説明

積層リングの側縁検査方法及びそれに用いる装置

【課題】積層リングW側縁の擦り痕や打痕等を正確に検査できる方法と前記検査に用いる装置とを提供する。
【解決手段】積層リングWを回転させながら、径方向に押圧し、油を側縁に滲出せしめて除去する。油を除去した後、積層リングWを回転させながら、該側縁に付着している固形物を除去する。積層リングWの側縁を撮像し、得られた画像を処理して検査を行う。積層リングWを回転させる第1の回転手段2,3と、積層リングWを径方向に押圧する押圧手段6と、滲出した油を除去する油除去手段8と、第2の回転手段12と、積層リングWの側縁を撮像する撮像手段16と、撮像手段16により得られた画像を処理して積層リングWの側縁の検査を行う画像解析手段17とを備える。油が除去された積層リングWを回転させる第3の回転手段12と、回転自在に設けられた第1の固形物除去手段13と、固設された第2の固形物除去手段14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用無段変速機(CVT)等のベルトに使用される積層リングについて、その側縁に生じた擦り痕や打痕等を検査する方法と、該検査に用いる装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の無段変速機の動力伝達のために、複数の無端状金属リングを積層して積層リングを形成し、該積層リングを所定形状のエレメントに組み付けて保持した無段変速機用ベルトが用いられている。前記金属リングは、製造工程や搬送工程、積層工程などでその側縁に擦り痕や打痕等が生じることがあるが、基準外の擦り痕や打痕があるものは使用することができない。
【0003】
そこで、前記金属リングの側縁を検査するために、金属リングの側縁に光を当ててその側縁をカメラで撮像し、その画像によって金属リングの擦り痕や打痕等を検出する検査装置が提案されている。前記検査装置は、カメラで撮像された画像の形状が金属リング側縁の断面形状によって異なることを利用し、金属リングの擦り痕や打痕等の判断を行っている(特許文献1参照)。
【0004】
前記金属リングを検査する際に、1本1本の該金属リングを前記方法により検査するのでは煩雑であるので、複数の金属リングを積層して積層リングとしたものについて前記検査を行うことが考えられる。前記積層リングについて前記検査を行うときには、複数の金属リングを積層する際に発生した傷も検査することができ好都合である。
【0005】
ここで、前記積層リングは、前記金属リングを例えば12本を1セットとして相互に積層することにより形成されており、このようにするためには少しずつ周長の異なる金属リングが12本必要になる。前記金属リングはそれぞれの周長のリングがそれ自体所定の設計値に基づいて製造されるが、製造工程中に、溶体化処理、時効処理、窒化処理等の加熱工程を含むために、必ずしも設計値通りの寸法が得られるとは限らない。そこで、前記金属リングは、製造後、改めて周長測定を行って保管しておき、保管されている金属リングの中から所定条件に基づいて相互に積層可能な1セットの金属リングを選択することが行われている。このようにするときには、前記金属リングは製造から積層リングに形成されるまでに相当の保管期間を経る場合があり、保管期間中に表面が酸化されることを避けるために、表面に防錆油が塗布されている。
【0006】
しかしながら、表面に防錆油が塗布された前記金属リングを相互に積層してなる積層リングの側縁に前記のように光を当ててカメラで撮像すると、該側縁に滲み出した前記防錆油が反射して画像に取り込まれることがあり、正確な検査が難しくなるという不都合がある。また、表面に防錆油が塗布された前記金属リングは、保管時に埃等が付着することがあり、前記のようにカメラで撮像したときに、該埃等が画像に取り込まれることがあり、正確な検査が難しくなるという不都合もある。
【特許文献1】特開2004−77425号公報(明細書0012,0016、図3,4,5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる不都合を解消して、積層リングの側縁について、その側縁に生じた擦り痕や打痕等を正確に検査することができる方法を提供することを目的とする。