説明

端子溶接方法、ブラシレスモータの製造方法及びブラシレスモータ

【課題】簡単に溶接不良を抑制することができる端子溶接方法を提供する。
【解決手段】導電性金属材料よりなる結線ターミナル22と給電ターミナル32とは、互いに接合される部位が重ね合わされる。また、結線ターミナル22には、結線ターミナル22と給電ターミナル32との重ね合わせ方向に沿って接合される相手側の給電ターミナル32に向かって延びるとともに同給電ターミナル32に被さる一対の溶接爪41が設けられている。そして、重ね合わされた結線ターミナル22及び給電ターミナル32に対し溶接爪41に近接した位置で溶接を行って溶接爪41を溶融しつつ結線ターミナル22と給電ターミナル32とを接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子同士を溶接にて接合する端子溶接方法、コイルの端部が接続される端子同士を溶接にて接合するブラシレスモータの製造方法、及びその端子を備えたブラシレスモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のコイルが集中巻にて巻装されたステータを有するブラシレスモータにおいては、各コイルの端部は、導電性の金属板よりなる略帯状の結線ターミナル(端子)にそれぞれ接続される。そして、結線ターミナルは、給電用の給電コネクタがブラシレスモータに接続された後に、該給電コネクタに設けられた導電性の金属板よりなる略帯状の給電ターミナル(端子)と溶接により接合される。結線ターミナルと給電ターミナルとは、長手方向の一端部が厚さ方向に重ね合わされた状態で、幅方向の一端部に溶接(例えばアーク溶接)が施されて接合される。
【0003】
ところで、図15(a)に示すように、結線ターミナル101と給電ターミナル102との溶接時に、両ターミナル間に隙間G2が生じていると、溶接電極103からアーク104が2つに分かれて両ターミナル101,102にそれぞれ飛んでしまい、両ターミナル101,102が別々に溶けてしまうことがある。このように両ターミナル101,102が別々に溶けてしまうと、図15(b)に示すように、結線ターミナル101及び給電ターミナル102のそれぞれに溶融物105ができて両ターミナル101,102が互いに接合されない「溶け分かれ」と呼ばれる溶接不良が生じることがある。
【0004】
また、図16(a)に示すように、結線ターミナル101と給電ターミナル102とが幅方向にずれて段差B2が生じていると、溶接電極103に近い方の結線ターミナル101にのみアーク104が飛び、溶接電極103から遠い方の給電ターミナル102にはアークが飛ばないことがある。すると、図16(b)に示すように、一方の結線ターミナル101のみに溶融物105ができ、結線ターミナル101及び給電ターミナル102が接合されないという溶接不良が生じることがある。
【0005】
これらの溶接不良が生じると、結線ターミナルと給電ターミナルとの間の導通不良が生じてしまう。そこで、溶接不良に起因するターミナル間の導通不良の発生を抑制するために、特許文献1に記載されているように、互いに接合する2つのターミナルのそれぞれに予めアークを飛ばす予備溶接を行った後に、2つのターミナルを接合する本格溶接を行うことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−25303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された溶接方法では、予備溶接を行った後に本格溶接を行うため、溶接に要する工程数が多くなってしまう。従って、生産性の低下が懸念される。また、本格溶接を行うための設備に加えて、予備溶接を行うための設備が増えてしまうため、設備費等が増大してしまう。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単に溶接不良を抑制することができる端子溶接方法、ブラシレスモータの製造方法及びブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、導電性金属材料よりなる2つの端子を互いに重ね合わせ、その重ね合わせ方向と直交する一方向から溶接を施すことにより2つの前記端子を接合する端子溶接方法であって、少なくとも一方の前記端子には、接合される相手側の前記端子に向かって前記重ね合わせ方向に沿って延びるとともに接合される相手側の前記端子に被さる少なくとも1つの溶接爪が形成され、重ね合わされた2つの前記端子に対し前記溶接爪に近接した位置で溶接を行って前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することをその要旨としている。
【0010】
同方法によれば、溶接爪は、2つの端子の重ね合わせ方向に沿って接合される相手側の端子に向かって延びるとともに、接合される相手側の端子に被さっている。そして、2つの端子の溶接時には、溶接爪に近接した位置で溶接が行われ、溶接に伴って溶接爪が溶融される。従って、2つの端子が重ね合わせ方向に離間して2つの端子間に隙間が存在する場合であっても、溶接爪が一方の端子から延びて他方の端子に被さっている限り、2つの端子は溶接爪を介して接合される。また、2つの端子が重ね合わせ方向と直交する方向にずれており溶接が施される部位に段差を有する場合であっても、溶接爪が接合される相手側の端子に被さっているため、溶融した溶接爪が接合される相手側の端子に付着することにより、2つの端子は溶接爪を介して接合される。更に、2つの端子間に重ね合わせ方向の隙間が存在し、且つ2つの端子における溶接が施される部位に段差を有する場合であっても、溶接爪が接合される相手側の端子に被さっているため、溶融した溶接爪が接合される相手側の端子に付着することにより、2つの端子は溶接爪を介して接合される。このように、少なくとも一方の端子に少なくとも1つの溶接爪を設けることにより、1つの溶接箇所につき一度の溶接で2つの端子を互いに接合可能であるとともに、簡単に溶接不良を抑制することができる。尚、本発明において、「溶接爪に近接した位置」とは、溶接を施した際にその溶接に伴って溶接爪の溶融が可能な位置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端子溶接方法において、前記溶接爪は、2つの前記端子に対し合計で2つ形成されるとともに溶接時における溶接電極の前記端子への近接方向及び前記重ね合わせ方向と直交する方向に間隔を空けて形成され、重ね合わされた2つの前記端子に対し2つの前記溶接爪間の中央部に前記溶接電極を近接させて2つの前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することをその要旨としている。
【0012】
同方法によれば、溶接電極は、重ね合わせられた2つの端子において、2つの溶接爪間の中央部に近接される。従って、2つの溶接爪を同時に略等しく溶融して2つの端子を容易に接合することができる。また、2つの端子に対し溶接爪が合計で2つ設けられているため、これら溶接爪によってより強固に2つの端子を接合することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の端子溶接方法において、前記溶接爪は、少なくとも1つの前記端子に少なくとも一対形成されるとともに、対をなす前記溶接爪は、先端部に一体に形成された連結部にて連結されており、前記溶接爪と共に前記連結部を溶融しつつ2つの前記端子を接合することをその要旨としている。
【0014】
同方法によれば、2つの端子の溶接時には、溶接爪に加えて連結部も溶融されるため、より広い範囲に亘って2つの端子が接合されることになる。従って、2つの端子を更に強固に接合することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の端子溶接方法において、前記溶接爪は、その延設方向の中央部がその先端及び基端よりも幅広に形成され、前記溶接爪の延設方向の中央部と隣り合う位置で溶接を行って前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することをその要旨としている。
