説明

研磨パッドの製造方法

【課題】研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができる研磨パッドを製造する方法を提供する。
【解決手段】透明樹脂部材を一次加熱処理した後に、切断して光透過領域10を作製する工程、前記光透過領域10を二次加熱処理する工程、気泡分散ウレタン組成物11を調製する工程、面材8を送り出しつつ又はベルトコンベア9を移動させつつ、該面材8上又はベルトコンベア9上の所定位置に光透過領域10を温度調整して配置する工程、光透過領域10を配置していない前記面材8上又はベルトコンベア9上に気泡分散ウレタン組成物11を連続的に吐出する工程、吐出したウレタン組成物11上に別の面材又はベルトコンベアを積層する工程、厚さを均一に調整しつつウレタン組成物11を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して研磨シートを作製する工程、及びシートを裁断する工程を含む研磨パッドの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な研磨パッド及びその製造方法に関するものである。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
【0003】
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
【0004】
従来、このような研磨パッドは、1)金型に樹脂材料を流し込んで樹脂ブロックを作製し、その樹脂ブロックをスライサーでスライスして製造する方法、2) 金型に樹脂材料を流し込んで押圧することにより、薄いシート状にして製造する方法、3)原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状にして製造する方法などのバッチ方式により製造されていた。
【0005】
また、バッチ方式の製造方法に起因する硬度や気泡サイズ等のバラツキを防止するために、ポリウレタン・ポリウレア研磨シート材を連続的に製造する方法が提案されている(特許文献1)。詳しくは、ポリウレタン原料と300μm以下の粒子径を有する微粉末や有機発泡剤を混合して、該混合物を一対の無限軌道面ベルト間に吐出し流延させる。その後、加熱手段によって該混合物の重合反応を行い、生成したシート状成形物を面ベルトから分離して研磨シート材を得る方法である。
【0006】
また、CMPを行う上で、ウエハ表面の平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
【0007】
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
【0008】
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については、様々な方法が用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から、回転定盤内にレーザー光による膜厚モニタ機構を組み込んだ光学的検知方法(特許文献2、特許文献3)が主流となりつつある。
【0009】
前記光学的検知手段とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニタすることによって研磨の終点を検知する方法である。
【0010】
このような方法では、ウエハの表面層の厚さの変化をモニタして、表面凹凸の近似的な深さを知ることによって終点が決定される。このような厚さの変化が凹凸の深さに等しくなった時点で、CMPプロセスを終了させる。また、このような光学的手段による研磨の終点検知法およびその方法に用いられる研磨パッドについては様々なものが提案されてきた。
【0011】
例えば、固体で均質な190nmから3500nmの波長光を透過する透明なポリマーシートを少なくとも一部分に有する研磨パッドが開示されている(特許文献4)。また、段付の透明プラグが挿入された研磨パッドが開示されている(特許文献5)。また、ポリシング面と同一面である透明プラグを有する研磨パッドが開示されている(特許文献6)。
【0012】
一方、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から漏れ出さないための提案(特許文献7、8)もなされている。しかし、これら透明な漏れ防止シートを設けた場合でも、スラリーが研磨領域と光透過領域との境界(継ぎ目)から研磨層下部に漏れ出し、この漏れ防止シート上にスラリーが堆積して光学的終点検知に問題が生じる。
【0013】
また、一次アニーリングした窓を所定の温度に急冷する前に前記一次アニーリングした窓の外周に研磨パッド材料を供給し、前記窓と前記研磨パッド材料とをいっしょに二次アニーリングし、その後、該成形物をスライスして研磨パッドを製造する方法が開示されている(特許文献9)。しかし、上記の製造方法では、窓の外周に研磨パッド材料を供給した際に、研磨パッド材料と窓との界面にボイド(孔)が生じ、それにより研磨中にスラリー漏れが発生する恐れがある。
【0014】
【特許文献1】特開2004−169038号公報
【特許文献2】米国特許第5069002号明細書
【特許文献3】米国特許第5081421号明細書
【特許文献4】特表平11−512977号公報
【特許文献5】特開平9−7985号公報
【特許文献6】特開平10−83977号公報
【特許文献7】特開2001−291686号公報
【特許文献8】特表2003−510826号公報