また、本発明の目的は、前記検査に用いる装置を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明の検査方法は、無端状に形成された複数の金属リングを相互に積層してなる積層リングの側縁を検査する方法であって、該積層リングを周方向に回転させながら、該積層リングを径方向に押圧して各金属リング表面に塗布されている油を該積層リングの側縁に滲出せしめる工程と、該積層リングの側縁に滲出した油を除去する工程と、該積層リングを周方向に回転させながら、該積層リングの軸方向から該積層リングの側縁を撮像する工程と、該撮像により得られた画像を処理して該積層リングの側縁の検査を行う工程とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の検査方法では、まず、前記積層リングを周方向に回転させながら、該積層リングを径方向に押圧して各金属リング表面に塗布されている油を該積層リングの側縁に滲出せしめる。前記金属リング表面には防錆油等の油が保管期間中の酸化を避ける等のために過剰気味に塗布されている。そこで、前記積層リングを径方向に押圧することにより、前記過剰な油を該積層リングに側縁に押し出す。
【0010】
次に、前記積層リングの側縁に滲出してくる油を除去する。前記油の除去は、例えば、周方向に回転している前記積層リングの側縁に合成樹脂製の多孔質体を押圧して、該油を該多孔質体に吸着させることにより行うことができる。
【0011】
次に、前記積層リングを周方向に回転させながら、該積層リングの軸方向から該積層リングの側縁を撮像する。このとき、前記積層リングの側縁は、前述のように前記油が除去されているので、光を当てても該油が反射して画像に取り込まれることがない。
【0012】
従って、本発明の検査方法によれば、次に、前記撮像により得られた画像を処理して前記積層リングの側縁の検査を行うことにより、該側縁に生じた擦り痕や打痕等の検査を正確に行うことができる。
【0013】
本発明の検査方法は、無端状に形成された複数の金属リングを相互に積層してなる積層リングの側縁を検査する装置であって、該積層リングを周方向に回転させる回転手段と、該回転手段により回転されている該積層リングを径方向に押圧して各金属リング表面に塗布されている油を該積層リングの側縁に滲出せしめる押圧手段と、該積層リングの側縁に滲出した油を除去する油除去手段と、該回転手段により回転されている該積層リングの軸方向から該積層リングの側縁を撮像する撮像手段と、該撮像手段により得られた画像を処理して該積層リングの側縁の検査を行う画像解析手段とを備えている積層リングの側縁検査装置により有利に実施することができる。
【0014】
ところで、前記金属リングは、表面に塗布された油に、保管時に埃等の固形物が付着することがあり、前記積層リングの側縁を撮像する際に得られた画像に該固形物が取り込まれ、前記擦り痕や打痕等の正確な検査の妨げとなることがある。また、前記のようにして除去される油は、前記積層リングを構成する各金属リング間の過剰な油が該側縁に押し出されるものであって、該金属リングに塗布されている油の全てが除去されるものではない。このため、前記各金属リングの表面には、ある程度の油が残っており、この油に埃等の固形物が付着した場合にも、前記画像に該固形物が取り込まれ、前記擦り痕や打痕等の正確な検査の妨げとなることがある。
【0015】
そこで、本発明の検査方法は、さらに、前記側縁に滲出した油を除去した後、前記積層リングを周方向に回転させながら、該側縁に付着している固形物を除去する工程を備えることが好ましい。前記固形物の除去は、例えば、周方向に回転している前記積層リングの側縁に合成樹脂製の回転ブラシを押圧して、該回転ブラシの回転により該固形物を掃き出すようにしてもよく、該積層リングの側縁に合成樹脂製の固定ブラシを押圧して該固形物を該固定ブラシに吸着させることにより行ってもよい。また、前記回転ブラシと固定ブラシとを併用するようにしてもよい。このようにすることにより、前記油を介して前記積層リングの側縁に付着している固形物が除去されるので、該側縁に生じた擦り痕や打痕等の検査を、該固形物に妨げられることなく正確に行うことができる。
【0016】
前記固形物の除去は、前記回転手段により回転されている該積層リングの側縁に摺接して回転自在に設けられ該側縁に付着している固形物を除去する第1の固形物除去手段と、該積層リングの側縁に摺接する位置に固設されて該側縁に付着している固形物を除去する第2の固形物除去手段とを備えている積層リングの側縁検査装置により有利に実施することができる。
【0017】