【0016】
同方法によれば、2つの端子の重ね合わせ方向に延びる溶接爪は、その延設方向の中央部がその基端部及び先端部に比べて幅広に形成されている。そして、溶接時には、重ね合わされた2つの端子に対し、溶接爪の延設方向の中央部と隣り合う位置、即ち幅広に形成された部位と隣り合う位置に溶接電極が近接される。従って、溶接爪が溶融して生じる溶融物が、互いに接合される2つの端子間により多く存在することになるため、2つの端子を一層強固に接合することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の端子溶接方法において、前記溶接爪は、一方の前記端子に少なくとも2つ形成されていることをその要旨としている。
【0018】
同方法によれば、溶接爪は、一方の端子のみに形成されるため、他方の端子の設計変更を行わなくてもよい。また、溶接爪が2つ以上設けられる場合、一方の端子のみに溶接爪が設けられると、溶接爪間の間隔に誤差が生じ難く所望の間隔としやすいとともに、複数の溶接爪の他方の端子に対する高さ位置を一定にしやすい。従って、溶接箇所の溶接状態のばらつきを抑制することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の端子溶接方法において、前記溶接爪は、2つの前記端子にそれぞれ形成されていることをその要旨としている。
【0020】
同方法によれば、一方の端子は、該端子に設けられた溶接爪を介して他方の端子に接合されるとともに、他方の端子は、該端子に設けられた溶接爪を介して一方の端子に接合される。即ち、2つの端子は、それぞれに設けられた溶接爪を介して互いに接合され合う。また、溶接爪が一方の端子のみに設けられる場合には、2つの端子の溶接強度は、一方の端子に設けられた溶接爪と他方の端子との位置関係に依存する。それに比べて、本発明では、2つの端子の溶接強度は、一方の端子に設けられた溶接爪と他方の端子との位置関係、及び他方の端子に設けられた溶接爪と一方の端子との位置関係に依存する。従って、溶接により接合された部位の信頼性を高めることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の端子溶接方法において、各前記端子は板状をなすとともに、一方の前記端子と他方の前記端子とは接合する部分が厚さ方向に重なるように重ね合わされ、前記溶接爪は、前記端子の厚さ方向に沿って延びていることをその要旨としている。
【0022】
同方法によれば、板状の端子を溶接にて接合する場合において、溶接爪を溶融しつつ溶接することにより、溶接不良を低減することができる。
請求項8に記載の発明は、ステータコアに複数のコイルを巻装してなるステータと、導電性の金属板材よりなり前記コイルの端部が結線された複数の結線端子とを備え、前記コイルに電源を供給するための給電コネクタに設けられた複数の給電端子と複数の前記結線端子とをそれぞれ重ね合わせ、その重ね合わせ方向と直交する一方向から溶接を施すことにより前記給電端子と前記結線端子とを接合するブラシレスモータの製造方法であって、各前記結線端子及び各前記給電端子は板状をなすとともに、前記結線端子及び前記給電端子の少なくとも一方の端子には、接合される相手側の端子に向かって端子の厚さ方向に沿って延び接合される相手側の前記端子に被さる少なくとも1つの溶接爪が形成され、前記結線端子と前記給電端子とは接合する部分が厚さ方向に重なるように重ね合わされ、重ね合わされた前記結線端子及び前記給電端子に対し前記溶接爪に近接した位置に溶接を施して前記溶接爪を溶融しつつ前記結線端子及び前記給電端子を接合することをその要旨としている。
【0023】
同方法によれば、溶接爪は、結線端子及び給電端子の重ね合わせ方向に沿って、接合される相手側の端子に向かって延びるとともに、接合される相手側の端子に被さっている。そして、結線端子及び給電端子の溶接時には、溶接爪に近接した位置で溶接が行われ、溶接に伴って溶接爪が溶融される。従って、結線端子及び給電端子が重ね合わせ方向に離間して2つの端子間に隙間が存在する場合であっても、溶接爪が一方の端子から延びて他方の端子に被さっている限り、2つの端子は溶接爪を介して接合される。また、結線端子及び給電端子が重ね合わせ方向と直交する方向にずれており溶接が施される部位に段差を有する場合であっても、溶接爪が接合される相手側の端子に被さっているため、溶融した溶接爪が接合される相手側の端子に付着することにより、結線端子及び給電端子は溶接爪を介して接合される。更に、結線端子及び給電端子間に重ね合わせ方向の隙間が存在し、且つ接合される結線端子及び給電端子において溶接が施される部位に段差が存在する場合であっても、溶接爪が接合される相手側の端子に被さっているため、溶融した溶接爪が接合される相手側の端子に付着することにより、結線端子及び給電端子は溶接爪を介して接合される。このように、結線端子及び給電端子の少なくとも一方の端子に少なくとも1つの溶接爪を設けることにより、1つの溶接箇所につき一度の溶接で結線端子及び給電端子を互いに接合可能であるとともに、簡単に溶接不良を抑制することができる。その結果、製造されたブラシレスモータにおいて、給電端子及び結線端子を介してコイルへ良好に電源を供給することができる。尚、本発明において、「溶接爪に近接した位置」とは、溶接を施した際にその溶接に伴って溶接爪の溶融が可能な位置である。
【0024】
請求項9に記載の発明は、ステータコアに複数のコイルを巻装してなるステータと、導電性の金属板材よりなり前記コイルの端部が結線された複数の結線端子とを備え、前記コイルに電源を供給するための給電コネクタに設けられた複数の給電端子と複数の前記結線端子とがそれぞれ重ね合わされ溶接によりそれぞれ接合されたブラシレスモータであって、各前記結線端子及び各前記給電端子は、板状をなすとともに互いに接合される部分が厚さ方向に重ね合わされ、更に、前記結線端子及び前記給電端子の少なくとも一方の端子に形成された、前記結線端子及び前記給電端子の重ね合わせ方向に沿って延び重ね合わせられた相手側の端子に被さる少なくとも1つの溶接爪を溶融して接合されていることをその要旨としている。
【0025】
同構成によれば、溶接爪は、結線端子及び給電端子の重ね合わせ方向に沿って、接合される相手側の端子に向かって延びるとともに、接合される相手側の端子に被さるように形成されている。そして、結線端子及び給電端子は溶接爪が溶融して互いに接合されている。従って、結線端子及び給電端子が重ね合わせ方向に離間して2つの端子間に隙間が存在する場合であっても、溶接爪が一方の端子から延びて他方の端子に被さっている限り、2つの端子は溶接爪を介して接合される。また、結線端子及び給電端子が重ね合わせ方向と直交する方向にずれており溶接が施される部位に段差を有する場合であっても、溶接爪が接合される相手側の端子に被さっているため、溶融した溶接爪が接合される相手側の端子に付着することにより、結線端子及び給電端子は溶接爪を介して接合される。更に、結線端子及び給電端子間に重ね合わせ方向の隙間が存在し、且つ接合される結線端子及び給電端子において溶接が施される部位に段差が存在する場合であっても、溶接爪が接合される相手側の端子に被さっているため、溶融した溶接爪が接合される相手側の端子に付着することにより、結線端子及び給電端子は溶接爪を介して接合される。このように、結線端子及び給電端子の少なくとも一方の端子に設けられた少なくとも1つの溶接爪を溶融して互いに接合された結線端子及び給電端子は、溶接爪という簡単な構成で溶接不良が抑制されている。よって、本発明のブラシレスモータにおいては、給電端子及び結線端子を介したコイルへの電源の供給が良好に行われる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、簡単に溶接不良を抑制可能な端子溶接方法、ブラシレスモータの製造方法及びブラシレスモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ブラシレスモータの概略図。
