢等に対する威嚇や助けを求める声が出力される。つまり、緊急時に操作不要であることと、一般的な電子音出力よりも防犯上有効な声音が出力されることで、いわゆる防犯ベル、防犯ブザーと呼ばれる機器として、より高い防犯効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態の監視システムの説明図である。
【図2】実施の形態の監視システムの動作例の説明図である。
【図3】実施の形態の撮像装置の外観の説明図である。
【図4】実施の形態の撮像装置の使用態様の説明図である。
【図5】実施の形態の撮像装置の撮像視野角の説明図である。
【図6】実施の形態の撮像装置の構成のブロック図である。
【図7】実施の形態の監視装置の構成のブロック図である。
【図8】実施の形態の撮像装置の処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態において通信されるデータの説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1 撮像装置、2 カメラユニット、3 コントロールユニット、4 ケーブル、5 メモリカード、11 表示部、12 アンテナ、13 メモリカードスロット、14 音声出力部、15 操作キー、21a 前方カメラ部、21b 後方カメラ部、22a 前方マイクロフォン、22b 後方マイクロフォン、31a,31b 撮像/音声信号処理部、32 通信エンコード部、33 記録再生処理部、34 通信部、35 非音声通知部、36 位置検出部、38 音声検出部、39 声音メモリ、40 コントローラ、41 メモリ部、42 送信データ生成部、43 受信データ処理部、44 表示データ生成部、45 身体状況検出部、46 取り外し検出部、47 電源部、48 振動検出部、50 監視装置、51 通信部、52 受信処理部、53 送信処理部、54 データ処理部、55 画像処理部、56 受信音声処理部、57 表示処理部、58 表示部、59 スピーカ、60 マイクロホン、61 送信音声処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型の撮像装置と、該撮像装置と相互通信可能な監視装置からなる監視システムであって、
上記撮像装置は、
画像撮像を行って画像データを取り込む撮像手段と、
外部音声を入力して音声データを取り込む音声入力手段と、
上記監視装置との間で通信を行う通信手段と、
異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、
人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、
音声出力手段と、
上記状況検出手段の検出結果に基づいて異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段で発生される声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力動作と、上記撮像手段によって取り込まれた画像データ、及び上記音声入力手段によって取り込まれた音声データを上記通信手段により上記監視装置に送信させる送信動作と、上記監視装置から送信されて上記通信手段で受信される音声データを上記音声出力手段から出力させる受信音声出力動作とを実行させる制御手段と、
を備え、
上記監視装置は、
上記撮像装置との間で通信を行う通信手段と、
上記撮像装置から送信されて上記通信手段で受信した画像データ及び音声データを出力する出力手段と、
上記通信手段により上記撮像装置に対して音声データとして送信させる音声を入力する入力手段と、
を備えることを特徴とする監視システム。
【請求項2】
携帯型とされるとともに、監視装置との間で相互通信可能とされる撮像装置であって、
画像撮像を行って画像データを取り込む撮像手段と、
外部音声を入力して音声データを取り込む音声入力手段と、
上記監視装置との間で通信を行う通信手段と、
異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、
人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、
音声出力手段と、
上記状況検出手段の検出結果に基づいて異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段で発生される声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力動作と、上記撮像手段によって取り込まれた画像データ及び/又は上記音声入力手段によって取り込まれた音声データを上記通信手段により上記監視装置に送信させる送信動作と、上記監視装置から送信されて上記通信手段で受信される音声データを上記音声出力手段から出力させる受信音声出力動作とを実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記声音出力動作を開始させた後、上記通信手段による上記監視装置との通信接続状態が確立されたら、上記送信動作及び上記受信音声出力動作を実行させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
上記撮像手段で取り込まれた画像データを記録媒体に記録する記録処理手段を更に備え、
上記制御手段は、異常事態発生と判断した場合に、上記記録処理手段による上記画像データの記録を開始させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
上記音声入力手段で取り込まれた音声データを記録媒体に記録する記録処理手段を更に備え、
上記制御手段は、異常事態発生と判断した場合に、上記記録処理手段による上記音声データの記録を開始させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
上記制御手段及び上記状況検出手段の動作のみを実行可能とするスタンバイ状態と、少なくとも上記声音出力動作、上記送信動作、上記受信音声出力動作が実行可能な電源オン状態とを切り換えることのできる電源手段を備え、
上記制御手段は、上記スタンバイ状態において上記検出手段の検出結果の監視を行うとともに、異常事態発生と判断した場合に、上記電源手段を上記電源オン状態に切り換えることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項7】
上記状況検出手段は、上記音声入力手段で取り込まれた音声データが、所定の判断条件に該当しているか否かの検出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項8】
上記状況検出手段は、振動検出を行い、振動が所定の判断条件に該当しているか否かの検出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項9】
上記状況検出手段は、撮像装置の使用者の身体状況を検出し、検出した身体状況が所定の判断条件に該当しているか否かの検出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項10】
上記状況検出手段は、撮像装置が使用者から取り外されたか否かの検出を行うことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項11】
位置情報を検出する位置検出手段を更に備え、
上記制御手段は、上記送信動作において、上記位置検出手段で検出された位置情報を上記監視装置に送信させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項12】
上記制御手段は、上記送信動作において、異常発生判断の種別情報を上記監視装置に送信させることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項13】
携帯型とされるとともに、監視装置との間で相互通信可能とされる撮像装置であって、
画像撮像を行って画像データを取り込む撮像手段と、
外部音声を入力して音声データを取り込む音声入力手段と、
上記監視装置との間で通信を行う通信手段と、
異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、
人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、
音声出力手段と、
を有する撮像装置の情報処理方法として、
上記状況検出手段による検出結果を監視して異常事態発生を判断する判断ステップと、
上記判断ステップで異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段に記憶されている声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力ステップと、
上記撮像手段によって取り込まれた画像データ及び/又は上記音声入力手段によって取り込まれた音声データを上記通信手段により上記監視装置に送信させる送信ステップと、
上記監視装置から送信されて上記通信手段で受信される音声データを上記音声出力手段から出力させる受信音声出力ステップと、
を備えたことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
携帯型とされるとともに、監視装置との間で相互通信可能とされる撮像装置であって、
画像撮像を行って画像データを取り込む撮像手段と、
外部音声を入力して音声データを取り込む音声入力手段と、
上記監視装置との間で通信を行う通信手段と、
異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、
人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、
音声出力手段と、
を有する撮像装置の動作制御を行うプログラムとして、
上記状況検出手段による検出結果を監視して異常事態発生を判断する判断ステップと、
上記判断ステップで異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段に記憶されている声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力ステップと、
上記撮像手段によって取り込まれた画像データ及び/又は上記音声入力手段によって取り込まれた音声データを上記通信手段により上記監視装置に送信させる送信ステップと、
上記監視装置から送信されて上記通信手段で受信される音声データを上記音声出力手段から出力させる受信音声出力ステップと、
を撮像装置に実行させるプログラム。
【請求項15】
異常事態発生の判別のための検出を行う状況検出手段と、
人の話し声として出力される声音データを発生する声音データ発生手段と、
音声出力手段と、
上記状況検出手段の検出結果に基づいて異常事態発生と判断した場合に、上記声音データ発生手段で発生される声音データによる音声を上記音声出力手段から出力させる声音出力動作を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする声音出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−221327(P2007−221327A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37940(P2006−37940)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】