【特許文献9】特開2005−354077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを防止することができ、光学的検知精度に優れる研磨パッドを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドの製造方法により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、第1の本発明の研磨パッドの製造方法は、透明樹脂部材をガラス転移温度−10℃〜ガラス転移温度+50℃で10〜60分間一次加熱処理した後に、前記処理温度の範囲内で該透明樹脂部材を切断して光透過領域を作製する工程、前記光透過領域をガラス転移温度+10℃〜150℃で10〜60分間二次加熱処理する工程、機械発泡法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、面材を送り出しつつ又はベルトコンベアを移動させつつ、該面材上又はベルトコンベア上の所定位置に前記二次加熱処理した光透過領域を前記処理温度の範囲内に温度調整して配置する工程、光透過領域を配置していない前記面材上又はベルトコンベア上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、吐出した前記気泡分散ウレタン組成物上に別の面材又はベルトコンベアを積層する工程、厚さを均一に調整しつつ前記気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して研磨シートを作製する工程、及び前記研磨シートを裁断する工程を含む。
【0018】
また、第2の本発明の研磨パッドの製造方法は、透明樹脂部材をガラス転移温度−10℃〜ガラス転移温度+50℃で10〜60分間一次加熱処理した後に、前記処理温度の範囲内で該透明樹脂部材を切断して光透過領域を作製する工程、前記光透過領域をガラス転移温度+10℃〜150℃で10〜60分間二次加熱処理する工程、機械発泡法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、モールド内の所定位置に前記二次加熱処理した光透過領域を前記処理温度の範囲内に温度調整して配置する工程、光透過領域を配置していないモールド内に前記気泡分散ウレタン組成物を注入する工程、及び前記気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して研磨シートを作製する工程を含む。
【0019】
上記製造方法によると、透明樹脂部材を一次加熱処理(一次アニーリング)した後に、前記処理温度の範囲内で該透明樹脂部材を切断して光透過領域を作製し、さらに該光透過領域を二次加熱処理(二次アニーリング)することにより、光透過領域の切断面の表面粗さを極めて小さくすることができる。それにより、気泡分散ウレタン組成物の光透過領域表面への追従性が格段に向上し、界面におけるボイドの発生を効果的に抑制することができる。本発明の研磨パッドは、研磨領域と光透過領域との界面にボイドがなく、両領域の密着性が非常に高いため研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを効果的に防止することができる。
【0020】
一次加熱処理における処理温度がガラス転移温度(以下、Tgという)−10℃未満の場合又は処理時間が10分間未満の場合には、処理効果が不十分であり、光透過領域の切断面の表面粗さを十分小さくすることができない。一方、一次加熱処理における処理温度がTg+50℃を超える場合には、透明樹脂部材が切断刃等に粘着しやすくなるため切断し難くなる。
【0021】
二次加熱処理における処理温度がTg+10℃未満の場合又は処理時間が10分間未満の場合には、処理効果が不十分であり、切断時に生じた光透過領域の切断面のささくれを十分小さくすることができない。一方、二次加熱処理における処理温度が150℃を超える場合には、樹脂の分解が起こったり、光透過領域が軟らかくなりすぎるため、光透過領域を面材上等に配置し難くなる(光透過領域を送り込む際にテンションの制御が難しくなる)。また、処理時間が60分間を超えても切断面の表面粗さは変わらないため生産性の観点から好ましくない。
【0022】
透明樹脂部材を切断して得られる光透過領域の切断面の算術平均粗さ(Ra)は10μm以下であることが好ましい。上記一次加熱処理を施すことにより、光透過領域の切断面の算術平均粗さ(Ra)を10μm以下にすることが可能である。算術平均粗さ(Ra)が10μm以下であれば、研磨領域と光透過領域との界面におけるボイドの発生を防止でき、研磨領域と光透過領域との間からのスラリー漏れを効果的に防止することができる。また、二次加熱処理した光透過領域の切断面の算術平均粗さ(Ra)は7μm以下であることが好ましい。それにより前記効果がより向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明における研磨領域は、微細気泡を有するポリウレタン発泡体からなり、気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより形成することができる。ポリウレタンは耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨領域の形成材料として好ましい材料である。
【0024】
前記ポリウレタンは、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤等を原料とする。
【0025】
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
【0026】
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
【0027】
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の低分子量ポリオールを併用することが好ましい。エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを用いてもよい。
【0029】
ポリオール成分中の高分子量ポリオールと低分子量ポリオールの比は、これらから製造される研磨領域に要求される特性により決められる。
【0030】
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
【0031】
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨領域の所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨領域を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
【0032】