【図2】ブラシレスモータの部分拡大図。
【図3】ステータの平面図。
【図4】ターミナルホルダが固定されたステータの側面図。
【図5】結線ターミナルと給電ターミナルとの接合部分の斜視図。
【図6】溶接時の結線ターミナル及び給電ターミナルの斜視図。
【図7】(a)は溶接中の結線ターミナルと給電ターミナルを厚さ方向から見た側面図、(b)は溶接後の結線ターミナルと給電ターミナルを厚さ方向から見た側面図、(c)は溶接中の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図、(d)は溶接後の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図。
【図8】(a)は溶接中の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図、(b)は溶接後の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図。
【図9】(a)は溶接中の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図、(b)は溶接後の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図。
【図10】(a)は溶接中の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図、(b)は溶接後の結線ターミナルと給電ターミナルの断面図。
【図11】別の形態の結線ターミナルと給電ターミナルの部分拡大平面図。
【図12】別の形態の溶接爪を備えた結線ターミナルと給電ターミナルの平面図。
【図13】別の形態の溶接爪を備えた結線ターミナルと給電ターミナルの平面図。
【図14】別の形態の溶接爪を備えた結線ターミナルと給電ターミナルの平面図。
【図15】(a)は溶接中の従来のターミナルを示す断面図、(b)は溶接後の従来のターミナルを示す断面図。
【図16】(a)は溶接中の従来のターミナルを示す断面図、(b)は溶接後の従来のターミナルを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のブラシレスモータを示す。有底円筒状のハウジングケース1は、その開口部に径方向外側に向かって延設されたフランジ部1aを有するとともに、その内周面には、円環状のステータ2が固定されている。ステータ2の内側には、周方向に回転可能に支持されるロータ3(図1では二点鎖線にて図示)が配置される。尚、ハウジングケース1の開口部は図示しない略円板状のエンドフレームにて閉塞される。
【0029】
図3に示すように、ステータ2を構成するステータコア11は、円筒状の固定部11aと、該固定部11aの内周面から径方向内側に向かって延びる12本のティース11bとから構成されている。固定部11aの内周面には、軸方向に沿って延びる固定溝11cが周方向に等角度間隔となる24箇所に形成されるとともに、各固定溝11cは、径方向外側に向かうに連れてその周方向の幅が広くなっている。また、各ティース11bの径方向外側の基端部には、径方向外側に突出する固定突条部11dが形成されるとともに、各固定突条部11dは、固定溝11cに対応した形状をなしており、径方向外側に向かうに連れてその周方向の幅が広くなっている。そして、各ティース11bは、周方向に1つ置きの固定溝11cに、固定部11aの軸方向の一端側から固定突条部11dを嵌入することにより、固定部11aに対してそれぞれ組み付けられている。
【0030】
各ティース11bには、絶縁性の合成樹脂材料よりなるインシュレータ12がそれぞれ装着されている。各インシュレータ12は、略四角筒状をなし、各ティース11bの基端側から各ティース11bに外挿されてティース11bの軸方向の両端面及び周方向の両側面を被覆している。そして、各ティース11bには、インシュレータ12の上から導線13が集中巻にて複数回巻回されることにより、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4が巻装されている。これらのコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4は、インシュレータ12によってステータコア11と電気的に絶縁されている。本実施形態では、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4のうち、2個ずつの同相のコイルが渡り線(図示略)にて連結されつつ連続して巻回されており、各コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の巻き始めの端部及び巻き終わりの端部の何れか一方の端部がステータコア11の軸方向の一端側に引き出されている。
【0031】
尚、各ティース11bは、インシュレータ12が装着されコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4がそれぞれ巻装された後に固定部11aに組み付けられる。詳しくは、各ティース11bは、ステータコア11を軸方向の一端側から見た場合に、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4が、時計方向に、コイルU4、コイルV3、コイルW3、コイルU3、コイルV2、コイルW2、コイルU2、コイルV1、コイルW1、コイルU1、コイルV4、コイルW4の順に周方向に並ぶように固定部11aに組み付けられる。
【0032】
図4に示すように、ステータ2における前記コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の端部が引き出された側の軸方向の一端部(図1においてハウジングケース1の開口部側の端部)には、絶縁性の合成樹脂材料よりなるターミナルホルダ20が固定されている。図1に示すように、ターミナルホルダ20は、略円環状をなしており、その内径はステータ2の内径と等しく、その外径はステータ2の外径と略等しく形成されている。ターミナルホルダ20は、円環状のホルダ本体20aを有し、該ホルダ本体20aの外周縁の5箇所には、径方向外側に向かって延びる延設固定部20bが一体に形成されるとともに、各延設固定部20bの先端部には、軸方向に沿ってステータ2側(図1においては紙面奥側)に延びる係止爪20cが一体に形成されている。更に、ホルダ本体20aの外周縁には、径方向外側に向かって延びる延設保持部20dが一体に形成されるとともに、該延設保持部20dの先端部には、軸方向に沿ってステータ2側に延びる係止爪20cが一体に形成されている。また、延設保持部20dにおけるステータ2と反対側の面には、3つの保持溝20e〜20gが凹設されている。これら保持溝20e〜20gは、軸方向に凹設されるとともに、ステータ2の径方向に略沿うように形成され、ターミナルホルダ20の径方向内側及び径方向外側に開口している。そして、図1及び図4に示すように、ターミナルホルダ20は、延設固定部20b及び延設保持部20dの係止爪20cが、ステータ2の軸方向の一端側でインシュレータ12にスナップフィット係合されることにより、ステータ2に対して固定されている。
【0033】
ターミナルホルダ20におけるステータ2と反対側の端面上には、バスバー21及び3つの結線ターミナル22,23,24が固定されている。
ターミナルホルダ20の図1における下側の部位に固定されたバスバー21は、略帯状に打ち抜かれた導電性金属板材(導電性金属材料)を長手方向に屈曲して形成されており、その長手方向がホルダ本体20aの周方向に沿った略円弧状をなしている。そして、バスバー21は、該バスバー21の幅方向(即ち短手方向)とホルダ本体20aの軸方向(ステータ2の軸方向に同じ)とが一致するようにターミナルホルダ20に対して固定されている。
【0034】