尚、前記積層リングの側縁検査装置は、単一の回転手段を備えるものであってもよく、複数の回転手段を備えるものであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の積層リングの側縁検査方法に用いる油除去装置の構成を示す平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。また、図3は本実施形態の積層リングの側縁検査方法に用いる画像処理装置の構成を示すシステム構成図、図4は図3に示す画像処理装置と回転テーブル制御装置との機能的構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施形態で側縁の検査を行う積層リングは、所定の標準周長を備え、相互に少しずつ周長が異なる無端状金属リングを複数枚(本実施形態では12枚)積層したものであり、各金属リングの表面には保管期間中の酸化を避けるための防錆油が過剰気味に塗布されている。そこで、本実施形態の検査方法では、まず図1に示す油除去装置1を用いて、過剰な前記防錆油を除去する。
【0020】
油除去装置1は、1対の円弧状のセッティングテーブル2を備え、セッティングテーブル2上に積層リングWが載置される。セッティングテーブル2,2間には、積層リングWの内周面に摺接して積層リングWを周方向に回転させる回転ローラ3,3が備えられ、回転ローラ3,3はベルト4を介して図示しないモータの回転軸に取着されたプーリ5に接続されている。
【0021】
積層リングWの外周側には、各回転ローラ3,3に対向して、油絞りローラ6,6が備えられている。油絞りローラ6はシリンダ7のシリンダロッド7aに軸支されて積層リングWの回転に伴って回転自在とされており、シリンダ7により積層リングW方向に付勢される。
【0022】
積層リングWは、油絞りローラ6の下流側で、上下両側縁が油吸着ローラ8により挟持されている。油吸着ローラ8は、前記モータの回転軸に取着された偏心溝カム9に取着された腕部材10により往復動されると共に、積層リングWの回転に伴って回転自在とされている。油吸着ローラ8は、例えばPVC等の合成樹脂からなるスポンジ状の多孔質体により構成されている。
【0023】
セッティングテーブル2は図2に示すように断面視L字状であり、水平面2aにローラR、外壁面2bにローラRを備え、ローラR上に積層リングWが載置される。また、ローラRは積層リングWの内周面に接触して、該内周面がセッティングテーブル2の外壁面2bに接触することを防止する。ローラR、Rは、積層リングWと接触しても損傷を与えることなく、積層リングWが周方向に円滑に回転されるようにするために、例えばMC(モノマー・キャスト)ナイロンにより構成されている。
【0024】
図1に示す油除去装置1によれば、図示しないモータを回転駆動することにより、セッティングテーブル2上に載置された積層リングWの内周面に摺接される回転ローラ3が駆動され、これにより積層リングWが周方向に回転される。このとき、シリンダ7により油絞りローラ6を積層リングW方向に付勢すると、積層リングWは回転ローラ3と油絞りローラ6との間に挟持されてその径方向に押圧される。この結果、積層リングWを形成する各金属リング(図示せず)の表面に塗布されている前記防錆油の過剰な部分が押し出され、積層リングWの側縁に滲出する。そして、積層リングWの側縁に滲出した前記過剰の防錆油は、油絞りローラ6の下流側に備えられた油吸着ローラ8により吸着されて除去される。
【0025】
積層リングWは、前記防錆油を除去すると、使用中に錆が発生することが懸念される。しかし、油除去装置1では、前述のように回転ローラ3と油絞りローラ6とにより積層リングWを径方向に押圧することにより、前記金属リング表面に塗布されている該防錆油の過剰な部分が積層リングWの側縁に押し出されてくるものであって、積層リングWに塗布されている防錆油の全てが除去されるわけではない。従って、前記防錆油を除去しても、前記金属リングの表面にはある程度の防錆油が残っており、これにより使用中の錆の発生を十分に防止することができる。
【0026】
尚、油除去装置1において、油吸着ローラ8は偏心溝カム9により、積層リングWの径方向に往復動するようにされているので、同一部分ばかりで積層リングWに接触することがなく、寿命を延長することができる。また、前記防錆油で飽和された油吸着ローラ8は新品と交換してもよく、別途吸着した防錆油を絞り出す等して再使用するようにしてもよい。
【0027】
次に、油除去装置1により過剰の前記防錆油が除去された積層リングWを、図示しない移載装置により、図3に示す画像処理装置11に移載し、積層リングWの表面に残る前記防錆油に付着している固形物の除去と、積層リングWの側縁の撮像と、該撮像により得られた画像を処理することによる該側縁の検査とを行う。
【0028】