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタンの物理的特性が優れており好適である。
【0033】
ポリウレタン発泡体は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分、及び活性水素基含有化合物を含む第2成分を混合して得られる気泡分散ウレタン組成物を硬化させることにより製造される。プレポリマー法では、イソシアネート末端プレポリマーがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素基含有化合物となる。ワンショット法では、イソシアネート成分がイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤及びポリオール成分が活性水素基含有化合物となる。
【0034】
前記気泡分散ウレタン組成物は機械発泡法(メカニカルフロス法を含む)により調製する。特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコン系界面活性剤を使用した機械発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192、L−5340(東レダウコーニングシリコン社製)等が好適な化合物として例示される。シリコン系界面活性剤の添加量は、ポリウレタン発泡体中に0.05〜5重量%であることが好ましい。シリコン系界面活性剤の量が0.05重量%未満の場合には、微細気泡の発泡体が得られない傾向にある。一方、5重量%を超える場合には、シリコン系界面活性剤の可塑効果により高硬度のポリウレタン発泡体を得にくい傾向にある。
【0035】
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
【0036】
気泡分散ウレタン組成物を調製する方法の例について以下に説明する。かかる気泡分散ウレタン組成物の調製方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して気泡分散ウレタン組成物を調製する。
【0037】
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
【0038】
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
【0039】
気泡分散ウレタン組成物には、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を添加してもかまわない。触媒の種類及び添加量は、混合工程後、気泡分散ウレタン組成物をモールドに流し込む流動時間又は面材上等に吐出した後の硬化時間を考慮して選択する。
【0040】
光透過領域は、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長300〜800nmの全範囲で光透過率が40%以上であることが好ましく、より好ましくは光透過率が50%以上である。
【0041】
光透過領域の材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂;紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
光透過領域は、透明樹脂部材をTg−10℃〜Tg+50℃で10〜60分間一次加熱処理した後に、前記処理温度の範囲内で該透明樹脂部材を切断することにより作製する。一次加熱処理は、処理温度がTg−10℃〜Tg+40℃であることが好ましく、処理時間は15〜40分間であることが好ましい。また、一次加熱処理における処理温度と切断時の温度は同じであることが好ましい。
【0043】
透明樹脂部材としては、例えば、樹脂シート、円筒状樹脂ブロック、及び円柱状樹脂ブロックなどが挙げられる。
【0044】
樹脂シートの場合、上記一次加熱処理した後に、処理温度の範囲内で切削刃等を用いて樹脂シートを所定幅で切断することにより光透過領域を作製することができる。
【0045】
円筒状樹脂ブロックの場合、上記一次加熱処理した後に、処理温度の範囲内で切削刃等を用いて円筒状樹脂ブロックを所定幅で切断することにより光透過領域を作製することができる。螺旋状に切断することにより長尺状の光透過領域を作製することができる。
【0046】
円柱状樹脂ブロックの場合、上記一次加熱処理した後に、処理温度の範囲内で切削刃等を用いて円柱状樹脂ブロックの表面部を所定厚み及び所定幅で切断することにより光透過領域を作製することができる。螺旋状に切断することにより長尺状の光透過領域を作製することができる。
【0047】
前記処理温度の範囲内に温度調整して透明樹脂部材を切断する方法は特に制限されないが、例えば、透明樹脂部材と切断刃をハウジングで囲み、温度調整して切断する方法が挙げられる。
【0048】
光透過領域は、長尺状であってもよく、短冊状であってもよく、目的とする研磨パッドの形状(長尺状、円形状など)に応じて作製する。長尺状の場合、長さは通常5m程度であり、好ましく8m以上である。また、光透過領域の断面は矩形であることが好ましく、幅や高さは研磨領域との関係で適宜調整可能であるが、通常幅は5〜30mm程度、高さは0.5〜3mm程度であり、好ましくは幅が6〜15mm、高さが0.8〜2mmである。
【0049】
光透過領域の硬度は特に制限されないが、アスカーD硬度で30〜60度であることが好ましく、より好ましくは35〜54度である。30度未満の場合には光透過領域が変形しやすくなるため安定した光学的終点検出が困難となり、60度を超える場合には被研磨材表面にスクラッチが発生しやすくなる傾向にある。
【0050】
作製した光透過領域は、Tg+10℃〜150℃で10〜60分間二次加熱処理することが必要である。二次加熱処理は、処理温度がTg+10℃〜100℃であることが好ましく、処理時間は15〜40分間であることが好ましい。
【0051】
本発明で使用する面材は特に制限されず、例えば、紙、布、不織布、及び樹脂フィルムなどが挙げられるが、特に耐熱性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。
【0052】