また、バスバー21の幅方向の端部であってホルダ本体20aと反対側の端部には、6個の接続部21aが一体に設けられている。6個の接続部21aは、バスバー21の長手方向の両端部、及び両端部間の4箇所に形成されるとともに、バスバー21の長手方向に等間隔となるように形成されている。また、各接続部21aは、バスバー21の幅方向に沿ってターミナルホルダ20と反対側に延びるとともに、その先端部には、バスバー21の幅方向から見た形状が略U字状をなす結線爪21bが一体に形成されている。そして、各接続部21aの結線爪21bには、コイルU1,W1,V1,U2,W2,V2の端部がそれぞれ1本ずつ接続されている。詳しくは、コイルU1,W1,V1,U2,W2,V2の端部がU字状の結線爪21b内にそれぞれ配置された後に、コイルU1,W1,V1,U2,W2,V2の端部を挟み込むように各結線爪21bがかしめられ、更に、溶接が施されることにより、各接続部21aにコイルU1,W1,V1,U2,W2,V2の端部がそれぞれ電気的に接続されている。
【0035】
3つの結線ターミナル22,23,24は、ターミナルホルダ20における延設保持部20d側(図1において上側)の部位に固定されている。中央に配置された結線ターミナル22は、ステータ2にU相の電流を供給するためのものであり、該結線ターミナル22に対し反時計方向側(図1において左側)に配置された結線ターミナル23は、ステータ2にV相の電流を供給するためのものであり、残りの結線ターミナル24は、ステータ2にW相の電流を供給するためのものである。各結線ターミナル22〜24は、略帯状に打ち抜かれた導電性金属板材を屈曲して形成されている。そして、結線ターミナル22〜24は、その幅方向(即ち短手方向)がホルダ本体20aの軸方向(ステータ2の軸方向に同じ)と一致するようにターミナルホルダ20に対して固定されている。
【0036】
各結線ターミナル22,23,24における延設保持部20dと反対側の長手方向の一端部には、それぞれ接続部22a,23a,24aが形成されている。接続部22a〜24aは、バスバー21に設けられた接続部21aと同様に、各結線ターミナル22〜24から各結線ターミナル22〜24の幅方向に沿ってターミナルホルダ20と反対側に延びるとともに、その先端部には、各結線ターミナル22〜24の幅方向から見た形状が略U字状をなす結線爪22b,23b,24bが一体に形成されている。そして、結線ターミナル22の結線爪22bには、コイルU3,U4の端部が電気的に接続されるとともに、結線ターミナル23の結線爪23bには、コイルV3,V4の端部が電気的に接続され、更に、結線ターミナル24の結線爪24bには、コイルW3,W4の端部が電気的に接続されている。尚、コイルU3,U4,V3,V4,W3,W4の端部は、前記バスバー21の結線爪21bへのコイルU1,W1,V1,U2,W2,V2の端部の接続と同様に、対応する結線爪22b〜24b内にそれぞれ配置された後に、コイルU3,U4,V3,V4,W3,W4の端部をそれぞれ挟み込むように結線爪22b〜24bがかしめられ、更に溶接が施されることにより、それぞれ対応する結線爪22b〜24bに電気的に接続されている。
【0037】
また、各結線ターミナル22〜24における接続部22a〜24aと反対側の端部には、略長方形の平板状をなす接合部22c,23c,24cがそれぞれ設けられている。各結線側接合部22c〜24cは、延設保持部20dに形成された3つの前記保持溝20e〜20g内にそれぞれ配置されるとともに、ホルダ本体20aの径方向に略沿って互いに平行をなしている。
【0038】
前記ハウジングケース1には、延設保持部20dの先端部と対向する位置に、外部に開口する挿入部1b(図示略)が形成されるとともに、該挿入部1bには、ブラシレスモータに給電するための給電コネクタ30が差し込まれている。給電コネクタ30のコネクタハウジング31は、絶縁性の樹脂材料よりなり、略筒状をなすとともに、その内側に、給電ターミナル32,33,34を保持している。3つの給電ターミナル32〜34は、給電コネクタ30が挿入部1bに嵌入された状態において、ステータ2の周方向に間隔を空けて配置されている。そして、中央の給電ターミナル32はU相の電流を供給するためのものであり、該給電ターミナル32に対し反時計方向側(図1において左側)に配置された給電ターミナル33は、V相の電流を供給するためのものであり、残りの給電ターミナル34は、W相の電流を供給するためのものである。
【0039】
各給電ターミナル32〜34は、所定形状に打ち抜かれた導電性金属板材にて形成されるとともに、各給電ターミナル32〜34におけるブラシレスモータの径方向の中央部側の先端部には、略帯状の平板状をなす給電側接合部32c,33c,34cが設けられている。そして、給電コネクタ30が挿入部1bに嵌入されると、給電側接合部32c〜34cは、径方向外側からそれぞれ保持溝20e〜20g内に挿入される。これにより、給電ターミナル32の給電側接合部32cは、結線ターミナル22の結線側接合部22cと厚さ方向に重ね合わされるとともに、給電ターミナル33の給電側接合部33cは、結線ターミナル23の結線側接合部23cと厚さ方向に重ね合わされ、更に、給電ターミナル34の給電側接合部34cは、結線ターミナル24の結線側接合部24cと厚さ方向に重ね合わされる。また、給電コネクタ30が挿入部1bに嵌入された状態において、給電側接合部32c〜34cは、その幅方向(即ち短手方向)がステータ2の軸方向と一致するとともに、各給電側接合部32c〜34cの短手方向の幅は、結線側接合部22c〜24cの短手方向の幅と等しく形成されている。
【0040】
各保持溝20e〜20g内で互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとは、結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとの重ね合わせ方向と直交する一方向、即ちステータ2の軸方向からアーク溶接が施されることにより、それぞれ接合されている(図5参照)。
【0041】
上記のように構成されたブラシレスモータでは、外部の電源装置に電気的に接続された給電ターミナル32〜34から、結線ターミナル22〜24を介して、120°位相の異なるU相、V相、W相の電流がコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4に供給される。そして、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4に電流が供給されることにより、ステータ2において回転磁界が発生され、該回転磁界に応じてロータ3が回転される。
【0042】
次に、本実施形態のブラシレスモータの製造方法を、結線ターミナル22〜24と給電ターミナル32〜34との溶接による接合を中心に説明する。
まず、結線ターミナル22〜24の結線側接合部22c〜24cと、給電ターミナル32〜34の給電側接合部32c〜34cとをそれぞれ重ね合わせる重ね合わせ工程が行われる。ここで、図2に示すように、重ね合わせ工程において給電ターミナル32〜34と重ね合わされる結線ターミナル22〜24には、一対の溶接爪41がそれぞれ一体に形成されている。尚、図2においては、溶接爪41を二点鎖線にて図示している。
【0043】
結線ターミナル22を例に溶接爪41について詳述すると、図6に示すように、一対の溶接爪41は、結線ターミナル22において長方形の平板状をなす結線側接合部22cに設けられている。そして、一対の溶接爪41は、結線側接合部22cの幅方向(短手方向)の一端部であって、ステータ2と反対側となる端部から延設され、結線側接合部22cの厚さ方向に沿って延びている。また、対をなす溶接爪41は、結線側接合部22cの長手方向に所定間隔だけ離間するように形成されるとともに、互いに平行をなしている。更に、各溶接爪41は、結線側接合部22cの幅方向から見た形状が長方形をなすとともに、その延設方向の長さは、結線側接合部22cの厚さと給電側接合部33cの厚さとの和に略等しい長さとされている。
【0044】