画像処理装置11は、積層リングWを保持して周方向に回転させる回転テーブル12と、回転テーブル12の上方に、積層リングWの側縁に摺接して回転自在に設けられた回転ブラシ13と、積層リングWの側縁に摺接する位置に固定して設けられた固定ブラシ14と、積層リングWの側縁を照明する照明装置15と、回転テーブル12及び照明装置15の上方に設けられたカメラ16と、カメラ16によって撮影された画像の処理を行う画像処理手段17と、回転テーブル12の回転を制御する回転テーブル制御手段18とを備えている。
【0029】
回転テーブル12の側方には、積層リングWに擦り痕、打痕等が検出された場合、擦り痕、打痕等がある箇所にマーキングを行うマーキング装置19が設けられている。マーキング装置19は、積層リングWに向けて進退自在のマーカー19aを備えている。照明装置15は、2個の発光部20と、発光部20を支持する支持板21と、発光部20に光を送る光ファイバ22とを備えており、光ファイバ22は光源23に接続されている。照明装置15は、発光部20により積層リングWの撮像位置Pに対して照明を行うものである。カメラ16は、一般に用いられているCMOSカメラであり、ケーブル24によって画像処理手段17に接続されている。
【0030】
画像処理手段17は、図4に示すように、機能的構成として、画像記憶手段25、2値化手段26、選択手段27、判定手段28、結果表示手段29及び不良位置通知手段30とを備えている。画像記憶手段25はカメラ16に接続され、結果表示手段29は画像処理手段17に内蔵されたモニタ31に接続され、不良位置通知手段30は回転テーブル制御手段18に接続されている。回転テーブル制御手段18は、マーキング制御手段32を内蔵しており、マーキング制御手段32はマーキング装置19に接続されている。
【0031】
図3,4に示す画像処理装置11によれば、回転テーブル制御手段18により回転テーブル12を回転させることにより、積層リングWが周方向に回転される。このとき、回転ブラシ13は、積層リングWの側縁に摺接して積層リングWを径方向に横断するようにされており、回転テーブル12とは独立に高速で回転自在とされている。そこで、回転ブラシ13を回転駆動すると、積層リングWの側縁で前記防錆油に付着している埃等の固形物が、回転ブラシ13により掃き出されて除去される。尚、回転テーブル12の周囲には、回転テーブル12の上方から下方に向けてエアが流されており、前記のようにして掃き出された固形物が舞い上がったり、積層リングWに再付着したりすることがないようにされている。
【0032】
回転ブラシ13の下流側には固定ブラシ14が設けられており、固定ブラシ14は積層リングWの側縁に摺接する位置に固定され、積層リングWを径方向に横断する幅を備えている。そこで、固定ブラシ14によれば、回転ブラシ13によって除去されなかった前記埃等の固形物が堰き止められて集められた上、固定ブラシ14に吸着されて除去される。
【0033】
尚、回転ブラシ13、固定ブラシ14は、積層リングWの検査が終了する毎に、エアブローにより付着した埃等の固形物が除去される。
【0034】
前記のようにして、回転ブラシ13、固定ブラシ14により前記埃等の固形物が除去された積層リングWは、次に固定ブラシ14の下流側の撮像位置Pにおいて、照明装置15による照明下にカメラ16により側縁の画像が撮像される。カメラ16により撮像された画像は、ケーブル24により画像処理手段17に送られる。
【0035】
画像処理手段17では、例えば次のようにして前記画像の処理を行い、処理された画像から、積層リングWの側縁(実際には積層リングWを形成する各金属リングの側縁)の擦り痕、打痕等の検査を行う。
【0036】
画像処理手段17は、まず、カメラ16により撮像された画像を画像記憶手段25に一時的に記憶させ、画像記憶手段25に記憶されている画像を2値化手段26が所定の2値化閾値に従って2値化し、ラベリングする。尚、画像記憶手段25は、記憶された画像が次工程の2値化手段26で使用された後、カメラ16からの新しい画像を順次一時記憶する。
【0037】
次に、選択手段27は、2値化手段26によって2値化された画像のうち、高照度部である明部像を選択し、検査対象とする。そして、判定手段28が、選択手段27により選択された明部像を所定の基準に基づいて、積層リングWの側縁の擦り痕、打痕等の有無を判定する。
【0038】
結果表示手段29は、判定手段28の判定が不良となったときは、不良位置通知手段30を介して回転テーブル制御装置18に擦り痕、打痕等の位置を通知すると共に、モニタ31にその結果を表示させるものである。また、回転テーブル制御装置18は、不良位置通知手段30から通知される不良箇所の信号に基づいて、内蔵するマーキング制御手段32を介してマーキング装置19を駆動し、積層リングWにマーキングを行う。