面材を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。
【0053】
面材の厚さは特に制限されないが、強度や巻き取り等の観点から20〜200μm程度であることが好ましい。また、面材の幅も特に制限されないが、要求される研磨層の大きさを考慮すると60〜250cm程度であることが好ましい。
【0054】
なお、面材の表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、研磨層を作製した後に面材の剥離操作を容易に行うことができる。
【0055】
以下、本発明の研磨パッドを製造する方法について説明する。図2は、本発明の研磨パッドの製造工程の例を示す概略図である。
【0056】
ロールから送り出された面材8はベルトコンベア9上を移動している。なお、面材8を用いずに、離型処理を施したベルトコンベア9を用いてもよい。まず、該面材8又はベルトコンベア9の所定位置に加熱処理を施した光透過領域10をロール等から送り出すことにより配置する。光透過領域10は、前記処理温度の範囲内に温度調整して配置することが必要である。二次加熱処理における処理温度と配置時の温度は同じであることが好ましい。温度調整しつつ光透過領域10を配置する方法は特に制限されないが、例えば、光透過領域10の送出ロールからニップロール14までをハウジングで囲み、温度調整する方法が挙げられる。少なくとも光透過領域10と気泡分散ウレタン組成物11とが接触するまで前記処理温度範囲を維持しておく必要がある。光透過領域10は、面材8又はベルトコンベア9の略中央に1つ設けてもよく、所定間隔で2つ以上設けてもよい。ただし、光透過領域10の数が多くなりすぎると研磨に関与する研磨領域の面積が相対的に小さくなるため研磨特性の観点から好ましくない。したがって、例えば、幅が60〜100cm程度の面材8又はベルトコンベア9を使用する場合、光透過領域10の数は1〜3つであることが好ましい。また、長尺状の光透過領域10は、図2に示すように連続的に配置され、短冊状の光透過領域を用いる場合は、間欠的に配置される。
【0057】
その後、光透過領域10を配置していない面材8上又はベルトコンベア9上に前記気泡分散ウレタン組成物11をミキシングヘッド12の吐出ノズルから連続的に吐出する。面材8又はベルトコンベア9の移動速度や気泡分散ウレタン組成物11の吐出量は、研磨層の厚さを考慮して適宜調整する。
【0058】
その後、吐出した前記気泡分散ウレタン組成物11上に面材13又はベルトコンベア(図示せず)を積層し、厚さを均一に調整しつつ気泡分散ウレタン組成物11を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して長尺研磨シートを得る。厚さを均一に調整する手段としては、例えば、ニップロール、コーターロールなどのロール14、ドクターブレードなどが挙げられる。また、気泡分散ウレタン組成物11の硬化は、例えば、厚さを均一に調整した後に、ベルトコンベア上に設けられた加熱オーブン(図示せず)内を通過させることにより行われる。加熱温度は40〜100℃程度であり、加熱時間は5〜10分程度である。流動しなくなるまで反応した気泡分散ウレタン組成物11を加熱、ポストキュアすることは、ポリウレタン発泡体の物理的特性を向上させる効果がある。
【0059】
得られた長尺研磨シートは、例えば、裁断機により数メートルの反物状に裁断される。長さは使用する研磨装置に応じて適宜調整されるが、通常5〜10m程度である。その後、ポストキュア及び面材を剥離する工程などを経て長尺研磨層が作製される。なお、面材を剥離する前にポストキュアしてもよく、面材を剥離した後にポストキュアしてもよいが、通常面材と研磨シートとは熱収縮率が異なるため、研磨シートの変形を防止する観点から面材を剥離した後にポストキュアすることが好ましい。ポストキュア後、長さを調整するため及び厚みを均一にするために長尺研磨シートの端部を裁断除去してもよい。さらに、長尺研磨シートは、研磨表面に凹凸構造を形成する工程等を経て長尺研磨層となる。
【0060】
また、得られた長尺研磨シートを、例えば、裁断機により所望の形状(例えば、円形、正方形、矩形など)よりやや大きい形状で1次裁断し、その後、ポストキュア及び面材を剥離する工程などを経て研磨シートを作製してもよい。裁断する際には、光透過領域が研磨シートの所定位置に配置されるように裁断する。なお、面材を剥離する前にポストキュアしてもよく、面材を剥離した後にポストキュアしてもよいが、通常面材と研磨シートとは熱収縮率が異なるため、研磨シートの変形を防止する観点から面材を剥離した後にポストキュアすることが好ましい。ポストキュア後、研磨シートは、所望の形状に合わせて2次裁断される。円形に裁断する場合、直径は50〜200cm程度であり、好ましくは50〜100cmである。その後、研磨シートは、研磨表面に凹凸構造を形成する工程等を経て研磨層となる。
【0061】
また、本発明の研磨パッドを製造する他の方法について説明する。図3は、本発明の研磨パッドの製造工程の例を示す概略図である。
【0062】
まず、モールド15内の所定位置に二次加熱処理した光透過領域10を配置する。光透過領域10は、前記処理温度(Tg+10℃〜150℃)の範囲内に温度調整して配置することが必要である。二次加熱処理における処理温度と配置時の温度は同じであることが好ましい。温度調整しつつ光透過領域10を配置する方法は特に制限されないが、例えば、モールド15をハウジングで囲み、温度調整する方法、モールド15を加熱して温度調整する方法が挙げられる。少なくとも光透過領域10と気泡分散ウレタン組成物11とが接触するまで前記処理温度範囲を維持しておく必要がある。モールド15の形状は特に制限されず、円形であってもよく矩形であってもよい。モールド15の大きさは要求される研磨層の大きさを考慮して適宜設定できるが、円形の場合には通常直径が50〜200cm程度であり、好ましくは50〜100cmである。また、モールド15の高さは特に制限されないが、要求される研磨領域の厚さ及びキャスト時のオーバーフロー防止の観点から10〜60mm程度であることが好ましい。
【0063】