このような溶接爪41を有する結線ターミナル22を形成するには、まず、導電性金属板材を略帯状の平板状に打ち抜く。打ち抜かれて形成された帯状の板材は、結線側接合部22cとなる部位に、該結線側接合部22cの幅方向に延びる一対の溶接爪41が一体に設けられている。そして、プレス加工により帯状の板材を屈曲する際に、同時に、溶接爪41が結線側接合部22cの幅方向と直交するように該溶接爪41の基端部を屈曲する。これにより、溶接爪41を有する結線ターミナル22が形成される。
【0045】
尚、図6には、代表として結線ターミナル22を図示したが、残りの2つの結線ターミナル23,24の結線側接合部23c,24cに一体に設けられた溶接爪41も、結線ターミナル22に設けられた溶接爪41と同じ形状をなしている。
【0046】
そして、図1及び図2に示すように、重ね合わせ工程では、バスバー21及び結線ターミナル22〜24を保持したターミナルホルダ20が固定されたハウジングケース1の挿入部1bに、径方向外側から給電コネクタ30が差し込まれる。すると、保持溝20e〜20g内にそれぞれ給電側接合部32c〜34cが挿入され、保持溝20e〜20g内において、結線ターミナル22〜24の結線側接合部22c〜24cと給電ターミナル32〜34の給電側接合部32c〜34cとがそれぞれ厚さ方向に重ね合わされる。そして、結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとが厚さ方向にそれぞれ重ね合わされると、結線側接合部22c〜24cの厚さ方向に延びる各溶接爪41は、給電側接合部32c〜34cの幅方向の一端部(ステータ2と反対側の端部であってハウジングケース1の開口部側の端部)に覆い被さる。即ち、この状態において、各溶接爪41は、結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとの重ね合わせ方向に沿って延びている。また、同状態において、一対の溶接爪41は、重ね合わせ方向と直交し且つ後述の溶接電極51(図6参照)が近接する方向と直交する方向に離間している。更に、同状態において、溶接爪41は、該溶接爪41が設けられた結線側接合部22c〜24cと隣り合う給電側接合部32c〜34cの幅方向の一端部(ステータ2と反対側の端部であってハウジングケース1の開口部側の端部)に当接する。
【0047】
次に、互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとをアーク溶接により接合する溶接工程が行われる。溶接工程では、ハウジングケース1に固定されたステータ2は、ターミナルホルダ20が上側となるように配置される。そして、結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとは、順に溶接が施されて接合されていく。例えば、時計方向に、結線側接合部23cと給電側接合部33c、結線側接合部22cと給電側接合部32c、結線側接合部24cと給電側接合部34cの順に溶接が行われていく。
【0048】
結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとの溶接について、結線側接合部22c及び給電側接合部32cを例に詳述すると、図6に示すように、まず、重ね合わされた結線側接合部22c及び給電側接合部32cに対し、その重ね合わせ方向と直交し且つ対をなす溶接爪41の離間方向と直交する方向(本実施形態ではステータ2の軸方向に同じ)に沿って上方から溶接電極51が近接される。このとき、溶接電極51は、その先端部が、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目であって一対の溶接爪41間の中央となる位置に対向されている。即ち、溶接電極51は、一対の溶接爪41間の中央を狙って溶接を行うように配置されている。そして、図7(a)及び図7(c)に示すように、溶接電極51に通電してアーク52を発生させることにより、結線側接合部22cと給電側接合部32cにおいて溶接電極51と対向する部位の周辺を溶融するとともに、一対の溶接爪41を溶融する。即ち、一対の溶接爪41間の間隔及び各溶接爪41の体積は、溶接電極51に通電したときに、これら溶接爪41を溶融可能な値に設定されている。また、溶接爪41の形状は、溶接電極51に通電したときの溶接爪41への入熱量も考慮して設定されている。そして、図5、図7(b)及び図7(d)に示すように、溶融した溶接爪41は、結線側接合部22c及び給電側接合部32cと融合されて溶融部53を形成する。その後、溶融部53が冷えて固まることにより、結線側接合部22cと給電側接合部32cとが接合され、結線ターミナル22と給電ターミナル32とが電気的に接続される。
【0049】
結線側接合部23c及び給電側接合部33c同士、並びに、結線側接合部24c及び給電側接合部34c同士の溶接も同様に行われ、結線ターミナル23と給電ターミナル33同士、並びに、結線ターミナル24と給電ターミナル34同士がそれぞれ電気的に接続される。
【0050】
ここで、図8(a)に示すように、例えば、結線側接合部22cと給電側接合部32cとが厚さ方向に離間しており、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの間に隙間G1が存在する場合であっても、結線側接合部22cから延びる溶接爪41が給電側接合部32cに覆い被さる。従って、溶接電極51への通電によりアーク52が発生されて溶接爪41が溶融されると、図8(b)に示すように、溶接爪41の先端部が給電側接合部32cと融合し、結線側接合部22c及び給電側接合部32cに亘って溶融部53が形成されるため、結線側接合部22c及び給電側接合部32cは接合される。
【0051】
また、図9(a)に示すように、溶接爪41が設けられた結線側接合部22cに対し、給電側接合部32cが溶接爪41から離間する方向にずれて結線側接合部22cと給電側接合部32cとが段差B1を有する場合であっても、結線側接合部22cから延びる溶接爪41が給電側接合部32cに覆い被さる。従って、溶接電極51への通電によりアーク52が発生されて溶接爪41が溶融されると、図9(b)に示すように、溶融した溶接爪41が重力によって下がることにより給電側接合部32cに付着して該給電側接合部32cと融合する。その結果、結線側接合部22c及び給電側接合部32cに亘って溶融部53が形成されるため、結線側接合部22cは、溶接爪41を介して給電側接合部32cと接合される。
【0052】
更に、図10(a)に示すように、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの間に隙間G1が存在するとともに、結線側接合部22cと給電側接合部32cとが段差B1を有する場合であっても、結線側接合部22cから延びる溶接爪41が給電側接合部32cに覆い被さる。従って、溶接電極51への通電によりアーク52が発生され、給電側接合部32cの上方まで延びた溶接爪41が溶融されると、溶融した溶接爪41が重力によって下がり給電側接合部32cに付着する。その結果、図10(b)に示すように、溶融した溶接爪41と給電側接合部32cとが融合して、結線側接合部22c及び給電側接合部32cに亘って溶融部53が形成されるため、溶接爪41を介して結線側接合部22c及び給電側接合部32cは接合される。
【0053】
溶接工程の後に、ハウジングケース1の開口部に略円板状のエンドフレーム(図示略)が組付けられてブラシレスモータが完成する。そして、完成したブラシレスモータにおいては、図2及び図5に示すように、結線ターミナル22〜24と給電ターミナル32〜34とは、結線ターミナル22〜24の結線側接合部22c〜24cに設けられた溶接爪41を溶融しつつ接合されているため、より広い範囲に亘って互いに融合して接合されている。尚、図2及び図5においては、溶融前の溶接爪41を二点鎖線にて図示している。