【0039】
上述の検査方法によれば、積層リングWから過剰の防錆油が除去されると共に、残余の防錆油に付着している固形物が除去されているので、カメラ16により撮像された画像に、前記防錆油の反射像や固形物の像が取り込まれることがない。従って、カメラ16により撮像された画像により、積層リングWの側縁の擦り痕や打痕等を正確に検査することができる。
【0040】
尚、本実施形態では、図3に示す画像処理装置11における回転手段としての回転テーブル12に、固形物除去手段としての回転ブラシ13、固定ブラシ14と、撮像手段としてのカメラ16との両方が備えられた構成となっているが、前記回転ブラシ13、固定ブラシ14と、カメラ16とはそれぞれ別の回転手段に設けられていてもよい。また、図1に示す油除去装置1に、前記回転ブラシ13、固定ブラシ14を設けてもよく、さらに回転ブラシ13、固定ブラシ14と共にカメラ16を設けてもよい。
【0041】
また、図3に示す画像処理装置11は、固形物除去手段として回転ブラシ13と、固定ブラシ14とを備えているが、該固形物除去手段は回転ブラシ13または固定ブラシ14
のいずれか一方だけであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の積層リングの側縁検査方法に用いる油除去装置の構成を示す平面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明の積層リングの側縁検査方法に用いる画像処理装置の構成を示すシステム構成図。
【図4】図3に示す画像処理装置と回転テーブル制御装置との機能的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0043】
2,3…第1の回転手段、 6…押圧手段、 8…油除去手段、 12…第2(第3)の回転手段、 13…第1の固形分除去手段、 14…第2の固形分除去手段、 16…撮像手段、 17…画像解析手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に形成された複数の金属リングを相互に積層してなる積層リングの側縁を検査する方法であって、
該積層リングを周方向に回転させながら、該積層リングを径方向に押圧して各金属リング表面に塗布されている油を該積層リングの側縁に滲出せしめる工程と、
該積層リングの側縁に滲出した油を除去する工程と、
該積層リングを周方向に回転させながら、該積層リングの軸方向から該積層リングの側縁を撮像する工程と、
該撮像により得られた画像を処理して該積層リングの側縁の検査を行う工程とを備えていることを特徴とする積層リングの側縁検査方法。
【請求項2】
前記側縁に滲出した油を除去した後、前記積層リングを周方向に回転させながら、該側縁に付着している固形物を除去する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の積層リングの側縁検査方法。
【請求項3】
無端状に形成された複数の金属リングを相互に積層してなる積層リングの側縁を検査する装置であって、
該積層リングを周方向に回転させる回転手段と、
該回転手段により回転されている該積層リングを径方向に押圧して各金属リング表面に塗布されている油を該積層リングの側縁に滲出せしめる押圧手段と、
該積層リングの側縁に滲出した油を除去する油除去手段と、
該回転手段により回転されている該積層リングの軸方向から該積層リングの側縁を撮像する撮像手段と、
該撮像手段により得られた画像を処理して該積層リングの側縁の検査を行う画像解析手段とを備えていることを特徴とする積層リングの側縁検査装置。
【請求項4】
前記回転手段により回転されている前記積層リングの側縁に摺接して回転自在に設けられ該側縁に付着している固形物を除去する第1の固形物除去手段と、
該積層リングの側縁に摺接する位置に固設されて該側縁に付着している固形物を除去する第2の固形物除去手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の積層リングの側縁検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−90763(P2006−90763A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274347(P2004−274347)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】