その後、モールド15内に前記気泡分散ウレタン組成物11を流し込み、該気泡分散ウレタン組成物11を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して研磨シートを得る。気泡分散ウレタン組成物11の吐出量は、光透過領域10の厚さ及び面積、研磨領域の厚さ及び面積を考慮して適宜調整する。
【0064】
気泡分散ウレタン組成物11の硬化は、例えば、厚さを均一に調整した後に、モールドを加熱オーブン内に搬入して行われる。加熱温度は40〜100℃程度であり、加熱時間は5〜10分程度である。
【0065】
得られた研磨シートは、ポストキュアを行ったり、使用する研磨装置に応じて大きさを適宜調整してもよい。さらに、研磨シートは、研磨表面に凹凸構造を形成する工程等を経て研磨層となる。
【0066】
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
【0067】
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.2〜2.5mmであることが好ましい。
【0068】
また、研磨層の比重は、0.5〜1.0であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面の強度が低下し、被研磨材のプラナリティ(平坦性)が悪化する傾向にある。一方、1.0より大きい場合は、研磨層表面での微細気泡の数が少なくなり、平坦化特性は良好であるが、研磨速度が悪化する傾向にある。
【0069】
また、研磨層の硬度は、アスカーD硬度計にて、45〜65度であることが好ましい。D硬度が45度未満の場合、被研磨材のプラナリティ(平坦性)が悪化する傾向にある。一方、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が悪化する傾向にある。
【0070】
また、研磨層の厚みバラツキは100μm以下であることが好ましい。厚みバラツキが100μmを越えるものは、研磨層に大きなうねりを持ったものとなり、被研磨材に対する接触状態が異なる部分ができ、研磨特性に悪影響を与える。また、研磨層の厚みバラツキを解消するため、一般的には、研磨初期に研磨層表面をダイヤモンド砥粒を電着、融着させたドレッサーを用いてドレッシングするが、上記範囲を超えたものは、ドレッシング時間が長くなり、生産効率を低下させるものとなる。
【0071】
研磨層の厚みバラツキを抑える方法としては、研磨層の表面をバフ機でバフィングする方法が挙げられる。なお、バフィングする際には、粒度などが異なる研磨材で段階的に行うことが好ましい。
【0072】
本発明の研磨層において、被研磨材(ウエハ)と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
【0073】
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用いて機械切削する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスする方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法、及び所定の表面形状を有したモールドを使用する方法などが挙げられる。
【0074】
本発明の研磨パッドは、(長尺)研磨層のみであってもよく、(長尺)研磨層と他の層(例えばクッション層、透明支持フィルムなど)との積層体であってもよい。
【0075】
前記クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のあるウエハを研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、ウエハ全体の均一性をいう。発泡体シートの特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。本発明の研磨パッドにおいては、クッション層は研磨領域より柔らかいものを用いることが好ましい。
【0076】
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、アクリル不織布などの繊維不織布やポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム性樹脂、感光性樹脂などが挙げられる。
【0077】
前記研磨層とクッション層とを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層とクッション層とを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。なお、光透過領域に対応する部分にはクッション層を設けないことが好ましい。
【0078】
両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。クッション層へのスラリーの浸透等を防ぐことを考慮すると、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
【0079】
透明支持フィルムは、透明性が高く、耐熱性を有すると共に可とう性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。該樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエステル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリスチレン;ポリイミド;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリフルオロエチレンなどの含フッ素樹脂;ナイロン;セルロース;ポリカーボネートなどの汎用エンジニアリングプラスチック;ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリエーテルスルホンなどの特殊エンジニアリングプラスチックなどを挙げることができる。
【0080】
透明支持フィルムの厚さは特に制限されないが、強度や巻き取り等の観点から20〜200μm程度であることが好ましい。また、長尺研磨パッドを作製する場合、透明支持フィルムの長さは要求される長尺研磨層の長さに合わせて適宜設定できるが、リード部分(前後各2m程度)が必要なため通常10〜15m程度である。