【0054】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)結線側接合部22c〜24cにそれぞれ設けられた一対の溶接爪41は、結線ターミナル22〜24の結線側接合部22c〜24c及び給電ターミナル32〜34の給電側接合部32c〜34cの重ね合わせ方向に沿って接合される相手側の給電側接合部32c〜34cに向かって延びるとともに、給電側接合部32c〜34cに被さっている。そして、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34の溶接時には、溶接爪41に近接した位置、即ち結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cの合わせ目であって対をなす溶接爪41の中央部で溶接が行われ、溶接に伴って溶接爪41が溶融される。従って、互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cが重ね合わせ方向に離間して間に隙間G1が存在する場合であっても、溶接爪41が結線側接合部22c〜24cから延びて給電側接合部32c〜34cに被さっている限り、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は溶接爪41を介してそれぞれ接合される。また、互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cが重ね合わせ方向と直交する方向にずれており溶接が施される部位に段差B1を有する場合であっても、溶接爪41が接合される相手側の給電側接合部32c〜34cに被さっているため、溶融した溶接爪41が接合される相手側の端子に付着することにより、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は溶接爪41を介してそれぞれ接合される。更に、互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34c間に重ね合わせ方向の隙間G1が存在し、且つ互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cにおける溶接が施される部位に段差B1を有する場合であっても、溶接爪41が接合される相手側の給電側接合部32c〜34cに被さっているため、溶融した溶接爪41が接合される相手側の給電側接合部32c〜34cに付着することにより、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は溶接爪41を介してそれぞれ接合される。このように、結線ターミナル22〜24に一対の溶接爪41をそれぞれ設けることにより、結線ターミナル22と給電ターミナル32、結線ターミナル23と給電ターミナル33、結線ターミナル24と給電ターミナル34を、それぞれ一度の溶接で互いに接合可能であるとともに、簡単に溶接不良を抑制することができる。その結果、製造されたブラシレスモータにおいて、給電ターミナル32〜34及び結線ターミナル22〜24を介してコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4へ良好に電源を供給することができる。そして、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34を溶接により接合する際に予備溶接を行わなくてもよいため、生産性の低下が抑制される。また、予備溶接のための設備が不要となるため、設備費の増大を抑制することができる。
【0055】
(2)溶接爪41は、各結線ターミナル22〜24にそれぞれ一対設けられるとともに、溶接時における溶接電極51の結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34への近接方向(即ちステータ2の軸方向)及び結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34の重ね合わせ方向と直交する方向に間隔を空けて形成されている。そして、溶接時には、重ね合わされた結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cに対し、対をなす溶接爪41間の中央部に溶接電極51を近接させて対をなす溶接爪41を溶融しつつ結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cをそれぞれ接合する。従って、対をなす溶接爪41を同時に略等しく溶融して結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34をそれぞれ容易に接合することができる。また、各結線ターミナル22〜24にそれぞれ一対の溶接爪41が設けられているため、溶融した一対の溶接爪41によって結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34の合わせ目のより広い範囲をそれぞれ接合することができる。よって、より強固に結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34をそれぞれ接合することができる。
【0056】
(3)溶接爪41は、互いに接合される結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34のうち、一方の結線ターミナル22〜24のみにそれぞれ一対設けられている。従って、給電ターミナル32〜34の設計変更を行わなくてもよい。また、一対の溶接爪41が一方の結線ターミナル22〜24のみに設けられると、対をなす溶接爪41間の間隔に誤差が生じ難く所望の間隔としやすいとともに、対をなす溶接爪41の給電ターミナル32〜34の給電側接合部32c〜34cに対する高さ位置を一定にしやすい。従って、溶接箇所の溶接状態のばらつきを抑制することができる。
【0057】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ブラシレスモータに備えられる結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34を例に本発明を説明した。しかしながら、溶接により互いに接合される端子であれば、ブラシレスモータ以外のものに利用される端子に本発明を適用してもよい。
【0058】
・上記実施形態では、それぞれ互いに接合される結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は、互いに接合される結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cが厚さ方向に重ね合わされる。しかしながら、互いに接合される結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は、互いに接合される部位が重ね合わされるのであれば、どのように重ね合わされてもよい。例えば、図11に示す例では、結線側接合部22cと給電側接合部32cとは、幅方向に重ね合わされている。この場合、一対の溶接爪41は、結線側接合部22cにおける幅方向の一端であって給電側接合部32c側の端部から重ね合わせ方向に沿って給電側接合部32c側に延びるとともに、給電側接合部32cに被さっている。そして、溶接時には、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目であって一対の溶接爪41間の中央部となる位置を狙って溶接が行われる。すると、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目において結線側接合部22c及び給電側接合部32cが互いに融合するとともに、溶接に伴って2つの溶接爪41が溶融されて給電側接合部32cと融合し、結線側接合部22cと給電側接合部32cとが互いに接合される。従って、このようにしても、上記実施形態の(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
・溶接爪41の形状は上記実施形態の形状に限らない。溶接爪41は、接合される相手側のターミナルに向かってターミナル同士の重ね合わせ方向に沿って延び接合される相手側のターミナルに被さるように、また、溶接時に溶融可能に形成されればよい。例えば、図12に示す溶接爪61は、結線側接合部22cから、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの重ね合わせ方向に沿って給電側接合部32c側に延びるとともに、その延設方向の中央部が先端部及び基端部に比べて幅広に形成されている。より詳しくは、一対の溶接爪61は、先端部及び基端部から延設方向の中央部に向かうに連れて、重ね合わせ方向と直交する方向であって2つの溶接爪61の並設方向と平行な方向に幅が広くなるように形成されている。そして、溶接時には、溶接電極51(図6参照)の先端部が、各溶接爪61の延設方向の中央部と隣り合う位置であって一対の溶接爪61間の中央部となる位置(図12に破線の丸にて図示)に対向するとともに近接され、当該位置を狙って溶接が行われる。尚、図12に示す例では、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目と、溶接爪61の延設方向の中央部とが一致している。すると、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目において結線側接合部22c及び給電側接合部32cが互いに融合するとともに、溶接に伴って2つの溶接爪61が溶融されて給電側接合部32cと融合し、結線側接合部22cと給電側接合部32cとが互いに接合される。このようにすると、溶接時には、重ね合わされた結線側接合部22c及び給電側接合部32cに対し、溶接爪61の延設方向の中央部と隣り合う位置、即ち溶接爪61の幅広に形成された部位と隣り合う位置に溶接電極51が近接される。従って、溶接爪61が溶融して生じる溶融物が、互いに接合される結線側接合部22c及び給電側接合部32cの合わせ目により多く存在することになるため、結線ターミナル22と給電ターミナル32とを一層強固に接合することができる。また、溶接時に発生する熱は、溶接爪61の基端部においては結線側接合部22cから放熱され、溶接爪61の先端部においては、給電側接合部32cから放熱される。
【0060】
また、結線側接合部22c〜24cにそれぞれ設けられた一対の溶接爪41は、両溶接爪41の先端部に一体に設けられた連結部によって連結された形状であってもよい。例えば、図13に示すように、結線側接合部22c及び給電側接合部32cの重ね合わせ方向と直交する方向に離間して設けられた一対の溶接爪71の先端部は、2つの溶接爪71の先端部に一体に設けられた連結部72にて連結されている。そして、一対の溶接爪71及び連結部72は、結線側接合部22cの幅方向(図13においては紙面垂直方向)から見た形状が、結線側接合部22cから給電側接合部32cに向かって突出するように湾曲した略円弧状をなしている。そして、溶接時には、溶接電極51(図6参照)の先端部が、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目であって一対の溶接爪71間の中央部となる位置(図13に破線の丸にて図示)に対向され、当該位置を狙って溶接が行われる。すると、結線側接合部22cと給電側接合部32cとの合わせ目において結線側接合部22c及び給電側接合部32cが互いに融合するとともに、溶接に伴って2つの溶接爪71及び連結部72が溶融されて給電側接合部32cと融合し、結線側接合部22cと給電側接合部32cとが互いに接合される。このようにすると、結線ターミナル22と給電ターミナル32との溶接時には、一対の溶接爪71に加えて連結部72も溶融されるため、より広い範囲に亘って結線ターミナル22及び給電ターミナル32が接合されることになる。従って、結線ターミナル22及び給電ターミナル32を更に強固に接合することができる。また、対をなす溶接爪71は、連結部72によって先端部が連結されて一体化されているため、結線側接合部22cに対して溶接爪71の基端部を屈曲する際、一対の溶接爪71を同時に容易に屈曲することができるとともに、対をなす2つの溶接爪71の給電側接合部32cに対する高さ位置を均一にしやすくなる。
【0061】
また、図14に示す例のように、上記実施形態の一対の溶接爪41を、その先端部において一体に設けられた連結部82にて連結してもよい。尚、図14に示した破線の丸は、溶接時に溶接電極51(図6参照)の先端部が対向される部位である。このようにしても、図13に示した例と同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
・上記実施形態では、互いに接合される結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34のうち、結線ターミナル22〜24のみに溶接爪41が設けられている。しかしながら、溶接爪41は、結線ターミナル22〜24だけでなく、給電ターミナル32〜34にも設けられてもよい。この場合、例えば、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34にそれぞれ1つずつ溶接爪41を設ける。そして、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34における互いに接合される部位がそれぞれ重ね合わされると、結線ターミナル22〜24の溶接爪41と、給電ターミナル32〜34の溶接爪41とがそれぞれ重ね合わせ方向(結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34の重ね合わせ方向)と直交する方向に所定距離だけ離間して配置される。尚、この「所定距離」は、2つの溶接爪41の中央を狙って溶接した場合に、2つの溶接爪41が溶融可能な距離である。このようにすると、結線ターミナル22〜24は、該ターミナル22〜24に設けられた溶接爪41を介して給電ターミナル32〜34にそれぞれ接合されるとともに、給電ターミナル32〜34は、該ターミナル32〜34に設けられた溶接爪41を介して結線ターミナル22〜24にそれぞれ接合される。即ち、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は、それぞれに設けられた溶接爪41を介して互いに接合され合う。また、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34のうち一方の結線ターミナル22〜24のみに溶接爪41が設けられる場合には、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34それぞれの溶接強度は、結線ターミナル22〜24のみに設けられた溶接爪41と給電ターミナル32〜34との位置関係に依存する。それに比べて、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34のそれぞれに溶接爪41を設けた場合には、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34それぞれの溶接強度は、結線ターミナル22〜24の溶接爪41と給電ターミナル32〜34との位置関係と、給電ターミナル32〜34の溶接爪41と結線ターミナル22〜24との位置関係とに依存する。従って、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34のそれぞれに溶接爪41を設けることにより、溶接の安定性が向上するとともに、溶接により接合された部位の信頼性を高めることができる。
【0063】
・上記実施形態では、結線ターミナル22〜24には、それぞれ一対の溶接爪41(即ち2つの溶接爪41)が設けられている。しかしながら、溶接爪41は、互いに接合される結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34において、少なくとも一方のターミナルに少なくとも1つ形成されていればよい。
【0064】