【0081】
前記研磨層と透明支持フィルムとを貼り合わせる手段としては、例えば、研磨層と透明支持フィルムとを両面テープで挟みプレスする方法が挙げられる。また、長尺研磨シートの作製時に、面材の変わりに透明支持フィルムを用いて積層体を作製してもよい。また、研磨シートの作製時に、モールド15内に予め透明支持フィルムを設けておくことにより積層体を作製してもよい。
【0082】
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものを用いることができる。基材としては、例えば不織布やフィルム等が挙げられる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。また、接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。
【0083】
半導体デバイスは、前記長尺研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、下記方法により研磨される。
【0084】
図4は、ウェブ型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図である。最初に長尺研磨パッド16は主に供給ロール17aに巻きつけられている。そして、多数の半導体ウエハ4が研磨されると使用済領域の研磨パッドは、回収ロール17bによって巻き取られ、それに伴い未使用領域の研磨パッドが供給ロール17aから送り出される。
【0085】
図5は、直線型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図である。長尺研磨パッド16は、ロール18の周りを回転するようにベルト状に配置されている。そして、直線的に動いている研磨パッド上で半導体ウエハ4が次々に研磨される。
【0086】
図6は、往復型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図である。長尺研磨パッド16は、ロール18間を往復するようにベルト状に配置されている。そして、左右に往復運動している研磨パッド上で半導体ウエハ4が次々に研磨される。
【0087】
なお、図中には示していないが、通常上記研磨装置は、長尺研磨パッドを支持する研磨定盤(プラテン)、半導体ウエハを支持する支持台(ポリシングヘッド)、ウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材、及び研磨剤(スラリー)の供給機構を備えている。研磨定盤と支持台とは、それぞれに支持された長尺研磨パッドと半導体ウエハとが対向するように配置され、支持台は回転軸を備えている。研磨に際しては、支持台を回転させつつ半導体ウエハを長尺研磨パッドに押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、及びウエハ回転数などは特に制限されず、適宜調整して行われる。
【0088】
また、半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
【0089】
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
【実施例】
【0090】
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0091】
〔算術平均粗さ(Ra)の測定〕
JIS B0601−1994に準拠して、透明樹脂部材を切断して得られる光透過領域の切断面の算術平均粗さ(一次加熱処理後のRa)、二次加熱処理した光透過領域の切断面の算術平均粗さを測定した。
【0092】
〔ボイド数(個/5m)の測定〕
作製した長尺研磨パッドの研磨領域と光透過領域との界面におけるボイド数を目視にて数えた。直径0.5mm以上の孔をボイドとした。
【0093】
〔水漏れ評価〕
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した長尺研磨パッドを用いて、水漏れ評価を行った。8インチのダミーウエハを60分間連続研磨し、その後、長尺研磨パッド裏面側の光透過領域のはめこみ部分を目視にて観察し、下記基準で水漏れ評価をした。研磨時間が合計600分になるまで上記操作を繰り返し行い、同様の方法で水漏れ評価をした。評価結果を表1に示す。研磨条件としては、アルカリ性スラリーとしてシリカスラリー(SS12、キャボット マイクロエレクトロニクス社製)を研磨中に流量150ml/minにて添加し、研磨荷重350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、及びウエハ回転数30rpmとした。また、ウエハの研磨は、♯100ドレッサーを用いて長尺研磨パッド表面のドレッシングを行いながら実施した。ドレッシング条件は、ドレス荷重80g/cm、ドレッサー回転数35rpmとした。
○:はめこみ部分でのスラリー漏れは全く認められない。
×:はめこみ部分でのスラリー漏れが認められる。
【0094】
〔ガラス転移温度(Tg)の測定〕
ガラス転移温度(Tg)は粘弾性測定法により下記条件にて測定した。
サンプルサイズ:24×3×2t
前処理:温度23℃、湿度50%、168時間
測定装置:METTLER TOLEDO STARE SYSTEM DMA/SDTA861E
測定モード:引張り
測定温度範囲:−60〜70℃
昇温速度:2.5℃/min
測定周波数:10Hz
制御:3N荷重制御(3Nの荷重になるまでサンプルを引張る)
【0095】
製造例
(気泡分散ウレタン組成物の調製)
トルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)32重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート8重量部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:1006)54重量部、及びジエチレングリコール6重量部を混合し、80℃で120分間加熱撹拌してイソシアネート末端プレポリマー(イソシアネート当量:2.1meq/g)を作製した。該イソシアネート末端プレポリマー100重量部、シリコン系界面活性剤(東レ・ダウシリコーン社製、SH−192)3重量部を混合して80℃に温度調節した混合物Aを調製した。該混合物A80重量部、及び120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)20重量部を混合チャンバー内で混合し、同時に空気を混合物中に機械的に撹拌することにより分散させて気泡分散ウレタン組成物を調製した。
【0096】
(ポリウレタン樹脂シートの作製)
容器に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート770重量部、及び1,3−ブタンジオール230重量部を入れ、80℃で120分間加熱撹拌してイソシアネート末端プレポリマーを作製した。また、数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール29重量部、トリメチロールプロパン13重量部、及び触媒(花王製、Kao No.25)0.43重量部を80℃にて混合撹拌して混合液を得た。その後、80℃に温度調節した混合液に前記イソシアネート末端プレポリマー100重量部を加え、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で十分に撹拌し、その後脱泡した。この反応液を離型処理したモールド上に滴下し、その上に離型処理したPETフィルムを被せ、ニップロールにて厚みを調整した。その後、該モールドを100℃のオーブンに入れ、16時間ポストキュアを行ってポリウレタン樹脂シート(幅150mm、厚さ1.4mm、長さ8m)を作製した。該ポリウレタン樹脂シートのガラス転移温度は30℃であった。
【0097】
実施例1
作製したポリウレタン樹脂シートを40℃で40分間一次加熱処理し、その後、40℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは5.3μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を50℃で40分間二次加熱処理した。二次加熱処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは4.5μmであった。
【0098】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次加熱処理後の長尺光透過領域を40℃に維持した状態で配置した。その後、長尺光透過領域を配置していない面材上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出した。そして、PETからなる別の面材(厚さ50μm、幅100cm)で気泡分散ウレタン組成物を覆い、ニップロールを用いて厚さを均一に調整した。その後、80℃に加熱することにより該組成物を硬化させてポリウレタン発泡体からなる長尺研磨領域を形成して長尺研磨シートを得た。その後、該長尺研磨シートを7mの長さで裁断し、面材を剥離し、110℃で6時間ポストキュアした。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して該長尺研磨シートの表面をバフ処理し、厚みを1.27mmに整えた。そして、該長尺研磨シートの研磨表面に溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて溝加工を施して長尺研磨パッドを作製した。
【0099】
実施例2
作製したポリウレタン樹脂シートを70℃で15分間一次加熱処理し、その後、70℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは8.9μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を100℃で15分間二次加熱処理した。二次加熱処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは6.1μmであった。
【0100】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次加熱処理後の長尺光透過領域を70℃に維持した状態で配置した。その後、実施例1と同様の方法で長尺研磨パッドを作製した。
【0101】
実施例3
作製したポリウレタン樹脂シートを40℃で40分間一次加熱処理し、その後、40℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは4.9μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を100℃で15分間二次加熱処理した。二次加熱処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは4.4μmであった。
【0102】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次加熱処理後の長尺光透過領域を70℃に維持した状態で配置した。その後、実施例1と同様の方法で長尺研磨パッドを作製した。
【0103】
実施例4
作製したポリウレタン樹脂シートを70℃で15分間一次加熱処理し、その後、70℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは8.8μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を50℃で40分間二次加熱処理した。二次加熱処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは6.4μmであった。
【0104】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次加熱処理後の長尺光透過領域を40℃に維持した状態で配置した。その後、実施例1と同様の方法で長尺研磨パッドを作製した。
【0105】
比較例1