・上記実施形態では、結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとの合わせ目であって一対の溶接爪41間の中央部となる位置に溶接電極51の先端部が対向され、当該位置を狙って溶接が行われる。しかしながら、溶接時に互いに重ね合わされた結線側接合部22c〜24c及び給電側接合部32c〜34cを部分的に溶融可能で且つ溶接爪41を溶融可能であれば、結線側接合部22c〜24cと給電側接合部32c〜34cとの合わせ目であって一対の溶接爪41間の中央部となる位置からずれた位置に溶接電極51の先端部を対向させてもよい。
【0065】
・上記実施形態では、互いに接合される結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34はそれぞれ板状をなしている。しかしながら、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34は、導電性金属材料よりなり、互いに接合可能で且つ溶接爪41の形成が可能であれば、棒状等であってもよい。
【0066】
・上記実施形態では、溶接爪41は、結線ターミナル22〜24をプレス加工により屈曲して形成する際に同時に、その基端部が屈曲されて結線側接合部22c〜24cの厚さ方向に延びるように形成される。しかしながら、溶接爪41の基端部の屈曲は、重ね合わせ工程の後に行われてもよい。
【0067】
・上記実施形態では、結線ターミナル22〜24及び給電ターミナル32〜34を、アーク溶接によりそれぞれ接合しているが、アーク溶接以外の溶融溶接(レーザ溶接、電子ビーム溶接等)により接合してもよい。
【0068】
上記実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項1に記載の端子溶接方法において、前記溶接爪は、2つの前記端子に対し合計で2つ形成されるとともに前記重ね合わせ方向と直交する方向に間隔を空けて形成され、重ね合わされた2つの前記端子に対し2つの前記溶接爪間の中央部を狙って溶接を行うことにより2つの前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することを端子溶接方法。同方法によれば、2つの溶接爪を同時に略等しく溶融して2つの端子を容易に接合することができる。また、2つの端子に対し溶接爪が合計で2つ設けられているため、これら溶接爪によってより強固に2つの端子を接合することができる。
【符号の説明】
【0069】
2…ステータ、11…ステータコア、22〜24…端子及び結線端子としての結線ターミナル、30…給電コネクタ、32〜34…端子及び給電端子としての給電ターミナル、41,61,71…溶接爪、51…溶接電極、72,82…連結部、U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4…コイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性金属材料よりなる2つの端子を互いに重ね合わせ、その重ね合わせ方向と直交する一方向から溶接を施すことにより2つの前記端子を接合する端子溶接方法であって、
少なくとも一方の前記端子には、接合される相手側の前記端子に向かって前記重ね合わせ方向に沿って延びるとともに接合される相手側の前記端子に被さる少なくとも1つの溶接爪が形成され、
重ね合わされた2つの前記端子に対し前記溶接爪に近接した位置で溶接を行って前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することを特徴とする端子溶接方法。
【請求項2】
請求項1に記載の端子溶接方法において、
前記溶接爪は、2つの前記端子に対し合計で2つ形成されるとともに溶接時における溶接電極の前記端子への近接方向及び前記重ね合わせ方向と直交する方向に間隔を空けて形成され、
重ね合わされた2つの前記端子に対し2つの前記溶接爪間の中央部に前記溶接電極を近接させて2つの前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することを特徴とする端子溶接方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の端子溶接方法において、
前記溶接爪は、少なくとも1つの前記端子に少なくとも一対形成されるとともに、対をなす前記溶接爪は、先端部に一体に形成された連結部にて連結されており、
前記溶接爪と共に前記連結部を溶融しつつ2つの前記端子を接合することを特徴とする端子溶接方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の端子溶接方法において、
前記溶接爪は、その延設方向の中央部がその先端及び基端よりも幅広に形成され、
前記溶接爪の延設方向の中央部と隣り合う位置で溶接を行って前記溶接爪を溶融しつつ2つの前記端子を接合することを特徴とする端子溶接方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の端子溶接方法において、
前記溶接爪は、一方の前記端子に少なくとも2つ形成されていることを特徴とする端子溶接方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の端子溶接方法において、
前記溶接爪は、2つの前記端子にそれぞれ形成されていることを特徴とする端子溶接方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の端子溶接方法において、
各前記端子は板状をなすとともに、一方の前記端子と他方の前記端子とは接合する部分が厚さ方向に重なるように重ね合わされ、前記溶接爪は、前記端子の厚さ方向に沿って延びていることを特徴とする端子溶接方法。
【請求項8】
ステータコアに複数のコイルを巻装してなるステータと、導電性の金属板材よりなり前記コイルの端部が結線された複数の結線端子とを備え、前記コイルに電源を供給するための給電コネクタに設けられた複数の給電端子と複数の前記結線端子とをそれぞれ重ね合わせ、その重ね合わせ方向と直交する一方向から溶接を施すことにより前記給電端子と前記結線端子とを接合するブラシレスモータの製造方法であって、
各前記結線端子及び各前記給電端子は板状をなすとともに、前記結線端子及び前記給電端子の少なくとも一方の端子には、接合される相手側の端子に向かって端子の厚さ方向に沿って延び接合される相手側の前記端子に被さる少なくとも1つの溶接爪が形成され、
前記結線端子と前記給電端子とは接合する部分が厚さ方向に重なるように重ね合わされ、重ね合わされた前記結線端子及び前記給電端子に対し前記溶接爪に近接した位置に溶接を施して前記溶接爪を溶融しつつ前記結線端子及び前記給電端子を接合することを特徴とするブラシレスモータの製造方法。
【請求項9】
ステータコアに複数のコイルを巻装してなるステータと、導電性の金属板材よりなり前記コイルの端部が結線された複数の結線端子とを備え、前記コイルに電源を供給するための給電コネクタに設けられた複数の給電端子と複数の前記結線端子とがそれぞれ重ね合わされ溶接によりそれぞれ接合されたブラシレスモータであって、
各前記結線端子及び各前記給電端子は、板状をなすとともに互いに接合される部分が厚さ方向に重ね合わされ、更に、前記結線端子及び前記給電端子の少なくとも一方の端子に形成された、前記結線端子及び前記給電端子の重ね合わせ方向に沿って延び重ね合わせられた相手側の端子に被さる少なくとも1つの溶接爪を溶融して接合されていることを特徴とするブラシレスモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−200462(P2010−200462A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41390(P2009−41390)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】