作製したポリウレタン樹脂シートを100℃で15分間一次加熱処理し、その後、100℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは15.7μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を50℃で40分間二次加熱処理した。二次加熱処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは13.2μmであった。
【0106】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次加熱処理後の長尺光透過領域を40℃に維持した状態で配置した。その後、実施例1と同様の方法で長尺研磨パッドを作製した。
【0107】
比較例2
作製したポリウレタン樹脂シートを10℃で15分間一次処理し、その後、10℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは22.3μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を100℃で15分間二次加熱処理した。二次加熱処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは20.1μmであった。
【0108】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次加熱処理後の長尺光透過領域を100℃に維持した状態で配置した。その後、実施例1と同様の方法で長尺研磨パッドを作製した。
【0109】
比較例3
作製したポリウレタン樹脂シートを70℃で15分間一次加熱処理し、その後、70℃に維持した状態で切削刃を用いて該ポリウレタン樹脂シートを幅10mmで切断して長尺光透過領域を作製した。該長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは9.2μmであった。その後、作製した長尺光透過領域を20℃で40分間二次処理した。二次処理後の長尺光透過領域の切断面の算術平均粗さは9.1μmであった。
【0110】
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる面材(厚さ50μm、幅100cm)を送り出しつつ、該面材の中央部に二次処理後の長尺光透過領域を20℃に維持した状態で配置した。その後、実施例1と同様の方法で長尺研磨パッドを作製した。
【0111】
【表1】

表1から明らかなように、本発明の製造方法によると、光透過領域の切断面の表面粗さを小さくすることができる。それにより、研磨領域と光透過領域との界面におけるボイドの発生を効果的に抑制でき、スラリー漏れを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図
【図2】本発明の長尺研磨シートの製造工程の例を示す概略図
【図3】本発明の研磨シートの製造工程の例を示す概略図
【図4】ウェブ型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図
【図5】直線型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図
【図6】往復型の研磨装置を用いて半導体ウエハを研磨する方法を示す概略図
【符号の説明】
【0113】
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8、13:面材
9:ベルトコンベア
10:光透過領域
11:気泡分散ウレタン組成物
12:ミキシングヘッド
14:ロール
15:モールド
16:長尺研磨パッド
17a:供給ロール
17b:回収ロール
18:ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂部材をガラス転移温度−10℃〜ガラス転移温度+50℃で10〜60分間一次加熱処理した後に、前記処理温度の範囲内で該透明樹脂部材を切断して光透過領域を作製する工程、前記光透過領域をガラス転移温度+10℃〜150℃で10〜60分間二次加熱処理する工程、機械発泡法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、面材を送り出しつつ又はベルトコンベアを移動させつつ、該面材上又はベルトコンベア上の所定位置に前記二次加熱処理した光透過領域を前記処理温度の範囲内に温度調整して配置する工程、光透過領域を配置していない前記面材上又はベルトコンベア上に前記気泡分散ウレタン組成物を連続的に吐出する工程、吐出した前記気泡分散ウレタン組成物上に別の面材又はベルトコンベアを積層する工程、厚さを均一に調整しつつ前記気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して研磨シートを作製する工程、及び前記研磨シートを裁断する工程を含む研磨パッドの製造方法。
【請求項2】
透明樹脂部材をガラス転移温度−10℃〜ガラス転移温度+50℃で10〜60分間一次加熱処理した後に、前記処理温度の範囲内で該透明樹脂部材を切断して光透過領域を作製する工程、前記光透過領域をガラス転移温度+10℃〜150℃で10〜60分間二次加熱処理する工程、機械発泡法により気泡分散ウレタン組成物を調製する工程、モールド内の所定位置に前記二次加熱処理した光透過領域を前記処理温度の範囲内に温度調整して配置する工程、光透過領域を配置していないモールド内に前記気泡分散ウレタン組成物を注入する工程、及び前記気泡分散ウレタン組成物を硬化させることによりポリウレタン発泡体からなる研磨領域を形成して研磨シートを作製する工程を含む研磨パッドの製造方法。
【請求項3】
透明樹脂部材を切断して得られる光透過領域の切断面の算術平均粗さ(Ra)が10μm以下である請求項1又は2記載の研磨パッドの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−246639(P2008−246639A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92495(P2007−92495)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】